JP2001324722A - 液晶装置および電子機器 - Google Patents

液晶装置および電子機器

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JP2001324722A
JP2001324722A JP2000140965A JP2000140965A JP2001324722A JP 2001324722 A JP2001324722 A JP 2001324722A JP 2000140965 A JP2000140965 A JP 2000140965A JP 2000140965 A JP2000140965 A JP 2000140965A JP 2001324722 A JP2001324722 A JP 2001324722A
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Shuhei Yamada
周平 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いた
液晶セルにおいて、温度変化によるコントラスト低下を
充分に防止し得る液晶装置の構成を提供する。 【解決手段】 本発明の液晶装置1は、所定の偏光軸p
1を有する入射側偏光板2と、表示用セル3と、温度補
償用セル4と、入射側偏光板の偏光軸と直交する偏光軸
p2を有する出射側偏光板5とが、光の入射側からこの
順に積層されている。温度補償用セル4は、対向配置さ
れた一対のガラス基板25,26と、各ガラス基板表面
に形成されたITO等の透明性導電膜からなる透明電極
27,28と、透明電極上に形成された配向膜29,3
0と、配向膜間に挟持されたV字モードの反強誘電性液
晶等からなる液晶層31とから概略構成されており、表
示用セル3と温度補償用セル4との間に温度センサ33
と温度補償回路34とが設置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置および電
子機器に関し、特に強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を
用い、温度変化等の環境変化によるコントラストの低下
を極力小さくすることができる液晶装置の構成に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶を用いた液晶表示装置(Li
quid Crystal Display, 以下、LCDと略記することも
ある)は、従来一般のTN液晶、STN液晶などを用い
たLCDと比べて応答速度が極めて速く、高速のスイッ
チングが可能になる、特にメモリー性を有するタイプの
ものではコントラストの劣化が少なく、高品位の画質が
実現できる、といった利点を有しており、一部で商品化
もなされている。
【0003】ところで、LCDにおける問題点の一つ
に、液晶材料の温度依存性が挙げられる。TN液晶など
では材料の温度依存性はかなり改善されているものの、
強誘電性液晶では依然として大きな問題となっている。
具体的な問題の一つとして、液晶の温度変化によって偏
光板の偏光軸に対する液晶分子の配向方向がずれるとい
う現象がある。
【0004】図15は、強誘電性液晶を用いたLCDに
おける印加電界の極性を変えた場合の液晶分子の配列状
態を模式的に示したものである。この図において強誘電
性液晶が形成するスメクティック層の法線(符号Lで示
す)方向に対する液晶分子100の長軸方向のなす角度
(傾き角という)をθとすると、液晶分子100の長軸
方向の最大の開き角2θ(以下、コーン角という)の温
度依存性は、例えば図6に示すようになり、液晶の温度
が上がるにつれてコーン角2θが小さくなる傾向にあ
る。この現象があるために、例えば温度変化が激しい環
境下でLCDを使用すると、温度が低い場合と比べて温
度が高い状態ではコントラストが低下するという問題が
生じる。
【0005】この問題を解決する一つの手段として、強
誘電性液晶を用いた液晶セルに温度補償セルを積層した
構造の液晶素子が、特開平4−121711号公報に開
示されている。図17はこの公報に開示された液晶素子
の構造を示す図である。図17の液晶素子101は反射
型液晶表示装置の例であって、光Sの入射側から偏光板
102、温度補償セル103、マトリクス駆動セル10
4、反射板105が積層されている。温度補償セル10
3は、液晶を挟んで対峙する一方の配向膜をポリビニル
アルコール、他方の配向膜をポリイミドというように別
種の配向膜を用い、一対の基板間でハイブリッドな配向
状態を実現したことで直線偏光を旋光させる作用を有し
ている。
【0006】よって、温度補償セル103におけるツイ
スト角の温度特性が、使用温度範囲においてマトリクス
駆動セル104のチルト角の温度特性に近いか、略同程
度のものを選択することによって、コントラスト等の表
示特性の温度依存性を改善することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
公報に開示された温度補償技術では、強誘電性液晶を用
いた液晶セルにおいて、偏光板の偏光軸に対する液晶分
子の配向方向の温度変化によるずれを温度補償セルによ
って完全に補償することは不可能であった。その理由
は、実際に表示を行う強誘電性液晶セルと温度補償セル
ではもともと光の変調原理が異なるため、種々の特性を
持つ多数の温度補償セルの中から強誘電性液晶セルのチ
ルト角の温度変化に近いものを、実験を行いながら選択
するしかなかった。したがって、温度補償セルを設けな
い場合に比べれば、温度変化によるコントラストの低下
をある程度防ぐことはできるが、コントラストの大幅な
改善、もしくはコントラスト低下をほとんど生じないよ
うにするのは不可能であった。また、この種の問題は、
強誘電性液晶のみならず、反強誘電性液晶にも共通の問
題であった。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、強誘電性液晶もしくは反強誘電性
液晶を用いた液晶セルにおいて、温度変化によるコント
ラストの低下を充分に防止し得る液晶装置の構成を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の液晶装置は、第1の偏光板と、互いに対
向する電極を有する一対の基板間に、自発分極を有し、
電界の有無により液晶分子の配向方向が基板面と平行な
面内で回転する第1の液晶層が挟持された第1の液晶セ
ルと、互いに対向する電極を有する一対の基板間に、電
界の有無により液晶分子の配向方向が基板面と平行な面
内で回転する第2の液晶層が挟持され、第1の液晶層の
配向方向の変化に伴う第1の液晶セルの透過光の偏光軸
方向のずれを、第1の液晶層の配向方向の変化前の状態
に対応する透過光の偏光軸方向に戻すように補償する第
2の液晶セルと、第1の偏光板の偏光軸と直交する偏光
軸を有する第2の偏光板とが、光の入射側からこの順に
重ね合わされてなることを特徴とする。特に第2の液晶
セルは、第1の液晶層の温度変化に起因する配向方向の
変化に伴う透過光の偏光軸方向のずれを補償するもので
ある。
【0010】本発明の液晶装置も従来の液晶装置と同
様、実際に表示を行う第1の液晶セルと、第1の液晶セ
ルの液晶分子のコーン角の温度変化による偏光軸方向の
ずれを補償する温度補償用の第2の液晶セルを積層した
ものである。ところが、従来の液晶装置の場合、表示用
の第1の液晶セルと温度補償用の第2の液晶セルとで光
の変調原理が異なっていたのに対し、本発明の液晶装置
では、第1の液晶セル、第2の液晶セルともに、自発分
極を有し、電界の有無によってその配向方向が基板面と
平行な面内で回転するタイプの液晶、例えば強誘電性液
晶、反強誘電性液晶等の液晶が用いられており、第1の
液晶セルと第2の液晶セルの光の変調原理は基本的に同
じである。
【0011】従来の透過型液晶装置では、まず図13
(a)に示すように、ノーマリーブラックモードの黒表
示状態において、温度T1の場合、入射側偏光板(図で
は偏光板1と記す)、液晶セル(図では表示パネルと記
す)を透過した後の光はその偏光軸が入射側偏光板の偏
光軸に一致しており、出射側偏光板(図では偏光板2と
記す)の偏光軸に対して垂直になっているので、光漏れ
は起こらず、コントラスト低下は起こらない。次に図1
3(b)に示すように、温度T2の場合、液晶セル内の
液晶の温度がT1からT2に変化することにより、液晶
の配向方向が基板面と平行な面内で矢印Aで示す向きに
回転する。すると、液晶セルを透過した後の光の偏光軸
は出射側偏光板の偏光軸に対して垂直にはならなくな
り、出射側偏光板の偏光軸に平行な成分が現れるため、
その分、光漏れが生じる。その結果、コントラストが低
下する。
【0012】これに対して、本発明の液晶装置では、表
示用の第1の液晶セルと温度補償用の第2の液晶セルが
積層されているので、図14(a)に示すように、温度
T1の場合、第2の液晶セル(図では補償パネルと記
す)には何の作用も生じることなく、入射側偏光板、第
1の液晶セル、第2の液晶セルを順次透過した後の光の
偏光軸は入射側偏光板の偏光軸に一致したままであり、
出射側偏光板の偏光軸に対して垂直になっているので、
光漏れは起こらず、コントラストは低下しない。次に図
14(b)に示すように、温度T2の場合、第1の液晶
セル内の液晶の温度がT1からT2に変化することによ
り液晶の配向方向が基板面と平行な面内で矢印Aで示す
向きに回転し、それに伴って第1の液晶セルの透過光の
偏光軸が基板面と平行な面内で回転する(ずれる)。こ
の時、第2の液晶セルの液晶の配向方向が第1の液晶セ
ルと逆回りに矢印Bで示す向きに回転することにより、
その偏光軸のずれが温度変化前の偏光軸方向に戻るよう
に温度補償が行われる。これにより、第2の液晶セルを
透過した後の光の偏光軸が出射側偏光板の偏光軸に対し
て垂直になるので、光漏れは起こらず、コントラストの
低下が起こらない。
【0013】このようにして、本発明の液晶装置によれ
ば、第1の液晶セルの温度変化に起因するコントラスト
の低下を防止することができる。特に本発明では、第1
の液晶セルと第2の液晶セルの光の変調原理が同じであ
るため、完全な温度補償を行うことができ、従来のよう
に多数の温度補償セルの中から最適なものを選択する必
要もなく、コントラスト低下を容易にかつ確実に防止す
ることができる。
【0014】温度補償の原理は以上の通りであるが、具
体的な方法としては以下の2つが考えられる。第1の方
法は、第2の液晶セルにおける液晶の配向方向を電界に
より制御するものである。つまり、液晶装置の構成とし
ては、第1の液晶層の温度変化を検出する温度検出手段
と、この温度検出手段により検出された温度変化に対応
する透過光の偏光軸方向のずれを相殺できるだけの偏光
軸方向の変化が得られるように第2の液晶層の配向方向
を変化させる電界を第2の液晶層に印加する電界印加手
段とを備えればよい。
【0015】この構成を採用する場合、具体的には、表
示用の第1の液晶セルにおける第1の液晶層の配向方向
変化の温度依存性を予め測定しておく。一方、温度補償
用の第2の液晶セルにおける第2の液晶層の配向方向変
化の印加電界依存性も予め測定しておく。そして、液晶
装置の動作は、まず温度検出手段により第1の液晶層の
温度変化を検出し、次に電界印加手段により、第2の液
晶セルにおいてその温度変化による透過光の偏光軸方向
のずれを相殺できるだけの偏光軸方向の変化が得られる
ように、第2の液晶層の配向方向を変化させられるだけ
の電界を第2の液晶に印加する。
【0016】この第1の方法においては、第2の液晶セ
ルに用いる第2の液晶層として、非メモリー性の強誘電
性液晶または反強誘電性液晶を用いることができる。非
メモリー性の強誘電性液晶または反強誘電性液晶を使用
すれば、印加電界によって液晶分子のツイスト角を自由
に制御することができる。
【0017】次に、第2の方法は、第2の液晶セル自身
が温度変化に追随して自動的に補償を行うようにしたも
のである。つまり、液晶装置の構成としては、第1の液
晶層と第2の液晶層とで温度変化に対する配向方向変化
の度合がほぼ等しい液晶を用い、第1の液晶層と第2の
液晶層とがともに温度変化した際の第1の液晶層の配向
方向変化と第2の液晶層の配向方向変化とが第1の偏光
板の偏光軸を中心として逆回りになるように第1の液晶
セルと第2の液晶セルとを配置すればよい。
【0018】この構成を採用した場合、第1の液晶セル
と第2の液晶セルが同様に温度変化する以上、電界によ
り第2の液晶セルの配向状態を制御した第1の方法のよ
うに外部から第2の液晶セルの配向状態を制御すること
なく、自動的に温度補償が行われる。その場合、第1の
液晶層と第2の液晶層に同一種の液晶を用いれば、最も
容易に温度補償機能を備えた液晶装置を実現することが
できる。また、この第2の方法では、第2の液晶セルに
用いる第2の液晶層としてメモリー性の強誘電性液晶ま
たは反強誘電性液晶を用いることができる。メモリー性
の強誘電性液晶または反強誘電性液晶を使用すれば、温
度に応じて液晶分子のコーン角が所定の角度に変化す
る。
【0019】また本発明の液晶装置においては、第2の
液晶セルのリターデーションを第1の液晶セルのリター
デーションと等しくすることが望ましい。一般的には、
リターデーションをλ/2(ただし、λ:入射光の波
長)に合わせればよい。これにより、第1の液晶セルと
第2の液晶セルにおける位相差がなくなり、温度補償が
より完全に行われる。
【0020】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶装
置を備えたことを特徴とするものである。上記本発明の
液晶装置を備えたことによって、温度変化に伴うコント
ラスト低下が少なく、温度安定性の良い液晶表示部を備
えた電子機器を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1ないし図3を参照して説明
する。図1は本実施の形態の液晶装置の全体構成を示す
概略図であって、本実施の形態の液晶装置1は薄膜トラ
ンジスタ(Thin Film Transistor, 以下、TFTと略記
する)をスイッチング素子としたアクティブマトリクス
駆動の透過型液晶表示装置の一例である。図中、符号2
は入射側偏光板(第1の偏光板)、3は表示用セル(第
1の液晶セル)、4は温度補償用セル(第2の液晶セ
ル)、5は出射側偏光板(第2の偏光板)である。
【0022】本実施の形態の液晶装置1は、図1に示す
ように、所定の偏光軸p1を有する入射側偏光板2と、
表示用セル3と、温度補償用セル4と、入射側偏光板2
の偏光軸p1と直交する偏光軸p2を有する出射側偏光
板5とが、光の入射側からこの順に積層されたものであ
る。本実施の形態の場合、表示用セル3は、対向配置さ
れた一対のガラス基板6,7と、各ガラス基板6,7表
面に形成されたインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxid
e, 以下、ITOと略記する)等の透明性導電膜からな
る透明電極8,9と、各透明電極8,9上に形成された
配向膜10,11と、配向膜10,11間に挟持された
液晶層12とから構成されている。ここで用いる液晶層
12は、自発分極を有し、電界の有無により液晶分子の
配向方向が基板面と平行な面内で回転するタイプの液晶
からなるものであって、例えば双安定強誘電性液晶等が
用いられる。
【0023】表示用セル3の全体構成は、図2、図3に
示すように、TFTアレイ基板14の上に、シール材1
5がその縁に沿って設けられており、その内側に並行し
て額縁としての遮光膜16が設けられている。シール材
15の外側の領域には、データ線駆動回路17および外
部回路接続端子18がTFTアレイ基板14の一辺に沿
って設けられており、走査線駆動回路19がこの一辺に
隣接する2辺に沿って設けられている。走査線に供給さ
れる走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆
動回路は片側だけに設けても良い。また、データ線駆動
回路を画像表示領域の辺に沿って両側に配置してもよ
い。
【0024】さらに、TFTアレイ基板14の残る一辺
には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路
19間をつなぐための複数の配線20が設けられてい
る。また、対向基板21のコーナー部においては、TF
Tアレイ基板14と対向基板21との間で電気的導通を
とるための導通材22が設けられている。
【0025】そして、図3に示すように、図2に示した
シール材15とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板21がシー
ル材15によりTFTアレイ基板14に固着されてお
り、TFTアレイ基板14と対向基板21との間に液晶
層12が封入されている。このように、シール材15は
TFTアレイ基板14と対向基板21との間に挟持され
ているが、図2に示すように、シール材15には液晶注
入口となる開口部が設けられており、開口部が封止材2
3によって封止されている。
【0026】なお、本実施の形態の液晶装置1を構成す
る2枚の基板のうち、TFTアレイ基板14上にデータ
線、走査線、画素電極、画素スイッチング用TFT等が
形成され、対向基板21上には対向電極等が形成されて
いるが、本発明においては、これらの要素を含む表示用
セル自体の構成は従来一般の構成と変わらないため、詳
細な説明は省略する。
【0027】温度補償用セル4も表示用セル3と同様、
対向配置された一対のガラス基板25,26と、各ガラ
ス基板25,26表面に形成されたITO等の透明性導
電膜からなる透明電極27,28と、各透明電極上に形
成された配向膜29,30と、配向膜29,30間に挟
持された液晶層31とから概略構成されている。また、
温度補償用セル4のリターデーションは表示用セル3と
同様、λ/2に設定されている。ただし、温度補償用セ
ル4の各基板上の透明電極27,28は、表示用セル3
と異なり、基板全面に形成されたベタのパターンとなっ
ている。また、液晶層31は、自発分極を有し、電界の
有無により液晶分子の配向方向が基板面と平行な面内で
回転するタイプの液晶からなるものであって、例えば非
メモリー性を有するV字モードの反強誘電性液晶が用い
られる。
【0028】非メモリー性を有するV字モードの反強誘
電性液晶とは、印加電圧−透過率特性が例えば図16に
示すようなV字状の特性を示すものである。この非メモ
リー性のV字モードの反強誘電性液晶を使用すれば、印
加電界によって液晶分子のコーン角を自由に制御するこ
とができる。
【0029】そして、表示用セル3と温度補償用セル4
との間に、温度センサ33(温度検出手段)と温度補償
回路34(電界印加手段)とが設置されている。温度セ
ンサ33は表示用セル3の温度変化を検出するためのも
の、温度補償回路34はこの温度センサ33によって検
出された表示用セル3の温度変化に対応する透過光の偏
光軸方向のずれを相殺できるだけの偏光軸方向の変化が
得られるように温度補償用セル4の液晶層の配向方向を
変化させる電界を温度補償用セル4の透明電極27,2
8間に印加するためのもの、である。
【0030】上記構成の液晶装置1においては、表示用
セル3における液晶層12の配向方向変化の温度依存性
を予め測定しておく。一方、温度補償用セル4における
液晶層31の配向方向変化の印加電界依存性も予め測定
しておく。そして、液晶装置1の動作としては、温度セ
ンサ33により表示用セル3の温度を常にモニターして
おき、温度変化が検出されると、温度補償回路34によ
って、その温度変化に対応した表示用セル3の透過光の
偏光軸方向のずれが温度補償用セル4で相殺されるだけ
の偏光軸方向の変化が得られるように、温度補償用セル
4の液晶層31の配向方向を変化させる分の電界が温度
補償用セル4の透明電極27,28に供給される。
【0031】本実施の形態の液晶装置1では、上記の作
用により、表示用セル3の温度変化が生じ、表示用セル
3を透過した光の偏光軸がずれても、温度補償用セル4
によってその偏光軸のずれが温度変化前の偏光軸方向
(p1に対応)に戻るように温度補償が行われる。その
結果、温度補償用セル4を透過した後の光の偏光軸が出
射側偏光板5の偏光軸p2に対して垂直になるので、光
漏れは起こらず、コントラストの低下が起こらない。特
に本実施の形態では、表示用セル3と温度補償用セル4
の光の変調原理が同じであるため、完全な温度補償を行
うことができ、従来のように多数の温度補償セルの中か
ら最適なものを選択する必要もなく、コントラスト低下
を容易にかつ確実に防止することができる。
【0032】さらに、表示用セル3と温度補償用セル4
とでリターデーションが等しくなっているので、表示用
セル3と温度補償用セル4における位相差がなくなり、
温度補償がより完全に行われる。
【0033】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図4および図5を参照して説明する。温
度補償用セルの液晶の配向方向を電界で制御する構成の
第1の実施の形態に対し、本実施の形態は、温度補償用
セル自身が温度変化に追随して自動的に温度補償を行う
構成の例である。図4は本実施の形態の液晶装置の全体
構成を示す概略図であって、本実施の形態の液晶装置も
第1の実施の形態と同様、TFTを用いたアクティブマ
トリクス駆動の透過型液晶表示装置の一例である。図4
において図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、
詳細な説明は省略する。
【0034】本実施の形態の液晶装置40は、図4に示
すように、所定の偏光軸p1を有する入射側偏光板2
と、表示用セル3と、温度補償用セル41と、入射側偏
光板2の偏光軸p1と直交する偏光軸p2を有する出射
側偏光板5とが、光の入射側からこの順に積層されてい
る。本実施の形態の場合、表示用セル3の基本構成は第
1の実施の形態と同様であるが、液晶層42の種類が異
なっている。ここで用いる液晶は、自発分極を有し、電
界の有無により液晶分子の配向方向が基板面と平行な面
内で回転するタイプの液晶の中で、メモリー性(双安定
性)を有する強誘電性液晶が用いられる。
【0035】本実施の形態の場合、温度補償用セル41
は、対向配置された一対のガラス基板25,26と、各
ガラス基板25,26表面に形成された配向膜29,3
0と、配向膜29,30間に挟持された液晶層43とか
ら概略構成されており、電極は有していない。また、温
度補償用セル41のリターデーションは表示用セル3と
同様、λ/2に設定されている。さらに、液晶層43
は、表示用セル3の液晶層42と同様、自発分極を有
し、電界の有無により液晶分子の配向方向が基板面と平
行な面内で回転するタイプの液晶からなるものであっ
て、メモリー性(双安定性)を有する強誘電性液晶が用
いられる。
【0036】もしくは、本実施の形態のように温度補償
用セル自身が温度変化に追随して自動的に温度補償を行
う構成のものであっても、液晶の配向状態を確実にする
ために電圧を印加する必要がある場合も考えられる。そ
の場合には、温度補償用セルにも電極を設けておき、温
度補償用セルを作製した後に電圧を一度だけ印加すれば
よい。また、配向が乱れやすい場合には定期的に電圧を
印加する必要がある。一方、配向が安定している液晶で
はセル内に注入するだけで目的とする配向状態が得られ
るので、その場合には電極が不要になる。いずれにして
も、配向の安定性は使用する液晶材料と配向膜の組み合
わせで決まるものであり、それに応じて電極の必要性が
決まる。
【0037】なお、温度補償用セル41に用いる強誘電
性液晶としては、表示用セル3における液晶層42の配
向方向変化の温度依存性を予め測定しておき、この温度
依存性と同じ温度依存性を有する強誘電性液晶、例えば
全く同一種の液晶を選択するのが最も簡単である。表示
用セル3と温度補償用セル41で全く同じ液晶を用いる
のが理想であるが、それができない場合にはSm(スメ
クチック)C*−SmA転移温度ができるだけ近いもの
か、もしくは分子骨格ができるだけ近い材料を用いるよ
うにすれば、温度変化時の液晶分子の配向方向のずれを
ほぼ同じにすることができる。
【0038】そして、表示用セル3と温度補償用セル4
1の双方が温度変化した際に双方の液晶層42,43の
配向方向のずれが入射側偏光板2の偏光軸p1に対して
逆回りになるように、表示用セル3と温度補償用セル4
1とを配置する。具体的には、例えば表示用セル3と温
度補償用セル41とで所定の温度変化が生じたときに同
じ量の配向方向のずれが生じるものとすると、図5に示
すように、表示用セル3の黒表示での配向方向と温度補
償用セル41の配向方向を入射側偏光板2の偏光軸p1
と同じにし、しかも表示用セル3のコーン角φと温度補
償用セル41のコーン角φ’を入射側偏光板2の偏光軸
p1に対して反転させた状態となるように、表示用セル
3と温度補償用セル41とを重ね合わせればよい。
【0039】上記構成の液晶装置40においては、印加
電界により温度補償用セルの配向状態を制御した第1の
実施の形態のように外部から温度補償用セルの配向状態
を制御することなく、表示用セル3と温度補償用セル4
1が同時に温度変化する限り、自動的に温度補償が行わ
れる。その場合、表示用セル3と温度補償用セル41の
液晶層42,43に同一種の液晶を用いれば、最も容易
に温度補償機能を備えた液晶装置を実現することができ
る。本実施の形態の場合も、表示用セル3と温度補償用
セル41の光の変調原理が同じであるため、完全な温度
補償を行うことができ、コントラスト低下を容易にかつ
確実に防止することができる。
【0040】[電子機器]次に、本発明の液晶装置を備
えた電子機器の一例として、投射型液晶装置(プロジェ
クタ)の具体例について説明する。以下に説明する透過
型、反射型液晶プロジェクタのライトバルブに上記実施
の形態の液晶装置を用いることができる。
【0041】図10は、透過型液晶プロジェクタの一例
の要部を示した概略構成図である。この図において、符
号2010は光源、符号2013、2014はダイクロ
イックミラー、符号2015、2016、2017は反
射ミラー、符号2018は入射レンズ、符号2019は
リレーレンズ、符号2020は出射レンズ、符号202
2、2023、2024は液晶光変調装置(それぞれ本
発明の液晶装置に相当)、符号2025はクロスダイク
ロイックプリズム、符号2026は投射レンズを示して
いる。
【0042】光源2010は、メタルハラルドなどのラ
ンプ2011と該ランプの光を反射するリフレクタ20
12とからなる。青色光・緑色光反射のダイクロイック
ミラー2013は、光源2010からの光束のうちの赤
色光を透過させるとともに青色光と緑色光とを反射す
る。透過した赤色光は、反射ミラー2017で反射され
て、赤色光用液晶光変調装置2022に入射される。一
方、ダイクロイックミラー2013で反射された色光の
うち、緑色光は、緑色光反射のダイクロイックミラー2
014によって反射され、緑色光用液晶光変調装置20
23に入射される。一方、青色光は、第2のダイクロイ
ックミラー2014も透過する。青色光に対しては、長
い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ2018、
リレーレンズ2019、出射レンズ2020を含むリレ
ーレンズ系からなる導光手段2021が設けられ、これ
を介して青色光が青色光用液晶光変調装置2024に入
射される。
【0043】各光変調装置により変調された3つの色光
は、クロスダイクロイックプリズム2025に入射す
る。このプリズムは、4つの直角プリズムが張り合わさ
れ、その内面に赤色を反射する誘電体多層膜と青色を反
射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これ
らの誘電体多層膜によって、3つの色光が合成されて、
カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投
射光学系である投射レンズ2026によってスクリーン
2027上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0044】図11は反射型液晶プロジェクタの要部の
概略構成図である。本発明の反射型の液晶装置は、以下
のライトバルブ3070R、3070G、3070Bに
用いられている。
【0045】この図において、プロジェクタは、システ
ム光軸Lに沿って配置した光源部3010、インテグレ
ータレンズ3020、偏光変換素子3030とから概略
構成される偏光照明装置3000、その偏光照明装置3
000から出射されたS偏光光束をS偏光光束反射面3
051により反射させる偏光ビームスプリッタ305
0、その偏光ビームスプリッタ3050のS偏光反射面
3051から反射された光のうち、青色光(B)の成分
を分離するダイクロイックミラ一3062、その分離さ
れた青色光(B)を変調する反射型液晶ライトバルブ3
070B、青色光が分離された後の光束のうち、赤色光
(R)の成分を反射させて分離するダイクロイックミラ
ー3063、その分離された赤色光(R)を変調する反
射型液晶ライトバルブ3070R、上記ダイクロイック
ミラー3063を透過する残りの緑色光(G)を変調す
る反射型液晶ライトバルブ3070G、上記3つの反射
型液晶ライトバルブ3070R、3070G、3070
Bにて変調された光をダイクロイックミラー3062、
3063、偏光ビームスプリッタ3050にて合成し、
この合成光をスクリーン3090に投射する投射レンズ
からなる投射光学系3080によって構成されている。
【0046】なお、反射型液晶ライトバルブ3070R
におけるカラーフィルタの複数の色材層はR(赤)に着
色され、反射型液晶ライトバルブ3070Gにおけるカ
ラーフィルタの複数の色材層はG(緑)に着色され、反
射型液晶ライトバルブ3070Bにおけるカラーフィル
タの複数の色材層はB(青)に着色されている。
【0047】上記光源部3010から出射されたランダ
ムな偏光光束は、インテグレータレンズ3020により
複数の中間光束に分割された後、第2のインテグレータ
レンズを光入射側に有する偏光変換素子3030により
偏光方向がほぼ揃った一種類の偏光光束(S偏光光束)
に変換されてから偏光ビームスプリッタ3050に至る
ようになっている。偏光変換素子3030から出射され
たS偏光光束は、偏光ビームスプリッタ3050のS偏
光光束反射面3051によって反射され、反射された光
束のうち、青色光(B)の光束がダイクロイックミラー
3062の青色光反射層にて反射され、反射型液晶ライ
トバルブ3070Bによって変調され反射される。ま
た、ダイクロイックミラー3062の青色光反射層を透
過した光束のうち、赤色光(R)の光束はダイクロイッ
クミラー3063の赤色光反射層にて反射され、反射型
液晶ライトバルブ3070Rによって変調され反射され
る。さらに、ダイクロイックミラ一3063の赤色光反
射層を透過した緑色光(G)の光束は反射型液晶ライト
バルブ3070Gによって変調され反射される。
【0048】上記のようにして、それぞれの反射型液晶
ライトバルブ3070R、3070G、3070Bによ
って変調され反射された色光のうち、S偏光成分はS偏
光を反射する偏光ビームスプリッタ3050を透過せ
ず、一方、P偏光成分は透過する。この偏光ビームスプ
リッタ3050を透過した光が合成されて画像が形成さ
れ、投射光学系3080を介してスクリーン3090に
投影される構成である。図10および図11に示すプロ
ジェクタは、上記本発明の液晶装置を用いているので、
温度変化によるコントラスト低下が少なく、表示品位の
優れたプロジェクタを実現することができる。
【0049】また、本発明の液晶装置を備えた電子機器
の他の例として、図12は、ワープロ、パソコンなどの
携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図1
2において、符号1200は情報処理装置、符号120
2はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理
装置本体、符号1206は上記の液晶装置を用いた液晶
表示部を示している。図12に示す電子機器は、上記の
液晶装置を用いた液晶表示部を備えたものであるから、
温度安定性に優れた液晶表示部を有する電子機器を実現
することができる。
【0050】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。上
記実施の形態で示した液晶装置の具体的な構成に関して
は適宜変更が可能であり、例えばスイッチング素子にT
FTを用いたアクティブマトリクス駆動の液晶装置のみ
ならず、スイッチング素子に薄膜ダイオード(Thin Fil
m Diode,TFD)を用いたもの、あるいはパッシブマト
リクス駆動の液晶装置にも本発明が適用可能である。ま
た、本発明の液晶装置を適用し得る電子機器の例として
も、液晶プロジェクタのライトバルブの他、ニアアイ型
(ビューファインダー)ミニチュアディスプレイ、パー
ソナルコンピュータ、テレビ、デジタルスキャナ、ビデ
オカメラ等の直視型パネル等が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の効果を検証する実験を行った
結果について説明する。上記実施の形態のうち、第2の
実施の形態、すなわち温度補償用セル自身が温度変化に
追随して自動的に温度補償を行うタイプの液晶装置の温
度補償用セルがある場合とない場合とで、温度変化によ
るコントラスト変化を比較した。
【0052】ここで使用した液晶装置は、表示用パネル
としては双安定の強誘電性液晶、温度補償用パネルとし
ては表示パネルと同じ双安定の強誘電性液晶を用いた。
また、コントラスト測定は偏光顕微鏡にフォトマルを接
続した測定系を用いて、フォトマルの出力をマルチメー
ターで読むようにした。そして、上記液晶装置の温度を
30℃〜60℃の範囲で変化させてコントラスト変化を
測定した。
【0053】図6は、本実施例の液晶装置に用いた強誘
電性液晶のコーン角の温度依存性を示している。温度が
30〜40℃の間はコーン角は43°程度でほとんど変
化しないが、温度が50℃、60℃と上がるにつれてコ
ーン角が37°程度にまで狭まる傾向にある。
【0054】図7は温度による黒表示の明るさの変化を
示すグラフである。上記の温度依存性を有する液晶を用
いた表示用パネルにおいて、温度補償用パネルがない場
合、温度が50℃、60℃と上がるにつれて黒表示時の
明るさが0.4%程度から1.2%程度にまで急激に増
加する傾向を示している。これに対して、温度補償用パ
ネルがある場合、温度が上昇しても黒表示時の明るさは
0.4%程度でほとんど変化しない。
【0055】一方、図8は温度による白表示の明るさの
変化を示すグラフである。温度補償用パネルがない場
合、ある場合のいずれの場合においても、温度が上昇し
ても白表示時の明るさは80%程度でほとんど変化しな
い。
【0056】図9は温度によるコントラストの変化を示
すグラフである。コントラストは、コントラスト=(白
表示の明るさ)/(黒表示の明るさ)から求めることが
できる。したがって、温度補償用パネルがない場合とあ
る場合とで、温度による白表示の明るさはほとんど変化
がないが、温度補償用パネルがない場合には温度上昇に
より黒表示の明るさが増加することでコントラストが1
80程度から70程度にまで低下する。これに対して、
温度補償用パネルがある場合、温度が上昇してもコント
ラストはほとんど低下しない。
【0057】以上の測定結果から、本発明特有の温度補
償用パネルを備えた液晶装置によれば、液晶自体が温度
変化によりコーン角が変化するという特性を持っていた
としても、これによる黒表示の温度変化を補償すること
ができ、コントラストの低下を防止できるという効果が
実証された。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、使用環境により温度が変化してもコントラスト
低下が少なく、鮮明な画像が得られる液晶装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である液晶装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図2】 同、液晶装置の表示用セルを示す平面図であ
る。
【図3】 同、表示用セルの断面構造を示す図であっ
て、図2のH−H’線に沿う断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態である液晶装置の
概略構成を示す斜視図である。
【図5】 同、液晶装置における偏光板の偏光軸と各パ
ネルのラビング方向との関係を示す図である。
【図6】 本発明の実施例の液晶装置に用いた強誘電性
液晶のコーン角の温度依存性を示すグラフである。
【図7】 同、実施例における温度による黒表示の明る
さの変化を示すグラフである。
【図8】 同、実施例における温度による白表示の明る
さの変化を示すグラフである。
【図9】 同、実施例における温度によるコントラスト
の変化を示すグラフである。
【図10】 本発明の液晶装置を備えた液晶プロジェク
タの一例を示す概略構成図である。
【図11】 本発明の液晶装置を備えた液晶プロジェク
タの他の例を示す概略構成図である。
【図12】 本発明の液晶装置を備えた電子機器の例を
示す斜視図である。
【図13】 従来の液晶装置において温度変化によるコ
ントラスト低下が生じるメカニズムを説明するための図
である。
【図14】 本発明の液晶装置において温度変化による
コントラスト低下が防止できるメカニズムを説明するた
めの図である。
【図15】 液晶のコーン角を説明するための図であ
る。
【図16】 V字モードの反強誘電性液晶の印加電圧−
透過率特性を示す図である。
【図17】 温度補償セルを備えた従来の液晶装置の一
構成例を示す図である。
【符号の説明】
1,40 液晶装置 2 入射側偏光板(第1の偏光板) 3 表示用セル(第1の液晶セル) 4,41 温度補償用セル(第2の液晶セル) 5 出射側偏光板(第2の偏光板) 6,7,25,26 ガラス基板 8,9,27,28 透明電極 10,11,29,30 配向膜 12,31,42,43 液晶層 33 温度センサ(温度検出手段) 34 温度補償回路(電界印加手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/141 G09F 9/00 313 5C006 G09F 9/00 313 324 5C080 324 G09G 3/20 642E 5G435 G09G 3/20 642 670L 670 3/36 3/36 G02F 1/137 510 Fターム(参考) 2H049 BA06 BA42 BC06 BC22 2H088 EA47 GA04 HA03 HA08 HA10 HA28 JA17 JA20 KA07 MA02 2H089 HA31 QA06 RA13 RA14 SA04 TA04 TA07 TA09 TA11 TA15 UA05 2H091 FA05X FA08X FA08Z GA06 GA11 GA13 HA12 LA17 MA07 2H093 NC51 ND03 NE04 NE06 NG02 5C006 AA22 AF46 BA12 BA13 BB16 BB28 BC03 BC12 BF38 EA01 EC11 FA19 FA54 5C080 AA10 BB05 DD03 DD20 EE28 GG01 JJ02 JJ05 JJ06 5G435 AA02 AA12 BB12 BB15 BB16 BB17 CC12 EE33 EE37 FF00 FF05 GG04 GG28 GG46 LL04 LL07 LL08 LL15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の偏光板と、互いに対向する電極を
    有する一対の基板間に、自発分極を有し、電界の有無に
    より液晶分子の配向方向が基板面と平行な面内で回転す
    る第1の液晶層が挟持された第1の液晶セルと、互いに
    対向する電極を有する一対の基板間に、電界の有無によ
    り液晶分子の配向方向が基板面と平行な面内で回転する
    第2の液晶層が挟持され、前記第1の液晶層の配向方向
    の変化に伴う前記第1の液晶セルの透過光の偏光軸方向
    のずれを、前記第1の液晶層の配向方向の変化前の状態
    に対応する前記透過光の偏光軸方向に戻すように補償す
    る第2の液晶セルと、前記第1の偏光板の偏光軸と直交
    する偏光軸を有する第2の偏光板とが、光の入射側から
    この順に重ね合わされてなることを特徴とする液晶装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第2の液晶セルが、前記第1の液晶
    層の温度変化に起因する配向方向の変化に伴う前記透過
    光の偏光軸方向のずれを補償することを特徴とする請求
    項1に記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の液晶層の温度変化を検出する
    温度検出手段と、該温度検出手段により検出された温度
    変化に対応する前記透過光の偏光軸方向のずれを相殺で
    きるだけの偏光軸方向の変化が得られるように前記第2
    の液晶層の配向方向を変化させる電界を前記第2の液晶
    に印加する電界印加手段とを備えたことを特徴とする請
    求項2に記載の液晶装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の液晶層として、非メモリー性
    強誘電性液晶または非メモリー性反強誘電性液晶を用い
    ることを特徴とする請求項3に記載の液晶装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の液晶層と前記第2の液晶層と
    で温度変化に対する配向方向の変化の度合が等しく、前
    記第1の液晶層と前記第2の液晶層とがともに温度変化
    した際の前記第1の液晶層の配向方向の変化と前記第2
    の液晶層の配向方向の変化とが前記第1の偏光板の偏光
    軸を中心として逆向きになるように前記第1の液晶セル
    と前記第2の液晶セルとが配置されていることを特徴と
    する請求項2に記載の液晶装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の液晶層と前記第2の液晶層と
    が同一種の液晶からなることを特徴とする請求項5に記
    載の液晶装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の液晶層として、メモリー性強
    誘電性液晶またはメモリー性反強誘電性液晶を用いるこ
    とを特徴とする請求項5または6に記載の液晶装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の液晶セルのリターデーション
    を前記第1の液晶セルのリターデーションと等しくした
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の
    液晶装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の液
    晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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