JPH06273772A - 投射型液晶表示装置 - Google Patents

投射型液晶表示装置

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JPH06273772A
JPH06273772A JP32830593A JP32830593A JPH06273772A JP H06273772 A JPH06273772 A JP H06273772A JP 32830593 A JP32830593 A JP 32830593A JP 32830593 A JP32830593 A JP 32830593A JP H06273772 A JPH06273772 A JP H06273772A
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JP
Japan
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liquid crystal
type liquid
display device
film
crystal display
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JP32830593A
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English (en)
Inventor
Kan Okazaki
敢 岡崎
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プロジェクションに必要な光安定性を向上さ
せることができ、更に、高コントラスト化がはかれ、高
い表示性能を備えた投射型液晶表示装置を提供する。 【構成】 対向した基板構成と液晶層を備え、更に配向
膜として垂直配向性のポリイミド膜を用い、この膜をラ
ビングすることにより所要のプレティルト角を持たせた
るようにした反射型液晶素子を製造し、このようにして
製造した反射型液晶素子を使用して投射型液晶表示装置
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光安定性に優れた投射
型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】投射型液晶パネルを用いた反射型液晶表
示装置としては例えば、高密度反射型TFT−LCDを
用いたものが報告されている(Y.Takubo et
al.,:Japan Display ’89
p.584(1989))。これは、TFTの画素電極
を絶縁性材料を介し、TFT素子上に形成し開口率を向
上すると共に反射板としての機能を持たせ反射型液晶パ
ネルを作成している。
【0003】投射型液晶表示装置には、光書込型液晶ラ
イトバルブを用いたものがある。光書込型液晶ライトバ
ルブは、読み出し光を電圧変化によって変調する液晶
層、読み出し光を反射させる光反射層、光反射層からの
透過光を遮断する遮光層、入射光の強度によりインピー
ダンスを変化させ液晶層にかかる電圧を制御する光導電
体層から成り、これらの基板をガラス等の透過性基板で
挟んだサンドイッチ構造をしている。
【0004】前記デバイスを駆動するには、まず前記デ
バイスに交流電圧を印加しておく。光導電体層に透過性
基板方向からの光(書き込み光)が入力されない場合、
バイアス電圧は主に光導電体層に印加されてる。
【0005】また、書き込み光が入力された場合、光導
電体層からインピーダンスは減少し、ほとんどのバイア
ス電圧が液晶層に印加され読み出し光は変調される。
【0006】従来液晶ライトバルブに用いられている動
作モードは、正の誘電異方性をもつネマティック液晶を
45°にねじったハイブリッドフィールドエフェクトモ
ード(以下HFEモードと略記)である。
【0007】液晶層に電圧が印加されている場合、液晶
分子は電界応答し基板法線方向にティルトして行く。
【0008】入射した光は液晶分子のティルトとツイス
トからくる複屈折効果と反射により偏光方向が回転す
る。この回転を受けた光が偏光ビームスプリッターを透
過しスクリーンは明状態になる。
【0009】電圧が印加されない場合、液晶の旋光性に
より反射されても入射時の偏光方向と変化しないのでス
クリーン上は暗状態である。
【0010】すなわち、液晶の屈折率異方性をΔn、液
晶層の層厚をd、入射光波長をλとすると、HFEモー
ドのOFF時の反射率特性はcos(2πΔn・d/
λ)=1のときゼロになる(William.P.Bl
eha,Jan Grinberg,Alexande
r D.Jacobson and Gary D.M
yer Hughes Research Labor
atories,Malibu,CA:SID ’77
Digest P.104)。つまり、OFF時の反
射率特性は波長依存性をもつのである。
【0011】このことから、パネルを設計する際(Δn
・d/λ)=K(Kは整数)になるようΔn、d、λを
選択する必要がある。
【0012】また、液晶ディスプレイの動作モードとし
て、ネマティック液晶を用いたツイスティッドネマティ
ック(TN)モード、スーパーツイスティッドネマティ
ック(STN)モード、エレクトリカリ−コントロール
ドバイリフリンジェンス(ECB)モード、更に強誘電
性液晶を用いたサーフィススタビライズドフェロリキッ
ドクリスタル(SSFLC)モードなどがある。
【0013】さて、ECBモードは初期状態における分
子配向によって3つに分けることができる。
【0014】中でもディフォーメーションオブヴァーテ
ィカルアラインドフェーズ(DAP)型ECBモード
は、負の誘電異方性をもつネマティック液晶を用いるの
で初期状態では垂直に配向しており、電界によって液晶
分子をティルトさせそのとき生じる複屈折により明暗の
表示を行うものである。
【0015】しかし、液晶分子が完全な垂直配向をして
いる場合、電圧が印加されると液晶分子はランダムな方
向に倒れてしまい表示品位を著しく低下させることにな
る。
【0016】従って、液晶分子をガラス基板に対して均
一なプレティルト角を持たせながら広範囲に配向させる
技術が必要となってくる。
【0017】また、前記プレティルト角が大きい場合、
初期状態において複屈折により光が抜けてくるためコン
トラストを低下させる。従って、前記プレティルト角は
微小でなければならない。ただし、プレティルト角とは
基板法線方向液晶分子の長軸とがなす角度のことであ
る。
【0018】傾斜垂直配向を得るための技術が幾つかの
文献より報告されている。
【0019】文献1(J.L.Janning.App
lied Phisics Letter 21 p.
173 1972)では、基板を水平に置いた状態の基
板の法線方向から85°(蒸着角度φ=85°)傾け、
酸化シリコン(SiOx )を真空蒸着している(斜方蒸
着法)。膜厚はおよそ70オングストロームである。こ
の方法で作成した液晶セルはラビングを行ったセルと同
等の配向が得られている。
【0020】文献2(W.Urbach et,al.
Applied Phisicsletter 25
p.479 1974)では、斜方蒸着法により作成し
た液晶注入前後のセルを熱サイクル試験(室温→250
℃→室温のサイクルを100回繰り返す信頼性試験)に
かけたところ安定した配向が得られている。しかし、光
安定性に関しては記述されていない。
【0021】また、SiOx 斜方蒸着により基板上に無
機膜を作成後、表面処理を行う方法がある。この方法で
は、表面処理剤にCTAB(Cethyltrimet
hylammonium bromide)を用いてい
る。CTAB膜はCTAB溶液の液面から垂直方向にゆ
っくり引き上げる事により作成される。CTAB溶液中
のCTAB濃度が十分高いときφ<40°で垂直配向が
得られている(W.Urbach et,al.App
lied Phisics letter 25 p.
479 1974)。
【0022】しかし、文献3(公表特許公報公開番号平
2−503482 出願人ヒューズエアクラフトカンパ
ニー)によると、CTABは化学的にSiOx 表面に接
着されていないので、その幾つかあるいはすべてが液晶
構造、層厚、温度に依存して液晶中に溶解されることが
知られている。
【0023】従って、表面あるいは溶解されたCTAB
のいずれも高照度下における光安定性は期待できない。
【0024】更に、文献4(K.fahremscho
n and M.F.Schiekel Journa
l of Electrochemistrye So
ciety 124 p.953 1977)では、表
面処理剤ではなく液晶へのドーパントとしてレチシンあ
るいは“T”酸の使用が知られている。ガラス基板にS
iOあるいはフッ化マグネシウム(MgF2 )を蒸着角
度を60°〜85°で真空蒸着しセル化したところ、プ
レティルト角(θp)12°〜16°が得られている。
しかし、光安定性に関する記述はない。
【0025】文献5(W.R.Heffner et,
al.Applied Phisics Letter
36 p.144 1980)では、φ=85°で蒸
着したSiO表面にDMOAP(N,N dimeth
yl−N−octadecyl−3−aminopro
pyltrimethoxysilil chlori
de)及びUTPFE(Ultrathin poly
fluoroethylene)フィルムを用いて表面
処理をしている。DMOAPは濃度0.003〜0.0
3%のDMOAP溶液をSiO蒸着基板にディッピング
し、その後、80℃で焼成することにより得ることがで
きる。
【0026】また、UTPFEフィルムは、ガス状態の
モノマーを真空装置に導入し、真空装置内に設けられた
平板電極間のRF(RADIO FREQUENCY)
プラズマ放電によりSiO蒸着基板上にフィルムを形成
することができる。DMOAP処理を行った蒸着基板を
セル化しシアノビフェニル系液晶であるCB7を封入し
たところθp=16°〜26°が得られた。また、Si
O上にUTPFEフィルムを作成した基板をセル化しC
B7を封入したところθp=22°〜30°が得られ
た。
【0027】更に、同セルにアゾキシ系液晶であるHX
ABを封入したところ傾斜垂直配向は発生せず完全な垂
直に配向したものの、その配向は時間と共に変化した。
この文献にも光安定性に関する記述はなかった。
【0028】文献6(L.Rousille and
J.Robert AppliedPhisics L
etter 50 p.3975 1979)では、φ
=60°で蒸着したSiO表面をPTFE(polyt
etrafluoroethylene)フィルムでコ
ーティングしプレティルトを得ている。θpにPTFE
フィルムの膜厚依存性があるので膜厚の最適化を行った
ところ膜厚が20オングストロームのときθp=3°が
得られた。このセルを室温で数ヵ月放置しておいたが配
向に変化はなかった。この文献でも光安定性における記
述はなかった。 その他の傾斜垂直配向を得る方法とし
て文献7(Robert W.Filas and
J.S.Patel Appied Phisics
Letter 50 p.1426 1987)では2
種類のシランカップリング剤MAP(N methyl
aminopropyltrimethoxysila
ne:平行配向を得ることができる)とOTS(oct
adecyltriethoxysilane:垂直配
向を得ることができる)をある比率で混合しIPA(i
sopropyl archol)で希釈した溶液でガ
ラス基板上を配向処理しその後ラビングを行う方法が報
告されている。この方法ではラビング強度の最適化を行
うことによりθp=3°〜4°を得ることができる。
【0029】しかし、シランカップリング剤溶液を放置
すると時間的に変化が生じること、高温において配向が
不安定であることなどが問題点として上げられている。
この文献においても光安定性に関する報告はなかった。
【0030】また、文献8(Shoichi Matu
moto et,al.Applied Phisic
s Letter 27 p.268 1975)で
は、垂直配向を得る方法としてクロム鎖体(tetra
chloro−μ−hydroxo−μ−carbox
ylatodichromiun(III)compl
ex)を用いて配向処理を行う方法が紹介されている。
【0031】この方法で作成した動的散乱モードの液晶
セルは通電エージング(60℃で液晶セルに50Hz3
0VrmsA.Cを印加する信頼性試験)で1500時
間まで安定した配向が得られている。しかし、この文献
においても光安定性における報告はなされていない。
【0032】また、文献3(公開特許公報公開番号平2
−503482 出願人ヒューズエアクラフトカンパニ
ー)では、SiOx (x=1,2)を斜方蒸着しアルコ
ールによる表面処理を行うことにより傾斜垂直配向を得
ることが報告されている。
【0033】SiOx の斜方蒸着は2段階に分けて行わ
れる。第1段階はφ=20°〜40°(好ましくは30
°)でSiOx を蒸着する。第2段階として基板を90
°回転させφ=2°〜10°(好ましくは5°)で蒸着
を行う。続いて、表面水酸基を伴う長鎖アルコールの反
応により基板に表面アルコキシを形成することにより傾
斜垂直配向を得ている。この方法で得られた傾斜垂直配
向は高度の傾斜光安定性を示すと記述されている。
【0034】しかし、本文献に用いられている液晶の誘
電異方性は正であるので、得られるθpはθp=6°〜
45°と非常に大きい値となっている。従って、本方法
では微小なプレティルト角を得ることは困難である。
【0035】また、文献9(特開平3−107925
出願人スタンレー電気)では、垂直配向性ポリイミド膜
にラビングを施しプレティルト角を得る方法がカイラル
剤混合の液晶と二色性色素を封入した液晶表示素子に応
用されている。なお、この文献では、液晶層の表示モー
ドがゲストホストモードに限定されている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】プロジェクション投射
型液晶表示装置においてフルカラー表示を行う場合、白
色光を赤青緑の3色に分光しそれぞれの色において画像
を形成後再び合成し光学系で拡大投射する。前述のよう
にHFEモードはOFF時の反射率特性に波長依存性を
もつ。パネルを設計する際先に述べた条件となるように
パラメータの決定を行ってもそれは単一波長に限り満た
される条件である。分光された光の波長帯域はおよそ1
00nmと広域なので先に述べた条件に適合しない波長
が支配的となってくる。
【0037】従って、実際のOFF時の反射率はゼロに
はならないという問題が生じる。この問題によりHFE
モードで高コントラストを得るには限界がある。
【0038】また、HFEモードでは図4に示すように
しきい電圧に著しい温度依存性がある。もともとプロジ
ェクション内においてパネルは読み出し光源によりかな
りの温度まで上昇する。しかしプロジェクションシステ
ムを連続的に使用するに従い光源の照度劣化が発生す
る。それに伴いパネルの温度が低下して行くので液晶の
しきい電圧も高電圧側にシフトする。従って最適化した
駆動電圧からのずれが生じ、表示品位を著しく低下させ
る問題が生じる。
【0039】図5、図6にHFEモードの液晶ライトバ
ルブにおける電圧−反射率(V−R)特性を示す。図5
はオンオフ比が大きい場合、図6はオンオフ比が小さい
場合V−R特性を示している。
【0040】ここでオンオフ比というパラメータについ
て説明する。V−R特性のピークは、光導電体層に書き
込み光が入射しない場合(ダーク状態)高印加電圧側
に、逆に書き込み光が入射した場合(フォト状態)低印
加電圧側に存在する。オンオフ比は以下の式で定義され
る。
【0041】 on/off=VRmax dark /VRmax photo ただし、VRmax dark :ダーク状態において最大反射率
が得られた時の印加電圧 VRmax photo:フォト状態において最大反射率から得ら
れた時の印加電圧 HFEモードは反射率特性の急峻性がわるいので図6に
示すようにパネルのオンオフ比が低い場合明るい表示が
得られないという問題が生じる。先に述べたDAP型E
CBモードはHFEモードと比べ電圧−反射率特性の急
峻性に優れ、クロスニコル下で電圧無印加時に完全な黒
を表示できる等の特徴をもっている。
【0042】しかしながら、DAP型ECBモードに必
要な傾斜垂直配向を実現するために提案されている従来
の方法は以下のような欠点を有している。
【0043】斜方蒸着法は蒸着角、蒸着速度、真空度、
基板温度、膜厚などの蒸着条件や液晶物質、蒸着物質が
異なると液晶のプレティルト角も大きく変化する。ま
た、基板が大きい場合、該諸条件を面内で等しくするこ
とは非常に困難である。
【0044】従って、大面積で均一な傾斜垂直配向を再
現性よく得るのは困難である。
【0045】また、これまでに述べて来た従来配向方法
をプロジェクションに応用する場合配向の高照度下にお
ける光安定性が必要となってくる。しかし、今までに光
安定性のデータは報告されていない。
【0046】
【課題を解決するための手段】対向した基板間に液晶層
を有す構成を持つ反射型液晶素子を備え、前記液晶素子
により生成された光画像を投射する投射型液晶表示装置
において、前記反射型液晶素子の液晶分子は、ラビング
処理された垂直配向性のポリイミド膜配向手段により所
定の傾斜角度(プレティルト角)を持つように配向され
ている。
【0047】
【作用】液晶分子配向手段に垂直配向性のポリイミド膜
を用いているので、配向安定性、塗工性、化学的安定
性、特にプロジェクションに必要な耐熱性、光安定性が
増し、信頼性の向上がはかれる。
【0048】また、液晶分子を配向させるのに前記膜を
ラビングする方法を使用しているので、容易に広範囲に
わたって再現性よく所要の微小プレティルト角を得る事
ができる。さらに後述するラビング密度を変化させるこ
とにより、プレティルト角を自在に制御することができ
る。
【0049】以上に示すように本発明に係る投射型液晶
表示装置では、この様な配向方法を用いた反射型液晶素
子を用いているので投射型液晶表示装置に必要な光安定
性を向上させることができ、更に、先に示すような動作
モードを採用しているので高コントラスト化がはかれ、
故に高い表示性能を備えた投射型液晶表示装置を提供す
ることが出来る。
【0050】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0051】本実施例では、本発明の投射型液晶表示装
置に備える反射型液晶素子の作成方法を以下にしめす。
具体的には、実施例1には光書き込み型ライトバルブ、
実施例2には、光入射側基板に対向する基板として単結
晶シリコンを用いた反射型TFTLCD、実施例3に
は、光入射側基板に対向する基板としてガラス等の透過
性基板を用いた反射型TFTLCDの作成方法を示す。
【0052】実施例1 図1は本発明にかかわる実施例の光書込型液晶ライトバ
ルブの構成を示す断面図である。
【0053】同図に示すようにこの実施例の液晶ライト
バルブ100はガラス基板101及び102、反射防止
膜103、透明電極104、対向電極105、光導電体
層106、遮光層107、配向膜108a,108b、
スペーサ109、液晶層110、及び、誘電体ミラー1
11を備えている。この液晶ライトバルブ100は以下
のようにして製造される。
【0054】まず、ガラス基板101上全面に二酸化錫
(SnO2 )からなる透明導電膜をスパッタリング法に
より形成し透明電極104とする。次に透明電極104
上に光導電体層106として非晶質水素化ケイ素(a−
Si:H)膜を形成する。光導電体層106をなすa−
Si:H膜はシラン(SiH4 )ガス及び水素(H2
ガスを原料とし、プラズマCVD(化学気相成長法)を
もちいて形成する。このa−Si:H膜の膜厚はおよそ
6μmである。
【0055】ついで光導電体層106上に後述する液晶
層110側から光導電体層106へ入射する光を遮るた
めの遮光層107としてカーボン分散型アクリル樹脂を
スピンコートして形成する。膜厚はおよそ1μmとす
る。
【0056】その後、遮光層107上に、液晶層110
側から光導電体層106へ入射する光を反射するための
誘電体ミラー111として酸化チタン(TiO2 )と酸
化シリコン(SiO2 )とからなる多層膜を電子ビーム
蒸着法によって形成する。ガラス基板の読み出し光11
3が入射する側にはガラスの表面反射を防止するための
反射防止膜103を形成する。
【0057】なお、ガラス基板101のファイバープレ
ートを用いることも可能である。ガラス基板101に対
向するガラス基板102上には、錫をドープした酸化イ
ンジウム(ITO)からなる透明導電膜をスパッタ法を
用いて蒸着することによって、対向電極105を形成す
る。次いで対向電極105及び誘電体ミラー111上に
垂直配向性のポリイミド膜(日本合成ゴム社製)をスピ
ンコートにより薄膜化し300℃で焼成することにより
配向膜108a,bを形成する。膜厚はおよそ1000
オングストロームである。
【0058】その後前記配向膜108a及び108bに
ラビングによる配向処理を施す。
【0059】ところで、ラビングの強度は一般的に以下
の式に示されるようなパラメータでラビング密度として
定義されている。(第13回液晶討論会予稿、’87年
P.208) L=N・l・{1+(2πrn/
60V)} ただし、 L:ラビング密度 N:ラビング回数 l:毛の接触長
さ n:ローラ回転数 V:ステージ速度 r:ローラ半径 ただし、ローラ半径には、ラビング布の厚さを含む。
【0060】プレティルト角は先に述べたラビング密度
Lを変化させることにより容易に制御できる。
【0061】一例として前記配向膜をラビングした場合
のラビング密度とプレティルト角の関係を図2に示す。
【0062】また、図3に用いたラビング装置を示す。
ここで1は基板、2はステージ、3はラビング布であ
り、ローラを矢印A方向に回転させると共に、ステージ
を矢印B方向に進行させることにより、ラビング布の基
板に対する毛の接触長さlを持つようにしてラビング処
理を行う。
【0063】ところで、図16に本実施例に採用された
ラビング密度でのプレティルト角θpとコントラスト比
の関係を示す。図16からも分かるように、コントラス
ト比が例えば200:1を超えるような高コントラスト
比を得るためには、プレティルト角が5°以下であるこ
とが望ましい。
【0064】本実施例ではプレティルト角がおよそ1°
となるようなラビング密度でラビングを行った。ラビン
グ方向はアンチパラレルにした。その後各基板をシール
としての役割も兼用するスペーサー109を介し貼り合
わせ、各基板間に負の誘電異方性をもつ液晶を真空注入
した。続いて封止することにより本実施例の液晶ライト
バルブ100が構成される。
【0065】図12に本実施例における液晶ライトバル
ブ100により構成されたプロジェクションシステムの
一例を示す。このシステムにおいて読み出し光源120
からの光は偏光ビームスプリッター121を介し液晶ラ
イトバルブ100に入射する。投射したい画像は、書き
込み光源125からの光をTFTパネル124を介する
ことにより形成され、液晶ライトバルブ100に書き込
まれる。液晶ライトバルブ100内で変調された読み出
し光は再び偏光ビームスプリッター121を介しレンズ
系122を通しスクリーン123上に投射される。この
システムで投射された画像は大変良好であった。
【0066】上述のような方法でプレティルト角を持た
せることにより対向する基板間に電圧を印加し書き込み
情報が透過性基板に入射した場合液晶分子が一定方向に
揃って倒れるようになる。また、プロジェクションに必
要な配向の光安定性、耐熱性が増し、信頼性を向上する
ことができる。
【0067】図7は本実施例におけるDAPモードの液
晶ライトバルブのV−R特性を示したグラフである。ま
た、表1はHFEモードの液晶ライトバルブとDAPモ
ードの液晶ライトバルブにおいて同程度のオンオフ比が
得られた場合の表示特性の一例を示したものである。D
APモードの液晶ライトバルブの方がHFEモードの液
晶ライトバルブより急峻性が優れているので最大反射率
付近で最大コントラストを得ることが出来る。故に本実
施例では前記の特徴をもつDAPモードを採用している
ので高コントラストな投射画像を実現できる。
【0068】
【表1】
【0069】ところで図4に本実施例で得たDAPモー
ドの液晶ライトバルブと従来のHFEモードの液晶ライ
トバルブとのしきい電圧VTHの温度依存性を示す。それ
ぞれの液晶ライトバルブは液晶層以外は同条件で作成し
たものである。本実施例とHFEモードの液晶のネマテ
ィック相からアイソトロピック相への転移温度TNIはそ
れぞれ83℃と100℃である。VTHはHFEモードで
は温度が上昇するに従い低電圧側にシフトしている。そ
れに比べ本実施例ではTNIの付近までほぼ安定してい
る。故に本実施例では、従来よりしきい電圧の温度依存
性も大幅に改善できる。
【0070】実施例2 本実施例では、光の入射する基板とは反対側の基板に単
結晶シリコンを用いた場合の例を示す。
【0071】図9に本発明を適用した反射型液晶素子2
00を示す。この実施例では、基板上にシリコンゲート
NMOSのスイッチング回路を搭載した場合である。こ
の素子は、最下部に単結晶シリコン基板207を備え、
この単結晶シリコン基板207の上にフィールドシリコ
ン酸化膜206が形成されている。フィールドシリコン
酸化膜206には一部、この図示例では2箇所に貫通孔
206a、206bが開設され、これら貫通孔206
a、206bの内部と貫通孔206a、206bの上縁
部周りのフィールドシリコン酸化膜206の上表面部分
には、単結晶シリコン基板207に底部が達する状態で
それぞれアルミニウム電極204b、204cが形成さ
れている。なお、このアルミニウム電極204b、20
4cの下の単結晶シリコン基板207部分は、ソース領
域208とドレイン電極209となっている。上記2つ
の貫通孔206a、206bとの間にはゲート絶縁膜2
11とゲート電極210が配設されている。ゲート電極
210は、アルミニウム電極204c、204bと短絡
しないように、その表面をシリコン酸化膜等で被覆して
いる。このゲート電極210は、本実施例ではポリシリ
コンを使用しているが、これに限定するものではない。
【0072】上記アルミニウム電極204c、204b
及びフィールドシリコン酸化膜206の上には、保護膜
205が形成されている。保護膜205は、単結晶シリ
コン基板207上に作成したスイッチング用MOS回路
を保護するためのものである。この保護膜205のアル
ミニウム電極204bの上の部分には貫通孔205aが
開設され、保護膜205の上と貫通孔205aには底部
がアルミニウム電極204bに達する状態で電極兼反射
膜204aが形成されている。この電極兼反射膜204
aは、本実施例では反射率の高いアルミニウムを用いて
いるが、これに限定するものではない。また、電極兼反
射膜204aは、下部電極204bとのコンタクト抵抗
を低くするために、電極兼反射膜204a形成後に熱処
理が必要だが、この時に電極兼反射膜204aの表面に
凹凸が生じ、反射率の低下をきたす。本実施例では、電
極兼反射膜204aの表面を平滑にし、反射率を高める
目的で保護膜205の形成後と、電極兼反射膜204a
を形成した後に行う熱処理後とに、それぞれ表面を研磨
し、平滑となる処理を行っている。
【0073】この電極兼反射膜204aの上には、下面
全面に透明対向電極202が形成された透明ガラス基板
201が対向配置されている。透明ガラス基板201
は、光入射側として使用される。液晶層203は、以下
のような方法で作成される。対向透明電極202及び電
極兼反射膜204a上に垂直配向性のポリイミド膜(日
本合成ゴム社製)をスピンコートにより薄膜化し300
℃で焼成することにより配向膜218a,bを形成す
る。膜厚はおよそ1000オングストロームである。そ
の後前記配向膜218a及び218bにラビングによる
配向処理を施す。本実施例ではプレティルト角がおよそ
1°となるようなラビング密度でラビングを行った。ラ
ビング方向をアンチパラレルとなるようにした。その後
各基板を貼り合わせ、基板間に負の誘電異方性をもつ液
晶を真空注入した。続いて封止することにより本実施例
の反射型液晶表示素子200が構成される。
【0074】本発明にあっては、単結晶シリコン基板2
07を用いているので、ICの技術をそのまま液晶表示
素子に適用可能である。つまり、微細加工技術、高品質
薄膜形成技術、高精度不純物導入技術、結晶欠陥制御技
術、製造技術と装置、回路設計技術、CAD技術など高
度に発達した先端技術が適用できることになる。
【0075】よって、ICの微細加工技術の採用により
画素の微細化が可能であり、従来に無い高精細表示が可
能となる。
【0076】また、従来のスイッチング回路は1個また
は複数のTFTを補償コンデンサとで構成していたた
め、低抵抗液晶を使えない欠点があったが、本発明では
液晶の抵抗値やスイッチング電圧など個々の液晶の特性
に応じたスイッチング回路を構成できるため、幅広く液
晶の選択が可能となった。このとき、スイッチング回路
は画素の反射板の下部シリコン基板に作れるため、表示
素子の実効表示面積の低下が招来されない。
【0077】更に、スイッチング回路に加えて駆動回路
のみならず、論理回路、記憶回路等が同一基板上に形成
できるために、表示装置の論理機能の付加が可能となっ
た。加えて、既設のIC工場のクリーンルームで他の設
備投資が殆ど要せず、製造コストを低くできる利点があ
る。
【0078】具体例1 本発明の特徴の一つであるICの微細加工技術を使って
画素の縮小を行うと、小型のハイビジョン対応の反射型
液晶素子を作成できる。例えば画素ピッチを(縦×横
=)20×25μm2 とし、画素数を1000×140
0個とすると表示寸法20×35mm2 、対角1.6イ
ンチの表示素子を構成できる。実際には、駆動回路を表
示面の周辺基板上に一体化して形成することを要するた
め、表示素子用の単結晶シリコン基板207の寸法は3
0×45mm2 である。なお、液晶は実施例1の液晶層
110と同様な方法で作成される。
【0079】このようにして作成した液晶表示素子を3
枚用いてカラープロジェクト型TVを構成したが、表示
が明るく、液晶表示素子が小さいため光学系を小さくで
き、プロジェクションTV自体をコンパクトにすること
ができる。
【0080】具体例2 上述した具体例1で説明した画素を3分割し、それぞれ
にR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルターを
取り付けると1枚の表示素子で反射型カラー液晶表示装
置が構成できる。図10に簡単な断面図を示す。単結晶
シリコン基板207の上層部には液晶のスイッチング回
路領域212が3個1組として形成している。各スイッ
チング回路領域212の上に各々電極兼反射膜204a
が形成された状態で、単結晶シリコン基板207の上に
は全面にわたってゼラチン膜が形成されている。このゼ
ラチン膜は、1組を構成するうちの1つのスイッチング
回路領域212の上の部分が赤に染色されてなるカラー
フィルター赤213aとなっており、他の2つのスイッ
チング回路領域212の上の部分が緑、青に染色されて
なるカラーフィルター緑213b、カラーフィルター青
213cとなり、残りの部分は染色されていないゼラチ
ン無染色領域213dとなっている。ゼラチン膜の形成
と染色技術はすでにCCD用として開発が行われてお
り、従来の設備、技術がそのまま使える。なお、図10
の液晶層203において配向膜、液晶は省略されてい
る。
【0081】図13に本実施例における反射型液晶素子
により構成されたプロジェクションシステムの一例を示
す。このシステムにおいて光源220からの光は偏光ビ
ームスプリッター221を通し反射型液晶素子200に
入射する。反射型液晶素子200内で投射したい画像情
報に応じて変調された光は再び偏光ビームスプリッター
221を介し、レンズ系222を通りスクリーン223
上に投射される。このシステムにより投射された画像は
とても良好であった。
【0082】このように構成した表示装置を用いると、
超小型化のプロジェクション型カラーTVが実現でき
る。また、TVのみならず、他のOA機器等にも利用可
能である。
【0083】具体例3 本発明の特徴の1つは単結晶シリコン基板を使用するの
で論理回路、記憶回路等を同一基板上に作れることであ
る。図11は画像処理機能部を搭載した例を示してい
る。
【0084】図11において、214は単結晶シリコン
基板である。この基板214の中央部には液晶表示部2
17が形成され、その周りに液晶駆動回路部216と記
憶回路、画像処理回路等215が形成されている。入力
信号は、記憶回路、画像処理回路等215にて処理さ
れ、処理された信号は液晶駆動回路部216へ転送さ
れ、液晶表示部217を表示させる。
【0085】このように構成した場合には、本発明によ
り表示装置と画像処理機能部とを一体化できる。この例
では画像処理機能部を搭載した表示装置を示したが、画
像処理機能部に限定するものではなく、他の機能部との
一体化も可能である。
【0086】なお、上記実施例ではシリコンゲートNM
OS搭載を例にとったが、本実施例はこれに限定するも
のではなく、単結晶のMOS構造及びバイポーラ構造、
ダイオード、抵抗、コンデンコンデンサなど従来より単
結晶シリコン基板を使用するICで使用されている全て
の構成素子の1種類又は複数種類の素子を搭載した場合
を含む。
【0087】実施例3 本実施例では、両方の基板にガラスなどの透明基板を用
いた場合の例を示す。図14は本発明の一実施例である
反射型液晶素子300の断面図であり、図15は図14
に示される基板301の平面図である。ガラスなどから
成る絶縁性の基板301上にスパッタリング法により3
000オングストロームの厚さのタンタル金属層を形成
し、この金属層をフォトリソグラフ法及びエッチング法
によりパターニングを行い、ゲートバス配線302及び
などから成る複数のゲートバス配線302が互いに平行
に設けられ、ゲートバス配線302からはゲート電極3
03が分岐している。ゲートバス配線302は走査線と
して機能している。ゲート電極303及びゲートバス配
線302にはクロムなどを用いることも可能である。
ゲート電極303を覆って基板301上の全面に、プラ
ズマCVD法により4000オングストロームの厚さの
窒化シリコン(SiNx )から成るゲート絶縁膜304
が形成されている。ゲート絶縁膜304には酸化シリコ
ン(SiOx)などを用いることも可能である。ゲート
電極303の上方のゲート絶縁膜304上には、半導体
層305となる厚さ1000オングストロームの非晶質
シリコン(以下a−Si)層が形成される。この半導体
層305には多結晶シリコン、CdSeなどを用いるこ
とも可能である。半導体層305の両端部には、厚さ4
00オングストロームのn+ 型a−Si層から成るコン
タクト電極401が形成される。形成されたa−Si層
及びn+ 型a−Si層はパターニングされる。一方のコ
ンタクト電極401上には厚さ2000オングストロー
ムのモリブデン金属を基板301にスパッタリング法に
より形成し、このモリブデン金属層のパターニングを行
ってソース電極306を形成する。他方のコンタクト電
極401上には、ソース電極306と同様にモリブデン
金属からなるドレイン電極307が重畳形成されてい
る。ソース電極306及びドレイン電極307にはチタ
ン、モリブデンなどを用いることも可能である。
【0088】図15に示すようにソース電極306に
は、ゲートバス配線302に前述のゲート絶縁膜304
を挟んで交差するソースバス配線309が接続されてい
る。ソースバス電極309は、信号腺として機能してい
る。ソース電極309も、ソース電極306と同様の金
属で形成されている。ゲート電極303、ゲート絶縁膜
304、半導体層305、ソース電極306及びドレイ
ン電極307は薄膜トランジスタ(以下、TFTと記
す)400を構成し、該TFT400はスイッチング素
子の機能を有する。
【0089】ゲートバス配線302、ソースバス電極3
09及びTFT400を覆って、基板301上全面に厚
さ2μmのポリイミド樹脂からなる有機絶縁膜402が
形成されている。有機絶縁膜402のドレイン電極30
7部分にはフォトリソグラフ法及びドライエッチング法
を用いてコンタクトホール403が形成されている。有
機絶縁膜402上にはアルミニウムからなる反射電極3
08が形成され、反射電極308はコンタクトホール4
03においてドレイン電極307に接続されている。反
射電極308には銀を用いることも可能である。
【0090】基板405上には、カラーフィルター40
6が形成される。カラーフィルター406の基板301
の反射電極308に対向する位置にはマゼンタまたはグ
リーンのフィルター406aが形成され、反射電極30
8に対向しない位置にはブラックのフィルター406b
が形成されている。カラーフィルター406上の全面に
は厚さ1000オングストロームのITOからなる透明
な電極407が形成される。
【0091】次いで反射電極308及び透明電極407
上に垂直配向性のポリイミド膜(日本合成ゴム社製)を
スピンコートにより薄膜化し300℃で焼成することに
より配向膜404、408を形成する。膜厚はおよそ1
000オングストロームである。その後前記配向膜40
4、408に実施例1と同様にラビングによる配向処理
を施す。本実施例では実施例1と同様なラビング密度で
ラビングを行った。基板301、405間に例えば直径
7μmのスペーサーを混入した図示しない接着性シール
剤をスクリーン印刷することによって負の誘電異方性を
有する液晶409を封入する空間が形成され、前記空間
を真空脱気することによって負の誘電異方性を有する液
晶409が封入される。以上により反射型液晶素子30
0を得ることができる。本実施例で得られた反射型液晶
素子300を実施例2の図13で示したプロジェクショ
ンシステムに適応したところ、とても良好な画像をえる
ことが出来た。
【0092】上述の様な方法でプレティルト角を持たせ
ることにより、液晶層に電圧を印加した場合、液晶分子
が一定方向に倒れるようになる。実施例1〜3では、ラ
ビング処理を両方の基板に施したが、片方のみラビング
処理を施した反射型液晶素子を作成した結果、両方の基
板にラビング処理を施した素子と同様の表示を得ること
ができた。従って、ラビング処理を施すのは少なくとも
片方の基板でよい。
【0093】図8に本発明における高照度下におけるプ
レティルト角の経時変化(光エージング)を示す。これ
は、本発明における反射型液晶素子に常に100万Lx
以上の光を照射し、更に最大反射率の得られる電圧を印
加し1KHzで駆動したものである。液晶素子に高照度
の光が照射されているため、液晶素子の温度は60℃前
後になっている。光エージングにかける液晶素子のプレ
ティルト角は光照射による減少を予測し、およそ4°と
大きめのものを用意した。この素子を光エージングにか
けるとプレティルト角は、はじめの100時間に4°か
ら2°に減少した。しかし100時間から1000時間
の900時間は2°のまま安定であった。このティルト
角の減少は表示に影響がないレベルのものである。従っ
て、本発明により配向の光安定性が改善できたといえ
る。
【0094】また、本実施例で負の誘電異方性を有する
ネマティック液晶を用いているが、本発明に使用される
液晶は前記液晶に限定されるものではない。
【0095】
【発明の効果】本発明では液晶層の配向膜に垂直配向性
のポリイミド膜を用いているので、配向安定性、塗工
性、化学的安定性、特に反射型プロジェクションに必要
な配向の耐熱性及び光安定性が増し、信頼性の向上がは
かれる。また、液晶分子を配向させるのに前記配向膜を
ラビングする方法を使用しているので、容易に広範囲に
わたって再現性よく所定の微小プレティルト角を得る事
ができる。さらにラビング密度を変化させることによ
り、プレティルト角を自在に制御することができる。ま
た、本発明では前記特徴をもつDAP型ECBモードを
動作モードとして採用しているのでコントラストをさら
に上げることができる。更に上述のようにしきい電圧の
温度依存性も改善できる。
【0096】以上に示すように本発明に係わる反射型液
晶素子では、このような配向方法を用いているのでプロ
ジェクションに必要な光安定性を向上させることがで
き、更に、先に示すような動作モードを採用しているの
で高コントラスト化がはかれ、故に高い表示性能を備え
た反射型液晶素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1による光書込型液晶ライトバルブの簡
潔化された断面図である。
【図2】ラビング密度とプレティルト角の関係を表した
グラフである。
【図3】本発明に用いたラビング装置の簡略化した断面
図である。
【図4】本発明によるDAPモードの液晶ライトバルブ
とHFEモードの光書込型液晶ライトバルブのしきい電
圧の温度依存性を比較したグラフである。
【図5】HFEモードのオンオフ比が大きい場合の、電
圧反射率特性を示す図である。
【図6】オンオフ比が小さい場合の電圧反射率特性を示
す図である。
【図7】 DAPモードの液晶ライトバルブにおける電
圧反射率特性を示す図である。
【図8】高照度下におけるプレティルト角の経時変化を
示した図である。
【図9】本発明を適用した実施例2の構造を示す構成説
明図である。
【図10】具体例2の構成説明図である。
【図11】具体例3の構成説明図である。
【図12】本発明を用いて作成した実施例1の反射型液
晶素子により構成されるプロジェクションシステムを示
した図である。
【図13】本発明を用いて作成した実施例2の反射型液
晶素子により構成されるプロジェクションシステムを示
した図である。
【図14】実施例3による反射型液晶素子の断面図であ
る。
【図15】実施例3による反射型液晶素子の平面図であ
る。
【図16】実施例に採用したラビング密度でのプレティ
ルト角θpとコントラスト比CRの関係を示した図であ
る。
【符号の説明】
100 実施例1の液晶ライトバルブ 101 ガラス基板 102 対向基板 103 反射防止膜 104 透明電極 105 対向電極 106 光導電体層 107 遮光層 108a、b 配向膜 109 スペーサ 110 液晶層 111 誘電体ミラー 112 書き込み光 113 読み出し光 120 読み出し光源 121 偏光ビームスプリッター 122 レンズ系 123 スクリーン 124 TFTパネル 125 書き込み光源 200 実施例2の反射型液晶素子 201 透明ガラス基板 202 透明対向電極 203 液晶層 204a 電極兼反射膜 204b アルミ電極 205 保護膜 206 フィールドシリコン酸化膜 207 単結晶シリコン基板 208 ソース領域 209 ドレイン領域 210 ゲート領域 211 ゲート絶縁膜 212 液晶スイッチング回路領域 213a カラーフィルター赤 213b カラーフィルター緑 213c カラーフィルター青 213d ゼラチン無染色領域 214 単結晶シリコン基板 215 記憶回路、画像処理回路領域 216 液晶駆動回路領域 217 液晶表示領域 218a、b 配向膜 220 光源 221 偏光ビームスプリッター 222 レンズ系 223 スクリーン 300 実施例3の反射型液晶素子 301 基板 302 ゲートバス配線 303 ゲート電極 304 ゲート絶縁膜 305 半導体層 306 ソース電極 307 ドレイン電極 308 反射電極 309 ソースバス配線 400 TFT素子 401 コンタクト電極 402 有機絶縁膜 403 コンタクトホール 404 配向膜 405 基板 406 カラーフィルタ 407 透明電極 408 配向膜 409 液晶

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向した基板間に液晶層を有す構成を持
    つ反射型液晶素子を備え、前記液晶素子により生成され
    た光画像を投射する投射型液晶表示装置において、 前記反射型液晶素子の液晶分子は、配向手段により、所
    定の傾斜角度(プレティルト角)を持つように配向され
    ており、前記配向手段がラビング処理された垂直配向性
    のポリイミド膜であることを特徴とする投射型液晶表示
    装置。
  2. 【請求項2】 前記対向した基板の少なくとも一方の基
    板が透明基板である反射型液晶素子を備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の投射型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記対向した基板の少なくとも一方の基
    板が単結晶シリコンである前記反射型液晶素子を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の投射型液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記反射型液晶素子が光書込型液晶ライ
    トバルブであることを特徴とする請求項1に記載の投射
    型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記プレティルト角が基板法線方向から
    5゜以下である前記反射型液晶素子を備えたことを特徴
    とする請求項1に記載の投射型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記対向した基板の少なくとも一方の基
    板にラビングを行った前記反射型液晶素子を備えたこと
    を特徴とする請求項1に記載の投射型液晶表示装置。
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