JPH09133930A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH09133930A
JPH09133930A JP23567296A JP23567296A JPH09133930A JP H09133930 A JPH09133930 A JP H09133930A JP 23567296 A JP23567296 A JP 23567296A JP 23567296 A JP23567296 A JP 23567296A JP H09133930 A JPH09133930 A JP H09133930A
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Japan
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crystal layer
crystal display
substrates
degrees
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Application number
JP23567296A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Itou
康尚 伊藤
Tadashi Kimura
直史 木村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶分子の配向を上下の基板でねじった構造
のGH方式の液晶表示素子は、コントラストを良くする
ためにねじれ角を大きくすると、液晶層の駆動に要する
電圧が高くなり、また、透過率の印加電圧依存性にヒス
テリシスが生じる。 【解決手段】 少なくとも一方が透光性を有する一対の
基板と、一対の基板に挟持された正の誘電率異方性を有
するカイラルネマティック液晶層と、液晶層に電圧を印
加する電圧印加手段とを有する液晶セルを備えた液晶表
示素子であって、液晶層には多色性染料が添加されてお
り、しかも、液晶層の液晶分子は、一対の基板の表面に
対して垂直な螺旋軸を中心にねじれており、一対の基板
の一方から他方に至る液晶分子のねじれ角が、0度以上
50度以下の範囲、140度以上250度以下の範囲、
および該範囲のねじれ角にπラジアンの整数倍を加えた
範囲の何れかの範囲内にある液晶表示素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子、特
に明るい表示を実現する液晶表示素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、外部光を変調する非発
光素子であるため低消費電力であり、また、薄型軽量で
あるという特徴を有する。このため、フラットパネルデ
ィスプレイに適用できて、時計、電卓、コンピュータ端
末、ワードプロセッサあるいはテレビ受像機用等の情報
表示装置として広い分野にわたり利用されている。
【0003】一方、現代は高度情報化社会というキーワ
ードに代表されるように、情報の流通量が増大し、各個
人における情報の収集や選択に対する要求が増大してい
る。このような背景において、個人用の携帯用情報端末
の必要性が広く認識され、その実現が期待されており、
積極的に開発が進められている。
【0004】携帯用情報端末においては、マン・マシー
ンインターフェースとしての情報表示装置が重要な役割
を担い、携帯用情報端末のキーデバイスとして位置付け
られている。携帯用情報端末の表示装置には、大容量の
情報が表示でき、軽量薄型で、視認性に優れ、低消費電
力という特性が要求される。液晶表示素子は、前述の要
求される特性を満足する表示素子として期待され、その
開発が積極的に進められている。
【0005】液晶を用いて表示を行う場合に種々の方式
が用いられるが、代表的な方式としてTN(Twist
ed Nematic)方式があげられる。この方式
は、2枚の基板間に液晶を配し、一方の基板からもう一
方の基板まで液晶分子の配向を90度ねじった構成の液
晶セルを用いる。このように液晶分子を配向した場合、
光学的には旋光性を示し、電圧等により分子配向を変化
させると旋光性が解消される。そのため、光の透過量が
変化し、光強度を変調でき、表示が行える。
【0006】TN方式は低電圧、低消費電力であり、コ
ントラストがよく、階調表示が可能であるため各種動作
モードの内でも最も広く液晶ディスプレイに用いられて
いる。
【0007】上記TN方式は前述したように数多くの優
れた特徴を有しているが、閾特性があまり急峻でない。
そのため、それだけでは大容量の表示に適さず、薄膜ト
ランジスタ(TFT)等の能動素子と組み合わされて用
いられるのが一般的である。
【0008】これに対し、液晶分子のねじれ角を90度
よりも大きくしたいわゆるSTN方式が提案された。こ
の方式は、光学的な旋光性と複屈折を用いるもので、閾
特性が急峻なため、マルチプレックス駆動に適し、それ
だけでも大容量表示が行える。この表示方式では、旋光
性と複屈折効果を利用しているために白黒の表示が行な
えなかったが、光学的位相補償を行うことにより無彩色
化が達成され、ワードプロセッサや携帯型のコンピュー
タの表示装置として多く利用されている。
【0009】さらに、強誘電性液晶を用い、その複屈折
効果を利用した方式も提案されている。この方式の特徴
は、応答速度が非常に速いことと、メモリー性を有する
ことである。
【0010】さらに、ポリマーマトリックス中に液晶を
分散させ、ポリマーと液晶の屈折率の不一致による散乱
効果を利用した表示方式も提案されている。この方式は
偏光子を用いなくても表示が行えるため、明るいディス
プレイが実現できる事や、視野角が広いという特徴を有
している。
【0011】その他に、液晶中に多色性の色素を混入
し、液晶分子の配向を変化させることにより色素分子を
配向変化させ、色素分子の吸収異方性を利用して表示を
行うゲスト・ホスト(GH)方式がある。
【0012】ゲスト・ホスト方式には液晶の分子配向状
態や、組み合わせる光学素子により種々の表示方式が提
案されている(Mol.Cryst.Liq.Crys
t.63巻19ページ、1981年)。
【0013】液晶分子をホモジニアス配向させ、偏光板
を使用するハイルマイヤー型(Appl.Phys.L
ett.13巻91ページ、1968年)は、コントラ
ストが良く、中間調表示も可能であるという特徴を有す
る。
【0014】また、ホモジニアス配向させた液晶層に1
/4波長板を組み合わせて反射型の表示に適用すること
で、偏光板を用いることなくコントラストの良い表示を
実現した方式もある(SID Symposium D
igest 96ページ、1977年)。この方式は偏
光板を用いないため、明るい表示が得られ、中間調表示
も可能であるという特徴を有する。
【0015】さらに、ホモジニアス配向させたGH液晶
セルを、2枚のセルの液晶分子の配向方向が直交するよ
うに積層して表示を行う方式も提案されている(SID
Symposium Digest 192ページ、
1980年)。この方式は偏光板を用いないため明るい
表示を実現でき、コントラストも良く中間調表示も可能
であるという特徴を有する。
【0016】そのほかに、カイラルネマティック液晶に
二色性色素を混入し、この液晶層を表面が垂直配向処理
された2枚の基板間に導入し、ネマティックコレステリ
ック相転移に伴う色素の吸収を利用して表示を行う相転
移型GH方式が提案されている(J.Appl.Phy
s.45巻4718ページ、1974年)。この方式
は、偏光板を用いないため明るい表示が得られるという
特徴を有する。
【0017】ゲスト・ホスト方式は、何れの方式も視野
角が広いという特徴を有している。また、1/4波長板
を用いたGH方式、2層型GH方式、相転移型GH方式
は偏光板を用いなくても表示が行えるため明るいディス
プレイが実現できる。
【0018】また、基板表面で液晶分子を平行配向さ
せ、一方の基板からもう一方の基板まで、液晶分子がね
じれた配向を有するようにしたGH方式(特開昭59−
28130号公報)が提案されている。この方式は、明
るい表示が実現でき、さらに単純マトリクス駆動による
大容量表示が実現できるという特徴を有している。
【0019】上記の公開公報によれば、さらに、光学的
には、液晶分子の屈折率異方性が小さい場合(開示内容
では△n≦0.15)は、色素分子による光の吸収が大
きいため、装置を偏光板無しで用いて、より明るいオン
状態を形成することが望ましい。液晶分子の屈折率異方
性が大きい場合(開示内容では△n≧0.15)は、単
一の偏光板を用いてオフ状態における吸収を増大させる
のが良いとされている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の液晶表示素子は、以下に示すような問題を有してい
る。
【0021】偏光板を用いるTN方式またはSTN方式
は、外部光の半分が吸収され光の利用効率が悪くなり、
明るい表示が実現できなかった。
【0022】また、TN方式においては、大容量表示を
行うために各画素ごとに能動素子を形成する必要があ
り、これらが光を遮るため、さらに光の利用効率が悪化
するという問題があった。
【0023】さらに、コントラストを向上させる目的
で、表示画素以外の部分にはブラックマトリックスと呼
ばれる遮光層が設けられる。これが光の利用効率を悪化
させている。
【0024】そのうえ、能動素子を付加したTN方式の
大容量表示装置においては、隣接する画素間の横方向電
界によって、ディスクリネーションが生じ、コントラス
トが低下するという問題がある。この問題を解決するた
めに、遮光層を用いてディスクリネーション部分をおお
い、コントラストを良くするという技術が用いられてい
る。この遮光層も、光の利用効率を悪化させる要因とな
っていた。
【0025】以上のような種々の原因により、TFTを
使用した、現在一般に用いられている大容量表示のディ
スプレイは、明るい表示を得るためにバックライト等の
外部光源を必要とする。この構成によって、見易い表示
が得られる反面、液晶の消費電力以上にバックライトの
消費電力が大きくなったり、液晶ディスプレイの厚さ以
上にバックライトおよびその光学系部分が厚くなるとい
う問題を生じることとなった。
【0026】これでは、液晶ディスプレイが本来有する
薄型軽量、低消費電力という優れた特徴が十分に発揮さ
れているとはいえない。
【0027】強誘電性液晶の複屈折効果を利用した表示
方式は、偏光子を2枚用いるため表示が暗くなること
や、強誘電性液晶の均一な分子配向が困難であるという
問題を有する。
【0028】ポリマーマトリックス中に液晶を分散さ
せ、ポリマーと液晶の屈折率の不一致による散乱効果を
利用した表示方式は、偏光子を用いないため明るい表示
が得られるが、駆動電圧が高い、十分な散乱が得られな
いためコントラストが良くないという問題を有してい
る。
【0029】ホモジニアス配向させたGH液晶に偏光子
を組み合わせた方式は、偏光板を用いるため十分な明る
さが得られないという問題を有している。偏光板が用い
られる理由は、色素分子の吸収軸に平行な偏光は吸収さ
れるが、吸収軸に垂直な偏光はほとんど吸収されないた
め、電圧無印加時に十分な吸収が得られず、コントラス
トが十分得られないためである。
【0030】さらに、ホモジニアス配向させたGH液晶
に1/4波長板を組み合わせ、反射型の表示に適用した
方式は、偏光子を用いないため明るい表示が実現できる
が、1/4波長板が1/4波長条件を満たすのは特定の
波長のみであるため白黒表示に適さないという問題を有
している。
【0031】ホモジニアス配向させたGH液晶セルを、
2枚のセルの液晶分子の配向方向が直行するように積層
して表示を行う方式は、偏光子を用いないため明るい表
示が得られ、中間調表示も可能であるという特徴を有す
るが、2枚の液晶セルを同時に駆動する必要があり製造
も困難であるという問題を有している。
【0032】これに対し、液晶分子の配向を上下の基板
間でねじった構造のGH方式は、光の偏光面の回転が液
晶分子の配向変化に追随できないため、偏光子を用いな
くても、電圧無印加時に十分な光吸収が得られる。その
ためコントラストは比較的良くなる。一般に、このねじ
れ角を大きくすればするほど、コントラストは良くな
る。しかし、このとき液晶層の駆動に要する電圧が高く
なり、また、透過率の印加電圧依存性にヒステリシスが
生じるため、中間調表示をできないという問題がある。
【0033】このGHセルを用いた表示素子は、特開昭
59−28130号公報に開示されているように、液晶
分子のねじれ角がπラジアンから2πラジアン未満の範
囲で実現された。透過率の印加電圧依存性がヒステリシ
スを生じないGHセルは、液晶分子のプレチルト角を大
きくすることで達成されている。また、2πラジアン以
下のねじれ角でも、角度によっては電圧印加時の透過率
が低くなってしまい、十分な明るさが得られないという
問題がある。さらに、上記の公開公報には、オン状態で
のねじれ角と明るさとの関係に関する記述は全く見られ
ない。
【0034】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、薄型軽量であり低消費電力で明るい液晶表示素
子を提供することであり、そのための光の利用効率の良
い新規な液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、少なくとも一方が透光性を有する一対の基板と、該
一対の基板に挟持された正の誘電率異方性を有するカイ
ラルネマティック液晶層と、該液晶層に電圧を印加する
電圧印加手段とを有する液晶セルを備えた液晶表示素子
であって、該液晶層には多色性染料が添加されており、
しかも、該液晶層の液晶分子は、該一対の基板の表面に
対して垂直な螺旋軸を中心にねじれており、該一対の基
板の一方から他方に至る該液晶分子のねじれ角が、0度
以上50度以下の範囲、140度以上250度以下の範
囲、および該範囲のねじれ角にπラジアンの整数倍を加
えた範囲の何れかの範囲内にある液晶表示素子であり、
そのことにより上記目的が達成される。
【0036】ある実施の形態では、前記液晶層を透過し
てきた光を反射する光反射板を前記液晶セルの外部に備
えている。
【0037】他の実施の形態によれば、前記電圧印加手
段は、前記一対の基板のうちの透光性を有する基板と前
記液晶層との間に設けられた透光性電極と、該一対の基
板のうちの他方と該液晶層との間に設けられた反射電極
とを備えている。
【0038】さらに他の実施の形態では、前記液晶セル
は、マトリクス状に配列された複数の表示画素を有して
おり、前記電圧印加手段は、前記液晶層に対して各表示
画素毎に電圧を印加するための複数の能動素子を含んで
いる。
【0039】さらに他の実施の形態では、前記カイラル
ネマティック液晶層の液晶分子のプレチルト角が1度以
上20度以下である。
【0040】さらに他の実施の形態では、前記カイラル
ネマティック液晶層の前記液晶分子の前記ねじれ角がお
よそ240度である。
【0041】さらに他の実施の形態では、前記一対の基
板間距離dと、前記カイラルネマティック液晶層に含ま
れる液晶材料の自発ピッチpとの比d/pの値が、およ
そ0.42以上0.91以下である。
【0042】さらに他の実施の形態では、前記カイラル
ネマティック液晶層に含まれる液晶材料の複屈折率△n
が0.1以下である。
【0043】さらに他の実施の形態では、前記カイラル
ネマティック液晶層に含まれる液晶材料のスプレイとの
弾性定数k11がおよそ10ピコニュートン以下である。
【0044】さらに他の実施の形態では、前記カイラル
ネマティック液晶層に含まれる液晶材料のベンドとスプ
レイとの弾性定数の比k33/k11がおよそ1.27以下
である。
【0045】以下作用について説明する。
【0046】本発明においては、多色性染料の吸収異方
性を効果的に利用することによって低消費電力で光の利
用効率を向上させ、明るく視野角の広い液晶表示素子を
実現する。
【0047】液晶分子の配向を上下の基板でねじった構
造のGH方式においては、光は、その偏光面を回転させ
がら液晶層を通過する。その際に、多色性分子による光
の吸収が生じる。このことにより偏光板を用いなくて
も、電圧無印加時に十分な光吸収が得られる。
【0048】本発明者らは、ねじれ角と明るさについて
詳細な検討を行った。その結果、オン状態の明るさに対
して、前記公報の開示内容のねじれ角の範囲が必ずしも
最良でなく、オン状態の明るさは、ねじれ角に大きく依
存することがわかった。さらに、発明者らが検討したね
じれ角の中でも最も明るく、ヒステリシスを生じない、
最適なねじれ角が存在する事を見いだした。
【0049】図9には液晶の電圧印加時の光の反射率の
ねじれ角依存性を示す。印加電圧は全てのねじれ角にお
いて一定にした。図9に示されるように、ねじれ角を変
化させることにより電圧印加時の反射率が変動する事が
わかる。このうち、ねじれ角が約0度と約180度付近
に反射率が最も高くなる領域が存在し、この領域のねじ
れ角でGH液晶を作製すれば最も明るい表示が得られる
ことがわかった。
【0050】電圧印加時には、液晶層のバルク分子がほ
とんど立ち上がり、これに伴い色素分子も立ち上がるた
め、バルクのGH液晶がほとんど吸収に寄与せず、基板
界面のGH液晶分子のみが吸収に寄与する。すなわち、
上下基板界面の分子の配向が平行に近いほど、電圧印加
時には吸収が小さくなり、明るい表示が得られる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0052】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態における液晶表示素子の構成を示す断面図
である。
【0053】図1に示すように、液晶表示素子は、所定
の間隔で配された透明基板1aおよび1bを有する。透
明基板la上には透明電極2aが設けられ、さらに液晶
分子の配向方向を制御するための配向膜3aが設けられ
ている。同様に、透明基板1bには透明電極2bが設け
られ、さらに液晶分子の配向方向を制御するための配向
膜3bが設けられている。これら配向膜3aおよび3b
間には、多色性染料とカイラル剤とを混入した液晶層4
が設けられ、GH液晶セル61が形成されている。な
お、液晶層4は、正の誘電率異方性を有する液晶層であ
る。液晶層4は、多色性染料による可視光の吸収を有
し、さらにカイラル剤が添加されているため自発的なね
じれ構造も有している。
【0054】透明電極2aおよび2bには、液晶分子の
配向状態を変化させるための変調制御手段50を接続
し、透明電極2aおよび2bに印加される電圧で液晶分
子の配向状態を制御し、光強度を変調制御する。以上の
ように、ねじれ配向させたGH液晶セル61と、変調制
御手段50とを組み合わせることにより、透過光強度を
変調できる光学素子としての液晶表示素子101が構成
される。
【0055】ここで、上記構成を有する液晶表示素子1
01の製造方法の一例を説明する。透明基板1aおよび
1bとして、厚みが1.1mmの7059ガラス基板
(コーニンググラスワークス社製)を使用した。ガラス
基板1aおよび1b上に、ITO膜をスパッタリングに
よってそれぞれ形成し、透明電極2aおよび2bを設け
る。
【0056】透明電極2aおよび2b上に、スピンコー
トにより、ポリイミドRN−1024(日産化学社製)
膜を均一に形成し、配向膜3aおよび3bを作製する。
配向膜3aおよび3bには、焼成後ラビングを施す。な
お、ラビング方向は、上下の基板間で240度ねじれた
液晶分子の配向を実現するように設定する。
【0057】その後、一方の透明基板の配向膜上に、液
晶層4の厚さを一定に保つために、直径5μmのグラス
ファイバースペーサー(日本電気硝子社製)(図示せ
ず)を散布し、液晶封止層(図示せず)として直径5.
3μmのグラスファイバースペーサーを混入した接着性
シール材をスクリーン印刷する。その後、透明基板1a
および1bの配向膜側を張り合わせる。真空注入法によ
って2枚の基板間に液晶を注入し、GH液晶セル61を
作製する。
【0058】本実施の形態の場合、液晶層の厚さ(セル
厚)を5μmに設定したが、特にこの値に制限するもの
ではなく、十分な可視光の吸収が得られ、印加電圧に対
する実用的な応答速度が得られる厚さであれば良く、通
常は1〜20μm程度が良い。
【0059】図11は、液晶分子の配向が240度ねじ
れたGH液晶セルのコントラストの△n依存性を示して
いる(△nは液晶の屈折率異方性である)。図11に示
すように、GH液晶セルのコントラストは△nに大きく
依存する。特に、△nが0.1を越えるとコントラスト
が急激に悪くなることがわかる。これは、液晶の△nが
大きくなると旋光性が大きくなり、その結果、電圧無印
加時の吸収が小さくなり十分なオフ状態の黒表示が得ら
れないからである。従って、この図より、△nは、0.
1以下が好ましい。
【0060】また、電圧印加時に均一な液晶の分子配向
を得るために、液晶分子を基板表面からわずかに傾斜さ
せる必要がある。液晶分子の配向方向と基板表面とがな
す角度、いわゆるプレチルト角は、およそ1度以上20
度以下が望ましい。しかし、実験的には、プレチルト角
が5度以上のとき、液晶表示素子のコントラストが良く
なることが確認されたため、本実施の形態では、プレチ
ルト角を約5度に設定した。プレチルト角はラビングの
条件によって制御され得る。
【0061】GH液晶材料を、以下のようにして調製す
る。用いた液晶はZLI−4792(メルク社製)であ
り、このホスト液晶に、アゾ系およびアントラキノン系
の黒色の多色性染料を数wt%混入する。さらに、液晶
に自発的なねじれを与えるために、光学活性物質のS−
811(メルク社製)を数wt%混入し、セル厚dとピ
ッチpとの比d/pがほぼ0.55になるように調整し
た。
【0062】d/pの値は特に上記の値に限られること
はなく、例えば本実施の形態の場合は0.42以上0.
91以下であれば良い。
【0063】また、液晶材料の弾性定数が、本実施の形
態の液晶表示素子の光学特性におよぼす影響を評価し
た。具体的には、拡張ジョーンズマトリクス法に基づい
た計算を行い、弾性定数をパラメータとして印加電圧と
透過率との関係を求めた。ただし、ジョーンズマトリク
ス法は偏光光学系しか扱えないため、自然光の反射率
を、ねじれた液晶中の2つの固有モードである右円偏光
と左円偏光とに分けて計算し、それぞれの反射率の平均
値を求めることで本実施の形態のGH液晶の光学特性を
評価した。その結果、図12に示すように、同じオン状
態の電圧を印加する場合、スプレイの弾性定数k11の絶
対値が小さいほど透過率が高く、明るい表示が得られる
ことがわかった。そのため、一定の印加電圧でより明る
い表示を得ようとすれば、k11の値は小さい程良い。具
体的には、k11の値は、10ピコニュートン(pN)以
下が望ましい。さらに、図13に示すように、同じオン
状態の電圧を印加する時、ベンドとスプレイとの弾性定
数の比k33/k11の値が小さいほど透過率が高く、明る
い表示が得られることがわかる。そのため、一定の印加
電圧でより明るい表示を得ようとすれば、k33/k11
値は小さい程良い。具体的には、その比の値は1.27
以下が望ましい。
【0064】図10は、上記と同様の作成手順によっ
て、液晶分子のねじれ角を180度および90度にした
場合の反射率の印加電圧依存性を示したものである(図
9に示すように、180度は電圧印加時の反射率が高い
ねじれ角であり、90度は電圧印加時の反射率が低いね
じれ角である)。図10より、本実施の形態で作製した
液晶表示素子は、電圧印加時の反射率が高く、非常に明
るい表示が実現できることがわかる。
【0065】本実施の形態では、ねじれ角を240度に
設定した。実際に表示を行う際は、本実施の形態の場
合、図9を参照すると、反射率が約50%以上の範囲で
明るくコントラストの良い表示を得た(反射率が50%
という数値は、通常の新聞と同程度の反射率であり、非
常に見やすい表示が得られる)。これに対応するねじれ
角の範囲は、0度以上50度以下、および140度以上
250度以下となる。したがって、好ましいねじれ角
は、0度以上50度以下、および140度以上250度
以下である。また、反射率の極大値は、原理的にπラジ
アン周期で現れるため、上記のねじれ角の範囲にπラジ
アンの整数倍を加えたねじれ角も好ましい。
【0066】上記の実施の形態のGH液晶表示素子にお
いて、液晶分子のプレチルト角をおよそ1度以上20度
以下の範囲にする理由について説明する。液晶表示素子
において、液晶分子のプレチルト角は、表示特性に大き
な影響を与えるパラメータである。基板間で液晶分子が
捻れた配向を有するGH液晶表示素子で階調表示を実現
す場合、ねじれ角やプレチルト角によっては、反射率の
印加電圧依存性に履歴(ヒステリシス)が生じたり、ド
メインが発生してしまい、階調表示ができない。プレチ
ルト角とねじれ角とが履歴特性にどのような影響を与え
るかを検討するため、一例として、メルク社製の液晶Z
LI−4792において、液晶分子の基板間におけるね
じれ角を240度、液晶材料の自発ピッチpとセル厚d
との比(d/p)を0.5としたときの、容量の印加電
圧依存性を、プレチルト角をパラメータとして計算した
結果を図14に示す。なお、この計算では、3つの弾性
定数k11、k22およびk33をそれぞれ、13.2、6.5、お
よび18.3ピコニュートンに設定し、誘電率εおよびε
をそれぞれ、8.3および3.1に設定した。ここでは、容
量の印加電圧依存性を示したが、この特性に履歴が生じ
ると、反射率の印加電圧依存性においても履歴が生じる
ことになる。図14より、プレチルト角が大きくなるほ
どしきい特性が急峻になり、低電圧で液晶分子が立ち上
がり、容量が増加することがわかる。この例では、プレ
チルト角が20度になると、履歴が生じており、GH液
晶セルにしたときに階調表示ができなくなる。この結果
より、履歴のない表示を実現しようとすれば、プレチル
ト角は20度以下であれば良い。また、上記の結果よ
り、プレチルト角が小さいほど階調表示に適するが、プ
レチルト角が小さすぎると、閾値近傍の電圧を印加した
ときに、ストライプドメインと呼ばれる配向不良が生
じ、良好な表示ができなくなる。このストライプドメイ
ンを無くすためには、d/pの値を小さくするか、誘電
率異方性の大きい液晶を用いるか、液晶分子の基板間に
おけるねじれ角を小さくすると効果がある。d/pに関
していえば、同じねじれ角においては、d/pの値が小
さいほど効果があるが、値が小さすぎると、180度小
さいねじれ角で安定してしまう。たとえば、ねじれ角が
240度の場合、d/pの値が0.42より小さくなる
と60度ねじれた配向が安定になってしまう。また、d
/pの値が、0.91より大きくなると420度ねじれ
た配向が安定になってしまう。そのため、d/pの範囲
としては0.42以上0.91以下が240度ねじれを
実現できる範囲である。しかしながらこの範囲内におい
ても、d/pの値が大きすぎると、上述のようにストラ
イプドメインと呼ばれる配向不良が生じるため、上限は
実験的に決められている。ピッチpが一定の場合は、液
晶セルのセル厚dのマージンが大きくなるためd/pの
許容される範囲は広いほうが好ましい。
【0067】上述のZLI−4792においては、実用
的なd/pの範囲が得られるプレチルト角は5度以上必
要であった。また、プレチルト角が小さすぎると電圧印
加時にリバースチルトが発生し、リバースチルトによっ
てディスクリネーションが生じるため、表示の均一性が
損なわれる。このためプレチルト角は1度以上が望まし
い。上記をまとめると、プレチルト角は小さい方が履歴
のない表示に好ましいが、小さすぎるとストライプドメ
インが生じやすくなり、許容されるd/pの範囲が狭く
なる。このため、実際の液晶表示素子の製造に適さなく
なる。以上のことより、プレチルト角の範囲としてはお
よそ1度以上20度以下が望ましく、およそ5度以上で
あればさらに良いといえる。
【0068】大きなプレチルト角を実現する配向膜を形
成する場合、一般にはSiOを蒸着材料として用いる斜
方蒸着法が用いられる。しかしながら、この方法は、大
面積に適用できないという問題点や、製造プロセスが複
雑になるという問題点を有するため、実際の製造には適
さない。また、ポリイミド膜のラビングによって大きな
プレチルト角を実現する場合、ラビング条件に対してプ
レチルト角が非常に敏感であるため、大面積にわたり均
一なプレチルト角を実現することは困難である。これに
対して5〜10度程度のプレチルト角は現在のプロセス
で安定して実現できるため、製造の容易さという観点か
らも上記のプレチルト角の範囲(およそ1度以上20度
以下)が好ましい。
【0069】次に、プレチルト角が光学特性におよぼす
影響について詳細に検討した。240度ねじれた構造の
GH反射型液晶表示素子においては、プレチルト角が大
きいほど、電圧印加時に基板表面層の多色性染料による
吸収が小さくなるため、明るい表示が得られる。図15
(a)には、電圧印加時の反射率のプレチルト角依存性
を示す。図15(a)より、プレチルト角が大きいほど
電圧印加時の明るさが良くなることがわかる。同様に図
15(b)には電圧無印加時の反射率のプレチルト角依
存性を示す。電圧無印加時には、プレチルト角が大きく
なると、基板表面の液晶分子が大きく立ち上がっている
ため、多色性染料による吸収が十分行われず、十分な黒
表示が行えなくなる。これを模式的に図16に示す。図
16(a)および図16(b)は、液晶分子の基板表面
に対する角度のセル厚方向の分布を示したものである。
グラフの縦軸は、液晶分子の基板表面に対する角度(以
下チルト角)である。グラフの横軸は基板間における位
置を示す。このグラフでは、2つの基板間の距離を1に
規格化して表示している。横軸の0および1に対応する
チルト角は、プレチルト角である。液晶分子が立ち上が
るほど多色性染料による吸収は小さくなるため、図中で
斜線で示した部分30aの面積が、定性的に光の吸収に
比例すると考えることができる。図16(a)にはプレ
チルト角5度の場合、図16(b)にはプレチルト角4
0度の場合をそれぞれ示す。図16(a)より、プレチ
ルト角が5度の場合の方が部分30aの面積が大きく、
十分黒表示が行えることがわかる。
【0070】図17にはGH液晶のオーダーパラメータ
Sをパラメータとして、GH液晶セルのコントラストの
プレチルト角依存性を示す。図17より、オーダーパラ
メータSが0.8の場合、コントラストはプレチルト角
が10度の場合に最大となり、それよりプレチルト角が
大きくなっても小さくなってもコントラストは悪くなっ
ているのがわかる。また、GH液晶のオーダーパラメー
タによらず、コントラストはプレチルト角が10度程度
で最大になることがわかる。図16および図17の結果
より、プレチルト角はおよそ1度以上20度以下が望ま
しいといえる。
【0071】(第2の実施の形態)図2は、本発明によ
る他の液晶表示素子の構成を示す断面図である。
【0072】図2に示すように、液晶表示素子は、所定
の間隔で配された透明基板1aおよび1bを有してい
る。透明基板1aには透明電極2aが設けられ、さらに
液晶分子を配向させるための配向膜3aが設けられてい
る。同様に、透明基板1bには透明電極2bが設けら
れ、さらに液晶分子を配向させるための配向膜3bが設
けられている。これら配向膜3aおよび3bの間には多
色性染料とカイラル剤を混入した液晶層4が設けられ、
液晶セル62が形成される。なお、液晶層4は、正の誘
電率異方性を有する液晶層である。液晶層4は、多色性
染料による光吸収を行い、さらにカイラル剤が添加され
ているため、自発的なねじれ構造も有している。
【0073】さらに、基板1aの、液晶層とは反対の表
面に、光反射層として反射板51が取り付けられてい
る。透明電極2aおよび2bに、液晶分子の配向状態を
変化させるための変調制御手段50が接続されている。
変調制御手段50は、透明電極2aおよび2bに表示電
圧を印加することにより液晶分子の配向状態を制御し、
光強度を変調制御する。以上のように、ねじれ配向させ
たGH液晶セル62と、反射板51と、変調制御手段5
0とを組み合わせることにより、反射光強度を変調でき
る光学素子としての反射型液晶表示素子l02を構成す
る。
【0074】上記表示素子102のGH液晶セル62
は、第1の実施の形態と同様な手法によって作製され
る。さらに、接着層52を介して反射板51をGH液晶
セル62に組み合わせることで上記表示素子102を実
現する。反射板51は、表面に凹凸を形成した基板の凹
凸面側に、アルミや銀のような反射率が高い金属の薄膜
を形成することで作製される。なお、基板表面の凹凸
は、周知のサンドブラスト法やポリッシング法によって
形成され、金属の薄膜は、真空蒸着やスパッタ等の手法
によって形成される。
【0075】本実施の形態の構成によれば、外部光を効
率よく利用して明るい表示が得られる低消費電力の反射
型液晶表示素子を実現できる。
【0076】(第3の実施の形態)図3は、本発明によ
るさらに他の液晶表示素子の構成を示す断面図である。
【0077】図3に示すように、液晶表示素子は、所定
の間隔で配された透明基板1bおよび支持基板1aを有
する。透明基板1bの一方の表面には、透明電極2b、
および液晶分子を配向させるための配向膜3bがこの順
序で設けられている。支持基板1aの一方の表面には、
光反射電極5a、および液晶分子を配向させるための配
向膜3cがこの順序で設けられている。これら配向膜3
bおよび3c間に、多色性染料とカイラル剤とを混入し
た液晶層4が設けられ、液晶セル63が形成される。な
お、液晶層4は、正の誘電率異方性を有する液晶層であ
る。液晶層4は、多色性染料による光吸収を行い、さら
にカイラル剤が添加されているために自発的なねじれ構
造も有している。透明電極2bおよび反射電極5aに
は、液晶分子の配向状態を変化させるための変調制御手
段50が接続されている。変調制御手段50は、透明電
極2bおよび反射電極5aの間に表示電圧を印加するこ
とで、液晶分子の配向状態を制御し、光強度を変調制御
する。以上のように、ねじれ配向させたGH液晶セル6
3と、変調制御手段50とを組み合わせることにより、
透過光強度を変調できる光学素子としての液晶表示素子
を構成する。
【0078】上記素子は、光反射電極5aを除けば第1
の実施の形態と同様の手法によって作製される。
【0079】図5(a)〜(f)を参照して光反射電極
5aの作製方法を説明する。まず、図5(a)に示すよ
うに、基板1aの一方の表面上にスパッタリング法によ
ってITO膜2aを形成した後、膜2aをフォトリソグ
ラフィー工程によって所望の形状に加工する。その後、
基板1a上に、OFPR800(東京応化製)をスピン
コートにより所望の厚さ(0.5〜1.0[μm])だ
け塗布することで、絶縁層を兼ねた感光性樹脂層6を形
成する。感光性樹脂層6を、図6に示すような、遮光部
分201を複数有するマスク200を用いて露光現像
し、そのことによって、図5(b)に示すような凹凸形
状を有する層7を形成する。このようにして形成した凸
部7aを200℃で加熱処理をすることで、図5(c)
に示すような丸みを帯びた形状に加工する。以上のよう
にして形成された凹凸層7上に、再度同一、もしくは異
なる感光性樹脂層8をスピンコートにより塗布し、それ
によって、図5(d)に示すように表面の起伏を滑らか
にした後、凹凸の形成された感光性樹脂層8を画素電極
と同じ形状になるようにフォトリソグラフィー法により
加工する(図5(e))。このとき同時に、感光性樹脂
層の一部に、下地電極まで貫通するコンタクトホール1
0(図5(f))を形成する。このようにして画素電極
の形状にパターニングされた感光性樹脂層8上に、図5
(f)に示すように、金属反射膜9としてのアルミニウ
ム薄膜をスパッタリング法によって形成する。このと
き、下地電極と金属反射膜9とはコンタクトホールを通
って電気的に接続されるので、金属反射膜9は反射電極
となる。
【0080】以上のようにして形成した反射電極9を、
所定の表示画素パターンに加工処理し、それによって、
光反射層付きの画素電極5aを形成する。さらに、反射
電極9の全面に配向膜を形成して光反射層付きの基板を
完成する。
【0081】以上の手順によって作製された光反射層
は、図3ではまとめて反射電極5aとして表記してい
る。
【0082】本実施の形態では、絶縁層を兼ねた感光性
樹脂層8に形成したコンタクトホール10を介して、信
号電極であるITO膜2aと金属反射膜9とを接続して
いる。あるいは該金属反射膜9を反射膜兼信号電極とし
て使用して、感光性樹脂層7の下部の信号電極としての
ITO膜2aの形成を省略することもできる。さらに、
パターニングによって、金属反射膜を除去する部分の感
光性樹脂層6を残してもよい。
【0083】また、本実施の形態では金属反射膜として
アルミニウムを用いたが、可視光領域で均一な反射特性
を有しかつ高い反射率を持つ金属であれば、特にこれに
限定せず、例えば銀などを使用してもよい。
【0084】本実施の形態の構成によれば、液晶セル内
に反射層を設けるために、視差による影響がない明るく
高品質な液晶表示装置を実現できる。
【0085】(第4の実施の形態)図4は、本発明によ
るさらに他の液晶表示素子の構成を示す断面図である。
【0086】図4に示すように、液晶表示素子は、所定
の間隔で配された透明基板1bおよび支持基板1aを有
する。透明基板1bの一方の表面には、透明電極2b、
および液晶分子を配向させるための配向膜3bがこの順
序で設けられている。支持基板1aの一方の表面には、
透明電極2aおよび能動素子としての複数の薄膜ダイオ
ード12が設けられ、さらに、それらの上に液晶分子を
配向させるための配向膜3aが設けられている。
【0087】これら配向膜3aおよび3b間に、多色性
染料とカイラル剤とを混入した液晶層4が設けられ、液
晶セル64が形成される。なお、液晶層4は、正の誘電
率異方性を有する液晶層である。液晶層4は、多色性染
料による光吸収を行い、さらにカイラル剤が添加されて
いるために自発的なねじれ構造も有している。液晶セル
64は、マトリクス状に配置された複数の表示画素を含
み、表示画素のそれぞれには、1つの能動素子12が設
けられている。
【0088】透明電極2bおよび薄膜ダイオード12に
は、液晶分子の配向状態を変化させるための変調制御手
段50を接続する。なお、変調制御手段50は、表示画
素のそれぞれに設けられた能動素子12と接続されてい
る(図示せず)。変調制御手段50は、透明電極2bお
よび薄膜ダイオード12に表示電圧を印加することで、
液晶分子の配向状態を制御し、光強度を変調制御する。
以上のように、ねじれ配向させたGH液晶セル64と変
調制御手段50とを組み合わすことによって、透過光強
度の変調が可能な光学素子としての液晶表示素子104
を構成する。
【0089】上記素子104は、薄膜ダイオードを除け
ば第1の実施の形態と同様の手法により作製される。
【0090】ここで、能動素子として薄膜ダイオードを
作製する方法を、図7(a)〜(e)を参照して説明す
る。図7(a)に示すように、基板1aの一方の表面上
に、タンタル(Ta)薄膜13aを、スパッタリング法
により厚さ約3000オングストローム程度に形成す
る。次に、図7(b)に示すように、上記Ta薄膜13
aを所望の形状となるようにフォトリソグラフィーによ
って加工し、Ta配線13を形成する。その後、図7
(c)に示すようにTa配線13の表面に陽極酸化処理
を施して、約600オングストローム程度の厚さのTa
25絶縁層14を形成する。さらに、図7(d)に示す
ように、Ta25絶縁層14上にチタン(Ti)膜をス
パッタリング法によって成膜し、これをフォトリソグラ
フィー工程により所定の形状に加工して、Ti電極15
を形成する。これにより、基板1a上に能動素子として
の薄膜ダイオード12を形成する。さらに図7(e)に
示すように、ITO膜の形成およびパターンニングによ
って、上記Ti電極15に接続された画素透明電極2a
を形成する。
【0091】以上の方法によって、能動素子としての薄
膜ダイオード12を形成する。
【0092】本実施の形態の液晶表示素子によれば、液
晶セルに能動素子が設けられているので、大容量の表示
が可能となる。このことにより、輝度が高く消費電力が
低い情報表示端末用の液晶表示素子が実現できる。
【0093】本実施の形態では、能動素子として薄膜ダ
イオードを用いているが、特にこれに限定されるもので
はなく、薄膜トランジスタを用いても良い。
【0094】また、第3の実施の形態と同様の手法によ
って光反射層を形成して、液晶セル内に反射層を有する
反射型液晶表示素子としても良い。図8(a)および
(b)は、そのようにして作製した液晶表示素子の断面
図を示す。なお、図8(a)および(b)において、凹
凸層7と感光性樹脂層8とは、一括して層16として表
しており、層16は、コンタクトホール16aを有して
いる。
【0095】図8(a)に示す反射型液晶表示素子10
5aは、光反射画素電極5aを用いた薄膜ダイオード1
2を有する。このような構造にすることによって、視差
が無く、表示品位に優れた反射型液晶表示素子を作製す
ることができる。
【0096】一方、図8(b)が示す反射型液晶表示素
子105bでは、光反射画素電極5bにおいて、反射膜
9が反射型液晶表示素子105aにおける電極2aの機
能を兼ねている。このような構成にすることで、前述の
優れた特徴に加えて、製造工程を簡単にできるという特
徴を有する反射型液晶表示素子を得ることができる。
【0097】本実施の形態では、反射型液晶表示素子に
ついて説明したが、本発明は、透過型液晶表示素子にも
適用できる。
【0098】(第5の実施の形態)図18は本発明の第
5の実施の形態における液晶表示素子106の構成を示
す断面図である。液晶表示素子106は所定の間隔で配
された支持基板1aおよび透明基板1bとを有する。支
持基板1aの表面には凹凸が形成されており、この凹凸
上に表示電極を兼ねた反射板2cが設けられ、さらに液
晶分子に接する配向層3aが設けられている。同様に、
透明基板1b上には透明電極2bが設けられ、液晶分子
に接する配向膜3bが設けられている。これら配向膜3
a,3b間には多色性染料とカイラル材を混入した液晶
層4’が設けられている。液晶層4’は多色性染料によ
り光の吸収を有し、さらにカイラル材が添加されている
ため自発的にねじれ構造も有している。表示電極を兼ね
た反射板2cと透明電極2bとには液晶分子の配向形態
を変化させるための変調制御手段50が接続されてお
り、印加される表示電圧による外場である電界で液晶分
子の配向形態を制御し、光強度を変調制御する。以上に
より、ねじれ配向させたGH液晶セルと、変調制御手段
50とを組み合わせる事により、透過光強度を変調する
事ができる光学素子としての液晶表示装置106が構成
される。
【0099】本実施例の形態の場合、許容されるd/p
の範囲をくさびセルを用いてあらかじめ測定した。その
結果、プレチルト角が1.5度の場合、d/pが0.4
2以上で基板間で240度ツイストとなり、d/pが
0.54より大きくなるとストライプドメインが生じ
た。この結果より、許容されるd/pの範囲は0.42
以上0.54以下となる。自発ピッチを9μmとした場
合、許容されるセル厚dの範囲は3.78μm以上4.
86μm以下となり、マージンはこの範囲の中心値から
±0.54μmとなる。本実施の形態の場合、反射板2
cを形成するために表面に凹凸を形成してあり、凹凸の
段差が中心値から±0.5μm有り、前述のくさびセル
による実験結果より、セル厚dのばらつきに許容される
範囲は0.04μmしかない。これはセル厚dを4.5
μmとした場合にセル厚dの±1%以下の制御性が要求
され、実際の作製プロセスが非常に厳しくなり、現実的
ではない。
【0100】これに対して、プレチルト角が5度の場
合、同様のくさびセルによる実験の結果、d/pが0.
42以上で240度ツイストとなり、d/pが0.67
より大きくなるとストライプドメインが生じた。この結
果より、許容されるd/pの範囲は0.42以上0.6
7以下となる。自発ピッチを9μmとした場合、許容さ
れるセル厚dの範囲は3.78μm以上6.03μmと
なり、マージンは範囲の中心値から±1.12μmとな
る。本実施の形態の場合、反射板2cを形成するために
基板1aの表面に凹凸を形成してあり、凹凸の段差が、
凹凸の中心値から±0.5μm有るので、前述のくさび
セルによる実験結果より、セル厚のばらつきに許容され
る範囲は±0.62μmとなる。これはセル厚dが4.
5μmとした場合にセル厚dの±13%以下の制御性で
セルを作製できるため実際の作成プロセスに十分適応で
きる。
【0101】次に、上述の構成を有する液晶表示素子の
製造方法の例を説明する。支持基板1aおよび透明基盤
1bとして厚みが1.1mmの7059ガラス基板(コ
ーニンググラスワークス社製)を使用し、ガラス基板1
a上に反射電極2aとしてのアルミをスパッタ法によっ
て形成した。ガラス基板1a上には微細な凹凸(図示せ
ず)が形成されている。この凹凸は周知のサンドブラス
ト法やポリッシング法によって形成した。以上によって
光散乱性を有する反射電極2aが作製された。さらに、
透明基板1b上に透明電極としてのITO膜3をスパッ
タ法により形成し電極とした。配向層3aおよび3bは
ポリイミドSE−150(日産化学社製)をスピンコー
トにより均一に形成し、焼成後ラビングを施した。ラビ
ング方向は上下の基板1aおよび1b間で240度ねじ
れた配向が実現できる様に設定した。その後、液晶層
4’の間隔を一定に保つために、4.5μmのグラスフ
ァイバースペーサー(図示せず)を散布し、液晶封止層
(図示せず)として4.8μmのグラスファイバースペ
ーサーを混入した接着性シール材をスクリーン印刷する
ことにより形成し、2つの基板1aおよび1bを張り合
わせた。その後、2枚の基板間に、真空脱気により液晶
材料を注入し、GH液晶セルを作製した。液晶層4’の
間隔は本実施の形態の場合4.5μmに設定したが、特
に制限されるものではなく、十分な光の吸収が得られ、
実用的な応答速度が得られる厚さであれば良く、通常は
2〜15μm程度が良い。
【0102】GH液晶材料は以下のようにして調整し
た。用いた液晶材料はフッ素系の混合液晶材料であり、
このホスト液晶材料に数種類のアゾ系およびアントラキ
ノン系の黒色の多色性染料を数wt%混入し、白黒表示
ができるように色相を調節した。さらに、液晶層に自発
的なねじれを与えるため光学活性物質のS−811(メ
ルク社製)を数wt%混入し、自発ピッチpとセル厚d
の比d/pがほぼ0.5になるように調整した。
【0103】この様にして作製した反射型液晶表示素子
は、コントラスト6で明るく階調表示可能であった。本
実施の形態では能動素子を形成していない基板を支持基
板として用いたが、本実施の形態をTFTやMIM等の
能動素子と組み合わせることで大容量表示が行えること
は明らかである。さらに、本実施例では白黒表示のみに
ついて行ったが、公知のマイクロカラーフィルターと組
み合わせることで、カラー表示が行えることも明らかで
ある。
【0104】以上のように本発明の液晶表示素子によれ
ば、明るくコントラストの良い反射型液晶表示素子が実
現できる。また、反射型GH液晶表示素子において、最
適な明るさとコントラストを得るためのプレチルト角と
ねじれ角との範囲を明らかにしたことで、設計の自由度
も増し、設計が簡便に行えるようになった。
【0105】第1〜第5の実施の形態で説明した液晶分
子のねじれ角の範囲は、反射型液晶表示素子に最適なね
じれ角の範囲である。
【0106】透過型液晶表示装置において好ましいコン
トラストをもたらすように最適化されたねじれ角や複屈
折率等の数値を単に半分にしただけでは、反射型液晶表
示装置に最適な数値となるとは限らない。なぜなら、反
射型液晶表示装置では、反射板において液晶分子のねじ
れ配向の対称面が存在するからである。ねじれ配向の対
称面が存在するので、入射光と反射光とに対する液晶層
の旋光性が異なる。透過型液晶表示素子では、ねじれ配
向の対称面が存在しないので、反射型液晶表示素子と透
過型液晶表示素子とでは、光の経路に対する液晶層の影
響が異なる。上述の実施の形態で説明した好ましいコン
トラストを与えるねじれ角の値の範囲は、これらの影響
を考慮した上で導かれた範囲である。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、正の誘電率異方性を有
するカイラルネマティック液晶層のねじれ角が、0度以
上50度以下の範囲、140度以上250度以下の範
囲、およびこれらの範囲の値にπラジアンの整数倍を加
えた範囲内に決定されているため、同じ印加電圧でも、
明るく光の利用効率の良い液晶表示素子が提供される。
【0108】さらに、前記液晶層を透過してきた光を反
射する光反射板を前記液晶セルの外部に備えることによ
り、外部光源の光を効率よく利用することができ、低消
費電力で明るい表示が得られる。
【0109】また、カイラルネマティック液晶層の液晶
分子のプレチルト角が1度以上20度以下であるので、
ストライプドメインが発生しない良好な表示を提供する
液晶表示素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における液晶表示素
子の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態における液晶表示素
子の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態における液晶表示素
子の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態における液晶表示素
子の構成を示す断面図である。
【図5】(a)〜(f)は、本発明の第3の実施の形態
における光反射電極の作製方法を示す工程断面図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施の形態において光反射電極
を作製するときのフォトリソグラフィー工程に用いる遮
光パターンを示す図である。
【図7】(a)〜(e)は、本発明の第4の実施の形態
における薄膜ダイオードの作製方法を示す工程断面図で
ある。
【図8】(a)および(b)は、本発明の第4の実施の
形態における別の液晶表示素子の構成を示す断面図であ
る。
【図9】第1の実施の形態の液晶表示素子における反射
率のねじれ角依存性を示すグラフである。
【図10】GH型液晶表示素子において、液晶のねじれ
角を変化させたときの電圧印加時の反射率の変化を示す
グラフである。
【図11】240度ねじれのGH型液晶表示素子におけ
るコントラストの△n依存性を示すグラフである。
【図12】スプレイの弾性定数k11をパラーメーターと
したときの反射率の印加電圧依存性を示すグラフであ
る。
【図13】ベンドとスプレイとの弾性定数の比k33/k
11をパラメーターとしたときの反射率の印加電圧依存性
を示すグラフである。
【図14】液晶層の容量の印加電圧依存性を示すグラ
フ。
【図15】(a)は、電圧印加時での反射率のプレチル
ト角依存性を示すグラフ。(b)は、電圧無印加時での
反射率のプレチルト角依存性を示すグラフ。
【図16】電圧無印加時の基板間のチルト角の分布を示
すグラフである。(a)は、プレチルト角が5度の場合
のグラフ。(b)は、プレチルト角が40度の場合のグ
ラフ。
【図17】コントラストのプレチルト角依存性を示すグ
ラフ。
【図18】本発明の第5の実施の形態における液晶表示
素子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b 基板 2a、2b 透明電極 3a、3b 配向膜 4 液晶層 5a、5b 光反射電極 6、7、8 感光性樹脂層 9 金属反射膜 12 薄膜ダイオード 50 変調制御手段 61、62、63、64、65 液晶セル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性を有する一対の
    基板と、該一対の基板に挟持された正の誘電率異方性を
    有するカイラルネマティック液晶層と、該液晶層に電圧
    を印加する電圧印加手段とを有する液晶セルを備えた液
    晶表示素子であって、 該液晶層には多色性染料が添加されており、 該液晶層の液晶分子は、該一対の基板の表面に対して垂
    直な螺旋軸を中心にねじれており、該一対の基板の一方
    から他方に至る該液晶分子のねじれ角が、0度以上50
    度以下の範囲、140度以上250度以下の範囲、およ
    び該範囲のねじれ角にπラジアンの整数倍を加えた範囲
    の何れかの範囲内にある液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記液晶層を透過してきた光を反射する
    光反射板を前記液晶セルの外部に備えている請求項1に
    記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記電圧印加手段は、前記一対の基板の
    うちの透光性を有する基板と前記液晶層との間に設けら
    れた透光性電極と、該一対の基板のうちの他方と該液晶
    層との間に設けられた反射電極とを備えている請求項1
    に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶セルは、マトリクス状に配列さ
    れた複数の表示画素を有しており、前記電圧印加手段
    は、前記液晶層に対して各表示画素毎に電圧を印加する
    ための複数の能動素子を含んでいる請求項1から3のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記カイラルネマティック液晶層の液晶
    分子のプレチルト角が1度以上20度以下である請求項
    1から4のいずれかに記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記カイラルネマティック液晶層の前記
    液晶分子の前記ねじれ角がおよそ240度である請求項
    1に記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記一対の基板間距離dと、前記カイラ
    ルネマティック液晶層に含まれる液晶材料の自発ピッチ
    pとの比d/pの値が、およそ0.42以上0.91以
    下である請求項6に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記カイラルネマティック液晶層に含ま
    れる液晶材料の複屈折率△nが0.1以下である請求項
    1に記載の液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記カイラルネマティック液晶層に含ま
    れる液晶材料のスプレイの弾性定数k11がおよそ10ピ
    コニュートン以下である請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  10. 【請求項10】 前記カイラルネマティック液晶層に含
    まれる液晶材料のベンドとスプレイとの弾性定数の比k
    33/k11がおよそ1.27以下である請求項1に記載の
    液晶表示装置。
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