JP3046730B2 - 反射拡散板および反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射拡散板および反射型液晶表示装置

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JP3046730B2
JP3046730B2 JP6292996A JP29299694A JP3046730B2 JP 3046730 B2 JP3046730 B2 JP 3046730B2 JP 6292996 A JP6292996 A JP 6292996A JP 29299694 A JP29299694 A JP 29299694A JP 3046730 B2 JP3046730 B2 JP 3046730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周囲光を反射すること
によって表示を行う反射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射型液晶表示装置に要求される性能の
中で最も重要となるのは、液晶表示装置内に入射した周
囲光をいかに効率よく反射させて、表示に有効に活用で
きるかである。現在、明るい表示を得るために、反射板
の凹凸形状を最適化し、その表面に反射膜を設け反射板
とし、反射特性に指向性を持たせる方法が、例えば特開
平5−323371号公報に提案されている。
【0003】以下に、特開平5−323371号公報に
記載された技術を説明する。図15は、反射型液晶表示
装置130の断面図であり、図16は図15に示される
反射板152の平面図である。ガラスなどから成る絶縁
性の基板131上に、クロム、タンタルなどから成る複
数のゲートバス配線132が互いに平行に設けられ、ゲ
ートバス配線132からはゲート電極133が分岐して
いる。ゲートバス配線132は、走査線として機能して
いる。
【0004】ゲート電極133を覆って基板131上の
全面に、窒化シリコン(SiNX )、酸化シリコン(S
iOX )などから成るゲート絶縁膜134が形成されて
いる。ゲート電極133の上方のゲート絶縁膜134上
には、非晶質シリコン(以下、a−Siと記す)、多結
晶シリコン、CdSeなどから成る半導体層135が形
成されている。半導体層135の両端部には、a−Si
などから成るコンタクト電極141が形成されている。
一方のコンタクト電極141上にはチタン、モリブデ
ン、アルミニウム等から成るソース電極136が重畳形
成され、他方のコンタクト電極141上にはソース電極
136と同様にチタン、モリブデン、アルミニウムなど
から成るドレイン電極137が重畳形成されている。
【0005】図16に示すようにソース電極136に
は、ゲートバス配線132に上記のゲート絶縁膜134
を挟んで交差するソースバス配線139が接続されてい
る。ソースバス配線139は、信号線として機能してい
る。ソースバス配線139も、ソース電極136と同様
の金属で形成されている。ゲート電極133、ゲート絶
縁膜134、半導体層135、ソース電極136および
ドレイン電極137は、TFT140を構成し、該TF
T140はスイッチング素子の機能を有する。
【0006】ゲートバス配線132、ソースバス配線1
39およびTFT140を覆って、基板131上全面に
有機絶縁膜142が形成されている。有機絶縁膜142
の反射電極138が形成される領域には先細状で底面部
の断面形状が直径3〜20μmの凸部が高さHで、隣接
する凸部が1μm以上離れて形成されており、ドレイン
電極137部分にはコンタクトホール143が形成され
ている。有機絶縁膜142の形成方法やこれにコンタク
トホール143を形成する工程上の問題、および液晶表
示装置130を作成する際のセル厚のばらつきを小さく
するため、前記凸部の高さHは10μm以下が好まし
い。有機絶縁膜142の円形の凸部142aの形成領域
上にアルミニウム、銀などから成る反射電極138が形
成され、反射電極138はコンタクトホール143にお
いてドレイン電極137と接続される。さらにその上に
は配向膜144が形成される。
【0007】他方の基板145上には、カラーフィルタ
ー146が形成される。カラーフィルター146の基板
131の反射電極138に対向する位置にはマゼンタま
たは緑のフィルター146aが形成され、反射電極13
8に対向しない位置にはブラックのフィルター146b
が形成される。カラーフィルター146上の全面にはI
TOなどから成る透明電極147、さらにその上には配
向膜148が形成される。
【0008】両基板131、145は、反射電極138
とフィルター146aとが一致するように対向して貼り
合わせられ、間に液晶149が注入されて反射型液晶表
示装置130が完成する。
【0009】有機絶縁膜142上の凸部の形状は、マス
クの形状、ホトレジストの厚さ、ドライエッチングの時
間によって制御することができるが、さらに他の有機絶
縁膜を塗布してもよい。
【0010】有機絶縁膜142のドライエッチング時間
を長くして、種々の半径の円形の凸部142aとのそれ
ぞれの高さHを1μmとした基板131を得ることがで
き、高さHが1μmである反射電極138を有する反射
板152を基板とする反射型液晶表示装置が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の反射板をド
ライエッチングやウエットエッチングで作製すると、次
のような問題がある。ドライエッチングはエッチング槽
内でのガスの流れによるエッチング力の分布ができるた
め、面内での分布が悪く、均一な形状に制御できなく、
またウエットエッチングは全面が液につかっているた
め、均一な形状に制御するのが困難である。従って、上
記従来の反射板では指向性、散乱性を精度良く制御でき
ないという問題がある。
【0012】また、従来の反射型液晶表示装置では凹凸
形状の反射板を液晶層側に作成するとラビングなどの配
向処理を行った場合、基板界面の液晶分子が一定方向の
傾きをしないため、ディスクリネーションラインが生
じ、安定した配向にならないという問題がある。
【0013】また、液晶層側に凹凸が形成されている基
板を用いると、凹部と凸部があるため、画面内で均一な
セル厚を達成することができなくなる。これはコントラ
スト低下、表示画面内でのムラなど表示品位の低下につ
ながるという問題がある。
【0014】また、反射膜が凹凸表面であると反射電極
としてパターニングするとき、凹凸のためにパターニン
グ不良が起こる原因となるという問題がある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、反射層上に、
表面がほぼ平坦で面内に屈折率分布を有する拡散層を形
成したことを特徴とする反射拡散板である。
【0016】また、本発明は、液晶層を介在して対向配
置される一対の基板のうちの少なくともどちらかの基板
が透明基板であり、一方の基板上の液晶層側に他方の基
板側からの入射光を反射する反射層を形成し、該他方の
基板の液晶層側にほぼ全面にわたって透光性を有する共
通電極を形成して構成される反射型液晶表示装置におい
て、前記一方の基板上の反射層と他方の基板の間に、表
面がほぼ平坦で面内に屈折率分布を有する拡散層を形成
したことを特徴とする反射型液晶表示装置。
【0017】
【作用】本発明の反射拡散板によれば、従来にない良好
な指向性を持った反射特性が得られる。
【0018】また、この反射拡散板を反射型液晶表示装
置に適用した場合、液晶層と電極の間に絶縁膜を設けな
い構造を取ることができるので、ロスのない電圧印加が
行われる。
【0019】また、基板に凹凸を持たせて散乱光を得て
いるのではなく、平坦な反射拡散板を用いているため、
基板界面の液晶分子が一定方向の傾きをし、安定した配
向するという理由により、良好な配向状態が得られる。
【0020】また、反射拡散板の表面が平坦であるた
め、表示領域で均一なセル厚が得られ、そのため液晶層
への均一な電圧印加がなされ、その結果、良好な均一表
示と視角特性が得られる。
【0021】さらに、反射拡散板が平坦な膜であるため
に各膜のパターニングが良好に行われ、プロセス性に優
れた反射型液晶表示装置が得られる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)本発明の第1の実施例である反射拡散板お
よびこれを用いた反射型液晶表示装置について説明す
る。実施例1である表面がほぼ平坦で屈折率の異なる分
布を有する膜を使用した反射拡散板20の形成工程を図
1に示す。
【0023】まず、図1の(a)に示すように、ガラス
(コーニング社製7059)などから成る絶縁性の基板
21に反射膜22としてアルミニウムを300nmの均
一な厚さにスパッタリングして形成する。反射膜22は
アルミニウムに限定されるものではなく、Ti,Ta,
Cu,Ag,Ptなどの他の金属でもよく、またスパッ
タ法の他に蒸着などの方法で形成してもよい。また、反
射膜の膜厚も光を充分反射する範囲であればよい。この
後、アルミニウムをストライプ電極にパターニングし、
これを反射電極とする。
【0024】次に、図1の(b)に示すように、有機材
料膜23aとして、クロロメタクリレートにドーパント
としてメチルメタクリレートを加えた感光性共重合体
と、4重量%のトルエン溶液との混合液を、基板21上
にスピンコートで均一に塗布する。膜厚は好ましくは
0.5μm〜4μmがよい。膜厚が0.5μmより薄け
れば膜が形成しにくく、4μmより厚ければ、膜厚むら
が発生する。塗布後、オーブンで60℃、30分焼成す
る。
【0025】次に、図1の(c)に示すように、所定の
フォトマスク24を介して紫外光(UV光)25を照射
する。このフォトマスク24により、紫外光(UV光)
25が照射した部分と照射しない部分ができるため、上
記の有機材料膜23bに屈折率が異なる領域を形成でき
る。
【0026】フォトマスク24としては、上記スピンコ
ーティングにより形成した有機材料膜23が、一つの画
素内ではランダムな屈折率の分布をもち、その画素が多
数配列した表示部分全体で均一になるパターンのものを
用いた。
【0027】図2にフォトマスク24の1例を示す。図
2(a)のフォトマスク24は一辺が100〜200μ
mの方形のFで示す単位パターンを基準にし、該単位パ
ターンを縦横に繰返し配列している。また、このフォト
マスクは図2(b)に示すように鏡面反転を利用して設
計したフォトマスクでもよい。
【0028】さらに、これら以外に、表示部分全体でラ
ンダムな屈折率分布になるようなフォトマスクでもよ
い。
【0029】また、この実施例ではフォトマスクを一枚
使用してランダムな屈折率の分布を形成させたが、複数
のマスクを積層して露光を一回させて作製させることも
可能であり、複数のマスクを1枚ずつ露光する操作を複
数回行って作製させることも可能である。
【0030】また、光の照射量と屈折率とは、例えば図
3に示すような相関関係があり、光の照射量が大きけれ
ば、屈折率の変化が大きくなるという結果が得られてい
る。このことにより、光の照射量を変化させることによ
り屈折率を変化させることが可能である。
【0031】次に、オーブンで95℃、5時間の再焼成
を行って、図1の(d)に示すように、屈折率が異なる
領域を有する有機材料膜23を形成した反射拡散板20
が完成する。
【0032】このようにして得られた反射拡散板20の
反射特性の測定方法を図4に示す。反射拡散板20を実
際の液晶表示装置に用いる場合と同じ条件にするため
に、液晶層とガラス基板の屈折率はいずれも約1.5と
ほぼ等しいので、反射拡散板20上に屈折率1.5の紫
外線硬化接着樹脂42を用いてガラス基板43を密着さ
せて、測定装置40を作製する。
【0033】ガラス基板43の上部には、光の強度を測
定するフォトマルチメーター45が配置されている。フ
ォトマルチメータ45は、反射拡散板20に対して入射
角θで入射する入射光44のうち、反射拡散板20によ
って測定装置40の法線方向に反射する散乱光46を検
出するように、反射拡散板20の法線方向に固定されて
いる。
【0034】測定装置40に入射される入射光44の入
射角θを変化させて反射拡散板20による法線方向の散
乱光46を測定することにより、反射特性が得られる。
【0035】上述した反射拡散板の製造条件を変化させ
て、反射特性が異なる反射拡散板を作製し、その反射特
性を測定した結果を図5に示す。図5において、入射角
θをもって入射する光の反射強度はθ=0°の線に対す
る角度θの方向に原点0からの距離として表される。白
丸で示す反射特性曲線は標準白色板(酸化マグネシウ
ム)について測定したものである。反射特性31は指向
性の強い反射拡散板を示し、反射特性33は散乱性の強
い反射拡散板を示し、反射特性32はそれらの中間の反
射特性をもつ反射拡散板を示す。例えば、反射特性33
の反射拡散板はθが約±40°の範囲で標準白色板より
反射特性がよく、明るい表示が得られ、周囲光を有効に
利用していることがわかる。
【0036】上記の方法で作製した反射拡散板を用いた
反射型液晶表示装置の断面図を図6に示す。反射拡散板
側基板56上には、ポリイミドをスピンコータで塗布し
た後、焼成することにより配向膜51を形成する。ガラ
ス(コーニング製7059)などから成る絶縁性の対向
基板52に、ITO膜(indium thin ox
side)53が膜厚0.1μmで形成され、ストライ
プ電極として所望の形状にパターニングされ、これを対
向電極とする。その上に反射拡散板側基板56と同様の
方法で配向膜51を形成する。上下の両配向膜51・5
1はフェルトでラビング処理を行う。
【0037】対向基板52と反射拡散板側基板56を例
えば6μmのスペーサを混入した接着性のシール材57
を用いてラビング方向が逆向きになるように貼合せ、真
空脱気することにより液晶54(メルク社製:ZLI2
459)を注入した後、注入口を樹脂で封止する。次
に、光の入射側に位置する対向基板52の外側に偏光板
55を設置して、反射型液晶表示装置50が完成する。
【0038】本反射型液晶表示装置によれば、良好な反
射特性が得られ、均一な表示で白表示時に極めて明る
く、コントラストも高い見やすい表示が得らる。
【0039】(実施例2)本発明の第2の実施例である
反射型液晶表示装置について以下に説明する。実施例2
である表面がほぼ平坦で屈折率の異なる分布を有する膜
を使用した反射拡散板60の反射拡散板形成工程を図7
に示す。
【0040】まず、図7の(a)に示すように、実施例
1と同様にガラスなどから成る絶縁性の基板61上に反
射膜62を均一な厚さに形成する。
【0041】次に、図7の(b)に示すように、有機材
料膜63aとして、クロロメタクリレートにドーパント
としてメチルメタクリレートを加えた感光性共重合体
と、4重量%のトルエン溶液との混合液を、基板61上
にスピンコートで均一に塗布する。塗布後、オーブンで
60℃、30分焼成する。
【0042】次に、図7の(c)に示すように、所定の
フォトマスク64を介して紫外光(UV光)65を照射
する。このフォトマスク64により、紫外光(UV光)
65が照射される部分と照射されない部分ができるた
め、上記の有機材料膜63bに屈折率が異なる領域を形
成できる。
【0043】照射後、オーブンで95℃、5時間の再焼
成を行って、図7の(d)に示すような有機材料膜63
が完成する。その後、ITO膜66を0.1μmの膜厚
で形成し、ストライプ電極として所望の形状にパターニ
ングを行い、これを反射電極66とする反射拡散板60
が完成する。
【0044】この構造にすることで、絶縁層による電圧
ロスがなく、液晶層に有効に電圧印加することが可能に
なる。
【0045】上記の方法で作成した反射拡散板を用いた
反射型液晶表示装置の断面図を図8に示す。反射拡散板
側基板76上には、ポリイミドをスピンコータで塗布し
た後、焼成することにより配向膜71を形成する。ガラ
ス(コーニング製7059)などから成る絶縁性の対向
基板72に、ITO膜(indium thin ox
side)73が膜厚0.1μmで形成され、ストライ
プ電極として所望の形状にパターニングされ、これを対
向電極とする。その上に反射拡散板側基板76と同様の
方法で配向膜71を形成する。上下の両配向膜71、7
1はフェルトでラビング処理を行う。
【0046】対向基板72と反射拡散板側基板76を例
えば6μmのスペーサを混入した接着性のシール材77
を用いてラビング方向が逆向きになるように貼合せ、真
空脱気することにより液晶74(メルク社製:ZLI2
459)を注入した後、注入口を樹脂で封止する。次
に、光の入射側に位置する対向基板72の外側に偏光板
75を設置して、反射型液晶表示装置70が完成する。
【0047】本実施例の反射型液晶表示装置によれば、
良好な反射特性が得られ、かつ、低電圧駆動が可能で明
るい高コントラストな反射型液晶表示が可能となる。
【0048】(実施例3)本発明の第3の実施例である
反射拡散板およびこれを用いた反射型液晶表示装置につ
いて説明する。実施例3である表面がほぼ平坦で屈折率
の異なる分布を有する膜を使用した反射拡散板80の形
成工程を図9に示す。
【0049】まず、図9の(a)に示すように、ガラス
(コーニング社製7059)などから成る絶縁性の基板
81に反射膜82としてアルミニウムを300nmの均
一な厚さにスパッタリングして形成する。反射膜82は
アルミニウムに限定されるものではなく、Ti,Ta,
Cu,Ag,Ptなどの他の金属でもよく、またスパッ
タ法の他に蒸着などの方法で形成してもよい。また、反
射膜の膜厚も光を充分反射する範囲であればよい。この
後、アルミニウムをストライプ電極にパターニングし、
これを反射電極とする。
【0050】次に、図9の(b)に示すように、有機材
料膜83として、ポリイミド樹脂(大日本インキ社製H
NA−101)とアクリル系樹脂(日東電工製Td−1
1)を混合したものを上記アルミ反射電極82上にスピ
ンコートで均一に塗布する。その混合する樹脂の屈折率
は波長600nmでそれぞれ1.37と1.59であ
り、この屈折率の違いにより、光の拡散効果が生じる。
【0051】このとき、樹脂の違いによる屈折率の差を
変化させるか、あるいは膜厚を変化させることにより、
光の拡散強度を制御することが可能である。屈折率差に
より透過率がどのような変化するのかを図10に示す。
図10により、屈折率差が0.1より小さければほとん
どの光が透過してしまい、屈折率差が0.1以上であれ
ば光の散乱度が高くなっているのがわかる。よって、屈
折率の差は好ましくは0.1以上あればよい。有機材料
膜83の膜厚は好ましくは0.5μm〜10μmがよ
い。膜厚が0.5μmより薄ければ膜が形成しにくく、
10μmより厚ければ、電圧降下が問題となる。その場
合には、有機材料膜83上にITO膜を形成し、これを
表示電極とすることにより、電圧降下の問題を回避でき
る。
【0052】また、実施例3では、有機材料膜83とし
て屈折率が異なる絶縁性の樹脂を2種類混合したが、屈
折率の異なる絶縁性の樹脂を少なくとも2種類以上混合
したものでもよい。
【0053】また、樹脂の種類としては、本実施例3で
使用したポリイミド樹脂やアクリル系樹脂に限定される
ものではなく、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂など
でもよい。
【0054】また、有機材料膜83である光拡散層は必
ずしも反射板82上に設ける必要はなく、上部基板に設
けても同様の効果が得られ、上部基板電極の下に、設け
た場合にも、有機材料膜83である光拡散層による電圧
降下を防ぐことができる。
【0055】このようにして得られた反射拡散板80の
反射特性の測定方法を図11に示す。反射拡散板80を
実際の液晶表示装置に用いる場合と同じ条件にするため
に、液晶層とガラス基板の屈折率はいずれも約1.5と
ほぼ等しいので、反射拡散板80上に屈折率1.5の紫
外線硬化接着樹脂84を用いてガラス基板85を密着さ
せて、測定装置89を作製する。
【0056】ガラス基板85の上部には、光の強度を測
定するフォトマルチメーター45が配置されている。フ
ォトマルチメータ45は、反射拡散板80に対して入射
角θで入射する入射光44のうち、反射拡散板80によ
って測定装置89の法線方向に反射する散乱光46を検
出するように、反射拡散板80の法線方向に固定されて
いる。
【0057】測定装置89に入射される入射光44の入
射角θを変化させて反射拡散板80による法線方向の散
乱光46を測定することにより、反射特性が得られる。
【0058】上述した反射拡散板の製造条件を変化させ
て、反射特性が異なる反射拡散板を作製し、その反射特
性を測定した結果を図12に示す。図12において、入
射角θをもって入射する光の反射強度はθ=0°の線に
対する角度θの方向に原点0からの距離として表され
る。白丸で示す反射特性曲線は標準白色板(酸化マグネ
シウム)について測定したものである。反射特性86は
指向性の強い反射拡散板を示し、反射特性88は散乱性
の強い反射拡散板を示し、反射特性86はそれらの中間
の反射特性をもつ反射拡散板を示す。例えば、反射特性
88の反射拡散板はθが約±40°の範囲で標準白色板
より反射特性がよく、明るい表示が得られ、周囲光を有
効に利用していることがわかる。
【0059】上記の方法で作製した反射拡散板を用いた
反射型液晶表示装置の断面図を図13に示す。反射拡散
板側基板96上には、ポリイミドをスピンコータで塗布
した後、焼成することにより配向膜91を形成する。ガ
ラス(コーニング製7059)などから成る絶縁性の対
向基板92に、ITO膜(indium thinox
side)93が膜厚0.1μmで形成され、ストライ
プ電極として所望の形状にパターニングされ、これを対
向電極とする。その上に反射拡散板側基板96と同様の
方法で配向膜91を形成する。上下の両配向膜91・9
1はフェルトでラビング処理を行う。
【0060】対向基板52と反射拡散板側基板56を例
えば6μmのスペーサを混入した接着性のシール材97
をスクリーン印刷して、ラビング方向が左240°ツイ
ストになるように貼合せ、真空脱気することにより、カ
イラル剤(メルク社製:s−811)を混入した液晶9
4(メルク社製:ZLI4427)を注入した後、注入
口を樹脂で封止する。この液晶層のリタデーション値は
676nmである。
【0061】次に、光の入射側に位置する対向基板92
の外側にリタデーション値が400nmの位相差板95
と偏光板98を設置し、反射型液晶表示装置90が完成
する。このとき、偏光板98の偏光軸と光の入射側基板
のラビング方向との成す角を反時計回りに10°に設定
し、また位相差板の遅相軸と光の入射側基板のラビング
方向との成す角度を直交するように設定している。
【0062】このようにして作製した本反射型液晶表示
装置90と従来の凹凸付きの反射板を用いた反射型液晶
表示装置の電気光学特性を測定した結果を図14に示
す。図14において、電気光学特性101は本発明の反
射型液晶表示装置90の特性を示し、電気光学特性10
2は従来の凹凸付きの反射板を用いた反射型液晶表示装
置の特性を示している。図14より、電気光学特性の急
峻性が向上し、反射率の範囲も広くなっていることがわ
かる。
【0063】本反射型液晶表示装置によれば、反射板の
凹凸がない構造のため、電気光学特性の急峻性が向上
し、その結果、表示コントラスト比を改善することがで
きる。さらに、白表示に極めて明るく、コントラストも
高い見やすい表示が得られる。また、本実施例では反射
板として、鏡面反射板を利用したが、散乱性の反射板を
用いてもよく、これを用いた場合はさらに散乱効果が顕
著になる。
【0064】また、本実施例では配向膜に屈折率の異な
る微粒子あるいは樹脂を配向膜の機能を損なわない程度
に混入することにより、有機材料膜である光拡散層と配
向膜を1つの層で構成することにより、プロセスの簡略
化が実現できる。
【0065】なお、本実施例では偏光板付きの反射型S
TNモードを例に説明したが、表面に凹凸があることで
配向に影響のあるモード、例えばゲストホストモードの
ような光吸収モード、高分子分散型液晶表示装置のよう
な光散乱モード、強誘電型液晶表示装置で使用される複
屈折表示モードなどのいずれにも適用可能である。
【0066】また、スイッチング素子としてTFT(T
hin Film Transistor)、MIM
(Metal Insulator Metal)、ダ
イオード、バリスタ等を用いたアクティブマトリクス基
板にも適用することができる。また、カラーフィルター
や各種色素を組合せることでカラー表示への適用も可能
である。
【0067】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、作製条
件を変化させることにより指向性、散乱性を精度良く制
御できる良好な反射拡散板が得られる。
【0068】また、この反射拡散板を反射型液晶表示装
置に用いることで、液晶が良好な配向性を有し、良好な
コントラトが得られる。
【0069】さらに、良好な反射電極のパターニング性
が得られ、液晶表示装置の低電圧化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1の反射拡散板の断面および形成
工程を示す図である。
【図2】図2はフォトマスクの1例を示す図である。
【図3】図3は光の照射量と屈折率の変化量の特性を示
す図である。
【図4】図4は実施例1の反射拡散板の反射特性測定法
を示す図である。
【図5】図5は実施例1の反射拡散板の反射特性を示す
図である。
【図6】図6は実施例1の反射拡散板を用いた反射型液
晶表示装置の断面図である。
【図7】図7は実施例2の反射拡散板の形成工程を示す
図である。
【図8】図8は実施例2の反射拡散板を用いた反射型液
晶表示装置の断面図である。
【図9】図9は実施例3の反射拡散板の断面および形成
工程を示す図である。
【図10】図10は屈折率差と透過率の光学特性を示す
図である。
【図11】図11は実施例3の反射拡散板の反射特性測
定法を示す図である。
【図12】図12は実施例3の反射拡散板の反射特性を
示す図である。
【図13】図13は実施例3の反射拡散板を用いた反射
型液晶表示装置の断面図である。
【図14】図14は反射型液晶表示装置の電気光学特性
を示す図である。
【図15】図15は従来技術である反射型液晶表示装置
の断面図である。
【図16】図16は図15に示されている基板の平面図
である。
【符号の説明】
20,60,80 反射拡散板 21,43,61,81,131,145 基板 22,62,82 反射膜 23,63,83 有機材料膜 24,64 フォトマスク 25,65 紫外光(UV光) 31,32,33,86,87,88 反射拡散板の反
射特性の特性曲線 40,89 測定装置 42,84 屈折率1.5の紫外線硬化接着樹脂 45 フォトマルチメーター 44 入射光 46 散乱光 50,70,90,130 反射型液晶表示装置 51,71,91,144,148 配向膜 52,72,92 対向基板 53,73 93 ITO 54,74 94 液晶 55,75,98 偏光板 56,76,96 反射拡散板側基板 57,77,97 シール材 66,93,ITO膜 95 位相差板 101 実施例3の反射型液晶表示装置の電気光学特性 102 従来の反射型液晶表示装置の電気光学特性 138 反射電極 140 TFT 142 有機絶縁膜 142a 円形の凸部 146 カラーフィルター 152 反射板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−9317(JP,A) 特開 平4−267220(JP,A) 特開 昭58−125084(JP,A) 特開 平5−323371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/09 G02B 5/02 G02F 1/1335

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射層上に、表面がほぼ平坦で面内に屈
    折率分布を有する拡散層を形成したことを特徴とする反
    射拡散板。
  2. 【請求項2】 液晶層を介在して対向配置される一対の
    基板のうちの少なくともどちらかの基板が透明基板であ
    り、一方の基板上の液晶層側に他方の基板側からの入射
    光を反射する反射層を形成し、該他方の基板の液晶層側
    にほぼ全面にわたって透光性を有する共通電極を形成し
    て構成される反射型液晶表示装置において、 前記一方の基板上の反射層と他方の基板の間に、表面が
    ほぼ平坦で面内に屈折率分布を有する拡散層を形成した
    ことを特徴とする反射型液晶表示装置。
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