JP2006003802A - 拡散素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 任意な粒子形状、屈折率を持つ散乱体を透明基盤材料内部の任意な位置に配列することができ、性能が安定し、所望の配光特性から自由に屈折率変調ドット群を分布させることができる拡散素子及びその拡散素子を製造する製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス、樹脂、セラミックス、結晶、シリコンなど使用波長に対して実質的に透明な透明基盤材料と、この透明基盤材料内部に分散された粒子によって、光を導光させながらも散乱により、光を入射光束断面とは相対的に異なった断面積、断面形状に出射光束断面を制御する拡散素子に、透明基盤材料の屈折率とは異なった屈折率、もしくは、屈折率分布を有するドット領域である屈折率変調ドットを透明基盤材料内部に3次元的に任意に分布させたドット群を単数群、もしくは、複数群配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を導光させながらも散乱により、光を入射光束断面とは相対的に異なった断面積、断面形状に出射光束断面を配光制御する拡散素子及び拡散素子製造方法に関する。
従来、光を配光制御する拡散素子は、その高い配光特性を利用して、光源装置、ディスプレイなどの表示素子、光分岐装置などに応用され、利用されている。
例えば、スリガラスのように研磨や砂かけによって材料表面を粗面化し表面の粗さによる散乱を利用した拡散素子や、透明な基盤材料中に基盤材料とは屈折率の全く異なった粒子をランダムに分散させることにより、粒子散乱を利用した拡散素子を照明系等の光学機器に搭載している。
また、屈折率分布を持つ粒子を透明な基盤材料に分散させた拡散素子として次のものがある。この拡散素子は、従来の均一屈折率の粒子を分散させたものに比べ、屈折率分布粒子を分布させたものは基盤材料と分散粒子との境界面で屈折率が急激に変化することなく連続的であるため、極端な屈折率差境界面での反射による光照射側への戻り光を極力抑えることが可能であり、戻り光が抑えられるため透過光強度を確保することができるものである。また、境界面での急激な屈折率差によって、個々の波長によって、散乱は、反射などまったく違った振る舞いをするため、色むらの発生原因ともなるが、屈折率分布型では連続的に変化しているため、境界面で波長個別の振る舞いを抑えることができ、均一な配光を得ることが可能となっている(例えば特許文献1参照)。
さらに、次のような拡散分子も知られている。この拡散分子は、基盤材料の主面に対して平行な平面層を単層もしくは複層持ち、表示のにじみが少なく、拡散角度を制御性良く広くすることができ、かつ光線の偏光線状態に与える影響の少ない配光を得ることが可能となっている(例えば特許文献2参照)。
特許第3184219号公報 特開平9−297203号公報
拡散素子においては、配光特性をコントロールできること、戻り光が少なく光強度が確保できること、配光むら,色むらが抑えられていること、安定した加工、再現性ある加工が可能であることが重要である。
しかしながら、上述した従来の粗面化によるものでは、粗面の状態を定量的に評価することが難しく、加工の再現性も得られにくいため、安定した品質の拡散素子を得ることは困難であり、光強度の減少、配光むらも発生しやすくなっている。
また、特許文献1に記載されたものでは、光散乱性能を向上させるために屈折率分布型の粒子を用いているが、透明基盤材料中の屈折率分布粒子が不均一に分散していたり、粒子の形状や、屈折率分布の性能にばらつきが生じるため、常に安定した拡散素子性能を得ることは困難である。所望の配光特性に応じた拡散素子を得るためには粒子を均一ではなく分布密度に変化をつけて配光をコントロールすることが考えられるが、拡散素子は樹脂材料等に粒子を混ぜ合わせ、分散させて製造されるため、粒子密度のコントロールは極めて困難である。つまり、配光のコントロール、配光むらの抑止、安定性・再現性の高い加工を確保することは困難である。
さらに、特許文献2に記載されたものでは、平面層が平面状に配置されているため、回折の影響が大きく、色むらの原因となりやすい。また、粒子を積層する方法では粒子による自己組織化により均一的な積層がなされるので、任意な粒子配置は困難で、所望の配光特性に沿った拡散素子を容易に製造することは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、任意な粒子形状、屈折率を持つ散乱体を透明基盤材料内部の任意な位置に配列することができ、性能が安定し、所望の配光特性から自由に屈折率変調ドット群を分布させることができる拡散素子及びその拡散素子を製造する製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、ガラス、樹脂、セラミックス、結晶、シリコンなど使用波長に対して実質的に透明な透明基盤材料と、この透明基盤材料内部に分散された粒子によって、光を導光させながらも散乱により、光を入射光束断面とは相対的に異なった断面積、断面形状に出射光束断面を制御する拡散素子において、上記透明基盤材料の屈折率とは異なった屈折率もしくは屈折率分布を有するドット領域である屈折率変調ドットを上記透明基盤材料内部に3次元的に任意に分布させた屈折率変調ドット群を単数群、もしくは、複数群有することを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、屈折率変調された屈折率変調ドットを3次元的に任意に透明基盤材料中に配置し、所望の配光特性に応じたドット分布によって、任意な配光特性をもつ拡散素子の実現が可能であり、屈折率変調ドット群を内部に有することによって、色むら防止、配光制御特性を兼ね備える拡散素子を実現できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、所定の配光特性に応じて上記屈折率変調ドット群のドット間隔、ドット形状、屈折率変調量を上記透明基盤材料全面もしくは領域ごとに変化させたことを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、配光特性からドット間隔、ドット形状、屈折率変調量をシミュレートし、その結果に基づいて、透明材料基盤中に屈折率変調ドット群の分布を作成することによって、所望の配光特性を持つ拡散素子を実現できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記屈折率変調ドット群のドット群形状が配光特性に応じて形成されたことを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、屈折率変調ドット群が分布している屈折率変調ドットの集合地域を凸レンズ形状、または凹レンズ形状にすることによって、明るさのむらを抑え、入射光束の周辺部分を強く拡散させる配光特性を持つ拡散素子を実現でき、また、所望の配光特性を持つような任意な配光を持つ拡散素子を実現できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、球面、非球面、自由曲面、プリズム等に形状が創生されている上記透明基盤材料に、上記屈折率変調ドット群を有することを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、表面形状が球面、非球面、自由曲面であり、材料の屈折率分布によって、レンズ機能などを持つ透明基盤材料に任意に屈折率変調ドット群を配置することによって、直接、拡散機能を付加することが可能であり、広角時でも色むら、照明むらを無くした拡散素子を実現できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、上記透明基盤材料内部に、回折機能及び拡散機能を有することを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、マトリクス構造や、クロス状に配置された回折格子などの回折機能と、屈折率変調ドット群による拡散機能の両方を1つの透明基盤材料内部に多層に配置することによって回折機能により効率的に光を広げ、拡散機能により配光むらや色むらを抑えることによって、広角に渡って均一な配光特性が得られる拡散素子を実現できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の拡散素子を製造する製造方法において、超短パルスレーザを用いて上記屈折率変調ドットを作製することを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、超短パルスレーザを用いて透明基盤材料内部に屈折率変調ドットを作製した拡散素子を製造できる。また超短パルスレーザのパルス幅、出力、繰り返し周波数、打ち込むパルス数などのパラメータを任意に変更することによって屈折率変調ドットの大きさ、形状、屈折率変調量をコントロールすることができ、様々なパターンの屈折率変調ドットを作製することができるので、その配光特性に応じた屈折率変調ドット群を配列した拡散素子を製造できる。更に、超短パルスレーザを用いた場合、屈折率変調ドットの屈折率変調は屈折率分布型となるので、戻り光、色むら、配光むらを抑えた拡散素子を製造できる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、上記超短パルスレーザ光の、エネルギ、パルス幅、同一焦点に照射するパルス数を制御しながら、焦点位置を任意に移動させ、上記屈折率変調ドットの3次元分布を得ることを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、超短パルスレーザを用いて透明基盤材料内部に屈折率変調ドットを作製した場合、レーザ光の集光位置でのみ屈折率変調ドットが作製されるので、各集光点でレーザのパラメータを個別に変更することによって、屈折率変調ドットの大きさ、形状、屈折率変調量をコントロールしながら、集光位置を自在に移動させることによって、容易に透明基盤材料内部の所望の位置に屈折率変調ドットを作製し、また、配光特性に応じた屈折率変調ドット分布を得た拡散素子を製造できる。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、上記透明基盤材料内部に、回折機能及び拡散機能を有することを特徴とする。
このような手段を講じたことにより、マトリクス構造や、クロス状に配置された回折格子などの回折機能と、屈折率変調ドットによる拡散機能の両方を1つの透明基盤材料内部に多層に配置することによって回折機能により効率的に光を広げ、その拡散機能により、配光むらや色むらを抑えることによって、広角に渡って均一な配光特性が得られる拡散素子を製造できる。
本発明によると、任意な粒子形状、屈折率を持つ散乱体を透明基盤材料内部の任意な位置に配列することができ、性能が安定し、所望の配光特性から自由に屈折率変調ドット群を分布させることができる拡散素子及びその拡散素子を製造する製造方法を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の各実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態は、透明基盤材料内部に任意な屈折率変調ドット群を配置した拡散素子を特徴とするものである。図1は単層タイプの拡散素子を示し、図2は複層タイプの拡散素子を示している。また、図3は拡散素子の配光特性を測定する実験システムを示し、図4は、図3において右から左へ光を照射したときに、拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図である。
先ず、単層タイプの拡散素子1の構成について図1を参照して説明する。図1に示すように、透明基盤材料2の内部に屈折率変調ドット群3を配置している。図示のように、球状の屈折率変調ドットを用いたが、屈折率変調ドットの形状は真球である必要はなく、円錐、楕円、八面体、12面体等どのような形状でも、屈折率変調される形状であれば良い。屈折率変調ドット群3は、単層タイプaとして直径50μm、密度分布1000個/mm、屈折率変調量+0.01の条件で屈折率変調ドット分布を作製したものと、単層タイプbとして直径10μm、密度分布8000個/mm、屈折率変調量+0.01条件で屈折率変調ドット分布を作製したものの2つを用意した。
次に、複層タイプの拡散素子4の構成について図2を参照して説明する。図2に示すように、透明基盤材料2の内部に屈折率変調ドット群5と屈折率変調ドット群6を2層に略平行となるように配置している。複層タイプの拡散素子4は、屈折率変調ドット群5を直径50μm、密度分布1000個/mm、屈折率変調量+0.01の条件で屈折率変調ドット分布を作製し、屈折率変調ドット群6を直径10μm、密度分布8000個/mm、屈折率変調量+0.01の条件で屈折率変調ドット分布を作製している。
透明基盤材料2には、ガラス材料のBK7を用いている。図3に示すように、拡散素子1,4の配光特性を測定するために、拡散素子1(又は拡散素子4)にレーザ発振器7からHe−Neレーザ光7aを入射し、拡散素子1(又は拡散素子4)より200mm後方でのHe−Neレーザ光7aの広がりを測定するため、各角度位置での光強度を分光器8で測定する。
図4は、分光器8で測定した透過光強度の測定結果を示す図である。同図に示すように、横軸は角度を示し、縦軸は透過光強度を示している。また、グラフAは単層タイプaの拡散素子1を用いたときの測定結果であり、グラフBは単層タイプbの拡散素子1を用いたときの測定結果であり、グラフCは複層タイプの拡散素子4を用いたときの測定結果である。
グラフAからCにより、拡散素子は、透明基盤材料2内部に配置した屈折率変調ドット群の条件を変えることによって、様々な配光特性を得られることがわかる。
また、単層タイプBの拡散素子1の粒子径のように、屈折率変調ドット群の粒子径が大きいもののほうが、粒子による散乱が強くなるため周辺方向への配光が得られ、広角の配光が得られることがわかる。
さらに、複層タイプの拡散素子4は第1層の屈折率変調ドットによる散乱と、第2層の屈折率変調ドットによる散乱が合わさるため、単層タイプa,bの拡散素子1より広角な配光となっている。したがって、拡散素子は、透明基盤材料2内部に屈折率変調ドット群を複層組み合わせて配置することによって、より高配光の特性を得ることができる。
したがって、透明基盤材料2内部に配置した屈折率変調ドット群の条件を変更し、又は、屈折率変調ドット群の組み合わせを変更することによって、任意な配光特性をもつ拡散素子を作り出すことができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について述べる。この第2の実施の形態は、超短パルスレーザによる内部改質を利用して、屈折率変調ドットを透明基盤材料内部の任意な位置に作製し、屈折率変調ドット群を透明基盤材料内部に作成することによって拡散素子を得るものである。例えば、フェムト秒レーザ加工による屈折率変調ドットは屈折率分布型、空孔によるボイド、結晶解析による屈折率変化型のものを作製することが可能である。
図5は、超短パルスレーザを用いて屈折率変調ドットを作製するための加工システム10を概略的に示す図である。結晶解析や屈折率、ドット径を調整するために、照射後、透明基盤材料をアニールしても良い。図6は、製造された拡散素子を示す画像である。図7は、拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図である。
図5に示すように、超短パルスレーザ発振器11より照射されるレーザ光は、エネルギ制御器(NDフィルタやアッテネータなど)12、パルス幅制御器(プリズム対、もしくは、回折格子対など)13、パルス数をコントロールするシャッタ14によりパラメータ制御され、集光光学系15を通って、被加工材料である透明基盤材料16の内部に集光される。このように、加工システム10において、焦光点は透明基盤材料16内部となるように構成されている。
エネルギ制御器12、パルス幅制御器13、シャッタ14等の各制御器及び透明基盤材料16を載置するステージ17はPC(パーソナル・コンピュータ)18で一括制御される。したがって、加工システム10においては、レーザ光と同期して透明基盤材料16を加工することができる。この第2の実施の形態では、集光点位置をステージ17を移動させることにより相対的に変化させながら、レーザ光を照射し、透明基盤材料16内部に屈折率変調ドットを作製する。このように、ステージ17を移動することにより、透明基盤材料16を操作する方法で行ったが、この方法にとらわれることなく、レーザ光を図示しないミラーで走査したり、ステージ17は固定し集光光学系15を移動させる方法を用いても良い。なお、レーザ光のパルス幅を200フェムト秒、打ち込むパルス数を5ショットとし、エネルギを20μJ、30μJ、40μJに変化させて実験を行っている。
このように構成された加工システム10において、超短パルスレーザ発振器11より照射されるレーザ光をステージ17にあわせて打ち込むことによって透明基盤材料16内部に簡単に屈折率変調ドットを作製することができる。図6は、このように透明基盤材料16内部に作成された屈折率変調ドットを拡大した画像を示しており、図示する200μm間に、複数の屈折率変調ドットが作成されている。また、集光光学系15、レーザ光の打ち込むエネルギ、パルス幅、パルス数の組み合わせによって、様々な形状、大きさ、屈折率変調量をもつ屈折率変調ドットを透明基盤材料16内部に作製することが可能で、かつ、焦光点でのみ屈折率変調ドットが作製される。したがって、透明基盤材料16内部の任意な位置に屈折率変調量を持つ屈折率変調ドットを打ち込むことが可能である。
図7は、超短パルスレーザ発振器11から照射されるレーザ光の照射エネルギを変化させて屈折率変調ドットを持つ透明基盤材料、すなわち、拡散素子を作製したときに、各拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図である。なお、光強度の測定方法は第1の実施の形態で説明した場合と同様に行っている。また、同図に示すように、横軸は角度を示し、縦軸は透過光強度を示している。グラフDはレーザ光の照射エネルギを20μJとして屈折率変調ドットを作製したときにその拡散素子を用いて測定した光強度を示し、グラフEはレーザ光の照射エネルギを30μJとして屈折率変調ドットを作製したときにその拡散素子を用いて測定した光強度を示し、グラフFはレーザ光の照射エネルギを40μJとして屈折率変調ドットを作製したときにその拡散素子を用いて測定した光強度を、それぞれ角度毎に示している。
図7のグラフDからFが示すように、超短パルスレーザを用いて作成した屈折率変調ドットによって拡散機能が得られており、照射するレーザ光の照射エネルギを変更するだけでも、配光特性をコントロールすることができることがわかる。この実験ではレーザ光の照射エネルギを変更したが、レーザ光のパルス幅、打ち込むパルス数を変更しても、屈折率変調ドットは変化するため、配光特性を制御するためには、特に照射エネルギを変更することに制限されるものではない。また、超短パルスレーザ発振器11より照射されるビームが安定していれば、屈折率変調ドットの再現性も高く、ステージ17の位置決め精度によって、屈折率変調ドット位置も決定されるので、容易に再現性・安定性の高い、3次元分布型の拡散素子を製造することができる。
(第3の実施の形態)
図8は、透明基盤材料内部に分布させた屈折率変調ドットの集合であるドット群の群形状を凸形状と凹形状に分布させた複層タイプの拡散素子を示し、図9は、拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示している。
図8に示すように、拡散素子21は、透明基盤材料2の内部に第1層目として、凸形状を持つ屈折率変調ドット群22が、第2層として凹形状を持つ屈折率変調ドット群23を有している。この拡散素子21の屈折率変調ドットは、上述した第2の実施の形態の方法を用いて作製している。
凸面を有する屈折率変調ドット群22では、中心部分での散乱粒子数が多いため、より周辺領域への散乱が強くなる。このように周辺方向へ散乱された光を、凹面を有する屈折率変調ドット群23により、さらに周辺領域に散乱する。
したがって、図9のグラフGに示すように、拡散素子21によると、より周辺部分に高い光強度が得られるような、広角の配光特性を得ることができる。また、拡散素子21内の屈折率変調ドット群22,23の形状を変化させることによって、透過光強度を均一にしたり、周辺に散乱する光強度を増やすことが可能である。さらに、屈折率変調ドット群の形状だけでなくドット密度を中心から周辺方向に変化させることによっても同じ効果が得られ、屈折率変調ドット群の形状と組み合わせることによって自在な配光特性を得ることができる。
(第4の実施の形態)
図10は、凹レンズである透明基盤材料2の内部に屈折率変調ドット群を作製することによって拡散機能を持たせた拡散素子を示し、図11は、拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示している。
図10に示すように、拡散素子31は、凹レンズ形状をもつ透明基盤材料2の内部に屈折率変調ドット群32を有している。この拡散素子31の屈折率変調ドットは、上述した第2の実施の形態の方法を用いて作製している。
図11に示すように、拡散素子31は、その凹面によるレンズ効果によって、周辺方向へ広角化された配光をもち、凹面屈折による色むらを透明基盤材料2内に作成した屈折率変調ドット群32で抑えることが可能となっている。なお、表面創生によって得られる広角化においても、色むらを抑えた拡散素子を実現することができる。
(第5の実施の形態)
図12は、透明基盤材料内部に回折機能と拡散機能との両方をもった拡散素子を示し、図13は、図12(b)において、右から左へ光を照射したときに、拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示している。
図12(a),(b)に示すように、拡散素子41は、透明基盤材料2内部に第1層目としてクロスハッチで作製された回折格子42を、第2層目として屈折率変調ドット群43を有している。回折光では、0次光が最も透過光強度が大きくなるので、屈折率変調ドット群43は中心部分の屈折率変調ドットの密度を高くしている。回折格子42の回折素子、屈折率変調ドット群43の屈折率変調ドットともに、上述した第2の実施の形態で説明した方法を用いて作製している。
図13のグラフIが示すように、拡散素子41は、第1層目の回折格子42で回折光を得て、その回折光を屈折率変調ドット群43で散乱することによって、所望のポイントで得られる光強度をコントロールすることができる。また、回折素子や位相板と変調率拡散ドットを用いて所望のポイントで所定の光強度が得られる配光特性をもつ拡散素子を実現することも可能である。
上述した各実施の形態によると、ドット形状、ドット分布形状などを組み合わせることによって、任意な配光特性をもつ拡散素子を製造することが可能であり、超短パルスレーザによって、屈折率変調ドットを作製すれば、より安定した再現性のある拡散素子を容易に製造することができる。
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を変形できるものである。
本発明の第1の実施の形態における単層タイプの拡散素子を示す図。 同実施の形態における複層タイプの拡散素子を示す図。 同実施の形態における配光特性を測定する実験システムを示す図。 同実施の形態における拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図。 本発明の第2の実施の形態における超短パルスレーザを用いた拡散素子の屈折率変調ドット作製のための加工システムを示す図。 同実施の形態における作製された拡散素子を示す画像。 同実施の形態における拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図。 本発明の第3の実施の形態における透明基盤材料内部に分布させた複層タイプの拡散素子を示す図。 同実施の形態における拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図。 本発明の第4の実施の形態における凹レンズ内部に屈折率変調ドット群を作製した拡散素子を示す図。 同実施の形態における拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図。 本発明の第5の実施の形態における透明基盤材料内部に回折機能と拡散機能との両方をもった拡散素子を示す図。 同実施の形態における拡散素子透過後の光強度を所定角度において測定した結果を示す図。
符号の説明
1,4,21,31,41…拡散素子,2,16…透明基盤材料,3,5,6,22,23,32,43…屈折率変調ドット群,7…レーザ発振器,7a…He−Neレーザ光,8…分光器,11…超短パルスレーザ発振器,12…エネルギ制御器,13…パルス幅制御器,14…シャッタ,15…集光光学系,17…ステージ,42…回折格子,AからI…グラフ

Claims (8)

  1. ガラス、樹脂、セラミックス、結晶、シリコンなど使用波長に対して実質的に透明な透明基盤材料と、この透明基盤材料内部に分散された粒子によって、光を導光させながらも散乱により、光を入射光束断面とは相対的に異なった断面積、断面形状に出射光束断面を制御する拡散素子において、
    上記透明基盤材料の屈折率とは異なった屈折率もしくは屈折率分布を有するドット領域である屈折率変調ドットを上記透明基盤材料内部に3次元的に任意に分布させた屈折率変調ドット群を単数群、もしくは、複数群有することを特徴とする拡散素子。
  2. 所定の配光特性に応じて上記屈折率変調ドット群のドット間隔、ドット形状、屈折率変調量を上記透明基盤材料全面もしくは領域ごとに変化させたことを特徴とする請求項1に記載の拡散素子。
  3. 上記屈折率変調ドット群のドット群形状が配光特性に応じて形成されたことを特徴とする請求項1に記載の拡散素子。
  4. 球面、非球面、自由曲面、プリズム等に形状が創生されている上記透明基盤材料に、上記屈折率変調ドット群を有することを特徴とする請求項1に記載の拡散素子。
  5. 上記透明基盤材料内部に、回折機能及び拡散機能を有することを特徴とする請求項1に記載の拡散素子。
  6. 請求項1に記載の拡散素子を製造する製造方法において、
    超短パルスレーザを用いて上記屈折率変調ドットを作製することを特徴とする拡散素子の製造方法。
  7. 上記超短パルスレーザ光の、エネルギ、パルス幅、同一焦点に照射するパルス数を制御しながら、焦点位置を任意に移動させ、上記屈折率変調ドットの3次元分布を得ることを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 上記透明基盤材料内部に、回折機能及び拡散機能を有することを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
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