JP2014126605A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶表示素子100は、パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セル10と、直交ニコルの関係で配置された第1及び第2の偏光フィルタ20,30と、第1の偏光フィルタ20と液晶セル10の間に位置する第1の位相差部41と、第2の偏光フィルタ30と液晶セル10の間に位置する第2の位相差部42と、を備える。第1の位相差部41は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、第2の位相差部42は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有する。第2の偏光フィルタ30の吸収軸は、液晶ダイレクタ方向Nに対して45°の角度となり、且つ、第2の位相差部42の面内方向の遅相軸と直交する。オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている。
【選択図】図1
Description
パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セルと、
前記液晶セルの前面側に位置する第1の偏光フィルタと、
前記液晶セルの背面側に位置し、前記第1の偏光フィルタと直交ニコルの関係で配置された第2の偏光フィルタと、
前記第1の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第1の位相差部と、
前記第2の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第2の位相差部と、を備え、
面内のX軸方向の屈折率をNx、面内でX軸に垂直なY軸方向の屈折率をNy、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向の屈折率をNzとしたとき、前記第1の位相差部は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、前記第2の位相差部は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有し、
前記第2の偏光フィルタは、その吸収軸が、前記液晶セルにオン電圧が印加されたときに液晶分子が倒れ込む方向に対して45°の角度となり、且つ、前記第2の位相差部の面内方向の遅相軸と直交するように配置され、
前記オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている、
ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る液晶表示素子100は、図1に示すように、液晶セル10と、第1の偏光フィルタ20と、第2の偏光フィルタ30と、第1の位相差部41と、第2の位相差部42と、制御装置50と、を備える。
第1及び第2の偏光フィルタ20,30は、図4(a)、(b)に示すように、それぞれの吸収軸20Aと吸収軸30Aとが直交するように配置されている(直交ニコル配置)。また、吸収軸20A、吸収軸30A各々と液晶ダイレクタ方向Nとのなす角の角度が45°と設定されている。第1及び第2の偏光フィルタ20,30としては、例えば、染料系の偏光フィルムであるSHC−13U(株式会社ポラテクノ社製)を用いることができる。
本実施形態では、制御装置50が、透明電極部12F,12Rを介して液晶層15に印加するオン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満という条件を満たすように設定されている(以下、この条件を「条件2」と言う)。条件2をどのように見出したかについては、後述する。
前述のように、パッシブ駆動方式においては、オン電圧とオフ電圧の差に制限がある。従来、この制限の中で、正面コントラストが最大となるようにオン電圧が決定されるのが一般的であった。以下、正面コントラストが最大となるオン電圧を、「VmaxCR」と表す。なお、コントラストは、所定の表示領域におけるオン時の輝度をオフ時の輝度を除して求められる。
オン電圧をVmaxCRとした場合、正面見栄えは良いが、視角を正面から傾けたときのオフ透過率(オフ電圧印加時の透過率)が上昇する傾向があり、表示の視角依存性が高まってしまう。従って、広視角で表示を良好とすることが困難であった。一方、視角依存性を低めようとオン電圧を下げすぎると、正面コントラストが低下してしまう。
(A1)液晶層15:Δn・d=0.83μm
(A2)プレティルト:液晶セル10の前面側の液晶分子15Aにはプレティルトを付与せず、背面側の液晶分子15Aのプレティルト角θpの角度を89.4°に設定
(A3)駆動条件:1/64デューティ、1/6バイアス
これら条件の下で、オン電圧を、VmaxCRを基準に上下させて、図5(a)、(b)に示す各結果を導いた。なお、ここで示すオン電圧の値は、デューティ比をスタティック駆動における電圧値に換算したものである(後述の各種シミュレーションについても同様)。
等コントラスト特性は、コントラストの上限を100として円形チャートで示したものであり、チャートでは、コントラストが100に近い領域に「r」、0に近い領域に「b」、その中間である50に近い領域に「g」と符号を付している。
オフ電圧印加時の透過率(オフ透過率)の視角特性は、透過率の上限を1としている。この特性も同様に円形チャートで示し、透過率が1に近い領域に「r」、0に近い領域に「b」、その中間である0.5に近い領域に「g」と符号を付している。なお、オフ透過率の視角特性を示す円形チャートにおいては、オフ透過率が低い領域bが広範に渡っているほうが、様々な視角でオフ電圧印加時の光抜けが小さいといえるので、好ましい。
◎(非常に良好)…正面CRが120以上、ON透過率が6%以上
○(良好) …正面CRが80以上、ON透過率が3%以上
△(許容可) …正面CRが40以上、ON透過率が1.5%以上
×(許容不可) …正面CRが40未満、ON透過率が1.5%未満
視角見栄えは、円形チャートが示す特性に基づいて評価されたものである。ここでは、最良視認方向とは反対側の視角を反視角と呼んでいる。
◎(非常に良好)…反視角方向以外のコントラスト及びOFF透過率の変化が非常に小さい
○(良好) …反視角方向以外のコントラスト及びOFF透過率の変化が小さい
×(許容不可) …コントラスト及びOFF透過率の変化が大きく、表示が良好な視角範囲が狭い
図5(a)で、割合がVmaxCRの98.6%のとき(Von=3.62v)を参照すれば、正面見栄えは、○と良好である。等コントラスト特性を見ると、コントラストが高い領域rが左右方向に広がり、コントラストが低い領域bもVmaxCRのときよりも小さくなっている。オフ透過率特性を見ると、VmaxCRのときに上下視角方向にあったオフ透過率が高い領域rがだいぶ小さくなっており、オフ透過率が低い領域bがVmaxCRのときよりも広がっており、表示が良好な視角範囲が広くなっていることがわかる。
なお、同図に示す「Von」、「割合」、「正面CR」、「ON透過率」、「等CR」、「OFF透過率」が表す意味は、前述の図5(a)、(b)と同様である。また、等コントラスト特性、及び、オフ電圧印加時の透過率の視角特性の表し方についても図5(a)、(b)と同様である。図5(a)、(b)に示すシミュレーションとは、駆動条件のみが異なる。
しかしながら、等コントラスト特性、及び、オフ電圧印加時の透過率の視角特性を参照すると、いずれの駆動条件のときでも、VmaxCRよりも電圧が低いほうが、コントラストが良好な範囲が広く(範囲r)、オフ透過率が低い範囲が広く(範囲b)、広視角において表示が良好であることがわかる。例えば、「1/16デューティ、1/5バイアス」のときを参照すれば、VmaxCRのとき(Von=4.13v)よりも、割合が95.2%となるとき(Von=3.93v)のほうが、コントラストが高い領域rが左右視角方向に広く、オフ透過率が低い領域bが全視角方向に広範囲渡っていることがわかる。このシミュレーション結果から、駆動条件によらず、オン電圧が条件2を満たすように設定すれば、広視角で良好な表示を実現できることがわかる。
ここからは、条件1をどのように見出したかについて説明する。
図7に、オン透過率とプレティルト角との関係のグラフを示す。これは、図9(a)に示すデータに基づいて描かれたものである。図9(a)のデータは、シミュレーションにより導出したものである。同図の「maxCR」は、オン電圧がVmaxCRとなるときの正面コントラストを示したものである。また、ON透過率は、オン電圧がVmaxCRとなるときの正面透過率である。後述する図9(b)及び図10も同様のシミュレーションによるデータであり、図9(a)と対応したものとなっている。
ここでのシミュレーションは、上述した液晶表示素子100の構成において、以下の諸条件の下で行ったものである。
(B1)液晶層15:Δn・d=0.91μm
(B2)駆動条件:1/64デューティ、1/8バイアス
また、図7の折れ線61は、液晶セル10の背面側の液晶分子15Aにのみプレティルトを付与した際(つまり、片側のみラビング)のオン透過率とプレティルト角との関係を示す。折れ線62は、液晶セル10の両面側の液晶分子15Aにプレティルトを付与した際(つまり、両側ラビング)のオン透過率とプレティルト角との関係を示す。
図7、図9(a)を参照すると、プレティルト角θpが89°以上の場合においては、オン透過率、正面コントラストともに良好な値を示す。そして、プレティルト角θpが89.9°の場合、オン透過率、正面コントラスト共に、最大となっている。しかし、両側にラビング処理を施した場合、プレティルト角θpが概ね89.7°を超えると、液晶分子15Aが所望の方向と逆に倒れやすくなり(所謂ディスクリネーションが発生する)、表示安定性が悪化してしまう
次に、折れ線61を参照すると、片側ラビングのほうが、両側ラビング時よりもオン透過率に優れていることがわかる。つまり、片側ラビングにより、表示安定性を高めつつ、オン電圧印加時の透過率を高めることができることがわかる。
比較例1は、液晶表示素子100から第1及び第2の位相差部41、42を除いた構成の液晶表示素子である。比較例2は、液晶セル10の両面にネガティブCプレートを配置した構成の液晶表示素子である。比較例1は、上及び左右の視角方向にコントラストが低い領域bが広がっており、コントラストが高い領域rの範囲も狭い(図11(a))。比較例2では、比較例1よりも領域bが大幅に狭くなり、表示品位が良好であるが、領域rが若干狭い(図11(b))。液晶表示素子100では、比較例2よりもさらに領域bが狭くなり、且つ、領域rが左右視角方向に広がっていることがわかる。
このように、第1の位相差部41と第2の位相差部42を有した液晶表示素子100は、表示が良好な視角範囲が広くなっていることがわかる。
10…液晶セル
15…液晶層
15A…液晶分子
N…液晶ダイレクタ方向
20…第1の偏光フィルタ
20A…吸収軸
30…第2の偏光フィルタ
30A…吸収軸
41…第1の位相差部
42…第2の位相差部
SA…遅相軸
50…制御装置
Claims (3)
- パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セルと、
前記液晶セルの前面側に位置する第1の偏光フィルタと、
前記液晶セルの背面側に位置し、前記第1の偏光フィルタと直交ニコルの関係で配置された第2の偏光フィルタと、
前記第1の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第1の位相差部と、
前記第2の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第2の位相差部と、を備え、
面内のX軸方向の屈折率をNx、面内でX軸に垂直なY軸方向の屈折率をNy、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向の屈折率をNzとしたとき、前記第1の位相差部は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、前記第2の位相差部は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有し、
前記第2の偏光フィルタは、その吸収軸が、前記液晶セルにオン電圧が印加されたときに液晶分子が倒れ込む方向に対して45°の角度となり、且つ、前記第2の位相差部の面内方向の遅相軸と直交するように配置され、
前記オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている、
ことを特徴とする液晶表示素子。 - 前記液晶セルでは、液晶分子のプレティルト角の角度が89°以上に設定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。 - 前記液晶セルでは、一方の面側の液晶分子のプレティルト角の角度が89°以上90°未満に設定され、他方の面側の液晶分子にはプレティルトが付与されていない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
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2012
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