JP2014126605A - 液晶表示素子 - Google Patents

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雅彦 山口
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Abstract

【課題】広視角で表示が良好な液晶表示素子を提供する。
【解決手段】液晶表示素子100は、パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セル10と、直交ニコルの関係で配置された第1及び第2の偏光フィルタ20,30と、第1の偏光フィルタ20と液晶セル10の間に位置する第1の位相差部41と、第2の偏光フィルタ30と液晶セル10の間に位置する第2の位相差部42と、を備える。第1の位相差部41は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、第2の位相差部42は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有する。第2の偏光フィルタ30の吸収軸は、液晶ダイレクタ方向Nに対して45°の角度となり、且つ、第2の位相差部42の面内方向の遅相軸と直交する。オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示素子に関し、詳しくは、パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶表示素子に関する。
液晶表示素子として、例えば、特許文献1にパッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向(VA)型の液晶表示素子が開示されている。特許文献1に係る液晶表示素子は、視角補償のため、液晶セルの上方に二軸性位相差板を積層した構造を有している。
特許第4901541号公報
VA型の液晶表示素子を高いデューティ比で駆動した場合、高いコントラストを得ようとすると表示の視角依存性が高まり、表示の視角依存性を小さくしようとするとコントラストが低くなるという問題があった。特許文献1のように位相差板の諸条件を適宜調整するだけでは、この問題を解消するには不十分だった。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、広視角で表示が良好な液晶表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明に係る液晶表示素子は、
パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セルと、
前記液晶セルの前面側に位置する第1の偏光フィルタと、
前記液晶セルの背面側に位置し、前記第1の偏光フィルタと直交ニコルの関係で配置された第2の偏光フィルタと、
前記第1の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第1の位相差部と、
前記第2の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第2の位相差部と、を備え、
面内のX軸方向の屈折率をNx、面内でX軸に垂直なY軸方向の屈折率をNy、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向の屈折率をNzとしたとき、前記第1の位相差部は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、前記第2の位相差部は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有し、
前記第2の偏光フィルタは、その吸収軸が、前記液晶セルにオン電圧が印加されたときに液晶分子が倒れ込む方向に対して45°の角度となり、且つ、前記第2の位相差部の面内方向の遅相軸と直交するように配置され、
前記オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、広視角で表示が良好である。
本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の概略断面図である。 (a)及び(b)は、液晶分子に付与されるプレティルトを説明するための図である。 同上実施形態に係る片側ラビング処理を説明するための図である。 (a)及び(b)は、各光軸の関係を説明するための図である。 (a)及び(b)は、オン電圧の好ましい条件を説明するためのシミュレーション結果を示す図である。 (a)及び(b)は、デューティ比をいくつか変化させて行ったシミュレーション結果を示す図である。 オン透過率とプレティルト角との関係のグラフを示す図である。 液晶セルの一方の面側のみにプレティルトを付与した場合の、透過率と電圧との関係のグラフを示す図である。 (a)は、図7のグラフの元となるデータを示す図である。(b)は、図8のグラフの元となるデータを示す図である。 図9(b)に続く図である。 (a)〜(c)は、同上実施形態における位相差部構成の有用性を説明するための等コントラスト特性を示す図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(液晶表示素子100の構成)
本発明の一実施形態に係る液晶表示素子100は、図1に示すように、液晶セル10と、第1の偏光フィルタ20と、第2の偏光フィルタ30と、第1の位相差部41と、第2の位相差部42と、制御装置50と、を備える。
液晶セル10は、パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セルである。液晶セル10は、一対の透明基板11F,11Rと、透明電極部12F,12Rと、配向膜13F,13Rと、両基板を接合するシール材14と、両基板とシール材14とによって形成される空間に封入された液晶層15と、を備える。
透明基板11F,11Rは、例えば、ガラス、プラスチック等から透明に形成されている。透明基板11F,11Rは、液晶層15を挟んで対向して配置されている。透明基板11Fは、液晶セル10の前面側(使用者側)に位置する。透明基板11Rは液晶セル10の背面側に位置する。
透明電極部12F,12Rは、それぞれ、透明基板11F,11Rの互いに対向する面(対向面)上に形成されている。透明電極部12F,12Rは、ITO(Indium Tin Oxide)膜等から透明に形成されている。透明電極部12Fは、透明基板11F上に形成されており、互いに平行に第1の方向に延在する複数の透明電極からなる。透明電極部12Fは、信号電極として機能する。透明電極部12Rは、透明基板11R上に形成されており、第1の方向と垂直な第2の方向に延在する複数の透明電極からなる。透明電極部12Rは、走査電極として機能する。透明電極部12F,12Rには、パッシブ駆動方式で電圧が印加される。つまり、液晶セル10は、パッシブマトリクス型である(単純マトリクス型とも呼称される)。
配向膜13F,13Rは、それぞれ、液晶層15に接する垂直配向膜であり、例えばポリイミドから、公知の方法(例えば、フレクソ印刷)によって形成される。配向膜13Fは、透明電極部12Fを液晶層15側から覆う。配向膜13Rは、透明電極部12Rを液晶層15側から覆う。
ここで、液晶セル10では、液晶層15の液晶分子15Aのプレティルト角θpの角度が89°以上という条件を満たすように設定されている(以下、この条件を「条件1」と言う)。プレティルトとは、オン電圧印加時に液晶分子15Aが倒れる方向(以下、液晶ダイレクタ方向Nとも言う)を規定するため、液晶分子15Aを垂直方向から若干倒すことをいう。プレティルト角θpは、透明基板11F又は11Rの主面と、液晶分子15Aの長軸MAとのなす角であって鋭角となる角をいう(図2(b)参照)。つまり、液晶分子15Aにプレティルトを付与するにつれ、プレティルト角θpの角度は、90°から減少する。
具体的には、液晶セル10の前面側のプレティルト角θpと背面側のプレティルト角θpとの角度が共に89°以上に設定されている。この場合、配向膜13F,13Rの両者にラビング処理が施される。これにより、ラビング方向に液晶分子15Aが倒れ込むように、プレティルトが付与される。
より好ましくは、液晶セル10の一方の面側のプレティルト角θpの角度が89°以上に設定され、他方の面側の液晶分子15Aにはプレティルトが付与されないように液晶セル10は構成されている。この場合、例えば、配向膜13Fにのみラビング処理を施すことで、液晶分子15Aにプレティルトを付与する。配向膜13Fには、所定の方向(図3に示すラビング方向R)にラビング処理が施され、細かい溝が形成されている。このようにラビング処理が施された配向膜13Fは、液晶分子15Aの長軸MA(図2(a)、(b)参照)が1つの方位に揃うように配向させる(モノドメイン配向)。これにより、図3に示すように、液晶セル10の前面側の液晶分子15Afにはプレティルトが付与される。一方、背面側の配向膜13Rにはラビング処理が施されていないため、液晶セル10の背面側の液晶分子15Arは、透明基板11Rに対して略垂直に立つことになる。なお、裏側の配向膜13Rにのみラビング処理を施すようにしてもよい。条件1をどのように見出したかについては、後述する。
液晶層15は、誘電率異方性Δεが負(Δε<0)の液晶材から構成されている。また、液晶層15は、その屈折率異方性Δnとその厚さdとの積で表されるリタデーションΔn・dの値が、例えば、0.8〜0.9μm程度に設定されている。液晶層15にしきい電圧以上の電圧が印加されると、略垂直に配向された液晶分子15Aが、液晶ダイレクタ方向Nに倒れ込むように挙動する。そして、オン電圧が印加されたときは、液晶分子は両透明基板の主面と実質的に平行となる。
第1及び第2の偏光フィルタ20,30は、一方の面側から入射した光を、吸収軸に直交する透過軸に沿った直線偏光として他方の面側から出射する。第1の偏光フィルタ20は、液晶セル10の前面側に位置する。第2の偏光フィルタ30は、液晶セル10の背面側に位置する。
第1及び第2の偏光フィルタ20,30は、図4(a)、(b)に示すように、それぞれの吸収軸20Aと吸収軸30Aとが直交するように配置されている(直交ニコル配置)。また、吸収軸20A、吸収軸30A各々と液晶ダイレクタ方向Nとのなす角の角度が45°と設定されている。第1及び第2の偏光フィルタ20,30としては、例えば、染料系の偏光フィルムであるSHC−13U(株式会社ポラテクノ社製)を用いることができる。
第1の位相差部41は、第1の偏光フィルタ20と液晶セル10の間に位置する。第1の位相差部41は、一軸光学異方性を有する。具体的には、第1の位相差部41は、面内のX軸方向の屈折率をNx、面内でX軸に垂直なY軸方向の屈折率をNy、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向の屈折率をNzとしたとき、Nx=Ny>Nzとなる特性を有する。
第1の位相差部41は、例えば、面内方向のリタデーションReが0nm、厚さ方向のリタデーションRthが220nmに設定されたものである。第1の位相差部41は、例えば、ネガティブCプレートと呼ばれる位相差板からなる。第1の位相差部41は、オフ電圧印加時における液晶層15の厚さ方向のリタデーションを第2の位相差部42と協同して補償するように、そのRthの値が設定されている。
第2の位相差部42は、第2の偏光フィルタ30と液晶セル10の間に位置する。第2の位相差部42は、二軸光学異方性を有する。具体的には、第2の位相差部42は、屈折率が、Nx>Ny>Nzとなる特性を有する。第2の位相差部42は、例えば、二軸性位相差板からなる。
第2の位相差部42は、面内方向のリタデーションReが、オン電圧印加時に液晶分子15Aが透明基板11F,11Rの主面と完全に平行にはならなくとも、光を効率的に透過させるように設定されている。Reは、第2の位相差部42の厚さをDとしたとき、Re=(Nx−Ny)・Dで表される。Reは、例えば50nmに設定されている。また、第2の位相差部42は、厚さ方向のリタデーションRthが、オフ電圧印加時における液晶層15の厚さ方向のリタデーションの一部を補償するように設定されている。Rthは、Rth={(Nx−Ny)/2−Nz}・Dで表される。Rthは、例えば440nmに設定されている。
第2の位相差部42は、面内で屈折率が最も大きい方向に向く遅相軸SA(図4(a)、(b)参照)と、遅相軸SAと直交し屈折率が最も小さい方向に向く進相軸(図示せず)と、を有する。遅相軸SAは、図4(a)に示すように、平面視で(液晶セル10の基板法線方向から見た場合)、吸収軸20Aと平行であり、吸収軸30Aと直交する。
ここで、使用者が液晶表示素子100を、液晶セル10の基板法線方向から見た場合の、左右方向に沿う軸を基準とし、この軸から反時計回りに角度が0°から増えるとする(つまり、3時方向が0°)。このように角度を規定すれば、図4(b)に示すように、吸収軸20Aは45°方向に、液晶ダイレクタ方向Nは90°の方向に、遅相軸SAは45°方向に、吸収軸30Aは135°の方向に沿う。
第2の偏光フィルタ30の背面側には、図示しないバックライトが備えられている。液晶表示素子100は、バックライトからの光により透過表示を行う。
制御装置50は、透明電極部12F,12Rと電気的に接続されている。制御装置50は、パッシブマトリクス駆動方式により、液晶層15にオン電圧、オフ電圧を印加して、液晶表示素子100を駆動する。
本実施形態では、制御装置50が、透明電極部12F,12Rを介して液晶層15に印加するオン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満という条件を満たすように設定されている(以下、この条件を「条件2」と言う)。条件2をどのように見出したかについては、後述する。
液晶表示素子100では、液晶分子15Aが倒れ始めるしきい電圧よりも低い値にオフ電圧が設定されている。そのため、液晶層15にオフ電圧を印加しても液晶分子15Aは実質的に垂直に配向したままである。この場合、背面側から第2の偏光フィルタ30を通過した光は、液晶層15によって偏光方向がほとんど変化しない。そのため、液晶セル10を背面側から透過した光のほとんどは、第2の偏光フィルタ30と直交ニコルの関係で配置された第1の偏光フィルタ20を透過できない。従って、オフ電圧が印加された領域の表示は黒く視認される(ノーマリブラックモード)。なお、第2の位相差部42によっても光が偏光するため、液晶セル10を背面側から透過した光のうち若干の光が第1の偏光フィルタ20を通過する。しかし、液晶表示素子100は、後述するように、オフ電圧印加時の透過率が表示品位に問題のない程度に抑制されている。
一方、液晶層15にオン電圧を印加すると、オン電圧が印加えられた領域の液晶分子15Aが液晶ダイレクタ方向N側に傾く。このとき、特に液晶層15の断面中間に位置する液晶分子15Aは、その長軸MAが基板主面と実質的に平行となるように挙動する。これにより、液晶層15を透過する光に複屈折が起き、光の偏光方向が変化し、液晶セル10を背面側から透過した光は第1の偏光フィルタ20を透過する。従って、オン電圧が印加された領域が透過表示状態となる。なお、パッシブ駆動方式においては、オン電圧とオフ電圧の差に制限があるため、オン時においても、液晶分子15Aが完全に平行となるわけではない。そのため、液晶セル10を背面側から透過した光の全てが第1の偏光フィルタ20を透過するわけではない。しかし、第2の偏光フィルタ30側からの光は、液晶セル10に達する前に第2の位相差部42を透過することにより、光学的に補償され、液晶層15を効率的に透過する。
ここからは、本願発明者がどのようにして条件1、2を見出したかについて説明する。まず、条件2について説明する。
(条件2について)
前述のように、パッシブ駆動方式においては、オン電圧とオフ電圧の差に制限がある。従来、この制限の中で、正面コントラストが最大となるようにオン電圧が決定されるのが一般的であった。以下、正面コントラストが最大となるオン電圧を、「VmaxCR」と表す。なお、コントラストは、所定の表示領域におけるオン時の輝度をオフ時の輝度を除して求められる。
オン電圧をVmaxCRとした場合、正面見栄えは良いが、視角を正面から傾けたときのオフ透過率(オフ電圧印加時の透過率)が上昇する傾向があり、表示の視角依存性が高まってしまう。従って、広視角で表示を良好とすることが困難であった。一方、視角依存性を低めようとオン電圧を下げすぎると、正面コントラストが低下してしまう。
そこで、本願発明者は、広視角で表示が良好なオン電圧の条件を求めるために、シミュレーションを行った。シミュレーション結果を図5(a)、(b)に示す。ここでのシミュレーションは、上述した液晶表示素子100の構成において、以下の諸条件の下で行ったものである。

(A1)液晶層15:Δn・d=0.83μm
(A2)プレティルト:液晶セル10の前面側の液晶分子15Aにはプレティルトを付与せず、背面側の液晶分子15Aのプレティルト角θpの角度を89.4°に設定
(A3)駆動条件:1/64デューティ、1/6バイアス

これら条件の下で、オン電圧を、VmaxCRを基準に上下させて、図5(a)、(b)に示す各結果を導いた。なお、ここで示すオン電圧の値は、デューティ比をスタティック駆動における電圧値に換算したものである(後述の各種シミュレーションについても同様)。
図5(a)、(b)では、オン電圧を「Von」と、VmaxCRを100%としたときのオン電圧の百分率を「割合」と、正面コントラストを「正面CR」と、オン電圧印加時の正面透過率を「ON透過率」と、等コントラスト特性を「等CR」と、オフ電圧印加時の透過率の視角特性を「OFF透過率」と表している。
等コントラスト特性は、コントラストの上限を100として円形チャートで示したものであり、チャートでは、コントラストが100に近い領域に「r」、0に近い領域に「b」、その中間である50に近い領域に「g」と符号を付している。
オフ電圧印加時の透過率(オフ透過率)の視角特性は、透過率の上限を1としている。この特性も同様に円形チャートで示し、透過率が1に近い領域に「r」、0に近い領域に「b」、その中間である0.5に近い領域に「g」と符号を付している。なお、オフ透過率の視角特性を示す円形チャートにおいては、オフ透過率が低い領域bが広範に渡っているほうが、様々な視角でオフ電圧印加時の光抜けが小さいといえるので、好ましい。
また、正面見栄え、及び、視角を正面からずらしたときの視角見栄えについて、以下のように評価した。
(正面見栄え)
◎(非常に良好)…正面CRが120以上、ON透過率が6%以上
○(良好) …正面CRが80以上、ON透過率が3%以上
△(許容可) …正面CRが40以上、ON透過率が1.5%以上
×(許容不可) …正面CRが40未満、ON透過率が1.5%未満
(視角見栄え)
視角見栄えは、円形チャートが示す特性に基づいて評価されたものである。ここでは、最良視認方向とは反対側の視角を反視角と呼んでいる。
◎(非常に良好)…反視角方向以外のコントラスト及びOFF透過率の変化が非常に小さい
○(良好) …反視角方向以外のコントラスト及びOFF透過率の変化が小さい
×(許容不可) …コントラスト及びOFF透過率の変化が大きく、表示が良好な視角範囲が狭い
図5(a)を参照すると、オン電圧がVmaxCRの場合(Von=3.67v)、当然、正面見栄えは非常に良好である。しかし、等コントラスト特性を見ると、コントラストが高い領域rは正面付近にしかなく、オフ透過率特性を見ると、上下の視角方向でオフ透過率が高くなってしまう領域rがあるため、表示が良好な視角範囲が狭い。これは、オン電圧をVmaxCRよりも上げた場合(Von=3.72v)も同様である。
一方、オン電圧をVmaxCRよりも上げた場合を順に見ていく。
図5(a)で、割合がVmaxCRの98.6%のとき(Von=3.62v)を参照すれば、正面見栄えは、○と良好である。等コントラスト特性を見ると、コントラストが高い領域rが左右方向に広がり、コントラストが低い領域bもVmaxCRのときよりも小さくなっている。オフ透過率特性を見ると、VmaxCRのときに上下視角方向にあったオフ透過率が高い領域rがだいぶ小さくなっており、オフ透過率が低い領域bがVmaxCRのときよりも広がっており、表示が良好な視角範囲が広くなっていることがわかる。
次に、図5(b)で、割合がVmaxCRの97.5%のとき(Von=3.58v)、割合がVmaxCRの96.2%のとき(Von=3.53v)、割合がVmaxCRの95.1%のとき(Von=3.49v)を見ていくと、正面見栄えは、順に○、△、△と、良好から許容可の評価となっている。等コントラスト特性を見ると、割合が97.5%から95.1%のときは、コントラストが高い領域rが左右方向に良好に広がっている。オフ透過率特性を見ると、割合が97.5%から95.1%へと減少するにつれて、オフ透過率が低い領域bが広がっていくのがわかる。従って、視角見栄えの評価は、◎と非常に良好となっている。
割合をさらに下げ、VmaxCRの93.7%のとき(Von=3.44v)を見ると(図5(b))、視角見栄えは、◎と非常に良好であるが、正面コントラストが低下しすぎるため、正面見栄えの評価は、×と許容不可となる。
以上のシミュレーション結果からの評価により、オン電圧の値を、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満(0.95・VmaxCR≦Von<VmaxCR)に設定すれば、広視角で良好な表示を実現できると本願発明者は見出した。
続いて、本願発明者は、オン電圧が条件2を満たす値に設定し、デューティ比をいくつか変化させてシミュレーションを行った。このシミュレーション結果を図6(a)、(b)に示す。比較対象として各デューティ比におけるVmaxCRも併記した。
なお、同図に示す「Von」、「割合」、「正面CR」、「ON透過率」、「等CR」、「OFF透過率」が表す意味は、前述の図5(a)、(b)と同様である。また、等コントラスト特性、及び、オフ電圧印加時の透過率の視角特性の表し方についても図5(a)、(b)と同様である。図5(a)、(b)に示すシミュレーションとは、駆動条件のみが異なる。
図6(a)、(b)に示すように、駆動条件が「1/16デューティ、1/5バイアス(図では、1/16D、1/5B)」、「1/32デューティ、1/6バイアス」、「1/64デューティ、1/8バイアス」、「1/128デューティ、1/12バイアス」の各条件において、オン電圧がVmaxCRとなるときよりも、割合が小さいほうが、当然、正面コントラストの点では劣っている。
しかしながら、等コントラスト特性、及び、オフ電圧印加時の透過率の視角特性を参照すると、いずれの駆動条件のときでも、VmaxCRよりも電圧が低いほうが、コントラストが良好な範囲が広く(範囲r)、オフ透過率が低い範囲が広く(範囲b)、広視角において表示が良好であることがわかる。例えば、「1/16デューティ、1/5バイアス」のときを参照すれば、VmaxCRのとき(Von=4.13v)よりも、割合が95.2%となるとき(Von=3.93v)のほうが、コントラストが高い領域rが左右視角方向に広く、オフ透過率が低い領域bが全視角方向に広範囲渡っていることがわかる。このシミュレーション結果から、駆動条件によらず、オン電圧が条件2を満たすように設定すれば、広視角で良好な表示を実現できることがわかる。
なお、シミュレーションでは、室温状態25℃の材料物性値を入力した。温度によりVmaxCRが若干変化するが、オン電圧を条件2を満たすように設定すれば、様々な温度条件下において広視角で良好な表示を実現できるという趣旨に変わりはない。
(条件1について)
ここからは、条件1をどのように見出したかについて説明する。
図7に、オン透過率とプレティルト角との関係のグラフを示す。これは、図9(a)に示すデータに基づいて描かれたものである。図9(a)のデータは、シミュレーションにより導出したものである。同図の「maxCR」は、オン電圧がVmaxCRとなるときの正面コントラストを示したものである。また、ON透過率は、オン電圧がVmaxCRとなるときの正面透過率である。後述する図9(b)及び図10も同様のシミュレーションによるデータであり、図9(a)と対応したものとなっている。
ここでのシミュレーションは、上述した液晶表示素子100の構成において、以下の諸条件の下で行ったものである。

(B1)液晶層15:Δn・d=0.91μm
(B2)駆動条件:1/64デューティ、1/8バイアス

また、図7の折れ線61は、液晶セル10の背面側の液晶分子15Aにのみプレティルトを付与した際(つまり、片側のみラビング)のオン透過率とプレティルト角との関係を示す。折れ線62は、液晶セル10の両面側の液晶分子15Aにプレティルトを付与した際(つまり、両側ラビング)のオン透過率とプレティルト角との関係を示す。
まず、折れ線62を参照すると、プレティルト角θpが88.7°の場合、オン透過率が低すぎて表示品位上採用できない(このとき、図9(a)に示すように、正面コントラスト31、オン透過率3.70%)。
図7、図9(a)を参照すると、プレティルト角θpが89°以上の場合においては、オン透過率、正面コントラストともに良好な値を示す。そして、プレティルト角θpが89.9°の場合、オン透過率、正面コントラスト共に、最大となっている。しかし、両側にラビング処理を施した場合、プレティルト角θpが概ね89.7°を超えると、液晶分子15Aが所望の方向と逆に倒れやすくなり(所謂ディスクリネーションが発生する)、表示安定性が悪化してしまう
ここで、片側ラビングと両側ラビングとで、液晶層15が含む液晶分子15Aの平均的なプレティルト角θpが同等に設定されている場合、片側ラビングによれば、両側ラビングに比べ、液晶セル10の一方の面側の界面における液晶分子15Aに、大きなプレティルトを付与することができる。これにより、透明基板の面内方向の配向規制力が得られ、ディスクリネーションの発生を抑制し、表示安定性を高めることができる。
次に、折れ線61を参照すると、片側ラビングのほうが、両側ラビング時よりもオン透過率に優れていることがわかる。つまり、片側ラビングにより、表示安定性を高めつつ、オン電圧印加時の透過率を高めることができることがわかる。
以上の考察により、両側ラビングの際は、液晶セル10の前面側のプレティルト角θpと背面側のプレティルト角θpとの角度が共に89°以上(約89.7°以下であることが好ましい)に設定するものとした。そして、より好ましくは、液晶セル10の一方の面側のプレティルト角θpの角度が89°以上(約89.7°以下であることが好ましい)に設定され、他方の面側の液晶分子15Aにはプレティルトが付与されないように液晶セル10を構成するものとした。
また、図8に片側ラビングの際の、透過率と液晶層15に印加する電圧との関係のグラフを示す。このグラフは、図9(b)、図10に示すデータに基づいて描かれたものである。このグラフにおいて、曲線71はθp=88.7°のときの特性を示し、曲線72はθp=89.0°のときの特性を示し、曲線73はθp=89.3°のときの特性を示し、曲線74はθp=89.6°のときの特性を示す。曲線71〜74からわかるように、プレティルト角θpを増加させるほど、電圧に対する透過率の変化が急峻となる。このように急峻にすれば、オン電圧を高く設定しても、オフ電圧印加時の透過率を抑えることができるため、急峻性の観点からはθpは、大きいほうが好ましい。以上の考察により、液晶セル10の一方の面側に位置する液晶分子15Aにのみプレティルトを付与するのがより好ましいことがわかる。
また、図11(a)〜(c)に、比較例1、2と液晶表示素子100の等コントラスト特性を示す。これは、オン電圧を3.58vとしたときのシミュレーション結果である。等コントラスト特性の表し方は、図5(a)等と同様である。
比較例1は、液晶表示素子100から第1及び第2の位相差部41、42を除いた構成の液晶表示素子である。比較例2は、液晶セル10の両面にネガティブCプレートを配置した構成の液晶表示素子である。比較例1は、上及び左右の視角方向にコントラストが低い領域bが広がっており、コントラストが高い領域rの範囲も狭い(図11(a))。比較例2では、比較例1よりも領域bが大幅に狭くなり、表示品位が良好であるが、領域rが若干狭い(図11(b))。液晶表示素子100では、比較例2よりもさらに領域bが狭くなり、且つ、領域rが左右視角方向に広がっていることがわかる。
このように、第1の位相差部41と第2の位相差部42を有した液晶表示素子100は、表示が良好な視角範囲が広くなっていることがわかる。
以上のシミュレーション結果は、シンテック株式会社製のシミュレーションソフト「LCD MASTER」により導出した。
なお、本発明は上記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。上記の実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
第2の位相差部42として、一枚の二軸性位相差板(二軸プレート)の代わりに、二枚の一軸性位相差板を組み合わせたものを用いてもよい。具体的には、ネガティブCプレート(Nx=Ny>Nz)とポジティブAプレート(Nx>Ny=Nz)を組み合わせればよい。この場合、第2の偏光フィルタ30の吸収軸30Aが、ポジティブAプレートの面内方向の遅相軸と直交するように構成すればよい。
液晶表示素子100は、液晶セル10の背面側に反射層(半透過反射層も含む)を設けた反射型のものであってもよい。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100…液晶表示素子
10…液晶セル
15…液晶層
15A…液晶分子
N…液晶ダイレクタ方向
20…第1の偏光フィルタ
20A…吸収軸
30…第2の偏光フィルタ
30A…吸収軸
41…第1の位相差部
42…第2の位相差部
SA…遅相軸
50…制御装置

Claims (3)

  1. パッシブマトリクス駆動方式で駆動される垂直配向型の液晶セルと、
    前記液晶セルの前面側に位置する第1の偏光フィルタと、
    前記液晶セルの背面側に位置し、前記第1の偏光フィルタと直交ニコルの関係で配置された第2の偏光フィルタと、
    前記第1の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第1の位相差部と、
    前記第2の偏光フィルタと前記液晶セルの間に位置する第2の位相差部と、を備え、
    面内のX軸方向の屈折率をNx、面内でX軸に垂直なY軸方向の屈折率をNy、X軸及びY軸に垂直なZ軸方向の屈折率をNzとしたとき、前記第1の位相差部は、Nx=Ny>Nzとなる特性を有し、前記第2の位相差部は、Nx>Ny>Nzとなる特性を有し、
    前記第2の偏光フィルタは、その吸収軸が、前記液晶セルにオン電圧が印加されたときに液晶分子が倒れ込む方向に対して45°の角度となり、且つ、前記第2の位相差部の面内方向の遅相軸と直交するように配置され、
    前記オン電圧の値は、正面コントラストが最大となる電圧値の95%以上100%未満に設定されている、
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記液晶セルでは、液晶分子のプレティルト角の角度が89°以上に設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記液晶セルでは、一方の面側の液晶分子のプレティルト角の角度が89°以上90°未満に設定され、他方の面側の液晶分子にはプレティルトが付与されていない、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
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