JP2018105908A - 液晶表示素子 - Google Patents

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規宏 南雲
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Abstract

【課題】斜め視角においても表示が良好な液晶表示素子を提供する。
【解決手段】垂直配向型の液晶表示素子は、第1の偏光板20、第1の二軸性位相差板40、液晶セル10、第2の二軸性位相差板50、及び第2の偏光板30を備える。第1の偏光板20と第2の偏光板30とは直交ニコルで配置され、第2の二軸性位相差板50の遅相軸51は、第1の二軸性位相差板40の遅相軸41と略直交するとともに、第2の偏光板30の吸収軸31と略直交する。液晶層のΔndを位相差板合計Rthで徐した(Δnd/Rth)は、1≦(Δnd/Rth)<1.32を満たす。また、背景領域において、測定波長480nmでのΔndを測定波長589nmでのΔndで除した値(Δn(480)/Δn(589))で示される波長分散特性は、(Δn(480)/Δn(589))<1.057を満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、垂直配向型の液晶表示素子に関する。
垂直配向型の液晶表示素子は、正面(表示面の法線方向)から視認した際に良好な表示が得やすい一方で、当該法線方向から傾いた角度(斜め視角)においては表示品位が損なわれやすい(コントラストの低下や色変化など)という問題がある。この問題に対して、特許文献1には、透明電極を特有の形状(開口部を設けたり、V字状に形成)にした液晶表示素子が開示されている。
特開2012−68353号公報
特許文献1に係る構成のように複雑な電極形状であろうとなかろうと、斜め視角においても良好な表示を実現できればより良い。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、斜め視角においても表示が良好な液晶表示素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る液晶表示素子は、
垂直配向型の液晶セルと、
前記液晶セルを挟んで互いに対向する第1の偏光板及び第2の偏光板と、
前記液晶セルと前記第1の偏光板の間に位置する第1の二軸性位相差部と、
前記液晶セルと前記第2の偏光板の間に位置する第2の二軸性位相差部と、を備え、
前記第2の偏光板の吸収軸は、前記第1の偏光板の吸収軸と略直交するとともに、前記液晶セルへの駆動電圧の印加に応じて液晶層の液晶分子が倒れ込む方向に対して略45°の角度となり、
前記第2の二軸性位相差部の面内方向の遅相軸は、前記第1の二軸性位相差部の面内方向の遅相軸と略直交するとともに、前記第2の偏光板の吸収軸と略直交し、
前記液晶層のリタデーション値をΔndとし、前記第1の二軸性位相差部と前記第2の二軸性位相差部の厚さ方向における合計リタデーション値をRthとすると、
ΔndをRthで徐した(Δnd/Rth)は、
1≦(Δnd/Rth)<1.32を満たし、
背景領域において、測定波長480nmでのΔndを測定波長589nmでのΔndで除した値(Δn(480)/Δn(589))で示される波長分散特性は、
(Δn(480)/Δn(589))<1.057を満たす、
ことを特徴とする。
本発明によれば、斜め視角においても表示が良好な液晶表示素子を提供することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る液晶表示素子の構成を説明するための模式図である。(b)は、図1(a)に示す液晶セルの概略断面図である。 液晶分子に付与されるプレティルトを説明するための図である。 (a)及び(b)は、各光軸の関係を説明するための図である。 シミュレーションでセルギャップを異ならせた場合のコントラストの視角特性を示す図である。 実測での各サンプルの背景色の視角特性を示す図である。 実測での各サンプルの等コントラスト特性を示す図である。 視角を説明するための図である。
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(液晶表示素子100の構成)
本発明の一実施形態に係る液晶表示素子100は、図1に示すように、液晶セル10と、第1の偏光板20と、第2の偏光板30と、第1の二軸性位相差板40と、第2の二軸性位相差板50と、を備える。液晶表示素子100は、後述の画素を透過/不透過状態に適宜切り替えることで、所定の画像を表示する。以下では、図1(a)、(b)に示すように、所定の部材よりも画像の視認者1(図7参照)側を表側、その反対側を裏側として、適宜説明する。
液晶セル10は、垂直配向型(VA(Vertical Alignment)型)の液晶セルであり、図1(b)に示すように、一対の基板1F,1Rと、電極部2F,2Rと、配向膜5F,5Rと、液晶層6と、を備える。
基板1F,1Rは、各々、例えば、ガラス、プラスチック等から透明に形成されている。基板1Fと基板1Rとは、液晶層6を挟んで対向して配置されている。基板1Fは液晶層6の表側に位置し、基板1Rは液晶層6の裏側に位置する。
電極部2F,2Rは、各々、酸化インジウムを主成分とするITO(Indium Tin Oxide)膜等から構成され、光を透過する透明な電極部である。電極部2Fは、基板1Fの裏側の面上に形成されている。電極部2Rは、基板1Rの表側の面上に形成されている。
電極部2Fは、例えば、走査電極として構成され、複数の透明電極を有する。電極部2Rは、例えば、信号電極として構成され、複数の透明電極を有する。電極部2Fと電極部2Rとは、電圧が印加された際に、表示面の法線方向から見て(表示面については後述する)、両者が重なる領域に任意の形状の画素(セグメント)を表示可能にパターニングされている。表示状態のセグメントは、例えば、記号(文字、数字を含む)、図形、又はこれらの組み合わせを表すことが可能となっている。電極部2Fと電極部2Rには、パッシブ駆動方式で電圧が印加される。つまり、液晶セル10は、セグメント表示型かつパッシブ駆動型である。なお、電極部2Fが信号電極として、電極部2Rが走査電極として構成されていてもよい。以下では、液晶表示素子100を構成する各部の理解を容易にするため、矩形状の基板1F,1Rの一辺に沿った方向をY軸とし、Y軸と直交する軸をX軸とする(図3(a)参照)。
X軸及びY軸によるX−Y平面は、液晶表示素子100の表示面と平行な面であり、図中、両軸を示す矢印の向く方向を、各々の方向の+(プラス)方向とすれば、液晶表示素子100の視認者1の視点が+Y軸方向に位置するものとして、電極部2Fと電極部2Rとは、パターニングされている。ここで、表示面とは、液晶表示素子100の表側の面であり、本実施形態では、第1の偏光板20の表側の面が表示面に相当する。第1の偏光板20の表側に、図示しない透明層(AR(Anti Reflection)コート層など)をさらに設けてもよいが、この場合は、この透明層の表側の面が表示面に相当することになる。
配向膜5F,5Rは、それぞれ、液晶層6に接する垂直配向膜であり、例えばポリイミドから、公知の方法(例えば、フレクソ印刷)によって形成される。配向膜5Fは、電極部2Fを液晶層6側から覆う。配向膜5Rは、電極部2Rを液晶層6側から覆う。配向膜5Fには、所定の方向にラビング処理が施され、細かい溝が形成されている。配向膜5Rには、配向膜5Fのラビング方向とは逆方向にラビング処理が施され、細かい溝が形成されている(アンチパラレルラビング)。このようにラビング処理が施された配向膜5F,5Rは、液晶層6に電極部2F及び電極部2Rから電圧が印加されていないとき(電圧無印加時)の液晶分子6Aの配向方向(液晶分子6Aの長軸MA(図2参照)の向く方向)を、基板1F,1Rの主面(液晶層6側に向く面)と略垂直に規定するとともに、液晶分子6Aを、その長軸MAが1つの方位に揃うように配向する(いわゆるモノドメイン配向)。配向膜5Fと配向膜5Rによって、液晶分子6Aにはプレティルトが付与される。プレティルトとは、オン電圧印加時に液晶分子6Aの倒れる方向(以下、液晶ダイレクタ方向Nとも言う)を規定するため、液晶分子6Aを垂直方向から若干倒すことをいう。ここで、基板1Fの主面と電圧無印加時における液晶分子6Aの長軸MAとのなす角であって鋭角のものをプレティルト角θp(図2参照)とすれば、プレティルトを付与するにつれ、プレティルト角は、90°から減少するという関係になる。プレティルト角は、例えば、88°〜89.5°の範囲で設定されている。
液晶層6は、基板1Fと基板1Rと、両基板を接合するシール材(図示せず)とによって形成される空間に封入されている。液晶層6は、誘電率異方性Δεが負(Δε<0)の液晶材から構成されている。また、液晶層6は、その層厚(セルギャップd)が図示しないスペーサにより一定に保たれている。液晶層6は、その屈折率異方性Δnとセルギャップdとの積で表されるリタデーションΔndの値が、300nm前後に設定されている。液晶層6にしきい電圧以上の電圧が印加されると、略垂直に配向された液晶分子6Aが、液晶ダイレクタ方向Nに倒れ込むように挙動する。そして、オン電圧が印加されたときは、液晶分子は両基板(基板1F、基板1R)の主面と実質的に平行となる。
液晶層6は、その波長分散特性として、液晶表示素子100の背景領域において、測定波長480nmでのΔndを、測定波長589nmでのΔndで除した値(Δn(480)/Δn(589))が、(Δn(480)/Δn(589))<1.057という条件(以下、波長分散条件)を満たすように設定されている。この条件をいかに見出したかは後述する。なお、液晶表示素子100の背景領域は、少なくとも一方の透明電極が形成されておらず、セグメントの背景となり黒く視認される領域である。
第1及び第2の偏光板20,30は、一方の面側から入射した光を、吸収軸に直交する透過軸に沿った直線偏光として他方の面側から射出する。第1の偏光板20は液晶セル10の表側に位置し、第2の偏光板30は液晶セル10の裏側に位置する。
第1及び第2の偏光板20,30は、図3(a)、(b)に示すように、それぞれの吸収軸21と吸収軸31とが直交するように配置されている(直交ニコル配置)。また、吸収軸21及び吸収軸31の各々と、液晶ダイレクタ方向Nとのなす角は、45°に設定されている。
第1及び第2の二軸性位相差板40,50は、二軸光学異方性を有し、面内のx軸方向の屈折率をNx、面内のy軸方向の屈折率をNy、x軸及びy軸に垂直なz軸方向の屈折率をNzとしたとき、Nx>Ny>Nzとなる特性を有する。第1の二軸性位相差板40は、第1の偏光板20と液晶セル10の間に位置する。第2の二軸性位相差板50は、第2の偏光板30と液晶セル10の間に位置する。
第1及び第2の二軸性位相差板40,50は、面内で屈折率が最も大きい方向に向く遅相軸と、遅相軸と直交し屈折率が最も小さい方向に向く進相軸とを有する。第1及び第2の二軸性位相差板40,50は、図3(b)に示すように、それぞれの遅相軸41と遅相軸51とが直交するように配置されている。また、第1の二軸性位相差板40の遅相軸41と、第1の偏光板20の吸収軸21とは直交するように設定されている。また、第2の二軸性位相差板50の遅相軸51と、第2の偏光板30の吸収軸31とは直交するように設定されている。
第1の二軸性位相差板40と第2の二軸性位相差板50とは、厚さ方向における両者の合計リタデーションをRth(以下、位相差板合計Rthという)とした場合に、液晶層6のリタデーションΔndとの関係において、1≦(Δnd/Rth)<1.32という条件(以下、リタデーション条件)を満たすように設定されている。この条件をいかに見出したかは後述する。
なお、二軸性位相差板の厚さをDとしたとき、二軸性位相差板の厚さ方向のリタデーションは、{(Nx−Ny)/2−Nz}・Dで表される。厚さ方向のリタデーションは、例えば、背景領域における液晶層6の厚さ方向のリタデーションの一部を補償するように設定されている。また、面内方向のリタデーションは、(Nx−Ny)・Dで表される。面内方向のリタデーションは、例えば、オン電圧印加時に液晶分子6Aが基板1F,基板1Rの主面と完全に平行にはならなくとも、光を効率的に透過させるように設定されている。これらのリタデーションの範囲は、前記のリタデーション条件を満たす限りにおいては任意である。
ここで、液晶表示素子100を正面視する視認者1から見ての左右方向に沿う軸を基準とし、この軸から反時計回りに角度が0°から増えるとする。このように角度を規定すれば、図3(b)に示すように、吸収軸21は45°方向に、遅相軸41は135°方向に、液晶ダイレクタ方向Nは90°方向に、遅相軸51は45°方向に、吸収軸31は135°の方向に沿う。
第2の偏光板30の裏側には、バックライト(図示せず)が備えられている。液晶表示素子100は、バックライトからの光により透過表示を行う。また、電極部2F及び電極部2Rには、制御装置(図示せず)が接続されている。この制御装置は、パッシブマトリクス駆動方式により、液晶層6にオン電圧、オフ電圧を印加して、液晶表示素子100を駆動する。
液晶表示素子100では、液晶分子6Aが倒れ始めるしきい電圧よりも低い値にオフ電圧が設定されている。そのため、液晶層6にオフ電圧を印加しても液晶分子6Aは実質的に垂直に配向したままである。この場合、バックライトから射出され、第2の偏光板30を通過した光は、液晶層6によって偏光方向がほとんど変化しない。そのため、液晶セル10を裏側から透過した光のほとんどは、第2の偏光板30と直交ニコルの関係で配置された第1の偏光板20を透過できない。従って、オフ電圧が印加されたセグメント領域や少なくとも一方の透明電極が形成されていない背景領域は、黒く表示される(ノーマリブラックモード)。
一方、液晶層6にオン電圧を印加すると、オン電圧が印加された領域の液晶分子6Aが液晶ダイレクタ方向N側に傾く。このとき、特に液晶層6の断面中間に位置する液晶分子6Aは、その長軸MAが液晶セル10の基板主面と実質的に平行となるように挙動する。これにより、液晶層6を透過する光に複屈折が起き、光の偏光方向が変化し、液晶セル10を裏側から透過した光は第1の偏光板20を透過する。従って、オン電圧が印加された領域が透過表示状態となる。
ここからは、本願発明者が、いかにして特有の波長分散条件とリタデーション条件とを見出したかについて説明する。
まず、本願発明者は、正面だけでなく左右方向に視角をずらした場合においても、コントラストが良好となる液晶層6のリタデーションΔndの範囲を見出すために、Δndが異なる液晶表示素子の視角に対するコントラスト(CR)の評価をシミュレーションにより行った。図4にシミュレーション結果を示す。
視角とは、図7に示すように基板法線に対する視認者1による視線の傾き角θである。また、同図に示す方位角φは、視認者1から見て左右方向に沿う軸と、基板法線方向から見た場合の視線(視線の基板への正射影)とのなす角である。
図4のシミュレーションは、以下の諸条件の下で行った。
・液晶層6:Δnは0.07で固定とし、セルギャップdを2〜5μmの範囲で異ならせることで、Δndが140、210、280、301、350、420nmの6種類の液晶表示素子(液晶表示素子100と各部の配置は同様だが条件が各々異なる)を設定。なお、各液晶表示素子では、位相差板合計Rthを260nmとした(厚さ方向のリタデーションが130nmとなる同種の位相差板の二枚を、液晶セル10の表と裏に一枚ずつ配置)。
・方位角φ=0°、視角θが+50°〜−50°の範囲で各液晶表示素子のコントラストを導出(オン電圧=2.89V、オフ電圧=1.67V)。
・駆動条件:5V、1/4デューティ、1/3バイアス
なお、このシミュレーション結果は、シンテック株式会社製のシミュレーションソフト「LCD MASTER」により導出したものである。
本願発明者は、用途を踏まえ、視角θが+30°〜−30°の範囲内でコントラストが良好となる条件に注目した。図4を参照してわかるように、Δndが140nm、210nmの場合は、コントラストが低い。また、Δndが350nm、420nmの場合は、正面コントラストに優れる一方で、左右コントラストが急激に下がってしまう。Δndが280nm、301nmの場合は、Δndが350nmと420nmの場合よりも正面コントラストは劣るものの、左右コントラストが良好である。このような考察から、斜め視角においても表示が良好とするためには、前提として、リタデーションΔndの範囲を300nm前後に設定することにした。
続いて、シミュレーションで見出したΔndの範囲を念頭に、液晶表示素子のサンプル(液晶表示素子100と各部の配置は同様だが条件が各々異なる)を5つ作成し(図5、図6に示す液晶A〜E)、色度とコントラストを実測した(EzContrast(ELDIM製)による)。
測定対象のサンプルの各種条件は、下記である。なお、以下では、背景領域において、測定波長480nmでのΔndを、測定波長589nmでのΔndで除した値(Δn(480)/Δn(589))を、単に「波長分散」と言う。
・液晶A〜E共通事項:第1の二軸性位相差板40と第2の二軸性位相差板50とは同じ位相差板を使用(Re=55nm、Rth=130nm)。したがって、位相差板合計Rthは260nm。セルギャップd=4.3μm。
・液晶A:Δn=0.075、Δnd=323nm、波長分散=1.194
・液晶B:Δn=0.111、Δnd=476nm、波長分散=1.077
・液晶C:Δn=0.080、Δnd=344nm、波長分散=1.057
・液晶D:Δn=0.085、Δnd=366nm、波長分散=1.049
・液晶E:Δn=0.069、Δnd=297nm、波長分散=1.029
・駆動条件:5V、1/4デューティ、1/3バイアス
(波長分散条件の導出について)
図5は、液晶A〜Eの背景領域における色度を、図4のシミュレーション時と同様に、方位角φ=0°、視角θが+50°〜−50°の範囲(以下、視角範囲)で測定したものを色度図にプロットしたものである。当該視角範囲で角度を移動させた場合における色度の移動量が小さければ小さい程、視角変化に対する色変化が小さく、表示が良好となる。
図5からわかるように、液晶A〜Cは、視角変化に対しての色度の変化量が大きいため、表示品位を保つことができない(評価「×」)。一方、液晶Eは、視角変化に対しての色度の変化量が小さく、且つ、視角を変化させた場合であっても色度が無彩色となる点(0.33,0.33)の近傍に位置しているため、表示が良好である(評価「○」)。液晶Dは、液晶Eには劣るものの、液晶A〜Cに比べて視角変化に対しての色度の変化量が小さいため、表示品位がある程度は良好である(評価「△」)。
本願発明者は、このような色度に関する考察から、視角変化に対しての色変化を抑えるためには、少なくとも、液晶表示素子100の波長分散を、液晶Cの波長分散よりも小さく設定する必要があるとし、波長分散条件を「(Δn(480)/Δn(589))<1.057」とした。
(リタデーション条件の導出について)
図6は、液晶A〜Eの等コントラスト特性(図中、「等CR」)を示したものである。等コントラスト特性は、コントラストの上限を100として円形チャートで示したものである。なお、コントラストは、所定の表示領域におけるオン時の輝度をオフ時の輝度で除して求められる。円形チャートにおいては、円の中心が視角θ=0°を表し、円の外周端が視角θ=50°を表している。方位角φについては、円の外周に記載された角度に対応する。
図6では、円形チャートにおいてコントラストが高い領域H(約90〜100)を点線で囲った。また、図6は、液晶A〜Eをコントラストが良好ではない方から順に並べている(液晶B、D、C、A、Eの順)。
等コントラスト特性に着目すると、液晶Bには領域Hが無いため、採用できない(評価「×」)。液晶D、Cでは、領域Hが左右に広がっているが、上下方向(φを増減させた際)のコントラストが良好ではないため、視認者1の視線が上下方向にずれた場合の表示品位が良好とはいえない(評価「×」)。液晶A、Eでは、領域Hが左右だけでなく、上下方向にも広がっているため、視認者1の視線が上下方向(当該サンプルにおいては主に上方向)にずれた場合であっても表示品位が良好である(評価「○」)。
本願発明者は、このようなコントラストに関する考察から、斜め視角でコントラストを良好とするには、位相差板合計Rthが260nmの場合には、液晶層6のΔndを液晶Cの344nmよりも小さく必要があることから、ΔndとRthの比を考慮し、リタデーション条件を「1≦(Δnd/Rth)<1.32」とした。なお、1.32は、液晶CのΔndである344nmを、位相差板合計Rthで徐すことで得られる値である(344/260≒1.32)。
以上の考察から、図5、図6に示す液晶Eのように、波長分散条件とリタデーション条件とをともに満たすようにすれば、視角変化に対しての色変化が少なく、且つ、斜め視角においてもコントラストが良好であるため、斜め視角においても表示が良好な液晶表示素子100を提供することができる。なお、波長分散条件としては、図5から分かるように、(Δn(480)/Δn(589))の値を、「1.05未満」とすればより好適であり、「1.03未満」とすればさらに好適である。また、リタデーション条件としては、図6から分かるように、(Δnd/Rth)の値を、「1.3未満」とすればより好適であり、「1.2未満」とすればさらに好適である。
なお、本発明は上記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。上記の実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。
以上では、液晶表示素子100がセグメント表示型である例を示したが、ドットマトリクス型であってもよい。ドットマトリクス型においては、基板1Fと電極部2Fとの間にブラックマトリクスや平坦化層を設けてもよい。
以上では、図6に示す液晶Eのように、左右方向と上方向に視線をずらした場合でも表示品位に優れる例を挙げた。このような設定は、例えば、車両内のコンソールに配置される画像表示装置に好適である。しかしながら、液晶表示素子100の用途は任意であり、例えば、左右方向と下方向に視線をずらした場合(液晶表示素子100を視認者1が見上げるような場合)に表示品位が優れるように設定してもよい。また、左右方向と上下方向に視線をずらした場合(液晶表示素子100がほぼ視認者1の目の高さに位置するが、左右に偏った位置から画像を視認する場合)に表示品位が優れるように設定してもよい。
以上では、厚さ方向のリタデーションが130nmである位相差板を二枚用い、合計リタデーションRthが260nmとした例を示したが、リタデーション条件を満たす限りにおいては、Rthの値が260nmに限られないのは勿論のこと、同じ位相差板を二枚用いなくともよい。
また、第1の二軸性位相差板40(第1の二軸性位相差部の一例)と第2の二軸性位相差板50(第2の二軸性位相差部の一例)との厚さ方向の合計リタデーションをRthとして、リタデーション条件を「1≦(Δnd/Rth)<1.32」を満たす例を説明したが、これら二軸性位相差板に加え、一軸性位相差板で厚さ方向のリタデーションを補ってもよい。例えば、一軸性位相差板を液晶セル10の表側と裏側との少なくとも一方に、追加して配置してもよい。つまりは、第1の二軸性位相差部は、第1の二軸性位相差板40の一枚だけで構成されなくともよく、第2の二軸性位相差部は、第2の二軸性位相差板50の一枚だけで構成されなくともよい。このような第1の二軸性位相差部と第2の二軸性位相差部の厚さ方向の合計リタデーションをRthとした場合であっても、リタデーション条件の「1≦(Δnd/Rth)<1.32」を満たすようにすればよい。
なお、以上では、各光軸の説明において、直交、平行、45°などとして説明したが、完全に直交、完全に平行、丁度45°である必要はない。略直交、略平行、略45°であればよい。ここで言う「略」とは、例えば、±5°程度のずれ幅は、条件(製造誤差などの消極的な条件のみならず、光学補償のための積極的な条件も含む)に応じて任意である。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
100…液晶表示素子
10…液晶セル、2F,2R…電極部
6…液晶層、6A…液晶分子、N…液晶ダイレクタ方向
20…第1の偏光板、21…吸収軸
30…第2の偏光板、31…吸収軸
40…第1の二軸性位相差板(第1の二軸性位相差部の一例)
41…遅相軸
50…第2の二軸性位相差板(第2の二軸性位相差部の一例)
51…遅相軸

Claims (1)

  1. 垂直配向型の液晶セルと、
    前記液晶セルを挟んで互いに対向する第1の偏光板及び第2の偏光板と、
    前記液晶セルと前記第1の偏光板の間に位置する第1の二軸性位相差部と、
    前記液晶セルと前記第2の偏光板の間に位置する第2の二軸性位相差部と、を備え、
    前記第2の偏光板の吸収軸は、前記第1の偏光板の吸収軸と略直交するとともに、前記液晶セルへの駆動電圧の印加に応じて液晶層の液晶分子が倒れ込む方向に対して略45°の角度となり、
    前記第2の二軸性位相差部の面内方向の遅相軸は、前記第1の二軸性位相差部の面内方向の遅相軸と略直交するとともに、前記第2の偏光板の吸収軸と略直交し、
    前記液晶層のリタデーション値をΔndとし、前記第1の二軸性位相差部と前記第2の二軸性位相差部の厚さ方向における合計リタデーション値をRthとすると、
    ΔndをRthで徐した(Δnd/Rth)は、
    1≦(Δnd/Rth)<1.32を満たし、
    背景領域において、測定波長480nmでのΔndを測定波長589nmでのΔndで除した値(Δn(480)/Δn(589))で示される波長分散特性は、
    (Δn(480)/Δn(589))<1.057を満たす、
    ことを特徴とする液晶表示素子。
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