JP2017219701A - 調光フィルムの取付方法及び車両 - Google Patents

調光フィルムの取付方法及び車両 Download PDF

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Abstract

【課題】調光フィルムを介して外光を観察する場合のちらつきが防止された、調光フィルムの取付方法及び車両を提供する。【解決手段】本発明の調光フィルム1の取り付け方法は、垂直配向型の液晶層を有するとともに、車両のサンルーフに取り付けられた調光フィルムの給電ポイントを、前記車両の斜め前方とする。本発明によると、搭乗者が、自己が着座している個所の真上よりも前方のサンルーフ132を観察したとき、サンルーフ132の調光フィルム1における透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、サンルーフ132を通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。【選択図】図9

Description

本発明は、調光フィルムの取付方法及び車両に関する。
液晶TV等に使用される液晶表示装置において、バックライトとして蛍光灯が用いられているものがある。このような液晶表示装置では、インバータによる蛍光灯の点灯周期と、液晶駆動のためのデータ走査の周期とが干渉して「モワレ(干渉縞)」が発生する場合がある。従来、この「モワレ」を解消するため、インバータによる点灯周期と、データ走査の周期とを同期させている技術がある(特許文献1,2参照)。
同様に液晶を利用したものとして、車両のサンルーフに貼り付けて外光の透過を制御する調光フィルムがある。調光フィルムは、液晶に印加する電圧を変化させることより液晶の配向を変化させ、外光の透過量を変化させる。
特開平5−341262号公報 特開平6−160804号公報
車両のサンルーフの調光フィルムに入射する外光が、蛍光灯の出射光のように周期的に光量が変化する場合、調光フィルムの透過光に、「ちらつき(フリッカー)」が観察される場合がある。
本発明は、調光フィルムを介して外光を観察する場合のちらつきが防止された、調光フィルムの取付方法及び車両を提供することを目的とする。
(1)垂直配向型の液晶層を有するとともに、車両のサンルーフに取り付けられた調光フィルムの給電ポイントを、前記車両の斜め前方とする、調光フィルムの取付方法。
(1)によれば、給電ポイントから遠いと透過率の変動が大きく、ちらつきが認識されやすいが、このようにすると、斜め前方を見たとき、もっともちらつきが観察されにくい。
(2) (1)において、前記調光フィルムを、前記液晶層に電界を印加した場合に液晶分子が倒れる方向が、車両の斜め後方となるように、前記車両のサンルーフに取り付ける、調光フィルムの取付方法。
(2)によれば、搭乗者が、自己が着座している個所の真上よりも前方のサンルーフを観察したとき、サンルーフの調光フィルムにおける透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、サンルーフを通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。
(3) (2)において、前記液晶分子はシングルドメイン方式で配列されている。
(4) (2)において、前記液晶分子は、マルチドメイン方式で配列されている。
(5)(3)または(4)において、前記斜め前方は、前記調光フィルムを上方から見て、前記車両の先進方向を0°としたときの、±135°の方向である。
(7)観察者によって観察される透明部材に対して、垂直配向型の液晶層を有する調光フィルムを取り付ける取付方法であって、前記液晶層に電界を印加した場合に、液晶分子が倒れる方向が、前記観察者により観察される頻度の高い方向成分を有する方向となるように、前記透明部材に取り付ける、調光フィルムの取付方法。
(7)によれば、観察者が、透明部材を観察したとき、調光フィルムにおける透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、透明部材を通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。
(8)垂直配向型の液晶層を有する調光フィルムが、
前記液晶層に電界を印加した場合に、液晶分子が倒れる方向が車両に取り付けられた際の前記車両における斜め前方となるように、車両サンルーフに取り付けられた、
車両。
(8)によれば、搭乗者が、自己が着座している個所の真上よりも前方のサンルーフを観察したとき、サンルーフの調光フィルムにおける透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、サンルーフを通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。
本発明によれば、調光フィルムを介して外光を観察する場合のちらつきが防止された、調光フィルムの取付方法及び車両を提供することができる。
実施形態の調光フィルムが用いられる車両を示す図である。 本発明の実施形態に係る調光システムに用いられる調光フィルムの基本構成を説明する断面図である。 調光フィルムにおける、駆動電圧と透過率との関係示すグラフである。 蛍光灯の出射光による外光光量の計測結果である。 外光周波数100Hzの外光を、透過率周波数43Hzの調光フィルムを透過させたときの、透過光の周波数を示すグラフである。 図5と同じ照明下で、同じ調光フィルムを用いた場合に、視野角方向を変えて測定した図5と同様のグラフである。 シングルドメイン方式における極角と方位角の定義を説明する図であり、(a)は、調光フィルムの概略断面図、(b)は極角を説明する図、(c)は方位角を説明する図である。 調光フィルムに加える電圧を変化させ、極角30°で、方位角が異なる方向から調光フィルム1を観察したときの、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。 サンルーフに配置されている調光フィルムの液晶分子の倒れる方向と、車内の位置との関係を示す図である。 調光フィルムに加える電圧の極性が反転する際の電圧の変化の様子を示したグラフである。 調光フィルムに対して、1か所から給電した直後の、調光フィルム内部の位置と電圧との関係をシミュレーションした結果を示した図である。 第2実施形態のマルチドメイン方式における方位角を説明する図であり、互いに90°の方向に液晶分子が倒れている場合を示す。 第2実施形態における、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。 第2実施形態における、サンルーフに配置されている調光フィルムの液晶分子の倒れる方向と、車内の位置との関係を示す図である。 マルチドメイン方式であるが、第2実施形態と異なり、互いに180°の方向に液晶分子が倒れる場合を示す。 図15の場合における、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。
〔車両〕
図1は、実施形態の調光フィルム1が取り付けられたサンルーフ132を備える車両130を示す図である。車両130には、搭乗者の頭上を覆うようにサンルーフ132が取り付けられる開口131が設けられている。この開口131に、調光フィルム1の積層体が配置されてサンルーフ132が形成されている。ただし、本発明の調光フィルム1の取付方法は、サンルーフに取り付ける場合に限定されず、ショーウィンド、車両におけるその他の窓、建物の窓等に取り付ける場合にも適用可能である。
本実施形態の車両130は、運転席が車両の右側前部に配置され、サンルーフ132が、図1に示すように、運転席等の前部座席から、後部座席までを覆うようにして設けられている。また、調光フィルム1は、サンルーフ132を形成する透明板部材に、粘着剤、接着剤等により積層した積層体として用いられている。
〔調光フィルムの基本構成〕
図2は、本発明の実施形態に係る調光フィルム1の基本構成を説明する断面図である。調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム状の部材であり、直線偏光板2,3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。
〔直線偏光板〕
直線偏光板2,3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2,3は、クロスニコル配置により、アクリル系透明粘着樹脂等の接着剤層によって液晶セル4に配置される。なお、直線偏光板2,3には、それぞれ液晶セル4側に光学補償のための位相差フィルム2A,3Aが設けられるが、位相差フィルム2A,3Aは、必要に応じて省略してもよい。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム状の下側積層体5D及び上側積層体5Uにより液晶層8を挟持して構成される。
〔下側積層体,上側積層体〕
下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、スペーサ12及び配向層13を作製して形成される。上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16及び配向層17を積層して形成される。
〔基材〕
基材6,15は、種々の透明フィルム材を適用することができるが、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。本実施形態において、基材6,15は、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用されるが、種々の厚みのフィルム材を適用することができ、さらにはCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
〔透明電極〕
透明電極11,16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、本実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
〔スペーサ〕
スペーサ12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができる。本実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極11を作製してなる基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。スペーサ12は、上側積層体5Uに設けるようにしてもよく、上側積層体5U及び下側積層体5Dの双方に設けるようにしてもよい。また、スペーサ12は、配向層13の上に設けるようにしてもよい。さらに、スペーサは、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
〔配向層〕
配向層13,17は、光配向層により形成される。この光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるが、本実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
〔液晶層〕
液晶層8は、この種の調光フィルム1に適用可能な各種の液晶層材料を広く適用することができる。具体的には、液晶層8として、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。なお、液晶セル4は、液晶層8を囲むように、シール材19が配置され、このシール材19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。ここでシール材19は、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
〔駆動電源〕
駆動電源S1は、調光フィルム10の透明電極11,16間に、一定の時間間隔で極性が切り替わる矩形波の駆動電圧を印加する。上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11,16に駆動電圧が加えられると、液晶層8に電界が生じる。液晶層8に生じた電界により、液晶層8に設けられた液晶層材料の配向が制御される。これにより、調光フィルム1の透過光を制御可能となり、調光を図ることができる。
実施形態の調光フィルム1における液晶層8の配向制御には、VA方式(Virtical Alignment,垂直配向型)が適用される。VA方式では、駆動電源S1の振幅が0Vの場合(駆動電圧が0Vの場合)である無電界時、液晶層8の液晶分子は垂直配向し、これにより調光フィルム10は、入射光を遮光して遮光状態となる。また、この駆動電源S1の振幅を増大させて駆動電圧を立ち上げると、液晶層8の液晶層は水平配向し、調光フィルム10は、入射光を透過させる。
しかし、VA方式に代えて、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In Place Switching)等、種々の駆動方式を適用してよい。
なお液晶セル4は、光配向層のパターンニング等により、本実施形態においては、いわゆるシングルドメインにより駆動する。
〔透過率の変動〕
図3は、調光フィルム1における、駆動電圧と透過率との関係示すグラフである。
図示するように、調光フィルム10の透明電極11,16間に、一定の時間間隔で極性が切り替わる矩形波形の駆動電圧が駆動電源S1より印加される。
駆動電圧の極性が反転する際、透明電極11及び16の間の液晶層の静電容量への充放電が実行される。充放電に要する時間は調光フィルムの静電容量と透明電極11,16の抵抗値、電源からの接続方法によって変わるが、図2の例では約1ミリ秒程度の時定数で、充放電する。調光フィルムの面積が大きいほど、静電容量が大きくなり、電極の抵抗値も所定の値より小さくすることは難しく、時定数を極端に短くするのは困難である。
このため、液晶層8に加わっている電圧が一時的に低下し、その結果、液晶分子に作用する電界が一瞬低下する。これにより液晶層の液晶層分子は、この電界の低下に連動して、一時的に、方向が変化した後、元の状態に戻る。これにより、調光フィルム1の透過率が一時的に低下する。すなわち、調光フィルム1の透過率は、一定ではなく、その駆動電圧変化の周波数と同じ第1の周波数(以下、透過率周波数という)で変動する。
〔外光と透過率変動との関係によるちらつき〕
このように、透過率が所定の透過率周波数で変動する調光フィルム1を、第2の周波数(以下、外光周波数という)で光量が変動する外光が透過する場合、透過率周波数と外光周波数との関係により、調光フィルム1を透過した光に、「ちらつき(フリッカー)」が観察される場合がある。ここで、ちらつきは、光の明暗により知覚されることにより、透過光量において光量の変化が小さいと認識されにくい。また、ちらつきは一般的に30Hz以上の周波数であれば認識されにくい。
〔外光周波数〕
図4は、蛍光灯の出射光による外光光量の計測結果である。蛍光灯は、周波数50Hzによる商用電源により駆動する場合、この商用電源の半周期毎に管内放電する。そして、この管内放電により蛍光体が発光して出射光を出射することにより、周波数100Hzによりほぼ正弦波状に光量が変化してなる出射光を出射する。これにより周波数100Hzにより蛍光灯による外光は光量が変化しているものの、30Hz以上の周波数であることにより、この場合は、ちらつきとしては認識されない。
なお、近年、外光として用いられることの多いLED照明器具などは、パルス幅変調で明るさがコントロールされ、光量の変化が大きく、これによりちらつきとして認識されやすい。LED照明器具等では、30Hzより高い周波数である周波数100Hz以上により駆動される。なおこのような駆動により変化する外光の周波数を外光周波数と呼ぶ。
〔透過率周波数〕
一方、調光フィルム1の駆動電圧の周波数(透過率周波数と同じ周波数)が高いと、極性の切り替えの度に、透過率が落ち込むので、平均透過率が低下する。したがって、駆動電圧の周波数(透過率周波数)は、外光周波数ほど高くなく、且つ30Hz以上が好ましい。図4において透過率周波数は43Hzである。このように透過率周波数を30Hz以上とすると、調光フィルム自体の透過率の変化による透過光のちらつきも防止することができる。
図5は、外光周波数100Hzの外光を、透過率周波数43Hzの調光フィルム1を透過させたときの、透過光の周波数を示すグラフである。図示するように、透過光は、微視的にみれば、外光周波数と同じ周波数により光量が変化するものの、この外光周波数による各ピークは透過率周波数により脈動することになり、その結果、波長0.075秒(13Hz)という第3の周波数(以下、干渉光周波数という)の干渉波が発生している。この干渉光周波数の13Hzは、ちらつきが認識されにくくなる限界周波数30Hzより低い周波数であるので、ちらつきとして認識されてしまう。
一方、図6は、図5と同じ照明下で、同じ調光フィルムを用いた場合に、視野角方向を変えて測定した図5と同様のグラフである。この場合に、干渉による透過率の変調度が低く、「ちらつき」として認識されない。すなわち、視野角を変えると、「ちらつき」の見え方に差が生じる。
次に、視野角による、「ちらつき」の見え方の差について説明する。
図7は、シングルドメイン方式における極角と方位角の定義を説明する図である。(a)は、調光フィルム1の概略断面図であり、状態Aは、上述の透明電極11,16間に電界が生じていない場合の液晶分子4aの状態を示し、液晶分子4aはその長軸方向が垂直方向である垂直配向の状態である。状態Bは、電界が生じて液晶分子4aが傾く方向を示し、電極による電界により液晶分子4aの長軸方向が面内方向となるように液晶分子4aが水平配向を開始している。(b)は極角を説明する図である。極角は、図示するように、調光フィルム1の法線方向からの、液晶分子の長軸方向の傾きである。(c)は方位角を説明する図であり、調光フィルムの面内方向であり、電界が生じた場合に、液晶分子4aの倒れる方向を方位角0とし、時計方向の向きにより定義した。
図8は、調光フィルム1に加える電圧を変化させ、極角30°で、方位角が異なる方向から調光フィルム1を観察したときの、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。なお、調光フィルム1の観察は、車内において下から上を見た状態で行う。また、図8、図13、図16は下から上を見る前提で計算されている。液晶分子の下端を固定して、上部を倒すイメージである。0°、すなわち手前方向に倒れてくる場合、しばらく透過率は変化せず、ある電圧から急激に変化することになる。
図示するように、方位角が一点鎖線bで囲った0°〜90°程度の場合、点線aで囲った135°〜180°程度の場合と比べると、例えば4〜7V程度の範囲において、電圧変化に対する透過率の変動が小さい。
透過率の変動が小さいと、ちらつきが認識されにくいので、ちらつきが認識されにくくするには、電圧変動に対する透過率の変動が小さい方向(方位角の方向)から、調光フィルム1が観察されるようにすればよい。
車両130のサンルーフ132に調光フィルム1を取り付ける場合、搭乗者から調光フィルム1を観察する方向には偏りがある。すなわち、後部座席の搭乗者がサンルーフ132を見る可能性が最も高く、運転者がサンルーフを見る可能性は少ない。そして、搭乗者及び運転者は、両者とも、サンルーフの前方側を見る可能性が高く、振り向いてサンルーフの後方側を見る可能性は低い。
このため、本実施形態では最も観察される可能性の高い、搭乗者(特に後部座席の搭乗者)が、前方を見る場合に、ちらつきが認識されにくくなるように、液晶分子4aの倒れる方向を決定する。
上述したように、図8によると、一点鎖線bで囲った方位角が0°〜90°で、電圧の変化に対する透過率の変動が小さい。そして、透過率の変動が小さいほうが、ちらつきが認識されにくい。
したがって、後部座席の搭乗者がサンルーフ132を観察する方向が、方位角0°となるように調光フィルム1をサンルーフ132に配置する。
図9は、サンルーフ132に配置されている調光フィルム1の液晶分子4aの倒れる方向と、車内の位置との関係を示す図である。本実施形態では、図9に示すように、液晶分子4aが斜め左後方に倒れるようにする。
なお、本実施形態では運転席は上述したように右側前部に配置されているが、運転席が左側前部に配置されている場合、液晶分子4aは斜め右後方に倒れるようにする。
なお、斜めに倒れるようにするのは以下の理由による。
それは、調光フィルム1は、平面視において長方形形状により作製され、直線偏光板2,3の遅相軸方向がこの長方形形状の1辺と平行な向きになるように設定される。直線偏光板2,3を矩形に製造する場合、製造過程における取り数を増大させるため、遅相軸方向が横方向または垂直方向となるように製造される。そして、調光フィルム1の液晶分子4aの倒れる方向は、遅相軸に対して斜めの角度である。したがって、調光フィルム1の液晶分子4aが倒れる方向は車両の進行方向に対して斜めとなる。
ただし、取り数の減少を充分に許容できる場合、さらには直線偏光板2,3の遅相軸方向を斜め方向に設定して充分に直線偏光板の取り数を確保できる場合、液晶分子は車両の進行方向に対して、斜め後方ではなく、後方に倒れるようにしてもよい。
また、斜め左に倒れるようにするのは、運転者が振り返ってサンルーフを見る可能性が低いので、その方向を方位角180°としたからである。
なお、液晶分子4aの倒れる方向は、車両の進行方向に対して反時計回りに135°が好ましい。対称性を考慮すると180°が最も好ましいが、この場合、偏光板の利用効率が低くなりコストアップになる。このため、135°が好ましい。
本実施形態によると、搭乗者が、自己が着座している個所の真上よりも前方のサンルーフ132を観察したとき、サンルーフ132の調光フィルム1における透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、サンルーフ132を通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。
(給電ポイントとの関係)
図10は、調光フィルム1に加える電圧の極性が反転する際の電圧の変化の様子を示したグラフである。時定数が10μsec、0.1msec、1msecの場合における10Vの電圧を印加したときの経過時間と電圧との関係を示す。
図示するように、時定数が1msec程度の場合、電圧が10Vよりも低い時間が長く、すなわち、電圧の上昇が緩やかである。このように電圧の上昇が緩やかなほど、調光フィルム1の透過率における、電圧変動の際の落ち込み量(電圧が低下するレベル)が大きくなる。なお、図10中の透過率は、時定数が1msec時における透過率の変動を示したものである。
図11は、調光フィルム1に対して、角部の1か所から給電した直後の、調光フィルム1内部の位置と電圧との関係をシミュレーションした結果を示した図である。図中矢印で示す位置が給電位置である。給電位置に近い方の電圧が高く、遠く離れるに従い、電圧が低くなっている。なお、ある程度時間が経過すると、調光フィルム1の全体は一定の電圧になる。すなわち、極性反転の際の時定数も、給電位置に近い方が短く、離れた方が長く、透過率の落ち込みが大きい傾向になる。このため、給電ポイントから遠いと透過率の変動が大きく、ちらつきが認識されやすい。
そこで、本実施形態では、図11に示すように、給電ポイントは、左斜め前方とする。このようにすると、左斜め前方を見たとき、もっともちらつきが観察されにくい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、液晶分子4aがマルチドメイン方式で配列されている点である。その他については第1実施形態と同様であるので同様な部分の説明は省略する。
図12は、2ドメインによるマルチドメイン方式における方位角を説明する図であり、互いに90°の方向に液晶分子が倒れる場合を示す。
図13は図12の場合における第1実施形態の図8と同様のグラフで、調光フィルム1に加える電圧を変化させ、極角30°で、方位角が異なる方向から調光フィルム1を観察したときの、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。
第2実施形態において、方位角が0°〜45°程度の場合、120°〜150°程度の場合と比べると、例えば4〜7V程度の範囲において、電圧変化に対する透過率の変動が小さい。ただし、第1実施形態と比べると、平均化されるため、電圧変化に対する透過率の変動は緩やかである。
第2実施形態においても、透過率の変動が小さいと、ちらつきが認識されにくいので、ちらつきが認識されにくくするために、電圧変動に対する透過率の変動が小さい方向(方位角の方向)から、調光フィルム1が観察されるようにする。
したがって、第2実施形態においても、最も観察される可能性の高い、搭乗者(特に後部座席の搭乗者)が、前方を見る場合に、ちらつきが認識されにくくなるように、液晶の倒れる方向を決定する。
上述したように、図13よると、方位角が0°〜45°のほうが、電圧の変化に対する透過率の変動が小さい。そして、透過率の変動が小さいほうが、ちらつきが認識されにくい。
したがって、後部座席の搭乗者がサンルーフ132を観察する方向が、方位角0°となるように調光フィルム1をサンルーフ132に配置する。
図14は、サンルーフ132に配置されている調光フィルム1の液晶分子の倒れる方向と、車内の位置との関係を示す図である。本実施形態では、図14に示すように、液晶分子4aが斜め後方の左右に倒れるようにする。
ここで、斜め後方の左右に倒れるとは、車両130の先進方向を0°としたとき、液晶分子4aの上端が、斜め後方、例えば±135°の方向に倒れることをいう。
第2実施形態においても、このように、車両のサンルーフ132に対して、液晶分子4aの倒れる方向が斜め後方の左右になるように調光フィルム1を配置した。したがって、搭乗者が、自己が着座している個所の真上及びそれよりも前方のサンルーフ132を観察したとき、サンルーフ132の調光フィルム1における透過率の変動が、他方向から見た場合よりも小さく認識される。ゆえに、サンルーフ132を通して外光を見たときにちらつきが観察されにくい。
また、第2実施形態においても、給電ポイントを、左斜め前方とすることにより、左斜め前方を見たときのちらつきがさらに視認されにくくなる。
図15も、2ドメインによるマルチドメイン方式であるが、第2実施形態と異なり、互いに180°の方向に液晶分子4aが倒れる場合を示す。
図16は、図15の場合における、調光フィルム1に加える電圧を変化させ、極角30°で、方位角が異なる方向から調光フィルム1を観察したときの、印加電圧に対する透過率の変動を示したグラフである。
図示するように、この場合、印加電圧に対する給電率の変動は方位角によってあまり変わらない。したがって、液晶の倒れる方向は、特に限定されない。ただし、この場合も給電ポイントを、左斜め前方とすることにより、左斜め前方を見たときのちらつきがさらに視認されにくくなる。
1 調光フィルム
2 直線偏光板
3 直線偏光板
4 液晶セル
4a 液晶分子
8 液晶層
10 調光フィルム
130 車両
131 開口
132 サンルーフ

Claims (7)

  1. 垂直配向型の液晶層を有するとともに、車両のサンルーフに取り付けられた調光フィルムの給電ポイントを、前記車両の斜め前方とする、
    調光フィルムの取付方法。
  2. 前記調光フィルムを、前記液晶層に電界を印加した場合に液晶分子が倒れる方向が、車両の斜め後方となるように、前記車両のサンルーフに取り付ける、
    請求項1に記載の調光フィルムの取付方法。
  3. 前記液晶分子はシングルドメイン方式で配列されている、
    請求項2に記載の調光フィルムの取付方法。
  4. 前記液晶分子は、マルチドメイン方式で配列されている、
    請求項2に記載の調光フィルムの取付方法。
  5. 前記斜め後方は、前記調光フィルムを上方から見て、前記車両の先進方向を0°としたときの、±135°の方向である、
    請求項3または4に記載の調光フィルムの取付方法。
  6. 観察者によって観察される透明部材に対して、垂直配向型の液晶層を有する調光フィルムを取り付ける取付方法であって、
    前記液晶層に電界を印加した場合に、液晶分子が倒れる方向が、前記観察者により観察される頻度の高い方向成分を有する方向となるように、前記透明部材に取り付ける、調光フィルムの取付方法。
  7. 垂直配向型の液晶層を有する調光フィルムが、
    前記液晶層に電界を印加した場合に、液晶分子が倒れる方向が車両に取り付けられた際の前記車両における斜め前方となるように、車両サンルーフに取り付けられた、
    車両。
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