JP2017181987A - 調光システム、調光装置、調光フィルム、調光フィルムの駆動方法 - Google Patents

調光システム、調光装置、調光フィルム、調光フィルムの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明によれば、液晶による調光フィルムに関して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止する。【解決手段】直線偏光板12、13により挟持された液晶セル14の液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルム10と、調光フィルム10に矩形波信号を出力する駆動電源生成部5を有する調光装置3とを備え、調光装置3は、操作子2U、2Dの操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、調光フィルム10の透過率を可変し、矩形波信号の振幅を増大させる際には、矩形波信号の振幅を徐々に増大させる。【選択図】図9

Description

本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極、配向層を作製した透明フィルム材により液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの液晶を使用した調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
この液晶を使用した調光フィルムは、同様の外来光を制御する構成であるエレクトロクロミック等を使用した構成に比して、原理的に高速に応答する優位性を備えている。
また画像表示パネルの1つのである液晶表示パネルは、透明電極、配向膜を作製してなる1対のガラス板材により液晶を挟持して液晶セルが構成され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して構成される。液晶表示パネルは、この透明電極のパターンニングにより、画素単位で、液晶に印加する電界を可変して所望の画像を表示する。
調光フィルムは、液晶表示パネルと同様に、液晶分子の配向を制御して透過光を制御する構成であることにより、画像表示パネルで提案された種々の駆動方式を利用することができると考えられる。この液晶表示パネルで提案されている駆動方式のうち、VA(Virtical Alignment)方式は、電界を印加していない無電界時が非透過状態(遮光状態)となるノーマリブラック方式により構成することができ、またこの遮光状態における遮光率が高い特徴がある。これにより車両のサンルーフに適用して外来光の透過を制御する場合等においては、VA方式による調光フィルムを使用することが考えられる。なおVA方式は、液晶の配向を垂直配向と水平配向とで変化させて透過光を制御する方式であり、一般的に、無電界時、液晶を垂直配向させることにより、液晶層を垂直配向層により挟持して液晶セルが構成され、電界の印加により液晶材料を水平配向させるように構成される。
しかしながらVA方式により調光フィルムを構成して実験したところ、電界を印加して透過率を増大させる場合の遮光状態から透光状態への変化の速度が、調光フィルムの各部で異なり、これにより輝度ムラが一時的に発生することが判った。このような輝度ムラは、透過率の可変時、一時的に発生するものではあるものの、著しく調光の品位を低下させ、液晶による調光フィルムの高速で応答する長所を損なわせるものである。
特開平03−47392号公報 特開平08−184273号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、液晶による調光フィルムに関して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、印加電圧の振幅を徐々に増大させる、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムと、
前記調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置とを備え、
前記調光装置は、
操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
調光システム。
(1)によれば、駆動電源からの矩形波信号の振幅(印可電圧の振幅)を徐々に増大させることにより、液晶の長軸方向の向きを揃えた状態で液晶を倒し込むことができる。これによりこの倒れ込んだ液晶の向きが揃うまでの時間を短縮して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。ここで、「徐々に」とは連続的な増大に限られず、段階的な増大も含む意味である。
(2) (1)において、
前記調光装置は、
前記矩形波信号の複数周期で振幅を順次増大させることにより、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる調光システム。
(2)によれば、矩形波信号の振幅を、複数周期で順次段階的に増大させたり、複数周期をかけて連続的に増大させたりして、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
(3) (1)において、
前記調光装置は、
時定数回路により前記矩形波信号の各周期でそれぞれ振幅を徐々に増大させることにより、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる調光システム。
(3)によれば、矩形波信号の振幅について、各周期の立ち上がり、立下りを時定数回路により鈍らせることにより、徐々に増大させることができ、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
(4) (3)において
前記調光装置は、
抵抗を介して前記矩形波信号を前記調光フィルムに出射し、
前記時定数回路が、
少なくとも前記抵抗と前記調光フィルムの静電容量とにより形成される調光システム。
(4)によれば、調光フィルムの静電容量を有効に利用して、簡易な構成により矩形波信号の振幅を徐々に増大させることができる。
(5) 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムと、
前記調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置とを備え、
前記調光装置は、
操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
前記調光フィルムは、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第1の積層体と、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第2の積層体と、
前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層とを備え、
前記第1及び第2の積層体の透明電極に前記矩形波信号を供給して透過光を制御し、
少なくとも前記矩形波信号の振幅の増大時、前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加する前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる時定数回路をさらに備える
調光システム。
(5)によれば、調光フィルムの時定数回路により透明電極に印加する矩形波信号の振幅を徐々に増大させて、液晶の長軸方向の向きを揃えた状態で液晶を倒し込むことができる。これにより倒れ込んだ液晶の向きが揃うまでの時間を短縮して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
(6) (5)において、
前記時定数回路が、
少なくとも抵抗と、前記第1及び第2の積層体の透明電極間の静電容量とにより形成された調光システム。
(6)によれば、調光フィルムの静電容量を有効に利用して、簡易な構成により矩形波信号の振幅を徐々に増大させることができる。
(7) 調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置であって、
前記調光フィルムは、
直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御し、
前記調光装置は、
操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
調光装置。
(7)によれば、矩形波信号の振幅を徐々に増大させることにより、液晶の長軸方向の向きを揃えた状態で液晶を倒し込むことができる。これによりこの倒れ込んだ液晶の向きが揃うまでの時間を短縮して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
(8) 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムにおいて、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第1の積層体と、
透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第2の積層体と、
前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層とを備え、
前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加される矩形波信号に応じて透過光を制御し、
前記矩形波信号の振幅の増大時、前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加する前記矩形波信号の振幅を時定数回路により徐々に増大させる
調光フィルム。
(8)によれば、矩形波信号の振幅を徐々に増大させることにより、液晶の長軸方向の向きを揃えた状態で液晶を倒し込むことができる。これによりこの倒れ込んだ液晶の向きが揃うまでの時間を短縮して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
(9) 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムの駆動方法において、
操作子の操作に応動して、前記調光フィルムに出力する矩形波信号による矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
調光フィルムの駆動方法。
(9)によれば、矩形波信号の振幅を徐々に増大させることにより、液晶の長軸方向の向きを揃えた状態で液晶を倒し込むことができる。これによりこの倒れ込んだ液晶の向きが揃うまでの時間を短縮して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
本発明によれば、液晶による調光フィルムに関して、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 輝度ムラの計測の説明に供する図である。 曲面ガラスに調光フィルムを貼り付けた場合の応答速度の計測結果を示す図表である。 平面ガラスに調光フィルムを貼り付けた場合の応答速度の計測結果を示す図表である。 静電容量の変化と調光フィルムの透過率の変化の計測結果を示す特性曲線図である。 液晶の水平配向の挙動を示す図である。 矩形波信号の振幅を示す特性曲線図である。 本発明の第1実施形態に係る調光システムを示す図である。 図8の調光システムにおける駆動電源の説明に供する図である。 図9の駆動電源による透過率の変化を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る調光システムを示す図である。 図11の調光システムにおける駆動電源の説明に供する図である。 図12の駆動電源による透過率の変化を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る駆動電源の立ち上げの説明に供する図である。 変調度とチルト角との説明に供する図である。 矩形波信号の振幅値と透過率との関係を示す図である。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の調光システムに適用される調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム10は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、印加電圧の可変によりVA方式により液晶の配向を可変して透過光を制御する。
調光フィルム10は、直線偏光板12、13により調光フィルム用の液晶セル14を挟持して構成される。ここで直線偏光板12、13は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板12、13は、クロスニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層により液晶セル14に配置される。なお直線偏光板12、13には、それぞれ液晶セル14側に光学補償に供する位相差フィルム12A、13Aが設けられるものの、位相差フィルム12A、13Aは、必要に応じて省略してもよい。
液晶セル14は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム10は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル14は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である下側積層体15D及び上側積層体15Uにより液晶層18を挟持して構成される。下側積層体15Dは、透明フィルム材による基材16に、透明電極21、スペーサ22、配向層23を作製して形成される。上側積層体15Uは、透明フィルム材による基材25に、透明電極26、配向層27を積層して形成される。液晶セル14は、この下側積層体15D及び上側積層体15Uに設けられた透明電極21、26の駆動により、VA方式により液晶層18に設けられた液晶の配向を制御し、これにより透過光の偏光面を制御する。なお液晶セル14は、この実施形態では、シングルドメイン方式により構成されるものの、マルチドメイン方式により構成してもよい。
基材16、25は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルム材を適用することができるものの、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。この実施形態において、基材16、25は、ポリカーボネートフィルムが適用されるものの、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
透明電極21、26は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。スペーサ22は、液晶層18の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極21を作製してなる基材16の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。なおスペーサ22は、上側積層体15Uに設けるようにしてもよく、上側積層体15U及び下側積層体15Dの双方に設けるようにしてもよい。またスペーサ22は、配向層23の上に設けるようにしてもよい。またスペーサは、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
配向層23、27は、光配向層により形成される。ここでこの光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるものの、この実施形態では、例えば光2量化型の材料を使用する。この光2量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。
液晶層18は、この種の調光フィルムに適用可能な各種の液晶材料を広く適用することができる。具体的に、液晶層18には、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。なお液晶セル14は、液晶層18を囲むように、シール材29が配置され、このシール材29により上側積層体15U、下側積層体15Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。ここでシール材29は、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
これらにより調光フィルム10は、上側積層体15U及び下側積層体15Dの透明電極21、26間の印加電圧V1により液晶層18に設けられた液晶の配向を制御する。ここで調光フィルム10は、一定の時間間隔で極性が切り替わる矩形波信号による駆動電源S1により、透明電極21、26間に印加電圧V1が印加される。この実施形態では、VA方式が適用されることにより、この駆動電源S1の振幅が0Vの場合(印加電圧V1が0Vの場合)である無電界時、液晶層18の液晶分子は垂直配向し、これにより調光フィルム10は、入射光を遮光して遮光状態となる。またこの駆動電源S1の振幅を増大させて印加電圧V1を立ち上げると、液晶層18の液晶は水平配向し、調光フィルム10は、入射光を透過させる。
〔輝度ムラ〕
図2は、透過率の可変時に発生する輝度ムラの確認に供した調光フィルム10の説明に供する図である。この確認では、300mm×300mmの大きさにより図1について上述した構成の調光フィルム10を作製した。さらにこの調光フィルム10を水平方向に等分に区分して符号A1、A2、A3、A4、A5により示す5つの領域を設定した。またこのようにして水平方向に設定した各領域をそれぞれ垂直方向に等分に区分して符号B1、B2、B3により示す3つの領域を設定した。またこのようにして設定した各領域の中央で、印加電圧V1の変化に対する透過率の変化をそれぞれ計測した。なおこの印加電圧V1に係る駆動電源S1は、水平方向の中央、垂直方向の下側端より供給した。また調光フィルム10では、左上方から右下方が長軸方向となる向きに液晶分子が水平配向するように設定した。
図3及び図4は、この計測結果を示す図表である。この図3及び図4は、印加電圧V1の振幅を立ち上げた後、この振幅の立ち上げに対応する値に透過率が変化するまでに要する時間を計測した結果である。なおこの図3及び図4に記載の、透過率の変化に要する時間は、立ち上げた振幅に対応する透過率の90%の透過率が得られるまでに要した時間である。なおこの90%になるまでの時間を、以下においては、適宜、応答速度と呼ぶ。
図3は、曲面ガラスに調光フィルムを貼り付けた場合の、応答速度の計測結果であり、図4は、平面のガラスに調光フィルムを貼り付けた場合の、応答速度の計測結果である。この図3及び図4の計測結果においては、領域A3、B1及び領域A4、B1で相違が見られるものの、透過率の変化に要する時間は、図3及び図4で共に、22ミリ秒から150ミリ秒までの範囲でばらつくことが判る。調光フィルムでは、このばらつきにより、この変化に要する時間の短い領域では、既に遮光状態から透光状態に切り替わっているにも拘わらず、変化に要する時間の長い領域では、未だ遮光状態に維持されている期間が発生し、これにより透過率の可変時に一時的に輝度ムラが発生することが判った。なおこの輝度ムラは、電源供給箇所を変更しても発生することにより、電源供給箇所に依存するものでは無いことが確認された。また透明電極21、26の厚みを変化させても発生することにより、透明電極21、26の抵抗の影響によるものでもない。
これによりさらにこの駆動電源S1の立ち上げ時について検討を進めた。図5は、調光フィルムを構成する液晶セルの静電容量の変化ΔCと、調光フィルムの透過率の変化ΔTの計測結果である。この透過率の計測結果は、平板ガラスに調光フィルムを貼り付けた場合における中央の領域A3、B2の計測結果である。なおこの図5において、縦軸は、立ち上げた振幅に対応する静電容量及び透過率を値1に設定して、各時点における計測値を正規化して表した容量及び透過率である。
この図5によれば、液晶セルの静電容量は、期間T1により示すように、非常に短時間で飽和していることが判る。これに対して透過率は、期間T2により示すように、期間T1の経過後、最終的に飽和するまで300msec以上の時間を要することが判る。
ここで図6において矢印により示すように、調光フィルム10において、液晶層18の液晶分子18Aは、印加電圧V1の振幅の立ち上げにより垂直配向の状態から水平配向の状態に短時間で倒れ込む。この倒れ込みに要する期間が、静電容量が変化する期間T1である。しかしながらこのように水平方向に倒れ込んだ液晶分子18Aは、長軸方向の向きがばらついており、期間T2について矢印により示すように、このばらつきが配向層23、27のプレチルトに係る配向規制力により補正されて、このプレチルトに係る方向に液晶分子18Aの長軸方向が揃うようになる。この水平方向に倒れ込んだ後の補正に要する期間が期間T2であり、その結果、この期間T2に最大で200msec程度の時間を要することになる。またこの期間T2が各部で異なることにより、輝度ムラが発生する。なおこの図6は、期間T1、T2における液晶分子18Aの挙動を示す図であり、Z方向は、液晶層18の厚み方向であり、X方向及びY方向は、それぞれ図3及び図4について上述した水平方向及び垂直方向である。
ここでこの期間T2のばらつきは、種々の原因が考えられる。しかしながら液晶の長軸方向の向きがばらつかないようにして液晶が倒れ込むようにすれば(水平配向させれば)、期間T2を短縮し、さらには期間T2がばらつかないようにすることができ、これにより透過率の低下時における輝度ムラを防止できると考えられる。またこのように期間T2を短縮すれば、輝度ムラを視認困難とすることができる。このためには、印加電圧の振幅を徐々に増大させれば、液晶が倒れ込む際に、液晶の長軸方向の向きがばらつかないようにすることができると考えられる。
ここで図2、図3について上述した計測時における印加電圧V1の振幅の変化を図7(A)に示す。図2、図3の例では、印加電圧V1の振幅を0Vから10Vに立ち上げて透過率を増大させ、上述した輝度ムラが発生し、また期間T2がばらついた。
そこでこの実施形態では、図7(B)により示すように、短い時間間隔で、例えば3段階により段階的に駆動電圧V1の振幅を増大せることにより、駆動電圧V1の振幅を徐々に増大させる。ここでこの段階的な振幅の立ち上げに係る時間間隔を変化させて実験した結果によれば、応答速度を50msec以下とすることができ、輝度ムラを視認できないようにすることができた。
このように徐々に振幅を立ち上げる場合にあって、図7(B)に示すように3段階により振幅を立ち上げる場合、図6で説明した期間T1における液晶分子18Aの倒れ込みが、3段階で実行されることになり、液晶分子18Aが同じ方向に揃いながら倒れ込み、この場合、液晶分子18Aの向きがわざわざ面内方向で揃うように変化する必要が無いことによし、輝度ムラを防止できるものと考えられる。
ここでこの振幅の増大は、図7(C)により示すように、段階的な増大に代えて、一次関数の特性、対数関数の特性等により連続的に増大させるようにしてもよい。
〔調光システム〕
図8は、この実施形態に係る調光システムを示す図である。この調光システム1は、例えば乗用車に適用されて、サンルーフに係る曲面ガラスに調光フィルム10を貼り付けて保持し、コンソールボックス等に設けられたアップダウンの操作子2U、2Dの操作により調光装置3で調光フィルム10の透過率を制御する。このため調光装置3は、駆動電源S1を調光フィルム10に出力するようにして、操作子2U、2Dの操作に応動してこの駆動電源S1の振幅を可変する。
すなわちこの調光装置3において、駆動電源生成部5は、駆動電源S1を生成して出力する電源回路である。駆動電源生成部5は、デユーティー比50%、周波数30Hzの矩形波信号により駆動電源S1を生成して調光フィルム10に出力する。なおこの周波数は、調光フィルム10における液晶の劣化を招来しない範囲で低い周波数に設定して、調光フィルム10の静電容量による電力損失を低減することができ、これにより駆動電源S1は、周波数1Hz以上120Hz以下により、より好ましくは1Hz以上30Hz以下により出力することが望ましい。駆動電源生成部5は、この駆動電源S1の振幅をコントローラ4の制御により可変する。
コントローラ4は、調光装置3の動作を制御する制御回路であり、図示しない記憶手段に、調光フィルム10の調光制御に係る情報を記録して保持する。ここでこの調光制御に係る情報は、例えば駆動電源S1の振幅と透過率の関係を特定する情報である。コントローラ4は、この車両から電源の供給が開始されると、ディフォルトの設定により駆動電源S1を出力する。これによりこの調光システム1では、例えば電源遮断時の設定により駆動電源S1を出力し、または遮光状態となるように駆動電源S1を出力する。
このように駆動電源S1を出力して、アップの操作子2U、またダウンの操作子2Dが押圧操作されると、この操作に対応するように、駆動電源S1の振幅を増減し、これにより操作子2U、2Dの操作に応動して透過率を可変する。この処理において、コントローラ4は、記憶手段に記憶して保持した調光制御に係る情報により、操作子2D、2Uの操作により一定値により透過率が順次変化するように駆動電源S1の振幅を可変する。
これに対して操作子2D、2Uが長押しされた場合等にあっては、大きく透過率が変化するように駆動電源S1の振幅を可変する。この駆動電源S1の振幅の可変において、振幅を増大させる場合、コントローラ4は、徐々に矩形波信号の振幅を増大させ、これにより輝度ムラを防止する。
具体的に、図9に示すように、コントローラ4は、矩形波信号である駆動電源S1の複数周期で徐々に矩形波信号の振幅を増大させる。すなわちこの図9の例では、駆動電源S1の3周期で、一次関数的に振幅を増大させる。このようにすると、通過率の変化ΔTは、この3周期以下の、ほぼ2周期の期間で、90%の透過率に変化し、これにより輝度ムラを防止することができる。
図10は、この図9の振幅変化における透過率の変化を、図5の計測結果との比較により示す特性曲線図である。図5の計測結果を符号T1により示し、図9の例による透過率の変化を符号T2により示す。この図10によれば、格段的に応答速度の向上を確認することができる。
なおAV方式により液晶を駆動する場合にあっては、変調度100%の矩形波信号の振幅に対して、矩形波信号の振幅が25%以上50%以下の範囲が、液晶分子18Aの配向の変化による透過率の変化が大きい範囲であると言え、この範囲では、急激な振幅の増大により、期間T2が長くなり、また期間T2のバラツキも大きくなる。なお変調度とは、最も透過率が増大した状態を変調度100%として示す透過率の割合である。透過率の可変時、各部における透過率のばらつきが大きくなる。
図9の例では、この25%以上50%以下の範囲を跨ぐように駆動電圧V1の振幅を増大する場合にあって、3周期で振幅を増大して2周期の期間の応答速度を確保し、輝度ムラを防止できる。これによりこの25%以上50%以下の範囲で、例えば10%以上振幅を可変する場合に限って、徐々に矩形波信号の振幅を増大させるようにする等、矩形波信号の振幅を徐々に増大させる場合の適用条件は、必要に応じて種々に設定することができる。
この実施形態によれば、矩形波信号の振幅を増大させる際には、矩形波信号の振幅を徐々に増大させることにより、液晶分子が同じ方向に揃いながら倒れ込み、これにより液晶分子の向きがわざわざ面内方向で揃うように変化する必要が無いことにより、応答速度を向上し、輝度ムラを防止することができる。
またこのとき矩形波信号による駆動電源の複数周期で振幅を順次増大させることにより、具体的構成により輝度ムラを防止することができる。
〔第2実施形態〕
図11は、本発明の第2実施形態に係る調光システムを示す図である。この調光システム31は、調光装置3に代えて調光装置33が適用される点を除いて調光システム1と同一に構成される。ここで調光装置33において、駆動電源生成部35は、コントローラ34の制御により、振幅を可変して駆動電源S1を出力し、コントローラ34は、操作子2U、2Dの操作に応動して各部の動作を制御する。この実施形態において調光装置33は、この駆動電源S1のコールド側出力ラインに抵抗R1を備え、この抵抗R1と、調光フィルム10の静電容量とにより形成される時定数回路により、矩形波信号の振幅を徐々に増大させて輝度ムラを防止する。この実施形態では、この振幅の立ち上げに関する構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
すなわち調光フィルム10は、液晶層18の厚みによる間隔を隔てて、透明電極21、26が対向するように保持されており、これにより静電容量を備えている。これにより駆動電源S1のグランド側(コールド側)出力ラインに抵抗R1を設け、この抵抗R1を介して駆動電源S1を供給するようにすれば、静電容量とこの抵抗R1とにより時定数回路が構成され、透明電極21、26に印加する駆動電源の波形を鈍らせることになる。その結果、何ら波形鈍りしていない状態(図12(A))との対比により図12(B)により示すように、矩形波信号による駆動電源S1の各周期における電圧V1の極性の切り替わりで、矩形波信号の振幅が徐々に増大することになる。ここでこの駆動電源の波形鈍りは、抵抗R1により調整することができる。
係る原理により、調光装置33は、駆動電源S1の振幅を徐々に立ち上げ、輝度ムラを防止する。しかしながらこのように駆動電源S1の波形を鈍らせる場合には、抵抗R1により電力消費することになり、消費電力が増大することになる。そこで調光装置33は、抵抗R1に並列に、スイッチ回路37が設けられ、このスイッチ回路37により抵抗R1の両端を短絡し、無駄な電力消費を防止する。具体的に、輝度ムラの防止を図る必要がある場合を除いて、スイッチ回路37をオン状態に設定し、これにより無駄な電力消費を防止する。なおこの輝度ムラの防止を図る必要がある場合は、例えば第1実施形態について上述したように、駆動電源S1の振幅を、変調度100%の駆動電圧に対して25%以上50%以下の範囲で可変する場合にあって、可変する振幅の大きさが12.5%以上の場合等である。
また輝度ムラの防止を係るためにスイッチ回路37をオフ状態に設定した場合にあっても、振幅を増大させて、一定時間(例えば200msec)が経過すると、スイッチ回路37をオフ状態に切り替え、これによっても無駄な電力消費を防止する。なおここで抵抗R1、スイッチ回路37は、駆動電源出力ラインの双方に設けるようにしてもよく、ホット側に設けるようにしてもよい。なお抵抗R1は、所望する時定数に応じて、調光フィルムの大きさにより変化する調光フィルムの静電容量に応じて適宜設定することができる。なおスイッチ回路37は、必要に応じて省略してもよい。
図13は、この実施形態に係る透過率と振幅との計測結果を示す特性曲線図である。この図13の計測結果においては、時定数を0.5ミリ秒から2ミリ秒に設定し、応答速度を0.03秒程度に設定することができた。これによりこのように時定数回路により駆動電源の各周期でそれぞれ振幅を徐々に増大させる場合には、単純に、液晶分子が揃って倒れ込むことにより各部での応答速度のばらつきを低減し、輝度ムラを防止できると考えられる。
この実施形態によれば、時定数回路により駆動電源の各周期でそれぞれ振幅を徐々に増大させるようにして、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
またこの時定数回路を、調光装置の駆動電源の出力ラインに設けた抵抗と、調光フィルムの静電容量とにより形成することにより、簡易な構成で調光フィルムの静電容量を有効に利用して輝度ムラを防止することができる。
〔第3実施形態〕
この実施形態では、第2実施形態について上述した抵抗R1を、調光フィルム側に設ける。なおこの場合、スイッチ回路37を併せて調光フィルムに設け、調光装置によりオンオフ制御してもよい。この実施形態では、この抵抗R1に関する構成が異なる点を除いて、第2実施形態と同一に構成される。
この実施形態では、調光フィルムに抵抗を設けて時定数回路を構成することにより、種々の調光フィルムで調光装置を共通に使用するようにして、第2実施形態と同一の効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
図14は、本発明の第4実施形態に係る調光システムの説明に供する図である。この実施形態に係る調光システムでは、この図14に示す振幅立ち上げ時における振幅の増大方法が異なる点を除いて、上述の実施形態と同一に構成される。
この実施形態では、符号V1Bにより示すように、一定範囲で振幅を増大させる際に、一定期間TAの間、事前に駆動電源を一定の極性により一定値VAだけ増大させる。その後、この実施形態では、ユーザーの指示に対応する振幅に駆動電源を立ち上げて矩形波信号により駆動する。これによりこの実施形態では、事前の一定値VAと、ユーザーの指示に対応する振幅とによる2段階により矩形波信号の振幅を徐々に増大させ、透過率の可変時に一時的に発生する輝度ムラを防止する。なおこの図14においては、矩形波信号による駆動電源により駆動する場合の印加電圧を符号V1Aにより示し、この場合の透過率の変化を符号ΔT1により示す。
ここでこの一定期間TAは、5〜10ミリ秒の期間とする。これより短い時間を設定すると液晶分子が動かず応答速度改善の効果が得られない。また、これ以上長くすると、液晶分子が所望の変調度よりも低い変調度まで動作し、さらに所望の透過率まで2段階で動作したことが視認出来てしまう。この程度の短時間であれば連続で動作しているように見える。
またこの事前の振幅の増大に供する一定範囲は、上述の実施例に係る矩形波信号の振幅を徐々に増大させる場合と同一の場合であり、輝度ムラが発生する恐れのある場合である。
またこの一定値VAは、0%以上80%以下の変調度に対応する電圧であり、ユーザーの指示に対応する最終的な振幅値に応じて、例えば20%程度変調する電圧のように上記の範囲で任意に設定することができる。
ここで図15に示すように、液晶分子は、チルト角の変化により変調度が変化し、チルト角が90となって液晶分子が水平配向した場合、変調度は1となり、チルト角が0度である垂直配向の場合、変調度が0となる。ここで変調度が0%以上80%以下の場合(符号Mにより示す範囲である)に、調光フィルムでは、振幅を徐々に増大させて輝度ムラの低減効果が高い。これは変調度が80%を超える場合である液晶分子が大きく傾いた場合には、既に液晶分子が種々の方向を向いていることにより、徐々に振幅を増大させても駆動ムラの改善効果が低いのに対し、変調度が80%以下の場合、液晶分子が大きく傾いていない場合であり、徐々に矩形波信号の振幅を立ち上げて充分に液晶分子を揃えて倒すことができ、輝度ムラを低減できるものと考えられる。ここでこの範囲は、チルト角によれば5度以上55度以下の範囲Mである。
ここでこのチルト角の範囲にあっては、図16に示すように、矩形波信号の振幅が2.5V以上5V以下の範囲である。
これによりこの実施形態では、事前に駆動電源を一定の極性により一定値VAだけ増大させるようにして、この一定値VAを2.5V以上5V以下に設定する。
この実施形態によれば、一定期間TAの間、事前に駆動電源を一定の極性により一定値VAだけ増大させ、その後、矩形波信号により駆動することにより、矩形波信号の振幅を徐々に増大させるようにしても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組合せたり、さらには変更することができる。
1、31 調光システム
2D、2U 操作子
3、33 調光装置
4、34 コントローラ
5、35 駆動電源生成部
10 調光フィルム
12、13 直線偏光板
12A、13A 位相差フィルム
14 液晶セル
15D 下側積層体
15U 上側積層体
16、25 基材
18 液晶層
18A 液晶分子
21、26 透明電極
21 調光システム
22 スペーサ
23、27 配向層
29 シール材
37 スイッチ回路

Claims (9)

  1. 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムと、
    前記調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置とを備え、
    前記調光装置は、
    操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
    前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
    調光システム。
  2. 前記調光装置は、
    前記矩形波信号の複数周期で振幅を順次増大させることにより、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
    請求項1に記載の調光システム。
  3. 前記調光装置は、
    時定数回路により前記矩形波信号の各周期でそれぞれ振幅を徐々に増大させることにより、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
    請求項1に記載の調光システム。
  4. 前記調光装置は、
    抵抗を介して前記矩形波信号を前記調光フィルムに出射し、
    前記時定数回路が、
    少なくとも前記抵抗と前記調光フィルムの静電容量とにより形成される
    請求項3に記載の調光システム。
  5. 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムと、
    前記調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置とを備え、
    前記調光装置は、
    操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
    前記調光フィルムは、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第1の積層体と、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第2の積層体と、
    前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層とを備え、
    前記第1及び第2の積層体の透明電極に前記矩形波信号を供給して透過光を制御し、
    少なくとも前記矩形波信号の振幅の増大時、前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加する前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる時定数回路をさらに備える
    調光システム。
  6. 前記時定数回路が、
    少なくとも抵抗と、前記第1及び第2の積層体の透明電極間の静電容量とにより形成された
    請求項5に記載の調光システム。
  7. 調光フィルムに矩形波信号を出力する駆動電源生成部を有する調光装置であって、
    前記調光フィルムは、
    直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御し、
    前記調光装置は、
    操作子の操作に応動して前記矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
    前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
    調光装置。
  8. 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムにおいて、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第1の積層体と、
    透明フィルム材による基材に透明電極、配向層を配置してなる第2の積層体と、
    前記第1及び第2の積層体により挟持された液晶層とを備え、
    前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加される矩形波信号に応じて透過光を制御し、
    前記矩形波信号の振幅の増大時、前記第1及び第2の積層体の透明電極に印加する前記矩形波信号の振幅を時定数回路により徐々に増大させる
    調光フィルム。
  9. 直線偏光板により挟持された液晶セルの液晶をVA方式により配向させて透過光を制御する調光フィルムの駆動方法において、
    操作子の操作に応動して、前記調光フィルムに出力する矩形波信号による矩形波信号の振幅を可変することにより、前記調光フィルムの透過率を可変し、
    前記矩形波信号の振幅を増大させる際には、前記矩形波信号の振幅を徐々に増大させる
    調光フィルムの駆動方法。
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