JP2017062362A - 調光フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な視野角特性を確保して、電極のパターンニングを省略することができ、かつ簡易に生産することができるようにする。【解決手段】透明フィルムによる基材10、15と、透明電極11、16と、配向膜13、17とが積層された第1及び第2の積層体6及び5により液晶層7を挟持した調光フィルム1において、無電界時、前記液晶層7の液晶分子7Aを垂直配向させ、電界印加時、液晶分子7Aを水平配向させることにより透過光を制御する。第1及び又は第2の積層体6、5は、少なくとも周側面に垂直配向膜13Aを備えた柱形状によるスペーサ12を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光フィルムに関する。
従来、例えば窓に貼り付けて外来光の透過を制御する調光フィルムに関する工夫が種々に提案されている(特許文献1、2)。このような調光フィルムの1つに、液晶を利用したものがある。この液晶を利用した調光フィルムは、透明電極を作製した透明フィルムにより液晶材料を挟持して液晶セルが作製され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して作成される。これによりこの調光フィルムでは、液晶に印加する電界の可変により液晶の配向を可変して外来光を遮光したり透過したりし、さらには透過光量を可変したりし、これらにより外来光の透過を制御する。
また画像表示パネルの1つのである液晶表示パネルは、透明電極、配向膜を作製してなる1対のガラス板材により液晶を挟持して液晶セルが構成され、この液晶セルを直線偏光板により挟持して構成される。液晶表示パネルは、この透明電極のパターンニングにより、画素単位で、液晶に印加する電界を可変して所望の画像を表示する。このような液晶表示パネルに関して、特許文献3には、配向の方向が異なる領域を設けることにより、方位角の変化による透過光量の変化を低減し、方位角に係る視野角特性を向上する方法が提案されている。
ところで調光フィルムは、液晶表示パネルのような画素単位による印加電圧の可変が必要ではないものの、液晶表示パネルと同様に偏光面の制御により透過光量を制御することにより、液晶表示パネルで利用されている種々の液晶駆動方式を適用できると考えられる。具体的に、例えばTN(Twisted Nematic)方式、IPS(In−Place−Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等の駆動方式を適用し、さらにはシングルドメイン、マルチドメインにより駆動することが考えられる。
しかしながらTN方式による駆動方式は、方位角の変化による透過光量の変化(方位角に係る視野角特性である)が大きいことにより、透過光量の制御に供する部位の面積が液晶表示パネルに比して格段的に大きな調光フィルムには直ちには適用できない問題がある。またIPS方式、VA方式による場合でも、シングルドメインによる駆動では、同様に、方位角に係る視野角特性により調光フィルムには直ちには適用できない問題がある。
これにより調光フィルムでは、IPS方式、VA方式を適用して、マルチドメイン化により方位角に係る視野角特性を向上することが考えられる。しかしながら従来の液晶表示パネルに適用されるマルチドメインVA方式では、上下基板を高い精度による位置合わせすることが必要であり、透明フィルムにより液晶材料を挟持して液晶セルを構成する調光フィルムにおいては、この透明フィルムが熱膨張すること、可撓性を有すること等により、マルチドメインVA方式を適用して視野角特性を向上する場合には、この透明フィルムの位置合わせが著しく煩雑になる。これによりこの場合、簡易に作製できなくなる問題がある。
またIPS方式では、ITO(Indium Tin Oxide)等による透明電極をパターンニングすることが必要になり、透過光量の制御に供する部位の面積が液晶表示パネルに比して格段的に大きな調光フィルムに適用した場合、電極が視認されたり、電極の抵抗値によりシェーディングが視認されたりする。なおシェーディングは、電極の抵抗値を小さくすることにより低減することができるものの、この場合、結局、電極の厚みを厚くしたり、抵抗値の小さな透過率の小さな材料を適用することが必要になることにより、電極が視認され易くなる。なおこれにより調光フィルムにおいては、そもそも電極のパターンニング自体、省略することが望まれる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、調光フィルムに関して、充分な視野角特性を確保して、電極のパターンニングを省略することができ、かつ簡易に生産することができるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、柱形状によるスペーサを中心にして放射状に液晶を配向させることにより、配向の異方性を低減して視野角特性を確保する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 透明フィルムによる基材と、透明電極と、配向膜とが積層された第1及び第2の積層体により液晶層を挟持した調光フィルムにおいて、
無電界時、前記液晶層の液晶分子を垂直配向させ、電界印加時、前記液晶分子を水平配向させることにより透過光を制御し、
前記第1及び又は第2の積層体は、
少なくとも周側面に垂直配向膜を備えた柱形状によるスペーサを備える調光フィルム。
無電界時、前記液晶層の液晶分子を垂直配向させ、電界印加時、前記液晶分子を水平配向させることにより透過光を制御し、
前記第1及び又は第2の積層体は、
少なくとも周側面に垂直配向膜を備えた柱形状によるスペーサを備える調光フィルム。
(1)によれば、スペーサを中心に放射状に液晶分子を水平配向させることができ、その結果、方位角の変化による透過率の変化を低減することができ、視野角特性を充分に確保することができる。また無電界時、液晶分子を垂直配向させ、電界印加時、液晶分子を水平配向させる場合には、パターンニングすることなく透明電極を作製することができ、これにより電極のパターンニングを省略することができる。また第1及び第2の積層体の位置合わせも精度を要しないことにより、簡易に生産することができる。
(2) (1)において、
前記スペーサの垂直配向膜は、
前記スペーサの付け根側から先端側に向かって、前記スペーサの中心軸側に表面が傾くように設けられており、
前記スペーサの中心軸を含む平面による断面において、前記スペーサが設けられた基材の表面と前記垂直配向膜の表面との成す角度が5度以上80度以下である
請求項1に記載の調光フィルム。
前記スペーサの垂直配向膜は、
前記スペーサの付け根側から先端側に向かって、前記スペーサの中心軸側に表面が傾くように設けられており、
前記スペーサの中心軸を含む平面による断面において、前記スペーサが設けられた基材の表面と前記垂直配向膜の表面との成す角度が5度以上80度以下である
請求項1に記載の調光フィルム。
(2)によれば、液晶分子にプリチルト角を設定することができ、これにより滑らかに水平配向させることができる。
(3) (1)又は(2)において、
前記スペーサは、
先細り形状である調光フィルム。
前記スペーサは、
先細り形状である調光フィルム。
(3)によれば、スペーサの形状の設定により液晶分子にプリチルト角を設定することができ、これにより滑らかに水平配向させることができる。
(4) (1)、(2)、(3)の何れかにおいて、
前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、直線偏光板を備える調光フィルム。
前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、直線偏光板を備える調光フィルム。
(4)によれば、液晶層を透過する透過光の偏光面を制御して調光を図る構成に適用して、充分な視野角特性を確保して、電極のパターンニングを省略することができ、かつ簡易に生産することができる。
(5) (1)、(2)、(3)の何れかにおいて、
前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、1/4波長板と直線偏光板とを備える調光フィルム。
前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、1/4波長板と直線偏光板とを備える調光フィルム。
(5)によれば、液晶層を透過する透過光の偏光面を制御して調光を図る構成に適用して、透過光量を増大することができる。
本発明によれば、調光フィルムに関して、充分な視野角特性を確保して、電極のパターンニングを省略することができ、かつ簡易に生産することができる。
〔第1実施形態〕
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、印加電圧の可変により透過光の光量を制御する。
〔調光フィルム〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム1は、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等の調光を図る部位に、粘着剤層等により貼り付けて使用され、印加電圧の可変により透過光の光量を制御する。
この調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム材あり、直線偏光板2、3により液晶セル4を挟持して構成される。ここで直線偏光板2、3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムによる基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2、3は、クロスニコル配置、又はパラレルニコル配置により、紫外線硬化性樹脂等による接着剤層2A、3Aにより液晶セル4に配置される。
液晶セル4は、後述する透明電極への印加電圧により透過光の偏光面を制御する。これにより調光フィルム1は、透過光を制御して種々に調光を図ることができるように構成される。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、VA方式の液晶セルであり、フィルム形状による第1及び第2の積層体である上側積層体5及び下側積層体6により液晶層7を挟持して構成される。下側積層体6は、基材10、透明電極11、スペーサ12、配向膜13を積層して形成される。上側積層体5は、基材15、透明電極16、配向膜17を積層して形成される。なおスペーサ12は、下側積層体6に代えて上側積層体5に配置してもよく、上側積層体5及び下側積層体6の双方に配置してもよい。
液晶セル4は、VA方式の液晶セルであり、フィルム形状による第1及び第2の積層体である上側積層体5及び下側積層体6により液晶層7を挟持して構成される。下側積層体6は、基材10、透明電極11、スペーサ12、配向膜13を積層して形成される。上側積層体5は、基材15、透明電極16、配向膜17を積層して形成される。なおスペーサ12は、下側積層体6に代えて上側積層体5に配置してもよく、上側積層体5及び下側積層体6の双方に配置してもよい。
基材10、15は、この種のフィルム材に適用可能な種々の透明フィルムを適用することができ、例えばポリカーボネートフィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、TACフィルム等、光学異方性の小さなフィルム材を適用することができる。
透明電極11、16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、この実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により、それぞれ基材10、15の全面に形成される。スペーサ12は、各種の樹脂材料を広く適用することができるものの、この実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極11を作製してなる基材10の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。
配向膜13、17は、基板上に塗膜として設けることで、液晶層7に適用される液晶分子7Aの分子軸をホメオトロピック配向させる機能を有する配向膜であり、VA方式による液晶表示パネルに適用される各種の垂直配向膜を適用することができ、例えばポリイミド配向膜による配向膜等を適用することができる。具体的に、配向膜13、17の構成材料としては、例えば、レシチン、シラン系界面活性剤、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、n−オクタデシルトリエトキシシラン等のシランカップリング系垂直配向膜用組成物、長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有する可溶性ポリイミドや長鎖アルキル基や脂環式構造を側鎖に有するポリアミック酸等のポリイミド系垂直配向膜用組成物が挙げられる。配向膜13、17は、このような垂直配向膜材料による塗工液を塗工して乾燥、加熱することにより作成される。
液晶層7に係る液晶分子7Aは、VA方式による液晶表示パネルに適用される各種の液晶材料を広く適用することができる。
なお液晶セル4は、液晶層7を形成する部位を囲む枠形状によりシール材が配置され、このシール材により液晶材料の漏出が防止され、さらには上側積層体5及び下側積層体6が貼り合わされて一体化される。ここでこのシール材は、液晶材料の漏出を防止すると共に、上側積層体5及び下側積層体6を一体に保持可能な種々の材料を適用することができるものの、この実施形態では、熱硬化性樹脂が適用される。
これらにより調光フィルム1は、透明電極11、16に電圧を印加していない状態で、液晶層7の液晶分子7Aを垂直配向させ(図1)、入射光を遮光する。また図1との対比により図2に示すように、透明電極11、16への電圧の印加により液晶分子7Aを水平配向させ、入射光を透過させる。
〔液晶の配向〕
このようにVA方式により駆動するようにして、調光フィルム1では、スペーサ12を作製した後、塗工液を塗工して配向膜13を作製することにより、スペーサ12の周側面に、スペーサ12の周側面に対して垂直方向の配向規制力を備えた垂直配向膜13Aが形成されることになる。これにより調光フィルム1では、透明電極11、16に電圧を印加していない無電界時、液晶層7を平面視して図3に示すように、スペーサ12の近傍では、スペーサ12の周側面に対して液晶分子7Aが垂直配向する方向に斜めに傾いて配向し、スペーサ12から遠ざかるに従って基材10、15に対して垂直配向するように液晶分子7Aが分布することになる。
このようにVA方式により駆動するようにして、調光フィルム1では、スペーサ12を作製した後、塗工液を塗工して配向膜13を作製することにより、スペーサ12の周側面に、スペーサ12の周側面に対して垂直方向の配向規制力を備えた垂直配向膜13Aが形成されることになる。これにより調光フィルム1では、透明電極11、16に電圧を印加していない無電界時、液晶層7を平面視して図3に示すように、スペーサ12の近傍では、スペーサ12の周側面に対して液晶分子7Aが垂直配向する方向に斜めに傾いて配向し、スペーサ12から遠ざかるに従って基材10、15に対して垂直配向するように液晶分子7Aが分布することになる。
また図3との対比により図4に示すように、透明電極11、16に電圧を印加した電界印加時、無電界時におけるスペーサ12近傍の液晶分子7Aの配向に倣うように、液晶分子7Aが水平配向することになる。
ここでこの実施形態において、スペーサ12は、断面円形形状による略円柱形状により形成される。これにより無電界時、スペーサ12近傍ではスペーサ12を中心にして各方向に均一な分布により放射状に液晶分子7Aが配向し、スペーサ12から遠ざかるに従って基材10、15に対して垂直配向するように液晶分子7Aが分布することになる。また電界印加時、スペーサ12を中心にして放射状に広がるように液晶分子7Aが水平配向することになる。これによりこの調光フィルム1では、液晶分子7Aの配向については、方位角方向に関する方向異方性を低減することができ、この方向異方性による方位角の変化による透過光量の変化を充分に低減することができる。その結果、電極のパターンニングを省略する構成において、方位角に係る視野角特性を充分に確保することができる。またこれらにより調光フィルム1では、マルチドメインVAのような位置合わせを必要とせず、これにより簡易に作製することができる。
ここで調光フィルム1において、スペーサ12は、露光時における露光装置の光学系の設定により、付け根側が大径となるようにテーパーが設けられ、先細り形状により形成される。これにより調光フィルム1では、スペーサ12の周側面に形成した垂直配向膜13Aの表面が、基材10、15の表面に対して鉛直方向から斜めに傾いた壁面となるように、より具体的には、この斜めに傾いた方向が、スペーサ12の先端側がスペーサ12の中心側であるように作製され、スペーサ12の付け根側から先端側に向かって、スペーサの中心軸側に表面が傾くように垂直配向膜13Aが配置される。これによりこの調光フィルム1では、スペーサ12近傍の液晶分子7Aについては、このスペーサ12における垂直配向膜13Aの表面の傾きによりプリチルト角が設定され、これにより電界の印加により液晶分子7Aを整列させて滑らかに水平配向させることができる。
なおこれによりこのようなプリチルト角の設定に係る垂直配向膜13Aの表面の傾きにあっては、要は、垂直配向膜の表面で所望の傾きを確保することができればよく、例えばスペーサ12自体はテーパーを設けることなく円柱形状により作製し、配向膜塗工液の粘度の調整、乾燥条件の設定等により、所望の傾きに設定するようにしてもよい。またスペーサ12は、断面円形形状による先細りの略円柱形状に代えて、必要に応じて断面楕円形状等、種々の断面形状を適用することができる。
ここでこのスペーサ12に係る垂直配向膜13Aの表面の傾きθにあっては、スペーサ12の中心軸を含む平面により断面において(図1)、基材10の表面に対して5度以上80度以下、好ましくは15度以上60度以下、より好ましくは25度以上45度以下に設定される。これによりこの実施形態のようにスペーサ12の近傍のみスペーサ12に対して垂直配向させるようにして、適切にプリチルト角を設定できるようにする。
またスペーサ12にあっては、配置の密度が小さい場合、方位角に係る方向依存性が発現する恐れがあるものの、配置の密度が高すぎると、無電界時に液晶分子7Aが垂直配向している部位の面積が少なくなり、充分に透過光を遮光できなくなる。これによりスペーサ12は、400個/cm2以上40000個/cm2以下、好ましくは1000個/cm2以上10000個/cm2以下、より好ましくは1300個/cm2以上8000個/cm2以下配置される。
またスペーサ12は、規則的に配置しても、又はランダムに配置しても良いものの、電界印加時における液晶分子7Aの配向方向に分布の偏りを発生させないようにする観点から、ランダムに配置することが望ましい。
またスペーサ12は、液晶層7の中に光学的に特異な部位を作製することになることにより、余りに大きすぎると目立つことになるものの、小さすぎると充分にスペーサとして、液晶層7の厚みを一定値に保持する機能を確保できなくなる。これによりスペーサ12は、付け根部分の直径が5μm以上30μm以下、好ましくは10μm以上20μm以下により作製される。
〔製造工程〕
図5は、調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。この製造工程は、透明電極作製工程SP2において、フォトリソグラフィーの手法を適用して、基材10、15に透明電極11、16をそれぞれ作成する。さらに続いてスペーサ作製工程SP3において、透明電極11を作製した基材10にフォトレジスト膜を作製した後、露光、現像処理し、これによりスペーサ12を作製する。続いて製造工程は、配向膜作製工程SP4において、スペーサ12を作製してなる基材10の表面に、また透明電極16を作製してなる基材15の表面に、配向膜13、17の塗工液を塗工した後、乾燥、加熱処理し、これに配向膜13、17を作製すると共に、垂直配向膜13Aを作製する。
図5は、調光フィルムの製造工程を示すフローチャートである。この製造工程は、透明電極作製工程SP2において、フォトリソグラフィーの手法を適用して、基材10、15に透明電極11、16をそれぞれ作成する。さらに続いてスペーサ作製工程SP3において、透明電極11を作製した基材10にフォトレジスト膜を作製した後、露光、現像処理し、これによりスペーサ12を作製する。続いて製造工程は、配向膜作製工程SP4において、スペーサ12を作製してなる基材10の表面に、また透明電極16を作製してなる基材15の表面に、配向膜13、17の塗工液を塗工した後、乾燥、加熱処理し、これに配向膜13、17を作製すると共に、垂直配向膜13Aを作製する。
また続いてこの製造工程は、液晶層の積層工程SP5において、ディスペンサーによりシール材を枠形状により下側積層体6に塗布した後、この枠形状により囲まれた所定位置に、ディスペンサーを使用して液晶層7に係る液晶材料を滴下する。なおこの液晶材料の滴下とシール材との配置の順序を入れ替えるようにしてもよい。また下側積層体6に代えて上側積層体5にシール材、液晶材料を配置してもよい。その後、この製造工程は、上側積層体5を持ち来して下側積層体6と積層した後、加熱、押圧してシール材を硬化させ、これにより液晶層7を挟持するようにして、上側積層体5及び下側積層体6をシール材により貼り合せて一体化する。その後、この製造工程は、直線偏光板積層工程SP6において、紫外線硬化性樹脂等の接着剤層2A、3Aにより直線偏光板2、3が配置される(図1)。
〔第2実施形態〕
図6は、本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム21は、液晶セル4と直線偏光板2との間、液晶セル4と直線偏光板3との間に、それぞれ1/4波長板32、33が配置される点を除いて、第1実施形態に係る調光フィルム1と同一に構成される。
図6は、本発明の第2実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。この調光フィルム21は、液晶セル4と直線偏光板2との間、液晶セル4と直線偏光板3との間に、それぞれ1/4波長板32、33が配置される点を除いて、第1実施形態に係る調光フィルム1と同一に構成される。
ここで1/4波長板32、33は、透過光に1/4波長分の面内位相差を付与する位相差板であり、透明フィルムによる基材に、配向膜、位相差層を配置して構成される。1/4波長板32、33は、配向膜により液晶材料を配向させた状態で固化して位相差層が作製され、この位相差層により透過光に所望の位相差を付与する。なお1/4波長板32、33は、これに代えて光学異方性を備えるフィルム材等を適用するようにしてもよい。1/4波長板32、33は、位相差層の遅相軸方向が、同一の向きになるように、又は直交するように、粘着層もしくは紫外線硬化性樹脂等による接着剤層32A、33Aにより液晶セル4に保持され、この1/4波長板32、33の遅相軸方向に対して吸収軸方向が45度の角度を成すように直線偏光板2、3がクロスニコル配置又はパラレルニコル配置により保持される。
これによりこの実施形態では、第1実施形態に係る調光フィルム1に比して、透過光量を増大させる。すなわち液晶セルは、直線偏光板の透過軸方向に対して液晶分子の長軸方向が45度の角度を成すように液晶分子が水平配向した場合に、透過率が最も大きくなる。これにより図4について上述したように、スペーサ12を中心にして放射状に液晶分子が水平配向する場合、最も透過率が大きくなる方向に、これとは異なる方向が混在することになり、その結果、液晶分子の全てを最も透過率が大きくなる方向に水平配向させた場合に比して透過光量が約1/2となる。
これによりこの実施形態では、液晶セル4の上下に1/4波長板32、33を配置し、液晶分子の全てを最も透過率が大きくなる方向に水平配向させた場合とほぼ同程度の透過率を確保する。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには変更することができる。
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、液晶セルを直線偏光板に挟持して調光フィルムを構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ゲストホスト型液晶による液晶層を使用して直線偏光板を省略して調光フィルムを構成する場合にも広く適用することができる。
1、21 調光フィルム
2、3 直線偏光板
2A、3A、32A、33A 接着剤層
4 液晶セル
5 上側積層体
6 下側積層体
7 液晶層
7A 液晶分子
10、15 基材
11、16 透明電極
12 スペーサ
13、17 配向膜
13A 垂直配向膜
32、33 1/4波長板
2、3 直線偏光板
2A、3A、32A、33A 接着剤層
4 液晶セル
5 上側積層体
6 下側積層体
7 液晶層
7A 液晶分子
10、15 基材
11、16 透明電極
12 スペーサ
13、17 配向膜
13A 垂直配向膜
32、33 1/4波長板
Claims (5)
- 透明フィルムによる基材と、透明電極と、配向膜とが積層された第1及び第2の積層体により液晶層を挟持した調光フィルムにおいて、
無電界時、前記液晶層の液晶分子を垂直配向させ、電界印加時、前記液晶分子を水平配向させることにより透過光を制御し、
前記第1及び又は第2の積層体は、
少なくとも周側面に垂直配向膜を備えた柱形状によるスペーサを備える
調光フィルム。 - 前記スペーサの垂直配向膜は、
前記スペーサの付け根側から先端側に向かって、前記スペーサの中心軸側に表面が傾くように設けられており、
前記スペーサの中心軸を含む平面による断面において、前記スペーサが設けられた基材の表面と前記垂直配向膜の表面との成す角度が5度以上80度以下である
請求項1に記載の調光フィルム。 - 前記スペーサは、
先細り形状である
請求項1又は請求項2に記載の調光フィルム。 - 前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、直線偏光板を備える
請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の調光フィルム。 - 前記第1及び第2の積層体の前記液晶層とは逆側面に、1/4波長板と直線偏光板とを備える
請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の調光フィルム。
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JP (1) | JP2017062362A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019039287A1 (ja) * | 2017-08-21 | 2019-02-28 | 住友化学株式会社 | フレキシブルディスプレイ用光学補償機能付き位相差板 |
US11733567B2 (en) | 2019-10-10 | 2023-08-22 | Lg Chem, Ltd. | Light modulation device |
WO2024000719A1 (en) * | 2022-06-27 | 2024-01-04 | Shenzhen Wicue Optoelectronics Co. LTD. | Microstructured liquid crystal film for automotive glass |
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2015
- 2015-09-25 JP JP2015187863A patent/JP2017062362A/ja active Pending
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