JP2009204851A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容易に入手可能な光学異方性フィルムを用いて、視角補償可能な液晶セルのリタデーション範囲を広くすることができる液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 第1及び第2の偏光板がクロスニコル配置されている。2枚の偏光板の間に、電圧無印加時に垂直配向する液晶セルが配置されている。液晶セルと、第1の偏光板との間に、光学異方性を有する光学フィルムが偶数枚配置されている。液晶セルのリタデーションが300nm以上1500nm以下である。光学フィルムの各々は、nx>ny≧nzを満たし、面内リタデーションが300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm以上300nm以下であり、第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°以下であり、相互に隣接する光学フィルムの遅相軸が相互に直交する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、一対の偏光板がクロスニコル配置され、液晶分子が垂直配向した液晶表示装置に関する。
車載用情報表示装置として、重量の軽減が可能で車載電源をそのまま使用することができる液晶表示装置が注目されている。外観上の高級感を高めるために、背景表示部や暗表示部の表示輝度を低くすることが求められている。バックライトの光源に、発光ダイオードを用いて発光をほぼ単一波長化することにより、その波長域においてのみコントラストを飛躍的に高めるノーマリブラック型液晶表示素子が開発されている。
バックライトの発光波長に依存せず、良好なノーマリブラック表示を実現する液晶表示装置として、垂直配向モード(VAモード)の液晶セルを利用した表示装置が注目されている。VAモードの液晶セルにおいては、電圧無印加時またはオフ電圧印加時に、液晶分子が基板面に対して垂直配向する。ここで、「垂直配向」とは、液晶分子のダイレクタの向きが基板面に対して厳密に垂直であることを意味するのではなく、液晶分子のダイレクタが、電圧印加時に基板法線方向から傾いている状態と比べて、基板面に対して垂直に近い向きに配向している状態を意味する。この液晶セルを、ほぼクロスニコル配置した2枚の偏光板の間に配置して液晶表示素子を構成することにより、ノーマリブラック表示が実現される。
基板法線方向から観察したとき、液晶表示素子の光学特性は、クロスニコル配置した偏光板の光学特性とほぼ同等になる。このため、透過率が非常に低くなり、高いコントラストを比較的容易に実現することが可能になる。ところが、斜め方向から観察すると、黒表示状態において光漏れが生じる。これは、液晶層に複屈折が生じるため、及び2枚の偏光板の透過軸が直交関係からずれるためである。斜め方向から観察したときのコントラストの低下を抑制するために、下記の種々の方法が提案されている。
特許文献1に、2枚の偏光板と液晶セルとの間の一方または両方に、負の一軸光学異方性または負の二軸光学異方性を有する視角補償板を挿入した液晶表示素子が開示されている。ここで、「負の二軸光学異方性を有する視角補償板」とは、基板またはフィルムの面内における遅相軸方位をx軸、進相軸方位をy軸とし、厚さ方向をz軸とし、屈折率のx、y、z成分をそれぞれnx、ny、nzとしたとき、nx>ny>nzの関係を有する視角補償板を意味する。特許文献2に、二軸光学異方性を有する視角補償板の面内位相差や面内遅相軸の配置に関して有効な条件が開示されている。
負の一軸光学異方性を有する視角補償板は、「負のCプレート」と呼ばれる。また、負の二軸光学異方性を有する視角補償板を「負の二軸フィルム」ということとする。なお、遅相軸が面内方向を向く正の一軸光学異方性を有する視角補償板、すなわちnx>ny=nzの関係を有する光学フィルムは、「正のAプレート」と呼ばれる。正のAプレートは、負の二軸フィルムの屈折率nyとnzとが等しくなった特殊な場合と考えることができる。
特許文献3に、二軸光学異方性を有するほぼ1/2波長板と、負のCプレートとを用いる方法が開示されている。この方法では、1/2波長板自体が、どの方向から観察してもほぼ1/2波長の位相差を生じさせる必要があるため、実際には正の二軸光学異方性を有する1/2波長板が必要である。ところが、正の二軸光学異方性を有する1/2波長板の実現は困難である。
特許文献4に、負の二軸フィルムと負のCプレートとを組み合わせる方法が開示されている。この方法では、二軸フィルムの面内リタデーションが190nm以下、液晶層のリタデーションが200〜500nmに限定される。ここで、液晶層のリタデーションは、液晶材料の屈折率異方性をΔn、液晶層の厚さをdとしたとき、Δndで表される。
特開昭62−210423号公報 特開2000−131693号公報 特開2000−39610号公報 特開2003−262869号公報
VAモードの液晶表示素子を、1/4デューティ〜1/240デューティでマルチプレックス駆動するには、液晶層のリタデーションΔndを320nmより大きくすることが好ましく、360nmより大きくすることがより好ましい。液晶層のリタデーションが小さくなると、高デューティ駆動時において、ノーマリブラック型VAモード液晶表示素子の特徴である高コントラスト特性と、オン電圧印加時における透過率を高く維持することとの両立が困難になるためである。
負の二軸フィルムとして、ノルボルネン系環状オレフィン(以下、「ノルボルネン系COP」と記す。)からなる原反フィルムを二軸延伸加工したものや、トリアセチルセルロース(以下、「TAC」と記す。)をベースにしたフィルムを延伸加工したものが市場に流通している。
ノルボルネン系COPを用いた負の二軸フィルムでは、リタデーションの面内均一性を確保するという観点から、一般的に、面内リタデーションReが30nm〜300nm、厚さ方向のリタデーションRthが300nm以下、Nzファクタが1〜12の範囲内である。ここで、面内遅相軸方位の屈折率をnx、面内進相軸方位の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdとしたとき、Re=(nx−ny)/d、Rth=((nx+ny)/2−nz)×d、Nz=(nx−nz)/(nx−ny)で表される。
市場に流通しているTACベースの二軸フィルムのリタデーション及びNzファクタの範囲は、ノルボルネン系COPを用いたものよりもさらに狭い。一般的に、面内リタデーションReが40〜70nm、厚さ方向のリタデーションRthが120〜220nmである。
理想的なCプレートにおいては、面内リタデーションReが0であるが、実際に市場に流通しているCプレートの面内リタデーションReは、厳密には0ではない。一般的なCプレートの面内リタデーションReは、好ましくは7nm以下、より好ましくは5nm以下になるように設定されている。また、市場に多く流通しているCプレートは、厚さ方向のリタデーションRthが50nm程度のTACフィルムであり、それ以外の厚さ方向のリタデーションRthを持つCプレートを入手することは困難である。
一般的に入手可能な負の二軸フィルムや負のCプレートを用いて、従来の視角補償方法により、ノーマリブラック型VAモードの液晶表示素子の視角補償を行う場合、液晶層のリタデーションの範囲が制約される。
本発明の目的は、容易に入手可能な光学異方性フィルムを用いて、視角補償可能な液晶セルのリタデーション範囲を広くすることができる液晶表示素子を提供することである。
本発明の一観点によると、
相互にクロスニコル配置された第1及び第2の偏光板と、
前記第1の偏光板と第2の偏光板との間に配置され、電圧無印加時に垂直配向する液晶セルと、
前記液晶セルと、前記第1の偏光板との間に配置された偶数枚の光学異方性を有する光学フィルムとを有し、
前記液晶セルのリタデーションが300nm以上1500nm以下であり、
前記光学フィルムの各々の面内遅相軸の方位をx軸、それに直交する面内方位をy軸、フィルム面に垂直な方向をz軸とし、屈折率のx軸、y軸、及びz軸成分を、それぞれnx、ny、nzとしたとき、前記光学フィルムの各々は、nx>ny≧nzを満たし、面内リタデーションが300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm以上300nm以下であり、前記第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、該第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°以下であり、相互に隣接する光学フィルムの遅相軸が相互に直交する液晶表示装置が提供される。
本発明の他の観点によると、
相互にクロスニコル配置された第1及び第2の偏光板と、
前記第1の偏光板と第2の偏光板との間に配置され、電圧無印加時に垂直配向する液晶セルと、
前記液晶セルと、前記第1の偏光板との間に配置された3枚以上で奇数枚の光学異方性を有する光学フィルムとを有し、
前記液晶セルのリタデーションが550nm以上1500nm以下であり、
前記光学フィルムの各々の面内遅相軸の方位をx軸、それに直交する面内方位をy軸、フィルム面に垂直な方向をz軸とし、屈折率のx軸、y軸、及びz軸成分を、それぞれnx、ny、nzとしたとき、前記光学フィルムの各々は、nx>ny≧nzを満たし、面内リタデーションが30nm以上300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm以上300nm以下であり、前記第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、該第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°以上135°以下であり、相互に隣接する光学フィルムの遅相軸が相互に直交する液晶表示装置が提供される。
上述の光学異方性を持つ光学フィルムを複数枚配置することにより、入手容易な光学フィルムを採用することが可能になる。
ノーマリブラック型VAモードの液晶表示素子の黒表示時における視角特性を、従来の光学フィルムの構成により改善するための好ましい条件について説明する。
図1に、従来のノーマリブラック型VAモードの液晶表示素子の模式図を示す。クロスニコル配置された裏側偏光板10と表側偏光板30との間に、液晶セル20が配置されている。裏側偏光板10と液晶セル20との間に、負の二軸フィルム15が配置されている。表側偏光板30と液晶セル20との間に、もう1つの負の二軸フィルム25が配置されている。
液晶セル20は、一対の基板21、22、及びその間の間隙内に保持された液晶材料23を含む。基板21及び22の対向面には、それぞれコモン電極及びセグメント電極が形成され、さらに、垂直配向膜が形成されている。垂直配向膜には、ラビング方向が相互に反平行になるように、ラビング処理が施されている。このラビング処理には、例えば特開2005−234254号公報に示された方法を適用することができる。
基板21と22との間隔は、例えば2〜6μmになるように球状スペーサで調整されている。液晶材料23の屈折率異方性Δnは0.08以上0.25以下であり、誘電率異方性Δεは負である。プレチルト角(液晶分子のダイレクタと基板面とのなす角度)は約89.9°である。液晶材料23を基板21と22との間に注入した後、液晶材料23の等方相温度よりも約20℃高い温度で1時間焼成することにより液晶セル20が得られる。
裏側偏光板10及び表側偏光板30には、例えば、株式会社ポラテクノ製のSHC13Uを用いる。裏側偏光板10は、TACベースフィルム12と、その表面に形成された偏光層11により構成される。表側偏光板30は、TACベースフィルム31と偏光層32とにより構成される。TACベースフィルム12及び31が、偏光層11及び32よりも内側(液晶セル20側)に配置される。TACベースフィルム12及び31の各々の面内リタデーションReは3nmであり、厚さ方向のリタデーションRthは50nmである。偏光層11及び32の外側の表面は、TAC等の保護フィルムで保護される。
負の二軸フィルム15及び25には、例えば、ノルボルネン系COPフィルムを二軸延伸加工したものを用いることができる。両者の光学特性は同一とした。すなわち、二軸フィルム15の面内リタデーションRe1と二軸フィルム25の面内リタデーションRe2とは等しく、二軸フィルム15の厚さ方向のリタデーションRth1と二軸フィルム25の厚さ方向のリタデーションRth2とは等しい。
裏側偏光板10の外側にバックライトが配置され、表側偏光板30側から液晶表示素子を視認する。
液晶表示素子を正面から観察する状態で、右及び左が、それぞれ0°、180°となり、上及び下が、それぞれ90°、270°となるように方位角を定義する。裏側偏光板10の吸収軸11a及び面内遅相軸12sの方位を45°、表側偏光板30の吸収軸32a及び面内遅相軸31sの方位を135°とした。
裏側に配置された負の二軸フィルム15の面内遅相軸15sは、それに近接する裏側偏光板10の吸収軸11aと直交する方位、すなわち方位135°とした。表側に配置された負の二軸フィルム25の面内遅相軸25sは、それに近接する表側偏光板30の吸収軸32aと直交する方位、すなわち方位45°とした。
液晶セル20内の液晶材料23のプレチルトの方位は90°とした。
液晶セル20のリタデーションΔndが360nm、600nm、及び900nmの場合について、黒表示状態の液晶表示素子を視角45°で観察したときの透過率と、二軸フィルムの面内リタデーションReとの関係を、シミュレーションにより算出した。
図2に、シミュレーション結果を示す。横軸は、二軸フィルム15及び25のリタデーションRe1及びRe2を単位「nm」で表し、縦軸は透過率を単位%で表す。二軸フィルム15及び25の厚さ方向のリタデーションRth1及びRth2の各々は、液晶セル20のリタデーションΔndが360nm、600nm、及び900nmのときに、それぞれ110nm、220nm、及び300nmとした。
図2の実線が、方位180°の向きに傾けた視線で観察した場合、破線が、方位0°の向きに傾けた視線で観察した場合の透過率を示す。方位0°の場合と方位180°の場合とで、透過率が異なるのは、液晶セル20のプレチルト角を89.9°としたためである。プレチルト角が90°、すなわち液晶分子が厳密に垂直配向している場合には、方位0°の透過率と方位180°の透過率とは一致する。
透過率が最小になるように、二軸フィルム15及び25の面内リタデーションRe1及びRe2を選択することにより、コントラストを高めることができる。透過率が最小になる面内リタデーションRe1及びRe2は、液晶セル20のリタデーションΔndに依存することがわかる。一般に、マルチプレックス駆動のデューティ条件によって、液晶セル20の最適なリタデーションΔndが異なり、デューティ条件ごとに液晶セル20のリタデーションΔndが決定される。このため、デューティ条件の異なる液晶表示素子ごとに、光学特性の異なる負の二軸フィルムを用いなければならない。
図3に、負の二軸フィルムと負のCプレートとを用いて視角補償を行う従来の液晶表示素子の模式図を示す。図3に示した例では、裏側偏光板10と液晶セル20との間には、光学フィルムを配置せず、表側偏光板30と液晶セル20との間に、液晶セル20側から順番に、負のCプレート26及び負の二軸フィルム27を配置している。負の二軸フィルム27の面内遅相軸27sは、表側偏光板30の吸収軸32aと直交する。すなわち、面内遅相軸27sの方位は45°である。その他の構成は、図1に示した液晶表示素子の構成と同一である。
図4に、図2と同様のシミュレーション結果を示す。二軸フィルム27の厚さ方向のリタデーションRth4は220nmとした。負のCプレート26の厚さ方向のリタデーションRth3は、液晶セル20のリタデーションΔndが360nm、600nm、及び900nmの場合に、それぞれ0nm、220nm、及び440nmとした。厚さ方向のリタデーションRth3が0nmのCプレートは、光学異方性を有しない透明な板である。
液晶セル20のリタデーションΔndがいずれの場合でも、負の二軸フィルム27の面内リタデーションRe4が約50nmのときに、透過率が最小になっている。このため、液晶セル20のリタデーションΔndが異なる複数の液晶表示素子に、同一の光学特性を持つ負の二軸フィルムを採用することができる。また、液晶セル20のリタデーションΔndが360nm以下の液晶表示素子に用いられる負の二軸フィルム及びCプレートを流用することができる。このため、コスト低減を図ることが可能である。
図3では、Cプレート26と負の二軸フィルム27とを、表側偏光板30と液晶セル20との間に配置したが、Cプレート26と負の二軸フィルム27との一方を、表側偏光板30と液晶セル20との間に配置し、他方を裏側偏光板10と液晶セル20との間に配置しても、同様の効果が得られることがシミュレーションにより確認された。また、実際に液晶表示素子を作製し、シミュレーション解析結果が再現されることを確認した。
ところが、広い領域に亘って面内リタデーションReが0のCプレート26を実現することは困難である。
図5に、第1の実施例による液晶表示素子の概略模式図を示す。裏側偏光板10と液晶セル20との間には、光学フィルムが配置されていない。表側偏光板30と液晶セル20との間に、第1の光学フィルム40と第2の光学フィルム41とが配置されている。第1の光学フィルム40が表側偏光板30側に配置され、第2の光学フィルム41が液晶セル20側に配置されている。その他の構成は、図1に示した液晶表示素子と同一である。
第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41には、負の二軸フィルムまたは正のAプレートが用いられる。すなわち、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41は、nx>ny≧nzを満たす光学異方性を有する。第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe5及びRe6は、共に50nmとした。第1の光学フィルム40の面内遅相軸40s及び第2の光学フィルム41の面内遅相軸41sを、種々の方位に設定したときの視角特性をシミュレーションにより求めた。
図7A〜図7Cに、それぞれ液晶セルのリタデーションΔndを320nm、600nm、及び765nmに設定したときの左右方向の視角特性を示す。横軸は視角を単位「°」で表し、縦軸は透過率を単位「%」で表す。ここで、「視角」とは、液晶表示素子の基板面の法線と、視線とのなす角度をいう。図7A〜図7Cでは、0°方位(右側)に傾けた場合の視角を正、180°方位(左側)に傾けた場合の視角を負とした。
第1の光学フィルム40の厚さ方向のリタデーションRth5及び第2の光学フィルム41の厚さ方向のリタデーションRth6は同一であり、液晶セルのリタデーションΔndが320nm、600nm、及び765nmの場合に、それぞれ110nm、220nm、及び300nmとした。黒表示時、液晶セル20は、ほぼ正のCプレートとして作用する。第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の厚さ方向のリタデーションは、主として液晶セル20が持つ正のCプレートとしての作用を補償するように決定される。
図6Aに、遅相軸40s及び41sの方位を共に45°とした場合を示す。図6Bに、遅相軸40s及び41sの方位を、それぞれ45°及び135°とした場合を示す。図6Cに、遅相軸40s及び41sの方位を、それぞれ135°及び45°とした場合を示す。図6Dに、遅相軸40s及び41sの方位を共に135°とした場合を示す。図6Eに、遅相軸40s及び41sの方位を、それぞれ0°及び90°とした場合を示す。
図7A〜図7Cの曲線a〜eは、それぞれ図6A〜図6Eの構成の透過率を示す。液晶セルのリタデーションΔndがいずれの場合でも、図6Cに示したように、第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を135°、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を45°に設定した場合に、最も良好な視角特性が得られている。また、図6Eに示したように、第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を0°、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を90°に設定した場合に、比較的良好な視角特性が得られている。
また、図6Dに示したように、第1の光学フィルム40の遅相軸40s及び第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を、共に135°に設定した場合には、液晶セル20のリタデーションΔndによらず視角特性が最も悪い。図6Aに示したように、第1の光学フィルム40の遅相軸40s及び第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を、共に45°に設定した場合には、視角特性が比較的悪い。
上述の評価結果から、第1の光学フィルム40の遅相軸40sと第2の光学フィルム41の遅相軸41sとを直交させることが好ましいと予測できる。
そこで、第1の光学フィルム40の遅相軸40sと第2の光学フィルム41の遅相軸41sとが直交状態を維持したまま、遅相軸の方位を変化させた場合の視角特性をシミュレーションにより求めた。
図8A〜図8Cに、シミュレーションの結果を示す。横軸は、第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を単位「°」で表し、縦軸は透過率を単位「%」で表す。図8A〜図8Cは、それぞれ液晶セル20のリタデーションΔndを320nm、600nm、及び765nmとした場合の評価結果を示す。いずれの場合にも、視線を傾ける方位を0°とし、視角を50°とした。
第1の光学フィルム40の厚さ方向のリタデーションRth5及び第2の光学フィルム41の厚さ方向のリタデーションRth6は、図7A〜図7Cのシミュレーションと同様に、液晶セルのリタデーションΔndが320nm、600nm、及び765nmの場合に、それぞれ110nm、220nm、及び300nmとした。第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe5及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe6は同一とし、30nm〜140nmの範囲内で変化させて透過率を求めた。
遅相軸40sの方位を0°(180°)及び90°にすると、透過率が面内リタデーションRe5及びRe6に依存しなくなる。このシミュレーション結果は、第1の光学フィルム40と第2の光学フィルム41との面内リタデーションが相殺され、厚さ方向のリタデーションのみが機能していることを示唆している。すなわち、第1の光学フィルム40と第2の光学フィルム41との組が、Cプレートと同じ機能を有していると考えられる。
第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位が90°〜180°の範囲内のとき、すなわち表側偏光板30の吸収軸32aと遅相軸40sとのなす角度が45°以下のとき、透過率が相対的に低くなっている。従って、高いコントラストを得るためには、表側偏光板30の吸収軸32aと遅相軸40sとのなす角度を45°以下にすることが好ましい。この好適な条件は、液晶セル20のリタデーションΔndが300nm〜1500nmの範囲であり、光学フィルム40、41の各々の面内リタデーションが300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm〜300nmの範囲内のときに適用可能である。
第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe5及びRe6が30nm〜70nmの範囲内である場合、第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を90°〜180°の範囲内(すなわち表側偏光板30の吸収軸32aと遅相軸40sとのなす角度が45°以下のとき)において、透過率が低くなる傾向を示す。特に、遅相軸40sの方位が135°近傍のときに、透過率が最も低くなる。光学フィルム40及び41の厚さ方向のリタデーションRth5、Rth6が110nm〜300nmの範囲内で、上記好適条件が適用されることが確かめられた。
第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe5及びRe6が100nm〜140nmの範囲内である場合には、遅相軸40sの方位が135°近傍のときに透過率が極大値を示し、遅相軸40sの方位が90°〜135°の間、及び135°〜180°の間において極小値を示す。第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位が90°〜120°の範囲内、または150°〜180°の範囲内(すなわち、表側偏光板30の吸収軸32aと遅相軸40sとのなす角度が15°以上45°以下のとき)において、透過率が低くなる傾向を示す。また、遅相軸40sの方位を160°〜175°の範囲内に設定するとより低い透過率が得られる。光学フィルム40及び41の厚さ方向のリタデーションRth5、Rth6が110nm〜300nmの範囲内で、上記好適条件が適用されることが確かめられた。なお、光学フィルム40及び41の面内リタデーションTe5、Re6が140nm〜300nmの範囲内においても、上記好適条件が適用可能である。
一般に、偏光板の吸収軸に平行な方位に傾斜した視線で液晶表示素子を観察する場合には、吸収軸に対して45°の方位(上記第1の実施例では右側及び左側)に傾斜した視線で観察する場合よりも良好な視角特性が得られる。図8A〜図8Cを参照して説明した好ましい条件においては、左右方向に傾けた場合にも、偏光板の吸収軸に平行な方位に傾けたときに得られる良好な視角特性が得られていると推測される。
図7A〜図8Cでは、2枚の光学フィルム40及び41の光学特性が等しい場合を示した。次に、両者の面内リタデーションが異なる場合について説明する。
図9に、第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe5を30nm〜80nmの範囲内で変化させたときの透過率の視角依存性のシミュレーション結果を示す。横軸は、液晶表示素子を観察する視角を単位「°」で表し、縦軸は透過率を単位「%」で表す。液晶セル20のリタデーションΔndは600nmとし、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の厚さ方向のリタデーションRth5及びRth6は、共に220nmとした。第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe6は50nmとした。第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位は135°とし、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位は45°、すなわち図6Cの構成とした。
第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe5と、第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe6との差が大きい場合には、10°〜20°程度の比較的浅い視角から透過率の上昇が見られる。第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe5が第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe6と等しい場合、20°の視角から透過率が上昇し始めるが、上昇の程度は小さく、視角が30°を超えると、透過率は低下し始める。第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe5が60nmの場合、視角40°まで透過率は上昇しない。
光学フィルム40、41の各々の面内リタデーションRe5、Re6と、2枚の光学フィルム40、41の面内リタデーションの平均値との差が10nm以下である場合に、視角特性の悪化の度合いが小さい。
上記第1の実施例では、第1及び第2の光学フィルム40及び41に、負の二軸フィルムを用いたが、負の二軸フィルムに代えて、正のAプレートを用いてもよい。
黒表示時における液晶セル20の厚さ方向の正のリタデーションを補償する観点から、第1の光学フィルム40の厚さ方向のリタデーションRth5と、第2の光学フィルム41の厚さ方向のリタデーションRth6との合計が、液晶セル20のリタデーションΔndの0.5倍〜1倍の範囲内になるようにすることが好ましい。
実際の液晶表示素子に適用する場合には、部品種類の削減の観点から、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41に、同一の光学異方性を持つものを採用することが好ましい。
シミュレーション結果の正当性を確認するために、実際に、図5に示した構造の液晶表示素子を作製し、視角特性を評価した。
第1の試料は、液晶セル20のリタデーションΔndが608nm、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe5及びRe6が、共に50nm、厚さ方向のリタデーションRth5及びRth6が、共に220nmの液晶表示素子である。第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を135°、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を45°とした。この試料は、図7B及び図7Cの曲線cの試料に対応する。
電圧無印加時において、左右方向に視線を傾けたとき、視角50°までは、光抜けがほとんど無い良好な黒状態が得られた。さらに視角を大きくすると、光抜けが観察され、シミュレーション結果と同様の傾向が得られた。
第2の試料は、液晶セル20のリタデーションΔndが430nm、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41の面内リタデーションRe5及びRe6が、共に120nm、厚さ方向のリタデーションRth5及びRth6が、共に160nmの液晶表示素子である。
第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位を90°とし、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位を0°に設定したところ、左右方向において視角25°までは、光抜けがほとんどない良好な黒状態が得られた。2枚の光学フィルム40及び41の遅相軸が直交する条件を維持したまま、第1の光学フィルム40及び第2の光学フィルム41を回転させながら、方位角0°及び180°(すなわち左右方位)、視角50°の視線で液晶表示素子を観察した。遅相軸40sの方位を160°、遅相軸41sの方位を70°にしたときに、最も透過率が低くなる現象が確認された。この現象は、図8A〜図8Cにおいて、面内リタデーションRe5及びRe6が120nmのとき、遅相軸40sの方位が160〜170°近傍で極小値を示すことに対応する。
図10に、第2の実施例による液晶表示素子の概略模式図を示す。第1の実施例では、表側偏光板30と液晶セル20との間に、2枚の光学フィルムを配置したが、第2の実施例では、3枚の負の二軸フィルム、すなわち第1の光学フィルム40、第2の光学フィルム41、及び第3の光学フィルム42が配置される。その他の構成は、第1の実施例による液晶表示素子と同一である。
図11に、第2の実施例による液晶表示素子の視角特性のシミュレーション結果を示す。横軸は視角を単位「°」で表し、縦軸は透過率を単位「%」で表す。液晶セル20のリタデーションΔndは900nmとし、第1〜第3の光学フィルム40〜42の面内リタデーションRe7〜Re9は、すべて50nmとし、厚さ方向のリタデーションRth7〜Rth9は、すべて220nmとした。第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位Φ7を45°とした。第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位Φ8、及び第3の光学フィルム42の遅相軸42sの方位Φ9の種々の組み合わせについて、透過率の視角依存性を算出した。
第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位Φ8を0°とし、第3の光学フィルム42の遅相軸42sの方位Φ9を90°とした場合に、良好な視角特性が得られることがわかる。
そこで、第2の光学フィルム41の遅相軸41sと、第3の光学フィルム42の遅相軸42sとが直交する条件を維持したまま、遅相軸41sの方位Φ8を変化させたときの透過率を求めた。
図12にその結果を示す。横軸は、第2の光学フィルム41の遅相軸41sの方位Φ8を単位「°」で表し、縦軸は透過率を単位「%」で表す。視線の方位は0°、視角は50°とした。遅相軸41sの方位Φ8を90°〜180°の範囲内とすると、0°〜90°の範囲内とした場合に比べて透過率が低くなることがわかる。
遅相軸が相互に直交するように2枚の光学フィルムを正確に貼り合わせることは困難であり、遅相軸が直交関係からずれる場合がある。以下、第2の光学フィルム41の遅相軸41sと第3の光学フィルム42の遅相軸42sとが、直交関係からずれた場合の影響について考察する。
第2の光学フィルム41の遅相軸41s及び第3の光学フィルム42の遅相軸42sを、表側及び裏側の偏光板の吸収軸32a及び11aと平行または直交に配置する場合、第2及び第3の光学フィルム41及び42の光学異方性は観察されにくい。従って、遅相軸41sと遅相軸42sとが直交関係からずれても、その影響は小さい。例えば、正面観察時における透過率が顕著に変動することはない。
ところが、遅相軸41s及び遅相軸42sが、偏光板の吸収軸32a、11aに対して45°の角度をなすように配置する場合、第2及び第3の光学フィルム41、42の光学異方性が顕著に観察される。このため、遅相軸41sと遅相軸42sとが直交関係から0.5°でもずれると、正面観察時における透過率が大きく上昇し、コントラストの低下を招く。
従って、第2の光学フィルム41の遅相軸41s及び第3の光学フィルム42の遅相軸42sが、表側及び裏側の偏光板の吸収軸32a及び11aと平行または直交になるように配置することが好ましい。
第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位Φ7を135°として、第2の光学フィルム41の遅相軸41s及び第3の光学フィルム42の遅相軸42sの方位を変化させて同様のシミュレーションを行った。その結果、第1の光学フィルム40の遅相軸40sの方位Φ7を45°にするほうが有利であることがわかった。このことから、表側偏光板30の吸収軸32aと第1の光学フィルム40の遅相軸40sとを平行に配置する場合に比べて、両者のなす角度を45°以上135°以下にすることが好ましいことがわかる。この好適な条件は、液晶セル20のリタデーションΔndが550nm〜1500nmの範囲であり、光学フィルム40〜42の各々の面内リタデーションが30nm〜300nmの範囲内であり、厚さ方向のリタデーションが50nm〜300nmの範囲内のときに適用可能である。
また、第1〜第3の光学フィルム40〜42の面内リタデーションRe7〜Re9の組み合わせを変化させて視角特性のシミュレーションを行った。その結果、面内リタデーションRe7〜Re9を全て等しくすることが好ましいことがわかった。また、面内リタデーションRe7〜Re9の各々と、それらの平均値との差が10nm以下であれば、面内リタデーションRe7〜Re9が全て等しい場合と比べて遜色ない視角特性が得られることがわかった。
表側偏光板30に最も近い位置に配置されている第1の光学フィルム40の面内リタデーションRe7は、30nm〜80nmとすることが好ましい。厚さ方向のリタデーションに関しては、すべての光学フィルム40〜42で揃える必要はないが、3枚の光学フィルム40〜42の厚さ方向のリタデーションの合計、すなわちRth7+Rth8+Rth9が、液晶層のリタデーションΔndの0.5倍〜1倍であることが好ましい。
液晶層のリタデーションΔndを約900nmとし、3枚の光学フィルム40〜42の面内リタデーションRe7〜Re9の各々を50nmとし、厚さ方向のリタデーションRth7〜Rth9の各々を220nmとし、遅相軸の方位Φ7〜Φ9を、それぞれ45°、135°、45°とした液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子の視角特性を実際に測定したところ、上述のシミュレーション結果がほぼ再現されていることが確認できた。
図13に、第3の実施例による液晶表示素子の概略模式図を示す。第2の実施例では、図10に示したように、液晶セル20と表側偏光板30との間に3枚の光学フィルム40〜42を配置したが、第3の実施例では、第1の光学フィルム40と表側偏光板30との間に、負の二軸光学異方性を有する第4の光学フィルム43を配置する。これにより、合計4枚の光学フィルム40〜43が配置されることになる。
液晶層のリタデーションΔndを1180nmとし、第1〜第4の光学フィルム40〜43の面内リタデーションRe7〜Re10を全て50nmとし、厚さ方向のリタデーションRth7〜Rth10を全て220nmとした。各光学フィルム40〜43の面内遅相軸の向きの種々の組み合わせについて視角特性のシミュレーションを行った。その結果、相互に隣接する2枚の光学フィルムの面内遅相軸を直交にし、表側偏光板30に最も近い第4の光学フィルム43の面内遅相軸43sを、表側偏光板30の吸収軸32aと平行に配置したとき、最も良好な視角特性が得られることがわかった。なお、第4の光学フィルム43の面内遅相軸43sと表側偏光板30の吸収軸32aとのなす角度を45°以下とした場合に、比較的良好な視角特性が得られることがわかった。
負の二軸フィルムをさらに積層することにより、液晶層のリタデーションΔndを補償することが可能であるが、電圧印加時の表示状態を良好に維持するためには、液晶層のリタデーションΔndを1500nm以下にすることが好ましい。
次に、第3の実施例の変形例について説明する。上記第3の実施例では、図13に示したように液晶セル20と表側偏光板30との間に4枚の光学フィルム40〜43を配置したが、変形例では、5枚の光学フィルムが配置される。液晶層のリタデーションΔndを1480nmとし、各光学フィルムの面内リタデーション及び厚さ方向のリタデーションは、第3の実施例の場合と同一にした。
各光学フィルムの面内遅相軸の向きの種々の組み合わせについて視角特性のシミュレーションを行った。その結果、相互に隣接する2枚の光学フィルムの面内遅相軸を直交にし、表側偏光板30に最も近い光学フィルムの面内遅相軸を、表側偏光板30の吸収軸32aと直交に配置したとき、最も良好な視角特性が得られることがわかった。なお、表側偏光板に最も近い光学フィルムの面内遅相軸と表側偏光板30の吸収軸32aとのなす角度が45°〜135°の場合に、比較的良好な視角特性が得られることがわかった。
上記シミュレーション結果から、液晶セルと表側偏光板との間に配置される正のAプレートまたは負の二軸フィルムの枚数が偶数である場合には、表側偏光板に最も近い光学フィルムの面内遅相軸と、表側偏光板の吸収軸とのなす角度を−45°〜45°とすることが好ましく、0°とすることがより好ましいことがわかる。また、枚数が3枚以上の奇数である場合には、表側偏光板に最も近い光学フィルムの面内遅相軸と、表側偏光板の吸収軸とのなす角度を45°〜135°とすることが好ましく、90°とすることがより好ましいことがわかる。なお、いずれの場合にも、相互に隣接する光学フィルムの面内遅相軸は、相互に直交に配置することが好ましい。
図14に、上記実施例による液晶表示素子を用いた表示装置のブロック図を示す。液晶表示素子80が、相互に平行配置された複数のコモン電極81と、それに直交配置された複数のセグメント電極82とを含む。コモン電極81とセグメント電極82との交点が画素を構成する。
駆動回路90が、セグメント出力回路92とコモン出力回路91とを含む。コモン出力回路91はコモンバス93を介してコモン電極81にコモン電圧を供給する。セグメント出力回路92は、セグメントバス94を介してセグメント電極82にセグメント電圧を供給する。駆動回路90は、液晶表示素子80をマルチプレックス駆動する。ある画素のコモン電極81とセグメント電極82とに印加される電位差がオフ電圧以下であれば、その画素が黒表示状態になり、オン電圧以上であれば、その画素が白表示状態になる。
液表表示素子80を、上記実施例による構成とすることにより、黒表示状態の視角特性を改善することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
参考例による液晶表示素子の概略構成を示す模式図である。 参考例による液晶表示素子に用いられている光学フィルムの面内リタデーションと、透過率との関係をしめすグラフである。 他の参考例による液晶表示素子の概略構成を示す模式図である。 他の参考例による液晶表示素子に用いられている負の二軸フィルムの面内リタデーションと、透過率との関係をしめすグラフである。 第1の実施例による液晶表示素子の概略構成を示す模式図である。 図5に示した液晶表示素子に用いられている2枚の光学フィルムの面内遅相軸の配置例を示す模式図である。 図5に示した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。 図5に示した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。 図5に示した液晶表示素子の第1の光学フィルムの面内遅相軸の方位と透過率との関係を示すグラフである。 図5に示した液晶表示素子の第1の光学フィルムの面内遅相軸の方位と透過率との関係を示すグラフである。 図5に示した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。 第2の実施例による液晶表示素子の概略構成を示す模式図である。 図10に示した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。 図10に示した液晶表示素子の第2の光学フィルムの面内遅相軸の方位と透過率との関係を示すグラフである。 第3の実施例による液晶表示素子の概略構成を示す模式図である。 液晶表示装置のブロック図である。
符号の説明
10 裏側偏光板
11 偏光層
11a 吸収軸
12 TACベースフィルム
12s 面内遅相軸
15 負の二軸フィルム
15s 面内遅相軸
20 液晶セル
21、22 基板
23 液晶材料
25 負の二軸フィルム
25s 面内遅相軸
26 Cプレート
27 負の二軸フィルム
27s 面内遅相軸
30 表側偏光板
31 TACベースフィルム
31s 面内遅相軸
32 偏光層
32a 吸収軸
40 第1の光学フィルム
40s 面内遅相軸
41 第2の光学フィルム
41s 面内遅相軸
42 第3の光学フィルム
42s 面内遅相軸
80 液晶表示素子
81 コモン電極
82 セグメント電極
90 駆動回路
91 コモン出力回路
92 セグメント出力回路
93 コモンバス
94 セグメントバス

Claims (8)

  1. 相互にクロスニコル配置された第1及び第2の偏光板と、
    前記第1の偏光板と第2の偏光板との間に配置され、電圧無印加時に垂直配向する液晶セルと、
    前記液晶セルと、前記第1の偏光板との間に配置された偶数枚の光学異方性を有する光学フィルムとを有し、
    前記液晶セルのリタデーションが300nm以上1500nm以下であり、
    前記光学フィルムの各々の面内遅相軸の方位をx軸、それに直交する面内方位をy軸、フィルム面に垂直な方向をz軸とし、屈折率のx軸、y軸、及びz軸成分を、それぞれnx、ny、nzとしたとき、前記光学フィルムの各々は、nx>ny≧nzを満たし、面内リタデーションが300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm以上300nm以下であり、前記第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、該第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°以下であり、相互に隣接する光学フィルムの遅相軸が相互に直交する液晶表示装置。
  2. 前記光学フィルムの面内リタデーションが30nm以上70nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが110nm以上300nm以下である請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記光学フィルムの面内リタデーションが100nm以上300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが110nm以上300nm以下であり、前記第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、該第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が15°以上45°以下である請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 相互にクロスニコル配置された第1及び第2の偏光板と、
    前記第1の偏光板と第2の偏光板との間に配置され、電圧無印加時に垂直配向する液晶セルと、
    前記液晶セルと、前記第1の偏光板との間に配置された3枚以上で奇数枚の光学異方性を有する光学フィルムとを有し、
    前記液晶セルのリタデーションが550nm以上1500nm以下であり、
    前記光学フィルムの各々の面内遅相軸の方位をx軸、それに直交する面内方位をy軸、フィルム面に垂直な方向をz軸とし、屈折率のx軸、y軸、及びz軸成分を、それぞれnx、ny、nzとしたとき、前記光学フィルムの各々は、nx>ny≧nzを満たし、面内リタデーションが30nm以上300nm以下であり、厚さ方向のリタデーションが50nm以上300nm以下であり、前記第1の偏光板に最も近い位置に配置された光学フィルムの面内遅相軸と、該第1の偏光板の吸収軸とのなす角度が45°以上135°以下であり、相互に隣接する光学フィルムの遅相軸が相互に直交する液晶表示装置。
  5. 前記複数の光学フィルムの各々の面内リタデーションと、前記複数の光学フィルムの面内リタデーションの平均値との差は、10nm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記複数の光学フィルムは、同一の厚さ、及び同一の屈折率異方性を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  7. 前記複数の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションの合計が、前記液晶セルのリタデーションの0.5倍以上1倍以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  8. さらに、前記液晶セルをマルチプレックス駆動する駆動回路を有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
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