JP5727131B2 - 液晶表示素子 - Google Patents

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Description

本発明は、視角補償された垂直配向型の液晶表示素子に関する。
垂直配向型液晶セルと、クロスニコルの位置関係で配置した偏光板とを組み合わせることにより、ノーマリブラック表示が実現される。液晶セルを正面方向から観察したとき、液晶表示素子の光学特性は、クロスニコルの偏光板と同等になる。このため、透過率が非常に低くなり、容易に高いコントラストを実現することが可能になる。
液晶セルと偏光板との間に光学フィルムを挿入することにより、正面観察時だけではなく、斜め観察時にも、高いコントラストを維持することが可能である。負の一軸光学異方性または負の二軸光学異方性を有する光学フィルムを挿入した液晶表示素子が特許文献1に開示されている。液晶セルと偏光板との間に、負の二軸光学異方性を有する光学フィルムを挿入し、さらに、この光学フィルムと液晶セルとの間に、負の一軸光学異方性を有する2枚目の光学フィルムを挿入した液晶表示素子が特許文献2に開示されている。
「負の一軸光学異方性」とは、主屈折率をnx、ny、nzとしたとき、nx=ny>nzの関係をもつ光学異方性を意味する。「負の一軸光学異方性を持つ光学フィルム」とは、主屈折率nzに対応する軸が厚さ方向に平行な光学フィルムを意味する。このような光学フィルムは、負のCプレートと呼ばれる。なお、理想的な負のCプレートにおいては、nxとnyとが厳密に一致する、すなわち面内方向のリタデーションが0であるが、実際に市場に流通している負のCプレートの面内リタデーションは0ではない。一般的な負のCプレートの面内リタデーションは、好ましくは7nm以下、より好ましくは5nm以下になるように設定されている。本明細書において、7nm程度の面内リタデーションを有するCプレートも、「負の一軸光学異方性を有する光学フィルム」に分類される。
「負の二軸光学異方性」とは、主屈折率をnx、ny、nzとしたとき、nx>ny>nzの関係をもつ光学異方性を意味する。「負の二軸光学異方性を持つ光学フィルム」とは、主屈折率nzに対応する軸が厚さ方向に平行な光学フィルムを意味する。
特開昭62−210423号公報 特開2008−139783号公報
視角特性を改善した従来の液晶表示素子を、90℃程度の高温環境下に放置すると、表示画面の額縁近傍や中央において、背景の透過率が上昇し、表示品質が低下する傾向が見られる。
本発明の目的は、高温環境下においても、表示品質の低下を抑制することができる液晶表示素子を提供することである。
本発明の一観点によると、
クロスニコルの位置関係で配置された下側偏光板及び上側偏光板と、
前記下側偏光板と前記上側偏光板との間に配置され、リタデーションが500nm以上の垂直配向型液晶セルと、
前記液晶セルと前記上側偏光板との間に配置された負の一軸光学異方性を有する第1の光学フィルムと、
前記液晶セルと前記第1の光学フィルムとの間に配置され、負の二軸光学異方性を有し、面内遅相軸が、前記上側偏光板の吸収軸と直交する第2の光学フィルムと
を有し、
光学フィルムの厚さをd、面内遅相軸方位の屈折率をnx、面内進相軸方位の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、面内リタデーションを、(nx−ny)×d、厚さ方向リタデーションを、((nx+ny)/2−nz)×dで定義し、
前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1と、前記第2の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth2との合計Rth1+Rth2が、前記液晶セルの液晶層のリタデーションの50%〜150%の範囲内であり、
前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1が、前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1と前記第2の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth2との合計Rth1+Rth2の1/3〜2/3の範囲内である液晶表示素子が提供される。
第1及び第2の光学フィルムを配置することにより、高温環境下に放置した後の表示品質の劣化を抑制することができる。
一般的な視角補償を行った液晶表示素子の積層構造を示す分解斜視図である。 評価を行った液晶表示素子の積層構造を示す分解斜視図である。 評価対象の液晶表示素子を高温環境下に放置した後の透過率分布の測定結果を示すグラフである。 評価対象の液晶表示素子を高温環境下に放置した後の透過率分布の測定結果を示すグラフである。 評価対象の液晶表示素子を高温環境下に放置した後の透過率分布の測定結果を示すグラフである。 実施例による液晶表示素子の積層構造を示す分解斜視図である。 比較例による液晶表示素子の積層構造を示す分解斜視図である。 実施例及び比較例による液晶表示素子の光学フィルムの面内リタデーションと、背景の透過率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例による液晶表示素子の背景の透過率の視角特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例及び比較例による液晶表示素子の光学フィルムの面内リタデーションと、背景の透過率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例による液晶表示素子の背景の透過率の視角特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 他の実施例による液晶表示素子の積層構造を示す分解斜視図である。 実施例による液晶表示素子を用いた液晶表示装置のブロック図である。
実施例を説明する前に、従来の構造の液晶表示素子を高温環境下に放置したときの表示特性について評価を行った結果について説明する。
図1に、視角補償を行った一般的な液晶表示素子の積層構造を示す。下側偏光板10と上側偏光板30との間に、液晶セル20が配置されている。液晶セル20と上側偏光板30との間に、第1の光学フィルム25が配置されている。下側偏光板10よりも外側にバックライトが配置される。液晶表示素子を正面から観察したときの右方向が0°、上方向が90°となるように、方位角を定義する。
下側偏光板10は、偏光層10Pとベースフィルム10Bとが貼り合わされた構造を有し、上側偏光板30は、偏光層30Pとベースフィルム30Bとが貼り合わされた構造を有する。下側偏光板10と上側偏光板30とは、クロスニコルの位置関係を有する。下側偏光板10の吸収軸10aは、方位角45°の方向に平行であり、上側偏光板30の吸収軸30aは、方位角135°の方向に平行である。
ベースフィルム10B、30Bには、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)が用いられる。ベースフィルム10B、30Bの各々は、通常、約50nm程度の厚さ方向のリタデーションRthを持つ負のCプレートと考えることができる。なお、ベースフィルム10B、30Bの各々は、3nm程度の面内方向のリタデーションを持つ。なお、ベースフィルム10B、30Bの遅相軸は、それぞれ偏光層10P、30Pの吸収軸10a、30aと平行である。
液晶セル20は、一対のガラス基板21、22、及び両者の間に充填された液晶材料23を含む。ガラス基板21、22の対向面には、透明電極及び配向膜等が形成されている。下側偏光板10側のガラス基板21の配向膜には、90°の方位に向かうラビング処理が施されており、上側偏光板30側のガラス基板22の配向膜には、270°の方位に向かうラビング処理が施されている。液晶分子のプレチルト角(液晶分子のダイレクタと基板面とのなす角)は、89.9°である。液晶材料の屈折率異方性Δnは0.15であり、誘電率異方性Δεは負である。白表示状態のとき、液晶層の中央に位置する液晶分子は、方位角90°の方向にチルトする。
第1の光学フィルム25は、負の二軸光学異方性を有する。その面内遅相軸25sは、上側偏光板30の吸収軸30aと直交する。ここで、「直交」は、幾何学的に厳密に90°で交差することを意味するのではなく、製造時に生ずるアライメントの誤差程度の角度のずれが生じている場合も、「直交」関係に含まれる。
図2に、評価に用いた液晶表示素子の積層構造を示す。図2の例では、第1の光学フィルム25が、上側偏光板30の偏光層に接着されており、偏光板のベースフィルムを兼ねている。このため、図1に示したベースフィルム30Bは配置されない。その他の構成は、図1に示した液晶表示素子の構成と同一である。
第1の光学フィルム25は、TACフィルムを延伸加工することにより形成される。第1の光学フィルムの遅相軸25sは、吸収軸30aと直交する。第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1は、例えば55nmであり、厚さ方向のリタデーションRth1は、例えば220nmである。下側偏光板10には、株式会社サンリッツ製のヨウ素系偏光板を用いた。
図2に示した液晶表示素子を、90℃の環境下に250時間放置した後、室温に戻して表示特性を観察した。なお、画面サイズが50mm×50mmの正方形のものと、80mm×40mmの長方形のものとについて、評価を行った。
図3に、画面サイズが50mm×50mmの正方形の液晶表示素子の電圧無印加時における透過率の分布の測定結果を示す。上下左右の各辺の中央部分に接する領域の透過率が高くなっていることがわかる。画面の縁から離れた領域、及び4つの角の近傍の領域では、低い透過率が維持されている。
図4に、画面サイズが80mm×40mmの長方形の液晶表示素子の電圧無印加時における透過率の分布の測定結果を示す。上下の長い辺の中央に接する領域の透過率の上昇が著しい。長い辺の中央に接する領域の影響が画面中央部まで達し、中央における透過率も0.02〜0.03%まで上昇している。短い辺に接する領域の透過率は、ほとんど上昇していない。
画面の横の長さと縦の長さとの比を3:1、及び4:1にした試料においても、長い辺の中央に接する領域において、透過率の上昇が大きかった。画面の横の長さと縦の長さとの比が大きくなる程、透過率の上昇が顕著であった。また、画面の面積が大きくなる程、
透過率のムラが著しくなり、表示品質が劣化することが確認された。
図5A及び図5Bに、第1の光学フィルム25に、熱変形の小さなノルボルネン系環状オレフィン(ノルボルネンCOP)を用いた試料を高温環境下に放置した後の透過率分布の測定結果を示す。この試料は、図1に示した積層構造を有する。下側偏光板10及び上側偏光板30として、耐熱性に優れる株式会社ポラテクノ製の染料系偏光板(SHC13U)を用いた。
図5Aの試料の画面寸法は80mm×40mmであり、図5Bの試料の画面寸法は100mm×25mmである。図5Aと図4とを比較すると、図5Aの方が透過率の上昇が抑制され、透過率のムラが改善されていることがわかる。図5Bに示すように、縦横比をより大きくすると、画面中央の領域において透過率の上昇が大きくなり、透過率のムラが観察される。
図3〜図5Bに示したように、高温環境下に放置した後に透過率のムラが発生するのは、第1の光学フィルム25の遅相軸の方位が、熱収縮によって初期の方位からずれたためと考えられる。熱収縮による遅相軸の方位のずれは、長辺近傍と短辺近傍とで異なるため、透過率にムラが発生したと考えられる。
遅相軸が表面に平行な光学異方性媒質の表裏に、一対の偏光板をクロスニコル配置したときの透過率Tは、次の式で表される。
ここで、φは、下側偏光板の吸収軸と光学異方性媒質の面内遅相軸とのなす角、λは透過波長、Reは光学異方性媒質の面内リタデーションを表す。下側偏光板の吸収軸と光学異方性媒質の面内遅相軸とのなす角φが0°であれば、透過率Tは0である。ところが、光学異方性媒質の面内遅相軸の向きが、下側偏光板の吸収軸の向きからずれると、透過率Tが0ではなくなり、ずれが大きくなるに従って透過率Tが大きくなる。面内リタデーションReが小さいほど、面内遅相軸の向きがずれたときの透過率Tの上昇の程度は小さい。従って、透過率Tの上昇を抑制するためには、面内リタデーションReを小さくすることが有効であると考えられる。
図6に、実施例による液晶表示素子の積層構造を示す。以下、図2に示した液晶表示素子との相違点に着目して説明する。第1の光学フィルム25と液晶セル20との間に、第2の光学フィルム27が配置されている。図2に示した例では、第1の光学フィルム25が負の二軸光学異方性を有していたが、図6に示した例では、第1の光学フィルム25が負の一軸光学異方性を有し、第2の光学フィルム27が負の二軸光学異方性を有する。第2の光学フィルム27の面内遅相軸27sは、上側偏光板30の吸収軸30aと直交する。その他の構成は、図2に示した液晶表示素子の構成と同一である。
図7に、比較例による液晶表示素子の積層構造を示す。比較例においては、第1の光学フィルム25が負の二軸光学異方性を有し、第2の光学フィルム27が負の一軸光学異方性を有する。第1の光学フィルム25の面内遅相軸25sは、上側偏光板30の吸収軸30aと直交する。
図6に示した実施例による液晶表示素子、図2及び図7に示した比較例による液晶表示素子の背景の透過率をシミュレーションによって求めた。ここで、「背景」とは、電極が形成されておらず、電界が発生しない領域を意味する。すなわち、背景内の液晶分子は、常にほぼ垂直に配向する。以下、図2に示した比較例を「比較例C2」と表記し、図7に示した比較例を「比較例C7」と表記する。
図8に、液晶表示素子を、法線方向から右方向(方位角0°の方向)に40°傾けた視線で観察した時の透過率のシミュレーション結果を示す。横軸は、光学フィルムの面内リタデーションReを単位「nm」で表し、縦軸は、背景の透過率を単位「%」で表す。面内リタデーションReは、実施例においては第2の光学フィルム27の面内リタデーション、比較例C2及びC7においては、第1の光学フィルム25の面内リタデーションを示す。
図中の三角記号が付された実線は、図6に示した実施例の液晶表示素子の透過率を示し、菱形記号が付された破線は、比較例C7の液晶表示素子の透過率を示し、丸記号が付された点線は、比較例C2の液晶表示素子の透過率を示す。実施例及び比較例C7においては、第1の光学フィルム25及び第2の光学フィルム27の各々の厚さ方向のリタデーションを220nmとした。比較例C2においては、第1の光学フィルム25の厚さ方向のリタデーションを440nmとした。
実施例、比較例のいずれの場合でも、背景の透過率の変化は、下に凸の曲線になり、最小値を持つ。光学フィルムの面内リタデーションを、背景の透過率が最小になるときの面内リタデーションに一致させることにより、最も高いコントラストを得ることができる。このときの面内リタデーションを、「面内リタデーションの最適値」と呼ぶこととする。面内リタデーションの最適値は、実施例の場合に、他の2つの比較例に比べて小さいことがわかる。
なお、液晶層のリタデーションΔndを変化させると、背景の透過率も変化する。背景の透過率が最も小さくなるときの液晶層のリタデーションΔndは、実施例及び比較例C7の場合には540nmであり、比較例C2の場合には570nmであった。
実施例の積層構造を採用することにより、視角特性補償用の光学フィルムの面内リタデーションの最適値を小さくすることができる。数式1からわかるように、光学フィルムの面内リタデーションを小さくすると、光学フィルムの面内遅相軸の方向と、偏光板の吸収軸の方向との位置関係が、理想的な関係からずれた場合の透過率の上昇を抑制することができる。このため、高温環境下に放置した後も、良好な表示特性を維持することが可能になる。
図9に、実施例、比較例C2、C7の背景透過率と視角との関係のシミュレーション結果を示す。横軸は、視線を左右方向に傾けたときの視角を単位「°」で表す。ここで、視角は、液晶表示素子の画面の法線方向と、視線とのなす角度を意味する。右方向(方位角0°の方向)に傾けたときの視角を正とし、左方向(方位角180°の方向)に傾けたときの視角を負とした。縦軸は、背景の透過率を単位「%」で表す。図の実線が、実施例の液晶表示素子の透過率を示し、点線及び破線が、それぞれ比較例C2及びC7の液晶表示素子の透過率を示す。
実施例の液晶表示素子においては、液晶層のリタデーションΔndを540nmとし、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を30nmとした。比較例C2の液晶表示素子においては、液晶層のリタデーションΔndを570nmとし、第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1を42.5nmとした。比較例C7の液晶表示素子においては、液晶層のリタデーションΔndを540nmとし、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を70nmとした。これらの面内リタデーションRe1、Re2は、図8から得られる面内リタデーションの最適値に近い値である。
実施例及び比較例C2の液晶表示素子では、視角が60°程度まで大きくなると、背景の透過率が急激に上昇してしまうが、視角が50°よりも小さい範囲においては、十分低い透過率が維持される。比較例C7の液晶表示素子が、視角特性に最も優れているが、第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1が、実施例の第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2及び比較例C2の第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1よりも比べて大きい。このため、高温環境下に放置したときの表示ムラが発生しやすい。
実施例の構成を採用することにより、視角特性を、比較例C2と同等に維持しつつ、かつ高温環境下に放置したときの表示ムラの発生を抑制することができる。
図8、図9では、第1及び第2の光学フィルム25、27の厚さ方向の合計のリタデーションを440nmに設定した。次に、第1及び第2の光学フィルム25、27の厚さ方向の合計のリタデーションを660nmに設定した場合について考察する。図6に示した構成において、Rth1=220nm、Rth2=440nmとした実施例Ea、及びRth1=440nm、Rth2=220nmとした実施例Ebについて評価した。
比較のために、図2に示した構成において、Rth1=660nmとした比較例C2、図7に示した構成において、Rth1=220nm、Rth2=440nmとした比較例C7a、及びRth1=440nm、Rth2=220nmとした比較例C7bについても評価を行った。
図10に、液晶表示素子を、法線方向から右方向(方位角0°の方向)に40°傾けた視線で観察した時の透過率のシミュレーション結果を示す。横軸は、面内リタデーションReを単位「nm」で表し、縦軸は、背景の透過率を単位「%」で表す。ここで、面内リタデーションReは、実施例Ea、Ebにおいては第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2に相当し、比較例C2、C7a、C7bにおいては、第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1に相当する。
図10のクロス記号付きの太い実線が、実施例Eaの素子の透過率を示し、菱形記号付きの太い破線が、実施例Ebの素子の透過率を示す。丸記号付きの細い破線が、比較例C2の素子の透過率を示す。四角記号付きの細い実線が、比較例C7aの素子の透過率を示し、三角記号付きの細い点線が、比較例C7bの素子の透過率を示す。
実施例Ea及び比較例C7aの素子の液晶層のリタデーションΔndの最適値は765nmであった。実施例Eb及び比較例C7bの素子の液晶層のリタデーションΔndの最適値は795nmであった。比較例C2の素子の液晶層のリタデーションΔndの最適値は825nmであった。
面内リタデーションReの最適値は、実施例Ea、Ebの場合に、他の比較例に比べて小さいことがわかる。
図11に、実施例Ea,Eb、比較例C、C7a、C7bの素子の背景透過率と視角との関係のシミュレーション結果を示す。横軸及び縦軸の意味は、図9の場合と同一である。図11の太い実線及び太い破線が、それぞれ実施例Ea及びEbの素子の透過率を示す。細い破線が、比較例C2の素子の透過率を示す。細い実線及び細い点線が、それぞれ比較例C7a及びC7bの素子の透過率を示す。
実施例Ea、Ebにおいては、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を、それぞれ25nm、22.5nmとした。比較例C2においては、第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1を35nmとした。比較例C7a及びC7bにおいては、第1の光学フィルム25の面内リタデーションRe1を、それぞれ65nm、37.5nmとした。これらの面内リタデーションは、図10から得られる面内リタデーションReの最適値に近い値である。
比較例C7a、C7bの素子が、他の素子に比べて良好な視角特性を示しているが、これらの素子の第1の光学フィルムの面内リタデーションRe1は、他の素子の光学フィルムの面内リタデーションRe1、Re2よりも大きい。このため、高温環境下に放置したときの表示ムラが発生しやすい。
実施例Ea、Ebの素子においては、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を小さくすることにより、高温環境下に放置したときの表示ムラの発生を抑制することができる。視角が50°よりも浅い範囲内では、実施例Ea、Ebの素子は、比較例C2、C7a、C7bの素子と同等の透過率を示す。
図10に示すように、背景の透過率を最小にするという条件の下で、実施例Ebの素子の方が、実施例Eaの素子よりも、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を小さくすることができる。ところが、図11に示すように、実施例Ebの素子は、実施例Eaの素子よりも、視角を大きくしたときの透過率の上昇が顕著である。
実施例Ea、Ebの素子の評価結果から、第1の光学フィルム25の厚さ方向のリタデーションRth1を、第2の光学フィルム27の厚さ方向のリタデーションRth2に対して相対的に大きくすると、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2の最適値を小さくすることができ、リタデーションRth1を小さくすると、面内リタデーションRe2の最適値が大きくなる傾向が見られる。
また、リタデーションRth1を大きくすると、視角を大きくしたときの背景の透過率の上昇が顕著になる傾向が見られる。
視角を大きくしたときの表示品質を維持しつつ、第2の光学フィルム27の面内リタデーションRe2を小さくするために、リタデーションRth1を、リタデーションRth1とRth2との合計の1/3〜2/3の範囲内にすることが好ましい。
高温環境下に放置したときの表示ムラの発生を抑制するために、第2の光学フィルム27の面内リタデーションを30nm以下にすることが好ましい。逆に、第2の光学フィルム27の面内リタデーションを小さくしすぎると、フィルム面内における遅相軸方位の均一性が低下してしまう。このため、面内の場所によって軸ずれが生じてしまう。軸ずれを抑制するために、第2の光学フィルム27の面内リタデーションを15nm以上にすることが好ましい。
図12に、他の実施例による液晶表示素子の積層構造を示す。図6に示した実施例では、上側偏光板30に接着される第1の光学フィルム25が、偏光層のベースフィルムを兼ねていた。図12に示した実施例では、上側偏光板30が、偏光層30Pとベースフィルム30Bとを含む。このため、第1の光学フィルム25は、上側偏光板30に貼り合わされて一体型の偏光板を構成するのではなく、上側偏光板30のベースフィルム30Bに密着するように積層される。その他の構成は、図6に示した実施例による液晶表示素子の構成と同一である。
ベースフィルム30Bの厚さ方向のリタデーションは、一般的に50nm程度である。この場合、べースフィルム30Bの厚さ方向のリタデーションと、第1の光学フィルム25の厚さ方向のリタデーションとの合計を、図8〜図11の考察における厚さ方向のリタデーションRth1と考えればよい。
また、第1の光学フィルム25を、複数枚の負のCプレートで構成してもよい。この場合には、複数の負のCプレートの厚さ方向のリタデーションと、ベースフィルム30Bの厚さ方向のリタデーションとの合計を、図8〜図11の考察における厚さ方向のリタデーションRth1と考えればよい。
また、第2の光学フィルム27を、負の二軸光学異方性を有する複数の光学フィルムで構成していもよい。
図13に、上記実施例による液晶表示素子を用いた表示装置のブロック図を示す。液晶表示素子80が、相互に平行配置された複数のコモン電極81と、それに直交配置された複数のセグメント電極82とを含む。コモン電極81とセグメント電極82との交点が画素を構成する。
駆動回路90が、セグメント出力回路92とコモン出力回路91とを含む。コモン出力回路91はコモンバス93を介してコモン電極81にコモン電圧を供給する。セグメント出力回路92は、セグメントバス94を介してセグメント電極82にセグメント電圧を供給する。駆動回路90は、液晶表示素子80をマルチプレックス駆動する。ある画素のコモン電極81とセグメント電極82とに印加される電位差がオフ電圧以下であれば、その画素が黒表示状態になり、オン電圧以上であれば、その画素が白表示状態になる。
液表表示素子80を、上記実施例による構成とすることにより、高温環境下に放置したときの表示ムラの発生を抑制することができる。
図13では、ドットマトリクス型の表示装置を示したが、セグメント型の表示装置や、セグメント型とドットマトリクス型との両方を含む複合型表示装置にも、上記実施例を適用することが可能である。
液晶表示素子をマルチプレックス駆動する際に、デューティ比を高めて表示容量を多くするためには、液晶層のリタデーションΔndを大きくすることが有効である。特に、1/16デューティ比よりも高いデューティ比でマルチプレックス駆動する場合には、液晶層のリタデーションΔndを500nm以上にすることが好ましい。
液晶層のリタデーションΔndを大きくすると、高デューティ駆動が可能になるが、視角を大きくしたときの背景の表示品質の劣化が顕著になる傾向が見られる。視角特性の劣化を抑制するために、液晶層のリタデーションΔndを1000nm以下にすることが好ましい。
図8、図9では、第1及び第2の光学フィルム25、27の厚さ方向のリタデーションの合計(Rth1+Rth2)を440nmとし、図10、図11では、Rth1+Rth2を660nmとした。リタデーションRth1とRth2との合計の好適値は、液晶層のリタデーションΔndに依存する。一般的には、Rth1+Rth2を、液晶層のリタデーションΔndの50%〜150%の範囲内とすることが好ましい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 下側偏光板
20 液晶セル
21、22 ガラス基板
23 液晶材料
25 第1の光学フィルム
27 第2の光学フィルム
30 上側偏光板
80 液晶表示素子
81 コモン電極
82 セグメント電極
90 駆動回路
91 コモン出力回路
92 セグメント出力回路
93 コモンバス
94 セグメントバス

Claims (5)

  1. クロスニコルの位置関係で配置された下側偏光板及び上側偏光板と、
    前記下側偏光板と前記上側偏光板との間に配置され、リタデーションが500nm以上の垂直配向型液晶セルと、
    前記液晶セルと前記上側偏光板との間に配置された負の一軸光学異方性を有する第1の光学フィルムと、
    前記液晶セルと前記第1の光学フィルムとの間に配置され、負の二軸光学異方性を有し、面内遅相軸が、前記上側偏光板の吸収軸と直交する第2の光学フィルムと
    を有し、
    光学フィルムの厚さをd、面内遅相軸方位の屈折率をnx、面内進相軸方位の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、面内リタデーションを、(nx−ny)×d、厚さ方向リタデーションを、((nx+ny)/2−nz)×dで定義し、
    前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1と、前記第2の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth2との合計Rth1+Rth2が、前記液晶セルの液晶層のリタデーションの50%〜150%の範囲内であり、
    前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1が、前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1と前記第2の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth2との合計Rth1+Rth2の1/3〜2/3の範囲内である液晶表示素子。
  2. 前記垂直配向型液晶セルのリタデーションは540nm以上であり、
    前記第1の光学フィルムの厚さ方向のリタデーションRth1は220nm以上である請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第2の光学フィルムの面内リタデーションが30nm以下である請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. さらに、前記液晶セルをマルチプレックス駆動する駆動回路を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 前記上側偏光板は、偏光層とベースフィルムとを含み、
    前記第1の光学フィルムは、前記上側偏光板と一体とならず、前記上側偏光板の前記ベースフィルムに密着するように積層される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
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