JPH095748A - 液晶表示素子用ラビングローラー、その製造方法並びにそれを用いた液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子用ラビングローラー、その製造方法並びにそれを用いた液晶表示素子の製造方法

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JPH095748A
JPH095748A JP7149096A JP14909695A JPH095748A JP H095748 A JPH095748 A JP H095748A JP 7149096 A JP7149096 A JP 7149096A JP 14909695 A JP14909695 A JP 14909695A JP H095748 A JPH095748 A JP H095748A
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crystal display
rubbing
roller
rubbing roller
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JP7149096A
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English (en)
Inventor
Ginjirou Ishii
銀二郎 石井
Takeshi Yamamoto
武志 山本
Yasuhisa Oana
保久 小穴
Hitoshi Hado
仁 羽藤
Tsukasa Aoki
司 青木
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Toshiba Corp
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラビング条件を略一定に維持したままラビン
グ処理が可能な液晶表示素子用ラビングローラーを提供
するにある。 【構成】 短繊維27、29が植毛されるべきローラー
21上の領域に予め接着剤21が塗布され、このローラ
ー21が短繊維27、29が載置された電極23、25
間の空間に配置される。ローラー21は、接地され、電
極23、25には、高電圧が印加され、ローラー21と
電極23、25間に高電界が生じた状態でローラー21
が回転されると、高電界に沿って短繊維が飛翔して短繊
維27、29がローラー21の接着剤21に均一の密度
で埋め込まれる。このような製造方法で作られたラビン
グローラーによれば、ラビング条件を略一定に維持する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、液晶表示素子の製造
装置及びその製造方法に係り、特に、液晶表示素子用ラ
ビングローラ、その製造方法並びにそれを用いた液晶表
示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄型軽量及び低消費電力という大
きな利点を有する液晶表示素子は、日本語ワードプロセ
ッサ及びデスクトップパーソナルコンピュータ等のパー
ソナルOA機器等の表示装置をはじめ、光スイッチ用等
の光制御パネルとしても積極的に種々の機器に使用され
ている。この液晶表示素子は、代表的なものとしてその
組成から分類すると捩じれネマティック液晶、強誘電液
晶、ゲストホスト液晶及び高分子液晶等を用いた方式が
あり、表示モードで分類すると直視型及び投射型があ
る。
【0003】これらの液晶表示素子において表示の均一
性を確保する為には、基板表面に液晶分子を均一に配向
させることが必要である。また、この液晶分子の均一な
配向性に対する要請は、強誘電性液晶を用いた液晶表示
素子においても同様であるとされている。一般に、液晶
表示素子は、2枚の基板の電極間に液晶組成物が挟持さ
れ、2枚の基板の電極から液晶組成物に電圧を印加して
画像を表示する構造が採用されている。このような構造
の液晶表示素子では、電圧が印加されたときに均一な表
示を実現するには、基板に対して0.5°乃至10°の
プレチルト角が液晶分子に予め与えられることが必要と
される。通常、液晶組成物に接する配向膜は、液晶分子
にこのようなプレチルト角を与える重要な役割を有して
いる。
【0004】現在、配向膜として用いられている材料に
は、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリプロピレ
ン、変成PVA、ナイロン−エポキシ−有機チタン系な
どの様な高分子有機膜をはじめ、SiO2 などの様な無
機膜がある。このような材料の中で、一般にポリイミド
膜は、配向膜として用いられる頻度が高い材料であると
されている。一般的にこのポリイミド膜を形成するに
は、電極を形成した基板上にポリイミド溶液、或いは、
ポリアミド溶液がオフセット印刷で塗布され、この塗布
面が150℃乃至300℃の温度で加熱処理されてその
溶媒が蒸発させられて厚さ300乃至1000オングス
トローウム程度のポリイミド膜が配向膜として形成され
る。その後、上に形成されたポリイミド膜の表面がナイ
ロン布などでラビング処理されることにより前述のプレ
チルト角が液晶分子に与えられ、良好な配向性を有する
液晶表示素子を実現できる。
【0005】現在、ラビング処理では、図1(a)に示
すようなラビングローラー2が用いられ、このラビング
ローラー2が高速回転されて基板表面を擦る手法でラビ
ング処理が実行される。このラビングローラー2は、図
1(b)に示すようにアルマイト処理などの表面加工が
施された金属ローラー3に両面テープ4が貼付され、そ
の貼付された両面テープ4上に図1(c)に示すような
ナイロン布5などが巻き付けられて作られる。このよう
なラビングローラー2では、巻き付ける布5は、1枚も
のを用いている為1周した継ぎ目5Aのところが不連続
になってしまう問題がある。この継ぎ目5Aをなくそう
と本願発明者らは努力してみたが、継ぎ目5Aの部分で
は、図2(a) のように布5が重なったり、図2
(b)のようにすき間を生じたりすることがあり、綱ぎ
目5Aの部分と他の部分と完全に平坦にすることは困難
であることが判明している。
【0006】また、ラビングに際しては、布5の毛足長
さが前面で均一であることが必要である。これは、毛足
長さが不均一であると、前述のような配向不良を起こさ
せるからである。この理由は、毛足の長さが不均一また
は継ぎ目のところが不連続であると、このラビングに際
して配向膜に与えられる接触圧力が異なり、これにより
プレチルト角が個々の場所で異なる大きさとなり、閾値
電圧が一定とはならず、閾値電圧異常等に起因する表示
むらが生じるからである。しかし、現在のラビング布5
は、主に生地に植毛してから毛足長さを切り揃える工程
を経て作製され、毛足長さの均一性を確保できない問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のラビングローラーでは、布表面に不連続な継ぎ目が生
じ、ラビング処理に際してこの継ぎ目の部分が基板に接
触して正常な布表面とは異なるラビング条件で基板表面
の一部がラビングされる問題がある。また、ラビング布
の毛足長さを全て均一にできず、その長さが不均一な箇
所が生じ、これが原因でラビング条件の異なる箇所が発
生する問題がある。このようにラビング条件が基板内で
局所的に異なると、局所的にプレチルト角をはじめとす
る配向能力の異なる領域が生じ、表示不良を起こす虞れ
もある。
【0008】これらの問題を解決するために従来から種
々の提案がされている。例えば、ラビングローラーに2
箇所の凹部を設けて布を取り付けてラビングする方法
(特開昭58−186721)、粘着とホットメルトの
2層構造の接着テープを用いたラビングドラム(特開昭
62−226127)、螺旋状に布を巻き付けたローラ
ー(特開平3−156423)、熱・水・溶剤で収縮す
る素材の布(特開平4−34415)、筒状の継ぎ目の
ない布を表面に備えたローラー(特開平4−6252
1)、パイル糸を静電植毛した布をローラーに貼り付け
る方法(特開平6−289397)などが提案されてい
る。然しながら、いずれの提案も前述の問題点を十分に
解決するには至っていない。
【0009】この発明は、上述した事情に鑑みなされた
ものであって、その目的は、ラビング条件を略一定に維
持したままラビング処理が可能な液晶表示素子用ラビン
グローラ及びその製造方法を提供するにある。また、こ
の発明の他の目的は、ラビング条件を略一定に維持した
ままラビング処理が可能な液晶表示素子の製造方法を提
供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明によれば、基
材と、この基材表面の植毛領域全面に直接植毛した繊維
とを備えたことを特徴とする液晶表示素子用ラビングロ
ーラーが提供される。また、第2の発明によれば、第1
の発明の基材が略円筒形状であることを特徴とする液晶
表示素子用ラビングローラーが提供される。
【0011】更に、第3の発明によれば、第1の発明の
基材が芯材とこの芯材上を覆う層とからなることを特徴
とする液晶表示素子用ラビングローラーが提供される。
更にまた、第4の発明によれば、基材表面の植毛領域全
面に接着剤を塗布する第1の工程と、この基材表面の植
毛領域全面に繊維を直接植毛する第2の工程とを備えた
ことを特徴とする液晶表示素子用ラビングローラーの製
造方法が提供される。
【0012】また更に、第5の発明によれば、第4の発
明において、第2の工程が、基材表面の植毛領域全面に
電界の中飛翔した繊維を直接植毛する第2の工程である
ことを特徴とする液晶表示素子用ラビングローラーの製
造方法が提供される。
【0013】また、更に、第6の発明によれば、基板上
を配向処理する工程と、少なくとも2枚の前記基板を対
向させ、その間に液晶組成物を封入する工程とを備えた
液晶表示素子の製造方法において、この配向処理工程は
第1乃至3の発明の液晶表示素子用ラビングローラーを
用いて配向処理する工程をであることを特徴とする液晶
表示素子の製造方法が提供される。
【0014】
【作用】この発明のラビングローラーによれば、基材上
に直接に短繊維が植毛されていることからラビングロー
ラー上に段部が生ぜず、略均一な条件でラビング処理を
液晶表示素子の配向膜に施すことができる。
【0015】また、この発明のラビングローラーの製造
方法によれば、短繊維を接着剤に直接に植毛することが
できることから、段差の無いラビングローラーを製造す
ることができる。更に、植毛法として電界中を短繊維を
飛翔させて接着剤に短繊維を埋め込む静電植毛法を採用
していることから短繊維を均一密度で、しかも、均一な
長さでラビングローラーに埋め込むことができる。この
ようにラビングローラーでは、均一密度で均一長さで短
繊維が植毛されていることから、一定のラビング条件で
配向膜をラビング処理することができる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の液晶表示素子の製造方法に
適用される基本的な原理及びこの発明の一実施例に係る
液晶表示素子用ラビングローラー、その製造方法並びに
それを用いた液晶表示素子の製造方法を図面を参照して
詳細に説明する。
【0017】図3は、一般的な液晶表示素子の構造例が
示されている。図3に示すようにガラス製の基板6、7
の外面には、偏光板10、11が夫々設けられ、その内
面には、電極8、9、例えば、個別電極及び共通電極が
形成されている。この電極8、9上には、後に説明され
るようにラビング処理される配向膜12、13が形成さ
れている。このように配向膜12、13が形成された基
板6、7は、電極8、9が互いに対向するようにスペ―
サ14を介して配置されるとともにその間に液晶17が
充填されてシール部材15、16によってシールされて
いる。このような構造の液晶表示素子では、電極8、9
間に電圧を選択的に印加することによって液晶表示素子
がシャッターとして作用して背景或いは前面から入射さ
れた入射光線が前面から射出され、画像が表示される。
尚、図3においてTFT素子及びカラーフイルター層
は、省略されている。
【0018】図3に示す基板6、7は、後に実施例で詳
述するようにラビング処理されて図3に示すように組み
立てられる。このラビング処理に関連した液晶表示素子
の製造方法に適用されるこの発明の基本的な原理につい
て説明する。
【0019】この発明においては、ラビングローラーに
実質的に直接に短繊維を均一に植毛しているが、このラ
ビングローラーへの短繊維を均一に植毛する方法とし
て、例えば、図4に示すような静電植毛法が採用され
る。この均一植毛法では、ラビングローラーの表面にナ
イロンをはじめ、綿、レーヨン、アクリル、ポリエステ
ル、シルクなどのような短繊維が均一に植毛される。こ
の静電植毛法を用いたラビングローラーの作製手順を図
4を参照して詳細に説明する。
【0020】まず、前処理として繊維を植毛する対象と
して円筒又は円柱の基材21、例えば、SUS(鉄系合
金)製ローラーにアルマイト処理が施され、基材21の
表面がクリーニングされる。クリーニングによって基材
21の表面の汚染が除去されることから、後述する接着
剤22の接着力が低下することが防止され、また、異物
が混入して製品に欠陥が生じることが防止されることと
なる。この表面クリーニング工程では、例えば、アルコ
ールで基材21を拭く等の工程が実施される。尚、基材
21の管理、或いは、工程管理が十分になされ、基材2
1の表面の汚染の心配がない場合には、該表面のクリー
ニング処理を省略してもよいことは、明らかである。
【0021】次に、プライマー処理及びマスキング処理
の工程が実施される。これらの処理工程では、繊維が植
毛される基材表面の領域に接着剤22を塗布するに前
に、市販のプライマー剤を用いて事前処理、即ち、プラ
イマー処理が実施され、これによりその領域における接
着力が強められる。また、必要に応じて採用されるマス
キング処理により所望の領域にだけ接着剤22を塗布す
ることが可能となる。具体的には、接着剤の種類及びス
プレー法或いはディップ法等の接着剤の各種塗布方法等
に応じて、適宜のプライマー剤を用いた表面処理及び植
毛したくない特定の領域をマスク部材で覆うようなマス
キング処理等がなされる。
【0022】次に、基材表面の植毛領域に接着剤22、
例えば、市販のアクリル系エマルジョン接着剤が塗布さ
れる。この接着剤22の塗布は、スプレー法、或いは、
ディップ法が採用される。次に、植毛装置、例えば、図
4に示すような静電植毛法を採用した植毛装置によって
基材表面の植毛領域に短繊維が植毛される。
【0023】この植毛装置では、通常、基材21が接地
極(アース極)として接地され、この基材21と電極と
の間に数10キロボルトの電界が印加される。この電界
中を略電界、即ち、電気力線30に沿って、例えば、毛
足長さ1.8mm、毛足太さ20μm程の短繊維27、
29が飛翔され、図5(b)に示すように接着剤22が
塗布された基材21に向けて、直接突き刺さって短繊維
27、29が接着剤22に埋め込まれることとなる。
【0024】このように短繊維27、29を飛翔させる
方法としては、短繊維27、29が飛翔していく方向に
よりアップ法、ダウン法、アップダウン法、サイド法等
があり、繊維27、29の種類、接着剤の特性等に応じ
て適宜選択をすればよい。基材21が円筒状の場合に
は、基材21を該円筒状の中心軸の周りに回転させなが
ら植毛することが加工性、均一植毛性等の点から好まし
い。
【0025】図4に示される植毛装置では、アップ・ダ
ウン法が採用され、互いに対向する電極23、25間の
空間に回転機構26によって回転される接着剤22が塗
布された円筒状の基材、即ち、ローラー22が配置され
ている。電極23、25には、高圧発生器101から高
電圧が印加され、この電極23、25と基材21間に電
界が形成されている。基材としてのローラー22は、ア
ースされ、このローラーの上方と下方に位置される電極
23、25上には、植毛用の短繊維27、29が載置さ
れ、短繊維106が電界中の電気力線30に沿ってロー
ラー21に向かって飛翔され、図5(b)に示すように
該ローラー21の外周表面に植毛される。静電植毛法を
採用する場合には、短繊維は、電界中を電界によって飛
翔させるものでであることから、短繊維は、誘電体的性
質を有するものであることが好ましいが、必ずしも該性
質を有する短繊維だけを使用する場合には限られない。
ローラー21は、回転させつつ植毛することが最もよい
が、回転させる必要は必ずしもなく、固定の場合でも条
件設定により均一の植毛が可能である。
【0026】尚、植毛用の短繊維27、29がローラー
21の下方にのみ配されている態様がアップ法、上方に
のみ配されている態様がダウン法、横に配されている態
様がサイド法と呼ばれている。
【0027】次に、接着剤22を高温下で乾燥させて接
着力を高める処理工程が実施される。この工程の後に、
植毛工程の際に基材表面に植毛されなかった遊び毛が除
去される。この遊び毛の除毛工程では、ノズルから空気
を噴射することによる遊び毛を吹き飛ばしたり、或い
は、基材表面をブラッシングするなどの方法が採用され
る。
【0028】このような手順によって作製される図5
(b)に示されるようなラビングローラー28は、ラビ
ング処理する配向膜などの材質によって最適条件はある
ものの、毛足長さは、0. 5〜3mm程度、毛足太さ
は、5〜100μm程度、毛足密度は、5,000〜2
00,000/cm2 、傾きの方向は、ラビングローラ
ー面に対して45〜90°程度とすることができ、ラビ
ングローラー28として適切なものとして製造される。
ラビングローラー28の毛先は、丸みを帯びているほう
が良好なラビング処理が行われるが、場合によっては逆
に毛先が丸みを帯びていないものを用いることもでき
る。また、現ラビング工程では、ローラー28でラビン
グをするのが一般的であるが、ローラー28のような円
筒状のもの以外にも板状、棒状、円盤状などの基材に上
述のような静電植毛法でラビング繊維を植毛し、ラビン
グを行ってもよい。
【0029】ラビングローラー28は、その性質上、発
塵が避けられず、局部的な劣化が起こることがある。こ
のとき、ラビングローラー28は、ラビング装置から除
去され、新たなラビングローラー28に交換される。除
去されたラビングローラー28は、その使用済みのラビ
ング布がローラーから剥ぎ取られ、通常、再びそのロー
ラー表面に新しい布が形成される。このラビング布31
の交換を容易にする為に、図6(a)に示すように補助
ローラー33に熱収縮チューブ32を嵌合させてこのチ
ューブ32上に上述した工程に従って植毛処理を施し、
その後、このチューブ32を補助ローラー33から除去
し、更に、図6(b)に示すように表面をアルマイト処
理された金属ローラ21に植毛した熱収縮チューブ32
に嵌合させ、その後、図6(c)に示すようにこのチュ
ーブ32を熱収縮させて金属ローラー21に巻き付ける
構造が採用されてもよい。このような構造では、このチ
ューブ32を取り除くことが容易となり、また、予め植
毛した熱収縮チューブ32が予め用意され、これが金属
ローラー21に装着されることから、単にチューブ32
の交換のみで新たなラビングローラー21として使用す
ることができる。尚、ラビング布の除去は、表面をアル
マイト処理された金属ローラー21上の接着剤と繊維と
を単に除去するのみでもよい。このような交換を考慮し
て、ラビングローラーの基材の材質は、ポリプロピレン
樹脂、ポリアセタール等のような軽量、低価格、高リサ
イクル性の素材で作製するのが望ましい。また、従来の
ラビング布に比べて発塵が少なくすることが可能であ
る。
【0030】ローラー21の真円度、真直度は、0. 0
3%以内の歪にとどめるのが望ましく、従来のローラー
並の剛性を有するものが好ましい。静電植毛法によれ
ば、異種繊維を混ぜ合わせてラビング布を作製すること
ができ、複数種の繊維の中間的な性質を有するラビング
ローラー28を得ることも可能である。例えば、ナイロ
ンと綿を混ぜ合わせて作製したラビングローラー28で
ラビング処理を行うと、配向膜上にそれぞれの繊維単体
から成るラビングローラーでラビング処理した場合の中
間的なプレチルト角と配向状態が発現される。さらに、
繊維によって基板を擦ったときに正の帯電をするもの
(代表的には、ナイロン(ローラー表面及びガラス基板
上に形成された配向膜の材質等にもよるので必ず正に帯
電すると限らないが、帯電列中では、比較的プラス側に
位置する。))と負の帯電をするもの(代表的には、ア
クリル(ローラー表面及びガラス基板上に形成された配
向膜の材質にもよるので必ず負に帯電すると限らないな
いが、帯電列中で比較的マイナス側に位置する。))が
あるが、これらを混ぜ合わせてラビングローラーを作製
すれば、ラビング処理時に問題とされてきた静電気の極
めて小さいラビングが可能となる。当然のことながら、
異種繊維の混合比を変えることにより、ラビングローラ
ー28のラビング特性をかなりの自由度を持ってコント
ロールすることができる。
【0031】また、部分的に繊維の密度を異ならせたほ
うが良好な配向性を得られることがあるが、静電植毛法
を用いれば、繊維密度のコントロールも自在に行うこと
が可能である。
【0032】以下、上述したこの発明のラビング処理に
関する基本的な原理が適用された実施例について説明す
る。 (実施例1)既に図4を参照して説明した静電植毛法を
採用した植毛装置によって、ポリプロピレン樹脂で成形
した円筒ローラー21上に毛足長さ2mm、毛足太さ3
0μm、密度約6500本/cm2 のナイロン繊維を植
毛し、図5(b)に示すラビングローラー28を作製し
た。静電植毛の条件は、スプレー法により市販のアクリ
ル/スチレン系エマルジョン接着剤100グラム/m2
をラビングローラー表面に塗布し、次に、電極電圧設定
を40000ボルトとし、該ラビングローラーを毎分3
回転で回転させつつアップ法によりナイロン繊維を植毛
した。該植毛をした後、接着剤乾燥の為熱風炉で70
℃、25分間処理をした。こうして作製されたラビング
ローラー201は、噴射空気を用いて表面上のゴミが除
去され、クラス10000のクリーンルーム内のラビン
グ装置にセットされた。
【0033】次に、透明電極8、9が形成されたaSi
−TFT基板6とカラーフィルター基板7(図3におい
てTFT素子とカラーフィルター層は省略)を用意し
た。2枚のガラス基板6、7を中性洗剤と純水を用いて
洗浄した後、配向膜12、13(AL−1051:日本
合成ゴム社製)をオフセット印刷塗布し、ホットプレー
ト上で80℃・60sec 仮乾燥後、溶媒を完全に除去す
る為、熱風炉で180℃・30min 加熱処理を行った。
30min 後、熱風炉よりガラス基板6、7を取り出し、
10min 空冷した。
【0034】こうして準備されたガラス基板6、7に、
先に準備しておいたラビングローラー28を用いてラビ
ング処理を行った。ラビングはローラー回転数300r
pm、基板6、7に対する毛足当たり量1mm、ガラス
基板の搬送速度30m/min、気温25℃・湿度60
%の条件下で行った。
【0035】ラビング処理したガラス基板6上に直径5
μmのスペーサ14を密度100個/mm2 で散布し、
シール剤15、16の塗布を行い、ガラス基板6、7を
液晶分子が90°捩じれるように対向させ、スペーサ1
4を介して配置し、シール剤5、16により接着した。
この液晶セルに液晶組成物17(ZLI−1132:
E.メルク社製)を注入し、液晶表示素子を作製した。
【0036】このような液晶表示素子を製造ラインで5
日間流品したところ、ラビングに起因すると考えられる
不良の発生率は0. 015%未満と低く、不良の内わけ
は、ラビング布上に付着したゴミによるもののみで、高
い歩留りが実現できた。
【0037】(実施例2)ガラス基板6、7として64
0本×480本のITO透明電極を有する基板を用意
し、実施例1と同様に洗浄した後、配向膜12、13
(SE−150:日産化学社製)を250℃焼成にて成
膜した。
【0038】こうして準備されたガラス基板6、7に実
施例1のラビングローラー28を用いてラビングを行っ
た。ラビングの終わった基板6、7は、液晶分子が24
0°捻れるように組み立て、同様の液晶組成物17を注
入した。
【0039】このような液晶表示素子を製造ラインで5
日間流品したところ、ラビングに起因すると考えられる
不良の発生率は0. 01%未満と実施例1よりもさらに
低く、高い歩留りが実現できた。
【0040】(実施例3)実施例1のラビングローラー
28の代わりに毛足長さ1. 8mm、毛足太さ20μ
m、密度約13000本/cm2 の綿繊維を植毛した図
5(b)に示すようなラビングローラー28を作製し
た。接着剤の塗布と乾燥条件は実施例1と同様とし、植
毛条件については、電極電圧設定を35000ボルトと
し、ラビングローラー28を毎分3回転で回転させ、ア
ップ法により植毛した。こうして作製されたラビングロ
ーラー28は、実施例1と同様にしてゴミ除去され、ラ
ビング装置にセットされた。
【0041】このようにして作製されたラビングローラ
ー28を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を試作
流品したところ、ラビング起因の不良発生率は0. 01
%未満と低く、高い歩留りが実現できた。
【0042】(実施例4)実施例1のラビングローラー
28の代わりに毛足長さ1. 8mm、毛足太さ20μ
m、の綿繊維と毛足長さ1. 8mm、毛足太さ15μm
のレーヨン繊維を1:1で混合させたものを密度約18
000本/cm2 で植毛して図5(b)に示すようなラ
ビングローラー28を作製した。接着剤22の塗布と乾
燥条件は実施例1と同様とし、植毛条件については電極
電圧設定を30000ボルトとし、ラビングローラー2
8を毎分3回転で回転させ、アップ法により植毛した。
こうして作製されたラビングローラー28は、実施例1
と同様にしてゴミ除去され、ラビング装置にセットされ
た。
【0043】このようにして作製されたラビングローラ
ー28を用いて、実施例1と同様に液晶表示素子を試作
流品したところ、ラビング起因の不良発生率は0. 01
%未満と低く、高い歩留りが実現できた。また、実施例
3の綿単体のラビングローラー28の場合よりプレチル
ト角が約0. 2°程度大きくなっていることが判った。
このようなプレチルト角の増加により、製造マージンを
さらに拡大することが出来た。
【0044】(実施例5)図6(a)に示すように塩化
ビニール製収縮チューブ32を直径150ミリの略円筒
状の植毛補助ロール33に被せ、70゜Cで20分間熱
オーブン内で熱収縮させ、この塩化ビニール表層に実施
例1と同様の条件で静電植毛を施し、その後、接着剤乾
燥、ゴミ除去を行い、植毛補助ローラ33から取り外し
た。
【0045】この植毛補助ローラ33には、直径差3ミ
リのテーパ形状を与えておき、静電植毛加工された塩化
ビニール製熱収縮チューブ32を取り外し易くしてい
る。このようにして得られた、短繊維27、29を静電
植毛された塩化ビニール製熱収縮チューブ32を図5
(b)に示すように直径130ミリのラビングローラー
芯材21に被せ、90゜Cで20分間熱オーブン内で熱
収縮させて、図6(c)に示すようなラビングローラー
28を製作し、実施例1と同じくラビング装置にセット
しラビング処理を行った。結果は実施例1と同じく高い
歩留まりが実現できた。
【0046】(比較例1)実施例1のガラス基板6、7
を用意し、実施例1と同様に配向膜を成膜した後、従来
のナイロン製布を巻き付けたラビングローラー28を用
いてラビングし、液晶表示素子を組み立てた。このよう
な液晶表示素子を製造ラインで5日間流品したところ、
ラビング起因と考えられる不良の発生率は0. 3%と高
く、不良内わけのうち0. 28%はラビング布の継ぎ目
による表示不良で、実施例1に比べ低い歩留りに留まっ
た。
【0047】
【発明の効果】この発明によれば、配向性の優れた液晶
表示素子を作製できるラビングローラーを提供すること
ができる。また、本発明はMIM方式の液晶表示素子、
ポリシリコン−TFT液晶表示素子、ゲストホスト液晶
表示素子、強誘電液晶表示素子、投射形液晶表示素子、
液晶光シャッターなどの液晶表示素子をはじめ、プラス
ティック基板などのガラス以外の基板に対しても幅広く
応用できるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、従来のラビングローラーを概略的に
示す斜視図、(b)は、(a)に示される接着剤が塗布
されたローラー及び(c)は、(b)に示されたローラ
ーに貼付されるラビング布を示す斜視図である。
【図2】夫々図1に示された従来ラビングローラーのラ
ビング布に生じる継ぎ目を概略的に示す拡大図である。
【図3】この発明のラビング処理の対象とされる液晶表
示素子の一例を概略的に示す断面図である。
【図4】この発明の一実施例に係る静電植毛法を採用し
たラビングローラーを製造する製造装置を概略的に示す
模式図である。
【図5】図4に示される製造装置で製造されるラビング
ローラーの製造過程を概略的に示す斜視図である。
【図6】この発明の他の実施例に係るラビングローラー
の製造過程を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
6、7 … 基板 8、9 … 透明電極 10、11…偏光板 12、13 … 配向膜 14…スペーサ 15、16 … シール部材 17 … 液晶組成物 23 … 高電圧発生器 21 … ローラー 28 … ラビングローラー 27、29 … 飛翔する短繊維 32 … 熱収縮チューブ 33 … 補助ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小穴 保久 兵庫県姫路市余部区上余部50番地 株式会 社東芝姫路工場内 (72)発明者 羽藤 仁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 青木 司 栃木県足利市助戸1丁目680番地 東洋電 植株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と、この基材表面の植毛領域全面に直
    接植毛した繊維とを備えたことを特徴とする液晶表示素
    子用ラビングローラー。
  2. 【請求項2】基材と、この基材表面の植毛領域に塗布さ
    れた接着層と、この接着層に直接植毛された短繊維とを
    備えたことを特徴とする液晶表示素子用ラビングローラ
    ー。
  3. 【請求項3】前記基材は略円筒形状であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の液晶表示素子用ラビング
    ローラー。
  4. 【請求項4】前記短繊維は、0. 5〜3mmの範囲の毛
    足長さ及び5〜100μmの範囲の毛足太さを有するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子
    用ラビングローラー。
  5. 【請求項5】前記基材は、芯材とこの芯材上を覆う層と
    からなることを特徴とする請求項1または2に記載の液
    晶表示素子用ラビングローラー。
  6. 【請求項6】基材表面の植毛領域全面に接着剤を塗布す
    る第1の工程と、 この基材表面の植毛領域全面の接着剤に繊維を直接植毛
    する第2の工程とを備えたことを特徴とする液晶表示素
    子用ラビングローラーの製造方法。
  7. 【請求項7】前記第2の工程は、電界の中を飛翔した繊
    維を前記基材表面の植毛領域全面に直接植毛する工程を
    含むことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示素子用
    ラビングローラーの製造方法。
  8. 【請求項8】第1の芯材上を覆う被覆層表面の植毛領域
    全面に接着剤を塗布する第1の工程と、 電界の中飛翔した繊維を第1の芯材上を覆う被覆層表面
    の植毛領域全面に直接植毛する第2の工程と、 この第1の芯材から被覆層を除去してこの被覆層を第2
    の芯材に被覆配置する第3の工程とを備えたことを特徴
    とする液晶表示素子用ラビングローラーの製造方法。
  9. 【請求項9】基板上を配向処理する工程と及び少なくと
    も2枚の前記基板を対向させ、その間に液晶組成物を封
    入する工程とを備えた液晶表示素子の製造方法におい
    て、 前記配向処理工程は、請求項1乃至3のいずれかに記載
    の液晶表示素子用ラビングローラーを用いて配向処理す
    る工程であることを特徴とする液晶表示素子の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005234254A (ja) * 2004-02-20 2005-09-02 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示装置およびその製造方法
KR101382723B1 (ko) * 2012-06-15 2014-04-08 하이디스 테크놀로지 주식회사 액정표시장치의 배향막 러빙장치

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