JPH11305233A - 配向膜付長尺可撓性シートの製造方法及びラビング装置 - Google Patents

配向膜付長尺可撓性シートの製造方法及びラビング装置

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JPH11305233A
JPH11305233A JP12833898A JP12833898A JPH11305233A JP H11305233 A JPH11305233 A JP H11305233A JP 12833898 A JP12833898 A JP 12833898A JP 12833898 A JP12833898 A JP 12833898A JP H11305233 A JPH11305233 A JP H11305233A
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alignment film
sheet
flexible sheet
forming material
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Hidetomo Ito
秀知 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学性補償シートや液晶パネルの配向膜に用
いられる、配向膜形成材料層を備えた長尺可撓性シート
の配向膜形成材料層をラビング処理により配向膜とする
際に、配向膜形成材料層やラビングシートから発生する
樹脂微粉等が配向膜面上に残存しにくい配向膜付長尺可
撓性シートの製造方法及びラビング装置を提供するこ
と。 【解決手段】 長尺可撓性シートの配向膜形成材料層が
備えられていない側の表面で、かつ該配向膜形成材料層
と該ラビングローラとの接触面の裏側に該当する位置に
軟X線を照射しながらラビング処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネル及び光
学補償シートなどの製造に有利に利用できる配向膜を備
えた長尺可撓性シートの製造法、特に配向膜形成材料層
を備えた長尺可撓性シートの配向膜形成材料層をラビン
グ処理により配向膜とする際のラビング処理に用いるラ
ビング装置及びラビング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管型画像表示装置であるCRT
に対して、薄型、軽量、低消費電力という大きな利点を
もつ液晶表示装置は、特に、携帯用のワードプロセッサ
やパーソナルコンピュータの表示装置として一般的に使
用されている。現在普及している液晶表示素子(以下L
CDと称す)の多くは、ねじれネマチック液晶を用いて
いる。このような液晶表示素子は、一般に、液晶セルと
その両側に設けられた偏光板からなり、液晶セルは液晶
パネルと液晶パネルに電圧を印加するための電極部から
なる。さらに、この液晶パネルは透明な配向膜と液晶層
からなり、液晶層は配向膜に挟まれた構成とされる。こ
のような液晶を用いた表示方式は、複屈折モードと旋光
モードとの二つの方式に大別できる。
【0003】複屈折モードを利用する超ねじれ(スーパ
ーツィスティッド)ネマチック液晶表示装置(以下ST
N−LCDと称す)は、90度を超えるねじれ角及び急
峻な電気光学特性を有するスーパーツィスティッドネマ
チック液晶を用いている。このため、このようなSTN
−LCDは、時分割駆動による大容量の表示が可能であ
る。しかしながら、STN−LCDで実用的なコントラ
ストが得られるのは、イエローモード(黄緑/濃紺)及
びブルーモード(青/淡黄)であり、白黒モードを得る
には位相差板(一軸延伸ポリマーフィルムや補償用液晶
セル)を設ける必要があった。
【0004】TN−LCDの表示モードである旋光モー
ドでは、高速応答性(数十ミリ秒)及び高いコントラス
トが得られる。従って、旋光モードは、複屈折モードや
他のモードに比べて多くの点で有利である。しかしなが
ら、TN−LCDは、STN−LCDのように位相差板
を備えていないので、表示色や表示コントラストが液晶
表示装置を見る時の角度によって変化し易い(視野角特
性)との問題がある。
【0005】上記TN−LCDにおける視野角特性を改
善するため(即ち、視野角の拡大のため)、一対の偏光
板と液晶セルとの間に位相差板(光学補償シートともい
う)を設けることが知られている。この位相差板は、液
晶セルに対して垂直方向の位相差はほぼ0であるため真
正面からは何ら光学的作用を与えないが、傾けた時に位
相差が発現し、この作用によって液晶セルで発生する位
相差を補償するものである。
【0006】また、負の複屈折を有し、かつ光軸が傾い
ている光学補償シートも知られている。このシートは、
ポリカーボネートやポリエステル等のポリマーを延伸す
ることにより製造され、そしてシートの法線から傾いた
主屈折率の方向を持つ。しかし延伸処理によりこのよう
なシートを製造するには、極めて複雑な延伸処理が必要
とされるため、一般に知られている方法で大面積の光学
補償シートを製造することは極めて困難である。
【0007】一方、液晶性ポリマーを用いた光学補償シ
ートも知られている。例えば、液晶性を有するポリマー
を支持フィルム上の配向膜表面に塗布することにより得
られる光学補償シートや支持体と液晶性及び正の複屈折
を有する重合性棒状化合物からなる光学補償シート(複
屈折板)が知られている。さらには、簡単な製法により
全方向視野角が拡大した光学補償シートとして、透明フ
ィルム上に配向膜を形成し、配向膜上に液晶性ディスコ
ティック化合物の層が形成された光学補償シートも知ら
れている。
【0008】上述したような液晶パネル及び光学補償シ
ートにおいて、配向膜は液晶層中の液晶分子を液晶の動
作モードに適した配列や傾きに制御する役割をもつ。こ
の配向膜を作成する方法として、酸化珪素(SiO)や
有機物など蒸着する方法、LB膜を生成する方法、ポリ
イミドやポリビニルアルコール、有機シランなど(以
下、配向膜形成材料という)の薄膜をラビング処理する
方法などがあるが、生産性やコスト性などからラビング
処理による方法が一般に行われている。ラビング処理
は、ラビングシート(ラビング布)をラビングローラ円
筒軸に貼り合わせたラビングローラを配向膜形成材料の
搬送方向に対して逆方向に回転させ、ラビングシートと
配向膜形成材料を物理的に擦ることにより行われる。
【0009】さらに、最近では薄型、軽量、低消費電力
という大きな利点を有する液晶表示装置は大型CRTの
代替品として大型化が望まれており、液晶パネル及び光
学補償シートの大面積化が図られている。大面積の液晶
パネルや光学補償シートを作成するためには、大面積の
配向膜をほとんど欠陥のない状態で形成する必要があ
る。しかしながら、上記のラビング法では、配向膜の配
向性はラビング処理の色々な条件に左右されるため、そ
の工程はノウハウに依存するところが多く、連続工程で
配向欠陥のない大面積の配向膜を形成するのは難しかっ
た。
【0010】一方ではこのような問題に対して、種々の
改善がなされ、その結果が開示されつつある。例えば、
光学補償シートにおいて、ラビング時に発生する配向膜
形成材料の樹脂微粉やラビングシートから発生する塵埃
を、配向膜に付着しにくくするために、ラビングローラ
表面のラビングシートを除塵しながらラビング処理を行
う方法が提案されている(特開平9−166784号公
報)。この方法によれば、ラビング時に発生する塵埃な
どによる配向欠陥のない配向膜を、連続工程で形成する
ことができ大面積の光学補償シートを比較的容易に得る
ことができるので、一部工業的にも利用されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のラビング時に発
生する配向膜形成材料層の樹脂微粉やラビングシートか
ら発生する塵埃はラビングシート及び配向膜層に付着す
る。この樹脂微粉及び塵埃(以下、樹脂微粉等という)
が付着したまま配向膜層上に液晶層を形成すると配向欠
陥となるので、配向膜層は除塵する必要がある。しか
し、樹脂微粉等が付着した配向膜形成材料層とラビング
シートが接触し、擦られるとその摩擦によって配向膜層
と樹脂微粉等とが、それぞれ正負の対称な極性の静電気
を帯びてしまうため、配向膜層と樹脂微粉等との付着力
が大きくなるという問題があった。すなわち、配向膜層
に付着している帯電した樹脂微粉等を除塵する際には、
帯電した樹脂微粉等及び配向膜層の静電気を緩和するこ
とが必要であった。従来より、配向膜層及び樹脂微粉等
の除電は、バータイプのイオナイザーにより行われてい
た。
【0012】しかしながら、静電気を帯びた配向膜層は
樹脂微粉等を付着させやすいので、除電はラビング直後
あるいは、ラビング処理しながら行うことが望ましい
が、バータイプのイオナイザー場合では除電器の設置が
ラビング装置の配置上の制約があり難しい。またイオン
風を配向膜に吹き付けて除電する方法も考えられるが、
この場合では周囲の樹脂微粉等を配向膜に吹き付けてし
まうので、ラビング処理直後、あるいはラビング処理し
ながら除電することはできなかった。
【0013】従って、本発明の目的は、連続工程で配向
膜形成材料層を備えた長尺可撓性シートの配向膜形成材
料層をラビング処理により配向膜とする際に、配向膜層
と配向膜層に付着した樹脂微粉等をラビング処理した直
後あるいはラビング処理しながら除電することによっ
て、配向膜層に付着した樹脂微粉等の除塵を容易に行う
ことができる、すなわち、配向膜形成材料層に付着した
樹脂微粉等が配向膜面上に残存しにくい配向膜付長尺可
撓性シートの製造方法及びラビング装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、電離放射線
の高い透過力に注目し検討を重ねた結果、波長0.1〜
0.5nmの軟X線の波長領域であれば、可撓性シート
の配向膜形成材料層が備えられていない側の表面からラ
ビング処理面に照射することによって、帯電した配向膜
層及び樹脂微粉等を十分に除電できることを見出した。
すなわち、軟X線は可撓性シートを透過し配向膜層まで
達して、帯電した配向膜層及び樹脂微粉等を除電するこ
とができ、かつ軟X線の透過力を利用することにより軟
X線発生装置の設置にはラビング装置の配置上の制約が
少なくなり(例えば、ラビングローラの上部に軟X線発
生装置を設置することができる)、上記課題を解決する
に至ったのである。また、ラビングシートも除電されて
いるので、このラビングシートの表面を除塵した場合に
は、除塵効率も向上しラビングシートから配向膜層へ樹
脂微粉等の移動も少なくすることができる。
【0015】従って本発明は、一方の表面に配向膜形成
材料層を備えた長尺可撓性シートをその長さ方向に移動
させながら、配向膜形成材料層の表面を回転下にあるラ
ビングローラと接触されて擦ることにより配向膜を形成
することからなる配向膜付長尺可撓性シートの製造方法
において、可撓性シートの配向膜形成材料層が備えられ
ていない側の表面で、かつ該配向膜形成材料層と該ラビ
ングローラとの接触面の裏側に該当する位置に波長が
0.1〜0.5nmの軟X線を照射することにより配向
膜形成材料層とラビングローラとの接触により発生する
静電気を除去する配向膜付長尺可撓性シートの製造方法
にある。この発明の好ましい態様は、ラビング処理を施
す際に、ラビングローラに貼り合わされたラビングシー
トの表面をラビングローラに近接して設置された表面除
塵器により除塵することである。
【0016】また本発明は、一方の表面に配向膜形成材
料層を備えた長尺可撓性シートをその長さ方向に移動さ
せる少なくとも二個の搬送ローラ、該搬送ローラ間に備
えられたラビングローラ、該ラビングローラに近接した
位置で波長0.1〜0.5nmの範囲で電磁波を該ラビ
ングローラに向けて照射するように設けられた軟X線発
生装置を含むラビング装置にもある。この発明の好まし
い態様は、ラビングローラに貼り合わされたラビングシ
ートの表面を除塵するための表面除塵器がラビングロー
ラに近接して設置されていることである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の配向膜付長尺可撓性シー
トの製造方法及びラビング装置について、ラビング装置
の平面図(図1)を参照しながら以下に説明する。配向
膜形成材料層を備えた長尺可撓性シート1は、搬送ロー
ラ2a、2bにより上部から押えられながら、矢印の方
向に搬送され、下側より押圧されたラビングローラ(例
えば、外径300mmのもの)3が、上記搬送方向と反
対向きに回転することにより長尺可撓性シートの配向膜
形成材料層表面がラビングされる。ラビングローラはラ
ビングローラ円筒軸にベルベット等のラビングシート3
aが貼り合わせてあり、このラビングローラ表面のラビ
ングシートと配向膜形成層が擦れ合って配向膜になる。
【0018】本発明において、ラビング処理を施してい
る間、軟X線除電器4から発生する軟X線が長尺可撓性
シート面からラビングシートと配向膜形成材料層と擦れ
ている面に照射されている。この時、軟X線が空気に照
射されて、電離作用により高濃度のイオンが生成され
る。生成されたイオンのうち帯電物体付近の逆極性のも
のが、帯電電荷と結合し静電気を緩和する。また、一般
に軟X線は物質に対する透過性が大きく、合成樹脂に軟
X線を照射した場合、軟X線はほとんど吸収されずにそ
の合成樹脂を透過する。従って、長尺可撓性シート面か
ら配向膜形成材料層とラビングローラとの接触面に軟X
線を照射した場合でも、ラビング処理後に配向膜に軟X
を照射して除電した場合でも、軟X線による除電効率は
ほとんど変わらない。むしろ、ラビング処理しながら除
電することによって、配向膜層が速やかに除電されて、
樹脂微粉等を付着しにくくすることができるのでラビン
グ処理しながら除電するのが望ましい。このような軟X
線除電器としては、例えば、浜松ホトニクス(株)社製
フォトイオナイザなどが市販されており、この時の軟X
線は管球にイオン生成管を用い、管電圧+9.5kV、
電流150μAで使用され、この時発生する軟X線の波
長は0.1〜0.5nmである。
【0019】さらに、ラビング処理を施している間、ラ
ビングローラ円筒軸に貼り付けられたラビングシート3
aの表面は、ラビングローラ3側面に近接して設置され
た表面除塵器6により除塵されている。この除塵を行う
ことにより、ラビング時に発生する樹脂微粉等がラビン
グローラのラビングシート表面にはほとんど留まること
がなくなり、ラビングシート表面から配向膜層表面への
樹脂微粉等の移動がほとんど起こらない。表面除塵器と
しては、超音波振動する圧縮空気を吹き付けると共に発
生する塵埃を吸引する機能を有する超音波除塵器(装
置)を使用することが好ましい。このような超音波除塵
器は、例えば、ニューウルトラクリーナ(UVU−Wタ
イプ)として(株)伸興から市販されている。超音波除
塵器の吹き出し風速は100〜300m/秒が一般的
で、150〜250m/秒が好ましい。ローラ表面との
除塵器先端との距離は1〜3mmが好ましい。また表面
除塵器は一定周期で幅方向に反復移動させることが望ま
しい。表面除塵器による除塵むらや風圧差による局部的
なラビングシートの劣化を抑制することができるからで
ある。
【0020】ラビングローラは、モータにより作動し、
例えば、1000rpm程度まで回転速度を制御するこ
とができる。また、配向膜の平面方向のラビング角度を
調整することができる。例えば、ラビングローラを可撓
性シートの搬送方向に対して平面方向に傾けることによ
って、容易にラビング角度を調整することができる。こ
のようにラビング角度を調整した後、可撓性シートを搬
送装置によって、一定張力、一定速度(一般に5m/分
以上)で搬送しながら、ラビングローラをシートの搬送
方向とは反対の方向に一定の回転速度で回転させる。こ
れにより連続的にラビングを行なうことができる。この
ように連続的にラビングを行なうことにより、シートは
エアフォイル効果により浮上して搬送されるので、シー
トが幅方向に動くことはなく、安定して、連続的にラビ
ングを行なうことができる。
【0021】ラビング時のシート搬送速度は、一般に1
0〜50m/分であり、ラビングローラの直径は、一般
に100〜500mm(好ましくは150〜300m
m)であり、ラビングローラの回転数は150〜300
rpmが一般的である。ベースラップ角は、4〜20度
が好ましく、シートに対する張力は、1〜3N/1cm
(シート幅)が好ましい。ラビングローラの回転軸は、
一般に0〜45度の範囲で調整可能である。ラビングロ
ーラの着脱は、搬送用ローラ上下装置により接合部で着
脱できることが好ましい。
【0022】また、搬送ローラ、あるいはラビングロー
ラは、張力測定器が取り付けてあって、長尺可撓性シー
トの幅方向の張力を調整しながら、搬送あるいはラビン
グ処理を行うことができ、その長尺可撓性シートの幅方
向の両側の縁部の張力差は、0.1N/cm以下とする
のが好ましい。この長尺可撓性シートの縁部の張力差が
0.1N/cmより大きいと両縁部で配向性にばらつき
が生じやすくなり配向欠陥となりやすくなるからであ
る。
【0023】本発明で利用することができるラビング方
法は、図1で説明した方法だけでなく、長尺状シートを
連続的にラビングすることができる方法であればどのよ
うなものでも利用することができる。例えば、搬送され
る長尺状シートがパスローラ(バックアップローラ)で
支持された位置でラビングローラを押しつけるバックア
ップラビング方式、特開昭61−160720号公報に
記載されている、搬送される長尺状シートが支持されて
いるパスローラ(バックアップローラ)間で押しつける
ラップラビング方式、さらに特開平6−110059号
公報に記載されている、バックアップラビング方式でラ
ビングローラの両側でスプロケットにより支持する方法
等を利用することができる。なお上記ラビング処理が中
断された際に、クリーニングシートを上記ラビング及び
除塵システムの装置内を搬送させて、これらに付着した
樹脂微粉等を除去しても良い。そして、配向欠陥が発生
した場合には、その後ラビングを行っても配向欠陥は回
復しないことから、できるだけ工数を少なくすることが
望ましく、このためには一つのラビングローラによりラ
ビング処理を行うことがより望ましい場合もある。
【0024】
【実施例】[実施例1] (配向膜形成材料層を備えた長尺状透明フィルムの作
成)セルローストリアセテート(フジタック、富士写真
フィルム(株)製、厚さ:100μm、幅:500m
m)の長尺状フィルムの一方の側に、長鎖アルキル変性
ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)
製)5重量%水溶液を塗布し、90℃4分間乾燥させ
た。こうして、厚さ2.0μmの配向膜形成材料層を形
成した。
【0025】(配向膜形成材料層のラビング処理)配向
膜形成材料層を備えた長尺状透明フィルムを図1に記載
の装置を用いて配向膜形成材料層表面にラビング処理を
施した。上記配向膜形成材料層を備えた長尺状透明フィ
ルム1は、矢印の方向に連続して20m/分で搬送し
た。長尺状透明フィルムは搬送ローラ(ローラ外径:6
5mm、長さ:700mm)2a、2bにより上部から
押えながら搬送し、下側より押圧されたラビングローラ
(外径:300mm)3を上記搬送方向と反対向きに3
00rpmで回転させながら、ラビングローラ円筒軸に
貼り付けたラビングシート(ベルベット)3aを配向膜
形成材料層に接触させることによりラビング処理を施し
た。この時、ラビングローラに対向して設置された軟X
線除電装置4(フォトイオナイザL7120、浜松ホト
ニクス(株)製)により、透明フィルムの配向膜形成材
料層が備えられていない側の表面から配向膜形成材料層
とラビングローラの接触面の裏側に該当する面に軟X線
を照射して、帯電した配向膜及び配向膜に付着した樹脂
微粉等を除電した。この時の軟X線発生装置は管球にイ
オン生成管を用い、管電圧+9.5kV、電流150μ
Aで使用され、この時発生する軟X線の波長は0.1〜
0.4nmである。
【0026】除電された配向膜付長尺状透明フィルム
は、その配向膜層面及びフィルム面(配向膜のない面)
の樹脂微粉等を除塵した。除塵装置としては、表面除塵
器(ニューウルトラクリーナ(UVU−Wタイプ、
(株)伸興製)を使用し、ヘッド圧3000mmAq、
表面除塵器の吹き出し風速220m/秒、ローラ表面と
の除塵器先端との距離1mmで除塵を行なった。
【0027】また、ラビング処理を施している間、ラビ
ングシート(ベルベット)3aの表面を、ラビングロー
ラ側面に近接して配置されている表面除塵器6により除
塵を行った。なお、この時表面除塵器は振幅20mm、
速度5mm/秒でラビングローラ側面に平行に反復移動
させた。表面除塵器としては、超音波除塵器(ニューウ
ルトラクリーナ(UVU−Wタイプ、(株)伸興製)を
使用し、ヘッド圧3000mmAq、超音波除塵機の吹
き出し風速220m/秒、ロール表面との除塵器先端と
の距離3mmで除塵を行なった。
【0028】また、このラビング装置において、搬送ロ
ーラ2a、2bはともに、搬送ローラの両縁部間の張力
差が7N以下になるよう設定した。両縁部間の張力差が
7Nより大きくなった場合には、搬送ローラ軸受の左右
どちらかを上下に移動させラビングローラの中心線に対
して傾けることで両縁部間の張力差を調整した。また、
上記ラビングにおいて、ベースラップ角は6度であっ
た。
【0029】(配向膜を用いた光学補償シートの作成) 1)得られた配向膜を有するフィルムを、連続して20
m/分で搬送しながら、配向膜上に、ディスコティック
化合物物に、光重合開始剤(イルガキュア907、日本
チバガイギー(株)製)を上記混合物に対して1重量%
添加した混合物の10重量%メチルエチルケトン溶液
(塗布液)を、ワイヤーバー塗布機により、塗布速度2
0m/分、塗布量5cc/m2 で塗布し、次いで乾燥及
び加熱ゾーンを通過させた。乾燥ゾーンは常温、加熱ゾ
ーンは130℃に調製した。塗布後3秒後に乾燥ゾーン
に入り、3秒後加熱ゾーンに入った。加熱ゾーンは約3
分で通過した。
【0030】2)次いで、この配向膜及び液晶層が塗布
されたフィルムを、連続して20m/分で搬送しなが
ら、液晶層の表面に紫外線ランプにより紫外線を照射し
た。即ち、上記加熱ゾーンを通過したフィルムは、紫外
線照射装置(紫外線ランプ:出力160W/cm、発光
長1.6m)により、照度600mWの紫外線を4秒間
照射し、液晶層を架橋させた。
【0031】3)さらに配向膜及び液晶層が形成された
透明フィルムは、検査装置により透明フィルム表面の光
学特性が測定され、検査を行ない、次いで、液晶層表面
に保護フィルムをラミネート機により積層し、巻き取り
装置により巻き取って、長尺状光学補償シートを得た。
【0032】[比較例1]実施例において、配向膜形成
材料層のラビング処理において、軟X線による除電を行
わずに、ラビング処理後、バータイプのイオナイザーに
て除電を行った以外は、実施例と同様にして長尺状光学
補償シートを得た。
【0033】(光学補償シートの評価) 1)上記のようにして長尺状の光学補償シートを1時間
製造した後、得られる光学補償シートを顕微鏡により観
察し(検査工程で行なった)、シート1m2 当たりに直
径20μm以上の点欠陥があるか否か(またある場合に
はその数)を観察した。 2)上記1)の1時間製造後の光学補償シートを、TN
型液晶表示装置に装着し、得られた画像について、表示
欠陥の有無及び視認性(表示画像の乱れの有無等)を評
価した。上記結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1 ─────────────────────────────── 点欠陥 表示欠陥 視認性 ─────────────────────────────── 実施例1 なし なし 表示ムラなし 比較例1 わずかにあり わずかにあり 表示ムラわずかにあり ───────────────────────────────
【0035】
【発明の効果】本発明の配向膜付長尺可撓性シートの製
造方法及びラビング装置を用いて、ラビング処理を行う
ことにより、配向膜層及び配向膜層に付着した樹脂微粉
等の除電をラビング処理しながら行えるので、配向膜層
に樹脂微粉等が付着しにくくなる。またラビングシート
も除電され、かつその表面を除塵することでラビングシ
ートに付着した樹脂微粉等も少なくなり、ラビングシー
トから配向膜層への樹脂微粉等の移動も少なくなる。よ
って、ラビング処理後に除塵した配向膜層には残存する
樹脂微粉等を少なくなる。従って、本発明の製造方法お
よび装置を用いて製造される配向膜から得られる光学補
償シートは、樹脂微粉等による配向欠陥がなく、これを
液晶表示装置に装着した場合、ディスコティック層の液
晶層に由来する視野角の拡大が得られるだけでなく、画
像欠陥もほとんどないものとなる。また、軟X線除電器
はラビング装置に近接した位置に備えられているので、
製造ラインの短縮化が図られ作業効率が向上する。さら
には、配向欠陥のない配向膜を、連続工程により効率よ
く得ることができることから、本発明の製造方法及び装
置により光学補償シートや液晶パネルの大量生産を可能
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に従うラビング装置の一例の
断面図である。
【符号の説明】
1 配向膜形成材料層を備えた可撓性シート 2a、2b 搬送ローラ 3 ラビングローラ 3a ラビングシート 4 軟X線除電器 5 高圧電源 6 表面除塵器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面に配向膜形成材料層を備えた
    長尺可撓性シートをその長さ方向に移動させながら、配
    向膜形成材料層の表面を回転下にあるラビングローラと
    接触させて擦ることにより配向膜を形成することからな
    る配向膜付長尺可撓性シートの製造方法において、可撓
    性シートの配向膜形成材料層が備えられていない側の表
    面で、かつ該配向膜形成材料層と該ラビングローラとの
    接触面の裏側に該当する位置に波長が0.1〜0.5n
    mの軟X線を照射することにより配向膜形成材料層とラ
    ビングローラとの接触により発生する静電気を除去する
    ことを特徴とする配向膜付長尺可撓性シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 該ラビングローラの表面をラビングロー
    ラに近接して設置された表面除塵器により除塵すること
    を含む請求項1に記載の配向膜付長尺可撓性シートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 一方の表面に配向膜形成材料層を備えた
    長尺可撓性シートをその長さ方向に移動させる少なくと
    も二個の搬送ローラ、該搬送ローラ間に備えられたラビ
    ングローラ、該ラビングローラに近接した位置で波長
    0.1〜0.5nmの範囲の電磁波を該ラビングローラ
    に向けて照射するように設けられた軟X線発生装置を含
    む配向膜付長尺可撓性シートのラビング装置。
  4. 【請求項4】 該ラビングローラに近接した位置に、該
    ラビングローラの表面を除塵するために配置された表面
    除塵器を含む請求項3に記載の配向膜付長尺可撓性シー
    トのラビング装置。
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