JP3400189B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3400189B2
JP3400189B2 JP16378095A JP16378095A JP3400189B2 JP 3400189 B2 JP3400189 B2 JP 3400189B2 JP 16378095 A JP16378095 A JP 16378095A JP 16378095 A JP16378095 A JP 16378095A JP 3400189 B2 JP3400189 B2 JP 3400189B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置の製造方法
に関し、特に視野角が広い液晶表示装置の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄く、低電圧駆動が可
能であるので、腕時計、電卓等の表示装置として広く使
用されている。特に、TFT(薄膜トランジスタ)等の
アクティブスイッチ素子を組み込んだTN型液晶表示装
置は、CRT並の表示特性を発揮し、STN型液晶表示
装置はハイデューティのマルチプレックス駆動を可能と
するので、ともにワードプロセッサー、パーソナルコン
ピュータのディスプレイやテレビ等にも用いられるよう
になってきている。
【0003】しかしながら、TN型液晶表示装置は視野
角が狭く、光利用効率が低いという欠点を持つ。TN型
液晶表示装置の視野角特性は、電圧印加時の液晶分子の
立ち上がり方向により決定される。すなわち、TN型液
晶表示装置を斜めから見る際、液晶分子の長軸方向にお
ける液晶分子が立ち上がる方向と、液晶分子の短軸方向
における液晶分子が立ち上がる方向とでは電圧−透過率
特性が異なる。このため、TN型液晶表示装置のコント
ラストは視野角に依存し、CRTのコントラストに比べ
て狭い。例えば、TN型液晶表示装置を斜め上から見る
と画面全体が白っぽく見え、斜め下から見ると画面全体
が黒く潰れて見える。このように、いずれの場合もTN
型液晶表示装置を斜めから見るとコントラストが低下す
る。
【0004】また、TN型液晶表示装置により中間調表
示を行う場合に、TN型液晶表示装置を斜め下から見る
と色反転(階調反転)が起こる。例えば、人間を表示さ
せて、これを斜め下から見ると、肌の色が黒く見え、髪
の毛の色が白く見え、白黒が逆転してしまう。
【0005】これらの点から、液晶表示装置の視野角を
評価する際には、コントラストが5:1以上得られる角
度、あるいは階調反転が起こらない角度で視野角の広さ
を数値化する。
【0006】視野角を広くとる方法として、液晶分子の
立ち上がり方向を画素内で変えることにより、面内方向
における視野角の違いを相互に補償させる試みがなされ
ている。このような液晶分子の立ち上り方向を画素内で
変える方法には種々の方法があるが、例えば、配向膜全
体に1回目のラビング配向処理を施し、次いでその配向
膜上にフォトレジストを塗布し、各画素の1/2の領域
のみにレジストが残るように露光・現像する。
【0007】このとき、各画素の1/2の領域の配向膜
はフォトレジストによりマスクされ、残りの1/2の領
域の配向膜は露出する。この露出された配向膜上に前記
ラビング配向処理の方向と180°異なる方向から2回
目のラビング配向処理を施す。その後、各画素の1/2
の領域に形成されていたフォトレジストを剥離する。こ
の結果、1つの画素にラビング方向が互いに180°異
なる2つの領域が形成される。
【0008】このようにして1つの画素内にラビング方
向が互いに180°異なる2つの領域が形成された2枚
の基板を対向させて配置して液晶セルを組み立てる。液
晶分子はラビング方向によって電圧印加時の立ち上がり
方向が決定されるので、この2つの領域は1つの画素内
で液晶分子の立ち上がり方向が互いに180°異なる。
この2つの領域の視角特性(コントラスト、色反転)は
相互に補償されるので、液晶表示装置の視野角が広が
る。
【0009】しかしながら、この方法はラビング工程数
が倍になり、レジスト塗布工程、プリベーク工程、露光
・現像工程、リンス工程、ラビング配向処理工程、洗浄
工程、レジスト剥離工程、リンス工程を新たに追加する
必要があるため、工程が煩雑になるという欠点がある。
また、ラビング配向処理した配向膜がその後の現像工
程、レジスト剥離工程において、それぞれ現像液、剥離
液等により劣化するという問題、レジストによりマスク
をした状態で2回目のラビング配向処理を施したときに
レジストが削れてしまうという問題がある。
【0010】液晶分子の立ち上がり方向を画素内で変え
る別の方法として、配向膜の画素の1/2の領域に紫外
線を照射し、配向膜表面の極性を部分的に変えることに
より、液晶分子の立ち上がり方向を画素内で変化させる
ことも試みられている(特開平5−210099号公
報)。この方法では、紫外線が照射された部分は、配向
膜の材料であるポリイミドの分子鎖が切れて、そこに酸
素原子が付加されて酸化される。これにより、配向膜表
面の極性が高くなり、親水性になる。このため、この部
分は液晶材料との親和性が向上してプレチルト角が小さ
くなる。
【0011】また、このような配向膜を有する一対の基
板を、紫外線を照射した領域(プレチルト角が小さい領
域)と照射しない領域(プレチルト角が大きい領域)と
が対向するように配置し、その間に液晶材料を注入して
なる液晶表示装置が開示されている(特開平6−281
937号公報)。この液晶表示装置では、電圧を印加し
たときに、液晶分子はプレチルト角が大きい領域(紫外
線を照射しない領域)の影響を強く受けて、プレチルト
角が小さい領域(紫外線を照射した領域)のプレチルト
の方向と180°反対の方向に立ち上がる。すなわち、
液晶分子は、プレチルト角が大きい領域のプレチルト方
向に揃う。その結果、1つの画素内で液晶分子の立ち上
がり方向が互いに180°異なる2つ領域ができ、この
2つ領域の視角特性は相互に補償されるので、液晶表示
装置の視野角が広がる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法においては、紫外線を照射した領域と照射しない領域
で配向膜の性質(例えば、極性、親水性、帯電性、誘電
率、厚さ)が異なる。このため、液晶表示装置を交流駆
動させたときに、紫外線を照射した配向膜中に電荷、特
に負電荷が蓄積し、正極側と負極側で電圧の絶対値が等
しくなくなる。したがって、液晶表示装置としては、フ
リッカー(ちらつき)または焼き付きといった表示不良
となる。
【0013】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、視野角が広く、かつ配向膜の膜質の変化に起因す
る表示不良(フリッカー、焼き付き)がない液晶表示装
置を効率よく得ることができる製造方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、一方の
主面上に配向膜をそれぞれ有する第1および第2の基板
と、前記配向膜が対向するようにして配置された前記第
1および第2の基板間に挟持された液晶材料を具備する
液晶表示装置であって、前記第1の基板の前記配向膜は
第1の領域および前記第1の領域の配向度よりも小さい
配向度を有する第2の領域に区画され、前記液晶材料が
スプレイ変形歪みを有するようにして前記第1および第
2の基板が配置されていることを特徴とする液晶表示装
置を提供する。
【0015】この液晶表示装置においては、第2の基板
の配向膜は、第1の領域および前記第1の領域の配向度
よりも小さい配向度を有する第2の領域に区画され、前
記第1の基板の前記第1の領域および前記第2の領域
と、前記第2の基板の前記第2の領域および前記第1の
領域とがそれぞれ対向するように前記第1および第2の
基板が配置されていることが好ましい。
【0016】また、この液晶表示装置においては、第2
の基板の前記配向膜の配向度は、前記第1の基板の前記
第1の領域の配向度よりも小さく、かつ前記第1の基板
の前記第2の領域の配向度よりも大きいことが好まし
い。
【0017】本発明は、第1および第2の基板のそれぞ
れの主面上に配向膜を形成する工程と、前記配向膜に配
向処理を施す工程と、前記第1および第2の基板の前記
配向膜に部分的に配向緩和処理を施すことにより、第1
の領域および前記第1の領域の配向度よりも小さい配向
度を有する第2の領域を形成する工程と、前記第1の基
板の前記第1の領域および前記第2の領域と、前記第2
の基板の前記第2の領域および前記第1の領域がそれぞ
れ対向するようにし、かつ液晶材料がスプレイ変形歪み
を有するように前記第1および第2の基板を配置する工
程と、この対向配置された前記第1および第2の基板間
に液晶材料を注入する工程とを具備し、前記配向緩和処
理は、前記配向膜を有機溶剤に接触させることにより行
われることを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供
する。
【0018】また、本発明は、第1の基板の主面上に配
向膜を形成し、前記配向膜に配向処理を施す工程と、前
記第1の基板の前記配向膜の配向度よりも小さい配向度
を有するように、第2の基板の主面上に配向膜を形成
し、前記第2の基板の前記配向膜に配向処理を施す工程
と、前記第1の基板の前記配向膜に部分的に配向緩和処
理を施すことにより、第1の領域並びに前記第1の領域
の配向度および前記第2の基板の配向度よりも小さい配
向度を有する第2の領域を形成する工程と、液晶材料が
スプレイ変形歪みを有するように前記第1および第2の
基板を配置する工程と、この対向配置された前記第1お
よび第2の基板間に液晶材料を注入する工程とを具備
し、前記配向緩和処理は、前記配向膜を有機溶剤に接触
させることにより行われることを特徴とする液晶表示装
置の製造方法を提供する。
【0019】
【作用】本発明者らが有機溶剤が配向膜に及ぼす影響に
ついて研究したところ、ある種の有機溶剤は配向膜の配
向度を下げることが分かった。さらに、図1に示すよう
に、その配向度の低下に応じて液晶分子のプレチルト角
が低下することが分かった。そこで、本発明者らは、こ
れらの事実に基づいて、ある種の有機溶剤を配向膜に部
分的に接触させ、配向膜の配向度を低下させることによ
り、液晶分子のプレチルト角を部分的に下げて電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向を変化させて液晶表示装
置の視野角を広げるという本発明を実現するに至った。
【0020】本発明の方法により得られる液晶表示装置
は、対向するそれぞれの基板の配向膜が第1の領域およ
び第1の領域の配向度よりも小さい配向度を有する第2
の領域に区画され、第1の領域と第2の領域が対面する
ようにして一対の基板が配置されており、液晶材料がス
プレイ変形歪みを有することを特徴としている。
【0021】このような構成により、配向膜における1
画素内あるいは1〜数画素毎に液晶分子の立ち上がり方
向が異なる2つの領域が存在する。その2つの領域は、
互いに視角特性を補償する。これにより、液晶表示装置
が広い視野角を有するようになる。
【0022】また、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、配向膜に部分的に配向緩和処理を施すことにより、
第1の領域および第1の領域の配向度よりも小さい配向
度を有する第2の領域を画素毎に形成することを特徴と
している。
【0023】この配向緩和処理は、配向処理を施した配
向膜を部分的に(例えば、画素の1/2の領域)適当な
有機溶剤を接触させる等の簡単な工程で行うことができ
る。したがって、容易に広い視野角を有する液晶表示装
置を得ることができる。また、本発明の方法によれば、
配向緩和処理を行って配向度が異なる2つの領域を形成
するので、配向処理、すなわちラビング配向処理は1回
行えば良い。したがって、本発明の方法は工程が著しく
単純化される。
【0024】さらに、本発明の液晶表示装置の製造方法
は、有機溶剤を気体状態で用いることにより、マスクと
配向膜との間に有機溶剤を侵入させることなく第1の領
域と第2の領域を容易にパターン化することが可能とな
る。
【0025】なお、本発明において、配向膜は適当な有
機溶剤を接触させることにより配向度が低下しているだ
けであり、配向度以外の膜質(極性、帯電性、誘電率、
厚さ等)は変わらないため、液晶表示装置としてはフリ
ッカーや焼き付き等の表示不良は発生しない。
【0026】本発明において、基板としては、ガラス基
板、プラスチック基板等を用いることができる。また、
配向膜材料としては、ポリイミド、ベンゾシクロブテン
ポリマー等を用いることができる。また、液晶材料とし
ては、ネマチック液晶材料、例えばZLI−3946
(メルク社製、商品名)等を用いることができる。
【0027】本発明においては、配向膜は第1の領域お
よび第1の領域の配向度よりも小さい配向度を有する第
2の領域に区画されている。配向度の大小は、プレチル
トの大小に対応する。すなわち、配向度が大きい領域に
接する液晶分子は、プレチルト角が比較的大きくなり
(およそ3.5〜7°)、配向度が小さい領域に接する
液晶分子は、プレチルト角が比較的小さくなる(およそ
1.5〜4°)。この場合、この2つの領域は、1画素
内に形成してもよく、あるいは1〜数画素毎に形成して
いもよい。なお、配向膜の膜質の変化によるプレチルト
角の変化は配向度とは関係ない。
【0028】ここで、配向膜の配向度Sは次の式(1)
から求めることができる。 S=(D−1)/(D+2) 式(1) 式(1)中、赤外二色比Dは、配向膜のラビング配向処
理の方向と平行な方向に偏光赤外光が入射したときの配
向膜の吸光度(A1 )と、配向膜のラビング配向処理の
方向と垂直な方向に偏光赤外光が入射したときの配向膜
の吸光度(A2)の比から求められる。すなわち、 D=A1 /A2 式(2) である。なお、赤外二色比Dの測定方法は、S.Ishibash
i 他、Liquid Crystals,4,669(1989) において記載され
ている。すなわち、赤外分光光度計(好ましくはFT−
IR)の光源と配向膜を有する試料を保持する試料ホル
ダーとの間に偏光子を配置し、配向膜のラビング配向処
理方向が偏光子の偏光方向と平行になるようにして試料
ホルダーに前記試料を固定し、赤外吸光度(A1)を測
定する。次に、配向膜を試料ホルダーに固定した状態で
試料ホルダーを90度回転させて偏光子を通過した偏光
赤外光がラビング配向処理方向と垂直に配向膜に入射す
るようにして赤外吸光度(A2)を測定する。このよう
にして得られた赤外吸光度A1およびA2において、強
い吸収(ピーク)を示す波長におけるA1−A2の値か
ら二色差が算出され、A1/A2の値から二色比が算出
される。なお、配向膜の材料としてポリイミドを使用す
る場合、ポリイミドの強い赤外吸収ピークは1520〜
1490cm-1(ベンゼン環C−C伸縮振動)や、138
0〜1350cm-1(イミド環C−N伸縮振動)に現れる
ため、これらのピーク波長におけるA1−A2の値を二
色差とし、A1/A2の値を二色比とすることが好まし
い。
【0029】このため、二色比(A1 /A2 )は、測定
に供される配向膜の膜厚により異なる場合がある。この
場合、二色差(A1 −A2 )を用いて配向度を表現する
と、配向膜の膜厚の影響を除去できるので、吸光度の比
を用いて配向度を表現するときよりも好ましい。
【0030】配向膜において第1の領域および第1の領
域の配向度よりも小さい配向度を有する第2の領域に区
画する方法としては、配向膜の配向状態を部分的に緩和
する方法(配向緩和処理)が挙げられる。この配向緩和
処理としては、配向膜を有機溶剤もしくは有機溶剤を含
む樹脂と接触させる処理を挙げることができる。
【0031】また、本発明において、配向緩和処理とし
て用いられる有機溶剤は、液体の状態で前記配向膜に接
触させてもよく、気体の状態で接触させてもよい。特
に、ステンレス製マスクを使用する場合には、有機溶剤
を気体の状態で配向膜と接触させる方が、有機溶剤がマ
スクと配向膜との間に侵入することがなく工程上有利で
ある。
【0032】上記有機溶剤は、その溶解度パラメーター
(δ)が18.2×103 (J/m31/2 ≦δ≦2
5.8×103 (J/m31/2 であるものが好まし
い。これは、前記溶解度パラメーターを有する有機溶剤
分子がポリイミド分子鎖中に侵入することができるから
である。侵入した有機溶剤分子は、ポリイミドを膨潤さ
せることによりポリイミド分子鎖間の間隔を広げ、ポリ
イミド配向膜の配向度を低下させる。この条件を満たす
有機溶剤としては、アセトン、乳酸エチル、γ−ブチロ
ラクトン、ジアセトンアルコール等を挙げることができ
る。
【0033】また、上記有機溶剤は、その三次元溶解度
パラメーターが0.17≦δd/(δd+δp+δh)
≦0.60、0.16≦δp/(δd+δp+δh)、
δh/(δd+δp+δh)≦0.43(δdは分散力
成分、δpは極性力成分、δhは水素結合力成分を表
す)をすべて満足するものであることが好ましい。これ
は、前記三次元溶解度パラメーターがポリイミド配向膜
の三次元溶解度パラメーターと近似しており、有機溶剤
分子とポリイミド分子との親和性が高く、ポリイミド分
子鎖中に有機溶剤分子が侵入することができるからであ
る。侵入した有機溶剤分子は、ポリイミドを膨潤させる
ことによりポリイミド分子鎖間の間隔を広げ、ポリイミ
ド配向膜の配向度を低下させる。この条件を満たす有機
溶剤としては、アセトン、乳酸エチル、γ−ブチロラク
トン、ジメチルスルフォキシド等を挙げることができ
る。また、前記有機溶剤の三次元溶解度パラメーター
は、0.37≦δd/(δd+δp+δh)≦0.5
0、0.21≦δp/(δd+δp+δh)≦0.3
9、かつ0.11≦δh/(δd+δp+δh)≦0.
43であることが特に好ましい。この条件を満たす有機
溶剤としては、アセトン、乳酸エチル、γ−ブチロラク
トン、ジメチルスルフォキシド等を挙げることができ
る。
【0034】また、前記有機溶剤を含む樹脂としては、
環化ゴム系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、
ノボラック系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン樹脂
等を挙げることができる。
【0035】また、前記配向緩和処理の参考例として、
配向膜に赤外線レーザやIRランプ光(赤外光)を照射
させる処理を挙げることができる。赤外線レーザとして
は、気体レーザ、半導体レーザ等を挙げることができ
る。気体レーザとしては、配向膜が良好に赤外光を吸収
する波長に発振波長を有するCO2レーザ(発振波長9
〜11μm)、COレーザ(発振波長5〜6.5μ
m)、N2Oレーザ(発振波長10〜11μm)を用い
ることが好ましい。これらの気体レーザの中でも、横励
起大気圧レーザ(TEAレーザ)は高出力が得られるの
で望ましい。この横励起大気圧レーザ(TEAレーザ)
は、100〜10000μm2の微小な領域の配向度を
変化させるのに好適である。これは、横励起大気圧レー
ザが、10〜200ナノ秒の非常に短いパルスで赤外線
を発することができるため、レーザを照射した領域外に
熱が伝導しにくいためである。
【0036】また、半導体レーザは、小型、高効率、低
電力、低価格という利点があるので好ましい。半導体レ
ーザとしては、発振波長が配向膜の吸収波長と一致す
る、Al、In、As、Sb、P、Ga、Pb、Se、
Te、Sn、Ge、Sから選ばれる数種の元素で構成さ
れる化合物を材料とするレーザ、例えばAlInAsS
bレーザ、InGaAsSbレーザ、PbSnTeレー
ザ、PbSnSeレーザ、PbSSeレーザ、PbSe
Teレーザ、PbGeTeレーザ、PbGeSeレー
ザ、PbSnSeTeレーザ、PbSnSSeレーザ等
を挙げることができる。
【0037】本発明においては、配向膜が配向度(分子
鎖のコンフォーメーション)の異なる2つの領域を有す
るように形成される。この場合、2つの領域における帯
電性、誘電率等の物理的性質や、配向膜の元素組成およ
び分子量等の化学的性質はほぼ等しい。すなわち、配向
膜における2つの領域は同質であると言える。
【0038】本発明の液晶表示装置は、ツイステッドネ
マティック(TN)表示装置を始めとして、スーパーツ
イステッドネマチック(STN、SBE)表示装置、複
屈折制御(ECB)表示装置等の電界印加状態における
液晶分子の立ち上がり方向の違いにより視野角が限定さ
れる表示装置すべてに用いることができる。また、本発
明の液晶表示装置について各画素にTFT等のアクティ
ブスイッチング素子を組み込むことにより、より良好な
表示が可能となる。
【0039】以下、本発明者らが研究における配向膜に
有機溶剤を晒したときの配向度の変化、プレチルト角の
変化について説明する。まず、配向膜の材料として可溶
性ポリイミドを使用した場合において、この配向膜にラ
ビング配向処理を施した後、これに種々の有機溶剤を1
0分間接触させ、配向度の変化およびプレチルト角の変
化を調べた。これらの変化と溶解度パラメーターとの関
係を図2(A)および図2(B)に示す。図2(A)お
よび図2(B)から分かるように、有機溶剤の溶解度パ
ラメーター(δ)が18.2×103 (J/m31/2
≦δ≦25.8×103 (J/m31/2 であるとき
に、配向度およびプレチルト角が同様に低下する。した
がって、図1、図2(A)、および図2(B)から、配
向膜の配向度と液晶分子のプレチルト角との間には相関
関係があること、すなわち、配向膜において特定の有機
溶剤が接触した領域は、配向度が低下することによりプ
レチルト角が低下することが分かった。
【0040】このように、適当な溶解度パラメーターを
有する有機溶剤を配向膜に接触させて配向膜の配向度を
変化させることにより、この配向膜上の液晶分子のプレ
チルト角を制御することができる。また、有機溶剤の溶
解度パラメーターが20.0×103 (J/m31/2
≦δ≦25.8×103 (J/m31/2 である場合に
は、プレチルト角が0.5〜4°となり好ましい。
【0041】次に、三次元溶解度パラメーターとプレチ
ルト角との関係を図3に示す。図3に示すように、三次
元溶解度パラメーター(δdは分散力、δpは極性力、
δhは水素結合力を表す)が0.17≦δd/(δd+
δp+δh)≦0.60、0.16≦δp/(δd+δ
p+δh)、δh/(δd+δp+δh)≦0.43を
すべて満足するような有機溶剤を配向膜に部分的に接触
させると、配向度およびプレチルト角が低下した。さら
に、前記有機溶剤の三次元溶解度パラメーターが0.3
7≦δd/(δd+δp+δh)≦0.50、0.21
≦δp/(δd+δp+δh)≦0.39、0.11≦
δh/(δd+δp+δh)≦0.43をすべて満足す
るような有機溶剤を配向膜に部分的に接触させると、配
向度およびプレチルト角に低下が充分に大きくなる。し
たがって、図3における斜線重複部分の溶解度パラメー
ターを有する有機溶剤を配向緩和処理に用いることによ
り、液晶分子の立ち上り方向が異なる2つの領域を安定
して形成することができる。
【0042】上述したように、適当な溶解度パラメータ
ーまたは三次元溶解度パラメーターを有する有機溶剤を
配向膜に接触させて配向膜の配向度を部分的に変化させ
ることにより、この配向膜上の液晶分子のプレチルト角
を制御することができることが分かった。
【0043】配向緩和方法の参考例としては、IRラン
プや赤外線レーザを用いて配向膜を熱する方法が挙げら
れる。配向膜にIRランプ光や赤外線レーザ光を照射す
ると配向膜表面の温度は上昇する。この温度上昇により
配向膜材料がガラス転移温度近傍まで達すると、配向膜
分子の分子運動が活発になる。その結果、ラビング処理
で配向した配向膜分子鎖の配向が緩和されて配向度が低
下する。配向膜材料のガラス転移温度は熱分解温度より
もはるかに低いので、配向膜をガラス転移温度付近まで
加熱しても、配向度が低下するだけで化学的変化は生じ
ず、焼き付き等の不良は発生しない。
【0044】適当な配向緩和を起こすための温度範囲
は、配向膜のガラス転移温度をTgとすると、Tg−1
00℃〜Tg+50℃であることが好ましい。さらに好
ましくは、Tg−50℃〜Tg+30℃である。例え
ば、配向膜の材料がポリイミドである場合、配向膜表面
の温度を200℃〜350℃に上昇させることが好まし
い。さらに好ましくは250℃〜330℃である。ここ
で、1/2〜数画素ピッチといった微細な領域を選択的
に加熱する方法としては、配向膜上にマスクを配置して
IRランプ等の熱線を照射する方法、あるいは赤外線レ
ーザを用い、レーザ照射領域のスポットを絞ることによ
って微細領域を選択的に加熱する方法等が挙げられる。
なお、赤外線レーザはエネルギーが強く照射面積を直径
数十μm以下に絞れるので、微細領域に対して配向緩和
処理を短時間で行うことができる。
【0045】次に、上記の液晶分子のプレチルト角を制
御する方法を用いることにより、電圧印加時の液晶分子
の立ち上がり方向がどのように変わるかについて図4を
用いて説明する。なお、図4(A)および図4(B)
は、液晶分子43を90°捩じったTNセルを平面的か
つ模式的に示したものである。また、このTNセルにお
いては、液晶材料中に混合されたカイラル剤の捩じれの
向きと、プレチルト角により安定に液晶分子43が90
°捩じれる向きが反対になるように基板41上の配向膜
42に施すラビング配向処理の方向を選択している。す
なわち、液晶分子43がスプレイ変形歪みを有するよう
に基板の配向処理方向およびカイラル剤の捩じれ向きを
選択した。
【0046】図4において、配向膜42の斜線部の領域
は、有機溶剤に接触(配向緩和処理)させて配向度が低
下した領域(第2の領域)である。したがって、この領
域(斜線領域)上の液晶分子は、上述したようにプレチ
ルト角が低下している(低プレチルト角A)。
【0047】同一基板上において配向度の低下した領域
(第2の領域:低プレチルト角を与える)と、配向度が
低下していない領域(第1の領域、斜線領域でない領
域:高プレチルト角を与える)は隣接し、対向する基板
において第1の領域と第2の領域がそれぞれ対向するよ
うに配置している。このとき、両基板は液晶分子43が
図4に示すようにスプレイ変形歪みを有するように配置
されている。このような状態でTNセルに電圧を印加す
ると(中間調表示状態)、液晶分子43の立ち上がり方
向は、プレチルト角のより高い配向膜のプレチルト角方
向に揃う。
【0048】図4(B)に示すように、第2の領域は対
向する第1の領域の影響を受けて領域Iの液晶分子43
の立ち上がり方向と、領域IIの液晶分子43の立ち上が
り方向とが反対となる。領域Iと領域IIとは隣合うの
で、画素内の隣合う領域で液晶分子43の立ち上がる方
向が同一基板上で反対となる(180°異なる)。この
ため、2つの領域が互いの視角特性を補償し、その結果
液晶表示装置の視野角が広がる。
【0049】このような液晶分子の配向を安定に得るた
めには、低プレチルト角Aは1.5〜4°、高プレチル
ト角Bは3.5〜7°であり、低プレチルト角Aと高プ
レチルト角Bの差が2〜6°(好ましくは3〜4°)で
あることが望ましい。
【0050】したがって、本発明の液晶表示装置におけ
る高い配向度を有する領域(高プレチルト角領域)は、
化学式1の構造を有するポリイミドを用い、1360cm
-1の吸光度A1 、A2 を用いた場合にA1 −A2 ≧0.
3×10-3であることが好ましく、低い配向度を有する
領域(低プレチルト角領域)は、前記と同様の条件でA
1 −A2 ≦0.25×10-3であることが好ましい。あ
るいは、(高プレチルト角領域のA1 −A2 )/(低プ
レチルト角領域のA1 −A2 )≧1.2、好ましくは、
(高プレチルト角領域のA1 −A2 )/(低プレチルト
角領域のA1 −A2 )≧1.6である。
【0051】次に、本発明により液晶分子のプレチルト
角を低下させる方法と、紫外線(UV光)を照射して液
晶分子のプレチルト角を低下させる方法との差異につい
て説明する。
【0052】まず、紫外線を照射して配向度を変化させ
る方法との違いについて説明する。図5は本発明の方法
により液晶分子のプレチルト角を低下させた場合の配向
膜における分子の状態を示す概略図であり、図6はUV
光を照射して液晶分子のプレチルト角を低下させた場合
の配向膜における分子の状態を示す概略図である。ここ
で、配向膜の材料としては後述するポリイミド(化学式
2)を使用した。
【0053】本発明に係る方法においては、ラビングに
より配向処理を施したポリイミド膜に有機溶剤を接触さ
せると、ポリイミドの分子鎖55と分子鎖55との間に
有機溶剤の分子56が侵入し、分子鎖55間の間隔を広
げて、ポリイミド分子の配向を緩和する。この状態で加
熱処理等により有機溶剤を揮発させ、配向膜を乾燥させ
ると、配向膜の配向度が低下する。このように形成され
た配向膜を有する基板を用いて液晶セルを構成すると、
配向度を低下させた領域上の液晶分子のプレチルト角は
下がる。なお、この方法では、配向膜の配向度は変化す
るが、配向膜の元素組成や分子量は変化しない。
【0054】一方、UV光を配向膜に照射させると、ポ
リイミド分子55が切断されたり、イミド環が開裂した
りしてラジカルやラジカルイオンが生成し、その結果ポ
リイミドの分子量が低下する。また、これらのラジカル
やラジカルイオンの一部は、空気中の酸素と結合するの
で、ポリイミド膜が酸化される。このポリイミドの分子
量の低下や酸化により、配向膜表面が親水性になる。す
なわち、配向膜表面の表面エネルギーが増加する。配向
膜表面の表面エネルギーが増加すると、配向膜と液晶分
子との間の相互作用に影響を及ぼし、その結果として液
晶分子のプレチルト角が低下する。
【0055】また、UV光の照射量が多い場合は、ポリ
イミド分子が激しく切断され、部分的にアブレーション
を起こし、配向膜が部分的に薄くなり膜表面の凹凸に変
化が生じることがある。膜表面の凹凸の変化はプレチル
ト角の変化をもたらす。
【0056】UV光の照射により配向膜中の分子が切断
・開裂を起こし、配向膜中にラジカルやラジカルイオン
や酸化部位が生成した状態の配向膜を有する基板を用い
て液晶セルを構成した場合、液晶セルを駆動させると、
配向膜中のラジカルやラジカルイオンが電荷(電子や液
晶材料中のイオン性不純物)をトラップする。その結
果、配向膜は帯電して、焼き付き不良が生じる。
【0057】あるいは、UV光の照射により配向膜が酸
化した状態の配向膜を有する基板を用いて液晶セルを構
成した場合、酸素原子は電子吸引性であるので、液晶セ
ルを駆動させると、配向膜の酸化した部位が電子をトラ
ップする。その結果、配向膜は帯電して、焼き付き不良
が生じる。あるいは、UV光の照射により配向膜が薄く
なった状態の配向膜を有する基板を用いて液晶セルを構
成した場合、対向する配向膜の厚さが異なることにな
る。配向膜は誘電体であるので、その厚さが上下基板で
異なると、液晶分子にかかる実効電圧がアンバランスと
なり、焼き付き等の表示不良を生じる。
【0058】上述したように、焼き付き等の表示不良を
起こさないためには、本発明に係る方法により配向膜の
配向度を低下させてプレチルト角を下げることが好まし
い。さらに、第1と第2の領域で配向膜を構成する元素
の組成比が一定でかつ配向膜の配向度が異なる、あるい
は第1と第2の領域で配向膜を構成する分子の分子量が
一定でかつ配向膜の配向度が異なることが好ましい。
【0059】この場合、配向膜の元素の組成比を求める
方法としては、ESCA(electronspectroscopy for c
hemical analysis )等の光電子分光法等の元素分析法
が挙げられる。ESCAは高感度な分析法であり、配向
膜表面の酸化の有無や配向膜表面の元素の組成比を測定
するのに好ましい。具体的にESCAを用いて元素の組
成比を測定する場合、配向膜を有する基板を適当な大き
さに切断してESCAの試料室に入れ、試料室内を真空
に引いた状態で測定を行う。前記配向膜の第1の領域と
第2の領域について、元素の組成比が実験誤差内で一致
していれば、第1と第2の領域で配向膜を構成する元素
の組成比が一定であると言える。
【0060】また、配向膜の分子の分子量を求める方法
としては、GPC(gel permeationchromatography
)、粘度測定等の分子量分析法が挙げられる。具体的
にGPCで分子量を分析する場合には、第1の領域と第
2の領域の配向膜をそれぞれナイフ等で基板から削り取
る。これをγ−ブチロラクトン等の溶剤に溶解し、GP
Cにかける。前記配向膜の第1の領域と第2の領域につ
いて、分子量分布あるいは平均分子量が実験誤差内で一
致していれば、第1と第2の領域で配向膜を構成する分
子の分子量が一定であると言える。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。 (実施例1)図7は本発明の液晶表示装置の一実施例を
示す説明図である。図7に示すように、第1の基板であ
る透明基板にスイッチング素子としてTFT素子53を
設け、ITO等の透明電極材料で形成した200μm角
の画素電極を設けた。この画素電極は、信号線51およ
びゲート線52でマトリクス状に区画されている。ま
た、補助容量線54は、画素を2つの領域に区画するよ
うに画素の中央に設けた。一方、第2の基板である透明
基板上には、その全面に透明電極を形成し、さらにその
上にカラーフィルタおよびブラックマトリックスを形成
した。
【0062】第1および第2の基板上に、それぞれ下記
化1の(化学式1)に示す構造を分子内に有する可溶性
ポリイミドの溶液オプトマーAL(日本合成ゴム社製、
商品名)を厚さ600オングストロームで印刷し、これ
をオーブン内に載置して180℃で30分加熱して溶液
中の溶剤を揮発させ、ポリイミドからなる配向膜を形成
した。
【0063】次に、それぞれの配向膜にラビング配向処
理を施した。なお、ラビング配向処理の方向は、第1の
基板の配向膜に対しては図7中の破線方向とし、第2の
基板の配向膜に対しては図7中の実線方向とした。ま
た、ラビング配向処理の条件は、ローラ回転数200rp
m 、ローラ送り速度25mm/s、ラビング回数1回、押し
込み量0.4mmとし、ラビング配向処理時の基板温度は
70℃とした。
【0064】
【化1】
【0065】このラビング配向処理を施した第1および
第2の基板の配向膜上に有機溶剤としてアセトン(δ=
20.3×103 (J/m31/2 、δd=15.5×
103 (J/m31/2 、δp=10.4×103 (J
/m31/2 、δh=7×103 (J/m31/2 )を
インクジェット型印刷機を用いて第1の基板の画素の1
/2の領域、すなわち1画素内の信号線51、ゲート線
52、および補助容量線54により囲まれた領域の一方
のみに噴霧して、画素の1/2の領域に配向緩和処理を
施した。その後、5分間放置した後、窒素ガスを第1お
よび第2の基板全面にスプレーし、配向膜に付着したア
セトンを完全に揮発させた。
【0066】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のアセトンを
接触させた領域とアセトンを接触させない領域とが対向
するようにして第1の基板と第2の基板とを対向させて
捩じれ角90°のTNセルを形成した。このTNセルに
Np(左ねじれ)の液晶材料、すなわち第2の基板方向
から第1の基板方向を見たときに、液晶分子が左回りに
90°捩じれている液晶材料を注入し、電極間距離が6
μmの液晶表示装置を作製した。
【0067】このとき、アセトンに接触した領域のポリ
イミド分子は膨潤して配向度が下がり3.719×10
-3となり、また、アセトンに接触していない領域の配向
度は1.023×10-2であった。したがって、両者の
領域の配向度の比(アセトンに接触していない領域の配
向度/アセトンに接触した領域の配向度)は2.75で
ある。これにより、アセトンに接触した領域上の液晶分
子のプレチルト角は2°となり、また、アセトンに接触
していない領域上の液晶分子のプレチルト角は5.5°
となった。
【0068】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向が異なる2つの
領域が互いに視角を補償する。これにより、広い視野角
を有する液晶表示装置が実現される。実際に、コントラ
スト5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広
い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0069】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線の下に存
在するため、このチルトディスクリネーションラインが
表示において見えることはなく、表示上の問題はまった
くなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向状態
を示し、中間調表示においても視角による明暗の反転が
ない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触させ
た領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほぼ変
わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良は発
生しなかった。
【0070】本実施例では、ラビング配向処理時の基板
温度を70℃としている。これは、配向膜形成の際の基
板温度を室温より上げてラビング配向処理を施すことに
よりラビングの効果を上げることができるからである。
この点について以下に詳しく説明する。
【0071】ラビング配向処理では、ラビング布が配向
膜を構成する高分子と擦れる際に摩擦熱が発生する。こ
の熱は、配向膜表面の高分子を軟化(場合によっては溶
融)させる。軟化した配向膜は、ラビング布でラビング
方向に引張られて延伸される。この場合、配向膜の軟化
の度合いが大きいほど、配向膜はより延伸される。延伸
された配向膜においては、ラビング配向処理の方向に高
分子の分子主鎖が配向する。このような配向膜上の液晶
分子は、分子主鎖との相互作用によりラビング配向処理
の方向に配向する。したがって、液晶分子を信頼性よく
均一に配向させるためには、充分に配向膜を延伸する必
要がある。
【0072】充分に配向膜を延伸させるためにはラビン
グを強く行えばよいが、強くラビングをするためにロー
ラの回転数を上げたり、ラビング回数を増やしたり、押
し込み量(ラビング時に変形するラビング布の毛足の深
さ)を増やしたりする必要があるが、このようにする
と、ラビング布に付着したガラス屑等のごみが配向膜を
強く引っ掻き、配向膜に傷が付き易くなるので、ラビン
グ不良の発生率が上がる。
【0073】そこで、本実施例では、比較的弱いラビン
グ(ローラ回転数を下げたり、ラビング回数を減らした
り、押し込み量を減らしたりする)でも、充分に配向膜
を延伸し、均一で信頼性の高い液晶分子の配向が得られ
るように、ラビング配向処理時の基板温度を上げてい
る。すなわち、比較的弱いラビングでは摩擦熱の発生が
少ないため、摩擦熱による配向膜表面の高分子の軟化は
僅かであるが、基板温度を上げることにより高分子は充
分に軟化する。その結果、配向膜は充分に延伸されて、
均一で信頼性の高い液晶分子の配向を得ることができ
る。
【0074】実際に基板を加熱する方法としては、基板
を固定する載置台上にシート状のヒータを設け、適当な
電流を流して基板温度を制御する方法や基板上面から温
風を当てる方法等が挙げられる。また、基板温度は30
℃〜200℃とするのが適当である。また、ラビング配
向処理時のラビング布の温度上昇やラビング装置周辺の
温度上昇等を考慮すると、基板温度は50〜120℃で
あることが特に好ましい。
【0075】本実施例のラビング配向処理では、ラビン
グの傷による不良は300素子中1つも発生せず、歩留
りや信頼性が大幅に向上した。また、ラビング回数が減
るため、ラビング工程に要する時間を削減できた。 (実施例2)図8は本発明の液晶表示装置の他の実施例
を示す説明図である。図8に示すように、第1の基板で
ある透明基板上にスイッチング素子としてTFT素子5
3を設け、ITO等の透明電極材料で形成した200μ
m角の画素電極を設けた。この画素電極は、信号線51
およびゲート線52でマトリクス状に区画されている。
一方、第2の基板である透明基板上には、その全面に透
明電極を形成し、さらにその上にカラーフィルタおよび
ブラックマトリックスを形成した。
【0076】第1および第2の基板上に、それぞれ上記
化1の(化学式1)に示す構造を分子内に有する可溶性
ポリイミドの溶液オプトマーAL(日本合成ゴム社製、
商品名)を厚さ600オングストロームで印刷し、これ
をオーブン内に載置して180℃で30分加熱して溶液
中の溶剤を揮発させ、ポリイミドからなる配向膜を形成
した。次に、それぞれの配向膜にラビング配向処理を施
した。なお、ラビング配向処理の方向は、第1の基板の
配向膜に対しては図8中の破線方向とし、第2の基板の
配向膜に対しては図8中の実線方向とした。また、ラビ
ング配向処理の条件は、ローラ回転数200rpm 、ロー
ラ送り速度25mm/s、ラビング回数1回、押し込み量
0.4mmとした。
【0077】このラビング配向処理を施した配向膜上に
有機溶剤として乳酸エチル(δ=20.5×103 (J
/m31/2 、δd=16×103 (J/m31/2
δp=7.6×103 (J/m31/2 、δh=12.
5×103 (J/m31/2)をスクリーン印刷機を用
いて第1の基板上に図8に示すように(1画素おきに市
松模様状)塗布して配向緩和処理を施した。
【0078】上述したラビング配向処理の方向および乳
酸エチルを接触させた領域を図8に示す。また、図8に
示すように、第2の基板については、第1の基板の配向
緩和処理を施していない領域に対応する領域に上記と同
様にスクリーン印刷機を用いて乳酸エチルを部分的にス
プレーして配向緩和処理を施した。その後、10分間放
置した後、窒素ガスを第1および第2の基板全面にスプ
レーし、配向膜に付着した乳酸エチルを完全に揮発させ
た。
【0079】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜の乳酸エチル
を接触させた領域と乳酸エチルを接触させない領域とが
対向するようにして第1の基板と第2の基板とを対向さ
せて捩じれ角90°のTNセルを形成した。このTNセ
ルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間距離
が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0080】このとき、乳酸エチルに接触した領域のポ
リイミド分子は膨潤して配向度が下がり、その領域上の
液晶分子のプレチルト角は3°となった。また、乳酸エ
チルに接触していない領域上の液晶分子のプレチルト角
は6°となった。なお、配向度の比(乳酸エチルに接触
していない領域の配向度)/(乳酸エチルに接触した領
域の配向度)は2である。
【0081】この液晶表示装置は、上下方向および左右
方向で隣合う画素同士で電圧印加時の液晶分子の立ち上
がり方向が180°異なり、この立ち上がり方向が異な
る領域が互いに視角を補償する。これにより、広い視野
角を有する液晶表示装置が実現される。実際に、コント
ラスト5:1の領域は上下方向で65°であり、非常に
広い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0082】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは信号線およびゲート
線の下に存在するため、このチルトディスクリネーショ
ンラインが表示において見えることはなく、表示上の問
題はまったくなかった。また、この液晶表示装置は良好
な配向状態を示し、中間調表示においても視角による明
暗の反転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤
を接触させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚
さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き
等の不良は発生しなかった。 (実施例3)図9は本発明の液晶表示装置の他の実施例
を示す説明図である。図9に示すように、第1の基板で
ある透明基板上にスイッチング素子としてTFT素子5
3を設け、ITO等の透明電極材料で形成した40μm
角の画素電極を設けた。この画素電極は、信号線51お
よびゲート線52でマトリクス状に区画されている。一
方、第2の基板である透明基板上には、その全面に透明
電極を形成し、さらにその上にカラーフィルタおよびブ
ラックマトリックスを形成した。
【0083】第1および第2の基板上に、それぞれ熱硬
化性ポリイミドの溶液サンエバー4140(ポリアミッ
ク酸タイプ、日産化学社製、商品名)を厚さ600オン
グストロームで印刷し、これをオーブン内に載置して2
50℃で30分加熱してイミド化し、下記化2の(化学
式2)の構造を分子内に有するポリイミド配向膜を形成
した。それぞれの配向膜にラビング配向処理を施した。
なお、ラビング配向処理の方向は、第1の基板の配向膜
に対しては図9中の破線方向とし、第2の基板の配向膜
に対しては図9中の実線方向とした。また、ラビング配
向処理の条件は、ローラ回転数400rpm 、ローラ送り
速度12.5mm/s、ラビング回数3回、押し込み量0.
5mmとした。
【0084】
【化2】
【0085】このラビング配向処理を施した配向膜上に
有機溶剤としてγ−ブチロラクトン(δ=25.8×1
3 (J/m31/2 、δd=19×103 (J/m
31/2 、δp=16.6×103 (J/m31/2
δh=7.4×103 (J/m31/2 )をバブルジェ
ット型印刷機を用いて第1の基板上に図9に示すように
(2画素おきに市松模様状に)塗布して配向緩和処理を
施した。
【0086】上述したラビング配向処理の方向およびγ
−ブチロラクトンを接触させた領域を図9に示す。図9
に示すように、第2の基板については、第1の基板の配
向緩和処理を施していない領域に対応する領域に上記と
同様にバブルジェット型印刷機を用いてγ−ブチロラク
トンを部分的にスプレーして配向緩和処理を施した。そ
の後、10分間放置した後、窒素ガスを第1および第2
の基板全面にスプレーし、配向膜に付着したγ−ブチロ
ラクトンを完全に揮発させた。
【0087】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のγ−ブチロ
ラクトンを接触させた領域とγ−ブチロラクトンを接触
させない領域とが対向するようにして第1の基板と第2
の基板とを対向させて捩じれ角90°のTNセルを形成
した。このTNセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注
入し、電極間距離が6μmの液晶表示装置を作製した。
この液晶表示装置を顕微鏡により観察したところ、液晶
分子はスプレイ変形歪みを有することが確認された。
【0088】このとき、γ−ブチロラクトンに接触した
領域のポリイミド分子は膨潤して配向度が下がり、その
領域上の液晶分子のプレチルト角は2°となった。ま
た、γ−ブチロラクトンに接触していない領域上の液晶
分子のプレチルト角は6°となった。なお、γ−ブチロ
ラクトンに接触していない領域の配向度/γ−ブチロラ
クトンに接触した領域の配向度は3である。
【0089】この液晶表示装置は、上下方向および左右
方向で隣合う画素同士で電圧印加時の液晶分子の立ち上
がり方向が180°異なり、この立ち上がり方向の異な
る領域が互いに視角を補償する。これにより、広い視野
角を有する液晶表示装置が実現される。実際に、コント
ラスト5:1の領域は上下方向で55°であり、非常に
広い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0090】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは信号線およびゲート
線の下に存在するため、このチルトディスクリネーショ
ンラインが表示において見えることはなく、表示上の問
題はまったくなかった。また、この液晶表示装置は良好
な配向状態を示し、中間調表示においても視角による明
暗の反転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤
を接触させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚
さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き
等の不良は発生しなかった。 (実施例4)本実施例では、図7を用いて説明し、同一
部分は図7と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0091】第1の基板である透明基板上にスイッチン
グ素子としてTFT素子53を設け、ITO等の透明電
極材料で形成した100μm角の画素電極を設けた。こ
の画素電極は、信号線およびゲート線でマトリクス状に
区画されている。また、補助容量線54は、画素を2つ
の領域に区画するように画素の中央に設けた。一方、第
2の基板である透明基板上には、その全面に透明電極を
形成し、さらにその上にカラーフィルタおよびブラック
マトリックスを形成した。
【0092】第1および第2の基板上に、それぞれ上記
化1の(化学式1)に示す構造を分子内に有する可溶性
ポリイミドの溶液オプトマーAL(日本合成ゴム社製、
商品名)を厚さ600オングストロームで印刷し、これ
をオーブン内に載置して180℃で30分加熱して溶液
中の溶剤を揮発させ、ポリイミドからなる配向膜を形成
した。次に、それぞれの配向膜にラビング配向処理を施
した。なお、ラビング配向処理の方向は、第1の基板の
配向膜に対しては図7中の破線方向とし、第2の基板の
配向膜に対しては図7中の実線方向とした。また、ラビ
ング配向処理の条件は、ローラ回転数300rpm 、ロー
ラ送り速度18mm/s、ラビング回数2回、押し込み量
0.5mmとした。
【0093】このラビング配向処理を施した配向膜上に
有機溶剤としてアセトンを20重量%で含有した環化ゴ
ム系樹脂を超音波ジェット型印刷機を用いて第1の基板
の画素の1/2の領域、すなわち信号線、ゲート線、お
よび補助容量線により囲まれた領域のみにスプレーし
て、画素の1/2の領域に配向緩和処理を施した。
【0094】上述したラビング配向処理の方向およびア
セトンを接触させた領域を図7に示す。また、第2の基
板については、第1の基板の配向緩和処理を施していな
い領域に対応する領域に上記と同様に超音波ジェット型
印刷機を用いて環化ゴム系樹脂を部分的にスプレーして
配向緩和処理を施した。
【0095】その後、5分間放置した後、キシレン:n
−酢酸ブチル=70:30の混合溶液を第1および第2
の基板全面にスプレーし、配向膜に付着した環化ゴム系
樹脂を完全に溶解した。次いで、第1および第2の基板
をn−酢酸ブチルでリンスし、窒素ガスを第1および第
2の基板全面にスプレーし、配向膜に付着したn−酢酸
ブチルを完全に揮発させた。
【0096】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のアセトンを
接触させた領域とアセトンを接触させない領域とが対向
するようにして第1の基板と第2の基板とを対向させて
捩じれ角90°のTNセルを形成した。このTNセルに
Np(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間距離が6
μmの液晶表示装置を作製した。
【0097】このとき、アセトンに接触した領域のポリ
イミド分子は膨潤して配向度が下がり、その領域上の液
晶分子のプレチルト角は2°となった。また、アセトン
に接触していない領域上の液晶分子のプレチルト角は6
°となった。なお、配向度の比(アセトンに接触してい
ない領域の配向度)/(アセトンに接触した領域の配向
度)は3である。
【0098】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる2つの
領域が互いに視角を補償する。これにより、広い視野角
を有する液晶表示装置が実現される。実際に、コントラ
スト5:1の領域は上下方向で70°であり、非常に広
い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0099】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触
させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほ
ぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良
は発生しなかった。 (実施例5)本実施例については図10および図11を
用いて説明する。本実施例は第1の基板にのみ配向緩和
処理を施したものである。
【0100】まず、本実施例の液晶表示装置における液
晶分子のプレチルト角を制御する方法を用いることによ
り、電圧印加時の液晶分子の立ち上がり方向がどのよう
に変わるかについて図10を用いて説明する。なお、図
10(A)および図10(B)は、液晶分子43を90
°捩じったTNセルを平面的にかつ模式的に示したもの
である。また、このTNセルにおいては、液晶材料中に
混合されたカイラル剤の捩じれの向きと、プレチルト角
により安定に液晶分子43が90°捩じれる向きが反対
になるように基板41上の配向膜42に施すラビング処
理の方向を選択している。すなわち、液晶分子43がス
プレイ変形歪を有するように基板の配向処理方向、基板
の配置およびカイラル剤の捩じれ向きを選択した。
【0101】図10において、配向膜42の斜線部の領
域は、有機溶剤に接触(配向緩和処理)させて配向度が
低下した領域(第2の領域)である。したがって、この
領域(斜線領域)上の液晶分子はプレチルト角が低下し
ている(低プレチルト角A)。
【0102】同一基板上において配向度の低下した領域
(第2の領域)の低プレチルト角Aのチルトアップの方
向は、隣接する配向度が低下していない領域(第1の領
域、斜線領域以外の領域)の高プレチルト角Bのチルト
アップの方向とは一致している。
【0103】次に、第1の領域の高プレチルト角Bと第
2の領域の低プレチルト角Aの中間のプレチルト角Cと
なるようにラビング処理された一対の基板を用意し、液
晶セルを組み立てる。このとき両基板は、液晶分子43
が図10に示すようなスプレイ変形歪を有するように配
置されている。
【0104】次に、本実施例の液晶表示装置の製造方法
を図11を用いて説明する。まず、第1の基板である透
明基板上にスイッチング素子としてTFT素子53を設
け、ITO等の透明電極材料で形成した100μm角の
画素電極を設けた。この画素電極は、信号線およびゲー
ト線でマトリクス状に区画されている。また、補助容量
線は、画素を2つの領域に区画するように画素の中央に
設けた。一方、第2の基板である透明基板上には、その
全面に透明電極を形成し、さらにその上にカラーフィル
タおよびブラックマトリックスを形成した。
【0105】第1の基板(TFT素子側)上に、上記化
1の(化学式1)に示す構造を分子内に有する可溶性ポ
リイミドの溶液オプトマーAL(日本合成ゴム社製、商
品名)を厚さ600オングストロームで印刷し、これを
オーブン内に載置して180℃で30分加熱して溶液中
の溶剤を揮発させ、ポリイミドからなる配向膜を形成し
た。次に、第1の基板の配向膜にラビング配向処理を施
した。なお、ラビング配向処理の方向は図11中の破線
方向とした。また、ラビング配向処理の条件は、ローラ
回転数300rpm 、ローラ送り速度18mm/s、ラビング
回数2回、押し込み量0.6mmとした。
【0106】次に、第2の基板(カラーフィルタ側)上
に、上記化1の(化学式1)に示す構造を分子内に有す
る可溶性ポリイミドの溶液オプトマーAL(日本合成ゴ
ム社製、商品名)を厚さ600オングストロームで印刷
し、これをオーブン内に載置して180℃で30分加熱
して溶液中の溶剤を揮発させ、ポリイミドからなる配向
膜を形成した。次に、配向膜にラビング配向処理を施し
た。なお、ラビング配向処理の方向は図11中の実線方
向とした。また、ラビング配向処理の条件は、ローラ回
転数200rpm 、ローラ送り速度25mm/s、ラビング回
数1回、押し込み量0.5mmとした。
【0107】次に、第1の基板の配向膜上に有機溶剤と
してアセトンを20重量%で含有したノボラック系樹脂
を超音波ジェット型印刷機を用いて画素の1/2の領
域、すなわち1画素内で信号線、ゲート線、および補助
容量線により囲まれた領域の一方のみにスプレーして、
画素の1/2の領域に配向緩和処理を施した。
【0108】その後、15分間放置した後、キシレン:
n−酢酸ブチル=70:30の混合溶液を第1の基板全
面にスプレーし、配向膜に付着したノボラック系樹脂を
完全に溶解した。次いで、第1の基板をn−酢酸ブチル
でリンスし、窒素ガスを第1の基板全面にスプレーし、
配向膜に付着したn−酢酸ブチルを完全に揮発させた。
【0109】このとき、アセトンに接触した領域のポリ
イミド分子は膨潤して配向度が下がり、その領域上の液
晶分子のプレチルト角は1.5°となった。また、アセ
トンに接触していない領域上の液晶分子のプレチルト角
は6°となった。なお、第2の基板上の液晶分子のプレ
チルト角は3.5°であった。また、配向度の比の(ア
セトンに接触していない領域の配向度)/(アセトンに
接触した領域の配向度)は4である。
【0110】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、第1の基板と第2の
基板とを対向させて捩じれ角90°のTNセルを形成し
た。このTNセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入
し、電極間距離が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0111】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる2つの
領域が互いに視角を補償する。これにより、広い視野角
を有する液晶表示装置が実現される。実際に、コントラ
スト5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広
い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0112】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触
させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほ
ぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良
は発生しなかった。
【0113】本実施例のように、一方の基板の配向膜に
低プレチルト角領域(配向度が低い領域)および高プレ
チルト角領域(配向度が高い領域)を形成し、他方の基
板の配向膜をこの低プレチルト角および高プレチルト角
の中間の大きさのプレチルト角(配向度が中間の領域)
に設定し、この2つの基板を対向させることによっても
液晶分子の立ち上がり方向が異なる領域を形成すること
ができる。 (実施例6)本実施例は実施例1における配向緩和処理
において気体状態の有機溶剤を用いたものである。した
がって、装置の構成は実施例1と同様であるので図7を
用いて説明する。
【0114】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、このラビング配向処理を施した配向膜上に、厚さ1
mmのステンレス製のマスクを配置した。このとき、配向
膜とマスクの間隔は5μmに設定し、マスクの開口部が
画素の1/2の領域を覆うように調整した。すなわち、
1画素内で信号線51、ゲート線52、および補助容量
線54により囲まれた領域の一方にのみにマスクが覆う
ようにステンレス製マスクを配置した。なお、このステ
ンレス製のマスクは、ステンレス板にレーザビームを照
射して開口部を設けることにより作製した。
【0115】次に、図12に示すように、有機物質63
を収容したビーカー62上方に、配向膜42上にステン
レスマスク61を設けた第1または第2の基板41を、
マスク61側が有機物質63と対面するようにして配置
した。このとき、基板41およびビーカー62は密閉さ
れた容器64中に載置される。
【0116】本実施例では、有機物質63としてアセト
ン(δ=20.3×103 (J/m31/2 、δd=1
5.5×103 (J/m31/2 、δp=10.4×1
3(J/m31/2 、δh=7×103 (J/m3
1/2 )を用いた。なお、アセトンの液面と配向膜の距離
を10mmとした。
【0117】次に、この容器64およびアセトンの温度
が30℃となるようにヒータ(図示せず)で加熱した。
このとき、容器64内はアセトンの飽和蒸気で満たされ
た。この状態で30分間放置した。これにより、マスク
61によりマスクされていない領域の配向膜42は、飽
和したアセトン蒸気と接触する。これによってこの領域
は選択的に配向緩和されプレチルト角が低くなる。30
分後に基板を取り出し、窒素ガスを基板全面にスプレー
して配向膜に付着したアセトンを完全に揮発させた。
【0118】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のアセトン蒸
気を接触させた領域とアセトン蒸気を接触させない領域
とが対向するようにして第1の基板と第2の基板とを対
向させて捩じれ角90°のTNセルを形成した。このT
NセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間
距離が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0119】このとき、アセトン蒸気に接触した領域の
ポリイミド分子は膨潤して配向度が下がり3.718×
10-3となり、またアセトン蒸気に接触していない領域
の配向度は1.024×10-2であった。したがって、
両者の領域の配向度の比(アセトン蒸気に接触していな
い領域の配向度)/(アセトン蒸気に接触した領域の配
向度)は2.75である。これにより、アセトン蒸気に
接触した領域上の液晶分子のプレチルト角は2°となっ
た。また、アセトン蒸気に接触していない領域上の液晶
分子のプレチルト角は5.5°となった。
【0120】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0121】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触
させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほ
ぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良
は発生しなかった。 (実施例7)本実施例は実施例2における配向緩和処理
において気体状態の有機溶剤を用いたものである。した
がって、装置の構成は実施例2と同様であるので図8を
用いて説明する。
【0122】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、このラビング配向処理を施した配向膜上に、厚さ
0.5mmのチタン製のマスクを配置した。このとき、配
向膜とマスクの間隔は5μmに設定し、図8に示すよう
に(1画素おきに市松模様状に)なるように配置した。
このチタン製のマスクは、チタン板にエッチングを施し
て開口部を設けることにより作製した。
【0123】次に、図12に示すように、有機物質63
を収容したビーカー62上方に、配向膜42上にチタン
マスク61を設けた第1または第2の基板41を、マス
ク61側が有機物質63と対面するようにして配置し
た。このとき、基板41およびビーカー62は密閉され
た容器64中に載置される。
【0124】本実施例では、有機物質63として乳酸エ
チル(δ=20.5×103 (J/m31/2 、δd=
16×103 (J/m31/2 、δp=7.6×103
(J/m31/2 、δh=12.5×103 (J/m
31/2 )を用いた。なお、乳酸エチルの液面と配向膜
の距離を10mmとした。
【0125】次に、この容器64および乳酸エチルの温
度が50℃となるようにヒータ(図示せず)で加熱し
た。このとき、容器64内は乳酸エチル飽和蒸気で満た
された。この状態で30分間放置した。これにより、マ
スク61によりマスクされていない領域の配向膜42
は、飽和した乳酸エチル蒸気と接触する。これによって
この領域は選択的に配向緩和されプレチルト角が低くな
る。30分後に基板を取り出し、窒素ガスを基板全面に
スプレーして配向膜に付着した乳酸エチルを完全に揮発
させた。
【0126】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜の乳酸エチル
蒸気を接触させた領域と乳酸エチル蒸気を接触させない
領域とが対向するようにして第1の基板と第2の基板と
を対向させて捩じれ角90°のTNセルを形成した。こ
のTNセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電
極間距離が5.5μmの液晶表示装置を作製した。
【0127】このとき、乳酸エチル蒸気に接触した領域
のポリイミド分子は膨潤して配向度が下がり3.729
×10-3となり、また乳酸エチル蒸気に接触していない
領域の配向度は1.024×10-2であった。したがっ
て、両者の領域の配向度の比(乳酸エチル蒸気に接触し
ていない領域の配向度)/(乳酸エチル蒸気に接触した
領域の配向度)は2.75である。これにより、乳酸エ
チル蒸気に接触した領域上の液晶分子のプレチルト角は
2°となった。また、乳酸エチル蒸気に接触していない
領域上の液晶分子のプレチルト角は5.5°となった。
【0128】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0129】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは信号線およびゲート
線の下に存在するため、このチルトディスクリネーショ
ンラインが表示において見えることはなく、表示上の問
題はまったくなかった。また、この液晶表示装置は良好
な配向状態を示し、中間調表示においても視角による明
暗の反転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤
を接触させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚
さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き
等の不良は発生しなかった。 (実施例8)本実施例は実施例3における配向緩和処理
において気体状態の有機溶剤を用いたものである。した
がって、装置の構成は実施例3と同様であるので図9を
用いて説明する。
【0130】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、このラビング配向処理を施した配向膜上に、厚さ1
mmのテフロン製のマスクを配置した。このとき、配向膜
とマスクの間隔は5μmに設定し、マスクの開口部が画
素の1/2の領域を覆うように調整した。なお、このマ
スクは画素の1/2の領域を覆うために市松模様状の開
口部(図9において第1の基板は斜線部、第2の基板は
無斜線部に相当)を有する。このテフロン製のマスク
は、テフロン板にレーザビームを照射して開口部を設け
ることにより作製した。
【0131】次に、図12に示すように、有機物質63
を収容したビーカー62上方に、配向膜42上にテフロ
ンマスク61を設けた第1または第2の基板41を、マ
スク61側が有機物質63と対面するようにして配置し
た。このとき、基板41およびビーカー62は密閉され
た容器64中に載置される。
【0132】本実施例では、有機物質63としてγ−ブ
チロラクトン(δ=25.8×103 (J/m3
1/2 、δd=19×103 (J/m31/2 、δp=1
6.6×103 (J/m31/2 、δh=7.4×10
3 (J/m31/2 )を用いた。なお、γ−ブチロラク
トンの液面と配向膜の距離を10mmとした。
【0133】次に、この容器64およびγ−ブチロラク
トンの温度が25℃となるようにヒータ(図示せず)で
加熱した。このとき、容器64中はγ−ブチロラクトン
飽和蒸気で満たされた。この状態で30分間放置した。
これにより、マスク61によりマスクされていない領域
の配向膜42は、飽和したγ−ブチロラクトン蒸気と接
触する。これによってこの領域は選択的に配向緩和され
プレチルト角が低くなる。30分後に基板を取り出し、
窒素ガスを基板全面にスプレーして配向膜に付着したγ
−ブチロラクトンを完全に揮発させた。
【0134】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のγ−ブチロ
ラクトン蒸気を接触させた領域とγ−ブチロラクトン蒸
気を接触させない領域とが対向するようにして第1の基
板と第2の基板とを対向させて捩じれ角90°のTNセ
ルを形成した。このTNセルにNp(左ねじれ)の液晶
材料液晶材料を注入し、電極間距離が5.5μmの液晶
表示装置を作製した。
【0135】このとき、γ−ブチロラクトン蒸気に接触
した領域のポリイミド分子は膨潤して配向度が下がり
3.729×10-3となり、またγ−ブチロラクトン蒸
気に接触していない領域の配向度は1.024×10-2
であった。したがって、両者の領域の配向度の比(γ−
ブチロラクトン蒸気に接触していない領域の配向度)/
(γ−ブチロラクトン蒸気に接触した領域の配向度)は
2.75である。これにより、γ−ブチロラクトン蒸気
に接触した領域上の液晶分子のプレチルト角は2°とな
った。また、γ−ブチロラクトン蒸気に接触していない
領域上の液晶分子のプレチルト角は5.5°となった。
【0136】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0137】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは信号線およびゲート
線の下に存在するため、このチルトディスクリネーショ
ンラインが表示において見えることはなく、表示上の問
題はまったくなかった。また、この液晶表示装置は良好
な配向状態を示し、中間調表示においても視角による明
暗の反転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤
を接触させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚
さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き
等の不良は発生しなかった。 (実施例9)本実施例は実施例4における配向緩和処理
において気体状態の有機溶剤を用いたものである。した
がって、装置の構成は実施例4と同様であるので図7を
用いて説明する。
【0138】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、このラビング配向処理を施した配向膜上に、ポジ型
水溶性レジストを通常のフォトリソグラフィー工程でパ
ターニングしてマスクを形成した。このマスクは、開口
部が画素の1/2の領域を覆うように調整した。すなわ
ち、1画素内で信号線51、ゲート線52、および補助
容量線54により囲まれた領域の一方にのみにマスクが
覆うようにポジ型水溶液レジストマスクを配置した。
【0139】次に、図12に示すように、有機物質63
を収容したビーカー62上方に、配向膜42上にレジス
トマスク61を設けた第1または第2の基板41を、マ
スク61側が有機物質63と対面するようにして配置し
た。このとき、基板41およびビーカー62は密閉され
た容器64中に載置される。
【0140】本実施例では、有機物質63としてアセト
ン(δ=20.3×103 (J/m31/2 、δd=1
5.5×103 (J/m31/2 、δp=10.4×1
3(J/m31/2 、δh=7×103 (J/m3
1/2 )を用いた。なお、アセトンの液面と配向膜の距離
を10mmとした。
【0141】次に、この容器64およびアセトンの温度
が25℃となるようにヒータ(図示せず)で加熱した。
このとき、容器64中はアセトン飽和蒸気で満たされ
た。この状態で25分間放置した。これにより、マスク
61によりマスクされていない領域の配向膜42は、飽
和したアセトン蒸気が接触する。これによってこの領域
は選択的に配向緩和されプレチルト角が低くなる。25
分後に基板を取り出し、窒素ガスを基板全面にスプレー
して配向膜に付着したアセトンを完全に揮発させた。
【0142】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、配向膜のアセトン蒸
気を接触させた領域とアセトン蒸気を接触させない領域
とが対向するようにして第1の基板と第2の基板とを対
向させて捩じれ角90°のTNセルを形成した。このT
NセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間
距離が7.5μmの液晶表示装置を作製した。このと
き、液晶分子はスプレイ歪を有している。
【0143】このとき、アセトン蒸気に接触した領域の
ポリイミド分子は膨潤して配向度が下がり3.682×
10-3となり、またアセトン蒸気に接触していない領域
の配向度は1.02×10-2であった。したがって、両
者の領域の配向度の比(アセトン蒸気に接触していない
領域の配向度)/(アセトン蒸気に接触した領域の配向
度)は2.77である。これにより、アセトン蒸気に接
触した領域上の液晶分子のプレチルト角は2.2°とな
った。また、アセトン蒸気に接触していない領域上の液
晶分子のプレチルト角は6°となった。
【0144】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で50°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0145】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触
させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほ
ぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良
は発生しなかった。 (実施例10)本実施例は実施例5における配向緩和処
理において気体状態の有機溶剤を用いたものである。し
たがって、装置の構成は実施例2と同様であるので図1
0および図11を用いて説明する。
【0146】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、第1の基板の配向膜上に厚さ0.5mmのチタン製の
マスクを配置した。このとき、配向膜とマスクの間隔は
5μmに設定し、マスクの開口部が画素の1/2の領域
を覆うように調整した。すなわち、1画素内で信号線5
1、ゲート線52、および補助容量線54により囲まれ
た領域の一方にのみマスクが覆うようにチタン製マスク
を配置した。このチタン製のマスクは、チタン板にレー
ザビームを照射して開口部を設けることにより作製し
た。
【0147】次に、図12に示すように、有機物質63
を収容したビーカー62上方に、配向膜42上にチタン
マスク61を設けた第1または第2の基板41を、マス
ク61側が有機物質63と対面するようにして配置し
た。このとき、基板41およびビーカー62は密閉され
た容器64中に載置される。
【0148】本実施例では、有機物質63としてアセト
ン(δ=20.3×103 (J/m31/2 、δd=1
5.5×103 (J/m31/2 、δp=10.4×1
3(J/m31/2 、δh=7×103 (J/m3
1/2 )を用いた。なお、アセトンの液面と配向膜の距離
を10mmとした。
【0149】次に、この容器64およびアセトンの温度
が40℃となるようにヒータ(図示せず)で加熱した。
容器64中はアセトン飽和蒸気で満たされた。この状態
で90分間放置した。これにより、マスク61によりマ
スクされていない領域の配向膜42は、飽和したアセト
ン蒸気が接触する。これによってこの領域は選択的に配
向緩和されプレチルト角が低くなる。90分後に基板を
取り出し、窒素ガスを基板全面にスプレーして配向膜に
付着したアセトンを完全に揮発させた。
【0150】上記の処理を施した第1の基板にスペーサ
を散布し、シール材を塗布した後、第1の基板と第2の
基板とを対向させてTNセルを形成した。このTNセル
にNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間距離が
4.5μmの液晶表示装置を作製した。このとき、液晶
分子はスプレイ歪を有している。このとき、アセトン蒸
気に接触した領域の液晶分子のプレチルト角は1°とな
った。また、アセトン蒸気に接触していない領域上の液
晶分子のプレチルト角は5.5°となった。
【0151】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。色補償板を入れることで
リターデーションによる色づきを補償し、実際に、コン
トラスト5:1の領域は上下方向で60°であり、非常
に広い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0152】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、有機溶剤を接触
させた領域の膜質(極性、帯電性、誘電率、厚さ)はほ
ぼ変わらなかったので、フリッカーや焼き付き等の不良
は発生しなかった。 (参考例1本参考例 は実施例1における配向緩和処理において赤外
線レーザを用いたものである。したがって、装置の構成
は実施例1と同様であるので図7を用いて説明する。
【0153】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、TEA−CO2 レーザから60ns幅のパルスで10
91cm-1の赤外光を100Hz間隔で発振させ、画素の
1/2の領域を照射した。すなわち、1画素内で信号線
51、ゲート線52、および補助容量線54により囲ま
れた領域の一方にのみ、この赤外光を照射した。なお、
照射強度は300mJ/cm2 とした。
【0154】また、このレーザ光はスポットサイズが1
0μmφと小さいので、ホモジナイザーを用いて画素の
1/2の領域の大きさにスポットサイズを広げた。この
ため、マスクを使用する必要がなく、画素の1/2の領
域に赤外光を照射することができ、マスクの位置合わせ
に要する時間を省略できた。また、ポリイミド分子主鎖
の振動モードに合わせた1091cm-1のレーザ光を照射
しているので、熱的な影響を受けやすいポリイミド側鎖
がこの光によって反応することがなく、主鎖の配向度だ
けを選択的に低下させることができた。
【0155】上記の処理を施した第1の基板を非イオン
性界面活性剤水溶液で洗浄し、スペーサを散布してシー
ル材を塗布した後、配向膜のレーザを照射した領域(高
い配向度の領域)と照射させない領域(低い配向度の領
域)とが対向するようにして第1の基板と第2の基板と
を対向させて捩じれ角90°のTNセルを形成した。こ
のTNセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電
極間距離が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0156】このとき、レーザを照射した領域のポリイ
ミド分子は配向度が下がり3.718×10-3となり、
また、レーザを照射していない領域の配向度は1.02
4×10-3であった。したがって、両者の配向度の比
(レーザを照射していない領域の配向度)/(レーザを
照射した領域の配向度)は2.75である。これによ
り、レーザを照射した領域上の液晶分子のプレチルト角
は2°となり、レーザを照射していない領域上の液晶分
子のプレチルト角は5.5°となった。
【0157】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0158】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、赤外線レーザに
より配向緩和処理を施した領域の膜質(極性、帯電性、
誘電率、厚さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカー
や焼き付き等の不良は発生しなかった。 (参考例2本参考例 は実施例2における配向緩和処理において赤外
線レーザを用いたものである。したがって、装置の構成
は実施例2と同様であるので図8を用いて説明する。
【0159】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、TEA−CO2 レーザから60ns幅のパルスで17
21cm-1の赤外光を100Hz間隔で発振させ、図8に
示すように(1画素おきに市松模様状)レーザ光を照射
した。なお、照射強度は200mJ/cm2 とした。
【0160】また、このレーザ光はスポットサイズが1
0μmφと小さいので、ホモジナイザーを用いて1画素
の領域の大きさにスポットサイズを広げた。このため、
マスクを使用する必要がなく、マスクの位置合わせに要
する時間を省略できる。また、ポリイミド分子主鎖の振
動モードに合わせた1721cm-1のレーザ光を照射した
ので、熱的な影響を受けやすいポリイミド側鎖がこの光
によって反応することがなく、主鎖の配向度だけを選択
的に低下させることができた。
【0161】上記の処理を施した第1の基板を非イオン
性界面活性剤水溶液で洗浄し、スペーサを散布してシー
ル材を塗布した後、配向膜のレーザ光を照射した領域
(高い配向度の領域)と照射させない領域(低い配向度
の領域)とが対向するようにして第1の基板と第2の基
板とを対向させて捩じれ角90°のTNセルを形成し
た。このTNセルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入
し、電極間距離が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0162】このとき、レーザ光を照射した領域のポリ
イミド分子は配向度が下がり3.718×10-3とな
り、また、レーザを照射していない領域の配向度は1.
024×10-3であった。したがって、両者の配向度の
比(レーザを照射していない領域の配向度)/(レーザ
を照射した領域の配向度)は2.75である。これによ
り、レーザを照射した領域上の液晶分子のプレチルト角
は2°となり、レーザを照射していない領域上の液晶分
子のプレチルト角は5.5°となった。
【0163】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。実際に、コントラスト
5:1の領域は上下方向で60°であり、非常に広い視
野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0164】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、赤外線レーザに
より配向緩和処理を施した領域の膜質(極性、帯電性、
誘電率、厚さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカー
や焼き付き等の不良は発生しなかった。 (参考例3本参考例 は実施例5における配向緩和処理においてIR
ランプを用いたものである。したがって、装置の構成は
実施例5と同様であるので図10および図11を用いて
説明する。
【0165】第1および第2の基板にラビング処理を施
す工程までは実施例1と同様の方法により行った。次
に、第1の基板の配向膜上に厚さ0.1mmのステンレス
製のマスクを配置した。このとき、配向膜とマスクの間
隔は10μmに設定し、マスクの開口部が画素の1/2
の領域を覆うように調整した。すなわち、1画素内で信
号線51、ゲート線52、および補助容量線54により
囲まれた領域の一方にのみマスクが覆うようにチタン製
マスクを配置した。
【0166】次に、この配向膜に照射強度が100mJ/
cm2 のIRランプ光を照射して配向緩和処理を施した。
なお、このIRランプは赤外線レーザの1/10の程度
の値段で購入できる利点がある。
【0167】上記の処理を施した第1の基板を非イオン
性界面活性剤水溶液で洗浄し、スペーサを散布してシー
ル材を塗布した後、第1の基板と第2の基板とを対向さ
せて捩じれ角90°のTNセルを形成した。このTNセ
ルにNp(左ねじれ)の液晶材料を注入し、電極間距離
が6μmの液晶表示装置を作製した。
【0168】このとき、IRランプ光を照射した領域の
ポリイミド分子は配向度が下がり3.718×10-3
なり、また、IRランプ光を照射していない領域の配向
度は1.024×10-3であった。したがって、両者の
配向度の比(IRランプ光を照射していない領域の配向
度)/(IRランプ光を照射した領域の配向度)は2.
75である。これにより、IRランプ光を照射した領域
上の液晶分子のプレチルト角は2°となり、IRランプ
光を照射していない領域上の液晶分子のプレチルト角は
5.5°となった。第2の基板の配向膜上のプレチルト
角は3°であった。
【0169】この液晶表示装置は、1画素内で電圧印加
時の液晶分子の立ち上がり方向が180°異なる2つの
領域を有しており、この立ち上がり方向の異なる領域が
互いに視角を補償する。これにより、広い視野角を有す
る液晶表示装置が実現される。色補償板を入れることで
リターデーションによる色つきを補償し、実際に、コン
トラスト5:1の領域は上下方向で60°であり、非常
に広い視野角を有する液晶表示装置が達成された。
【0170】この2つの領域の境界にはチルトディスク
リネーションが発生するが、これは補助容量線54の下
に存在するため、このチルトディスクリネーションライ
ンが表示において見えることはなく、表示上の問題はま
ったくなかった。また、この液晶表示装置は良好な配向
状態を示し、中間調表示においても視角による明暗の反
転がない良好な表示ができた。さらに、IRランプによ
り配向緩和処理を施した領域の膜質(極性、帯電性、誘
電率、厚さ)はほぼ変わらなかったので、フリッカーや
焼き付き等の不良は発生しなかった。
【0171】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の方法により製
造される液晶表示装置においては、基板上の配向膜は1
画素内あるいは1〜数画素毎に第1の領域および第1の
領域の配向度よりも小さい配向度を有する第2の領域に
区画され、第1の領域と第2の領域が対面するようにし
て一対の基板が配置されており、液晶材料がスプレイ変
形歪みを有するので、1画素内あるいは1〜数画素毎に
配向膜上の液晶分子の立ち上がり方向が異なる2つの領
域が形成され、その2つの領域が互いの視角特性を相互
補償して視野角を広くすることができる。
【0172】また、本発明の液晶表示装置の製造方法に
おいては、ラビング配向処理した配向膜を部分的に(画
素の1/2の領域等)適当な配向緩和処理を施して、液
晶分子のプレチルト角を変化させ、液晶分子の立上がり
方向を変えるので、簡単な工程で、フリッカーや焼き付
きの問題のない広い視野角を有する液晶表示装置を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレチルト角と配向度との関係を示すグラフ。
【図2】(A)は配向度と溶解度パラメーターとの関係
を示すグラフ、(B)はプレチルト角と溶解度パラメー
ターとの関係を示すグラフ。
【図3】三次元溶解度パラメーターを説明するための特
性図。
【図4】(A)は電圧無印加状態における本発明の液晶
表示装置を示す説明図、(B)は電圧印加状態(中間調
表示状態)における本発明の液晶表示装置を示す説明
図。
【図5】本発明の方法により液晶分子のプレチルト角を
低下させた場合の配向膜における分子の状態を示す概念
図。
【図6】UV光を照射して液晶分子のプレチルト角を低
下させた場合の配向膜における分子の状態を示す概念
図。
【図7】本発明の液晶表示装置の実施例を示す説明図。
【図8】本発明の液晶表示装置の実施例を示す説明図。
【図9】本発明の液晶表示装置の実施例を示す説明図。
【図10】(A)は電圧無印加状態における本発明の液
晶表示装置を示す説明図、(B)は電圧印加状態(中間
調表示状態)における本発明の液晶表示装置を示す説明
図。
【図11】本発明の液晶表示装置の実施例を示す説明
図。
【図12】本発明の液晶表示装置の製造方法を説明する
ための図。
【符号の説明】
41…基板、42…配向膜、43…液晶分子、51…信
号線、52…ゲート線、53…TFT素子、54…補助
容量線、61…マスク、62…ビーカー、63…有機物
質、64…容器。
フロントページの続き (72)発明者 森 寧 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株式会社東芝生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−210099(JP,A) 特開 平6−148641(JP,A) 特開 平6−281937(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 505

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の基板のそれぞれの主面
    上に配向膜を形成する工程と、 前記配向膜に配向処理を施す工程と、 前記第1および第2の基板の前記配向膜に部分的に配向
    緩和処理を施すことにより、第1の領域および前記第1
    の領域の配向度よりも小さい配向度を有する第2の領域
    を形成する工程と、前記第1の基板の前記第1の領域と前記第2の基板の前
    記第2の領域とが対向するとともに前記第1の基板の前
    記第2の領域と前記第2の基板の前記第1の領域とが対
    向するように し、かつ液晶材料がスプレイ変形歪みを有
    するように前記第1および第2の基板を配置する工程
    と、 前記第1の基板の前記第1の領域および前記第2の領域
    と、前記第2の基板の前記第2の領域および前記第1の
    領域がそれぞれ対向するようにし、かつ液晶材料がスプ
    レイ変形歪みを有するように前記第1および第2の基板
    を配置する工程と、 この対向配置された前記第1および第2の基板間に液晶
    材料を注入する工程と、を具備し、前記配向緩和処理
    は、前記配向膜を有機溶剤に接触させることにより行わ
    れることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の基板の主面上に配向膜を形成し、
    前記配向膜に配向処理を施す工程と、 前記第1の基板の前記配向膜の配向度よりも小さい配向
    度を有するように、第2の基板の主面上に配向膜を形成
    し、前記第2の基板の前記配向膜に配向処理を施す工程
    と、 前記第1の基板の前記配向膜に部分的に配向緩和処理を
    施すことにより、第1の領域並びに前記第1の領域の配
    向度および前記第2の基板の配向度よりも小さい配向度
    を有する第2の領域を形成する工程と、 液晶材料がスプレイ変形歪みを有するように前記第1お
    よび第2の基板を配置する工程と、 この対向配置された前記第1および第2の基板間に液晶
    材料を注入する工程と、を具備し、前記配向緩和処理
    は、前記配向膜を有機溶剤に接触させることにより行わ
    れることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機溶剤は気体状態であることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記有機溶剤の溶解度パラメーター
    (δ)が18.2×103(J/m31/2≦δ≦25.
    8×103(J/m31/2であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記有機溶剤の三次元溶解度パラメータ
    ーが0.17≦δd/(δd+δp+δh)≦0.6
    0、0.16≦δp/(δd+δp+δh)、δh/
    (δd+δp+δh)≦0.43(δdは分散力成分、
    δpは極性力成分、δhは水素結合力成分を表す)をす
    べて満足することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の液晶表示装置の製造方法。
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