JP2001264770A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
時における微小ドメインの発生を抑制する。 【解決手段】 互いに対向する二枚の基板1,2の間に
負の誘電率異方性を有するn型のカイラルネマティック
性の液晶6を挟持するともに、両方の基板1,2の対向
する表面に設けた電極3,4の少なくとも一方を透明電
極で構成し、電圧無印加状態において液晶分子7の長軸
方向が少なくとも一方の基板1,2の主面に対してほぼ
垂直になるように配向し、電圧印加時に、液晶分子7の
長軸の配向方位が基板1,2の主面に平行に倒れる液晶
表示装置の対向する一対の電極3,4の少なくとも一方
に設けた垂直配向膜5の表面エネルギーを37mN/m
以上に設定する。
Description
るものであり、特に、誘電率異方性が負のn型液晶を垂
直配向させた液晶表示装置におけるラビング処理等の配
向処理を施すことなく微小ドメインの発生を防止するた
めの手段に特徴のある液晶表示装置に関するものであ
る。
晶パネルは、軽量、薄型、低消費電力が実現できるディ
スプレイとして注目されているが、アクティブマトリク
ス型液晶表示装置としては、TN(Twisted N
ematic)液晶を用いたTN方式が主流であった。
のTN方式の直視型液晶表示装置を説明する。 図10(a)及び(b)参照 図10(a)は、電圧を印加しない状態における従来の
TN方式の直視型液晶表示装置における概略的要部断面
図であり、また、図10(b)は、CF(カラーフィル
タ)基板側から見た液晶分子のツイスト状態を示す図で
ある。
透明画素電極42を設けるとともに、透明画素電極42
を覆うように水平配向膜63を設ける。一方、TFT基
板41と対向するCF基板44上には、ITOからなる
透明共通電極45を設けるとともに、透明共通電極45
を覆うように水平配向膜46を設け、対向するTFT基
板41とCF基板44との間に正の誘電率異方性を有す
るp型液晶47を注入する。
55で示す実線の矢印方向及び符号54で示す破線の矢
印方向にそれぞれランビング処理を施こしているので、
液晶分子48はTFT基板41からCF基板44にかけ
て70°ツイストした状態に配向することになる。
おいて、TFT基板41側に設ける偏光板50とCF基
板44側に設ける偏光板49とを、後述する図11
(b)に示すようにクロスニコルに配置することによっ
て、電圧を印加しない状態においては入射光52が透過
して出射光53が出る“白”表示になる。
方式の反射型液晶表示装置における概略的要部断面図で
あり、また、図11(b)は、CF基板側から見た液晶
分子のツイスト状態を示す図であり、電圧を印加するこ
とによって、印加電圧に応じて液晶分子は略垂直に立ち
上がり、“黒”表示が得られることになる。
も、図11(b)に示すように電圧無印加時の配向方位
をある程度保った状態でパネルの法線方向に配向し、液
晶分子56〜59の配向状態に方位角依存性が発生する
ので、視野角特性などが狭いという問題がある。
印加することによって液晶分子をパネル面内で駆動する
IPS(In−Plane Switching)方
式、或いは、垂直配向した液晶分子を少なくとも一方の
基板側に設けた突起等の構造物によって電界歪みによっ
て制御し複数の方向に液晶分子の配向分割を行なったM
VA(Multiple−domain Vertic
ally Aligned)型液晶表示装置(必要なら
ば、特開平11−242225号公報)が注目されてい
る。
しては、TN型液晶表示装置と同様に、ラビング処理が
必要であるため、プロセスの管理が大変になるという問
題があり、一方、MVA型液晶表示装置の場合には、ラ
ビング処理は必要としないものの、配向制御用の構造
物、即ち、突起を設ける必要があり、プロセスの増加に
つながるという問題があり、いずれにしても、低コスト
化の障害となる。
処理を行わない水平配向膜を用いるとともに、誘電率異
方性が正のp型液晶を用いることによって、プロセスの
簡略化を実現する方法が提案されている(必要ならば、
例えば、特開平8−36186号公報参照)。
相転移温度以上で液晶材料をTFT基板とCF基板との
間に注入する工程、注入完了後、等方相から液晶相への
相転移時に、10℃/秒以上の速度で急速冷却するな
ど、従来の注入方式とは異なっており、製造工程上の制
約が大きくなるという問題がある。
向膜と誘電率異方性が負のn型液晶を用いたα−VA
(アモルファス Vertically Aligne
d)型液晶表示装置が注目されているので、この様なα
−VA方式の直視型液晶表示装置を図12及び図13を
参照して説明する。 図12(a)及び(b)参照 図12(a)は、電圧を印加しない状態におけるα−V
A方式の直視型液晶表示装置における概略的要部断面図
であり、また、図12(b)は、CF基板側から見た液
晶分子のツイスト状態を示す図である。
透明画素電極72を設けるとともに、透明画素電極72
を覆うように垂直配向膜73を設ける。一方、TFT基
板71と対向するCF基板74上には、ITOからなる
透明共通電極75を設けるとともに、透明共通電極75
を覆うように垂直配向膜76を設け、一対の垂直配向膜
73,76にラビング処理を施さない状態で、対向する
TFT基板71とCF基板74との間に負の誘電率異方
性を有するn型液晶77を注入する。この場合、液晶分
子78は垂直配向膜73,76の規制を受けてTFT基
板71及びCF基板74に対して垂直に配向することに
なる。
置において、TFT基板71側に設ける偏光板80とC
F基板74側に設ける偏光板79とを、図12(b)に
符号88及び符号89で示すようにクロスニコルに配置
することによって、電圧を印加しない状態においては入
射光82が透過しないので“黒”表示になる。
式の直視型液晶表示装置における概略的要部断面図であ
り、電圧を印加することによって、印加電圧に応じて水
平方向に向かって傾き、出射光83を透過して“白”表
示が得られることになる。
のツイスト状態を示す図であり、液晶分子84〜87は
TFT基板71側からCF基板74側にかけてツイスト
するものの、TN型液晶とは異なり、局所的にはランダ
ムにツイストするため、配向状態に方位角依存性がな
く、視角特性が改善されることになる。
型化、或いは、低消費電力化を実現するため、バックラ
イトを必要としない反射型液晶表示装置が各種提案され
ており(必要ならば、例えば、特開平5−232465
号公報或いは特開平8−338993号公報)、反射画
素電極に凹凸を形成することによって一様な反射光を得
るように構成されている。
晶表示装置は、いずれもTN型液晶表示装置であり、図
10に示したTN型液晶表示装置と同様に、配向膜にラ
ビング処理を施すことによって液晶分子を配向させる必
要があるが、反射画素電極に凹凸があるので、この様な
凹凸を反映した配向膜にラビング処理を施しても液晶分
子を均一に配向制御することが困難であるという問題が
あり、上述のラビングレスによる液晶表示装置はこの様
な反射型液晶表示装置においてより一層重要になる。
来のα−VA方式の反射型液晶表示装置を説明する。 図14(a)参照 図14(a)は、電圧を印加しない状態におけるα−V
A方式の反射型液晶表示装置における概略的要部断面図
であり、TFT基板71上にAl反射画素電極90を設
けるとともに、Al反射画素電極90を覆うように垂直
配向膜73を設ける。
74上には、ITOからなる透明共通電極75を設ける
とともに、透明共通電極75を覆うように垂直配向膜7
6を設け、一対の垂直配向膜73,76にラビング処理
を施さない状態で、対向するTFT基板71とCF基板
74との間に負の誘電率異方性を有するn型液晶77を
注入する。この場合、液晶分子78は垂直配向膜の規制
を受けてTFT基板71及びCF基板74に対して垂直
に配向することになる。また、CF基板74の光入出射
面側には、前方散乱板91、位相差フィルム92、及
び、偏光板93を設ける。
置関係を示す図であり、まず、位相差フィルム92を、
140nmのλ/4波長板と270nmのλ/4波長板
の2枚を用いてワイドレンジのλ/4波長板としたもの
であり、偏光板93の透過軸(90°)に対して、14
0nmのλ/4波長板の軸を10°傾け、270nmの
λ/4波長板の軸を72.5°傾けて配置したものであ
る。
いて、入射した入射光94は液晶分子78による偏光を
受けないものの、位相差フィルム92を2度通過するこ
とによって位相が90度回転し、偏光板93を透過する
ことができないので、“黒”表示になる。
射型液晶表示装置における概略的要部断面図であり、電
圧を印加することによって、液晶分子78は印加電圧に
応じて水平方向に向かって傾き、反射光95が透過して
“白”表示が得られることになる。この場合も液晶分子
78はランダムにツイストするため、配向状態に方位角
依存性がなく、視角特性が改善されることになる。因
に、ラビング処理によって液晶分子を45°ツイストさ
せたVA方式の反射型液晶表示装置とほぼ同等の広い視
角特性が得られた。
VA方式の反射型液晶表示装置の光学特性であり、セル
厚が3μmの液晶表示装置の30°入射方式における反
射率Y(%)の印加電圧依存性を示した図である。TN
方式とα−VA方式とは白黒表示が逆になるので、反射
率の電圧依存性は逆になるが、反射特性としてはほぼ同
レベルを特性を示している。
(CR)は、TN方式がCR≒11であるのに対して、
α−VA方式の場合にはCR≒16とより高い数値が得
られている。このコントラスト比(CR)は、反射型、
直視型ともに高い方が表示品位が高いので、α−VA方
式の方が高い表示品位が得られることになる。
答速度が多少遅い傾向を示すが、実用上は特に問題とな
らない。因に、TN方式における0Vから白または黒へ
の応答時間ton,toff が、夫々3ms,7msである
のに対して、α−VA方式における応答時間ton,tof
f は、例えば、夫々10ms,6msであった。また、
TN方式における0Vから低階調への応答時間ton,t
off が、夫々24ms,3msであるのに対して、α−
VA方式における応答時間ton,toffは、例えば、夫
々42ms,3msであった。
って、ラビングレスにも拘わらず広い視角特性と高いコ
ントラスト比を得ることができ、特に、凹凸を有する反
射画素電極を有するためラビング処理により配向制御が
困難な反射型液晶表示装置にとって有利な構成となる。
VA型液晶表示装置においては、低電圧側、即ち、低階
調表示の過渡応答時において、微小なドメインの発生が
見られ、この様な微小ドメインが発生した場合、表示状
態にざらついた印象を与えるため問題となる。
応答時における微小ドメインの発生を抑制することを目
的とする。
本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図1は本発明のα−VA型液晶表示装置の概略的
要部断面図である。 図1参照 (1)本発明は、互いに対向する二枚の基板1,2の間
に負の誘電率異方性を有するn型のカイラルネマティッ
ク性の液晶6を挟持するともに、両方の基板1,2の対
向する表面に設けた電極3,4の少なくとも一方を透明
電極で構成し、電圧無印加状態において液晶分子7の長
軸方向が少なくとも一方の基板1,2の主面に対してほ
ぼ垂直になるように配向し、電圧印加時に、液晶分子7
の長軸の配向方位が基板1,2の主面に平行に倒れる液
晶表示装置において、対向する一対の電極3,4の少な
くとも一方に設けた垂直配向膜5の表面エネルギーを3
7mN/m以上に設定したことを特徴とする。
て、垂直配向膜5の表面エネルギーを37mN/m以上
に設定することによって、垂直配向能力が低下し、液晶
分子7のカイラル的な動きが安定になり、微小ドメイン
の発生が抑制され、ざらつき感のない高品位の表示が可
能になる。なお、本発明における「カイラルネマティッ
ク性の液晶」とは、カイラルネマチック液晶またはカイ
ラル剤を添加したネマティック液晶を意味する。
て、垂直配向膜5を構成する全ジアミン成分に対する垂
直配向性を有するジアミンのモル比を、5〜50%にし
たことを特徴とする。
ミン成分に対する垂直配向性を有するジアミンのモル比
を50%以下にすることによって、垂直配向膜5の表面
エネルギーを37mN/m以上に制御することができ、
5%において、過渡応答時の配向乱が全く発生しなくな
るとともに、応答時間が短くなるが、5%より下げてい
くと、液晶6を室温で注入する際に流動配向が顕著に発
生するので、5%以上であることが望ましい。
て、垂直配向膜5に紫外線を照射することによって、垂
直配向膜5の表面エネルギーを37mN/m以上に設定
したことを特徴とする。
くは、360nm以下の波長の紫外線を照射することに
よって、垂直配向膜5の表面エネルギーを37mN/m
以上に設定することができる。
(3)のいずれかにおいて、液晶6のセル厚dと液晶6
のカイラルピッチpの比d/pを、0.35以下とした
ことを特徴とする。
イラルピッチpの比d/pを0.35以下とすることに
よって、微小ドメインの発生が抑制され、ざらつき感の
ない高品位の表示が可能になり、特に、d/p=0.1
8においては微小ドメインは発生が最小となるととも
に、応答時間も最短となる。因に、d/p=0.24
は、大凡90°ツイストに相当するので、d/p=0.
18は従来のラビング処理パネルと同様の略70°ツイ
ストに相当することになり、一方、d/pが0.35を
越えたり、0.09未満であると配向性が低下すること
になる。
いずれかにおいて、反射型液晶表示装置であることがよ
り好適であり、その場合には、一方の電極3を反射電極
とすれば良く、また、透明電極4を設けた基板2側に前
方散乱能を持たせることが望ましい。特に、反射電極3
の表面に平均傾斜角が20°以下の光散乱能を有する凹
凸を設けることが望ましい。
射電極3の表面が凹凸になるように構成することが一般
的であるので、ラビング処理が不要な上記(1)乃至
(3)のいずれかの構成がより好適となる。また、透明
電極4を設けた基板2側に前方散乱板8を設けて前方散
乱能を持たせることによって、正反射を低減させ、均一
な光出力を得ることができる。
本発明の実施の形態のα−VA方式の反射型液晶表示装
置を説明する。なお、図においては、TFT等のアクテ
ィブ素子及びカラーフィルタ等の図示を省略している。 図2(a)参照 図2(a)は、本発明の実施の形態のα−VA方式の反
射型液晶表示装置の概略的要部断面図であり、図に示す
ように、TFT基板11上にAl反射画素電極12を設
けるとともに、Al反射画素電極12を覆うように垂直
配向膜73を設ける。
14上には、ITOからなる透明共通電極15を設ける
とともに、透明共通電極15を覆うように垂直配向膜1
6を設け、一対の垂直配向膜13,16にラビング処理
を施さない状態で、対向するTFT基板11とCF基板
14との間に負の誘電率異方性を有するn型液晶17を
注入する。
3,16の規制を受けてTFT基板11及びCF基板1
4に対して垂直に配向することになる。また、CF基板
14の光入出射面側には、従来のα−VA方式の反射型
液晶表示装置と同様に前方散乱板19、位相差フィルム
20、及び、偏光板21を設ける。
関係を示す図であり、従来のα−VA方式の反射型液晶
表示装置と同様に、位相差フィルム19を、140nm
のλ/4波長板と270nmのλ/4波長板の2枚を用
いてワイドレンジのλ/4波長板としたものであり、偏
光板93の透過軸(90°)に対して、140nmのλ
/4波長板の軸を10°傾け、270nmのλ/4波長
板の軸を72.5°傾けて配置したものである。
膜13,16の基本骨格は、下記の一般式(式1)を有
する有機化合物からなるものである。
は、下記の式(式2)または式(式3)の酸無水物モノ
マーであり、また、R2 及びR3 は下記の式(式4)の
ジアミンであり、R1 :(R2 +R3 )=1:1であ
る。
垂直配向成分となる側鎖部を有する側鎖型ジアミンモノ
マーであり、また、R3 は式(式4)における垂直配向
成分となる側鎖部を除去した水平配向成分からなるジア
ミンであり、本発明の実施の形態の形態においては、全
ジアミン成分における垂直配向成分のモル比率、即ち、
R2 /(R2 +R3 )を50%以下にして、垂直配向膜
13,16の垂直配向能力を低下されている。
したネマティック液晶であり、液晶表示装置のセル厚を
dとし、カイラルピッチをpとした場合、d/pが0.
35以下になるようにカイラル剤の添加量を制御する。
因に、セル厚dが3.5μmの液晶表示装置において、
ネマティック液晶MJ961213(メルク製商品名)
にカイラル剤CM31(チッソ製商品名)を0.48w
t%、0.96wt%、1.92wt%、夫々添加した
場合には、d/pは、添加量にほぼ比例して、夫々0.
09、0.18、0.35となる。
型液晶表示装置における概略的要部断面図であり、電圧
を印加することによって、液晶分子18は印加電圧に応
じて水平方向に向かって傾き、“白”表示が得られるこ
とになる。この場合も液晶分子18はランダムにツイス
トするため、配向状態に方位角依存性がなく、視角特性
が改善されることになる。
性のn型液晶17を用いた場合の0Vから3Vに電圧を
オンして直ぐの過渡状態、即ち、低階調の中間調におけ
る過渡応答状態を示す図であり、図4(a)に示すよう
に、全ジアミン成分に対する垂直配向成分のモル比が1
00%の場合に紐状パターンからなるドメイン境界23
が発生し、表示にざらつき感を与える。なお、図におけ
る符号24は、樹脂ビーズからなるスペーサを表す。
ミン成分に対する垂直配向成分のモル比を25%にした
場合には、図4(b)に示すようにドメイン境界23は
薄くなり、全ジアミン成分に対する垂直配向成分のモル
比を5%にした場合には、図4(c)に示すようにドメ
イン境界23は発生せず、液晶分子の配向の乱れは発生
しなかった。
率依存性の説明図であり、全ジアミン成分に対する垂直
配向成分のモル比が低下するとともに、表面エネルギー
(mN/m)が上昇し、50%において約37mN/m
となり、25%において約39mN/m、5%において
約42.5mN/mであった。この表面エネルギーと図
4の微小ドメイン発生状況を総合的判断すると、垂直配
向膜の表面エネルギーとしては、37mN/m以上が望
ましいことが理解される。
間tLVの垂直配向成分比率依存性の説明図であり、全ジ
アミン成分に対する垂直配向成分のモル比が25%にお
いてピークを有し、モル比の低下ともに、応答速度tLV
が約105msから低下し、モル比が5%において約7
0msと最高速の応答時間特性が得られた。
すると、垂直配向成分比率としては、50%以下が好適
であり、特に、応答時間特性を考慮すると、25%以下
が好適であり、5%近傍がより好適である。但し、全ジ
アミン成分に対する垂直配向成分のモル比が5%以下に
なると、室温で液晶を注入する際に、流動配向が顕著に
発生するので、モル比としては、5%以上にすることが
望ましい。
を5%にした垂直配向膜JALS2023(JSR製商
品名)を用いた場合の0Vから3Vに電圧をオンして直
ぐの過渡状態、即ち、低階調の中間調における過渡応答
状態における応答時間tonのd/p依存性を示す図であ
り、図7(a)に示すように、d/p=0.09の場合
に紐状パターンからなるドメイン境界23が若干発生し
たものの、実用上はあまり問題なかった。
合には、図4(c)と全く同じ条件であり、ドメイン境
界23は発生せず液晶分子の配向の乱れは発生しなかっ
た。また、d/p=0.35の場合には、図7(c)に
示すように若干ではあるが比較的大きなドメインの発生
が見られた。
ツイストに相当するので、d/p=0.18は従来のラ
ビング処理パネルと同様の略70°ツイストに相当する
ことになり、d/pが0.35を越えたり、0.09未
満であると配向性が低下することになる。したがって、
d/pは0.35以下とすることが望ましく、それによ
って、微小ドメインの発生が抑制され、ざらつき感のな
い高品位の表示が可能になる。
/p依存性の説明図であり、d/p=0.18で最も早
い過渡応答特性を示し、d/pの低下とともに応答時間
tonは増大する。したがって、d/p=0.09〜0.
35の範囲が望ましいことになる。
反射型液晶表示装置の具体的実施例を説明するが、基本
的構成は図2及び図3と同様であるので、特徴点のみを
説明する。 (実施例1)この実施例1は、垂直配向膜13,16と
して、全ジアミン成分に対する垂直配向成分のモル比を
5%にした垂直配向膜JALS2023(JSR製商品
名)を用いた基板を直径3.5μmのスペーサを介して
貼り合わせたのち、ネマティック液晶Mj961213
(メルク製商品名)にカイラル剤CM31を0.48w
t%添加して、d/p=0.09に調整したn型液晶1
7を注入してセル厚dが3.5μmの反射型液晶表示装
置を作製する。この実施例1の反射型液晶表示装置の特
性は、図4(c)と同様であり、また、図16と同様の
光学特性が得られた。
13,16として、表面エネルギーが38.2〜38.
8mN/mの垂直配向膜JALS684(JSR製商品
名)に波長が360nm以下、好適には256nm以下
の紫外線を照射して、表面エネルギーが42.3〜4
3.4になるように制御した基板を直径3.5μmのス
ペーサを介して貼り合わせたのち、ネマティック液晶M
j961213(メルク製商品名)にカイラル剤CM3
1を0.48wt%添加して、d/p=0.09に調整
したn型液晶17を注入してセル厚dが3.5μmの反
射型液晶表示装置を作製する。この実施例2の反射型液
晶表示装置の特性も、実施例1と同様に安定した配向性
が得られた。
11側におけるAl反射画素電極12に高さが1.5μ
mの突起を設け、垂直配向膜13,16として、垂直配
向膜JALS2023(JSR製商品名)を用いた基板
を直径3.5μmのスペーサを介して貼り合わせたの
ち、ネマティック液晶Mj961213(メルク製商品
名)にカイラル剤CM31を0.96wt%添加して、
d/p=0.18に調整したn型液晶17を注入してセ
ル厚dが3.5μmの反射型液晶表示装置を作製する。
起と幅が12μmの突起とをランダムに配置したもので
あり、その比を1:1としたが、任意である。また、こ
の凹凸はその平均傾斜角が20%以下になるようにし、
光散乱能を有するように構成することが望ましい。
の電圧依存性を示す図であり、図においては、反射率、
即ち、表示輝度を濃淡で示している。図から明らかなよ
うに、基板面に凹凸がある場合でも、ドメインの発生し
ない正常な配向が得られ、反射率も電圧の増加とともに
増大していることが理解される。
13,16として、垂直配向膜JALS2023(JS
R製商品名)を用いた基板を直径3μmのスペーサを介
して貼り合わせたのち、ネマティック液晶Mj9612
13(メルク製商品名)にカイラル剤CM31を0.9
6wt%添加して、d/p=0.18に調整するととも
に、重合開始剤が含有されたUVキュアブル液晶ULC
001K(DIC製商品名)を0.5wt%加えたn型
液晶17を真空注入により注入し、次いで、電圧を印加
しながら紫外線を照射して、セル厚dが3.0μmの反
射型液晶表示装置を作製する。この場合、UVキュアブ
ル液晶が重合反応によって立体的網状構造を形成し、残
りの空間にn型液晶が存在することになり、高速応答性
を有するポリマ安定化α−VA方式の液晶表示装置を構
成することができる。
してきたが、本発明は実施の形態及び各実施例に記載し
た構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が
可能である。例えば、n型液晶として、カイラル剤を添
加したネマティック液晶を用いているが、それ自体がカ
イラル性を有するカイラルネマティック液晶を用いても
良いものである。
おいては、ラビングレスがより有効になる反射型液晶表
示装置として説明しているが、本発明は反射型液晶表示
装置に限られるものではなく、直視型液晶表示装置にも
適用されるものであり、垂直配向膜の表面エネルギー或
いは全ジアミン成分に対する垂直配向成分比率、及び、
d/pを制御することによって、過渡応答時における微
小ドメインの発生を抑制することができ、それによっ
て、ざらつき感のない高品位の表示が可能になる。
向膜JALS684(JSR製商品名)に紫外線を照射
して表面エネルギーを増大させ、垂直配向能力を制御し
ているが、この様な紫外線照射による表面エネルギーの
増大は、他の垂直配向膜にも見られる現象であり、上記
の図5に示すように、紫外線の照射によって垂直配向膜
の表面エネルギーは増大するので、表面エネルギーの小
さな各種の垂直配向膜にも適用されるものである。
能力を全ジアミン成分に対する垂直配向成分比率或いは
紫外線照射により制御するとともに、d/pを所定の範
囲に制御しているので、ラビングレスで微小ドメインの
発生が抑制された高品位の表示を得ることができ、それ
によって高品位で広視野角の液晶表示装置の低コスト
化、高製造歩留り化に寄与するところが大きい。
晶表示装置の電圧無印加時の説明図である。
晶表示装置の電圧印加時の説明図である。
メイン発生の垂直配向成分比率依存性の説明図である。
ギーの垂直配向成分比率依存性の説明図である。
間tLVの垂直配向成分比率依存性の説明図である。
メイン発生のd/p依存性の説明図である。
/p依存性の説明図である。
無印加時の説明図である。
印加時の説明図である。
電圧無印加時の説明図である。
電圧印加時の説明図である。
電圧無印加時の説明図である。
電圧印加時の説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 互いに対向する二枚の基板の間に負の誘
電率異方性を有するn型のカイラルネマティック性の液
晶を挟持するともに、前記両方の基板の対向する表面に
設けた電極の少なくとも一方を透明電極で構成し、電圧
無印加状態において液晶分子の長軸方向が少なくとも一
方の基板の主面に対してほぼ垂直になるように配向し、
電圧印加時に、液晶分子の長軸の配向方位が基板の主面
に平行に倒れる液晶表示装置において、前記対向する一
対の電極の少なくとも一方に設けた垂直配向膜の表面エ
ネルギーを37mN/m以上に設定したことを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項2】 上記垂直配向膜を構成する全ジアミン成
分に対する垂直配向性を有するジアミンのモル比を、5
〜50%にしたことを特徴とする請求項1記載の液晶表
示装置。 - 【請求項3】 上記垂直配向膜に紫外線を照射すること
によって、前記垂直配向膜の表面エネルギーを37mN
/m以上に設定したことを特徴とする請求項1記載の液
晶表示装置。 - 【請求項4】 上記液晶のセル厚dと液晶のカイラルピ
ッチpの比d/pを、0.35以下としたことを特徴と
する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装
置。
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