JP2007065270A - 液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械強度を確保しつつ駆動電圧を大幅に低減しうるとともに樹脂繊維の凝集を抑制して表示の一様性を良好に維持しうる、簡易な構成の液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】樹脂繊維1が太さ100nm以下と極めて細く形成されているため動きやすく、基板6間への電圧印加により液晶分子2の配向方向が変化すると、樹脂繊維1は液晶分子2との分子間力により協調的に動くようになる。また、樹脂繊維1の原材料として、多官能モノマを単官能モノマに添加したものを用い、合成樹脂に架橋構造を持たせ樹脂の粘性を高めることで、樹脂繊維1が結合構造を保った状態で固定化されることになり、樹脂繊維1の太さを100nm以下にまで細径化した場合にも繊維同士の凝集が抑制され、微小繊維を良好に分散させることが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶を用いて光を変調する、透過型および反射型の液晶光変調器および液晶表示装置に関し、特に低消費電力かつ高速な階調画像表示が必要とされるフラットパネルディスプレイやフレキシブルディスプレイに有用な液晶光変調器および液晶表示装置に関するものである。
液晶材料に電界を加えて、液晶分子の配向状態を変化させるという電気光学効果を応用すると光変調器が実現できる。液晶光変調器は、他の電気光学効果を示す光学結晶に比べて低電圧で駆動できるため、表示装置用の電気光学素子として注目されている。
今後、大型・軽量化さらにはフレキシブル化へと素子の機能性を拡張するためには、柔軟なプラスティックフィルム基板の導入が望まれる。その際、スペーサを基板上に散布し液晶層の膜厚を制御する従来の方法では、基板の変形に伴いスペーサが移動して液晶層の厚みの均一性が損なわれるため、表示画像が乱れる。
液晶層の厚みを一定に保つ技術としては、周囲に熱可塑性の合成樹脂を化学結合させたスペーサを基板上に散布し、熱処理により基板に接着する手法(例えば、特許文献1参照)や、フォトリソグラフィ法によりフォトレジスト材料を規則的に基板上に形成する手法が知られている。
しかし、前者においては、接着力が弱く、外力が加わるとスペーサが基板から剥離しやすいという問題があり、後者においては、両基板に接着された構造でないため、素子を曲げた際、厚みが変動しやすいという問題がある。
そこで、両基板に接着・固定された構造物を得るため、液晶中に合成樹脂による網目状の繊維を形成する方法が考案されている(例えば、特許文献2参照)。
樹脂繊維の形成には、液晶中での合成樹脂の不溶化に基づいた相分離現象が広く用いられる。相分離には、加熱により液晶と合成樹脂を溶液状態とし、冷却することで相分離を誘起する冷却相分離、液晶と合成樹脂を共通溶媒に溶かし、溶媒を除去することで相分離を誘起する溶媒除去相分離、液晶中に合成樹脂の原材料(モノマ、オリゴマ等)を溶解し、樹脂原材料を紫外線や熱によって重合させ相分離を誘起する重合相分離等がある。
また、樹脂繊維の表面分子を配向させることにより、厚みの保持だけでなく、液晶分子の配向も誘起される。この配向規制力は、液晶の応答速度を高めるだけでなく、強誘電性液晶のように配向欠陥が生じやすい材料に対しては、面内で一様配向を得る有効な手段となる。
その一方で、硬化した樹脂繊維表面に液晶分子が固定されるため、電圧印加による液晶分子の配向方向の変化が阻害され、光変調の駆動電圧が増大するという問題が生じる。
しかし、基板を保持するのに十分な機械強度を得るためには、一定以上の樹脂繊維の分散量を必要とする。そこで、液晶と樹脂繊維からなる複合膜中に、両基板間に介在するように、複数個の樹脂製スペーサ構造物を規則的に配置する手法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
これにより、樹脂繊維の分散量を増やすことなく、機械強度と液晶分子の配向機能の両立が可能となる。
特開平9−235527号公報 特開2000−122043号公報 H. Sato, H. Fujikake, Y. lino, M. Kawakita and H. Kikuchi:"Flexible grayscale ferroelectric liquid crystal device containing polymer walls and networks", Jpn. J. Appl. Phys., vol. 41, no. 8, pp. 5302-5306 (2002)
しかし、上述した技術によっては、樹脂繊維による液晶分子の固定化による電圧増加の抜本的な解決を図るところまでは至っていない。
理論的には、樹脂繊維径を細くしていけば、それに応じて樹脂繊維に柔軟性が付加されていくため、液晶の配向変化に応じて樹脂繊維が構造変形し易くなり、光変調の駆動電圧を低減することができる。
しかし、樹脂繊維の微細化を進めると繊維の柔軟性が高まる一方、繊維が空間的に固定されないため、繊維同士が凝集し易くなる。そのため、繊維が集まった部分とまばらな部分で液晶の閾値電圧に差が生じ、表示の一様性が著しく損なわれる。ディスプレイの高精細化に対する要望は益々強くなってきており、これに対応して表示面の一様性の良化を図ることは必須であると考えられる。
すなわち、樹脂繊維の細径化をどの程度まで進めていけばよいのか、また、そのような細径化された樹脂繊維の凝集を抑制するためにはどのような手法を用いればよいか、ということが問題となる。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、機械強度を確保しつつ駆動電圧を大幅に低減しうるとともに樹脂繊維の凝集を抑制して表示の一様性を良好に維持しうる、簡易な構成の液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明の液晶光変調器は、
一対の基板間に、樹脂繊維および液晶から構成されてなる複合膜と、該一対の基板間に介在するように配置された複数個の樹脂製スペーサ構造物とを有する液晶光変調器であって、
前記樹脂繊維の太さが100nm以下であり、かつ該樹脂繊維の構成材料が、単官能性樹脂の前駆体と多官能性樹脂の前駆体を配合したものであることを特徴とするものである。
また、前記樹脂繊維は、繊維同士が結合した網目構造とされていることが好ましい。
また、前記複合膜への電圧印加に応じて、前記液晶の分子の配向方向と、前記樹脂繊維の配列方向とが連動して変化するように構成されていることが好ましい。
また、前記樹脂繊維の原材料は、棒状の分子骨格を有して液晶相を示すように構成されていることが好ましい。
さらに、本発明の液晶表示装置は、上述した液晶光変調器のいずれかを備えてなることを特徴とするものである。
本発明の液晶光変調器および液晶表示装置においては、樹脂繊維の太さを100nm以下にまで細径化することによって、樹脂繊維の柔軟性を高め、液晶の配向変化に連動した樹脂繊維の構造変形を極めて容易なものとし、光変調の駆動電圧を大幅に低減することを可能としている。また、樹脂繊維の太さを100nm以下にまで細径化することにより、液晶と樹脂繊維間の光散乱を大幅に軽減することができる。
また、本発明の液晶光変調器および液晶表示装置においては、樹脂繊維の構成材料として、単官能性樹脂の前駆体と多官能性樹脂の前駆体とを配合したものを用いている。
一般に、樹脂繊維の原材料(モノマ)は、単官能性と多官能性に大別されるが、本発明では、相互に結合した微小樹脂繊維を得るため、樹脂原材料として単官能性樹脂の前駆体と多官能性樹脂の前駆体を適度に配合したもの(溶液)を使用している。単官能性樹脂(モノマ)のみでも微小繊維の形成は可能であるものの、樹脂繊維は相互結合に乏しく、繊維が浮遊・凝集し樹脂繊維の束が形成される傾向にある。これは、相分離により合成樹脂が一旦、相互結合した構造となるものの、合成樹脂の粘性が低いため、この後、凝集が進行するものと考えられる。
そこで、多官能性樹脂の前駆体(モノマ)を単官能性樹脂の前駆体(モノマ)に添加し、合成樹脂に架橋構造を持たせ樹脂の粘性を高めることで、樹脂繊維が結合構造を保持した状態で固定化される。これにより、樹脂繊維の太さを100nm以下にまで細径化した場合にも繊維同士の凝集が抑制され、一様な微小繊維の分散が可能となる。
以下に本発明の実施形態に係る液晶光変調器および液晶表示装置について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶光変調器を示す模式図である。
この液晶光変調器10は、太さ100nm以下の微細な樹脂繊維1が液晶分子2中に分散されてなる複合膜と、該複合膜中で該複合膜の全厚に亘るように、複数個が規則的に配置された樹脂製スペーサ構造物3とを、配向膜4を設けた透明電極5付き透明基板6で挟んだ構造となっている。
樹脂繊維1の多くは液晶分子2と平行に配置されるとともに、繊維同士が相互に結合した構造を有する。また、樹脂繊維1の表面の液晶分子2は、樹脂繊維1の配向効果によって、樹脂繊維1の配向方向に固定されている。
また、樹脂繊維1が太さ100nm以下と極めて細いため動きやすく、基板間への電圧印加(電圧ON状態)により液晶分子2の配向方向が変化すると、樹脂繊維1は液晶分子2との分子間力により協調的に動くようになる。
一方、樹脂スペーサ構造物3は液晶層の厚みを一定に保持するもので、高密度に化学結合(重合,架橋)した合成樹脂によって形成されており、樹脂繊維1の柔軟化に伴う機械的強度の低下は、この樹脂スペーサ構造物3を用いたことによって補強されている。
これにより、上述した変調器本体を2枚の偏光板7で挟み、両基板6間に電圧を印加すれば、2つの基板6を保持する機械強度が保たれた状態で、低電圧での光変調動作が可能となる。その際、液晶の初期配向は、平行配向、垂直配向、ツイスト配向等様々な配向状態を配向膜4の選択によって実現できる。
なお、樹脂繊維1の分散構造は図1の模式図のものに限られるものではなく、合成樹脂の1分子によって繊維形態をとるように構成されていてもよい。
繊維同士は相互に結合された網目構造に限られるものではなく、太い樹脂繊維1から枝状に分岐した構造であってもよい。また、合成樹脂が側鎖を有している場合、その側鎖が液晶分子2と共に動作してもよく、樹脂繊維1の一部が基板表面に固定されていてもよい。
ここで、上記樹脂繊維1の原材料(モノマ)としては、単官能モノマと多官能モノマとを配合したものを用いる。単官能モノマに対する多官能モノマの配合比は、例えば3:2とする。
樹脂繊維1の原材料として、多官能モノマを単官能モノマに添加したものを用い、合成樹脂に架橋構造を持たせ樹脂の粘性を高めることで、樹脂繊維1が結合構造を保持した状態で固定化されることになり、樹脂繊維1の太さを100nm以下にまで細径化した場合にも繊維同士の凝集が抑制され、微小繊維を一様に分散させることが可能となる。
この原材料(モノマ)は、液晶との溶解性に優れた材料が望ましく、フェニル基やシクロヘキサン基等の、液晶に類似した分子骨格をコアに有する材料が好適である。また、骨格は棒状とすることができる。また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素系樹脂(例えばポリテトラフルオロエチレン等)、またはそれらの共重合体等を使用することもできる。
ここで、単官能モノマの具体例としては、特に、下記2つのものが好適である。なお、後述するUCL-001(DIC社)は、これら2つの具体例に係る単官能モノマを配合比1:1の割合で混合したものである。
Figure 2007065270
一方、多官能モノマの具体例としては、研究論文(Y. K. Fung, D. K. Yang, S. Ying, L.-C. Chien, S. Zumer, and J. W. Doane:”Polymer networks formed in liquid crystals”, Liq. Cryst., vol. 19, pp. 797-801 (1995))に記載されている、下記2つのものが好適である。
Figure 2007065270
上記樹脂スペーサ構造物3の形状は、1μm以上かつ200μm以下の厚みを有する壁構造であることが望ましい。その際、壁の配置を格子状やストライプ状にした場合、壁の間隔が画素ピッチと一致する場合が最適であるが、必要な素子の強度に応じて間隔を自由に定めることができる。また壁構造は直線状でなく曲線状であってもよく、さらに壁の厚みや長さは全て一定でなくてもよい。
樹脂スペーサ構造物3は上記の壁構造の他、1μm以上かつ200μm以下の円内に収まる大きさの柱状とし、島状に配置することもできる。その場合には、隣り合う樹脂スペーサ構造物の距離が、柱の直径より大きいことが望ましいが、素子強度が得られない場合はこの限りでない。樹脂スペーサ構造物3を柱状とした場合、柱の形状は対称性のよい円柱とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、さらに柱の幅は一定でなくてもよい。
また、樹脂繊維1と樹脂スペーサ構造物3は、液晶と樹脂原材料からなる混合液への、紫外線の部分露光と全面露光の手法を用い、以下の手順により形成される。
まず、配向膜4を設けた透明電極5付き透明基板6を2枚用意し、一方の基板6上に液晶と樹脂原材料の混合液を塗布した後、他方の基板6を貼り合わせ、混合液の温度を、分子の配向状態にあるネマティック相またはスメクティック相を示す温度に制御する。
なお、上記混合液の配合比は、樹脂スペーサ構造物3と微小繊維1のトータルの体積と液晶の体積との比によって決定され、適切な比率とすることができる。
混合液の塗布法としては、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、キャスティング、スプレー、ドクターブレードコーティングおよびワイヤーバーコーティング等が、生産性や量産性に優れた方法として用いられる。また、フレクソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等各種の印刷法を用いることもできる。また、2枚の基板6間にギャップを設けた後、上記混合液を注入する方法を用いてもよい。
次に、樹脂スペーサ構造物3を形成するために、長波長の紫外線により部分露光する。ここでは、透光部と遮光部を持つ光学マスクを基板6上に被せ、紫外線(例えば、中心波長365nm)をマスク越しに照射する。
これにより、マスクの透光部に対応した紫外線照射部分における樹脂原材料の重合が誘起され、合成樹脂の分子量は急速に増加する。その結果、液晶と樹脂が相分離するのと同時に液晶が紫外線照射部分から排出され、樹脂スペーサ構造物3が形成される。その際、100mW/cm2以上の強い紫外線を照射すれば、樹脂原材料の重合頻度を飛躍的に高めることができる。
これにより、樹脂スペーサ構造物3を構成する合成樹脂の化学結合密度が増加し、液晶光変調器としての機械強度が高まる。
また、部分露光には上述した如き光学マスクを用いずに、レーザ光(紫外光領域波長成分を含む)を上記混合液に照射し、光走査を行うようにしてもよい。その際に用いるレーザ光には、エキシマレーザ、アルゴンレーザ、ヘリュウム・カドミウムレーザ等が有用であるが、それ以外のレーザ光を用いることもできる。また、長波長を基本波長とするレーザ光から波長変換素子を用いて紫外線領域の短波長レーザ光を得るようにしてもよい。
なお、前記液晶・樹脂複合膜の厚みを制御するための球状のスペーサが、上記液晶・樹脂混合液内または、配向膜4のいずれかに分散されるように構成されていてもよい。
樹脂スペーサ構造物3が形成された後、透明基板6を全面露光することで表示部に樹脂繊維1を分散する。その際、多官能モノマの添加量を調整することにより、樹脂繊維1の結合密度を制御することが可能である。
また、使用する液晶としては、ネマティック液晶、コレステリック液晶あるいはスメクティック液晶等の種々のタイプの液晶を用いることができる。
ただし高速応答を得るには、低粘性かつ高弾性の液晶材料が適しており、化学構造としては、液晶の屈折率異方性Δn(Δn=異常光屈折率n−常光屈折率n)が大きいシアノ系、ビフェニル系、タフェニル系、ピリミジン系、トラン系あるいはフッ素系等のネマティック液晶が適している。
なお、スメクティック液晶を用いる場合、自発分極を有して高速応答を示す強誘電性液晶が有用である。例えば、シッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電性液晶、エステル系強誘電性液晶あるいはフェニルピリミジン系強誘電性液晶等とすることが好ましい。
また、上記透明基板6として、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレートあるいはアモルファスポリオレフィン等の柔軟なプラスティックフィルムを用いることができる。このような柔軟なプラスティックフィルム基板を用いた場合、軽量で曲げることが可能な液晶光変調器を実現することができる。
また、透明電極5としては、錫をドープした酸化インジウム(ITO)を始め、酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物を材料として用いるとよい。これらの透明電極5は、真空蒸着、イオンプレーティング、イオンアシスト、スパッタリング等の周知の成膜技術により上記透明基板6上に形成する。
混合液の分子配向を一方向に定めるための配向膜4の材料としては、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルシンナメート樹脂、アゾ系化合物等を用いることができる。
その配向処理法としては、レーヨンやナイロン布等で樹脂膜表面を摩擦するラビング配向処理、もしくは偏光紫外線の照射による露光処理を用いることができる。
また、配向膜4の塗布法としては、ロールコーティング、ディッピング、スピンコーティング、キャスティング、スプレー、ドクターブレードコーティングあるいはワイヤーバーコーティング等を用いるとよいが、それら以外の塗布法を用いることもできる。
なお、上記液晶光変調器10にバックライトを設けることにより、高コントラストの液晶表示装置を構成することができる。
さらに、上記液晶光変調器10に光反射板や光拡散板を設けることにより、バックライトが不要とされる低消費電力の反射型液晶表示装置を構成することも可能である。
このような反射型液晶表示装置を構成する場合には、上述した実施形態のものにおいて、一方の透明基板6を不透明のものとしたり、一方の透明電極5を不透明な金属電極に置き換えたりすることも可能である。
なお、上記樹脂繊維に類似した高分子組成物を備え、この高分子組成物を単官能性組成物と多官能性組成物を重合することにより形成したものが知られている(特開2000-84311号公報)が、この公報記載のものは、本願発明の主要な要件である高分子組成物の細径化について開示しておらず、また、発明の目的も本願発明とは全く異なるものである。
以下、本発明の液晶光変調器に係る実施例を、比較例との比較検証を行うことにより具体的に説明する。
すなわち、本実施例の樹脂繊維が、樹脂原材料として単官能モノマに多官能モノマを配合したものを用いたのに対し、比較例の樹脂繊維は樹脂原材料として単官能モノマのみを用いて比較検証を行った。
なお、本検証では樹脂繊維以外の作用を排除するため、便宜上、樹脂スペーサ構造物の形成は省略した。
ここでは、液晶として、シアノビフェニル系のネマティック液晶(E7 メルク社)を用いた。また、本実施例の樹脂繊維の原材料としては、具体的には、単官能モノマ(UCL-001 DIC社)に多官能モノマ(UCL-011 DIC社)を40wt%混合した溶液を用い、比較例の樹脂繊維の原材料としては、具体的には、単官能モノマ(UCL-001 DIC社)のみからなる溶液を用いた。
このようにして形成された本実施例サンプルと比較例サンプルの両者について以下の処理を行った。
まず、ポリイミド膜(AL-1254,日本合成ゴム社)をスピンコーティング法(4500rpm,90s)により、透明電極(ITO)が設けられた基板上に塗布し、180℃で2時間焼成した。
配向処理は、ナイロン布でポリイミド膜表面をラビングして(毛先押し込み量:0.4mm)行った。得られたラビング配向膜付きのガラス基板間に、液晶と樹脂原材料(15wt%)の混合液を、ラビング方向をアンチパラレルとして挟み込んだ後(膜厚:10μm)、樹脂原材料を重合させるため紫外線(中心波長:365nm,強度:5mW/cm2,時間:15min)を混合液に照射し、樹脂繊維を液晶中に分散した。
このような処理を施された本実施例サンプルと比較例サンプルの両者を偏光顕微鏡にて観察し、表示の一様性を比較した。図2(a)は比較例サンプルについて示すものであり、図2(b)は本実施例サンプルについて示すものである。なお、電圧無印加状態で白状態を示し、電圧印加により液晶が配向変化すると黒状態を示すように両サンプルを設定した。
図2に示されるように、電圧無印加状態では両サンプルに大きな違いは無いが、電圧を印加した場合、単官能モノマのみで樹脂繊維を形成した比較例サンプルは、表示面内の配向変化の閾値電圧の差が大きく、大部分が灰色の中間状態であり、まばらに黒状態の部分が存在する(図2(a)参照)のに対し、多官能モノマを配合した本実施例サンプルは黒状態の部分が面全体に現れ、閾値電圧の一様性が改善されていることが明らかである(図2(b)参照)。
次に、両サンプルから一方のガラス基板を取り除き液晶成分をエタノールで溶出し、樹脂繊維の表面形態を電子顕微鏡にて観察した。図3(a)は比較例サンプルについて示すものであり、図3(b)は本実施例サンプルについて示すものである。
図3(a)に示されるように、単官能モノマのみで形成された比較例サンプルの場合、10μm径程度の樹脂繊維(白色部)が確認され、繊維の位置と図2(a)に示す電圧印加時における灰色部の位置は一致していた。また、繊維表面に小さな筋が入っており、太い繊維は微小繊維が寄り集まった構造であることが確認された。このことから、微小繊維が寄り集まった領域と疎らな領域で閾値電圧にばらつきが生じていることが明らかである。
一方、図3(b)に示されるように、多官能モノマを配合した本実施例サンプルの樹脂繊維は、微細化が進んでいることが明らかである。これは繊維同士が相互に結合し、微小繊維の凝集が抑制されたためと考えられる。
以上の検証より、本実施例のものでは、微小繊維の凝集が抑制され、表示の一様性が大幅に良化できることが明らかである。
本発明の一実施形態に係る液晶光変調器を示す模式図 本実施例サンプルと比較例サンプルの表示の一様性の度合いを示す偏光顕微鏡写真((a)は比較例サンプル,(b)は本実施例サンプル) 本実施例サンプルと比較例サンプルの樹脂繊維組織を示す電子顕微鏡写真((a)は比較例サンプル,(b)は本実施例サンプル)
符号の説明
1 樹脂繊維
2 液晶分子(液晶)
3 樹脂スペーサ構造物
4 配向膜
5 透明電極
6 基板(透明基板)
7 偏光板
10 液晶光変調器

Claims (5)

  1. 一対の基板間に、樹脂繊維および液晶から構成されてなる複合膜と、該一対の基板間に介在するように配置された複数個の樹脂製スペーサ構造物とを有する液晶光変調器であって、
    前記樹脂繊維の太さが100nm以下であり、かつ該樹脂繊維の構成材料が、単官能性樹脂の前駆体と多官能性樹脂の前駆体とを配合したものであることを特徴とする液晶光変調器。
  2. 前記樹脂繊維は、繊維同士が結合した網目構造とされていることを特徴とする請求項1記載の液晶光変調器。
  3. 前記複合膜への電圧印加に応じて、前記液晶の分子の配向方向と、前記樹脂繊維の配列方向とが連動して変化するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の液晶光変調器。
  4. 前記樹脂繊維の原材料は、棒状の分子骨格を有して液晶相を示すように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の液晶光変調器。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項記載の液晶光変調器を備えてなることを特徴とする液晶表示装置。
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