JP4252202B2 - 強誘電性液晶を用いた液晶光変調器とその製造方法 - Google Patents

強誘電性液晶を用いた液晶光変調器とその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電性液晶を用いて光強度を変調する液晶光変調器に関し、特に中間調のメモリ機能と高いコントラストを備えフラットディスプレイや投写型ディスプレイに好適な液晶光変調器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶に電界を加えて、液晶分子の配列状態を変化させるという液晶の電気光学効果を応用すると、光変調器が実現できる。液晶光変調器は、他の電気光学効果を示す光学結晶に比べて低電圧で動作し、また比較的大きな面積のものを作ることができるため、ディスプレイ用の電気光学素子として、近年注目されている。
【0003】
このような液晶光変調器の一つとして、室温でカイラルスメクティックC相を示し、自発分極を持つ強誘電性液晶が、透明電極により挟まれた構造の素子がある。この液晶光変調器は、液晶分子が印加電圧との強いクーロン相互作用により駆動されるため、数十マイクロ秒の高速な光変調機能を持つため、動画表示をはじめ高速動作が求められるフラットディスプレイや投写型ディスプレイなどに応用が期待されている。
【0004】
強誘電性液晶を用いた光変調器として、これまでに以下のような素子が提案されている。
【0005】
(1)従来のよく知られた液晶光変調器では、2枚のガラス基板のそれぞれに透明電極が形成され、さらにその上にポリイミド樹脂の配向膜が設けられている。そのようなガラス基板を貼り合わせて微小ギャップを形成した後、その微小ギャップ中に強誘電性液晶を充填すると、液晶分子は、透明電極に印加される電圧の極性により基板の水平面内で配向変化を起こす。表面安定型強誘電性液晶と呼ばれるこの液晶光変調器は、偏光の光吸収軸が互いに直交する2つの偏光板に挟まれるため、印加電圧に応じて入力光に対する液晶の光透過率が制御される(文献1:N. A. Clark and S. T. Lagerwall; Appl. Phys. Lett., vol. 36, no. 11, pp. 899-901 (1980))。
【0006】
(2)従来の他の液晶光変調器は、強誘電性液晶と合成樹脂からなる複合体が、2枚の透明電極付き透明基板で挾着された構造の素子を有し、その素子を2つの偏光板で挟み、透明電極に印加する電圧の極性や強度を制御することにより、光透過率が制御される(文献2:H. Fujikake, T. Aida, J. Yonai, H. Kikuchi, M. Kawakita and K . Takizawa :“Rigid Formation of Aligned Polymer Fiber Network in Ferroelectric Liquid Crystal”,Jpn. J. Appl. Phys., vol.38, no.9A, pp. 5212-5213 (1999.9))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の液晶光変調器は、以下に述べるような課題を抱えている。
【0008】
(1)上記文献1に開示された第1の従来例は、単純マトリックス駆動の液晶ディスプレイパネルに必要なメモリ機能を有するが、液晶配向の双安定的なスイッチング挙動に基づき、表示動作が2値に限られるため、フルカラーディスプレイを構成できない。また、強誘電性液晶特有の分子配向であるスメクティック層構造が厚み方向で折れ曲がり、その屈曲方向がランダムになるため、微小な表示欠陥が生じて、コントラスト比が低下する。
【0009】
(2)上記文献2に開示された第2の従来例では、分散した樹脂の配向効果により、2値の微細な液晶ドメインが生じ、その空間分布に応じて中間調表示(面積階調)が得られるが、樹脂によりスメクティック層構造が多様に変形するため、単純マトリックス駆動に有用なメモリ効果が低下する。
【0010】
本発明は、上記の従来の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、中間調のメモリ機能を有するとともに、高いコントラスト比で光変調を行うことができる液晶光変調器を提供すること、およびその液晶光変調器を製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の液晶光変調器は、強誘電性液晶の中に、該液晶とともに液晶性モノマーを配向して重合・硬化させることにより形成される一方向に異方性化した3次元網目状構造の合成樹脂が分散されて液晶ドメインが形成された液晶・樹脂複合体と、前記液晶・樹脂複合体の分子配向を一方向に揃えるための5度以上のプレチルト角を有する2枚の高プレチルト配向膜と、前記2枚の高プレチルト配向膜を間に介して前記液晶・樹脂複合体を挟持するそれぞれ透明電極が付着した2枚の透明基板と、2つの前記透明電極に両極性の直流電圧を印加する電圧源とを有し、前記合成樹脂の表面は、前記強誘電性液晶を一方向に配向を安定化する配向効果を備えた側鎖分子を含有しており、かつ、前記液晶ドメインは、前記強誘電性液晶に対する前記合成樹脂による分断で電圧印加時に微細なオン・オフ状態のドメイン分布に基づく面積階調を有するとともに、前記電圧源により印加する電圧に応じた分子配向状態を電圧除去後も維持する液晶ドメインであることを特徴とする。
【0012】
ここで、前記高プレチルト配向膜は、摩擦処理もしくは偏光紫外光の照射により光分解されたポリイミド樹脂またはポリビニルアルコール樹脂、あるいは偏光した紫外線照射により重合・架橋したシンナメート樹脂またはポリイミド樹脂、あるいは斜方蒸着されたSiOx(xは1以上2以下)の膜であることを特徴とすることができる。
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の液晶光変調器の製造方法は、前記液晶・樹脂複合体を作製する工程で、直流もしくは交流の電圧を印加した状態で、該液晶・樹脂複合体を構成する液晶をネマティック相もしくはスメクティックA相から、カイラルスメクティックC相に冷却して相転移させることを特徴とする。
【0014】
(作用)
本発明による液晶光変調器は、強誘電性液晶と3次元網目状の合成樹脂からなる液晶・樹脂複合体が、5度以上のプレチルト角を有する配向膜を介して透明電極により挟まれるので、液晶配向の層構造の折れ曲がりが一方向に制御されて、折れ曲がりの不連続に基づく微細な配向欠陥が生じないため、高いコントラストの光変調が得られる。
【0015】
さらに、本発明の液晶光変調器を製造する方法は、素子の作製工程で、直流もしくは交流の電圧を印加して液晶分子を牽引しながら、ネマティック相もしくはスメクティックA相からカイラルスメクティックC相に冷却して相転移させるので、液晶配向の乱れが軽減してスメクティック層がより均一化するため、液晶分子の双安定性が発現して、良好なメモリ性が生じる。この場合、分散された樹脂の微細構造から液晶ドメインが形成されるため、面積階調に基づく中間調のメモリ機能が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態における液晶光変調器の構成を模式的に示す断面図である。本実施形態の液晶光変調器では、カイラルスメクティックC相を示す強誘電性液晶1の中に3次元網目状の合成樹脂2が分散された液晶・樹脂複合体3が、それぞれ透明基板5a,5bに付着された透明電極4a,4bに挟まれて配設されており、透明基板5a,5bは堅い合成樹脂2を含む液晶・樹脂複合体3によって堅固に支持される。また、両透明基板5a,5bのそれぞれの外側に偏光板9a、9bが配設されている。
【0018】
本実施形態の場合、透明電極4a,4bの内側に高プレチルト角を有する配向膜7a,7bを形成しているため、液晶・樹脂複合体3内の液晶分子1の配向方向は、透明基板5a,5bの面方向から傾斜しており、液晶分子1が形成する層構造(スメクティック層と呼ばれる)は、図1で破線で示したような、特定方向に折れ曲がった“く”の字状になっている。
【0019】
透明電極4a,4bはリード線6a,6bを介して両極性電圧を供給する電圧源8に接続されている。偏光板9aにより液晶の分子の長軸方向に偏光された入射光10は、一方の透明基板5aから入射し、液晶・樹脂複合体3で偏光状態が制御され、出射側の偏光板9bを透過した後、強度変調された出射光11となる。つまり、この2つの偏光板9a,9bの光透過軸は直交関係にあり、電圧源8の電圧極性の切り替えにより、液晶分子の配向が透明電極4a,4b(または、透明基板5a,5b)の面内でスイッチするため、液晶1を含む液晶・樹脂複合体3の複屈折が変化し、入射光10の偏光方向が回転して、透過光11の強度が変調される。
【0020】
また、本実施形態の場合、合成樹脂2の3次元網目状の構造によって、液晶1が分断されて微小な液晶ドメインが誘発されるため、微細なオン・オフ状態のドメイン分布に基づく面積階調、すなわち中間調表示を行うことが可能である。
【0021】
さらに、合成樹脂2の3次元網目状の構造で配向が安定化された液晶ドメインは、電圧除去後も分子配向状態を保持するため、印加電圧を除去しても光透過率が保持され、単純マトリックス駆動ディスプレイパネルに有用な中間調メモリ機能が得られる。
【0022】
合成樹脂2の原材料としては、強誘電性液晶1に対して溶解性が優れた液晶性モノマーが好ましい。液晶・樹脂複合体3中の合成樹脂2の含有率は、液晶・樹脂複合体3の機械的強度を確保するため、10重量%以上が望ましく、20重量%以上であれば、基板が堅牢に固定される。合成樹脂2の原材料である液晶性モノマーの分子は、液晶とともに配向して硬化するため、その硬化後は、合成樹脂2の液晶性の側鎖部が、液晶分子の配向を促す役割を有する。
【0023】
また、合成樹脂2の分散形態は、強誘電性液晶1の配向を促進するために、延伸した3次元的網目形状などのように、一方向に異方性化していることが望ましく、細長い繊維形態が特に有用である。このような異方性化した合成樹脂2は、液晶とモノマーの均質混合液を、分子の配向状態にあるネマティック相を示す温度で、紫外線照射によって光重合し、次いで液晶と合成樹脂を相分離することによって形成される。このような合成樹脂2としては、上記の紫外線照射による光硬化をはじめ、熱硬化または反応硬化により形成されるアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、またはそれらの共重合体を用いることができる。
【0024】
混合液(液晶・樹脂複合体3)の分子配向を一方向に定めるための配向膜7a、7bとしては、摩擦(ラビング)処理もしくは偏光紫外光の照射による選択的な光分解が施されたポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、斜方蒸着されたSiOx(xは1以上2以下)などが好ましい。もしくは、偏光した紫外線照射により、一方向のモノマーを選択的に架橋・重合して異方性化したシンナメート樹脂、ポリイミド樹脂を配向膜7a、7bとして用いることも可能である。
【0025】
通常、フラットディスプレイに広く用いられているツイストネマティック液晶素子では、2度程度のプレチルト角のポリイミド配向膜が用いられるが、本実施形態の液晶・樹脂複合体3では、2つの透明基板5a,5b上に設けられた配向膜のラビング方向を同一(平行)とし、5度以上のプレチルト角を有する配向膜7a、7bを設けることにより、強誘電性液晶分子1の配向の折れ曲がりを一方向に揃えることが可能である。それによって、本実施形態では、従来の表面安定化強誘電性液晶において、配向の折れ曲がりの不連続により生じていた微細な配向欠陥(ジグザグ欠陥)が抑制され、高コントラストな光変調特性を得ることができる。また、この場合の液晶配向の安定化は、高プレチルトを有する配向膜7a、7bにより形成される樹脂形態が変化した結果として得られるものである。
【0026】
液晶・樹脂複合体3は、自己支持性を持っているため、従来のように堅い基板を用いてギャップを構成し、そのギャップ中に液晶を充填することによって液晶の膜厚を保つ必要がなく、簡便な塗布工程により、透明基板5a,5b上に所望の膜厚の複合体層を形成することができる。
【0027】
図1の本実施形態の液晶光変調器の具体的な作製工程は以下の通りである。
【0028】
まず、それぞれの表面に透明電極4a,4bと配向膜7a,7bを形成した2枚の透明基板5a,5bを用意して、少なくとも一方の透明基板の透明電極上に加熱した液晶とモノマーの混合液(ネマティック相)を塗布して、2枚の透明基板5a,5bを配向膜7a,7bを内側にして貼り合わせる。
【0029】
次に、その張り合わせたその素子に対して、紫外光照射に伴う光重合などの処置により、モノマーを硬化して液晶内に樹脂2を析出させる。この時、液晶1はネマティック相もしくはスメクティックA相である。
【0030】
最後に、それらの相からカイラルスメクティックC相に冷却して相転移させる。この時、透明電極4a,4bに直流もしくは交流の電圧を印加しながら冷却してもよく、その場合、液晶分子1の配向秩序性がさらに向上し、分散した樹脂2の配向効果によるスメクティック層の変形が軽減されるため、より高いコントラスト比と安定なメモリ機能を得ることが可能となる。
【0031】
透明基板5a,5bとしては、液晶・樹脂複合体3が透明基板5a,5bを支持する構造となるため、柔軟なプラスティックフィルムや、厚みが0.6mm以下の薄いガラス板を用いることができる。特に、プラスティックフィルム基板5a,5bと自己支持性の液晶・樹脂複合体3を一体化することにより、軽量で折り曲げが可能な柔軟な光変調器を実現することができる。
【0032】
透明電極4a,4bとしては、錫をドープした酸化インジウム(ITO:In23:Sn)などが好適である。透明電極4a,4b間の短絡を避けるために透明な有機物や無機酸化物(例えばSiO2、TiO2)などの絶縁層を配向膜7a,7bと透明電極4a,4bの間に設けることも可能である。
【0033】
強誘電性液晶1の材料としては、入射光10の偏光状態を大きく制御できるように、液晶の屈折率異方性Δn(Δn=異常光屈折率ne−常光屈折率no)が大きい方が好ましい。そのため、屈折率異方性の大きなシッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電性液晶、エステル系強誘電性液晶、もしくはフェニルピリミジン系強誘電性液晶などが強誘電性液晶1の材料として適している。また、強誘電性液晶1の材料として自発分極が大きな強誘電性液晶材料を用いることにより、高速応答と低電圧駆動が可能となる。
【0034】
【実施例】
次に、本発明の実施の一例とその実施結果について詳述する。
【0035】
一例として、強誘電性液晶1としてチッソ(株)製の強誘電性液晶組成物(屈折率異方性Δn=0.15)を使用し、合成樹脂2の材料として、紫外線硬化性のアクリル性モノマー(大日本インキ(株)製のUCL−001)を用いて作製した液晶光変調器について述べる。
【0036】
その作製方法は以下の通りである。
【0037】
まず、2枚のガラス基板5a,5bに、それぞれ、厚み72nmのIn23:Snを蒸着して透明電極4a,4bを形成し、さらに透明電極4a,4b上にスピンコート法によって、5度以上のプレチルト角を有するポリイミド樹脂(JSR(株)製のJALS−248−R4)を塗布して、厚み50nmの配向膜7a,7bを形成した。
【0038】
この配向膜7a,7bを微細なレーヨンブラシで一方向に摩擦(ラビング)した。
【0039】
この2枚の配向膜付きの基板5a,5bのうち一方の基板の配向膜上に100℃で加熱・溶解した前述の強誘電性液晶とモノマーの混合液(モノマー濃度20重量%、2μm径の球状スペーサを分散)を塗布した。
【0040】
次いで、他方の基板を、その配向膜が上記塗布された混合液と密着するように重ね(2枚の基板における配向膜の摩擦方向は平行)、65℃に加熱しながら40mW/cm2の紫外線(中心波長365nm)を照射した。
【0041】
その後、2つの透明電極4a,4b間に、10kHzの交流矩形波の電圧(20Vrms)を印加しながら室温まで冷却した。
【0042】
この試作した2μm厚の液晶・樹脂複合体3は、低プレチルト角の配向膜(JSR(株)製のAL−1254)を用いた素子との比較から、分散される樹脂形態が少なからず変化することが認められた。さらに、偏光顕微鏡を用いた複合体の観察により、ジグザグ欠陥が見られず、均一な液晶の配向組織を有していることが確認された。
【0043】
また、正負の直流電圧(10V)を試作した本素子に印加した場合のコントラスト比は、100:1以上であった。さらに、透明電極4a,4bに数Vの電圧パルスを印加し、電圧除去後の光透過率を測定した結果、電圧パルスの強度に応じて、透過光の強度が保持される中間調のメモリ機能が得られた。
【0044】
なお、プレチルト角が3°の配向膜(JSR(株)製のAL−1254)では、メモリ機能が得られないことが上記実験結果から判明しており、5°以上のプレチルト角でのみ本発明の目的が達成されることが確かめられた。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、液晶・樹脂複合体の形成過程において、基板に高プレチルト角を有する配向膜を用いて、液晶配向の折れ曲がりを均一化するようにしたので、配向欠陥が発生せず、中間調のメモリ機能と高いコントラストを有する液晶光変調器を提供することができる。
【0046】
従って、本発明の液晶光変調器は、中間調のメモリ機能と高いコントラストが求められるフラットパネルディスプレイや投写型ディスプレイ用の電気光学素子として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における液晶光変調器の構成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 強誘電性液晶
2 合成樹脂
3 液晶・樹脂複合体
4a,4b 透明電極
5a,5b 透明基板
6a,6b リード線
7a,7b 配向膜
8 電圧源
9a,9b 偏光板
10 入射光
11 出射光

Claims (3)

  1. 強誘電性液晶の中に、該液晶とともに液晶性モノマーを配向して重合・硬化させることにより形成される一方向に異方性化した3次元網目状構造の合成樹脂が分散されて液晶ドメインが形成された液晶・樹脂複合体と、
    前記液晶・樹脂複合体の分子配向を一方向に揃えるための5度以上のプレチルト角を有する2枚の高プレチルト配向膜と、
    前記2枚の高プレチルト配向膜を間に介して前記液晶・樹脂複合体を挟持するそれぞれ透明電極が付着した2枚の透明基板と、
    2つの前記透明電極に両極性の直流電圧を印加する電圧源とを有し、
    前記合成樹脂の表面は、前記強誘電性液晶を一方向に配向を安定化する配向効果を備えた側鎖分子を含有しており、
    かつ、前記液晶ドメインは、前記強誘電性液晶に対する前記合成樹脂による分断で電圧印加時に微細なオン・オフ状態のドメイン分布に基づく面積階調を有するとともに、前記電圧源により印加する電圧に応じた分子配向状態を電圧除去後も維持する液晶ドメインであることを特徴とする液晶光変調器。
  2. 前記高プレチルト配向膜は、摩擦処理もしくは偏光紫外光の照射により光分解されたポリイミド樹脂またはポリビニルアルコール樹脂、あるいは偏光した紫外線照射により重合・架橋したシンナメート樹脂またはポリイミド樹脂、あるいは斜方蒸着されたSiOx(xは1以上2以下)の膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶光変調器。
  3. 請求項1または2に記載の液晶光変調器の製造方法において、
    前記液晶・樹脂複合体を作製する工程で、直流もしくは交流の電圧を印加した状態で、該液晶・樹脂複合体を構成する液晶をネマティック相もしくはスメクティックA相から、カイラルスメクティックC相に冷却して相転移させることを特徴とする液晶光変調器の製造方法。
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