JP4220816B2 - 液晶光変調器およびその製造方法ならびに液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶光変調器およびその製造方法ならびに液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶に電界を加えて液晶分子の配向状態を変化させるという、液晶の電気光学効果を応用すると、光の強度等を主に変化させる光変調器を実現することができる。この液晶を用いた光変調器(以下、これを液晶光変調器という。)は、他の電気光学効果を示す光学結晶に比べて低電圧で動作する。このため、液晶光変調器は、ディスプレイ用の電気光学素子として近年注目されている。
【0003】
そのような液晶光変調器の1つとして、1対の透明電極間に設けられた液晶層の液晶分子の配向方向を90°ねじり、入射光の偏光方向を回転する旋光能を利用したツイストネマティック液晶素子が広く知られており、液晶表示装置に多く用いられている。
【0004】
上記ツイストネマティック液晶素子は、電圧印加に伴う液晶分子の配向変化に応じて旋光能が変化することで、透過光を変調する機能が得られる。
【0005】
上記ツイストネマティック液晶素子は、配向膜の材料として、プレチルトや電圧保持率の観点から、通常ポリイミド樹脂が選択される。そして、ガラス基板上にポリイミド樹脂を均一に塗布した後、150〜200℃程度の温度で焼成してアミック酸からポリイミドを縮合させる。さらに、液晶分子を配向させるためのラビング(摩擦)処理が行われて、配向膜とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、旋光能を利用した従来の液晶光変調器およびそれを用いた液晶表示装置は、上記配向膜に関し、以下のような課題を抱える。
【0007】
配向膜を形成する過程で高温処理およびラビング処理を必要とするため、製造工程が煩雑となり、製造コストも高くなる。また、ラビング処理の際に、細かい塵が発生し、また、静電気が発生するため、製造歩留まりが低下する。
【0008】
一方、液晶表示装置の軽量化、柔軟化(フレキシブル化)を実現するために、ガラス基板に変えてプラスティック基板を導入することが進められているが、このとき、上記のように配向膜を形成する過程で高温処理を必要とするため、プラスッティック基板が熱によって変形してそり等を生じ、表面の平坦性が損なわれる。また、このことが製造歩留まりを低下させる要因となる。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、製造工程が簡易で、安価に製造することができる液晶光変調器およびその製造方法ならびに液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、基板としてプラスティックフィルム基板を好適に用いることができる液晶光変調器およびその製造方法ならびに液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る液晶光変調器は、少なくとも表層分子が配向するとともに、該表層分子の配向方向が相互に直交するようにして積層配設される1対の延伸して形成された多孔質樹脂膜と、該多孔質樹脂膜に浸透され多孔質樹脂膜の積層により誘起される旋光性のねじれ配向するネマティック液晶とからなる液晶・樹脂複合体と、該液晶・樹脂複合体を挟持する、透明電極付きの1対の透明基板と、前記1対の透明基板を挟んで設けられる光透過軸が直交する1対の偏光板と、を有することを特徴とする。
【0012】
これにより、高温処理やラビング処理を伴うポリイミド配向膜を設けたときに生じ得る製造工程の煩雑さを軽減することができ、液晶光変調器を簡易な製造工程で、安価に製造することができる。
【0013】
この場合、前記多孔質樹脂膜が、ポリマー繊維のネットワークを有し、該ポリマー繊維の太さが1μm以下であると、光散乱を防止するうえで好適である。
【0014】
また、この場合、前記液晶・樹脂複合体の厚みが2μm以上であると、光利用率の高い変調を行う上で好適である。
【0015】
また、この場合、前記多孔質樹脂膜を構成する樹脂が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素系樹脂若しくはセルロース樹脂またはそれら樹脂の共重合体またはそれら樹脂若しくは共重合体の混合物であると、好適である。
【0016】
また、この場合、前記1対の透明基板としてプラスティックフィルム基板を用いると、熱による損傷を受けることがなく、また、フレキシブルなプラスティックフィルム基板を好適に得ることができる。
【0017】
また、本発明に係る液晶表示装置は、上記の液晶光変調器を有すると、上記本発明の液晶光変調器の効果を好適に得ることができる。
【0018】
また、本発明に係る液晶光変調器の製造方法は、上記の液晶光変調器の製造方法であって、樹脂を相分離して得られる多孔質樹脂材料を機械的に延伸した後、ネマティック液晶を浸透させて液晶・樹脂複合体を得ると、上記液晶光変調器の効果を好適に発揮することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係る液晶光変調器およびその製造方法ならびに液晶表示装置の好適な実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
【0020】
まず、本実施の形態例に係る液晶光変調器および液晶表示素子について、図1を参照して説明する。図1は、液晶光変調器を構成する液晶・樹脂複合体の構造を模式的に示している。
【0021】
液晶・樹脂複合体17は、一方向に揃って異方性化した微細な樹脂14が凝集した1対の多孔質樹脂膜16a、16bが相互に直交する方向に配置され、多孔質樹脂膜16a、16b中にネマティック液晶12が浸透され、浸透したネマティック液晶12はねじれ配向した構造を有する。
【0022】
1対の多孔質樹脂膜16a、16bは、それぞれ、樹脂14、言いかえれば、樹脂のネットワークの繊維が一方向に伸びた形態を有する。なお、1対の多孔質樹脂膜16a、16bは、後述する透明電極18a、18b側に向いた表層(表面)の樹脂の分子のみが配向したものであってもよい。
【0023】
ネマティック液晶12は、樹脂14の配向に制御されて樹脂と同じ配向方向をとるように配列される。その結果、図1に示すように、後述する透明電極18a、18b側に向いた表層に位置するネマティック液晶12のみが樹脂14の分子と同じ方向に配向し、中間部分のネマティック液晶12は液晶材料の弾性により、90°ねじれることになる。なお、後述するように、液晶光変調器10を使用して電源のオン、オフを繰り返す場合において、電源オフすなわち、電圧の印加を解除したときの液晶の弾性によるネマティック液晶12の配向状態も、図1の形態となる。
【0024】
液晶・樹脂複合体17を挟んで、透明電極18a、18bをそれぞれ付着した1対の透明基板20a、20bが設けられ、これらの構成要素全体で液晶光変調器10を構成する。
【0025】
さらに、液晶光変調器10の1対の透明基板20a、20bを挟んで、光透過軸が平行または直交した1対の偏光板22a、22bが設けられる。透明電極18a、18bは、それぞれリード線24a、24bを介して、交流電圧を供給する駆動電圧源26に接続される。これらの構成要素全体で液晶表示装置28を構成する。
【0026】
多孔質樹脂膜16a、16bは、自立性を有する。ここで、自立性とは、一定の剛性をもち、言いかえれば、一定の機械的安定性をもち、自ら独立して一定の形状を保持し得る性質をいう。すなわち、多孔質樹脂膜16a、16bは、2枚の基板で挟持するまでもなく、小さな力が加わっても変形等することなく、一定の形状を保持する。
【0027】
多孔質樹脂膜16a、16bに用いる樹脂14は、合成樹脂であってもよく、また、天然樹脂であってもよい。また、樹脂14の材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、セルロース樹脂等の樹脂のうちのいずれか、またはそれらの樹脂の共重合体、さらにはそれらの樹脂の混合物、それらの共重合体の混合物、あるいは樹脂と共重合体の混合物を用いることができる。また、配向性に優れた樹脂として、液晶性のモノマーを硬化させた合成樹脂や、高分子液晶を用いることもできる。
【0028】
多孔質樹脂膜16a、16bは、液晶12を高い秩序で分子配向させることにより、高コントラスト比な光変調動作を得ることができる。そのため、多孔質樹脂膜16a、16bを構成する樹脂は、形態が高度に異方性化しているか、または、表面の高分子主鎖もしくは側鎖が高い秩序で分子配向していることが望ましい。
【0029】
多孔質樹脂膜16a、16bは、樹脂の分散密度やサイズを変えることにより、光変調の応答速度やコントラスト比が制御可能となる。
【0030】
多孔質樹脂膜16a、16bは、気孔率が高いと、液晶の含有率が大きなり、光変調動作に有利であり、例えば50%以上程度あると好適である。また、多孔質樹脂膜16a、16bは、繊維状または空孔のある網目状の構造を有するものが好ましい。このような多孔質樹脂膜も、後述する相分離や延伸等の作製方法により得ることができる。ポリマー分子の繊維は、太さが1μm以下であると、光散乱を防止するうえで好適である。また、液晶・樹脂複合体17の厚みは、2〜50μm程度であると、光利用率の高い変調を行ううえで好適である。なお、この場合、硬質樹脂や二酸化ケイ素等からなる粒径の揃ったスペーサ粒子を多孔質樹脂膜16a、16b中に分散しておくと、多孔質樹脂膜16a、16bの厚みをより精密に制御することができる。
【0031】
ネマティック液晶12の材料は、低粘度で高弾性のものが適しており、例えば、ビフェニル系、ターフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、フッ素系、トラン系またはエステル系の材料を用いることができる。
【0032】
液晶・樹脂複合体17におけるネマティック液晶12の含有量(多孔質樹脂膜16a、16bおよびネマティック液晶12全体に対するネマティック液晶12の割合)は、特に限定するものではないが、例えば50質量%以上であると好適である。
【0033】
上記の液晶・樹脂複合体17は、例えば、樹脂を相分離して得られる多孔質樹脂材料(樹脂14)を、好ましくは樹脂のガラス転移点以上の温度で、機械的に延伸させた後、透明電極18a、18bに塗布し、この塗布膜にネマティック液晶14を浸透させることにより得られる。なお、これに限らず、樹脂のガラス転移点を下回る温度下で処理してもよい。このとき、透明基板20a、20bの耐熱性の許容範囲内で延伸時に加熱すると、より好適である。
【0034】
なお、本実施の形態例に係る液晶光変調器10および液晶表示装置28における上記液晶・樹脂複合体17以外の構成要素については、通常の材料を用い、通常の方法で作製することができるため、以下に簡単に説明するに止める。
【0035】
透明電極18a、18bの材料としては、スズをドープした酸化インジウム(ITO)等の透明金属酸化物材料が好適である。これらの透明金属酸化物材料を真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の方法を用いて成膜することにより透明電極18a、18bを得ることができる。また、透明金属酸化物材料に変えてポリチオフェン系樹脂等の有機系の高分子導電材料を、スピンコート法や、印刷法により塗布して透明電極18a、18bを形成してもよい。
【0036】
透明電極18a、18b間の間隔を多孔質樹脂膜16a、16bの積層厚みよりも大きくすることにより、液晶のねじれ配向が誘起され、また、多孔質樹脂膜16a、16bに圧縮応力がかからないことにより、液晶のねじれ配向を阻害することがない。
【0037】
透明基板20a、20bの材料としては、例えば厚みが0.7mm以下の薄いガラス板を用いることができ、これにより、液晶変調器10および液晶表示装置28の軽量化、大面積化を実現することができる。また、例えば厚みが0.4mm以下程度の薄くて可撓性を有するプラスティックフィルムを用いてもよく、これにより、さらに、フレキシブルな液晶変調器10および液晶表示装置28を得ることができる。このような、プラスティックフィルムに用いられる樹脂としては、ポリカーボネート、ポルエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート等の柔軟なプラスティックフィルムを挙げることができる。
【0038】
なお、多孔質樹脂膜16a、16bの厚み、形状は、2枚の透明基板20a、20b間のギャップによってではなく、前記したように、自立性を有する多孔質樹脂膜16a、16b自体によって保持される。
【0039】
上記のように構成される本実施の形態例に係る液晶表示装置28は、入射光が偏光板22aにより液晶・樹脂複合体17の配向処理方向と平行または垂直に偏光されて透明基板20aに入射され、液晶光変調器10で偏光状態が制御され、偏光板22bの光吸収により強度が変調されて(光変調されて)透過光となる。
【0040】
すなわち、透明電極20a、20bに電圧が印加されていないとき、ネマティック液晶14の弾性により、液晶の配向方向が90°ねじれ、これにより入射した偏光は、偏光方向が90°ねじれて出射する(旋光能)。このとき、出射側の偏光板22a、22bの透過軸が、素子に入射する偏光の方向に平行な場合、すなわち、ノーマリーブラックモードの場合、光を遮断して黒表示され、一方、素子に入射する偏光の方向に直交する場合、すなわち、ノーマリーホワイトモードの場合、光を透過して白表示される。
【0041】
これに対して、透明電極20a、20bに十分な電圧が印加されるとき、ネマティック液晶14が電界に平行に配向し、液晶分子が図1中、上下方向に直立する。これにより、旋光現象が消失して、液晶・樹脂複合体17の内部で入射光の偏光方向が保存され、偏光板22a、22bがノーマリーブラックモードの場合、光を透過して白表示され、一方、偏光板22a、22bがノーマリーホワイトモードの場合、光を遮断して黒表示される。
【0042】
上記の液晶の配向の変化、言いかえれば、液晶・樹脂複合体17における偏光方向の変化は電圧強度に応じて連続的に生じるため、印加電圧を制御することにより、透過光強度をアナログ的に変調することができる。
【0043】
以上説明した本実施の形態例に係る液晶光変調器10および液晶表示装置28は、液晶・樹脂複合体17の多孔質樹脂膜16a、16bの樹脂分子の配向に伴って液晶が配向するため、従来のポリイミド樹脂を用いた配向膜のように、高温で処理し、あるいはラビング処理を行う必要がない。
【0044】
このため、ラビング処理の際に生じ得る静電気によって薄膜トランジスタが破壊されるおそれや、発塵を回避することができる。また、高温処理の際の熱によるプラスティックフィルム基板や透明電極の損傷を回避することができる。これにより、液晶光変調器10および液晶表示装置28の生産の歩留まりの低下を軽減することができ、生産性を高めることができる。
【0045】
また、従来のポリイミドを用いた配向膜の場合、液晶配向むらを生じ得るため大面積かつ均一にラビング処理することが困難であったが、本実施の形態例によれば、ラビング処理が不要なため、大面積の液晶表示装置を簡便に作製することができる。
【0046】
また、本実施の形態例に係る液晶光変調器10および液晶表示装置28は、液晶・樹脂複合体17の多孔質樹脂膜16a、16bの樹脂が高度に異方性化等していると、液晶が高い秩序で配向される。これにより、例えば50:1程度の高コントラスト比の光変調動作を得ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態例に係る液晶光変調器において、バックライトをさらに設けると、よりコントラスト比の良好な表示装置を得ることができる。一方、バックライトに変えて反射板や拡散板を設けてもよく、これにより消費電力の低い反射型液晶表示装置を得ることもできる。また、反射板または拡散板をバックライトと組み合わせて用いてもよい。これらの場合において、一方の透明基板や透明電極を透明でない基板や金属電極にしてもよい。
【0048】
【実施例】
実施例を挙げて、本発明をさらに説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
【0049】
ポリオレフィンを機械的に延伸した厚みが7μmの多孔質膜の2枚を、相互に直交するように配置して積層する。ついで、積層した2枚の多孔質膜にネマティック液晶を浸透させて液晶・樹脂複合体を得る。このときの、液晶・樹脂複合体中のネマティック液晶の含有量は、50質量%以上である。この場合、2枚の多孔質膜のそれぞれに予めネマティック液晶を浸透させた後、2枚の多孔質膜を積層してもよい。さらに、ネマティック液晶が浸透した2枚の多孔質膜を、それぞれ厚みが72nmのITO透明電極付きの厚みが1.1mmの2枚のフロートガラス基板で挟み込むことにより、液晶光変調器を得た。このとき、対向する2つのITO透明電極間の間隔を24μmとし、この間隔を2枚の多孔質膜の積層厚みよりも十分大きくすることにより、液晶のねじれ配向を誘起させた。
【0050】
試作した液晶光変調器に偏光板を設け、ITO透明電極に100Vの交流電圧を印加して、電気光学効果を測定した。図2に測定データを示す。
【0051】
図2より明らかなように、偏光板がノーマリーブラックモードの状態(図2中、矢印Bで示す。)では印加電圧の増加とともに光透過率が大きくなり、透過光が増加した。一方、偏光板がノーマリーホワイトモードの状態(図2中、矢印Aで示す。)では印加電圧の増加とともに光透過率が小さくなり、透過光が減少した。これにより、50:1程度の高いコントラスト比が得られた。試作した液晶光変調器を用いた素子は、電圧制御型の旋光効果を有し、表示動作に必要な光変調機能を有することが確認できた。
【0052】
また、上記の素子に100Vの交流電圧パルスを印加して透過光の時間変化を測定したところ、立ち上がり6ms、立ち下がり18ms、合計24msという高速な応答特性が得られた。
【0053】
【発明の効果】
本発明に係る液晶光変調器によれば、少なくとも表層分子が配向するとともに、表層分子の配向方向が相互に直交するようにして配設される1対の多孔質樹脂膜と、多孔質樹脂膜に浸透され、ねじれ配向するネマティック液晶とからなる液晶・樹脂複合体と、液晶・樹脂複合体を挟持する、透明電極付きの1対の透明基板とを有するため、液晶光変調器を簡易な製造工程で、安価に製造することができる。
【0054】
また、本発明に係る液晶光変調器によれば、多孔質樹脂膜を構成する樹脂が、ポリマー繊維のネットワークを有し、ポリマー繊維の太さが1μm以下であるため、光散乱を防止するうえで好適である。
【0055】
また、本発明に係る液晶光変調器によれば、液晶・樹脂複合体の厚みが2μm以上であるため、光利用率の高い変調を行う上で好適である。
【0056】
また、本発明に係る液晶光変調器によれば、1対の透明基板としてプラスティックフィルム基板を用いると、熱による損傷を受けることがなく、また、フレキシブルなプラスティックフィルム基板を好適に得ることができる。
【0057】
また、本発明に係る液晶表示装置によれば、上記の液晶光変調器を有するため、本発明の液晶光変調器の効果を好適に得ることができる。
【0058】
また、本発明に係る液晶光変調器の製造方法によれば、樹脂を相分離して得られる多孔質樹脂材料を機械的に延伸した後、ネマティック液晶を浸透させて液晶・樹脂複合体を得るため、上記液晶光変調器の効果を好適に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態例に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。
【図2】 実施例の液晶光変調器の電気光学特性を示すグラフ図である。
【符号の説明】
10 液晶光変調器
12 ネマティック液晶
14 樹脂
16a、16b 多孔質樹脂膜
17 液晶・樹脂複合体
18a、18b 透明電極
20a、20b 透明基板
22a、22b 偏光板
24a、24b リード線
26 駆動電圧源
28 液晶表示装置

Claims (7)

  1. 少なくとも表層分子が配向するとともに、該表層分子の配向方向が相互に直交するようにして積層配設される1対の延伸して形成された多孔質樹脂膜と、該多孔質樹脂膜に浸透され多孔質樹脂膜の積層により誘起される旋光性のねじれ配向するネマティック液晶とからなる液晶・樹脂複合体と、
    該液晶・樹脂複合体を挟持する、透明電極付きの1対の透明基板と
    前記1対の透明基板を挟んで設けられる光透過軸が直交する1対の偏光板と、を有することを特徴とする液晶光変調器。
  2. 前記多孔質樹脂膜が、ポリマー繊維のネットワークを有し、該ポリマー繊維の太さが1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の液晶光変調器。
  3. 前記液晶・樹脂複合体の厚みが2μm以上であることを特徴とする請求項1または2記載の液晶光変調器。
  4. 前記多孔質樹脂膜を構成する樹脂が、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素系樹脂若しくはセルロース樹脂またはそれら樹脂の共重合体またはそれら樹脂若しくは共重合体の混合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶光変調器。
  5. 前記1対の透明基板がプラスティックフィルム基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶光変調器。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶光変調器を有することを特徴とする液晶表示装置。
  7. 請求項1記載の液晶光変調器の製造方法であって、
    樹脂を相分離して得られる多孔質樹脂材料を機械的に延伸した後、ネマティック液晶を浸透させて液晶・樹脂複合体を得ることを特徴とする液晶光変調器の製造方法。
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