JP2012003178A - 双安定液晶表示素子 - Google Patents

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善弘 大浦
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Abstract

【課題】
視角特性が良好で、双安定性を示す新規な構成の液晶表示素子を提供することにある。
【解決手段】
対向して配置される一対の基板と、前記一対の基板間に配置され誘電率異方性が正のネマチック液晶を含む液晶層と、を含む液晶表示素子であって、前記一対の基板の一方は、支持基板上に配置される第1電極と、前記第1電極上に配置され、第1の方向に配向規制力を有する水平配向膜と、を含み、前記一対の基板の他方は、支持基板上に配置される第2電極と、前記第2電極上に配置される絶縁層と、前記絶縁層上に配置され、一対の電極が平行に延在する領域を含む第3電極と、前記絶縁層および前記第3電極を覆って配置され、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第2の方向に配向規制力を有する異方水平配向領域と、が縞状に分布する混成水平配向膜と、を含み、前記一対の基板は、前記第1の方向と前記第3電極の延在方向とが基板面内で交差するよう対向配置され、前記一対の基板の少なくとも一方は、光透過性を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、双安定液晶表示素子に関する。
ツイステッドネマチック(Twisted nematic,TN)液晶表示素子は、対向基板間に狭持された液晶層に電圧を印加することで、液晶層を構成する液晶分子の配列を制御しリターデーションを変化させ、対向基板の外側に配置される偏光板と組み合わせて、表示状態のスイッチングを行う。一般的なTN液晶表示素子は、対向基板の各々に電極を形成し、対向電極の間に電圧を印加し、厚さ方向の位置の変化と共に基板面内方向にツイストしながら配列(ツイスト配列)していた液晶分子を基板に対してほぼ垂直に配列させて表示を行う。
特開2002−268088には、対向基板の一方に一対の電極を形成し、一対の電極の間に電圧を印加し、ツイスト配列していた液晶分子を基板面内の一方向に配列(パラレル配列)させて表示を行うIPS(In−plane switching)モードTN液晶表示素子が記載されている。液晶分子を基板面内方向で回転させるIPSモードTN液晶表示素子は、液晶分子を水平配列から基板法線方向に回転させる一般的なTN液晶表示素子よりも視角特性が良好とされる。
特開2007−192854には、対向基板の一方に下側電極を広く形成し、絶縁膜を挟んで一対の上側電極を形成し、下側電極と上側電極との間に電圧を印加し、ツイスト配列していた液晶分子をパラレル配列させて表示を行うFFS(Fringe Field Switching)モードTN液晶表示素子が記載されている。IPSモードTN液晶表示素子の場合、電極上方の領域では、横方向電場が弱く、その領域に位置する液晶分子配列の変化は極めて小さい。このため、表示状態をスイッチングできる有効表示領域が相対的に狭くなるという課題があった。それに対しFFSモードTN液晶表示素子の場合、上側電極上方の中央部では横方向電界は極めて低いが、上側電極上方中央部からわずかでも横方向にずれると横方向電界が発生する。このため、IPSモードと比べて、液晶分子配列の変化する範囲が広くなり、有効表示領域を広く設定することができるとされる。
これらの液晶表示素子は、単安定型と呼ばれ、電圧無印加状態において液晶分子はただ一つの安定した配列を構成し、安定した配列とは異なる配列を保持するためには継続的な電圧印加を必要とする。
近年、電圧無印加状態であっても液晶分子が二つ以上の安定した配列を構成する双安定型の液晶表示素子が数多く提案されている。双安定型の液晶表示素子は、液晶分子の配列を変化させる時のみに電圧を印加すればよいため、単安定型の液晶表示素子と比較して、大幅な消費電力の抑制を可能とする。
特表2002−500383号には、ZBD(Zenithal Bistable Display)と称される双安定型液晶表示素子が提案されている。ZBDでは、液晶層を狭持する対向基板の一方の基板面上に凹凸を有する微細な断面三角型のグレーティングが形成され、このグレーティング形状によって決定される液晶配向状態(プレチルト)は二つ以上あり、これらの配向状態は異なる極性の電圧を印加することによりスイッチングされ、各配向状態は電圧無印加時でも保持される、と記載されている。
特開2002−268088号公報 特開2007−192854号公報 特表2002−500383号公報
視角特性が良好で、双安定性を示す新規な構成の液晶表示素子を提供することにある。
本発明の1観点によれば、
対向して配置される一対の基板と、前記一対の基板間に配置され誘電率異方性が正のネマチック液晶を含む液晶層と、を含む液晶表示素子であって、
前記一対の基板の一方は、支持基板上に配置される第1電極と、前記第1電極上に配置され、第1の方向に配向規制力を有する水平配向膜と、を含み、
前記一対の基板の他方は、支持基板上に配置される第2電極と、前記第2電極上に配置される絶縁層と、前記絶縁層上に配置され、一対の電極が平行に延在する領域を含む第3電極と、前記絶縁層および前記第3電極を覆って配置され、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第2の方向に配向規制力を有する異方水平配向領域と、が縞状に分布する混成水平配向膜と、を含み、
前記一対の基板は、前記第1の方向と前記第3電極の延在方向とが基板面内で交差するよう対向配置され、
前記一対の基板の少なくとも一方は、光透過性を有する双安定液晶表示素子、
が提供される。
本発明の他の観点によれば、
対向して配置される一対の基板と、前記一対の基板間に配置され誘電率異方性が正のネマチック液晶を含む液晶層と、を含む液晶表示素子であって、
前記一対の基板の一方は、支持基板上に配置される第1電極と、前記第1電極上に配置され、第1の方向に一様に配向規制力を有する水平配向膜と、を含み、
前記一対の基板の他方は、支持基板上に配置される第2電極と、前記第2電極上に配置される絶縁層と、前記絶縁層上に配置され、一対の電極が平行に延在する領域を含む第3電極と、前記絶縁層および前記第3電極を覆って配置され、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第3の方向に配向規制力を有する垂直配向領域と、が縞状に分布する複合配向膜と、を含み、
前記一対の基板は、前記第1の方向と前記第3電極の延在方向とが基板面内で交差するよう対向配置され、
前記一対の基板の少なくとも一方は光透過性を有する双安定液晶表示素子、
が提供される。
視角特性が良好で、双安定性を示す新規な構成の液晶表示素子を実現する。
図1Aおよび1Bは、本発明者らが提供する液晶表示素子の構成を示す断面図および斜視図である。 および 図2A〜2Cは第3の電極の形状例を示す平面図であり、図2Dは光配向膜処理に用いる光学系の一例を示すダイヤグラムであり、図2Eおよび2Fは各電極間の接続例を示すダイヤグラムである。 図3A〜3Dは、作製した液晶表示素子の偏光顕微鏡写真および液晶分子配列を示す概略図である。 図4Aおよび4Bは、作製した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。
図1Aは、本発明者らが提供する液晶表示素子の基本構成図である。上側基板10と対向する下側基板20の間に、誘電率異方性が正(Δε>0)のネマチック液晶を含む液晶層30が設けられている。上側基板10は、支持基板11上に第1の電極12と、水平配向膜15と、が積重して設けられている。下側基板20は、支持基板21上に第2の電極22と、絶縁層23と、電極が縞状に配列する領域を含む第3の電極24と、後述する特殊な配向処理が施された混成水平配向膜25と、が積重して設けられている。さらに、第1〜3の電極を介して液晶層30に基板法線方向と基板面内方向に選択的に電圧を印加できる駆動回路と、上下基板の外側に偏光板とが備えられる。なお、以降では、基板法線方向に印加される電圧を縦電圧、基板面内方向に印加される電圧を横電圧とする。横電圧印加方法としては、先行技術文献で挙げたIPSモードおよびFFSモードがある。
図1Bは、水平配向膜15と、特殊な配向処理が施された混成水平配向膜25および第3の電極24と、の関係を示す斜視図である。水平配向膜15には、基板面内で矢印Aに示す第1の方向に強い配向規制力を有するように配向処理が全面に施されている。混成水平配向膜25には、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域25aと、矢印Bに示す第2の方向に強い配向規制力を有する異方水平配向領域25bと、が矢印Bと直交してストライプ状に延在するように配向処理が施されている。水平配向膜15は、その配向規制方向Aと下側基板の電極24の延在方向が直交するように配置され、混成水平配向膜25は、その配向規制方向Bと第3の電極24の延在方向が約45°をなすように配置される。
このような液晶素子において、混成水平配向膜25の等方水平配向領域25aおよび異方水平配向領域25bの幅が狭いと、液晶層30が、縦電圧印加時にはツイスト配列を構成し、横電圧印加時にはパラレル配列を構成し、電圧無印加時にはその直前の液晶分子配列を保持する性質、つまり双安定性を示すことを、本発明者らは見出した。以下に図1Aおよび1Bを参照しながら、上側基板、下側基板およびそれらを用いた液晶セルの作製例について説明する。
最初に、上側基板10を作製する。ITO(酸化インジウム錫)電極層が形成されているガラス基板11に、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程にてITO膜をパターニングし、第1の電極となるITO電極12を形成する。次に、水平配向膜材料をスピンコート法にて塗布する。ホットプレートにて80℃、3分間の仮焼成を行った後、さらに220℃、1時間の本焼成を行う。焼成した水平配向膜の全面に第1の方向(図1Bにおける矢印A)でラビング処理を施し、水平配向膜15を完成させる。実施例では、水平配向膜にプレチルト角約1〜2°を示すポリイミド膜を用い、膜厚を約500Åとした。また、ラビング処理は押し込み量約0.3mm、ラビング強度約2000mmで行った。
このようにして、上側基板10が完成する。次に、下側基板20の作製例を示す。
ITO電極層が形成されているガラス基板21に、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程にてITO膜をパターニングし、第2の電極となるITO電極22を形成する。
次に、アクリル系有機絶縁膜(JSR製)をスピンコート法にて塗布し、クリーンオーブンにて220℃、1時間焼成する。さらに、無機絶縁膜としてSiO膜をスパッタ法にて形成し、クリーンオーブンにて220℃、1時間焼成する。このようにして有機絶縁膜とSiO膜の積層からなる絶縁層23が完成する。なお、絶縁層は積層構造でなくてもよい。ただし、有機絶縁層の単層構造の場合、後述する第3の電極との密着性がよくない。また、SiOの単層構造の場合、膜厚が厚いと多孔質になりやすいため0.4〜0.8μm程度の膜厚が好ましいが、このとき絶縁層の膜厚が比較的薄くなるため絶縁性がよくない。したがって絶縁層は有機絶縁膜とSiO膜の積層構造が望ましい。SiOはSiNなどでもよい。実施例では、有機絶縁膜の膜厚を約1μm、SiO膜の膜厚を約0.1μmとした。
絶縁層23上にITO膜をスパッタ法にて形成する。さらに、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程にてITO膜をパターニングし、縞状領域を含む第3の電極24を形成する。実施例では、ITO電極の厚さを約1200Åとした。
図2A〜2Cは、第3の電極の形状例を示す平面図である。第3の電極は、例えばIPSモードで駆動する場合には、図2Aに示すようなそれぞれ電気的に独立した縞状の電極パターンでも、図2Bに示すような櫛状の電極パターンでもよい。また、FFSモードで駆動する場合には、図2Cに示すような電極パターンでもよいであろう。横電圧印加方法に応じて、適宜電極パターンが選択可能である。実施例では、第3の電極の幅と間隔をそれぞれ約20μmの縞状平行パターンとした。なお、電極間隔が大きいと、液晶分子の配列を変化させるのに必要な横電圧も高くなる傾向があるため、電極間隔は狭いほど好ましい。本発明者らの検討によれば、電極間隔が50μm以上になると、横電圧を100V程度印加してもスイッチングしない領域が発生してくることがわかった。
絶縁層および第3の電極を覆って水平配向膜材料をスピンコート法にて塗布する。ホットプレートにて80℃、3分間の仮焼成を行い、その後クリーンオーブンにて220℃、1時間の本焼成を行う。焼成した水平配向膜25に、第2の方向(図1Bにおける矢印B)にラビング処理を施す。実施例では、水平配向膜にプレチルト角約1〜2°を示すポリイミド膜を用い、膜厚を約500Åとした。また、ラビング処理は押し込み量約0.3mm、ラビング強度約2000mmとした。ラビング処理の方向(第2の方向)は第3の電極24が対をなして延在する方向と基板面内で約45°をなす方向とした。
次に、ラビング処理を施した水平配向膜に光配向膜処理を施す。光配向膜処理とは、非偏光の紫外光を基板法線方向から配向膜に照射し、配向膜の光吸収に伴う分解反応によって、膜界面における所定方向への配向規制力を喪失させる処理である。
図2Dは、光配向膜処理に用いる光学系の一例を示す。レーザ光源41から発せられた紫外光UVは、照射時間を調整するタイマー付きシャッター42を通過し、偏光解消素子43を通して非偏光化される。非偏光化された紫外光UVは、ビームエクスパンダー44及びレンズ45によって適当なビーム径に調整され、ストライプ形状のフォトマスク46を介してラビング処理が施された水平配向膜25に照射する。実施例では、光源に波長325nmのヘリウム・カドミウムレーザを用いた。ストライプ状のフォトマスクは、幅・間隔がそれぞれ約0.5μmとした。ストライプ形状の延在方向は、ラビング処理が施された第2の方向と直交する方向とした。照射強度および時間は24.8mW/cm、3時間とした。なお、フォトマスクと下側基板は光干渉が生じないよう配向膜に密着させ、照射する紫外光を垂直に入射することが望ましい。
下側基板の水平配向膜には、ラビング処理および光配向膜処理が施されることになる。その結果、光配向膜処理において紫外光が照射された領域では、所定方向への配向規制力が喪失し、基板面内で等方的に配向規制力を有する状態となる(等方水平配向領域、図1Bにおける領域25a)。光配向膜処理において紫外光が照射されない領域では、基板面内で第2の方向に強い配向規制力を有する状態となる(異方水平配向領域、図1Bにおける領域25b)。完成した液晶表示素子が双安定な性質を有するためには、等方水平配向領域および異方水平配向領域の幅と、等方水平配向領域および異方水平配向領域の延在方向とラビング処理の方向(第2の方向)との角度関係と、が重要である。本発明者らの検討によれば、等方水平配向領域および異方水平配向領域の幅は、光配向膜処理における照射光の波長(およそ0.3μm)以上、後述する液晶層のツイスト配列における曲率半径(およそ1.0μm)以下であることが好ましく、等方水平配向領域および異方水平配向領域の延在方向とラビング処理の方向(第2の方向)は65°〜90°の範囲が好ましい。
このようにして、下側基板20が完成する。
作製した上側基板10と下側基板20を用いて液晶表示素子を完成させる。上側基板10と下側基板20を対向配置し、基板間にΔε>0のネマチック液晶を封入する。実施例では、上側基板10上の水平配向膜15にラビング処理を施した第1の方向と、下側基板20上の第3の電極24が対をなして延在する方向を直交して配置した。セルサイズは10mm角程度で、セル厚dは約5μmとした。また、液晶層には、メルク社製5CB(4−cyano−4’−pentylbiphenyl)に、自然捩れピッチをpとしたときd/p=1/8となるようカイラル剤を添加したものを用いた。
最後に、セルの表裏面に偏光板を配置し、電極取り出し端子を外部回路に接続する。偏光板は、作製した液晶表示素子のコントラストが最大となるようそれぞれの透過軸を調整し、配置した。
図2Eおよび2Fは、各電極の接続例を示す概略図である。IPSモードで駆動する場合、図2Eに示すように、第1の電極12と第2の電極22の間に外部回路31を接続し、さらに対向する第3の電極24間に外部回路32を接続する。電極12,22によって液晶層30に縦電圧の印加が可能となり、対向電極24によって液晶層30に横電圧の印加が可能となる。また、FFSモードで駆動する場合は、図2Fに示すように横電圧として電極22と電極24の間に電圧を印加する。それぞれの接続方法において、縦電圧と横電圧を選択的に印加することが可能である。
図3Aおよび3Bは、作製した液晶表示素子における縦電圧印加時と横電圧印加時の偏光顕微鏡観察写真であり、図3Cおよび3Dは、それぞれの液晶分子配列を示す概略図である。図3Aおよび3Bの偏光顕微鏡写真は、ともに同じスケールである。縦電圧および横電圧は、それぞれ80V/100msの矩形電圧を印加した。作製直後の液晶表示素子は図3Aに示すように明状態を示し、上側基板界面の液晶分子は第1の方向Aに沿って配向し、下側基板界面の液晶分子は第1の方向Aに概ね直交する方向に配向する、つまり図3Cに示すような安定的なツイスト配列を構成すると考えられる。横電圧が印加されると、液晶表示素子は図3Bの点線部に示すように暗状態(縦横およそ30μm)を示し、下側基板界面の液晶分子は第1の方向Aに概ね沿う方向に配向して、図3Dに示すような準安定的なパラレル配列を構成すると考えられる。本発明者らは、電圧無印加状態で1ヶ月以上準安定状態を保持することを確認した。縦電圧が印加されると、下側基板界面の液晶分子は再度第1の方向Aに概ね直交する方向に配向して、ツイスト配列を構成すると考えられる。
図4Aおよび4Bは、作製した液晶表示素子の視角特性を示すグラフである。縦軸は、光源強度を100%としたときの液晶表示素子の透過率を示し、横軸は基板法線方向を0°として上側基板におけるラビング処理方向(第1の方向)に沿う視角特性(図3A)と、下側基板におけるラビング処理方向(第2の方向)に沿う視角特性(図3B)を示している。また、同グラフには、縦電圧が印加され液晶分子がツイスト配列を構成しているとき(明状態)の視角特性と、横電圧が印加され液晶分子がパラレル配列を構成しているとき(暗状態)の視角特性もそれぞれ示されている。駆動条件は100V/100Hzであり、横電圧印加方法はFFSモードとした。これらグラフから作製した液晶表示素子の視角特性は、明・暗状態ともに極めてフラットに近く、ほぼ均一な透過率を示すことがわかった。液晶分子の配列が基板面内でスイッチングしているため、フラットな視角特性を示すと理解することができる。
以上示したように、液晶表示素子を構成する一対の基板の一方の水平配向膜に、基板面内で等方的に配向規制力を有する領域と、第2の方向に配向規制力を有する領域と、を所定の幅および第2の方向との角度関係で形成し、かつ、横電圧・縦電圧印加可能な電極構成を備えることで、視角特性が良好で新規な構造の双安定液晶表示素子を得ることが可能となる。なお、実施例では下側基板における配向膜が水平配向膜である場合を示したが、紫外線を照射することで等方水平配向となる垂直配向膜でもかまわない。本発明者らのさらなる検討によれば、異方水平配向領域のプレチルト角が大きいほど、より安定した配向状態を示すことが確認された。したがって、下側基板の配向膜は、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第3の方向に強い配向規制力を有する垂直配向領域とから成る複合配向膜がより好ましいと考えられる。
このような双安定液晶表示素子の形態および用途は、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、電子ペーパー等、適宜選定可能である。例えば、実施例に示した液晶表示素子を1つの画素としてマトリクス状に配置し、第1の電極と第3の電極とをそれぞれ走査線に、第2の電極を信号線に接続し、単純マトリクス駆動にて選択的に各画素の明/暗状態を実現し、所望の文字や画像を表示する双安定液晶表示装置を構成することも可能であろう。この液晶表示装置は、双安定な性質を有しているためTFT(Thin Film Transistor)などのアクティブ素子を用いずに長時間所望の表示を電圧無印加で保持することが可能である。また、光透過率の視角依存性が低いため、良好に文字や画像を視認することができるであろう。なお、液晶表示素子の駆動方式としてはTFTを用いたアクティブ駆動方式を用いても良い。ただし1画素に対して横電圧印加用と縦電圧印加用の2つのトランジスタが必要となる。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限られるものではない。
例えば、上下基板の作製において、有機絶縁膜および配向膜材料の塗布はスピンコート法に限らず、フレキソ印刷法ないしインクジェット印刷法などで行ってもかまわない。同様に、ITOおよびSiOの形成においても、スパッタ法に限らず、真空蒸着法、イオンビーム法もしくはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いてもよい。
また、図1Bにおける上側配向膜の配向規制方向A(第1の方向)および下側配向膜の配向規制方向B(第2の方向)は、それぞれ逆向きであってもよく、また第3の電極24の延在方向に対して直交および45°の角度関係に限られない。第3の電極は、基板面内で第1の方向と交差し、第1の方向成分を含んで横電圧印加できるよう延在していればよい。
さらに、実施例では上下基板がガラス基板や透明電極など光透過性を有する部材で構成される透過型の液晶表示素子について示したが、上下基板の一方を光反射性を有する部材で構成する、または一方の基板側に配置される偏光板に代えて光反射板を設けることにより、反射型の液晶表示素子を構成することも可能であろう。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
10 上側基板、
11 上側支持基板、
12 第1の電極、
15 上側配向膜、
20 下側基板、
21 下側支持基板、
22 第2の電極、
23 絶縁層
24 第3の電極、
25 下側配向膜、
30 液晶層、
31 駆動回路、
41 レーザ光源、
43 偏光解消素子、
46 フォトマスク。

Claims (9)

  1. 対向して配置される一対の基板と、前記一対の基板間に配置され誘電率異方性が正のネマチック液晶を含む液晶層と、を含む液晶表示素子であって、
    前記一対の基板の一方は、支持基板上に配置される第1電極と、前記第1電極上に配置され、第1の方向に配向規制力を有する水平配向膜と、を含み、
    前記一対の基板の他方は、支持基板上に配置される第2電極と、前記第2電極上に配置される絶縁層と、前記絶縁層上に配置され、一対の電極が平行に延在する領域を含む第3電極と、前記絶縁層および前記第3電極を覆って配置され、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第2の方向に配向規制力を有する異方水平配向領域と、が縞状に分布する混成水平配向膜と、を含み、
    前記一対の基板は、前記第1の方向と前記第3電極の延在方向とが基板面内で交差するよう対向配置され、
    前記一対の基板の少なくとも一方は、光透過性を有する双安定液晶表示素子。
  2. 前記等方水平配向領域および前記異方水平配向領域の幅は、0.3μm〜1.0μmである請求項1記載の双安定液晶表示素子。
  3. 前記等方水平配向領域および前記異方水平配向領域が縞状で延在する方向は、前記第2の方向と基板面内で65°〜90°をなす方向である請求項1または2記載の双安定液晶表示素子。
  4. 対向して配置される一対の基板と、前記一対の基板間に配置され誘電率異方性が正のネマチック液晶を含む液晶層と、を含む液晶表示素子であって、
    前記一対の基板の一方は、支持基板上に配置される第1電極と、前記第1電極上に配置され、第1の方向に一様に配向規制力を有する水平配向膜と、を含み、
    前記一対の基板の他方は、支持基板上に配置される第2電極と、前記第2電極上に配置される絶縁層と、前記絶縁層上に配置され、一対の電極が平行に延在する領域を含む第3電極と、前記絶縁層および前記第3電極を覆って配置され、基板面内で等方的に配向規制力を有する等方水平配向領域と、第3の方向に配向規制力を有する垂直配向領域と、が縞状に分布する複合配向膜と、を含み、
    前記一対の基板は、前記第1の方向と前記第3電極の延在方向とが基板面内で交差するよう対向配置され、
    前記一対の基板の少なくとも一方は光透過性を有する双安定液晶表示素子。
  5. 前記等方水平配向領域および前記垂直配向領域の幅は、0.3μm〜1.0μmである請求項4記載の双安定液晶表示素子。
  6. 前記等方水平配向領域および前記垂直配向領域が縞状で延在する方向は、前記第3の方向と基板面内で65°〜90°をなす方向である請求項4または5記載の双安定液晶表示素子。
  7. 前記第1電極と前記第2電極の間と、前記第2電極と前記第3電極の間に、それぞれ電圧を印加する駆動回路を有する請求項1〜6いずれか1項記載の双安定液晶表示素子。
  8. 前記第1電極と前記第2電極の間と、対をなす前記第3電極の各々の間に、それぞれ電圧を印加する駆動回路を有する請求項1〜6いずれか1項記載の双安定液晶表示素子。
  9. 前記液晶層は、カイラル剤を含む請求項1〜8いずれか1項記載の双安定液晶表示素子。
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JP2018151438A (ja) * 2017-03-10 2018-09-27 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 液晶表示装置
JP2018169479A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 富士フイルム株式会社 位相差フィルムの製造方法

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