JP2002072253A - 強誘電性液晶を用いた液晶光変調器とその製造方法 - Google Patents

強誘電性液晶を用いた液晶光変調器とその製造方法

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JP2002072253A JP2000252887A JP2000252887A JP2002072253A JP 2002072253 A JP2002072253 A JP 2002072253A JP 2000252887 A JP2000252887 A JP 2000252887A JP 2000252887 A JP2000252887 A JP 2000252887A JP 2002072253 A JP2002072253 A JP 2002072253A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電性液晶と合成樹脂からなる複合体を透
明電極で挟んだ液晶光変調器において、中間調を伴うメ
モリ機能と高いコントラスト比を有する液晶光変調器を
提供する。 【解決手段】 強誘電性液晶1と3次元網目状の合成樹
脂2とからなる液晶・樹脂複合体3を透明電極4a,4
bで挟んだ液晶光変調器である。液晶・樹脂複合体3の
形成過程において、5度以上の高いプレチルト角を有す
る配向膜7a,7bを透明基板5a,5b上に設ける。
この高プレチルト角を有する配向膜7a,7bによって
液晶の配向欠陥が抑制され、液晶配向の折れ曲がりが均
一化する。この結果、中間調を伴うメモリ機能と高いコ
ントラスト比を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性液晶を用
いて光強度を変調する液晶光変調器に関し、特に中間調
のメモリ機能と高いコントラストを備えフラットディス
プレイや投写型ディスプレイに好適な液晶光変調器とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶に電界を加えて、液晶分子の配列状
態を変化させるという液晶の電気光学効果を応用する
と、光変調器が実現できる。液晶光変調器は、他の電気
光学効果を示す光学結晶に比べて低電圧で動作し、また
比較的大きな面積のものを作ることができるため、ディ
スプレイ用の電気光学素子として、近年注目されてい
る。
【0003】このような液晶光変調器の一つとして、室
温でカイラルスメクティックC相を示し、自発分極を持
つ強誘電性液晶が、透明電極により挟まれた構造の素子
がある。この液晶光変調器は、液晶分子が印加電圧との
強いクーロン相互作用により駆動されるため、数十マイ
クロ秒の高速な光変調機能を持つため、動画表示をはじ
め高速動作が求められるフラットディスプレイや投写型
ディスプレイなどに応用が期待されている。
【0004】強誘電性液晶を用いた光変調器として、こ
れまでに以下のような素子が提案されている。
【0005】(1)従来のよく知られた液晶光変調器で
は、2枚のガラス基板のそれぞれに透明電極が形成さ
れ、さらにその上にポリイミド樹脂の配向膜が設けられ
ている。そのようなガラス基板を貼り合わせて微小ギャ
ップを形成した後、その微小ギャップ中に強誘電性液晶
を充填すると、液晶分子は、透明電極に印加される電圧
の極性により基板の水平面内で配向変化を起こす。表面
安定型強誘電性液晶と呼ばれるこの液晶光変調器は、偏
光の光吸収軸が互いに直交する2つの偏光板に挟まれる
ため、印加電圧に応じて入力光に対する液晶の光透過率
が制御される(文献1:N. A. Clark and S. T. Lagerw
all; Appl. Phys. Lett., vol. 36, no.11, pp. 899
-901 (1980))。
【0006】(2)従来の他の液晶光変調器は、強誘電
性液晶と合成樹脂からなる複合体が、2枚の透明電極付
き透明基板で挾着された構造の素子を有し、その素子を
2つの偏光板で挟み、透明電極に印加する電圧の極性や
強度を制御することにより、光透過率が制御される(文
献2:H. Fujikake, T. Aida, J. Yonai, H. Kikuchi,
M. Kawakita and K . Takizawa :“Rigid Formation of
Aligned Polymer Fiber Network in Ferroelectric Li
quid Crystal”,Jpn. J. Appl. Phys., vol.38, no.9
A, pp. 5212-5213 (1999.9))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の液晶光変調器は、以下に述べるような課題を抱え
ている。
【0008】(1)上記文献1に開示された第1の従来
例は、単純マトリックス駆動の液晶ディスプレイパネル
に必要なメモリ機能を有するが、液晶配向の双安定的な
スイッチング挙動に基づき、表示動作が2値に限られる
ため、フルカラーディスプレイを構成できない。また、
強誘電性液晶特有の分子配向であるスメクティック層構
造が厚み方向で折れ曲がり、その屈曲方向がランダムに
なるため、微小な表示欠陥が生じて、コントラスト比が
低下する。
【0009】(2)上記文献2に開示された第2の従来
例では、分散した樹脂の配向効果により、2値の微細な
液晶ドメインが生じ、その空間分布に応じて中間調表示
(面積階調)が得られるが、樹脂によりスメクティック
層構造が多様に変形するため、単純マトリックス駆動に
有用なメモリ効果が低下する。
【0010】本発明は、上記の従来の課題に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、中間調のメモリ機能を有する
とともに、高いコントラスト比で光変調を行うことがで
きる液晶光変調器を提供すること、およびその液晶光変
調器を製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の液晶光変調器は、強誘電性液晶と3次元
網目状の合成樹脂からなる液晶・樹脂複合体と、5度以
上のプレチルト角を有する2枚の配向膜と、前記2枚の
配向膜を介して前記液晶・樹脂複合体を挟持するそれぞ
れ透明電極が付着した2枚の透明基板と、2つの前記透
明電極に両極性の直流電圧を印加する電圧源とを有し、
前記電圧源からの電圧を除去しても前記液晶・樹脂複合
体の光透過率が保持されることを特徴とする。
【0012】ここで、前記配向膜は、摩擦処理もしくは
偏光紫外光の照射により光分解されたポリイミド樹脂ま
たはポリビニルアルコール樹脂、あるいは偏光した紫外
線照射により重合・架橋したシンナメート樹脂またはポ
リイミド樹脂、あるいは斜方蒸着されたSiOx(xは
1以上2以下)の膜であることを特徴とすることができ
る。
【0013】上述の目的を達成するために、本発明の液
晶光変調器の製造方法は、前記液晶・樹脂複合体を作製
する工程で、直流もしくは交流の電圧を印加した状態
で、該液晶・樹脂複合体を構成する液晶をネマティック
相もしくはスメクティックA相から、カイラルスメクテ
ィックC相に冷却して相転移させることを特徴とする。
【0014】(作用)本発明による液晶光変調器は、強
誘電性液晶と3次元網目状の合成樹脂からなる液晶・樹
脂複合体が、5度以上のプレチルト角を有する配向膜を
介して透明電極により挟まれるので、液晶配向の層構造
の折れ曲がりが一方向に制御されて、折れ曲がりの不連
続に基づく微細な配向欠陥が生じないため、高いコント
ラストの光変調が得られる。
【0015】さらに、本発明の液晶光変調器を製造する
方法は、素子の作製工程で、直流もしくは交流の電圧を
印加して液晶分子を牽引しながら、ネマティック相もし
くはスメクティックA相からカイラルスメクティックC
相に冷却して相転移させるので、液晶配向の乱れが軽減
してスメクティック層がより均一化するため、液晶分子
の双安定性が発現して、良好なメモリ性が生じる。この
場合、分散された樹脂の微細構造から液晶ドメインが形
成されるため、面積階調に基づく中間調のメモリ機能が
得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施形態における液晶
光変調器の構成を模式的に示す断面図である。本実施形
態の液晶光変調器では、カイラルスメクティックC相を
示す強誘電性液晶1の中に3次元網目状の合成樹脂2が
分散された液晶・樹脂複合体3が、それぞれ透明基板5
a,5bに付着された透明電極4a,4bに挟まれて配
設されており、透明基板5a,5bは堅い合成樹脂2を
含む液晶・樹脂複合体3によって堅固に支持される。ま
た、両透明基板5a,5bのそれぞれの外側に偏光板9
a、9bが配設されている。
【0018】本実施形態の場合、透明電極4a,4bの
内側に高プレチルト角を有する配向膜7a,7bを形成
しているため、液晶・樹脂複合体3内の液晶分子1の配
向方向は、透明基板5a,5bの面方向から傾斜してお
り、液晶分子1が形成する層構造(スメクティック層と
呼ばれる)は、図1で破線で示したような、特定方向に
折れ曲がった“く”の字状になっている。
【0019】透明電極4a,4bはリード線6a,6b
を介して両極性電圧を供給する電圧源8に接続されてい
る。偏光板9aにより液晶の分子の長軸方向に偏光され
た入射光10は、一方の透明基板5aから入射し、液晶
・樹脂複合体3で偏光状態が制御され、出射側の偏光板
9bを透過した後、強度変調された出射光11となる。
つまり、この2つの偏光板9a,9bの光透過軸は直交
関係にあり、電圧源8の電圧極性の切り替えにより、液
晶分子の配向が透明電極4a,4b(または、透明基板
5a,5b)の面内でスイッチするため、液晶1を含む
液晶・樹脂複合体3の複屈折が変化し、入射光10の偏
光方向が回転して、透過光11の強度が変調される。
【0020】また、本実施形態の場合、合成樹脂2の3
次元網目状の構造によって、液晶1が分断されて微小な
液晶ドメインが誘発されるため、微細なオン・オフ状態
のドメイン分布に基づく面積階調、すなわち中間調表示
を行うことが可能である。
【0021】さらに、合成樹脂2の3次元網目状の構造
で配向が安定化された液晶ドメインは、電圧除去後も分
子配向状態を保持するため、印加電圧を除去しても光透
過率が保持され、単純マトリックス駆動ディスプレイパ
ネルに有用な中間調メモリ機能が得られる。
【0022】合成樹脂2の原材料としては、強誘電性液
晶1に対して溶解性が優れた液晶性モノマーが好まし
い。液晶・樹脂複合体3中の合成樹脂2の含有率は、液
晶・樹脂複合体3の機械的強度を確保するため、10重
量%以上が望ましく、20重量%以上であれば、基板が
堅牢に固定される。合成樹脂2の原材料である液晶性モ
ノマーの分子は、液晶とともに配向して硬化するため、
その硬化後は、合成樹脂2の液晶性の側鎖部が、液晶分
子の配向を促す役割を有する。
【0023】また、合成樹脂2の分散形態は、強誘電性
液晶1の配向を促進するために、延伸した3次元的網目
形状などのように、一方向に異方性化していることが望
ましく、細長い繊維形態が特に有用である。このような
異方性化した合成樹脂2は、液晶とモノマーの均質混合
液を、分子の配向状態にあるネマティック相を示す温度
で、紫外線照射によって光重合し、次いで液晶と合成樹
脂を相分離することによって形成される。このような合
成樹脂2としては、上記の紫外線照射による光硬化をは
じめ、熱硬化または反応硬化により形成されるアクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、またはそれらの共
重合体を用いることができる。
【0024】混合液(液晶・樹脂複合体3)の分子配向
を一方向に定めるための配向膜7a、7bとしては、摩
擦(ラビング)処理もしくは偏光紫外光の照射による選
択的な光分解が施されたポリイミド樹脂、ポリビニルア
ルコール樹脂、斜方蒸着されたSiOx(xは1以上2
以下)などが好ましい。もしくは、偏光した紫外線照射
により、一方向のモノマーを選択的に架橋・重合して異
方性化したシンナメート樹脂、ポリイミド樹脂を配向膜
7a、7bとして用いることも可能である。
【0025】通常、フラットディスプレイに広く用いら
れているツイストネマティック液晶素子では、2度程度
のプレチルト角のポリイミド配向膜が用いられるが、本
実施形態の液晶・樹脂複合体3では、2つの透明基板5
a,5b上に設けられた配向膜のラビング方向を同一
(平行)とし、5度以上のプレチルト角を有する配向膜
7a、7bを設けることにより、強誘電性液晶分子1の
配向の折れ曲がりを一方向に揃えることが可能である。
それによって、本実施形態では、従来の表面安定化強誘
電性液晶において、配向の折れ曲がりの不連続により生
じていた微細な配向欠陥(ジグザグ欠陥)が抑制され、
高コントラストな光変調特性を得ることができる。ま
た、この場合の液晶配向の安定化は、高プレチルトを有
する配向膜7a、7bにより形成される樹脂形態が変化
した結果として得られるものである。
【0026】液晶・樹脂複合体3は、自己支持性を持っ
ているため、従来のように堅い基板を用いてギャップを
構成し、そのギャップ中に液晶を充填することによって
液晶の膜厚を保つ必要がなく、簡便な塗布工程により、
透明基板5a,5b上に所望の膜厚の複合体層を形成す
ることができる。
【0027】図1の本実施形態の液晶光変調器の具体的
な作製工程は以下の通りである。
【0028】まず、それぞれの表面に透明電極4a,4
bと配向膜7a,7bを形成した2枚の透明基板5a,
5bを用意して、少なくとも一方の透明基板の透明電極
上に加熱した液晶とモノマーの混合液(ネマティック
相)を塗布して、2枚の透明基板5a,5bを配向膜7
a,7bを内側にして貼り合わせる。
【0029】次に、その張り合わせたその素子に対し
て、紫外光照射に伴う光重合などの処置により、モノマ
ーを硬化して液晶内に樹脂2を析出させる。この時、液
晶1はネマティック相もしくはスメクティックA相であ
る。
【0030】最後に、それらの相からカイラルスメクテ
ィックC相に冷却して相転移させる。この時、透明電極
4a,4bに直流もしくは交流の電圧を印加しながら冷
却してもよく、その場合、液晶分子1の配向秩序性がさ
らに向上し、分散した樹脂2の配向効果によるスメクテ
ィック層の変形が軽減されるため、より高いコントラス
ト比と安定なメモリ機能を得ることが可能となる。
【0031】透明基板5a,5bとしては、液晶・樹脂
複合体3が透明基板5a,5bを支持する構造となるた
め、柔軟なプラスティックフィルムや、厚みが0.6m
m以下の薄いガラス板を用いることができる。特に、プ
ラスティックフィルム基板5a,5bと自己支持性の液
晶・樹脂複合体3を一体化することにより、軽量で折り
曲げが可能な柔軟な光変調器を実現することができる。
【0032】透明電極4a,4bとしては、錫をドープ
した酸化インジウム(ITO:In 23:Sn)などが
好適である。透明電極4a,4b間の短絡を避けるため
に透明な有機物や無機酸化物(例えばSiO2、Ti
2)などの絶縁層を配向膜7a,7bと透明電極4
a,4bの間に設けることも可能である。
【0033】強誘電性液晶1の材料としては、入射光1
0の偏光状態を大きく制御できるように、液晶の屈折率
異方性Δn(Δn=異常光屈折率ne−常光屈折率n
o)が大きい方が好ましい。そのため、屈折率異方性の
大きなシッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液
晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電性液
晶、エステル系強誘電性液晶、もしくはフェニルピリミ
ジン系強誘電性液晶などが強誘電性液晶1の材料として
適している。また、強誘電性液晶1の材料として自発分
極が大きな強誘電性液晶材料を用いることにより、高速
応答と低電圧駆動が可能となる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施の一例とその実施結果に
ついて詳述する。
【0035】一例として、強誘電性液晶1としてチッソ
(株)製の強誘電性液晶組成物(屈折率異方性Δn=
0.15)を使用し、合成樹脂2の材料として、紫外線
硬化性のアクリル性モノマー(大日本インキ(株)製の
UCL−001)を用いて作製した液晶光変調器につい
て述べる。
【0036】その作製方法は以下の通りである。
【0037】まず、2枚のガラス基板5a,5bに、そ
れぞれ、厚み72nmのIn23:Snを蒸着して透明
電極4a,4bを形成し、さらに透明電極4a,4b上
にスピンコート法によって、5度以上のプレチルト角を
有するポリイミド樹脂(JSR(株)製のJALS−2
48−R4)を塗布して、厚み50nmの配向膜7a,
7bを形成した。
【0038】この配向膜7a,7bを微細なレーヨンブ
ラシで一方向に摩擦(ラビング)した。
【0039】この2枚の配向膜付きの基板5a,5bの
うち一方の基板の配向膜上に100℃で加熱・溶解した
前述の強誘電性液晶とモノマーの混合液(モノマー濃度
20重量%、2μm径の球状スペーサを分散)を塗布し
た。
【0040】次いで、他方の基板を、その配向膜が上記
塗布された混合液と密着するように重ね(2枚の基板に
おける配向膜の摩擦方向は平行)、65℃に加熱しなが
ら40mW/cm2の紫外線(中心波長365nm)を
照射した。
【0041】その後、2つの透明電極4a,4b間に、
10kHzの交流矩形波の電圧(20Vrms)を印加
しながら室温まで冷却した。
【0042】この試作した2μm厚の液晶・樹脂複合体
3は、低プレチルト角の配向膜(JSR(株)製のAL
−1254)を用いた素子との比較から、分散される樹
脂形態が少なからず変化することが認められた。さら
に、偏光顕微鏡を用いた複合体の観察により、ジグザグ
欠陥が見られず、均一な液晶の配向組織を有しているこ
とが確認された。
【0043】また、正負の直流電圧(10V)を試作し
た本素子に印加した場合のコントラスト比は、100:
1以上であった。さらに、透明電極4a,4bに数Vの
電圧パルスを印加し、電圧除去後の光透過率を測定した
結果、電圧パルスの強度に応じて、透過光の強度が保持
される中間調のメモリ機能が得られた。
【0044】なお、プレチルト角が3°の配向膜(JS
R(株)製のAL−1254)では、メモリ機能が得ら
れないことが上記実験結果から判明しており、5°以上
のプレチルト角でのみ本発明の目的が達成されることが
確かめられた。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶・樹脂複合体の形成過程において、基板に高プレチ
ルト角を有する配向膜を用いて、液晶配向の折れ曲がり
を均一化するようにしたので、配向欠陥が発生せず、中
間調のメモリ機能と高いコントラストを有する液晶光変
調器を提供することができる。
【0046】従って、本発明の液晶光変調器は、中間調
のメモリ機能と高いコントラストが求められるフラット
パネルディスプレイや投写型ディスプレイ用の電気光学
素子として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における液晶光変調器の構
成を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 強誘電性液晶 2 合成樹脂 3 液晶・樹脂複合体 4a,4b 透明電極 5a,5b 透明基板 6a,6b リード線 7a,7b 配向膜 8 電圧源 9a,9b 偏光板 10 入射光 11 出射光
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1337 525 G02F 1/137 510 (72)発明者 土屋 譲 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 2H088 EA12 GA02 GA04 GA10 HA03 HA07 JA17 KA06 MA02 MA13 MA18 2H089 HA04 QA15 QA16 RA13 SA03 TA04 TA08 UA05 2H090 HB03Y HB04Y HB08Y HB13Y HD14 KA11 KA14 LA04 MA11 MB01 MB06 MB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電性液晶と3次元網目状の合成樹脂
    からなる液晶・樹脂複合体と、 5度以上のプレチルト角を有する2枚の配向膜と、 前記2枚の配向膜を介して前記液晶・樹脂複合体を挟持
    するそれぞれ透明電極が付着した2枚の透明基板と、 2つの前記透明電極に両極性の直流電圧を印加する電圧
    源とを有し、 前記電圧源からの電圧を除去しても前記液晶・樹脂複合
    体の光透過率が保持されることを特徴とする液晶光変調
    器。
  2. 【請求項2】 前記配向膜は、摩擦処理もしくは偏光紫
    外光の照射により光分解されたポリイミド樹脂またはポ
    リビニルアルコール樹脂、あるいは偏光した紫外線照射
    により重合・架橋したシンナメート樹脂またはポリイミ
    ド樹脂、あるいは斜方蒸着されたSiOx(xは1以上
    2以下)の膜であることを特徴とする請求項1に記載の
    液晶光変調器。
  3. 【請求項3】 請求項1、2に記載の液晶光変調器の製
    造方法において、 前記液晶・樹脂複合体を作製する工程で、直流もしくは
    交流の電圧を印加した状態で、該液晶・樹脂複合体を構
    成する液晶をネマティック相もしくはスメクティックA
    相から、カイラルスメクティックC相に冷却して相転移
    させることを特徴とする液晶光変調器の製造方法。
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JP2012515361A (ja) * 2009-01-13 2012-07-05 アンスティテュ・テレコム/テレコム・ブルターニュ 液晶に基づく、該液晶のスイッチングノイズを減衰させる光シャッタリング装置、対応する視覚ゴーグル及び表示装置

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JP2007240578A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> 液晶光変調素子およびその製造方法
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