JP2000199901A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡易な方法により、生産性を低下することな
く、応答速度の改善されたTN型の液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】 2枚の基板23、33と、該基板23、
33間に挟持されたねじれ構造を有する液晶材料11の
層とを備えた液晶表示装置10において、液晶材料11
が、基板23、33に設けられた配向膜21、31によ
り規制されたねじれとは別に、配向膜21、31によっ
て規定されるねじれ角の1/2よりも大きいねじれ角
の、固有のねじれを有する。
く、応答速度の改善されたTN型の液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】 2枚の基板23、33と、該基板23、
33間に挟持されたねじれ構造を有する液晶材料11の
層とを備えた液晶表示装置10において、液晶材料11
が、基板23、33に設けられた配向膜21、31によ
り規制されたねじれとは別に、配向膜21、31によっ
て規定されるねじれ角の1/2よりも大きいねじれ角
の、固有のねじれを有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶を用いて画像
表示を行なう液晶表示装置に関し、特にねじれネマティ
ック(Twisted Nematic;以下「TN」
と略記する)型の液晶表示装置に関する。
表示を行なう液晶表示装置に関し、特にねじれネマティ
ック(Twisted Nematic;以下「TN」
と略記する)型の液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、実用化されている液晶ディスプレ
イの多くは、TN型の液晶表示装置である。図5は、T
N型の液晶表示装置の構造を示す概略図である。図5を
参照すると、TN型の液晶表示装置500は、上下基板
523、533の間にねじれ構造を有する液晶材料51
1を挟持し、上下両基板の外側に偏光フィルム524、
534を付加してある。
イの多くは、TN型の液晶表示装置である。図5は、T
N型の液晶表示装置の構造を示す概略図である。図5を
参照すると、TN型の液晶表示装置500は、上下基板
523、533の間にねじれ構造を有する液晶材料51
1を挟持し、上下両基板の外側に偏光フィルム524、
534を付加してある。
【0003】通常、TN型の液晶表示装置500は、電
圧無印加の状態で液晶材料511が90°に近いねじれ
を有するように、上下基板523、533を配向処理し
てある。すなわち、電圧無印加の状態では、入射側偏光
フィルム534を透過し、直線偏光となった入射光は、
液晶のねじれ構造に従って偏光面を回転させながら進行
する。そして、反対側の偏光フィルム524において透
過し(ノーマリホワイトモード)、または遮断(ノーマ
リブラックモード)される。両側基板523、533上
の電極522、532に電圧が印加された状態では、液
晶の90°ねじれが解消されるため、入射直線偏光はそ
のまま液晶層を透過し、反対側の偏光フィルムで遮断
(ノーマリホワイトモード)、または透過(ノーマリブ
ラックモード)する。
圧無印加の状態で液晶材料511が90°に近いねじれ
を有するように、上下基板523、533を配向処理し
てある。すなわち、電圧無印加の状態では、入射側偏光
フィルム534を透過し、直線偏光となった入射光は、
液晶のねじれ構造に従って偏光面を回転させながら進行
する。そして、反対側の偏光フィルム524において透
過し(ノーマリホワイトモード)、または遮断(ノーマ
リブラックモード)される。両側基板523、533上
の電極522、532に電圧が印加された状態では、液
晶の90°ねじれが解消されるため、入射直線偏光はそ
のまま液晶層を透過し、反対側の偏光フィルムで遮断
(ノーマリホワイトモード)、または透過(ノーマリブ
ラックモード)する。
【0004】TN型の液晶表示装置は、構造や駆動が簡
単であり、駆動電圧が低く、表示コントラストが大きい
という特徴を有している。また、超ねじれ型(STN
型)の液晶表示装置等と比べ、透過光に色付きが生じな
いため補償フィルム等を設けることが不要であり、視野
角も比較的広いという特性を有している。これらの利点
のため、今日の液晶ディスプレイ装置の主流となってい
る。
単であり、駆動電圧が低く、表示コントラストが大きい
という特徴を有している。また、超ねじれ型(STN
型)の液晶表示装置等と比べ、透過光に色付きが生じな
いため補償フィルム等を設けることが不要であり、視野
角も比較的広いという特性を有している。これらの利点
のため、今日の液晶ディスプレイ装置の主流となってい
る。
【0005】TN型の液晶表示装置は、このような優れ
た特性を有しているが、動画表示等を考慮した場合に、
応答速度が遅いという欠点があった。特に、電圧オン時
の応答速度に比べ、電圧オフ時の応答速度が遅く、電圧
をオフにしたときの応答速度や中間調における応答速度
が遅かった。
た特性を有しているが、動画表示等を考慮した場合に、
応答速度が遅いという欠点があった。特に、電圧オン時
の応答速度に比べ、電圧オフ時の応答速度が遅く、電圧
をオフにしたときの応答速度や中間調における応答速度
が遅かった。
【0006】また、従来のTN型の液晶表示装置では、
電圧オフ時に、水平方向に向きを変えようとする基板近
傍の液晶分子の動きにより、水平方向に向きを変えよう
とする液晶層中央部の液晶分子を垂直方向に戻そうとす
るバックフローと呼ばれる流れが生じる。この液晶の流
れが、電圧オフ時の応答速度を遅らせる原因の一つとな
っていた。
電圧オフ時に、水平方向に向きを変えようとする基板近
傍の液晶分子の動きにより、水平方向に向きを変えよう
とする液晶層中央部の液晶分子を垂直方向に戻そうとす
るバックフローと呼ばれる流れが生じる。この液晶の流
れが、電圧オフ時の応答速度を遅らせる原因の一つとな
っていた。
【0007】TN型の液晶表示素子の応答時間は、電圧
をオンにしたときの応答時間をτon、電圧をオフにした
ときの応答時間をτoffとすると、一般に次式で与えら
れる。
をオンにしたときの応答時間をτon、電圧をオフにした
ときの応答時間をτoffとすると、一般に次式で与えら
れる。
【0008】 τon=ηd2/Δε(V2−Vth2) ・・・(1) τoff=ηd2/π2K ・・・(2) ここで、ηは液晶の粘度であり、dは液晶層の厚さであ
り、Δεは誘電率異方性であり、Vは印加電圧であり、
Vthはしきい値電圧であり、Kは弾性定数である。
り、Δεは誘電率異方性であり、Vは印加電圧であり、
Vthはしきい値電圧であり、Kは弾性定数である。
【0009】電圧印加後の応答時間は、式(1)を参照
すると、印加電圧を大きくすることにより改善すること
が可能であるのに対して、TN型の液晶表示装置におい
て特に問題となる電圧オフ時の応答時間は、式(2)か
ら明らかなように、印加電圧により制御することができ
ない。
すると、印加電圧を大きくすることにより改善すること
が可能であるのに対して、TN型の液晶表示装置におい
て特に問題となる電圧オフ時の応答時間は、式(2)か
ら明らかなように、印加電圧により制御することができ
ない。
【0010】式(2)に基づいて、電圧オフ時の応答時
間を小さくするための手法として、液晶の粘度ηを小さ
くすること、液晶の弾性定数Kを大きくすること、液晶
層の厚さdを小さくすることが考えられる。そこで従来
は、これらの観点からTN型の液晶表示装置の応答時間
の改善が検討されてきた。
間を小さくするための手法として、液晶の粘度ηを小さ
くすること、液晶の弾性定数Kを大きくすること、液晶
層の厚さdを小さくすることが考えられる。そこで従来
は、これらの観点からTN型の液晶表示装置の応答時間
の改善が検討されてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記各
方法によるTN液晶表示装置の応答速度の改善について
は、以下のような欠点があった。
方法によるTN液晶表示装置の応答速度の改善について
は、以下のような欠点があった。
【0012】液晶の粘度η、液晶の弾性定数Kは、液晶
材料に固有の物性値であるため、これらを広範囲に制御
することは困難であり、多くの検討がなされているもの
の十分な効果は得られていない。また、種々の液晶物性
は、液晶の化学構造等を通して結びついているため、そ
れらを独立に制御することは不可能であり、所定の物性
を改善すると他の特性が悪くなる場合が多い。
材料に固有の物性値であるため、これらを広範囲に制御
することは困難であり、多くの検討がなされているもの
の十分な効果は得られていない。また、種々の液晶物性
は、液晶の化学構造等を通して結びついているため、そ
れらを独立に制御することは不可能であり、所定の物性
を改善すると他の特性が悪くなる場合が多い。
【0013】また、液晶層の厚さd(基板間のギャッ
プ)を小さくした場合、dのわずかな不均一性が液晶表
示装置の表示特性に大きく影響するため、液晶表示装置
全体にわたる均一な表示特性を得ることが困難となり、
生産性(製品の歩留まり)が低下する。さらに、基板間
のギャップdが薄くなると、液晶を注入する時間が長く
なり、やはり生産性が低下する。このような生産性の問
題は、特に基板が大型になった場合に顕著である。
プ)を小さくした場合、dのわずかな不均一性が液晶表
示装置の表示特性に大きく影響するため、液晶表示装置
全体にわたる均一な表示特性を得ることが困難となり、
生産性(製品の歩留まり)が低下する。さらに、基板間
のギャップdが薄くなると、液晶を注入する時間が長く
なり、やはり生産性が低下する。このような生産性の問
題は、特に基板が大型になった場合に顕著である。
【0014】また、液晶層厚dをあまり薄くすると旋光
分散によるパネルの着色現象が発生する。これを回避す
るため、Δn(屈折率の異方性)の大きな液晶を使用す
る必要があるが、Δnが大きな液晶は一般に粘度ηも大
きく、液晶の応答速度はそれほど改善されない。
分散によるパネルの着色現象が発生する。これを回避す
るため、Δn(屈折率の異方性)の大きな液晶を使用す
る必要があるが、Δnが大きな液晶は一般に粘度ηも大
きく、液晶の応答速度はそれほど改善されない。
【0015】本発明の目的は、上記従来の液晶表示装置
の欠点を解決し、簡易な方法により、生産性を低下する
ことなく、応答速度の改善されたTN型の液晶表示装置
を提供することにある。
の欠点を解決し、簡易な方法により、生産性を低下する
ことなく、応答速度の改善されたTN型の液晶表示装置
を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明は、2枚の基板と、該基板間に挟持されたねじれ構
造を有する液晶材料の層とを備えた液晶表示装置におい
て、前記液晶材料が、前記基板に設けられた種々の配向
手段により規制されたねじれとは別に、予め固有のねじ
れを有し、前記液晶材料の有する固有のねじれにおける
ねじれ角が、前記基板の前記配向手段によって規定され
るねじれ角の1/2よりも大きいことを特徴とする。
発明は、2枚の基板と、該基板間に挟持されたねじれ構
造を有する液晶材料の層とを備えた液晶表示装置におい
て、前記液晶材料が、前記基板に設けられた種々の配向
手段により規制されたねじれとは別に、予め固有のねじ
れを有し、前記液晶材料の有する固有のねじれにおける
ねじれ角が、前記基板の前記配向手段によって規定され
るねじれ角の1/2よりも大きいことを特徴とする。
【0017】他の態様においては、前記液晶材料の有す
る固有のねじれにおけるねじれ角が、前記基板の前記配
向手段によって規定されるねじれ角よりも大きいことを
特徴とする。
る固有のねじれにおけるねじれ角が、前記基板の前記配
向手段によって規定されるねじれ角よりも大きいことを
特徴とする。
【0018】また、他の態様においては、前記基板の前
記配向手段によって規定されるねじれ角が、45°以
上、135°以下であることを特徴とする。
記配向手段によって規定されるねじれ角が、45°以
上、135°以下であることを特徴とする。
【0019】さらに、他の態様においては、前記基板上
の液晶分子のプレティルト角が3°以上であることを特
徴とする。
の液晶分子のプレティルト角が3°以上であることを特
徴とする。
【0020】さらにまた、他の態様においては、前記基
板上の液晶分子のプレティルト角が5°以上であること
を特徴とする。
板上の液晶分子のプレティルト角が5°以上であること
を特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施形態による液晶装
置の構成を示す概略断面図である。図1を参照すると、
本実施形態のTN型の液晶表示装置10は、上下の基板
23、33と、基板23、33に挟持された液晶材料1
1とを備え、上下の基板22、23の液晶材料11側の
面にそれぞれ電極22、32、配向膜21、31を付加
し、上下の基板22、23の外側の面にそれぞれ偏光フ
ィルム24、34を付加してある。上下基板23、33
間に挟まれた液晶材料11は、配向膜21、31によ
り、90°に近いねじれを有するよう処理されている。
この液晶材料11の90°ねじれは、上下基板23、3
3上の配向膜21、31により規制されているものであ
り、後述する液晶材料11に固有のねじれとは異なる。
なお、図1には、本実施形態における特徴的な構成のみ
を記載し、他の一般的な構成については記載を省略して
ある。
置の構成を示す概略断面図である。図1を参照すると、
本実施形態のTN型の液晶表示装置10は、上下の基板
23、33と、基板23、33に挟持された液晶材料1
1とを備え、上下の基板22、23の液晶材料11側の
面にそれぞれ電極22、32、配向膜21、31を付加
し、上下の基板22、23の外側の面にそれぞれ偏光フ
ィルム24、34を付加してある。上下基板23、33
間に挟まれた液晶材料11は、配向膜21、31によ
り、90°に近いねじれを有するよう処理されている。
この液晶材料11の90°ねじれは、上下基板23、3
3上の配向膜21、31により規制されているものであ
り、後述する液晶材料11に固有のねじれとは異なる。
なお、図1には、本実施形態における特徴的な構成のみ
を記載し、他の一般的な構成については記載を省略して
ある。
【0023】本実施形態の液晶材料11は、上述した配
向膜21、31による規制に基づくねじれ以外に、固有
のねじれを有している。当該液晶材料11に固有のねじ
れについて、図2(a)を参照して説明する。
向膜21、31による規制に基づくねじれ以外に、固有
のねじれを有している。当該液晶材料11に固有のねじ
れについて、図2(a)を参照して説明する。
【0024】図2(a)は、仮想的な基板(破線)を想
定して基板間隔における液晶材料11に固有のねじれを
示している。本実施形態の液晶表示装置10において、
液晶材料11自身が有する固有のねじれは、図2(a)
に示すように、上述した上下基板23、33上の配向膜
21、31により規制されている角度に比べて大きい。
図2(a)は、液晶材料自身のねじれが、上下基板2
3、33上の配向膜21、31により規制されている角
度の2倍である場合を示している。
定して基板間隔における液晶材料11に固有のねじれを
示している。本実施形態の液晶表示装置10において、
液晶材料11自身が有する固有のねじれは、図2(a)
に示すように、上述した上下基板23、33上の配向膜
21、31により規制されている角度に比べて大きい。
図2(a)は、液晶材料自身のねじれが、上下基板2
3、33上の配向膜21、31により規制されている角
度の2倍である場合を示している。
【0025】TN型の液晶表示装置では、電圧オフ時に
液晶層(液晶材料11の層)はねじれ状態となり、電圧
オン時には液晶層のねじれが解けた状態となる。したが
って、液晶材料11に予め強いねじれを与え、標準の状
態(電圧オフ時の状態)でねじれ状態としておくことに
より、電圧をオフした際に、電圧オン時のねじれが解け
た状態からねじれ状態へ液晶自身の力で積極的に回復す
ることとなる。これにより、電圧オフ時の応答時間が大
きく改善される。
液晶層(液晶材料11の層)はねじれ状態となり、電圧
オン時には液晶層のねじれが解けた状態となる。したが
って、液晶材料11に予め強いねじれを与え、標準の状
態(電圧オフ時の状態)でねじれ状態としておくことに
より、電圧をオフした際に、電圧オン時のねじれが解け
た状態からねじれ状態へ液晶自身の力で積極的に回復す
ることとなる。これにより、電圧オフ時の応答時間が大
きく改善される。
【0026】また、従来のTN型の液晶表示装置では、
電圧オフ時に生じるバックフローが電圧オフ時の応答速
度を遅らせていたが、液晶表示装置10においては、電
圧オフ後、液晶層の固有のねじれにより速やかに液晶分
子自体がねじれ構造をとるために、バックフローの流れ
も押さえられ、応答時間が早くなる。
電圧オフ時に生じるバックフローが電圧オフ時の応答速
度を遅らせていたが、液晶表示装置10においては、電
圧オフ後、液晶層の固有のねじれにより速やかに液晶分
子自体がねじれ構造をとるために、バックフローの流れ
も押さえられ、応答時間が早くなる。
【0027】液晶材料11自身のねじれの大きさは、電
圧をオフした際に速やかにねじれ状態に戻るのに十分な
大きさであれば良く、必ずしも配向膜21、31により
規制されているねじれ角の角度よりも大きいねじれであ
る必要はない。例えば、配向膜21、31により規制さ
れている角度の1/2程度であっても良い。ただし、液
晶自身の有するねじれ力が大きいほうが応答時間の短縮
の効果が大きいため、配向膜21、31により規制され
ている角度より大きいねじれ、例えば配向膜21、31
により規制されている角度の2倍またはそれ以上のねじ
れ角を与えることが望ましい。
圧をオフした際に速やかにねじれ状態に戻るのに十分な
大きさであれば良く、必ずしも配向膜21、31により
規制されているねじれ角の角度よりも大きいねじれであ
る必要はない。例えば、配向膜21、31により規制さ
れている角度の1/2程度であっても良い。ただし、液
晶自身の有するねじれ力が大きいほうが応答時間の短縮
の効果が大きいため、配向膜21、31により規制され
ている角度より大きいねじれ、例えば配向膜21、31
により規制されている角度の2倍またはそれ以上のねじ
れ角を与えることが望ましい。
【0028】なお、図2(b)に示すように、従来のT
N型の液晶表示装置においても、微量のカイラル剤の添
加により、液晶材料自身が固有のねじれを有している。
しかし、そのねじれの程度は、上下基板23、33上の
配向膜21、31により規制されている角度よりもはる
かに小さく、配向膜21、31により規制されている角
度の数分の1程度である。従来のTN型の液晶表示装置
において、液晶材料11にねじれを付加させているの
は、ねじれ方向に規制することによって、画素電極周囲
からの斜め電界や横電界、配線からの斜め横電界や横電
界により、液晶のねじれ方向が逆になる領域が発生し、
ディスクリネーションが発生することを防止するためで
ある。したがって、本実施形態の液晶表示装置10と
は、目的がまったく異なるものであり、上述した電圧オ
フ時の応答時間の短縮のためにはほとんど役立たない。
N型の液晶表示装置においても、微量のカイラル剤の添
加により、液晶材料自身が固有のねじれを有している。
しかし、そのねじれの程度は、上下基板23、33上の
配向膜21、31により規制されている角度よりもはる
かに小さく、配向膜21、31により規制されている角
度の数分の1程度である。従来のTN型の液晶表示装置
において、液晶材料11にねじれを付加させているの
は、ねじれ方向に規制することによって、画素電極周囲
からの斜め電界や横電界、配線からの斜め横電界や横電
界により、液晶のねじれ方向が逆になる領域が発生し、
ディスクリネーションが発生することを防止するためで
ある。したがって、本実施形態の液晶表示装置10と
は、目的がまったく異なるものであり、上述した電圧オ
フ時の応答時間の短縮のためにはほとんど役立たない。
【0029】ところで、上述した液晶表示装置10は、
上下基板23、33上の配向膜21、31により規制さ
れる角度に比べて、液晶材料11自身のねじれが大きい
方が、応答速度の改善効果は大きい。しかし、液晶材料
11自身のねじれが大きすぎる場合には、ねじれが過剰
に生じる場合がある。この様子を図3を参照して説明す
る。
上下基板23、33上の配向膜21、31により規制さ
れる角度に比べて、液晶材料11自身のねじれが大きい
方が、応答速度の改善効果は大きい。しかし、液晶材料
11自身のねじれが大きすぎる場合には、ねじれが過剰
に生じる場合がある。この様子を図3を参照して説明す
る。
【0030】図3を参照すると、配向膜21、31によ
り規制される液晶層のねじれ角が図3中破線で示すよう
に90°である場合に、液晶層自身のねじれ角が図3中
実線で示すように180°を超えると、配向膜21、3
1により規制される角度である90°(破線)ではな
く、図3中点線で示すように270°のねじれ角を生じ
ることがある。このような270°ねじれ角を生じるこ
とにより、90°ねじれ角で得られる所望の特性が得ら
れないことになる。
り規制される液晶層のねじれ角が図3中破線で示すよう
に90°である場合に、液晶層自身のねじれ角が図3中
実線で示すように180°を超えると、配向膜21、3
1により規制される角度である90°(破線)ではな
く、図3中点線で示すように270°のねじれ角を生じ
ることがある。このような270°ねじれ角を生じるこ
とにより、90°ねじれ角で得られる所望の特性が得ら
れないことになる。
【0031】これに対して、基板23、33の界面のプ
レティルト角を大きくし、かつ上下基板23、33の界
面のプレティルト方向が整合するように設定することに
よって、液晶材料自身のねじれが大きい場合にも、安定
的に所望のねじれ角を得ることができる。ここで、プレ
ティルト角が整合するとは、液晶層のねじれに従ってい
るときの上下基板23、33の界面の液晶分子が同一の
方向に傾いていることをいい、いわゆるスプレイ配列状
態になっていないことをいう。
レティルト角を大きくし、かつ上下基板23、33の界
面のプレティルト方向が整合するように設定することに
よって、液晶材料自身のねじれが大きい場合にも、安定
的に所望のねじれ角を得ることができる。ここで、プレ
ティルト角が整合するとは、液晶層のねじれに従ってい
るときの上下基板23、33の界面の液晶分子が同一の
方向に傾いていることをいい、いわゆるスプレイ配列状
態になっていないことをいう。
【0032】以上のように、プレティルト角を大きく
し、上下基板23、33の界面のプレティルト方向が整
合するように設定した場合、整合したプレティルトによ
り液晶のねじれ方向が一方向に規制される力が働き、図
3に示す状態においても、90°のねじれ角のみを発生
させることができる。また、このような大きなプレティ
ルト角は、液晶表示装置の駆動電圧を低下させ、また応
答時間をさらに改善する効果も期待できる。
し、上下基板23、33の界面のプレティルト方向が整
合するように設定した場合、整合したプレティルトによ
り液晶のねじれ方向が一方向に規制される力が働き、図
3に示す状態においても、90°のねじれ角のみを発生
させることができる。また、このような大きなプレティ
ルト角は、液晶表示装置の駆動電圧を低下させ、また応
答時間をさらに改善する効果も期待できる。
【0033】このようなプレティルト角としては、少な
くとも3°以上であることが望ましく、5°以上であれ
ば一層好ましい。さらに、10°以上であっても良い。
また、両側の基板23、33のプレティルト角は同一で
あっても良いし、異なっていても良い。
くとも3°以上であることが望ましく、5°以上であれ
ば一層好ましい。さらに、10°以上であっても良い。
また、両側の基板23、33のプレティルト角は同一で
あっても良いし、異なっていても良い。
【0034】図1に示した本実施形態の液晶表示装置1
1では、上下基板23、33上の配向膜21、31によ
り規制される液晶材料11のねじれ角の角度が90°の
場合について説明した。これは、TN型の液晶表示装置
におけるねじれ角が通常約90°程度だからである。し
かし、本実施形態の効果は、配向膜21、31によって
規定される液晶材料11のねじれ角の角度が90°の場
合に限定されるものではなく、同角度が45°以上、1
35°以下である場合でも適用できる。またそれよりも
大きなねじれ角の場合でも適用できる。
1では、上下基板23、33上の配向膜21、31によ
り規制される液晶材料11のねじれ角の角度が90°の
場合について説明した。これは、TN型の液晶表示装置
におけるねじれ角が通常約90°程度だからである。し
かし、本実施形態の効果は、配向膜21、31によって
規定される液晶材料11のねじれ角の角度が90°の場
合に限定されるものではなく、同角度が45°以上、1
35°以下である場合でも適用できる。またそれよりも
大きなねじれ角の場合でも適用できる。
【0035】液晶材料に固有のねじれを付加するために
は、たとえばカイラル剤を添加することができる。カイ
ラル剤としては、コレステロール化合物や不斉中心を有
するキラル化合物がを挙げることができる。なお、カイ
ラル剤を添加した場合の液晶材料11のねじれ角は、く
さび型セルを用いて容易に測定することができ、所望の
ねじれ特性を有する液晶材料11を得ることができる。
また、液晶材料11に固有のねじれを付加するために
は、カイラル剤を添加するのが一般的であるが、これに
限定されるものではない。
は、たとえばカイラル剤を添加することができる。カイ
ラル剤としては、コレステロール化合物や不斉中心を有
するキラル化合物がを挙げることができる。なお、カイ
ラル剤を添加した場合の液晶材料11のねじれ角は、く
さび型セルを用いて容易に測定することができ、所望の
ねじれ特性を有する液晶材料11を得ることができる。
また、液晶材料11に固有のねじれを付加するために
は、カイラル剤を添加するのが一般的であるが、これに
限定されるものではない。
【0036】本実施形態の液晶表示装置10は、液晶材
料固有の強いねじれにより、印加電圧を大きくしたとき
の、透過率の変化がやや遅くなる傾向がある。そこで、
液晶材料11としては、しきい値の小さい低しきい値型
の液晶が望ましい。
料固有の強いねじれにより、印加電圧を大きくしたとき
の、透過率の変化がやや遅くなる傾向がある。そこで、
液晶材料11としては、しきい値の小さい低しきい値型
の液晶が望ましい。
【0037】また、本実施形態の液晶表示装置10は、
上下基板23、33における液晶分子の配向方向が特定
方向に規定されている必要があり、これを実現するため
に、通常は配向膜21、31が使用される。
上下基板23、33における液晶分子の配向方向が特定
方向に規定されている必要があり、これを実現するため
に、通常は配向膜21、31が使用される。
【0038】配向膜21、31及び基板23、33の界
面の液晶配向手段としては、従来から使用されている種
々の方法が使用できる。例えば、ポリイミド等の高分子
薄膜をラビング等の機械的な操作により配向させる方法
や、グルーブ等の溝その他の凹凸を作製して液晶を配向
させる方法、紫外線その他の光の作用によって液晶を配
向させる方法を用いることができる。
面の液晶配向手段としては、従来から使用されている種
々の方法が使用できる。例えば、ポリイミド等の高分子
薄膜をラビング等の機械的な操作により配向させる方法
や、グルーブ等の溝その他の凹凸を作製して液晶を配向
させる方法、紫外線その他の光の作用によって液晶を配
向させる方法を用いることができる。
【0039】光の作用により液晶を配向させる配向膜と
しては、アゾベンゼン等の光異性化特性を有する分子を
利用する膜や、ポリビニルシンナメート、コルカン系モ
ノマー等の光二量化反応を利用する膜、ポリイミドに紫
外光その他の光を照射することにより生じる分解や光反
応等を利用して配向させる膜のいずれをも用いることが
できる。また、照射する紫外線その他の光も、直線偏光
等の偏光を使用しても非偏光を使用しても良い。
しては、アゾベンゼン等の光異性化特性を有する分子を
利用する膜や、ポリビニルシンナメート、コルカン系モ
ノマー等の光二量化反応を利用する膜、ポリイミドに紫
外光その他の光を照射することにより生じる分解や光反
応等を利用して配向させる膜のいずれをも用いることが
できる。また、照射する紫外線その他の光も、直線偏光
等の偏光を使用しても非偏光を使用しても良い。
【0040】光の照射は、垂直方向からの照射や斜め方
向からの照射であっても良いし、2回以上の照射等であ
っても良い。特に斜め方向からの照射や、2回照射は配
向膜界面の液晶のプレティルト角の発生に有効である。
向からの照射であっても良いし、2回以上の照射等であ
っても良い。特に斜め方向からの照射や、2回照射は配
向膜界面の液晶のプレティルト角の発生に有効である。
【0041】また、配向膜21、31は、本実施形態に
おける必須の要件ではなく、配向膜21、31を使用せ
ずに、直接、基板23、33や電極22、32上で液晶
を配向させる何らかの手法を用いても良い。
おける必須の要件ではなく、配向膜21、31を使用せ
ずに、直接、基板23、33や電極22、32上で液晶
を配向させる何らかの手法を用いても良い。
【0042】本実施形態の液晶表示装置10は、各画素
が単一領域であっても良いし、各画素が配向方向の異な
る複数の領域に分割された画素分割型であっても良い。
このような画素分割型の液晶表示装置の画素分割の態様
として、2分割、4分割等が挙げられる。また、画素分
割の作製方法としては、複数回のラビングによる方法、
ラビングとレジストによる部分的な保護を組み合わせた
方法、光配向技術を用いる方法等のいずれであっても良
い。
が単一領域であっても良いし、各画素が配向方向の異な
る複数の領域に分割された画素分割型であっても良い。
このような画素分割型の液晶表示装置の画素分割の態様
として、2分割、4分割等が挙げられる。また、画素分
割の作製方法としては、複数回のラビングによる方法、
ラビングとレジストによる部分的な保護を組み合わせた
方法、光配向技術を用いる方法等のいずれであっても良
い。
【0043】また、本実施形態の液晶表示装置10の液
晶層は、カイラル剤等を含む液晶材料のみからなる構成
であっても良いが、ポリマー固体やポリマーネットワー
ク等を含む構成であっても良い。このようなポリマーネ
ットワークとしては、光硬化性モノマー、熱硬化性モノ
マー、あるいはこれらのオリゴマ等を液晶材料11中に
溶解し、基板23、33間に注入した後に反応させる方
法等により作製することができる。
晶層は、カイラル剤等を含む液晶材料のみからなる構成
であっても良いが、ポリマー固体やポリマーネットワー
ク等を含む構成であっても良い。このようなポリマーネ
ットワークとしては、光硬化性モノマー、熱硬化性モノ
マー、あるいはこれらのオリゴマ等を液晶材料11中に
溶解し、基板23、33間に注入した後に反応させる方
法等により作製することができる。
【0044】また、両側の電極22、32に電圧を印加
する方法としては、一定の電圧を印加するスタティック
駆動でも良いし、変化する電圧を印加するダイナミック
駆動でも良い。また、ダイナミック駆動は、単純マトリ
ックスであっても良いし、TFT、MIM等のアクティ
ブマトリックスであっても良い。
する方法としては、一定の電圧を印加するスタティック
駆動でも良いし、変化する電圧を印加するダイナミック
駆動でも良い。また、ダイナミック駆動は、単純マトリ
ックスであっても良いし、TFT、MIM等のアクティ
ブマトリックスであっても良い。
【0045】また、図1に示した本実施形態では、透過
型の液晶表示装置に基づいて説明したが、本実施形態を
適用する液晶表示装置は、透過型に限定されるものでは
なく、反射型等であっても良い。この場合、一方の基板
は透明である必要はなく、基板が不透明である場合、基
板が鏡面その他の反射面である場合、基板が電極を兼ね
ている場合等も本実施形態を適用することができる。
型の液晶表示装置に基づいて説明したが、本実施形態を
適用する液晶表示装置は、透過型に限定されるものでは
なく、反射型等であっても良い。この場合、一方の基板
は透明である必要はなく、基板が不透明である場合、基
板が鏡面その他の反射面である場合、基板が電極を兼ね
ている場合等も本実施形態を適用することができる。
【0046】
【実施例】次に、本発明の実施例を用いて詳細に説明す
る。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、変更が可能である。
る。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変
形、変更が可能である。
【0047】[実施例1] 25mm×35mm基板に
10mm幅のITO(インジウム錫酸化物)透明電極を
有する基板にポリイミド配向剤(SE−7690:日産
化学製)をスピンコートで塗布し、90℃で10分およ
び200℃で60分焼成を行った後、レーヨンからなる
バフ布によりラビング処理を施した。
10mm幅のITO(インジウム錫酸化物)透明電極を
有する基板にポリイミド配向剤(SE−7690:日産
化学製)をスピンコートで塗布し、90℃で10分およ
び200℃で60分焼成を行った後、レーヨンからなる
バフ布によりラビング処理を施した。
【0048】一方、あらかじめ異なる量のカイラル剤
(S1011:メルク社製)を添加した液晶材料(ZL
I4792:メルク社製)を調製した。くさび型セルを
用いてそれぞれの液晶材料のねじれ特性を測定すると、
カイラル剤添加量0.02wt%、0.15wt%、
0.3wt%の液晶材料のピッチは、それぞれ160μ
m、23μm、11μmであった。これらを、セル厚
(5.5μm)当たりの液晶のねじれ角に換算すると、
それぞれ12°、86°、180°である。
(S1011:メルク社製)を添加した液晶材料(ZL
I4792:メルク社製)を調製した。くさび型セルを
用いてそれぞれの液晶材料のねじれ特性を測定すると、
カイラル剤添加量0.02wt%、0.15wt%、
0.3wt%の液晶材料のピッチは、それぞれ160μ
m、23μm、11μmであった。これらを、セル厚
(5.5μm)当たりの液晶のねじれ角に換算すると、
それぞれ12°、86°、180°である。
【0049】基板の周辺部にシール剤を塗布し、(液晶
のねじれ方向に対するプレティルトの向きが整合するよ
うに)両基板のラビング方向が90°をなすように加圧
しながら張り合わせた。セルギャップは、ラテックス球
をスペ−サーに用い、5.5μmに調節した。
のねじれ方向に対するプレティルトの向きが整合するよ
うに)両基板のラビング方向が90°をなすように加圧
しながら張り合わせた。セルギャップは、ラテックス球
をスペ−サーに用い、5.5μmに調節した。
【0050】作製した複数の空セルを真空槽内に置き、
真空排気後、それぞれの液晶材料を注入した。液晶材料
注入完了後、注入口を封止した。基板の両側に偏光フィ
ルムを、透過軸が基板界面の液晶方向と一致するように
貼りつけた。
真空排気後、それぞれの液晶材料を注入した。液晶材料
注入完了後、注入口を封止した。基板の両側に偏光フィ
ルムを、透過軸が基板界面の液晶方向と一致するように
貼りつけた。
【0051】作製した液晶セルの電気光学特性を、液晶
評価装置(LCD−5000:大塚電子製)を用いて測
定した。印加電圧は、5V、1kHzの矩形波とした。
透過率は、偏光フィルム2枚を平行ニコルの状態にした
ものを100%とした。
評価装置(LCD−5000:大塚電子製)を用いて測
定した。印加電圧は、5V、1kHzの矩形波とした。
透過率は、偏光フィルム2枚を平行ニコルの状態にした
ものを100%とした。
【0052】それぞれの液晶セルの透過率の応答特性を
図4に示す。図4において、印加電圧をオフにした時点
を、横軸の0msとしたとした。図4の点線はセル厚
(5.5μm)あたりの液晶固有のねじれ角が160μ
mの場合を示し、破線は液晶固有のねじれ角が23μm
の場合を示し、実線は液晶固有のねじれ角が11μmの
場合を示す。
図4に示す。図4において、印加電圧をオフにした時点
を、横軸の0msとしたとした。図4の点線はセル厚
(5.5μm)あたりの液晶固有のねじれ角が160μ
mの場合を示し、破線は液晶固有のねじれ角が23μm
の場合を示し、実線は液晶固有のねじれ角が11μmの
場合を示す。
【0053】図4を参照すると、セル厚当たりの液晶の
ねじれ角が大きくなるほど、応答時間が短くなっている
ことが分かる。また、電圧オフ直後の透過率の変化か
ら、セル厚当たりの液晶のねじれ角が大きくい場合に
は、バックフローが生じていないことが分かる。
ねじれ角が大きくなるほど、応答時間が短くなっている
ことが分かる。また、電圧オフ直後の透過率の変化か
ら、セル厚当たりの液晶のねじれ角が大きくい場合に
は、バックフローが生じていないことが分かる。
【0054】上記データに基づいて、電圧オフ時から透
過率が90%変化するまでの時間を応答時間として求め
ると、セル厚あたりの液晶固有のねじれ角が160μm
の場合の応答時間は35.3msであり、液晶固有のね
じれ角が23μmの場合の応答時間は21.6msであ
り、液晶固有のねじれ角が11μmの場合の応答時間は
13.7msである。
過率が90%変化するまでの時間を応答時間として求め
ると、セル厚あたりの液晶固有のねじれ角が160μm
の場合の応答時間は35.3msであり、液晶固有のね
じれ角が23μmの場合の応答時間は21.6msであ
り、液晶固有のねじれ角が11μmの場合の応答時間は
13.7msである。
【0055】また、前記と同様の条件でラビングした基
板2枚をラビング方向が逆向きになるように、50μm
ギャップで貼り合わせ、カイラル剤を含まない液晶を注
入してセルとした。クリスタルローテーション法を用い
て基板のプレティルト角を測ると3.9°であった。
板2枚をラビング方向が逆向きになるように、50μm
ギャップで貼り合わせ、カイラル剤を含まない液晶を注
入してセルとした。クリスタルローテーション法を用い
て基板のプレティルト角を測ると3.9°であった。
【0056】[実施例2] 配向膜として、SE−11
80、RN−740、RN−715(日産化学製)、K
−100(東レ製)を使用した以外は、実施例1と同様
に90°ねじれセルを作製した。また、各配向膜に関し
て、実施例1と同様にプレティルト角を測定すると、そ
れぞれ0.1°、0.29°、6.0°、13.6°で
あった。
80、RN−740、RN−715(日産化学製)、K
−100(東レ製)を使用した以外は、実施例1と同様
に90°ねじれセルを作製した。また、各配向膜に関し
て、実施例1と同様にプレティルト角を測定すると、そ
れぞれ0.1°、0.29°、6.0°、13.6°で
あった。
【0057】実施例1と同様の液晶材料、カイラル剤を
使用し、カイラル剤添加量を変化させることで、セル厚
(5.5μm)当たりの液晶固有のねじれ角が、それぞ
れ190°、200°、210°の液晶材料を調製し
た。
使用し、カイラル剤添加量を変化させることで、セル厚
(5.5μm)当たりの液晶固有のねじれ角が、それぞ
れ190°、200°、210°の液晶材料を調製し
た。
【0058】上述の各配向膜を使用したセルに、上記3
種類の液晶材料を注入して液晶セルとした。そして、作
成した液晶セルに、5V、1kHzの矩形波を印加し、
その後、電圧をオフにして液晶の透過光状態を観察し
た。
種類の液晶材料を注入して液晶セルとした。そして、作
成した液晶セルに、5V、1kHzの矩形波を印加し、
その後、電圧をオフにして液晶の透過光状態を観察し
た。
【0059】配向膜としてK−100を使用した場合
は、全ての液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が
白色であった。また、配向膜としてRN−715を使用
した場合は、液晶固有のねじれ角が190°、200°
の液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が白色であ
った。一方、配向膜としてSE−1180またはRN−
740を使用した場合は、すべての液晶材料を注入した
セルにおいて、透過光が黄色に着色していた。また、配
向膜としてRN−715を使用した場合は、ねじれ角が
210°の液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が
黄色に着色していた。透過光が黄色に着色しているの
は、液晶材料が270°ねじれを有しているためと予想
された。
は、全ての液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が
白色であった。また、配向膜としてRN−715を使用
した場合は、液晶固有のねじれ角が190°、200°
の液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が白色であ
った。一方、配向膜としてSE−1180またはRN−
740を使用した場合は、すべての液晶材料を注入した
セルにおいて、透過光が黄色に着色していた。また、配
向膜としてRN−715を使用した場合は、ねじれ角が
210°の液晶材料を注入したセルにおいて、透過光が
黄色に着色していた。透過光が黄色に着色しているの
は、液晶材料が270°ねじれを有しているためと予想
された。
【0060】透過光として白色光が得られたセルについ
て、実施例1と同様の手法で応答時間を測定すると、配
向膜としてK−100を用いた液晶セルにおいて、液晶
固有のねじれ角が190°の場合の応答速度は12.0
ms、液晶固有のねじれ角が200°の場合の応答速度
は11.3ms、液晶固有のねじれ角が210°の場合
の応答速度は10.9msであった。また、配向膜とし
てRN−715を用いた液晶セルにおいて、液晶固有の
ねじれ角が190°の場合の応答速度は13.0ms、
液晶固有のねじれ角が200°の場合の応答速度は1
1.5msであった。
て、実施例1と同様の手法で応答時間を測定すると、配
向膜としてK−100を用いた液晶セルにおいて、液晶
固有のねじれ角が190°の場合の応答速度は12.0
ms、液晶固有のねじれ角が200°の場合の応答速度
は11.3ms、液晶固有のねじれ角が210°の場合
の応答速度は10.9msであった。また、配向膜とし
てRN−715を用いた液晶セルにおいて、液晶固有の
ねじれ角が190°の場合の応答速度は13.0ms、
液晶固有のねじれ角が200°の場合の応答速度は1
1.5msであった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶表示
装置によれば、基板に挟持された液晶材料に予め固有の
ねじれを与えておくという簡易な方法により、生産性を
低下することなく、応答速度、特に電圧オフ時の応答速
度を大きく改善することができるという効果がある。
装置によれば、基板に挟持された液晶材料に予め固有の
ねじれを与えておくという簡易な方法により、生産性を
低下することなく、応答速度、特に電圧オフ時の応答速
度を大きく改善することができるという効果がある。
【0062】また、基板界面のプレティルト角を、3°
以上あるいは5°以上というように大きく取ることによ
り、液晶材料に対して、所望のねじれ角を安定的に得る
ことができるという効果がある。
以上あるいは5°以上というように大きく取ることによ
り、液晶材料に対して、所望のねじれ角を安定的に得る
ことができるという効果がある。
【図1】 本発明の一実施形態による液晶表示装置の構
成を示す概略断面図である。
成を示す概略断面図である。
【図2】 本実施形態における液晶材料の固有のねじれ
を、従来技術との比較において説明する概念図である。
を、従来技術との比較において説明する概念図である。
【図3】 本実施形態における液晶材料の固有のねじれ
の大きさを示す図である。
の大きさを示す図である。
【図4】 本発明の一実施例による電源オフ時の応答速
度の改善の効果を示す図である。
度の改善の効果を示す図である。
【図5】 従来の液晶表示装置の構成を示す概略断面図
である。
である。
10 液晶表示装置 11 液晶材料 21、31 配向膜 22、32 電極 23、33 基板 24、34 偏光フィルム
Claims (6)
- 【請求項1】 2枚の基板と、該基板間に挟持されたね
じれ構造を有する液晶材料の層とを備えた液晶表示装置
において、 前記液晶材料が、前記基板に設けられた種々の配向手段
により規制されたねじれとは別に、予め固有のねじれを
有し、 前記液晶材料の有する固有のねじれにおけるねじれ角
が、前記基板の前記配向手段によって規定されるねじれ
角の1/2よりも大きいことを特徴とする液晶表示装
置。 - 【請求項2】 前記基板の前記配向手段によって規定さ
れるねじれ角が、45°以上、135°以下であること
を特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。 - 【請求項3】 2枚の基板と、該基板間に挟持されたね
じれ構造を有する液晶材料の層とを備えた液晶表示装置
において、 前記液晶材料が、前記基板に設けられた種々の配向手段
により規制されたねじれとは別に、予め固有のねじれを
有し、 前記液晶材料の有する固有のねじれにおけるねじれ角
が、前記基板の前記配向手段によって規定されるねじれ
角よりも大きいことを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項4】 前記基板の前記配向手段によって規定さ
れるねじれ角が、45°以上、135°以下であること
を特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。 - 【請求項5】 前記基板上の液晶分子のプレティルト角
が3°以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】 前記基板上の液晶分子のプレティルト角
が5°以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37762698A JP2000199901A (ja) | 1998-12-29 | 1998-12-29 | 液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37762698A JP2000199901A (ja) | 1998-12-29 | 1998-12-29 | 液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000199901A true JP2000199901A (ja) | 2000-07-18 |
Family
ID=18509021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37762698A Pending JP2000199901A (ja) | 1998-12-29 | 1998-12-29 | 液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000199901A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002268095A (ja) * | 2001-03-09 | 2002-09-18 | Santekku:Kk | 液晶表示装置 |
US7277140B2 (en) | 2001-11-28 | 2007-10-02 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image shifting device, image display, liquid crystal display, and projection image display |
CN102667600A (zh) * | 2009-12-25 | 2012-09-12 | 学校法人东京理科大学 | Tn型液晶元件及其制造方法 |
JP2016085476A (ja) * | 2016-02-04 | 2016-05-19 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 液晶表示装置 |
JP2017167563A (ja) * | 2017-06-14 | 2017-09-21 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 配向膜ワニス |
-
1998
- 1998-12-29 JP JP37762698A patent/JP2000199901A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002268095A (ja) * | 2001-03-09 | 2002-09-18 | Santekku:Kk | 液晶表示装置 |
US7277140B2 (en) | 2001-11-28 | 2007-10-02 | Sharp Kabushiki Kaisha | Image shifting device, image display, liquid crystal display, and projection image display |
CN102667600A (zh) * | 2009-12-25 | 2012-09-12 | 学校法人东京理科大学 | Tn型液晶元件及其制造方法 |
JP2016085476A (ja) * | 2016-02-04 | 2016-05-19 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 液晶表示装置 |
JP2017167563A (ja) * | 2017-06-14 | 2017-09-21 | 株式会社ジャパンディスプレイ | 配向膜ワニス |
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