JPH11212093A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH11212093A
JPH11212093A JP2409198A JP2409198A JPH11212093A JP H11212093 A JPH11212093 A JP H11212093A JP 2409198 A JP2409198 A JP 2409198A JP 2409198 A JP2409198 A JP 2409198A JP H11212093 A JPH11212093 A JP H11212093A
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JP2409198A
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Nobuhisa Iwamoto
宜久 岩本
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Stanley Electric Co Ltd
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Stanley Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ECBモードの液晶表示素子をN−I点温度
よりも高い温度に加熱した後に再配向させると配向が乱
れて欠陥が発生する問題点がある。 【解決手段】 一対の基板間にネマチック液晶を有する
液晶層を挟持してなるECBモードの液晶表示素子にお
いて、該液晶層に電圧を印加しない状態で液晶分子を基
板面とほぼ垂直に配向させる配向規制物質の柱を形成し
て、配向膜と配向規制柱の相乗効果によって液晶分子の
配向を安定して制御できるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子、特に広
い温度範囲にて安定した配向特性を示すECBモードの
液晶表示素子とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の複屈折制御方式、いわゆるECB
(Electrically Controlled
Birefringence)モードの液晶表示素子の
一例として、DAP(Deformation of
Vertically Aligned Phase)
型の複屈折効果を利用した単純マトリクス駆動方式の液
晶表示素子を図4、図5に示す。偏光軸Pを有する偏光
板5とこれと直交する偏光軸Aを有する偏光板6の間に
液晶表示素子50が挟まれている。液晶表示素子50
は、例えばストライプ状に形成した透明電極2を有する
2枚のガラス基板1、1の間に誘電異方性が負の液晶材
料の液晶層4が挟まれた構造となっており、液晶層4は
透明電極2が設けられたガラス基板1上に形成された垂
直配向膜3により液晶分子4aの配向方向が制御されて
いる。
【0003】液晶層4に電圧がかかっていない状態では
図4の左側に示したように、図面下方より入射した光源
光が偏光板5により直線偏光とされ、液晶層4に入射す
る。液晶分子4aは垂直に配列しているので、入射した
直線偏光はそのままの状態で液晶層4を通過し、偏光板
6に入射する。偏光板6の偏光軸Aは偏光板5の偏光軸
Pと直交するように配置されているので出口側の偏光板
6ですべて吸収されることとなり暗状態、即ち黒表示と
なる。
【0004】それに対し液晶層4に電圧を印加した場合
には、液晶層の誘電異方性が負なので、一定レベル以上
の電圧をかけると図4の右側に示したように液晶分子が
基板面と平行な方向に傾く。この状態では液晶層の光学
的な異方性により、偏光板5を介して入射した直線偏光
が液晶層4通過後に楕円偏光となり、その結果出口側の
偏光板6で吸収されない成分が生じて明状態、即ち白表
示となる。なお、図4に示したように一方のガラス基板
1にカラーフィルタ層7を設けてカラー表示を行なうよ
うにしたり、液晶表示素子50と一方の偏光板との間に
光学補償板8を設けることもある。光学補償板8は、液
晶層4と光学補償板8の複屈折が打ち消し合うように作
用して広い視野角が得られるように、厚さ方向に対して
光学的に負の屈折率分布を有するもの、すなわち液晶層
の屈折率分布に対して反対側のものが用いられる。
【0005】液晶層4は電圧無印加時においては基板面
に対して垂直に配向しているものであるが、基板面に対
して完全に垂直に配向させると、電圧印加時に液晶分子
が傾く方向がバラバラになり、液晶表示素子内に異なる
チルト方向がランダムに発生する。そこで、本願出願人
による特開平4−261522号に記載した斜め電界を
利用した配向処理を施すなどの手段を用いることにより
再現性よくプレチルト角を与えた垂直配向とすることも
できる。
【0006】ところで、前記した複屈折効果を利用した
単純マトリクス駆動方式の液晶表示素子と同じ単純マト
リクス駆動を用いて同様の表示品位が得られるSTN型
液晶表示素子においては、複屈折による着色を補償フィ
ルムにより補償して白黒表示を得ているため、温度に依
存して液晶層の複屈折が著しく変化し、広い温度範囲で
良好な白黒表示を得ることが原理的に困難である。ま
た、広視野角化も難かしい。それに対してECBモード
液晶表示素子は、液晶分子の複屈折を電界の印加により
制御するものであるため、図4に示したように電圧を印
加していない暗状態において液晶分子が垂直に配列して
おり、表示特性は液晶層の物性値に殆ど依存していない
ことになる。そのため温度により変化することがなく、
広い温度範囲にて良好な白黒表示、カラー表示が可能で
あるなどの特徴を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より広
い温度範囲にて良好な表示を得ようとした場合、高温領
域において液晶表示素子の配向が乱れやすい傾向があ
り、例えばシラン系の垂直配向膜を用いたDAP型の複
屈折効果を利用した液晶表示素子の場合には50℃以上
の温度で配向が崩れることがあった。
【0008】また、良好な垂直配向状態が得られている
液晶表示素子50を加熱して、ネマチック相状態の液晶
分子4aを等方相状態とした後に冷却し、再びネマチッ
ク相に戻した場合に、加熱前に良好だった垂直配向状態
が崩壊して全体的または部分的に配向不良が発生して表
示品位を著しく低下させる場合がある。かかる配向不良
は、熱処理により均一に配向していた液晶層が等方相状
態からネマチック相に戻る際に液晶層の配向が初期の配
向状態を保持できなくなり、液晶分子が初期配向方向と
異なる方向にプレチルトするようになったことによるも
のと思われる。
【0009】また、液晶表示素子のコントラストおよび
シャープネスの向上と、電圧印加時の配向安定化などの
目的から液晶層4にカイラル材を添加する場合もある
が、カイラル材を添加しない液晶層4とした場合に比べ
て、前述した欠陥の発生量が多く、特にカイラル材の添
加量が多い場合には欠陥の発生が顕著である。また、複
屈折率Δnの大きな液晶を用いた場合や液晶分子の成分
としてフルオロ基を有する場合にも、液晶表示素子を高
温とした際もしくは熱処理を施した際に、より一層顕著
に欠陥が表われるという問題があった。
【0010】一般にTN液晶表示素子などの水平配向の
場合の配向力は、水平配向膜の表面エネルギーが高いほ
ど水平配向膜の液晶分子に対するアンカリングエネルギ
ーが高くなることが知られている。そこで、前述の液晶
表示素子50の垂直配向膜3として表面エネルギーの高
い膜を利用して配向力を強くした液晶表示素子50を作
成し、該表示素子を加熱してネマチック相状態の液晶分
子4aを等方相状態とした。その後冷却して、再びネマ
チック相に戻した場合の配向状態を観察した。図6
(a)、図6(b)はそれぞれ表面エネルギーが34e
rg/cm2、37erg/cm2の配向膜を一対のガ
ラス基板1の表面に形成して作製した液晶表示素子50
を、等方相温度以上に加熱した後に室温まで徐冷し、液
晶分子をネマチック相状態とした際の液晶表示素子を図
2(a)と同一条件にて観察した際の顕微鏡写真であ
る。液晶表示素子50には電圧を印加せず、また偏光板
5,6の偏光軸は図6(c)に示したように直交に配置
した。なお、液晶層には誘電異方性が負の液晶を用い、
カイラル材を2wt%添加している。
【0011】34erg/cm2の配向膜、37erg
/cm2の配向膜の両方の場合において加熱前の良好な
配向状態に戻らずに欠陥が発生しているものの、表面エ
ネルギーの高い37erg/cm2の配向膜を用いた図
6(b)の方が欠陥発生量が少ない。それゆえ、垂直配
向としているDAP型の複屈折効果を利用した液晶表示
素子においても配向膜の表面エネルギーを高くすること
で配向力を強めることができると思われる。
【0012】しかしながら、垂直配向としているDAP
型の複屈折効果を利用した液晶表示素子の配向膜の表面
エネルギーを、より高い表面エネルギーを有する38〜
39erg/cm2の配向膜とした場合には垂直配向性
が消失して水平配向となった。これは液晶分子の表面エ
ネルギーより高いエネルギーの配向膜を用いたためと考
えられる。
【0013】以上説明したように、欠陥の発生を減少さ
せるために表面エネルギーの高い配向膜を用いることが
考えられるが、配向膜の表面エネルギーを上げると垂直
配向が得られなくなるというトレードオフの関係にあ
り、安定した垂直配向が得られるレベルの表面エネルギ
ーを有する配向膜を用いて液晶表示素子を形成した場合
には欠陥をなくすことができない。
【0014】そこで、本発明はかかる点を解決して液晶
表示素子が等方相温度以上に加熱されてネマチック相に
戻った場合においても良好な配向を有する液晶表示素子
を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明により、一対の基
板間にネマチック液晶を有する液晶層を挟持してなり、
該液晶層に電圧を印加しない状態で液晶分子を基板面と
ほぼ垂直に配向させる配向規制物質を液晶層の厚さ方向
中央部に有する液晶層としたECBモードの液晶表示素
子が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1はDAP型の複屈折効果を利
用した液晶表示素子10の電圧を印加しない状態の断面
図を模式的に示すものである。図1の液晶表示素子10
は、基板表面に垂直配向膜3を形成した一対のガラス基
板1、1の間に誘電異方性が負の液晶層4が挟持されて
おり、また、ガラス基板1には図示しない透明電極など
が形成され、ここまでの構成は図4に示した従来のDA
P型の複屈折効果を利用した液晶表示素子50と同じも
のとされている。
【0017】本発明においては液晶層4の中に配向規制
物質からなる配向規制柱4bを形成し、配向膜による配
向規制力がおよびにくい液晶層中央部において、配向規
制柱4bによる配向規制力で配向させるようにしてい
る。
【0018】本発明の配向規制柱4bを形成したDAP
型の複屈折効果を利用した液晶表示素子を、液晶層4が
ネマチック相から等方性となる温度(N−I点)よりも
高い温度で加熱処理を実施し、自然冷却した後に加熱処
理を施す前の初期配向状態と自然冷却後の再配向状態を
観察したところ、再配向状態においても加熱処理前の初
期配向状態と変わりのない欠陥のない均一な配向を示し
た。
【0019】先に説明した従来のDAP型の複屈折効果
を利用した液晶表示素子においては、等方相状態とした
熱処理後の再配向の過程において、主として配向膜側鎖
3aに基く配向規制力により等方相状態からネマチック
相状態に相転移する際に配向が生ずるものと考えられ
る。また、配向膜3の表面エネルギーが高い場合には配
向膜3に対する液晶分子4aの塗れ性が高くなり主とし
て配向膜側鎖3aが存在する配向膜3近傍より相転移が
開始され、表面エネルギーの低い場合には配向膜3に対
する液晶分子4aの塗れ性が高くないので、主として液
晶層4の中央部の配向規制力が弱い領域より相転移が開
始されると考えられる。それゆえ、前記した表面エネル
ギーが34erg/cm2、37erg/cm2の配向
膜を用いた場合においては、表面エネルギーの高い37
erg/cm2の配向膜を用いた場合の方が欠陥が少な
かったものと考えられる。しかし、この場合においても
配向規制力が強い配向膜3近傍のみではなく、配向規制
力の弱い液晶層4の中央部においても相転移を開始する
ものが存在し、結果として欠陥が発生していたものと考
えられる。
【0020】それに対し、配向規制柱4bを形成した場
合には初期配向及び再配向の双方において欠陥が発生し
ていない。これは液晶分子4aに対する配向膜3の配向
規制力のみでは、配向規制力により主として配向膜3近
傍の領域の液晶分子4aを配向させることしかできなか
ったが、配向規制柱4bを形成することにより、液晶層
の配向膜近傍以外の部分の領域、特に液晶層の厚さ方向
中央部の液晶分子4aをも配向させることが可能となっ
たことによるものと考えられる。
【0021】以下、図面を参照して、本発明の具体的な
実施例による液晶表示素子およびその製造方法について
説明する。なお、以下の実施例の説明においてはカラー
フィルタ、光学補償板及び偏光板などを省略して説明し
ている。
【0022】
【実施例】(実施例1) 対向する一対のガラス基板
1、1の表面に日本合成ゴム製JALS−688−R3
を塗布後、焼成して約0.02ミクロンの垂直配向膜3
を形成した。その後、従来例で用いた誘電異方性が負、
Δnが0.2、N−I点100℃のネマチック液晶4a
にデソテック製紫外線硬化樹脂DSM−2002を1w
t%添加した液晶組成物を、約5ミクロンの間隙を設け
て対向したガラス基板1間に注入して液晶層4とした。
続いて、所定の正方形状または細長い長方形状の開口パ
ターンを有するマスクを介して照度5mW/cm2(a
t 365nm)の平行紫外線を1500秒照射して図
1に示したような柱状または略壁状の配向規制柱4bを
液晶層4内に多数形成して、図4に示したような構造の
DAP型の複屈折効果を利用した液晶表示素子10を作
製した。なお、前記紫外線硬化樹脂は可視光に対して無
色なものとしている。
【0023】作製した液晶表示素子10の配向状態は良
好で欠陥のない均一な配向を示していた。次にネマチッ
ク液晶を120℃まで加熱して完全な等方相状態とした
後に、室温まで自然冷却してネマチック相状態に再び戻
し、再配向した後の配向状態を観察した。図2(a)は
この熱処理後の再配向状態を示す顕微鏡写真を示す。な
お、液晶表示素子の上面及び下面に配置した偏光板の偏
光軸A、Pは図2(b)に示すように直交に配置し、液
晶層4には電圧を印加していない。垂直配向膜3の表面
エネルギーは約37erg/cm2であった。また、図
面中の白い点は液晶表示素子10の液晶層4の厚さを制
御するために用いた約5ミクロンの球状のギャプコント
ロール材である。
【0024】図2(a)に示したように再配向後の配向
に欠陥はなく、初期配向状態と同一の均一な配向を示し
ていた。また、該液晶層4に電圧を印加して駆動した場
合も熱処理を実施する前と変わりのない表示が得られ
た。
【0025】(実施例2) 実施例1と同様に一対のガ
ラス基板1、1の表面に日本合成ゴム製JALS−68
8−R3を塗付後、焼成して約0.02ミクロンの垂直
配向膜3を形成した。その後、実施例1と同じ誘電異方
性が負のネマチック液晶4aにデソテック製紫外線硬化
樹脂DSM−2002を1wt%添加した液晶組成物
を、約5ミクロンの間隙を設けて対向したガラス基板1
間に注入した。続いて、本実施例ではマスクを使用せず
に照度5mW/cm2(at 365nm)の紫外線を
基板上から全面に約600秒照射して液晶層4内に不規
則に配列する配向規制柱4cを形成して、図3に示した
ような構造のDAP型の複屈折効果を利用した液晶表示
素子20を作製した。
【0026】実施例1ではマスクを用いて所定の位置に
配向規制柱4bを形成したが、本実施例ではマスクを介
さずに基板全面に紫外線を照射するものとした。液晶層
に添加する紫外線硬化樹脂の量と照射する紫外線量など
を制御することにより、液晶表示素子の全面全体では均
一に分散する配向規制柱4cを形成することができる。
なお、紫外線硬化樹脂の量は、液晶層に対して5wt%
を超えると駆動表示させる際の駆動電圧の上昇などの影
響が現れるので、5wt%以下とすると良い。
【0027】図3は本実施例にて作製した液晶表示素子
の断面を模式的に示したものである。配向規制柱4cが
形成される場所は不規則であり、その形成位置を実施例
1のように積極的に制御していない。しかし、配向規制
物質の重合度合いを添加量と照射量などにより制御する
ことで、図3に示したような断面模式図の配向規制柱4
cが、基板全面においてネットワーク状若しくは個別に
不規則に配置または結合したものとすることができる。
【0028】本実施例の場合においても実施例1と同様
に、初期配向状態と液晶が等方性となる温度以上の加熱
処理をした後の再配向状態の双方において、図2(a)
の配向状態と同様な欠陥のない均一な配向を示した。本
実施例の配向規制柱4cは表示に影響しない大きさでは
あるが肉眼で観察することも可能なこのギャップコント
ロール材とは異なり、肉眼においても確認することが難
しいものである。具体的には、大きなものでも0.5ミ
クロン以下の大きさ、基板全体においては概ね0.2ミ
クロン以下の大きさの幅しかなかった。それ故、黒表示
および白表示の双方の場合において全く配向規制柱4c
の存在を感じさることはなく、また、電圧を印加して駆
動させた場合においても変わりのない表示が得られた。
【0029】(実施例3) 液晶層4に1wt%のカイ
ラル材を添加した以外は実施例2と同一の手順でDAP
型の複屈折効果を利用した液晶表示素子を作製した。こ
の場合においても実施例1と同様に、初期配向と液晶が
等方性となる温度以上の加熱処理をした後の再配向の双
方において、図2(a)の配向状態と同様な欠陥のない
均一な配向を示し、また、電圧を印加して駆動した場合
においても何ら問題はなかった。なお、比較のためにカ
イラル材のみを液晶層に添加し、配向規制物質を液晶層
に添加しないで、従来構造のDAP型の複屈折効果を利
用した液晶表示素子も作製したが、その場合には再配向
状態において前述した配向膜の表面エネルギーを変更し
た場合を示す図6のような欠陥が、より顕著に発生し
た。
【0030】(実施例4) 先の実施例においては一対
の基板1、1の対向する表面のそれぞれに垂直配向膜3
を形成したDAP型の複屈折効果を利用したECBモー
ドの液晶表示素子の例を説明したが、一方の基板側表面
を垂直配向膜とし、他方の基板側表面を水平配向膜とし
て液晶を配向させるHAN(Hybrid Align
ed Nematic)型の複屈折効果を利用したEC
Bモードの液晶表示素子とすることもできる。一対のガ
ラス基板のうち、一方の基板表面に日本合成ゴム製JA
LS−688−R3を用いて約0.02ミクロンの垂直
配向膜を形成し、他方の基板表面に日産化学工業製SE
−510を用いて約0.02ミクロンの水平配向膜を形
成しラビング処理を施した。その後、両基板間に実施例
2と同一の配向規制物質を含有する液晶層を挟持してH
AN型の複屈折効果を利用したECBモードの液晶表示
素子を作製した。続いて、実施例2と同一の手順にて紫
外線を照射して配向規制柱を液晶層内に多数形成した。
【0031】次に実施例1と同様に液晶表示素子を12
0℃まで加熱してネマチック相から等方相状態の液晶層
とした後に、室温まで自然冷却してネマチック相状態に
再び戻して再配向する前後の配向状態を観察した。その
結果、N−I点以上の温度にて熱処理を施しても良好な
配向状態を示していることが確認され、該液晶層4に電
圧を印加して駆動した場合の表示も熱処理を実施する前
と何ら変わりはなかった。またラビング処理に限らず、
光偏向記憶膜を用いたり、斜め蒸着により水平配向処理
を施したりすることもできる。
【0032】(実施例5) 液晶層4に3.0wt%の
二色性色素(日本感光色素社製G−256)を添加した
以外は実施例1および実施例2と同一構造のDAP型の
複屈折効果を利用した2種類の液晶表示素子を作製し
た。この場合においても実施例1の場合と同様に、初期
配向と液晶が等方性となる温度以上の加熱処理をした後
の再配向の双方において、図2(a)の配向状態と同様
な欠陥のない均一な配向を示した。また、添加する二色
性色素を1.0wt%、5.0wt%とした場合におい
ても加熱処理の前後の配向状態に変わりはなかった。
【0033】以上説明したように、いずれの実施例にお
いても従来の液晶表示素子のような熱処理後の再配向に
よる欠陥が発生せず、再配向後も良好な配向状態を示し
た。
【0034】配向規制柱は、液晶層4に電圧を印加しな
い状態で液晶分子4aを基板面に対しほぼ垂直に配向さ
せる配向規制物質であり、液晶分子4aに対する配向規
制力が強く、特に主として液晶層4の基板表面近傍部以
外の部分において液晶分子4aを垂直に配向させる性質
を有するものであることが望ましく、液晶分子の表面エ
ネルギーよりも高い表面エネルギーを有するものとする
と良い。また、配向規制物質を液晶層4の基板表面近傍
部以外の部分である液晶層の厚さ方向中央部に有するよ
うに液晶層の中に形成するものであるから、硬化前は液
晶分子に対して相溶性が良好な物質であることが望まし
く、光感応性、特に紫外線により感応してポリマーを形
成する物質がとりわけ好ましい。
【0035】更に、配向規制柱は液晶表示素子を観察し
た際にギャップコントロール材よりも小さい大きさ、即
ち液晶層の厚みより小さな大きさの幅となることが好ま
しく、具体的には平均して液晶層の厚みの1/5以下、
好ましくは1/10以下となるようにすると良い。
【0036】また、配向規制柱は上記実施例に限定され
るものではなく、例えば一方のガラス基板上の全面に被
膜を形成した後にエッチングもしくは紫外線照射などに
より規則的ないしは不規則的に配置した配向規制柱を形
成したり、ディスペンサー等により熱硬化性樹脂を所定
形状に塗付し加熱形成するなどにより配向規制柱を設
け、その後、配向規制柱を設けた基板と他方の基板間に
液晶層を挟持することで液晶表示素子を作製するなどの
様々な変更や改良も可能である。
【0037】また、液晶表示素子の液晶層の厚みを均一
にするためにギャプコントロール材が一般に使用されて
いるが、配向規制物質の厚みを制御することによりギャ
ップコントロール材の機能を兼用するものとするなどの
変更も可能である。また、配向規制物質として無色透明
なものを用い、その屈折率を液晶分子の常光屈折率と配
向規制物質との屈折率の差がΔnよりも小さい程度の液
晶層の常光屈折率に近似した値のもの、通常は1.5前
後のものとすると、電圧を印加しない垂直配向状態で偏
光軸が直交するように偏光板を配置した液晶表示素子で
完全な黒表示が可能となる。なお、以上の説明は単純マ
トリクスの例にて述べたが、TFT等を設けたアクティ
ブマトリクス液晶表示素子やスタティック駆動用の液晶
表示素子にも当然に適用可能である。
【0038】
【発明の効果】液晶層内に液晶分子の配向を規制する物
質を設けたので、液晶層が等方相となる温度以上に加熱
された場合であっても、その後の再配向による欠陥の発
生が減少し良好な液晶表示素子が得られる。また、従来
では配向膜による液晶分子の配向制御しかできなかった
が、配向規制物質を液晶層内に設けることで、配向膜と
配向規制物質の相乗効果によって液晶分子の配向を安定
して制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の液晶表示素子の電圧無印加状態の配
向を模式的に表した概略断面図である。
【図2】 本発明の液晶表示素子の配向状態の顕微鏡観
察結果を示す説明図である。
【図3】 他の実施例の液晶表示素子の電圧無印加状態
の配向を模式的に表した概略断面図である。
【図4】 DAP型の液晶表示素子の構造を示す概略図
である。
【図5】 従来の液晶表示素子の電圧無印加状態の配向
を模式的に表した概略断面図である。
【図6】 従来の液晶表示素子の配向状態の顕微鏡観察
結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 透明電極 3 配向膜 3a 配向膜側鎖 4 液晶層 4a 液晶分子 4b 配向規制柱 4c 配向規制ポリマー 5、6 偏向板 P,A 偏向板の偏光軸 7 カラーフィルタ 8 光学補償板 10 液晶表示素子 20 液晶表示素子 50 液晶表示素子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間にネマチック液晶を有する
    液晶層を挟持してなるECBモードの液晶表示素子にお
    いて、前記液晶層は、該液晶層に電圧を印加しない状態
    で液晶分子を基板面とほぼ垂直に配向させる配向規制物
    質を液晶層の厚さ方向中央部に有することを特徴とする
    液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記配向規制物質が規則的または不規則
    的に液晶層内に配置され、一対の基板間に挟まれた略柱
    状もしくは略壁状の構造またはこれらの結合した構造で
    ある特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記配向規制物質の屈折率が液晶分子の
    常光屈折率と近似した値の屈折率を有することを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の記載の液晶表示素
    子。
  4. 【請求項4】 前記配向規制物質が液晶層の厚さに対し
    て1/10以下の大きさの幅であることを特徴とする請
    求項2記載の記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶層に含まれる配向規制物質が、
    光感応性物質に光を照射して硬化させたものであること
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の液
    晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記液晶層中にカイラル材を含むことを
    特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の液晶
    表示素子。
  7. 【請求項7】 前記液晶層に含まれる配向規制物質が液
    晶分子の表面エネルギーよりも高い表面エネルギーを有
    する物質であることを特徴とする請求項1から請求項6
    のいずれか記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記配向規制物質の含有量が液晶層中に
    対して5wt%以下であることを特徴とする請求項7記
    載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 前記基板の対向する表面の双方には垂直
    配向膜が形成されており、前記ネマチック液晶が負の誘
    電異方性を有するDAP型の複屈折効果を利用した液晶
    表示素子であることを特徴とする請求項1から請求項8
    のいずれか記載の液晶表示素子。
  10. 【請求項10】 前記対向する基板の一方の基板表面に
    は垂直配向膜が形成されており、他方の基板表面には水
    平配向処理が施されているHAN型の複屈折効果を利用
    した液晶表示素子であることを特徴とする請求項1から
    請求項8のいずれか記載の液晶表示素子。
  11. 【請求項11】 前記液晶層中には二色性色素を含むこ
    とを特徴とする請求項9または請求項10記載の液晶表
    示素子。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のECBモード液晶表示
    素子の製造方法であって、一対の基板を準備する工程
    と、前記一対の基板間にネマチック液晶と光感応性の配
    向規制物質を有する液晶層を備える工程と、前記液晶層
    に光を照射し、光感応性物質を硬化させて一対の基板間
    に柱構造を形成する工程とを備えたECBモード液晶表
    示素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のECBモード液晶表示
    素子の製造方法であって、一対の基板を準備する工程
    と、前記一対の基板間にネマチック液晶と光感応性の配
    向規制物質を有する液晶層を備える工程と、前記一対の
    基板間に挟持された液晶層に、基板上から全面に照射し
    て光感応性物質を硬化させ、一対の基板間に不規則な柱
    構造を形成する工程とを備えたECBモード液晶表示素
    子の製造方法。
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