JP3728174B2 - 液晶素子および液晶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットパネルディスプレイ、ペーパーディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンター等に使用されるライトバルブとして使用し得る液晶素子および液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からもっとも広範囲に用いられてきているディスプレイとしては、CRTが知られている。CRTはテレビやVTRなどの動画出力、あるいはパソコン等のモニターとして広く用いられている。しかしながらCRTはその特性上、静止画像に対してはフリッカや解像度不足による走査縞等が視認性を低下させたり、焼き付きによる蛍光体の劣化が起こったりする。また、その消費電力もかなり多く省消費電力という点においても改善が求められている。そして、CRTはその構造上、画面後方に広く体積を有することが必須であることから、CRTを有する情報機器の利便性は制限され、オフィス、家庭の省スペース化には不向きである。
【0003】
このようなCRTの課題を解決するものとして液晶表示素子がある。たとえばエム・シャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリッヒ(W.Helfrich)著“アプライド・フィジックス・レターズ”(Applied Physics Letters)第18巻、第4号(1971年2月15日発行)第127頁〜128頁において示されたツイステッドネマチック(twisted nematic)液晶を用いたものが知られている。近年、このタイプあるいはVA(vertical alignment)モード、IPS(in plane swtching)モード等の液晶を用いてTFTといわれる液晶素子の開発、製品化が行われている。このタイプは一つ一つの画素にトランジスタを作成するため、クロストークの問題が無く、また、近年の急速な生産技術の進歩によって10〜13インチクラスのディスプレイがよい生産性で作られつつある。
【0004】
しかしながら、これら液晶は通常バックライトを用い、液晶素子を透過する光を変調することでディスプレイとして用いている。このため、バックライトとして強い光を必要とし、液晶ディスプレイの消費電力も大半をバックライトで消費しており、リチウムイオン2次電池を使用してもモバイル等の継続稼動時間がせいぜい数時間程度である。また、より多くの液晶素子のバックライトレスを実現できれば、より多くの情報機器、オフィス機器の低消費電力化がはかれることになり、地球温暖化の抑制ひいては地球環境の保全に貢献できることとなる。
【0005】
このような状況の中、バックライトを用いない低消費電力タイプの反射型液晶素子の開発が行われているが、なおその特性には改善が求められているのが現状である。また、液晶素子を投写型、いわゆるプロジェクターとして用いた製品が大画面のディスプレイとして各社より上市されているが、この分野においても輝度、コントラストといつた面でさらなる改善が求められている。このような要請に対して、偏光板を必要としない高輝度の液晶素子を指向して、ポリマー分散型あるいはポリマーネットワーク型液晶と言われる散乱型の液晶素子が提案、研究されている(例えば、93 Eurodisplay 397頁)。しかしながらこれらの素子はなおその駆動特性、散乱能及びその他の特性の向上が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、低消費電力、高輝度、高性能の液晶素子、光変調素子、表示素子および液晶装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第一の発明は、一つの基板上もしくは一対の基板間に、ネマチックディスコティック相を有するディスコティック液晶と棒状液晶とを含有する液晶組成物が、ディスコティック液晶と棒状液晶が相分離した状態で配置されてなる液晶素子であって、前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターが基板に対し平行でかつ一軸配向状態を取っており、前記棒状液晶が、前記ディスコティック液晶のダイレクターと平行な配向と、基板面内で前記ディスコティック液晶のダイレクターに垂直な配向との間で、基板面内のスイッチングを行い、前記棒状液晶が、前記ディスコティック液晶のダイレクターと平行な配向を取るとき、全方向位についてディスコティック液晶の相と棒状液晶の相の屈折率が異なることを特徴とする液晶素子である。
【0008】
前記棒状液晶がネマチック液晶であるのが好ましい。
前記ディスコティック液晶が重合性ディスコティック液晶化合物を重合した高分子ディスコティック液晶からなるものが好ましい。
前記高分子ディスコティック液晶が重合性ディスコティック液晶化合物を光重合により重合してなるものが好ましい。
【0010】
前記液晶層を、配向処理を施した一つの基板上もしくは一対の基板間に有するのが好ましい。
前記ディスコティック液晶がedge−on一軸配向しているのが好ましい。
前記棒状液晶がインプレーンスイッチングを行うのが好ましい。
前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターと棒状液晶の配向ダイレクターが同方向となる配向状態で配向するのが好ましい。
【0011】
前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターと棒状液晶の配向ダイレクターが直行方向となる配向状態で配向するのが好ましい。
前記液晶素子は、高分子分散型液晶素子であるのが好ましい。
前記液晶素子は、液晶素子の反射光を表示信号としてみる反射型液晶素子であるのが好ましい。
前記液晶素子は、液晶層の背面に光吸収板または反射板を設けたのが好ましい。
前記液晶素子は、投写型液晶素子であるのが好ましい。
【0012】
本発明の第二の発明は、上記の液晶素子を用いた液晶装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態で存在し、ディスコティック液晶がネマチックディスコティック相を示すところの液晶組成物、それを利用した液晶素子、特にディスコティック液晶がedge−on一軸配向した素子、さらには棒状液晶がインプレーンスイッチングする素子が、低消費電力、高輝度、高性能の液晶素子、光変調素子、表示素子を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一の発明はディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態で存在し、ディスコティック液晶がネマチックディスコティック相を示すところの液晶組成物である。従来、特願平11−133654号にあるように、本発明者が発明したところのディスコティック高分子と棒状液晶による散乱型液晶素子があつたが、より高性能の液晶素子とするために、より高次に配向制御する方法が要請され、ディスコティック液晶のうち、最も配向制御のしやすいネマチックディスコティック相と棒状液晶との相分離状態を現出することが求められていた。
【0015】
この点で本発明のディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態で存在し、ディスコティック液晶がネマチックディスコティック相を示すところの液晶組成物は有用な機能材料である。この機能材料を得る方法としては、好ましくはネマチックディスコティック相を示しうるディスコティック液晶材料と棒状液晶を、特にスイッチング液晶として棒状液晶を考える場合ネマチック液晶が好ましいが、それらを混合し、ネマチックディスコティック相と棒状液晶相が混在する組成比を見出すことにより得られる。全てのネマチックディスコティック相を示ずディスコティック液晶でいかなる棒状液晶との組成物においても、この状態が見出されるわけではなく、より広い温度範囲でネマチックディスコティック相を示す材料を使用することが好ましく、同時により広い温度範囲でネマチック液晶相を示す棒状ネマチック液晶を使用することが好ましい。相分離を促進することも好ましく、ネマチック液晶としてフッ素液晶を使用する場合、ディスコティック液晶としては非フッ素液晶を使用するといつた、相容れない性質、いわゆる嫌互性の材料を組み合わせることが望ましい。さらに望ましくは、このような相分離状態は通常広い温度範囲で維持することが難しいため、どちらかの液晶を高分子化することにより固定化するとよい。そうすることにより高分子化された液晶相と残った液晶相の相分離がより促進され、かつ高温における再溶解が抑制され、広い温度範囲で本発明の相分離状態が維持される。
【0016】
また、スイッチング液晶として棒状液晶を使用することが想定される場合が多いため、ディスコティック液晶を高分子化し、そのネマチックディスコティック液晶状態を固定化する方が好ましい。重合性ディスコティック液晶材料を用い、既述の相分離状態とした後、光重合等により高分子化し、固定化する方法が良く用いられる。その際、重合開始剤、安定剤等を添加することがある。
【0017】
ディスコティック液晶化合物として用いることが可能な具体例を以下に示す。もちろん本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0018】
【化1】
Figure 0003728174
【0019】
【化2】
Figure 0003728174
【0020】
【化3】
Figure 0003728174
【0021】
【化4】
Figure 0003728174
【0022】
【化5】
Figure 0003728174
【0023】
【化6】
Figure 0003728174
【0024】
【化7】
Figure 0003728174
【0025】
【化8】
Figure 0003728174
【0026】
【化9】
Figure 0003728174
【0027】
【化10】
Figure 0003728174
【0028】
【化11】
Figure 0003728174
【0029】
また、棒状液晶としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶が好ましく用いられるが、生産性、コスト、スイッチング特性といつた点でネマチック液晶が好ましい。市販の数多くのネマチック液晶が用いられ得る。スメクチック液晶としては、SA液晶、強誘電液晶、反強誘電液晶、カイラルスメクチック液晶等が用いられ得る。
【0030】
また、本発明のディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態で存在し、ディスコティック液晶がネマチックデイスコティック相を示すところの液晶組成物は、この状態で用いるほかに、ディスコティック液晶をネマチックディスコティック相で配向制御した後、さらに高次のディスコティック相へと転移させ、該高次ディスコティックの配向制御された状態を利用するといつた用い方をすることも可能であり、様々な利用方法が可能である。
【0031】
ディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態で存在し、ディスコティック液晶がネマチックディスコティック相を示すところの液晶組成物のディスコティック液晶と棒状液晶の組成は通常、ディスコティック液晶が1wt%以上99wt%以下、棒状液晶が1wt%以上99wt%以下であり、好ましくはディスコティック液晶が5wt%以上95wt%以下、棒状液晶が5wt%以上95wt%以下である。もちろん、前述したような、重合開始剤、安定剤、酸化防止剤、低粘性化剤、色素等の添加剤を含有することも可能である。
【0032】
次に本発明の第二の発明である液晶素子について説明する。
以下に本発明の液晶素子の一例を挙げる。
【0033】
図1にディスコティック液晶高分子と棒状液晶とによる液晶素子の例を示す。図1において、1が液晶層であり、高分子ネットワークが形成されており、高分子ディスコティック液晶化合物で構成されている。また、それとは別に、電界応答可能な液晶として、通常棒状液晶が存在している。電界により棒状液晶の配向状態を変化させることが出来る。液晶層1のセル厚は、好ましくはlμm〜100μmの間で選択される。このギャップは通常スペーサー5を用いて制御される。2a,2bは基板であり、ガラス、プラスチック等が用いられる。3a,3bがITO等の透明電極である。4a,4bが配向制御層であるが、無くても良い。このほかにショート防止層、光吸収層、反射層、カラーフィルター層を設けることも可能である。また、散乱素子、反射素子として使用する場合、上下基板のうち一方が存在しなくてもよく、上下基板が非対称でもよい。
【0034】
さらに本発明の液晶素子の好ましい一例を挙げる。前記図1において、4a,4bの配向制御層にポリイミドラビング配向膜を用いる。液晶層には、前記した、相分離した状態の、ネマチックディスコティック相を示す重合性ディスコティック液晶と棒状液晶を用いるとネマチックディスコティック相が配向制御層によりedge−on一軸配向される。この状態で、棒状液晶をその配向ダイレクターをディスコティック液晶の配向ダイレクターと基板と平行な平面状で垂直になるようにスイッチングすると、基板上面方向からの光に対して屈折率のミスマッチングがもつとも抑制される配向状態となり、光を良く透過する状態となる。一方、棒状液晶の配向ダイレクターをディスコティック液晶の配向ダイレクターと平行になるようにスイッチングすると、屈折率のミスマッチングが各方向で非常に大きくなる配向状態となり、光を良く散乱する状態となる。これら2つの状態の一方または両方を使用することにより反射光制御によるスイッチング素子が可能となる。
【0035】
上記スイッチングを行うためには棒状液晶のいわゆるインプレーンスイッチングを行う必要があり、横電界を印加できる櫛歯型電極を設けたり、上下電極によりインプレーンスイッチングを行う強誘電性液晶を使用したりすることが必要となつてくる。以上説明したスイッチングのありさまを屈折率楕円体で表した模式図が図2である。
【0036】
図2における両配向状態のうち、棒状液晶の配向ダイレクターとディスコティック液晶の配向ダイレクターが平行となる状態は、以下に詳しく説明するように光散乱強度を強く取れ得る点で、特に好ましく用いられる。図2では、それぞれの液晶モデル中に屈折率ダイレクターが記載されている。棒状液晶7aは、短軸方向の2つの屈折率n1とn2が長軸方向の屈折率n3に比べ小さく、ネマチック液晶のような場合、n1とn2は等しい。一方、ディスコティック液晶8aの場合、いわゆるアンパン型の屈折率楕円体をとる。すなわち、nd1とnd2が大きく、nd3が小さい。棒状液晶、ディスコティック液晶のそれぞれの方向の屈折率の典型的な値を使用して、本発明の強い光散乱能について説明することが可能である。それら典型値を、通常の高分子分散液晶に用いられるマトリクス高分子の典型値とともに表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003728174
【0038】
光散乱能については媒質の屈折率差が寄与することは先述した。通常の高分子分散型液晶の場合、棒状液晶の一方向(n3=1.7)の屈折率のみが高分子の屈折率との差を生じ得ることが表からわかるのに対して、本発明においては、nd1とn1、nd2とn2、nd3とn3という組み合わせで方向を合わせる配向を得たとすると、全方向位に屈折率の差を生じることがわかる。ディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態に有るとき、ディスコティック液晶ドメインと棒状液晶ドメインとの界面で光の散乱がおこり、図2のようにそれら液晶の配向ダイレクターが同方向に有る場合、それぞれの液晶の各方向での屈折率の差がいずれの方向においても最大化する。相分離光散乱媒体の光散乱の強度は、液晶としての代表例である高分子分散型液晶においても2つの異なる相間の屈折率差が大きければ大きいほど強くなることが知られている。このことが示すように、図2に示したディスコティック液晶と棒状液晶の配向ダイレクターが同方向とした状態、即ちそれぞれの液晶の各方向での屈折率の差がいずれの方向においても最大化した状態は非常に大きな光散乱状態を現出することが出来ると考えられる。本発明者は鋭意検討を行う中、ネマチックディスコティック相を示すディスコティック液晶と棒状液晶が相分離状態に有り、かつそれら液晶の配向ダイレクターが同方向に有る状態を形成することに成功し、その状態での強い光散乱の現出を確認することが出来た。
【0039】
相分離状態にあるディスコティック液晶と棒状液晶をより広い温度範囲で安定的に使用するためには、どちらかの液晶、好ましくはディスコティック液晶を高分子化し、いわゆる高分子分散液晶とした方が良い。重合性ディスコティック液晶を光重合することにより簡単に高分子分散液晶とすることができることは前述した。また、もともと高分子であるところの高分子ディスコティック液晶を用いることも可能であり、高分子ディスコティック液晶化合物の例としては、例えば、特開平8−27284号公報、“Macromol. Rapid Commun.”18巻、93頁〜98頁、1997年、あるいは“EKISHO”l巻、45頁、1997年に記載されているようなものが挙げられる。
【0040】
以上説明した反射光制御型液晶素子においては、大きな消費電力源であるバックライトを用いない、輝度に非常に優れた液晶素子を作成することが出来る。また、背面に光吸収板もしくは反射板(例えば“IDRC”‘94、183頁に記載されている。)を用いることでよりコントラスト、輝度を好ましいものとすることが出来る。この反射型の液晶素子は外光あるいは補助光源を利用した直視型の液晶表示素子として使用することもできる。
【0041】
また、前面から強い光を入射し、液晶素子により変調、反射した光を光路制御した上でスクリーン上に投写する、いわゆるプロジェクションタイプの液晶素子として使用することもできる。
【0042】
一方、プロジェクションタイプの、いわゆる投写型の液晶素子に関しては、反射型ではなく、透過型液晶素子として使用することもできる。図3は典型的な透過型のプロジェクション液晶素子の一例を示す概略図である。図3において、303、303’、303”の各3原色に対応する液晶素子に後述するアクティブマトリクス素子のようにマトリクスパターンの液晶素子を用いることで投写スクリーンにカラー画像を映し出すことが可能である。この場合、本発明の液晶素子は散乱状態で黒表示をすることになり、より強い散乱がえられる本発明の液晶素子においては、より高いコントラストを実現することが可能である。
【0043】
さらに、本発明の液晶素子は、能動(アクティブ)素子とすることでより高精細、高性能の液晶素子とすることができる。これについて以下に説明する。たとえば、先に記述したような構成を一画素として用いて、図4に示したアクティブマトリクス素子が一例として挙げられる。同図4において、一対の透明基板(例えばガラス基板)41、42のうち、下側基板41には透明な画素電極43と画素電極43に接続されたアクティブ素子44とがマトリクス状に形成されている。アクティブ素子44は例えばTFTと言われる薄膜トランジスタから構成される。トランジスタはアモルファスシリコンベース、ポリシリコンタイプ、あるいはμクリスタルベース、単結晶シリコン等の半導体が用いられ得る。この例では44はTFTを表している。44は基板41上に形成されたゲート電極とゲート電極を覆うゲート絶縁膜とゲート絶縁膜上に形成された半導体層と、半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極とから構成される。
【0044】
さらに下基板41には図5に示すような画素電極43の行間にゲートライン(走査ライン)45が配線され、画素電極43の列間に情報信号ライン46が配線されている。各TFT44のゲート電極は対応するゲートライン45に接続され、ドレイン電極は対応する情報信号ライン46に接続されている。ゲートライン45は端部45aを介して行ドライバに接続され、情報信号ライン46は端部46aを介して列ドライバに接続される。行ドライバはゲート信号を印加してゲートライン45をスキャンする。列ドライバは表示データに対応する信号を印加する。ゲートライン45は端部45aを除いてTFT44のゲート絶縁膜で覆われており、情報信号ライン46は前期ゲート絶縁膜の上に形成されている。画素電極43は前記ゲート絶縁膜の上に形成されており、その一端部においてTFT44のソース電極に接続されている。また、図4の上側の基板42には下側の基板41の各画素電極43と対向する透明電極47が形成されている。対向電極47は表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され基準電圧が印加されている。情報信号電圧に応じて、透過率が変化し、階調表現を行なうことができる。また、画素毎に補助容量となるコンデンサが配置されることが良く行われる。
【0045】
また、以上に記した能動素子においては、ゲートオン状態時に電荷が画素である液晶セルに注入され、短時間でゲートはオフとなり、次の走査ライン上の画素に情報が書き込まれる。
【0046】
本発明の液晶素子は、プリンター等のライトバルブとしても使用可能である。また、本発明の液晶素子は種々の機能をもつた液晶装置を構成することができる。例えば、モバイル、PDA、デスクトップPC、ラップトップPC、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ドキュメントビューワー、プリンター、複写機等々が挙げられる。
【0047】
本発明の液晶装置は媒体である液晶素子が前述したように良好なスイッチング特性を有するため、優れた駆動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、大面積の表示画像を実現することができる。
【0048】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0049】
実施例1
<使用した重合性ディスコティック液晶化合物A>
重合性ディスコティック液晶化合物としては下記の構造式で示される化合物Aを用いた。
【0050】
【化12】
Figure 0003728174
【0051】
Aは、R1/R2のモル比が、5/1と4/2と3/3のものが、22対59対16の混合物である。
Aの相転移は
ディスコティックレクタンギュラー相−(131℃)−ネマチックディスコティック相−(200℃)−Iso(昇温過程)である。
【0052】
<棒状ネマチック液晶B>
チッソ社製、ネマチック液晶「KN5027」を用いた。
Δnは0.16であった。誘電異方性は正で8であった。
Bの相転移は
Cryst.−(<−30℃)−N相−(81℃)−Iso(昇温過程)であった。
【0053】
これらを用いて、AとBを重量混合比A/B=50/50(混合物▲1▼)で混合し、重合性ディスコティック液晶性化合物と棒状液晶の混合物を作成した。混合物は等方相状態で溶解した。
【0054】
<セルの作成>
・セルα
厚さ1.1mmのガラス基板(2枚使用)に、片基板で電場印加可能な約70nm厚のITO膜を櫛歯型に形成した。電極の幅は15μm、電極間距離は50μmとした。
【0055】
上記ITOつき基板2枚を用い、それらに日本合成ゴム社製、ポリイミドJALS2022の4wt%溶液を1回目は500rpmで5秒間、2回目は1500rpmで30秒間の条件で回転塗布した。その後、80℃で5分間の前乾燥を行った後、200℃で1時間加熱焼成を施した。それぞれの基板に櫛歯電極に対してお互いに垂直の関係になるようにラビング処理した。
【0056】
片方の基板の表面に、平均粒径10μmの樹脂ビーズを0.01重量%で分散させたIPA溶液を1500rpm、10secの条件でスピン塗布し、分散密度100/mm2 程度のビーズスペーサを散布した。この基板に熱硬化型の液状接着剤を印刷法により塗工した。得られた2枚の基板をラビングしたものはラビング軸を合わせて対向して貼り合わせ、150℃のオーブンで90分間加熱硬化し、セルを得た。下基板の電場印加方向はラビングに対して平行、上基板の電場印加方向はラビングに対して垂直になるよう作成した。
【0057】
上記の混合物▲1▼に、それぞれ2,6−ジターシャルブチル−4−メチルフェノールを200ppm添加し、さらにチバガイギー社製、光重合開始剤イルガキュア184を2wt%添加したのち、等方相でセルαに常圧化注入した。▲1▼のセルを10℃/分で冷却したところ、20℃でネマチックディスコティック相とネマチック液晶が相分離して現れることが観察された。この状態で10分間保持したところ、偏光顕微鏡下、ネマチックディスコティック相が強い偏光を透過してきて、均一にedge−on一軸配向したことがわかった。ここで約12mW/cm2 、中心波長365nmの紫外線で5分間露光して、ネマチックディスコティック相を高分子化した。
【0058】
メトラー社製ホットステージ中偏光顕微鏡下の観察によると、重合前20℃で10分間保持した後の状態を広い温度範囲で維持していた。200℃においてもディスコティック液晶のテクスチャーは維持されていた。
【0059】
また、このセルαに上基板の電極を開放したまま、下基板に110V、lkHzの交流電界を印加したところ、ネマチック液晶が電場印加方向に対して平行に配向した。目視の散乱状態が非常に増加したことがわかった。この状態が図2のディスコティック配向ダイレクターとネマチック配向ダイレクターが同方向になった状態である。
【0060】
比較例1
ヘキシレンジアクリレートを重合性ディスコティック液晶性Aに変えて、チッソ社製、ネマチック液晶「KN5027」を用いて、それらを重量比=50/50で混合物を調整した。これを前述と同様にセルαに注入し、前述と同様にUV露光し、高分子分散型液晶素子を作成した。
【0061】
以上で作成したセルの背面に黒色の光吸収板を配置し、株式会社村上色彩技術研究所製、自動偏光光度計GP−200で反射光強度を測定した。入射角30度で出射角0度方向の光強度を比較例1のセルと実施例1セルで比較した。実施例1のセルは110V、lkHzの電界を印加した状態で比較した。
比較例のセルに比べ、混合物▲1▼のセルαは3.4倍の強度の光を反射していた。
【0062】
実施例2
実施例1で作成したセルで下基板を開放して、上基板に110V、lkHzの電場を印加し、下基板に同じ電場を印加したときの反射光強度を実施例1で行つた測定と同様に行い、比較した。上基板に110V、lkHzの電場を印加したものと、下基板に同じ電場を印加したときのものは反射光強度で1.0対1.43と明確なコントラストを持つことがわかった。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の液晶素子によれば、従来の液晶素子に比べ高輝度、高性能の液晶素子、光変調素子、表示素子を実現することができる。
また、本発明は、高輝度、高性能の液晶素子を用いた液晶装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子のセル構成の一例を示す概略図である。
【図2】棒状ネマチック液晶とディスコティック液晶の配向ダイレクターを示す説明図である。
【図3】典型的な透過型のプロジェクション液晶素子の一例を示す概略図である。
【図4】アクティブマトリクス素子の一例を示す概略図である。
【図5】アクティブマトリクス素子の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 液晶層
2a、2b 基板
3a、3b 透明電極
4a、4b 配向制御層
5 スベーサー
7 棒状液晶の部分
7a 棒状液晶
8 ディスコティック液晶の部分
8a ディスコティック液晶
18 配向膜
19 配向膜
20 シール剤
21 液晶
22 スペーサビーズ
23 保護板
24 保護板
31 行ドライバ
32 列ドライバ
41 下側透明基板
42 上側透明基板
43 画素電極
44 アクティブ素子(TFT)
45 ゲートライン(走査ライン)
46 データライン(階調信号ライン)
47 対向電極
301 光源ユニット
302,302′,302″ ダイクロイックミラー
303,303′,303″ 液晶素子
304,304′,304″ シュリーレン光学系
305 ダイクロイックプリズム
306 投写レンズ
307 液晶素子駆動装置

Claims (11)

  1. 一つの基板上もしくは一対の基板間に、ネマチックディスコティック相を有するディスコティック液晶と棒状液晶とを含有する液晶組成物が、ディスコティック液晶と棒状液晶が相分離した状態で配置されてなる液晶素子であって、前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターが基板に対し平行でかつ一軸配向状態を取っており、前記棒状液晶が、前記ディスコティック液晶のダイレクターと平行な配向と、基板面内で前記ディスコティック液晶のダイレクターに垂直な配向との間で、基板面内のスイッチングを行い、前記棒状液晶が前記ディスコティック液晶のダイレクターと平行な配向を取るとき、全方向位についてディスコティック液晶の相と棒状液晶の相の屈折率が異なることを特徴とする液晶素子。
  2. 前記棒状液晶がネマチック液晶である請求項1記載の液晶素子
  3. 前記ディスコティック液晶が重合性ディスコティック液晶化合物を重合した高分子ディスコティック液晶からなる請求項1記載の液晶素子
  4. 前記高分子ディスコティック液晶が重合性ディスコティック液晶化合物を光重合により重合してなる請求項3記載の液晶素子
  5. 前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターと棒状液晶の配向ダイレクターが平行となる配向状態で配向する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶素子。
  6. 前記ディスコティック液晶の配向ダイレクターと棒状液晶の配向ダイレクターが垂直となる配向状態で配向する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶素子。
  7. 高分子分散型液晶素子である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の液晶素子。
  8. 前記液晶素子の反射光を表示信号としてみる反射型液晶素子である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液晶素子。
  9. 液晶層の背面に光吸収板または反射板を設けた請求項1ないし8のいずれか1項に記載の液晶素子。
  10. 投写型液晶素子である請求項1乃至9のいずれか1項に記載の液晶素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の液晶素子を用いた液晶装置。
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