JP3050769B2 - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絵素毎に高分子壁に少
なくとも部分的に囲まれ、ベンド配向する液晶分子を有
する液晶表示素子(以後、πセルと称する)に関する。
【0002】本発明の液晶表示素子は、以下の特性を有
するものである。
【0003】一対の基板に挟まれた液晶層の絵素毎の
領域である液晶領域を囲む高分子壁を持つことにより、
外力を加えた際の基板間の間隔の変動が防止され、該間
隔の変動に基づいて、液晶表示素子が表示むらを起こす
事が防ぐ事ができる。これにより、液晶表示素子の表面
に配置可能な透明位置検出フィルムと、該位置検出フィ
ルムの所望の箇所を押圧するペン状の入力手段との併用
により、人手によるキーボードを用いたキー入力に代え
て、ペン入力操作が可能な液晶表示素子として使用でき
る。
【0004】前記液晶領域内の液晶分子の配向方向
が、後述するような自己補償的な配向状態になっている
ために、視角特性が改善される。さらに、ベンド配向を
しているために応答速度が早い。
【0005】該素子は、通常のπセル用に初期配向を
取らせるための電圧印加が必要なく、通常液晶表示素子
に使用されている駆動方法が使用できる。
【0006】上記特性から、本発明の素子は、ペン入力
を必要とする携帯用表示素子、複数の人が見る可能性の
ある表示素子、高精細大画面素子などに向いている。さ
らに、現行の液晶素子が使用されている分野でも使用で
きる。例えば、パソコン等の平面ディスプレイ装置、液
晶テレビ、携帯用ディスプレー(含むフィルム基板)、
メガネ型ディスプレー等に利用することが出来る。
【0007】
【従来の技術】
(πセル関連)従来技術、一例として特開昭61−11
6329号公報に開示されているπセル1の構造は、図
14(1)に示すように、一対のガラス基板2、3間に
液晶層4を挟み、この液晶層4の液晶分子5は、電圧無
印加時にスプレー配向しており、この状態が熱的に安定
な状態である。このπセル1に電源6を用いて、電圧を
ある条件で印加したとき、液晶分子5は初めて図14
(2)に示されるように、ベンド配向状態となる。この
配向状態は、逆プレチルト角を有し、かつ高プレチルト
角を有しているために、液晶分子5が外部電圧により駆
動しやすく、応答速度が早く、駆動電圧も低い。さら
に、ベンド配向は、液晶セル基板2、3間の中心面に対
して、液晶分子5が面対称な配置であるために、πセル
1内で液晶分子5が相互に補償した所謂「自己補償セ
ル」であり、観察者がπセル1を見る方向に関して左右
対称の視角特性となる。さらに、特開平1−20942
4号公報、特開平2−306217号公報に開示されて
いるように、一対の透明基板間に液晶層を挟んだ構成の
液晶セルに、一軸延伸高分子材料からなる一軸性光学補
償板を、液晶分子の長軸方向と垂直方向に、かつ、液晶
セルの実効的なリタデーションd・△nと、一軸性光学
補償板のリタデーション△n・dとの値がほぼ同じもの
を設置した場合、視角特性が全方位的になる事が開示さ
れている。
【0008】しかし、該液晶セルには、基板間に液晶材
料とスペーサとが部分的に混入されているだけの構造で
あり、液晶セルの表面に透明位置検出フィルムを配置
し、位置検出フィルムの所望の箇所を押圧するペン状の
入力手段を用いてペン入力操作を行った際に、ペン入力
などの外力によるセル厚が変化し、表示むらなどの表示
品位の低下を引き起こす。さらに、πセルの配向状態
(ベンド状態)は熱的に安定でなく、πセルに印加され
る電圧をOFF状態にすると、ゆっくりと変化して熱的
に安定なスプレー配向状態に戻ってしまう。したがっ
て、このπセルの使用時には、ベンド配向状態を維持し
て行くために電場が必要となり、消費電力が高くなり、
また、駆動方法も複雑になるという問題点を有してい
る。
【0009】液晶分子をベンド配向状態にするための電
圧による初期配向が不要なπセルとして、CeO2の斜
方蒸着による液晶分子の高プレチルト角を実現できるハ
イチルト基板を、プレチルト角の方向が相互に平行とな
らない非パラレルに組み合わせた液晶セルを使用してベ
ンド配向させている液晶表示素子が、応用物理学会春期
大会予稿集 1p−R−8、p122(1980)に報
告されている。しかし、該報告に使用されている蒸着技
術では、大型基板に均一に、しかも再現性よく蒸着膜を
形成することは難しく、大型高表示品位の液晶表示装置
を高い生産性で大量に生産する技術には不適である。
【0010】(高分子壁を有する液晶セル)液晶セル内
に各基板間を連結する高分子壁を有し、偏光板を要さ
ず、しかも配向処理を不要とするものとして、液晶の複
屈折率を利用し、透明または白濁状態を電気的にコント
ロールする技術が提案されている。この技術は、基本的
には液晶分子の常光屈折率と支持媒体の屈折率とを一致
させ、電圧を印加して液晶の配向が揃うときには、透明
状態を表示し、電圧無印加時には、液晶分子の配向の乱
れによる光散乱状態即ち白濁状態を表示するものであ
る。
【0011】提案されている従来技術としては、特表昭
61−502128号公報に、液晶と光硬化性樹脂又は
熱硬化性樹脂とを混合して基板間に注入し、その後、樹
脂を硬化することにより、基板間に液晶を析出させ樹脂
中に液晶滴を形成させて、高分子壁を形成する方法が開
示されている。
【0012】非散乱型の表示で偏光板を用いる液晶セル
の視角特性を改善する方法として、特開平5−2724
2号公報に、液晶と光硬化性樹脂との混合物から液晶と
高分子樹脂とを分離させる相分離により、液晶と高分子
材料の複合材料を作製する方法が開示されている。この
方法によれば、生成された高分子体により液晶ドメイン
の配向状態がランダム状態になり、電圧印加時に個々の
液晶ドメインに於いて液晶分子の立ち上がる方向が異な
ることになる。このために、各方向から見た場合の液晶
セルの見かけ上の屈折率が相互に等しくなる。このため
に、中間調状態での視角特性が改善されるものである。
最近、本願発明者らは、以下のようにして視角特性が著
しく改善された液晶素子を、特願平4−286487号
として出願している。この液晶素子において、液晶と光
硬化性樹脂との混合材料に対して光を照射する光重合時
に、ホトマスクなどを用いて光の照射状態を制御するこ
とにより、液晶ドメインが絵素領域内で全方向的な配向
状態(放射状配向)となり、しかも液晶分子に電圧を印
加または遮断して制御することにより、液晶ドメイン内
の液晶分子が、あたかも傘が開いたり閉じたりするよう
な動作をし、視角特性が著しく改善されている。
【0013】さらに、本願発明者らは、基板表面の液晶
分子に対する配向規制力を有効に利用し、高分子壁内
に、基板表面での配向規制力を用いた液晶表示素子を作
製する方法を、特願平5−30996号で出願してい
る。これらの発明は、TN、STN、ECB、FLCモ
ードの液晶素子に関するものであった。
【0014】(高分子架橋体による配向安定型セル)S
TN、TNモード用に基板を配向させたセルを用いて、
セル中に液晶材料と少量の光硬化性樹脂の混合物を注入
して、その後、紫外線照射することにより、配向状態が
安定した液晶表示素子が作られることが特開平6−16
0801号公報、特開平6−160814号公報に開示
されている。
【0015】(電圧、磁場による液晶配向制御)液晶セ
ル内の液晶の配向を制御する方法として、微少な電圧を
印加しながら、液晶と光硬化性樹脂との混合物に紫外線
照射することにより、液晶ドロップレット内の液晶分子
にプレチルト角を微少に付与し、液晶セルの表示のヒス
テリシス特性を改善する方法が、Japan Display 92 S18
-4,p699 に報告されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来のπセルの液晶表
示素子では、外力によりセル厚が変化し、ペン入力など
により表示むらが局部的に発生する。
【0017】また、従来のπセル液晶素子では、ベンド
配向を安定かつ容易に取らせることができなかった。
【0018】本発明は、上記問題点を解決しようとして
なされたものであり、その目的は、外力によりセル厚が
変化することが防止されて表示品位が向上され、液晶分
子がベンド配向を安定してかつ容易に有するようにでき
るので駆動制御が容易であり、かつ液晶領域内の液晶分
子の配向方向が自己補償的な配向状態になっているため
に視角特性が格段に向上された液晶表示素子を提供する
ことであり、かつ大型で高表示品位の液晶表示素子を高
い生産効率で製造できる液晶表示素子の製造方法を提供
することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明者らは、外力に対する支持力をセル内に持
たせるために、液晶表示素子内が高分子壁により仕切ら
れ、液晶分子がねじれた配向を有する液晶表示素子を発
明し、かつ、セル作製時に既に液晶分子のベンド配向を
固定することにより、上記課題が解決することを見いだ
した。
【0020】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0021】本発明の液晶表示素子は、複数の絵素がマ
トリクス状に配列され、各表面に電極がそれぞれ形成さ
れ、少なくとも一方の表面にラビング処理が施された一
対の電極基板と、該一対の電極基板間に形成され、該絵
素毎に単位壁構造が繰り返される形状の壁構造体と、該
壁構造体によって少なくとも部分的に囲まれ、該一対の
電極基板間に該絵素毎に形成された液晶小領域を含む液
晶層であって、該液晶小領域は液晶と高分子材料との相
分離によって形成された高分子膜があり、該高分子膜は
相分離過程で外部からの電場あるいは磁場の少なくとも
いずれか一方を印加されて形成されており、該液晶層に
含まれる該液晶小領域の液晶分子が、該電極基板間の中
心面に関してほぼ面対称な配向であり、かつ、ベンド配
向している液晶層とを備えており、そのことによって上
記目的を達成することができる。
【0022】本発明に於いて、前記一対の電極基板と該
壁構造体とが密着している場合がある。
【0023】
【0024】本発明に於いて、前記一対の電極基板の各
表面に、互いに偏光軸が直交する一組の偏光板が配置さ
れ、該一組の偏光板の一方の偏光板の偏光軸が該電極基
板のラビング方向からほぼ45゜に設定されている場合
がある。
【0025】本発明に於いて、前記液晶分子の長軸方向
と直交する方向に主軸を有し、前記液晶層の層厚dと実
効的屈折率異方性Δnとの積d・Δnと等しいかほぼ等
しいリターデーション値を有する一軸性光学補償板もし
くは二軸性光学補償板のいずれかを、該液晶層といずれ
か一方の偏光板との間に設置した場合がある。
【0026】
【0027】本発明に於いて、前記液晶層を構成する液
晶材料の屈折率no(常光屈折率)、ne(異常光屈折
率)と、前記壁構造体を形成する高分子材料の屈折率n
pとの関係が、|((ne又はno)−np)|≦0.1で
あるように定められる場合がある。
【0028】本発明の液晶表示素子の製造方法は、液晶
材料と分子内に重合性の官能基を有する液晶性化合物と
重合性化合物と光重合開始剤との混合物を、少なくとも
一方が透明であり、少なくとも一方の表面にラビング処
理が施された一対の電極基板間に注入後、電場又は磁場
の少なくともいずれか一方を印加しながら、該一対の電
極基板と該混合物とを含む液晶セルに、該一対の電極基
板にマトリクス状に設定される複数の絵素に対応する照
射強度に規則的な空間的な強弱を有する光を照射し、光
重合反応により液晶と高分子材料を相分離させ、該絵素
毎に単位壁構造が繰り返される形状の高分子壁を、該高
分子壁中に液晶材料が少なくとも一部分が取り囲まれ、
該液晶層に含まれる該液晶小領域の液晶分子が、該電極
基板間の中心面に関してほぼ面対称な配向であり、か
つ、ベンド配向しているように形成し、そのことによっ
て上記目的を達成することができる。
【0029】
【0030】本発明に於いて、前記一対の電極基板と前
記混合物とを含む液晶セル内の該混合物を、液晶材料の
均一化温度以上の温度で照射強度に規則的な空間的な強
弱を有する光を用いて光重合し、その後、電場又は磁場
の少なくとも一方を印加しながら徐冷する場合がある。
本発明の液晶表示素子は、一対の電極基板間に液晶層と
高分子層とが挟持され、該液晶層の液晶分子が該電極基
板間の中心面をほぼ面対称としてベンド配向する液晶表
示素子であって、少なくとも0.1〜5重量%の高分子
架橋体と液晶材料との混合液から該液晶層と高分子層が
相分離されて構成されており、そのことによって上記目
的を達成することができる。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】本発明の液晶表示素子の製造方法は、一対
の電極基板間に液晶層と高分子層とを挟持し、該液晶層
の液晶分子が該電極基板間の中心面をほぼ面対称として
ベンド配向する液晶表示素子の製造方法であって、0.
1〜5重量%の高分子架橋体中の分子内に重合性の官能
基を有する液晶性化合物を少なくとも含む重合性化合物
と液晶材料との混合物を、少なくとも一方が透明である
該電極基板間に注入後、電場および磁場の少なくともい
ずれかを印加しながら該液晶分子のベンド配向を安定化
させて、絵素に対応したエネルギー強度となるように光
または熱エネルギーを該混合物に加えて該液晶層と高分
子層を相分離させる工程を含むものであり、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0036】
【作用】本発明は、電圧印加状態、即ち、πセル配向状
態で、液晶と高分子材料との相分離(モノマーの高分子
化)を行うことにより、従来のπセルで必要であった初
期配向のための電圧印加が不必要となり、安定な状態で
配向を取らせることができる。さらに、液晶表示素子内
に高分子壁が形成されているためにペン入力時の表示特
性の変化を防止することができる。
【0037】また、本発明は、電圧印加状態(πセル配
向状態)で、少なくとも0.1〜5重量%の高分子架橋
体と液晶材料との混合液から液晶相と高分子相(高分子
膜)が相分離されるので、従来のπセルで必要であった
初期配向のための電圧印加が不必要となり、安定な状態
で液晶分子がベンド配向となり、また、セルの駆動電圧
やコントラストなどの表示特性が良好なものとなる。光
重合性樹脂が5重量%を上回ると、絵素領域内に多数の
高分子壁が形成されてセルの駆動電圧が著しく上昇さ
せ、また、液晶と高分子間の屈折率差による散乱現象が
顕著になってコントラストを低下させる。また、光硬化
性樹脂の添加量が0.1%を下回ると、基板上の高分子
の配向規制力に沿って配向している液晶層が減少して実
用性を失ってしまう。
【0038】さらに、本発明のように、一軸性光学補償
板または二軸性光学補償板を用いれば、広視角特性とな
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について更に詳細に説
明する。
【0040】(液晶セル構造)本発明の液晶セル11
は、図1に示すように、少なくとも一方が可視光を一部
の波長で透過させる一対の基板12、13を備える。基
板12上には、基板12、13にマトリクス状に設定さ
れる複数の絵素21に対応する透明電極14が複数形成
され、基板12を被覆して配向膜15が形成される。他
方の基板13上には、前記基板12上の透明電極12と
対向して前記複数の絵素21を構成する複数の透明電極
16が形成され、基板13を被覆して配向膜17が形成
される。これらの配向膜15、17には後述するような
ラビング処理が施される。各基板12、13の間に、前
記各絵素21に対応する複数の領域に液晶領域19を形
成する壁構造体である高分子壁18が形成される。高分
子壁18は、各絵素21毎に液晶を部分的或いは全面的
に囲む単位壁を有する。各基板12、13の各外方にそ
れぞれ偏光板24、25が配置される。
【0041】本実施例の液晶セル11は、前記各絵素2
1毎に、透明電極14、16を有する基板12、13間
に、実質的に高分子壁18に囲まれた液晶領域19がベ
ンド配向しているマイクロセル構造を有している。本発
明の高分子壁18は、特開平4−323616号公報に
記載されているような、あらかじめ一方の基板上に高分
子壁を作製してから他方の基板を対向させて、一対の基
板がシール材によって固着された構成のセル化し、基板
間に液晶材料を注入する方法による高分子壁と異なり、
上下の基板12、13と高分子壁18とが密着又は接着
されているところに特徴がある。上下の基板12、13
と接着した高分子壁18を持つことにより、本発明の液
晶セル11は、一段と外力に対するセル厚の変動が抑え
られ、従来の液晶セル上に透明な位置入力用のフィルム
を用いて、ペン状の入力手段を用いるペン入力を行った
ときに見られる液晶セルの色変化などを防止することが
できる。さらに、液晶セル11の落下時などの耐衝撃性
が著しく向上する。
【0042】また、大画面化した液晶表示素子を直立さ
せた場合、基板間に液晶層を注入した構成の液晶セルで
は、下方部のセル厚が液晶材料の自重で厚くなり、液晶
セルの上下方向で表示むらが発生していた。本発明に於
いて、基板12、13間を接着した高分子壁18を有す
る液晶セル11では、セル厚変動が極端に少ない。さら
に、高分子壁18内に基板12、13上の液晶分子に対
する配向影響力と同様の効果を有する高分子液晶材料が
固定されている場合、配向規制力が基板表面からの基板
12、13に対する水平方向と、高分子壁18の垂直面
23からの基板12、13に対する垂直方向との双方向
に影響するため、高チルト角を有し安定性の悪い液晶分
子のベンド配向の配向状態が非常に安定化する。
【0043】さらに、該高分子壁18の大部分を絵素外
に故意に作製することにより、高分子壁18を任意の位
置に作製した場合に比べて、絵素中に存在する高分子材
料によって直交ニコル下で黒表示がなされることによる
コントラストの低下を防止することができる。又、液晶
領域19と基板12、13とが接している界面に、高分
子壁18の形成時に高分子の薄膜が形成されることがあ
るが、この場合も基板12、13上の配向規制力が高分
子を通して液晶分子20に伝えられるため、液晶分子2
0の均一な配向が得られる。かつ、液晶領域19を高分
子壁18と前記高分子薄膜とが三次元的に包み込むた
め、本発明の液晶セル11は、前記ペン入力時に於ける
ような外力に対してさらに強度が向上される。
【0044】(作製方法)本発明の液晶表示装置の製造
方法は、図1に示される液晶セル11を製造するに際し
て、基板12、13の液晶分子に対する配向規制力(液
晶分子に逆プレチルト角を与える)を生かし、かつ実質
的に絵素21外に高分子壁18を作製するようにしてい
る。このために本発明は、液晶材料と光硬化性樹脂(液
晶性硬化性樹脂及び光重合開始剤を含む)との混合物
を、配向処理した基板12、13間に注入し、その後、
液晶セル11に電場または磁場の少なくともいずれか一
方を印加しながら、実質的に絵素21部分に紫外線が照
射されないように、紫外線を部分的に照射する製造方法
である。
【0045】本発明の製造方法では、紫外線の照射され
た領域で高分子材料が重合して形成され、液晶材料が紫
外線非照射領域に押し出され、結局、紫外線の照射領域
に高分子壁18、非照射領域に液晶領域19が形成され
る。基板12、13の配向規制力を生かすために、光硬
化性樹脂の一部又は全部に液晶性を有する光硬化性樹脂
材料を用いることにより、液晶−光硬化性樹脂混合物の
液晶性を損なう事なく光重合を行うことができる。この
時、液晶と高分子材料との相分離過程で、外部からの電
場或いは磁場の少なくともいずれか一方が印加されてい
るために、相分離してきた液晶領域19が、基板12、
13の配向規制力と外部からの場の効果により、液晶領
域19に於ける液晶分子20がベンド配向になりながら
成長する。
【0046】最終的には、液晶領域19に於ける液晶分
子20がベンド配向状態を取りながら周囲の高分子材料
が硬化するために、基板12、13上に付着した高分子
膜が、液晶分子20に高プレチルト角を与える配向膜と
なり、液晶の配向状態が安定化する。
【0047】さらに、本発明の製造方法において、前記
混合物の均一化温度以上で、一対の基板12、13がシ
ール材で固着された構成のセル中に前記混合物を注入
し、UV照射強度に故意に規則的な強弱を付け、規則的
に光重合を起こさせる。さらに、前記混合物に液晶性を
もたせるため、ネマチック、スメチック相にセル温度を
徐々に低下させさらに光重合を起こさせることにより、
液晶分子20の基板12、13前面に亘る均一な配向状
態が得られる。このとき、用いる液晶が結晶性のより優
れたスメクティック相液晶であるほど、液晶中に入り込
んだ光硬化性樹脂を液晶外に排除することができるの
で、絵素21中に高分子材料が形成されることにより生
じるコントラストの低下を防止することができ、より好
ましい表示品位の液晶表示セル11を実現することがで
きる。
【0048】(照射紫外線の照度むらの付け方)本発明
では、紫外線(以下、UV光)照度分布の付け方が重要
であり、ホトマスク、マイクロレンズ、干渉板などを用
いて規則的なUV照度の分布を付けるのが好ましい。ホ
トマスクの位置は、セル内外どちらでもよく、UV光に
規則的にむらを作製できればよい。セルからホトマスク
を離すと、マスク上の像による前記混合物上の光学像が
ぼけ、本発明の効果が減少する。このため、ホトマスク
は、できるだけ、液晶−光硬化性樹脂の混合物の近くに
設けるのが好ましい。すなわちセル内に紫外光をカット
する実質的なホトマスクが存在する場合、液晶と光硬化
性材料の混合物にホトマスクが接した状態になり、特に
好ましい。具体例としては、本発明の液晶セルが反射型
液晶表示素子に適応される場合、反射板の絵素に対応す
る部分だけ反射機能を残し、各絵素以外の部分を透過領
域とする方法、又は、一方の基板上に、可視光を透過
し、紫外光が遮断されるような膜を、紫外線の照射領域
以外の領域に絵素21単位で規則的に形成する方法が好
ましい。この方法は、具体的にはセル内のカラーフィル
ター、或いは有機高分子膜などを用いて実現することが
できる。
【0049】UV光源は、前記混合物上に於ける光学像
の正確さの点で、できるだけ平行光線であることが望ま
しい。放線光の平行度が損なわれると、非照射領域に紫
外光が入り込み、絵素21の領域内で高分子材料が硬化
するために、前述したようにコントラストが低下する。
【0050】本発明者らの検討結果によれば、照度むら
の大きさ、即ち弱照度領域のサイズが、絵素21の大き
さの30%以下となる照度むら付与手段を使用すると、
生成される液晶ドロップレットも絵素21の大きさの3
0%以下の大きさとなり、絵素21内に液晶と高分子と
の界面が多くなり、この界面による光の散乱によるコン
トラストの低下が大きくなる。絵素21内に液晶と高分
子の界面が極端に少なくなる絵素21の大きさより大き
い弱照度領域を有する照度むら付与手段が好ましく、絵
素21以外の部分のみUV光が照射されるようなホトマ
スクなどが好ましい。
【0051】さらに、UV光の弱照度領域の形状は、絵
素21の30%以上を覆い、UV強度を局部的に低下さ
せるものであればよく、本発明では、特に限定しない
が、円形、方形、台形、長方形、六角形、ひし形、文字
形、曲線および直線によって区切られた図形、さらに、
これらの小形図形の集合体等である。絵素21部分が弱
照度領域となるホトマスクなどが、絵素21内で散乱光
強度を低下させ、液晶表示素子の表示コントラストを向
上させ好ましい。また、本発明の実施に際し、これら図
形から1種類以上選択して使用すればよく、好ましく
は、液晶ドロップレットの均一性を上げるためには、で
きるだけ形状を1種に限定し揃えるのが好ましい。
【0052】本発明の特徴は、前記液晶領域19を水平
方向に規則的に配列すなわち絵素21に合わせて配列す
るところにあり、そのための弱照度領域の配置状態が重
要である。弱照度領域の配置としては、絵素21のピッ
チに合わせるのがよく、1絵素21内に1箇所弱照度領
域を配置するのが好ましい。
【0053】一方、弱照度領域は、数個の絵素21にわ
たって配置してもよく、全体としてマトリクス状の絵素
21の列ごとに弱照度領域を配置したり、数絵素の組ご
と全体に弱照度領域を配置してもよい。また、弱照度領
域は、それぞれの領域が独立である必要はなく、末端部
でつながっていても差し支えなく、最もUV光を効果的
にカットする領域が上記形状、及び配列をもっているも
のであればよい。さらに、絵素21が大きい場合、絵素
21の中に高分子壁18を故意に作製してもよい。この
場合、コントラストの低下は見られるが、外圧に対する
支持力が向上される。
【0054】(電場、磁場の印加方法)電場または磁場
の少なくともいずれか一方を印加しながら、液晶と光硬
化性樹脂との混合物に紫外線照射することは、本発明で
使用するベンド配向状態を形成させるために重要であ
る。外場を印加することによりスプレー配向していた液
晶層が、ベンド配向状態となる。この状態を固定するた
めに紫外線硬化性樹脂を紫外線により硬化させる。印加
させる電場、磁場強度は、セル厚、液晶材料の誘電率の
異方性、弾性定数などにより異なり、本発明では特に限
定しないが、ベンド配向がスプレー配向より安定になる
強度以上であればよい。
【0055】さらに、一旦高い電圧を加えてベント配向
からスプレー配向に変化する直前までの電圧であっても
よい。
【0056】(表示のざらつき)高分子材料と液晶材料
の界面での屈折率の違いにより、従来の高分子分散型液
晶表示素子では、上記界面での散乱現象が起こってい
た。大きな液晶領域19を有し、偏光板により液晶分子
の配向状態を読み取る非散乱型液晶表示素子の高分子壁
に取り囲まれた液晶素子についても同様の散乱現象が起
こっていた。この散乱現象により表示にざらつきが起こ
り表示品位を低下させていた。しかし、本発明では、高
分子材料中においても、光硬化性樹脂の硬化前後で一部
液晶状態と同様の配向状態にあり、液晶材料と液晶性光
重合材料がほとんど同程度の屈折率を有するため、上記
表示上のざらつきが格段に減少される。さらに、光重合
性樹脂の液晶材料中への添加量が少ないため、即ち、液
晶中に存在する高分子の割合が少ないため、上記散乱現
象は低下する。
【0057】(液晶性重合材料)本発明の液晶表示素子
の製造方法は、液晶材料と、液晶性を有する重合性化合
物を含む重合性化合物との均一混合物から、重合性化合
物を一対の基板12、13において、液晶状態で配向し
ている状態で硬化させ、液晶と高分子材料を相分離させ
る方法である。前記高分子壁18上に液晶性化合物が固
定された構造を作製することができる。このことにより
液晶分子20は、基板12、13の表面からだけでな
く、高分子壁18の図1に示される垂直面23からも配
向規制力を受けることになり液晶の配向が安定すると同
時に、高分子壁18付近の配向の均一性も確保すること
ができる。これに対し、従来の一方の基板の表面に壁を
作製した後に他方の基板を固定する方法では、高分子壁
付近に配向の乱れが生じ表示の均一性が保てなかった。
本発明は、この問題点を解決し、表示の均一性を実現し
ている。
【0058】本発明のベンド配向を安定化させるために
は、液晶と光硬化性樹脂の混合物が液晶状態でかつ電圧
印加状態で紫外線照射することが好ましい。これによ
り、本発明の効果が期待できる。そのため、光硬化性樹
脂中に、液晶性を発現しそうな官能基を有する液晶性重
合材料を使用することが好ましい。
【0059】本発明で使用される分子内に液晶性官能基
を有する化合物とは、下記の(化1)または(化2)で
示される化合物などである。
【0060】
【化1】A−B−LC1
【0061】
【化2】A−B−LC2−B−A 上記(化1)および(化2)中のAとは、重合性官能基
を示し、CH2=CH−,CH2=CH−COO−,CH
2=CH−COO−,CH2=CH−,−N=C=Oなど
の不飽和結合、又はエポキシ基などの歪みを持ったヘテ
ロ環構造を持った官能基を示す。また、上記(化1)お
よび(化2)中のBは、重合性官能基と液晶性化合物を
結ぶ連結基であり、具体的にはアルキル鎖(−(C
2n−)、エステル結合(−COO−)、エーテル結
合(−O−),ポリエチレングリコール鎖(−CH2
2O−)、及びこれらの結合基を組み合わせた結合基
であり、高分子壁18の作製後、高分子壁18上で電場
に応答して容易に動くことが好ましいので、重合性官能
基から液晶性分子の剛直部まで6箇所以上の結合を有す
る長さを持つ連結基が特に好ましい。
【0062】LC1は、液晶性化合物を示し、下記の
(化3)で示される化合物又はコレステロール環及びそ
の誘導体などである。
【0063】
【化3】D−E−G 上記(化3)中、Gは、液晶の誘電率異方性などを発現
させる極性基であり、−CN,−OCH3、−F,−C
l、−OCF3、−OCCl3等の官能基を有するベンゼ
ン環、シクロヘキサン環、パラジフェニル環、フェニル
シクロヘキサン環、ターフェニル環、ジフェニルシクロ
ヘキサン環等である。また、上記(化3)中、Eは、官
能基D及び極性基Gを連結する官能基で、単結合、−C
2−、−CH2CH2−、−O−,−C≡C−、−CH
=CH−等である。さらに、上記(化3)中、Dは、
(化1)または(化2)中のBと結合する官能基であ
り、且つ、液晶分子の誘電率異方性,屈折率異方性の大
きさを左右する部分であり、具体的には、パラフェニル
環、1,10−ジフェニル環、1,4−シクロヘキサン
環、1,10−フェニルシクロヘキサン環等である。ま
た、LC2とは、パラフェニル環、1,10−ジフェニ
ル環、1,4−シクロヘキサン環、1,10−フェニル
シクロヘキサン環等の剛直な分子を含み、これらの分子
単独又は、これらの分子が単結合、−CH2CH2−、−
CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−N=CH
−、−O−、−N=N−、−COS−などの連結基で複
数の上記分子が結合している分子などが使用できる。
【0064】本発明の液晶素子中で液晶材料として使用
される液晶材料が、誘電率の異方性が正の場合、上記
(化3)中の極性基Gの位置としては、誘電率の異方性
△εが正となるような位置におかれ、具体的には、極性
基G中に含まれるベンゼン環の2置換体、3置換体、
2、3置換体などを含む構造である。また、本発明の素
子中で液晶材料として使用される液晶材料が誘電率の異
方性が負の場合、上記化学式中Gの極性基の中の位置と
しては、誘電率の異方性△εが負となるような位置にお
かれ、具体的には、G中に含まれるベンゼン環の4置換
体、3、4、5置換体、3、4置換体などを含む構造で
ある。これらの極性基の置換体基は、同一分子内に複数
ある場合、相互に同一の置換体基である必要はない。さ
らに、上記2通りの場合、単独の分子で使用する必要は
なく、複数の重合性液晶材料を含んでもよく、少なくと
も一種類の上記化合物が含まれればよい。また、上記化
合物は、単独で液晶性を示す必要はなく、ホストの液晶
材料の液晶性を著しく低下させなければよい。本発明で
は、上記構造の化合物を単独で液晶性を示さないものに
ついても液晶性重合材料と定義して記述している。
【0065】(光重合材料)光硬化性樹脂としては、例
えば、C3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有
するアクリル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体的
には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ステアリル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−ブチ
ルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリ
デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェノキ
シエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、
イソボルニルメタクリレートさらにポリマーの物理的強
度を高めるために2官能以上の多官能性樹脂、例えばR
−684(日本化薬製)、ビスフェノールAジメタクリ
レート、ビスフェノールAジアクリレート、1、4−ブ
タンジオールジメタクリレート、1、6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ネオ
ペンチルジアクリレート、さらに好ましくは、高分子ー
LC界面でのアンカリング強度を低減し、低電圧化に効
果のあるハロゲン化とくに塩素化、及びフッ素化した樹
脂、例えば、2.2.3.4.4.4−ヘキサフロロブ
チルメタクリレート、2.2.3.4.4.4−ヘキサ
クロロブチルメタクリレート、2.2.3.3−テトラ
フロロプロピルメタクリレート、2.2.3.3−テト
ラクロロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチル
エチルメタクリレート、パークロロオクチルエチルメタ
クリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート、
パークロロオクチルエチルアクリレートである。
【0066】(液晶材料)液晶については、常温付近で
液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマチック液晶
(2周波駆動用液晶、誘電率異方性△ε<0の液晶を含
む)または、コレステリック液晶の添加されたネマチッ
ク液晶が特性上好ましい。この場合、カイラルピッチが
10μm以上であることが好ましく、10μm以下では
基板12、13の配向規制力から外れて、液晶分子20
の配向が螺旋状になってしまい、一軸性光学補償板26
で光学補償することが難しくなる。更に好ましくは、液
晶表示素子11の製造時に光重合反応を伴うため、耐化
学反応性に優れた液晶が好ましい。具体的には、化合物
中、フッ素原子などの官能基を有する液晶である。具体
的には、ZLI−4801−000,ZLI−4801
−001,ZLI−4792、ZLI−4427(いず
れもメルク社製)などである。
【0067】これらの液晶材料と分子内に重合性官能基
とを有する液晶性化合物を選択するにあたり、それぞれ
の液晶性を発現する部分が類似していることが、相溶性
の観点から好ましい。特に、化学的環境が特異なF,C
l系液晶材料については、重合性官能基を有する液晶性
化合物についてもF,Cl系液晶材料であることが好ま
しい。
【0068】液晶材料の屈折率は、前記液晶層を構成す
る液晶材料の屈折率no(常光屈折率)、ne(異常光屈
折率)と、前記壁構造体を形成する高分子材料の屈折率
pとの関係が、
【0069】
【数1】|((neまたはno)−np)|≦0.1 であることが好ましい。上記(数1)に示される屈折率
の差が(数1)の範囲以外であれば、前記液層と高分子
材料との間で、屈折率にミスマッチングがおこり表示に
ざらつきが多くなり、かつ、コントラストが低下する。
前記屈折率の差に関するより好ましい条件は、屈折率n
pが、屈折率neと屈折率noとの間の値であることであ
る。この屈折率npがこの範囲に入っていると、液晶分
子20が電圧により駆動された場合でも、高分子壁18
の屈折率と液晶材料の屈折率との差が少なくなり、液晶
材料と高分子材料の界面で起こる前記散乱現象が極端に
少なくなる。
【0070】(材料の混合比)液晶性重合化合物の添加
量は、該化合物と液晶材料と光重合開始剤と光硬化性樹
脂との混合物が液晶状態を取れるように添加する必要が
ある。材料により液晶性を発現できる量が異なる。本発
明では特に限定しないが、光硬化性樹脂中、液晶性重合
化合物の添加量が30〜90重量%であることが好まし
い。30%以下では、混合物が液晶状態を取る温度域が
減少し、本実施例のπセルである液晶セル11に於ける
液晶分子20の配向を基板12、13間で十分に行なう
ことができない。添加量が90%以上では、液晶性重合
材料の硬化後の弾性率が低いため、前述したような外力
に対する液晶セル11の十分な支持力が得られない。
【0071】液晶材料と重合性化合物(液晶性重合化合
物を含む)とを混合する重量比は、液晶:重合性化合物
が50:50〜97:3が好ましく、さらに好ましく
は、70:30〜95:5である。液晶材料が前記混合
物の重量の50%を下回ると高分子壁18の効果が過大
になり、液晶セル11に必要な駆動電圧が著しく上昇
し、さらに、基板12、13の配向規制力に沿って配向
している液晶領域19が減少し実用性を失う。さらに、
液晶材料が97%を上回ると、高分子壁18が十分に形
成されず、また、物理的強度が低下し安定した性能が得
られない。
【0072】さらに、高分子壁を形成させない方式にお
いては、両電極基板間に形成される高分子壁の代わり
に、図15に示すように、液晶層側の電極基板表面に高
分子層27が形成されるが、この場合、本発明者等は、
液晶と重合性化合物(含、液晶性重合化合物)を混合す
る重量比は、光重合性樹脂が液晶と光硬化性樹脂の総量
に対して0.1〜5重量%であることが好ましいことを
見いだした。なぜならば、この場合、ホトマスクを使用
しなくてもよく、この光重合性樹脂が5重量%を上回る
と、絵素領域内に多数の高分子壁が形成されてセルの駆
動電圧が著しく上昇し、さらに、液晶と高分子間の屈折
率差による散乱現象も顕著になりコントラストを低下さ
せてしまうからである。また、光硬化性樹脂の添加量が
0.1重量%を下回ると、基板上の高分子の配向規制力
に沿って配向している液晶領域が減少して実用性を失っ
てしまう。
【0073】(リタデーション:d・△n)本発明の液
晶セル11は、液晶領域19が、通常のπセルと同様な
配向状態をとっているために、液晶セル11の最適なリ
タデーション、及び位相差板のリタデーションは通常の
πセルと同様である。セル厚d1と、液晶の実効的屈折
率異方性△n1との値の積d1・△n1は、人の目に感知
されやすい緑色の光(λ=550nm)での(d1・△
1/λ1)が、1/2の整数倍であるときは、最も明る
い表示となるので、この条件にできるだけ近い値が好ま
しい、特に、コントラストの向上、及び着色の解消の点
で、前記積d1・△n1は250〜350nmであること
が好ましい。特に、本発明の液晶表示素子が、リタデー
ションによる光線透過効果を利用しているため、人間の
目に感知されやすい緑色(550nm)が最もよく透過
するリタデーションd1・△n1=275nm付近が最も
好ましい。しかし、液晶セル11単独では、視角特性が
液晶分子軸の一方向に関して左右対称であり、全方位的
な視角特性にならない。
【0074】この問題を解決するための方法として、一
軸性光補償板または二軸性光補償板などからなる光学補
償板26を偏光板24と基板12との間に、図2に示す
ような光学的な構成で設置することにより、視角特性を
全方位的な特性に変換することができる。図2に於い
て、液晶分子20の分子軸即ち長軸方向50に対して、
一対の偏光板24、25の各偏光方向51、52がそれ
ぞれ45°をなし、かつ各偏光方向51、52が相互に
垂直に定められる。また、光学補償板26の主軸方向5
3は、前記分子軸方向50と垂直であるように定められ
る。このためには、光学位相補償機能を有する基板の屈
折率異方性△n2と厚さd2との積d2・△n2の値が非常
に重要であり、各積の差(d1・△n1−d2・△n2)が
ほとんど0であることが好ましい。さらに、光学位相補
償機能を有する基板の光学軸と液晶分子20の基板1
2、13上での配向方向が重要であり、図2に示すよう
に、液晶分子20の長軸と一軸性光学補償板26の光学
軸とが、相互にほぼ直角に位置することが好ましい。
【0075】(光重合開始剤)光重合開始剤(又は触
媒)としては、Irgacure184、651、907、Daro
cure1173,1116,2959などが使用でき、混
合比としては、液晶と重合性化合物の全体量に対して
0.3〜5重量%が好ましい。前記混合比が、0.3%
以下では、光重合性反応が十分に起こらず、5%以上で
は、液晶と高分子材料との相分離速度が早すぎて、例と
して絵素21毎に液晶領域19を形成する制御が困難と
なり、液晶ドロップレットが小さくなり駆動電圧が高く
なる。
【0076】液晶セル11の基板12、13としてプラ
スチック基板を使用する場合は、紫外線が基板に吸収さ
れるため重合が起こり難くなる。このため、可視光領域
に吸収帯域を持ち、可視光領域で反応する光重合開始剤
を使用することが好ましい。具体的には、Lucirin T
PO(BASF社製)、KYACURE DETX-S(日本化薬社
製)、CGI369(チバガイギー社製)などである。
【0077】(駆動法)作製された液晶セル11は、単
純マトリクス駆動、a−Si TFT(アモルファスシ
リコンから形成される薄膜トランジスタ)、p−Si
TFT(ポリシリコンから形成される薄膜トランジス
タ)、MIM(金属ー絶縁膜ー金属構造のスイッチ素
子)などを絵素21毎に用いるアクティブ駆動などの駆
動法で駆動できる。本発明では、駆動法は特に限定しな
い。
【0078】(基板材料)基板12、13の材料として
は、透明固体であるガラス、高分子フィルムなど、非透
明固体としては、本発明を反射型液晶表示素子に適応す
る場合の金属薄膜が反射膜として形成された基板、或い
はSi基板などが利用できる。
【0079】プラスチック基板としては、可視光に吸収
域を持たない材料が好ましく、PET(ポリエチレンテ
レフタレート)、アクリル系ポリマー、ポリスチレン、
ポリカーボネートなどが使用できる。
【0080】さらに、これらの基板を2種類組み合わせ
て異種基板でセルを作製することができ、又、同種異種
に問わず基板厚みの異なった基板を2枚組み合わせて使
用することができる。
【0081】以下に本発明の各実施例を示すが、本発明
は、これに限定されるものではない。
【0082】(実施例1)図3は、本実施例の液晶表示
素子の製造方法を説明する工程図である。図1及び図3
を併せて参照する。図3工程a1に於いて、ITO(酸
化インジュウムおよび酸化スズの混合物)の膜厚50n
mで、1.1mm厚のガラス基板12、13上に透明電
極14、16として形成し、基板12、13上にポリイ
ミドをスピンコートで塗布して配向膜15、17を形成
し、一方向にナイロン布を用いてラビング処理を行っ
た。図3工程a2に於いて、上記ラビング処理による配
向処理を行った2枚の基板12、13を、配向処理方向
が同一方向になるように組み合せ、サイズ7μmのスペ
ーサによりセル厚を保たせることにより、一対の基板1
2、13がシール材で封止された空セルを構成した。
【0083】図3工程a3に於いて、作製した空セルの
上に、図4に示す方形の遮光領域31がマトリクス状に
配列され、各遮光領域31の間に透光領域32が形成さ
れているホトマスク30を、図1の絵素21部分が遮光
されるように空セルに配置した。一方、図3工程a4に
於いて、該空セル中に注入される混合物を、R−684
(日本化薬社製)0.10g、スチレン0.05g、下
記化4に示す化合物Aの0.75g、
【0084】
【化4】
【0085】化合物A イソボルニルアクリレート0.10g、液晶材料E7
(メルク社製:△n=0.225:均一化温度60.5
℃)4g、及び光重合開始剤Irgacure651の0.025
gを、均一混合(均一化温度40℃)した。
【0086】図3工程a5に於いて、該混合物を該空セ
ルに毛管注入した。その後、工程a6に於いて、以下の
ようなUV光の照射を行う。透明電極14、16間に±
4Vの電圧を印加しながら、平行光線を得られる高圧水
銀ランプ下方の10mW/cm2となる位置にセルを設
置し、該セルを100℃の温度に設定し、ホトマスク側
から該セルに対して、UV光を10分間照射した。この
とき、UV光は、セルに対して空間的に前述したような
弱照射領域を規則的に繰り返す規則性を有したパターン
として照射されている。次に、前記電圧は、そのまま印
加した状態で、その後、液晶がネマティック状態に遷移
する温度である25℃に、セルを10℃/hrの冷却速
度で徐々に冷却し、さらに3分間連続で紫外線を照射し
樹脂を硬化させた。この徐冷過程で、液晶分子20は、
基板12、13の配向規制力によって、徐冷しない場合
よりも、更に良好に配向するようになり、表示品位が更
に向上される。この後、図3工程a7に於いて、ホトマ
スクをセルから剥離した。
【0087】作製されたセルを偏光顕微鏡で観察したと
ころ、図5に示すように図4のホトマスク30の遮光領
域31と透光領域32とのパターン通りの液晶領域19
が形成されていた。図5に示すように、前記ホトマスク
30の遮光領域31のパターンと同一パターンの絵素領
域21がマトリクス状に形成され、各絵素領域21とほ
ぼ同一サイズで複数の液晶領域19が形成され、各液晶
領域19の間には、高分子壁18が形成されていた。こ
のセルに於いて、液晶領域21が以下の比較例で示すよ
うな電圧印加時にベンド配向である従来のπセルと同等
の構造となっていた。さらに、液晶性光硬化性樹脂が重
合しているため、高分子壁18には液晶性高分子が含ま
れている。
【0088】図3工程a8に於いて、作製したセルに、
基板12、13のラビング方向に対し、それぞれ45°
に交差し、かつ、互いに、90゜に交差する方向に、各
図1の各偏光板24、25の各偏光方向を合わせて、各
偏光板24、25をセルに貼り合わせて、πセル型液晶
表示素子を作製した。
【0089】(比較例1)実施例1で作製した液晶セル
11を用い、光硬化性樹脂など高分子壁18を作製する
材料を省き、実施例1で使用した液晶材料だけを空セル
中に注入し、セルを作製した。作製したセルに実施例1
と同様に偏光板を貼り合わせて、従来のπセルを作製し
た。
【0090】作製された実施例1の液晶セル11の電気
光学特性は、図6及び下記表1に示される。図6は、実
施例1の液晶セル11の印加電圧ー光透過率の電気光学
特性を示すグラフである。図6及び表1から、本発明の
実施例1の液晶セル11は、電圧OFF時でもベンド配
向が熱的に安定に存在し、従来使用されていた比較例1
の液晶セルと電気光学特性的に少なくとも同等以上の特
性を備えており、さらに、ペン状体で本実施例の液晶セ
ル11を押した場合、ほとんど色変化が見られなかっ
た。すなわち、本実施例の液晶セル11中に高分子壁1
8を無数に有する為に、ペン圧力などの外圧に耐えるこ
とができる事がわかった。本実施例の高分子壁18をも
たない比較例1の場合は、表示むらを起こした。
【0091】
【表1】
【0092】さらに、本実施例の液晶セル11の高分子
壁18と基板12、13との密着性を調べるために、高
分子壁18と液晶領域19のみ存在する20mm□の液
晶セルの部分を切り出し、片方の基板を引っ張ったとこ
ろ容易に剥離しなかった。一方、比較例1の液晶セルで
は、液晶セル中に高分子壁が存在しないため、液晶セル
から20mm□の部分を切り出し中に基板が相互にはが
れてしまった。
【0093】さらに、作製した本実施例の液晶セル11
に、655nmの位相差を有する図1に示される一軸性
光学補償板26を該補償板26の光学軸が、液晶の分子
軸と直交するように、偏光板24と基板12との間に貼
り合わせ、視角特性を測定した。その結果を図7に示
す。図7は、視角ー光透過率の電気光学特性を示すグラ
フである。図7から、前記位相差板である光学補償板2
6を設置することにより、実施例1の光学補償板26の
視角特性が全方位的であることが確認される。
【0094】一方、作製された比較例1の液晶セルの電
気光学特性は、図8に示される。図8は、比較例1の液
晶セルの印加電圧ー光透過率の電気光学特性を示すグラ
フである。図8からわかるように、比較例1の液晶セル
は、ある電圧になって始めてスプレー配向からベンド配
向となる。さらに、比較例1の液晶セルを電圧印加状態
から電圧無印加状態にしたときに、液晶分子の配向状態
が、ベンド配向から徐々にスプレー配向に緩和を起こし
た。また、作製された比較例1の液晶セルをペンで押し
たところ、ペンで押した箇所の周辺部で、容易に表示む
らが生じた。
【0095】(比較例2)実施例1と同様に空セルを作
製し、実施例1と同様の混合物を空セルに注入後、ホト
マスクをセルに装着せずに、実施例1と同様な条件でU
V照射を行い、液晶セルを作製した。作製した液晶セル
の電気光学特性は、下記表2に示す。作製した液晶セル
を偏光顕微鏡で観察したところ、絵素内に高分子壁が入
り込んでおり、前述したように、コントラストを低下さ
せる要因が発生している。
【0096】
【表2】
【0097】(実施例2、3、比較例3、4、5)実施
例1と同様のセルを使用し、紫外線露光時の印加電圧を
0V(比較例3)、±1V(比較例4)、±3V(実施
例2)、±5V(実施例3)、±25V(比較例5)と
変化させて実施例1と同様に各液晶セルを作製した。作
製した各液晶セルの前記印加電圧ー光透過率の電気光学
特性から液晶分子の配向状態を推定して、上記の表1に
示した。比較例5では、電圧印加による透過率の変化が
ほとんど見られず垂直配向していると推定される。
【0098】(実施例4)表面に実施例1と同様な電極
がそれぞれ形成された2枚のアクリル系プラスチック基
板を用い、実施例1と同様の配向操作を行った。実施例
1と同様にサイズ7μmのスペーサーを用い、一対の基
板を貼り合わせ、プラスチック基板空セルを作製した。
該プラスチック基板の板厚は400μmであり、図9に
入射波長と光透過率との関係を示す吸収曲線を示す。該
基板は、ほぼ波長350nm以下の光を部分的に遮断し
ている。さらに、実施例1と同様のホトマスクを空セル
上にかぶせた。
【0099】さらに、空セル中に、R−684(日本化
薬社製)0.10g、スチレン0.01g、前記化合物
Aの0.75g、イソボルニルアクリレート0.14g
さらに液晶材料E7(メルク社製)4gと光開始剤Luci
rin TPO(BASF社製:光の波長400nm付近に光
の吸収率の極大を持つ)0.025gの混合物を真空注
入した。具体的には、セル中を100Paとし、セル及
び混合物を30℃に設定して注入開始する。注入開始直
後、ただちに基板と注入される混合物が収納されている
注入皿とを60℃に昇温させ注入する。
【0100】次に、一対の基板の透明電極間に±5Vの
電圧を印加しながら、ホトマスク側から、本実施例の液
晶セルに、実施例1と同様の紫外線照射強度及び条件
で、100℃に設定された液晶セルに対して、10分間
UV光を連続照射した。次に、25℃にセルを徐冷後、
ホトマスクを動かさずに紫外線をさらに3分間照射し
た。その後、一旦セルを100℃に加熱し、8時間で2
5℃まで徐冷を行った。作製したセルの実質的なリタデ
ーション(△n1・d1=650nm)であった。
【0101】作製したセルに、変更方向が相互に直交し
た一組の偏光板と光学位相補償機能を有する位相差板
(△n2・d2=655nm)26を、実施例1と同様に
図1に示すようにセルに貼り合わせ、プラスチック基板
のポリマーマトリックス−πセルを作製した。作製した
セルの電気光学特性は、実施例1とほぼ同様であった。
例として、基板12と偏光板24との間に、後述する特
性を有する光学補償板26が配置される。
【0102】(実施例5)絵素部分がカラーフィルター
41で、絵素部分以外が一部透過領域42になっている
図10に示すようなカラーフィルター基板40と、絵素
領域21に表示電極などが形成され、絵素領域21以外
の部分に黒色樹脂材料でブラックマスク44を有する図
11に示すような、TFT基板45とに対して、実施例
1と同様な配向処理を行い、かつ、同様な条件で貼り合
わせた。さらに、実施例1と同様の混合物を真空注入
し、実施例1と同様にカラーフィルター基板側からUV
光で露光し、TFT-ホ゜リマーマトリックス-πセルを作製した。
【0103】この方式では、液晶層とホトマスク即ちカ
ラーフィルタ基板40とが、実施例1の場合に比べてカ
ラーフィルタ基板40の厚みだけ近づくため、ホトマス
クによる光の回折による絵素領域21内への高分子の形
成を防止することができる。特に、絵素領域21が小さ
いセルにおいて有効なセルフアライメントによる製造方
法である。しかも、本方法では、各実施例1〜4で用い
られた別部品のホトマスクを基板に貼り合わせる工程を
省略することができるので、部品点数の削減と、製造工
数の削減による大幅なコストダウンが達成できる。
【0104】(実施例6)実施例1と同様のセルを用
い、R−684(日本化薬社製:屈折率1.5036)
0.10g、p−フロロスチレン(屈折率1.515)
0.10g、前記化合物Aの0.30g、イソボルニル
アクリレート(屈折率1.474)0.30g、及びパ
ーフロロオクチルアクリレート(屈折率1.334)
0.20gの樹脂組成物を用い、更に、実施例1と同様
の液晶材料E7を用いて、実施例1と同様に液晶セルを
作製した。作製した液晶セルに対して、実施例1と同様
に一対の偏光板を貼り合わせて電気光学特性を測定し
た。本実施例の測定では、絵素領域21内に於ける液晶
と高分子壁18との界面に於ける散乱現象の大小を評価
するために、集光角の異なるレンズ(2.7゜と27
゜)を用いて測定を行った。レンズの集光角が大きいほ
ど、液晶セルから散乱して出てくる散乱光を集光しやす
く、黒状態(飽和状態)での光線透過率比R=T27゜/
2.7゜が1に近いほど散乱現象が少ないことが実証で
きる。本実施例では、R=1.1であった。
【0105】樹脂組成物だけを硬化させ高分子にして、
高分子材料の屈折率を測定した。その結果、前記樹脂材
料の屈折率は1.49であり、液晶材料の常光屈折率n
o(1.52)との差が0.03であった。これらの測
定結果は、下記の表3に示されている。
【0106】
【表3】
【0107】前記各実施例1〜6の液晶セルは、以下の
ように従来の液晶セルと比較して改善された特性を有し
ている。
【0108】液晶領域19を部分的に或いは全面に囲
む高分子壁18を用いたことにより、ペン状の部材の使
用による外力により液晶セル11の表示むらを起こす事
が防ぐ事ができ、ペン入力端子との併用によりペン入力
液晶表示素子として使用できる。この場合、各実施例の
液晶セルの表面に、透明な位置入力用のフィルムを装着
し、前記ペン状の部材によって、位置入力用のフィルム
を押圧し、各種の指示を入力する。
【0109】液晶領域19内の液晶分子20の配向方
向が、基板12、13の中心面に対して、絵素領域21
毎に面対称な配向であり、自己補償的な配向状態になっ
ているために視角特性が改善される。さらに、ベンド配
向をしているために応答速度が早い。
【0110】該液晶セルは、従来のπセルに初期配向
を取らせるために必要であった電圧印加が必要でなくな
り、通常の液晶セルに使用されている駆動方法が使用で
きる。上記改善された各特性から、前記各実施例の液晶
セルは、前述したようなペン入力を必要とする携帯用表
示素子、複数の人が多方向から見る可能性のある表示素
子、高精細大画面の表示素子などに好適に用いることが
できる。さらに、現行の液晶表示素子が使用されている
分野でも使用できる。例えば、パソコン等の平面ディス
プレイ装置、液晶テレビ、フィルム基板を用いる携帯用
ディスプレー、メガネ型ディスプレー等に利用すること
ができる。
【0111】(実施例7)図15は本発明の実施例7の
液晶セル11’の断面図であり、図1と同様の構成部材
には同様の符号を付けている。
【0112】本実施例7では、両電極基板間に形成され
る高分子壁の代わりに、図15に示すように、液晶層側
の電極基板表面の配向膜15,17をそれぞれ被覆する
高分子層27を設けており、これら一対の高分子層27
の間に液晶層のみが存在する点が異なっている。
【0113】以下、上記液晶セル11’の製造方法に付
いて説明する。
【0114】まず、酸化インジュウムおよび酸化スズの
混合物からなる厚さ500オングストロームのITO膜
を透明電極14、16としてそれぞれ有する厚さ1.1
mmのガラス基板12、13のITO膜上にそれぞれ、
液晶配向膜15、17として用いるポリイミドをスピン
コートで塗布し、一方向にナイロン布を用いてラビング
処理を行った。そのラビング処理を行った2枚の基板部
を配向処理方向が同一方向になるように配向膜15、1
7側を対向させて組み合せ、7μmのスペーサによりセ
ル厚を保たせることによりセルを構成した。
【0115】このセル中に、0.1〜5重量%の高分子
架橋体中の分子内に重合性の官能基を有する液晶性化合
物と液晶材料とを含む混合物を、均一混合の後、毛管注
入する。具体的には、下記に示す(化5)の液晶性重合
化合物Xを0.1g、p−フェニルスチレンを0.02
g、液晶材料E7(メルク社製:△n=0.225:均
一化温度60.5℃)を9.88g、および光開始剤I
rgacure6510.04gの混合物を、均一混合
の後、毛管注入した。
【0116】
【化5】
【0117】さらに、上記透明電極基板間に±4Vの電
圧を印加しながら高圧水銀ランプ下10mW/cm2
ところで、温度が100℃で10分間、上記混合物を注
入したセルに紫外光を照射して液晶領域と高分子層領域
に相分離させた。その後、印加電圧はそのままにして、
液晶がネマティック状態の温度25℃に10℃/hrの
冷却速度で上記セルを徐々に冷却した。さらに、3分間
連続で紫外線を照射して高分子層領域の樹脂を硬化させ
た。この徐冷過程で、液晶分子は、基板の配向力に沿っ
て配向するようになって表示品位が向上する。
【0118】上記液晶領域は、電圧無印加時において
も、次の(比較例6)で示す従来のπセルにおける電圧
印加時のベンド配向と同等の構造となっていた。さら
に、液晶性光硬化性樹脂が重合しているために高分子層
27には液晶性高分子が含まれており、上記ベンド配向
が固定されている。
【0119】次に、上記のようにして作製したセルに、
配向膜15、17のラビング方向に対してそれぞれ45
゜に、かつ、互いに、90゜になる方向に偏光板24、
25の偏光方向を合わせて各偏光板24、25をセル上
下に貼り合わせ、πセル液晶表示素子を作製した。つま
り、互いに偏光軸が直交する一組の偏光板が、一方の偏
光軸が基板上のラビング方向からほぼ45゜になるよう
に設定されている。
【0120】このようにして、作製したセルの電気光学
特性を図12に示している。図12から、従来のπセル
で必要であった初期配向のための電圧印加が不必要であ
ることが解る。したがって、本発明の実施例7は、電圧
オフ時でも液晶分子のベンド配向が熱的に安定に存在
し、従来使用されていた次の(比較例6)と比べても透
過率−印加電圧の電気光学特性的にも遜色は無かった。
【0121】さらに、作製したセルに655nmの位相
差を有する一軸性光学補償板26をその補償板26の光
学軸が液晶の分子軸と直交するように偏光板24と基板
12の間に貼り合わせたところ、広視角特性であること
が確認された。
【0122】したがって、本実施例7によれば、電圧印
加状態(πセル配向状態)で、0.1〜5重量%の高分
子架橋体と液晶材料との混合液から液晶層と高分子層2
7が相分離されるので、従来のπセルで必要であった初
期配向のための電圧印加が不必要となり、安定な状態で
液晶分子にベンド配向を取らせることができるととも
に、セルの駆動電圧やコントラストなどの表示特性も良
好なものとなる。
【0123】なお、本実施例7では、液晶分子長軸方向
と光学補償板26の主軸が直交するように一軸性光学補
償板26を液晶層といずれか一方の偏光板24との間に
少なくとも1枚設置したが、一軸性光学補償板26は二
軸性光学補償板であってもよい。
【0124】(比較例6)上記(実施例7)中で作製し
たセルを用いて、液晶材料(実施例7で使用した液晶材
料)だけをそのセル中に注入し、液晶セルを作製した。
この液晶セルに(実施例7)と同様に偏光板を貼り合わ
せて従来のπセルを作製した。
【0125】このようにして作製したセルの電気光学特
性を図13に示している。図13に示すように、ある電
圧で、ある期間、電圧を印加することにより、液晶分子
が始めてベンドの配向状態となる。さらに、この電圧印
加状態から電圧無印加状態にしたときに、スプレー配向
に緩和を起こしたので、電圧無印加時では、熱的にスプ
レー配向が安定であることが解った。
【0126】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来のπ
セルモードの液晶表示素子をポリマーマトリクス内にマ
イクロセルとして疑似固体化するものであり、外圧にた
いしてセル厚変化が少なく、ペン入力などにも、厚みが
あり表示とペン位置に視差が生じる保護フィルムなしで
使用することができる。また、液晶層の絵素毎の領域で
ある液晶領域を囲む高分子壁を持つことにより、外力に
より液晶素子の表示むらを起こす事が防ぐ事ができ、ペ
ン入力端子との併用によりペン入力液晶表示素子として
使用できる。さらに、電圧無印加時においても、ベンド
配向状態が安定状態となっており、従来セルのように電
圧印加によるスプレー配向からベンドスプレー配向への
初期配向設定操作を必要としない。かつ、電圧オンから
電圧オフへ切り替えたときにも、ベンド配向からスプレ
ー配向への配向の緩和も起こらない。更に、ベンド配向
に起因する高速応答性を実現でき、視角特性も一軸性光
学補償板または二軸性光学補償板により全方位的になる
ために極めて優れた特性を有している。
【0127】また、0.1〜5重量%の高分子架橋体と
液晶材料との混合液から液晶相と高分子相とを相分離さ
せることによって、液晶層側の電極基板表面に高分子層
が形成されるため、その分、基板としも丈夫なものとな
る。
【0128】上記の特性を生かすことにより、大型高精
細液晶表示素子、携帯用情報端末装置などの表示装置と
して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の液晶セル11の断面図であ
る。
【図2】本実施例の光学的構成を説明する図である。
【図3】本実施例の液晶セル11の製造工程を説明する
工程図である。
【図4】実施例1に使用したホトマスク30の一部分の
平面図である。
【図5】実施例1で作製された液晶領域−高分子壁の平
面図である。
【図6】実施例1で作製された液晶セルの電気光学特性
を示すグラフである。
【図7】実施例1で作製したセルに一軸性光学特性補償
板26を設置したときの視角特性を説明するためのグラ
フである。
【図8】比較例1の電気光学特性を説明するグラフであ
る。
【図9】実施例4で使用したプラスチック基板の吸収曲
線を示すグラフである。
【図10】実施例5で使用したカラーフィルター基板の
平面図である。
【図11】実施例5で使用したブラックマスク付きTF
T基板の平面図である。
【図12】実施例7で作製したセルの電気光学特性図で
ある。
【図13】比較例6で作製したセルの電気光学特性図で
ある。
【図14】従来例のπセルの電圧印加前と電圧印加後と
の液晶の配向を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例7の液晶セル11’の断面図
である。
【符号の説明】
11、11’ 液晶セル 12、13 基板 14、16 透明電極 15、17 配向膜 18 高分子壁 19 液晶領域 20 液晶分子 21 絵素 24、25 偏光板 26 光学補償板(位相差板) 27 高分子層 30 ホトマスク 31 遮光領域 32 透光領域 40 カラーフィルタ基板 41 カラーフィルター 42 透過領域 44 ブラックマスク 45 TFT基板 50 分子軸方向 51、52 偏光方向 53 主軸方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神崎 修一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−188383(JP,A) 特開 昭61−116329(JP,A) 特開 平2−306217(JP,A) 特開 平5−257134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1334 G02F 1/1337 G02F 1/137

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の絵素がマトリクス状に配列され、
    各表面に電極がそれぞれ形成され、少なくとも一方の表
    面にラビング処理が施された一対の電極基板と、 該一対の電極基板間に形成され、該絵素毎に単位壁構造
    が繰り返される形状の壁構造体と、 該壁構造体によって少なくとも部分的に囲まれ、該一対
    の電極基板間に該絵素毎に形成された液晶小領域を含む
    液晶層であって、該液晶小領域は液晶と高分子材料との
    相分離によって形成された高分子膜があり、該高分子膜
    は相分離過程で外部からの電場あるいは磁場の少なくと
    もいずれか一方を印加されて形成されており、該液晶層
    に含まれる該液晶小領域の液晶分子が、該電極基板間の
    中心面に関してほぼ面対称な配向であり、かつ、ベンド
    配向している液晶層とを備える液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記一対の電極基板と該壁構造体とが密
    着している請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記一対の電極基板の各表面に、互いに
    偏光軸が直交する一組の偏光板が配置され、該一組の偏
    光板の一方の偏光板の偏光軸が該電極基板のラビング方
    向からほぼ45゜に設定されて設けられている請求項1
    に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記液晶分子の長軸方向と直交する方向
    に主軸を有し、前記液晶層の層厚dと実効的屈折率異方
    性Δnとの積d・Δnと等しいかほぼ等しいリターデー
    ション値を有する一軸性光学補償板もしくは二軸性光学
    補償板のいずれかを、該液晶層といずれか一方の偏光板
    との間に設置した請求項3に記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記液晶層を構成する液晶材料の屈折率
    o(常光屈折率)、ne(異常光屈折率)と、前記壁構
    造体を形成する高分子材料の屈折率npとの関係が、|
    ((ne又はno)−np)|≦0.1であるように定め
    られる請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 液晶材料と分子内に重合性の官能基を有
    する液晶性化合物と重合性化合物と光重合開始剤との混
    合物を、少なくとも一方が透明であり、少なくとも一方
    の表面にラビング処理が施された一対の電極基板間に注
    入後、電場又は磁場の少なくともいずれか一方を印加し
    ながら、該一対の電極基板と該混合物とを含む液晶セル
    に、該一対の電極基板にマトリクス状に設定される複数
    の絵素に対応する照射強度に規則的な空間的な強弱を有
    する光を照射し、光重合反応により液晶と高分子材料を
    相分離させ、該絵素毎に単位壁構造が繰り返される形状
    の高分子壁を、該高分子壁中に液晶材料が少なくとも一
    部分が取り囲まれ、該液晶層に含まれる該液晶小領域の
    液晶分子が、該電極基板間の中心面に関してほぼ面対称
    な配向であり、かつ、ベンド配向しているように形成す
    る液晶表示素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一対の電極基板と前記混合物とを含
    む液晶セル内の該混合物を、液晶材料の均一化温度以上
    の温度で照射強度に規則的な空間的な強弱を有する光を
    用いて光重合し、その後、電場又は磁場の少なくとも一
    方を印加しながら徐冷する請求項6に記載の液晶表示素
    子の製造方法。
  8. 【請求項8】 一対の電極基板間に液晶層と高分子層と
    が挟持され、該液晶層の液晶分子が該電極基板間の中心
    面をほぼ面対称としてベンド配向する液晶表示素子であ
    って、 少なくとも0.1〜5重量%の高分子架橋体と液晶材料
    との混合液から該液晶層と高分子層が相分離されて構成
    されている液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 一対の電極基板間に液晶層と高分子層と
    を挟持し、該液晶層の液晶分子が該電極基板間の中心面
    をほぼ面対称としてベンド配向する液晶表示素子の製造
    方法であって、 0.1〜5重量%の高分子架橋体中の分子内に重合性の
    官能基を有する液晶性化合物を少なくとも含む重合性化
    合物と液晶材料との混合物を、少なくとも一方が透明で
    ある該電極基板間に注入後、電場および磁場の少なくと
    もいずれかを印加しながら該液晶分子のベンド配向を安
    定化させて、光または熱エネルギーを該混合物に加えて
    該液晶相と高分子相を相分離させる工程を含む液晶表示
    素子の製造方法。
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