JP3108571B2 - 液晶表示入出力装置 - Google Patents

液晶表示入出力装置

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JP3108571B2
JP3108571B2 JP05268612A JP26861293A JP3108571B2 JP 3108571 B2 JP3108571 B2 JP 3108571B2 JP 05268612 A JP05268612 A JP 05268612A JP 26861293 A JP26861293 A JP 26861293A JP 3108571 B2 JP3108571 B2 JP 3108571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子に囲まれた液晶
表示素子とペン入力装置とを組み合わせた液晶表示入出
力装置に関し、更に詳しくは、液晶領域を囲む壁を持つ
ことにより、外力による液晶表示素子の表示むらの発生
を防ぐことができるようなペン入力液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学効果を利用した表示素子
として、ネマティック液晶を用いたTN(ツイスティッ
ドネマティック)型や、STN(スーパーツイスティッ
ドネマティック)型の液晶表示素子が特開昭59−11
9320号公報に於いて実用化されている。また、さら
に明るい表示を目指したSTN素子として、特開平4−
97121号公報、特開平4−289818号公報に於
いて、偏光板が一枚の構成である反射型液晶表示素子が
開示されており、さらに、スメクティック相における強
誘電性を利用したモードについても同様に開示されてい
る。
【0003】一方、高分子マトリックスをセル中に含ん
だ液晶表示素子としては、偏光板を用いず、液晶の散乱
現象を利用した動的散乱(DS)効果、および相転移
(PC)効果がある。
【0004】最近、偏光板を用いず、しかも配向処理を
不要とした液晶表示素子として、液晶の複屈折率を利用
し、透明または白濁状態を電気的に制御する方法が提案
されている。この方法は、基本的に、液晶分子の常光屈
折率と支持媒体の屈折率とを一致させ、電圧を印加して
液晶の配向が揃うときには透明状態を表示し、電圧無印
加時には、液晶分子の配向の乱れによる光散乱状態を表
示するものである。
【0005】提案されている方法として、特表昭61−
502128号公報に、液晶と光または熱硬化性樹脂と
を混合し、樹脂を硬化することにより液晶を析出させ、
樹脂中に液晶滴を形成させる方法が開示されている。
【0006】また、非散乱型で偏光板を用い、液晶セル
の視角特性を改善する方法としては、特開平5−272
42号公報に、液晶と光硬化性樹脂との混合物から相分
離により液晶と高分子材料の複合材料を作成する方法が
開示されている。この方法は、生成した高分子体によっ
て液晶ドメインの配向状態がランダム状態となり、電圧
印加時に個々のドメインで液晶分子の立ち上がる方向が
異なるために、各方向からの見かけ上の屈折率が等しく
なり、中間調状態での視角特性が改善されるというもの
である。また、最近本発明者らが、光重合時にホトマス
クなどの光制御することにより、液晶ドメインが絵素領
域内で全方向的な配向状態(放射状)となり、液晶分子
が電圧で制御されることにより、あたかも傘が開いたり
閉じたりするような動作をして、視角特性を著しく改善
した液晶表示素子を特願平4−286487号に出願し
ている。
【0007】さらに、特開平4−323616号公報な
どには、あらかじめ基板上に仕切りを作成した後にセル
を形成し、その後、液晶材料を注入するような液晶表示
素子の作成方法が開示されている。しかし、これらの作
成方法では、壁と液晶材料との間では配向方向が基板上
と異なり、壁付近で液晶の配向が乱れてコントラストの
低下などの原因となっていた。また、壁を一旦基板上に
作成してから基板同士を貼り合わせているため、両基板
間を接着する作用がなく、従ってセル強度が弱かった。
さらに、基板上の配向膜に配向処理を行ってから基板上
にホトリソなどの方法で仕切りを作成するため、基板上
の配向力を弱めてしまい適正な表示特性を得ることもで
きなかった。また、この方法では、基板上の仕切りの厚
みを調整することが難しく、セル厚を出すためにスペー
サーを併用すると、仕切り上と基板上とにスペーサーが
乗った場合などにセル厚が異なってしまい、正確なセル
厚を制御することが難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示素子で
は、外力によって簡単にセル厚が変化したり、表示むら
が局部的に発生したりするなど、ペン入力には不向きで
あった。従って、これらの欠点を防ぐために、液晶セル
の上面に保護膜(保護基板)などを設置する必要があ
り、その場合には、表示部とペン入力部との平面の間に
距離ができてしまい、視差が生じて操作しづらくなるな
どの問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示入出力
装置は、少なくとも一方が透明である一対の電極基板
と、該一対の電極基板間に挟持された表示媒体層と、該
一対の電極基板上にそれぞれ形成された電極の交差する
部分でマトリックス状に配列された複数の絵素とで構成
される液晶表示素子と、所定の場所を指示することによ
り位置を検出する入力機能とを合わせ持つ液晶表示入出
力装置において、前記液晶表示装置の表示媒体層が、高
分子壁と、該高分子壁により実質的に囲まれているとと
もに前記複数の絵素の配列状態に対応して規則的に配置
されている液晶領域とからなり、前記液晶領域は、複数
の液晶ドメインを有しており、該液晶ドメインが、ラン
ダムまたは放射状に配置されていることを特徴としてお
り、そのことによって、前記目的が達成される。
【0010】本発明の液晶表示入出力装置は、少なくと
も一方が透明である一対の電極基板と、該一対の電極基
板間に挟持された表示媒体層と、該一対の電極基板上に
それぞれ形成された電極の交差する部分でマトリックス
状に配列された複数の絵素とで構成される液晶表示素子
と、所定の場所を指示することにより位置を検出する入
力機能とを合わせ持つ液晶表示入出力装置において、前
記液晶表示装置の表示媒体層が、高分子壁と、該高分子
壁により実質的に囲まれているとともに前記複数の絵素
の配列状態に対応して規則的に配置されている液晶領域
とからなり、前記液晶領域内の液晶分子は、ランダム、
放射状または同心円上に配向していることを特徴として
おり、そのことによって、前記目的が達成される。
【0011】
【0012】本発明において、前記液晶表示素子の該一
対の電極基板と前記高分子壁とが、互いに密着している
場合がある。
【0013】本発明において、前記液晶表示素子の液晶
表示電極が、入力検知電極として動作する液晶表示一体
型タブレット方式である場合がある。
【0014】本発明において、前記入力機能が電磁誘導
方式、静電結合方式、または、抵抗膜方式である場合が
ある。
【0015】
【作用】本発明の液晶表示入出力装置は、一対の基板電
極間に壁によって仕切られた液晶小領域を挟んだ液晶表
示素子と、所定の指示位置を検出する入力機能とを合わ
せ持つ構成となっている。従って、従来使用されていた
液晶表示モード(TN、STN、FLCなど)をポリマ
ーマトリクス内にマイクロセルとして疑似固体化するこ
とで外圧に対する支持力をセル内に持たせ、セル厚の変
化を少なくすることにより表示むらも発生しにくく、ペ
ン入力などに対しても保護フィルムなどを取り付けるこ
となく使用することができるペン入力機能を有する液晶
表示装置を提供することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について更に詳細に説
明する。図1〜12に本発明の一実施例を示す。本発明
は、以下に示される実施例の液晶表示入出力装置の各寸
法、材料、構造に限定されるものではない。
【0017】図1は、本発明の一実施例の液晶表示入出
力装置の断面図である。この液晶表示入出力装置は、2
つのガラス基板3(それぞれ板厚1.1mm)を備え
る。一方のガラス基板3の上に、ITO(酸化インジュ
ウム及び酸化スズの混合物)からなる複数の透明電極4
が、マトリクス状の配列で配置される。また、透明電極
4を被覆して、配向膜5が形成されており、該ガラス基
板3の透明電極4とは反対側面には、偏光板2と入力装
置1が形成されており、これにより、一方基板(上側基
板)が構成される。
【0018】一方、他方のガラス基板3上には、ITO
からなる透明電極4が配置され、該透明電極4上には同
じく配向膜5が形成される。そして、該ガラス基板3の
透明電極4とは反対側面には、偏光板2が形成されてお
り、これにより、他方基板(下側基板)が構成される。
【0019】前記2つのガラス基板3の間には表示媒体
層が挟まれる。表示媒体層は、後述するような製造工程
によって、前記複数の透明電極4が形成される領域以外
の領域に高分子壁6がそれぞれ形成され、各高分子壁6
の間であって、前記透明電極4が形成される領域に相当
する領域に液晶部7がそれぞれ形成される。そして、例
として球形あるいは円筒形のスペーサー(図示せず)を
用いて、両基板間のセル厚を保持することにより、表示
セルを構成した。
【0020】本実施例の液晶表示入出力装置の前記構造
例を包含する本発明は、図1に示すように、透明電極4
を有するガラス基板3間に実質的に高分子壁6に囲まれ
た液晶領域7がマイクロセル構造をしている。さらに該
高分子壁6は、2枚のガラス基板3間に接着しているた
め一段と外力に対して強くなり、セル落下時などの強力
に外力が加わるときに耐衝撃性が発現する。また、該高
分子壁6により外力に対するセル厚の変動が抑えられ、
ペン入力を行ったときに見られる色変化などを防止する
ことができる。さらに、高分子壁6内に基板上の配向影
響力と同様の効果を有する高分子液晶材料が固定されて
いる場合、配向規制力がガラス基板3表面の配向膜5か
らの水平方向と高分子壁6からの垂直方向から影響する
ため配向状態が非常に安定化する。さらに、該高分子壁
6の大部分を絵素部以外に故意に作成することにより、
高分子壁6をランダムに作成した場合に比べて高分子材
料によるコントラストの低下を防止することができる。
【0021】以下に、前記実施例における液晶表示入出
力装置の構造を包含する本発明の液晶表示入出力装置の
特徴についてそれれ説明する。
【0022】(液晶表示モード)本発明は、すべての液
晶表示モードを使用することができる。基板上の配向力
を利用するモードとして、TN(Twisted Nematic)、
STN(Super TwistedNematic)、FLC(Ferroelec
tric Liquid Crystal)、ECB(Electrically Con
rtoled Birefringence)、さらに、これらに色素を添
加したモードなどが使用できる。また、基板上の配向力
を利用しないモードとしては、液晶ドメインがランダ
ム、または放射状に配置したモード、さらに、各液晶絵
素領域内で液晶分子が放射状又は同心円上に配向したモ
ードなど、広視野角化を目指した液晶表示モードなども
使用することができる。携帯用情報端末として使用する
場合には、使用電力から考えてバックライトを必要とし
ない反射型液晶表示装置が好ましく、本発明の液晶表示
入出力装置の場合には、反射型又は透過型の両方に適応
することができる。
【0023】(液晶セル作成方法)本発明の液晶表示入
出力装置の作成方法は、実質的に絵素外に高分子壁を作
成することを目的としている。前述した目的に対し本発
明では、液晶材料と光硬化性樹脂(含液晶性光硬化性樹
脂及び光重合開始剤)との混合物を無配向または配向処
理した2枚の基板間に注入し、その後、実質的に絵素部
分に紫外線が照射されないように、紫外線を局部的に照
射する方法をとっている。この方法では、紫外線の照射
された領域でのみ高分子材料が重合形成され、液晶材料
が紫外線非照射領域に押し出され、その結果、紫外線照
射領域には高分子領域、非照射領域には液晶領域が形成
される。この時、基板上の配向を生かすセルを作成する
場合、基板上の配向規制力を生かすためには、光硬化性
樹脂の一部又は全部に液晶性を有する光硬化性樹脂材料
を用いることにより、液晶−光硬化性樹脂混合物の液晶
性を損なうことなく光重合を行うことができる。
【0024】さらに加工法においては、前述した混合物
の均一化温度以上でセル中にその混合物を注入し、UV
照射強度に故意に規則的な強弱を付けて規則的に光重合
を起こさせ、さらに、液晶性を持たせるためネマチッ
ク、スメクチック相にセル温度を低下(徐冷)させ、さ
らに光重合を起こさせることにより、より均一な配向状
態を得ることができる。このとき、結晶性の優れたスメ
クティック相を用いると、液晶中に入り込んだ光硬化性
樹脂を液晶外に排除することができるので、より好まし
い。また、基板上の配向制御力を利用しない液晶表示素
子(例えば、各絵素で放射状に液晶分子が配向している
液晶表示素子など)では、絵素部分に液晶領域が形成さ
れるのに十分な必要最小限の時間で液晶領域を作成する
ことが好ましい。
【0025】(紫外線照度分布の付け方)本発明では、
ホトマスクの形状を維持するために、紫外線照度分布の
付け方が重要となる。ホトマスク、マイクロレンズ、干
渉板、光回折格子などを用いて、規則的な紫外線照度の
分布を付けることが望ましい。ホトマスクの位置は、セ
ル内外のどちらでもよく、紫外線に規則的にむらを作成
できればよい。
【0026】セルからホトマスクを離すと、ホトマスク
上の像がぼけ、本発明の効果が減少するために、ホトマ
スクは、できるだけ液晶−光硬化性樹脂の混合物に近い
ものが好ましい。すなわちセル内に紫外光をカットする
実質的なホトマスクが存在する場合、液晶と光硬化性材
料の混合物にホトマスクが接した状態になり、これは特
に好ましい。具体例としては、反射型液晶表示素子の場
合、反射板の絵素に対応する部分にだけ反射機能を残
し、絵素外部を透過領域とする方法、又は、一方の基板
上に可視光は透過するが、紫外光がカットされるような
膜を照射領域を残して規則的に形成(具体的にはカラー
フィルター、有機高分子膜など)する方法などが好まし
い。
【0027】紫外線の光源もできるだけ、平行光線を発
生できる構成のものが望ましい。光線の平行度が損なわ
れると非照射領域に紫外光が入り込み、絵素領域内で高
分子材料が硬化するためコントラストが低下してしまう
からである。
【0028】本件発明者らの検討結果によれば、照度む
らの大きさ即ち弱照度領域の大きさが、絵素の大きさの
30%以下の大きさのものを使用すると、生成される液
晶ドロップレットも絵素の大きさの30%以下の大きさ
となり、絵素内に液晶と高分子の界面が多くなり、散乱
によるコントラストの低下が大きくなる。さらに好まし
くは、絵素内に液晶と高分子の界面が極端に少なくなる
絵素の大きさより大きい弱照度領域を作成できるものが
よく、絵素以外の部分のみ、紫外線が照射されるホトマ
スクなどが好ましい。
【0029】さらに、ホトマスクなどの弱照度領域の形
状は、絵素の30%以上を覆い、紫外線の強度を局部的
に低下させるのもであればよく、本発明では、特に限定
しないが、例として、円形、方形、台形、長方形、六角
形、ひし形、文字形、曲線および直線によって区切られ
た図形、及び、これら図形の一部を削除したもの、およ
び、これら図形を組み合わせた図形、さらに、これらの
小図形の集合体などである。
【0030】さらに、好ましくは、絵素部分が弱照度領
域となるホトマスクなどが絵素内での散乱強度を低下さ
せ、液晶表示素子のコントラストを向上させ好ましい。
【0031】また、本発明の実施に際し、これら図形か
ら1種類以上選択して使用してもよく、好ましくは、液
晶ドロップレットのサイズの均一性を上げるためには、
できるだけ形状を1種類に限定して揃えることが好まし
い。
【0032】本発明の特徴は、液晶領域を水平方向に規
則的に配列、すなわち絵素に合わせて配列するところに
あり、弱照度領域の配置が問題になる。弱照度領域の配
置としては、絵素のピッチに合わせるのがよく、1絵素
内に1箇所弱照度領域を配置することが好ましい。弱照
度領域は、数絵素にわたって配置してもよく、列ごとに
弱照度領域を配置したり、数絵素の組みごと全体に弱照
度領域を配置してもよい。
【0033】液晶ドロップレットの形状測定には、偏光
顕微鏡を使用し測定した。また、弱照度領域は、それぞ
れの領域が独立である必要はなく、末端部でつながって
いても差し支えはなく、最も紫外線を効果的に遮断する
領域が、上記形状、配列を有しているものであればよ
い。
【0034】(表示のざらつき) 高分子材料と液晶材料との界面での屈折率の違いによ
り、従来の高分子分散型液晶表示素子では、上記界面に
おいて散乱現象が起こっていた。非散乱型(大きな液晶
領域を有し、偏光板により液晶分子の配向状態を読み取
る素子)の高分子に取り囲まれた液晶表示素子につい
も同様の現象が起こっており、この現象により、表示に
ざらつきが起こり問題となっていた。しかしながら、本
発明では、高分子材料中であっても硬化前後で一部液晶
状態と同様の配向状態にあり、液晶材料と液晶性光重合
材料がほとんど同程度の屈折率を有するため上記ざらつ
きが減少している。
【0035】(液晶性重合材料)本発明の方法は、液晶
材料と重合性化合物(含液晶性を有する重合性化合物)
との均一混合物から重合性化合物を液晶状態で配向され
た基板間で硬化させ、液晶材料と高分子材料とを相分離
させる方法であり、高分子壁上に液晶性化合物が固定さ
れた構造を作成することができる。
【0036】本発明で使用される分子内に液晶性官能基
を有する化合物とは、下化学式1で示される化合物など
である。
【0037】(化学式1) A−B−LC1 又は、A−B−LC2 −B−A 化学式1中の要素Aとは、重合性官能基を示し、CH2
=CH−、CH2 =CH−COO−、CH2 =CH−C
OO−、−N=C=Oなどの不飽和結合、又はエポキシ
基などの歪みを持ったヘテロ環構造を持った官能基を示
す。また、要素Bとは、重合性官能基と液晶性化合物と
を結ぶ連結基であり、具体的にはアルキル鎖(−(CH
2n −)、エステル結合(−COO−)、エーテル結
合(−O−)、ポリエチレングリコール鎖(−CH2
2 O−)、及びこれらの結合基を組み合わせた結合基
である。
【0038】上記化学式1における要素LC1 は、液晶
性化合物を示し、下記化学式2で示される化合物又はコ
レステロール環及びその誘導体などである。
【0039】(化学式2) D−E−G 上記化学式2中、要素Gは、液晶の誘電率異方性などを
発現させる極性基であり、−CN、−OCH3 、−F、
−Cl、−OCF3 、−OCCl3 等の官能基を有する
ベンゼン環、シクロヘキサン環、パラジフェニル環、フ
ェニルシクロヘキサン環、ターフェニル環、ジフェニル
シクロヘキサン環等である。要素Eは、要素D、Gを連
結する官能基で、単結合、−CH2 −、−CH2 CH2
−、−O−、−C≡C−、−CH=CH−等である。要
素Dは、化学式1中のBと結合する官能基であり、且
つ、液晶分子の誘電率異方性、屈折率異方性の大きさを
左右する部分であり、具体的には、パラフェニル環、
1.10−ジフェニル環、1.4−シクロヘキサン環、
1.10−フェニルシクロヘキサン環等である。また、
要素LC2 とは、パラフェニル環、1.10−ジフェニ
ル環、1.4−シクロヘキサン環、1.10−フェニル
シクロヘキサン環等の剛直な分子を含み、これらの分子
単独又は、これらの分子が単結合、−CH2 CH2 −、
−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−N=CH
−、−O−、−N=N−、−COS−等の連結基で複数
の上記分子が結合している分子などが使用できる。本発
明の素子中において使用される液晶材料の誘電率異方性
が正の場合、上記化学式2中の要素Gの極性基の位置と
しては、誘電率異方性△εが負となるような位置に置か
れ、具体的には、要素G中に含まれるベンゼン環の2置
換体、3置換体、2、3置換体などを含む構造である。
また、本発明の素子中で、使用される液晶材料の誘電率
異方性が負の場合、上記化学式2中の要素Gの極性基の
位置としては、誘電率異方性△εが正となるような位置
に置かれ、具体的には、要素G中に含まれるベンゼン環
の4置換体、3.4.5置換体、3.4置換体などを含
む構造である。これらの極性基の置換体の置換基は、同
一分子内に複数ある場合、同一である必要はない。さら
に、上記のような2通りの場合、単独の分子で使用する
必要はなく、複数の重合性液晶材料を含んでもよく、少
なくとも一種類の上記化合物が含まれればよい。
【0040】これら液晶性重合材料の添加量は、液晶材
料と光開始剤と光硬化性樹脂の混合物が液晶状態を取れ
るように添加する必要がある。材料によって液晶性を発
現できる量が異なり、本発明では特に限定しないが、上
記混合物中、該化合物の添加量が1〜30重量%である
ことが好ましい。それは、1%以下では、混合物が液晶
状態を取る温度域が減少するため、STNの配向を基板
間で十分に行うことができず、また、30%以上では、
高分子材料部分が多くなり液晶領域が少なくなるために
コントラストが低下するからである。
【0041】(光重合材料)光硬化性樹脂としては、例
えば、C3以上の長鎖アルキル基またはベンゼン環を有
するアクリル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体的
には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ステアリル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−ブチ
ルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、トリ
デシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ステアリルメタアクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェノ
キシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、さらにポリマーの物
理的強度を高めるために、2官能以上の多官能性樹脂、
例えば、R−684(日本化薬製)、ビスフェノールA
ジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、
1、4−ブタンジオールジメタクリレート、1、6−ヘ
キサンジオ−ルジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ネオペンチルジアクリレート、さらに、より好ま
しくは、ハロゲン化、特に塩素化、及びフッ素化した樹
脂、例えば、2.2.3.4.4.4−ヘキサフロロブ
チルメタクリレート、2.2.3.4.4.4−ヘキサ
クロロブチルメタクリレート、2.2.3.3−テトラ
フロロプロピルメタクリレート、2.2.3.3−テト
ラフロロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチル
エチルメタクリレート、パークロロオクチルエチルメタ
クリレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート、
パークロロオクチルエチルアクリレートである。
【0042】本発明の目的は、高分子壁をセル内に形成
し、外力に対するセル厚変化を防止することにあり、上
記光硬化性樹脂を選定するに当たり、該樹脂のガラス転
移温度(Tg)が重要なファクターとなってくる。すな
わち、Tgが室温より低いと、室温でゴム状態となり外
力に対して容易に変形するため、本発明の目的を達成し
ない。したがって、使用する樹脂のTgとしては、0℃
以上が好ましく、さらに好ましくは、40℃以上であ
る。
【0043】(液晶材料)液晶については、常温付近で
液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマチック液晶
(2周波駆動用液晶、△ε<0の液晶を含む)もしく
は、コレステリック液晶の添加されたネマチック液晶、
スメクティック液晶(含、強誘電性液晶)などが特性上
好ましい。更に好ましくは、加工時に光重合反応を伴う
ため、耐化学反応性に優れた液晶が好ましい。具体的に
は、化合物中、フッ素原子などの官能基を有する液晶で
ある。具体的には、ZLI−4801−000、ZLI
−4801−001、ZLI−4792、ZLI−44
27(メルク社製)などである。これらの液晶材料と、
分子内に重合性官能基を有する液晶性化合物を選択する
にあたり、それぞれの液晶性を発現する部分が類似して
いることが、相溶性の観点から好ましい。特に、化学的
環境が特異なF、Cl系液晶材料については、重合性官
能基を有する液晶性化合物についてもF、Cl系液晶材
料であることが好ましい。
【0044】液晶材料の屈折率は、|((ne またはn
o )−np )|<0.1(np は、ポリマーの屈折率)
であることが好ましい。上記範囲外では、屈折率のミス
マッチングがおこり、表示にざらつきが多くなる。より
好ましくは、np がne とno との間の値(特に、電圧
印加時の液晶の屈折率n0 にnp を合わせることによ
り、黒レベルが向上し、コントラストが向上する。)で
あるとよく、この範囲に入っていると液晶分子が電圧に
より駆動した場合でも高分子の屈折率と液晶材料の屈折
率との差が少なくなり、液晶材料と高分子材料の界面で
起こる散乱現象が極端に少なくなる。
【0045】(液晶と樹脂材料との混合比)液晶と重合
性化合物(含、液晶性重合化合物)とを混合する重量比
は、素子サイズにより異なるが、液晶:重合性化合物が
50:50〜97:3が好ましく、さらに好ましくは、
70:30〜90:10である。液晶材料が50%を下
回ると、高分子壁の効果が高まり、表示セルの駆動電圧
が著しく上昇し、さらに、液晶領域が減少して実用性を
失う。さらに、液晶材料が93%を上回ると、高分子壁
の物理的強度が低下し、安定した性能が得られない。
【0046】(光重合開始剤)光重合開始剤(又は触
媒)としては、Irugacure184、651、907、Dar
ocure1173、1116、2959などの一般的な光
重合開始剤を使用することができ、混合比は、液晶と重
合性化合物の全体量に対して、0.3〜5%が好まし
い。前記混合比が0.3%以下では、光重合反応が十分
に起こらず、5%以上では、液晶と高分子の相分離速度
が早すぎて制御が困難となり、液晶ドロップレットが小
さくなり駆動電圧が高くなる。プラスチック基板を使用
する場合は、紫外光を基板に吸収されて、重合が起こり
にくいため、可視光領域に吸収を有する光重合開始剤を
使用することが好ましい。具体的には、Lucirin
TPO(BASF社製)、KAYACURE DET
X−S(日本化薬社製)、CGI369(チバガイギー
社製)などがある。
【0047】(駆動方法)作成されたセルは、単純マト
リックス駆動、TFT、MIMなどのスイッチ素子を用
いるアクティブ駆動などのいずれの駆動法によっても駆
動することができ、本発明においては、特に駆動方法は
限定しない。
【0048】(基板材料)基板材料としては、透明固体
であるガラス、高分子フィルムなどが利用でき、非透明
固体としては、反射型を狙った金属薄膜つき基板、Si
基板などが利用できる。特に、携帯性を重視する使用法
においては、軽量化の観点から高分子フィルム(シー
ト)を基板として使用することが好ましい。
【0049】また、プラスチック基板としては、可視光
に吸収を持たない材料が好ましく、PET、アクリル系
ポリマー、スチレン、ポリカーボネートなどが使用でき
る。
【0050】(入力装置)本発明においては、感圧方
式、静電誘導方式、電磁誘導方式などの装置と、上記液
晶表示素子とを組み合わせることにより使用することが
できる。以下、上記各方式について説明する。
【0051】感圧方式 この方法は、透明で均一な面抵抗を有するプラスチック
シートとガラスとを、わずかな空間を隔てて重ね合わせ
た方式である。本発明では、液晶パネルに耐外圧性を持
たせているため、2枚の薄いプラスチックシートを用い
ることができ、入力部分を薄くできるために、視差が少
なく扱いやすい液晶入出力表示装置を作成することがで
きる。
【0052】静電誘導方式 この方法は、図2(b)に示すように、位置検知のため
の電圧を印加したタブレットパネル60の電極と、入力
ペン63の先端電極との静電結合により位置を検出する
ものである。この方法も、液晶パネル上面からの入力と
なり、液晶パネルに外力が加わるために、本発明の液晶
パネルを組み合わせると、タブレットパネル60と液晶
表示素子61との間の保護パネルなどが必要でなくなり
有効である。
【0053】特に、図2(c)に示すような、シャープ
技報、第56号、15頁に報告されている液晶パネル内
の電極を時間を分割して表示と入力用に使用する液晶表
示一体型タブレット62の場合、液晶パネル上面に外力
を緩和する保護パネルを必要としなくなり、軽量化、薄
型化が達成されて、特に好ましい。
【0054】電磁誘導方式 この方法は、入力ペンに内蔵したコイルで発生させた交
流磁界を、タブレットパネル上に形成した座標検知用の
ループ回路に作用させ、電圧が誘起するループの位置よ
り座標を求めるというものである。この方式は、タブレ
ットを液晶パネルの下面に設置することができ、液晶表
示素子の表示に視差が生じにくいという特徴があるもの
の、これまでの液晶パネルでは、保護パネルが必要であ
った。しかし、本発明の液晶表示素子の場合は外力に強
いため、パネル上面に外力の緩和を目的とする保護フィ
ルム(シート)を形成する必要がなく、保護フィルムを
形成することなく入出力表示装置を作成することができ
る。
【0055】以下、本発明の各実施例とその比較例をそ
れぞれ示すが、本発明は、これに限定されるものではな
い。
【0056】(実施例1) 1)分子中に重合性官能基を有する液晶性化合物の合
成。
【0057】化合物A(△ε<0)を以下の化学式3の
ように合成した。
【0058】
【化3】
【0059】4’−ハイドロオキシン−2.3−ジフロ
ロビフェニルを、過剰の1.10−ジブロモデカンで炭
酸カルシュウム存在下エステル化を行う。さらに、カラ
ムクロマトグラフィーを用いて精製後、精製物を当モル
のテトラメチレンアンモニュウム−ハイドロオキシペン
タハイドレートに混合し、アクリル酸でエステル化す
る。
【0060】2)セルの作成 本発明の一実施例の液晶表示入出力装置を、図3の断面
図を使って説明する。この液晶表示セルは、2枚のガラ
ス基板3(それぞれ板厚1.1mm)上に、ITO(酸
化インジュウムおよび酸化スズの混合物、膜厚500オ
ングストローム)からなる透明電極4(8本/mm:間
隔25μm)を形成し、ポリイミド(サンエバー15
0:日産化学社製)をスピンコートで塗布した後、一方
向にナイロン布を用いてラビング処理を行って配向膜5
を形成した。上記処理を行った2枚のガラス基板3を、
配向処理方向が互いに240°になるように組み合わ
せ、直径9μmのスペーサー(図示せず)を用いて、セ
ル厚を保持させることにより、液晶表示セルを構成し
た。構成した前記表示セル上に、ホトマスクを配置す
る。本発明のホトマスクは、図4に示すように、例えば
100μm×100μmのサイズの複数の遮光部8が、
相互に幅25μmの透過部9を隔ててマトリクス状に配
列された構成となっている。そのホトマスクを、絵素部
分が遮光されるように配置し、さらにセル中に、R−6
84(日本化薬社製)を0.10g、スチレンを0.0
5g、化合物Aを0.75g、イソボルニルアクリレー
トを0.10g、さらに、液晶材料ZLI−4427
(メルク社製:S−811によりツイスト角を240°
にした混合物)が4gと光開始剤Irugacure6
51が0.025gの混合物を、均一混合後(均一化温
度54℃)、毛管注入して、その後、ドットパターン側
から平行光線を得られる高圧水銀ランプ下10mW/c
2のところで60℃、90秒照射した。その後、25
℃にセルを冷却し、さらに3分間連続で紫外線を照射
し、樹脂を硬化させた。その後、セルを100℃に加熱
し、8時間かけて25℃に徐冷した。
【0061】生成した液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
ところ、図5に示すようにホトマスクどおりの液晶領域
10と、ポリマー領域11が形成され、かつ、液晶領域
が比較例1で示す従来のSTN素子と同等の構造となっ
ていた。作成したセルに、位相差板22と、ラビング方
向に対しそれぞれ45°に、かつ、互いに105°にな
るような方向に偏光方向を合わせて偏光板2を貼り合わ
せ、透過型STN液晶表示素子を作成した。
【0062】上記表示セルをペンで押した場合、ほとん
ど色変化が見られなかった。
【0063】作成した液晶表示装置に、図2(a)に示
す静電誘導方式で表示一体型用回路を接続し、液晶表示
入出力装置を作成した。(保護パネルは、つけていな
い。) さらに、作成した装置を用いてペン入力を行ったが、ほ
とんど表示の変化は見られなかった。
【0064】(比較例1)実施例1中で作成した液晶表
示セルを用いて、液晶材料(実施例1で使用した液晶材
料とカイラル剤の混合物)だけをセル中に注入し、液晶
表示セルを作成した。作成したセルに、実施例1と同様
に偏光板を貼り合わせて、従来のSTN表示素子を作成
した。作成した液晶表示装置に、図2(a)に示す静電
誘導方式で表示一体型用回路を接続し、液晶表示入出力
装置を作成した。作成した装置を用いて、ペン入力を行
ったが、ペン圧を加えると表示の反転などの表示むらが
でて、醜い表示となった。(特に、黒表示の場合には表
示斑が顕著であった。) (実施例2)本発明の一実施例の液晶表示入出力装置
を、図6の断面図を使って説明する。2枚のアクリル系
プラスチック基板3(400μm厚:基板の吸収曲線を
図7に示す。)の、一方の基板上には、図8に示すよう
に、絵素領域に対応する部分に透過領域9を有する反射
板12を有し(図6中29)、他方の基板上にはカラー
フィルター13と保護膜14を有している。そして、実
施例1と同様の配向操作を行い、同様に5.8μmのス
ペーサーを用いて基板を貼り合わせ、図6に示すような
反射型STNセルを作成した。さらに、セル中に、実施
例1と同様の混合材料(光重合開始剤だけをKAYAC
URE DETX−S:日本化薬社製に変更:吸収曲線
を図9に示す。350〜400nmの可視光で重合させ
る効果がある。)を真空注入(100Pa、30℃で注
入開始直後、ただちに基板と注入皿を60℃に上昇させ
て注入する。)し、反射板側から実施例1と同様の紫外
線照射強度で80℃、10分間連続照射を行い、その
後、80℃から5時間で25℃まで徐冷を行った。作成
したセルのリタデーション(△n1 ・d1 )は、650
nmであった。作成したセルに一枚の偏光板2と光学位
相補償機能を有する位相差板22(△n2 ・d2 =35
0nm)を図6に示すように貼り合わせ反射型一枚偏光
板方式のSTNセルを作成した。
【0065】作成した液晶表示装置に、図2(a)に示
す静電誘導方式で表示一体型用回路を接続し、液晶入出
力表示装置を作成した。作成した液晶入出力装置の断面
図を図に示す。(保護パネルはつけていない。)さら
に、作成した装置を用いペン入力を行っても、ほとんど
表示の変化が見られなかった。
【0066】(比較例2)実施例2中で作成した液晶表
示セルを用いて、液晶材料(実施例1で使用した液晶材
料とカイラル剤の混合物)だけをセル中に注入し、液晶
表示セルを作成した。作成したセルに、実施例2と同様
に偏光板を貼り合わせて、従来のSTN表示素子(プラ
スチック基板使用)を作成した。作成した液晶表示装置
に、図2(a)に示す静電誘導方式で表示一体型用回路
を接続し、液晶表示入出力装置を作成した。作成した装
置を用いて、ペン入力を行ったが、ペン圧を加えると表
示反転などの表示むらがでて、醜い表示となった。さら
に、表示終了後もペン圧の加わった部分には、配向乱れ
が数秒間見られた。(特に、黒表示の場合表示斑、配向
乱れが顕著であった。) (実施例3)本発明の一実施例の液晶表示入出力装置
を、図10の断面図を使って説明する。実施例1と同様
に2枚のガラス基板3(1.1mm厚)上にITO(酸
化インジウムおよび酸化スズの混合物、500オングス
トローム)を透明電極4として有する基板を、6μmの
スペーサー(図示せず)によってセル厚を保たせること
により、液晶表示セルを構成した。作成した液晶表示セ
ル上に図11に示すような遮光部32と透光部33から
なるホトマスクを配置し、さらに液晶表示セル中に、R
−684(日本化薬社製)0.1gと、スチレン0.0
5gと、イソボルニルメタクリレート0.85g、さら
に、液晶材料ZLI−4792(メルク社製:S−81
1 0.4重量%含有)が4gと、光開始剤Iruga
cure651が0.0025gを混合した混合物を作
成した。該混合物を透明状態(35℃)で注入し、その
後、同じ温度を保って前記ホトマスクのドットパターン
側から平行光線を得られる高圧水銀ランプ下10mW/
cm2 のところで1秒照射、30秒間照射無しのサイク
ルを20サイクル行い、その後、10分間紫外線を照射
して樹脂を硬化させた。作成した液晶表示セルを偏光顕
微鏡で観察したところ、ドットパターンと同じ規則性
(絵素電極39と同じ規則性)を有する液晶ドメインが
観察された。
【0067】作成したセルの前後に、互いに直交する2
枚の偏光板2を貼り合わせて液晶領域41が高分子壁4
0に囲まれた液晶表示素子を作成した。作成したセルを
偏光顕微鏡で観察したところ、図12に示すように、絵
素内にはほぼ一つの液晶ドメインが存在し、液晶ドメイ
ン内の液晶分子が放射状か同心円上に配向したときに見
られるシュリーレン模様42が観察された。
【0068】(比較例3)実施例3中で作成した液晶表
示セルをもちいて、液晶材料ZLI−4792(メルク
社製:S−811を0.4重量%含有)をセル中に注入
し、従来使用されているTN型液晶表示装置を作成し
た。作成したセルに偏光軸が一致するように偏光板を貼
り合わせて液晶表示セルを完成させた。
【0069】作成した液晶表示装置に、図2(b)に示
すような電磁誘導方式のタブレットを液晶表示セルの下
部に接続し、液晶表示入出力装置を作成した。(上面の
保護パネルはつけていない。)そして、作成した装置を
用いて、ペン入力を行ったところ、ペン圧を加えると表
示反転などの表示むらがでて、醜い表示となり、入力部
で表示の変化が見られた。
【0070】(実施例4)本発明の一実施例の液晶表示
入出力装置を、図1の断面図を使って説明する。2枚の
ガラス基板3上に蒸着法により膜厚約100nmのIT
O膜で透明電極4を形成し、ウエットエッチング法によ
り、複数の電極線が平行に設けられた基板を形成した。
このガラス基板3の電極線の形成面上に膜厚が約50n
mのポリイミド配向膜をスピンコート法で塗布し、19
0℃で1時間焼成し、次いで一軸方向にラビング処理を
行い、配向膜5を付与した。
【0071】このラビング処理は、2枚のガラス基板3
の電極線の形成面を向かい合わせて、電極線が相互に直
交するように貼り合わせたときに、両基板のラビング処
理方向が同一になるようにおこなった。この基板上にセ
ル厚を制御すべくスペーサー(図示せず)として2μm
のシリカビーズを散布し、2枚の基板を貼り合わせて液
晶表示セルを作成した。
【0072】次に、強誘電性液晶組成物ZLI−400
3(メルク社製)0.80gと、高分子前駆体としてポ
リエチレングリコールジアクリレート(商品名:NKエ
ステルA−200、新中村化学工業(株)製)0.02
gと、ラウリルアクリレート(商品名:NKエステルL
A、新中村化学工業(株)製)0.18gとを均一に混
合した混合物を、基板間に注入した。この基板−高分子
前駆体混合物は、常圧でネマチック相もしくは等方液体
相状態にある。この液晶−高分子前駆体混合物について
の相転移温度を以下に示す。
【0073】SmC<25℃<SmA<31℃<Ch<
35℃<Iso 次に、図4に示すような遮光用ホトマスクを設置した。
液晶−高分子前駆体混合物がネマチック相もしくは等方
液体相にある状態において、平行光線を得られる高圧水
銀ランプを用いて、10mW/cm2 の照射強度で2分
間、ホトマスク側から紫外線を照射した。この照射によ
り液晶−高分子前駆体混合物は光硬化し、液晶7と高分
子6との混合物の相分離が起こった。
【0074】この相分離の状態を顕微鏡で観察したとこ
ろ、前記ホトマスクにより遮光されている領域には高分
子からなる壁は形成されず、紫外線の照射されている領
域とその近傍には壁が形成されていることが確認され
た。
【0075】また、このセルを、直交ニコルを有する偏
光顕微鏡により観察すると、紫外線が遮光された領域に
形成された液晶滴の中心部では、基板のラビング方向に
通常のSSF(Surface Stabilized Ferroelectric)
型の配向をしており、高分子からなる壁の近傍で急激に
配向性が変化し、垂直配向を示すようになることが確認
された。
【0076】作成した液晶表示装置に、図2(b)に示
すような電磁誘導方式のタブレットを液晶表示セルの下
部に接続し、液晶表示入出力装置を作成した。(上面の
保護パネルはつけていない。)そして、作成した装置を
用いて、ペン入力を行ったところ、ペン圧を加えると表
示反転などの表示むらがでて、醜い表示となり、入力部
で表示の変化が見られた。
【0077】(比較例4)実施例4中で作成した液晶表
示セルを用いて、強誘電性液晶組成物ZLI−4003
(メルク社製)をセル中に注入し、一旦120℃にまで
加熱して、その後、室温まで徐冷することにより、従来
作成されている強誘電性液晶表示素子を作成した。そし
て、偏光軸を配向方向にそろえた偏光板を貼り合わせ
た。作成した液晶表示装置に、図2(a)に示す静電誘
導方式で表示一体型用回路を接続し、液晶入出力表示装
置を作成した。作成した装置を用いてペン入力を行った
が、ペン圧を加えると表示反転などの表示むらがでて、
醜い表示となった。さらに、表示終了後もペン圧の加わ
った部分に配向乱れが数秒間見られた。(特に、黒表示
の場合表示斑、配向乱れが顕著であった。)
【0078】
【発明の効果】本発明は、従来使用されていた液晶表示
モード(TN、STN、FLC、広視野角モード)をポ
リマーマトリックス内に、マイクロセルとして疑似固体
化し、外圧に対してセル厚の変化が少なく、ペン入力な
どにも保護フィルム(厚みがあり表示とペン位置に視差
が生じる。)なしで使用することができるペン入力機能
を有する液晶表示装置を提供することが可能である。さ
らに、フィルム基板を用いてセルを作成した場合、軽量
で外部変形によっても、表示変化が生じにくく、割れに
くい液晶表示入出力素子を作成することが可能となる。
【0079】上記特性を生かすことにより、携帯用情報
端末装置などの入出力表示装置として、特に有効な活用
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例における代表的なセ
ル構造の断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の一実施例における液晶
表示入出力装置の回路構成図である。図2(b)は、従
来方式の液晶表示入出力装置の概略図である。図2
(c)は、本発明の一実施例における静電誘導方式の液
晶表示入出力装置の概略図である。
【図3】図3は、 本発明の一実施例におけるプラスチッ
クSTNの断面図である。
【図4】図4は、本発明の一実施例で使用したホトマス
クの平面図である。
【図5】図5は、 本発明の一実施例の液晶表示セルの偏
光顕微鏡写真のスケッチ図である。
【図6】図6は、 本発明の一実施例における反射型ST
Nセルの断面図である。
【図7】図7は、実施例2の作成時に使用した基板の吸
収曲線を示す図である。
【図8】図8は、 本発明の一実施例で使用した反射基板
の平面図である。
【図9】図9は、実施例2の作成時に使用した光開始剤
の吸収曲線を示す図である。
【図10】図10は、 本発明の一実施例におけるセル構
造図の断面図である。
【図11】図11は、 本発明の一実施例におけるホトマ
スクの平面図である。
【図12】図12は、液晶領域の構造図(偏光顕微鏡写
真のスケッチ図)である。
【符号の説明】
1 入力装置 2 偏光板 3 基板 4 透明電極 5 配向膜 6 高分子壁 7 液晶 8 遮光部 9 透過部 10 液晶領域 11 ポリマー領域 12 反射部 13 カラーフィルター 14 保護膜 22 位相差板 29 反射金属膜 30 平滑化膜 31 突起 32 遮光部 33 透光部 34 ブラックマスク 35 対向電極 36 ライン 37 TFT 38 TFT基板 39 絵素電極 40 ポリマー領域 41 液晶領域 42 シュリーレン模様 60 タブレットパネル 61 液晶パネル 62 液晶表示一体型電磁誘導方式タブレット 63 入力ペン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02F 1/1343 G02F 1/1343 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/133 530 G02F 1/1339 500 G02F 1/1337 - 1/1337 530 G02F 1/1343

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明である一対の電極
    基板と、該一対の電極基板間に挟持された表示媒体層
    と、該一対の電極基板上にそれぞれ形成された電極の交
    差する部分でマトリックス状に配列された複数の絵素と
    で構成される液晶表示素子と、所定の場所を指示するこ
    とにより位置を検出する入力機能とを合わせ持つ液晶表
    示入出力装置において、 前記液晶表示装置の表示媒体層が、高分子壁と、該高分
    子壁により実質的に囲まれているとともに前記複数の絵
    素の配列状態に対応して規則的に配置されている液晶領
    域とからなり、 前記液晶領域は、複数の液晶ドメインを有しており、該
    液晶ドメインが、ランダムまたは放射状に配置されてい
    ことを特徴とする液晶表示入出力装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも一方が透明である一対の電極
    基板と、該一対の電極基板間に挟持された表示媒体層
    と、該一対の電極基板上にそれぞれ形成された電極の交
    差する部分でマトリックス状に配列された複数の絵素と
    で構成される液晶表示素子と、所定の場所を指示するこ
    とにより位置を検出する入力機能とを合わせ持つ液晶表
    示入出力装置において、 前記液晶表示装置の表示媒体層が、高分子壁と、該高分
    子壁により実質的に囲まれているとともに前記複数の絵
    素の配列状態に対応して規則的に配置されている液晶領
    域とからなり、 前記液晶領域内の液晶分子は、ランダム、放射状または
    同心円上に配向していることを特徴とする液晶表示入出
    力装置。
  3. 【請求項3】 前記液晶表示素子の該一対の電極基板と
    前記高分子壁とが、互いに密着していることを特徴とす
    る請求項1および請求項2に記載の液晶表示入出力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記液晶表示素子の液晶表示電極が、入
    力検知電極として動作する液晶表示一体型タブレット方
    式であることを特徴とする請求項1および請求項2に記
    載の液晶表示入出力装置。
  5. 【請求項5】 前記入力機能が電磁誘導方式、静電結合
    方式、または、抵抗膜方式であることを特徴とする請求
    項1および請求項2に記載の液晶表示入出力 装置。
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