JPH08278488A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH08278488A
JPH08278488A JP7079036A JP7903695A JPH08278488A JP H08278488 A JPH08278488 A JP H08278488A JP 7079036 A JP7079036 A JP 7079036A JP 7903695 A JP7903695 A JP 7903695A JP H08278488 A JPH08278488 A JP H08278488A
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liquid crystal
polymer wall
crystal display
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JP7079036A
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Ippei Ino
一平 伊納
Yoshihiro Shirai
芳博 白井
Makoto Shiomi
誠 塩見
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1339Gaskets; Spacers; Sealing of cells
    • G02F1/13394Gaskets; Spacers; Sealing of cells spacers regularly patterned on the cell subtrate, e.g. walls, pillars
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
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    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133528Polarisers

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画面が明るく、かつ基板変形がなく、視差が
少なくて目に優しい。 【構成】 電極基板の対向面側に配向膜1A,1Bが設
けられ、これら配向膜1A,1B間に、格子状にパター
ン化された高分子壁2とこの高分子壁2に囲まれた液晶
3とを設けている。さらに、これを偏向板4,5の間に
設けている。このとき、高分子壁2は旋光性高分子から
なり、電極への電圧印加に関わらず上下の配向膜1A,
1Bの配向規制力に応じて液晶3と同等で一定の旋光度
を有している。この高分子壁2は、配向膜1A,1B間
で0からπ/2(rad)の範囲で捻られているため、
偏光板4によって得られた直線偏光の偏光面を高分子壁
2で捻り、捻られた直線偏光は液晶表示素子を挟持した
偏光板4,5間を透過するようになり、明るい表示とな
る。また、パターン化された高分子壁2によりペン入力
に対しても基板変形がなく、視差が少なくて目に優し
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばパーソナルコン
ピュータ、ワードプロセッサ、携帯情報端末、特に画面
上に直接入力可能な携帯情報端末などの液晶表示ディス
プレイに用いられる液晶表示素子およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この液晶表示素子は薄型軽量
で消費電力が小さいという特徴を活かし、ノート型のパ
ーソナルコンピュータやワードプロセッサ、および電子
手帳などの携帯情報端末、電子卓上計算機などに用いら
れている。
【0003】これらパーソナルコンピュータやワードプ
ロセッサは文章入力が多いため、入力デバイスとしてキ
ーボードが取り付けられている。一方、携帯情報端末で
は、キーボードを取り付けて大量の文書データを入力す
るのではなく、メモ程度の文字情報を入力すれば十分
で、むしろ既に入力されている情報を検索したり、取り
出して加工することが重要である。そのため、キーボー
ドを取り除き、液晶表示素子上に感圧式入力デバイスが
設置されて、画面上に直接入力可能な携帯情報端末とし
ている。
【0004】また、ワードプロセッサやパーソナルコン
ピュータにおいても、画面上に直接入力するために、感
圧式や電磁誘導式などの入力デバイスをキーボードとは
別に設置し、領域指定などの作業性の向上を図ってい
る。
【0005】これらの入力デバイスは、画面上を直接的
にペンなどで押圧入力するが、従来の液晶表示素子で
は、透明基板間に液晶を挟持した構造であるために、入
力時のペンなどによる押圧に伴って液晶表示素子を構成
している基板が変形し、液晶層の厚みを変化させてしま
うため表示にムラが出るという問題があった。
【0006】この問題を解決するため、従来は、液晶表
示素子上に設置される入力デバイスは剛性の高い2mm
程度の厚いガラスを用い、さらに、液晶表示素子と入力
デバイスの間に空隙をもうけてきた。このような構造で
は、液晶表示部と押圧入力部が離れているために視差が
生じ、精細な液晶表示画面上への精細な入力がしにくい
という問題を有していた。
【0007】特に、携帯情報端末においては、メモなど
を記入する機能を有しているのだが、入力部のペン先と
入力跡を表示する液晶表示とのズレが気になっていた。
【0008】以上の問題を解決するために、特開平6ー
301015号公報のように、液晶表示素子の基板間
(液晶層挟持部)に高分子による壁を形成し、液晶表示
素子の押圧に伴う変形を阻止する方法が記載されてい
る。この方法によれば、剛性の高い2mm程度の厚いガ
ラスを設ける必要がなく、押圧に伴う基板変形を阻止す
ることができるために、視差が生じない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の特開平6ー
301015号公報などの液晶表示素子では、反射型で
電圧無印加時に白色表示となるノーマリーホワイトで、
画素周囲の高分子壁が下記に述べるような理由によって
着色して格子状に画素を囲むため、液晶表示素子の明る
さが低減するという問題があった。
【0010】つまり、反射板から液晶表示素子へ入射さ
れる光は反射板直上の偏光板によって直線偏光とされ
る。この直線偏光は基板上で配向処理をされた配向膜間
の液晶の旋光性によって電場振動面(偏光面)が捻ら
れ、液晶表示素子に具備される偏光板間を透過できるよ
うになって液晶表示素子は白色表示となる。このとき、
液晶の配向方向と偏光板の偏光透過軸は最適化されてい
る。しかし、非画素部に形成した高分子壁が等方性であ
ると、この直線偏光は電場振動面(偏光面)を捻られる
ことが無く、液晶表示素子に具備された偏光板間を透過
できない。STN液晶はその旋光による位相差に伴う着
色を位相差板で補償しているが、高分子部が等方性であ
ると偏光板と位相差板が設置されるために高分子壁部が
着色してしまう。位相差板の無いSTN液晶表示素子や
TN液晶の場合、等方性の高分子壁部は偏光板の捻じれ
角に従って黒色から灰色になる。
【0011】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、高分子壁部の着色を低減することができて明るく、
かつ基板変形がなく、視差が少なくて目に優しい液晶表
示素子およびその製造方法と提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、パターン化された高分子壁と該高分子壁により部分
的または全体的に囲まれた液晶領域とを挟持した一対の
電極基板を、一対の偏向板間に有する液晶表示素子にお
いて、該高分子壁が、電極への電圧印加に関わらず該電
極基板の配向規制力に応じた一定の旋光度を有している
ものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】また、好ましくは、この液晶表示素子にお
ける高分子壁は、環状炭化水素が長軸方向に連続結合さ
れており、電極基板の配向膜により配向規制を受ける官
能基と、該官能基の両端または片端に光で付加重合する
付加重合基とを少なくとも有するモノマーの付加重合に
よる高分子材料からなる。さらに、好ましくは、この液
晶表示素子における配向膜の配向規制を受ける官能基と
して、環状炭化水素またはポリフェニレン、フェニルシ
クロヘキサン、安息香酸アニリド、安息香酸フェニル、
フェニルエーテル、シクロペンタンアミド、シクロペン
タンアミドフェニルを用い、付加重合基としてアクリル
基またはメタクリル基、ビニル基を用いている。
【0014】また、本発明の液晶表示素子の製造方法
は、パターン化された高分子壁と該高分子壁により部分
的または全体的に囲まれた液晶領域とを挟持した一対の
電極基板を、一対の偏向板間に有する液晶表示素子の製
造方法において、該電極基板上の配向膜により配向規制
を受ける官能基を有する光硬化性モノマーと液晶との混
合液を該電極基板間に注入し、該液晶が等方相になる
が、該官能基が配向規制を受ける温度で、光を選択的に
照射して液晶と該モノマーの重合によって得られる高分
子を相分離させることにより、該官能基が0〜(π/
2)radで捻れた該高分子壁と該高分子壁により部分
的または全体的に囲まれた液晶領域とを得るものであ
り、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
【作用】本発明においては、高分子壁は旋光性高分子か
らなり、電極への電圧印加に関わらず上下の配向膜の配
向規制力に応じて一定の旋光度を有しており、この壁を
構成する高分子材料の側鎖である官能基が配向膜間で所
定範囲で捻れているため、偏光板によって得られた直線
偏光の偏光面を旋光性の高分子壁で捻り、捻られた直線
偏光は液晶表示素子を挟持した偏光板間を透過するよう
になって、明るい表示となる。そのため表示素子周囲の
明るさが低下しても文字表示がはっきりし、目に優しい
液晶表示素子となる。特に、明るさを重視する反射型ノ
ーマリーホワイト表示(電圧無印加で白表示)の液晶表
示素子においてその効果が大きい。
【0016】また、液晶領域を囲む高分子壁を形成する
光硬化性モノマーの官能基が配向膜によって配向規制を
開放される温度が、液晶が等晶性となる温度よりも高
い。このため、液晶とこの官能基を有する光硬化性モノ
マーとの混合液を電極基板間に注入し、液晶が等方相に
なるが、この官能基が配向規制を受ける温度で、例えば
非画素部に選択的に紫外光などの光を照射すると、その
官能基が配向規制を受けた状態で光硬化性モノマーが重
合し、この非画素部の配向膜間に側鎖の官能基が所定範
囲、例えば0〜(π/2)radで捻れた旋光性高分子
壁が容易に得れる。このとき、液晶とこの高分子は相分
離を起こすため、液晶は画素部の配向膜間で非画素部の
高分子壁に囲まれた状態となる。
【0017】また、画素内の液晶は非画素部の高分子壁
によって、例えば、あたかも植物細胞の細胞質が細胞壁
によって囲まれているような格子状構造とすることがで
きるため、入力デバイス一体型または入力デバイスを直
接設置した構造の液晶表示素子においても、ペンなどの
押圧入力による基板変形がなく、視差が少なくて目に優
しい入力機能付き液晶表示素子となる。
【0018】また、高分子壁の主鎖が3次元状に絡んで
いるため摩擦などの静電気の印加によって配向官能基の
配向が乱れることがないので一定の旋光度を有し部分的
な着色を生じない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0020】図1は本発明の一実施例を示す液晶表示素
子における旋光性高分子による偏光振動面の回転を説明
するための模式図である。
【0021】図1において、液晶駆動用透明電極を具備
した透明電極基板の対向面側にそれぞれ、一対の配向処
理がなされた上下の配向膜1A,1Bがそれぞれ設けら
れている。これら透明電極基板の配向膜1A,1B間
に、格子状にパターン化された高分子壁2とこの高分子
壁2に囲まれた液晶3とを設けている。さらに、これら
高分子壁2および液晶3を挟持した一対の透明電極基板
を、偏向板4,5の間に設けている。このとき、高分子
壁2は旋光性高分子からなり、透明電極への電圧印加に
関わらず上下の配向膜1A,1Bの配向規制力に応じて
液晶3と同等で一定の旋光度を有している。これによ
り、本実施例の液晶表示素子が構成される。上記構成に
より、以下、その作用を説明する。
【0022】電圧無印加の状態で、画素部の液晶3は配
向膜1A,1Bの配向規制を受け、これら配向膜1A,
1B間を連続的に捻れている。このため、液晶表示素子
に具備された偏光板4によって得られた直線偏光は液晶
3を透過する時にその電場振動面(偏光面)を液晶によ
って捻られ、液晶表示素子に具備された偏光子4,5間
を透過するようになり、白色表示となる。
【0023】また、非画素部に格子状にパターニングさ
れた高分子壁2は、この高分子壁2を構成する高分子の
側鎖のパラ位に連続したフェニル基、芳香族エステル
基、芳香族アミド基に代表される官能基が、配向膜1
A,1Bの配向処理による配向方向に配向規制を受け
て、基板の配向膜1A,1B間を0〜π/2(rad)
の範囲で連続的に捻れている。そのため、非画素部の格
子状の高分子壁部2を透過する直線偏光6Aはその電場
振動面7Aを電場振動面7Bに捻られ、液晶表示素子に
具備された偏光子4,5間を透過する。そのため、高分
子壁2からなる格子の着色程度が低減され、画素と非画
素部の着色程度の差が小さい明るい液晶表示素子を得る
ことができる。なお、液晶部の直線偏光振動面の捻れと
高分子壁の直線偏光振動面の捻れは、必ずしも一致する
必要はない。
【0024】ここで、高分子壁2の側鎖の官能基「γ」
が配向膜1A,1B間で0〜π/2(rad)で捻れて
いる高分子壁構造を形成する旋光性高分子材料につい
て、以下、詳しく説明する。
【0025】図2は、図1の高分子壁2を構成する旋光
性高分子が配向膜1A,1B間で捻れている様子を示し
ており、aは化学構造がはしご状である場合の構造図、
bは化学構造が連鎖状である場合の構造図である。
【0026】図2において、紫外光照射によって、2重
結合(π結合)が付加重合する重合官能基「α」の側鎖
にスペーサ基「β」を介して、分子内に上下の配向膜1
A,1Bの配向規制を受ける配向官能基「γ」を有する
構造のモノマーで、紫外光を照射することにより重合官
能基「α」が付加重合することにより主鎖2Aを形成し
て、図2aのように化学構造がはしご状、または、図2
bのように化学構造が連鎖状に高分子化する。このと
き、紫外光照射が上記プロセスのように非画素部にだけ
なされるため、非画素部だけが光重合し、非画素部に画
素を囲むように格子状高分子壁構造を形成する。この格
子状の高分子壁2を構成するモノマーは、図2aおよび
図2bのように配向膜1A,1B間で捻れた状態で光重
合している。このような特性を得るモノマーの化学構造
はそれぞれ、「α−β−γ−β−α」、「α−β−γ」
をとる。
【0027】また、図2aのように、重合官能基「α」
が、スペーサ基βを介して配向官能基「γ」の両側に有
ると、光重合による架橋が3次元に進むため、強固な高
分子壁2を形成することになる。これは、側鎖2Bを介
した3次元架橋となるため、主鎖2Aが動きにくくなる
ためである。
【0028】なお、図2では、配向官能基「γ」がスペ
ーサ基「β」を介して重合官能基「α」と結合している
場合を示したが、配向官能基「γ」がスペーサ基「β」
を介さない構造で重合官能基「α」と直接結合していて
も構わない。この場合、モノマーの化学構造はそれぞれ
「α−γ−α」,「α−γ」をとり、どちらか一方がス
ペーサ基「β」を介した構造の「α−β−γ−α」でも
よい。
【0029】これら重合官能基「α」、スペーサ基
「β」および配向官能基「γ」の化学構造について、さ
らに詳しく説明する。
【0030】まず、重合官能基「α」は、下記の(化
1)に示すように、ビニル基CH2=CHR(α−
1)、メタクリル基CH2=CCH3COO−R(α−
2)、アクリル基CH2=CHCOO−R(α−3)に
代表される付加重合基で、図3に示すように紫外光照射
によって光重合部のC=C結合(π結合)が開いてラジ
カル化し、π結合同士のラジカル重合によって重合す
る。この重合官能基「α」は、例えば下記の(化2)に
示すように、アゾビスイソブチロニトリル(29)、I
rugure(30)で代表される重合開始剤の存在下
であれば重合が容易になるので、上記モノマーの1/1
000〜1/100の範囲内で混在していても構わな
い。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】上記各化学構造式に有るRは、下記のスペ
ーサ基「β」、配向官能基「γ」で示される官能基であ
る。
【0034】スペーサ基「β」は、下記の(化3)に示
すように、メチレン鎖(CH2−CH2n(n=2〜1
0)(β−1)、エーテル基−C−O−C−(β−
2)、カルボニル基−COO−(β−3)で代表される
σ結合で結ばれた直鎖構造のスペーサ基で、重合官能基
「α」と配向官能基「γ」を結合する。
【0035】
【化3】
【0036】また、配向官能基「γ」は、下記の(化
4)に示すように、長軸方向にシクロペンタン(γ−
1)、ピロール(γー2)で代表される5員環、及びベ
ンゼン(γ−3)、シクロヘキサン(γ−4)、ピリジ
ン(γ−5)で代表される6員環からなる環状炭化水
素、さらに、環状炭化水素がσ結合で連続結合している
ビフェニル(γ−6)、ターフェニル(γ−7)に代表
されるポリフェニレン、また、フェニルシクロヘキサン
(γ−8)、及び上記環状炭化水素がアミド結合されて
いる例えば安息香酸アニリド(γ−9)、エステル結合
で結合されている例えば安息香酸フェニル(γ−1
0)、エーテル結合で結合されている例えばフェニルエ
ーテル(γ−11)を有する構造の芳香族官能基で、環
状炭化水素基の一部の水素を塩素、フッ素などのハロゲ
ンやシアノ基で置換しても構わない。
【0037】
【化4】
【0038】このような化学構造の配向官能基「γ」
は、下記の(化5)に示すように、配向膜1A,1Bと
して用いられるポリイミド系高分子31、ポリアミド系
高分子32のモノマーユニットに近い化学構造であるた
め、配向処理を施された上記ポリイミド、ポリアミドか
らなる配向膜1A,1Bのモノマーユニットと配向官能
基「γ」間の分子相互作用、例えばベンゼン環−ベンゼ
ン環の面間π電子相互作用33、配向膜1A,1Bのア
ミド基、エステル基への水素結合34が、液晶3と配向
膜1A,1B間よりも強く働くため、図4に示すよう
に、液晶5がアイソトロピック相を示すネマチック−ア
イソトロピック転移温度(Tni)よりも高く、配向官能
基「γ」が配向規制を受けなくなる限界温度(Tpi)よ
りも低温である温度領域Dであれば、液晶3がアイソト
ロピック相のまま配向官能基「γ」が配向処理を施され
た配向膜1A,1Bの配向規制を受ける。
【0039】
【化5】
【0040】この配向規制について説明すると、上記モ
ノマーは液晶3と混合して液晶表示素子基板間へ注入
し、液晶3がネマチック相を示さなくなる転移温度(T
ni)まで加熱しても、このモノマーの配向官能基「γ」
が配向処理を施された配向膜1A,1Bによって配向規
制を受けており、上下の配向膜1A,1B間で配向官能
基「γ」が図5で示す角度θ2(θ2=θ1−π)[ra
d]で捻れている。ここで、aは配向膜1Aの配向規制
方向、bは配向膜1Bの配向規制方向、θ1は液晶の捩
れ角、θ2は旋光性高分子の偏光回転角を示している。
【0041】本発明で用いた液晶(ロディック株式会社
製の液晶:RDP−157)はそのネマチック−アイソ
トロピック転移温度(Tni)は74℃であり、配向官能
基「γ」、例えば安息香酸アニリド(γ−9)が配向膜
1A,1Bの規制を受けなくなる限界温度(Tpi)は1
30℃以上であるので、配向官能基「γ」が配向規制を
受けながらも液晶3が配向規制を受けないアイソトロピ
ック状態である温度範囲から例えば90℃を選ぶことが
できる。
【0042】上記の重合官能基「α」、スペーサ基
「β」および配向官能基「γ」からなるモノマーは、配
向官能基「γ」がラビング法、斜方蒸着法、LB膜法、
スタンパ法に代表される配向処理が施された配向膜1
A,1Bの配向規制を受けた状態で、液晶3がアイソト
ロピック状態となる転移温度(Tni)以上の温度にて紫
外光を照射することによって、重合官能基「α」が光重
合して高分子化するため、配向官能基「γ」が図5で示
す角度θ2で捻れたまま硬化する。
【0043】このような旋光性高分子による偏光振動面
の回転をさらに説明すると、図1に示すように、入射側
偏光板4の偏光軸Pを配向膜1Aの配向処理方向aと平
行にすることによって、配向膜1Aの配向処理方向aと
平行な振動面7Aを持つ偏光6Aを、上記の側鎖の配向
官能基「γ」が配向膜1A,1Bによって配向規制を受
けている格子状高分子壁2に入射すると、角度θ2で偏
光振動面が捻れた振動面7Bとなる偏光6Bを得る。こ
こで、図6に示すように、配向規制を受けない、例えば
等方性高分子であるPMMAを格子状高分子壁2cとし
て用いると、配向膜1A,1B間で偏光振動面が捻じら
れないため、偏光6Cの偏光振動面7Cは偏光6Aと同
じ偏光振動面7Aを持つことになる。
【0044】図7は検光子として用いる偏向板5の回転
と波長532nmのYAGレーザ第2高調波の光線透過
率を示しており、偏光子5と検光子の偏光透過軸が平行
な時の角度を0度とし、横軸が検光子回転角を、縦軸が
光線透過率を示している。
【0045】図7の実線で示す曲線及び黒丸は図1の場
合を示しており、配向膜1A,1Bの配向処理角度θ1
が4π/3radであるように配向処理を施すことによ
り、配向官能基「γ」がθ2がπ/3radで捻じれて
いる高分子壁2を用い、検光子を回転して高分子透過後
の偏光6Bの偏光面7Bの捻じれによる光線透過率の変
化をプロットしたものを示している。図7は高分子壁2
の旋光度がπ/3であることを示している。ここで、必
ずしも光線透過率が100%及び0%とならないのは局
所的に配向が乱れているためである。
【0046】また、図7の点線で示す曲線及び黒四角は
図6の場合を示しており、高分子壁2cが等方性高分子
であるPMMAの厚さ10μmのキャスト膜では、偏光
6Aの捻じれは無く、光線透過率はクロスニコル状態
で、偏光板4と検光子として用いる偏向板5の偏光透過
軸が直交している状態、即ち図7における90度(π/
2rad)及び−90(−π/2rad)で光線透過率
は0%となり、偏光子4と検光子がその偏光透過軸が平
行な時100%となる。これはPMMAが等方性で旋光
度が0であることを示している。
【0047】以上の実施例の液晶表示素子の具体的な各
構成例として、以下に示す具体例1〜9で説明する。
【0048】(具体例1)図8は本発明の実施例におけ
る具体例1のSTNモードで反射型ノーマリーホワイト
表示の液晶表示素子の構成を示す断面図であり、図9
は、図8の液晶表示素子の上面図である。
【0049】図8および図9において、透明基板11
A,11B上にそれぞれ、液晶駆動用の透明電極12
A,12B、絶縁層13A,13B、さらに配向膜14
A,14Bがそれぞれ設けられて上下の透明電極基板が
それぞれ構成される。これら透明電極12A,12Bは
それぞれストライプ状に形成されており、透明電極12
A,12Bが互いに直交するように透明電極基板が上下
に対向して配設されている。これらストライプ状の透明
電極12A,12Bの重なった部分に画素部15を形成
している。また、一対の透明電極基板の配向膜14A,
14Bの間に液晶16と、格子状高分子壁17、及びス
ペーサ18が挟持され、透明電極基板間がシール材19
によって貼合わされている。このとき、高分子壁17は
画素15内の液晶16の周囲を囲むように形成されてい
る。さらに、透明基板11Aの配向膜14A側とは反対
側の面には、反射板20付き偏光板21が設置され、ま
た、透明基板11Bの配向膜14B側とは反対側の面に
は位相差板22と偏光板23が設置されている。
【0050】また、配向膜14A,14Bは、透明電極
基板間がシール材19で貼り合わされる前に、図5に示
すように、その配向規制方向が時計回りに4π/3ra
d回転するように配向処理されている。ここで、配向方
向aは配向膜14Aの配向規制方向で、配向方向bは配
向膜14Bの配向規制方向を示しているものとすれば、
θ1は液晶16の捻じれ角を示す。また、配向規制方向
の回転は反時計方向であってもかまわない。
【0051】なお、図10に示すように、図8の透明基
板11Bと位相差板22の間に、透明電極12C,12
Dを用いて感圧式入力素子24を介装して設けてもよ
い。
【0052】上記本具体例1の高分子壁17は、図11
a〜図11gの各製造行程図に示すようにして形成する
ことができる。
【0053】まず、図11aに示すように、透明基板1
1A,11B上にそれぞれ透明電極12A,12Bをそ
れぞれパターニングして形成する。
【0054】次に、図11bに示すように、透明電極1
2A,12Bをそれぞれ覆うように絶縁膜13A,13
Bをそれぞれ形成し、さらに、図11cに示すように、
絶縁膜13A,13B上にそれぞれポリアミド(32)
系の配向膜14A,14Bをそれぞれ形成する。さら
に、これら配向膜14A,14Bにそれぞれラビング法
による配向処理を施す。このときの配向方向が図5に示
す配向方向a,bである。
【0055】さらに、図11dに示すように、配向膜1
4A上にスペーサ18を適量散布し、配向膜14A,1
4Bが内側になるように透明電極基板をシール材19を
介して貼り合わせてセルを構成する。
【0056】さらに、図11eに示すように、液晶材料
(RDP−157)と旋光性高分子としてのモノマーを
ブレンドした混合液25を上記セル内に注入し、注入口
を封止する。このとき、モノマーと液晶の混合比は画素
15の開口率と等しくするのが望ましい。例えば画素ピ
ッチ0.30mmで画素間0.02mmの場合、開口率
が87.1%となるので、液晶材料:モノマー=87.
1:12.9とする。ここで用いるモノマーは、例えば
重合官能基「α」にアクリル基(α−3)、スペーサ基
「β」に(CH2−CH28、配向官能基「γ」に2つ
のフェニル基のパラ位をアミド結合で結合した安息香酸
アニリド(γ−9)を用い、このときの結合形式は「α
−β−γ−β−α」となる。
【0057】さらに、図11fに示すように、図4に示
す液晶のネマチック−アイソトロピック相転移温度(T
ni)となる温度以上で、かつモノマーの側鎖の官能基、
例えば安息香酸アニリド(γ−9)が配向膜14A,1
4Bの規制を受ける温度(本具体例1の場合は摂氏90
度)で画素15と同じサイズの遮光部26aを持つホト
マスク26を用いて紫外光27を光量3〜4J/cm2
で照射する。
【0058】なお、画素15を構成する透明電極12
A,12Bの波長365nmの紫外光透過率が20〜5
0%で、透明電極12A,12Bの無い部分(非画素
部)の紫外光透過率が透明電極12A,12B部分の2
倍(40〜100%)であれば、上記ホトマスク26を
用いずに、透明基板11A,11Bの両側から紫外光2
7を照射することにより、透明電極12A,12Bをセ
ルフアライメントとして液晶と高分子を相分離させても
構わない。
【0059】このようにして、紫外光27を混合液25
に光強弱を選択的に付けて照射することにより、光強領
域では、混合液25のモノマーのアクリル基(α−3)
が付加重合し、図2の主鎖2Aを形成して、3次元網目
状に架橋する。このモノマーは光重合によって高分子化
することにより、液晶相と高分子相へと分離する。この
とき、高分子は紫外光照射部だけに形成されるので、図
11gに示すように、ホトマスク26のパターンの格子
状に高分子壁17が形成されることになる。
【0060】紫外光27を照射後、室温(摂氏約25
度)まで徐冷し、その後、室温で再度紫外光27を照射
して高分子相の残留重合基の架橋を促し、液晶相との相
分離を完全なものとする。
【0061】その後、図11hに示すように、反射板2
0付き偏光板21を透明基板11A側に貼り付け、ま
た、位相差板22さらに偏光板23を透明基板11B側
に貼り付けて、透明電極基板間に非画素部に格子状の高
分子壁17と、この高分子壁17に囲まれた液晶16と
を持つ液晶表示素子を得る。
【0062】なお、図10のように押圧式入力素子24
を設けても構わない。
【0063】したがって、このようにして製造した旋光
性高分子壁17を画素部15の周りに持つ液晶表示素子
は、旋光性高分子壁17がπ/3radの旋光性を持つ
ため、高分子壁17も液晶16と同じく光を透過するた
めに極めて明るい表示が得られる。また、画素部15内
の液晶16が非画素部の格子状高分子壁17によって、
あたかも植物細胞の細胞質が細胞壁によって囲まれてい
るような格子状構造のため、入力デバイス24を直接設
置した構造の液晶表示素子においても、ペンなどの押圧
入力による基板の変形がない。このため、視差の少ない
目に優しい入力機能付き液晶表示素子を得ることができ
る。
【0064】(具体例2)本具体例2では、配向膜の配
向規制方向が時計回りに13π/9rad回転するよう
に配向処理されていること以外は、上記具体例1と同じ
構成である。
【0065】この具体例2の液晶表示素子は、具体例1
と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子状の
高分子壁17aによって囲まれている構造のため、入力
デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子におい
ても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がないた
め、視差の少ない目に優しい入力機能付き液晶表示素子
を得ることができ、さらに、高分子壁17aが4π/9
radの旋光性を持つため、高分子壁17も液晶16と
同じく光を透過するために極めて明るい表示が得られ
る。
【0066】(具体例3)本具体例3では、配向膜の配
向規制方向が時計回りにπ/2rad回転するように配
向処理されることによって、絵素部15内の液晶16が
TN配向していること以外は、上記具体例1と同じ構成
である。
【0067】この具体例3の液晶表示素子は、具体例1
と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子状の
高分子壁17bによって囲まれている構造のため、入力
デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子におい
ても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がないた
め、視差の少ない目に優しい入力機能付き液晶表示素子
を得ることができ、さらに、高分子壁17bがπ/2r
adの旋光性を持つため、高分子壁17bも液晶16と
同じく光を透過するため極めて明るい表示が得られる。
【0068】(具体例4)本具体例4では、モノマーの
配向官能基「γ」に2つのフェニル基のパラ位をエステ
ル結合で結合した安息香酸フェニル(γ−10)(Tpi
=120℃)を用いること以外は、具体例1と同じ構成
である。
【0069】この具体例4の液晶表示素子を作製したと
ころ、上記具体例1と同じく画素部15内の液晶16が
非画素部の格子状の高分子壁17cによって囲まれてい
る構造のため、入力デバイス24を直接設置した構造の
液晶表示素子においても、ペンなどの押圧入力による基
板の変形がない。このため、視差の少ない目に優しい入
力機能付き液晶表示素子を得ることができ、さらに、高
分子壁17cがπ/2radの旋光性を持つため、高分
子壁17cも液晶16と同じく光を透過するため極めて
明るい表示が得られる。
【0070】(具体例5)本具体例5では、モノマーの
配向官能基「γ」に2つのフェニル基のパラ位をエーテ
ル結合で結合したジフェニルエーテル(γ−11)(T
pi=110℃)を用いること以外は、具体例1と同じ構
成である。
【0071】この具体例5の液晶表示素子は、上記具体
例1と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子
状の高分子壁17dによって囲まれている構造のため、
入力デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子に
おいても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がな
い。このため、視差の少ない目に優しい入力機能付き液
晶表示素子を得ることができ、さらに、高分子壁17d
がπ/2radの旋光性を持つため、高分子壁17dも
液晶16と同じく光を透過するため極めて明るい表示が
得られる。
【0072】(具体例6)本具体例6では、モノマーの
重合官能基「α」にメタクリル基(α−1)を用いるこ
と以外は、具体例1と同じ構成である。
【0073】この具体例6の液晶表示素子は、上記具体
例1と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子
状の高分子壁17eによって囲まれている構造のため、
入力デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子に
おいても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がな
い。このため、視差の少ない目に優しい入力機能付き液
晶表示素子を得ることができ、さらに、高分子壁17e
がπ/2radの旋光性を持つため、高分子壁17eも
液晶16と同じく光を透過するため極めて明るい表示が
得られる。
【0074】(具体例7)本具体例7では、モノマーの
スペーサー基「β」にエーテル基(β−2)を用いるこ
と以外は、具体例1と同じ構成である。
【0075】この具体例7の液晶表示素子は、上記具体
例1と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子
状の高分子壁17fによって囲まれている構造のため、
入力デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子に
おいても、ペンなどの押圧入力による成基板の変形がな
い。このため、視差の少ない目に優しい入力機能付き液
晶表示素子を得ることができ、さらに、高分子壁17f
がπ/2radの旋光性を持つため、高分子壁17fも
液晶16と同じく光を透過するため極めて明るい表示が
得られる。
【0076】(具体例8)本具体例8では、モノマーの
配向官能基「γ」に2つのシクロペンタン基のパラ位を
アミド結合で結合した下記の(化6)に示すシクロペン
タンアミド(γ−12)(Tpi=100℃)を用いるこ
と以外は、上記具体例1と同じ構成である。
【0077】この具体例8の液晶表示素子は、上記具体
例1と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子
状の高分子壁17gによって囲まれている構造のため、
入力デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子に
おいても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がな
い。このため、視差の少ない目に優しい入力機能付き液
晶表示素子を得ることができ、さらに、高分子壁17g
がπ/2radの旋光性を持つため、高分子壁17gも
液晶16と同じく光を透過するため極めて明るい表示が
得られる。
【0078】
【化6】
【0079】(具体例9)本具体例9では、モノマーの
配向官能基「γ」にシクロペンタン基とフェニル基のパ
ラ位をアミド結合で結合した下記の(化7)に示すシク
ロペンタンアミドフェニル(γ−13)(Tpi=105
℃)を用いること以外は、上記具体例1と同じ構成であ
る。
【0080】この具体例9の液晶表示素子は、上記具体
例1と同じく画素部15内の液晶16が非画素部の格子
状の高分子壁17hによって囲まれている構造のため、
入力デバイス24を直接設置した構造の液晶表示素子に
おいても、ペンなどの押圧入力による基板の変形がな
い。このため、視差の少ない目に優しい入力機能付き液
晶表示素子を得ることができ、さらに、高分子壁17h
がπ/2radの旋光性を持つため、高分子壁17hも
液晶16と同じく光を透過するため極めて明るい表示が
得られる。
【0081】
【化7】
【0082】したがって、以上の実施例およびその具体
例1〜9によれば、明るさを重視する反射型ノーマリー
ホワイト表示(電圧無印加で白表示)の液晶表示素子に
おいて、非画素部に格子状にパターニングされた施光性
を示す高分子壁を設けている。一方、画素部内の液晶は
偏光板を透過した偏光の振動面を捩る。捻られた直線偏
光は液晶表示素子間に具備された偏光板間を透過する。
旋光性を持つ高分子壁部も液晶部と同じように、明るい
表示となり、液晶表示素子全体がペーパーライク表示に
近づく。画素部にある液晶の電気光学特性に基づく画素
部の黒レベルは一定で、背景に左右されないため、背景
が明るいほど画素部と背景の見かけ上のコントラストが
向上する。そのため、表示素子周囲の明るさが低下して
も文字表示がはっきりし、目に優しい液晶表示素子を得
ることができる。
【0083】一方、等方性高分子からなる格子状の高分
子壁は旋光性を持たないため、反射型液晶表示素子に具
備される直交した偏光板間を光が透過できないため、表
示素子の背景色を暗くしている。このとき、前述のとお
り画素部の黒レベルは一定であるため、背景が暗くなる
と画素と背景との見かけ上のコントラストが低下する。
【0084】これらを簡易に表現すると、同じ黒レベル
のペンを用いても、記入対象となる紙などが明るい(白
レベルが高い)ほど記入部のコントラストがはっきりす
ることと同じである。
【0085】また、画素部内の液晶は非画素部の格子状
の高分子壁によって、あたかも植物細胞の細胞質が細胞
壁によって囲まれているような構造をもつため、入力デ
バイス一体型または入力デバイスを直接設置した構造の
液晶表示素子においても、ペンなどの押圧入力による液
晶表示素子構成基板の変形がないため、従来のように厚
いガラスをその表面に用いる必要がなくなって視差の少
ない目に優しい入力機能付き液晶表示素子を得ることが
できる。
【0086】また、明るい表示を示す旋光性の高分子壁
の材料にカイラル性の官能基を持つモノマーを導入する
必要が無いので、液晶と混合するモノマーの種類が低減
でき、コスト的にも優位である。
【0087】
【発明の効果】以上のように本発明の液晶表示素子を用
いれば、液晶領域を囲む高分子壁が、電極基板の配向規
制力に応じて一定の旋光度を有しているため、偏光板に
よって得られた直線偏光の偏光面を捻り、捻られた直線
偏光は液晶表示素子間に具備された偏光板間を透過する
ようになり、明るい表示を得ることができる。このた
め、表示素子周囲の明るさが低下しても文字表示がはっ
きりし、目に優しい液晶表示素子となる。特に、明るさ
を重視する反射型ノーマリーホワイト表示(電圧無印加
で白表示)の液晶表示素子において、その効果は大き
い。
【0088】この一定の旋光度を有する高分子壁は、次
のようにして容易に製造することができる。即ち、電極
基板の配向膜により配向規制を受ける官能基を有する光
硬化性モノマーと液晶との混合液を電極基板間に注入
し、液晶が等方相になるが、この官能基が配向規制を受
ける温度で、例えば非画素部に選択的に紫外光などの光
を照射すると、光硬化性モノマーは重合するため液晶と
相分離を起こし、さらに、官能基が配向規制を受けた状
態で光硬化性モノマーが重合し、この非画素部の配向膜
間に側鎖の官能基が例えば0〜(π/2)radで捻れ
た高分子壁を得ることができる。
【0089】また、主鎖が互いに3次元架橋するため側
鎖官能基が固定され、静電気の印加によって側鎖官能基
の配向が乱れることがなく、常に一定の旋光度を有す
る。
【0090】また、この高分子壁によって、例えば、あ
たかも植物細胞の細胞質が細胞壁によって囲まれている
ようなパターン構造とすることができるため、入力デバ
イス一体型または入力デバイスを直接設置した構造の液
晶表示素子においても、ペンなどの押圧入力による基板
変形がなく、従来のように厚いガラスをその表面に用い
る必要がなくなり視差の少ない目に優しい入力機能付き
液晶表示素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す液晶表示素子における
旋光性高分子による偏光振動面の回転を説明するための
模式図である。
【図2】図1の高分子壁2を構成する旋光性高分子が配
向膜1A,1B間で捻れている様子を示しており、aは
化学構造がはしご状である場合の構造図、bは化学構造
が連鎖状である場合の構造図である。
【図3】π結合とその光照射によるラジカル重合を示す
図である。
【図4】本発明の配向官能基が配向膜の配向規制を受け
るが液晶が配向規制を受けない温度の範囲を示す図であ
る。
【図5】本発明の液晶表示素子に用いる配向膜の配向処
理方向を示す図である。
【図6】等方性高分子による偏光振動面の回転を説明す
るための模式図である。
【図7】本発明の旋光性高分子による偏光振動面の回転
と、非晶質高分子の偏光振動面の非回転とを比較する図
であり、X軸に検光子の角度、Y軸に光線透過率を示
し、検光子角度に対する光線透過率を示す図である。
【図8】本発明の実施例における具体例1のSTNモー
ドで反射型ノーマリーホワイト表示の液晶表示素子の構
成を示す断面図である。
【図9】図8の液晶表示素子の上面図である。
【図10】本発明の感圧式液晶表示素子の断面図であ
る。
【図11】本発明の液晶表示素子の製造プロセス例を説
明するための各行程図である。
【符号の説明】
1A,1B,14A,14B 配向膜 2,17 旋光性高分子壁 2A 主鎖 2B 側鎖 3,16 液晶 4,5,21,23 偏光板 6A,6B 偏光 7A 入射偏光振動面 7B 出射偏光振動面 11A,11B 透明基板 12A,12B 透明電極 25 モノマーと液晶の混合液 26 フォトマスク 27 紫外光 θ1 液晶の捩れ角 θ2 旋光性高分子の偏光回転角 P 偏光軸 α 重合官能基 β スペーサ基 γ 配向官能基

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パターン化された高分子壁と該高分子壁
    により部分的または全体的に囲まれた液晶領域とを挟持
    した一対の電極基板を、一対の偏向板間に有する液晶表
    示素子において、 該高分子壁が、電極への電圧印加に関わらず該電極基板
    の配向規制力に応じた一定の旋光度を有している液晶表
    示素子。
  2. 【請求項2】 前記高分子壁は、環状炭化水素が長軸方
    向に連続結合されており、前記電極基板の配向膜により
    配向規制を受ける官能基と、該官能基の両端または片端
    に光で付加重合する付加重合基とを少なくとも有するモ
    ノマーの付加重合による高分子材料からなる請求項1記
    載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記配向膜の配向規制を受ける官能基と
    して、環状炭化水素またはポリフェニレン、フェニルシ
    クロヘキサン、安息香酸アニリド、安息香酸フェニル、
    フェニルエーテル、シクロペンタンアミド、シクロペン
    タンアミドフェニルを用い、 前記付加重合基としてアクリル基またはメタクリル基、
    ビニル基を用いている請求項2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 パターン化された高分子壁と該高分子壁
    により部分的または全体的に囲まれた液晶領域とを挟持
    した一対の電極基板を、一対の偏向板間に有する液晶表
    示素子の製造方法において、 該電極基板上の配向膜により配向規制を受ける官能基を
    有する光硬化性モノマーと液晶との混合液を該電極基板
    間に注入し、該液晶が等方相になるが、該官能基が配向
    規制を受ける温度で、光を選択的に照射して液晶と該モ
    ノマーの重合によって得られる高分子を相分離させるこ
    とにより、該官能基が0〜(π/2)radで捻れた該
    高分子壁と該高分子壁により部分的または全体的に囲ま
    れた液晶領域とを得る液晶表示素子の製造方法。
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