JP2012113215A - 液晶素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】リバースツイスト配向の状態の安定性を向上し、併せて電気光学特性の向上を図ることが可能なリバースTN型の液晶素子を提供する。
【解決手段】液晶素子は、各々の一面に配向処理が施されており、相互に対向配置された第1基板1及び第2基板2と、第1基板の一面と第2基板の一面との間に設けられた液晶層3と、液晶層内に層厚方向に沿って設けられた複数のポリマー壁6を含み、第1基板及び第2基板は、液晶層の液晶分子に対して第1旋回方向へ捻れた第1配向状態を生じさせやすいように配向処理の方向が相対的に設定されており、液晶層は、液晶分子を第1旋回方向とは逆の第2旋回方向に捻れさせる性質を有するカイラル材を含有し、かつ第1旋回方向へ捻れた配向状態を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶素子における電気光学特性の改良技術に関する。
特許第2510150号公報(特許文献1)には、対向配置された一対の基板のそれぞれに施された配向処理の方向の組み合わせで規制される旋回方向とは逆の旋回方向に液晶分子を捻れ配向させることにより、電気光学特性を向上させた液晶表示装置が開示されている(先行例1)。このような液晶表示装置(液晶素子)の動作モードは、リバースTN(Reverse Twisted Nematic)型と呼ばれる。
また、特開2007−293278号公報(特許文献2)には、対向配置された一対の基板のそれぞれに施された配向処理の方向の組み合わせで規制される旋回方向(第1旋回方向)とは逆の旋回方向(第2旋回方向)に捻れるカイラル剤を添加しながらも、液晶分子を上述の第1旋回方向にねじれ配向させることによって液晶層内の歪みを増加させ、それによりしきい値電圧を低下させて低電圧駆動を可能とする液晶素子が開示されている(先行例2)。
また、特開2010−186045号公報(特許文献3)には、初期状態ではスプレイツイスト配向であるが縦電界を1回印加するとリバースツイスト配向で安定するリバースTN型の液晶素子に関する技術が開示されている(先行例3)。
ところで、上記した先行例1の液晶表示装置は、逆ねじれの配向状態が不安定であり、液晶層に対して比較的高い電圧を印加することにより逆ねじれの配向状態を得ることは可能であるものの、時間経過とともに順ねじれの配向状態に遷移してしまうという不都合がある。また、先行例2の液晶素子は、上記したようにしきい値電圧を低下させるメリットがあるが、電圧をオフにするとすぐに(例えば数秒程度)順ねじれの配向状態に遷移してしまい、逆にしきい値電圧を高くしてしまうという不都合がある。また、先行例3におけるリバースTN型の液晶素子は電気光学特性の点でさらなる改良の余地が残されていた。例えば、先行例3におけるシャープネスは最良で1.7程度であり、さらなる改良が期待されている。
特許第2510150号公報 特開2007−293278号公報 特開2010−186045号公報
本発明に係る具体的態様は、リバースツイスト配向の状態の安定性を向上し、併せて電気光学特性の向上を図ることが可能なリバースTN型の液晶素子を提供することを目的の1つとする。
本発明に係る一態様の液晶素子は、(a)各々の一面に配向処理が施されており、相互に対向配置された第1基板及び第2基板と、(b)前記第1基板の一面と前記第2基板の一面との間に設けられた液晶層と、(c)前記液晶層内に層厚方向に沿って設けられた複数のポリマー壁を含み、(d)前記第1基板及び前記第2基板は、前記液晶層の液晶分子に対して第1旋回方向へ捻れた第1配向状態を生じさせやすいように前記配向処理の方向が相対的に設定されており、(e)前記液晶層は、前記液晶分子を前記第1旋回方向とは逆の第2旋回方向に捻れさせる性質を有するカイラル材を含有し、かつ前記第1旋回方向へ捻れた配向状態を有する、ことを特徴とする液晶素子である。
上記構成によれば、液晶層にポリマー壁を導入することにより、第1旋回方向へ捻れた配向状態(リバースツイスト状態)が安定的に維持される。ポリマー壁については、例えば液晶層を形成する際の液晶材料に光硬化型樹脂を添加しておき、液晶材料を第1基板と第2基板の間に注入した後に、電圧印加等によって液晶層を初期状態であるスプレイツイスト状態からリバースツイスト状態へ遷移させ、その状態で光照射を行うことによって簡単に形成することができる。このようなポリマー壁を有するリバースTN型の液晶素子は、その電気光学特性(しきい値、シャープネス)に優れる。したがって、上記構成によれば、逆捻れの配向状態の安定性を向上し、併せて電気光学特性の向上を図ることが可能なリバースTN型の液晶素子が提供される。
上記の液晶素子において、複数のポリマー壁は相互に結合しており平面視において格子状の形状を有することが好ましい。
それにより、リバースツイスト状態の安定性がより向上する。なお、このような格子状のポリマー壁は、例えば光硬化型樹脂への光照射時に格子状の遮光部分を有するマスクを用いることで簡単に形成することができる。
上記の液晶素子において、カイラル材は、そのカイラルピッチと前記液晶層の層厚との比が0.04以上0.4以下となる量が添加されていることが好ましい。
また、上記の液晶素子において、複数のポリマー壁は、光硬化型液晶性モノマーを高分子化させたものであることも好ましい。
また、上記の液晶素子において、液晶層における前記液晶分子の捻れ角は例えば略90°に設定される。なお、捻れ角は90°前後、例えば80°〜110°程度であってもよい。
リバースTN型液晶素子の動作を概略的に示す模式図である。 液晶層内にポリマーネットワークを形成する方法(高分子安定化法)について概略的に説明する図である。 液晶層にポリマーウォールを形成する方法について説明する図である。 リバースTN型液晶素子の構成例を示す断面図である。 しきい値電圧とシャープネスの定義を説明するための図である。 実施例1の紫外線照射に用いたマスクの構造を示す図である。 実施例1の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。 実施例1の液晶素子の電気光学特性の測定結果を示す図である。 実施例2の紫外線照射に用いたマスクの構造を示す図である。 実施例2の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。 実施例2の液晶素子の電気光学特性の測定結果を示す図である。 実施例2の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。 実施例2の液晶素子の電気光学特性の測定結果を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、リバースTN型液晶素子の動作を概略的に示す模式図である。リバースTN型液晶素子は、対向配置された上側基板1および下側基板2と、それらの間に設けられた液晶層3を基本的な構成として備える。上側基板1と下側基板2のそれぞれの表面にはラビング処理などの配向処理(図中に矢印で示す)が施される。これらの配向処理の方向が90°前後の角度で互いに交差するようにして上側基板1と下側基板2とが相対的に配置される。液晶層3は、ネマチック液晶材料を上側基板1と下側基板2の間の注入することによって形成される。この液晶層3には、液晶分子をその方位角方向において特定の方向(図1の例では右旋回方向)にねじれさせる作用を生じるカイラル材が添加された液晶材料が用いられる。上側基板1と下側基板2の相互間隔(セル厚)をd、カイラル材のカイラルピッチをpとすると、これらの比d/pの値は、例えば0.4程度に設定される。このようなリバースTN型液晶素子は、初期状態においては、液晶層3がスプレイ配向しながら捻れるスプレイツイスト状態となる。このスプレイツイスト状態の液晶層3に飽和電圧を超える電圧を印加すると、液晶分子が左旋回方向に捻れるリバースツイスト状態(ユニフォームツイスト状態)に遷移する。このようなリバースツイスト状態の液晶層3にあってはバルク中の液晶分子が傾いているため、液晶素子の駆動電圧を低減する効果が現れる。しかし、一般にこのリバースツイスト状態は不安定な場合が多く、時間経過とともに初期状態であるスプレイツイスト状態へ自然に遷移してしまう。そこで、本願発明者は、液晶層3内にポリマーネットワークを導入することにより、液晶層3の配向状態の安定化を図ることを着想した。
図2は、液晶層内にポリマーネットワークを形成する方法(高分子安定化法)について概略的に説明する図である。図2(A)に示すように、上側基板1と下側基板2の間に液晶層3を形成する際に、液晶分子3aと光硬化型(例えば紫外線硬化型)の液晶性モノマー3bを含んだ液晶材料を用いる。次いで、図2(B)に示すように、上側基板1と下側基板2のそれぞれに設けられた上側電極4、下側電極5を用いて液晶層3に電圧を印加することにより、液晶層3の配向状態をリバースツイスト状態に遷移させる。次いで、図2(C)に示すように、液晶層3のリバースツイスト状態が維持されている間にこの液晶層3へ光照射(例えば紫外線照射)を行う。これにより、液晶性モノマー3bが高分子化し、液晶層3内にポリマーネットワークが形成される。このようなポリマーネットワークが形成されることにより、リバースツイスト状態の安定性が向上し、初期状態のスプレイツイスト状態へ遷移しにくくなる。
図3は、液晶層にポリマーウォールを形成する方法について概略的に説明する図である。なお、上記図2と共通する構成については同符号を用いており、それらについては説明を省略する。上記したポリマーネットワークを形成する方法における等の光照射を行う工程(図2(C)参照)において、光を選択的に通過させるマスク10を用いる。このマスク10における遮光部分のパターンについては任意に設定することができ、例えば、一方向に延びる多数の線状の遮光部分を有するパターン(ライン状パターン)としてもよいし、二方向に延びる多数の線状の遮光部分を重ねてなる二次元格子状のパターン(マトリクスパターン)とすることもできる。このようなマスク10を介して光照射を行うことにより、図3(B)に示すように、液晶層3内においてマスク10の透光部分に対応した位置にポリマーウォール(ポリマー壁)6が形成される。なお、マスク10を用いた光照射の後に、さらにマスク10を用いずに液晶層3の全体に渡って光照射を行ってもよい。
図4は、リバースTN型液晶素子の構成例を示す断面図である。図4に示す液晶素子は、第1基板(上側基板)51と第2基板(下側基板)55の間に液晶層59を介在させた基本構成を有する。第1基板51の外側には第1偏光板61が配置され、第2基板55の外側には第2偏光板62が配置されている。以下、さらに詳細に液晶素子の構造を説明する。なお、液晶層59の周囲を封止するシール材等の部材については図示および説明を省略する。
第1基板51および第2基板55は、それぞれ、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板である。図示のように、第1基板51と第2基板55とは、互いの一面が対向するようにして、所定の間隙(例えば数μm)を設けて貼り合わされている。なお、特段の図示を省略するが、いずれかの基板上に薄膜トランジスタ等のスイッチング素子が形成されていてもよい。
液晶層59は、第1基板51と第2基板55の相互間に設けられている。液晶層59を構成する液晶材料の誘電率異方性Δεは正(Δε>0)である。液晶層59に図示された太線は、液晶層59に電圧が印加されていない初期状態における液晶分子の配向方位を模式的に示したものである。この液晶層59には、上記した方法により形成されるポリマーウォール60が含まれる。
第1電極52は、第1基板51の一面側に設けられている。また、第2電極56は、第2基板55の一面側に設けられている。第1電極52および第2電極56は、それぞれ、例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。
配向膜53は、第1基板51の一面側に、第1電極52を覆うようにして設けられている。また、配向膜57は、第2基板55の一面側に、第2電極56を覆うようにして設けられている。
図5は、本実施形態のリバースTN型の液晶素子の評価指標として用いられるしきい値電圧とシャープネスの定義を説明するための図である。液晶素子の電圧無印加時の透過率を100%として、印加電圧を上昇させていき透過率が変化しなくなったときの値を0%とする。このとき、透過率が90%となる電圧値をV90とし、透過率が10%となる電圧値をV10とすると、これらを用いて以下のようにしきい値電圧およびシャープネスを表現できる。
しきい値電圧=V90
シャープネスγ=V10/V90
一般には、しきい値電圧とシャープネスのいずれも値が小さいほどその液晶素子は電気光学特性に優れると評価される。
次に、上記したようなリバースTN型の液晶素子の実施例をいくつか説明する。
(実施例1)
以下のような条件で実施例1の液晶素子を作製し、その特性を評価した。まず、ITO膜付きのガラス基板を2枚用意し、これを洗浄し、乾燥した。次いで、各ガラス基板の表面に配向材を塗布した。配向材としては、液晶分子に1°〜2°のプレチルト角を与える水平配向材を適宜に用いた。一方のガラス基板の配向材を焼成し、これにラビング処理を施した。その後、このガラス基板上にスペーサー材を散布し、さらにシール材を印刷した。スペーサー材としては粒径4μmのものを用いた。また、他方のガラス基板についても配向材を焼成し、これにラビング処理を施した。その後、両ガラス基板を貼り合わせてセル化し、これに液晶材料を注入した。両ガラス基板の貼り合わせについては、ガラス基板の各々に対するラビング処理の方向が互いに90°となるようにした。また、液晶材料としてはメルク株式会社製のZLI−2293を用いた。この液晶材料にはカイラル材としてCB15が添加された。カイラル材の添加量はセル厚dとカイラルピッチp0の比d/p0が0.2となるように設定された。また、液晶材料には紫外線硬化型樹脂が添加された。紫外線硬化型樹脂の添加量は4wt%、5wt%または6wt%の3パターンとした。液晶材料を注入した後にセルを封止し、電圧印加によって液晶層の配向状態を初期状態のスプレイツイスト状態からリバースツイスト状態へ遷移させた後、紫外線硬化型樹脂へ紫外線照射を行った。紫外線照射に用いたマスクの構造を図6に示す。本実施例では図示のようなライン状パターンを有するマスクを用いて2回の紫外線照射を行った。1回目の照射時と2回目の照射時とでマスクの方向を略90°回転させた。すなわち、ライン状パターンの長手方向が1回目の照射時と2回目の照射時で略直交するようにした。マスクのライン状パターンは、図示のように線幅が約150μmで線間が20μmである。また、紫外線の波長は365nm、照射強度は40mW/cmであり、この照射強度による30秒間の照射をマスクの方向を変える前後で各3回ずつ行った。このとき、各回の紫外線照射前には液晶層をリバースツイスト状態に遷移させるための電圧印加を行った。電圧印加条件は、例えば15V程度の電圧を10秒間印加、もしくは15V程度の電圧を2、3回間欠的に印加した。これにより、液晶層内に二次元格子状のポリマーウォールが形成された。
図7は、実施例1の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。図示の液晶素子は紫外線硬化型樹脂を4wt%添加したものである。図中において黒色の格子状に見えるのがポリマーウォールである。なお、白く点在するのはスペーサー材である。液晶素子の偏光板(P,A)の吸収軸は図示のように略45°の角度をなす状態に配置した。ポリマーウォールが形成されたことによりリバースツイスト状態が安定することが確認できた。実施例1の液晶素子の電気光学特性(V−T特性)の測定結果を図8に示す(紫外線硬化型樹脂の添加量を4wt〜6wt%としたサンプル)。ヒステリシスが見られる4wt%のサンプルを除外して5wt%と6wt%の各サンプルで比較すると5wt%のサンプルのほうがシャープネスに優れていた。
(実施例2)
上記した実施例1と同様な条件で液晶素子を作製し、その特性を評価した。ただし、以下の条件が実施例1とは異なる。本実施例では、d/p0の値を0.2または0.4とし、紫外線硬化型樹脂の添加量は4wt%、5wt%、6wt%、7wt%の4パターンとした。また、本実施例では格子状(マトリクス状)のパターンを有するマスクを用いて紫外線照射を行った。本実施例において紫外線照射に用いたマスクの構造を図9に示す。
マスクの格子状パターンは、図示のように線幅が約180μmで線間が20μmである。また、紫外線の波長は365nm、照射強度は80mW/cmである。この照射強度により、露光時間を1分間ずつ4回繰り返してマスク露光し、最後にマスクを取り除いて1分間の露光(全面照射)を行った。このとき、紫外線照射前には液晶層をリバースツイスト状態に遷移させるための電圧印加を行った。電圧印加条件は、例えば15V程度の電圧を10秒間印加、もしくは15V程度の電圧を2、3回間欠的に印加した。これにより、液晶層内に二次元格子状のポリマーウォールが形成された。
図10は、実施例2の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。図示の液晶素子は、d/p0を0.2に設定し、紫外線硬化型樹脂を4wt%添加したものである。図中において白色の格子状に見えるのがポリマーウォールである。液晶素子の偏光板(P,A)の吸収軸は図示のように略20°の角度をなす状態にし、一方の偏光板(A)の吸収軸がポリマーウォールの延在方向の一方と略平行となるように配置した。ポリマーウォールが形成されたことによりリバースツイスト状態が安定することが確認できた。このサンプルの液晶素子並びに紫外線硬化型樹脂の添加量だけを異ならせたサンプルのそれぞれの電気光学特性(V−T特性)の測定結果を図11に示す。なお、図11中において「ps前 上昇」、「ps前 下降」と示したのはポリマーウォールが形成される以前のサンプルのV−T特性である。図示のようにポリマーウォールが形成される以前のサンプルではV−T特性にヒステリシスが観察される。
図12は、実施例2の液晶素子の顕微鏡観察像を示す図である。図示の液晶素子は、d/p0を0.4に設定し、紫外線硬化型樹脂を4wt%添加したものである。図中において白色の格子状に見えるのがポリマーウォールである。液晶素子の偏光板(P,A)の吸収軸は図示のように略10°の角度をなす状態にし、一方の偏光板(A)の吸収軸がポリマーウォールの延在方向の一方と略平行となるように配置した。ポリマーウォールが形成されたことによりリバースツイスト状態が安定することが確認できた。このサンプルの液晶素子並びに紫外線硬化型樹脂の添加量だけを異ならせたサンプルのそれぞれの電気光学特性(V−T特性)の測定結果を図13に示す。なお、図11中において「ps前 上昇」、「ps前 下降」と示したのはポリマーウォールが形成される以前のサンプルのV−T特性である。図示のようにポリマーウォールが形成される以前のサンプルではV−T特性にヒステリシスが観察される。
実施例2の液晶素子におけるしきい値は概ね従来のTN型液晶素子と同等であり、具体的には1.58V(ボルト)程度であった。また、シャープネスについては最適条件において1.32という値が得られており、従来のTN型液晶素子に比べて大きく改善されていた。ここで得られたシャープネスの1.32という値は、概ね1/12デューティ以上の単純マトリクス駆動が可能であることを示しており、従来1/4デューティもしくは1/8デューティが限界であったTN型液晶素子の利用範囲を大きく広げることが可能であることを示している。なお、シャープネス、しきい値の定義は上記した通りである。
なお、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記ではポリマーウォールを形成するために光硬化型樹脂を例示していたが、熱硬化型樹脂を用いてもよい。また、上記ではd/p0について好適な一例として0.2、0.4という値を挙げていたがd/p0はこれらの数値に限定されない。本願発明者らが予備実験等に基づいて検討したところ、d/p0の値が小さくなるほどシャープネスが悪化する傾向があり、シャープネスの改善を達成できるd/p0の下限値は0.04であることが確認されている。
1:上側基板
2:下側基板
3:液晶層
3a:液晶分子
3b:液晶性モノマー
4:上側電極
5:下側電極
6:ポリマーウォール
10:マスク
51:第1基板
52:第1電極
53、57:配向膜
55:第2基板
56:第2電極
59:液晶層
60:ポリマーウォール

Claims (5)

  1. 各々の一面に配向処理が施されており、相互に対向配置された第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板の一面と前記第2基板の一面との間に設けられた液晶層と、
    前記液晶層内に層厚方向に沿って設けられた複数のポリマー壁、
    を含み、
    前記第1基板及び前記第2基板は、前記液晶層の液晶分子に対して第1旋回方向へ捻れた第1配向状態を生じさせやすいように前記配向処理の方向が相対的に設定されており、
    前記液晶層は、前記液晶分子を前記第1旋回方向とは逆の第2旋回方向に捻れさせる性質を有するカイラル材を含有し、かつ前記第1旋回方向へ捻れた配向状態を有する、
    液晶素子。
  2. 前記複数のポリマー壁は相互に結合しており平面視において格子状の形状を有する、請求項1に記載の液晶素子。
  3. 前記カイラル材は、そのカイラルピッチと前記液晶層の層厚との比が0.04以上0.4以下となる量が添加されている、請求項1又は2に記載の液晶素子。
  4. 前記複数のポリマー壁は、光硬化型液晶性モノマーを高分子化させたものである、請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶素子。
  5. 前記液晶層における前記液晶分子の捻れ角が略90°である、請求項1〜4の何れかに記載の液晶素子。
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