JP2006124666A - 液晶性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を提供すること。更に、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を用いた薄膜ならびに重合物を提供すること。
【解決手段】少なくとも一種の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物と光学活性化合物とを含有する液晶性組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物に関する。また、本発明はキラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を用いた薄膜に関する。
3軸方向の屈折率を制御した二軸性のフィルムは、偏光を利用する光学分野において有用である。特に液晶ディスプレイの分野では偏光をきめ細かく制御できるこのようなフィルムの重要性は高い。このような光学的二軸性のフィルムを作製する場合、ポリマーから得られるフィルムを二軸延伸によって得る方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。二軸延伸によって二軸性のフィルムを得る場合には、3軸方向の屈折率を延伸倍率によって制御できるため、比較的容易に所望の屈折率に制御できる。
二軸性液晶を用いた二軸性フィルムは、これまで多く用いられてきた二軸延伸フィルムと比較して、その膜厚を非常に薄くできるメリットを持つため、二軸性フィルムに二軸性液晶を用いることは、デバイスの薄層化や軽量化等に有用な手段である。また、延伸を利用したフィルムは、寸度の安定性が悪く、光学性能が湿熱等で変わりやすいといった問題を持つことが多かったが、重合性の二軸性液晶を用いることができれば、そのような問題も解決できる可能性がある。
しかし、二軸性液晶を用いて二軸性のフィルムを作製する場合には、3軸方向の屈折率が任意に制御できない問題が生じる。これは、得られる二軸性のフィルムの3軸方向の屈折率が、二軸性の液晶相を発現する化合物(二軸性液晶性化合物)の3軸方向の屈折率により、ほぼ一義的に決まるからである。すなわち、二軸性フィルムの3方向の屈折率を所望の屈折率にするためには、所望の屈折率を有する二軸性液晶性化合物を合成するしか方法がなかった。しかし、二軸性液晶性化合物は、一軸性の液晶相を発現する化合物(一軸性液晶性化合物)と比べてその数が非常に少ないために、3方向の屈折率を任意に制御することは非常に困難であった。
一方、液晶におけるネマチック相は、液晶ディスプレイに用いられているように非常に重要な液晶相の1つである。またネマチック相にキラル源を導入することで得られるキラルネマチック相は、捩れのピッチにより様々な波長の光を反射(選択反射)する重要な光学性能を発現させることが可能であるため、非常に注目されている液晶相である。ところが、これまでキラル二軸性ネマチック相についての報告例はなかった。
これは、明確に二軸性ネマチック相だと断定できる液晶相が発見されていなかったことが1つの原因と考えることができる。二軸性ネマチック相は、棒状液晶と円盤状液晶を混合することにより発現させる提案がなされている(例えば、非特許文献1参照)が、棒状液晶と円盤状液晶の相溶性が良くないため、この2種の液晶の混合においては、液晶性が消失してしまう、もしくは2種の液晶相が相分離を起こしてしまう問題もあり、このような混合系では、二軸性液晶相は発現できていなかった。
特開平2−264905号公報 R. Pratiba、N. V. Madhususana著,Mol. Cry. Liq. Cry.,1985年,1巻,111頁
上記のような状況に鑑み、本発明の目的は、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を提供することにある。更に、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を用いた薄膜を提供することにある。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)少なくとも一種の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物と、光学活性化合物とを含有する液晶性組成物。
(2)二軸性ネマチック相を発現する液晶性混合物と、光学活性化合物とを含有することを特徴とする液晶性組成物。
(3)前記二軸性ネマチック相を発現する液晶性混合物が、ディスコティックネマチック相を発現する液晶性化合物及びネマチック相を発現する液晶性化合物の混合物であることを特徴とする上記(2)に記載の液晶性組成物。
(4)前記二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物が、少なくとも一種類の重合性基を有することを特徴とする上記(1)に記載の液晶性組成物。
(5)前記ディスコティックネマチック相を発現する液晶性化合物及び前記ネマチック相を発現する液晶性化合物の少なくとも一方が、少なくとも一種類の重合性基を有することを特徴とする上記(3)に記載の液晶性組成物。
(6)上記(1)〜(5)の何れかに記載の液晶性組成物から形成されたことを特徴とする薄膜。
(7)前記液晶性組成物における液晶性化合物の配向した状態が固定化されたことを特徴とする上記(6)に記載の薄膜。
本発明によれば、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を提供することができる。更に、キラル二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物を用いた薄膜を提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
[二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物]
本発明の液晶性組成物は、少なくとも一種の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物と光学活性化合物とを含有する。
二軸性ネマチック相とは、液晶相の空間をx軸、y軸、z軸で定義した際、該液晶性化合物(液晶性分子)がy軸を中心にしたxz平面の自由回転も、z軸を中心にしたxy平面の自由回転も禁止されている状態を示す。二軸性ネマチック相は二軸性液晶相の中で、液晶性化合物を配向させやすく、配向欠陥が生じにくいため好ましい。
本発明における二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物は、一種類の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物でもよいし、二種類以上の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物を併用してもよい。例えば、重合性の二軸性液晶性化合物と非重合性の二軸性液晶性化合物とを併用することも可能である。また、低分子液晶性化合物と高分子液晶性化合物を併用することも可能である。さらに、単独では二軸性液晶相を発現しない化合物を2種以上混合させることで二軸性液晶相を発現するようになる二軸性液晶混合物を用いることも可能である。また、液晶性化合物は、低分子化合物でもよいし、高分子化合物でもよい。
本発明の液晶性組成物には、液晶性化合物以外に、加えることのできる添加剤(例えば、空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー、溶媒など)を含んでもよい。
二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物は、棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の液晶性混合物であることが好ましく、特に、ネマチック相を発現する液晶性化合物とディスコティックネマチック相を発現する液晶性化合物の液晶性混合物であることが最も好ましい。以下に、棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の液晶性混合物について詳しく説明する。
[棒状液晶を発現する液晶性化合物]
棒状液晶としては、例えば棒状または板状の形状を有する液晶性化合物が発現する、ネマチック相、スメクチックA相およびスメクチックC相等を挙げることができる。このような液晶相は、nx>ny=nzの関係にあるため、正の複屈折性を有する一軸性の液晶相である。詳しくは液晶便覧(丸善(株)2000年発行)第2章などに記載されており、本発明においては、ネマチック相が特に好ましい。
一方、一軸性の液晶であるのか、二軸性の液晶であるのか判断が難しい液晶相も知られている。例えば、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid Crystals Vol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕に記載の液晶相は判断の困難な液晶相と言える。棒状液晶を発現する液晶性化合物には、このような一軸性と二軸性の判断が困難な化合物も含まれる。
棒状液晶を発現する液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよいが、ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物との相溶性の点で、低分子液晶性化合物の方が好ましい。
棒状液晶を発現する液晶性化合物しては、正の複屈折性を有する一軸性の液晶相を発現する液晶性化合物が好ましく、該化合物としては、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類を挙げることができる。
棒状液晶を発現する液晶性化合物は、ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物との間で、相互作用(例えば、水素結合や双極子相互作用)可能な置換基または共有結合を形成可能な置換基(例えば、重合性基)を有することが好ましい。このような置換基を有することで、棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを混合させたときに、該液晶性化合物同士の相溶性が良くなり、各々の液晶性化合物からなる相ごとに相分離してしまうのを避けることができる。同様な理由で、ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物も同様な基を有することが好ましい。
棒状液晶を発現する液晶性化合物は、重合性基を有することが好ましく、化合物の分子の末端に重合性基を有することがより好ましい。重合性基を有することは、上記のとおりディスコティック液晶を発現する液晶性化合物との相分離を防ぐ他にも、本発明の液晶性組成物を位相差板などに用いた場合に、熱などによる位相差の変化を防ぐことができるため好ましい。
重合性基を有する正の複屈折性を有する一軸性液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻,107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、国際公開WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号および特開2001−328973号などに記載の化合物を用いることができる。
以下に、棒状液晶を発現する液晶性化合物が有する重合性基として、好ましい例を示す。
Figure 2006124666
上記重合性基のなかでも、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)がより好ましく、不飽和重合性基(Q1〜Q7)がさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)が最も好ましい。
棒状液晶を発現する液晶性化合物の形状は、特に限定されず、棒状でも板状でも、その他の形状でもよい。なかでも、板状であることが、ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物との相溶性や、本発明に係る二軸性ネマチック相の発現のしやすさの点から、好ましい。
上記液晶性化合物が「板状」であるとは、該化合物が、単独で液晶性を示すコア部を少なくとも二つ有するとともに、コア部同士が共有結合により連結した平面状の、正の複屈折性を有する一軸性液晶性化合物であることを意味する。例えば、後述する本発明の例示化合物(m−1)において、RO−Ph−OR(Ph:ベンゼン環を意味する)の部分は単独で液晶性を示すコア部に相当する。RO−Ph−ORの部分が共有結合により連結することにより例示化合物(m−1)となる。
より具体的には、液晶性化合物が「板状」であるとは、次のことを意味する。すなわち、液晶性化合物の安定化構造を内接し且つ体積が最小となる直方体の最も長い辺をLl、中間の辺をLm、最も短い辺をLsとしたとき、該液晶性化合物が「板状」とは、Ll/Lm>1.1且つLm/Ls>1.5の場合である。液晶性化合物の最安定化構造は、MOPAC(半経験的分子軌道計算プログラム)により求めることができ、具体的にはMOPACのAM1法(使用ソフト:WinMOPAC、販売元:富士通(株))を用いればよい。
本発明では、棒状液晶を発現する液晶性化合物が有する板状の形状として、数式(I)と数式(II)の両式を満たすことが好ましい。
数式(I) 1.2<Ll/Lm<10
数式(II) 2.0<Lm/Ls<10
板状の形状を有する液晶性化合物として、Mol.Cry.Liq.Cry.,323巻,231頁(1998年)、「染料と薬品」第42巻、第4号、85頁(1997年)、「染料と薬品」第42巻、第3号、68頁(1997年)などに記載の化合物や、記載の化合物に重合性基を導入した化合物を用いることができる。
以下に、板状の形状を有する液晶性化合物であって、棒状液晶を発現する液晶性化合物として用いるのに好ましい液晶性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006124666
Figure 2006124666
Figure 2006124666
板状の形状を有する液晶性化合物は、上記具体例以外にも、下記一般式(R−I)で表される液晶性化合物が好ましい。
Figure 2006124666
式(R−I)中、LAは-≡-または-≡-≡-を表す。
1AおよびX2Aはそれぞれ独立に、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基を表す。特に、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルオキシ基が好ましく、ハロゲン原子、シアノ基が最も好ましい。
1およびn2はそれぞれ独立に、0〜3の整数を表す。n1およびn2はそれぞれ0〜2が好ましい。特に(n1+n2)が1〜4が好ましい。
1A、R2A、R3A、R4Aは、それぞれ独立に下記式(R−IA)を表す。
式(R−IA)
*−(L1A−二価の環状基)p−L2A−二価の鎖状基−Q1A
式(R−IA)中、*は式(R−I)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
1Aは単結合または二価の連結基である。L1Aが二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1Aは単結合、および、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH2−CH2−、*−O−CH2−、*−CH2−O−、*−CO−CH2−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−(ここで、*は式(R−IA)中の*を表す)が好ましく、特に単結合、*−O−CO−が好ましい。
2Aは単結合または二価の連結基である。L2Aが二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
2Aは単結合、および*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−、*−CO−、*−S−、*−NR7−、(ここで、*は一般式(R−IA)中の二価の環状基に連結する位置を表す)が好ましく、特に単結合、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−が好ましい。
二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基中の環は5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。環状基中の環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環、が含まれる。複素環の例には、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、1,3−ジオキサン環、1,3−ジチアン環が含まれる。
二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。チオフェン環を有する環状基としては、チオフェン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジオキサン環を有する環状基としては、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましい。1,3−ジチアン環を有する骨格としては、1,3−ジチアニレン−2,5−ジイルが好ましい。
二価の環状基は、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましく、更に1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイルが好ましく、1,4−フェニレンが特に好ましい。
二価の環状基は、置換基を有していてもよく、その置換基としてはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜8のアシル基、炭素原子数2〜8のアシルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、またはシアノ基が好ましい。特に、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜4のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基、またはシアノ基が好ましい。
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基を意味する。なかでも、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、または置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基またはアルケニレン基がさらに好ましい。
鎖状基としてのアルキレン基は、分岐を有していてもよい。また、アルキレン基中の−CH2−は、例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルキレン基の炭素数は1乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としては、アルキル基やハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基としてのアルケニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。また、アルケニレン基中に−CH2−がある場合、−CH2−は例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルケニレン基の炭素数は2乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはアルキル基やハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基としてのアルキニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。また、アルキニレン基中に−CH2−がある場合、−CH2−は例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルキニレン基の炭素数は2乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはアルキル基やハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチル−テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、2−ブテニレンおよび2−ブチニレンなどが挙げられる。
二価の鎖状基は、炭素数1乃至16の置換または無置換のアルキレン基、炭素数2乃至16の置換または無置換のアルケニレン基、炭素数2乃至16の置換または無置換アルキニレン基が好ましく、特に、炭素数1乃至12の置換または無置換のアルキレン基が好ましい。鎖状基の置換基としては、炭素数1乃至5のアルキル基もしくはハロゲン原子が好ましい。最も好ましくは、炭素数1乃至12の無置換のアルキレン基である。
1Aは重合性基を表す。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2006124666
上記中、q1〜q10が好ましく、q1〜q8がより好ましい。
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2006124666
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記(M−1)〜(M−6)のなかでも、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)が最も好ましい。
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
式(R−IA)中、pは0〜3の整数を表す。特に1または2が好ましく、1が最も好ましい。
一般式(R−I)中のベンゼン環のメチンを窒素原子に置き換えた化合物も用いられ得る。
以下に、一般式(R−I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006124666
Figure 2006124666
[ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物]
ディスコティック液晶としては、例えば円盤状の形状を有する液晶性化合物が発現する、ディスコティックネマチック相、カラムナー相、カラムナーラメラ相等を挙げることができる。本発明においては、液晶相としてはディスコティックネマチック相が特に好ましい。
一方、一軸性の液晶であるのか、二軸性の液晶であるのか判断が難しい液晶相も知られている。例えば、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid Crystals Vol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕に記載の液晶相は判断の困難な液晶相と言える。ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物には、このような一軸性と二軸性の判断が困難な化合物も含まれる。
ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよいが、ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物と棒状液晶を発現する液晶性化合物との相溶性の点で、低分子液晶性化合物の方が好ましい。
ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物としては、様々な文献(C.Destrade et al.,Mol.Crys.Liq.Crys.,71巻,111頁(1981年)、日本化学会編,季刊化学総説,No.22,液晶の化学,第5章,第10章,第2節(1994)、B.Kohne et al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,1794頁(1985年)、J.Zhanget et al.,J.Am.Chem.Soc.,116巻,2655頁(1994年))などに記載のものが挙げられる。
ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物としては、重合性基を有することが好ましく、化合物の分子の末端に重合性基を有することがより好ましい。重合性基を有することは、棒状液晶を発現する液晶性化合物との相分離を防ぐ他にも、本発明の液晶性組成物を位相差板などに用いた場合、熱などによる位相差の変化を防ぐことができるので好ましい。下記一般式(D)で表わされる化合物であることが特に好ましい。
一般式(D) D(−L−Q)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基である。また、nは3乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。以下に一般式(D)の具体例(D1〜D16)の構造式を示す。
Figure 2006124666
Figure 2006124666
Figure 2006124666
Figure 2006124666
一般式(D)中のLは、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−C(=O)−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。前記Lは、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−C(=O)−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。前記Lは、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−C(=O)−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
以下に二価の連結基(L)の例を示す。各々の式において、左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
L1:−AL−C(=O)−O−AL−
L2:−AL−C(=O)−O−AL−O−
L3:−AL−C(=O)−O−AL−O−AL−
L4:−AL−C(=O)−O−AL−O−C(=O)−
L5:−C(=O)−AR−O−AL−
L6:−C(=O)−AR−O−AL−O−
L7:−C(=O)−AR−O−AL−O−C(=O)−
L8:−C(=O)−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−C(=O)−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−C(=O)−
L14:−O−AL−O−C(=O)−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−C(=O)−AL−AR−O−AL−O−C(=O)−
L17:−O−C(=O)−AR−O−AL−C(=O)−
L18:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−C(=O)−
L19:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−AL−O−C(=O)−
L20:−O−C(=O)−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−C(=O)−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−C(=O)−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
一般式(D)の重合性基(Q)は、特に限定されない。本発明を重合させる場合には、重合反応の種類に応じて決定することができる。
重合性基(Q)の好ましい具体例は、棒状液晶を発現する液晶性化合物における記載と同様であり、また、より好ましい重合性基(Q)も、棒状液晶を発現する液晶性化合物と同様である。
一般式(D)において、nは3乃至12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。nは特に3〜6の整数が好ましく、nは3が最も好ましい。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
円盤状の形状を有する化合物として、二種類以上のディスコティック液晶性化合物を併用してもよい。例えば、重合性基(Q)を有する分子と有していない分子を併用してもよい。
非重合性ディスコティック液晶性化合物は、前述した重合性ディスコティック液晶性化合物の重合性基(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコティック液晶性化合物は、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
D(−L−R)n
式中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Rは水素原子またはアルキル基である。また、nは3乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)の例は、LQ
(またはQL)をLR(またはRL)に変更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶性化合物の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、前記の重合性ディスコティック液晶性化合物の例と同様である。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40であることが好ましく、1乃至30であることがさらに好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好ましく、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好ましい。
本発明で用いるディスコティック液晶を発現する液晶性化合物としては、下記一般式(D−2)で表される化合物が更に好ましい。
一般式(D−2)
Figure 2006124666
一般式(D−2)中、Y11、Y12、Y13は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
11、Y12、Y13がメチンの場合は、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換または無置換のアミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基が挙げられる)、アリールスルホニルアミノ基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、アルキルスルホニル基(例えば、メシル基などが挙げられる)、アリールスルホニル基(例えば、トシル基などが挙げられる)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基などが挙げられる)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(例えば、無置換のウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基
(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。
これらのなかでも、メチンの置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましく、炭素数は1乃至12のアルキル基、炭素数は1乃至12のアルコキシ基、炭素数は2乃至12アルコキシカルボニル基、炭素数は2乃至12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が最も好ましい。
11、Y12、Y13は、すべてメチンであることが最も好ましく、またメチンは無置換であることが最も好ましい。
一般式(D−2)中、L1、L2、L3は、それぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L1、L2、L3が二価の連結基の場合、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1、L2、L3で表される二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基中の環は5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。環状基中の環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。環状基は、芳香族環、および複素環が好ましい。
1、L2、L3で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
1、L2、L3で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至16のアルキル基、炭素原子数が1乃至16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至16のアルコキシ基、炭素原子数が2乃至16のアシル基、炭素原子数が1乃至16のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至16のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至16のアシルアミノ基が含まれる。
1、L2、L3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−、*−二価の環状基−C≡C−が好ましい。特に、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−が好ましい。*は一般式(D−2)中のY11、Y12およびY13を含む6員環に結合する位置を表す。
1、H2、H3はそれぞれ独立に、二価の5員環環状基を表す。
二価の5員環環状基は、ヘテロ環が好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ホウ素原子、リン原子等を挙げることができる。特に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が好ましく、特に窒素原子と酸素原子を含むヘテロ環が好ましい。
二価の5員環環状基は、少なくとも1個のメチンを有していることが好ましく、2個のメチンを有していることが更に好ましい。特に、メチンの水素原子が、L1、L2、L3もしくはR1、R2、R3と置き換わっていることが好ましい。
二価の5員環環状基としては、例えば、チオフェン−2,5−ジイル、フラン−2,5−ジイル、オキサゾール−2,5−ジイル、イミダゾール2,5−ジイル、1,3,4−オキサジアゾ−ル−2,5−ジイル、テトラヒドロフラン−2,4−ジイル等を挙げることができる。
二価の5員環環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、Y11、Y12、Y13と同様の置換基を挙げることができる。
一般式(D−2)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立にアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換または無置換のアミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基が挙げられる)、アリールスルホニルアミノ基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基
(例えば、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、アルキルスルホニル基(例えば、メシル基などが挙げられる)、アリールスルホニル基(例えば、トシル基などが挙げられる)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基などが挙げられる)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(例えば、無置換のウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)を表す。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。
1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(I)で表されるものが更に好ましい。
一般式(I) *−L11−Q
一般式(I)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
Qはそれぞれ独立に重合性基またはメチル基である。一般式(D−2)で表される化合物を光学補償フィルムのような位相差の大きさが熱により変化しないものが好ましい光学フィルムに用いる場合には、Qは重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合
(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
Figure 2006124666
上記中、q1〜q10が好ましく、q1〜q8がより好ましい。
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 2006124666
式(M−3)、(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表す。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
上記(M−1)〜(M−6)のなかでも、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)が最も好ましい。
開環重合性基として好ましいのは、環状エーテル基であり、中でもエポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基が最も好ましい。
一般式(I)中、L11は二価の連結基である。L11は、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
11で表される二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、または置換アルキニレン基を意味する。なかでも、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、または置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基またはアルケニレン基がさらに好ましい。
11で表される二価の鎖状基としてのアルキレン基は、分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
11で表される二価の鎖状基としてのアルケニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
11で表される二価の鎖状基としてのアルキニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、アルキニレン基の炭素数は2乃至16であることが好ましく、2乃至14であることがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
11で表される二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、1−メチル−1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、2−ブテニレンおよび2−ブチニレンなどが挙げられる。
11で表される二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の連結基である。二価の環状基は5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることがもっとも好ましい。環状基に含まれる環は、縮合環であっても良い。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
11で表される二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
11で表される二価の環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1乃至16のアルキル基、炭素原子数が1乃至16のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1乃至16のアルコキシ基、炭素原子数が2乃至16のアシル基、炭素原子数が1乃至16のアルキルチオ基、炭素原子数が2乃至16のアシルオキシ基、炭素原子数が2乃至16のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2乃至16のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2乃至16のアシルアミノ基が含まれる。
1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(II)で表されるものが更に好ましい。
一般式(II) *−L21−二価の環状基−L22−Q1
一般式(II)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
1は、一般式(I)のQの定義と同様である。
21は単結合または二価の連結基である。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1から7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1から4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
21は単結合、および、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−(ここで、*は一般式(II)中の*を表す)が好ましい。
一般式(II)中の二価の環状基は、一般式(I)中の二価の環状基の定義と同様である。
一般式(II)中、L22は、一般式(I)のL11の定義と同様である。
22で表される二価の連結基の例を以下に示す。ここで、右側が一般式(II)中の二価の環状基に、左側がQ1に結合する。
L−1:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−2:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−3:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−4:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−NR7
L−5:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−6:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−7:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−8:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−9:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−10:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−11:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−NR7
L−12:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−13:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−14:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−15:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−
L−16:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−17:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−18:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−NR7
L−19:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−20:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−21:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−22:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−23:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−24:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−25:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−NR7
L−26:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−27:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−28:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−29:−二価の鎖状基−
L−30:−二価の鎖状基−O−
L−31:−二価の鎖状基−CO−O−
L−32:−二価の鎖状基−O−CO−
L−33:−二価の鎖状基−CO−NR7
L−34:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−
L−35:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−36:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−37:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
上記のうち、L−2、L−3、L−9、L−10、L−16、L−17、L−23、L−24、L−30、L−31、L−32、L−35、L−36、L−37が好ましい。
1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(III)で表されるものが最も好ましい。
一般式(III)
Figure 2006124666
一般式(III)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
4はそれぞれ独立にハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜8のアシル基、炭素原子数2〜8のアシルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基を表す。好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜4のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基、シアノ基である。
lは0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。lが2以上の場合、複数のR4で表される基はそれぞれ異なっていてもよい。
6は**−O−、**−CO−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、または**−CH2−を表し、**は一般式(III)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
5は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表し、より好ましくは水素原子もしくはメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
mは2から16の整数を表し、好ましくは2から12の整数である。
6は水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
本発明で用いるディスコティック液晶を発現する液晶性化合物としては、下記一般式(IV)で表される化合物が最も好ましい。
一般式(IV)
Figure 2006124666
一般式(IV)中、Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25、Y26は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。
11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25、Y26がメチンの場合は、メチンは置換基を有していてもよい。置換基の例は、一般式(D−2)におけるY11、Y12、Y13の例と同様である。
一般式(IV)中、X1、X2、X3は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、メチレン、イミノの表す。X1、X2、X3が、メチレン、イミノの場合は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記メチンの置換基として挙げたものが好ましい。これらの置換基はさらに置換されていてもよく、その場合の置換基もメチンの置換基が有してもよい置換基として挙げたものと同じである。
一般式(IV)中、L1、L2、L3の定義と好ましい例は、一般式(D−2)同様である。
一般式(IV)中、R1、R2、R3の定義と好ましい例は、一般式(D−2)同様である。
本発明においては、一般式(IV)で表される化合物のなかでも、R1、R2、R3がそれぞれ独立に上記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
一般式(IV)で表される化合物が発現する液晶相としては、カラムナー相またはディスコティックネマチック相が好ましく、特にディスコティックネマチック相が好ましい。液晶相は、30〜300℃の範囲で発現するものが好ましく、50〜250℃の範囲で発現するものがより好ましい。
以下に、一般式(IV)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006124666
Figure 2006124666
Figure 2006124666
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Figure 2006124666
[棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを含有する二軸性ネマチック相を発現する液晶性組成物]
棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを含む本発明の液晶性組成物は、20℃〜300℃の範囲内で二軸性ネマチック相を発現することが好ましい。さらに好ましくは40℃〜280℃であり、最も好ましくは60℃〜250℃である。ここで20℃〜300℃の範囲内で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(具体的に例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合
(具体的に例えば、298℃〜310℃)も含む。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを含む本発明の液晶性組成物において、二軸性ネマチック相を発現させるための棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の混合比は、棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の各々の分子構造や分子量により異なるため明確な定義はできないが、質量比で(棒状液晶を発現する液晶性化合物)/(ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物)=10〜0.02が好ましく、5〜0.05がさらに好ましく、2〜0.1が最も好ましい。
二軸性ネマチック相は、一軸性の液晶相よりも低い温度で発現する場合が多い。例えば、一軸性のネマチック相(ネマチック相やディスコティックネマチック相)を降温することで二軸性ネマチック相に転移する場合が多い。多くの場合、ある混合比((棒状液晶を発現する液晶性化合物)/(ディスコティック液晶を発現する液晶性化合物))を境に、棒状液晶を発現する液晶性化合物の含率が少し多くなると、降温時にネマチック相から二軸性ネマチック相への転移が起こる。またディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の含率が少し多くなるとディスコティックネマチック相から二軸性ネマチック相への転移が起こる。
棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを含む本発明の液晶性組成物において、二軸性ネマチック相の高温側に一軸性のネマチック相がある場合、二軸性の液晶相の(nx−nz)/(nx−ny)の値の制御が可能である(nx、ny、nzは、液晶相において直交する3方向の屈折率を表す。但し、最も大きい屈折率をnx、最も小さい屈折率をnzとする)。
例えば、ネマチック相((nx−nz)/(nx−ny)=1.0)から降温していくと、(nx−nz)/(nx−ny)値は、突然変化するのではなく、温度に応じて徐々に上昇していく傾向にある。したがって、UV照射による重合等の配向固定する温度を選択することで、(nx−nz)/(nx−ny)値を制御できる。ネマチック相から二軸性ネマチック相へ転移させた場合の、(nx−nz)/(nx−ny)値の制御範囲幅は、棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物の分子構造等により変化するため、一概には定義できないが、1.0により近い範囲が制御しやすい。具体的には1.0<(nx−nz)/(nx−ny)<10の範囲が制御しやすい。
また、ディスコティックネマチック相から二軸性ネマチック相へ転移させた場合もネマチック相から転移させた場合と同様に(nx−nz)/(nx−ny)値の制御が可能となるが、この場合は、ディスコティックネマチック相の(nx−nz)/(nx−ny)値は∞(nx=ny)であるため、その制御範囲幅は、∞により近い範囲が制御しやすい。具体的には1.2<(nx−nz)/(nx−ny)<∞の範囲が制御しやすい。
液晶相の3方向の屈折率を求める方法としては、例えば、酒井による報告(「自動複屈折計を利用したフィルムの複屈折解析方法」プラスチックス、Vol.51,No.3,57(2000))を参考にすることができる。
棒状液晶を発現する液晶性化合物とディスコティック液晶を発現する液晶性化合物とを含む本発明の液晶性組成物が二軸性ネマチック相を発現する場合、二軸性ネマチック相の三方向の屈折率をnx、ny、nz(nx>ny>nz)とすると、それぞれの値は、下記数式(III)を満足することが好ましい。
数式(III) 1.2≦(nx−nz)/(nx−ny)≦40
[光学活性化合物]
二軸性ネマチック相を発現する液晶化合物に光学活性化合物を混合することで、キラル二軸性ネマチック相を発現することが可能となる。キラル二軸性ネマチック相は、不斉中心を有する液晶性化合物を用いても発現させることも可能である。
光学活性化合物としては公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)を用いることができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(カイラル剤)は、重合性基を有していてもよい。
光学活性化合物の使用量は、二軸性ネマチック相を発現する液晶化合物の量の0.01乃至200モル%であることが好ましい。
[薄膜]
本発明の液晶性組成物から形成される薄膜の均一に配向した状態とは、液晶性化合物が均一で欠陥なく配向したモノドメインな配向状態を指す。このような配向状態を実現するためには、良好なモノドメイン性を示す液晶相が望ましい。モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。良好なモノドメイン性を示すと、高い光透過率を有しやすくなる。
本発明の薄膜を、均一に配向した薄膜として得るためには、液晶性化合物に必要に応じて他の添加剤を加え液晶性組成物とし、該液晶性組成物を塗布した後、液晶状態で均一配向させることで得られる。薄膜形成の際に液晶性化合物に加えることのできる添加剤の例としては、後述する空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等が挙げられる。
本発明の薄膜は、位相差板における光学異方性層とすることができる。
均一に配向した状態を実現するためには、配向膜を設けることが好ましい。但し、ディスコティック液晶性化合物の光軸方向が薄膜面の法線方向と一致する場合(ホメオトロピック配向)においては必ずしも配向膜は必要ではない。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
本発明の液晶性組成物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、ラビング処理もしくは、光照射により形成される配向膜が好ましい。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
本発明で配向状態が固定化された状態とは、その配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、通常の条件下では、0℃〜50℃が好ましく、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の条件下が好ましい。このような温度範囲は、固定化された液晶性組成物に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものである。なお、配向状態が最終的に固定化され薄膜(光学異方性層)が形成された際には、本発明の液晶性組成物は液晶性を示す必要はない。例えば、液晶性化合物として重合性基を有する化合物を用いているので、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋反応が進行し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。
本発明の液晶性組成物を光学異方性層の形成に用いる場合には、液晶性組成物に、空気界面配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマー等の添加剤を含んでもよい。
[空気界面配向制御剤]
液晶性組成物は、空気界面においては空気界面のチルト角で配向する。このチルト角は、液晶性組成物に含まれる液晶性化合物の種類や添加剤の種類等で、その程度が異なるため、目的に応じて空気界面のチルト角を任意に制御する必要がある。
前記チルト角の制御には、例えば、電場や磁場のような外場を用いることや添加剤を用いることができ、添加剤を用いることが好ましい。このような添加剤としては、炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の脂肪族基、または炭素原子数6〜40の置換もしくは無置換の脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1つ以上有する化合物が好ましく、分子内に2つ以上有する化合物がさらに好ましい。例えば、空気界面配向制御剤としては、特開2002−20363号公報に記載の疎水性排除体積効果化合物を用いることができる。
空気界面側の配向制御用添加剤の添加量としては、本発明の液晶性組成物に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がさらに好ましく、0.1質量%〜5質量%が最も好ましい。
[ハジキ防止剤]
本発明の液晶性組成物に添加し、該組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般に高分子化合物を好適に用いることができる。
使用するポリマーとしては、本発明の液晶性組成物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
本発明の液晶性組成物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、本発明の液晶性組成物に対して一般に0.1〜10質量%の範囲にあり、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
[重合開始剤]
本発明における配向状態の固定化は、例えば、液晶性組成物を一度液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより、その液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化することで形成できる。また、本発明の液晶性組成物に重合開始剤を添加した組成物を液晶相形成温度まで加熱した後、重合させ冷却することによって液晶状態の配向状態を固定化することで形成できる。本発明における配向状態の固定化は、後者の重合反応により行うことが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応または電子線照射による重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、液晶性組成物(光学異方性層の塗布液)の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。
[重合性モノマー]
本発明の液晶性組成物には、重合性のモノマーを添加してもよい。本発明で使用できる重合性モノマーとしては、本発明の化合物と相溶性を有し、液晶性組成物の配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して一般に0.5〜50質量%の範囲にあり、1〜30質量%の範囲にあることが好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と本発明の薄膜(光学異方性層)間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
本発明の液晶性組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステルおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
本発明の薄膜は、上記溶媒を用いて本発明の液晶性組成物の塗布液を調製し配向膜上に塗布し、本発明の液晶性組成物を配向処理することにより形成できる。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
[参考例]
[二軸性ネマチック相の確認]
(D−8)0.225gと(TO−3)0.100gをCH2Cl2に溶解後、溶媒を蒸発させ、(BAmix−1)を得た。(BAmix−1)は、偏光顕微鏡における観察から、150℃からの降温時に100℃以下でネマチック相を発現することが明らかとなった。
次に、この(BAmix−1)を5μmのセルギャップの水平配向セル((株)EHC製;KSRP−05/A107M1NSS(ZZ))に110℃で注入し、100℃に冷却すると、ネマチック相に転移してホメオトロピック配向して暗視野となった。さらに80℃まで温度を下げると、液晶の転移が起こり二軸性ネマチック相に転移した。80℃の状態で3分間で維持し、レターデーションの角度依存性の測定を行い、(nx−nz)/(nx−ny)を求めたところ、4.0であった。
[実施例1]
[キラル二軸性ネマチック相の確認]
(D−8)0.225g、(TO−3)0.100gおよび下記光学活性化合物0.01gをCH2Cl2に溶解後、溶媒を蒸発させ、(BAmix−2)を得た。(BAmix−2)は、偏光顕微鏡における観察から、150℃からの降温時に80℃以下でキラル二軸性ネマチック相を発現することが明らかとなった。
Figure 2006124666
[実施例2]
[均一に配向した薄膜]
下記変性ポリビニルアルコールとグルタルアルデヒド(変性ポリビニルアルコールの5質量%)とを、メタノール/水の混合溶媒(容積比=20/80)に溶解して、5質量%の溶液を調製した。
Figure 2006124666
この溶液を、ガラス基盤上に塗布し、100℃の温風で120秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜の膜厚は0.5μmであった。
前記で作製したラビングした配向膜上に、下記の組成を有する液晶性組成物塗布液を、スピンコーターを用いて塗布した。
(液晶性組成物塗布液)
前記液晶性組成物(BAmix-2) 100質量部
光重合開始剤
(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 2.0質量部
下記空気界面配向制御剤 V−(1) 0.2質量部
クロロホルム 700質量部
Figure 2006124666
上記の光学異方性層を塗布したガラス基盤を、130℃の恒温槽中に入れ、120℃まで加熱し、その後、80℃まで冷却し、その温度で2分間保持する。次に酸素濃度2%の80℃の恒温槽に入れ、5分後に600mJの紫外線を照射して配向状態を固定した。得られた薄膜を偏光顕微鏡で観察すると均一に配向していることが確認できた。
[実施例3]
[D−8の合成]
下記スキームにしたがってD−8を合成した。
Figure 2006124666
文献記載の方法(Kim, Bong Giらの報告、Molecular Crystals and Liquid Crystals, 2001年, 370巻, 391頁)に従い合成した(D−3)5.0gをCH2Cl2100mlに溶解させ、三臭化ホウ素(1.0M CH2Cl2溶液)75mlを添加した。40℃で12時間撹拌後、反応液に水を加え、析出した結晶をろ過により濾取した。この結晶を乾燥することで、トリヒドロキシ体を3.0g得た。
3−ブロモ−1−プロパノール5gをジメチルアセトアミド20mlに溶解後、アクリロイルクロライド3.8mlを、反応温度40℃以下で滴下した。1時間攪拌後、水200mlを加え酢酸エチル/ヘキサンで抽出した。分液後、有機層を留去し、上記トリヒドロキシ体0.5g、炭酸カリウム2.0gおよびジメチルホルムアミドを加え、100℃で10時間攪拌した。
反応液に水を加え、CH2Cl2で抽出後、有機層を濃縮し、カラムクロマトグラフィーを用いて精製を行うことで、D−8の白色の結晶0.8gを得た。得られたD−8の1H−NMRスペクトルは、以下のとおりである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
2.15−2.30(6H、m)
4.18(6H、t)
4.43(6H、t)
5.86(3H、d)
6.16(3H、dd)
6.45(3H、d)
7.08(6H、d)
8.16(6H、d)
9.02(3H、s)
得られたD−8の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行ったところ、温度を上げていき125℃付近で結晶相からディスコティックネマチック相に転移し、149℃を超えると等方性液体相に転移した。すなわち、D−8は125℃から149℃の間でディスコティックネマチック相を呈することが分かった。
[実施例4]
[TO−3の合成]
下記スキームにしたがってTO−3を合成した。
Figure 2006124666
(m−4Aの合成)
ブロモハイドロキノン25.0gをピリジン(Py)70mlに溶解させ、反応温度50℃以下で無水酢酸(Ac2O)37mlを滴下した。3時間攪拌後、反応液に水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和重曹水、希塩酸、水、飽和食塩水で洗浄したのち、溶媒を減圧留去した。ヘキサンで結晶化させ、m−4Aの結晶32.2gを得た。
(m−4Bの合成)
m−4A 32.2g、トリメチルシリル(TMS)アセチレン17.4g、トリフェニルホスフィン0.5g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド0.25gおよびヨウ化銅(I)80mgをトリエチルアミン200mlに溶解させ、窒素雰囲気下で10時間還流した。冷却後、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別し、有機層を減圧留去した。得られた残査をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、m−4Bの結晶32.0gを得た。
(m−4Cの合成)
m−4B 32.0gをテトラヒドロフラン200mlに溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオラド(TBAF)のテトラヒドロフラン溶液(1.0M溶液)を120ml添加し、室温で30分間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、m−4Cの結晶20.5gを得た。
(TO−3Aの合成)
2,3−ジシアノハイドロキノン20.4gをt−ブタノール150mlに溶解させ、NBS(N−ブロモスクシンイミド)22.6gを添加後、室温で4時間攪拌した。反応液を水1Lに加え、析出した結晶を濾過後、濾液に濃塩酸を加え酢酸エチルで抽出を行った。有機層を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、TO−3A 8.5gを得た。
(TO−3Bの合成)
TO−3A 8.0gをテトラヒドロフラン50mlに溶解させ、ピリジン(Py)25mlと無水酢酸(Ac2O)20mlを滴下した。12時間攪拌後、反応液を水1Lに加え、析出した結晶を濾別し乾燥した。得られた結晶をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、TO−3B 9.7gを得た。
(TO−3Cの合成)
TO−3B 3.0g、実施例4に従って得られたm−4C 2.43g、トリフェニルホスフィン60mg、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド30mgおよびヨウ化銅(I)10mgをトリエチルアミン100mlに溶解させ、窒素雰囲気下、60℃で5時間加熱した。冷却後、反応液にメタノールを加え、析出した結晶を濾別し乾燥した。得られた結晶をカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、TO−3C 1.7gを得た。
(TO−3Dの合成)
TO−3C 1.7gをテトラヒドロフラン40mlに溶解させ、窒素バブリング下でナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)5mlとメタノール20mlを添加した。室温で30分攪拌後、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を減圧留去し、TO−3D 1.0gを得た。
(TO−3の合成)
メタンスルホニルクロライド0.43gをテトラヒドロフラン10mlに溶解させ0℃に冷却した。この溶液に4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)安息香酸1.0g、ジイソプロピルエチルアミン0.51gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。0℃で1時間撹拌後、ジイソプロピルエチルアミン0.51g,4−ジメチルアミノピリジン0.02gを添加し、次いで、TO−3D 0.14gのテトラヒドロフラン10ml溶液を添加した。室温で12時間撹拌後、反応液に水を加え、CH2Cl2で抽出した。減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、TO−3の白色の結晶0.32gを得た。得られたTO−3のNMRスペクトルは以下の通りである。
1H−NMR(溶媒:CDCl3、基準:テトラメチルシラン)δ(ppm):
1.70−1.90(8H、m)
1.90−2.00(8H、m)
3.90−4.00(4H、m)
4.08−4.18(4H、m)
4.19−4.30(8H、m)
5.80−5.90(4H、m)
6.07−6.20(4H、m)
6.36−6.48(4H、m)
6.90−7.05(9H、m)
7.25(1H、dd)
7.32(1H、d)
7.47(1H、d)
8.06−8.20(8H、m)
得られたTO−3の相転移温度を偏光顕微鏡によるテクスチャー観察によって行ったところ、温度を上げていき122℃付近で結晶相からネマチック液晶相に変わり、195℃を超えると等方性液体相に変わった。すなわち、TO−3は122℃から195℃の間でネマチック液晶相を呈することが分かった。

Claims (7)

  1. 少なくとも一種の二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物と、光学活性化合物とを含有する液晶性組成物。
  2. 二軸性ネマチック相を発現する液晶性混合物と、光学活性化合物とを含有することを特徴とする液晶性組成物。
  3. 前記二軸性ネマチック相を発現する液晶性混合物が、ディスコティックネマチック相を発現する液晶性化合物及びネマチック相を発現する液晶性化合物の混合物であることを特徴とする請求項2に記載の液晶性組成物。
  4. 前記二軸性ネマチック相を発現する液晶性化合物が、少なくとも一種類の重合性基を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶性組成物。
  5. 前記ディスコティックネマチック相を発現する液晶性化合物及び前記ネマチック相を発現する液晶性化合物の少なくとも一方が、少なくとも一種類の重合性基を有することを特徴とする請求項3に記載の液晶性組成物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の液晶性組成物から形成されたことを特徴とする薄膜。
  7. 前記液晶性組成物における液晶性化合物の配向した状態が固定化されたことを特徴とする請求項6に記載の薄膜。
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