JP4460474B2 - 位相差板および光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶相を発現する化合物(液晶性化合物)から形成される光学異方性層を有する位相差板であって、二軸性を示す(例えば、ニ軸性液晶性化合物から形成される)光学異方性層を有し、かつ光学異方性層の最も大きい屈折率方向が透明支持体の支持体面(透明支持体面という)の法線方向にほぼ平行な位相差板に関する。さらに、本発明は、このような位相差板を用いた光学素子に関する。
従来、携帯型情報通信機器、液晶モニター、液晶テレビ、有機EL表示装置などの画像表示装置には、画質を向上させる目的で種々の高分子材料からなる光学フィルムが多く用いられている。このような光学フィルムでは、フィルム面内の屈折率が最大となる方向をX軸、X軸に垂直な方向をY軸、フィルムの厚さ方向をZ軸とし、それぞれの軸方向の屈折率をnx、ny、nzとしたとき、それらの大小関係を制御することで、前述の液晶表示装置等の画像表示装置の視野角を広げるために用いられている。それぞれの軸の屈折率の好適な大小関係は、液晶表示装置のモード(TN,VA,OCB,IPS等)によって異なる。また、画質を向上させるためには、表示装置に使用されているほかのフィルム、例えば偏光板の保護フィルムの光学特性も考慮して設計する必要があり、フィルムの厚さ方向(Z軸)の屈折率を大きくするフィルムが必要とされていた。
前述の屈折率nx、ny、nzがいずれも異なる場合、光学的に二軸であるという。 光学的に二軸性のフィルム(二軸性フィルム)を作製する場合、ポリマーから得られるフィルムを二軸延伸によって得る方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、光学異方性層の最も大きい屈折率方向が位相差板の透明支持体面の法線方向にほぼ平行な位相差板を、ポリマーから得られるフィルムを延伸する方法で製造することは容易ではなかった。
最近では、二軸性の液晶相を示す化合物(ニ軸性液晶性化合物)を用いて二軸性のフィルムを得る方法が提案されている。液晶性化合物を用いた二軸性フィルムは、これまで多く用いられてきた二軸性延伸フィルムと比較して、その膜厚を非常に薄くできるメリットを持つため、二軸性フィルムに液晶性化合物を採用することは、デバイスの薄層化や軽量化等に有用な手段である。
二軸性の液晶性化合物を用いた二軸性フィルムとしては、二軸性液晶相の一つであるSCA相を発現する高分子の液晶性化合物を一軸延伸する方法によって作製された例が報告されている(例えば、特許文献2参照)。この方法で得られる二軸性フィルムでは、屈折率が最も大きい方向が位相差板の透明支持体面の法線方向とほぼ平行である有用な光学特性を得ることができる。しかし延伸を利用したフィルムは、フィルムの寸法安定性が悪く、光学性能が湿熱等で変わりやすい性質を持つことが多く、位相差板として利用できない。
一方、二軸性の液晶性化合物を用いて延伸を全く利用せずに二軸性フィルムを作製する報告例がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、この報告では、最も屈折率の大きい方向と位相差板の透明支持体面の法線方向をほぼ平行にさせることについての具体的な開示がない。さらに、二軸性液晶性化合物を用いた他の報告例(例えば、特許文献4〜6参照)においても、同様に、最も小さい屈折率方向と位相差板の透明支持体面の法線方向とをほぼ直交させることの開示はない。
特開平2−264905号公報 特開平11−60972号公報 特開2002−6138号公報 特開2002−174730号公報 特開2004−231641号公報 特開2004−264841号公報
本発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、光学異方性層の屈折率が最も大きい方向が透明支持体面の法線方向にほぼ平行な光学特性を有し、さらに、液晶性化合物を用いることにより延伸操作を行うことなしに作製できる位相差板、および該位相差板を用いた光学素子の提供を目的とする。
上記課題は以下の手段により解決される。
(1)透明支持体の上に、少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、
前記透明支持体と少なくとも一層の光学異方性層との間に配向膜を有し、
前記光学異方性層の少なくとも一層が、二軸性を示し、かつ、液晶相を発現する化合物を含み、
さらに前記光学異方性層の屈折率が最も大きい方向と前記透明支持体面とのなす角が、透明支持体側界面と空気界面とのいずれにおいても75〜105°であり、
前記光学異方性層は、正の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物と、負の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物とを含有し、前記正の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物および/または前記負の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物が配向膜側界面制御剤を含有することを特徴とする位相差板。
(2)前記二軸性を示す液晶相を発現する化合物が、重合性化合物および/または高分子化合物である、(1)に記載の位相差板。
(3)前記光学異方性層の屈折率が最も小さい方向と透明支持体面の法線方向とのなす角が、透明支持体側界面および空気側界面のいずれにおいても75〜105°であり、かつ、前記光学異方性層の屈折率が最も大きい方向と透明支持体とのなす角が、透明支持体側界面と空気界面とのいずれにおいても75〜105°である、(1)または(2)に記載の位相差板。
(4)前記液晶性組成物が空気界面側配向制御剤を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の位相差板。
(5)前記配向膜側界面制御剤が、オニウム塩である、(1)〜(4)のいずれかに記載の位相差板。
(6)前記配向膜が、疎水性基および/または排除体積基を有するポリマーを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の位相差板。
(7)偏光膜と、(1)〜(6)のいずれかに記載の位相差板と、コレステリック液晶層からなる光学異方性層とを該順に積層してなる光学素子。
本発明によれば、液晶性化合物を用いて延伸操作を行うことなしに、光学異方性層が、二軸性を示し、かつ、最も小さい屈折率方向が位相差板の透明支持体面の法線方向とほぼ直交し、かつ、最も大きい屈折率方向が透明支持体面の法線方向とほぼ平行な光学特性を有する位相差板、およびこの位相差板を用いた光学素子が提供できる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
[液晶性化合物]
本発明の位相差板は、透明支持体上に、液晶性化合物から形成される光学異方性層を少なくとも一層有する。ここで、液晶性化合物は、一軸性液晶性化合物であっても、二軸性液晶性化合物であってもよいが、二軸性液晶性化合物であることが好ましい。本発明の光学異方性層は、液晶相を発現した状態で該液晶性化合物を固定化して形成する。そのため、二軸性液晶性化合物を用いると、本発明の光学異方性層を形成し易くなるので好ましい。一軸性液晶性化合物など単独では二軸性を示さない液晶性化合物を用いる場合には、2種類以上の化合物を混合させることなどにより、二軸性を示す液晶相(光学異方性層)を形成することができる。本発明で採用する液晶性組成物は、三方向の屈折率主軸をn1、n2、n3とするとn1>n2>n3の関係を満たす液晶性組成物である。
[二軸性液晶性化合物]
本発明で光学異方性層を形成するために用いられるニ軸性液晶性化合物とは、光学的に二軸性を示す液晶性化合物である。換言すれば、液晶相の3軸方向の屈折率主軸n1、n2、n3が異なり、例えばn1>n2>n3の関係を満たす液晶性化合物である。
本発明に用いる二軸性液晶性化合物は、上記の性質を持つと同時に、均一な欠陥のない配向のために、良好なモノドメイン性を示すものが望ましい。モノドメイン性を示すものを採用することにより、得られる構造がポリドメインとなるのを抑止し、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光が散乱してしまうのをより効果的に抑止できる。これは、位相差板の透過率の抑止にも働く点でより好ましい。なお、後術する一軸性液晶性化合物を用いる場合にも、該液晶性化合物としてはモノドメイン性を示すものが望ましい。
本発明で採用する二軸性液晶性化合物が示す二軸性液晶相としては、二軸性ネマチック相、二軸性スメクチックA相、二軸性スメクチックC相を好ましい例として挙げることができる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示す二軸性ネマチック相(Nb相)が好ましい。二軸性ネマチック相とは、ネマチック液晶性化合物がとり得る液晶相の一種であるが、液晶相の空間をx軸、y軸、z軸で定義した際、該液晶性化合物(液晶性分子)がy軸を中心にしたxz平面の自由回転も、z軸を中心にしたxy平面の自由回転も禁止されている状態を示す。二軸性ネマチック相は液晶性分子を配向させやすく、配向欠陥が生じにくいため好ましい。
本発明で採用する二軸性液晶性化合物としては、好ましくは重合性化合物および/または高分子化合物である。重合性化合物は、低分子化合物(例えば、分子量200〜2000)でもよいし、高分子化合物(例えば、分子量2000以上)でもよい。配向の固定を行うために重合性化合物であることが好ましいが、高分子化合物の場合は、ガラス転移点が30℃以上の場合には、必ずしも重合性である必要はない。
本発明では、1種類の二軸性液晶性化合物を用いてもよいし、2種類以上の二軸性液晶性化合物を併用して用いてもよい。例えば、重合性のニ軸性液晶性化合物と非重合性のニ軸性液晶性化合物とを併用することも可能である。また、低分子液晶性化合物と高分子液晶性化合物を併用することも可能である。さらに、後術するように単独では二軸性液晶相を発現しない化合物を2種以上混合させることで二軸性液晶相を発現するようになる二軸性液晶混合物を用いることも可能である。
二軸性液晶性化合物の具体例としては、例えば、有機合成化学,第49巻,第5号(1991)の124〜143頁に記載の化合物、D.W.Bruceらの研究報告〔AN EU−SPONSORED'OXFORD WORKSHOP ON BIAXIAL NEMATICS'(St Benet's Hall、University of Oxford 20−22 December、1996)、p157−293〕、S.CHANDRASEKHAR等の研究報告〔A Thermotropic Biaxial Nematic Liquid Crystal;Mol.Cryst.Liq.Cryst.,1988,Vol.165,pp.123−130〕、D.Demus、J.Goodby等著〔Handbook of Liquid Crystals Vol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、WILEY−VCH社刊、pp933−943〕等に記載の化合物を挙げられる。該化合物に重合性基を導入して用いることもできる。
本発明では、重合性基を有する低分子液晶性化合物として、例えば、特開2002−174730号公報の段落番号0030〜0032(RについてはR1〜R39の例示(段落番号0034〜0036に記載)が適用できる)に記載の化合物、およびオリゴマー液晶性化合物については該公報の段落番号0039〜0040に記載のものが適用できる。
また、上記以外で本発明で好ましく用いることのできる低分子液晶性化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
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高分子液晶性化合物の具体例としては、例えば、H.F.Leubeらの研究報告〔Optical investigations on a liquid−crystalline side−chain polymer with biaxial nematic and biaxial smectic A phase; Makromol. Chem., 1991,Vol.192, pp.1317−1328〕、〔New bilaterally linked mesogens in main−chain polymers with exhibition of biaxial fluctuation in nematic phase; Macromolecules, 1998, Vol.31, pp. 3537−3541〕等に記載の化合物が挙げられる。
また、上記以外で本発明で好ましく用いることのできる高分子液晶性化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
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複数の化合物を組み合わせて二軸性液晶相を発現する場合、正の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物(以下、「液晶性組成物R」ということがある)と、負の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物(以下、「液晶性組成物D」ということがある)を含有する液晶性組成物であって、前記液晶性組成物Rが板状の形状を有する化合物を含有する組成物であること好ましい。
ここで、正の複屈折性を有する液晶相とは、屈折率主軸がn1>n2≧n3であり、例えば、下記数式(I)を満たす液晶相を指す。また、負の複屈折性を有する液晶相とは、屈折率主軸がn1≧n2>n3であり、例えば、下記数式(II)を満たす液晶相を指す。
数式(I) 1.0≦(n1−n2)/(n1−n3)<1.1
数式(II) 20<(n1−n3)/(n1−n2)≦∞
液晶相の3方向の屈折率を求める方法としては、例えば、酒井による報告(「自動複屈折計を利用したフィルムの複屈折解析方法」プラスチックス、Vol.51,No.3,57(2000))を参考にすることができる。
本発明において液晶性組成物Rおよび液晶性組成物Dは、それぞれ1種以上の液晶性化合物を含有する液晶性組成物であり、1種の液晶性化合物のみからなる場合も含む。2種以上の液晶性化合物を含む場合は、例えば、重合性液晶性化合物と非重合性液晶性化合物との併用が可能である。また、低分子液晶性化合物と高分子液晶性化合物との併用も可能である。
また、液晶性化合物以外に、後述する光学異方性層の形成にあたり加えることのできる添加剤(例えば、空気界面側配向制御剤、ハジキ防止剤、重合開始剤、重合性モノマーおよび溶媒等)を含んでいてもよい。また、本発明では、液晶性組成物Rおよび/または液晶性組成物Dが配向膜側界面制御剤を含有する。これらの添加剤は、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを混合して形成する際に、添加してもよい。
[液晶性組成物R]
液晶性組成物Rとしては、例えば板状の形状(棒状の形状を含む)を有する液晶性化合物が発現する、ネマチック相、スメクチックA相およびスメクチックC相等を好ましい例として挙げることができる。このような液晶相は、n1>n2=n3の関係にあるため、正の複屈折性を有する一軸性の液晶相である。詳しくは液晶便覧(丸善(株)2000年発行)第2章などに記載されており、数式(I)を満たす液晶相としてはネマチック相がより好ましい。
一方、一軸性の液晶相であるのか、二軸性の液晶相であるのか判断が難しい液晶相も知られている。例えば、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid Crystals Vol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕に記載の液晶相は判断の困難な液晶相と言える。数式(I)を満たす液晶相としては、このような一軸性と二軸性の判断が困難な液晶相も含まれる((n1−n3)/(n1−n2)が1以外の場合)。
液晶相の一軸性の判断、および複屈折性の正負の判断は、液晶性化合物をホメオトロピック配向させた状態で、偏光顕微鏡を用いコノスコープ観察によって行うことができる。この判断は、坪井誠太郎著、「偏光顕微鏡」(岩波書店 1959年発行)第三章に記載されている基準で行うことができる。
数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよいが、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとの相溶性の点で、低分子液晶性化合物の方が好ましい。
数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物としては、正の複屈折性を有する一軸性の液晶相を発現する液晶性化合物が好ましく、該化合物としては、例えば、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類を好ましい例として挙げることができる。
液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物は、液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物との間で、相互作用(例えば、水素結合や双極子相互作用)可能な置換基または共有結合を形成可能な置換基(例えば、重合性基)を有することが好ましい。このような置換基を有することで、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを混合させたときに、両組成物同士の相溶性がよくなり、各々の組成物からなる相ごとに相分離してしまうのをより効果的に避けることができる。尚、同様な理由で、後術する液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物も同様な基を有することが好ましい。
数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物は、重合性基を有することが好ましく、化合物の分子の末端に重合性基を有することがより好ましい。重合性基を有することは、上記のとおり液晶性組成物Dとの相分離を防ぐ他、熱などにより位相差の変化を防ぐことができる点からも好ましい。
数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物の形状は、特に限定されず、板状(棒状を含む)でもその他の形状でもよい。なかでも、板状であることが、数式(II)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Dとの相溶性や、本発明の液晶性組成物が二軸性液晶相の発現のしやすさの点から、好ましい。
上記液晶性化合物が「板状」であるとは、該化合物が、単独で液晶性を示すコア部を少なくとも二つ有するとともに、コア部同士が共有結合により連結した平面状の、正の複屈折性を有する一軸性液晶性化合物であることを意味する。より具体的には、液晶性化合物が「板状」であるとは、次のことを意味する。すなわち、液晶性化合物の安定化構造を内接し且つ体積が最小となる直方体の最も長い辺をLl、中間の辺をLm、最も短い辺をLsとしたとき、該液晶性化合物が「板状」とは、Ll/Lm>1.1かつLm/Ls>1.5の場合である。液晶性化合物の最安定化構造は、MOPAC(半経験的分子軌道計算プログラム)により求めることができ、具体的にはMOPACのAM1法(使用ソフト:WinMOPAC、販売元:富士通(株))を用いればよい。
本発明では、液晶性組成物Rに用いる液晶性化合物が有する板状の形状として、さらに数式(IV)と数式(V)の両式を満たすことが好ましい。
数式(IV) 1.2<Ll/Lm<10
数式(V) 2.0<Lm/Ls<10
板状の形状を有する液晶性化合物として、Mol.Cry.Liq.Cry.,323巻,231頁(1998年)、「染料と薬品」第42巻、第4号、85頁(1997年)、「染料と薬品」第42巻、第3号、68頁(1997年)などに記載の化合物や、記載の化合物に重合性基を導入した化合物を用いることができる。
重合性基を有する正の複屈折性を有する一軸性液晶性化合物としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻,107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号各明細書、国際公開WO95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号および特開2001−328973号各公報などに記載の化合物を用いることができる。
板状の形状を有する液晶性化合物は、上記文献に記載の化合物以外にも、下記一般式(R−I)で表される液晶性化合物が好ましい。
一般式(R−I)
Figure 0004460474
一般式(R−I)中、LAは−C≡C−または−C≡C−C≡C−を表す。
1AおよびX2Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子)、カルボキシル基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルキルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基およびアルキルオキシカルボニル基を表す。特に、ハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、シアノ基および炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルキルオキシ基がより好ましく、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましい。
n1およびn2は、それぞれ独立に、0〜3の整数を表す。n1およびn2は、それぞれ独立に、0〜2が好ましい。特に(n1+n2)が1〜4が好ましい。n1またはn2が、2以上であるときは、2以上のX1AおよびX2Aは、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
1A、R2A、R3AおよびR4Aは、それぞれ独立に下記式(R−IA)を表す。
式(R−IA)
*−(L1A−二価の環状基)p−L2A−二価の鎖状基−Q1A
式(R−IA)中、*は式(R−I)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
1Aは単結合または二価の連結基である。L1Aが二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH2−、−CH=CH−、−C≡C−、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
1Aは単結合、および、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH2−CH2−、*−O−CH2−、*−CH2−O−、*−CO−CH2−CH2−、*−CH=CH−、*−C≡C−(ここで、*は式(R−IA)中の*を表す)が好ましく、単結合、*−O−CO−がより好ましい。
2Aは単結合または二価の連結基である。L2Aが二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。R7は上記L1AにおけるR7と同義であり、好ましい範囲も同義である。
2Aは単結合、および*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O
−、*−CO−、*−S−、*−NR7−、(ここで、*は一般式(R−IA)中の二価の環状基に連結する位置を表す)が好ましく、単結合、*−O−、*−O−CO−、*−CO−O−、*−O−CO−O−がより好ましい。
二価の環状基とは、少なくとも1種類の環状構造を有する二価の基である。二価の環状基中の環は5員環、6員環および/または7員環であることが好ましく、5員環および/または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。環状基中の環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。また、環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環および複素環のいずれでもよい。
二価の環状基のうち、芳香族環としては、ベンゼン環およびナフタレン環を有するものが好ましい。脂肪族環としては、シクロヘキサン環を有するものが好ましい。複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、チオフェン環、1,3−ジオキサン環および1,3−ジチアン環を有するものが好ましい。
二価の環状基のうち、ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレン基が好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイル基およびナフタレン−2,6−ジイル基が好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレン基であることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイル基が好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイル基が好ましい。チオフェン環を有する環状基としては、チオフェン−2,5−ジイル基が好ましい。1,3−ジオキサン環を有する環状基としては、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイル基が好ましい。1,3−ジチアン環を有する骨格としては、1,3−ジチアニレン−2,5−ジイル基が好ましい。
二価の環状基は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイル基が好ましく、さらに1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,3−ジオキシレン−2,5−ジイル基が好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
二価の環状基は、置換基を有していてもよく、その置換基としてはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜8のアシル基、炭素原子数2〜8のアシルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基またはシアノ基が好ましく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜4のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基またはシアノ基がより好ましい。
二価の鎖状基は、無置換のアルキレン基、置換アルキレン基、無置換のアルケニレン基、置換アルケニレン基、無置換のアルキニレン基および置換アルキニレン基が好ましい例として挙げられ、無置換のアルキレン基、置換アルキレン基、無置換のアルケニレン基、または置換アルケニレン基が好ましく、無置換アルキレン基または無置換アルケニレン基がより好ましい。
無置換のアルキレン基は、分岐鎖を有していてもよい。また、アルキレン基中の−CH2−は、例えば−O−および/または−S−で置き換えられていてもよい。無置換のアルキレン基の炭素数は1〜16であることが好ましく、2〜14であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記無置換のアルキレン基と同義であり、好ましい範囲も同義である。置換基の例としては、アルキル基およびハロゲン原子が挙げられる。
二価の鎖状基としてのアルケニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐を有していてもよい。また、アルケニレン基中に−CH2−がある場合、該−CH2−は例えば−O−、−S−で置き換えられていてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜16であることが好ましく、2〜14であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはアルキル基およびハロゲン原子が挙げられる。
二価の鎖状基としてアルキニレン基は、主鎖中に置換または無置換のアルキレン基を有してもよく、分岐鎖を有していてもよい。また、アルキニレン基中に−CH2−がある場合、該−CH2−は例えば−O−、−S−で置き換えられていても良い。アルキニレン基の炭素数は2〜16であることが好ましく、2〜14であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましい。置換アルキニレン基が有していてもよい置換基の例としてはアルキル基およびハロゲン原子が挙げられる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1−メチル−テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、2−ブテニレン基および2−ブチニレン基などが挙げられる。
二価の鎖状基は、炭素数1〜16の置換または無置換のアルキレン基、炭素数2〜16の置換または無置換のアルケニレン基、炭素数2〜16の置換または無置換アルキニレン基が好ましく、炭素数1〜12の置換または無置換のアルキレン基がより好ましい。鎖状基の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子が好ましい。
1Aは重合性基を表す。以下に重合性基の例を示す。
Figure 0004460474
上記中、q1〜q10が好ましく、q1〜q8がより好ましい。
さらに、重合性基は付加重合反応が可能な官能基であることが特に好ましい。そのような重合性基としては、重合性エチレン性不飽和基または開環重合性基が好ましい。
重合性エチレン性不飽和基の例としては、下記の式(M−1)〜(M−6)が挙げられる。
Figure 0004460474
式(M−3)および(M−4)中、Rは水素原子またはアルキル基を表し、水素原子またはメチル基がより好ましい。
上記(M−1)〜(M−6)の中でも、(M−1)または(M−2)が好ましく、(M−1)がより好ましい。
開環重合性基としては、環状エーテル基が好ましく、エポキシ基またはオキセタニル基がより好ましく、エポキシ基がさらに好ましい。
pは0〜3の整数を表し、1または2が好ましく、1がさらに好ましい。
さらに、該一般式(R−I)中のベンゼン環のメチンを窒素原子に置き換えた化合物も用いられ得る。
以下に、一般式(R−I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
Figure 0004460474
[液晶性組成物D]
液晶性組成物Dとしては、例えば円盤状の形状を有する液晶性化合物が発現する、ディスコティックネマチック相、カラムナー相、カラムナーラメラ相等を挙げることができる。本発明においては、数式(II)を満たす液晶相としてはディスコティックネマチック相がより好ましい。
一方、一軸性の液晶相であるのか、二軸性の液晶相であるのか判断が難しい液晶相も知られている。例えば、D.Demus,J.Goodby等著〔Handbook of Liquid Crystals Vol.2B:Low Molecular Weight Liquid Crystals II、pp933−943:WILEY−VCH社刊〕に記載の液晶相は判断の困難な液晶相と言える。数式(II)を満たす液晶相としては、このような一軸性と二軸性の判断が困難な液晶相も含まれる。
数式(II)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物は、低分子液晶性化合物でもよいし、高分子液晶性化合物でもよいが、液晶性組成物D液晶性組成物Rとの相溶性の点で、低分子液晶性化合物の方が好ましい。
本発明で用いる液晶性組成物Dとしては、様々な文献(C.Destradeetal.,Mol.Crys.Liq.Crys.,71巻,111頁(1981年)、日本化学会編,季刊化学総説,No.22,液晶の化学,第5章,第10章,第2節(1994)、B.Kohneetal.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,1794頁(1985年)、J.Zhangetetal.,J.Am.Chem.Soc.,116巻,2655頁(1994年))などに記載のものが挙げられる。
液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物は、重合性基を有することが好ましく、化合物の分子の末端に重合性基を有することがより好ましい。重合性基を有することは、上記のとおり液晶性組成物Rとの相分離を防ぐ他にも、位相差板の変化を防ぐことができる点でも好ましい。特に、下記一般式(D)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(D)
D(−L−Q)n
一般式(D)中、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基である。また、nは3〜12の整数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。以下に一般式(D)の具体例(D1〜D16)の構造式を示す。
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物は、下記一般式(D−2)で表される化合物がさらに好ましい。

Figure 0004460474
一般式(D−2)中、Y11、Y12およびY13は、それぞれ独立に、メチンまたは窒素原子を表す。
11、Y12および/またはY13がメチンの場合、該メチンの水素原子は置換基によって置換されていてもよい。置換基の例には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基が挙げられる)、アリールスルホニルアミノ基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、アルキルスルホニル基(例えば、メシル基などが挙げられる)、アリールスルホニル基(例えば、トシル基などが挙げられる)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基などが挙げられる)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(例えば、無置換のウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。
これらのなかでも、メチンの水素原子が置換されていてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子およびシアノ基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基がさらに好ましく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数2〜12アルコキシカルボニル基、炭素数は2〜12アシルオキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基が最も好ましい。
11、Y12およびY13は、すべてメチンであることが最も好ましく、またメチンは無置換であることが最も好ましい。
一般式(D−2)中、L1、L2およびL3は、それぞれ独立に単結合または二価の連結基である。L1、L2およびL3としては、単結合、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−二価の環状基−、*−O−CO−二価の環状基−、*−CO−O−二価の環状基−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−、*−二価の環状基−O−CO−、*−二価の環状基−CO−O−、*−二価の環状基−CH=CH−、*−二価の環状基−C≡C−が好ましく、単結合、*−CH=CH−、*−C≡C−、*−CH=CH−二価の環状基−、*−C≡C−二価の環状基−がより好ましい。*は一般式(D−2)中のY11、Y12およびY13を含む6員環に結合する位置を表す。
1、H2およびH3は、それぞれ独立に、二価の5員環環状基を表す。二価の5員環環状基は、ヘテロ環が好ましい。ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ホウ素原子、リン原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、硫黄原子がより好ましく、窒素原子と酸素原子を含むヘテロ環がさらに好ましい。
二価の5員環環状基は、少なくとも1個のメチンを有していることが好ましく、2個以上のメチンを有していることがさらに好ましい。
二価の5員環環状基としては、例えば、チオフェン−2,5−ジイル基、フラン−2,5−ジイル基、オキサゾール−2,5−ジイル基、イミダゾール2,5−ジイル基、1,3,4−オキサジアゾ−ル−2,5−ジイル基、テトラヒドロフラン−2,4−ジイル基等を挙げることができる。
二価の5員環環状基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、Y11、Y12およびY13と同様の置換基を挙げることができる。
一般式(D−2)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立にアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、アミノ基(例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基などが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基が挙げられる)、アリールスルホニルアミノ基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、アルキルスルホニル基(例えば、メシル基などが挙げられる)、アリールスルホニル基(例えば、トシル基などが挙げられる)、アルキルスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル基などが挙げられる)、アリールスルフィニル基(例えば、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(例えば、無置換のウレイド基、3−メチルウレイド基、3−フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)を表す。これらは置換基を有していてもよく、例えば、該置換基は、さらにこれらの基によって置換されていてもよい。
1、R2、R3は、それぞれ独立に下記一般式(III)で表されるものがさらに好ましい。
一般式(III) *−L11−Q3
一般式(III)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
3は、重合性基またはメチル基である。一の分子中に2以上のQ3が含まれる場合、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。Q3は重合性基であることが好ましい。重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。より具体的には、Q3は、一般式(R−IA)におけるQ1Aと同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(III)中、L11は二価の連結基であり、一般式(R−I)のLAと同義であり、好ましい範囲も同義である。一の分子中に2以上のL11が含まれる場合、これらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式(IV)で表されるものがさらに好ましい。
一般式(IV) *−L21−二価の環状基−L22−Q1
一般式(IV)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
1は、一般式(III)のQ3と同義であり、好ましい範囲も同義である。
21は単結合または二価の連結基である。L21が二価の連結基の場合、−O−、−S−、−C(=O)−、−NR7−、−CH=CH−、−C≡C−、およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記R7は、一般式(R−IA)におけるR7と同義であり、好ましい範囲も同義である。
21は単結合、および、*−O−CO−、*−CO−O−、*−CH=CH−、*−C≡C−(ここで、*は一般式(IV)中の*を表す)が好ましい。
一般式(IV)中の二価の環状基は、一般式(R−IA)におけるの二価の環状基と同儀であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(IV)中、L22は、一般式(III)のL11と同義である。L22で表される二価の連結基の例を以下に示す。ここで、右側が一般式(IV)中の二価の環状基に、左側がQ1側に結合する。
L−1:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−2:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−3:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−4:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−NR7
L−5:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−6:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−7:−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−8:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−9:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−10:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−11:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−NR7
L−12:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−13:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−14:−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−15:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−
L−16:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−17:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−18:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−CO−NR7
L−19:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−20:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−21:−二価の鎖状基−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−22:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−23:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−24:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−25:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−NR7
L−26:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―
L−27:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―CO−O−
L−28:−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基―O−CO−
L−29:−二価の鎖状基−
L−30:−二価の鎖状基−O−
L−31:−二価の鎖状基−CO−O−
L−32:−二価の鎖状基−O−CO−
L−33:−二価の鎖状基−CO−NR7
L−34:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−
L−35:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−
L−36:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−CO−O−
L−37:−二価の鎖状基−O−二価の鎖状基−O−CO−
上記のうち、L−2、L−3、L−9、L−10、L−16、L−17、L−23、L−24、L−30、L−31、L−32、L−35、L−36、L−37が好ましい。
1、R2およびR3は、それぞれ独立に下記一般式(V)で表されるものが最も好ましい。
一般式(V)
Figure 0004460474
一般式(V)中、*は一般式(D−2)中のH1、H2またはH3に結合する位置を表す。
4はハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜8のアシル基、炭素原子数2〜8のアシルオキシ基、炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基、ニトロ基またはシアノ基を表す。好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のアルキルオキシ基、炭素原子数2〜4のアシル基、炭素原子数2〜4のアシルオキシ基、炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基またはシアノ基である。
lは0〜4の整数を表し、好ましくは0または1であり、最も好ましくは0である。lが2以上の場合、それぞれのR4で表される基はそれぞれ異なっていてもよい。
6は**−O−、**−CO−O−、**−O−CO−、**−O−CO−O−、または**−CH2−を表し、**は一般式(V)中のベンゼン環に結合する位置を表す。
5は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表し、より好ましくは水素原子もしくはメチル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
mは2〜16の整数を表し、好ましくは2〜12の整数である。
6は水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
本発明で用いる数式(II)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物Dに用いる液晶性化合物は、としては、下記一般式(I)で表される化合物が最も好ましい。
一般式(I)
Figure 0004460474
一般式(I)中、Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25およびY26は、それぞれ独立にメチンまたは窒素原子を表す。Y11、Y12、Y13、Y21、Y22、Y23、Y24、Y25およびY26は、すなわち、それぞれ独立一般式(D−2)におけるY11、Y12、Y13と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(I)中、X1、X2およびX3は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、メチレン基、イミノ基の表す。X1、X2および/またはX3が、メチレン基またはイミノ基の場合は、置換基を有していてもよい。置換基としては、上記メチンの水素原子が有していてもよい置換基として挙げたものが好ましい。これらの置換基はさらに置換されていてもよく、その場合の置換基も該置換基が好ましい。
一般式(I)中、L1、L2およびL3は、それぞれ独立に、一般式(D−2)におけるL1、L2およびL3と同義であり、好ましい範囲も同義である。
一般式(I)中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、一般式(D−2)におけるR1、R2およびR3と同義であり、好ましい範囲も同義である。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物のなかでも、R1、R2およびR3がそれぞれ独立に上記一般式(V)で表されることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物および該化合物を含む液晶性組成物が発現する液晶相としては、前述の数式(II)を満たす液晶相として挙げたものが挙げられる。なかでも、カラムナー相またはディスコティックネマチック相が好ましく、ディスコティックネマチック相がより好ましい。液晶相は、30〜300℃の範囲で発現するものが好ましく、50〜250℃の範囲で発現するものがより好ましい。
以下に、一般式(I)または一般式(II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
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[液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含有する液晶性組成物]
本発明で採用する液晶性組成物は、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含有し、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとが混合した状態で、如何なる混合比においても液晶相を発現することが好ましい。
本発明において、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとが混合した状態で、如何なる混合比においても液晶相を発現するとは、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとが、その混合比によらず互いに相分離せずに混じり合った状態になり、その状態で液晶相を発現することを意味する。したがって、例えば、R. Pratibaらの報告(Molecular Crystals and Liquid Crystals , 1985年, 1巻, 111頁)のように、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dが相分離した状態で液晶相を発現する場合は、本発明から除外される。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む本発明の液晶性組成物が、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとの混合比によらず、両者が混合した状態で液晶相を発現しうることの証明は、数式(I)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物と数式(II)を満たす液晶相を発現する液晶性組成物の接触試験(例えば、液晶便覧(丸善(株)2000年発行)第2章、156頁などに記載)により行うことが可能である。即ち、偏光顕微鏡下で2種の液晶性組成物が混じりあう領域において、液晶性の有無を観察することにより行うことができる。接触試験において全領域で液晶性が観察できれば、混合比によらず液晶性を発現できるといえる。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む液晶性組成物は、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを混合した状態で液晶相を20℃〜300℃の範囲で発現することが好ましい。より好ましくは40℃〜280℃であり、さらに好ましくは60℃〜250℃である。ここで20℃〜300℃で液晶相を発現するとは、液晶温度範囲が20℃をまたぐ場合(例えば、10℃〜22℃)や、300℃をまたぐ場合(例えば、298℃〜310℃)も含む。40℃〜280℃と60℃〜250℃に関しても同様である。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dを含む液晶性組成物は、光学的に二軸性の液晶相を発現する。二軸性の液晶相とは、3軸方向の屈折率n1、n2、n3が異なる、例えばn1>n2>n3の関係を満たす液晶相である。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む液晶性組成物において、二軸性の液晶相を発現させるための液晶性組成物Rと液晶性組成物Dの混合比は、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dの分子構造や分子量により適宜定めることができるが、質量比で液晶性組成物R/液晶性組成物D=10〜0.02が好ましく、5〜0.05がより好ましく、2〜0.1がさらに好ましい。
二軸性液晶性化合物の液晶相は、一軸性の液晶相よりも低い温度で発現する場合が多い。例えば、一軸性のネマチック相(棒状ネマチック相やディスコティックネマチック相)を降温することで二軸性ネマチック相に転移する場合が多い。多くの場合、特定の混合比(液晶性組成物R/液晶性組成物D)を境に、液晶性組成物Rの含率が少し多くなると、降温時に棒状ネマチック相から二軸性ネマチック相への転移が起こる。また液晶性組成物Dの含率が少し多くなるとディスコティックネマチック相から二軸性ネマチック相への転移が起こる。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む本発明の液晶性組成物において、二軸性ネマチック相の高温側に一軸性のネマチック相がある場合、二軸性の液晶相の(n1−n3)/(n1−n2)の値の制御が可能である。以下二軸性液晶の屈折率の関係式を説明する上ではn1>n2>n3の関係であることを前提に説明する。
例えば、棒状ネマチック相((n1−n3)/(n1−n2)=1.0)から降温していくと、(n1−n3)/(n1−n2)値は、突然変化するのではなく、温度に応じて徐々に上昇していく傾向にある。したがって、UV照射による重合等の配向固定する温度を選択することで、(n1−n3)/(n1−n2)値を制御できる。棒状ネマチック相から二軸性ネマチック相へ転移させた場合の、(n1−n3)/(n1−n2)値の制御範囲幅は、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dの分子構造等により変化するため、一概には定義できないが、1.0により近い範囲が制御しやすい。具体的には1.0<(n1−n3)/(n1−n2)<10が制御しやすい。
また、ディスコティックネマチック相から二軸性ネマチック相へ転移させた場合も棒状ネマチック相から転移させた場合と同様に(n1−n3)/(n1−n2)値の制御が可能となるが、この場合は、ディスコティックネマチック相の(n1−n3)/(n1−n2)値は∞(n1=n2)であるため、その制御範囲幅は、∞により近い範囲が制御しやすい。具体的には1.2<(n1−n3)/(n1−n2)<∞が制御しやすい。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む液晶性組成物が光学的に二軸性の液晶相を発現する場合、二軸性液晶相の三方向の屈折率をn1、n2、n3(n1>n2>n3)とすると、それぞれの値は、下記数式(III)を満足することが好ましく、下記数式(VI)を満足することがさらに好ましい。この範囲の値を満足することにより、液晶表示装置に合わせてレターデーションの角度依存性を制御できる。
数式(III) 1.1≦(n1−n3)/(n1−n2)≦20
数式(VI) 1.2≦(n1−n3)/(n1−n2)≦10
さらに、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む本発明の液晶性組成物は、上記の光学的性質を持つと同時に、均一で欠陥のない配向をとり、良好なモノドメイン性を示すものが望ましい。モノドメイン性が悪い場合には、得られる構造がポリドメインとなり、ドメイン同士の境界に配向欠陥が生じ、光を散乱するようになる。良好なモノドメイン性を示すと、位相差板に用いた場合に該位相差板が高い光透過率を有しやすくなる。
液晶性組成物Rと液晶性組成物Dとを含む液晶性組成物が発現する二軸性液晶相としては、二軸性ネマチック相、二軸性スメクチックA相、二軸性スメクチックC相を挙げることができる。これらの液晶相の中では、良好なモノドメイン性を示す二軸性ネマチック相(Nb相)が好ましい。二軸性ネマチック相とは、ネマチック液晶性化合物がとり得る液晶相の一種であるが、液晶相の空間をx軸、y軸、z軸で定義した際、該液晶性化合物がy軸を中心にしたxz平面の自由回転も、z軸を中心にしたxy平面の自由回転も禁止されている状態を示す。
本発明においては二軸性液晶からなる光学異方性層の屈折率は、フィルム法線方向が最大の屈折率になる。
[位相差板]
本発明の位相差板は、透明支持体の上に二軸性液晶性化合物を含む液晶組成物、または、液晶性組成物Rと液晶性組成物Dを含む液晶性組成物から形成される光学異方性層を有する。ここで、透明支持体の「上」とは、透明支持体の表面上のほか、透明支持体の表面に何らかの層(膜)を設けた表面に設けることも含む趣旨である。例えば、透明支持体と光学異方性層の間に配向膜を設けるのが好ましい。光学異方性層は、本発明の液晶組成物に必要に応じて他の添加剤を加え、該組成物を配向膜上に塗布した後、液晶状態の配向を固定化して得られる。
本発明の位相差板における光学的異方性層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.2〜15μmであることがさらに好ましく、0.3〜10μmであることが最も好ましい。
本発明においては二軸性液晶からなる光学異方性層の屈折率は、フィルム法線方向が最大の屈折率になる。
[液晶性組成物]
本発明の光学異方性層のうち少なくとも1層は、液晶性化合物を含み、組成物として二軸性の液晶相を発現する液晶性組成物から形成する。
この液晶性組成物の液晶温度範囲は、位相差板の製造適性等の面から10〜200℃の範囲内に存在することが好ましく、10〜150℃の範囲内に存在することがより好ましい。10℃以上とすることにより、液晶相を呈する温度範囲にまで温度を下げるために冷却する必要がなくなり好ましい。また、200℃以下とすることにより、液晶相を呈する温度範囲よりもさらに高温の等方性液体状態にするために高温を要することがなく、基板の変形や変質等をより効果的に抑止することができる。
[光学異方性層]
本発明では、上記液晶性組成物を用いることにより、光学異方性層の光学異方性を、互いに直交する三方向の屈折率主値が異なる光学的二軸性となるように調節する。光学異方性層は好ましくは、二軸性液晶性化合物からなる液晶性組成物によって形成されるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において他の成分を含んでいてもよい。例えば、液晶性組成物は、層形成のために必要な成分(重合開始剤等)を含んでいてもよい。
本発明では、液晶性化合物を下記配向膜などを用いて配向させて、光学的二軸性を示す光学異方性層を形成する。
二軸性液晶性化合物を用いる場合には、二軸性液晶性化合物が、一軸性液晶性化合物とは異なり、互いに直交する三方向の屈折率主値(n1>n2>n3)が異なるため、三方向の配向方向を制御する必要がある。
本発明の位相差板では、光学異方性層の最も屈折率の大きい方向(屈折率主軸のn1方向)と、透明支持体面の法線方向(膜厚方向に相当でz軸とする)とがほぼ平行である。
このため、液晶性組成物が発現する液晶相の最も屈折率の大きい方向(屈折率主軸のn1方向)と、透明支持体面の法線方向(膜厚方向に相当でz軸)とがほぼ平行になるように配向させる。なお、最も屈折率の小さい方向(屈折率主軸のn3方向)は、配向膜のラビング方向と平行でも直交でもよく、配向方向は配向膜の選択ならびにラビング方向の選択によって任意に調整可能である。
本発明では、液晶性組成物は透明支持体上(好ましくは配向膜の表面)に塗布されるので、液晶性化合物は透明支持体側の界面では透明支持体の表面または塗布膜との界面(配向膜を設けた場合には配向膜との界面)のプレチルト角で配向し、空気との界面では空気界面のプレチルト角で配向することとなる。二軸性液晶性化合物を用いた場合、プレチルト角にもnx屈折率方向と界面がなすプレチルト角とnz屈折率方向と界面がなすプレチルト角の2種類がある(プレチルト角は界面を基準とする)。
本発明において、光学異方性層の最も屈折率の大きい方向(屈折率主軸のn1方向)と、透明支持体面の法線方向(膜厚方向に相当でz軸)がほぼ平行とは、透明支持体側界面、空気側界面のいずれにおいても最も屈折率の大きい方向と透明支持体の面(位相差板のフィルム面)がほぼ直交であること、すなわち両者のなす角が75〜105°であることを意味し、さらにこの角度は80〜100°であることが好ましい。すなわち、二軸性液晶性化合物を用いた場合には、該化合物のnx屈折率方向と透明支持体側との界面およびnx屈折率方向と空気界面の2種のプレチルト角が両方とも、90〜75°であることを意味し、さらにこの2種のプレチルト角がいずれも90〜80°であることが好ましい。
同様に、光学異方性層の最も屈折率の小さい方向(屈折率主軸のn3方向)と、透明支持体面の法線方向(膜厚方向に相当でz軸)とがほぼ直交とは、支持体側界面、空気界面のいずれにおいても両者のなす角が75〜105°であることを意味し、さらにこの角度は80〜100°であることが好ましい。すなわち、二軸性液晶性化合物を用いた場合には、該化合物の屈折率主軸のn1方向と支持体側界面および屈折率主軸のn1方向と空気界面の2種のプレチルト角が両方とも、0〜15°であることを意味し、さらにこの2種のプレチルト角がいずれも0〜10°であることが好ましい。
上記液晶性化合物の配向(なす角度)は、配向膜やそのラビング方向、さらには配向制御剤により調整できる。
本発明の位相差板が有する光学異方性層は、二軸性を示すため、各屈折率主軸のn1、n2、n3の屈折率値、およびそれぞれの軸の配向方向を変えることにより、レターデーションの角度依存性を任意に制御することが可能であるため、非常に有用である。上記のように、屈折率方向とフィルム法線方向との角度が制御された本発明の二軸性を示す位相差板は、遅相軸方向、進相軸方向のどちらに傾けてもレターデーションの変化が少ない位相差板となるため、そのような光学特性を有する位相差板が必要な液晶表示装置に非常に有効である。
本発明の位相差板が有する光学異方性層は、液晶性化合物の液晶状態における配向形態を損なうことなく固定化して形成することが好ましい。液晶性化合物として、高分子化合物を用いる場合には、一度液晶相形成温度まで加熱し、次にその配向状態を維持したまま冷却することにより得ることができる。また、液晶性化合物として重合性化合物を用いる場合には、液晶相形成温度まで加熱して重合させ、ついで冷却することによって得ることができる。
ここで、本発明でいう固定化したという状態は、その配向が保持された状態が最も典型的、且つ好ましい態様ではあるが、それだけには限定されず、具体的には、0℃〜50℃が好ましく、より過酷な条件下では−30℃〜70℃の温度範囲において、光学異方性層に流動性が無く、また外場や外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定化された配向形態を安定に保ち続けることができる状態を指すものがより好ましい。
また、本発明では、光学異方性層が最終的に形成された際に、液晶性化合物は、光学異方性層としての二軸性を維持していれば、もはや液晶性は失ってもよい。例えば、液晶性化合物として重合性化合物を用いた場合、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋反応が進行し、高分子量化して、液晶性を失ってもよい。
液晶性化合物の配向が固定化された液晶性組成物からなる光学異方性層は、位相差板の製造適性の面から適度な硬度が必要である。この光学異方性層の硬度は、表面の引っかき強度を測定することにより明らかにすることができる。表面の引っかき強度は、10g以上であることが好ましく、20g以上であることがより好ましい。尚、上記引っかき強度は、円すい頂角が90度で、先端の直径が0.25mmのサファイア針を用いて1cm/秒の速度で光学異方層の表面を引っかき、その引っかき跡が目視で認められた時の加重(g)を意味する。
光学異方性層の表面エネルギーは、液晶相の空気界面での配向の乱れの防止、ハイブリッド配向等の二軸性を失った配向になることの防止、さらにハジキの防止のために、45mN/m以下であることが好ましく、20〜43mN/mであることがさらに好ましい。
光学異方性層の表面の表面エネルギーは、空気界面の配向制御剤やハジキ防止剤により低下させることができ、液晶相の状態に応じて配向制御剤を適宜使用し、表面エネルギーを調整することができる。
固体の表面エネルギーは、「ぬれの基礎と応用」(リアライズ社 1989.12.10発行)に記載のように接触角法、湿潤熱法、および吸着法により求めることができる。本発明の光学異方性層の場合、接触角法を用いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既知である水とジヨードメタンの溶液を光学異方性層に滴下し、液滴の表面と光学異方性層表面との交点において、液滴に引いた接線と光学異方性層表面のなす角で、液滴を含む方の角を接触角と定義し、計算により光学異方性層の表面エネルギーを算出できる。
[空気界面側配向制御剤]
本発明で採用する液晶性組成物には、空気界面のプレチルト角を制御するために、添加剤を用いることが好ましい。本発明では、このような添加剤としては、炭素原子数が6〜40の置換若しくは無置換の脂肪族基または炭素原子数が6〜40の置換若しくは無置換脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を、分子内に1本以上有する化合物が好ましく、分子内に2本以上有する化合物がさらに好ましい。例えば、空気界面側配向制御剤としては、特開2002−20363号公報に記載の疎水性で排除体積効果を有する化合物を用いることができる。また、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、スルファト基(−OSO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}およびそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを含む化合物を用いることもできる。
本発明に用いられるフルオロ脂肪族基と一種以上の親水性基とを有する化合物は、フルオロ脂肪族基と一種以上の親水性基を有するフッ素系ポリマーまたは下記一般式(2)で表される含フッ素化合物であるのが好ましい。まず、本発明の組成物に使用可能なフッ素系ポリマーについて説明する。
《フッ素系ポリマー》
本発明では、フルオロ脂肪族基と、カルボキシル基(−COOH)、スルホ基(−SO3H)、ホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}およびそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上の親水性基とを有するフッ素系ポリマーを用いることができる。ポリマーの種類としては、「改訂 高分子合成の化学」(大津隆行著、発行:株式会社化学同人、1968)1〜4ページに記載があり、例えば、ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリスルホン類、ポリカーボナート類、ポリエーテル類、ポリアセタール類、ポリケトン類、ポリフェニレンオキシド類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリアリレート類、PTFE類、ポリビニリデンフロライド類、セルロース誘導体などが挙げられる。前記フッ素系ポリマーは、ポリオレフィン類であることが好ましい。
以下に、フッ素系ポリマーとして本発明に好ましく用いられるフルオロ脂肪族基含有共重合体の具体例を示すが、本発明はこれらの具体例によってなんら限定されるものではない。ここで式中の数値(a、b、c、d等の数値)は、それぞれ各モノマーの組成比を示す質量百分率であり、MwはGPCにより測定されたPS換算の質量平均分子量である。
Figure 0004460474
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Figure 0004460474
Figure 0004460474
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液晶性組成物中における前記フッ素系ポリマーの含有量の好ましい範囲は、液晶性組成物(塗布液である場合は溶媒を除いた組成物)中、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜5質量%であるのがより好ましく、0.05〜1質量%であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーの添加量を0.005質量%以上とすることにより、本願発明の効果がより十分に発揮され、また、8質量%以下とすることにより、塗膜の乾燥が十分に行われ、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)がより良好なものとなる。
次に、一般式(2)で表される含フッ素化合物について説明する。
Figure 0004460474
一般式(2)中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、または末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、m2は1以上の整数を表す。複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基またはCF2H基を有するアルキル基を表す。
0は(m2+n2)価の連結基を表し、Wはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SO3H)もしくはその塩、スルファト基(−OSO3H)もしくはその塩、またはホスホノキシ基{−OP(=O)(OH)2}もしくはその塩を表し、n2は1以上の整数を表す。
本発明に使用可能な前記一般式(2)で表される含フッ素化合物その他の含むフッ素化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる含フッ素化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
空気界面側配向制御剤の添加量としては、液晶性化合物に対して、0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01質量%〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%がさらに好ましい。
[配向膜側界面制御剤]
本発明では、光学異方性層の最も大きな屈折率を与える方向は透明支持体面の法線方向とほぼ平行な方向である。このような方向に二軸性液晶の配向方向を規制するためには配向膜界面側制御剤を用いることが有効であり、本発明ではオニウム塩を添加することが特に有効である。以下、本発明に用いられるオニウム塩について説明する。
(オニウム塩:配向膜界面側垂直配向剤)
オニウム塩の例には、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が含まれる。より好ましくは、4級オニウム塩であり、さらに好ましくは第4級アンモニウム塩である。
第4級アンモニウムは、一般に第3級アミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなど)または含窒素複素環(ピリジン環、ピコリン環、2,2’−ビピリジル環、4,4’−ビピリジル環、1,10−フェナントロリン環、キノリン環、オキサゾール環、チアゾール環、N−メチルイミダゾール環、ピラジン環、テトラゾール環など)をアルキル化(メンシュトキン反応)、アルケニル化、アルキニル化あるいはアリール化して得られる。
第4級アンモニウム塩としては、含窒素複素環からなる第4級アンモニウム塩が好ましく、特に好ましくは第4級ピリジニウム塩である。
前記第4級アンモニウム塩は、下記一般式(3a)または後述する一般式(3b)で表される化合物(第4級ピリジニウム塩)から選ばれるのが好ましい。
Figure 0004460474
一般式(3a)中、R8は置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、D1は水素結合性基を表し、m1は1〜3の整数を表し、X―はアニオンを表す。
上記R8で表されるアルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8の置換もしくは無置換のアルキル基がより好ましい。該アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。これらの例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基およびシクロプロピル基等が挙げられる。
アルキル基の置換基の例としては、以下のものを挙げることができる。炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基(例えば、ビニル基);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例えば、エチニル基);炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基);ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基);炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ビフェニルオキシ基、p−メトキシフェノキシ基);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基);炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基);炭素数7〜11の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、ナフトキシカルボニル基);無置換のアミノ基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基、メトキシフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基、メチルカルバモイルアミノ基、エチルチオカルバモイルアミノ基、フェニルカルバモイルアミノ基、アセチルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、エチルチオカルバモイルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基);
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、ピロリジノカルバモイル基);無置換のスルファモイル基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基);シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水酸基;ヘテロ環基(例えば、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、クマリン環)。アルキル基の置換基としては、特に好ましくは、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基である。
上記R8で表されるアルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルケニル基がより好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1,3−ブタジエニル基等が挙げられる。アルケニル基の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
上記R8で表されるアルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜8の置換もしくは無置換のアルキニル基であり、例えば、エチニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。アルキニル基の置換基は、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。
上記R8で表されるアラルキル基は、炭素数7〜18の置換もしくは無置換のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ビフェニルメチル基、ナフチルメチル基等が好ましい。アラルキル基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが挙げられる。
上記R8で表されるアリール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等が挙げられる。アリール基の置換基は前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。またこれらの他に、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、アルキニル基、ベンゾイル基も好ましい。
上記R8で表される複素環基は、炭素原子、窒素原子、酸素原子または硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和の複素環であり、これらの例としては、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、およびクマリン環が挙げられる。複素環基は置換されていてもよく、その場合の置換基としては、前記アルキル基の置換基として挙げたものが好ましい。R8で表される複素環基としては、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環が特に好ましい。
上記R8は好ましくは、置換もしくは無置換の、アルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基である。
1は水素結合性基を表す。水素結合は、電気的に陰性な原子(例えば、O、N、F、Cl)と、同じように電気的に陰性な原子に共有結合した水素原子間に存在する。水素結合の理論的な解釈としては、例えば、H. Uneyama and K.Morokuma、Jounal of American Chemical Society、第99巻、第1316〜1332頁、1977年に報告がある。具体的な水素結合の様式としては、例えば、J.N.イスラエスアチヴィリ著、近藤保、大島広行訳、分子間力と表面力、マグロウヒル社、1991年の第98頁、図17に記載の様式が挙げられる。具体的な水素結合の例としては、例えば、G.R.Desiraju、Angewante Chemistry International Edition English、第34巻、第2311頁、1995年に記載のものが挙げられる。
好ましい水素結合性基としては、メルカプト基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、酸アミド基、ウレイド基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、含窒素複素環基(例えば、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、1,3,5−トリアジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、キノリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、コハクイミド基、フタルイミド基、マレイミド基、ウラシル基、チオウラシル基、バルビツール酸基、ヒダントイン基、マレイン酸ヒドラジド基、イサチン基、ウラミル基などが挙げられる)を挙げることができる。さらに好ましい水素結合性基としては、アミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、カルバモイル基、カルボキシル基、スルホ基、ピリジル基を挙げることができ、特に好ましくは、アミノ基、カルバモイル基、ピリジル基を挙げることができる。
で表されるアニオンは無機陰イオンまたは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンなど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、リン酸イオン(例えば、ヘキサフルオロリン酸イオン)、水酸イオンなどが挙げられる。X-は、好ましくは、ハロゲン陰イオン、スルホネートイオン、水酸イオンである。なおX-は1価のアニオンである必要はなく、2価以上のアニオンであってもよく、かかる場合は、前記化合物中のカチオンとアニオンとの比率も1:1である必要はなく、適宜決定される。
前記一般式(3a)中、m1は好ましくは1である。
次に、前記一般式(3b)について説明する。
Figure 0004460474
一般式(3b)中、R9およびR10はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表し、Xはアニオンを表す。
9およびR10でそれぞれ表される置換もしくは無置換の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基は、前記一般式(3a)中、R8で表される基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。
で表されるアニオンは、前記一般式(3a)中、Xで表されるアニオンと同義であり、その好ましい範囲も同儀である。前記した様に、Xは1価のアニオンである必要はなく、2価以上のアニオンであってもよく、かかる場合は、前記化合物中のカチオンとアニオンとの比率も1:2である必要はなく、適宜決定される。
以下に、一般式(3a)または(3b)で表される化合物および4級アンモニウム塩化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
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[ハジキ防止剤]
液晶性化合物とともに使用して、本発明で採用する液晶組成物の塗布時のハジキを防止するための材料としては、一般にポリマーを好適に用いることができる。
使用するポリマーとしては、液晶性化合物の傾斜角変化や配向を著しく阻害しない限り、特に制限はない。
ポリマーの例としては、特開平8−95030号公報に記載があり、特に好ましい具体的ポリマー例としてはセルロースエステル類を挙げることができる。セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
液晶性化合物の配向を阻害しないように、ハジキ防止目的で使用されるポリマーの添加量は、液晶性化合物に対して0.1〜10質量%の範囲にあることが好ましく、0.1〜8質量%の範囲にあることがより好ましく、0.1〜5質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
[重合開始剤]
本発明では、液晶性化合物はモノドメイン配向、つまり実質的に均一に配向している状態で固定されていることが好ましく、そのため重合性の液晶性化合物を用いている場合には重合反応により液晶性化合物を固定することが好ましい。
重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応と電子線照射による重合反応が含まれるが、熱により支持体等が変形、変質するのを防ぐためにも、光重合反応と電子線照射による重合反応が好ましい。
光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、液晶組成物の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。
液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、10mJ〜50J/cm2であることが好ましく、50mJ〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。また、雰囲気の酸素濃度は重合度に関与するため、空気中で所望の重合度に達しない場合には、窒素置換等の方法により酸素濃度を低下させることが好ましい。好ましい酸素濃度としては、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。
[重合性モノマー]
本発明の液晶性組成物には、重合性のモノマーを添加してもよく、使用できる重合性モノマーとしては、液晶性化合物と相溶性を有し、液晶性化合物の傾斜角変化や配向阻害を著しく引き起こさない限り、特に限定はない。これらの中では重合活性なエチレン性不飽和基、例えばビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基およびメタクリロイル基などを有する化合物が好ましく用いられる。上記重合性モノマーの添加量は、液晶性化合物に対して0.5〜50質量%の範囲にあることが好ましく、1〜30質量%の範囲にあることがより好ましい。また反応性官能基数が2以上のモノマーを用いると、配向膜と光学異方性層間の密着性を高める効果が期待できるため、特に好ましい。
[塗布溶剤]
液晶性組成物の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例えば、ピリジン)、炭化水素(例えば、トルエン、ヘキサン)、アルキルハライド(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド、エステルおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
[塗布方式]
光学異方性層は、上記溶媒を用いて液晶性組成物の塗布液を調製し配向膜上に塗布し、二軸性液晶性化合物を配向処理することで形成することができる。塗布液の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
[配向膜]
配向膜は、有機化合物(好ましくは、ポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、またはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコサン酸、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜上に設けられる光学異方性層の液晶性化合物に所望の配向を付与できるのであれば、配向膜としてはどのような層でもよいが、本発明においては、ラビング処理もしくは、光照射により形成される配向膜が好ましい。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、一般にはポリマー層の表面を、紙や布で一定方向に数回擦ることにより実施することができるが、特に本発明では液晶便覧(丸善(株))に記載されている方法により行うことが好ましい。
配向膜の厚さは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。
本発明では配向膜側の垂直配向促進剤を用いる場合には通常の配向膜(たとえば特開平8−338913号公報に記載のポリマー)でも充分に目的を達成することができるが、垂直配向促進剤を用いない場合には、配向膜に疎水性基または排除体積基を有するポリマーを用いることが好ましい。配向膜は、位相差板の強度を著しく改善する目的で、重合性基を含むことが好ましい。具体的には特開2000−155216号公報に記載のものが挙げられる。
ここで疎水性基とは、炭素原子数が10〜100の炭化水素基または炭素原子数が1〜100のフッ素原子置換炭化水素基である。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状または直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。炭化水素基は、ハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10〜80であることが好ましく、10〜60であることがより好ましく、10〜40であることがさらに好ましい。
炭化水素基は、ステロイド構造を有することが好ましい。ステロイド構造には、配向膜の表面エネルギーを低下させる機能に加えて、排除体積効果もある。排除体積効果を配向膜に付与すると、表面エネルギーの低下効果と相乗して、液晶性分子を立てた状態にする。本明細書においてステロイド基とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン環基またはその環の結合の一部が二重結合となっている環基を意味する。ステロイド基を有する炭化水素基の炭素原子数は、18〜100であることが好ましく、19〜60であることがより好ましく、20〜40であることがさらに好ましい。また、炭化水素基は、少なくとも二個の芳香族環または芳香族性複素環を含むことも好ましい。
フッ素原子置換炭化水素基の炭化水素基は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状または直線状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。脂肪族基は、フッ素原子以外にも、他のハロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有していてもよい。フッ素原子置換炭化水素基の炭素原子数は、5〜80であることが好ましく、10〜60であることがより好ましく、10〜40であることがさらに好ましい。炭化水素基の水素原子がフッ素原子で置換されている割合は、50〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましく、80〜100モル%であることがさらに好ましく、90〜100モル%であることが最も好ましい。
本発明で配向膜に疎水性基を有するポリマーを用いることが好ましい理由は、以下の通りである。
疎水性基を用いることで、配向膜の表面張力が下がり、光学異方性層で本発明の配向状態を実現しやすくなることが考えられる。配向膜の表面張力を下げていくと、通常の棒状液晶が配向膜界面で立ちやすくなる報告例がある(例えば、「液晶便覧」、液晶便覧編集委員会編、丸善(株)、2000年、p.231)。これは、例えば疎水性基としてアルキル基を用いる場合、棒状液晶のアルキル基と配向膜のアルキル基との相互作用が多くなる方向、即ち、分子が立つ方向が有利となるためと推定される。
前記排除体積基としては、脂肪族環基、芳香族基または複素環基で、排除体積効果を有する基が挙げられる。脂肪族環基の脂肪族環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがより好ましく、6員環であることがさらに好ましい。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環およびビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−2−エン環が含まれる。脂肪族環に、他の脂肪族環、芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環およびナフタセン環が含まれる。芳香族環に、脂肪族環または複素環が縮合していてもよい。複素環基の複素環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。複素環は、芳香族性を有することが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和であり、好ましくは最多二重結合を有する。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環およびピラジン環が含まれる。複素環に、他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。
脂肪族環基、芳香族基および複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基)、置換アルキル基(例えば、クロロメチル基、ヒドロキシメチル基、塩化トリメチルアンモニオ基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基)、ハロゲン原子(F、Cl、Br)、カルボキシル基、アシル基(例えば、ホルミル基)、アミノ基、スルホ基、アリール基(例えば、フェニル基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)およびオキソが含まれる。
本発明で配向膜に排除体積基を有するポリマーを用いることが好ましい理由は、以下の通りである。排除体積基を用いることで、光学異方性層で本発明の配向状態をより実現しやすくなる。液晶分子がある方向に並ぶ理由に排除体積効果が挙げられる(例えば、「液晶便覧」、液晶便覧編集委員会編、丸善(株)、2000年、p.47)。排除体積効果とは、一定体積内に分子を最も密に詰めようと働く効果である。例えば棒状の分子ならば、棒に沿うように隣の分子が並べると最も密に分子を詰めることができる。このような棒状の分子を配向膜に用いた場合、棒(排除体積基)が配向膜面から突き出るような状態にすると、他の分子もその棒に沿うように並び、その突き出た状態や突き出た棒の形状を調整することにより、光学異方性層において本発明の配向状態を実現しやすくなると推定される。
本発明で配向膜に用いられるポリマーは、水溶性のものであることが好ましい。ここで水溶性のポリマーとは、少なくとも水を50質量%以上含有する水系溶媒(水に加えることのできる水溶性の溶媒としては、好ましくは、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール)、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)、ケトン系溶媒(アセトン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル)、アミド系溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)などを挙げることができる。)に0.1質量%以上溶解するポリマーをいい、好ましくは、1質量%以上溶解するポリマーである。
ポリマーに水溶性を付与する置換基としては、例えば、有機もしくは無機の塩基と反応して塩を形成する置換基(例えば、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる)やその置換基が形成した塩、有機または無機の酸と反応して塩を形成する置換基(例えば、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基が挙げられる)やその置換基が形成した塩、水と水素結合を形成する置換基(例えば、ヒドロキシ基、メルカプト基、エーテル基が挙げられる)、塩を形成している置換基(四級アミノ基が挙げられる)が好ましく用いられる。特に有機もしくは無機の塩基と反応して塩を形成する置換基(例えば、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる)やその置換基が形成した塩が好ましい。
本発明で配向膜に用いるポリマーとしては、特開2002−98828号公報に記載の化合物を用いることができる。
(配向膜のラビング密度)
配向膜のラビング密度と配向膜界面での液晶性化合物のプレチルト角との間には、ラビング密度を高くするとプレチルト角は小さくなり、ラビング密度を低くするとプレチルト角は大きくなる関係があるので、配向膜のラビング密度を変えることで、プレチルト角の調整をすることができる。
配向膜のラビング密度を変える方法としては、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会編(丸善(株)、2000年)に記載されている方法を用いることができる。ラビング密度(L)は式(A)で定量化されている。
式(A) LL=NLL(1+2πrnL/60vL
式(A)中、NLはラビング回数、lLはラビングローラーの接触長、rはローラーの半径、nLはローラーの回転数(rpm)、vLはステージ移動速度(秒速)である。
ラビング密度を高くするためには、ラビング回数を増やす、ラビングローラーの接触長を長くする、ローラーの半径を大きくする、ローラーの回転数を大きくする、ステージ移動速度を遅くする等の方法を採用すればよく、一方、ラビング密度を低くするためには、この逆にすればよい。
[透明支持体]
本発明で採用する透明支持体としては、主に光学的等方性で、光透過率が80%以上であれば、特に材料の制限はないが、ポリマーフィルムが好ましい。
ポリマーの具体例として、セルロースエステル類(例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ノルボルネン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリレートエステル類のフィルムなどを挙げることができ、多くの市販のポリマーを好適に用いることが可能である。このうち、光学性能の観点からセルロースエステル類が好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下脂肪酸で、炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)であることが好ましい。セルローストリアセテートが特に好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。また、従来知られているポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても国際公開第00/26705号パンフレットに記載の分子を修飾することで該発現性を低下させたものを用いることもできる。
以下、透明支持体として好ましく使用されるセルロースエステル(特に、セルロース)について詳述する。セルロースエステルとしては、酢化度が55.0〜62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。特に、酢化度が57.0〜62.0%であることがより好ましい。酢化度とは、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算に従う。
セルロースエステルの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、本発明に使用するセルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7であることが好ましく、1.3〜1.65であることがより好ましく、1.4〜1.6であることがさらに好ましい。
セルロースエステルでは、セルロースの2位、3位、6位の水酸基が全体の置換度の1/3づつに均等に分配されるわけではなく、6位水酸基の置換度が小さくなる傾向がある。セルロースの6位水酸基の置換度が、2位、3位に比べて多いほうが好ましい。全体の置換度に対して6位の水酸基が30%〜40%でアシル基で置換されていることが好ましく、さらには31%以上が好ましく、32%以上であることがより好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。6位水酸基は、アセチル基以外に炭素数3以上のアシル基(例えば、プロピオニル基、ブチリル基、バレロイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基)で置換されていてもよい。各位置の置換度の測定は、NMRによって求めることができる。6位水酸基の置換度が高いセルロースエステルは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
透明支持体として用いるポリマーフィルム、特にセルロースアセテートフィルムは、レターデーションを調整するために、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することも可能である。このようなレターデーション上昇剤を使用する場合、レターデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用する。レターデーション上昇剤は、セルロースアセテート100質量部に対して、0.05〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。
芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。
芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、ベンゼン環)であることが特に好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ環は、5員環、6員環または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましい。芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。芳香族性ヘテロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が含まれる。
芳香族環としては、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,5−トリアジン環が好ましく、ベンゼン環および1,3,5−トリアジン環がより好ましい。芳香族化合物は、少なくとも一つの1,3,5−トリアジン環を有することがさらに好ましい。
芳香族化合物が有する芳香族環の数は、2〜20であることが好ましく、2〜12であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましく、2〜6であることが最も好ましい。
二つの芳香族環の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合する場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形成できない)。結合関係は、(a)〜(c)のいずれでもよい。このようなレターデーション上昇剤については国際公開第01/88574A1号パンフレット、国際公開第00/2619A1号パンフレット、特開2000−111914号公報、同2000−275434号公報各公報、特開2002−363343号公報等に記載されている。
セルロースアセテートフィルムは、調製されたセルロースアセテート溶液(ドープ)から、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ドープには、前記のレターデーション上昇剤を添加してもよい。
ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。ソルベントキャスト法における流延および乾燥方法については、米国特許第2336310号、同2367603号、同2492078号、同2492977号、同2492978号、同2607704号、同2739069号、同2739070号、英国特許第640731号、同736892号の各明細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号、同62−115035号の各公報に記載がある。
ドープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフィルムをドラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100℃から160℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
調製したセルロースアセテート溶液(ドープ)を用いて、ドープを2層以上流延することによりフィルム化することもできる。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフィルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が10〜40%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
複数のセルロースアセテート溶液を流延する場合、透明支持体の進行方向に間隔をおいて設けた複数の流延口からセルロースアセテートを含む溶液をそれぞれ流延させて、それらを積層させながらフィルムを作製してもよい。例えば、特開昭61−158414号、特開平1−122419号、および特開平11−198285号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、2つの流延口からセルロースアセテート溶液を流延することによりフィルム化してもよい。例えば、特公昭60−27562号、特開昭61−94724号、特開昭61−947245号、特開昭61−104813号、特開昭61−158413号、および特開平6−134933号の各公報に記載の方法を用いることができる。また、特開昭56−162617号公報に記載の、高粘度セルロースアセテート溶液の流れを低粘度のセルロースアセテート溶液で包み込み、高粘度および低粘度のセルロースアセテート溶液を同時に押出すセルロースアセテートフィルムの流延方法を用いてもよい。
セルロースアセテートフィルムは、さらに延伸処理によりレターデーションを調整することができる。延伸倍率は、0〜100%の範囲にあることが好ましい。本発明のセルロースアセテートフィルムを延伸する場合には、テンター延伸が好ましく使用され、遅相軸を高精度に制御するために、左右のテンタークリップ速度、離脱タイミング等の差をできる限り小さくすることが好ましい。
セルロースエステルフィルムには、機械的物性を改良するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステルが用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルホスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられ、DEPおよびDPPがより好ましい。可塑剤の添加量は、セルロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、3〜15質量%であることがさらに好ましい。
セルロースエステルフィルムには、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防止剤を添加してもよい。劣化防止剤については、特開平3−199201号、同5−197073号、同5−194789号、同5−271471号、同6−107854号の各公報に記載がある。劣化防止剤の添加量は、調製する溶液(ドープ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.01〜0.2質量%であることがより好ましい。添加量を0.01質量%以上にすることにより、劣化防止剤の効果がより効果的に発揮される。また、添加量を1質量%以下とすることにより、フィルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲み出し)をより効果的に抑止できる。
好ましい劣化防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を挙げることができる。紫外線防止剤については、特開平7−11056号公報に記載がある。
セルロースアセテートフィルムは、表面処理を施すことが好ましい。具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理または紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
フィルムの平面性を保持する観点から、これら処理においてセルロースアセテートフィルムの温度をTg(ガラス転移温度)以下、具体的には150℃以下とすることが好ましい。
セルロースアセテートフィルムの表面処理は、配向膜などとの接着性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセルロースアセテートに対するケン化処理を実施することがより好ましい。
以下、アルカリ鹸化処理を例に、具体的に説明する。
アルカリ鹸化処理は、フィルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられる。水酸化イオンの規定濃度は、0.1〜3.0Nの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.0Nの範囲にあることがより好ましい。アルカリ溶液温度は、室温(例えば、25℃)〜90℃の範囲にあることが好ましく、40〜70℃の範囲にあることがより好ましい。
また、セルロースアセテートフィルムの表面エネルギーは55mN/m以上であることが好ましく、60〜75mN/mの範囲にあることがより好ましい。
表面エネルギーは、前述した光学異方性層の表面エネルギーの算出方法と同様な方法により求めることができる。
セルロースアセテートフィルムの厚さは、5〜500μmの範囲が好ましく、20〜250μmの範囲がより好ましく、30〜180μmの範囲がさらに好ましく、30〜110μmの範囲が最も好ましい。
[位相差板の用途]
本発明の位相差板は、偏光膜と組み合わせて光学素子の用途に供することができる。さらに、透過型、反射型および半透過型液晶表示装置に、偏光膜と組み合わせて適用することにより、視野角の拡大に寄与する。
以下に、本発明の位相差板を利用した光学素子および液晶表示装置について説明する。
[光学素子]
本発明の位相差板と偏光膜とを積層することによって光学素子を作製することができる。本発明の位相差板を利用することにより、液晶表示装置の視野角を拡大しうる光学素子を提供することができる。
前記偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。
偏光膜は位相差板の光学異方性層側に積層することが好ましい。偏光膜の位相差板を積層した側と反対側の面に透明保護膜を形成することが好ましい。透明保護膜は、光透過率が80%以上であるのが好ましい。透明保護膜としては、セルロースエステルフィルムが好ましく、トリアセチルセルロースフィルムがさらに好ましい。セルロースエステルフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。
[液晶表示装置]
本発明の位相差板の利用により、液晶セル内で棒状液晶性分子の多くが実質的に水平に配向している表示モード(例えばIPS、STN)において視野角が拡大された液晶表示装置を提供することができる。IPS(In−Plane Switching)モードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−54982号公報に記載がある。さらに、STN(Super Twisted Nematic)モードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−26572号公報に記載がある。
本発明において、前記記載の公報を参考にして各種のモードの液晶セル用位相差板(光学補償シート)を作製することができる。本発明の位相差板は、IPS、STNモードのような表示モードの液晶表示装置に用いることができる。
液晶表示装置は、液晶セル、偏光素子および位相差板(光学補償シート)からなる。偏光素子は、一般に偏光膜と保護膜からなる。偏光膜と保護膜については、上記光学素子で説明したものを用いることができる。
コレステリック液晶層
コレステリック液晶層に位相差膜を適用して輝度向上フィルムとして使用できることが特開2003−279379号公報等に記載されている。USP5731886号明細書には、ホメオトロピック配向した液晶層を、コレステリック液晶層と1/4波長板の間に配置した輝度向上フィルムを用いることで、視角特性の改善された反射偏光板が得られることが記載されている。
本発明の発明者が鋭意検討した結果、本発明に開示の2軸液晶性組成物を用いた位相差板を、前述のUSP5731886号明細書に記載されているホメオトロピック配向した液晶層と1/4波長板の変わりに、コレステリック液晶層と積層することによって著しく視角特性の改善された輝度向上フィルムを提供できることが明らかになった。
コレステリック液晶層は、少なくとも1層の可視光領域に選択反射波長を有する円偏光分離層である。コレステリック液晶層は、左回りまたは右回りのいずれか一方の円偏光を反射してほかの光は透過する特性を示すものなどが挙げられ、液晶ポリマーの配向物、あるいは液晶モノマーの配向物の重合層によって形成することが出来る。またコレステリック液晶層はこれらの複合層により形成することが出来る。具体的なコレステリック液晶層に関しては、例えば、特開2003−279737号公報の段落番号0020〜0024、および特開2004−219540号公報の段落番号0016〜0052に記載されている。
本発明の位相差板を輝度向上フィルムとして用いる場合には正面では1/4波長板として機能することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1
1−1 配向膜の形成
下記のアクリル酸コポリマー(PA310)およびトリエチルアミンを、トリエチルアミンがアクリル酸コポリマーに対して20重量%となるように、メタノールと水との混合溶媒(容積比=30/70)に溶解し、5重量%溶液を調製した。
Figure 0004460474
上記溶液を、洗浄したガラス基板の上に塗布し、100℃の温風で5分間乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。得られた配向膜層の膜厚は0.5μmであった。
1−2 光学異方性層の形成
上記のラビングした配向膜上に、下記の組成を有する光学異方性層塗布液を、#4のワイヤーバーを用いて塗布した。
(光学異方性層塗布液)
二軸性液晶性化合物 m−3 100質量部
下記空気界面側配向制御剤 I−53 0.2質量部
下記配向膜側配向制御剤 Z−(1) 0.2重量部
下記の光重合開始剤 HJ−1 2.0質量部
Lucirin TPO−L(BASF社(製)) 2.0質量部
メチルエチルケトン 250質量部
Figure 0004460474
Figure 0004460474
Figure 0004460474
上記の光学異方性層を塗布したフィルムを、60℃の恒温槽中に入れ、約20秒間かけてフィルム温度が50℃になるまで加熱し、そのまま1分間保持した後、次いで、酸素濃度2%の60℃の恒温槽に入れ、30秒後に600mJ/cm2の紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。その後、室温まで放冷して、位相差板を作製した。光学異方性層の厚さは1.82μmであった。
得られた位相差板の光学異方性層における二軸性の判断と傾斜角の判断を、自由台座を備えた偏光顕微鏡で行うと、光学異方性層が二軸性を示すこと、そして屈折率が最も大きい方向が透明支持体面の法線とほぼ平行であり、屈折率が最も小さい方向が透明支持体面の法線方向とほぼ直交していて、かつ、ラビング方向と直交していることが確認できた。
得られた位相差板のレターデーションの角度依存性の測定を行ったところ、屈折率主軸n1>n2>n3は、n3方向はガラス基盤面と平行(ラビング方向に直交)でありn1方向はガラス基盤面に対して垂直であった。また、(n1−n3)/(n1−n2)を求めたところ、3.0であった。
実施例2
2−1 配向膜の形成
下記変性ポリビニルアルコールとグルタルアルデヒド(変性ポリビニルアルコールの5質量%)とを、メタノール/水の混合溶媒(容積比=20/80)に溶解して、5質量%の溶液を調製した。
Figure 0004460474
この溶液を、ガラス基盤上に塗布し、100℃の温風で120秒間乾燥した後、ラビング処理を行い配向膜を形成した。得られた配向膜の膜厚は0.5μmであった。
2−2 光学異方性層の形成
前記で作製したラビングした配向膜上に、下記の組成を有する光学異方性層塗布液を、スピンコーターを用いて塗布した。
(光学異方性層塗布液)
・液晶性化合物 D−8 69.7質量部
・液晶性化合物 TO−3 30.3質量部
・空気界面側配向制御剤 P−16 0.2質量部
・上記配向膜側配向制御剤 Z−(1) 1.5重量部
・イルガキュア907(長瀬産業(株)) 1.0質量部
・クロロホルム 400質量部
Figure 0004460474
Figure 0004460474
P−16
Figure 0004460474
上記の光学異方性層を塗布したガラス基盤を、130℃の恒温槽中に入れ、120℃まで加熱し、その後、95℃まで冷却し、その温度で2分間保持した。次に酸素濃度2%の80℃の恒温槽に入れ、5分後に600mJの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。室温まで放冷して、位相差板を作製した。光学異方性層の厚さは1.0μmであった。
得られた位相差板の光学異方性層における二軸性の判断と傾斜角の判断を、自由台座を備えた偏光顕微鏡で行うと、光学異方性層が二軸性を示すこと、そして屈折率が最も大きい方向が透明支持体面の法線とほぼ平行であり、屈折率が最も小さい方向が透明支持体面の法線方向とほぼ直交していて、かつ、ラビング方向と直交していることが確認できた。
得られた位相差板のレターデーションの角度依存性の測定を行ったところ、屈折率主軸n1>n2>n3は、n3方向はガラス基盤面と平行(ラビング方向に直交)でありn1方向はガラス基盤面に対して垂直であった。(n1−n3)/(n1−n2)を求めたところ、4.0であった。
また、本位相差板は、実施例1よりも好ましいものであった。
実施例3
3−1 光学異方性層の形成
実施例1で作製したラビングした配向膜上に、下記の組成を有する光学異方性層塗布液を、スピンコーターを用いて塗布した。
(光学異方性層塗布液)
・前記液晶性化合物 D−8 68.8質量部
・前記液晶性化合物 TO−3 31.2質量部
・空気界面側配向制御剤 P−16 0.2質量部
・配向膜側配向制御剤 Z−(1) 1.5重量部
・イルガキュア907(長瀬産業(株)) 1.0質量部
・クロロホルム 400質量部
上記の光学異方性層を塗布したガラス基盤を、130℃の恒温槽中に入れ、120℃まで加熱し、その後、95℃まで冷却し、その温度で2分間保持した。次に酸素濃度2%の70℃の恒温槽に入れ、5分後に600mJの紫外線を照射して光学異方性層の配向状態を固定した。室温まで放冷して、位相差板を作製した。光学異方性層の厚さは1.8μmであった。
得られた位相差板の光学異方性層における二軸性の判断と傾斜角の判断を、自由台座を備えた偏光顕微鏡で行うと、光学異方性層が二軸性を示すこと、そして屈折率が最も大きい方向が透明支持体面の法線とほぼ平行であり、屈折率が最も小さい方向が透明支持体面の法線方向とほぼ直交していて、かつ、ラビング方向と直交していることが確認できた。
得られた位相差板のレターデーションの角度依存性の測定を行ったところ、屈折率主軸n1>n2>n3は、n3方向はガラス基盤面と水平であり、n1方向はガラス基盤面に対して垂直であった。(n1−n3)/(n1−n2)を求めたところ、2.0であった。
また、本位相差板は、実施例1よりも好ましいものであった。
比較例1
実施例3において、配向膜側配向制御剤Z−(1)および空気界面側配向制御剤P−16を添加せずに、実施例3と同様に光学異方性層を形成した。本比較例のものは、屈折率最大の方向が光学異方性層の面内にあり、法線と直交する方向である。
得られた位相差板のレターデーションの角度依存性を測定したところ、屈折率主軸n1>n2>n3は、n3方向はガラス基盤面と垂直であり、n1方向はガラス基盤面に対して水平(ラビング方向に平行)であった。(n1−n3)/(n1−n2)を求めたところ、2.0であった。
実施例4 輝度向上フィルムの作成
特開2003−27940号公報の実施例に記載の方法に準じてコレステリック液晶層からなる円偏光分離層を作成した。
実施例3に記載の方法で作成した位相差板を、前述の円偏光分離層の選択反射波長が短い側に積層した。このときの位相差板の正面レターデーションは120nmであった。得られた位相差板のレターデーションの角度依存性を測定したところ、屈折率主軸n1>n2>n3は、n3方向はガラス基盤面と垂直であり、n1方向はガラス基盤面に対して水平(ラビング方向に平行)であった。(n1−n3)/(n1−n2)を求めたところ、2.0であった。
得られた位相差板を特開2003−27940号公報の実施例に記載の方法に準じて、円偏光分離層の選択反射波長の短い側に粘着剤を用いて張り合わせ、さらに偏光フィルムを張り合わせ光学フィルムを作製した。上記で得られた光学フィルムを円偏光分離層が反射層を有する面光源の上に配置して照明装置を作成した。この照明装置の光出射側(偏光フィルム側)に液晶セルを設置した液晶表示装置を用いて、斜めから見たときの色相を評価した。斜めから見たときの色相は白く、正面とほとんど変化なかった。
比較例2
実施例4において、位相差板に一軸延伸のポリカーボネートフィルム(厚み70μm、レターデーション120nm)を用いた。斜めから見たときの色相は青く、正面とは大きく異なっていた。

Claims (7)

  1. 透明支持体の上に、少なくとも一層の光学異方性層を有する位相差板であって、
    前記透明支持体と少なくとも一層の光学異方性層との間に配向膜を有し、
    前記光学異方性層の少なくとも一層が、二軸性を示し、かつ、液晶相を発現する化合物を含み、
    さらに前記光学異方性層の屈折率が最も大きい方向と前記透明支持体面とのなす角が、透明支持体側界面と空気界面とのいずれにおいても75〜105°であり、
    前記光学異方性層は、正の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物と、負の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物とを含有し、前記正の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物および/または前記負の複屈折性を有する液晶相を発現する液晶性組成物が配向膜側界面制御剤を含有することを特徴とする位相差板。
  2. 前記軸性を示す液晶相を発現する化合物が、重合性化合物および/または高分子化合物である、請求項1に記載の位相差板。
  3. 前記光学異方性層の屈折率が最も小さい方向と透明支持体面の法線方向とのなす角が、透明支持体側界面および空気側界面のいずれにおいても75〜105°であり、かつ、前記光学異方性層の屈折率が最も大きい方向と透明支持体とのなす角が、透明支持体側界面と空気界面とのいずれにおいても75〜105°である、請求項1または2に記載の位相差板。
  4. 前記液晶性組成物が空気界面側配向制御剤を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の位相差板。
  5. 前記配向膜側界面制御剤が、オニウム塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の位相差板。
  6. 前記配向膜が、疎水性基および/または排除体積基を有するポリマーを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の位相差板。
  7. 偏光膜と、請求項1〜のいずれかに記載の位相差板と、コレステリック液晶層からなる光学異方性層とを該順に積層してなる光学素子。
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