JP2002146353A - 重合性円盤状モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した液晶光学材料 - Google Patents
重合性円盤状モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した液晶光学材料Info
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- JP2002146353A JP2002146353A JP2000345826A JP2000345826A JP2002146353A JP 2002146353 A JP2002146353 A JP 2002146353A JP 2000345826 A JP2000345826 A JP 2000345826A JP 2000345826 A JP2000345826 A JP 2000345826A JP 2002146353 A JP2002146353 A JP 2002146353A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】重合性円盤状液晶モノマーを液晶中で重合して
ランダムあるいは異方的高分子ネットワークを形成させ
た機能的な調光液晶材料を提供する。 【解決手段】円盤状液晶モノマーを液晶中で光重合させ
ることにより高分子ネットワークを形成させる。無配向
処理のセルを使用した場合、複合膜中では、ランダムな
高分子ネットワークが形成される。ネマチック液晶を用
い、ラビング平行配向セルを使用し作製した複合膜で
は、ネマチック相状態で重合させることにより、基板面
内方向に異方的な高分子ネットワークが形成される。ま
た、スメクチック液晶を用い、ラビング平行配向セルを
使用し作製した複合膜では、光重合性円盤状液晶モノマ
ーは、スメクチック相状態で重合させることにより、ス
メクチック液晶層中で積層構造を有する異方的な高分子
ネットワークを形成する。
ランダムあるいは異方的高分子ネットワークを形成させ
た機能的な調光液晶材料を提供する。 【解決手段】円盤状液晶モノマーを液晶中で光重合させ
ることにより高分子ネットワークを形成させる。無配向
処理のセルを使用した場合、複合膜中では、ランダムな
高分子ネットワークが形成される。ネマチック液晶を用
い、ラビング平行配向セルを使用し作製した複合膜で
は、ネマチック相状態で重合させることにより、基板面
内方向に異方的な高分子ネットワークが形成される。ま
た、スメクチック液晶を用い、ラビング平行配向セルを
使用し作製した複合膜では、光重合性円盤状液晶モノマ
ーは、スメクチック相状態で重合させることにより、ス
メクチック液晶層中で積層構造を有する異方的な高分子
ネットワークを形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、光シャッ
ターなどの液晶表示装置等として有用な、重合性円盤状
モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した
液晶光学材料に関するものである。
ターなどの液晶表示装置等として有用な、重合性円盤状
モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した
液晶光学材料に関するものである。
【0002】特に、この出願の発明は、(高分子/液
晶)複合膜、高分子分散型液晶あるいは(高分子液晶/
低分子液晶)複合系を用いた液晶表示装置、調光液晶材
料およびその製造法に関するものであって、更に詳しく
は、液晶相転移現象を利用した熱書き込み液晶表示装置
や記録表示媒体として用いられる熱書き込み用液晶光学
素子、調光液晶材料およびその製造法に関するものであ
る。
晶)複合膜、高分子分散型液晶あるいは(高分子液晶/
低分子液晶)複合系を用いた液晶表示装置、調光液晶材
料およびその製造法に関するものであって、更に詳しく
は、液晶相転移現象を利用した熱書き込み液晶表示装置
や記録表示媒体として用いられる熱書き込み用液晶光学
素子、調光液晶材料およびその製造法に関するものであ
る。
【0003】
【従来の技術とその課題】最近、偏光板を使用しない明
るい液晶表示装置として液晶と高分子が複合化した(高
分子/液晶)複合膜あるいは高分子分散型液晶が開発さ
れている。たとえば、電界印加で透明となり、電界無印
加で光散乱となるように制御することのできるノーマル
モード高分子分散型液晶表示装置が調光シャッタ−とし
て開発されている(FergasonらUS Patent No.4435047、
Doane らUS Patent No.4671618、Nolan らUS Patent N
o.5476611)。また、光散乱型液晶光学素子としては、
動的散乱モード(Appl. Phys. Lett.,p46、1968)、コ
レステリック−ネマチックの相転移モード(Solid Stat
e Commun. 、p163 、1968)、(高分子/ 液晶)複合膜
モード(SID 、p68、1985)及び表面散乱型モード(第
19回液晶討論会予稿集、p36、(1993))が提案されて
いる。動的散乱モードは、電界印加により液晶に乱流を
ひきおこし、微小なドメインを形成して動的な光散乱を
誘起することを特徴としている。コレステリック−ネマ
チックの相転移モードは、コレステリック液晶のねじれ
効果によってドメインを形成して静的な光散乱を誘起す
るものである。一方、(高分子/ 液晶)複合膜モードで
は、マトリックス高分子と液晶組成物が相分離した凝集
構造を有し、液晶ドメイン内又は液晶ドメイン間におけ
るネマチック配向ベクトルの歪などが生じ、光散乱を誘
起する。表面散乱型モードでは、電極基板の表面にミク
ロンオーダの凹凸を形成させることによって、その付近
に不均一な液晶配向ドメインが生じ、光散乱を誘起す
る。
るい液晶表示装置として液晶と高分子が複合化した(高
分子/液晶)複合膜あるいは高分子分散型液晶が開発さ
れている。たとえば、電界印加で透明となり、電界無印
加で光散乱となるように制御することのできるノーマル
モード高分子分散型液晶表示装置が調光シャッタ−とし
て開発されている(FergasonらUS Patent No.4435047、
Doane らUS Patent No.4671618、Nolan らUS Patent N
o.5476611)。また、光散乱型液晶光学素子としては、
動的散乱モード(Appl. Phys. Lett.,p46、1968)、コ
レステリック−ネマチックの相転移モード(Solid Stat
e Commun. 、p163 、1968)、(高分子/ 液晶)複合膜
モード(SID 、p68、1985)及び表面散乱型モード(第
19回液晶討論会予稿集、p36、(1993))が提案されて
いる。動的散乱モードは、電界印加により液晶に乱流を
ひきおこし、微小なドメインを形成して動的な光散乱を
誘起することを特徴としている。コレステリック−ネマ
チックの相転移モードは、コレステリック液晶のねじれ
効果によってドメインを形成して静的な光散乱を誘起す
るものである。一方、(高分子/ 液晶)複合膜モードで
は、マトリックス高分子と液晶組成物が相分離した凝集
構造を有し、液晶ドメイン内又は液晶ドメイン間におけ
るネマチック配向ベクトルの歪などが生じ、光散乱を誘
起する。表面散乱型モードでは、電極基板の表面にミク
ロンオーダの凹凸を形成させることによって、その付近
に不均一な液晶配向ドメインが生じ、光散乱を誘起す
る。
【0004】しかしながら、上記のような従来の光散乱
型液晶光学素子においては、動的散乱モードの場合に
は、消費電力が高く、寿命が短いなどの問題点がある。
コレステリック−ネマチックの相転移モードの場合に
は、動作温度が狭く、スイッチングヒステリシスが大き
いなどの問題点がある。(高分子/ 液晶)複合膜モード
の場合には、コントラストが低く、スイッチングヒステ
リシスが大きいなどの問題点があり、さらに表面散乱型
モードの場合には、基板表面に凹凸の作製工程が複雑な
どの問題点があり、上記のいずれのものも、いまだ、液
晶表示素子として実用化されていない。
型液晶光学素子においては、動的散乱モードの場合に
は、消費電力が高く、寿命が短いなどの問題点がある。
コレステリック−ネマチックの相転移モードの場合に
は、動作温度が狭く、スイッチングヒステリシスが大き
いなどの問題点がある。(高分子/ 液晶)複合膜モード
の場合には、コントラストが低く、スイッチングヒステ
リシスが大きいなどの問題点があり、さらに表面散乱型
モードの場合には、基板表面に凹凸の作製工程が複雑な
どの問題点があり、上記のいずれのものも、いまだ、液
晶表示素子として実用化されていない。
【0005】一方、電界のオフ時には光透過状態であ
り、電界のオン時に光散乱となるスイッチングを示すリ
バース方式(DoanらUS Patent No.4994204、Kobayashi
らUS Patent No.5686017)が、複合膜を調光シャッタ−
として実用化する際、製品の省電力化や視覚的な安全性
という点で有望視されている。このリバースモード型の
電気光学効果を実現するためには、電界無印加時での複
合膜の透明状態を安定に保持させるために、初期状態で
液晶分子の均一な配列を垂直(ホメオトロピック)配向
か平行(ホモジニアスあるいはプレーナ)配向のいずれ
かで安定に固定化することが必要である。そのため従来
法では、ポリイミドなどの高分子配向膜を溶剤に溶解さ
せた溶液をガラス基板に塗布する工程、乾燥させてラビ
ングと呼ばれる配向処理を行う工程、さらに洗浄工程等
の煩雑な配向処理工程が必要とされている(Ogawa らUS
Patent No.4357374、DuboisらUS Patent No.403844
1)。そして、二周波数駆動液晶を用いたリバースモー
ド型複合膜の作製法では、初期状態で液晶分子と液晶モ
ノマーを配向させるために電界を印加しながらの光重合
工程が必要となる。また、界面活性剤として使用するシ
ランカップリング剤やホモジナイザ−を用いた膜乳化法
で作製するリバースモード型複合膜では、液晶マイクロ
カプセルをセルに注入後加熱オーブン中で加圧して対向
基板に圧着しなければならない(Ma らUS Patent No.5
056898)。このように、従来のリバースモード光スイッ
チング液晶光学装置は、初期状態において液晶分子の安
定で均一な配列を確保するために複雑な配向処理工程を
必要とするためにコスト高であり、また、そのような処
理工程によって得られた液晶光学装置はコントラストや
応答速度などの点で必ずしも満足できるものではなかっ
た。
り、電界のオン時に光散乱となるスイッチングを示すリ
バース方式(DoanらUS Patent No.4994204、Kobayashi
らUS Patent No.5686017)が、複合膜を調光シャッタ−
として実用化する際、製品の省電力化や視覚的な安全性
という点で有望視されている。このリバースモード型の
電気光学効果を実現するためには、電界無印加時での複
合膜の透明状態を安定に保持させるために、初期状態で
液晶分子の均一な配列を垂直(ホメオトロピック)配向
か平行(ホモジニアスあるいはプレーナ)配向のいずれ
かで安定に固定化することが必要である。そのため従来
法では、ポリイミドなどの高分子配向膜を溶剤に溶解さ
せた溶液をガラス基板に塗布する工程、乾燥させてラビ
ングと呼ばれる配向処理を行う工程、さらに洗浄工程等
の煩雑な配向処理工程が必要とされている(Ogawa らUS
Patent No.4357374、DuboisらUS Patent No.403844
1)。そして、二周波数駆動液晶を用いたリバースモー
ド型複合膜の作製法では、初期状態で液晶分子と液晶モ
ノマーを配向させるために電界を印加しながらの光重合
工程が必要となる。また、界面活性剤として使用するシ
ランカップリング剤やホモジナイザ−を用いた膜乳化法
で作製するリバースモード型複合膜では、液晶マイクロ
カプセルをセルに注入後加熱オーブン中で加圧して対向
基板に圧着しなければならない(Ma らUS Patent No.5
056898)。このように、従来のリバースモード光スイッ
チング液晶光学装置は、初期状態において液晶分子の安
定で均一な配列を確保するために複雑な配向処理工程を
必要とするためにコスト高であり、また、そのような処
理工程によって得られた液晶光学装置はコントラストや
応答速度などの点で必ずしも満足できるものではなかっ
た。
【0006】また、熱書き込み用液晶材料としてメモリ
ーを示すスメクチックA(SA)液晶が知られており、
SA液晶の電気光学効果として誘電異方性が正の液晶の
動的光散乱が報告されている(C. Tani, Appl. Phys. L
ett., 19, 241 (1971). )。現在までに製品化されたメ
モリー性を示す液晶表示素子の熱書き込み用液晶表示素
子は、SA低分子液晶やカイラル剤をド−プしたSA低分
子液晶のSA(等方相(I)、SA(ネマチック(N)相
((I)及びSA(カイラルネマチック(N*)(I熱相
転移に基づく液晶の組織変化(熱光学効果)を利用して
いる(H. Melchior, F. J. Kahn, D. Maydan, D. B. Fr
aser, Appl. Phys. Lett., 21, 392,(1972). 、D. Mayd
an, H. Melchior, F. J. Kahn, Proc. IEEEE Conferenc
e onDisplay Devices, 166, (1972). )。しかしなが
ら、このような低分子SA液晶自身は長期メモリーの安
定性やメモリーされる光散乱強度が充分ではない等の問
題点がある。
ーを示すスメクチックA(SA)液晶が知られており、
SA液晶の電気光学効果として誘電異方性が正の液晶の
動的光散乱が報告されている(C. Tani, Appl. Phys. L
ett., 19, 241 (1971). )。現在までに製品化されたメ
モリー性を示す液晶表示素子の熱書き込み用液晶表示素
子は、SA低分子液晶やカイラル剤をド−プしたSA低分
子液晶のSA(等方相(I)、SA(ネマチック(N)相
((I)及びSA(カイラルネマチック(N*)(I熱相
転移に基づく液晶の組織変化(熱光学効果)を利用して
いる(H. Melchior, F. J. Kahn, D. Maydan, D. B. Fr
aser, Appl. Phys. Lett., 21, 392,(1972). 、D. Mayd
an, H. Melchior, F. J. Kahn, Proc. IEEEE Conferenc
e onDisplay Devices, 166, (1972). )。しかしなが
ら、このような低分子SA液晶自身は長期メモリーの安
定性やメモリーされる光散乱強度が充分ではない等の問
題点がある。
【0007】この出願の発明は、以上のとおりの従来の
技術とその問題点を鑑みてなされたものであり、液晶と
高分子が複合化した(高分子/液晶)複合膜として、複
合膜中にランダムあるいは異方的な高分子ネットワーク
を形成させ液晶分子の配列をランダムあるいは異方的に
安定化させた新規な光学液晶材料であって、コントラス
トの向上、安定な光スイッチング、安定なメモリー性な
ど優れた光学特性を有する新しい液晶光学材料を提供す
ることを課題としている。
技術とその問題点を鑑みてなされたものであり、液晶と
高分子が複合化した(高分子/液晶)複合膜として、複
合膜中にランダムあるいは異方的な高分子ネットワーク
を形成させ液晶分子の配列をランダムあるいは異方的に
安定化させた新規な光学液晶材料であって、コントラス
トの向上、安定な光スイッチング、安定なメモリー性な
ど優れた光学特性を有する新しい液晶光学材料を提供す
ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決する為の手段】この出願の発明は、重合性
円盤状液晶モノマーを液晶相中で重合させて形成させた
高分子ネットワークを有する(高分子ネットワーク/低
分子液晶)複合系ならびにさらにこれにカイラルドーパ
ントおよび/または熱感応性色素を加えた液晶組成物を
構築することによって上記の課題を解決したものであ
る。
円盤状液晶モノマーを液晶相中で重合させて形成させた
高分子ネットワークを有する(高分子ネットワーク/低
分子液晶)複合系ならびにさらにこれにカイラルドーパ
ントおよび/または熱感応性色素を加えた液晶組成物を
構築することによって上記の課題を解決したものであ
る。
【0009】すなわち、まず、この出願の発明によっ
て、重合性円盤状液晶モノマー、低分子液晶を含有する
複合系からなり、液晶状態あるいは等方相状態で注入し
た後、液晶状態で重合させ、複合膜中にランダムあるい
は異方的な高分子ネットワークを形成させ液晶分子の配
列をランダムあるいは異方的に安定化させた光学液晶材
料が提供される。
て、重合性円盤状液晶モノマー、低分子液晶を含有する
複合系からなり、液晶状態あるいは等方相状態で注入し
た後、液晶状態で重合させ、複合膜中にランダムあるい
は異方的な高分子ネットワークを形成させ液晶分子の配
列をランダムあるいは異方的に安定化させた光学液晶材
料が提供される。
【0010】そして、この出願の発明によって、ラビン
グ平行配向処理を施したセルに、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、ネマチック低分子液晶、および重合開始剤が添
加された液晶混合物を、等方相あるいは液晶相状態で注
入して冷却した後に、ネマチック相状態で重合させるこ
とにより、基板面内方向に異方的な高分子ネットワーク
が形成された液晶光学材料が提供される。また、ラビン
グ平行配向処理を施したセルに、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、スメクチック低分子液晶、および重合開始剤が
添加された液晶混合物を、等方相で注入して冷却した後
に、スメクチック相状態で重合させることにより、スメ
クチック液晶層中で積層構造を有する高分子ネットワー
クを形成させた液晶光学材料が提供される。
グ平行配向処理を施したセルに、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、ネマチック低分子液晶、および重合開始剤が添
加された液晶混合物を、等方相あるいは液晶相状態で注
入して冷却した後に、ネマチック相状態で重合させるこ
とにより、基板面内方向に異方的な高分子ネットワーク
が形成された液晶光学材料が提供される。また、ラビン
グ平行配向処理を施したセルに、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、スメクチック低分子液晶、および重合開始剤が
添加された液晶混合物を、等方相で注入して冷却した後
に、スメクチック相状態で重合させることにより、スメ
クチック液晶層中で積層構造を有する高分子ネットワー
クを形成させた液晶光学材料が提供される。
【0011】さらに、ラビング平行配向処理を施したセ
ルに、光重合性円盤状液晶モノマー、ネマチック低分子
液晶、スメクチック低分子液晶、およびカイラルド−パ
ントを含有し重合開始剤が添加された液晶混合物であっ
て、室温付近でスメクチック相を呈し、それよりも高温
でカイラルネマチック相を呈する液晶混合物を等方相あ
るいは液晶相状態で注入して冷却した後に、カイラルネ
マチック相あるいはスメクチック液晶状態で重合させ、
異方的高分子ネットワークを形成させた液晶光学材料が
提供される。また、上記複合系に熱感応性色素を加えた
複合系は、熱書き込み可能な液晶光学材料となる。
ルに、光重合性円盤状液晶モノマー、ネマチック低分子
液晶、スメクチック低分子液晶、およびカイラルド−パ
ントを含有し重合開始剤が添加された液晶混合物であっ
て、室温付近でスメクチック相を呈し、それよりも高温
でカイラルネマチック相を呈する液晶混合物を等方相あ
るいは液晶相状態で注入して冷却した後に、カイラルネ
マチック相あるいはスメクチック液晶状態で重合させ、
異方的高分子ネットワークを形成させた液晶光学材料が
提供される。また、上記複合系に熱感応性色素を加えた
複合系は、熱書き込み可能な液晶光学材料となる。
【0012】また、付け加えるなら、垂直配向処理を施
したセルあるいはハイブリッド配向処理を施したセルを
使用して複合膜を作製した場合も、上記の概念は同様で
ある。垂直配向セルを使用し作製した複合膜では、液晶
分子配列は、螺旋軸が基板に平行となる均一な初期平行
(グランジャン)配向状態として安定に保持される。
したセルあるいはハイブリッド配向処理を施したセルを
使用して複合膜を作製した場合も、上記の概念は同様で
ある。垂直配向セルを使用し作製した複合膜では、液晶
分子配列は、螺旋軸が基板に平行となる均一な初期平行
(グランジャン)配向状態として安定に保持される。
【0013】この出願の発明では、以上のとおりの液晶
光学材料を備えることにより表示装置等として構成され
た液晶光学装置も提供されることになる。
光学材料を備えることにより表示装置等として構成され
た液晶光学装置も提供されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの
特徴をもつものであるが、以下にこの出願の発明の液晶
光学材料の構成成分、調製法、操作法などの実施の形態
を必要に応じて添付の図面を参照しながら詳述する。
特徴をもつものであるが、以下にこの出願の発明の液晶
光学材料の構成成分、調製法、操作法などの実施の形態
を必要に応じて添付の図面を参照しながら詳述する。
【0015】この出願の発明において、重合性円盤状液
晶モノマーの重合による高分子ネットワークを有する
(高分子ネットワーク/低分子液晶)複合系の液晶光学
材料を得るには、無配向処理あるいは配向処理を施した
セルに重合性円盤状液晶モノマー、低分子液晶および前
記重合性円盤状液晶モノマー用の重合開始剤がド−プさ
れた液晶混合物を、液晶状態あるいは等方相状態で注入
し、液晶状態で重合させる。このようにすることで、複
合膜中にランダムあるいは異方的な高分子ネットワーク
を形成させて、液晶分子の配列をランダムあるいは異方
的に安定化させた光学液晶材料を得る。
晶モノマーの重合による高分子ネットワークを有する
(高分子ネットワーク/低分子液晶)複合系の液晶光学
材料を得るには、無配向処理あるいは配向処理を施した
セルに重合性円盤状液晶モノマー、低分子液晶および前
記重合性円盤状液晶モノマー用の重合開始剤がド−プさ
れた液晶混合物を、液晶状態あるいは等方相状態で注入
し、液晶状態で重合させる。このようにすることで、複
合膜中にランダムあるいは異方的な高分子ネットワーク
を形成させて、液晶分子の配列をランダムあるいは異方
的に安定化させた光学液晶材料を得る。
【0016】この発明の液晶光学材料に用いられる重合
性円盤状液晶モノマーについては、複合系を構成する液
晶と相溶性があり、富士写真フィルム株式会社による出
願特許の(特願平6- 97443、特願平7- 2474
13)などに開示されているトリフェニレン誘導体等
や、ベンゼン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニ
ン誘導体(C. Destrade, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 7
1, 11(1981))、シクロヘキサン誘導体(B. Kohne, Ang
ew. Chem., 96, 70(1984))、フェニルアセチレンマク
ロサイクレン誘導体(M. Lehn, J. Chem. Soc. Chem. C
ommun., 1794(1985), J. Zhang, J. S. Moore, J. Am.
Chem. Soc., 116, 2655(1994) )、ポルフィリン誘導
体、アントラセン誘導体、アザクラウン誘導体、β- ジ
ケトン系金属錯体誘導体などを分子の中心の母核とし、
重合性の官能基を有する側鎖がこの母核に対して放射状
に置換された化学構造をもっているものとして特徴づけ
られる。もちろん、その構造については上記のとおり例
示された母核に限定されるものではない。重合性円盤状
液晶モノマーの側鎖についても、各種の重合性の官能基
を持つものとすることができるが、たとえばビニオキシ
基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニ
ルオキシ基などの重合活性の高い官能基が好ましく用い
られる。また、好ましくはディスコチックネマチック相
を呈するものがよい。
性円盤状液晶モノマーについては、複合系を構成する液
晶と相溶性があり、富士写真フィルム株式会社による出
願特許の(特願平6- 97443、特願平7- 2474
13)などに開示されているトリフェニレン誘導体等
や、ベンゼン誘導体、トルキセン誘導体、フタロシアニ
ン誘導体(C. Destrade, Mol. Cryst. Liq. Cryst., 7
1, 11(1981))、シクロヘキサン誘導体(B. Kohne, Ang
ew. Chem., 96, 70(1984))、フェニルアセチレンマク
ロサイクレン誘導体(M. Lehn, J. Chem. Soc. Chem. C
ommun., 1794(1985), J. Zhang, J. S. Moore, J. Am.
Chem. Soc., 116, 2655(1994) )、ポルフィリン誘導
体、アントラセン誘導体、アザクラウン誘導体、β- ジ
ケトン系金属錯体誘導体などを分子の中心の母核とし、
重合性の官能基を有する側鎖がこの母核に対して放射状
に置換された化学構造をもっているものとして特徴づけ
られる。もちろん、その構造については上記のとおり例
示された母核に限定されるものではない。重合性円盤状
液晶モノマーの側鎖についても、各種の重合性の官能基
を持つものとすることができるが、たとえばビニオキシ
基、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、クロトニ
ルオキシ基などの重合活性の高い官能基が好ましく用い
られる。また、好ましくはディスコチックネマチック相
を呈するものがよい。
【0017】この出願の発明においては上記の重合性円
盤状液晶モノマーの重合によって高分子ネットワークが
形成されるが、このネットワークの広がり(大きさ)
は、重合度により規定され、たとえば、電子顕微鏡(S
EM)によって直接観察して評価することもできる。
盤状液晶モノマーの重合によって高分子ネットワークが
形成されるが、このネットワークの広がり(大きさ)
は、重合度により規定され、たとえば、電子顕微鏡(S
EM)によって直接観察して評価することもできる。
【0018】また、このネットワークの広がり(大き
さ)は、液晶相中で重合させる時の重合条件、たとえ
ば、重合温度や、光重合のための紫外線の強度と照射時
間、重合開始剤の濃度、重合性円盤状液晶モノマーと低
分子液晶との混合比によってコントロールすることがで
きる。
さ)は、液晶相中で重合させる時の重合条件、たとえ
ば、重合温度や、光重合のための紫外線の強度と照射時
間、重合開始剤の濃度、重合性円盤状液晶モノマーと低
分子液晶との混合比によってコントロールすることがで
きる。
【0019】この混合比については、重合性円盤状液晶
モノマーが液晶相中で分子状にい分散できる範囲である
ことが必要であって、通常は、重合性円盤状液晶モノマ
ーの濃度は10wt%以下であることが望ましい。
モノマーが液晶相中で分子状にい分散できる範囲である
ことが必要であって、通常は、重合性円盤状液晶モノマ
ーの濃度は10wt%以下であることが望ましい。
【0020】低分子液晶としては、通常の液晶表示素子
に使用されている正と負両方の誘電率異方性液晶が使用
できるが、コントラストを良好とするためには、noとne
の差Δn が0.15以上が望ましい。このような液晶は市販
されている液晶から好適なものを選択して使用すること
ができる。また、この発明の複合系に使用する低分子液
晶については、ネマチック液晶、カイラルネマチック
(コレステリック)液晶に限られず、スメクチック液晶
が単独または混合して使用できる。たとえば、通常の電
界制御複屈折(ECB) モードに使用される正の誘電率異方
性液晶としてE7、E8、E44 、E48 、TL-205、TL-213、TL
-215(メルク社製)が、負の誘電率異方性液晶としてZL
I-4788-000、ZLI-4788-100、ZLI-4850(メルク社製)
が、スメクチック液晶としてS2、S6、S7(メルク社製)
などのものが好ましく使用されるが、これらに限定され
ることはない。そして、この出願の発明の複合系を作製
するのに用いられる光重合開始剤としては、2、2−ジ
エトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系、ベンゾ
イン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、ジアゾ
ニウム系、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、セレ
ニウム塩系等の通常の光開始剤が使用できる。開始剤
は、液晶表示素子の外観上の均一性から、重合性円盤状
液晶モノマーと液晶の混合物に溶解あるいは相溶するも
のが使用される。このような光重合開始剤は、少量(一
般に重合性モノマーに対して1-2 モル%)添加すればよ
い。
に使用されている正と負両方の誘電率異方性液晶が使用
できるが、コントラストを良好とするためには、noとne
の差Δn が0.15以上が望ましい。このような液晶は市販
されている液晶から好適なものを選択して使用すること
ができる。また、この発明の複合系に使用する低分子液
晶については、ネマチック液晶、カイラルネマチック
(コレステリック)液晶に限られず、スメクチック液晶
が単独または混合して使用できる。たとえば、通常の電
界制御複屈折(ECB) モードに使用される正の誘電率異方
性液晶としてE7、E8、E44 、E48 、TL-205、TL-213、TL
-215(メルク社製)が、負の誘電率異方性液晶としてZL
I-4788-000、ZLI-4788-100、ZLI-4850(メルク社製)
が、スメクチック液晶としてS2、S6、S7(メルク社製)
などのものが好ましく使用されるが、これらに限定され
ることはない。そして、この出願の発明の複合系を作製
するのに用いられる光重合開始剤としては、2、2−ジ
エトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系、ベンゾ
イン系、ベンゾフェノン系、チオキサンソン系、ジアゾ
ニウム系、スルホニウム塩系、ヨードニウム塩系、セレ
ニウム塩系等の通常の光開始剤が使用できる。開始剤
は、液晶表示素子の外観上の均一性から、重合性円盤状
液晶モノマーと液晶の混合物に溶解あるいは相溶するも
のが使用される。このような光重合開始剤は、少量(一
般に重合性モノマーに対して1-2 モル%)添加すればよ
い。
【0021】ラビング平行配向処理を施したセルにおい
て、前記の重合性円盤状液晶モノマーとともに、ネマチ
ック低分子液晶、および重合開始剤が添加された液晶混
合物を用いて重合させる場合には、等方相あるいは液晶
相状態で注入して冷却した後に、ネマチック相状態で重
合させる。このことにより、基板面内方向に異方的な高
分子ネットワークが形成された液晶光学材料が提供され
る。また、ラビング平行配向処理を施したセルにおい
て、重合性円盤状液晶モノマー、スメクチック低分子液
晶、および重合開始剤が添加された液晶混合物を用いて
重合させる場合には、等方相で注入して冷却した後に、
スメクチック相状態で重合させる。このことにより、ス
メクチック液晶層中で積層構造を有する高分子ネットワ
ークを形成させた液晶光学材料が提供される。
て、前記の重合性円盤状液晶モノマーとともに、ネマチ
ック低分子液晶、および重合開始剤が添加された液晶混
合物を用いて重合させる場合には、等方相あるいは液晶
相状態で注入して冷却した後に、ネマチック相状態で重
合させる。このことにより、基板面内方向に異方的な高
分子ネットワークが形成された液晶光学材料が提供され
る。また、ラビング平行配向処理を施したセルにおい
て、重合性円盤状液晶モノマー、スメクチック低分子液
晶、および重合開始剤が添加された液晶混合物を用いて
重合させる場合には、等方相で注入して冷却した後に、
スメクチック相状態で重合させる。このことにより、ス
メクチック液晶層中で積層構造を有する高分子ネットワ
ークを形成させた液晶光学材料が提供される。
【0022】さらにこの出願の発明では、ラビング平行
配向処理を施したセルにおいて、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、ネマチック低分子液晶、スメクチック低分子液
晶、およびカイラルド−パントを含有し重合開始剤が添
加された液晶混合物であって、室温付近でスメクチック
相を呈し、それよりも高温でカイラルネマチック相を呈
する液晶混合物を用いて重合させる場合には、この液晶
混合物を等方相あるいは液晶相状態で注入して冷却した
後に、カイラルネマチック相あるいはスメクチック液晶
状態で重合させる。このようにして、異方的高分子ネッ
トワークを形成させた液晶光学材料が提供される。この
場合のカイラルドーパント(光学活性化合物)として
は、重合性円盤状液晶モノマーと低分子液晶の混合物に
相溶するものが使用される。カイラルドーパントの混合
比は、目的とする複合系の螺旋ピッチ長により決定され
る。複合系を透過散乱型として使用する場合、素子の駆
動電圧とコントラストの関係より1.0-5.0μm が望まし
い。また、選択反射型として使用する場合は0.25-1.00
μm が望ましい。市販されているCB-15 、S-811 、R-81
1 、S-1082、R-1082、ZLI-4571、ZLI-4572(メルク社
製)などのものが好ましく使用されるが、これらに限定
されるものではない。また、螺旋ピッチ補償用として2
種類以上用いてもよい。カイラルド−パントは、低分子
液晶に限定されず、重合性モノマーや高分子であっても
よく、あらかじめ不斉炭素を含むモノマーを共重合し、
その骨格中に不斉炭素を有する部位を設けた高分子など
も使用できる。
配向処理を施したセルにおいて、光重合性円盤状液晶モ
ノマー、ネマチック低分子液晶、スメクチック低分子液
晶、およびカイラルド−パントを含有し重合開始剤が添
加された液晶混合物であって、室温付近でスメクチック
相を呈し、それよりも高温でカイラルネマチック相を呈
する液晶混合物を用いて重合させる場合には、この液晶
混合物を等方相あるいは液晶相状態で注入して冷却した
後に、カイラルネマチック相あるいはスメクチック液晶
状態で重合させる。このようにして、異方的高分子ネッ
トワークを形成させた液晶光学材料が提供される。この
場合のカイラルドーパント(光学活性化合物)として
は、重合性円盤状液晶モノマーと低分子液晶の混合物に
相溶するものが使用される。カイラルドーパントの混合
比は、目的とする複合系の螺旋ピッチ長により決定され
る。複合系を透過散乱型として使用する場合、素子の駆
動電圧とコントラストの関係より1.0-5.0μm が望まし
い。また、選択反射型として使用する場合は0.25-1.00
μm が望ましい。市販されているCB-15 、S-811 、R-81
1 、S-1082、R-1082、ZLI-4571、ZLI-4572(メルク社
製)などのものが好ましく使用されるが、これらに限定
されるものではない。また、螺旋ピッチ補償用として2
種類以上用いてもよい。カイラルド−パントは、低分子
液晶に限定されず、重合性モノマーや高分子であっても
よく、あらかじめ不斉炭素を含むモノマーを共重合し、
その骨格中に不斉炭素を有する部位を設けた高分子など
も使用できる。
【0023】また、上記複合系に熱感応性色素を加えた
複合系は、熱書き込み可能な液晶光学材料となる。この
出願の発明の液晶光学材料においては、複合系のカラー
化やコントラストを向上させるために、あるいは、レー
ザー光を使用した高速熱書き込みにおける系の熱感応性
(レーザー光の吸収効率)を向上させるために色素を添
加することもできる。そのような色素としては、通常の
ゲスト・ホスト(GH)に使用されているアゾ系、アント
ラキノン系、ナフトキノン系、ペリレン系、キノフタロ
ン系、アゾメチン系などの2色性色素が好ましく使用さ
れる。その中でも、耐光性の点から、アントラキノン系
単独、あるいは必要に応じて他の色素との混合したもの
が好ましい。これらの2色性色素は必要な色に応じて、
各種選択されて使用される。また、2色性色素は、液晶
表示素子の外観上の均一性から、重合性円盤状液晶モノ
マーと低分子液晶、カイラルド−パント、および重合開
始剤の混合物に均一に相溶するものが使用される。
複合系は、熱書き込み可能な液晶光学材料となる。この
出願の発明の液晶光学材料においては、複合系のカラー
化やコントラストを向上させるために、あるいは、レー
ザー光を使用した高速熱書き込みにおける系の熱感応性
(レーザー光の吸収効率)を向上させるために色素を添
加することもできる。そのような色素としては、通常の
ゲスト・ホスト(GH)に使用されているアゾ系、アント
ラキノン系、ナフトキノン系、ペリレン系、キノフタロ
ン系、アゾメチン系などの2色性色素が好ましく使用さ
れる。その中でも、耐光性の点から、アントラキノン系
単独、あるいは必要に応じて他の色素との混合したもの
が好ましい。これらの2色性色素は必要な色に応じて、
各種選択されて使用される。また、2色性色素は、液晶
表示素子の外観上の均一性から、重合性円盤状液晶モノ
マーと低分子液晶、カイラルド−パント、および重合開
始剤の混合物に均一に相溶するものが使用される。
【0024】さらにまた、この出願の発明においては、
垂直配向処理を施したセルあるいはハイブリッド配向処
理を施したセルを使用して複合膜を作製してもよい。垂
直配向セルを使用し作製した複合膜では、液晶分子配列
は、螺旋軸が基板に平行となる均一な初期平行(グラン
ジャン)配向状態として安定に保持される。
垂直配向処理を施したセルあるいはハイブリッド配向処
理を施したセルを使用して複合膜を作製してもよい。垂
直配向セルを使用し作製した複合膜では、液晶分子配列
は、螺旋軸が基板に平行となる均一な初期平行(グラン
ジャン)配向状態として安定に保持される。
【0025】そして、この出願の発明では、液晶光学材
料あるいは液晶光学装置を作製するために、重合性円盤
状液晶モノマー、低分子液晶、光重合開始剤、およびカ
イラルドーパントを混合した複合系を、液晶分子の無配
向処理および液晶分子の配向処理を施した電極付きセル
に液晶状態あるいは等方相状態で毛管現象により封入す
ることができる。図1(a)には、この発明により作製
される液晶光学装置の典型例の断面図を示した。この図
に示されるように、複合系収容セルは、一般に、上限の
基板(1)、(2)およびその内側に配設された透明電
極(3)、(4)、高分子材料等を塗布し、配向処理し
た液晶配向膜(5)、(6)から構成され、その間をガ
ラスまたは高分子材料などから成るスペーサ(7)、
(8)が挟持されている。スペーサ(7)、(8)の厚
みは、一般に2-100μm 程度とする。液晶相状態で重合
させることにより、高分子ネットワークが形成され、液
晶分子の初期配列状態を固定化して(円盤状液晶モノマ
ーから形成される高分子ネットワーク/低分子液晶/カ
イラルドーパント)複合系を調製する。
料あるいは液晶光学装置を作製するために、重合性円盤
状液晶モノマー、低分子液晶、光重合開始剤、およびカ
イラルドーパントを混合した複合系を、液晶分子の無配
向処理および液晶分子の配向処理を施した電極付きセル
に液晶状態あるいは等方相状態で毛管現象により封入す
ることができる。図1(a)には、この発明により作製
される液晶光学装置の典型例の断面図を示した。この図
に示されるように、複合系収容セルは、一般に、上限の
基板(1)、(2)およびその内側に配設された透明電
極(3)、(4)、高分子材料等を塗布し、配向処理し
た液晶配向膜(5)、(6)から構成され、その間をガ
ラスまたは高分子材料などから成るスペーサ(7)、
(8)が挟持されている。スペーサ(7)、(8)の厚
みは、一般に2-100μm 程度とする。液晶相状態で重合
させることにより、高分子ネットワークが形成され、液
晶分子の初期配列状態を固定化して(円盤状液晶モノマ
ーから形成される高分子ネットワーク/低分子液晶/カ
イラルドーパント)複合系を調製する。
【0026】また、図1(a)と(b)には、この出願
の発明における(円盤状液晶モノマーから形成される高
分子ネットワーク/低分子液晶)複合系セルの光スイッ
チング機構における分子配列変化を模式的に示してい
る。
の発明における(円盤状液晶モノマーから形成される高
分子ネットワーク/低分子液晶)複合系セルの光スイッ
チング機構における分子配列変化を模式的に示してい
る。
【0027】図1(a)に示されるように無配向処理の
標準セルを使用し作製した複合膜の場合、円盤状液晶モ
ノマーから形成された高分子ネットワークはランダムな
配向状態であるため、電界無印加時の初期状態におい
て、高分子ネットワークとの相互作用により液晶分子は
ランダムな配列をしている。そのため、液晶分子の配列
が不均一となる液晶ドメインが形成されること、また、
膜中に形成された高分子のネットワ−クの平均屈折率と
液晶の屈折率のミスマッチングにより光散乱状態とな
る。一方、交流電界を印加した場合、正の誘電率異方性
である低分子液晶は、その分子長軸を電界方向(基板に
垂直方向)へ平行になるように再配列変化が誘起され
る。液晶分子の配列が均一となり、光学的に均一状態と
なるため複合系は透明状態になる。電界を除去した場
合、ネマチック液晶を使用した時には、ネマチック液晶
分子配列は、高分子ネットワークとの相互作用により初
期のランダムな配列に再配列するため、再び光散乱状態
となる(ノーマルモード)。
標準セルを使用し作製した複合膜の場合、円盤状液晶モ
ノマーから形成された高分子ネットワークはランダムな
配向状態であるため、電界無印加時の初期状態におい
て、高分子ネットワークとの相互作用により液晶分子は
ランダムな配列をしている。そのため、液晶分子の配列
が不均一となる液晶ドメインが形成されること、また、
膜中に形成された高分子のネットワ−クの平均屈折率と
液晶の屈折率のミスマッチングにより光散乱状態とな
る。一方、交流電界を印加した場合、正の誘電率異方性
である低分子液晶は、その分子長軸を電界方向(基板に
垂直方向)へ平行になるように再配列変化が誘起され
る。液晶分子の配列が均一となり、光学的に均一状態と
なるため複合系は透明状態になる。電界を除去した場
合、ネマチック液晶を使用した時には、ネマチック液晶
分子配列は、高分子ネットワークとの相互作用により初
期のランダムな配列に再配列するため、再び光散乱状態
となる(ノーマルモード)。
【0028】また、図1(b)に示されるよう配向処理
の標準セルを使用し作製した複合膜の場合、円盤状液晶
モノマーから形成された高分子ネットワークは基板面内
に異方的な配向状態であるため、電界無印加時の初期状
態において、高分子ネットワークとの相互作用により液
晶分子は基板面内に均一なプレーナ配向状態をして透明
状態になる。一方、交流電界を印加した場合、正の誘電
率異方性である低分子液晶は、その分子長軸を電界方向
(基板に垂直方向)へ平行になるように再配列変化が誘
起される。この時、低分子液晶の再配列の容易さが系内
に形成された高分子ネットワークとの界面からの距離に
依存するため、電界印加により系内で局所的に分子配列
状態が異なる不均一な液晶分子配列状態へと変化し、光
学的に不均一な液晶ドメインが生じることや高分子ネッ
トワークと液晶分子の屈折率のミスマッチにより、白濁
(光散乱)状態となる。電界を除去した場合、ネマチッ
ク液晶を使用した時には、ネマチック液晶分子配列は、
高分子ネットワークとの相互作用により初期配列に再配
列するため、再び透明状態となる(リバースモード)。
の標準セルを使用し作製した複合膜の場合、円盤状液晶
モノマーから形成された高分子ネットワークは基板面内
に異方的な配向状態であるため、電界無印加時の初期状
態において、高分子ネットワークとの相互作用により液
晶分子は基板面内に均一なプレーナ配向状態をして透明
状態になる。一方、交流電界を印加した場合、正の誘電
率異方性である低分子液晶は、その分子長軸を電界方向
(基板に垂直方向)へ平行になるように再配列変化が誘
起される。この時、低分子液晶の再配列の容易さが系内
に形成された高分子ネットワークとの界面からの距離に
依存するため、電界印加により系内で局所的に分子配列
状態が異なる不均一な液晶分子配列状態へと変化し、光
学的に不均一な液晶ドメインが生じることや高分子ネッ
トワークと液晶分子の屈折率のミスマッチにより、白濁
(光散乱)状態となる。電界を除去した場合、ネマチッ
ク液晶を使用した時には、ネマチック液晶分子配列は、
高分子ネットワークとの相互作用により初期配列に再配
列するため、再び透明状態となる(リバースモード)。
【0029】なお、この発明における液晶光学材料につ
いて捕足すると、本発明に従う(重合性円盤状液晶モノ
マーから形成された高分子ネットワーク/低分子液晶/
カイラルドーパント)複合系は、これに他の光重合成性
モノマーを加えて光重合を行い高分子ネットワークを系
中に形成させることもできる。使用される光重合性液晶
モノマーとしては、アクリロイル基、ビニル基、エポキ
シ基等の汎用の光重合性基を有する高分子樹脂の前駆体
であればいずれも使用できるが、2官能であることが望
ましい。また、液晶性を示さない光重合性モノマーが、
低分子液晶とカイラルドーパントに相溶し均一液晶相を
呈する場合、光重合性液晶モノマーの代わりに使用でき
る。これらの光重合性液晶モノマーは液晶との相溶性を
良くするためとコントラストを良好とするために最低1
個のベンゼン環をその分子構造中に含むことが望まし
い。また、これらの光重合性モノマーは単独あるいは他
のモノマー、オリゴマーと混合しても使用できる。
いて捕足すると、本発明に従う(重合性円盤状液晶モノ
マーから形成された高分子ネットワーク/低分子液晶/
カイラルドーパント)複合系は、これに他の光重合成性
モノマーを加えて光重合を行い高分子ネットワークを系
中に形成させることもできる。使用される光重合性液晶
モノマーとしては、アクリロイル基、ビニル基、エポキ
シ基等の汎用の光重合性基を有する高分子樹脂の前駆体
であればいずれも使用できるが、2官能であることが望
ましい。また、液晶性を示さない光重合性モノマーが、
低分子液晶とカイラルドーパントに相溶し均一液晶相を
呈する場合、光重合性液晶モノマーの代わりに使用でき
る。これらの光重合性液晶モノマーは液晶との相溶性を
良くするためとコントラストを良好とするために最低1
個のベンゼン環をその分子構造中に含むことが望まし
い。また、これらの光重合性モノマーは単独あるいは他
のモノマー、オリゴマーと混合しても使用できる。
【0030】また、複合系に側鎖型液晶共重合体を加え
て使用することもできる。そのような側鎖型液晶共重合
体の好ましい例は、「側鎖型液晶共重合体を利用する熱
書き込み用液晶光学材料」(特願平11- 27382
4)に開示されている。側鎖型液晶共重合体を複合系に
使用することで、室温付近で幅広くSA相であり、高温
でN*相であるSA−N*相転移を示す液晶材料とな
る。つまり、複合系では、市販されているネマチック
(N)混合低分子液晶が呈するN液晶相温度範囲でSA
相を出現させることが可能であり、室温を含み広範囲に
メモリー性を示す液晶材料とすることができる。
て使用することもできる。そのような側鎖型液晶共重合
体の好ましい例は、「側鎖型液晶共重合体を利用する熱
書き込み用液晶光学材料」(特願平11- 27382
4)に開示されている。側鎖型液晶共重合体を複合系に
使用することで、室温付近で幅広くSA相であり、高温
でN*相であるSA−N*相転移を示す液晶材料とな
る。つまり、複合系では、市販されているネマチック
(N)混合低分子液晶が呈するN液晶相温度範囲でSA
相を出現させることが可能であり、室温を含み広範囲に
メモリー性を示す液晶材料とすることができる。
【0031】
【実施例】次に、この発明の実施例を説明するが、これ
らの実施例によって発明が制限されるものではない。
らの実施例によって発明が制限されるものではない。
【0032】表1は、以下に実施例において用いられて
いる試料の化学構造式を示したものである。
いる試料の化学構造式を示したものである。
【0033】
【表1】
【0034】実施例1:(円盤状液晶モノマーから形成
される高分子ネットワーク/ネマチック低分子液晶)複
合系のノーマルモード光スイッチング特性 表1に示した光重合性円盤状液晶モノマー:TPA6は既報
の方法(たとえば、特願平6−97443、特願平7−
247413等の特許出願)により合成した。種々の混
合比で光重合開始剤を1wt%含むTPA6/ネマチック液晶E7
との(TPA6/E7)複合膜試料を共通良溶媒であるクロロ
ホルム溶液から溶媒蒸発法により調製した。調製した複
合膜を等方相状態から無配向処理の標準セル(E.H.C.社
製)に注入し、室温まで冷却後、紫外光照射(λ= 365
nm、7mW・ cm-2、60min)により光重合を行ない、(p-TP
A6/E7)複合膜を作製した。複合膜の凝集構造を確認する
ため、走査型電子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定用複
合系試料は、ヘキサンで複合系中の液晶を抽出後、真空
乾燥して調製した。複合膜の電気光学特性は、He-Ne レ
−ザ−を光源として印加交番電界の周波数変化に対する
複合膜セルの透過光強度の変化をフォトダイオ−ドで測
定することで評価した。
される高分子ネットワーク/ネマチック低分子液晶)複
合系のノーマルモード光スイッチング特性 表1に示した光重合性円盤状液晶モノマー:TPA6は既報
の方法(たとえば、特願平6−97443、特願平7−
247413等の特許出願)により合成した。種々の混
合比で光重合開始剤を1wt%含むTPA6/ネマチック液晶E7
との(TPA6/E7)複合膜試料を共通良溶媒であるクロロ
ホルム溶液から溶媒蒸発法により調製した。調製した複
合膜を等方相状態から無配向処理の標準セル(E.H.C.社
製)に注入し、室温まで冷却後、紫外光照射(λ= 365
nm、7mW・ cm-2、60min)により光重合を行ない、(p-TP
A6/E7)複合膜を作製した。複合膜の凝集構造を確認する
ため、走査型電子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定用複
合系試料は、ヘキサンで複合系中の液晶を抽出後、真空
乾燥して調製した。複合膜の電気光学特性は、He-Ne レ
−ザ−を光源として印加交番電界の周波数変化に対する
複合膜セルの透過光強度の変化をフォトダイオ−ドで測
定することで評価した。
【0035】図2は、無配向処理の標準セルを使用し作
製した(p-TPA6/E7,重合比2/98wt%)複合膜セルの光透
過率の印加電圧依存性を示している。複合膜の駆動電圧
V90は、20Vrmsであった。(p-TPA6/E7,2/98wt% )複合
膜は、ノーマルモード光スイッチング特性を示した。複
合膜の電界ON時の立ち上がり応答速度(白濁ー透明)及
び電界OFF 時の立ち下がり応答速度(透明ー白濁)は、
測定温度298 K、駆動電圧20Vrmsで、各々0.68msと17.2
msであった。
製した(p-TPA6/E7,重合比2/98wt%)複合膜セルの光透
過率の印加電圧依存性を示している。複合膜の駆動電圧
V90は、20Vrmsであった。(p-TPA6/E7,2/98wt% )複合
膜は、ノーマルモード光スイッチング特性を示した。複
合膜の電界ON時の立ち上がり応答速度(白濁ー透明)及
び電界OFF 時の立ち下がり応答速度(透明ー白濁)は、
測定温度298 K、駆動電圧20Vrmsで、各々0.68msと17.2
msであった。
【0036】図3は、無配向処理の標準セルを使用し、
ネマチック液晶相で光重合させて作製した(p-TPA6/E7,
4/96wt%)複合膜のSEM 写真である。実施例2:(円盤状液晶モノマーから形成される高分子
ネットワーク/ネマチック低分子液晶)複合系のリバー
スモード光スイッチング特性 実施例1と同一の光開始剤2,2-ジメトキシ-2- フェニル
アセトフェノンを1wt%含む種々の混合比の(TPA6/E7)
複合膜試料を共通良溶媒であるクロロホルム溶液から溶
媒蒸発法により調製した。調製した複合膜を等方相状態
から平行配向処理(アンチパラレル)の標準セル(E.H.
C.社製)に注入し、室温まで冷却後、紫外光照射(λ=
365nm、7mW・cm-2、60min)により光重合を行ない、(p
-TPA6/E7)複合膜を作製した。複合膜の凝集構造を確認
するため、走査型電子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定
用複合系試料は、ヘキサンで複合系中の液晶を抽出後、
真空乾燥して調製した。複合膜の電気光学特性は、He-N
e レ−ザ−を光源として印加交番電界の周波数変化に対
する複合膜セルの透過光強度の変化をフォトダイオ−ド
で測定することで評価した。
ネマチック液晶相で光重合させて作製した(p-TPA6/E7,
4/96wt%)複合膜のSEM 写真である。実施例2:(円盤状液晶モノマーから形成される高分子
ネットワーク/ネマチック低分子液晶)複合系のリバー
スモード光スイッチング特性 実施例1と同一の光開始剤2,2-ジメトキシ-2- フェニル
アセトフェノンを1wt%含む種々の混合比の(TPA6/E7)
複合膜試料を共通良溶媒であるクロロホルム溶液から溶
媒蒸発法により調製した。調製した複合膜を等方相状態
から平行配向処理(アンチパラレル)の標準セル(E.H.
C.社製)に注入し、室温まで冷却後、紫外光照射(λ=
365nm、7mW・cm-2、60min)により光重合を行ない、(p
-TPA6/E7)複合膜を作製した。複合膜の凝集構造を確認
するため、走査型電子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定
用複合系試料は、ヘキサンで複合系中の液晶を抽出後、
真空乾燥して調製した。複合膜の電気光学特性は、He-N
e レ−ザ−を光源として印加交番電界の周波数変化に対
する複合膜セルの透過光強度の変化をフォトダイオ−ド
で測定することで評価した。
【0037】図4は、平行配向処理(アンチパラレル)
の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,2/98wt%)複
合膜セルの光透過率の印加電圧依存性を示している。複
合膜の駆動電圧V60は、14Vrmsであった。(p-TPA6/E7,
2/98wt%)複合膜は、リバースモード光スイッチング特
性を示した。複合系が初期透明状態である電界無印加時
の初期平行(プレーナ)配向状態の液晶ドメインが電界
印加により、複合膜中の正の誘電率異方性である低分子
液晶の分子長軸は電界方向に平行に再配列しようとす
る。この低分子液晶の再配列のし易さが高分子ネットワ
ークとの界面からの距離に依存するため、電界印加によ
り複合系中で局所的に配列状態が異なる不均一な液晶ド
メインの分子配列状態へと変化し光学的に不均一状態と
なり、複合系が透明状態から強い光散乱状態へと変化す
る。複合膜の電界ON時の立ち上がり応答速度(透明−白
濁)及び電界OFF 時の立ち下がり応答速度(白濁−透
明)は、測定温度298 K、駆動電圧14Vrmsで、各々0.48
msと24.4msであった。
の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,2/98wt%)複
合膜セルの光透過率の印加電圧依存性を示している。複
合膜の駆動電圧V60は、14Vrmsであった。(p-TPA6/E7,
2/98wt%)複合膜は、リバースモード光スイッチング特
性を示した。複合系が初期透明状態である電界無印加時
の初期平行(プレーナ)配向状態の液晶ドメインが電界
印加により、複合膜中の正の誘電率異方性である低分子
液晶の分子長軸は電界方向に平行に再配列しようとす
る。この低分子液晶の再配列のし易さが高分子ネットワ
ークとの界面からの距離に依存するため、電界印加によ
り複合系中で局所的に配列状態が異なる不均一な液晶ド
メインの分子配列状態へと変化し光学的に不均一状態と
なり、複合系が透明状態から強い光散乱状態へと変化す
る。複合膜の電界ON時の立ち上がり応答速度(透明−白
濁)及び電界OFF 時の立ち下がり応答速度(白濁−透
明)は、測定温度298 K、駆動電圧14Vrmsで、各々0.48
msと24.4msであった。
【0038】図5は、ラビング平行配向処理の標準セル
を使用し、ネマチック液晶相で光重合させて作製した
(p-TPA6/E7,4/96wt%)複合膜のSEM 写真である。実施
例1の場合と比較すると、基板面内方向に異方的な高分
子ネットワークが形成されていることが確認された。実施例3: (円盤状液晶モノマーから形成される高分子
ネットワーク/スメクチック低分子液晶/ネマチック低
分子液晶/カイラルドーパント)複合系によるS A −N*
熱相転移に基づく熱・電気光学特性(白濁→透明熱書き
込み・消去) 種々の混合比の[ 光重合性円盤状液晶モノマー(TPA6)/
スメクチックSA低分子液晶(S6)とネマチック低分子
液晶(E7)/カイラルド−パント(ZLI-4571)]複合膜試
料に光重合開始剤2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフ
ェノン(DMPAP)を0.8wt%ド−プした試料を共通良溶媒で
あるクロロホルム溶液から溶媒蒸発法により調製した。
調製した複合膜を等方相状態から液晶評価用標準平行配
向セル(ITO 透明電極膜付硝子基板、セル厚10±0.5μ
m、電極面積10μm×10μm、抵抗10Ω以下、ポリイミ
ド平行配向処理ソーダライム硝子、イー・エッチ・シー
(株)社製)に注入し、徐冷後スメクチック相を示す温
度で、紫外光照射(λ= 365nm、7mW・ cm-2、60min)に
より光重合を行ない、(円盤状液晶モノマーから形成さ
れる高分子ネットワーク/低分子液晶/カイラルド−パ
ント)複合系セルを作製した。複合系試料の熱的挙動、
相転移挙動及び凝集状態を示差走査熱量(DSC)測定、
偏光顕微鏡(POM) 観察及び広角X線回折(WAXD)測定より
確認した。複合膜の凝集構造を確認するため、走査型電
子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定用複合系試料は、ヘ
キサンで複合系中の液晶を抽出後、真空乾燥して調製し
た。複合系の熱光学および電気光学特性は、透明電極間
に試料をサンドイッチした垂直(ホメオトロピック)配
向セルを用い、He-Ne レーザーを光源として温度および
印加交流電界に対する透過光強度の変化をフォトダイオ
ードで測定することで評価した。
を使用し、ネマチック液晶相で光重合させて作製した
(p-TPA6/E7,4/96wt%)複合膜のSEM 写真である。実施
例1の場合と比較すると、基板面内方向に異方的な高分
子ネットワークが形成されていることが確認された。実施例3: (円盤状液晶モノマーから形成される高分子
ネットワーク/スメクチック低分子液晶/ネマチック低
分子液晶/カイラルドーパント)複合系によるS A −N*
熱相転移に基づく熱・電気光学特性(白濁→透明熱書き
込み・消去) 種々の混合比の[ 光重合性円盤状液晶モノマー(TPA6)/
スメクチックSA低分子液晶(S6)とネマチック低分子
液晶(E7)/カイラルド−パント(ZLI-4571)]複合膜試
料に光重合開始剤2,2-ジメトキシ-2- フェニルアセトフ
ェノン(DMPAP)を0.8wt%ド−プした試料を共通良溶媒で
あるクロロホルム溶液から溶媒蒸発法により調製した。
調製した複合膜を等方相状態から液晶評価用標準平行配
向セル(ITO 透明電極膜付硝子基板、セル厚10±0.5μ
m、電極面積10μm×10μm、抵抗10Ω以下、ポリイミ
ド平行配向処理ソーダライム硝子、イー・エッチ・シー
(株)社製)に注入し、徐冷後スメクチック相を示す温
度で、紫外光照射(λ= 365nm、7mW・ cm-2、60min)に
より光重合を行ない、(円盤状液晶モノマーから形成さ
れる高分子ネットワーク/低分子液晶/カイラルド−パ
ント)複合系セルを作製した。複合系試料の熱的挙動、
相転移挙動及び凝集状態を示差走査熱量(DSC)測定、
偏光顕微鏡(POM) 観察及び広角X線回折(WAXD)測定より
確認した。複合膜の凝集構造を確認するため、走査型電
子顕微鏡(SEM) 観察を行った。測定用複合系試料は、ヘ
キサンで複合系中の液晶を抽出後、真空乾燥して調製し
た。複合系の熱光学および電気光学特性は、透明電極間
に試料をサンドイッチした垂直(ホメオトロピック)配
向セルを用い、He-Ne レーザーを光源として温度および
印加交流電界に対する透過光強度の変化をフォトダイオ
ードで測定することで評価した。
【0039】合成した光重合性円盤状液晶モノマーTPA
6、正の誘電率異方性スメクチックA液晶S6(メルク社
製)、正の誘電率異方性ネマチック液晶E 7(メルク社
製)およびカイラルド−パントZLI-4571(メルク社製)
を4.04:80.80:15.15:4.55 重量分率で混合した複合系に
市販の光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノンDMPAP(TCI 社製)を0.8 重量%ド−プ
した。室温以上の温度でSA−N*熱相転移を示す上記複
合系試料を液晶評価用標準平行配向セルに等方相状態で
注入すると、N*相を示す温度領域では、プレーナ分子
配列となり透明状態となった。徐冷後、プレーナ分子配
列を維持したままSA相に相転移したスメクチック相状
態で、紫外線(λ=365nm 、7mW・ cm-2)を60分間照射
すると、光重合性円盤状液晶モノマーの光重合反応によ
り複合系内に高分子ネットワークが形成され、プレーナ
分子配列が固定化された。上記の方法により[p-TPA6/S6
/E7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%]複合系を調
製した。DSC 測定及びPOM 観察から、この複合系試料のK
-SA、SA−N*及びN*−Iの相転移温度(K)はK26
8.0 SA320.4 N*347.8Iであり、N*相のピッチ長は
4.2μm であった。
6、正の誘電率異方性スメクチックA液晶S6(メルク社
製)、正の誘電率異方性ネマチック液晶E 7(メルク社
製)およびカイラルド−パントZLI-4571(メルク社製)
を4.04:80.80:15.15:4.55 重量分率で混合した複合系に
市販の光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノンDMPAP(TCI 社製)を0.8 重量%ド−プ
した。室温以上の温度でSA−N*熱相転移を示す上記複
合系試料を液晶評価用標準平行配向セルに等方相状態で
注入すると、N*相を示す温度領域では、プレーナ分子
配列となり透明状態となった。徐冷後、プレーナ分子配
列を維持したままSA相に相転移したスメクチック相状
態で、紫外線(λ=365nm 、7mW・ cm-2)を60分間照射
すると、光重合性円盤状液晶モノマーの光重合反応によ
り複合系内に高分子ネットワークが形成され、プレーナ
分子配列が固定化された。上記の方法により[p-TPA6/S6
/E7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%]複合系を調
製した。DSC 測定及びPOM 観察から、この複合系試料のK
-SA、SA−N*及びN*−Iの相転移温度(K)はK26
8.0 SA320.4 N*347.8Iであり、N*相のピッチ長は
4.2μm であった。
【0040】図6は(p-TPA6/S6/E7/ZLI-4571, 4.04/80.
80/15.15/4.55 wt%)複合系のSA−N*熱相転移に基づく
白濁→透明状態熱書き込みモードの熱・電気光学特性と
複合系セル内の分子配列変化を示した模式図である。複
合系に閾値駆動電圧値(測定温度 298K、で34Vrms)以
上の交番電界(周波数1kHz)を印加した場合、正の誘電
率異方性である低分子液晶の分子長軸は電界方向に平行
に再配列しようとする。この低分子液晶の再配列のし易
さが高分子ネットワークとの界面からの距離に依存する
ため、電界印加により複合系中で局所的に配列状態が異
なる不均一な液晶分子配列状態へと変化し、複合系が透
明状態から強い光散乱状態へと変化する(図7
(A))。複合系の強い光散乱状態は、印加電界を除去
しても、SA相の力学的強度に基づき安定にメモリーさ
れた(初期白濁状態、図7(A))。次に、セルを局部
的にSA−N*相転移温度以上に加熱する( 図7(B))
と複合系の分子配列は図7(A)から図7(C)へと変
化し、加熱された部分のみ白濁状態から透明状態へと不
連続的に変化する(図7 曲線)。複合系の白濁→透明状
態への変化に要する温度幅は約1Kで、この状態変化に要
する時間は、昇温速度10Kmin-1約800ms 、昇温速度30Km
in-1約400ms で、またコントラストは約30:1であった。
また、熱書き込みされた透明状態は、冷却(図7
(D))後もそのままSA相で安定にメモリーされた
(図7(E))。また、複合系に交番電界を印加した場
合、熱書き込みされた透明状態は消去され初期の白濁状
態に変化した(図7(F))。以上の結果から、複合系
を用いて、白濁した背景に透明な情報を熱書き込みし、
電界印加により情報を消去する、安定なメモリー能など
の特徴を示す熱書き込みモードを構築できることを確認
した。
80/15.15/4.55 wt%)複合系のSA−N*熱相転移に基づく
白濁→透明状態熱書き込みモードの熱・電気光学特性と
複合系セル内の分子配列変化を示した模式図である。複
合系に閾値駆動電圧値(測定温度 298K、で34Vrms)以
上の交番電界(周波数1kHz)を印加した場合、正の誘電
率異方性である低分子液晶の分子長軸は電界方向に平行
に再配列しようとする。この低分子液晶の再配列のし易
さが高分子ネットワークとの界面からの距離に依存する
ため、電界印加により複合系中で局所的に配列状態が異
なる不均一な液晶分子配列状態へと変化し、複合系が透
明状態から強い光散乱状態へと変化する(図7
(A))。複合系の強い光散乱状態は、印加電界を除去
しても、SA相の力学的強度に基づき安定にメモリーさ
れた(初期白濁状態、図7(A))。次に、セルを局部
的にSA−N*相転移温度以上に加熱する( 図7(B))
と複合系の分子配列は図7(A)から図7(C)へと変
化し、加熱された部分のみ白濁状態から透明状態へと不
連続的に変化する(図7 曲線)。複合系の白濁→透明状
態への変化に要する温度幅は約1Kで、この状態変化に要
する時間は、昇温速度10Kmin-1約800ms 、昇温速度30Km
in-1約400ms で、またコントラストは約30:1であった。
また、熱書き込みされた透明状態は、冷却(図7
(D))後もそのままSA相で安定にメモリーされた
(図7(E))。また、複合系に交番電界を印加した場
合、熱書き込みされた透明状態は消去され初期の白濁状
態に変化した(図7(F))。以上の結果から、複合系
を用いて、白濁した背景に透明な情報を熱書き込みし、
電界印加により情報を消去する、安定なメモリー能など
の特徴を示す熱書き込みモードを構築できることを確認
した。
【0041】図7は、ラビング平行配向処理の標準セル
を使用し、スメクチック液晶相で光重合させて作製した
(p-TPA6/S6/E7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%)
複合膜のSEM 写真である。スメクチック液晶を用い、ラ
ビング平行配向セルを使用し作製した複合膜では、光重
合性円盤状液晶モノマーは、液晶層中で積層構造を有す
る高分子ネットワークを形成することが確認された。
を使用し、スメクチック液晶相で光重合させて作製した
(p-TPA6/S6/E7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%)
複合膜のSEM 写真である。スメクチック液晶を用い、ラ
ビング平行配向セルを使用し作製した複合膜では、光重
合性円盤状液晶モノマーは、液晶層中で積層構造を有す
る高分子ネットワークを形成することが確認された。
【0042】以上の結果から、光重合性円盤状液晶モノ
マーは液晶相中での光重合によって、基板面内方向に異
方性を示す特異的な高分子ネットワークを形成すること
が確認され、(円盤状液晶モノマーから形成される高分
子ネットワーク/低分子液晶)複合系は、新規な調光用
光学素子として応用できることを確認した。
マーは液晶相中での光重合によって、基板面内方向に異
方性を示す特異的な高分子ネットワークを形成すること
が確認され、(円盤状液晶モノマーから形成される高分
子ネットワーク/低分子液晶)複合系は、新規な調光用
光学素子として応用できることを確認した。
【0043】
【発明の効果】この出願の発明によって、各種の表示装
置、光学素子、記録媒体等に広く応用することができ
る、コントラストの向上、安定な光スイッチング、安定
なメモリー性などの優れた光学特性を有する新しい液晶
光学材料と、これを用いた液晶光学装置が提供されれ
る。たとえば、この発明の液晶光学材料は、液晶表示デ
ィスプレイ、光変調素子、液晶テレビ、液晶シャッター
等に広く応用できる。また、ペ−パ−ホワイト表示モー
ドとしてOA用紙に代わるリライタブル記録用紙、感熱記
録紙の代わりにFAX 用紙、コピー用紙、プリンター用紙
に用いる他、プリペ−ドカードや証明書の表示やOHP の
ような投射型ディスプレイなどの表示媒体へ適用され
る。
置、光学素子、記録媒体等に広く応用することができ
る、コントラストの向上、安定な光スイッチング、安定
なメモリー性などの優れた光学特性を有する新しい液晶
光学材料と、これを用いた液晶光学装置が提供されれ
る。たとえば、この発明の液晶光学材料は、液晶表示デ
ィスプレイ、光変調素子、液晶テレビ、液晶シャッター
等に広く応用できる。また、ペ−パ−ホワイト表示モー
ドとしてOA用紙に代わるリライタブル記録用紙、感熱記
録紙の代わりにFAX 用紙、コピー用紙、プリンター用紙
に用いる他、プリペ−ドカードや証明書の表示やOHP の
ような投射型ディスプレイなどの表示媒体へ適用され
る。
【図1】本発明により作製される(円盤状液晶モノマー
から形成される高分子ネットワーク/低分子液晶)複合
系の光スイッチング機構を模式的に示した図である。
から形成される高分子ネットワーク/低分子液晶)複合
系の光スイッチング機構を模式的に示した図である。
【図2】実施例1における無配向処理の標準セルを使用
し作製した(p-TPA6/E7,2/98wt% )複合膜セルの光透過
率―印加電圧特性を示した図である。
し作製した(p-TPA6/E7,2/98wt% )複合膜セルの光透過
率―印加電圧特性を示した図である。
【図3】実施例1における無配向処理の標準セルを使用
し作製した(p-TPA6/E7,4/96wt% )複合膜の走査型電子
顕微鏡写真(ネマチック液晶相で光重合後、液晶を抽
出)である:(a)基板表面、(b)断面。
し作製した(p-TPA6/E7,4/96wt% )複合膜の走査型電子
顕微鏡写真(ネマチック液晶相で光重合後、液晶を抽
出)である:(a)基板表面、(b)断面。
【図4】実施例2におけるラビング平行配向(アンチパ
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,
2/98wt% )複合膜セルの光透過率―印加電圧特性を示す
図である。
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,
2/98wt% )複合膜セルの光透過率―印加電圧特性を示す
図である。
【図5】実施例2におけるラビング平行配向(アンチパ
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,
4/96wt% )複合膜の走査型電子顕微鏡写真(ネマチック
液晶相で光重合後、液晶を抽出)である:(a)基板表
面、(b)断面
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/E7,
4/96wt% )複合膜の走査型電子顕微鏡写真(ネマチック
液晶相で光重合後、液晶を抽出)である:(a)基板表
面、(b)断面
【図6】実施例3における(p-TPA6/S6/E7/ZLI-4571, 4.
04/80.80/15.15/4.55 wt%)複合系試料のSA−N*熱相転
移に基づく白濁→透明熱書き込み・消去モードにおける
熱・電気光学特性と複合系セル内の分子配列変化を示し
た模式図である。
04/80.80/15.15/4.55 wt%)複合系試料のSA−N*熱相転
移に基づく白濁→透明熱書き込み・消去モードにおける
熱・電気光学特性と複合系セル内の分子配列変化を示し
た模式図である。
【図7】実施例3におけるラビング平行配向(アンチパ
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/S6/E
7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%)複合膜の電子
顕微鏡写真(スメクチック液晶相で光重合後、液晶を抽
出)である。
ラレル)処理の標準セルを使用し作製した(p-TPA6/S6/E
7/ZLI-4571, 4.04/80.80/15.15/4.55 wt%)複合膜の電子
顕微鏡写真(スメクチック液晶相で光重合後、液晶を抽
出)である。
1 上側基板 2 下側基板 3 透明電極(ITO) 4 透明電極(ITO) 5 配向膜 6 配向膜 7 スペーサ 8 スペーサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1337 G02F 1/1337 (71)出願人 000164438 九州電力株式会社 福岡県福岡市中央区渡辺通2丁目1番82号 (72)発明者 梶山 千里 福岡県福岡市東区箱崎6−10−1 九州大 学大学院工学研究科内 (72)発明者 菊地 裕嗣 福岡県福岡市東区箱崎6−10−1 九州大 学大学院工学研究科内 (72)発明者 山根 大和 福岡県福岡市中央区天神1−1−1 アク ロス福岡9F 財団法人福岡県産業・科学 技術振興財団内 Fターム(参考) 2H089 HA04 KA08 NA24 NA29 NA30 NA31 QA16 TA04 2H090 KA11 MA02 MB01 4H027 BA01 BA03 BA11 BB07 BD08 BD20 BE01 BE04 BE05 CD04 CG04 CU01
Claims (8)
- 【請求項1】 重合性円盤状液晶モノマーを液晶相中で
形成させた高分子ネットワークを有する高分子ネットワ
ーク/低分子液晶複合系からなることを特徴とする液晶
光学材料。 - 【請求項2】 円盤状液晶モノマーを液晶相中で重合さ
せて形成させた異方的高分子ネットワークを有する異方
的高分子ネットワーク/低分子液晶複合系からなること
を特徴とする請求項1の液晶材料。 - 【請求項3】 ラビング平行配向処理を施したセルに、
光重合性円盤状液晶モノマー、ネマチック低分子液晶、
および重合開始剤が添加された液晶混合物を、等方相あ
るいは液晶相状態で注入して冷却した後に、ネマチック
相状態で重合させ、基板面内方向に異方的な高分子ネッ
トワークが形成されたことを特徴とする請求項1または
2の液晶光学材料。 - 【請求項4】 ラビング平行配向処理を施したセルに、
光重合性円盤状液晶モノマー、スメクチック低分子液
晶、および重合開始剤が添加された液晶混合物を、等方
相で注入して冷却した後に、スメクチック相状態で重合
させ、スメクチック液晶層中で積層構造を有する高分子
ネットワークを形成させたことを特徴とする請求項1の
液晶光学材料。 - 【請求項5】 ラビング平行配向処理を施したセルに、
光重合性円盤状液晶モノマー、ネマチック低分子液晶、
スメクチック低分子液晶、およびカイラルトーバントを
含有し重合開始剤が添加された液晶混合物であって、室
温付近でスメクチック相を呈し、それよりも高温でカイ
ラルネマチック相を呈する液晶混合物を等方相あるいは
液晶相状態で注入して冷却した後に、カイラルネマチッ
ク相あるいはスメクチック液晶状態で重合させて異方的
高分子ネットワークを形成させ、液晶の分子配列が、螺
旋軸がセル基板に垂直となる均一な初期平行(プレー
ナ)配向状態として安定な異方的配列状態をとるように
したことを特徴とする請求項1または2の液晶光学材
料。 - 【請求項6】 請求項5において、垂直配向セルを用い
て重合させた液晶光学材料であって、液晶分子配列が、
螺旋軸が基板に平行となる均一な初期平行(グランジャ
ン)配向状態として安定に保持されることを特徴とする
請求項1または2の液晶光学材料。 - 【請求項7】 請求項5または6において、熱感応性色
素を加えた液晶光学材料であって、高速応答、高コント
ラスト、安定なメモリー能を有し、低出力レーザー光に
よる熱書き込み可能なことを特徴とする液晶光学材料。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの液晶光学
材料を備えていることを特徴とする液晶光学装置。
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---|---|---|---|
JP2000345826A JP2002146353A (ja) | 2000-11-13 | 2000-11-13 | 重合性円盤状モノマーから形成される高分子ネットワークを利用した液晶光学材料 |
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Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005225986A (ja) * | 2004-02-13 | 2005-08-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | 液晶組成物および液晶素子 |
JP2006124666A (ja) * | 2004-09-28 | 2006-05-18 | Fuji Photo Film Co Ltd | 液晶性組成物 |
WO2007116573A1 (ja) | 2006-04-10 | 2007-10-18 | Nippon Oil Corporation | 接着性を向上させた液晶性組成物、該組成物からなる液晶フィルム、および該フィルムを搭載した液晶表示素子 |
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