JP2000345164A - 液晶配向促進剤、液晶組成物および光学異方性素子 - Google Patents

液晶配向促進剤、液晶組成物および光学異方性素子

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JP2000345164A
JP2000345164A JP2000084445A JP2000084445A JP2000345164A JP 2000345164 A JP2000345164 A JP 2000345164A JP 2000084445 A JP2000084445 A JP 2000084445A JP 2000084445 A JP2000084445 A JP 2000084445A JP 2000345164 A JP2000345164 A JP 2000345164A
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liquid crystal
group
carbon atoms
alignment
crystal molecules
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Application number
JP2000084445A
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English (en)
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Ken Kawada
憲 河田
Shigeki Yokoyama
茂樹 横山
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0425Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a specific unit that results in a functional effect
    • C09K2019/044Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a specific unit that results in a functional effect the specific unit being a perfluoro chain used as an end group

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向膜が設けられていない側でも、液晶性分
子を均一に配向させる。 【解決手段】 下記式(I)で表される化合物を液晶配
向促進剤として用いる。 (I)(Hb−)m L(−Bu)n 式中、Hbは、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換ア
ルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリー
ル基、炭素原子数が6乃至60のアルキル基および炭素
原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴシロキサノキ
シ基からなる群より選ばれる疎水性基であり;Buは、
少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有する
基であり;Lは、(m+n)価の連結基であり;そし
て、mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至12の整数
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向促進剤、液晶
組成物および光学異方性素子に関する。
【0002】
【従来の技術】透過型液晶表示装置は、液晶セルおよび
その両側に配置された二枚の偏光板からなる。反射型液
晶表示装置は、反射板、液晶セル、そして一枚の偏光板
が、この順序で積層されている。液晶セルは、棒状液晶
性分子、それを封入するための二枚の基板および棒状液
晶性分子に電圧を加えるための電極層からなる。棒状液
晶性分子は、二枚の基板に、それぞれ設けられている配
向膜によって配向させる。二枚の配向膜の間隙に棒状液
晶性分子が注入された状態であるため、棒状液晶性分子
の配向状態は二枚の配向膜によって比較的容易に制御す
ることができる。
【0003】液晶表示装置の視野角拡大、あるいは着色
の解消を目的として、液晶セルと偏光板との間に、光学
補償シート(位相差板)を配置する場合が多い。光学補
償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使用
されている。最近では、延伸複屈折フイルムに代えて、
透明支持体上に液晶性分子から形成した光学的異方性層
を有する光学異方性素子を光学補償シートとして使用す
ることも提案されている。光学的異方性層は、液晶性分
子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成
する。液晶性分子の配向状態は、透明支持体と光学的異
方性層との間に設けられる一枚の配向膜によって配向さ
せる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一枚の配向膜では、液
晶性分子を配向膜界面から空気界面まで均一に配向(モ
ノドメイン配向)させることが難しい。液晶性分子が均
一に配向していないと、ディスクリネーションによる光
散乱が生じる。本発明の目的は、液晶性分子の配向制御
に有効な液晶配向促進剤を提供することである。また、
本発明の目的は、液晶性分子が容易に均一に配向する液
晶組成物を提供することでもある。さらに、本発明の目
的は、配向膜が設けられていない側でも、液晶性分子が
均一に配向している光学異方性素子を提供することでも
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)の液晶配向促進剤、下記(7)〜(1
0)の液晶組成物および下記(11)〜(14)の光学
異方性素子により達成された。 (1)下記式(I)で表される化合物からなる液晶配向
促進剤: (I)(Hb−)m L(−Bu)n [式中、Hbは、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換
アルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリ
ール基、炭素原子数が6乃至60のアルキル基および炭
素原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴシロキサノ
キシ基からなる群より選ばれる疎水性基であり;Bu
は、少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有
する基であり;Lは、(m+n)価の連結基であり;そ
して、mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至12の整
数である]。
【0006】(2)式(I)において、Hbが、炭素原
子数が1乃至40のフッ素置換アルキル基または炭素原
子数が6乃至40のフッ素置換アリール基である(1)
に記載の液晶配向促進剤。 (3)式(I)において、mおよびnが、それぞれ1で
あり、Lが、−アルキレン基−、−O−、−CO−、−
NR−、−SO2 −およびそれらの組み合わせからなる
群より選ばれる二価の連結基であって、Rが水素原子ま
たはアルキル基である(1)に記載の液晶配向促進剤。 (4)式(I)において、mおよびnが、それぞれ独立
に、2乃至12の整数であり、Lが、環状構造を含む連
結基である(1)に記載の液晶配向促進剤。 (5)式(I)において、Buの排除体積効果を有する
基が、三環式または四環式縮合環を含む(1)に記載の
液晶配向促進剤。 (6)式(I)において、Buの排除体積効果を有する
基が、少なくとも二つの環を、単結合、ビニレン結合ま
たはエチニレン結合により結合した構造を含む請求項1
に記載の液晶配向促進剤。
【0007】(7)液晶性分子および上記式(I)で表
される液晶配向促進剤を含み、液晶配向促進剤の量が液
晶性分子の量の0.01乃至20質量%の量であること
を特徴とする液晶組成物。 (8)液晶性分子が、ディスコティック液晶性分子であ
る(7)記載の液晶組成物。 (9)液晶性分子が、棒状液晶性分子である(7)記載
の液晶組成物。 (10)液晶性分子が、重合性基を有する(7)記載の
液晶組成物。
【0008】(11)液晶性分子から形成された液晶層
と、液晶層の一方の側のみに配置された配向膜とを有す
る光学異方性素子であって、液晶層が、さらに上記式
(I)で表される液晶配向促進剤を0.005乃至0.
5g/m2 の範囲の量で含むことを特徴とする光学異方
性素子。 (12)液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜
角で配向している(11)記載の光学異方性素子。 (13)液晶性分子が0乃至50度の範囲の平均傾斜角
で配向している(11)記載の光学異方性素子。 (14)液晶性分子が、配向している状態のまま重合し
ている(14)記載の光学異方性素子。
【0009】本明細書において、液晶性分子の平均傾斜
角は、ディスコティック液晶性分子の場合、ディスコテ
ィック液晶性分子の円盤面と支持体の面(あるいは配向
膜の面)との平均角度を意味する。また、棒状液晶性分
子の場合、棒状液晶性分子の長軸方向と支持体の面(あ
るいは配向膜の面)との平均角度を意味する。本明細書
では、液晶性分子が50乃至90度の範囲の平均傾斜角
で配向している状態を、液晶性分子が実質的に垂直に配
向していると称する。また、液晶性分子が0乃至50度
の範囲の平均傾斜角で配向している状態を、液晶性分子
が水平に配向していると称する。すなわち、本明細書に
おける垂直配向とは、ディスコティック液晶性分子では
ホモジニアス配向を意味し、棒状液晶性分子ではホメオ
トロピック配向を意味する。そして、本明細書における
水平配向とは、ディスコティック液晶性分子ではホメオ
トロピック配向を意味し、棒状液晶性分子ではホモジニ
アス配向を意味する。
【0010】
【発明の効果】液晶セルのように、二枚の配向膜の間に
液晶性分子を注入する場合は、液晶性分子に自由界面
(空気界面)は存在しない。この場合は、液晶性分子の
配向制御は、比較的容易である。しかし、一枚の配向膜
しか使用しない場合は、液晶性分子の自由界面に様々な
配向欠陥が生じる。自由界面には外部からの配向規制力
が無く、そのような状態で液晶性分子を配向欠陥がない
均一な配向状態とすることは非常に困難である。さら
に、自由界面では、塗布溶剤の蒸発速度ムラや乾燥風の
ような外部からの影響が液晶性分子に及ぶため、配向欠
陥が生じやすい。例えば、ディスコティック液晶性分子
を垂直(ホモジニアス)に配向させようとすると、自由
界面において、光軸の向きは同じで、円盤面が逆方向に
向き合う二種類の配向形態が混在する状態(デュアルド
メイン配向)が認められた。本発明者の研究の結果、前
記式(I)で定義されるように疎水性基(Hb)と排除
体積効果を有する基(Bu)とを連結した化合物は、液
晶性分子、特に一枚の配向膜を用いた場合の空気界面側
液晶性分子の配向状態を制御する機能を有することが判
明した。
【0011】式(I)で表される化合物は、液晶と混合
して塗布した後に空気界面側に偏在することができる。
空気界面側に偏在するためには、液晶と不相溶であるこ
と、すなわち液晶と相分離する必要がある。疎水性基
(Hb)が機能して、液晶との相分離が起こる。さら
に、液晶の配向を促進するためには、比較的剛直で液晶
の分子分極特性に近い性質を有する部分構造が必要であ
る。排除体積効果を有する基(Bu)は、そのような部
分構造に該当する。本発明者は、式(I)で表される化
合物が空気界面近傍で、疎水性基(Hb)を空気側に向
け、排除体積効果を有する基(Bu)を液晶側に向けて
存在していると推定している。排除体積効果を有する基
(Bu)が平面構造を有する場合(例えば、三環式縮合
環または四環式縮合環を含む場合)、棒状液晶に対して
は、水平配向効果を示す。排除体積効果を有する基(B
u)が平面構造を有する場合、ディスコティック液晶に
対しては、排除体積効果を有する基(Bu)が親水性で
あるか疎水性であるかの違いに応じて、水平配向効果ま
たは垂直配向効果を示す。排除体積効果を有する基(B
u)が、液晶側に杭のように突き出した構造を有する場
合(例えば、少なくとも二つの環を、単結合、ビニレン
結合またはエチニレン結合により結合した構造を含む場
合)、棒状液晶とディスコティック液晶の双方に対し
て、垂直配向効果を示す。
【0012】以上のように、液晶と式(I)で表される
化合物との間の静電気的な分子間の引力と排除体積効果
による斥力を、化合物の分子構造、特に排除体積効果を
有する基(Bu)を変化させることで自由に制御するで
きる。すなわち、式(I)で表される化合物の種類を適
切に選択することによって、空気界面側での液晶性分子
の傾斜角を、液晶性分子の種類に限定されることなく、
任意に制御できる。従って、式(I)で表される化合物
を液晶配向促進剤として用いると、配向膜が設けられて
いない自由界面においても、液晶性分子を均一に配向さ
せることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】[液晶配向促進剤]液晶配向促進
剤として、下記式(I)で表される化合物を用いる。 (I)(Hb−)m L(−Bu)n 式(I)において、Hbは、炭素原子数が1乃至40の
フッ素置換アルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ
素置換アリール基、炭素原子数が6乃至60のアルキル
基および炭素原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴ
シロキサノキシ基からなる群より選ばれる疎水性基であ
る。炭素原子数が1乃至40のフッ素置換アルキル基お
よび炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリール基が
好ましく、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換アルキ
ル基が特に好ましい。
【0014】フッ素置換アルキル基は、環状構造あるい
は分岐を有していてもよい。フッ素置換アルキル基の炭
素原子数は、1乃至40である。炭素原子数は、2乃至
30であることが好ましく、3乃至20であることがよ
り好ましく、4乃至15であることがさらに好ましく、
6乃至12であることが最も好ましい。フッ素原子がア
ルキル基の水素原子を置換している割合は、50乃至1
00%であることが好ましく、60乃至100%である
ことがより好ましく、70乃至100%であることがさ
らに好ましく、80乃至100%であることがさらにま
た好ましく、85乃至100%であることが最も好まし
い。フッ素置換アリール基の炭素原子数は、6乃至40
である。フッ素置換アリール基は、フッ素置換フェニル
であることが好ましい。フッ素原子がアリール基の水素
原子を置換している割合は、50乃至100%であるこ
とが好ましく、60乃至100%であることがより好ま
しく、70乃至100%であることがさらに好ましく、
80乃至100%であることがさらにまた好ましく、8
5乃至100%であることが最も好ましい。
【0015】炭素原子数が6乃至60のアルキル基は、
環状構造あるいは分岐を有していてもよい。アルキル基
の炭素原子数は、7乃至50であることが好ましく、8
乃至40であることがより好ましく、9乃至30である
ことがさらに好ましく、10乃至20であることが最も
好ましい。アルキル置換オリゴシロキサノキシ基の総炭
素原子数は、1乃至60である。アルキル置換オリゴシ
ロキサノキシ基は、下記式で表される基である。 R1 −(SiR2 2−O)q − 式中、R1 は、水素原子、ヒドロキシルまたはアルキル
基であり;R2 は、水素原子またはアルキル基であっ
て、複数のR2 の少なくとも一つはアルキル基であり;
そして、qは、2乃至12の整数である。R1 は、ヒド
ロキシルであることが特に好ましい。複数のR2 は、い
ずれもアルキル基であることが特に好ましい。qは、2
乃至8の整数であることが好ましく、3、4、5または
6であることがさらに好ましい。上記アルキル基は、環
状構造あるいは分岐を有していてもよい。アルキル基の
炭素原子数は、1乃至12であることが好ましく、1乃
至8であることがより好ましく、1乃至6であることが
さらに好ましく、1乃至4であることがさらにまた好ま
しく、1(メチル)または2(エチル)であることが最
も好ましい。以下に、疎水性基(Hb)の例を示す。
【0016】(Hb−1)n−C8 17− (Hb−2)H−C8 16− (Hb−3)テトラフルオロフェニル− (Hb−4)H−C6 12− (Hb−5)H−C4 8 − (Hb−6)HO−(Si(CH3 2 −O)4 − (Hb−7)n−C1225
【0017】式(I)において、Buは、少なくとも二
つの環状構造を含む排除体積効果を有する基である。環
状構造には、脂肪族環、芳香族環および複素環が含まれ
る。環状構造の環は、5員環、6員環または7員環であ
ることが好ましく、5員環または6員環であることがさ
らに好ましく、6員環であることが最も好ましい。二つ
の環状構造の関係には、縮合環形成、スピロ結合、単結
合および二価の連結基を介する結合が含まれる。縮合環
形成、単結合および二価の連結基を介する結合が好まし
い。少なくとも二つの環状構造が縮合環を形成する場合
は、三環式縮合環または四環式縮合環であることが好ま
しい。少なくとも二つの環状構造を二価の連結基を介し
て結合する場合、二価の連結基の例には、−O−、−C
O−、−アルキレン基−、ビニレン結合(−CH=CH
−)、エチニレン結合(−C≡C−)およびこれらの組
み合わせが含まれる。二価の連結基は、ビニレン結合ま
たはエチニレン結合であることが好ましく、エチニレン
結合であることがさらに好ましい。環状構造の環には、
置換基が結合していてもよい。置換基の例には、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル基
(好ましくは、炭素原子数が1乃至5のアルキル基)、
置換アルキル基(例えば、カルボキシアルキル基、アル
コシキアルキル基)、アルコキシ基、置換アルコキシ基
(例えば、オリゴアルコキシ基)、アルケニルオキシ基
(例、ビニルオキシ)、アシル基(例、アクリロイル、
メタクリロイル)、アシルオキシ基(例、アクリロイル
オキシ、ベンゾイルオキシ)およびエポキシ基(例、エ
ポキシエチル)が含まれる。以下に、排除体積効果を有
する基(Bu)の例を示す。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】式(I)において、Lは、(m+n)価の
連結基である。式(I)において、mおよびnは、それ
ぞれ独立に、1乃至12の整数である。mおよびnは、
それぞれ、1乃至8であることが好ましく、1乃至6で
あることがより好ましく、1乃至4であることがさらに
好ましく、1乃至3であることがさらにまた好ましく、
1であることが最も好ましい。式(I)において、mお
よびnが、それぞれ1である場合、Lは、−アルキレン
基−、−O−、−CO−、−NR−、−SO2 −および
それらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結
基であることが好ましい。上記Rは、水素原子またはア
ルキル基である。Lは、極性基(−アルキレン基−以外
の基)を少なくとも一つ含むことが好ましい。上記アル
キレン基の炭素原子数は、1乃至40であることが好ま
しく、1乃至30であることがより好ましく、1乃至2
0であることがさらに好ましく、1乃至15であること
がさらにまた好ましく、1乃至12であることが最も好
ましい。上記アルキル基の炭素原子数は、1乃至40で
あることが好ましく、1乃至30であることがより好ま
しく、1乃至20であることがさらに好ましく、1乃至
15であることがさらにまた好ましく、1乃至12であ
ることが最も好ましい。
【0027】mが2以上の場合、複数の疎水性基(H
b)は、異なっていてもよい。nが2以上の場合、複数
の排除体積効果を有する基(Bu)は、異なっていても
よい。mまたはnが2以上の場合、連結基(L)は鎖状
構造または環状構造を形成できる。連結基(L)が鎖状
構造の場合、複数の疎水性基(Hb)または複数の排除
体積効果を有する基(Bu)は、主鎖である連結基
(L)に、側鎖として結合できる。連結基(L)が環状
構造の場合、複数の疎水性基(Hb)または複数の排除
体積効果を有する基(Bu)は、環状構造の連結基
(L)に、置換基として結合できる。mおよびnが、そ
れぞれ独立に、2乃至12の整数である場合、Lは、環
状構造を含む連結基であることが好ましい。以下に、連
結基(L)の例を示す。二価の連結基である(L−1)
〜(L−11)では、左側が疎水性基(Hb)に結合
し、右側が排除体積効果を有する基(Bu)に結合す
る。多価の連結基である(L−12)〜(L−17)に
は、疎水性基(Hb)と排除体積効果を有する基(B
u)とを表示する。
【0028】 (L−1)−SO2 −N(n−C3 7 )−C2 4
O−CO−O− (L−2)−SO2 −N(n−C3 7 )−C2 4
O−CO−NH− (L−3)−SO2 −N(n−C3 7 )−C2 4
O−CO−O−CH2 − (L−4)−SO2 −NH−C2 4 −O−CO−NH
− (L−5)−SO2 −NH−C2 4 −O−CO−O− (L−6)−CO−NH−C2 4 −O−CO−O− (L−7)−CO−NH− (L−8)−NH−C2 4 −O−CO−O− (L−9)−CO−NH−C2 4 −O−CO−NH− (L−10)−SO2 −N(n−C3 7 )−C6 12
O−CO−NH− (L−11)−C2 4 −O−CO−O−
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】液晶配向促進剤は、以上述べた疎水性基
(Hb)、排除体積効果を有する基(Bu)および連結
基(L)を組み合わせた化合物である。これらの組み合
わせについて、特に制限はない。以下に、式(I)で表
される化合物の具体例を示す。各例における疎水性基
(Hb)、排除体積効果を有する基(Bu)および連結
基(L)は、前述した例の番号である。
【0036】 I−1:(Hb−1)−(L−1)−(Bu−1) I−2:(Hb−1)−(L−2)−(Bu−2) I−3:(Hb−1)−(L−1)−(Bu−3) I−4:(Hb−1)−(L−1)−(Bu−4) I−5:(Hb−1)−(L−3)−(Bu−5) I−6:(Hb−1)−(L−1)−(Bu−6) I−7:(Hb−1)−(L−1)−(Bu−7) I−8:(Hb−1)−(L−3)−(Bu−1) I−9:(Hb−1)−(L−4)−(Bu−2) I−10:(Hb−1)−(L−5)−(Bu−8) I−11:(Hb−1)−(L−2)−(Bu−9) I−12:(Hb−1)−(L−5)−(Bu−10) I−13:(Hb−1)−(L−6)−(Bu−11) I−14:(Hb−2)−(L−7)−(Bu−7)
【0037】I−15:(Hb−3)−(L−8)−(B
u−1) I−16:(Hb−4)−(L−9)−(Bu−2) I−17:(Hb−5)−(L−6)−(Bu−8) I−18:(Hb−1)−(L−10)−(Bu−9) I−19:(Hb−1)−(L−5)−(Bu−12) I−20:(Hb−6)−(L−11)−(Bu−12) I−21:(Hb−7)−(L−7)−(Bu−7) I−22:(Hb−1)3 −(L−12)−(Bu−2)3 I−23:(Hb−1)3 −(L−13)−(Bu−2)3 I−24:(Hb−1)3 −(L−14)−(Bu−1)3 I−25:(Hb−1)4 −(L−15)−(Bu−1)4 I−26:(Hb−1)4 −(L−16)−(Bu−2)4 I−27:(Hb−1)2 −(L−17)−(Bu−1) I−28:(Hb−5)−(L−7)−(Bu−2)
【0038】[合成例1]
【0039】
【化15】
【0040】(化合物(A)の合成)攪拌器を装着した
1リットル三ツ口フラスコに、p−ヒドロキシビフェニ
ル25.7g(0.151モル)、1,3−ジブロモプ
ロパン304.9g(1.51モル)、炭酸カリウム4
6.2g(0.332モル)およびN,N−ジメチルホ
ルムアミド300mlを加え、130℃で5時間攪拌し
た。室温まで冷却した後、酢酸エチル/飽和食塩水で抽
出、洗浄した。酢酸エチル相を分液、採取し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを留去した後、さら
に真空ポンプを使用して、残留1,3−ジブロモプロパ
ンを留去した。次いでシリカゲルを固定相、ヘキサン/
メチレンジクロリド(1/1)を展開相とするカラムク
ロマトグラフィーによって精製し、さらにメタノールで
再結晶した。収量17.7g(収率40%)。 CDCl3 を溶媒とする 1H−NMR:2.3ppm. mul
tiplet,2H;3.7ppm. doublet,2H;4.2ppm.
doublet,2H;7.0ppm. doublet,2H;7.3pp
m. doublet,1H;7.4ppm. triplet,2H;7.6
ppm. triplet,4H
【0041】
【化16】
【0042】(化合物(B)の合成)攪拌器を装着した
100ml三ツ口フラスコに、化合物(A)17.47
g(0.06モル)およびトリエタノールアミン8.7
6ml(0.066モル)を加え、150℃で3時間攪
拌したところ、反応系が固化した。メタノールを加えて
溶解し、不溶物を炉別した。シリカゲルを固定相、ヘキ
サン/メチレンジクロリド(5/1)を展開相とするカ
ラムクロマトグラフィーで精製した。収量10.7g
(収率41%)。 DMSO−d6 を溶媒とする 1H−NMR:2.2ppm.
multiplet,2H;3.6ppm. multiplet,8H;3.
8ppm. triplet,6H;4.1ppm. triplet,2H;
7.0ppm. doublet,2H;7.3ppm. doublet,1
H;7.4ppm. triplet,2H;7.6ppm. doublet,
4H
【0043】
【化17】
【0044】(化合物(C)の合成)攪拌器を装着した
1リットル三ツ口フラスコに、フッ素系界面活性剤(メ
ガファックF−104、大日本インキ化学社製)99.
5g(0.17モル)およびトリホスゲン50.4g
(0.17モル)を加え、さらにテトラヒドロフラン3
90mlを加え、攪拌して溶解した。室温で3時間攪拌
を続け、一夜室温で放置した。テトラヒドロフランを減
圧留去すると、過剰のトリホスゲンが析出したので、こ
れを炉別し、103.2gの粘稠なオイルを得た。この
粘稠オイルを単蒸留で精製した。3.2〜3.4mmH
g/172〜186℃。収量81.9g(収率74
%)。 CDCl3 を溶媒とする 1H−NMR:1.0ppm. tri
plet,3H;1.7ppm. multiplet,2H;3.3〜
3.9ppm. multiplet,4H;4.5ppm. triplet,2
【0045】
【化18】
【0046】(化合物(I−27)の合成)攪拌器を装着
した100ml三ツ口フラスコに、化合物(B)4.4
g(0.01モル)、N,N−ジメチルアセトアミド3
0mlおよびピリジン0.97ml(0.012モル)
を加え、攪拌して溶解した。化合物(C)7.77g
(0.012モル)を滴下し、室温で20分間攪拌した
後、70℃で3時間攪拌した。この時点で化合物(B)
が残存していたので、さらにピリジン0.97mlおよ
び化合物(C)7.77gを添加し、70℃で2時間攪
拌した。酢酸エチル/飽和食塩水で抽出、洗浄し、酢酸
エチル相を分取して、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
酢酸エチルを留去し、シリカゲルを固定相、メチレンジ
クロリド/メタノール(5/1)を移動相とするカラム
クロマトグラフィーで精製した。収量0.34g(収率
2%)。 CDCl3 を溶媒とする 1H−NMR:0.9ppm. tri
plet,6H;1.5〜1.7ppm. multiplet,4H;
2.3〜2.4ppm. multiplet,2H;3.3〜3.5
ppm. multiplet,6H;3.7〜4.0ppm. multiple
t,6H;4.0〜4.4ppm. multiplet,12H;
4.7ppm. triplet,4H;7.0ppm. doublet,2
H;7.4ppm. doublet,1H;7.5ppm. triplet,
2H;7.6ppm.triplet,4H
【0047】[合成例2]
【0048】
【化19】
【0049】(化合物(I−1)の合成)攪拌器を装着
した100ml三ツ口フラスコに、p−ヒドロキシビフ
ェニル3.4g(0.02モル)、テトラヒドロフラン
20mlおよびピリジン1.94ml(0.024モ
ル)を加え、攪拌、溶解した。合成例1で合成した化合
物(C)15.55g(0.024モル)をテトラヒド
ロフラン10mlに溶解した溶液を室温で滴下した。滴
下後、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル/希塩酸で抽
出、洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄した。酢酸エチル
相を分液し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチ
ルを減圧留去し、シリカゲルを固定相、ヘキサン/クロ
ロホルム(2/1)を展開相とするカラムクロマトグラ
フィーで精製した。収量5.7g(収率37%)。 CDCl3 を溶媒とする 1H−NMR:1.0ppm. tri
plet,3H;1.7〜1.8ppm. multiplet,2H;
3.3〜4.0ppm. multiplet,4H;4.4ppm. tri
plet,2H;7.2〜7.6ppm. multiplet,9H
【0050】[合成例3]
【0051】
【化20】
【0052】(化合物(D)の合成)攪拌器と還流冷却
器とを装着した300ml三ツ口フラスコに、エチニル
ベンゼン31.9g(0.312モル)、p−ニトロブ
ロモベンゼン52.5g(0.26モル)、ビス(トリ
フェニレンホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド
0.55g(0.78ミリモル)、トリフェニルホスフ
ィン1.09g、ヨウ化銅0.18g(0.94ミリモ
ル)およびトリエチルアミン150mlを加え、窒素気
流下100℃で2時間加熱攪拌した。室温に冷却後、酢
酸エチル/希硫酸で抽出、洗浄した。さらに飽和食塩水
で洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸
エチルを減圧留去し、メタノール1.2リットルで再結
晶した。収量44.8g(収率77%)。
【0053】
【化21】
【0054】(化合物(E)の合成)攪拌器と還流冷却
器とを装着した300ml三ツ口フラスコに、還元鉄1
3.9g(0.25モル)、イソプロピルアルコール6
0ml、水24mlおよび塩化アンモニウム0.50g
(9.3ミリモル)を加え、90℃で加熱攪拌しなが
ら、化合物(D)13.9gを徐々に加えた。30分間
加熱攪拌を続けたのち、テトラヒドロフラン120ml
を加え、加熱状態のままセライト濾過した。炉液を70
mlまで減圧留去して濃縮すると黄色物が析出した。こ
れを炉別し、水150mlに注ぎ込んだ。析出した結晶
を炉取し、メタノール60mlで再結晶して、化合物
(E)8.2g(収率69%)を得た。
【0055】
【化22】
【0056】(化合物(I−2)の合成)攪拌器を装着
した100ml三ツ口フラスコに、化合物(E)3.8
7g(0.02モル)、N,N−ジメチルアセトアミド
30ml、ピリジン1.94ml(0.024モル)を
加えて攪拌、溶解した。攪拌しながら、合成例1で合成
した化合物(C)15.55g(0.024モル)を滴
下した。室温下10分間攪拌したのち、希塩酸200m
lに注ぎ込んだ。析出した結晶を炉取し、テトラヒドロ
フラン/メタノールで再結晶して、化合物(I−2)
8.38g(収率52%)を得た。 CDCl3 を溶媒とする 1H−NMR:1.0ppm. tri
plet,3H;1.7ppm. multiplet,2H;3.3〜
3.9ppm. multiplet,4H;4.4ppm. triplet,2
H;6.7ppm. singlet,1H;7.3〜7.6ppm. m
ultiplet,9H
【0057】[液晶組成物]液晶組成物は、液晶性分子
と液晶配向促進剤を含む。二種類以上の液晶性分子を併
用してもよい。また、二種類以上の液晶配向促進剤を併
用してもよい。液晶配向促進剤は、液晶性分子の量の
0.01乃至20質量%の量で使用する。使用量は、
0.1乃至5質量%の量であることが好ましい。液晶性
分子としては、ディスコティック液晶性分子または棒状
液晶性分子を用いることが好ましい。また、液晶性分子
は、重合性基を有することも好ましい。
【0058】ディスコティック液晶性分子は、様々な文
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子の重合については、
特開平8−27284公報に記載がある。ディスコティ
ック液晶性分子を重合により固定するためには、ディス
コティック液晶性分子の円盤状コアに、置換基として重
合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに
重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を
保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基
との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有す
るディスコティック液晶性分子は、下記式で表わされる
化合物であることが好ましい。
【0059】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。トリフェニレン(D4)が特に好ましい。
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
【化29】
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】前記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0070】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0071】L14:−O−AL−O−CO−NH−AL
− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0072】AL(アルキレン基またはアルケニレン
基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック
液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。
不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が
円盤状コア(D)側であり、右側が重合性基(Q)側で
ある。*印を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子であ
る。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0073】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 − AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
− AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
【0074】AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH
2
【0075】AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0076】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0077】
【化32】
【0078】
【化33】
【0079】
【化34】
【0080】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価
の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分
子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有
する分子と有していない分子(前記式(I)においてQ
の代わりに水素原子またはアルキル基を有する分子)を
併用してもよい。不斉炭素原子を有し重合性基を有して
いない分子と、重合性基を有し不斉炭素原子を有してい
ない分子を併用することが特に好ましい。不斉炭素原子
を有し重合性基を有していない分子は、実質的には、デ
ィスコティック液晶性分子としてよりもカイラル剤とし
て機能する。
【0081】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
的異方性層に添加しても、ディスコティック液晶性分子
を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原
子を含む化合物としては、様々な天然または合成化合物
が使用できる。不斉炭素原子を含む化合物中には、ディ
スコティック液晶性分子と同じまたは類似の重合性基を
導入してもよい。重合性基を導入すると、ディスコティ
ック液晶性分子を実質的に垂直(ホモジニアス)配向さ
せた後に、固定するのと同時に、同じまたは類似の重合
反応により不斉炭素原子を含む化合物も光学的異方性層
内で固定することができる。
【0082】棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、
アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエス
テル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン
酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン
類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換
フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン
類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が
好ましく用いられる。棒状液晶性分子を実質的に垂直に
配向させた液晶セルとしては、VA(Vertically Align
ed)モードの液晶セルが代表的である。VAモードの液
晶セルを用いた液晶表示装置については、日経マイクロ
デバイスNo.136、147頁(1996)、特開平
2−176625号公報および特許番号第286637
2号公報に記載がある。
【0083】棒状液晶性分子の複屈折率は、0.001
乃至0.7であることが好ましい。棒状液晶性分子も、
重合性基を有することが好ましい。重合性基の例は、デ
ィスコティック液晶性分子の重合性基(Q)の例と同様
である。棒状液晶性分子は、短軸方向に対してほぼ対称
となる分子構造を有することが好ましい。そのために
は、棒状分子構造の両端に重合性基を有することが好ま
しい。以下に、棒状液晶性分子の例を示す。
【0084】
【化35】
【0085】
【化36】
【0086】
【化37】
【0087】
【化38】
【0088】
【化39】
【0089】
【化40】
【0090】
【化41】
【0091】
【化42】
【0092】
【化43】
【0093】
【化44】
【0094】
【化45】
【0095】
【化46】
【0096】
【化47】
【0097】液晶組成物は、液晶性分子および液晶配向
促進剤に加えて、必要に応じて溶媒、不斉炭素原子を含
む化合物、あるいは重合性開始剤(後述)や他の添加剤
(例えば、セルロースエステル)を含むことができる。
液晶組成物の溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いら
れる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチ
ルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホ
キシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素
(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、
クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸
メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチル
エチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハラ
イドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を
併用してもよい。
【0098】[光学異方性素子]光学異方性素子は、液
晶組成物を配向膜の上に塗布し、液晶層を形成すること
により作製できる。液晶組成物の塗布は、公知の方法
(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコ
ーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイ
コーティング法、バーコーティング法)により実施でき
る。液晶性分子は、配向状態を維持して固定することが
好ましい。固定化は、液晶性分子に導入した重合性基
(Q)の重合反応により実施することが好ましい。重合
反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開
始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好
ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物
(米国特許2367661号、同2367670号の各
明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448
828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロ
イン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、
多核キノン化合物(米国特許3046127号、同29
51758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾ
ールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わ
せ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジ
ンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667
号公報、米国特許4239850号明細書記載)および
オキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明
細書記載)が含まれる。
【0099】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.
5乃至5質量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至800mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。液晶層の厚さは、0.1乃至50μm
であることが好ましく、1乃至30μmであることがさ
らに好ましく、5乃至20μmであることが最も好まし
い。液晶層中の液晶配向促進剤の塗布量は、0.005
乃至0.5g/m2 であることが好ましく、0.01乃
至0.45g/m2 であることがより好ましく、0.0
2乃至0.4g/m2 であることがさらに好ましく、
0.03乃至0.35g/m2 であることが最も好まし
い。
【0100】[配向膜]配向膜は、有機化合物(好まし
くはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸
着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラン
グミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物
(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモ
ニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のよう
な手段で、設けることができる。さらに、電場の付与、
磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配
向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形
成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマ
ー層の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることに
より実施する。配向膜に使用するポリマーの種類は、液
晶性分子の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。
液晶性分子を水平(平均傾斜角:0乃至50゜)に配向
させるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させな
いポリマー(通常の配向膜用ポリマー)を用いる。液晶
性分子を垂直(平均傾斜角:50乃至90゜)に配向さ
せるためには、配向膜の表面エネルギーを低下させるポ
リマーを用いる。配向膜の表面エネルギーを低下させる
ためには、ポリマーの側鎖に炭素原子数が10乃至10
0の炭化水素基を導入することが好ましい。
【0101】具体的なポリマーの種類については、様々
な表示モードに対応する液晶性分子を用いた光学補償シ
ートについての文献に記載がある。配向膜の厚さは、
0.01乃至5μmであることが好ましく、0.05乃
至1μmであることがさらに好ましい。なお、配向膜を
用いて、光学異方性層の液晶性分子を配向させてから、
液晶層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固
定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維
持することができる。また、平均傾斜角が5゜未満の配
向の場合は、ラビング処理をする必要はなく、配向膜も
不要である。ただし、液晶性分子と透明支持体との密着
性を改善する目的で、界面で液晶性分子と化学結合を形
成する配向膜(特開平9−152509号公報記載)を
用いてもよい。密着性改善の目的で配向膜を使用する場
合は、ラビング処理を実施しなくてもよい。二種類の液
晶層を透明支持体の同じ側に設ける場合、透明支持体上
に形成した液晶層を、その上に設ける液晶層の配向膜と
して機能させることも可能である。
【0102】[透明支持体]光学異方性素子は、透明支
持体を有していてもい。透明支持体として、ガラス板ま
たはポリマーフイルム、好ましくはポリマーフイルムが
用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80
%以上であることを意味する。透明支持体として、一般
には、光学等方性のポリマーフイルムが用いられてい
る。光学等方性とは、具体的には、面内レターデーショ
ン(Re)が10nm未満であることが好ましく、5n
m未満であることがさらに好ましい。また、光学等方性
透明支持体では、厚み方向のレターデーション(Rth)
も、10nm未満であることが好ましく、5nm未満で
あることがさらに好ましい。透明支持体の面内レターデ
ーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rt
h)は、それぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
【0103】透明支持体として光学異方性のポリマーフ
イルムが用いられる場合もある。そのような場合、透明
支持体は、光学的一軸性または光学的二軸性を有するこ
とが好ましい。光学的一軸性支持体の場合、光学的に正
(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向の屈折率よりも
大)であっても負(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方
向の屈折率よりも小)であってもよい。光学的二軸性支
持体の場合、前記式の屈折率nx、nyおよびnzは、
全て異なる値(nx≠ny≠nz)になる。光学異方性
透明支持体の面内レターデーション(Re)は、10乃
至1000nmであることが好ましく、15乃至300
nmであることがさらに好ましく、20乃至200nm
であることが最も好ましい。光学異方性透明支持体の厚
み方向のレターデーション(Rth)は、10乃至100
0nmであることが好ましく、15乃至300nmであ
ることがより好ましく、20乃至200nmであること
がさらに好ましい。
【0104】透明支持体を形成する材料は、光学等方性
支持体とするか、光学異方性支持体とするかに応じて決
定する。光学等方性支持体の場合は、一般にガラスまた
はセルロースエステルが用いられる。光学異方性支持体
の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂)が用
いられる。ただし、欧州特許0911656A2号明細
書に記載されている(1)レターデーション上昇剤の使
用、(2)セルロースアセテートの酢化度の低下、ある
いは(3)冷却溶解法によるフイルムの製造により、光
学異方性の(レターデーションが高い)セルロースエス
テルフイルムを製造することもできる。ポリマーフイル
ムからなる透明支持体は、ソルベントキャスト法により
形成することが好ましい。
【0105】光学異方性透明支持体を得るためには、ポ
リマーフイルムに延伸処理を実施することが好ましい。
光学的一軸性支持体を製造する場合は、通常の一軸延伸
処理または二軸延伸処理を実施すればよい。光学的二軸
性支持体を製造する場合は、アンバランス二軸延伸処理
を実施することが好ましい。アンバランス二軸延伸で
は、ポリマーフイルムをある方向に一定倍率(例えば3
乃至100%、好ましくは5乃至30%)延伸し、それ
と垂直な方向にそれ以上の倍率(例えば6乃至200
%、好ましくは10乃至90%)延伸する。二方向の延
伸処理は、同時に実施してもよい。延伸方向(アンバラ
ンス二軸延伸では延伸倍率の高い方向)と延伸後のフイ
ルムの面内の遅相軸とは、実質的に同じ方向になること
が好ましい。延伸方向と遅相軸との角度は、10゜未満
であることが好ましく、5゜未満であることがさらに好
ましく、3゜未満であることが最も好ましい。
【0106】透明支持体の厚さは、10乃至500μm
であることが好ましく、50乃至200μmであること
がさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層
(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改
善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処
理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)
を実施してもよい。透明支持体に紫外線吸収剤を添加し
てもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設
けてもよい。接着層については、特開平7−33343
3号公報に記載がある。接着層の厚さは、0.1乃至2
μmであることが好ましく、0.2乃至1μmであるこ
とがさらに好ましい。
【0107】[液晶表示装置]光学異方性素子は、様々
な表示モードの液晶セルの光学補償シートとして利用で
きる。液晶性分子を用いた光学補償シートは、TN(Tw
isted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、F
LC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Opti
cally Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted
Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Ele
ctrically Controlled Birefringence)およびHAN
(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セルに対応す
るものが既に提案されている。本発明に従う光学異方性
素子は、それらの光学補償シートとして利用可能であ
る。
【0108】
【実施例】[実施例1] (光学異方性素子の作製)厚さ100μm、サイズ27
0mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。下記のポリイミドを、N−メチル−2
−ピロリドンおよび2−ブタノンの混合溶媒に溶解して
5質量%溶液を調製した。得られた溶液を、バーコータ
ーを用いて透明支持体の上に塗布した。塗布層を、80
℃の温風で10分間乾燥し、表面をラビング処理して、
配向膜を形成した。
【0109】
【化48】
【0110】配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエク
ストルージョン法により塗布し、130℃に加熱して、
ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0111】 ──────────────────────────────────── 液晶層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性化合物 100質量部 合成例2で合成した液晶配向促進剤(I−1) 5.0質量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2質量部 2−ブタノン 185質量部 ────────────────────────────────────
【0112】
【化49】
【0113】塗布層を130℃に加熱した状態で、4秒
間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末
端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。このよう
にして、光学異方性素子を作製した。光学異方性素子の
面内レターデーションを測定し、その角度依存性からデ
ィスコティック液晶性分子の平均傾斜角を求めたとこ
ろ、88゜であった。また、ディスコティック液晶性分
子の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、全ての分
子が均一に配向(モノドメイン配向)しており、配向欠
陥は全く認められなかった。以上の実験をさらに2回繰
り返したところ、ディスコティック液晶性分子の平均傾
斜角に若干の変動(二回目は89゜、三回目は88゜)
があったが、ディスコティック液晶性分子の配向状態に
は、いずれも配向欠陥が全く認められなかった。
【0114】[比較例1]液晶配向促進剤(I−1)を
添加しなかった以外は、実施例1と同様に光学異方性素
子を作製した。光学異方性素子の面内レターデーション
を測定し、その角度依存性からディスコティック液晶性
分子の平均傾斜角を求めたところ、75゜であった。ま
た、ディスコティック液晶性分子の配向状態を偏光顕微
鏡で確認したところ、海島模様の微細な配向欠陥が無数
に存在していることが認められた。以上の実験をさらに
2回繰り返したところ、ディスコティック液晶性分子の
平均傾斜角に変動(二回目は72゜、三回目は80゜)
があり、ディスコティック液晶性分子の配向状態として
は、いずれも海島模様の微細な配向欠陥が無数に存在し
ていることが認められた。
【0115】[応用例1] (光学補償シートの作製)厚さ100μm、サイズ27
0mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。実施例1で用いたポリイミドを、N−
メチル−2−ピロリドンおよび2−ブタノンの混合溶媒
に溶解して5質量%溶液を調製した。得られた溶液を、
バーコーターを用いて透明支持体の上に塗布した。塗布
層を、80℃の温風で10分間乾燥し、表面をラビング
処理して、配向膜を形成した。
【0116】配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエク
ストルージョン法により塗布し、130℃に加熱して、
ディスコティック液晶性化合物を配向させた。
【0117】 ──────────────────────────────────── 光学的異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 実施例1で用いたディスコティック液晶性化合物 100質量部 下記のカイラル剤 1.8質量部 合成例2で合成した液晶配向促進剤(I−1) 5.0質量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2質量部 2−ブタノン 185質量部 ────────────────────────────────────
【0118】
【化50】
【0119】塗布層を130℃に加熱した状態で、4秒
間紫外線を照射し、ディスコティック液晶性化合物の末
端ビニル基を重合させ、配向状態を固定した。このよう
にして、光学補償シートを作製した。光学補償シートの
レターデーションと膜厚をエリプソメータを用いて測定
したところ、厚さ2μm当たりのレターデーションは1
80nmであった。また、ディスコティック液晶性分子
の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、全ての分子
が均一に配向(モノドメイン配向)しており、配向欠陥
は全く認められなかった。以上の実験をさらに2回繰り
返したところ、厚さ2μm当たりのレターデーションに
若干の変動(二回目は176nm、三回目は170n
m)があったが、ディスコティック液晶性分子の配向状
態には、いずれも配向欠陥が全く認められなかった。
【0120】[参考例1]液晶配向促進剤(I−1)を
添加しなかった以外は、応用例1と同様に光学補償シー
トを作製した。光学補償シートのレターデーションと膜
厚をエリプソメータを用いて測定したところ、厚さ2μ
m当たりのレターデーションは155nmであった。ま
た、ディスコティック液晶性分子の配向状態を偏光顕微
鏡で確認したところ、海島模様の微細な配向欠陥が無数
に存在していることが認められた。以上の実験をさらに
2回繰り返したところ、厚さ2μm当たりのレターデー
ションに変動(二回目は155nm゜、三回目は150
nm)があり、ディスコティック液晶性分子の配向状態
としては、いずれも海島模様の微細な配向欠陥が無数に
存在していることが認められた。
【0121】[応用例2] (液晶表示装置の作製)ツイスト角が240゜、Δnd
が880nmのSTN液晶セルの下側に、応用例1で作
製した光学補償シートを2枚、光学的異方性層側を向か
い合わせ、光学的異方性層のディスコティック液晶性分
子のディレクター(ディスコティック液晶性分子の円盤
面の法線方向)が一致するように貼り合わせた。この光
学補償シートと液晶セルを貼り合わせる面において、デ
ィスコティック液晶性分子と液晶セルの棒状液晶性分子
のディレクターが一致するように、光学補償シートを液
晶セルに取り付けた。さらに、一対の偏光板をクロスニ
コル配置で取り付け、STN型液晶表示装置を作製し
た。作製したSTN型液晶表示装置と、光学補償シート
を取り付けなかったSTN型液晶表示装置とを比較した
ところ、光学補償シートによる顕著な視野角改善効果が
認められた。
【0122】[実施例2] (光学異方性素子の作製)厚さ100μm、サイズ27
0mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム
(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明支持
体として用いた。実施例1で用いたポリイミドを、N−
メチル−2−ピロリドンおよび2−ブタノンの混合溶媒
に溶解して5質量%溶液を調製した。得られた溶液を、
バーコーターを用いて透明支持体の上に塗布した。塗布
層を、80℃の温風で10分間乾燥し、表面をラビング
処理して、配向膜を形成した。
【0123】配向膜の上に、以下の組成の塗布液をエク
ストルージョン法により塗布した。
【0124】 ──────────────────────────────────── 液晶層塗布液 ──────────────────────────────────── 4−メトキシベンジリデン−4−ブチルアニリン(MBBA、棒状液晶性化合 物) 100質量部 合成例3で合成した液晶配向促進剤(I−2) 3.0質量部 2−ブタノン 185質量部 ────────────────────────────────────
【0125】塗布層をネマティック相形成温度に加熱し
て、棒状液晶性分子を垂直に配向させて、光学異方性素
子を作製した。加熱した状態で、クロスニコル下、棒状
液晶性分子の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、
全ての分子が均一に配向(モノドメイン配向)してお
り、配向欠陥は全く認められなかった。
【0126】[比較例2]液晶配向促進剤(I−2)を
添加しなかった以外は、実施例2と同様に光学異方性素
子を作製した。加熱した状態で、クロスニコル下、棒状
液晶性分子の配向状態を偏光顕微鏡で確認したところ、
海島模様の微細な配向欠陥が無数に存在していることが
認められた。
【0127】[比較例3] (光学異方性素子の作製)棒状液晶性分子(N26)
は、107℃から166℃の温度範囲でネマチック相を
示す。棒状液晶性分子(N26)をクロロホルムで約1
5質量%まで希釈した。ガラス基板上にポリイミド配向
膜(LX−1400、日立化成デュポン社製)を形成
し、ラビング処理した。配向膜の上に、棒状液晶性分子
(N26)の希釈液を滴下し、1000rpmでスピン
コートした。塗布後、120℃で1分間加熱した。12
0℃における配向状態を偏光顕微鏡を用いて観察したと
ころ、リバースチルトドメインが多数発生していた。す
なわち、液晶が空気界面側で傾斜しており、液晶層の厚
み方向にハイブリッド配向していることが判明した。
【0128】[実施例3] (光学異方性素子の作製)棒状液晶性分子(N26)
に、合成例2で合成した液晶配向促進剤(I−1)を1
質量%混合した。混合物をクロロホルムで約15質量%
まで希釈した。比較例3で用いた配向膜の上に、棒状液
晶性分子(N26)と液晶配向促進剤(I−1)との希
釈液を滴下し、1000rpmでスピンコートした。塗
布後、120℃で1分間加熱した。120℃における配
向状態を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、リバース
チルトドメインが全く発生していなかった。すなわち、
液晶が空気界面側で水平配向しており、液晶層の厚み方
向にホモジニアスに配向していることが判明した。な
お、液晶配向促進剤(I−1)を添加すると、液晶状態
でのハジキが弱くなり、液晶組成物の塗布が容易になる
との付加的な効果も認められた。
【0129】[実施例4] (光学異方性素子の作製)棒状液晶性分子(N26)
に、合成例3で合成した液晶配向促進剤(I−2)を1
質量%混合した。混合物をクロロホルムで約15質量%
まで希釈した。比較例3で用いた配向膜の上に、棒状液
晶性分子(N26)と液晶配向促進剤(I−1)との希
釈液を滴下し、1000rpmでスピンコートした。塗
布後、120℃で1分間加熱した。120℃における配
向状態を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、リバース
チルトドメインが全く発生していなかった。すなわち、
液晶が空気界面側で水平配向しており、液晶層の厚み方
向にホモジニアスに配向していることが判明した。な
お、液晶配向促進剤(I−2)を添加すると、液晶状態
でのハジキが弱くなり、液晶組成物の塗布が容易になる
との付加的な効果も認められた。
【0130】[実施例5] (光学異方性素子の作製)棒状液晶性分子(N26)
に、液晶配向促進剤(I−27)を1質量%混合した。
混合物をクロロホルムで約15質量%まで希釈した。
【0131】
【化51】
【0132】比較例3で用いた配向膜の上に、棒状液晶
性分子(N26)と液晶配向促進剤(I−1)との希釈
液を滴下し、1000rpmでスピンコートした。塗布
後、120℃で1分間加熱した。120℃における配向
状態を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、リバースチ
ルトドメインが全く発生していなかった。すなわち、液
晶が空気界面側で水平配向しており、液晶層の厚み方向
にホモジニアスに配向していることが判明した。なお、
液晶配向促進剤(I−27)を添加すると、液晶状態で
のハジキが弱くなり、液晶組成物の塗布が容易になると
の付加的な効果も認められた。
【0133】[比較例4] (光学異方性素子の作製)ガラス基板上にポリイミド配
向膜(LX−1400、日立化成デュポン社製)を形成
し、ラビング処理した。配向膜の上に、非重合性棒状液
晶組成物(ZLI−1132、メルク社製)を滴下し、
2000rpmでスピンコートした。塗布後の配向状態
を室温で偏光顕微鏡を用いて観察したところ、リバース
チルトドメインが多数発生していた。すなわち、液晶が
空気界面側で傾斜しており、液晶層の厚み方向にハイブ
リッド配向していることが判明した。
【0134】[実施例6] (光学異方性素子の作製)非重合性棒状液晶組成物(Z
LI−1132、メルク社製)に、合成例2で合成した
液晶配向促進剤(I−1)を1質量%混合した。比較例
3で用いた配向膜の上に、液晶配向促進剤(I−1)を
加えた非重合性棒状液晶組成物を滴下し、2000rp
mでスピンコートした。塗布後の配向状態を室温で偏光
顕微鏡を用いて観察したところ、リバースチルトドメイ
ンが全く発生していなかった。すなわち、液晶が空気界
面側で水平配向しており、液晶層の厚み方向にホモジニ
アスに配向していることが判明した。なお、液晶配向促
進剤(I−1)を添加すると、液晶状態でのハジキが弱
くなり、液晶組成物の塗布が容易になるとの付加的な効
果も認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市橋 光芳 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HA11 HB16Y HC05 HC13 HC15 HC17 HC18 HC19 HD14 KA18 LA06 MA04 MB02 4H027 BA08 BE07 CA02 CA03 DG02 DJ02 DM05 DQ02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表される化合物からなる
    液晶配向促進剤: (I)(Hb−)m L(−Bu)n [式中、Hbは、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換
    アルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリ
    ール基、炭素原子数が6乃至60のアルキル基および炭
    素原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴシロキサノ
    キシ基からなる群より選ばれる疎水性基であり;Bu
    は、少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有
    する基であり;Lは、(m+n)価の連結基であり;そ
    して、mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至12の整
    数である]。
  2. 【請求項2】 式(I)において、Hbが、炭素原子数
    が1乃至40のフッ素置換アルキル基または炭素原子数
    が6乃至40のフッ素置換アリール基である請求項1に
    記載の液晶配向促進剤。
  3. 【請求項3】 式(I)において、mおよびnが、それ
    ぞれ1であり、Lが、−アルキレン基−、−O−、−C
    O−、−NR−、−SO2 −およびそれらの組み合わせ
    からなる群より選ばれる二価の連結基であって、Rが水
    素原子またはアルキル基である請求項1に記載の液晶配
    向促進剤。
  4. 【請求項4】 式(I)において、mおよびnが、それ
    ぞれ独立に、2乃至12の整数であり、Lが、環状構造
    を含む連結基である請求項1に記載の液晶配向促進剤。
  5. 【請求項5】 式(I)において、Buの排除体積効果
    を有する基が、三環式または四環式縮合環を含む請求項
    1に記載の液晶配向促進剤。
  6. 【請求項6】 式(I)において、Buの排除体積効果
    を有する基が、少なくとも二つの環を、単結合、ビニレ
    ン結合またはエチニレン結合により結合した構造を含む
    請求項1に記載の液晶配向促進剤。
  7. 【請求項7】 液晶性分子および下記式(I)で表され
    る液晶配向促進剤を含み、液晶配向促進剤の量が液晶性
    分子の量の0.01乃至20質量%の量であることを特
    徴とする液晶組成物: (I)(Hb−)m L(−Bu)n [式中、Hbは、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換
    アルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリ
    ール基、炭素原子数が6乃至60のアルキル基および炭
    素原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴシロキサノ
    キシ基からなる群より選ばれる疎水性基であり;Bu
    は、少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有
    する基であり;Lは、(m+n)価の連結基であり;そ
    して、mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至12の整
    数である]。
  8. 【請求項8】 液晶性分子が、ディスコティック液晶性
    分子である請求項7記載の液晶組成物。
  9. 【請求項9】 液晶性分子が、棒状液晶性分子である請
    求項7記載の液晶組成物。
  10. 【請求項10】 液晶性分子が、重合性基を有する請求
    項7記載の液晶組成物。
  11. 【請求項11】 液晶性分子から形成された液晶層と、
    液晶層の一方の側のみに配置された配向膜とを有する光
    学異方性素子であって、液晶層が、さらに下記式(I)
    で表される液晶配向促進剤を0.005乃至0.5g/
    2 の範囲の量で含むことを特徴とする光学異方性素
    子: (I)(Hb−)m L(−Bu)n [式中、Hbは、炭素原子数が1乃至40のフッ素置換
    アルキル基、炭素原子数が6乃至40のフッ素置換アリ
    ール基、炭素原子数が6乃至60のアルキル基および炭
    素原子数が1乃至60のアルキル置換オリゴシロキサノ
    キシ基からなる群より選ばれる疎水性基であり;Bu
    は、少なくとも二つの環状構造を含む排除体積効果を有
    する基であり;Lは、(m+n)価の連結基であり;そ
    して、mおよびnは、それぞれ独立に、1乃至12の整
    数である]。
  12. 【請求項12】 液晶性分子が50乃至90度の範囲の
    平均傾斜角で配向している請求項11記載の光学異方性
    素子。
  13. 【請求項13】 液晶性分子が0乃至50度の範囲の平
    均傾斜角で配向している請求項11記載の光学異方性素
    子。
  14. 【請求項14】 液晶性分子が、配向している状態のま
    ま重合している請求項11記載の光学異方性素子。
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