JP4355406B2 - 光学補償シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体上にディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、液晶セル、二枚の偏光板、および液晶セルと二枚の偏光板との間に設けられる一枚または二枚の光学補償シート(位相差板)からなる。
液晶セルは、液晶分子、それを封入するための二枚の基板、および液晶分子に電圧を加えるための電極層からなる。
液晶表示装置では、液晶分子の複屈折性のため、表示画像がイエローグリーンまたはイエローに着色する。表示画像の着色は、白黒表示でもカラー表示でも不都合である。光学補償シートは、このような着色を解消して、明るい鮮明な画像を得るために用いられる。光学補償シートにはまた、液晶セルの視野角を拡大する機能を付与する場合もある。光学補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが従来から使用されていた。
【0003】
一方、延伸複屈折フイルムからなる光学補償シートに代えて、透明支持体上にディスコティック液晶性分子等の液晶性分子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートを使用することが提案され、既にディスコティック液晶性分子を含む光学的異方性層を有する光学補償シートは実用化されている。光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定することにより形成する。ディスコティック液晶性分子は、一般に大きな複屈折率を有する。そして、ディスコティック液晶性分子には、多様な配向形態がある。ディスコティック液晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有する光学補償シートを製造することが可能になる。ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートについては、特開平6−214116号公報、米国特許5583679号、同5646703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各明細書に記載がある。
【0004】
特開平7−306317号公報および特開平9−104866号公報には、光学補償シートに必要とされる良好なドメイン合一性を有するトリフェニレン系ディスコティック液晶性分子として、2,3,6,7,10,11−ヘキサ[4−(4−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ]トリフェニレンが開示されている。
【0005】
一方、光学補償シートの面内レターデーション(△nd)は、補償しようとする液晶セルに合わせる必要がある。面内レターデーション(△nd)は、光学的異方性層の屈折率異方性(△n;ディスコティック液晶性分子の長軸の屈折率と短軸の屈折率との差)と膜厚(d)との積で表される。しかし、光学補償シートを形成する光学的異方性層の屈折率異方性(△n)が小さい場合、膜厚は非常に厚くなり、現行技術でこの膜厚を達成することは困難である。よって、大きな屈折率異方性が求められることになる。屈折率異方性が大きければ、膜厚は薄くて足りる。膜厚が薄いほど、光学補償シートに適した分子配向状態を得ることができ、また光学的異方性層を形成するディスコティック液晶性分子の使用量を抑えることができる。
【0006】
しかし、特開平7−306317号公報等に記載のトリフェニレン系ディスコティック液晶性分子から形成される光学的異方性層の屈折率異方性は、必ずしも充分に大きな値を有するとは言い難い。
【0007】
本発明者は、より大きな屈折率異方性を発現するディスコティック液晶性分子として、2,3,6,7,10,11−ヘキサ[4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)シンナモイルオキシ)トリフェニレンを見出しているが、後に、当該液晶性分子は、光重合の際にトランス体からシス体への異性化反応を起こすという問題点を有することが分かった。このことは、側鎖にシンナモイル基を有するディスコティック液晶性分子から形成された塗布膜に光照射を行うと、光学的な異方性を消失することを表す。
【0008】
しかし、側鎖にシンナモイル基を有するディスコティック液晶性分子は、大きな屈折率異方性を有するだけでなく、簡便なルートによって合成できる点で非常に魅力的な化合物である。そこで、光学的な異方性を保持したまま、当該液晶性分子の配向を固定することが可能な光重合の方法が開発できれば、その価値は大きい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、側鎖にシンナモイル基を有するディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層の光重合反応時に、シンナモイル基の光反応を抑え、光学的異方性を保持したまま、該ディスコティック液晶性分子の配向を固定することが可能な光学補償シートの製造方法を提供することを、その課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下に述べる光学補償シートの製造方法を提供する。
【0011】
本発明は、透明支持体上に、後述する一般式(I)で表されるディスコティック液晶性分子および該液晶性分子の紫外線極大吸収波長と15nm以上異なる紫外線極大吸収波長を有する光重合開始剤を含む塗布層を形成し、配向処理して配向液晶性分子層とした後、該液晶性分子の紫外線極大吸収波長における紫外線の透過率が50%以下で、該光重合開始剤の紫外線極大吸収波長における紫外線の透過率が70%以上である紫外線用フィルターを介して該配向液晶性分子層に紫外線を照射して重合させることによって、配向状態を保持させながら該液晶性分子の配向を固定して光学的異方性層を形成することからなる光学補償シートの製造方法にある。
【0013】
本発明の方法の好ましい態様は以下の通りである。
(1)該液晶性分子の紫外線極大吸収波長が300乃至320nmの範囲であり、該光重合開始剤の紫外線極大吸収波長が330乃至400nmの範囲であることを特徴とする光学補償シートの製造方法。
(2)光重合開始剤が、330乃至400nmの波長の範囲の紫外線に対するモル吸光係数が50乃至500000の範囲にある光重合開始剤であることを特徴とする光学補償シートの製造方法。
(3)200乃至320nmの波長の範囲、325乃至340nmの波長の範囲および360乃至500nmの波長の範囲における紫外線の透過率が、それぞれ、0%、50%以下、50%以上である紫外線用フィルターを用いて、紫外線照射を行うことを特徴とする光学補償シートの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
[光学補償シートの製造方法]
本発明の光学補償シートは、図1(本発明の代表的なSTN型液晶表示装置の特徴的な構成部分を示す図)に示すように、透明支持体(23)上に、後述する一般式(I)のディスコティック液晶性分子(21a〜21e)から形成された光学的異方性層を有する光学補償シートである。
光学的異方性層は、ディスコティック液晶性分子を含む塗布液を透明支持体上に塗布し(好ましくは、垂直配向膜(22)上に塗布する)、塗布層を形成し、配向処理して配向液晶性分子層とした後、該配向液晶性分子層に紫外線を照射して重合させることによって、配向状態を保持させながら該液晶性分子の配向を固定して形成する。
以下、特に断らない場合を除いて、ディスコティック液晶性分子は、一般式(I)で表されるディスコティック液晶性分子を意味する。
【0017】
固定化は、一般式(I)で表されるディスコティック液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。重合は、紫外線を照射して、光重合反応によって行う。そのため、ディスコティック液晶性分子を含む塗布液中には、光重合開始剤を含む。しかし、該ディスコティック液晶性分子の側鎖に含まれるシンナモイル基は、光線に対して活性であるため、通常の光重合の条件下では、該ディスコティック液晶性分子の副反応を伴う結果、光学的に異方性のある膜は作製し難い。本発明では、上記の問題を解決するべく、以下の二つの方法、
[1]光重合開始剤の紫外線極大吸収波長とディスコティック液晶性分子の紫外線極大吸収波長との差が15nm以上である光重合開始剤を使用して、光重合開始剤の紫外線極大吸収波長に該当する紫外線を選択的に照射する方法、
[2]紫外線の照射を、ディスコティック液晶性分子の結晶相が等方性液体に転移する温度より10℃以上低い温度にて実施する方法、
によって光学補償シートを作製する。
【0018】
以下、上記の方法をこの順に分説する。
【0019】
[1]特定の光重合開始剤を用いる方法
シンナモイル基以外の側鎖を有するディスコティック液晶性分子の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
光重合開始剤の例としては、一般的には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)を挙げることができる。
【0020】
ディスコティック液晶性分子の紫外線吸収波長は、側鎖のシンナモイル基に由来し、ほとんどのディスコティック液晶性分子の紫外線極吸収波長は、300乃至320nmの範囲にある。従って、本発明で好ましく用いられる光重合開始剤としては、光重合開始剤の紫外線極大吸収波長がこの範囲に存在しないものを用いる。即ち、光重合開始剤としては、光重合開始剤の紫外線極大吸収波長がこの範囲と15nm以上異なるものを用いることが好ましく、20nm以上異なるものを用いることが特に好ましい。
【0021】
上記の光重合開始剤としては、330乃至400nmの波長の範囲(好ましくは、350乃至400nmの波長の範囲)の紫外線に対するモル吸光係数(ε)が50乃至500000の範囲(好ましくは、100乃至300000の範囲)にあるものを用いることが特に好ましい。即ち、光重合開始剤の紫外線主吸収あるいは副吸収の何れが、330乃至400nmの波長の範囲に存在していてもよい。
【0022】
以下に、本発明で特に好ましく用いられる光重合開始剤を示す。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】
【化12】
【0033】
【化13】
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
重合用の光線としては、紫外線を用いる。紫外線による光重合開始剤を用いるラジカル重合やカチオン重合は、一般的に極めて重合速度が大きく、製造工程における生産性の点で好ましい。ラジカル光源としては、低圧水銀ランプ、高圧放電ランプあるいはショートアーク放電ランプを用いることが好ましく、高圧放電ランプを用いることが特に好ましい。
【0037】
高圧放電ランプを用いて光重合を行う場合には、350乃至400nmの波長の範囲の紫外線に対する(主吸収あるいは副吸収の)モル吸光係数(ε)が50乃至500000の範囲にある光重合開始剤を用いることが好ましく、330nm乃至400nmの波長の範囲の紫外線に対するモル吸光係数(ε)が50乃至300000の範囲にある光重合開始剤を用いることが特に好ましい。
【0038】
光重合開始剤の使用量は、ディスコティック液晶性分子を含む塗布液の固形分の0.01乃至20重量%の範囲にあることが好ましく、0.5乃至5重量%の範囲にあることが特に好ましい。
ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましいが、その照射エネルギーは、20mJ/cm2乃至50J/cm2であることが好ましく、100乃至2000mJ/cm2であることが特に好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
【0039】
紫外線照射の際に、特定の範囲の波長の紫外線を選択的に透過あるいは除去、または紫外線の強度を一様に下げる機能を有する紫外線用フィルターを用いてもよい。
【0040】
紫外線用フィルターは、紫外線の透過率が200乃至320nmの波長の範囲において0%、325乃至340nmの波長の範囲において50%以下、かつ360乃至500nmの波長の範囲において50%以上であるものを用いることが好ましく、紫外線の透過率が280乃至320nmの波長の範囲において0%、かつ360乃至500nmの波長の範囲において70%以上であるものを用いることが特に好ましい。即ち、光重合反応を効率的に行うには、360乃至500nmの波長の範囲における紫外線の透過が重要である。
このような性質を有する紫外線用フィルターとしては、化学フィルター(溶液フィルター)、ガラスフィルターおよび干渉フィルターを挙げることができるが、ガラスフィルターを用いることが特に好ましい。ガラスフィルターの材質としては、シリカゲル、ソーダ石灰、石英、バイコール、コーニング社製ガラスあるいはパイレックスを用いることが好ましい。ラジカル光源として、低圧水銀灯を用いる場合には、ソーダ石灰、石英あるいはバイコール(特に好ましくは、ソーダ石灰)を、高圧水銀灯を用いる場合には、パイレックスを用いることが好ましい。
【0041】
[2]特定の温度下での紫外線照射による方法
紫外線照射は、ディスコティック液晶性分子および光重合性開始剤を含む塗布液を透明支持体上(好ましくは、透明支持体上に有する垂直配向膜上)に塗布し、形成した塗布層を配向処理して配向液晶性分子層とし、配向液晶性分子層のディスコティック液晶性分子がディスコティックネマティック(ND)相から等方性液体に転移する温度(以下、「TN−1点」という)よりも、10℃低い温度乃至250℃の範囲にて、配向液晶性分子層を加熱しながら行うことが好ましい(配向液晶性分子層そのものの温度を、TN−1点よりも10℃低い温度乃至200℃の範囲に設定して行うことが特に好ましい)。
ディスコティック液晶性分子は、塗布層を昇温して配向液晶性分子層にするに伴い、結晶相からディスコティックネマティック(ND)相に転移するが、その温度を「TN点」とすると、TN点乃至TN点よりもさらに20℃高い温度の範囲にて紫外線照射を行うことがさらに好ましい。TN点よりも低い温度にて、紫外線照射を行うことが特に好ましい。TN点よりも低い温度の場合には、配向液晶性分子層のディスコティック液晶性分子はガラス状態を呈している。ガラス状態では、光学的な異方性を消失する原因となるディスコティック液晶性分子の光反応が抑えられるからである。
【0042】
上記記載の[1]および[2]の方法は、併用してもよい。併用することによって、製造された光学補償シートの光学的異方性層の屈折率異方性(△n)は、大きくなる。本発明の光学補償シートは、STN型液晶セルを用いる液晶表示装置において特に有効である。
【0043】
[光学的異方性層]
配向液晶性分子層には、下記一般式(I)で表されるディスコティック液晶性分子(トリフェニレン環の側鎖Rが結合してなる液晶性分子)を含む。
【0044】
【化16】
【0045】
上記式中、A1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、および炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。A2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、および炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。A1およびA2は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基もしくはメトキシ基であることが好ましい。
【0046】
Zは、ハロゲン原子(F、Cl、Br等)、炭素原子数が1乃至12のアルキル基、炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数が2乃至13のアシル基、炭素原子数が2乃至12のアルキルアミノ基および炭素原子数が2乃至13のアシルオキシ基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。
炭素原子数が1乃至12のアルキル基としては、炭素原子数が1乃至8のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ペンチル基もしくはn−ヘプチル基であることが特に好ましい。
炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基としては、メチル基、2−メトキシエトキシ基もしくはビニルオキシ基であることが好ましい。
炭素原子数が2乃至13のアシル基としては、アセチル基であることが好ましい。
炭素原子数が2乃至12のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基もしくはジメチルアミノ基であることが好ましく、ジメチルアミノ基であることが特に好ましい。
炭素原子数が2乃至13のアシルオキシ基としては、アセチルオキシ基もしくはアクリロイル基であることが特に好ましい。
【0047】
トリフェニレンに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、トリフェニレンと重合性基との間に連結基Lを導入する。
Lは、−O−、−CO−、−NH−、−S−、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、およびこれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Lは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが好ましく、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基であることが特に好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アルキニレン基の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好ましい。アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基およびアリーレン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよい。
【0048】
Lの例を以下に示す。左側がフェニル基の置換基として何れかの炭素原子に結合し、右側が後述する重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基、アルケニレン基もしくはアルキニレン基を意味し、ARはアリーレン基を意味する。
【0049】
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
【0050】
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L21:−S−AL−
L22:−S−AL−O−
L23:−S−AL−O−CO−
L24:−S−AL−S−AL−
L25:−S−AR−AL−
【0051】
AL(アルキレン基、アルケニレン基もしくはアルキニレン基)に、不斉炭素原子を導入すると、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子を含むAL*の例を以下に挙げる。左側がトリフェニレン環側であり、右側が重合性基(Q)側である。*印を付けた炭素原子が不斉炭素原子である。光学活性は、SとRのいずれでもよい。
【0052】
AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 −
AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 −
AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −
【0053】
AL*16:−CH2 −C*HCH3 −
AL*17:−C*HCH3 −CH2 −
AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 −
AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*26:−C*HCH3 −(CH2 )8 −
AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 )8 −
AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 −
AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 −
AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2 −
【0054】
AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 H7 )−CH2 CH2 −
AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 H7 )−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 −
AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 −
AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 −
AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 −
AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 −
AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2 CH2 −
AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 −
AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH2 CH2 −
【0055】
Qは、重合性基を表す。Qの例を以下に示す。
【0056】
【化17】
【0057】
Qは、不飽和重合性基(Q1〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も好ましい。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。二種類以上のディスコティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分子を併用することができる。また、重合性基を有している分子と有していない分子とを併用してもよい。不斉炭素原子を有し重合性基を有していない分子と、重合性基を有し不斉炭素原子を有していない分子とを併用することが特に好ましい。この場合は、重合性基を有し不斉炭素原子を有していない分子のみがディスコティック液晶性分子として機能し、不斉炭素原子を有し重合性基を有していない分子はカイラル剤として機能していると考えることもできる。
【0058】
aは、1乃至5の整数(好ましくは、1)を表し、bは、0乃至4の整数を表す。但し、aとbとの和は、1乃至5の整数である。
【0059】
好ましいディスコティック液晶性分子の具体例を以下に示す。但し、nは、ディスコティック液晶性分子(T1)において0乃至15の整数を、ディスコティック液晶性分子(T2)乃至(T7)において0乃至12の整数を、ディスコティック液晶性分子(T8)において0乃至4の整数を、ディスコティック液晶性分子(T13)において4乃至8の整数をそれぞれ表す。Xは、重合性基(Q8)、−O−CO−CH=CH2、−O−CO−C(CH3)=CH2および−O−CH=CH2を表す。ディスコティック液晶性分子(T8)乃至(T21)において、側鎖Rが結合する円盤状コアは、下記式で表されるトリフェニレンである。
【0060】
【化18】
【0061】
【化19】
【0062】
【化20】
【0063】
【化21】
【0064】
【化22】
【0065】
【化23】
【0066】
R11およびR12は、それぞれ一般式(I)のA1、A2と同様であり、R13およびR14は、何れもZと同様である。
【0067】
【化24】
【0068】
ディスコティック液晶性分子を含む配向液晶性分子層は、後述する垂直配向膜を用いて、ディスコティック液晶性分子を配向させて得られる。配向の態様は、ディスコティック液晶性分子の円盤面(トリフェニレン)を、垂直配向膜に対して実質的に垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜角)に配向させたものであることが好ましい。ディスコティック液晶性分子は、垂直配向状態のまま、配向液晶性分子層光学的異方性層内で固定され、光学的異方性層を形成することが好ましい。
【0069】
配向液晶性分子層には、ディスコティック液晶性分子の実質的な垂直(ホモジニアス)かつ均一な配向のため、含フッ素界面活性剤またはセルロースエステルを添加することも好ましい。
【0070】
含フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニオン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性基および任意に設けられる連結基からなる。一つの疎水性基と一つの親水性基からなる含フッ素界面活性剤は、下記式で表わされる。
Rf−L5 −Hy
式中、Rfは、フッ素原子で置換された一価の炭化水素基であり、L5 は、単結合または二価の連結基であり、そして、Hyは親水性基である。
上記のRfは、疎水性基として機能する。炭化水素基は、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アルキル基の炭素原子数は3乃至30であることが好ましく、アリール基の炭素原子数は6乃至30であることが好ましい。
炭化水素基に含まれる水素原子の一部または全部は、フッ素原子で置換されている。フッ素原子で、炭化水素基に含まれる水素原子の50%以上を置換することが好ましく、60%以上を置換することがより好ましく、70%以上を置換することがさらに好ましく、80%以上を置換することが最も好ましい。残りの水素原子は、さらに他のハロゲン原子(例、F、Cl、Br)で置換されていてもよい。
含フッ素界面活性剤は、ディスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30重量%の範囲であることが好ましく、0.05乃至10重量%であることがさらに好ましく、0.1乃至5重量%であることがさらに好ましい。
【0071】
セルロースエステルとしては、セルロースの低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
セルロースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であることがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセルロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は、30%以下であることが好ましく、1乃至30%であることがさらに好ましい。
セルロースエステルは、0.005乃至0.5g/m2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.01乃至0.45g/m2 の範囲であることがより好ましく、0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさらに好ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であることが最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の量の0.1乃至5重量%の量で使用することも好ましい。
【0072】
ディスコティック液晶性分子、重合開始剤および必要に応じて他の添加剤を含む塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0073】
塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)により実施できる。
【0074】
光学的異方性層の厚さは、0.1乃至50μmであることが好ましく、1乃至30μmであることがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さでよい。
【0075】
光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化しているならば、若干の変動があっても問題ない。
【0076】
ディスコティック液晶性分子のねじれの角度(ツイスト角)は、STN型液晶セルのツイスト角(一般に180乃至360度、好ましくは180度を越えて270度まで)に応じて、類似(なるべく±10度以内)の角度となるように調整することが好ましい。液晶表示装置に光学補償シートを一枚用いる場合は、ディスコティック液晶性分子のねじれ角は、180乃至360度の範囲であることが好ましい。液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、ディスコティック液晶性分子のねじれ角は、90乃至180度の範囲であることが好ましい。
光学補償シートをSTN型液晶表示装置に用いる場合、光学的異方性層の複屈折率の波長依存性(Δn(λ))は、STN型液晶セルの液晶の複屈折率の波長依存性に近い値であることが好ましい。
【0077】
[垂直配向膜]
本発明者の研究によれば、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させるためには、配向膜に含まれるポリマーの主鎖よりも側鎖の機能が重要である。具体的には、ポリマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下させ、これにより液晶性分子を立てた状態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基としては、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基が有効である。炭化水素基を配向膜の表面に存在させるために、ポリマーの主鎖ではなく側鎖に導入する。
炭化水素基は、脂肪族基、芳香族環基、芳香族性複素環基またはそれらの組み合わせである。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれでもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニル基であってもよい)であることが好ましい。芳香族環および芳香族性複素環は、置換基を有していてもよい。芳香族環としては、ベンゼン環であることが好ましい。芳香族性複素環は、一般に五員または六員の不飽和複素環である。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至100であることが好ましく、10乃至60であることがさらに好ましく、10乃至40であることが最も好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子、カルボキシル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含まれる。
【0078】
炭化水素基は、ステロイド基を有することが好ましい。ステロイド基には、上記の配向膜の表面エネルギーを低下させる機能に加えて、排除体積効果もある。排除体積効果を配向膜に付与すると、表面エネルギーの低下効果と相乗して、液晶性分子を立てた状態にする。ステロイド基を有する炭化水素基の炭素原子数は、18乃至100であることが好ましく、19乃至60であることがさらに好ましく、20乃至40であることが最も好ましい。
炭化水素基は、芳香族環を2乃至4個有することも好ましく、ビフェニル基あるいはトラン基を有することが特に好ましい。
炭化水素基は、フッ素原子置換炭化水素基を有することも好ましい。フッ素原子置換炭化水素基は、フッ素原子で置換された脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせである。好ましいは脂肪族基および芳香族基は、上記と同様である。フッ素原子置換炭化水素基の炭素原子数は、1乃至100であることが好ましく、10乃至60であることがさらに好ましく、10乃至40であることが最も好ましい。
【0079】
ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造(ポリアミック酸を含む)、変性ポリビニルアルコール、またはポリアクリル酸共重合体(ポリメタクリル酸共重合体を含む)であることが好ましく、変性ポリビニルアルコール、またはポリアクリル酸共重合体(ポリメタクリル酸共重合体を含む)であることが特に好ましい。ポリミドは、一般に、テトラカルボン酸とジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテトラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用いて、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよい。
【0080】
以下、変性ポリビニルアルコールおよびポリアクリル酸共重合体についてこの順に説明する。
【0081】
炭化水素基を有する変性ポリビニルアルコールは、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する繰り返し単位を2乃至80モル%の範囲で含むことが好ましく、3乃至70モル%の範囲で含むことが特に好ましい。
好ましい炭化水素変性ポリビニルアルコールを、下記式(PVc)表す。
(PVc) −(VAl)x−(HyC)y−(VAc)z−
式中、VAlは、ビニルアルコール繰り返し単位であり;HyCは、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する繰り返し単位であり;VAcは、酢酸ビニル繰り返し単位であり;xは、20乃至95モル%(好ましくは25乃至90モル%)であり;yは、2乃至80モル%(好ましくは3乃至70モル%)であり;そして、zは、0乃至30モル%(好ましくは2乃至20モル%)である。
好ましい炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を有する繰り返し単位(HyC)を、下記式(II)(HyC−I)および(III)(HyC−II)で表す。
【0082】
【化25】
【0083】
式中、L1は、−O−、−CO−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。L2は、単結合あるいは−O−、−CO−、−SO2−、−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。R1およびR2は、それぞれ、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基(ステロイド基、フッ素置換炭化水素基、ビフェニル基あるいはトラン基であることが好ましく、ステロイド基、ビフェニル基あるいはトラン基であることがさらに好ましく、ビフェニル基あるいはトラン基であることが特に好ましい)である。
【0084】
上記アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好ましく、1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
上記アリーレン基は、フェニレンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレンであることがさらに好ましく、p−フェニレンであることが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基の置換基の例には、ハロゲン原子、カルボキシル、シアノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基およびアルキルスルホニル基が含まれる
【0085】
炭化水素変性ポリビニルアルコールの末端に、繰り返し単位とは異なる基が結合していてもよい。末端基の例には、アルキルチオ基が含まれる。前記[光学的異方性層]で説明した重合性基を変性ポリビニルアルコールに導入してもよい。重合性基を有する変性ポリビニルアルコールと重合性基を有するディスコティック液晶性分子とを併用すると、変性ポリビニルアルコールとディスコティック液晶性分子とを、液晶層と配向膜との界面を介して化学的に結合させることができる。これにより、配向膜を用いた液晶素子の耐久性を改善することができる。
【0086】
変性ポリビニルアルコールの重合度は、200乃至5000であることが好ましく、300乃至3000であることが特に好ましい。変性ポリビニルアルコールの分子量は、9000乃至200000であることが好ましく、13000乃至130000であることが特に好ましい。二種類以上の変性ポリビニルアルコールを併用してもよい。変性ポリビニルアルコールを架橋させて使用することもできる。
【0087】
炭化水素基を含むポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)は、下記式(IV)で表される。
【0088】
【化26】
【0089】
上記式中、R21は、水素原子もしくはメチル基を表す(R21がHのときは、ポリアクリル酸共重合体を、R21がメチル基のときは、ポリメタクリル酸共重合体を表す)。R22は、水素原子、ハロゲン原子および炭素原子数1乃至6のアルキル基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。炭素原子数1乃至6のアルキル基としては、メチル基であることが特に好ましい。
【0090】
L0は、−O−、−CO−、−NH−、−SO2−、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。上記アルケニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルケニレン基の炭素原子数は、2乃至30であることが好ましく、2乃至16であることがさらに好ましく、2乃至4であることが最も好ましい。上記アルキレン基、上記アリーレン基、およびそのアリーレン基が有する置換基については、変性ポリビニルアルコールで説明したものと同様である。
【0091】
R0は、炭素原子数が10乃至100の炭化水素基を表す。炭化水素基は、脂肪族基、芳香族環基、芳香族性複素環基またはそれらの組み合わせである。
【0092】
Mは、水素原子、アルカリ金属原子および置換基を有していてもよいアンモニウム基からなる群より選ばれる原子もしくは基を表す。COOM基がこのような親水性基であることによって、ポリアクリル酸共重合体(あるいはポリメタクリル酸共重合体)は水溶性を示し、水性溶媒を用いて配向膜を形成することが可能となる。
【0093】
cは、10乃至95モル%(好ましくは、20乃至90モル%であり、特に好ましくは25乃至90モル%)である。dは、5乃至90モル%(好ましくは、10乃至80モル%であり、特に好ましくは10乃至70モル%)である。
【0094】
前記[光学的異方性層]で説明した重合性基をポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)に導入してもよい。重合性基を有するポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)と重合性基を有する液晶性分子とを併用すると、ポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)と液晶性分子とを、液晶層と配向膜との界面を介して化学的に結合させることができる。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位としてポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)に導入するか、あるいは、前記の炭化水素基を有する繰り返し単位またはフッ素原子を含む繰り返し単位に重合性基を導入する。
【0095】
ポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)を架橋させて使用することもできる。架橋反応は、配向膜の塗布液の塗布と同時または塗布後に実施することが好ましい。架橋剤については、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」(大成社)に詳細が記載されている。架橋剤の使用量は、配向膜の塗布量の0.1乃至20重量%であることが好ましく、0.5乃至15重量%であることがさらに好ましい。なお、未反応のまま配向膜中に残存する架橋剤の量は、配向膜の塗布量の1.0重量%以下であることが好ましく、0.5重量%以下であることがさらに好ましい。
【0096】
配向膜の厚さは、0.1乃至10μmであることが好ましい。配向膜の形成において、ラビング処理を実施することが好ましい。ラビング処理は、上記のポリアクリル酸共重合体(またはポリメタクリル酸共重合体)を含む膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることにより実施する。
配向膜を用いて液晶性分子を実質的に垂直に配向させてから、その配向状態のまま液晶性分子を固定して光学的異方性層を形成し、光学的異方性層を透明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定された液晶性分子は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。
【0097】
[透明支持体]
光学補償シートの透明支持体としては、光学的異方性が小さいポリマーフイルムを用いることが好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。光学的異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましく、5nm以下であることが最も好ましい。また、厚み方向のレターデーション(Rth)は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが最も好ましい。面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。
Re=(nx1−ny1)×d1
Rth=[{(nx1+ny1)/2}−nz1]×d1
式中、nx1およびny1は、透明支持体の面内屈折率であり、nz1は透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そしてd1は透明支持体の厚さである。
【0098】
ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
【0099】
透明支持体の厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、50乃至200μmであることがさらに好ましい。
透明支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0100】
[液晶表示装置]
図1は、本発明の代表的なSTN型液晶表示装置の特徴的な構成部分を示す図であり、STN型液晶表示装置の電圧無印加(オフ)の画素部分における液晶セル内の棒状液晶性分子の配向状態と光学的異方性層内のディスコティック液晶性分子の配向状態とを模式的に示している。
【0101】
図1に示すように、液晶セルは、上基板(11)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の上側の配向膜(14)との間に、棒状液晶性分子(13a〜13e)を封入して形成した液晶層を有する。配向膜(12、14)と液晶層に添加したカイラル剤との機能により、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、図1に示すように、ねじれ配向している。
なお、図1では省略したが、液晶セルの上基板(11)と下基板(15)は、それぞれ、電極層を有する。電極層は、棒状液晶性分子(13a〜13e)に電圧を印加する機能を有する。
STN型液晶セルの印加電圧が0であると(電圧無印加時)、図1に示すように、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、配向膜(12、14)の面とほぼ平行(水平方向に)に配向している。そして、棒状液晶性分子(13a〜13e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く(図1では、13aから13eまで反時計回りにほぼ240度)ような方向に配向している。
なお、STN型液晶セルの電圧印加(オン)時には、液晶セル内の中央部分の棒状液晶性分子(13b〜13d)は、電圧無印加(オフ)時と比較して、より垂直に配向(電場方向と平行に再配列)する。但し、配向膜(12、14)近傍の棒状液晶性分子(13a、13e)の配向状態は、電圧を印加しても実質的に変化しない。
【0102】
液晶セル(1)の下側に、光学補償シート(2)が配置されている。図1に示す光学補償シート(2)は、透明支持体(23)上に、垂直配向膜(22)および光学的異方性層(21)をこの順に有する。光学的異方性層(21)は、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)を配向させ、その配向状態で液晶性分子を固定して得られた層である。
本発明では、図1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)を、垂直配向膜(22)の面に対して実質的に垂直に配向させる。そして、図1に示すように、ディスコティック液晶性分子(21a〜21e)は、厚み方向に沿ってねじれながら、水平面内で螺旋を巻く(図1では、21aから21eまで時計回りにほぼ240度)ような方向に配向させることが好ましい。
図1では、棒状液晶性分子とディスコティック液晶性分子とが、13aと21e、13bと21d、13cと21c、13dと21b、そして13eと21aのそれぞれが対応する関係になっている。すなわち、棒状液晶性分子13aをディスコティック液晶性分子21eが光学的に補償し、以下同様に、棒状液晶性分子13eを、ディスコティック液晶性分子21aが光学的に補償する。それぞれの対応関係については、図2で説明する。
【0103】
図2は、液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図である。
液晶セル(1)の棒状液晶性分子の屈折率楕円体(13)は、配向膜に平行な面内の屈折率(13x、13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13z)により形成される。STN型液晶セルでは、配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(13x)が大きな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(13y)と液晶セルの厚み方向の屈折率(13z)は、小さな値となる。そのため、屈折率楕円体(13)は、図2に示すようなラグビーボールを横に寝かせた形状になる。このように球状ではない屈折率楕円体を有する液晶セルでは、複屈折性に角度依存性が生じる。この角度依存性を、光学補償シート(2)を用いて解消する。
【0104】
この棒状液晶性分子を光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子の屈折率楕円体(21)も、垂直配向膜に平行な面内の屈折率(21x、21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)により形成される。本発明では、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直に配向させることで、垂直配向膜に平行な面内の一方向の屈折率(21x)が小さな値となり、それに垂直な方向の面内の屈折率(21y)と光学的異方性層の厚み方向の屈折率(21z)は、大きな値となる。そのため、屈折率楕円体(21)は、図2に示すような円盤を立てた形状になる。
以上の関係から、液晶セル(1)に生じたレターデーションを、光学補償シート(2)により相殺することができる。すなわち、棒状液晶性分子の屈折率(13x、13y、13z)、ディスコティック液晶性分子の屈折率(21x、21y、21z)、ディレクターの方向が同じである棒状液晶性分子層の厚み(13t)およびディスコティック液晶性分子層の厚み(21t)を、以下の式を満足するように液晶表示装置を設計すれば、液晶セルの角度依存性を解消できる。
│(13x−13y)×13t│=│(21x−21y)×21t│
│(13x−13z)×13t│=│(21x−21z)×21t│
【0105】
図3は、代表的なSTN型液晶表示装置の断面模式図である。
図3に示す液晶表示装置は、STN型液晶セル(1)、液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板(3)、液晶セルと偏光板との間に配置された一対の光学補償シート(2)およびバックライト(BL)からなる。光学補償シート(2)は、一方にのみ配置してもよい。
液晶セル(1)は、上基板(11)の下側の配向膜(12)と下基板(15)の上側の配向膜(14)との間に液晶(13)を封入した構造を有する。
光学補償シート(2)は、透明支持体(23)上に、垂直配向膜(22)および光学的異方性層(21)をこの順に有する。
偏光板(3)は、偏光膜(31)と保護膜(32)とからなる。図3に示す装置では、光学補償シート(2)の透明支持体(23)が、偏光膜(31)の他方の側の保護膜としても機能している。
【0106】
STN型液晶表示装置は、STN型液晶セル、液晶セルの片側または両側に配置された一枚または二枚の光学補償シートおよびそれらの両側に配置された一対の偏光板からなる。液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向とディスコティック液晶性分子の配向方向との関係は、光学補償シートに最も近い液晶セルの棒状液晶性分子のディレクタ(棒状分子の長軸方向)と、液晶セルに最も近い光学補償シートのディスコティック液晶性分子のディレクタ(円盤状コア平面の法線方向)とが、液晶セルの法線方向から見て、実質的に同じ向き(±10度未満)になるように配置することが好ましい。光学補償シートの透明支持体を、偏光膜の液晶セル側の保護膜としても機能させることができる。その場合は、透明支持体の遅相軸(屈折率が最大となる方向)と偏光膜の透
過軸とが実質的に垂直または実質的に平行(±10度未満)になるように配置することが好ましい。
【0107】
【実施例】
[製造例1]2,3,6,7,10,11−ヘキサキス[4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)シンナモイルオキシ]トリフェニレン(C−4)の合成
【0108】
【化27】
【0109】
(1)4−(4−ヒドロキシブチルオキシ)ケイ皮酸の合成
1Lの三ツ口フラスコに、p−ヒドロキシベンズアルデヒド(40.0g、328ミリモル)、4−クロロブチルアセテート(54.3g、360ミリモル)、炭酸カリウム(45.3g、32.8ミリモル)およびジメチルホルムアミド(150mL)を仕込み、120℃で3時間攪拌した。冷却後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去後、得られた油溶物に、マロン酸(40.8g、392ミリモル)、ピロリジン(10mL)およびピリジン(200mL)を加え、120℃で2時間攪拌した。60℃に冷却後、メタノール(200mL)と40量%水酸化カリウム水溶液(200mL)を加え、さらに60℃で2時間攪拌した。次いで、冷却後、反応混合物を、水(4L)に濃塩酸(330mL)を溶かした塩酸水溶液に注ぎ、析出した結晶を濾別した。得られた結晶は、アセトニトリルで再結晶化を行い、標題化合物を得た(65.6g、収率:85%)。
【0110】
(2)4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)ケイ皮酸の合成
500mLの三ツ口フラスコに、上記(1)で得られた化合物(20.0g、84.6ミリモル)、N,N−ジメチルアニリン(14.3g、118ミリモル)、アクリル酸クロリド(9.6mL、118ミリモル)、ニトロベンゼン(0.1g)およびテトラヒドロフラン(140mL)を仕込み、60℃で3時間攪拌した。冷却後、希塩酸水溶液に反応混合物を注ぎ、析出した結晶を濾別した。得られた粗結晶に、ジメチルアセトアミド(30mL)、トリエチルアミン(12mL)およびニトロベンゼン(0.1g)を加え、60℃で30分間攪拌した。冷却後、希塩酸水溶液に反応混合物を注ぎ、析出した結晶を濾別した。得られた結晶をアセトニトリルと水との混合溶媒で再結晶化を行い、標題化合物を得た(20.0g、収率:81%)。
【0111】
(3)2,3,6,7,10,11−ヘキサキス[4−(4−アクリロイルオキシブチルオキシ)シンナモイルオキシ]トリフェニレン(C−4)の合成
500mLの三ツ口フラスコに、メタンスルホニルクロリド(31.6g、276ミリモル)、ニトロベンゼン(0.24g)およびテトラヒドロフラン(180mL)を仕込み、0℃に冷却した。この溶液に、上記(2)で得られた化合物(80.0g、276ミリモル)およびジイソプロピルエチルアミン(39.2g、304ミリモル)のテトラヒドロフラン(180mL)溶液を滴下した。0℃で1時間攪拌後、その反応混合液にジイソプロピルエチルアミン(35.7g、276ミリモル)および4−ジメチルアミノピリジン(3.4g、28ミリモル)を添加し、次いで、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン(8.1g、25ミリモル)のテトラヒドロフラン(80mL)懸濁液を添加した。室温で、12時間攪拌後、反応混合液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去後、油状物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、標題化合物を得た(42.4g、87%)。
1H−NMR(CDCl3)δ;
1.85(24H,brs)
3.95(12H,brs)
4.25(12H,brs)
5.80(6H,d)
6.10(6H,dd)
6.40(6H,d)
6.50(6H,d)
6.70(12H,d)
7.30(12H,d)
7.85(6H,d)
8.25(6H,s)
【0112】
ディスコティック液晶性分子C−4の相転移温度を偏光顕微鏡によって測定したところ、結晶相からND(ディスコティックネマティック)相への相転移温度、ND相から等方性液体への相転移温度は、それぞれ、124℃、222℃であった。ディスコティック液晶性分子C−4の紫外線吸収スペクトルを図4に示す。ディスコティック液晶性分子C−4は、約320nmに紫外線極大吸収(λmax)を有する。
【0113】
下記実施例で用いる光重合開始剤A、B、CおよびDの紫外線吸収スペクトルをそれぞれ、図5、6、7、8に示す。
光重合開始剤Aのλmaxは、約340.6nm(濃度:2.49×10−5モル/L、ε:36716)、
光重合開始剤Bのλmaxは、約297.2nm(濃度:3.76×10−4モル/L、ε:3324)、
光重合開始剤Cのλmaxは、約318.6nm(濃度:4.47×10−5モル/L、ε:22162)、そして;
光重合開始剤Dのλmaxは、約305.6nm(濃度:6.15×10−5モル/L、ε:18414)であった。
【0114】
《実施例系1》光重合開始剤に関する検討
[実施例1]
(配向膜の形成)
下記式で表される変性ポリビニルアルコールをN−メチルピロリドンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(容積比=20/80)に溶解して、5重量%溶液を調製した。
【0115】
【化28】
【0116】
上記溶液を、厚さ1.1mmのガラス板にバーコータを用いて塗布した。塗布層に、80℃に加熱した空気を10分間吹き付け、塗布層を乾燥した。次いで、塗布層表面を長手方向に沿ってラビング処理して配向膜を形成した。
【0117】
(光学補償シートの作製)
製造例1で得られたディスコティック液晶性分子C−4(1.0g)に、下記式で順に表される光重合可塑剤(0.10g)、アセチル化度3.0%、ブチリル化度50.0%、数平均分子量40000のセルロースアセテートブチレート(CAB−531−1、イーストマンケミカル社製)(10mg)および光重合開始剤A(30mg)を加え、これをメチルエチルケトンに溶解して、固形分30重量%の光学的異方性層塗布液を調製した。
【0118】
【化29】
【0119】
【化30】
【0120】
次いで、前記の光学的異方性層塗布液を配向膜上にバーコータを用いて塗布し、ディスコティック液晶性分子の塗布膜を形成させた。次に、表面温度を160℃に加熱した金属ローラに、上記塗布膜を支持体側にて1分間接触させ、塗布膜を配向状態にした。次に、紫外線照射装置(ULTORA−VIOLETPRODUCTS社製、UVL−58(16W))を使用し、160℃の金属ローラ上で10秒間紫外線を露光させ、光学的異方性層を作製した。この光学補償シートの光学的異方性層を偏光顕微鏡下で観察したところ、ディスコティック相起源の配向の固定が確認された。また、540nmにおける正面のレターデーションをセナルモン法を用いて測定し、光学的異方性層の屈折率異方性(△n)を求めたところ、0.066であった。
【0121】
[実施例2]
下記式で表される光重合開始剤Bを用いる以外は、実施例1と同様な操作を行い、光学補償シートを作製した。この光学補償シートの光学的異方性層を偏光顕微鏡下で観察したところ、ディスコティック相起源の配向の固定が確認された。また、540nmにおける正面のレターデーションをセナルモン法を用いて測定し、光学的異方性層の△nを求めたところ、0.064であった。
【0122】
【化31】
【0123】
実施例1および2の結果より、光学的異方性層塗布液中に含有される光重合開始剤の紫外線吸収波長が光重合開始剤によって異なるため、側鎖にシンナモイル基を有するディスコティック液晶性分子の光学的異方性を保持したまま配向を固定するには、シンナモイル基に由来する約300乃至約320nmの波長の範囲に紫外線極大吸収を持たない光重合開始剤を用いることが好ましいことが分かる
【0124】
[実施例3]
塗布膜を配向状態にした後に、塗布膜の前方に厚さ11.5mmのソーダ石灰ガラス(紫外線の透過率;280乃至320nmの波長の範囲において0%、かつ360乃至500nmの波長の範囲において70%以上である)を用いて、紫外線を露光させる操作を行う以外は実施例1と同様にして、光学補償シートを作製した。この光学補償シートを偏光顕微鏡下で観察したところ、光学的異方性を保持しており、光学的異方性層の△nを求めたところ0.865であった。
【0125】
[実施例4]
下記式で表される光重合開始剤Cを用いる以外は実施例3と同様にして光学補償シートを作製した。この光学補償シートを偏光顕微鏡下で観察したところ、光学的異方性を保持しており、光学的異方性層の△nを求めたところ0.70であった。
【0126】
【化32】
【0127】
[実施例5]
下記式で表される光重合開始剤Dを用いる以外は実施例3と同様にして光学補償シートを作製した。この光学補償シートを偏光顕微鏡下で観察したところ、光学的異方性を保持していたが、250℃で加熱すると、配向の固定が行われていないことが認められた。
【0128】
【化33】
【0129】
実施例3、4および5より、ソーダ石灰ガラスが、シンナモイル基に由来する約300乃至約320nmの波長の範囲の紫外線吸収を極力抑えることによって、光学的異方性の消失を招く光反応を抑えることができたことが分かる。
【0130】
[実施例6]
光学的異方性層塗布液に、下記式で表されるカイラル剤(15mg)を加えた以外は実施例1と同様にして光学補償シートを作成した。
【0131】
【化34】
【0132】
得られた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて測定したところ、440nmであった。また、ディスコティック液晶性分子のツイスト角は、120度であった。膜厚は、別途測定を行い、6.7μmであった。この光学補償シートを用いて、図3に示す構造のSTN型液晶表示装置を作製した。液晶セルと光学補償シートとが接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方向とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45度に調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収軸とは直交するように配置した。
得られたSTN型液晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラックモードになった。視角特性を測定したところ、コントラスト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、上下で150度以上得られた。
【0133】
《実施例系2》紫外線に対する露光温度の検討
[実施例7]
(配向膜の形成)
下記式で表される変性ポリビニルアルコールをN−メチルピロリドンとメチルエチルケトンとの混合溶媒(容積比=20/80)に溶解して、5重量%溶液を調製した。
【0134】
【化35】
【0135】
上記溶液を、厚さ1.1mmのガラス板にバーコータを用いて塗布した。塗布層に、80℃に加熱した空気を10分間吹き付け、塗布層を乾燥した。次いで、塗布層表面を長手方向に沿ってラビング処理して配向膜を形成した。
【0136】
(光学補償シートの作製)
製造例1で得られたディスコティック液晶性分子C−4(1.0g)に、下記式で順に表される光重合可塑剤(0.10g)、アセチル化度3.0%、ブチリル化度50.0%、数平均分子量40000のセルロースアセテートブチレート(CAB−531−1、イーストマンケミカル社製)(10mg)および光重合開始剤A(30mg)を加え、これをメチルエチルケトンに溶解して、固形分30重量%の光学的異方性層塗布液を調製した。
【0137】
【化36】
【0138】
【化37】
【0139】
次いで、前記の光学的異方性層塗布液を配向膜上にバーコータを用いて塗布し、ディスコティック液晶性分子の塗布膜を形成させた。次に、表面温度を160℃に加熱した金属ローラに、上記塗布膜を支持体側にて1分間接触させ、塗布膜を配向状態にした。次いで、その塗布膜を表面温度が30℃の金属ローラに1分間接触させ、紫外線照射装置(ULTORA−VIOLETPRODUCTS社製、UVL−58(16W))を使用し、160℃の金属ローラ上で10秒間紫外線を露光させ、光学的異方性層を作製した。この光学補償シートの光学的異方性層を偏光顕微鏡下で観察したところ、ディスコティック相起源の配向の固定が確認された。また、540nmにおける正面のレターデーションをセナルモン法を用いて測定し、光学的異方性層の屈折率異方性(△n)を求めたところ、0.135であった。
【0140】
[実施例8]
下記式で表される光重合性開始剤Bを用いる以外は、実施例7と同様にして光学補償シートを作製した。この光学補償シートを偏光顕微鏡下で観察したところ、光学的異方性層は、ディスコティック相起源の配向の固定が確認された。また、光学的異方性層の△nを求めたところ、0.130であった。
【0141】
【化38】
【0142】
[実施例9]
下記式で表される光重合性開始剤Cを用いる以外は、実施例7と同様にして光学補償シートを作製した。この光学補償シートを偏光顕微鏡下で観察したところ、光学的異方性層は、ディスコティック相起源の配向の固定が確認された。また、光学的異方性層の△nを求めたところ、0.110であった。
【0143】
【化39】
【0144】
実施例7、8および9より、塗布膜の紫外線に対する露光を、塗布膜中のディスコティック液晶性分子のND相への相転移点(製造例1で記載したように、124℃)以下で行うことにより、光学補償シートの光学的異方性が保持され、光学的異方性層の△nの値が向上することが分かった。
【0145】
[実施例10]
光学的異方性層塗布液に、下記式で表されるカイラル剤(15mg)を加えた以外は実施例7と同様にして光学補償シートを作成した。
【0146】
【化40】
【0147】
得られた光学補償シートの△ndを波長550nmにおいて測定したところ、440nmであった。また、ディスコティック液晶性分子のツイスト角は、120度であった。膜厚は、別途測定を行い、3.3μmであった。この光学補償シートを用いて、図3に示す構造のSTN型液晶表示装置を作製した。液晶セルと光学補償シートとが接する面で、液晶セルの棒状液晶性分子の配向方向と光学補償シートのディスコティック液晶性分子の配向方向とを一致させた。出射側偏光板の吸収軸と液晶セルの出射側の棒状液晶性分子の配向方向との角度は、45度に調節した。入射側偏光板の吸収軸と出射側偏光板の吸収軸とは直交するように配置した。
得られたSTN型液晶表示装置に電圧を印加したところ、ノーマリーブラックモードになった。視角特性を測定したところ、コントラスト比が5以上の角度範囲が左右で120度以上、上下で150度以上得られた。
【0148】
本発明者は研究の結果、光重合時に使用する光重合開始剤として、側鎖にシンナモイル基を有するディスコティック液晶性分子のそのシンナモイル基に由来する紫外線極大吸収波長に対して、15nm以上、好ましくは20nm以上乖離した極大吸収波長を有する光重合開始剤を用いて、光重合開始剤の極大吸収波長に該当する紫外線を選択的に照射することによって、該ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を含む光学補償シートを製造することに成功した。
また、本発明者は研究の結果、透明支持体上の配向液晶性分子層に対する紫外線照射を、該ディスコティック液晶性分子の液晶相から等方性液体に転移する温度(TN−1点)よりも10℃以上低い温度(好ましくは、該ディスコティック液晶性分子のガラス状態温度)にて行うことによって、該ディスコティック液晶性分子から形成された光学的異方性層を含む光学補償シートを作製することに成功した。
上記記載の性質を有する光重合開始剤を使用することに加えて、紫外線照射をTN−1点よりも10℃以上低い温度にて実施することにより、該光学的異方性層の屈折率異方性(△n)を向上させることも可能となった。
このように、STN型液晶表示装置に適した光学補償シートを製造することが可能となったので、該光学補償シートをSTN型液晶表示装置に用いることによって、高コントラストの鮮明な画像を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的なSTN型液晶表示装置の特徴的な構成部分を示す図である。
【図2】液晶セルの棒状液晶性分子と、それを光学補償する関係にある光学補償シートのディスコティック液晶性分子について、それぞれの屈折率楕円体を示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の代表的なSTN型液晶表示装置の断面模式図である。
【図4】ディスコティック液晶性分子C−4の紫外線吸収スペクトルである。
【図5】光重合開始剤Aの紫外線吸収スペクトルである。
【図6】光重合開始剤Bの紫外線吸収スペクトルである。
【図7】光重合開始剤Cの紫外線吸収スペクトルである。
【図8】光重合開始剤Dの紫外線吸収スペクトルである。
【符号の説明】
1 液晶セル
2 光学補償シート
3 偏光板
11 液晶セルの上基板
12、14 液晶セルの配向膜
13 液晶または屈折率楕円体
13a〜13e 棒状液晶性分子
15 液晶セルの下基板
21 光学的異方性層またはその屈折率楕円体
21a〜21e ディスコティック液晶性分子
22 垂直配向膜
23 透明支持体
31 偏光膜
32 保護膜
BL バックライト
Claims (4)
- 透明支持体上に、下記一般式:
で表されるディスコティック液晶性分子および該液晶性分子の紫外線極大吸収波長と15nm以上異なる紫外線極大吸収波長を有する光重合開始剤を含む塗布層を形成し、配向処理して配向液晶性分子層とした後、該液晶性分子の紫外線極大吸収波長における紫外線の透過率が50%以下で、該光重合開始剤の紫外線極大吸収波長における紫外線の透過率が70%以上である紫外線用フィルターを介して該配向液晶性分子層に紫外線を照射して重合させることによって、配向状態を保持させながら該液晶性分子の配向を固定して光学的異方性層を形成することからなる光学補償シートの製造方法。 - 該液晶性分子の紫外線極大吸収波長が300乃至320nmの範囲であり、該光重合開始剤の紫外線極大吸収波長が330乃至400nmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光学補償シートの製造方法。
- 光重合開始剤が、330乃至400nmの波長の範囲の紫外線に対するモル吸光係数が50乃至500000の範囲にある光重合開始剤であることを特徴とする請求項2に記載の光学補償シートの製造方法。
- 200乃至320nmの波長の範囲、325乃至340nmの波長の範囲および360乃至500nmの波長の範囲における紫外線の透過率が、それぞれ、0%、50%以下、50%以上である紫外線用フィルターを用いて、紫外線照射を行うことを特徴とする請求項1に記載の光学補償シートの製造方法。
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