JP4027941B2 - 表示素子および表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高速応答性並びに広視野の表示性能を有する表示素子および表示装置に関するものである。
液晶表示素子は、各種表示素子のなかでも薄型で軽量かつ消費電力が小さいといった利点を有し、テレビやビデオ等の画像表示装置や、モニタ、ワープロ、パーソナルコンピュータ等のOA(Office Automation)機器に広く用いられている。
液晶表示素子の液晶表示方式としては、従来、例えば、ネマチック液晶を用いたTN(ツイステッドネマチック)モ−ドや、強誘電性液晶(FLC)あるいは反強誘電性液晶(AFLC)を用いた表示モード、高分子分散型液晶表示モ−ド等が知られている。
そのなかでも、従来、実用化されている液晶表示素子としては、例えば、ネマチック液晶を用いたTN(ツイステッドネマチック)モ−ドの液晶表示素子が挙げられるが、該TNモードを用いた液晶表示素子には、応答が遅い、視野角が狭い等の欠点があり、これら欠点は、CRT(cathode ray tube)を凌駕する上で大きな妨げとなっている。
また、FLCあるいはAFLCを用いた表示モ−ドの場合、応答が速く、視野角が広いといった利点を有してはいるものの、耐ショック性、温度特性等の面で大きな欠点があり、広く実用化されるまでには至っていない。
さらに、光散乱を利用する高分子分散型液晶表示モ−ドは、偏光板を必要とせず、高輝度表示が可能であるが、本質的に位相板による視角制御ができない上、応答特性の面で課題を有しており、TNモードに対する優位性は少ない。
これら表示方式は、何れも、液晶分子が一定方向に整列した状態にあり、液晶分子に対する角度によって見え方が異なるため、視角制限がある。また、これら表示方式は、何れも、電界印加による液晶分子の回転を利用するものであり、液晶分子が整列したまま揃って回転するため、応答に時間を要する。なお、FLCやAFLCを用いた表示モードの場合、応答速度や視野角の面では有利であるが、外力による非可逆的な配向破壊が問題となる。
一方、電界印加による分子の回転を利用するこれら表示方式に対して、二次の電気光学効果を利用した電子分極による表示方式が提案されている。
電気光学効果とは物質の屈折率が外部電界によって変化する現象である。電気光学効果には、電界の一次に比例する効果と二次に比例する効果とがあり、それぞれポッケルス効果、カー効果と呼ばれている。特に、カー効果と呼ばれる二次の電気光学効果は、高速の光シャッターへの応用が早くから進められており、特殊な計測機器において実用化がなされている。カー効果は、1875年にJ. Kerr(カー)によって発見されたものであり、これまでに、カー効果を示す材料としては、ニトロベンゼンや二硫化炭素等の有機液体等の材料が知られており、これら材料は、例えば、前記した光シャッターの他に、電力ケーブル等の高電界強度測定等に利用されている。
その後、液晶材料が大きなカー定数を有することが示され、光変調素子、光偏光素子、さらには光集積回路応用に向けての基礎検討が行われ、前記ニトロベンゼンの200倍を越えるカー定数を示す液晶化合物も報告されている。
このような状況において、カー効果の表示装置への応用が検討され始めている。カー効果は、電界の二次に比例するため、相対的に低電圧駆動を見込むことができる上、本質的に、数マイクロ秒〜数ミリ秒の応答特性を示すため、高速応答表示装置への応用が期待される。
このような状況の中、例えば、特許文献1、特許文献2、および非特許文献1においては、液晶性物質からなる媒質を一対の基板間に封入し、基板に平行または垂直な電界を印加してカー効果を誘起し、表示素子として適用することが提案されている。
さらには、上記特許文献1においては、予め基板表面に配向処理を施しておき、カー効果が発現しやすいような状態を作り出す手法が提案されている。
また、上記特許文献2では、光学応答する媒質を小区域に分割して、カー効果が発現しやすいような状態を作り出す手法が提案されている。
特開2001−249363号公報(2001年9月14日公開) 特開平11−183937号公報(1999年7月9日公開) Shiro Matsumoto、外3名,「Fine droplets of liquid crystals in a transparent polymer and their response to an electric field」,Appl. Phys. Lett.,1996年,vol.69,p.1044−1046 Takashi Kato、外2名,「Fast and High-Contrast Electro-optical Switching of Liquid-Crystalline Physical Gels: Formation of Oriented Microphase-Separated Structures」,Adv. Funct. Mater.,2003年4月,vol.13.No.4,p313−317 斉藤一弥、外1名,「光学的に等方性である珍しいサーモトロピック液晶の熱力学」,液晶,2001年,第5巻,第1号.p.20−27 山本潤,「液晶マイクロエマルション」,液晶,2000年,第4巻,第3号,p.248−254 白石 幸英、外4名,「液晶分子で保護したパラジウムナノ粒子−調製とゲスト-ホストモード液晶表示素子への応用」,高分子論文集,2002年12月,Vol.59,No.12,p.753−759 Hirotsugu kikuchi、外4名,「Polymer-stabilized liquid crystal blue phases」,p.64−68,[online],2002年9月2日,Nature Materials,vol.1,[2003年7月10日検索],インターネット〈URL:http://www.nature.com/naturematerials〉 米谷 慎,「分子シミュレーションでナノ構造液晶相を探る」,液晶,2003年,第7巻,第3号,p.238−245 D.Demus、外3名編,「Handbook of Liquid Crystals Low Molecular Weight Liquid Crystal」,Wiley-VCH,1998年,vol.2B,p.887−900 D.Demus、外3名編,「Handbook of Liquid Crystals Low Molecular Weight Liquid Crystal」,Wiley-VCH,1998年,vol.1,p.484−485 Eric Grelet、外3名,「Structural Investigations on Smectic Blue Phases」,PHYSICAL REVIEW LETTERS,The American Physical Society,2001年4月23日,vol.86,No.17,p3791−3794 山本潤,「液晶科学実験講座第1回:液晶相の同定:(4)リオトロピック液晶」,液晶,2002年,第6巻,第1号,p.72−83 山本凉一、外1名,「有機電気光学材料」,National Technical Report,1976年12月,vol.22,No.6,p.826−834
しかしながら、従来の方式は、何れも、駆動電圧を実用上、十分な程度にまで低減させるには至っていない。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、従来よりも駆動電圧が低減された表示素子および表示装置を提供することにある。
本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備え、かつ、上記媒質における実質的に電界が印加されている厚みを増強し、実効的に応答している媒質層の厚み(実効厚み)を増加させるための構成を各々有している。
より具体的には、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極は、最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられている構成を有している。
本発明において、電界の印加により光学的異方性の程度が変化するとは、電界の印加に伴って光学的異方性の大きさが変化すること、より具体的には、電界の印加に伴って屈折率楕円体の形状が変化することを示す。すなわち、本発明の表示素子では、電界無印加時と電界印加時における屈折率楕円体の形状の変化を利用することで、異なる表示状態を実現することができる。
すなわち、物質中の屈折率は、一般には等方的ではなく、方向によって異なっており、この屈折率の異方性、つまり、上記物質の光学的異方性は、通常、屈折率楕円体にて示される。一般に、任意の方向に進行する光に対しては原点を通り、光波の進行方向に垂直な面が、屈折率楕円体の切り口と考えられ、この楕円の主軸方向が光波の偏光の成分方向であり、主軸の長さの半分がその方向の屈折率に相当する。よって、このような屈折率楕円体にて光学的異方性を捉えれば、従来の液晶表示装置においては、電界印加時と電界無印加時とで、液晶分子の屈折率楕円体の形状(屈折率楕円体の切り口の形状)は楕円形のまま変化せず、その長軸方向の向きが変化(回転)することで異なる表示形態を実現していたのに対し、本発明では、電界無印加時と電界印加時とにおける、上記媒質を構成する分子の屈折率楕円体の形状(屈折率楕円体の切り口の形状)の変化を利用することで、異なる表示状態を実現するようになっている。
このように、従来の液晶表示素子は、電界印加に伴う液晶分子の回転による配向方向の変化のみを利用して表示を行うものであり、液晶分子が一定方向に整列した状態で、揃って回転するため、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響していた。これに対して、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行う。したがって、本発明によれば、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がないので、高速応答を実現することができる。また、本発明の表示素子は高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があった。これに対して、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
そして、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられていることで、この最大電界領域よりも下方側、つまり、上記最大電界領域よりも、より基板界面に近い位置における電界成分をも有効に利用することができるので、実効的に応答している上記媒質の厚み(実効厚み)、つまり、実質的に電界が印加されている厚みを増加させることができる。このため、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、上記したように上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができる。なお、このような効果は、上記媒質からなる媒質層の代わりに従来のような液晶層を使用して該液晶層に横向きの電界を印加する、IPSモードのような従来の液晶表示装置では得ることができない。すなわち、本発明にかかる表示素子は、従来の液晶表示装置では得ることができない、本発明に特有の効果を奏するものである。
このような表示素子としては、例えば、少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有している構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、その基板法線方向の高さが、0.5μm以上となるように形成されている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、凸状に形成された絶縁層の少なくとも一部を覆うように形成されている構成;上記電極は、凸状に形成された絶縁層の側面に設けられていると共に、上記絶縁層の側面に、上記電極とは非導通の電極をさらに備えている構成;のうち少なくとも1つの構成を有する表示素子が挙げられる。
特に、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、上記したように、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有していることを特徴としている。
該表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子もまた高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
さらに、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有していることで、上記絶縁層を介して設けられた電極よりも下方側、つまり、該電極よりも、より基板界面に近い位置における電界成分をも有効に利用することができるので、実効的に応答している上記媒質の厚み(実効厚み)を増加させることができる。そして、特に、上記電極が、絶縁層を間に介して複数積層されていることで、上記実効厚みを、上記電極が単層の場合と比較してさらに増加させることができるので、より一層、駆動電圧を低減させることができる。なお、このような実効厚みの増加、並びに、これに伴う駆動電圧削減効果は、一対の電極のうち少なくとも一方の電極が上記構造を有していることで得ることができ、両方の電極が上記構造を有していることで、より効果を高めることができる。このため、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有していることで、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、上記電極は、凸状に形成された絶縁層の側面に設けられていると共に、上記絶縁層の側面に、上記電極とは非導通の電極をさらに備えていることを特徴としていてもよい。
該表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子もまた高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
さらに、本発明によれば、上記電極が、凸状に形成された絶縁層の側面に設けられていることで、上記絶縁層の厚み分、上記媒質に平行な電界が印加される領域を確保することができ、電極間中心点からの法線方向の電界強度の減少割合が、少なくとも、上記絶縁層の厚み程度には小さくて済み、上記媒質の実効厚みを増加させることができる。よって、この場合にも、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
さらに、上記の構成によれば、上記絶縁層の側面に、上記電極とは非導通の電極をさらに備えていることで、同じ絶縁層の側面に設けられた一方の電極を信号電極、他方の電極を対向電極と使い分けることができ、例えば、アクティブマトリクス駆動で必要になる補助容量を、上記絶縁層により形成することが可能になるという効果を併せて奏する。
また、上記各表示装置において、上記媒質は、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界印加時に光学的異方性を示すものであってもよい。この場合、屈折率楕円体の形状は、電界無印加時には球状であり、電界を印加することによって楕円に変化する。また、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すものであってもよい。この場合、屈折率楕円体の形状は、電界無印加時には楕円であり、電界を印加することによって球状に変化する。また、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界を印加することによって光学的異方性が発現している状態においてその光学的異方性の程度が変化するものであってもよい。この場合、屈折率楕円体の形状は、電界印加前後で、楕円の長軸と短軸との割合が変化する(なお、上記楕円としては、ほぼ球状であってもよい)。
上記何れの構成においても、電界の印加により、電界無印加時と電界印加時とで上記媒質の屈折率楕円体の形状を変化させることができ、光学的異方性の方向は一定のまま、光学的異方性(配向秩序度、屈折率)の程度を変化させることによって表示を行うことができる。よって、上記の何れの構成においても、電界無印加時と電界印加時とで表示状態が異なり、駆動温度範囲が広く、広視野角特性および高速応答特性を有する表示素子を実現することができるという効果を奏する。
また、上記媒質は、電界印加時または電界無印加時に可視光波長未満のスケールでの配向秩序を有していることが好ましい。つまり、上記媒質は、可視光波長未満のスケールでは、液体的な等方相ではなく、秩序(秩序構造、配向秩序)を有していることが好ましい。この秩序構造が可視光波長未満であれば、光学的には等方性を示す。従って、電界印加時または電界無印加時に配向秩序が可視光波長未満となる媒質を用いることにより、電界無印加時と電界印加時とにおける表示状態を確実に異ならせることができるという効果を奏する。
また、上記媒質は、キュービック対称性を示す秩序構造を有するものであってもよい。
また、上記媒質は、キュービック相またはスメクチックD相を示す分子からなるものであってもよい。
また、上記媒質は、液晶マイクロエマルションからなるものであってもよい。
また、上記媒質は、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、またはキュービック相を示すリオトロピック液晶からなるものであってもよい。
また、上記媒質は、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、またはキュービック相を示す液晶微粒子分散系からなるものであってもよい。
また、上記媒質は、デンドリマーからなるものであってもよい。
また、上記媒質は、コレステリックブルー相を示す分子からなるものであってもよい。
また、上記媒質は、スメクチックブルー相を示す分子からなるものであってもよい。
上記した物質は何れも電界を印加することによって光学的異方性の程度が変化する。従って、上記した物質は何れも上記媒質として用いることができる。
また、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、前記したように、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極は、最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられているとともに、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴としていてもよい。
また、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されている構成を有し、特に、上記したように、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴としていてもよい。
上記表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子は、上記したように高速応答性を備えているので、上記したように、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、前記したように従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、上記したように媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
さらに、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されていることで、該電極よりも下方側、つまり、該電極よりも、より基板界面に近い位置における電界成分をも有効に利用することができるので、実効的に応答している上記媒質の厚み(実効厚み)を増加させることができる。このため、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されていることで、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
上記表示素子は、例えば、上記電極が、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられていることで実現することができる。
すなわち、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられている構成を有し、特に、上記したように、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴としていてもよい。
該表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子は高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、上記表示素子もまた、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
さらに、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられていることで、凸状に形成された絶縁層を介して設けられた電極よりも下方側、つまり、該電極よりも、より基板界面に近い位置における電界成分をも有効に利用することができるので、実効的に応答している上記媒質の厚み(実効厚み)を増加させることができる。また、このような実効厚みの増加、並びに、これに伴う駆動電圧削減効果は、一対の電極のうち少なくとも一方の電極に上記構造を適用することで得ることができ、両方の電極に上記構造を適用することで、より効果を高めることができる。このため、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられていることで、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、上記したように、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、その基板法線方向の高さが、0.5μm以上となるように形成されている構成を有し、特に、上記したように、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴としていてもよい。
該表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子もまた高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
また、電極が薄平板の場合、電極間中心点からの法線方向に着目すれば、電界強度は、電極からの距離が長くなるに従って減少する。しかしながら、本発明のように電極の厚みを従来よりも増加させると、電極間中心点からの法線方向の電界強度の減少割合が、少なくとも電極厚み程度には小さくて済む。言い換えると、従来の表示素子では平行な電界が印加される領域が殆ど無いのに対し、本発明によれば、少なくとも電極厚み程度の領域は平行な電界が印加され、電界の低下はない。このため、上記の構成によれば、上記媒質の実効厚みを増加させることができる。そして、従来一般的に用いられてきたスパッタ法により形成された電極の典型的な厚み0.1μmに対して、上記電極の基板法線方向の高さ(例えば電極厚み)を0.5μm以上とすることで、駆動電圧削減効果を顕著に確認することができる。このため、上記の構成によれば、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記表示素子において、最も電界強度の強い領域(最大電界領域)は、上記少なくとも一対の電極における基板法線方向中心間の領域である。このため、従来の液晶表示素子に見られるように電極が薄平板の場合、平行な電界が印加される領域が殆ど無く、最大電界領域は、ほぼ上記基板界面に形成されるのに対し、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる表示素子は、上記課題を解決するために、上記したように、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、凸状に形成された絶縁層の少なくとも一部を覆うように形成されている構成を有し、特に、上記したように、上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴としていてもよい。
該表示素子においても、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、高速応答を実現することができる。また、上記表示素子もまた高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があったが、本発明によれば、上記媒質を、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本発明によれば、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
さらに、上記の構成によれば、少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、凸状に形成された絶縁層の一部あるいは少なくとも一部を覆うように形成されていることで、上記電極で覆われた絶縁層の厚み分、例えば、上記絶縁層の厚み分、上記媒質に平行な電界が印加される領域を確保することができ、電極間中心点からの法線方向の電界強度の減少割合が、少なくとも、上記電極で覆われた絶縁層の厚み程度には小さくて済み、上記媒質の実効厚みを増加させることができる。よって、この場合にも、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減された表示素子を提供することができる。
また、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極による最大電界領域は、上記基板界面から離間した位置に形成される。このため、上記の構成によれば、上記少なくとも一対の電極が、その最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されており、駆動電圧を低減させることができることから、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができる。また、この場合、例えば、上記少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極が、凸状に形成された絶縁層の一部を覆うように上記基板から離間して設けられている構成を有していることで、上記最大電界領域を、確実に上記基板界面から離間した位置に形成することができるという効果を奏する。
上記各表示素子において、上記絶縁層は透光性を有していることが好ましい。
また、上記表示素子において、少なくとも一対の電極のうち少なくとも一方の電極は透光性を有していることが好ましい。
少なくとも一対の電極のうち少なくとも一方の電極および/または上記絶縁層が透光性を有していることで、そうでない場合と比較して斜め視角の透過光量が減少しないですみ、例えば、当該表示素子を用いたテレビ、コンピュータモニタ等の視野角を拡大することができるという効果を奏する。
電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示す媒質としては、例えば、4’−n−アルコキシ−3’−ニトロビフェニル−4−カルボン酸が挙げられる。
また、本発明にかかる表示装置は、上記の課題を解決するために、上記の何れかの構成を有する本発明にかかる表示素子を備えていることを特徴としている。
したがって、本発明によれば、駆動温度範囲が広く、広視野角特性および高速応答特性を備え、しかも、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減されているとともに、焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができる表示装置を提供することができるという効果を奏する。該表示装置は、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置として好適に利用することができる。
本発明にかかる表示素子は、以上のように、最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されることで、上記媒質の実効厚みを増加させることができ、従来よりも駆動電圧を低減させることができると共に、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
また、本発明にかかる表示装置は、以上のように、本発明にかかる上記の何れかの表示素子を備えていることで、駆動温度範囲が広く、広視野角特性および高速応答特性を備え、しかも、従来よりも駆動電圧が小さく、該駆動電圧が実用レベルにまで低減されているとともに、焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図14および図22〜24に基づいて説明すれば、以下の通りである。
図1は、本実施の形態にかかる表示素子の要部の概略構成を示す断面図である。また、図2は、上記表示素子における電極構造と偏光板吸収軸との関係を説明する図である。そして、図22は、本実施の形態にかかる表示素子を用いる表示装置の要部の概略構成を示すブロック図であり、図23は、図22に示す表示装置に用いられる表示素子の周辺の概略構成を示す模式図である。
本実施の形態にかかる表示素子は、駆動回路や信号線(データ信号線)、走査線(走査信号線)、スイッチング素子等とともに表示装置に配されて用いられる。
図22に示すように、本実施の形態にかかる表示装置60は、画素71…がマトリクス状に配された表示パネル70と、駆動回路としてのソースドライバ61およびゲートドライバ62と、電源回路63等とを備えている。
上記各画素71には、図23に示すように、本実施の形態にかかる後述する表示素子80およびスイッチング素子81が設けられている。
また、上記表示パネル70には、複数のデータ信号線SL1〜SLv(vは2以上の任意の整数を示す)と、各データ信号線SL1〜SLvにそれぞれ交差する複数の走査信号線GL1〜GLw(wは2以上の任意の整数を示す)とが設けられ、これらデータ信号線SL1〜SLvおよび走査信号線GL1〜GLwの組み合わせ毎に、上記画素71…が設けられている。
上記電源回路63は、上記ソースドライバ61およびゲートドライバ62に、上記表示パネル70にて表示を行うための電圧を供給し、これにより、上記ソースドライバ61は、上記表示パネル70のデータ信号線SL1〜SLvを駆動し、ゲートドライバ62は、表示パネル70の走査信号線GL1〜GLwを駆動する。
上記スイッチング素子81としては、例えばFET(電界効果型トランジスタ)あるいはTFT(薄膜トランジスタ)等が用いられ、上記スイッチング素子81のゲート電極82が走査信号線GLwに、ソース電極83がデータ信号線SLvに、さらに、ドレイン電極84が、表示素子80に接続されている。また、表示素子80の他端は、全画素71…に共通の図示しない共通電極線に接続されている。これにより、上記各画素71において、走査信号線GLu(uは1以上の任意の整数を示す)が選択されると、スイッチング素子81が導通し、図示しないコントローラから入力される表示データ信号に基づいて決定される信号電圧が、ソースドライバ61によりデータ信号線SLu(uは1以上の任意の整数を示す)を介して表示素子80に印加される。表示素子80は上記走査信号線GLuの選択期間が終了してスイッチング素子81が遮断されている間、理想的には、遮断時の電圧を保持し続ける。
本実施の形態において、上記表示素子80は、電界(電圧)印加時または電界(電圧)無印加時に光学的等方性(巨視的、具体的には、可視光波長領域、つまり、可視光の波長スケール、もしくは、それよりも大きなスケールで見て等方であればよい)を示す媒質(液晶性媒質(液晶材料)、誘電性物質)を用いて表示を行うようになっている。
本実施の形態にかかる表示素子80の構成の一例について、図1および図2を参照して以下に詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態にかかる表示素子80は、媒質保持手段(光学変調層保持手段)として、互いに対向して配置された、少なくとも一方が透明な一対の基板(以下、画素基板11および対向基板12と記す)を備え、これら一対の基板間に、光学変調層として、電界の印加により光学変調する媒質(以下、媒質Aと記す)からなる媒質層3が挟持されている構成を有している。また、上記一対の基板の外側、つまり、上記画素基板11および対向基板12の互いの対向面とは反対側の面には、偏光板6・7がそれぞれ設けられている。
上記画素基板11および対向基板12は、図1に示すように、例えばガラス基板等の透明な基板1・2をそれぞれ備えている。また、上記画素基板11における基板1の上記基板2との対向面、つまり、上記対向基板12との対向面には、上記基板1に略平行な電界(横向きの電界)を上記媒質層3に印加するための電界印加手段(電界印加部材)である櫛形状の櫛形電極4・5が、図2に示すように、これら櫛形電極4・5の櫛歯部分4a・5a(櫛歯電極)が互いに噛み合う方向に対向配置されている。
上記櫛形電極4・5は、例えばITO(インジウム錫酸化物)等の透明電極材料等の電極材料からなり、本実施の形態では、例えば線幅5μm、電極間距離(電極間隔)5μm、厚み0.3μmに設定されている。但し、上記電極材料並びに線幅、電極間距離、および厚みは単なる一例であり、これに限定されるものではない。
上記櫛形電極4・5は、上記一方の基板1上に、凸状、より具体的には、上記櫛形電極4・5と同じ櫛形状に形成(パターニング)された絶縁層21を介して積層されている。これにより、上記櫛形電極4・5は、上記絶縁層21により、上記基板1とは離間して設けられた構成を有していると共に、これら櫛形電極4・5間に、これら櫛形電極4・5よりも下方(つまり基板1側)に窪んだ凹部9が設けられている構成を有している。
なお、上記絶縁層21としては、アクリル系樹脂等の有機膜;窒化ケイ素、酸化ケイ素等の無機膜;等、種々の絶縁性材料により形成することができ、その膜厚は特に限定されるものではない。
上記電極構造、すなわち、上記櫛形電極4・5および絶縁層21からなる電極部(電界印加手段)は、例えば、スパッタリング、フォトリソグラフィー、エッチング等の従来公知の種々の手法により得ることができる。より具体的には、例えば、上記電極構造は、上記基板1上に、上記絶縁層21となる絶縁性材料を積層した後、該絶縁性材料からなる絶縁層21上に、上記櫛形電極4・5となる電極材料をスパッタ法により積層し、これをパターニングして上記櫛形電極4・5を形成し、その後、上記櫛形電極4・5間の絶縁層21をエッチングして所望の断面形状の凹部9を形成することによって実現できる。なお、上記エッチングは、レジスト塗布を行ってエッチングしてもよいし、工程数削減を目的としてレジスト塗布を行わずにエッチングしてもよい。
上記表示素子80は、例えば、上記画素基板11と対向基板12とを、図示しないシール剤により、必要に応じて、例えば図示しないプラスチックビーズやガラスファイバースペーサ等のスペーサを介して貼り合わせ、その空隙に、前記媒質Aを封入することにより形成される。
本実施の形態に用いられる上記媒質Aは、電界を印加することにより、光学的異方性の程度が変化する媒質である。物質中に外部から電界Eを加えると、電気変位Dij=εij・Eを生じるが、そのとき、誘電率(εij)にもわずかな変化が見られる。光の周波数では屈折率(n)の自乗は誘電率と等価であるから、上記媒質Aは、電界の印加により、屈折率が変化する物質と言うこともできる。なお、上記媒質Aは、液体、気体、固体の何れであっても構わない。
このように、本実施の形態にかかる表示素子80は、電界の印加により物質の光学的異方性の程度が変化する現象、例えば、物質の屈折率が外部電界によって変化する現象(電気光学効果)を利用して表示を行うものであり、電界印加により分子(分子の配向方向)が一定方向に整列した状態で、揃って回転することを利用した従来の液晶表示素子とは異なり、光学的異方性の方向は殆ど変化せず、その光学的異方性の程度の変化(主に、電子分極や配向分極)により表示を行うようになっている。
なお、従来の液晶表示素子は、このように、電界印加に伴う液晶分子の回転による配向方向の変化のみを利用して表示を行うものであり、液晶分子が一定方向に整列した状態で、揃って回転するため、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響していた。これに対して、本実施の形態にかかる表示素子80は、上記したように、媒質Aにおける光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行う。したがって、本実施の形態にかかる表示素子80によれば、従来の液晶表示素子のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がないので、高速応答を実現することができる。また、本実施の形態にかかる表示素子80は、上記した表示方式を利用することから、高速応答性を備えているので、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置に利用することもできる。
また、従来の液晶表示素子では、駆動温度範囲が液晶相の相転移点近傍の温度に制限され、極めて高精度な温度制御が必要であるという問題があった。これに対して、本実施の形態にかかる表示素子80によれば、上記媒質Aを、電界印加によって光学的異方性の程度が変化する状態となる温度に保つだけでよいので、温度制御を容易にすることができる。
また、本実施の形態にかかる表示素子80によれば、媒質Aにおける光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の液晶表示素子よりも、広視野角特性を実現することができる。
本実施の形態において用いられる上記媒質Aとしては、ポッケルス効果またはカー効果を示す物質等、電界無印加時に光学的には等方(巨視的に見て等方であればよい)であり、電界印加により光学的異方性が発現する物質であってもよく、電界無印加時に光学的異方性を有し、電界印加により該光学的異方性が消失し、光学的に等方性(巨視的に見て等方であればよい)を示す物質であってもよい。また、上記媒質Aは、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界を印加することによって光学的異方性の程度が変化するものであってもよい。典型的には、電界無印加時には光学的に等方(巨視的に見て等方であればよい)であり、電界印加により光学変調(特に電界印加により複屈折が上昇することが望ましい)を発現する媒質である。
ポッケルス効果、カー効果(それ自身は、等方相状態で観察される)は、それぞれ、電界の一次または二次に比例する電気光学効果であり、電界無印加状態では、等方相であるため光学的に等方的であるが、電界印加状態では、電界が印加されている領域において、電界方向に化合物の分子の長軸方向が配向し、複屈折が発現することにより透過率を変調することができる。例えば、カー効果を示す物質を用いた表示方式の場合、電界を印加して1つの分子内での電子の偏りを制御することにより、ランダムに配列した個々の分子が各々別個に回転して向きを変えることから、応答速度が非常に速く、また、分子が無秩序に配列していることから、視角制限がないという利点がある。なお、上記媒質Aのうち、大まかに見て電界の一次または二次に比例しているものは、ポッケルス効果またはカー効果を示す物質として扱うことができる。
ポッケルス効果を示す物質としては、例えば、ヘキサミン等の有機固体材料等が挙げられるが、特に限定されるものではない。上記媒質Aとしては、ポッケルス効果を示す各種有機材料、無機材料を用いることができる。
また、カー効果を示す物質としては、例えば、PLZT(ジルコン酸鉛とチタン酸鉛との固溶体にランタンを添加した金属酸化物)や、下記構造式(1)〜(4)
Figure 0004027941
で示される液晶性物質等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
カー効果は、入射光に対して透明な媒質中で観測される。このため、カー効果を示す物質は、透明媒質として用いられる。通常、液晶性物質は、温度上昇に伴って、短距離秩序を持った液晶相から、分子レベルでランダムな配向を有する等方相に移行する。つまり、液晶性物質のカー効果は、ネマチック相ではなく、液晶相−等方相温度以上の等方相状態の液体に見られる現象であり、上記液晶性物質は、透明な誘電性液体として使用される。
液晶性物質等の誘電性液体は、加熱による使用環境温度(加熱温度)が高いほど、等方相状態となる。よって、上記媒質として液晶性物質等の誘電性液体を使用する場合には、該誘電性液体を透明、すなわち可視光に対して透明な液体状態で使用するために、例えば、(1)媒質層3の周辺に、図示しないヒータ等の加熱手段を設け、該加熱手段により上記誘電性液体をその透明点以上に加熱して用いてもよいし、(2)バックライトからの熱輻射や、バックライトおよび/または周辺駆動回路からの熱伝導(この場合、上記バックライトや周辺駆動回路が加熱手段として機能する)等により、上記誘電性液体をその透明点以上に加熱して用いてもよい。また、(3)上記基板1・2の少なくとも一方に、ヒータとしてシート状ヒータ(加熱手段)を貼合し、所定の温度に加熱して用いてもよい。さらに、上記誘電性液体を透明状態で用いるために、透明点が、上記表示素子80の使用温度範囲下限よりも低い材料を用いてもよい。
上記媒質Aは、液晶性物質を含んでいることが望ましく、上記媒質Aとして液晶性物質を使用する場合には、該液晶性物質は、巨視的には等方相を示す透明な液体であるが、微視的には一定の方向に配列した短距離秩序を有する分子集団であるクラスタを含んでいることが望ましい。なお、上記液晶性物質は可視光に対して透明な状態で使用されることから、上記クラスタも、可視光に対して透明(光学的に等方)な状態で用いられる。
このために、上記表示素子80は、上述したように、ヒータ等の加熱手段を用いて温度制御を行ってもよいし、前記特許文献2に記載されているように、媒質層3を、高分子材料等を用いて小区域に分割して用いてもよく、上記液晶性物質の直径を例えば0.1μm以下とする等、上記液晶性物質を、可視光波長よりも小さな径を有する微小ドロップレットとし、光の散乱を抑制することにより透明状態とするか、あるいは、使用環境温度(室温)にて透明な等方相を示す液晶性化合物を使用する等してもよい。上記液晶性物質の直径、さらにはクラスタの径(長径)が0.1μm以下、つまり、可視光波長(入射光波長)よりも小さい場合の光の散乱は無視することができる。このため、例えば上記クラスタの径が0.1μm以下であれば、上記クラスタもまた可視光に対して透明である。
なお、上記媒質Aは、上述したようにポッケルス効果またはカー効果を示す物質に限定されない。このため、上記媒質Aは、分子の配列が、可視光波長未満(例えばナノスケール)のスケールのキュービック対称性を有する秩序構造を有し、光学的には等方的に見えるキュービック相(非特許文献3・6〜8参照)を有していてもよい。キュービック相は上記媒質Aとして使用することができる液晶性物質の液晶相の一つであり、キュービック相を示す液晶性物質としては、例えば、下記構造式(5)
Figure 0004027941
で示されるBABH8等が挙げられる。このような液晶性物質に電界を印加すれば、微細構造に歪みが与えられ、光学変調を誘起させることが可能となる。
BABH8は、136.7℃以上、161℃以下の温度範囲では、格子定数が約6nmと光学波長より1桁以上も小さく、可視光波長未満のスケールの、キュービック対称性(立方晶の対称性)を有する秩序構造からなるキュービック相(立方晶相)を示す。このように、BABH8は、上記温度範囲において、可視光波長未満のスケールの秩序構造を有し、電界無印加時に光学的等方性(巨視的に見て等方であればよい)を示すことで、直交ニコル下において良好な黒表示を行うことができる。
一方、上記BABH8の温度を、例えば前記した加熱手段等を用いて136.7℃以上、161℃以下に制御しながら、櫛形電極4・5間に電界(電圧)を印加すると、キュービック対称性を有する構造(秩序構造)に歪みが生じる。すなわち、上記BABH8は、上記の温度範囲において、電界無印加状態では等方的であり、電界印加により光学的異方性が発現する。
これにより、上記媒質層3において複屈折が発生するので、上記表示素子80は、良好な白表示を行うことができる。なお、複屈折が発生する方向は一定であり、その大きさが電界(電圧)印加によって変化する。また、櫛形電極4・5間に印加する電圧と透過率との関係を示す電圧透過率曲線は、136.7℃以上、161℃以下の温度範囲、すなわち、約20Kという広い温度範囲において安定した曲線となる。このため、上記BABH8を上記媒質Aとして使用した場合、温度制御を極めて容易に行うことができる。すなわち、上記BABH8からなる媒質層3は、熱的に安定な相であるため、急激な温度依存性が発現せず、温度制御が極めて容易である。
また、上記媒質Aとしては、液晶分子が可視光波長未満光の波長以下のサイズで放射状に配向した集合体で充填された、光学的に等方的に見えるような系を実現することも可能であり、その手法としては非特許文献4に記載の液晶マイクロエマルションや非特許文献5に記載の液晶・微粒子分散系(溶媒(液晶)中に微粒子を混在させた混合系、以下、単に液晶微粒子分散系と記す)の手法を応用することも可能である。これらに電界を印加すれば、放射状配向の集合体に歪みが与えられ、光学変調を誘起させることが可能である。
なお、これら液晶性物質は、何れも、単体で液晶性を示すものであってもよいし、複数の物質が混合されることにより液晶性を示すものであってもよいし、これらの物質に他の非液晶性物質が混入されていてもよい。さらには、前記非特許文献1に記載されているような高分子・液晶分散系の物質を適用することもできる。また、非特許文献2に記載されているようなゲル化剤を添加してもよい。
また、上記媒質Aとしては、有極性分子を含有することが望ましく、例えばニトロベンゼン等が媒質Aとして好適である。なお、ニトロベンゼンもカー効果を示す媒質の一種である。
以下に、上記媒質Aとして用いることができる物質もしくは該物質の形態の一例を示すが、本発明は以下の例示にのみ限定されるものではない。
〔スメクチックD相(SmD)〕
スメクチックD相(SmD)は、上記媒質Aとして使用することができる液晶性物質の液晶相の一つであり、三次元格子構造を有し、その格子定数が可視光波長未満である。このため、スメクチックD相は、光学的には等方性を示す。
スメクチックD相を示す液晶性物質としては、例えば、前記非特許文献3もしくは非特許文献8に記載の下記一般式(6)・(7)
Figure 0004027941
で表されるANBC16等が挙げられる。なお、上記一般式(6)・(7)において、mは任意の整数、具体的には、一般式(6)においてはm=16、一般式(7)においてはm=15を示し、Xは−NO基を示す。
上記ANBC16は、171.0℃〜197.2℃の温度範囲において、スメクチックD相が発現する。スメクチックD相は、複数の分子がジャングルジム(登録商標)のような三次元的格子を形成しており、その格子定数は、数十nm以下であり、可視光波長未満である。すなわち、スメクチックD相は、キュービック対称性を有しており、可視光波長未満の配向秩序(秩序構造)を有している。なお、本実施形態に示したANBC16の格子定数は約6nmである。このため、スメクチックD相は、光学的には等方性を示す。しかしながら、ANBC16がスメクチックD相を示す上記の温度領域において、ANBC16に電界を印加すれば、ANBC16の分子自身に誘電異方性が存在するため、分子が電界方向に向くため、格子構造に歪が生じる。すなわち、ANBC16に光学的異方性が発現する。なお、ANBC16に限らず、スメクチックD相を示す物質であれば、電界印加時と電界無印加時とで光学的異方性の程度が変化するので、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして適用することができる。
〔液晶マイクロエマルション〕
液晶マイクロエマルションとは、前記非特許文献4において提案された、O/W型マイクロエマルション(油の中に水を界面活性剤で水滴の形で溶解させた系で、油が連続相となる)の油分子をサーモトロピック液晶分子で置換したシステム(混合系)の総称である。
液晶マイクロエマルションの具体例としては、例えば、前記非特許文献4に記載されている、ネマチック液晶相を示すサーモトロピック液晶であるペンチルシアノビフェニル(5CB)と、逆ミセル相を示すリオトロピック(ライオトロピック)液晶であるジドデシルアンモニウムブロマイド(DDAB)の水溶液との混合系がある。この混合系は、図7および図8に示すような模式図で表される構造を有している。
また、この混合系は、典型的には逆ミセルの直径が50Å程度、逆ミセル間の距離が200Å程度である。これらのスケールは光の波長より一桁程度小さい。すなわち、上記の混合系(液晶マイクロエマルション)は可視光波長未満の配向秩序(秩序構造)を有する。また、逆ミセルが三次元空間的にランダムに存在しており、各逆ミセルを中心に5CBが放射状に配向している。したがって、この混合系は、光学的には等方性を示す。
そして、この混合系からなる媒質に電界を印加すれば、5CBに誘電異方性が存在するため、分子自身が電界方向に向こうとする。すなわち、逆ミセルを中心に放射状に配向していたため光学的に等方であった系に、配向異方性が発現し、光学的異方性が発現する。なお、上記の混合系に限らず、電界無印加時には光学的に等方性を示し、電界印加によって光学的異方性が発現する液晶マイクロエマルションであれば、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして適用することができる。
〔リオトロピック液晶〕
リオトロピック(ライオトロピック)液晶とは、液晶を形成する主たる分子が、他の性質を持つ溶媒(水や有機溶剤など)に溶けているような他成分系の液晶を意味する。本実施の形態においては、上記リオトロピック液晶として、特定の相を有するリオトロピック液晶を適用することができる。ここで、上記特定の相とは、電界印加時と電界無印加時とで、光学的異方性の程度が変化する相であり、例えば、電界無印加時に光学的に等方性を示す相である。このような特定の相としては、例えば、非特許文献11に記載されているミセル相、スポンジ相、キュービック相、逆ミセル相がある。図9に、リオトロピック液晶相の分類図を示す。
両親媒性物質である界面活性剤には、ミセル相を発現する物質がある。例えば、イオン性界面活性剤である硫酸ドデシルナトリウムの水溶液やパルチミン酸カリウムの水溶液等は球状ミセルを形成する。また、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水との混合液では、ノニルフェニル基が疎水基として働き、オキシエチレン鎖が親水基として働くことにより、ミセルを形成する。他にも、スチレン−エチレンオキシドブロック共重合体の水溶液でもミセルを形成する。
例えば、球状ミセルは、分子が空間的全方位にパッキング(分子集合体を形成)して球状を示す。また、球状ミセルのサイズは、可視光波長未満であるため、光学的異方性を示さず、等方的に見える。すなわち、球状ミセルは、可視光波長未満の秩序構造(配向秩序)を有する。しかしながら、このような球状ミセルに電界を印加すれば、球状ミセルが歪むため光学的異方性を発現する。よって、球状ミセル相を有するリオトロピック液晶もまた、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして適用することができる。なお、球状ミセル相に限らず、他の形状のミセル相、すなわち、紐状ミセル相、楕円状ミセル相、棒状ミセル相等を媒質Aとして使用しても、同様の効果を得ることができる。
また、濃度、温度、界面活性剤の条件によっては、親水基と疎水基とが入れ替わった逆ミセルが形成されることが一般に知られている。このような逆ミセルは、光学的にはミセルと同様の効果を示す。したがって、逆ミセル相を媒質Aとして適用することにより、ミセル相を用いた場合と同等の効果を奏する。なお、前述した液晶マイクロエマルションは、逆ミセル相(逆ミセル構造)を有するリオトロピック液晶の一例である。
また、非イオン性界面活性剤であるペンタエチレングリコール−ドデシルエーテルの水溶液には、図9に示したような、スポンジ相やキュービック相を示す濃度および温度領域が存在する。このようなスポンジ相やキュービック相は、可視光波長未満の秩序(配向秩序、秩序構造)を有しているので透明な物質である。すなわち、これらの相からなる媒質は、光学的には等方性を示す。そして、これらの相からなる媒質に電界(電圧)を印加すると、配向秩序(秩序構造)が変化して光学的異方性が発現する。したがって、スポンジ相やキュービック相を有するリオトロピック液晶もまた、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして適用することができる。
〔液晶微粒子分散系〕
また、媒質Aは、例えば、非イオン性界面活性剤ペンタエチレングリコール−ドデシルエーテルの水溶液に、表面を硫酸基で修飾した直径100Å程度のラテックス粒子を混在させた、液晶微粒子分散系であってもよい。上記液晶微粒子分散系ではスポンジ相が発現するが、本実施の形態において用いられる媒質Aとしては、前述したミセル相、キュービック相、逆ミセル相等を発現する液晶微粒子分散系、つまり、電界印加時と電界無印加時とで光学的異方性の程度が変化する相を示す液晶微粒子分散系であってもよい。なお、上記ラテックス粒子に代えて前記DDABを使用することによって、前述した液晶マイクロエマルションと同様な配向構造を得ることもできる。
〔デンドリマー〕
デンドリマーとは、モノマー単位毎に枝分かれのある三次元状の高分岐ポリマーである。デンドリマーは、枝分かれが多いために、ある程度以上の分子量になると球状構造となる。この球状構造は、可視光波長未満の秩序(秩序構造、配向秩序)を有しているので透明な物質であり、電界印加によって配向秩序が変化して光学的異方性が発現する(光学的異方性の程度が変化する)。したがって、デンドリマーもまた、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして適用することができる。また、前述した液晶マイクロエマルションにおいてDDABに代えて上記デンドリマーを使用することにより、前述した液晶マイクロエマルションと同様な配向構造を得ることができる。このようにして得られた媒質もまた、上記媒質Aとして適用することができる。
〔コレステリックブルー相〕
コレステリックブルー相は、螺旋軸が3次元的に周期構造を形成しており、その構造は、高い対称性を有していることが知られている(例えば、前記非特許文献6・7参照)。コレステリックブルー相は、可視光波長未満の秩序(秩序構造、配向秩序)を有しているのでほぼ透明な物質であり、電界印加によって配向秩序の程度が変化して光学的異方性が発現する。すなわち、コレステリックブルー相は、光学的に概ね等方性を示し、電界印加によって液晶分子が電界方向に向くために格子が歪み、光学的異方性を発現する(光学的異方性の程度が変化する)。
なお、コレステリックブルー相を示す物質としては、例えば、「JC1041」(商品名、チッソ社製混合液晶)を48.2mol%、「5CB」(4−シアノ−4’−ペンチルビフェニル、ネマチック液晶)を47.4mol%、「ZLI−4572」(商品名、メルク社製カイラルドーパント)を4.4mol%の割合で混合してなる組成物が知られている。該組成物は、330.7Kから331.8Kの温度範囲で、コレステリックブルー相を示す。
〔スメクチックブルー相〕
スメクチックブルー(BPSm)相は、コレステリックブルー相と同様、高い対称性の構造を有し(例えば、前記非特許文献7、および非特許文献10等参照)、可視光波長未満の秩序(秩序構造、配向秩序)を有しているのでほぼ透明な物質であり、電界印加によって配向秩序の程度が変化して光学的異方性が発現する(光学的異方性の程度が変化する)。すなわち、スメクチックブルー相は、光学的に概ね等方性を示し、電界印加によって液晶分子が電界方向に向くために格子が歪み、光学的異方性を発現する。
なお、スメクチックブルー相を示す物質としては、例えば、上記非特許文献10に記載されているFH/FH/HH−14BTMHC等が挙げられる。該物質は、74.4℃〜73.2℃でBPSm3相、73.2℃〜72.3℃でBPSm2相、72.3℃〜72.1℃でBPSm1相を示す。BPSm相は、前記非特許文献7に示すように、高い対称性の構造を有するため、概ね光学的等方性が示される。また、物質FH/FH/HH−14BTMHCに電界を印加すると、液晶分子が電界方向に向くことにより格子が歪み、同物質は光学的異方性を発現する。よって、同物質は、本実施の形態にかかる表示素子80の媒質Aとして使用することができる。
以上のように、本実施の形態にかかる表示素子80において媒質Aとして使用することができる物質は、電界の印加により光学的異方性(屈折率、配向秩序度)が変化するものでありさえすれば、ポッケルス効果またはカー効果を示す物質であってもよく、キュービック相、スメクチックD相、コレステリックブルー相、スメクチックブルー相の何れかを示す分子からなるものであってもよく、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、キュービック相の何れかを示すリオトロピック液晶もしくは液晶微粒子分散系であってもよい。また、上記媒質Aは、液晶マイクロエマルションやデンドリマー(デンドリマー分子)、両親媒性分子、コポリマー、もしくは、上記以外の有極性分子等であってもよい。
また、上記媒質Aは、液晶性物質に限らず、電界印加時または電界無印加時に可視光波長未満の秩序構造(配向秩序)を有することが好ましい。秩序構造が可視光波長未満であれば、光学的に等方性を示す。従って、電界印加時または電界無印加時に秩序構造が可視光波長未満となる媒質を用いることにより、電界無印加時と電界印加時とにおける表示状態を確実に異ならせることができる。
以下、本実施の形態では、上記媒質Aとして、前記構造式(1)で示されるペンチルシアノビフェニル(5CB)を使用するものとするが、上記媒質Aとしては、これに限定されるものではなく、上記5CBに代えて、上述した各種物質を適用することができる。
本実施の形態によれば、上記櫛形電極4・5としてITOを使用し、線幅5μm、電極間距離5μm、媒質層3の層厚(すなわち基板1・2間の距離)を10μmとし、媒質Aとして5CBを使用し、外部加温装置(加熱手段)により上記5CBをネマチック等方相の相転移直上近傍の温度(相転移温度よりも僅かに高い温度、例えば+0.1K)に保ち、電界(電圧)印加を行うことにより、透過率を変化させることができた。なお、上記5CBは、33.3℃未満の温度でネマチック相、それ以上の温度で等方相を示す。
本実施の形態において、基板1・2におけるそれぞれの対向面上には、ラビング処理が施された図示しない誘電体薄膜(配向膜)が必要に応じて形成されていてもよい。上記一対の基板1・2のうち少なくとも一方の基板の内側に上記誘電体薄膜が形成されていることで、上記配向の秩序(秩序構造、配向秩序)の度合いを向上させることができ、より大きな電気光学効果、例えばより大きなカー効果を得ることができる。
上記誘電性薄膜としては、それぞれ、有機膜であってもよいし、無機膜であってもよく、上記配向効果を得ることができさえすれば、特に限定されるものではないが、上記誘電体薄膜を有機薄膜により形成した場合、良好な配向効果を示すことから、上記誘電性薄膜としては有機薄膜を用いることがより望ましい。このような有機薄膜の中でもポリイミドは安定性、信頼性が高く、極めて優れた配向効果を示すことから、上記誘電性薄膜材料にポリイミドを使用することで、より良好な表示性能を示す表示素子80を提供することができる。
上記誘電体薄膜は、上記一対の基板1・2のうち少なくとも一方の基板の内側、例えば、上記基板1上に、上記櫛形電極4・5を覆うように形成すればよく、その膜厚は特に限定されない。また、上記基板1上に設けられた誘電性薄膜と、基板2上に設けられた誘電性薄膜とは、例えば、上記櫛形電極4・5の櫛歯部分4a・5aに沿って互いに逆方向にラビング処理が施される。
次に、本実施の形態にかかる表示素子80における表示原理、すなわち、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子の表示原理について、図3(a)および図3(b)ないし図6(a)〜図6(h)並びに図24を参照して以下に説明する。
なお、図3(a)および図3(b)ないし図6(a)〜図6(h)においては、本実施の形態にかかる表示素子80の基本構成として、一対の基板1・2のうち一方の基板1に、該基板1に略平行な電界(横向きの電界)を媒質層3に印加するための櫛形電極4・5が設けられている最も簡素な構成を有する表示素子Hの要部断面図を用いて、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子に共通する表示原理について説明するものとする。また、以下の説明では、主に、本実施の形態にかかる上記表示素子80および表示素子Hとして、透過型の表示素子を使用し、電界無印加時に光学的にはほぼ等方、好適には等方であり、電界印加により光学的異方性が発現する物質を用いる場合を例に挙げて説明するものとするが、本発明はこれに限定されるものではない。
図3(a)は、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子における電界(電圧)無印加状態(OFF状態)の要部の概略構成を模式的に示す断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示す表示素子における電界(電圧)印加状態(ON状態)の要部の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図4(a)は電界(電圧)無印加状態(OFF状態)における、図3(a)・(b)に示す表示素子の媒質を模式的に示す断面図であり、図4(b)は電界(電圧)印加状態(ON状態)における、図3(a)および図3(b)に示す表示素子の媒質を模式的に示す断面図である。さらに、図5は、図3(a)および図3(b)に示す表示素子における印加電圧と透過率との関係を示すグラフである。また、図6(a)〜図6(h)は、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子と従来の液晶表示素子との表示原理の違いを、電界(電圧)無印加時(OFF状態)および電界(電圧)印加時(ON状態)における媒質の平均的な屈折率楕円体の形状(屈折率楕円体の切り口の形状にて示す)およびその主軸方向にて模式的に示す断面図であり、図6(a)〜図6(h)は、順に、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子の電界無印加時(OFF状態)の断面図、該表示素子の電界印加時(ON状態)の断面図、従来のTN(Twisted Nematic)方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図、該TN方式の液晶表示素子の電界印加時の断面図、従来のVA(Vertical Alignment)方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図、該VA方式の液晶表示素子の電界印加時の断面図、従来のIPS(In Plane Switching)方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図、該IPS方式の液晶表示素子の電界印加時の断面図を示す。
物質中の屈折率は、一般には等方的でなく方向によって異なっている。この屈折率の異方性(光学的異方性)は、基板面に平行な方向(基板面内方向)でかつ両櫛形電極4・5の対向方向、基板面に平行な方向(基板面内方向)でかつ両櫛形電極4・5の対向方向に垂直な方向、基板面に垂直な方向(基板法線方向)を、それぞれx,y,z方向とすると、任意の直交座標系(X,X,X)を用いて下記関係式(1)
Figure 0004027941
(nji=nij、i,j=1,2,3)
で表される楕円体(屈折率楕円体)で示される(例えば非特許文献12参照)。ここで、上記関係式(1)を楕円体の主軸方向の座標系(Y,Y,Y)を使用して書き直すと、下記関係式(2)
Figure 0004027941
で示される。n,n,n(以下、nx,ny,nzと記す)は主屈折率と称され、楕円体における三本の主軸の長さの半分に相当する。原点からY=0の面と垂直な方向に進行する光波を考えると、この光波はYとYとの方向に偏光成分を有し、各成分の屈折率はそれぞれnx,nyである。一般に、任意の方向に進行する光に対しては原点を通り、光波の進行方向に垂直な面が、屈折率楕円体の切り口と考えられ、この楕円の主軸方向が光波の偏光の成分方向であり、主軸の長さの半分がその方向の屈折率に相当する。
まず、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子と従来の液晶表示素子との表示原理の相違について、前記したように、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子として表示素子Hを、また、従来の液晶表示素子として、TN方式、VA方式、IPS方式の表示素子を、例に挙げて説明する。
図6(c)および図6(d)に示すように、従来のTN方式の液晶表示素子は、対向配置された一対の基板101・102間に液晶層105が挟持され、上記両基板101・102上にそれぞれ透明電極103・104(電極)が設けられている構成を有し、電界無印加時には、液晶層105における液晶分子の長軸方向がらせん状に捻られて配向しているが、電界印加時には、上記液晶分子の長軸方向が電界方向に沿って配向するようになっている。この場合における平均的な屈折率楕円体105aは、電界無印加時には、図6(c)に示すように、その主軸方向(長軸方向)が基板面に平行な方向(基板面内方向)を向き、電界印加時には、図6(d)に示すように、その主軸方向が基板面法線方向を向く。すなわち、電界無印加時と電界印加時とで、屈折率楕円体105aの形状は楕円であり、電界印加によって、その長軸方向(主軸方向、屈折率楕円体105aの向き)が変化する。すなわち、屈折率楕円体105aが回転する。なお、電界無印加時と電界印加時とで、屈折率楕円体105aの形状および大きさは、ほぼ変わらない。
従来のVA方式の液晶表示素子は、図6(e)および図6(f)に示すように、対向配置された一対の基板201・202間に液晶層205が挟持され、上記両基板201・202上にそれぞれ透明電極(電極)203・204が備えられている構成を有し、電界無印加時には、液晶層205における液晶分子の長軸方向が、基板面に対して略垂直な方向に配向しているが、電界印加時には、上記液晶分子の長軸方向が電界に垂直な方向に配向する。この場合における平均的な屈折率楕円体205aは、図6(e)に示すように、電界無印加時には、その主軸方向(長軸方向)が基板面法線方向を向き、図6(f)に示すように、電界印加時にはその主軸方向が基板面に平行な方向(基板面内方向)を向く。すなわち、VA方式の液晶表示素子の場合にも、TN方式の液晶表示素子と同様、電界無印加時と電界印加時とで、屈折率楕円体205aの形状は楕円であり、電界印加によって、その長軸方向が変化する(屈折率楕円体205aが回転する)。また、電界無印加時と電界印加時とで、屈折率楕円体205aの形状および大きさは、ほぼ変わらない。
また、従来のIPS方式の液晶表示素子は、図6(g)および図6(h)に示すように、同一の基板301上に、1対の電極302・303が対向配置された構成を有し、図示しない対向基板との間に挟持された液晶層に、上記電極302・303により電界(電圧)が印加されることで、上記液晶層における液晶分子の配向方向(屈折率楕円体305aの主軸方向(長軸方向))を変化させ、電界無印加時と電界印加時とで、異なる表示状態を実現することができるようになっている。すなわち、IPS方式の液晶表示素子の場合にも、TN方式およびVA方式の液晶表示素子と同様、図6(g)に示す電界無印加時と図6(h)に示す電界印加時とで、屈折率楕円体305aの形状および大きさはほぼ変わらず(つまり楕円形のまま)、電界印加によって、その主軸方向が変化する(屈折率楕円体305aが回転する)。
このように、従来の液晶表示素子では、電界無印加時でも液晶分子が何らかの方向(典型的には一方向)に配向しており、電界を印加することによって、各分子の配向方向が揃った状態で、その配向方向を変化させて表示(透過率の変調)を行っている。すなわち、電界印加時と電界無印加時とで、屈折率楕円体の形状および大きさを保ったまま(つまり楕円形のまま)、屈折率楕円体の主軸(長軸)方向のみが、電界印加によって回転(変化)することを利用して表示を行っている。よって屈折率楕円体の長軸方向は電界印加方向に対して、常に垂直あるいは平行とは限らない。つまり、従来の液晶表示素子では、液晶分子の配向秩序度はほぼ一定であり、配向方向を変化させることによって表示(透過率の変調)を行っている。つまり、従来の液晶表示素子では、電界印加によって、配向秩序度はほぼ一定のまま、配向容易軸の方向が変化する。
これに対し、本実施の形態にかかる表示素子80も含め、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子は、図6(a)および図6(b)に、表示素子Hを例に挙げて示すように、電界無印加時における屈折率楕円体3aの形状は球状、すなわち、光学的に等方(nx=ny=nz、可視光波長以上のスケールでの配向秩序度≒0(ほぼゼロ))であり、電界を印加することによって異方性(nx>ny、可視光波長以上のスケールでの配向秩序度>0)が発現して、屈折率楕円体3aが楕円になる(光学的異方性を示す)。また、このとき屈折率楕円体3aの長軸方向は電界方向と垂直になる。つまり、誘電性物質の誘電異方性が負(ネガ型液晶)の場合、全ての電圧値において、屈折率楕円体3aの長軸方向は電界方向に垂直(直交状態)になり、誘電異方性が正(ポジ型液晶)の場合、全ての電圧値において、屈折率楕円体3aの長軸方向は電界方向に平行になる。本発明において、電界方向と屈折率楕円体3aの主軸方向の少なくとも一つとは、常に平行もしくは直交である。なお、本発明において、可視光波長以上のスケールでの配向秩序度≒0(配向秩序度が殆ど無い)というのは、可視光より小さいスケールで見た場合には、液晶分子等が、ある方向に並んでいる割合が多い(配向秩序がある)が、可視光より大きいスケールで見ると、配向方向が平均化されていて配向秩序が無いことを意味している。すなわち、配向秩序度が可視光波長域、及び、可視光波長域より大きい波長の光に対して何ら影響を与えない程度に小さいことを示す。例えば、クロスニコル下で黒表示を実現している状態を示す。一方、本発明において、可視光波長以上のスケールでの配向秩序度>0とは、可視光波長以上のスケールでの配向秩序度が、ほぼゼロの状態よりも大きいことを示し、例えば、クロスニコル下で白表示を実現している状態を示す。(この場合、階調表示であるグレーも含まれる)。
すなわち、本実施の形態にかかる表示素子80も含め、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子では、電界無印加時に分子(分子8;図4(a)および図4(b)参照)は、あらゆる方向を向いている。但し、これらの分子8は、可視光波長スケール未満の秩序(秩序構造、配向秩序)を有しているので、光学的異方性が発現せず(可視光波長以上のスケールでの配向秩序度≒0)、図6(a)に示すように、屈折率楕円体3aの形状が球状となる。ところが、図6(b)に示すように電界印加時には、個々の分子8が負の誘電異方性を有しているため基板面内方向(基板面に平行な方向)を向こうとして配向状態が変化する。また、この際、可視光波長未満の秩序構造に歪みが生じて光学的異方性(可視光波長以上のスケールでの配向秩序度>0)が発現する。このように、本実施の形態にかかる表示素子80も含め、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子は、表示素子Hを例に挙げて図示したように、電界無印加時には屈折率楕円体3aの形が等方的(nx=ny=nz)であり、電界印加によって屈折率楕円体3aの形に異方性(下界面(すなわち、図6(b)においては下側の基板1との界面)付近:nx>ny、上界面(すなわち、図6(b)においては上側の基板2との界面)付近:ny>nx)が例えばこのように発現する。つまり、本実施の形態にかかる表示素子80では、電界印加によって屈折率楕円体3aの形状、大きさが変化する。ここで、上記nx,ny,nzは、それぞれ、基板面に平行な方向(基板面内方向)でかつ両櫛形電極4・5の対向方向の主屈折率、基板面に平行な方向(基板面内方向)でかつ両櫛形電極4・5の対向方向に垂直な方向の主屈折率、基板面に垂直な方向(基板法線方向)の主屈折率を表している。
また、図24は、本実施の形態にかかる表示素子80における電界印加時の上記媒質Aの一分子(分子8)の屈折率楕円体3aの形状を示す模式図である。このように、上記屈折率楕円体3aの形状は、原点を通り、光波の進行方向に垂直な面を切り口とする、屈折率楕円体(楕円)の切り口の形状にて示され、前記したように、楕円の主軸方向が光波の偏光の成分方向であり、主軸の長さの半分がその方向の屈折率に相当する。
本実施の形態かかる上記媒質Aは、上記したように電界無印加時に光学的等方性(等方相)を示し、電界を印加することによって光学的異方性を発現させる。このため、電界無印加時における屈折率楕円体3aの形状は球状、すなわち、光学的に等方であり、電界を印加することによって異方性が発現するようになっている。
そこで、図24に示すように電界方向に垂直な方向の屈折率によって示される、光学的異方性の発現による、電界印加時の楕円の主軸方向(すなわち、光波の偏光の成分方向)の屈折率、つまり、上記分子8の屈折率楕円体3aの長軸方向における屈折率(異常光屈折率)をne、上記屈折率楕円体3aの主軸方向に垂直な方向の屈折率、つまり、上記屈折率楕円体3aの短軸方向における屈折率(常光屈折率)をnoとすると、上記屈折率異方性(Δn)(複屈折変化)は、Δn=ne−noで表される。
すなわち、本発明において、上記屈折率異方性(Δn)は、Δn=ne−no(ne:異常光屈折率、no:常光屈折率)で示される複屈折変化を示し、本発明は、上記neおよびnoが変化するのに対し、従来の液晶表示装置は、上記neおよびnoは変化しない。
また、上記電界印加時の屈折率楕円体3aの長軸方向は、電界方向に対して平行(誘電異方性が正の媒質の場合)、または、垂直(誘電異方性が負の媒質を用いる場合)となる。
これに対して、従来の液晶表示素子では、電界印加によって屈折率楕円体の長軸方向を回転させて表示を行うので、屈折率楕円体の長軸方向は、電界方向に対して常に平行または垂直になるとは限らない。
このように、本実施の形態にかかる表示素子80は、光学的異方性の方向は一定(電界印加方向は変化しない)で例えば可視光波長以上のスケールでの配向秩序度を変調させることによって表示を行うものであり、媒質Aそのものの光学的異方性(例えば可視光波長以上のスケールにおける配向秩序)の程度を変化させている。したがって、従来の液晶表示素子とは表示原理が大きく異なっている。
なお、上記媒質層3に封入される媒質Aは、電界の印加によって、光学的異方性の程度が変化するものであればよく、電界印加時または電界無印加時には光学的に概ね等方(可視光以上のスケールでの配向秩序度≒0)であり、電界印加により光学変調を誘起(つまり、電界印加により光学的異方性を示す)される媒質であってもよい。また、上記媒質Aは、電界印加に伴い、分子8、または分子集合体(クラスタ)の可視光以上のスケールでの配向秩序度が上昇(光学変調が既に誘起されている状態(可視光以上のスケールでの配向秩序度>0)から、可視光以上のスケールでの分子8の配向秩序度がさらに上昇)する物質(媒質)であってもよい。また、上記媒質Aは、電界印加に伴い、電界印加前と比較して、可視光以上のスケールでの分子8の配向秩序度(光学的異方性の程度)が低下する媒質であってもよく、例えば、電界印加により光学的異方性を示す状態(可視光以上のスケールでの配向秩序度>0)から光学的等方性を示す状態(可視光以上のスケールでの配向秩序度≒0)に変化する媒質であってもよい。
本発明において、電界の印加により媒質Aの光学的異方性の程度が変化するとは、前記したように、電界の印加に伴って屈折率楕円体3aの形状が変化することを示し、上記したように電界無印加時に光学的等方性を示し、電界を印加することによって光学的異方性の程度が変化する場合、つまり、電界を印加することによって光学的異方性が発現する場合、屈折率楕円体3aの形状は、電界の印加により、球状から楕円に変化する。また、上記媒質Aが電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示す場合、屈折率楕円体3aの形状は、電界の印加により、楕円から球状に変化する。また、上記媒質Aが、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界を印加することによって、電界印加前と比較して光学的異方性の程度が大きくなるか、あるいは、小さくなる場合、屈折率楕円体3aの長軸方向あるいは短軸方向の長さが電界の印加により伸縮し、電界印加前後で長軸および短軸の割合が変化する(この結果、例えば曲率が変化する)ことで、例えば、電界印加後に光学的異方性の程度がより大きくなる場合、電界印加により、電界印加前(電界無印加時)よりも短軸方向の長さに対する長軸方向の長さの比率がより大きな楕円となる。また、電界印加後に光学的異方性の程度がより小さくなる場合、電界印加により、電界印加前(電界無印加時)よりも短軸方向の長さに対する長軸方向の長さの比率がより小さな楕円(つまり、上記比率が1に近づく(ほぼ球状も含む))となる。
本実施の形態にかかる表示素子80並びに前記表示素子Hも含め、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子は、図4(a)に示すように、櫛形電極4・5に電界(電圧)を印加していない状態では、基板1・2間に封入される媒質Aが等方相を示し、光学的にも等方となるので、黒表示になる。
一方、図4(b)に示すように、櫛形電極4・5に電界(電圧)を印加すると、上記媒質Aの各分子8が、その長軸方向が上記櫛形電極4・5間に形成される電界に沿うように配向されるので、複屈折現象が発現する。この複屈折現象により、図5に示すように、櫛形電極4・5間の電圧に応じて表示素子80の透過率を変調することができる。
なお、相転移温度(転移点)から十分遠い温度においては表示素子80の透過率を変調させるために必要な電圧は大きくなるが、転移点のすぐ直上の温度では0〜100V前後の電圧で、十分に透過率を変調させることが可能になる。
例えば、非特許文献9および前記非特許文献12によれば、電界方向の屈折率と、電界方向に垂直な方向の屈折率とを、それぞれn//、n⊥とすると、複屈折変化(Δn=n//−n⊥)と、外部電界、すなわち電界E(V/m)との関係は、下記関係式(3)
Δn=λ・B・E …(3)
で表される。なお、λは真空中での入射光の波長(m)、Bはカー定数(m/V)、Eは印加電界強度(V/m)である。
カー定数Bは、温度(T)の上昇とともに1/(T−Tni)に比例する関数で減少することが知られており、転移点(Tni)近傍では弱い電界強度で駆動できていたとしても、温度(T)が上昇するとともに急激に必要な電界強度が増大する。このため、転移点から十分遠い温度(転移点よりも十分に高い温度)では透過率を変調させるために必要な電圧が大きくなるが、相転移直上の温度では、約100V以下の電圧で、透過率を十分に変調させることができる。
なお、上記櫛形電極4・5としてITOを使用し、該櫛形電極4・5の線幅5μm、電極間距離5μm、電極厚み3μm、基板間距離(基板1・2間の距離、すなわち媒質層3の層厚)を10μmとし、媒質Aとして5CBを使用した図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hにおいては、約100V印加において、最大透過率を得ることができた。
上記媒質層3は、電界印加方向に配向秩序度が上昇することにより光学的異方性が発現し、透過率が変化するシャッタ型の表示素子として機能し得る。したがって、互いに直交する偏光板吸収軸方向に対して、その異方性方向は45度の角度をなす時に最大透過率を与える。なお、媒質Aの光学的異方性が発現する方位が、偏光板吸収軸にそれぞれ±θ(度)の角度に存在するとしたときの透過率(P)は、下記関係式(4)
P(%)=Sin(2θ) …(4)
より見積もられ、上記θが45度の時の透過率を100%とすれば、ほぼ90%以上であれば人間の目には最大輝度を有していると感じられることから、上記θは、35度≦θ≦55度の範囲内であれば、人間の目には、ほぼ最大輝度もしくは最大輝度に近い輝度を有していると感じられ、好適には35度<θ<55度の範囲内、最も好適には45度であれば、人間の目には最大輝度を有していると感じられる。
そこで、本実施の形態にかかる表示素子80は、図2に示すように、両基板1・2にそれぞれ設けられた偏光板6・7は、互いの吸収軸6a・7a、つまり、偏光板吸収軸方向が直交するように形成されており、各偏光板6・7における吸収軸6a・7aと櫛形電極4・5における櫛歯部分4a・5aの電極伸長方向とが約45度の角度をなすように形成することで、各偏光板6・7における吸収軸6a・7aが、櫛形電極4・5の電界印加方向に対して約45度の角度をなすように形成するものとし、比較のために、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hにおいても同様に設定することで、絶縁層21の有無を除けば、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hの設定条件を、本実施の形態にかかる表示素子80の設定条件と一致させて測定を行った。
この結果、図1に示す表示素子80においては、上記図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hに対して、基板1と櫛形電極4・5との間に、厚さ3.2μmの絶縁層21を設けたことで、最大透過率を得られる電圧が71Vになり、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hよりも、より一層、駆動電圧を削減することができた。
この原因を以下に考察する。
前記したように、複屈折率Δn(Δn=n//−n⊥)が印加電界の2乗に比例する現象(典型的にはカー効果)は、下記関係式(5)
Δn=C・E=C・(V/ds) …(5)
で表される。なお、Eは印加電界(V/m)、Vは印加電圧(V)、dsは電極間距離(m)、Cは定数(m/V)であり、Cは典型的には、前記したようにλ・B(λは真空中での入射光の波長(m)、Bはカー定数(m/V))で示される。
また、前記したように、光源から、偏光板6を通って偏波面が電界方向に45度傾いた直線偏光を上記媒質層3に入射させる場合、電界方向とそれに垂直な方向の偏光成分との間に生じる位相差δは、下記関係式(6)
δ=2π・deff・Δn/λ ・・・(6)
で表される。なお、deffは、図3(b)に示すように、電界印加により媒質層3において応答している領域の見掛け上の厚さ(実効厚み)を示す。
このため、媒質層3を透過した光は上記関係式(6)に応じた楕円偏光となる。このため、その一部は偏光板7を透過できるようになり、楕円偏光の一部は、直線偏光となって偏光板7を透過する。このときの透過率(P)は下記関係式(7)
=sin(δ/2) ・・・(7)
で表される。
よって、最大透過率は、上記関係式(6)および関係式(7)より、下記関係式(8)
deff・Δn=λ/2 …(8)
を満足するときに与えられることが判る。
ここで、図3(b)に示す表示素子Hの実効厚み(deff(0))を、deff(0)=ωとし、基板間距離(基板1・2間の距離、すなわち媒質層3の層厚)を1μm〜10μmの範囲で変化させて調べると、最大透過率を得られる電圧は、基板間距離が1μmのときが最大であり、基板間距離の増加と共に減少する傾向が見られた。そして、この減少傾向は、基板間距離が3μm程度で飽和することが判った。このことから、ωの値は約3μmであると考えられる。言い換えると、櫛形電極4・5の表面から3μmを超える領域は電極(櫛形電極4・5)から遠過ぎて、光学応答への寄与が小さいということである。但し、この値は電極間距離にも依存する。
従って、櫛形電極4・5間に、該櫛形電極4・5の電極厚みも含めて3.5μmの凹部9を形成した図1に示す表示素子80の実効厚み(deff(1))は、ほぼdeff(1)=2ωであると考えられる。すなわち、図1に示す表示素子80は、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hに対して、実効厚みが2倍に増加していると考えられる。
よって、上記関係式(8)より、図1に示す表示素子80における最大透過率を得るための複屈折Δnは、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hの半分でよいことになる。つまり、前記関係式(5)から、図1に示す表示素子80は、電界Eおよび電圧Vが、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hの1/√2倍で、最大透過率を得ることができることがわかる。
このため、図1に示す表示素子80によれば、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hの駆動電圧100Vを、100V×(1/√2)≒71Vというように削減することができたと考えられる。
なお、deffとは、実際の凹部9の深さではなく、実効的に応答している媒質層3の厚みを意味するパラメータであり、前記した条件の場合、実効的に応答している厚み(ω)が3μm程度であることから、上記凹部9としては、上記櫛形電極4・5(少なくとも櫛歯部分4a・5a)よりも下方に窪んでさえいれば特に限定されるものではなく、3μm以上であってもよいが、凹部9が3μm以上であっても、実効的に応答している厚みは3μmとなる。
さらに、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hにおいて、最も電界強度の強い領域は、図10に斜線(二点鎖線にて示す領域)にて示すように、櫛形電極4(櫛歯部分4a)と櫛形電極5(櫛歯部分5a)との間の領域、つまり、櫛形電極4・5と基板1とで囲まれる領域(以下、最大電界領域31と記す)である。
基板1界面には媒質Aを構成する分子(分子8)が吸着しているが、本実施の形態にかかる表示素子80も含め、電界の印加による光学的異方性の程度の変化を利用して表示を行う表示素子は、理想的には、上記媒質Aを構成する分子(分子8)が光学的等方状態を保った状態で基板1界面に吸着した状態が望ましい。
しかしながら、電界強度が強い場合は吸着した分子が数分から数十分といった長い時間をかけて、電界方向に配向して光学的異方性を発現してしまう。また、一度特定の方位に吸着してしまった分子は、基板1界面との相互作用が強く、容易には光学的等方状態に戻らない。よって、電界強度が強い状態(例えば白)から、他の状態(中間調や黒)へ変化させたときに焼付け残像が発生してしまう。また、全体的に焼き付いた状態になれば、コントラストを低下させることにもなる。
一度特定の方位に吸着してしまった分子(分子8)を元の光学的等方状態に戻すためには、表示素子の温度を上げて媒質Aを物理的等方状態(液体)にする必要があり、容易ではない。また、このように媒質Aを物理的等方状態(液体)にすることは、コスト上昇や消費電力の上昇に繋がるのみならず、例えば媒質Aに、本実施の形態のように5CB等の液晶性物質を使用する場合、液晶相−等方相転移温度以上の温度で電界(電圧)印加を行うことにより透過率を変化させる液晶性物質等を使用した場合、液体状態中は表示できなくなる等の理由から、表示中に液体状態にはできない。
これに対し、本実施の形態にかかる表示素子80によれば、上述した問題は生じない。本実施の形態にかかる表示素子80によれば、前記したように当該表示素子80の駆動電圧を下げる(電界強度を下げる)作用があるために、上述の残像発生を抑制する効果がある。加えて、本実施の形態にかかる表示素子80は、図11において斜線(二点鎖線にて示す領域)で示すように、最大電界領域32が、基板1界面から離間した状態を実現している。このため、上述の残像問題を抑制することができたと考えられる。
なお、このような効果は、媒質層3の代わりに液晶層を使用して該液晶層に横向きの電界を印加する従来の液晶表示装置の一種であるIPSモードでは奏し得ない。
図12(a)〜図12(c)は、それぞれ、本発明(電極構造)をIPSモードに適用した場合の液晶表示素子の要部の概略構成を示す断面図である。また、図13は、図12(a)〜図12(c)に示す液晶表示素子における基板のラビング方向を示す平面図である。
図12(a)は、図6(g)および図6(h)に示すIPSモードを用いた液晶表示素子に本実施の形態にかかる表示素子80における絶縁層21と同様の絶縁層304を設けた場合における上記液晶表示素子の要部の概略構成を示す断面図であり、該液晶表示素子は、図12(a)に示すように、同一の基板301上に、絶縁層304を介して、電極302・303が対向配置された構成を有し、上記基板301と対向配置された基板305との間に挟持された液晶層306に、上記電極302・303により電界(電圧)が印加されることで、図12(b)に示すように上記液晶層306における液晶分子307の配向方向を変化させ、電界無印加時と電界印加時とで、異なる表示状態を実現することができるようになっている。
IPSモードを用いた液晶表示素子の場合、図13に示すように、上記電極302・303が形成された基板301表面に予め塗布しておいた図示しない水平配向膜に、矢印にて示すように、基板301に対して斜め方向にラビング処理が施される。この場合、液晶分子307は、図12(b)に示すように、基板301の法線方向において、その長軸が、基板301に平行になるように配向することが理想であるが、上記絶縁層304が設けられていることで、図12(c)に示すように、電極302・303の側面302a・303a並びに基板301表面において上記電極302・303の影となる領域301a…が配向不良のため、理想的な配向をせず、黒表示時に光漏れが発生し、大きくコントラストを低下させてしまう。
このような配向不良の原因としては、領域301aの場合、電極302・303の凹凸により、ラビングされない(ラビングの布の毛があたらない)ことが挙げられる。また、電極302・303の側面302a・303aの場合、該側面302a・303aは、他の領域と異なる垂直配向膜(つまり、素子壁面に対して液晶分子307が立った状態)にすべきだが、部分的に配向膜を変更することは容易ではなく、水平配向膜をそのまま用いると配向不良になることが挙げられる。
すなわち、本発明をIPSモードに適用した場合は、コントラストの低下という問題が発生する一方、本実施の形態に記載の表示素子80によれば、焼き付き残像およびコントラスト低下の抑制効果という、IPSモードにない効果を発揮することができる。
しかも、本実施の形態にかかる表示素子80は、液晶表示装置と異なり、光学的に等方性を示す媒質Aを用いるために、基板1界面の配向処理を必要としない。これによって、コスト削減や、配向処理不良による良品率低下や表示不良(コントラスト低下や表示ざらつき感)が発生しないというメリットを有している。
なお、本実施の形態では、本実施の形態にかかる表示素子80として、主に、透過型の表示素子を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記表示素子80としては、反射型の表示素子としてもよい。
図14に、本実施の形態にかかる表示素子80として、本発明を適用した、本実施の形態にかかる反射型の表示素子の概略構成の一例を示す。
上記反射型の表示素子80は、画素基板11が、例えば、ガラス基板等からなる一方の基板1上に反射層41を設けると共に、該反射層41上に、必要に応じて絶縁層42を介して、例えばITO等の櫛形電極4・5が設けられている構成を有している。なお、その他の構成については、前記した通りである。上記絶縁層42としては、アクリル系樹脂等の有機膜;窒化ケイ素、酸化ケイ素等の無機膜;を適用することができる。また、上記反射層41としては、アルミニウムや銀の薄膜等を適用することができる。上記の構成においては、反射層41がガラス基板等の透明基板からなる他方の基板2から入射してきた光を反射することができるため、反射型の表示素子として機能する。
なお、本実施の形態にかかる表示素子80を反射型の表示素子として使用する場合、上記櫛形電極4・5としては、透過型の表示素子として用いる場合のようにITO等の透明電極材料以外にも、アルミニウム等の金属電極材料等、電極材料として従来公知の各種材料を用いることができる。また、櫛形電極4・5の線幅や電極間距離(電極間隔)等も特に限定されるものではなく、例えば、基板1と基板2との間のギャップ等に応じて任意に設定することができる。
さらに、本実施の形態では、上記基板1・2として、ガラス基板を用いた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基板1・2のうち、少なくとも一方が透明な基板であればよく、例えば従来公知の各種基板を使用することができる。
なお、上記基板1・2としては、従来基板として用いられているものに限定されるものではなく、例えばフィルム状であってもよく、また、可撓性を有するものであってもよく、少なくとも一方が透明であり、上記媒質Aを基板間(媒質保持手段内)、つまり、内部に保持(挟持)することができるものであれば、媒質Aの種類や相の状態等に応じて、様々な材料を使用することができる。
また、本実施の形態では、具体例として、媒質Aとして電界無印加時に光学的には等方であり、電界印加により光学的異方性が発現する物質を使用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記媒質Aが電界印加により光学的異方性が消失し、光学的に等方性を示す物質であってもよいことは、前述した通りである。
以下に、上記媒質Aとして電界印加により光学的異方性が消失し、光学的に等方性を示す物質を用いた具体例を示す。
本具体例においては、ガラス基板からなる透明な2枚の基板1・2のうち一方の基板1における基板2との対向面に、ITOからなる透明な櫛形電極4・5と、ポリイミドからなる配向膜とを形成すると共に、両基板1・2間に、媒質Aとして、透明な誘電性物質である4’−n−アルコキシ−3’−ニトロビフェニル−4−カルボン酸(ANBC−22)を封入した。また、上記表示素子80における媒質層3の厚みは、上記基板1・2の対向面に予めプラスチックビーズを散布しておくことにより、4μmになるように調整した。
なお、偏光板6・7は、前記したように、互いの吸収軸6a・7aが直交するとともに、各偏光板6・7における吸収軸6a・7aと櫛形電極4・5における櫛歯部分4a・5aの電極伸長方向とが45度の角度をなすように、それぞれ基板1・2の外側(対向面の反対側)に設けた。
このようにして得られた表示素子80を、外部加温装置(加熱手段)により、スメクチックC相−キュービック相の相転移近傍の温度(相相転移温度の低温側10K程度まで)に保ち、電圧印加を行ったところ、透過率を変化させることができた。すなわち、電界無印加時に光学的異方性を示すスメクチックC相(明状態)に、電界を印加することにより、等方的なキュービック相(暗状態)に変化させることができた。
なお、上記具体例では、各偏光板6・7の吸収軸6a・7aと櫛形電極4・5とがなす角度は45度としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、45度に限らず、0〜90度のあらゆる角度で表示を行うことができた。なぜなら、明状態は電界無印加時で実現しており、配向処理方向(ラビング方向)と偏向板吸収軸方向の関係だけで達成できる。また、暗状態は電界印加による媒質Aの光学的等方相への電界誘起相転移で実現しているために、各偏向板吸収軸が互いに直交してさえいればよく、櫛形電極方向との関係によらない。
したがって、上記具体例では、上記配向処理は必ずしも必要ではなく、アモルファス配向状態(ランダム配向状態)でも表示を行うことができた。なお、両基板1・2の内側(対向面)には、ラビング処理を施したポリイミドからなる配向膜を形成した。ラビング方向はスメクチックC相において明状態となる方向が望ましく、典型的には偏向板吸収軸方向と45度の角度をなしていることが望ましい。
このように、本実施の形態にかかる表示素子80に用いられる媒質Aとしては、電界無印加時に光学的異方性を有し、電界印加により光学的異方性が消失して光学的等方性を示す媒質を用いてもよい。
また、上記媒質Aは、正の誘電異方性を有するものであっても、負の誘電異方性を有するものであってもよい。また、本実施の形態にかかる表示素子80は、必ずしも基板1・2に平行な電界を印加する必要はなく、例えば、基板1・2に対し、斜めの電界によっても駆動可能であり、基板1・2に対し、略平行(基板面内方向)な電界を印加しさえすればよい。なお、上記基板1・2に斜めの電界を印加する場合には、電極の形状、配置位置等を適宜変更すればよい。
また、本実施の形態では、櫛形電極4・5を、凸状、具体的には、上記櫛形電極4・5と同じ櫛形状に形成された絶縁層21上に積層することで、上記櫛形電極4・5間に凹部9が設けられた構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記基板1の表面に凹凸を形成することで、上記櫛形電極4・5間に凹部が形成されている構成としても構わない。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について図15および図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、主に、前記実施の形態1との相違点について説明するものとし、前記実施の形態1で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
前記実施の形態1では、櫛形電極4・5が、一対の基板1・2のうち一方の基板1上に、上記櫛形電極4・5と同じ櫛形状に形成(パターニング)された絶縁層21を介して積層されている場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態では、櫛形電極4・5が、絶縁層21を間に介して複数層積層された積層構造を有している場合を例に挙げて以下に説明するものとする。
すなわち、本実施の形態にかかる表示素子80は、一対の基板1・2のうち、一方の基板1上に、櫛形電極4・5と絶縁層21とが交互に積層されてなる積層構造を有する電極部(電界印加手段)が設けられている構造を有している。
図15は、本実施の形態にかかる表示素子80の要部の概略構成を示す断面図である。また、図16は、本実施の形態にかかる他の表示素子80の要部の概略構成を示す断面図である。
図15および図16に示す表示素子80は、櫛形電極4・5が、凸状、具体的には、上記櫛形電極4・5と同じ櫛形状に形成された絶縁層21を間に介して複数積層された積層構造を有していることを除けば、前記実施の形態1に示す表示素子80と同様の構成を有している。
すなわち、図15に示す表示素子80における画素基板11は、1層目の櫛形電極4・5(第1の電極)を4A・5Aとし、以下、r(rは任意の整数)層目の櫛形電極4・5(第rの電極)を4A・5Aとすると、基板1側から順に、基板1/櫛形電極4A・5A(第1の電極)/絶縁層21(樹脂)/櫛形電極4A・5A(第2の電極)からなる積層構造を有している。
一方、図16に示す画素基板11は、図15同様、1層目の櫛形電極4・5(第1の電極)を4A・5A、以下、r(rは任意の整数)層目の櫛形電極4・5(第rの電極)を4A・5Aとし、1層目の絶縁層21(第1の絶縁層)を21A、以下、r(rは任意の整数)層目の絶縁層21(第rの絶縁層)を21Aとすると、基板1側から順に、基板1/櫛形電極4A・5A(第1の電極)/絶縁層21A(第1の絶縁層、樹脂)/櫛形電極4A・5A(第2の電極)/絶縁層21A(第2の絶縁層、樹脂)/櫛形電極4A・5A(第3の電極)からなる積層構造を有している。
このため、上記櫛形電極4A・5A,4A・5Aは、上記絶縁層21A,…,21Aにより、上記基板1とは離間して設けられた構成を有していると共に、これら櫛形電極4A・5A,4A・5A間に、これら櫛形電極4A・5A,4A・5Aよりも下方(つまり基板1側)に窪んだ凹部が設けられている構成を有している。すなわち、上記表示素子80は、櫛形電極4・5が、絶縁層21を間に介して複数層積層されていると共に、少なくとも一対の櫛形電極4・5間に、該櫛形電極4・5よりも下方に窪んだ凹部が形成されている構成を有している。
上記した積層構造もまた、例えば、スパッタリング、フォトリソグラフィー、エッチング等の従来公知の種々の手法により得ることができる。
図15および図16に示す表示素子80の実効厚みは、実施の形態1と同様に考察すれば、各々、図15に示す表示素子80の場合、deff(2)=3ω、図16に示す表示素子80の場合、deff(3)=5ωであり、それぞれ、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hの駆動電圧100Vを、100V×(1/√3)≒58V、100V×(1/√5)≒45Vというように、1/√3倍もしくは1/√5倍の駆動電圧にまで電圧を削減することができるという効果を発揮することができる。この結果、図15および図16に示す表示素子80において最大透過率が得られる電圧は各々、58V、45Vであり、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hを用いた場合(100V)に対して大きな削減効果が得られた。
なお、本実施の形態では、基板1上に、直接、櫛形電極4A・5A(第1の電極)が設けられた構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、基板1上に、前記実施の形態1に示したように、絶縁層21、つまり、第1の絶縁層となる絶縁層21A(樹脂)が設けられ、該絶縁層21A上に、櫛形電極4A・5A(第1の電極)が設けられた構成としてもよく、以下、この順に、櫛形電極4・5と絶縁層21とが交互に積層された構成としてもよい。
また、本実施の形態においても、上記基板1の表面に凹凸を形成することで、上記櫛形電極4A・5A(第1の電極)間に凹部が形成されている構成とすることもできる。
さらに、本実施の形態に示す表示素子80においても、櫛形電極4A,…,4Aおよびこれら櫛形電極4A,…,4Aに各々対向する櫛形電極5A,…,5Aにおける最大電界領域は、基板1界面から離間した状態を実現しており、本実施の形態にかかる表示素子80は何れも電圧削減効果を奏するため、本実施の形態にかかる表示素子80もまた、前記実施の形態1同様、焼付け残像の発生を抑制する効果があり、コントラストの低下を抑制、防止することができる。
〔実施の形態3〕
本発明の実施のさらに他の形態について図17〜図19に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、主に、前記実施の形態1および2との相違点について説明するものとし、前記実施の形態1および2で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図17〜図19は、各々、本実施の形態にかかる表示素子の要部の概略構成の一例を示す断面図である。
前記実施の形態1・2では、櫛形電極4・5が、一対の基板1・2のうち一方の基板1上に、上記櫛形電極4・5と同じ櫛形状に形成(パターニング)された絶縁層21を介して積層される場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態では、櫛形電極4・5の厚みそのものを増すことで実効厚みを増加させ、駆動電圧の削減を行う場合について以下に説明するものとする。
本実施の形態にかかる表示素子80は、図3(a)および図3(b)に示す表示素子において、櫛形電極4・5の基板法線方向の表面積、具体的には、櫛形電極4・5における互いの対向面の面積を、図3(a)および図3(b)に示す表示素子Hよりも増加させた構成を有している。
このような電極構造は、例えば、上記櫛形電極4・5を形成する際のスパッタ時間を長くしたり、めっきや導電ペースト、導電樹脂等を用いて上記櫛形電極4・5を形成したりすることで形成することができる。
図17に示す表示素子80における電極構造は、櫛形電極4・5そのものの厚みを増加(厚膜化)させた構成であり、図17に示す電極構造は、電極形成の際のスパッタ時間を長くすることで容易に形成することができる。
また、図18および図19に示す表示素子80における電極構造は、基板1上に、例えば前記した絶縁性材料からなる絶縁層51・52を、パターニングにより、凸状、例えば前記実施の形態1に示す櫛形電極4・5と同様の櫛形状に形成した後、該絶縁層51・52を、前記した電極材料で被覆することにより得ることができる。
すなわち、図18および図19に示す表示素子80における櫛形電極4は、各々、絶縁層51と電極層53とからなり、上記電極層53が、上記櫛形電極4・5における少なくとも互いの対向面、つまり、上記絶縁層51の少なくとも側面に設けられている構成を有している。より具体的には、図18に示す表示素子80は、上記電極層53が、上記絶縁層51の側面にのみ設けられている構成を有し、図19に示す表示素子80は、上記電極層53が、上記絶縁層51の表面全体を覆うように設けられている構成を有している。
同様に、図18および図19に示す表示素子80における櫛形電極5は、各々、絶縁層52と電極層54とからなり、上記電極層54が、上記櫛形電極4・5における少なくとも互いの対向面、つまり、上記絶縁層52の少なくとも側面(斜面であってもよい)に設けられている構成を有している。より具体的には、図19に示す表示素子80は、上記電極層54が、上記絶縁層52の側面(斜面であってもよい)にのみ設けられている構成を有し、図18に示す表示素子80は、上記電極層54が、上記絶縁層52の表面全体を覆うように設けられている構成を有している。
本実施の形態では、図17〜図19の何れの表示素子においても、櫛形電極4・5の電極厚み、つまり、上記各櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さ(長さ)が2μmになるように形成した。具体的には、図17に示す表示素子80においては、電極材料を、2μmの厚さとなるように積層した。また、図18に示す表示素子80においては、1.7μmの絶縁層51・52の表面全面を、0.3μmの電極層53・54で被覆した。図19に示す表示素子80においては、絶縁層51・52を2μmの厚みとなるように形成し、その後、上記絶縁層51・52の側面にのみ上記電極層53・54が形成されるように、めっきもしくはフォトリソグラフィー等の公知の手法を用いて、上記絶縁層51・52と同じ高さの電極層53・54を形成した。上記図17〜図19に示すそれぞれの構造において、最大透過率が得られる電圧は同じ(約70V)であり、電圧削減効果は、絶縁層21を3.2μmの厚みで設けた前記実施の形態1とほぼ同じであった。
これは、前記実施の形態1に示す構造では、櫛形電極4・5(電極層)が薄平板(0.3μm)であるため、基板法線方向の電界強度に着目すれば、櫛形電極4・5間の中心点(電極間中心点)からの電極からの距離が長くなるにしたがって電界強度は減少するが、本実施の形態によれば、電極厚みが増加しているため、電極間中心点からの法線方向の電界強度の減少割合が、少なくとも電極厚み程度には前記実施の形態1よりも小さくて済むためであると考えられる。
言い換えると、前記実施の形態1に記載の表示素子80では、櫛形電極4・5により媒質層3に平行な電界が印加される領域が殆ど無いのに対し、本実施の形態に記載の表示素子80によれば、少なくとも電極厚み程度の領域は平行な電界が印加され、電界の低下はない。このため、本実施の形態では、上記電極部(電極構造)の高さを2μmの高さにするだけで、前記実施の形態1と同じ効果が得られたものと考えられる。
なお、図17〜図19に示す表示素子80において、上記櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さは、0.5μm以上の高さにすれば、従来一般的に用いられてきたスパッタ法により形成された電極の典型的な厚み0.1μmに対して、駆動電圧削減効果が顕著に確認できる。
なお、上記櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さは、望ましくは1μm以上であり、この場合、10%以上の電圧削減効果を得ることができた。
上記櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さは、上記効果を得る上で、高ければ高いほど好ましく、基板1・2間のギャップの範囲内であれば、任意に設定することができるが、その上限は、媒質A、すなわち、表示媒質の封入プロセスの観点から、基板1・2間のギャップより1μm以上低い値であることが望ましく、2μm以上低い値であることがより望ましい。上記櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さが高過ぎると、上記櫛形電極4・5(電極層53・54)と基板(本実施の形態においては基板2(すなわち、対向基板12))との間の隙間が少なくなり過ぎ、表示媒質(媒質A)を基板1・2間(つまり、画素基板11・対向基板12間)に封入するプロセス(典型的には真空封入プロセスや滴下封入プロセス)を困難にしてしまうおそれがある。典型的には、基板1・2間のギャップに、表示媒質を封入できない領域が残ってしまい、表示不良となるおそれがある。上記櫛形電極4・5(電極層53・54)と基板2(対向基板12)との間の隙間は1μm以上あれば、表示媒質を基板1・2間のギャップ全域に注入することは可能であるが、注入に時間を要するため、信頼性・生産性の観点からは、上記隙間が2μm以上あることがより望ましい。注入に時間がかかり過ぎると、封入前の表示媒質が劣化する弊害が生じるおそれがある。但し、基板1・2を貼り合わせる前に、一方の基板に表示媒質を均一に塗布するプロセスを適用した場合は、前記問題を考慮する必要が無いため、櫛形電極4・5(電極層53・54)の基板法線方向の高さは、基板1・2間(画素基板11・対向基板12間)のギャップと同じ場合が最適値になる。
なお、図17〜図19に示す表示素子80においても、最も電界強度の強い領域は、図20に斜線(二点鎖線にて示す領域)にて示すように、櫛形電極4(櫛歯部分4a)および櫛形電極5(櫛歯部分5a)における基板法線方向中心間の領域(以下、最大電界領域33と記す)であり、該最大電界領域32は、基板1界面から離間した状態を実現している。このため、本実施の形態にかかる表示素子80においても、前記実施の形態1、2同様、焼付け残像の発生を抑制する効果があり、コントラストの低下を抑制、防止することができる。
なお、図20では、図17に示す表示素子80の電極構造を例に挙げて図示したが、上記した効果は、本実施の形態にて示す他のあらゆる構造において共通に有する。
なお、本実施の形態において、図18に示す表示素子80と図19に示す表示素子80の構造の違いは、絶縁層51・52上面の電極層53・54の有無にあるが、図19に示すように同一の絶縁層51または絶縁層52の左右(側面)に位置する電極層53a・53b同士もしくは電極層54a・54b同士が非導通である場合、つまり、同一の絶縁層51または絶縁層52を介して互いに対向して設けられた電極層53a・53b同士もしくは電極層54a・54b同士が非導通である場合、電極層53a・54aは信号電極、電極層53b・54bは対向電極というように使い分けることが可能になり、例えば、アクティブマトリクス駆動で必要になる補助容量を、樹脂層である上記絶縁層51・52により形成することが可能になる。
〔実施の形態4〕
本発明の実施のさらに他の形態について図21(a)および図21(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、主に、前記実施の形態1〜3との相違点について説明するものとし、前記実施の形態1〜3で用いた構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
図21(a)は、図1に示す表示素子80において櫛形電極4・5および絶縁層21を透光性物質で形成した場合の透過光路を示す上記表示素子80の要部断面図であり、図21(b)は、図1に示す表示素子80において櫛形電極4・5および絶縁層21を非透光性物質で形成した場合の透過光路を示す上記表示素子80の要部断面図である。
図21(b)に示すように、櫛形電極4・5および絶縁層21、特に絶縁層21を、非透光性物質で形成した場合、図21(a)に示すように櫛形電極4・5および絶縁層21を透光性物質で形成した場合と比較して透過光量が減少することが判る。
図21(a)および図21(b)から判るように、上記絶縁層21を透光性物質(好適には透明材料)で形成すれば、図21(a)および図21(b)に示す光路L1〜L4のうち、光路L4が透過し、さらに櫛形電極4・5を透光性物質(好適には透明電極材料)にすれば、光路L1が透過できるようになる。これにより、斜め視角の透過光が上記絶縁層21や櫛形電極4・5で阻害されることによって斜め視角の透過光量が減少することがなく、例えば、上記表示素子80を用いたテレビやコンピュータモニタ等の視野角を拡大することができる。
なお、本実施の形態では、図1に示す表示素子において櫛形電極4・5および絶縁層21を透光性物質で形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記実施の形態1〜3に示す各種表示素子80において、一対の電極のうち少なくとも一方の電極および/または絶縁層を非透光性物質で形成することで、上記した効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、表示素子(表示素子80)の駆動電圧を、100V以下、例えば約70V、好適には60V以下、さらに好適には50V以下にまで低減することができる。
なお、上記実施の形態1〜4では、両櫛形電極4・5(信号電極と信号電極)に対して、従来とは異なる構造(実施の形態1〜4に記載の電極構造)を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の電極のうち、少なくとも何れか一方の電極に対して上記した従来とは異なる電極構造が適用されれば、駆動電圧削減効果が生じる。すなわち、本発明の本質は、実質的に電界が印加されている厚みを増強し、実効的に応答している媒質層3の厚み(実効厚み)を増加させることにあり、少なくとも一方の電極に、本発明の構造を適用すれば効果が発生し、両方の電極に本発明の構造を適用すれば効果が最大化される。
また、本発明にかかる表示素子は、電界を印加する電極間に凹み部分が形成されている構成であってもよく、少なくとも電極の一部において、電極が絶縁層を介し積層されている構成であってもよく、少なくとも電極の一部において、電極が0.5μm以上の厚みを有する構成であってもよく、少なくとも電極の一部において、絶縁膜で形成された凸部を電極が覆っている構成であってもよく、少なくとも電極の一部において、絶縁膜で形成された凸部の斜面または側面に電極が形成されている構成であってもよい。
本発明にかかる表示素子は、以上のように、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質における実質的に電界が印加されている厚みを増強し、実効的に応答している媒質層の厚み(実効厚み)を増加させるものである。
より具体的には、本発明にかかる表示素子は、少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備え、少なくとも一対の電極は、最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられている構成を有している。
本発明の表示素子によれば、このように、媒質における光学的異方性の程度の変化を用いて表示を行うので、駆動温度範囲が広く、広視野角特性および高速応答特性を備えている。このため、上記表示素子は、例えば、フィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置にも利用することもできる。
また、本発明の表示素子によれば、このように最大電界領域が上記基板界面から離間した位置に形成されることで、上記媒質の実効厚みを増加させることができ、従来よりも駆動電圧を低減させることができると共に、基板界面に吸着した分子が電界方向に配向して光学的異方性を発現し、焼付け残像が発生したり、この焼付け残像によりコントラストが低下することを抑制、防止することができる。
このような表示素子としては、例えば、少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有している構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、その基板法線方向の高さが、0.5μm以上となるように形成されている構成;少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、凸状に形成された絶縁層の少なくとも一部を覆うように形成されている構成;上記電極は、凸状に形成された絶縁層の側面に設けられていると共に、上記絶縁層の側面に、上記電極とは非導通の電極をさらに備えている構成;のうち少なくとも1つの構成を有する表示素子が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の表示素子は、広視野角特性および高速応答特性に優れた表示素子であり、例えば、テレビやモニタ等の画像表示装置(表示装置)や、ワープロやパーソナルコンピュータ等のOA機器、あるいは、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話等の情報端末等に備えられる画像表示装置(表示装置)に、広く適用することができる。また、本発明の表示素子は、上記したように、広視野角特性および高速応答特性を有し、また、従来よりも駆動電圧を低減することができるので、大画面表示や動画表示にも適している。また、本表示素子は、高速応答性を有しているので、例えばフィールドシーケンシャルカラー方式の表示装置にも好適である。
本発明の実施の一形態にかかる表示素子の要部の概略構成を示す断面図である。 上記表示素子における電極構造と偏光板吸収軸との関係を説明する図である。 (a)は電界の印加による光学的異方性の変化を利用して表示を行う表示素子における電界無印加状態の要部のを模式的に示す断面図であり、(b)は(a)に示す表示素子における電界印加状態の要部の概略構成を模式的に示す断面図である。 (a)は電界無印加状態(OFF状態)における、図3(a)・(b)に示す表示素子の媒質を模式的に示す断面図であり、(b)は電界印加状態(ON状態)における、図3(a)・(b)に示す表示素子の媒質を模式的に示す断面図である。 図3(a)・(b)に示す表示素子における印加電圧と透過率との関係を示すグラフである。 電界の印加による光学的異方性の変化を利用して表示を行う表示素子と従来の液晶表示素子との表示原理の違いを、電界無印加時および電界印加時における媒質の平均的な屈折率楕円体の形状およびその主軸方向にて模式的に示す断面図であり、(a)は電界の印加による光学的異方性の変化を利用して表示を行う表示素子の電界無印加時の断面図であり、(b)は(a)に示す表示素子の電界印加時の断面図であり、(c)はTN方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図であり、(d)は(c)に示す液晶表示素子の電界印加時の断面図であり、(e)はVA方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図であり、(f)は(e)に示す液晶表示素子の電界印加時の断面図であり、(g)はIPS方式の液晶表示素子の電界無印加時の断面図であり、(h)は(g)に示す液晶表示素子の電界印加時の断面図である。 液晶マイクロエマルションの逆ミセル相混合系の一例を示す模式図である。 液晶マイクロエマルションの逆ミセル相混合系の他の例を示す模式図である。 リオトロピック液晶相の分類図である。 図3(a)・(b)に示す表示素子の最大電界領域を示す断面図である。 図1に示す表示素子の最大電界領域を示す断面図である。 (a)は、図6(g)・(h)に示すIPSモードを用いた液晶表示素子に、図1に示す絶縁層と同様の絶縁層を設けた場合における上記液晶表示素子の要部の概略構成を示す断面図であり、(b)は、(a)に示す液晶表示素子における電界印加時の液晶分子の理想的な配向状態を模式的に示す上記液晶表示素子の要部の概略構成を示す断面図であり、(c)は、(a)に示す液晶表示素子における配向不良の領域を示す上記液晶表示素子の要部の概略構成を示す断面図である。 図12(a)〜(c)に示す表示素子における基板のラビング方向を示す平面図である。 本発明の実施の一形態にかかる反射型の表示素子の概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の他の形態にかかる表示素子の要部の概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施の他の形態にかかる表示素子の要部の概略構成の他の一例を示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態にかかる表示素子の要部の概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態にかかる表示素子の要部の概略構成の他の一例を示す断面図である。 本発明の実施のさらに他の形態にかかる表示素子の要部の概略構成のさらに他の一例を示す断面図である。 図17に示す表示素子の最大電界領域を示す断面図である。 (a)は、図1に示す表示素子において櫛形電極および絶縁層を透光性物質で形成した場合の透過光路を示す上記表示素子の要部断面図であり、(b)は、図1に示す表示素子において櫛形電極および絶縁層を非透光性物質で形成した場合の透過光路を示す上記表示素子の要部断面図である。 本発明の一実施の形態にかかる表示素子を用いる表示装置の要部の概略構成を示すブロック図である。 図22に示す表示装置に用いられる表示素子の周辺の概略構成を示す模式図である。 図1に示す表示素子における電界印加時の一分子の屈折率楕円体の形状を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 基板
3 媒質層
3a 屈折率楕円体
4 櫛形電極(電極)
4a 櫛歯部分
4A,…,4A 櫛形電極(電極)
5 櫛形電極(電極)
5a 櫛歯部分
5A,…,5A 櫛形電極(電極)
6 偏光板
6a 吸収軸
7 偏光板
7a 吸収軸
9 凹部
11 画素基板
12 対向基板
21 絶縁層
21A,…,21A 櫛形電極(電極)
32 最大電界領域
33 最大電界領域
41 反射層
42 絶縁層
51 絶縁層
52 絶縁層
53 電極層(電極)
53a 電極層(電極)
53b 電極層(電極)
54 電極層(電極)
54a 電極層(電極)
54b 電極層(電極)
60 表示装置
80 表示素子
H 表示素子

Claims (22)

  1. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、絶縁層を間に介して電極同士が複数積層された構造を有していることを特徴とする表示素子。
  2. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    上記電極は、凸状に形成された絶縁層の側面に設けられていると共に、
    上記絶縁層の側面に、上記電極とは非導通の電極をさらに備えていることを特徴とする表示素子。
  3. 上記媒質は、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界印加時に光学的異方性を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  4. 上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  5. 上記媒質は、電界印加時または電界無印加時に可視光波長未満のスケールでの配向秩序を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  6. 上記媒質が、キュービック対称性を示す秩序構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  7. 上記媒質が、キュービック相またはスメクチックD相を示す分子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  8. 上記媒質が、液晶マイクロエマルションからなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  9. 上記媒質が、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、またはキュービック相を示すリオトロピック液晶からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  10. 上記媒質が、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、またはキュービック相を示す液晶微粒子分散系からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  11. 上記媒質が、デンドリマーからなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  12. 上記媒質が、コレステリックブルー相を示す分子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  13. 上記媒質が、スメクチックブルー相を示す分子からなることを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子。
  14. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極は、最大電界領域が、上記基板界面から離間した位置に形成されるように設けられているとともに、
    上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする表示素子。
  15. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極間に、上記電極よりも下方に窪んだ凹部が形成されているとともに、
    上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする表示素子。
  16. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、上記基板上に、凸状に形成された絶縁層を介して設けられているとともに、
    上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする表示素子。
  17. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、その基板法線方向の高さが、0.5μm以上となるように形成されているとともに、
    上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする表示素子。
  18. 少なくとも一方が透明な一対の基板と、該一対の基板間に挟持され、電界の印加により光学的異方性の程度が変化する媒質と、上記基板に略平行な電界を上記媒質に印加する少なくとも一対の電極とを備えた表示素子であって、
    少なくとも一対の電極のうち、少なくとも一方の電極は、凸状に形成された絶縁層の少なくとも一部を覆うように形成されているとともに、
    上記媒質は、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界印加時に光学的等方性を示すことを特徴とする表示素子。
  19. 上記絶縁層は透光性を有していることを特徴とする請求項1、2、16、18の何れか1項に記載の表示素子。
  20. 少なくとも一対の電極のうち少なくとも一方の電極は透光性を有していることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の表示素子。
  21. 上記媒質が、4’−n−アルコキシ−3’−ニトロビフェニル−4−カルボン酸であることを特徴とする請求項4、14〜18の何れか1項に記載の表示素子。
  22. 請求項1〜20の何れか1項に記載の表示素子を備えていることを特徴とする表示装置。
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