JP2005300780A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クロストーク等の表示品位の低下を抑制でき、かつ、従来のTFT特性のまま、高電圧駆動が可能な表示装置を実現する。
【解決手段】 各表示素子において、第1のデータ信号線1には第1のTFT4を介して第1のデータ電極6が接続され、第2のデータ信号線2には第2のTFT5を介して第2のデータ電極7が接続される。第1のデータ電極6と第1のデータ信号線1との間で形成される第1の寄生容量、第1のデータ電極6と第2のデータ信号線2との間で形成される第2の寄生容量、第2のデータ電極7と第1のデータ信号線1との間で形成される第3の寄生容量、および第2のデータ電極7と第2のデータ信号線2との間で形成される第4の寄生容量の容量値が、略等しく設定され、第1のデータ信号線1と第2のデータ信号線2との電位の関係は、データ電極6,7間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位とされる。
【選択図】 図1
【解決手段】 各表示素子において、第1のデータ信号線1には第1のTFT4を介して第1のデータ電極6が接続され、第2のデータ信号線2には第2のTFT5を介して第2のデータ電極7が接続される。第1のデータ電極6と第1のデータ信号線1との間で形成される第1の寄生容量、第1のデータ電極6と第2のデータ信号線2との間で形成される第2の寄生容量、第2のデータ電極7と第1のデータ信号線1との間で形成される第3の寄生容量、および第2のデータ電極7と第2のデータ信号線2との間で形成される第4の寄生容量の容量値が、略等しく設定され、第1のデータ信号線1と第2のデータ信号線2との電位の関係は、データ電極6,7間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位とされる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、横電界方式に関して、高電圧駆動が可能であり、高速応答特性および広視野特性を備え、且つ、クロストークのない表示品位の高い表示装置に関するものである。
液晶表示素子は、各種表示素子のなかでも薄型で軽量かつ消費電力が小さいといった利点を有している。このため、テレビやモニター等の画像表示装置や、ワープロ、パーソナルコンピュータ等のOA(Office Automation)機器、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話等の情報端末などに備えられる画像表示装置に広く用いられている。
液晶表示素子の液晶表示方式としては、従来、例えば、ネマチック液晶を用いたツイステッドネマチック(TN)モ−ドや、強誘電性液晶(FLC)あるいは反強誘電性液晶(AFLC)を用いた表示モード、高分子分散型液晶表示モ−ド等が知られている。また、これら以外に、基板表面に対して水平方向の電界を液晶層に印加する横電界方式(IPS)が知られている。
これらの液晶表示方式のうち、例えば、TNモードの液晶表示素子は、従来から実用化されている。しかしながら、TNモードを用いた液晶表示素子には、応答が遅い、視野角が狭い等の欠点があり、これらの欠点は、CRT(cathode ray tube)を凌駕する上で大きな妨げとなっている。
また、FLCあるいはAFLCを用いた表示モ−ドは、応答が速く、視野角が広いといった利点を有してはいるものの、耐ショック性、温度特性等の面で大きな欠点があり、広く実用化されるまでには至っていない。
さらに、光散乱を利用する高分子分散型液晶表示モ−ドは、偏光板を必要とせず、高輝度表示が可能であるが、本質的に位相板による視角制御ができない上、応答特性の面で課題を有しており、TNモードに対する優位性は少ない。
これら表示方式は、何れも、液晶分子が一定方向に整列した状態にあり、液晶分子に対する角度によって見え方が異なるため、視角制限がある。また、これら表示方式は、何れも、電界印加による液晶分子の回転を利用するものであり、液晶分子が整列したまま揃って回転するため、応答に時間を要する。なお、FLCやAFLCを用いた表示モードの場合、応答速度や視野角の面では有利であるが、外力による非可逆的な配向破壊が問題となる。
一方、電界印加による液晶分子の回転を利用するこれらの表示方式に対して、二次の電気光学効果を利用した電子分極による表示方式が提案されている。
電気光学効果とは、物質の屈折率が外部電界によって変化する現象である。電気光学効果には、電界の一次に比例する効果と二次に比例する効果とがあり、それぞれポッケルス効果、カー効果と呼ばれている。特に、二次の電気光学効果であるカー効果は、高速の光シャッターへの応用が早くから進められており、特殊な計測機器において実用化されている。
カー効果は、1875年にJ. Kerr(カー)によって発見されたものであり、これまでに、カー効果を示す材料としては、ニトロベンゼンや二硫化炭素等の有機液体が知られている。これら材料は、例えば、前記した光シャッター、光変調素子、光偏光素子、あるいは、電力ケーブル等の高電界強度測定等に利用されている。
その後、液晶材料が大きなカー定数を有することが示され、光変調素子、光偏向素子、さらには光集積回路応用に向けての基礎検討が行われ、前記ニトロベンゼンの200倍を越えるカー定数を示す液晶化合物も報告されている。
このような状況において、カー効果の表示装置への応用が検討され始めている。カー効果は、電界の二次に比例するため、電界の一次に比例するポッケルス効果と比較して、相対的に低電圧駆動を見込むことができる上、本質的に、数マイクロ秒〜数ミリ秒の応答特性を示すため、高速応答表示装置への応用が期待される。
例えば、特許文献1には、カー効果を用いた表示装置として、少なくとも一方が透明な一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された等方相状態の有極性分子を含む媒体と、上記一対の基板のうち少なくとも一方の基板の外側に配設された偏光板と、上記媒体に電界を印加するための電界印加手段とを備えた表示装置が開示されている。。
従来の横電界方式における構成について、図16および図17を参照して以下に説明する。
横電界方式を採用する表示装置の場合、図17に示すように、2枚のガラス基板101,102の間に誘電性物質層103が挟持され、この誘電性物質層103に液晶(図示せず)が封入されている。
また、基板101における基板102との対向面には、誘電性物質層103に電界を印加するためのデータ電極104および共通電極105が互いに対向配置されている。また、データ電極104および共通電極105の間には絶縁膜106が形成されている。さらに、基板101,102における、両基板の対向面とは反対側の面には、それぞれ偏光板107,108が備えられている。そして、この表示装置は、データ電極104および共通電極105間に電圧を印加することによって形成される電界により、誘電性物質層103内の液晶の配向方向を変化させて表示を行う。
また、上記表示装置においてスイッチング素子にTFT(Thin Film Transistor)を用いたアクティブ駆動を行う場合、図16に示すように、データ電極104はTFT109のドレイン電極に、データ信号線110はTFT109のソース電極に、また、走査信号線111はTFT109のゲート電極にそれぞれ接続される。さらに、共通電極105は、共通信号線112に接続される。上記構成において、それぞれの信号線に信号を入力することによってアクティブ駆動が可能となる。
また、上記表示装置の1画素分の等価回路を示すと図18に示すようになる。すなわち、TFT109と共通信号線112との間に表示部容量120が存在する。この表示部容量120は、データ電極104と共通電極105との間に存在する容量である。さらに、TFT109とデータ信号線110との間に寄生容量(データ電極104とデータ信号線110との間に存在する容量)121が存在し、TFT109と走査信号線111との間に寄生容量(データ電極104と走査信号線111との間に存在する容量)122が存在する。
特開2001−249363号公報(公開日2001年9月14日)
特開平11−183937号公報(公開日1999年7月9日)
特公昭63−21907号公報(公告日1988年5月10日)
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しかしながら、上記従来の構成では、以下のような問題が生じる。
すなわち、データ信号線110とデータ電極104との間に形成される寄生容量121は、データ信号線110に沿った方向に発生するクロストーク等の表示品位の低下を招くことが問題となっている。このクロストークの発生原理について説明すると以下の通りである。
誘電性物質層103は、TFT109がONすることにより電圧が印加され、TFT109がOFFすることによりその電圧を保持することを基本としている。
しかしながら、ある走査信号線111に接続されている画素に対し、この画素におけるTFT109がOFFしている期間であっても、他の走査信号線111に接続されている画素への書き込みは行われているため、データ信号線110の電位は随時変動している。そして、寄生容量121の一方の容量端であるデータ信号線110の電位が変動することで、寄生容量121のもう一方の容量端であるデータ電極104の電位が変動する。
このとき、データ電極104は、表示部容量120の容量端でもあるため、表示領域、つまり、データ電極104と共通電極105との間の領域における誘電性物質層103に印加されている電位が変動してしまう。この変動量は、表示部容量120の大きさに対して、寄生容量121の大きさが大きいほど顕著になる。
さらに、隣接する画素間において、データ信号線110を共有する側では、同様の電位変動を示すが、データ信号線110を共有しない側(走査信号線111を共有する側)では、データ信号線110の信号、つまり、電位変動が異なるため、データ電極104の電位変動量も異なる。
上記電位変動量が異なる画素では、上記電位変動によって生じる階調誤差にも相違があるため、データ信号線に沿った方向にクロストークが発生することとなる。
また、上記図17の構成では、同一基板12内に、データ電極104と共通電極105とを形成しているため、そのままでは、開口率が低下してしまうという問題もあった。
さらには、開口率を大きくとるため、データ電極104と共通電極105との間幅を広くすると誘電性物質層103への印加電界強度が弱まり、これを補うには駆動電圧を大きくする必要がある。また、誘電性物質層103の特性から、高い駆動電圧を必要とする場合もあり。このような要求に応じて高い駆動電圧を用いようとすると、TFTの耐圧を超えてしまい、上記従来の構成では、TFTを用いたアクティブ駆動ができないという問題もあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、クロストーク等の表示品位の低下を抑制でき、かつ、従来のTFT特性のまま、高電圧駆動が可能な表示装置を提供することにある。
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、少なくとも一方が透明な一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された誘電性物質層とを有し、上記誘電性物質層に、基板におおむね平行な電界を印加することによって表示を行う表示装置において、マトリクス状に複数配置された各表示素子が、上記誘電性物質層に電界を印加するための第1のデータ電極および第2のデータ電極と、共通の走査信号線からの信号によってスイッチングされる第1のTFTおよび第2のTFTと、上記第1のデータ電極および第2のデータ電極のそれぞれに、第1のTFTおよび第2のTFTを介してデータ信号を供給する第1のデータ信号線および第2のデータ信号線とから形成されていると共に、上記第1のデータ電極と上記第1のデータ信号線の間で形成される第1の寄生容量、上記第1のデータ電極と上記第2のデータ信号線との間で形成される第2の寄生容量、上記第2のデータ電極と上記第1のデータ信号線との間で形成される第3の寄生容量、および上記第2のデータ電極と上記第2のデータ信号線との間で形成される第4の寄生容量の容量値が、略等しく設定されており、上記表示素子に対して書き込みを行う時の上記第1のデータ信号線と上記第2のデータ信号線との電位の関係は、上記第1のデータ電極と上記第2のデータ電極間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位であることを特徴としている。
上記誘電性物質層に電界を印加するための第1のデータ電極および第2のデータ電極は、それぞれ第1のデータ信号線および第2のデータ信号線からデータ信号の書き込みを受け、非書き込み期間では第1のTFTおよび第2のTFTをOFFすることで、第1のデータ電極および第2のデータ電極の電位が保持される。
しかしながら、ある表示素子に対しての非書き込み期間であっても、第1のデータ信号線および第2のデータ信号線の電位は、他の表示素子に対しての書き込みのため常に変動している。そして、第1のデータ信号線および第2のデータ信号線の電位変動は、データ電極とデータ信号線との間の寄生容量、すなわち上記第1ないし第4の寄生容量の影響によって第1のデータ電極および第2のデータ電極の保持電位を変動させ、クロストークの発生要因となる。
これに対し、上記の構成によれば、上記第1ないし第4の寄生容量の容量値がほぼ等しく設定され、かつ、第1のデータ信号線と第2のデータ信号線との電位の関係は、第1のデータ電極と第2のデータ電極間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位とされている。
ここで、第1の寄生容量と第2の寄生容量とは、第1のデータ電極を共通の容量端としており、先の電荷変動は、互いに符号が逆で同一量となるため、第1の寄生容量および第2の寄生容量における電荷の移動は、これらの寄生容量の間のみで収束し、表示部容量(すなわち、第1のデータ電極および第2のデータ電極間の容量)の電荷には影響を与えない。同様に、第3の寄生容量と第4の寄生容量とは、第2のデータ電極を共通の容量端としており、先の電荷変動は、互いに符号が逆で同一量となるため、第3の寄生容量および第4の寄生容量における電荷の移動は、これらの寄生容量との間のみで収束し、表示部容量の電荷には影響を与えない。
つまり、データ信号線の電位変動により発生する、寄生容量内の電荷変化は、表示部容量の電荷に影響を与えないため、クロストークの発生を抑えることが可能となる。
また、上記の構成の表示装置においては、上記第1のデータ電極および第2のデータ電極は、これらのデータ電極間の電位差が0Vとなるときの階調電位を基準にして、逆電位の関係となる電圧にて階調表示用データの書き込みを行うことができる。このため、第1のデータ電極および第2のデータ電極のそれぞれに対する書き込み電圧に比較して、誘電性物質層にはその2倍の電圧を印加することができる。つまり、従来と同じ耐圧のTFT、及びデータ信号回路を用いた場合であっても、従来の2倍の電圧を誘電性物質層に対して印加することが可能となる。
このことは、上記誘電性物質層において、高電圧駆動を必要とする材料の適用を可能とする、あるいは、電極間ギャップ(第1および第2のデータ電極間隔)を広げることで高開口率化を図ることができる、などのメリットを発生させる。
また、上記表示装置では、上記第1および第2のデータ信号線と上記第1および第2のデータ電極とは層間絶縁層を介して別の層配置となっており、第1および第2のデータ信号線と第1および第2のデータ電極とが基板面法線方向から見て交差して配置されていると共に、第1のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、第1のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積、第2のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、および第2のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積が等しくされている構成とすることができる。
上記の構成によれば、第1のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、第1のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積、第2のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、および第2のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積が等しくすることで、上記第1ないし第4の寄生容量をほぼ等しく設定することが、確実かつ容易に行える。
また、上記表示装置では、さらに補助容量線が形成され、上記第1のデータ電極と上記補助容量線との間に形成される第1の補助容量と、上記第2のデータ電極と上記補助容量線との間に形成される第2の補助容量とが形成されている構成とすることができる。
上記表示装置では、データ信号線とデータ電極との間で発生する寄生容量以外に、走査信号線とデータ電極との間でも寄生容量が発生する。ここで、走査信号線と第1のデータ電極との間の寄生容量を第5の寄生容量、走査信号線と第2のデータ電極との間の寄生容量を第6の寄生容量とすると、この第5の寄生容量と第6の寄生容量との容量値とが異なる場合に、走査信号線の電位変動(TFTのスイッチング時に生じる)に伴って、第1のデータ電極の電位変動値と第2のデータ電極の電位変動値とが異なり、フリッカの発生懸念が残る。
これに対し、上記の構成によれば、第1および第2の補助容量を形成することで、第5の寄生容量によって生じる第1のデータ電極の電位変動値、および第6の寄生容量によって生じる第2のデータ電極の電位変動値を小さくすることができ、フリッカの発生を抑制することができる。
また、上記表示装置では、上記第1の補助容量と上記第2の補助容量との容量値が略等しく設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第1および第2の補助容量の容量値を等しくすることにより、第1のデータ電極および第2のデータ電極の電位変動の抑制効果量が等しくなり望ましい。
また、上記表示装置では、上記走査信号線と上記第1のデータ電極との間で形成される第5の寄生容量と、上記走査信号線と上記第2のデータ電極の間で形成される第6の寄生容量との容量値が、略等しく設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、第5の寄生容量と第6の寄生容量との容量値を等しくすることにより、第1のデータ電極と第2のデータ電極との電位の変動量を等しくでき、TFTのスイッチング時に表示容量部の電界を変化させないようにすることができる。
また、上記表示装置では、上記第1の寄生容量ないし第4の寄生容量の容量値が、上記第5の寄生容量および第6の寄生容量の容量値よりも大きいことが好ましい。
上記の構成によれば、データ信号線とデータ電極との間の寄生容量である第1ないし第4の寄生容量を、走査信号線とデータ電極との間の寄生容量である第5および第6の寄生容量よりも大きくすることにより、データ電極の電位をより安定化させることができる。これにより、TFTのスイッチング時に表示容量部の電界変化を抑制し、フリッカの発生を抑制することができる。
なお、本発明の表示装置は、上記誘電性物質層が、電界の2次に比例して屈折率が変化する媒質を含む構成であってもよい。また、上記誘電性物質層が、液晶性物質を含有する媒質を含む構成であってもよい。
また、上記誘電性物質層が、電界を印加することによって光学的異方性が変化する媒質を含む構成であってもよい。なお、この場合、上記媒質は、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界を印加することによって光学的異方性を示すものであってもよく、あるいは、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界を印加することによって光学的等方性を示すものであってもよい。
上記媒質、すなわち、電界を印加することによって光学的異方性が変化する媒質は、例えば、分子の配列がキュービック対称性を示す秩序構造を有する媒質であってもよい。あるいは、キュービック相またはスメクチックD相を示す分子からなる媒質であってもよい。あるいは、液晶マイクロエマルションからなる媒質であってもよい。あるいは、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、キュービック相のいずれかを示すリオトロピック液晶からなる媒質であってもよい。あるいは、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、キュービック相のいずれかを示す液晶微粒子分散系からなる媒質であってもよい。あるいは、デンドリマーからなるものであってもよい。あるいは、コレステリックブルー相を示す分子からなる媒質であってもよい。あるいは、スメクチックブルー相を示す分子からなる媒質であってもよい。
上記誘電性物質層を、上記したいずれかの媒質を含む構成とすることにより、電圧印加時と電圧無印加時とで、異なる表示状態を実現できる。
本発明に係る表示装置では、第1ないし第4の寄生容量の容量値がほぼ等しく設定され、かつ、第1のデータ信号線と第2のデータ信号線との電位の関係は、第1のデータ電極と第2のデータ電極間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位とされている。この構成では、データ信号線の電位変動により発生する、寄生容量内の電荷変化は、表示部容量の電荷に影響を与えなくなり、クロストークの発生を抑えることが可能となるといった効果を奏する。
さらに、本発明の表示装置では、第1のデータ電極および第2のデータ電極のそれぞれに対する書き込み電圧に比較して、誘電性物質層にはその2倍の電圧を印加することができ、上記誘電性物質層において、高電圧駆動を必要とする材料の適用を可能とする、あるいは、電極間ギャップ(第1および第2のデータ電極間隔)を広げることで高開口率化を図ることができる、などのメリットが得られる。
〔実施例1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。まずは、本実施例に係る表示装置の1画素分の概略構成を、図1ないし図15を参照して説明する。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。まずは、本実施例に係る表示装置の1画素分の概略構成を、図1ないし図15を参照して説明する。
図2(a)および図2(b)は、本実施の形態にかかる表示装置(本表示装置)に備えられる表示素子(画素)10Aの概略構成を示す断面図である。本表示装置は、このような表示素子10Aを複数備えている。
表示素子10Aは、対向する2枚の基板11,12間に、光学変調層である誘電性物質層13を挟持している。また、基板11における基板12との対向面には、誘電性物質層13に電界を印加するための電界印加手段である第1のデータ電極6および第2のデータ電極7を互いに対向配置した。基板11および12における、両基板の対向面とは反対側の面には、それぞれ偏光板15および16を備えている。
なお、図2(a)はデータ電極6,7間に電圧が印加されていない状態(電圧無印加状態(OFF状態))を表しており、図2(b)はデータ電極6,7間に電圧が印加されている状態(電圧印加状態(ON状態))を表している。
基板11および12は、ガラス基板で構成されている。ただし、基板11および12の材質はこれに限るものではなく、基板11および12のうち、少なくとも一方が透明な基板であればよい。なお、表示素子10Aにおける両基板間の間隔、すなわち誘電性物質層13の厚みは10μmとした。ただし、両基板間の間隔はこれに限定されるものではなく、任意に設定すればよい。
図3は、電極6,7の配置と偏光板15,16の吸収軸方向との関係を説明するための図である。この図に示すように、表示素子10Aにおける電極6および電極7は、櫛歯状に形成した櫛形電極からなり、互いに対向配置とされている。なお、表示素子10Aでは、電極6,7は、線幅5μm、電極間距離(電極間隔)5μmで形成したが、これに限らず、例えば、基板11と基板12との間のギャップに応じて任意に設定することができる。また、電極6,7の材料としては、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明電極材料、アルミニウム等の金属電極材料等、電極材料として従来公知の各種材料を用いることができる。また、両電極6,7の形状は、櫛形電極に限るものではなく、適宜変更してもよい。
また、図3に示すように、両基板11,12にそれぞれ設けられた偏光板15,16は、互いの吸収軸が直交するとともに、各偏光板における吸収軸と電極6,7における櫛歯部分の電極伸長方向(電界印加方向に直交する方向)とが約45度の角度をなすように形成されている。このため、各偏光板における吸収軸は、電極6,7による電界印加方向に対して、約45度の角度をなす。
本実施例の各表示素子10Aに対応する、さらに具体的構成を図1、図4および図5を参照して以下に説明する。
本表示装置では、図1に示すように、各表示素子10Aに対して、第1のデータ信号線1および第2のデータ信号線2によってデータ信号が与えられるものであり、第1のデータ信号線1には第1のTFT4のソース−ドレインを介して第1のデータ電極6が接続され、第2のデータ信号線2には第2のTFT5のソース−ドレインを介して第2のデータ電極7が接続されている。また、第1および第2のTFT4,5のゲート電極は、共通の走査信号線3に接続されている。
また、上記表示素子10Aでは、走査信号線3と第1のデータ信号線1および第2のデータ信号線2との間にゲート絶縁膜14が形成されており、第1のデータ信号線1および第2のデータ信号線2と第1のデータ電極6および第2のデータ電極7との間に層間絶縁膜17が形成されている。そして、第1のデータ信号線1と第1のデータ電極6、および第2のデータ信号線2と第2のデータ電極7のそれぞれは、コンタクト部18を介して接続されている。
すなわち、上記表示素子10Aでは、第1および第2のデータ信号線1,2と第1および第2のデータ電極6,7とは層間絶縁層17を介して別の層配置となっている。第1および第2のデータ信号線1,2と第1および第2のデータ電極6,7とを交差させることで、画素配置をより確実にかつ容易にすることを可能とするのみでなく、その交差領域の面積を等しくすることにより、データ信号線とデータ電極との間の各寄生容量の容量値が等しくなるように形成できる。
上記表示素子10Aの等価回路は、図5に示すようなものとなる。上記表示素子10Aでは、第1のTFT4と第2のTFT5との間、すなわち、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7に誘電性物質層13が挟まれることにより表示部容量20が形成される。
また、第1のデータ信号線1と第1のデータ電極6との間には第1の寄生容量21が形成され、第2のデータ信号線2と第1のデータ電極6との間には第2の寄生容量22が形成され、第1のデータ信号線1と第2のデータ電極7との間には第3の寄生容量23が形成され、第2のデータ信号線2と第2のデータ電極7との間には第4の寄生容量24が形成される。
また、走査信号線3と第1のデータ電極6あるいは第2のデータ電極7とは交差しないように配置され、走査信号線3と第1のデータ電極6との間の第5の寄生容量25、および走査信号線3と第2のデータ電極7との間の第6の寄生容量26の容量値は極力小さく抑えられている。
本実施例1にかかる表示装置では、表示素子10Aは、図6に示すようなマトリクス状に複数配置される。尚、図6において、Xは走査信号線、Y1は第1のデータ信号線、Y2は第2のデータ信号線を示している。
次に、表示素子10Aへの入力信号波形、および表示素子10Aにおける電位状態を図7に示す。波形(a),(b)は、第1および第2のデータ信号線1,2のそれぞれに対する入力信号、すなわちデータ信号の波形を示すものである。これらの波形の関係は、データ電極6とデータ電極7の間の電位差が0Vとなるときの電位(図中、破線で示す)を基準に逆電位となっている。また、波形(c)は、走査信号線3に対する入力信号、すなわち走査信号の波形を示すものである。
また、波形(d),(e)は、第1および第2のデータ電極6,7のそれぞれにおける電位状態に対し、データ信号線1,2の電位変動による影響を加えたものである。さらに、波形(f),(g)は、第1および第2のデータ電極6,7のそれぞれにおける電位状態に対し、走査信号線3の電位変動による影響を加えたものである。
先ず、期間T1において、走査信号がHighとなり、第1のTFT4および第2のTFT5がONとなる場合を考える。この場合、表示部容量20には、第1のデータ信号線1と第2のデータ信号線2との間の電位差分の電圧が印加される。
この時、第1のTFT4がONすることにより、第1のデータ信号線1と第1のデータ電極6との間の電位差が等しくなり、第1の寄生容量21に印加される電圧は0Vとなる。一方、第2の寄生容量22に印加される電圧は、第2のデータ信号線2と第1のデータ電極6との間の電位差であるが、このとき、第1のデータ電極6の電位は第1のデータ信号線1の電位に等しくなっている。
さらに、第2のTFT5がONすることにより、第2のデータ信号線2と第2のデータ電極7との間の電位差が等しくなり、第4の寄生容量24に印加される電圧は0Vとなる。一方、第3の寄生容量23に印加される電圧は、第1のデータ信号線1と第2のデータ電極7との間の電位差であるが、このとき、第2のデータ電極7の電位は第2のデータ信号線2の電位に等しくなっている。
つまり、蓄積される電荷を考えると、第1のTFT4および第2のTFT5がONの時には、上記第1ないし第4の寄生容量21〜24において、以下の電位(単位V)が蓄積されることとなる。尚、以降の説明において、C21〜C24は第1ないし第4の寄生容量21〜24のそれぞれにおける容量値、V1,V2は第1および第2のデータ信号線1,2のそれぞれにおける電位であるとする。
つまり、第1のTFT4および第2のTFT5がONの時には、
第1の寄生容量21には、0
第2の寄生容量22には、C22×(V1−V2)
第3の寄生容量23には、C23×(V2−V1)
第4の寄生容量24には、0
の電荷(単位C)が、蓄積される。
第1の寄生容量21には、0
第2の寄生容量22には、C22×(V1−V2)
第3の寄生容量23には、C23×(V2−V1)
第4の寄生容量24には、0
の電荷(単位C)が、蓄積される。
次に、期間T2において、走査信号がLowとなり、第1のTFT4および第2のTFT5がOFFとなる場合を考える。この場合、第1および第2のデータ信号線1,2の電位の変動量に応じて、寄生容量における蓄積電荷が変化する。
この時、寄生容量21〜24のそれぞれでの電荷の変動は、
第1の寄生容量21では、C21×ΔV1
第2の寄生容量22では、C22×ΔV2
第3の寄生容量23では、C23×ΔV1
第4の寄生容量24では、C24×ΔV2
となる。
第1の寄生容量21では、C21×ΔV1
第2の寄生容量22では、C22×ΔV2
第3の寄生容量23では、C23×ΔV1
第4の寄生容量24では、C24×ΔV2
となる。
ここで、本実施例の構成では、第1ないし第4の寄生容量21〜24の容量値が等しく設定されていることから、その値をCeqとする。また、第1のデータ信号線1と第2のデータ信号線2との電位関係は、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7間の電位差が0Vとなるときの階調電位を基準にして、逆電位となっていることから、V2=−V1と書き換えられる。
これらより、第1のTFT4および第2のTFT5がONの時に、第1ないし第4の寄生容量21〜24のそれぞれに蓄積される電荷は、
第1の寄生容量21では、0
第2の寄生容量22では、Ceq×2V1
第3の寄生容量23では、Ceq×(−2V2)
第4の寄生容量24では、0
となる。また、第1のTFT4および第2のTFT5がOFFの時に、第1ないし第4の寄生容量21〜24のそれぞれに発生する電荷の変動は、
第1の寄生容量21では、Ceq×ΔV1
第2の寄生容量22では、Ceq×(−ΔV1)
第3の寄生容量23では、Ceq×ΔV1
第2の寄生容量24では、Ceq×(−ΔV1)
となる。
第1の寄生容量21では、0
第2の寄生容量22では、Ceq×2V1
第3の寄生容量23では、Ceq×(−2V2)
第4の寄生容量24では、0
となる。また、第1のTFT4および第2のTFT5がOFFの時に、第1ないし第4の寄生容量21〜24のそれぞれに発生する電荷の変動は、
第1の寄生容量21では、Ceq×ΔV1
第2の寄生容量22では、Ceq×(−ΔV1)
第3の寄生容量23では、Ceq×ΔV1
第2の寄生容量24では、Ceq×(−ΔV1)
となる。
ここで、第1の寄生容量21と第2の寄生容量22とは、第1のデータ電極6を共通の容量端としており、かつ、先の電荷変動は、互いに符号が逆で同一量となっている。このため、第1の寄生容量21および第2の寄生容量22における電荷の移動は、第1の寄生容量21と第2の寄生容量22との間のみで収束し、表示部容量20の電荷には影響を与えない。
また、第3の寄生容量23と第4の寄生容量24とは、第2のデータ電極7を共通の容量端としており、かつ、先の電荷変動は、互いに符号が逆で同一量となっている。このため、第3の寄生容量23および第4の寄生容量24における電荷の移動は、第3の寄生容量23と第4の寄生容量24との間のみで収束し、表示部容量20の電荷には影響を与えない。
結果、図7の波形(d),(e)に示すように、第1および第2のデータ電極6,7の電位において、第1および第2のデータ信号線1,2の電位変動に伴って発生する電位変動量ΔVを略なくすことが可能となる。つまり、第1および第2のデータ信号線1,2の電位変動により発生する、第1ないし第4の寄生容量21〜24内の電荷変化は、表示部容量20の電荷に影響を与えないため、上記表示素子10Aではクロストークの発生を抑えることが可能となる。
次に、走査信号線3と第1のデータ電極6との間で形成される第5の寄生容量25、および走査信号線3と第2のデータ電極7との間で形成される第6の寄生容量26が表示素子に与える影響について述べる。
第1のTFT4および第2のTFT5は、走査信号線3の信号により、そのスイッチングを行っている。しかし、第5の寄生容量25あるいは第6の寄生容量26が存在することで、走査信号の電位変動時、つまり、第1および第2のTFT4,5をONからOFFに切り替える時に、第1のデータ電極6あるいは第2のデータ電極7の電位が変動する。
この電位変動は、第5の寄生容量25と第6の寄生容量26との容量値を等しくすることにより、第1のデータ電極6と第2のデータ電極7との電位の変動量を等しくできる。つまり、第1のデータ電極6と、第2のデータ電極7との間の電位差を変化させないようにすることが可能である。
また、第5の寄生容量25および第6の寄生容量26の容量値が大きな値となった場合、これらの寄生容量によって生じる第1および第2のデータ電極6,7の電位変動により、第1および第2のデータ電極6,7と走査信号線3との電位の関係も大きく変動することが考えられる。この場合、第1および第2のデータ電極6,7と走査信号線3との電位関係が、第1および第2のTFT4,5のスイッチング条件から外れる可能性や、第1および第2のTFT4,5の耐圧を超える可能性が発生する。このため、第5の寄生容量25および第6の寄生容量26によって生じる電位変動についても、これを小さく抑えることが必要となる場合がある。
本実施例の構成では、第5の寄生容量25および第6の寄生容量26によって生じる電位変動を抑えるために、第5および第6の寄生容量25,26の容量値に比べ、第1ないし第4の寄生容量21〜24の容量値を十分大きくする手法が考えられる。この手法により、第1および第2のデータ電極6,7の電位を、より安定させることが可能となる。
結果、図7の波形(f),(g)に示すように、第1および第2のデータ電極6,7の電位において、走査信号線3の電位変動に伴って発生する電位変動量ΔV’を第1および第2のTFT4,5のスイッチングに影響を与えない程度に小さくすることが可能となる。
〔実施例2〕
実施例1では、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7を櫛形形状とするその構造により、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7のそれぞれにおける走査信号線3との位置関係が異なる。このため、走査信号線3と第1のデータ電極6との間に発生する第5の寄生容量25の容量値と、走査信号線3と第2のデータ電極7との間に発生する第6の寄生容量26の容量値とが若干異なる。
実施例1では、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7を櫛形形状とするその構造により、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7のそれぞれにおける走査信号線3との位置関係が異なる。このため、走査信号線3と第1のデータ電極6との間に発生する第5の寄生容量25の容量値と、走査信号線3と第2のデータ電極7との間に発生する第6の寄生容量26の容量値とが若干異なる。
このように第5の寄生容量25の容量値と第6の寄生容量26の容量値とが異なる場合、僅かではあるが、第1のデータ電極6の電位変動値と、第2のデータ電極7の電位変動値とが異なり、フリッカの発生懸念が残る。
本実施例では、これを解決すべく、補助容量線を用いることにより、補助容量を持つ表示素子10Bを形成した。表示素子10Bの構成を図8,9を参照して説明すると以下の通りである。
表示素子10Bでは、図8に示すように、補助容量線9が、走査信号線3と同層に一括して形成されている。また、第1のTFT4および第2のTFT5におけるドレイン電極4A,5Aが、図1の構成に比べて大きな面積を有するように形成されており、このドレイン電極と補助容量線9とが、面内法線方向から見て大きく重畳するように形成されている。
この構成により、表示素子10Bにおける補助容量は、図9に示すように、補助容量線9と第1のTFT4および第2のTFT5のドレイン電極との間にゲート絶縁膜14を介して形成される。より具体的に言えば、図10に示すように、補助容量線9と第1のTFT4のドレイン電極4Aとの間に第1の補助容量27が形成され、補助容量線9と第2のTFT5のドレイン電極5Aとの間に第2の補助容量28が形成される。
このように、第1および第2の補助容量27および28を形成した結果、表示素子10Bでは、第5の寄生容量25によって生じる第1のデータ電極6の電位変動値、および第6の寄生容量26によって生じる第2のデータ電極7の電位変動値が非常に小さくなり、フリッカなどの発生懸念がなくなった。特に、第1および第2の補助容量27および28の容量値を等しくすることにより、第1のデータ電極6および第2のデータ電極7の電位変動の抑制効果量が等しくなり望ましい。
複数の表示素子10Bをマトリクス状に形成する場合、補助容量線9は、図11に示すように、走査信号線3に対して1ラインごとに形成してもよいし、開口面積を大きくとりたい場合は、図12に示すように、走査信号線3に対して2ラインにつき1ライン形成しても構わない。尚、図11,図12において、X1は走査信号線、X2は補助容量線9を有する共通信号線、Y1は第1のデータ信号線、Y2は第2のデータ信号線を示している。
〔実施例3〕
本実施例3では、誘電性物質層13に封入される材料について説明する。尚、以下の説明における材料は、上記した実施例1および2の何れの構成においても使用可能である。
本実施例3では、誘電性物質層13に封入される材料について説明する。尚、以下の説明における材料は、上記した実施例1および2の何れの構成においても使用可能である。
上記誘電性物質層13に封入される材料の一例として、下記の構造式を有する化合物(以下、化合物Aという)が挙げられる。
この化合物Aは、33.3℃未満でネマチック相を示し、それ以上の温度では、液晶分子の配向方向が等方的となり、等方相を示す。
このため、本表示装置では、誘電性物質層13の温度を所定の温度、すなわち、化合物Aのネマチック相−等方相相転移温度(液晶−等方相相転移温度)以上の温度に加熱する加熱手段(図示せず)を備えている。この加熱手段は、例えば、表示素子の周辺に設けられるヒータであってもよく、表示素子に直接貼合されるシート状ヒータ等であってもよい。
また、両基板11,12の対向面上に、ラビング処理が施された配向膜を、必要に応じて形成してもよい。この場合、基板11側に形成される配向膜は、データ電極6,7を覆うように形成してもよい。
図13(a)は、本表示装置において、誘電性物質層13をネマチック相−等方相の相転移直上近傍の温度に保った状態で、データ電極6,7間に電圧を印加しない場合での、液晶分子の配向状態を示す説明図である。また、図13(b)は、本表示装置において、ネマチック相−等方相の相転移直上近傍の温度に保った状態で、データ電極6,7間に電圧を印加した場合での、液晶分子の配向状態を示す説明図である。
これらの図に示したように、本表示装置では、誘電性物質層13を加熱手段によってネマチック相−等方相の相転移直上近傍の温度(相転移温度よりもわずかに高い温度、たとえば+0.1K)に保ち、電圧印加を行うことにより、透過率を変化させることができる。すなわち、図13(a)に示すように、電圧無印加状態では、化合物Aからなる誘電性物質層13は等方相であるため、光学的に等方的であり、黒表示状態となる。一方、電圧印加時には図13(b)に示すように、電界が印加されている領域において、電界方向に化合物Aの分子の長軸方向が配向して複屈折が発現するので、透過率を変調できる。
図13(c)は、本表示装置において、誘電性物質層13をネマチック相−等方相の相転移直上近傍の温度に保ち、電極6,7間に印加する電圧を変化させた場合の、電圧透過率曲線を示すグラフである。この図に示すように、本表示装置では、印加する電圧に応じて透過率を変化させることができる。
なお、誘電性物質層13の温度を相転移点直上に保つ場合、0V〜100V前後の電圧で、実用上十分な程度に透過率を変調させることができる。しかしながら、相転移温度から十分に遠い温度(相転移温度よりも十分に高い温度)においては、以下に説明するように、必要な電圧が大きくなる。
すなわち、非特許文献4によると、電界印加により発生する複屈折は、
△n=λBE2
で記述できる。なお、λは光の波長、Bはカー定数、Eは印加電界強度である。
△n=λBE2
で記述できる。なお、λは光の波長、Bはカー定数、Eは印加電界強度である。
そして、このカー定数Bは、
B∝(T−Tni)−1
に比例する。ここで、Tniは転移点の温度であり、Tは媒質の温度である。
B∝(T−Tni)−1
に比例する。ここで、Tniは転移点の温度であり、Tは媒質の温度である。
したがって、転移点(Tni)近傍では弱い電界強度で駆動できていたとしても、温度(T)が上昇するとともに急激に必要な電界強度が増大する。このため、相転移直上の温度では、約100V以下の電圧で、透過率を十分に変調させることができるが、相転移温度から十分遠い温度では透過率を変調させるために必要な電圧が大きくなる。したがって、上述の相転移温度直上のカー効果を利用した表示素子では、高精度な温度制御が必要であり、温度制御の精度が低くなるほど、駆動電圧を高くすることが必要となる。
これに対し、本表示装置では、第1のデータ電極6と第2のデータ電極7との間の電位差が0Vとなるときの階調電位を基準にして、それぞれの電極6,7を逆電位の関係としたことから、十分な電圧を誘電性物質層13に印加することができ、駆動表示が可能であった。特に、上記誘電性材料を用いることにより、高速応答特性と高視野角特性とを備えた表示装置を実現できた。
また、本表示装置では、誘電性物質層13に封入する媒質として上述した化合物Aを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の液晶性物質であってもよい。この場合、例えば、単一化合物で液晶性を示すものであってもよく、複数の物質の混合により液晶性を示すものでもよい。あるいは、これらに他の非液晶性物質が混入されていてもよい。
例えば、特許文献1に記載してあるような液晶性物質、すなわち、5CB(4−シアノ−4’−n−ペンチルビフェニル)、5OCB(4−シアノ−4’−n−ペンチルオキシビフェニル)、3OCB(4−シアノ−4’−n−プロピルオキシビフェニル)と5OCBと7OCB(4−シアノ−4’−n−ヘプチルオキシビフェニル)との等量混合物、PCH5(トランス−4−ヘプチル−(4−シアノフェニル)−シクロヘキサン)、3HPFFと5HPFFと7HPFFとの混合物(1,2−ジフルオロ−4−[トランス−4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル)シクロヘキシル]ベンゼンと、1,2−ジフルオロ−4−[トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]ベンゼンと、1,2−ジフルオロ−4−[トランス−4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキシル]ベンゼン)とよりなる混合物)などを適用してもよい。あるいは、これらの液晶性物質に溶媒を添加したものを適用してもよい。
また、特許文献2に記載してあるように、液晶性物質を、網目状高分子、マイクロカプセル、多孔質無機質などで小区域に分割したものを適用することもできる。
また、非特許文献9に記載してあるような高分子・液晶分散系(ネマチック液晶/高分子複合系)を適用することもできる。また、非特許文献10に記載してあるようなゲル化剤を添加しても良い。
また、基板に封入する媒質(誘電性物質層13)は、例えば、PLZT(ジルコン酸鉛とチタン酸鉛との固溶体にランタンを添加した金属酸化物)のように、カー効果(電気光学効果)を示すものであってもよい。また、誘電性物質層13に封入する媒質としては、例えば、ニトロベンゼンなどのように、有極性分子を含有するものであってもよい。これらの媒質は、典型的には、電圧無印加時には光学的に概ね等方であり、電圧印加により光学変調を誘起される媒質である。すなわち、これらの媒質は、典型的には、電圧印加に伴い分子、または分子集合体(クラスター)の配向秩序度が上昇する物質である。なお、誘電性物質層13に封入する媒質は、特に、電界印加により複屈折が上昇することが望ましい。
また、誘電性物質層13に封入する媒質は、電圧印加によって光学的異方性が変化する他の媒質であってもよい。ここで、電圧印加によって光学的異方性が変化する媒質とは、例えば、電界無印加時には光学的等方性を示し、電界印加により光学的異方性が発現する媒質であってもよい。あるいは、電界無印加時に光学的異方性を有し、電界印加により光学的異方性が消失して光学的等方性を示す媒質であってもよい。
例えば、ナノスケールの構造を有する液晶相であり、光学的には等方的に見える液晶相を適用することができる。これらに電界を印加することにより、ナノスケールの微細構造にひずみを与え、光学変調を誘起させることができる。
あるいは、液晶分子が光の波長以下のサイズで放射状に配向している集合体で充填された、光学的に等方的に見えるような系を用いてもよい。これらに電界を印加すれば、放射状配向の集合体にひずみが与えられ、光学変調を誘起させることが可能である。
以下に、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として利用可能な媒質の例を、媒質例として記載する。ただし、以下に示す媒質例は、利用可能な媒質の一例を示すものであり、本表示装置に利用可能な媒質を限定するものではない。
〔媒質例1〕
例えば、従来のIPS方式(IPSモード)による液晶表示装置に用いられている液晶(例えば、ネマチック液晶など)を用いることができる。すなわち、本表示装置の構成は、IPS方式を用いた液晶表示素子にも適用できる。
例えば、従来のIPS方式(IPSモード)による液晶表示装置に用いられている液晶(例えば、ネマチック液晶など)を用いることができる。すなわち、本表示装置の構成は、IPS方式を用いた液晶表示素子にも適用できる。
この場合、例えば、本表示装置に備えられる表示素子を、図14に示す表示素子10Cのような構成としてもよい。
図14に示すように、表示素子10Cは、図2の構成に加えて、基板12の内側にカラーフィルタ層(CF層)31を備えている。また、基板11および12の内側には、データ電極(画素電極)6,7の伸長方向(電界方向に垂直な方向)に対して10度程度斜めの方向(右回りまたは左回りのどちらでもよい)にラビングを施した水平配向膜32,33がそれぞれ備えられている。
なお、基板11および12は、両基板の間隙(誘電性物質層13の幅)が5μmとなるように貼り合わされており、誘電性物質層13には、ネマチック液晶が封入されている。また、この構成では、基板11をTFT基板と表現し、基板12をCF基板と表現することもできる。
このように、本表示装置を、IPS方式の液晶表示装置として構成した場合、化合物Aを用いた上記の構成と略同様の効果を得ることができる。すなわち、走査信号線3に印加する電圧を小さく抑えることが可能となり、スイッチング素子である第1および第2のTFT4,5の耐久性を向上させることができる。また、例えば、駆動電圧を高くするために、第1および第2のデータ信号線1,2に印加する電圧を大きくした場合でも、第1および第2のTFT4,5の耐久性の低下を抑制することができる。
また、このような構成の本表示装置では、従来のIPS方式の液晶表示装置と比較して、高電圧駆動を行うことが可能である。このため、応答速度の高速化が可能となる。また、電極間ギャップ(電極6と電極7との間隔)を広げることができるので、高開口率化を図ることができる。
なお、上記の例では、データ電極6,7の伸長方向に対して10度程度斜めの方向にラビングを施した水平配向膜32,33を備えているとしたが、これに限るものではない。例えば、データ電極6,7に対するラビング方向の傾斜角度は、任意に設定すればよい。また、基板11および12は、両基板の間隙が5μmとなるように貼り合わされているとしたが、これに限らず、両基板の間隙は任意に設定すればよい。
〔媒質例2〕
また、図2に示した本表示装置の構成において、誘電性物質層13に封入される媒質として、化合物Aではなく、電圧印加によって光学的異方性が変化する他の媒質を用いてもよい。
また、図2に示した本表示装置の構成において、誘電性物質層13に封入される媒質として、化合物Aではなく、電圧印加によって光学的異方性が変化する他の媒質を用いてもよい。
このような媒質として、例えば、非特許文献5および6に記載されているBABH8を用いることができる。このBABH8の構造式は、
で表される。
ここで、誘電性物質層13に封入する物質としてBABH8を用いた場合、すなわち、図2の構成において、誘電性物質層13にBABH8を封入した場合の本表示装置における表示原理について説明する。
このような構成の本表示装置において、誘電性物質層13の温度を136.7℃以上161℃以下に制御する。この温度範囲では、BABH8は、光学波長以下(可視光の波長以下)のスケールの、キュービック対称性(立方晶の対象性)を有する秩序構造からなるキュービック相(cubic phase:立方晶相)を示す。なお、非特許文献5には、キュービック相の構造モデルが示されている。
上記したように、BABH8は、秩序構造が光学波長以下であるため透明である。すなわち、上記温度範囲において、電圧無印加の場合には、誘電性物質層13は光学的に等方性を示す。したがって、BABH8を用いた本表示装置では、直交ニコル下において良好な黒表示を行うことができる。
一方、誘電性物質層13の温度を136.7℃以上161℃以下に制御しながら、データ電極6,7間に電圧を印加すると、キュービック対称性を有する構造に歪が生じ、光学的異方性が発現する。すなわち、BABH8は、上記の温度範囲において、電圧無印加状態では光学的に等方性であり、電圧印加により光学的異方性が発現する。
このように、上記の構成の本表示装置では、電圧を印加することによってキュービック対称性を有する構造に歪が生じ、複屈折が発生するので、良好な白表示を行うことができる。なお、複屈折が発生する方向は一定であり、その大きさが電圧印加によって変化する。また、データ電極6,7間に印加する電圧と透過率との関係を示す電圧透過率曲線は、上記のような広い温度範囲において、安定した曲線となる。すなわち、上記構成の本表示装置では、136.7℃以上161℃以下の約20Kの温度範囲において安定した電圧透過率曲線を得ることができ、温度制御が極めて容易となる。
ここで、BABH8を用いた場合の本表示装置と、従来の表示方式の液晶表示装置との、表示原理の相違点について説明する。
図15は、BABH8を用いた場合の本表示装置および従来の表示方式の液晶表示素子における、表示原理の違いを説明するための説明図であり、電圧印加時および電圧無印加時における屈折率楕円体の形状および方向を模式的に表したものである。なお、図15では、従来の表示方式として、TN方式、VA(Vertical Alignment:垂直配向)方式、IPS(In Plane Switchig:面内応答)方式における表示原理を示している。
この図に示すように、TN方式の液晶表示素子では、対向する基板間に液晶層が挟持されており、両基板上にそれぞれ透明電極(電極)が備えられた構成である。そして、電圧無印加時には、液晶層における液晶分子の長軸方向がらせん状に捻られて配向しているが、電圧印加時には、液晶分子の長軸方向が電界方向に沿って配向する。この場合における平均的な屈折率楕円体は、図15に示すように、電圧無印加時には長軸方向が基板面に平行な方向を向いており、電圧印加時には長軸方向が基板面法線方向を向く。すなわち、電圧無印加時と電圧印加時とで、屈折率楕円体の形は変わらずに、その方向が変化する(屈折率楕円体が回転する)。
また、VA方式の液晶表示素子では、TN方式と同様、対向する基板間に液晶層が挟持されており、両基板上にそれぞれ透明電極(電極)が備えられた構成である。ただし、VA方式の液晶表示素子では、電圧無印加時には、液晶層における液晶分子の長軸方向が、基板面に対して略垂直な方向に配向しているが、電圧印加時には、液晶分子の長軸方向が電界に垂直な方向に配向する。この場合における平均的な屈折率楕円体は、図15に示すように、電圧無印加時には長軸方向が基板面法線を向いており、電圧印加時には長軸方向が基板面に平行な方向を向く。すなわち、電圧無印加時と電圧印加時とで、屈折率楕円体の形は変わらずに、その方向が変化する。
また、IPS方式の液晶表示素子では、1つの基板上に、対向する1対の電極が備えられており、両電極間の領域に液晶層が形成される構成である。そして、電圧印加によって液晶分子の配向方向を変化させ、電圧無印加時と電圧印加字とで、異なる表示状態を実現できるようになっている。したがって、IPS方式の液晶表示素子でも、図15に示すように、電圧無印加時と電圧印加時とで、屈折率楕円体の形は変わらずに、その方向が変化する。
このように、従来の表示方式の液晶表示素子では、電圧無印加時でも液晶分子が何らかの方向に配向しており、電圧を印加することによってその配向方向を変化させて表示(透過率の変調)を行っている。すなわち、屈折率楕円体の形は変化しないが、屈折率楕円体の方向が電圧印加によって回転(変化)することを利用して表示を行っている。つまり、従来の表示方式の液晶表示素子では、液晶分子の配向秩序度は一定であり、配向方向を変化させることによって表示を行っている。
なお、BABH8を用いた場合の本表示装置は、等方相(いわゆる液体相)を用いない点が、従来の電気光学効果を用いた液晶表示装置と異なっている。等方相とは、分子の配向方向が等方的である相を意味する。これらの表示方式に対して、BABH8を用いた本表示装置では、図15に示すように、電圧無印加時には屈折率楕円体が球状となる。すなわち、電圧無印加時には等方的(配向秩序度=0)である。そして、電圧を印加することによって異方性(配向秩序度>0)が発現する。すなわち、BABH8を用いた本表示装置では、電圧無印加時には屈折率楕円体の形が等方的(nx=ny=nz)であり、電圧印加によって屈折率楕円体の形に異方性(nx>ny)が発現する。ここで、nx,ny,nzは、それぞれ、基板面に平行であって両電極の対向方向に平行な方向、基板面に平行であって両電極の対向方向に直交する方向、基板面に垂直な方向に対する、屈折率を表している。
このように、BABH8を用いた本表示装置では、光学異方性の方向は一定(電圧印加方向は変化しない)であり、配向秩序度を変調させることによって表示を行っている。すなわち、BABH8を用いた本表示装置では、媒質そのものの異方性(または配向秩序)が変化する。したがって、BABH8を用いた本表示装置の表示原理は、他の表示方式の液晶表示装置と大きく異なっている。
また、BABH8を用いた本表示装置では、キュービック対称性を有する構造に生じる歪、すなわち、媒質における光学的異方性の変化を用いて表示を行うので、液晶分子の配向方向を変化させて表示を行う従来の表示方式の液晶表示装置よりも、広視野角特性を実現できる。さらに、BABH8を用いた本表示装置では、複屈折が発生する方向が一定であり、光軸方向が変化しないため、より広い視野角特性を実現できる。
また、BABH8を用いた本表示装置では、微小領域の構造(結晶のような格子)の歪によって発現する異方性を用いて表示を行っている。このため、従来方式の表示原理のように、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響するといった問題がなく、1ms程度の高速応答を実現することができる。すなわち、従来方式の表示原理では液晶分子の配向方向の変化を利用していたため、液晶固有の粘度が応答速度に大きく影響していたが、BABH8を用いた本表示装置では、微小領域の構造の歪を利用するため、液晶固有の粘度の影響が小さく、高速応答を実現することができる。
なお、上記の説明では、電界印加によって光学的異方性が変化する媒質の例としてBABH8を用いる場合を説明したが、これに限らず、例えば、BABH8以外の、キュービック相を示す分子からなる媒質を用いてもよい。
〔媒質例3〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、液晶相の一つであるスメクチックD相(SmD)を示す分子からなる媒質を適用できる。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、液晶相の一つであるスメクチックD相(SmD)を示す分子からなる媒質を適用できる。
スメクチックD相を示す液晶性物質としては、例えば、ANBC16がある。なお、ANBC16については、非特許文献1(p.21,図1構造1(n=16))や、非特許文献6(p.888,Table1,化合物(compound no.)1,化合物1a,化合物1a−1)に記載されている。これらの分子構造を、以下に列挙する。
4’n-alkoxy-3’-nitro-biphenyl-4-carboxylic acids X=NO2
n-15 Cr 127 SmC 187 Cub 198 SmA 204 I
この液晶性物質(ANBC16)は、171.0℃〜197.2℃の温度範囲において、スメクチックD相を示す。スメクチックD相は、複数の分子がジャングルジム(登録商標)のような三次元的格子を形成しており、その格子定数が光学波長以下である。すなわち、スメクチックD相は、キュービック対称性を有する。このため、スメクチックD相は、光学的には等方性を示す。
n-15 Cr 127 SmC 187 Cub 198 SmA 204 I
この液晶性物質(ANBC16)は、171.0℃〜197.2℃の温度範囲において、スメクチックD相を示す。スメクチックD相は、複数の分子がジャングルジム(登録商標)のような三次元的格子を形成しており、その格子定数が光学波長以下である。すなわち、スメクチックD相は、キュービック対称性を有する。このため、スメクチックD相は、光学的には等方性を示す。
また、ANBC16がスメクチックD相を示す上記の温度領域において、ANBC16からなる誘電性物質層13に電界を印加すれば、分子自身に誘電異方性が存在するため、分子が電界方向に向こうとして格子構造に歪が生じる。すなわち、誘電性物質層13に光学異方性が発現する。
したがって、ANBC16を本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。なお、ANBC16に限らず、スメクチックD相を示す物質であれば、電圧印加時と電圧無印加時とで光学的異方性が変化するので、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
〔媒質例4〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、液晶マイクロエマルションを適用できる。ここで、液晶マイクロエマルションとは、山本らによって名づけられた、O/W型マイクロエマルション(油の中に水を界面活性剤で水滴の形で溶解させた系で、油が連続相となる)の油分子をサーモトロピック液晶分子で置換したシステム(混合系)の総称である(非特許文献2参照)。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、液晶マイクロエマルションを適用できる。ここで、液晶マイクロエマルションとは、山本らによって名づけられた、O/W型マイクロエマルション(油の中に水を界面活性剤で水滴の形で溶解させた系で、油が連続相となる)の油分子をサーモトロピック液晶分子で置換したシステム(混合系)の総称である(非特許文献2参照)。
液晶マイクロエマルションの具体例として、例えば、非特許文献2に記載されている、ネマチック液晶相を示すサーモトロピック液晶(温度転移形液晶)であるPentylcyanobiphenyl(5CB)と、逆ミセル相を示すリオトロピック液晶(lyotropic liquid crystal:濃度転移形液晶、ライオトロピック液晶)であるDidodecyl ammonium bromide(DDAB)の水溶液との混合系がある。
また、この混合系は、典型的には逆ミセルの直径が50Å程度、逆ミセル間の距離が200Å程度である。これらのスケールは光学波長より一桁程度小さい。また、逆ミセルが三次元空間的にランダムに存在しており、各逆ミセルを中心に5CBが放射状に配向している。したがって、上記の混合系は、光学的には等方性を示す。
そして、上記の混合系からなる媒質に電界を印加すれば、5CBに誘電異方性が存在するため、分子自身が電界方向に向こうとする。すなわち、逆ミセルを中心に放射状に配向していたため光学的に等方であった系に、配向異方性が発現し、光学異方性が発現する。したがって、上記の混合系を本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。なお、上記の混合系に限らず、電圧無印加と電圧印加時とで光学的異方性が変化する液晶マイクロエマルションであれば、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
〔媒質例5〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、特定の相を有するリオトロピック液晶(ライオトロピック液晶)を適用できる。ここで、リオトロピック液晶とは、一般に液晶を形成する主たる分子が、他の性質を持つ溶媒(水や有機溶剤など)に溶けているような他成分系の液晶を意味するものとする。また、上記の特定の相とは、電界印加時と電圧無印加時とで、光学的等方性が変化する相である。このような特定の相としては、例えば、非特許文献7に記載されているミセル相、スポンジ相、キュービック相、逆ミセル相がある。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、特定の相を有するリオトロピック液晶(ライオトロピック液晶)を適用できる。ここで、リオトロピック液晶とは、一般に液晶を形成する主たる分子が、他の性質を持つ溶媒(水や有機溶剤など)に溶けているような他成分系の液晶を意味するものとする。また、上記の特定の相とは、電界印加時と電圧無印加時とで、光学的等方性が変化する相である。このような特定の相としては、例えば、非特許文献7に記載されているミセル相、スポンジ相、キュービック相、逆ミセル相がある。
両親媒性物質である界面活性剤には、ミセル相を発現する物質がある。例えば、イオン性界面活性剤である硫酸ドデシルナトリウムの水溶液やパルチミン酸カリウムの水溶液などは球状ミセルを形成する。また、非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルと水との混合液では、ノニルフェニル基が疎水基として働き、オキシエチレン鎖が親水基として働くことにより、ミセルを形成する。他にも、スチレン−エチレンオキシドブロック共重合体の水溶液でもミセルを形成する。
例えば、球状ミセルは、分子が空間的全方位にパッキングして(分子集合体を形成して)球状を示す。また、球状ミセルのサイズは、光学波長以下であるため、光学波長領域では異方性を示さず等方的に見える。しかしながら、このような球状ミセルに電界を印加すれば、球状ミセルが歪むため異方性を発現する。よって、球状ミセル相を示すリオトロピック液晶を、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。なお、球状ミセル相に限らず、他の形状のミセル相、すなわち、紐状ミセル相、楕円状ミセル相、棒状ミセル相などを示すリオトロピック液晶を誘電性物質層13に封入しても、略同様の効果を得ることができる。
また、濃度、温度、界面活性剤の条件によっては、親水基と疎水基が入れ替わった逆ミセルが形成されることが一般に知られている。このような逆ミセルは、光学的にはミセルと同様の効果を示す。したがって、逆ミセル相を示すリオトロピック液晶を、誘電性物質層13に封入する媒質として適用することにより、ミセル相を示すリオトロピック液晶を用いた場合と同等の効果を奏する。なお、媒質例2で説明した液晶マイクロエマルションは、逆ミセル相(逆ミセル構造)を示すリオトロピック液晶の一例である。
また、非イオン性界面活性剤ペンタエチレングリコール−ドデシルエーテル(Pentaethylenglychol-dodecylether、C12E5)の水溶液には、スポンジ相やキュービック相を示す濃度および温度領域が存在する。このようなスポンジ相やキュービック相は、光学波長以下の秩序を有しているので、光学波長領域では透明な物質である。すなわち、これらの相からなる媒質は、光学的には等方性を示す。そして、これらの相からなる媒質に電圧を印加すると、秩序構造に歪が生じて光学異方性が発現する。したがって、スポンジ相やキュービック相を示すリオトロピック液晶も、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
〔媒質例6〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、ミセル相、スポンジ相、キュービック相、逆ミセル相などの、電界印加時と電圧無印加時とで光学的等方性が変化する相を示す液晶微粒子分散系を適用できる。ここで、液晶微粒子分散系とは、溶媒中に液晶微粒子を混在させた混合系である。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、ミセル相、スポンジ相、キュービック相、逆ミセル相などの、電界印加時と電圧無印加時とで光学的等方性が変化する相を示す液晶微粒子分散系を適用できる。ここで、液晶微粒子分散系とは、溶媒中に液晶微粒子を混在させた混合系である。
このような液晶微粒子分散系としては、例えば、非イオン性界面活性剤ペンタエチレングリコール−ドデシルエーテル(Pentaethylenglychol-dodecylether、C12E5)の水溶液に、表面を硫酸基で修飾した直径100Å程度のラテックス粒子を混在させた、液晶微粒子分散系がある。この液晶微粒子分散系では、スポンジ相が発現する。したがって、上記媒質例3の場合と同様、上記の液晶微粒子分散系を、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
なお、上記のラッテックス粒子を媒質例2の液晶マイクロエマルションにおけるDDABと置き換えることによって、媒質例2の液晶マイクロエマルションと同様な配向構造を得ることもできる。
〔媒質例7〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、デンドリマー(デンドリマー分子)を適用できる。ここで、デンドリマーとは、モノマー単位ごとに枝分かれのある三次元状の高分岐ポリマーである。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、デンドリマー(デンドリマー分子)を適用できる。ここで、デンドリマーとは、モノマー単位ごとに枝分かれのある三次元状の高分岐ポリマーである。
デンドリマーは、枝分かれが多いために、ある程度以上の分子量になると球状構造となる。この球状構造は、光学波長以下の秩序を有しているので、光学波長領域では透明な物質であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学異方性が発現する。したがって、デンドリマーを、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
また、上記媒質例2の液晶マイクロエマルションにおけるDDABを、デンドリマー物質に置き換えることにより、上記媒質例2の液晶マイクロエマルションと同様な配向構造を得ることができ、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
〔媒質例8〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、コレステリックブルー相を示す分子からなる媒質を適用できる。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、コレステリックブルー相を示す分子からなる媒質を適用できる。
コレステリックブルー相は、高い対称性の構造を有している。また、コレステリックブルー相は、光学波長以下の秩序を有しているので、光学波長領域では概ね透明な物質であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学異方性が発現する。すなわち、コレステリックブルー相は、おおむね光学的に等方性を示し、電界印加によって液晶分子が電界方向に向こうとするために格子が歪み、異方性を発現する。よって、コステリックブルー相を示す分子からなる媒質を、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
なお、コステリックブルー相を示す物質としては、例えば、JC1041(混合液晶、チッソ社製)を48.2%、5CB(4-cyano-4’-pentyl biphenyl、ネマチック液晶)を47.4%、ZLI−4572(カイラルドーパント、メルク社製)を4.4%混合した物質がある。この物質は、330.7Kから331.8Kの温度範囲で、コレステリックブルー相を示す。
〔媒質例9〕
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、スメクチックブルー(BPSm)相を示す分子からなる媒質を適用できる。
本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として、スメクチックブルー(BPSm)相を示す分子からなる媒質を適用できる。
スメクチックブルー相は、コステリックブルー相と同様、高い対称性の構造を有している。また、光学波長以下の秩序を有しているので、光学波長領域では概ね透明な物質であり、電圧印加によって配向秩序が変化して光学異方性が発現する。すなわち、スメクチックブルー相は、おおむね光学的に等方性を示し、電界印加によって液晶分子が電界方向に向こうとするために格子が歪み、異方性を発現する。よって、スメクチックブルー相を示す分子からなる媒質を、本表示装置の誘電性物質層13に封入する媒質として適用できる。
なお、スメクチックブルー相を示す物質としては、例えば、非特許文献8に記載されているFH/FH/HH−14BTMHCがある。この物質は、74.4℃〜73.2℃でBPSm3相、73.2℃〜72.3℃BPSm2相、72.3℃〜72.1℃でBPSm1相を示す。
上記誘電性物質層を、上記したいずれかの媒質を含む構成とすることにより、電圧印加時と電圧無印加時とで、異なる表示状態を実現できる。
また、本表示装置は、第1および第2のデータ電極6,7に並列に接続された第3の補助容量を備えている構成としてもよい。この第3の補助容量は、本実施例の構成において、第1および第2のデータ電極6,7間の領域の基板11を誘電体物質として、必然的に形成されているものであったが、ここでは特に、基板の比誘電率を大きくすることにより、第3の補助容量の容量値を大きくすることができる。結果として、第3の補助容量の容量値を大きくすることにより、第1および第2のTFT4,5や、誘電性物質層13におけるリーク電流の影響を小さくすることができる。
また、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の表示装置は、テレビやモニター等の画像表示装置や、ワープロやパーソナルコンピュータ等のOA機器、あるいは、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯電話等の情報端末等に備えられる画像表示装置に、広く適用することができる。
1 第1のデータ信号線(データ信号線)
2 第2のデータ信号線(データ信号線)
3 走査信号線
4 第1のTFT
5 第2のTFT
6 第1のデータ電極
7 第2のデータ電極
9 補助容量線
10A・10B 表示素子
11・12 基板
13 誘電性物質層
14 絶縁膜
17 層間絶縁膜
20 表示部容量
21 第1の寄生容量
22 第2の寄生容量
23 第3の寄生容量
24 第4の寄生容量
25 第5の寄生容量
26 第6の寄生容量
27 第1の補助容量
28 第2の補助容量
2 第2のデータ信号線(データ信号線)
3 走査信号線
4 第1のTFT
5 第2のTFT
6 第1のデータ電極
7 第2のデータ電極
9 補助容量線
10A・10B 表示素子
11・12 基板
13 誘電性物質層
14 絶縁膜
17 層間絶縁膜
20 表示部容量
21 第1の寄生容量
22 第2の寄生容量
23 第3の寄生容量
24 第4の寄生容量
25 第5の寄生容量
26 第6の寄生容量
27 第1の補助容量
28 第2の補助容量
Claims (21)
- 少なくとも一方が透明な一対の基板と、上記一対の基板間に挟持された誘電性物質層とを有し、上記誘電性物質層に、基板におおむね平行な電界を印加することによって表示を行う表示装置において、
マトリクス状に複数配置された各表示素子が、上記誘電性物質層に電界を印加するための第1のデータ電極および第2のデータ電極と、共通の走査信号線からの信号によってスイッチングされる第1のTFTおよび第2のTFTと、上記第1のデータ電極および第2のデータ電極のそれぞれに、第1のTFTおよび第2のTFTを介してデータ信号を供給する第1のデータ信号線および第2のデータ信号線とから形成されていると共に、
上記第1のデータ電極と上記第1のデータ信号線の間で形成される第1の寄生容量、上記第1のデータ電極と上記第2のデータ信号線との間で形成される第2の寄生容量、上記第2のデータ電極と上記第1のデータ信号線との間で形成される第3の寄生容量、および上記第2のデータ電極と上記第2のデータ信号線との間で形成される第4の寄生容量の容量値が、略等しく設定されており、
上記表示素子に対して書き込みを行う時の上記第1のデータ信号線と上記第2のデータ信号線との電位の関係は、上記第1のデータ電極と上記第2のデータ電極間の電位差を0Vとするときの階調電位を基準にして逆電位であることを特徴とする表示装置。 - 上記第1および第2のデータ信号線と上記第1および第2のデータ電極とは層間絶縁層を介して別の層配置となっており、第1および第2のデータ信号線と第1および第2のデータ電極とが基板面法線方向から見て交差して配置されていると共に、
第1のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、第1のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積、第2のデータ電極と第1のデータ信号線との交差領域の面積、および第2のデータ電極と第2のデータ信号線との交差領域の面積が等しくされていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - さらに補助容量線が形成されており、
上記第1のデータ電極と上記補助容量線との間に形成される第1の補助容量と、上記第2のデータ電極と上記補助容量線との間に形成される第2の補助容量とが形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。 - 上記第1の補助容量と上記第2の補助容量との容量値が略等しく設定されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 上記走査信号線と上記第1のデータ電極との間で形成される第5の寄生容量と、上記走査信号線と上記第2のデータ電極の間で形成される第6の寄生容量との容量値が、略等しく設定されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の表示装置。
- 上記第1の寄生容量ないし第4の寄生容量の容量値が、上記第5の寄生容量および第6の寄生容量の容量値よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 上記誘電性物質層が、電界の2次に比例して屈折率が変化する媒質を含むことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の表示装置。
- 上記誘電性物質層が、液晶性物質を含有する媒質を含むことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の表示装置。
- 上記誘電性物質層が、有極性分子を含有する媒質を含むことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の表示装置。
- 上記誘電性物質層が、電界を印加することによって光学的異方性が変化する媒質を含むことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の表示装置。
- 上記媒質が、電界無印加時に光学的等方性を示し、電界を印加することによって光学的異方性を示すことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、電界無印加時に光学的異方性を示し、電界を印加することによって光学的等方性を示すことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質を構成する分子は、電圧印加時または電圧無印加時に光学波長以下の秩序構造を有し、電圧を印加することによって秩序構造が変化することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、キュービック対称性を示す秩序構造を有することを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、キュービック相またはスメクチックD相を示す分子からなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、液晶マイクロエマルションからなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、キュービック相のいずれかを示すリオトロピック液晶からなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、ミセル相、逆ミセル相、スポンジ相、キュービック相のいずれかを示す液晶微粒子分散系からなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、デンドリマーからなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、コレステリックブルー相を示す分子からなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
- 上記媒質が、スメクチックブルー相を示す分子からなることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
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