JP3247848B2 - ラビング処理装置、ラビング処理方法および液晶表示装置 - Google Patents

ラビング処理装置、ラビング処理方法および液晶表示装置

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JP3247848B2 JP35137596A JP35137596A JP3247848B2 JP 3247848 B2 JP3247848 B2 JP 3247848B2 JP 35137596 A JP35137596 A JP 35137596A JP 35137596 A JP35137596 A JP 35137596A JP 3247848 B2 JP3247848 B2 JP 3247848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば液晶表示
装置などの液晶を用いたデバイスが有する配向膜を形成
するために用いられ、所定の被処理膜に対してラビング
処理を施すラビング処理装置およびラビング処理方法に
関する。また、ラビング処理装置が備えるラビング布お
よびラビングローラに関する。さらに、該ラビング処理
装置を用いてラビング処理することによって形成された
配向膜を有する液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶を用いたデバイスとして、たとえば
液晶表示装置が挙げられる。液晶表示装置は、たとえば
ワードプロセッサやパーソナルコンピュータなどのOA
(オフィスオートメーション)機器の表示手段として好
適に用いられ、具体的にはたとえばSTN(スーパーツ
イステッドネマティック)型液晶表示装置が挙げられ
る。
【0003】液晶表示装置は、少なくともいずれか一方
が透光性を有する一対の基板部材間に液晶を介在して構
成される。一対の基板部材は、たとえば透光性を有する
基板上に表示用の電極を形成し、該電極を含む基板上に
配向膜を形成して構成される。前記STN型液晶表示装
置では、基板部材間に介在される液晶分子が、該基板部
材間で180°以上、たとえば210°〜260°の範
囲で捩れ配向している。配向膜は液晶分子の配向方向を
一方向に揃える機能を有し、該機能を付加するためにそ
の表面には所定のラビング処理装置を用いたラビング処
理が施されている。
【0004】図7は、従来技術であるラビング処理装置
を用いたラビング処理を説明するための被処理基板1と
ラビングローラ2とを示す平面図である。被処理基板1
は、基板3の一方表面上に表示用の電極4が形成され、
該電極4を覆ってポリイミドなどの樹脂からなる被処理
膜5が形成されて構成される。ラビングローラ2は、ロ
ーラ6の表面にラビング布7を両面粘着シートなどによ
って巻着して構成される。
【0005】配向膜は、具体的に、被処理膜5の表面に
ラビングローラ2を一定の圧力で接触させ、ラビングロ
ーラ2を回転軸8を中心として所定の方向9に所定の速
度で回転させながら、被処理基板1およびラビングロー
ラ2を相対的に移動させて、たとえばラビングローラ2
を方向10に移動させて、被処理膜5の表面を一定方向
に擦ることによって形成される。
【0006】ここで、ドットマトリクス表示を行う液晶
表示装置では、次のような条件が選ばれる。被処理基板
1の基板3は矩形である。電極4は帯状であり、その長
手方向と基板3の1辺3aとが平行に選ばれる。ラビン
グローラ2のラビング布7は後述するようなパイルが植
毛された布であり、パイルの1並設方向と回転軸8とが
平行に選ばれる。また、ラビング処理時において、ラビ
ング処理を開始する辺である前記基板3の辺3aと回転
軸8とは、所定の角度αに選ばれる。なお、ラビングロ
ーラ2のパイルの前記1並設方向と直交する方向がラビ
ング方向11である。ここでは、回転軸8と直交する方
向である。
【0007】図8(a)は、ラビング布7用の布地12
を示す平面図であり、図8(b)は布地12を拡大して
示す斜視図である。ラビング布7用の布地12は、縦横
に編まれた地糸13に数十本のフィラメントを束ねたパ
イル14を編込み、各パイル14の植毛長さが均一に揃
えられた布である。布地12は、利用効率を考慮して、
パイル14の1並設方向15aと該1並設方向15aと
直交する方向15bとに沿って、ローラ6の円周長さを
一方辺長さとし、ローラ6の幅方向長さを他方辺長さと
した矩形に裁断された後、該並設方向15aと回転軸8
とが平行となるようにしてローラ6に巻着される。
【0008】図9は、上述したような従来技術のラビン
グ装置を用いて作成された配向膜を有するSTN型の液
晶表示装置16を説明するための平面図である。液晶表
示装置16の表示画面に対する視角方向は、図9(a)
に示されるように、紙面上で、上下方向および左右方向
を12時、6時、9時および3時方向とされ、コントラ
スト比の最も大きい方向を、たとえば12時方向に設定
した場合を12時視角設定という。視角方向によるコン
トラスト比などの分布を上下方向や左右方向で対称とな
るように前記ラビング方向が選ばれる。
【0009】一方基板部材17は、たとえば図9(b)
に示されるように、基板18の一方表面上に帯状電極1
9が形成され、該帯状電極19を覆って配向膜20が形
成されて構成され、前記帯状電極19はラビング処理を
開始する基板18の辺18a、すなわち12時方向の辺
18aに対して直交する方向に形成される。ラビング方
向11aと前記辺18aとのなす角度がβ1に選ばれて
ラビング処理されて、配向膜20が作成される。
【0010】同様にして、他方基板部材21は、たとえ
ば図9(c)に示されるように、基板22の一方表面上
に帯状電極23が形成され、該帯状電極23を覆って配
向膜24が形成されて構成され、前記帯状電極23はラ
ビング処理を開始する基板22の辺22a、すなわち1
2時方向の辺22aと平行に形成される。ラビング方向
11bと前記辺22aとのなす角度がβ2に選ばれてラ
ビング処理されて、配向膜24が作成される。
【0011】このようにして作成された配向膜20,2
4をそれぞれ有する基板部材17,21は、図9(d)
に示されるように、各配向膜20,24を互いに対向さ
せ、前記ラビング方向11a,11b同士が角度γをな
すようにし、さらに基板部材17,21間に液晶を介在
させて貼合わせられて、液晶表示装置16とされる。前
記角度β1,β2は、たとえばともに30°に選ばれ、
角度γは240°に選ばれる。なお、角度γは、基板部
材17,21に介在される液晶分子の、該基板部材間で
の捩れ角(ツイスト角)である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】STN型のドットマト
リクス表示を行う液晶表示装置は、近年、表示特性の向
上によってノート型パーソナルコンピュータのみならず
薄型の表示手段として、市場が拡大しており、要求され
る大画面化および高精細化に対して、表示品位の面内均
一性、特に中間調表示における表示品位の面内均一性や
コントラスト比の向上が重要な課題となっている。
【0013】図10は、ラビング処理時の様子を拡大し
て示す断面図である。被処理膜5は電極4を覆って形成
されるが、電極4の膜厚は、たとえば2000Å〜45
00Åに選ばれ、被処理膜5の膜厚は、たとえば500
Å程度に選ばれるので、被処理基板1の表面には電極4
による段差が生じる。ラビングローラ2は、このような
段差が生じた被処理基板1の表面を、パイル14によっ
て擦っている。
【0014】大画面化および高精細化の要求につれて、
電極4の抵抗による駆動電圧への負荷が増大する。この
負荷を軽減させるために、被処理基板1の電極4の膜厚
は厚く形成され、これによって前記段差は大きくなる傾
向がある。
【0015】図11は、従来技術のラビング処理時の様
子を拡大して示す図である。図11(a)は平面図であ
り、図11(b)は斜視図である。被処理基板1の基板
3は矩形であり、帯状の電極4の長手方向と基板3の1
辺3aとが平行に選ばれ、ラビングローラ2のパイルの
1並設方向と回転軸8とが平行に選ばれ、ラビング処理
を開始する辺3aと回転軸8とが所定の角度αに選ばれ
る。被処理基板1の表面には前述したような段差が生じ
ているので、ラビング時には図11(b)に示されるよ
うに、段差をなしている凸部の1辺25aに対してパイ
ル14a,14b,14cが一本ずつ順次的に当接す
る。また、辺25aに対向する辺25bからパイル14
a,14b,14cが一本ずつ順次的に離れる。これに
よって、パイル14の毛先が乱れ、電極4において、そ
の中心部と、ラビング処理が開始される側の周縁部およ
びラビング処理が終了される側の周縁部とで、ラビング
方向が乱れてしまうこととなる。前述したように段差は
大きくなる傾向があるので、ラビング方向の乱れは顕著
となる。
【0016】このようなラビング処理が施された配向膜
を有する液晶表示装置では、一方および他方基板部材の
電極が互いに重畳する画素領域内で、液晶分子の配向方
向が乱れ、ツイスト角γが乱れることとなる。また特
に、画素の12時方向側周縁部および6時方向側周縁部
のプレティルト角が、画素の中心部のプレティルト角に
比べて高くなり、透過率が高くなる現象、いわゆる光抜
け現象が生じる。なおプレティルト角とは、基板部材表
面に対して液晶分子の長軸方向がなす傾斜角度である。
【0017】また、本来、液晶層に表示用の電圧を印加
したとき(オン電圧印加時)のプレティルト角と、表示
用の電圧を印加しないとき(オフ電圧印加時)のプレテ
ィルト角とは、その差が大きいほど光の透過率の比、す
なわちコントラスト比が大きくなる。しかし、上述した
ように、面内のプレティルト角が乱れているので、オン
電圧印加時とオフ電圧印加時とのプレティルト角の差は
小さくなり、コントラスト比が低下することとなる。
【0018】さらに、オフ電圧を下げようとすると、相
対的にオン電圧が不充分になって、透過率が低下してし
まう。高い透過率の充分な輝度を得るために、液晶表示
装置に組込まれるバックライトの輝度を高くすると、消
費電力が上昇し、連続的な駆動時間が短くなるという不
都合が生じる。
【0019】また、ラビング処理方向の乱れを低減する
手法が、たとえば実開平2−033030号公報に開示
されている。該公報はローラに対するラビング布の巻着
技術に関し、パイルの無い接合端をラビングローラの回
転軸に対して傾斜させて配置することによって、パイル
が接触しないラビング処理されない部分を分散させて、
連続した不均一な配向部分を無くしている。
【0020】また、ラビング処理方向の乱れを低減する
他の手法を、本願出願人が特願平7−229336号や
特願平8−281151号で提案している。特願平7−
229336号は、前記公報と同様にローラに対するラ
ビング布の巻着技術に関し、具体的には、パイルの1並
設方向がラビングローラの回転軸に対して傾斜するよう
にしてラビング布をローラに巻着し、これによって被処
理基板に当接するパイルの密度を高めて、ラビング処理
方向の均一性を高めている。さらに、特願平8−281
151号では、ラビングローラが被処理基板に接触する
接触量をほぼ一定として、ラビング処理方向の均一性を
高めている。
【0021】また、特開平7−281188号公報に
は、ラビングローラのラビング布の表面粗さを特定する
ことによって、プレティルト角の高い安定してムラの無
い液晶配向状態を得る技術が開示されている。特開平7
−168186号公報には、ラビング布の布地面に対す
るパイルの傾き角を特定し、被処理基板を擦る方向とパ
イルの傾斜方向とを一致させることによって、液晶配向
状態の均一性を向上する技術が開示されている。特開平
2−22624号公報には、被処理基板がラビングロー
ラと接しながら一定方向に移動するときの、該一定方向
に対して垂直な方向と、ラビングローラの回転軸方向と
のなす角度を、±1°〜±45°の範囲の角度に設定す
ることによって、面内均一性の高い液晶配向状態を得る
技術が開示されている。
【0022】しかし、いずれの公報でも、図11で説明
したような被処理基板1とラビングローラ2との位置関
係によって生じる不都合を解消することはできない。
【0023】本発明の目的は、被処理基板の段差を有す
る表面を均一にラビング処理することができるラビング
処理装置およびラビング処理方法を提供することであ
る。また、そのようなラビング処理装置が備えるラビン
グ布およびラビングローラを提供することである。さら
に、該ラビング処理装置を用いたラビング処理によって
形成された配向膜を有し、表示品位の向上した液晶表示
装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に複数
の帯状電極が互いに平行に形成され、該帯状電極を覆っ
て前記基板上にラビング処理すべき被処理膜が形成され
た被処理基板の前記被処理膜表面に、互いに直交する2
方向に周期性を有する間隔をあけてそれぞれ植設された
パイルを有するラビング布がローラ表面に巻着されたラ
ビングローラを接触させ、被処理基板およびラビングロ
ーラを相対的に移動させて、被処理膜表面をラビング処
理するラビング処理装置において、前記帯状電極は、そ
の長手方向が基板の一辺と平行となるようにして基板上
に設けられ、ラビングローラのパイルの1並設方向と、
被処理基板の帯状電極の長手方向とのなす角度θ1が、
±5°以内の範囲に選ばれ、ラビングローラのパイルの
前記1並設方向と直交する方向であるラビング方向と、
帯状電極の長手方向とのなす角度θ2が、10°以上6
0°以下の範囲に選ばれることを特徴とするラビング処
理装置である。本発明に従えば、ラビングローラのパイ
ルの1並設方向と、被処理基板の帯状電極の長手方向と
のなす角度θ1を±5°以内の範囲に選ぶことによっ
て、帯状電極によって段差が形成された被処理基板の表
面は、段差をなしている凸部の一辺に対してパイルがほ
ぼ同時に当接し、また該辺に対向する辺からパイルがほ
ぼ同時に離れて、ラビング処理される。したがって、パ
イルの毛先の乱れは低減し、ラビング方向の面内均一性
が向上する。液晶表示装置を構成する一対の基板部材の
いずれであっても、上記条件でラビング処理して、均一
性を向上することができる。
【0025】また、ラビングローラのパイルの1並設方
向と直交する方向であるラビング方向と帯状電極の長手
方向とのなす角度θ2を10°以上60°以下の範囲に
選ぶことによって、被処理基板の段差をなしている凸部
の一辺に対してパイルがほぼ同時に当接/離反してラビ
ング処理される。したがって、パイルの毛先の乱れは低
減し、ラビング方向の面内均一性が向上する。このよう
な条件は、STN型液晶表示装置に適している。
【0026】また本発明は、基板上に複数の帯状電極が
互いに平行に形成され、該帯状電極を覆って前記基板上
にラビング処理すべき被処理膜が形成された被処理基板
の前記被処理膜表面に、互いに直交する2方向に周期性
を有する間隔をあけてそれぞれ植設されたパイルを有す
るラビング布がローラ表面に巻着されたラビングローラ
を接触させ、被処理基板およびラビングローラを相対的
に移動させて、被処理膜表面をラビング処理するラビン
グ処理装置において、ラビングローラのパイルの1並設
方向と、被処理基板の帯状電極の長手方向とのなす角度
θ1が、±5°以内の範囲に選ばれ、前記ラビングロー
ラの回転軸方向とパイルの前記1並設方向とのなす角度
θ3が、10°以上60°以下の範囲に選ばれることを
特徴とするラビング処理装置である。本発明に従えば、
ラビングローラのパイルの1並設方向と、被処理基板の
帯状電極の長手方向とのなす角度θ1を±5°以内の範
囲に選ぶことによって、帯状電極によって段差が形成さ
れた被処理基板の表面は、段差をなしている凸部の一辺
に対してパイルがほぼ同時に当接し、また該辺に対向す
る辺からパイルがほぼ同時に離れて、ラビング処理され
る。したがって、パイルの毛先の乱れは低減し、ラビン
グ方向の面内均一性が向上する。液晶表示装置を構成す
る一対の基板部材のいずれであっても、上記条件でラビ
ング処理して、均一性を向上することができる。また、
ラビングローラの回転軸方向とパイルの1並設方向との
なす角度θ3を10°以上60°以下の範囲に選ぶこと
によって、被処理基板の段差をなしている凸部の一辺に
対してパイルがほぼ同時に当接/離反してラビング処理
される。したがって、パイルの毛先の乱れは低減し、ラ
ビング方向の面内均一性が向上する。このような条件
は、STN型液晶表示装置に適している。
【0027】また本発明は、ローラ表面に巻着される矩
形のラビング布であって、互いに直交する2方向に周期
性を有する間隔をあけてパイルが植設されたラビング布
において、前記パイルの1並設方向とラビング布の一辺
とのなす角度θ4が、10°以上60°以下の範囲に選
ばれることを特徴とするラビング布である。本発明に従
えば、このようなラビング布をローラに巻着してラビン
グローラを形成することができ、該ラビングローラを用
いて、パイルの毛先の乱れが低減し、面内均一性の向上
したラビング処理を施すことができる。
【0028】また本発明は、互いに直交する2方向に周
期性を有する間隔をあけて植設されたパイルを有するラ
ビング布が、ローラ表面に巻着されたラビングローラに
おいて、巻着されるラビング布は矩形であり、前記パイ
ルの1並設方向とラビング布の一辺とのなす角度θ4が
10°以上60°以下の範囲に選ばれ、ラビング布の前
記一辺がローラの回転軸方向と平行に巻着されているこ
とを特徴とするラビングローラである。本発明に従え
ば、このようなラビングローラを用いて、パイルの毛先
の乱れが低減し、面内均一性の向上したラビング処理を
施すことができる。
【0029】
【0030】また本発明は、基板上に複数の帯状電極を
互いに平行に形成する工程と、該帯状電極を覆って前記
基板上にラビング処理すべき被処理膜を形成する工程
と、該被処理膜表面を、上述したようなラビング処理装
置を用いてラビング処理する工程とを含むことを特徴と
するラビング処理方法である。本発明に従えば、帯状電
極によって段差が形成された被処理基板の表面は、段差
をなしている凸部の一辺に対してパイルがほぼ同時に当
接し、また該辺に対向する辺からパイルがほぼ同時に離
れて、ラビング処理される。したがって、パイルの毛先
の乱れは低減し、ラビング方向の面内均一性が向上す
る。
【0031】また本発明は、少なくともいずれか一方が
透光性を有する一対の基板部材間に液晶を介在した液晶
表示装置において、前記一対の基板部材のうちの少なく
ともいずれか一方基板部材は、上述したようなラビング
処理装置を用いてラビング処理された配向膜を有するこ
とを特徴とする液晶表示装置である。本発明に従えば、
帯状電極によって段差が形成された被処理基板の表面
は、段差をなしている凸部の一辺に対してパイルがほぼ
同時に当接し、また該辺に対向する辺からパイルがほぼ
同時に離れて、ラビング処理される。したがって、パイ
ルの毛先の乱れは低減し、ラビング方向の面内均一性が
向上する。このようなラビング処理が施された配向膜を
有する液晶表示装置では、画素領域内での液晶分子の配
向均一性が向上し、ツイスト角の均一性が向上する。ま
た、画素内のプレティルト角がほぼ等しくなり、部分的
に透過率が高くなる光抜け現象の発生が抑制される。し
たがって、画素内のプレティルト角の均一性が向上する
ので、オン電圧印加時とオフ電圧印加時とのプレティル
ト角の差が充分大きな値となり、高いコントラスト比が
得られる。高いコントラスト比が得られるので、液晶表
示装置に組込まれるバックライトの輝度を高くする必要
はなく、電力消費量が少なく連続して駆動可能な時間が
長い液晶表示装置を実現できる。
【0032】また本発明は、前記基板部材間に介在され
る液晶が、該基板部材間で液晶分子が210°〜260
°の範囲で捩れ配向したSTN液晶であることを特徴と
する。本発明に従えば、表示品位に対して液晶配向状態
の影響を受け易いSTN型液晶表示装置において、優れ
た表示品位を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
あるラビング処理装置を示す平面図である。ここでは、
該ラビング処理装置を用いて液晶表示装置が備える一対
の基板部材を作成する例について説明する。図1(a)
は、一対の基板部材のうちの一方基板部材となる被処理
基板51aに対するラビング処理の様子を示し、図1
(b)は他方基板部材となる被処理基板51bに対する
ラビング処理の様子を示す図である。
【0034】被処理基板51aは、基板53aの一方表
面上に表示用の電極54aが形成され、該電極54aを
覆ってポリイミドなどの樹脂からなる被処理膜55aが
形成されて構成される。ラビングローラ52は、ローラ
56の表面にラビング布57を両面粘着シートなどによ
って巻着して構成される。
【0035】配向膜は、具体的に、被処理膜55aの表
面にラビングローラ52を一定の圧力で接触させ、ラビ
ングローラ52を回転軸58を中心として所定の方向5
9に所定の速度で回転させながら、被処理基板51aお
よびラビングローラ52を相対的に移動させて、たとえ
ばラビングローラ52を方向60に移動させて、被処理
膜55aの表面を一定方向に擦ることによって形成され
る。
【0036】被処理基板51bは、被処理基板51aと
同様に、基板53bの一方表面上に表示用の電極54b
が形成され、該電極54bを覆って被処理膜55bが形
成されて構成され、配向膜は被処理膜55bの表面を上
述したのと同様にして擦ることによって形成される。
【0037】ここで、ドットマトリクス表示を行う液晶
表示装置では、次のような条件が選ばれる。被処理基板
51a,51bの基板53a,53bは、矩形である。
電極54a,54bは帯状であり、電極54aの長手方
向62aと基板53aの1辺53cとが平行に選ばれ、
電極54bの長手方向62bと基板53bの1辺53d
とが平行に選ばれる。ラビング処理は、該辺53c,5
3dから開始される。ラビングローラ52のラビング布
57は、従来技術と同様に図8(b)に示されるような
パイルが植毛された布であり、パイルの1並設方向63
と回転軸58とが平行に選ばれる。
【0038】また、被処理基板51aのラビング処理時
において、ラビングローラ52のパイルの1並設方向6
3と、被処理基板51aの帯状電極54aの長手方向6
2aとのなす角度は、所定の角度θ1に選ばれる。被処
理基板51bのラビング処理時において、前記1並設方
向63と、被処理基板51bの帯状電極54bの長手方
向62bとのなす角度は、所定の角度θ1に選ばれる。
角度θ1は、好ましくは5°以内の範囲に選ばれる。本
実施形態では、角度θ1を±5°とした。
【0039】なお、ラビングローラ52のパイルの1並
設方向63と直交する方向がラビング方向61a,61
bである。ここでは、回転軸58と直交する方向であ
る。
【0040】本実施形態では、また、前記1並設方向6
3と直交する方向であるラビング方向61aと帯状の電
極54aの長手方向62aとのなす角度、および前記1
並設方向63と直交する方向であるラビング方向61b
と帯状の電極54bの長手方向62bとのなす角度は、
ともに所定の角度θ2に選ばれる。角度θ2は、好まし
くは10°以上60°以下の範囲に選ばれる。
【0041】本実施形態では、ラビング布57として、
吉川化工製商品名YA−18Rのレーヨン繊維からなる
布を用いた。また、コントラスト比の最も高い方向を1
0時30分の視角方向とした液晶表示装置を作成するた
めのラビング処理を行った。また、電極54a,54b
の膜厚を3000Åとし、表示画面の大きさを対角線長
さが35cmの13.8型とした。
【0042】図2は、上述したようなラビング処理装置
を用いて配向膜が形成された一対の基板部材65a,6
5bを含むSTN型の液晶表示装置64を説明するため
の平面図である。各配向膜を互いに対向させ、前記ラビ
ング方向61a,61b同士が角度γ1をなすように
し、さらに基板部材65a,65b間に液晶を介在させ
て貼合わせられて、液晶表示装置64とされる。角度γ
1は、180°以上の範囲に選ばれ、好ましくは210
°〜260°の範囲に選ばれる。本実施形態では260
°に選んだ。なお、角度γ1は、基板部材65a,65
bの間に介在される液晶分子の、該基板部材間での捩れ
角(ツイスト角)である。
【0043】また本実施形態では、一対の基板部材65
a,65b間の間隔であるセル厚を6μmとしたカラー
STN型液晶表示装置とした。液晶注入後、偏光板や位
相差板と組み合わせた。
【0044】次に、第1実施形態の液晶表示装置と、従
来技術の液晶表示装置との表示品位を比較した結果につ
いて説明する。従来技術の液晶表示装置は、図7に示さ
れるようなラビング処理装置を用いて作成した配向膜を
有する液晶表示装置であり、コントラスト比の最も高い
方向を12時の視角方向とし、260°のツイスト角と
し、セル厚を6μmとした。表示品位は、液晶表示装置
を点灯状態として顕微鏡によって観察して評価した。第
1実施形態の液晶表示装置は、従来技術の液晶表示装置
に比べて、画素の12時方向側周縁部および6時方向側
周縁部の光抜けが少なく、面内において高い均一性を有
して点灯していることが確認された。
【0045】また、所定の駆動回路を接続して電気光学
特性を評価した。具体的には、トプコン社製輝度測定装
置BM7を用い、液晶表示装置にオン/オフ(点灯/非
点灯)信号を供給して輝度を測定し、その輝度比から表
示面に対して真上方向のコントラスト比を求めた。従来
技術の液晶表示装置の29.5:1に対して、第1実施
形態の液晶表示装置では、37:1のコントラスト比が
得られた。これは、コントラスト比が約25%向上した
こととなる。
【0046】さらに、液晶表示装置に対するバックライ
ト光の透過率を求めたところ、従来技術の液晶表示装置
の3.4%に対して、第1実施形態の液晶表示装置で
は、4.5%が得られた。これは、透過率が約30%向
上したこととなる。
【0047】図3は、本発明の第2実施形態であるラビ
ング処理装置を示す平面図である。図3(a)は、前記
被処理基板51aに対するラビング処理の様子を示し、
図3(b)は被処理基板51bに対するラビング処理の
様子を示す図である。第2実施形態で用いられるラビン
グローラ71は、ローラ72の表面にラビング布73を
両面粘着シートなどによって巻着して構成される。配向
膜は、第1実施形態と同様に、被処理膜55a,55b
の表面にラビングローラ71を一定の圧力で接触させ、
ラビングローラ71を回転軸58を中心として所定の方
向59に所定の速度で回転させながら、被処理基板51
a,51bおよびラビングローラ71を相対的に移動さ
せて、たとえばラビングローラ71を方向60に移動さ
せて、被処理膜55a,55bの表面を一定方向に擦る
ことによって形成される。
【0048】ここで、ドットマトリクス表示を行う液晶
表示装置では、次のような条件が選ばれる。被処理基板
51a,51bの基板53a,53bの形状、電極54
a,54bの形状および形成位置関係は、第1実施形態
と同じである。ラビングローラ71のラビング布73
は、従来技術と同様に図8(b)に示されるようなパイ
ルが植毛された布であり、パイルの1並設方向74と回
転軸58とのなす角度が所定の角度θ3に選ばれる。角
度θ3は、好ましくは10°以上60°以下の範囲に選
ばれる。
【0049】また、被処理基板51aのラビング処理時
において、ラビングローラ71のパイルの1並設方向7
4と、被処理基板51aの帯状電極54aの長手方向6
2aとのなす角度は、所定の角度θ1に選ばれる。被処
理基板51bのラビング処理時において、前記1並設方
向74と、被処理基板51bの帯状電極54bの長手方
向62bとのなす角度は、所定の角度θ1に選ばれる。
角度θ1は、好ましくは±5°以内の範囲に選ばれる。
本実施形態では、角度θ1を5°とした。
【0050】また、ラビングローラ71の回転軸58と
基板53aの辺53cとのなす角度、および回転軸58
と基板53bの辺53dとのなす角度は、所定の角度に
選ばれる。本実施形態では40°に選んだ。
【0051】なお、ラビングローラ71のパイルの1並
設方向74と直交する方向がラビング方向75a,75
bである。たとえば、移動方向60と平行な方向であ
る。
【0052】本実施形態では、ラビング布73として、
吉川化工製商品名YA−19Rを用いた。また、コント
ラスト比の最も高い方向を12時の視角方向とした液晶
表示装置を作成するためのラビング処理を行った。ま
た、電極54a,54bの膜厚を3000Åとし、表示
画面の大きさを対角線長さが35cmの13.8型とし
た。
【0053】第2実施形態で説明したラビング装置を用
いて一対の基板部材65a,65bを作成して、図2に
示されるようなSTN型の液晶表示装置64を実現する
ことができる。本実施形態では、角度γ1を260°に
選び、セル厚を6.7μmとした液晶表示装置を作成し
た。
【0054】第2実施形態のラビング処理装置のラビン
グローラ71を回転駆動する際のトルク電流は、従来技
術のラビング処理装置よりも小さく、安定していた。こ
れは、ラビングローラ71のパイルの1並設方向74
と、被処理基板51a,51bの帯状電極54a,54
bの長手方向62a,62bとのなす角度θ1を±5°
以下の範囲に選んだことによって、パイルの毛先が電極
54a,54bの端辺にほぼ同時に接触し、またほぼ同
時に離反して、毛先のばらつきが少なくなったためと考
えられる。このような効果は、第1実施形態のラビング
処理装置においても得られる。
【0055】次に、第2実施形態の液晶表示装置と、従
来技術の液晶表示装置との表示品位を比較した結果につ
いて説明する。従来技術の液晶表示装置は、第1実施形
態で説明したのと同様である。また、表示品位は、第1
実施形態と同様にして評価した。第2実施形態の液晶表
示装置は、第1実施形態の液晶表示装置と同様に、従来
技術の液晶表示装置に比べて、画素の12時方向側周縁
部および6時方向側周縁部の光抜けが少なく、面内にお
いて高い均一性を有して点灯していることが確認され
た。
【0056】また、第1実施形態と同様にして電気光学
特性を評価した。真上方向のコントラスト比は、従来技
術の液晶表示装置の33.7:1に対して、第2実施形
態の液晶表示装置では、38.4:1のコントラスト比
が得られた。これは、コントラスト比が約14%向上し
たこととなる。
【0057】さらに、液晶表示装置に対するバックライ
ト光の透過率は、従来技術の液晶表示装置の3.8%に
対して、第2実施形態の液晶表示装置では、4.3%が
得られた。これは、透過率が約13%向上したこととな
る。
【0058】図4は、所定の領域が裁断されてラビング
ローラ71用のラビング布73とされる布地81を示す
平面図である。図5(a)および図5(b)は、裁断し
たラビング布をローラ72に巻着する様子を示す斜視図
である。
【0059】ラビング布用の布地81は、従来技術のラ
ビング処理装置に用いられる布地と同様であり、具体的
には、図8(b)に示されるように、縦横に編まれた地
糸13に数十本のフィラメントを束ねたパイル14を編
込み、各パイル14の植毛長さが均一に揃えられた布で
ある。すなわち、互いに直交する2方向に周期性を有す
る間隔をあけてパイル14が植設された布である。
【0060】布地81の裁断領域には2種類の設定が可
能であり、一方は、布地81の一辺84であって、パイ
ルの1並設方向と平行な一辺84と、矩形の裁断領域8
2の一辺85とが所定の角度θ4をなすようにして設定
される。すなわち、パイルの1並設方向に対して角度θ
4をなす一辺85を有する領域82が裁断される。この
場合、前記角度θ4は、10°以上60°以下の範囲に
選ぶことが好ましい。角度θ4は、第2実施形態では具
体的に45°に選んだ。領域82を裁断して作成された
ラビング布73aは、図5(a)に示されるように、一
辺85と回転軸58とが平行となるようにしてローラ7
2に巻着される。すなわち、ラビング布73aの前記一
辺85がローラ72の幅方向に一致するようにして巻着
される。
【0061】他方は、前記角度θ4を0°として、布地
81の一辺84と、帯状で矩形の裁断領域83の長手方
向の一辺86とが平行となるようにして設定される。す
なわち、パイルの1並設方向と平行な一辺86を有する
領域83が裁断される。領域83を裁断して作成された
ラビング布73bは、図5(b)に示されるように、ラ
ビング布73bの一辺86がローラ72の回転軸58の
方向に対して傾斜させて螺旋状に巻着される。
【0062】なお、第1実施形態では、前記角度θ4を
0°として布地81の一辺84と、矩形の裁断領域の一
辺とが平行となるようにして裁断領域が設定される。す
なわち、パイルの1並設方向と平行な一辺を有する領域
が裁断される。このようにして裁断されたラビング布
は、図5(a)と同様にして、ローラ56に巻着され
る。布地81をパイルの並設方向に平行または直交する
方向に裁断することによって、布地81の利用効率を高
めることができる。
【0063】図6は、第1および第2実施形態のラビン
グ処理時の様子を拡大して示す図である。図6(a)は
平面図であり、図6(b)は斜視図である。被処理基板
51の表面には電極54によって段差が生じているが、
基板53は矩形であり、帯状の電極54の長手方向62
と基板53の1辺53cとは平行であり、ラビングロー
ラ52,71のパイルの1並設方向63,74と、帯状
電極54の長手方向62とのなす角度θ1が±5°以内
の角度であるので、ラビング時には図6(b)に示され
るように、段差をなしている凸部の一辺87aに対して
パイル88a,88b,88cがほぼ同時に当接する。
また、辺87aに対向する辺87bから、パイル88
a,88b,88cがほぼ同時に離れる。
【0064】これによって、段差の大小にかかわらず、
パイル88の毛先の乱れが低減する。したがって、電極
54表面において、その中心部と、ラビング処理が開始
される側の周縁部およびラビング処理が終了される側の
周縁部とのラビング方向の乱れが抑制される。
【0065】このようなラビング処理が施された配向膜
を有する液晶表示装置では、画素領域内での液晶分子の
配向均一性が向上し、ツイスト角γ1の均一性が向上す
る。また、画素の12時方向側周縁部および6時方向側
周縁部のプレティルト角と、画素の中心部のプレティル
ト角とがほぼ同じとなり、透過率が部分的に高くなる光
抜け現象の発生が抑制される。また、面内のプレティル
ト角の均一性が高まるので、オン電圧印加時とオフ電圧
印加時とのプレティルト角の差が小さくなることはな
く、高いコントラスト比を維持することができる。さら
に、オフ電圧を下げようとしたときに、バックライトの
輝度を高くしなくても充分な輝度が得られるので、低消
費電力で、連続的な駆動時間が長い液晶表示装置を実現
することができる。また、表示品位に対して液晶配向状
態の影響を受け易いSTN型液晶表示装置において、優
れた表示品位を得ることができる。
【0066】以上のように第1および第2実施形態で
は、角度θ1を±5°以内の範囲に選んだので、パイル
の毛先の乱れが低減し、ラビング方向の面内均一性が向
上する。液晶表示装置を構成する一対の基板部材のいず
れであっても、上記条件でラビング処理して、均一性を
向上することができる。
【0067】また第1実施形態では、角度θ2を10°
以上60°以下の範囲に選んだので、上述したような効
果が得られるSTN型液晶表示装置用の基板部材を作成
することができる。また第2実施形態でθ3を10°以
上60°以下の範囲に選ぶことによっても、上述したよ
うな効果が得られるSTN型液晶表示装置用の基板部材
を作成することができる。
【0068】また第2実施形態で、角度θ4を10°以
上60°以下の範囲に選んで裁断されたラビング布73
aをローラ72に巻着して、ラビングローラ71を形成
することができる。このとき、ラビング布73aの前記
一辺85をローラ72の幅方向に一致するようにして巻
着することによって、上記効果が得られるラビングロー
ラを作成することができる。また、パイルの1並設方向
74とラビング布73bの一辺86とを平行に選び、ラ
ビング布73bの一辺86をローラ72の回転軸58の
方向に対して傾斜させて螺旋状に巻着することによって
も、同様の効果が得られるラビングローラを作成するこ
とができる。
【0069】また、基板53の上に複数の帯状の電極5
4を互いに平行に形成し、該帯状電極54を覆って前記
基板53上にラビング処理すべき被処理膜55を形成
し、該被処理膜55の表面を、上述したようなラビング
処理装置を用いてラビング処理するラビング処理方法
も、本発明の範囲に属するものである。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ラビング
ローラのパイルの1並設方向と被処理基板の帯状電極の
長手方向とのなす角度θ1を±5°以内の範囲に選び、
ラビングローラのパイルの1並設方向と直交する方向で
あるラビング方向と帯状電極の長手方向とのなす角度θ
2を10°以上60°以下の範囲に選んだので、被処理
基板の表面をパイルをほぼ同時に当接/離反してラビン
グ処理できる。したがって、パイルの毛先の乱れが低減
し、ラビング方向の面内均一性が向上する。
【0071】
【0072】また本発明によれば、ラビングローラの回
転軸方向とパイルの1並設方向とのなす角度θ3を10
°以上60°以下の範囲に選んでも同様の効果を得るこ
とができる。
【0073】また本発明によれば、パイルの1並設方向
とラビング布の一辺とのなす角度θ4が10°以上60
°以下の範囲に選ばれたラビング布をローラに巻着して
ラビングローラを形成し、該ラビングローラを用いて上
述したような効果が得られるラビング処理を施すことが
できる。
【0074】また本発明によれば、矩形のラビング布
を、パイルの1並設方向とラビング布の一辺とのなす角
度θ4を10°以上60°以下の範囲とし、ラビング布
の前記一辺がローラの幅方向に一致するようにして巻着
したラビングローラを用いて上述したような効果が得ら
れるラビング処理を施すことができる。
【0075】
【0076】また本発明によれば、上述したような効果
が得られるラビング処理方法を提供することができる。
【0077】また本発明によれば、上述したようなラビ
ング処理装置を用いてラビング処理された配向膜を有す
る液晶表示装置において、画素領域内での液晶分子の配
向方向の均一性が向上し、ツイスト角の均一性が向上す
る。また、画素内のプレティルト角がほぼ等しくなり、
部分的に透過率が高くなる光抜け現象の発生が抑制され
る。画素内のプレティルト角の均一性が向上するので、
オン電圧印加時とオフ電圧印加時とのプレティルト角の
差が充分大きな値となり、高いコントラスト比が得られ
る。高いコントラスト比が得られるので、液晶表示装置
に組み込まれるバックライトの輝度を高くする必要はな
く、低電力消費で、駆動時間の長い液晶表示装置を実現
することができる。
【0078】また本発明によれば、表示品位に対して液
晶配向状態の影響を受け易いSTN型液晶表示装置にお
いて、優れた表示品位を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるラビング処理装置
を示す平面図である。
【図2】第1実施形態のラビング処理装置を用いて配向
膜が形成された一対の基板部材65a,65bを含むS
TN型の液晶表示装置64を説明するための平面図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態であるラビング処理装置
を示す平面図である。
【図4】所定の領域が裁断されてラビングローラ71用
のラビング布73とされる布地81を示す平面図であ
る。
【図5】裁断したラビング布73a,73bをローラ7
2に巻着する様子を示す斜視図である。
【図6】第1および第2実施形態のラビング処理時の様
子を拡大して示す図であり、図6(a)は平面図であ
り、図6(b)は斜視図である。
【図7】従来技術であるラビング処理装置を用いたラビ
ング処理を説明するための被処理基板1とラビングロー
ラ2とを示す平面図である。
【図8】図8(a)は、ラビング布7用の布地12を示
す平面図であり、図8(b)は布地12を拡大して示す
斜視図である。
【図9】従来技術のラビング装置を用いて作成された配
向膜を有するSTN型の液晶表示装置16を説明するた
めの平面図である。
【図10】ラビング処理時の様子を拡大して示す断面図
である。
【図11】従来技術のラビング処理時の様子を拡大して
示す図であり、図11(a)は平面図であり、図11
(b)は斜視図である。
【符号の説明】
51,51a,51b 被処理基板 52,71 ラビングローラ 53,53a,53b 基板 53c,53d 基板の一辺 54,54a,54b 電極 55,55a,55b 被処理膜 56,72 ローラ 57,73,73a,73b ラビング布 58 回転軸 59 回転方向 60 移動方向 61a,61b,75a,75b ラビング方向 62a,62b 電極の長手方向 63,74 パイルの並設方向 64 液晶表示装置 65a,65b 基板部材 81 布地 82,83 裁断領域 84 布地の一辺 85,86 ラビング布の一辺 87a,87b 段差をなしている凸部の一辺 88,88a,88b,88c パイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 500

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数の帯状電極が互いに平行に
    形成され、該帯状電極を覆って前記基板上にラビング処
    理すべき被処理膜が形成された被処理基板の前記被処理
    膜表面に、互いに直交する2方向に周期性を有する間隔
    をあけてそれぞれ植設されたパイルを有するラビング布
    がローラ表面に巻着されたラビングローラを接触させ、
    被処理基板およびラビングローラを相対的に移動させ
    て、被処理膜表面をラビング処理するラビング処理装置
    において、 前記帯状電極は、その長手方向が基板の一辺と平行とな
    るようにして基板上に設けられ、 ラビングローラのパイルの1並設方向と、被処理基板の
    帯状電極の長手方向とのなす角度θ1が、±5°以内の
    範囲に選ばれ、 ラビングローラのパイルの前記1並設方向と直交する方
    向であるラビング方向と、帯状電極の長手方向とのなす
    角度θ2が、10°以上60°以下の範囲に選ばれるこ
    とを特徴とするラビング処理装置。
  2. 【請求項2】 基板上に複数の帯状電極が互いに平行に
    形成され、該帯状電極を覆って前記基板上にラビング処
    理すべき被処理膜が形成された被処理基板の前記被処理
    膜表面に、互いに直交する2方向に周期性を有する間隔
    をあけてそれぞれ植設されたパイルを有するラビング布
    がローラ表面に巻着されたラビングローラを接触させ、
    被処理基板およびラビングローラを相対的に移動させ
    て、被処理膜表面をラビング処理するラビング処理装置
    において、 ラビングローラのパイルの1並設方向と、被処理基板の
    帯状電極の長手方向とのなす角度θ1が、±5°以内の
    範囲に選ばれ、 前記ラビングローラの回転軸方向とパイルの前記1並設
    方向とのなす角度θ3が、10°以上60°以下の範囲
    に選ばれることを特徴とするラビング処理装置。
  3. 【請求項3】 一辺がローラの回転軸方向と平行になる
    ようにローラ表面に巻着される矩形のラビング布であっ
    て、互いに直交する2方向に周期性を有する間隔をあけ
    てパイルが植設されたラビング布において、 前記パイルの1並設方向とラビング布の一辺とのなす角
    度θ4が、10°以上60°以下の範囲に選ばれること
    を特徴とするラビング布。
  4. 【請求項4】 互いに直交する2方向に周期性を有する
    間隔をあけて植設されたパイルを有するラビング布が、
    ローラ表面に巻着されたラビングローラにおいて、 巻着されるラビング布は矩形であり、 前記パイルの1並設方向とラビング布の一辺とのなす角
    度θ4が10°以上60°以下の範囲に選ばれ、 ラビング布の前記一辺がローラの回転軸方向と平行に巻
    着されていることを特徴とするラビングローラ。
  5. 【請求項5】 基板上に複数の帯状電極を互いに平行に
    形成する工程と、 該帯状電極を覆って前記基板上にラビング処理すべき被
    処理膜を形成する工程と、 該被処理膜表面を、請求項1または2記載のラビング処
    理装置を用いてラビング処理する工程とを含むことを特
    徴とするラビング処理方法。
  6. 【請求項6】 少なくともいずれか一方が透光性を有す
    る一対の基板部材間に液晶を介在した液晶表示装置にお
    いて、 前記一対の基板部材のうちの少なくともいずれか一方基
    板部材は、請求項1または2記載のラビング処理装置を
    用いてラビング処理された配向膜を有することを特徴と
    する液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記基板部材間に介在される液晶が、該
    基板部材間で液晶分子が210°〜260°の範囲で捩
    れ配向したSTN液晶であることを特徴とする請求項6
    記載の液晶表示装置。
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