JP2003149761A - 直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2003149761A
JP2003149761A JP2001348504A JP2001348504A JP2003149761A JP 2003149761 A JP2003149761 A JP 2003149761A JP 2001348504 A JP2001348504 A JP 2001348504A JP 2001348504 A JP2001348504 A JP 2001348504A JP 2003149761 A JP2003149761 A JP 2003149761A
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light
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acid
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Junji Miyata
潤二 宮田
Kenichi Yasuda
健一 安田
Yasushi Morimoto
恭史 森本
Kunpei Oda
訓平 織田
Akira Nishiyama
昌 西山
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Fujifilm Holdings Corp
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンチキュラーレンズにおいて、高い解像
度、高い濃度、少ないイエローステイン、正確なブラッ
クストライプをフィルム基材の出光側に形成するための
直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料を提供すること。 【解決手段】 レンチキュラーレンズシート1は、フィ
ルム基材2と、フィルム基材2の入光側に設けられた複
数の入光レンズ3と、フィルム基材2の出光側の表面の
うち各入光レンズ3の集光領域以外の領域に設けられた
ブラックストライプ4とを備えている。ブラックストラ
イプ4は、直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料をフィ
ルム基材2の入光側から露光および現像し、各入光レン
ズ3の集光領域以外の領域に光吸収性銀画像を形成す
る。直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料は少なくとも
1層のハロゲン化銀感光層を有し、ハロゲン化銀粒子サ
イズが1μm以下、塗布銀量が1.5g/m以上であ
って、この感光層の反対面に光吸収する層を持たない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は投射型プロジェクション
テレビ等で用いられる透過型スクリーンを構成するレン
チキュラーレンズシートの出光側の表面に設けられたス
トライプ状の遮光パターン、すなわちブラックストライ
プに関するものであり、特にブラックストライプを作成
するために用いる直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、赤、緑および青の3本のCR
T(Cathode Ray Tube)からなる光源
と、この光源からの画像を投影するための透過型スクリ
ーンとを備えた背面投射型プロジェクションテレビが知
られており、このうち透過型スクリーンとしては一般
に、フレネルレンズシートとレンチキュラーレンズシー
トとを組み合わせたものが用いられている。ここで、こ
のようなレンチキュラーレンズシートとしては、入光側
に複数の入光レンズが設けられたフィルム状の基材(以
下「フィルム基材」ともいう)の出光側のうち各入光レ
ンズの集光領域以外の領域にブラックストライプが設け
られたものが一般的に用いられており、このブラックス
トライプにより光を広範囲に拡散させるとともに外光の
影響を低減させてコントラストを向上させることができ
るようになっている。
【0003】ところで、このようなプロジェクションテ
レビにおいては、CRTの代わりにLCD(Liqui
d Crystal Display)やDMD(Di
gital Micro−mirror Devic
e)等の光源を用いたものも開発されており、データプ
ロジェクタやコンピュータ用モニタ、デジタルテレビ放
送等の分野で広く用いられるようになってきている。
【0004】しかしながら、光源としてLCDやDMD
等を用いたプロジェクションテレビにおいては、LCD
やDMD等のセル構造に起因する格子パターンが透過型
スクリーン上に投影されるので、周期的な構造を有する
レンチキュラーレンズシート上に画像を投影して観察す
ると、レンチキュラーレンズシートのサンプリング効果
によりモアレが発生する可能性がある。
【0005】このため、光源としてLCDやDMD等を
用いたプロジェクションテレビにおいては、モアレの発
生を効果的に低減するため、従来において一般的に用い
られていた0.5〜1.0mmのレンズピッチのレンチ
キュラーレンズシートに代わって、0.2mm以下の小
さなレンズピッチのレンチキュラーレンズシートが必要
とされるようになってきている。
【0006】なお、上述したレンチキュラーレンズシー
トにおいては、レンズピッチが小さくなるにつれてフィ
ルム基材の出光側の表面に設けられるブラックストライ
プのピッチも小さくする必要がある。
【0007】ところで、このようなレンズピッチの小さ
いレンチキュラーレンズシートにおいては、上述したよ
うなピッチの小さいブラックストライプを形成する方法
として、レンチキュラーレンズシートの出光側の表面に
直接ブラックストライプのパターンを印刷する方法に加
えて、フォトリソグラフィ法を用いて、フィルム基材の
入光側に設けられた各入光レンズを介してフィルム基材
の出光側の表面に形成されたレジスト材料(レジスト
層)を露光および現像することによりブラックストライ
プのパターンを形成する方法が広く用いられるようにな
ってきている。
【0008】このような状況で、レンチキュラーレンズ
シートにおいて、その出光側の表面に設けられたレジス
ト層をフィルム基材の入光側から露光および現像して正
確なブラックストライプのパターンを形成するための方
法が提案されている(特開平12−147666号公報
参照)。
【0009】しかしながら、上述した従来の方法は、光
吸収層にレジスト材料を使用しており煩雑な製造方法が
必要であり、また正確で高い解像度のファインピッチ化
が困難であるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような点
を考慮してなされたものであり、本発明が解決しようと
する課題は、高い解像力および高い濃度を有しイエロー
ステインが少ない正確なブラックストライプを容易に形
成するために用いる直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材
料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題は以下の手段
により達成された。 (1)フィルム状の基材と、前記基材の入光側に設けら
れた複数の入光レンズと、前記基材の出光側の前記各入
光レンズの集光領域以外の領域に設けられた光吸収層
(ブラックストライプ)を備えたレンチキュラーレンズ
シートの光吸収層を形成するために用いるハロゲン化銀
写真感光材料であって、前記ハロゲン化銀写真感光材料
の支持体の片面に、粒子サイズが1μm以下の感光性ハ
ロゲン化銀粒子を含み塗布銀量が1.5g/m以上で
ある感光層を少なくとも1層有し、前記支持体の感光層
とは反対面に光吸収する層を有さず、かつ前記各入光レ
ンズを介して感光層の反対面から露光した後に現像する
ことにより銀画像に基づく光吸収層が形成されることを
特徴とする直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料、
(2)感光層の支持体とは反対側に保護層を備えている
(1)記載の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料、
(3)ハロゲン化銀写真感光材料の総厚みが200μm
以下である(1)又は(2)記載の直接ポジ型ハロゲン
化銀写真感光材料、(4)感光性ハロゲン化銀粒子のハ
ロゲン組成が、塩化銀含量0〜10モル%または80〜
100モル%である(1)〜(3)いずれか1つに記載
の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料。
【0012】本発明の感光材料を利用することにより、
コントラストの低下を招くことなく、ファインピッチ化
されて高い解像度を有し高い濃度をも有し、イエロース
テインの少ない精密なブラックストライプをフィルム基
材の出光側に容易に形成することができる。
【0013】
【発明の実施のの形態】以下、図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。図1ないし図4は、本発
明の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料を用いてブラ
ックストライプを形成するための1実施態様を説明する
概略図である。
【0014】まず、図1により、本発明の実施の形態に
係るレンチキュラーレンズシートについて説明する。図
1に示すように、レンチキュラーレンズシート1は、フ
ィルム状の基材(以下「フィルム基材」という)2と、
フィルム基材2の入光側に設けられた複数の入光レンズ
3と、フィルム基材2の出光側のうち各入光レンズ2の
集光領域以外の領域に設けられたブラックストライプ
(光吸収層)4とを備えている。このブラックストライ
プ4は、フィルム基材2の出光側の表面と密着した直接
ポジ型ハロゲン化銀写真感光材を各入光レンズ3を介し
てフィルム基材2の入光側から露光した後に現像するこ
とにより形成することができる。
【0015】すなわち、図2および図3に示すように感
光層の反対面に光吸収する層を持たない直接ポジ型ハロ
ゲン化銀写真感光材料の感光層とは反対面と、フィルム
基材を密着する。その後、図4で示すように入光レンズ
を通して露光し、写真感光材料をそのまま現像処理する
ことによりブラックストライプを形成することができ
る。
【0016】従来のネガ型レジストを用いた方法ではレ
ジスト層を露光および現像し、各入光レンズの集光領域
にてネガ型レジスト材料をネガ型レジスト層として残す
とともに、ネガ型レジスト材料が除去された集光領域以
外の領域にて黒色インキ等の着色インキを充填させるこ
とが必要であったため、作業が煩雑であった。直接ポジ
型ハロゲン化銀写真感光材料を用いることによりファイ
ンピッチ化された高い解像度のブラックストライプを容
易に形成することができる。
【0017】また、露光、現像処理後の直接ポジ型ハロ
ゲン化銀写真感光材料の出光側表面に透過率が高い透光
性のクリア層を覆うことができる。なお、クリア層は露
光、現像後の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料上に
ラミネート加工またはコーティング加工により形成する
ことができる。さらに、光拡散層を設けることができ
る。また、出光側の表面(観察側表面)には反射防止
層、低反射層、傷つき防止層(ハードコート層)、帯電
防止層、防眩層(アンチグレアー層)、汚染防止層、偏
光フィルタ層、電磁波シールド層、およびタッチセンサ
機能層等の表面処理層等を設けるようにするとよい。
【0018】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光
材料は、支持体上に感光性ハロゲン化銀を含む感光層を
有し、感光材料を露光後フィルム基材と共に現像処理す
ることにより露光のパターンと正確に一致したブラック
ストライプを形成するためには、感光層と反対面に光吸
収層を持たないことが必要である。また、感光層の表面
を保護したり擦り傷を防止するために、画像形成層の外
側に保護層を有することが好ましい。これらの保護層に
は親水性コロイドがバインダーとして用いられ、さらに
好ましくはゼラチンが用いられる。保護層の厚さは0.
5μm以上が好ましい。また、本発明の写真感光材料に
おいては、感光層と支持体との間に非感光性層を設ける
ことができる。この非感光性層に染料等を加えてアンチ
ハレーション層としてもよい。さらに、感光層は必要に
応じて2層以上に分割してもよい。写真感光材料には、
上記の感光層、保護層及び非感光性層の他に、下塗り
層、中間層等の種々の補助層を設けることができる。
【0019】本発明で用いられる直接ポジ型ハロゲン化
銀写真感光材料では、フィルム基材との密着面での迷光
の影響を少なくするために、密着面から感光層までの距
離を短くすることが好ましい。具体的には、写真感光材
料の総厚みは、25μm以上200μm以下が好まし
い。
【0020】本発明に用いられる直接ポジ型ハロゲン化
銀感光材料に用いられる乳剤は、ハロゲン化銀内部に、
自由電子をトラップできる核を有し、その表面があらか
じめかぶらされているハロゲン化銀粒子からなるもので
ある。この型の乳剤の自由電子トラップ核としてロジウ
ム、ルテニウム、オスニウム、レニウムまたはイリジウ
ムの塩の少なくとも1種が用いられる。例えば、特公昭
43−4125号、特公昭43−29405、米国特許
第2,401,051号、同第2,976,149号、
同第3,023,102号、英国特許第707704
号、同第1097999号、仏国特許第1520824
号、同第1520817号、ベルギー国特許第7132
72号、同第721567号、同第681768号に記
載されている乳剤を用いることができる。
【0021】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子はい
かなるハロゲン化銀組成でもかまわない。すなわち、塩
化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃臭化銀のいず
れでもよいが、臭化銀あるいは塩臭化銀、または塩化銀
を用いることが好ましい。いずれの場合においても、塩
化銀含量が0〜10モル%または80〜100モル%で
あることが好ましく、塩沃臭化銀を用いる場合、塩化銀
含有量は0〜80%かつ沃化銀含量が0〜10%である
ことが好ましい。これ以外の組成では現像銀の銀色調が
黄色味をおび、好ましくない。粒子サイズは0.05〜
1.0μm、好ましくは0.10〜0.40μmであ
る。写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方体、八面体の
ような規則的(regular)な結晶形を有するもの
が好ましい。また粒子サイズ分布は狭い方が好ましく、
特に平均粒子サイズ±40%の粒子サイズ域内に全粒子
数の90%、望ましくは95%が入るような、いわゆる
単分散乳剤が好ましい。ハロゲン化銀乳剤の塗布量は好
ましくは1.5g/m以上10g/m以下、さらに
好ましくは2.0g/m以上5.0g/m以下であ
る。
【0022】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤に用
いられる内部電子トラップ核は、ハロゲン化銀粒子中に
ロジウム、ルテニウム、オスニウム、レニウムまたはイ
リジウムの塩化合物をハロゲン化銀1モルあたり10
−7〜10−3モル、好ましくは10−6〜10−4
ル量を含有させることによって導入できる。
【0023】上記の電子トラップ核を導入するために本
発明で用いられる遷移金属錯体の好ましいものとして
は、下記の一般式で表わされる六配位金属錯体が好まし
い。 〔M(NY)(6−n) (式中、Mはロジウム、ルテニウム、オスニウム、レニ
ウム、またはイリジウムであり、Lは架橋配位子であ
る。Yは酸素または硫黄を表わす。m=0、1−、2
−、3−であり、n=0、1、2である。) ニトロシル及びチオニトロシル架橋配位子以外のLの好
ましい具体例としては、ハロゲン化物配位子(フッ化
物、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、シアン化物配位
子、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノ
シアネート配位子、テルロシアネート配位子、アジド配
位子及びアコ配位子が挙げられる。アコ配位子が存在す
る場合には、配位子の1つ又は2つを占めることが好ま
しい。上記金属錯体をハロゲン化銀に含有せしめるに
は、ハロゲン化銀粒子調製時に添加することができる。
添加時期としてはハロゲン化銀粒子全体に均一に分布す
るよう添加してもよいが、ハロゲン化銀粒子の内殻部に
存在するよう添加することが好ましい。
【0024】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀乳剤のか
ぶらせ方法は公知の方法によればよく、光あるいは化学
的に処理することによって達成される。かかるカブリ化
はカブリを生じる迄化学増感する等多くの方法で達成さ
れ例えば、サイエンス エトインダストリー、フォトグ
ラフィク28、1月、1957年、57〜65頁に記載
の方法により特に良好な結果が得られる。ハロゲン化銀
粒子は強度の光によりカブラせられ、チオ尿素ジオキサ
イド又は塩化第一錫の如き還元カブリによりカブラせら
れ或は金又は貴金属化合物でカブラせられる。ハロゲン
化銀粒子のカブリ化に還元剤と、金化合物又は他の銀よ
りも電気的によりポジチブな金属例えばロジウム、白金
又はイリジウムの化合物との組合せを用いることもでき
る。本発明に係る直接ポジ写真乳剤は還元カブリ及び金
カブリを行ったハロゲン化銀粒子即ち還元カブリ剤と金
カブリ剤の双方でカブラせられたハロゲン化銀粒子から
なるものが高感度とDmin 減少という点で好まし
い。かかる組合せに於いて、還元カブリ剤及び金カブリ
剤の濃度を各々低く用いると、化学漂白によりカブリを
急速に失う特性のある独特なカブラせたハロゲン化銀粒
子が得られる。一当量の還元剤が一当量のハロゲン化銀
を銀還元することが知られている。漂白によりカブリを
急速に失う特性のあるカブラせたハロゲン化銀粒子を得
る為には、一当量よりはるかに少い還元カブリ剤を用い
る。即ちハロゲン化銀粒子をカブラせるのに、ハロゲン
化銀1モル当り1.0×10−6〜1.0×10−1
ルの範囲で用いられる。還元剤の濃度を大にすると写真
スピードの非常な損失をもたらす。
【0025】本発明の直接ポジ型乳剤を製造するために
用いうる還元カブリ剤の例としてはヒドラジン、フォス
フォニウム塩例えばテトラ(ヒドロキシメチル)フォス
フォニウムクロライド、チオ尿素ジオキサイド(これら
は米国特許第3,062,651号;同2,983,6
09号に記載あり);塩化第一錫の如き第一錫塩(米国
特許第2,487,850号参照);ポリアミン類例え
ばジエチレントリアミン(米国特許第2,519,69
8号参照);同じくポリアミン類例えばスペルミン(米
国特許第2,521,925号参照);ビス(β−アミ
ノエチル)サルファイド及びその水溶性塩(米国特許第
2,521,926号参照)等がある。
【0026】本発明の直接ポジ型乳剤を製造するために
用いられる金カブリ剤は、写真ハロゲン化銀粒子をカブ
ラせるのに用いられる任意の金塩であって例えば米国特
許第2,399,083号、同2,642,361号明
細書に記載されており、その例としてはカリウムクロロ
オーライト、カリウムオーリチオシアネート、カリウム
クロロオーレート、オーリックトリクロライド、ユーオ
ーロスルホベンゾチアゾール、メトクロライド等があ
る。本発明の直接ポジ型乳剤を製造するために用いられ
る金カブリ剤の濃度は広範囲に変更可能であるが一般に
ハロゲン化銀1モル当り1.0×10−8〜1.0×1
−4モルの範囲内である。カリウムクロロオーレート
が特に好ましい金カブリ剤でハロゲン化銀1モル当り約
5mg以下の濃度で、好ましくはハロゲン化銀1モル当
り約0.5〜4mgの濃度で用いられる。金カブリ剤を
還元カブリ剤と組合せて用いる場合、該カブリ剤組合せ
の主要部を金カブリ剤とすることが好ましく、一般には
金カブリ剤対還元カブリ剤の比は約1:3〜約20:1
であるが約2:1〜20:1にする場合が屡々である。
ハロゲン化銀粒子は先づ還元カブリ剤を用いてカブラせ
次に金カブリ剤でカブラせるのが好ましい。然しなが
ら、その逆にすることもできるし又、還元カブリ剤と金
カブリ剤を同時に用いることもできる。本発明の実施に
当りハロゲン化銀粒子は塗布前にカブラせることもでき
或は塗布してからカブラせることもできる。ハロゲン化
銀粒子をカブラせる場合の反応条件は広範囲に変更可能
であるが一般にpHは約5〜7、pAgは約7〜9、温
度は約40〜100℃最も一般的なのは約50〜70℃
の範囲である。
【0027】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光
材料においては、使用するハロゲン化銀乳剤の固有感光
波長域のうちの可視波長域に主たる吸収を有する水溶性
染料または固体分散可能な染料を用いることが好まし
い。なかでもλmax が350nm〜600nmの範
囲にある染料が好ましい。添加する染料の化学構造には
特別な制限はなく、オキソノール染料、ヘミオキソノー
ル染料、メロシアニン染料、シアニン染料、アゾ染料な
どを使用しうる。具体的には、水溶性染料としては例え
ば特公昭58−12576号に記載のピラゾロン染料、
米国特許第2,274,782号に記載のピラゾロンオ
キソノール染料、米国特許第2,956,879号に記
載のジアリールアゾ染料、米国特許第3,423,20
7号、同第3,384,487号に記載のスチリル染料
やブタジエニル染料、米国特許第2,527,583号
に記載のメロシアニン染料、米国特許第3,486,8
97号、同第3,652,284号、同第3,718,
472号に記載のメロシアニン染料やオキソノール染
料、米国特許第3,976,661号に記載のエナミノ
ヘミオキソノール染料、及び、英国特許第584,60
9号、同第1,177,429号、特開昭48−851
30号、同49−99620号、同49−114420
号、米国特許第2,533,472号、同第3,14
8,187号、同第3,177,078号、同第3,2
47,127号、同第3,540,887号、同第3,
575,704号、同第3,653,905号、に記載
の染料が用いられる。
【0028】微結晶状に固体分散することが可能な染料
としては、調子再現性と調子可変性の両方を改良する目
的で、該乳剤層と支持体の間に設けた非感光性層に添加
することが好ましい。この染料の塗布量としては1平方
メートル当り10mg〜500mgが好ましく、特に5
0mg〜300mgが好ましい。本発明に用いられる染
料は国際特許WO88/04794号、ヨーロッパ特許
EP0274723A1号、同276,566号、同2
99,435号、特開昭52−92716号、同55−
155350号、同55−155351号、同61−2
05934号、同48−68623号、米国特許第2,
527,583号、同3,486,897号、同3,7
46,539号、同3,933,798号、同4,13
0,429号、同4,040,841号、特願平1−5
0874号、同1−103751号、同1−30736
3号等に記載された方法およびその方法に準じて容易に
合成することができる。また、本発明の直接ポジ型ハロ
ゲン化銀写真感光材料中には、本発明の効果を損なわな
い範囲において、セーフライト安全性その他の改良のた
め、上記以外の層にも固体分散された染料および/また
は水溶性染料を添加することができる。好ましい添加量
は、乳剤層に添加する場合、それによる感度低下が l
ogEで0.2を超えない範囲であり、たとえば5〜1
00mg/mである。
【0029】本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光
材料中には一般的に用いる他の種々の写真用添加剤を含
有せしめることができる。安定剤として例えばトリアゾ
ール類、アザインデン類、第4ベンゾチアゾリウム化合
物、メルカプト化合物、あるいはカドミウム、コバル
ト、ニッケル、マンガン、金、タリウム、亜鉛等の水溶
性無機塩を含有せしめても良い。また硬膜剤として例え
ばホルマリン、グリオキザール、ムコクロル酸等のアル
デヒド類、S−トリアジン類、エポキシ類、アジリジン
類、ビニルスルホン酸等または塗布助剤とし例えばサポ
ニン、ポリアルキレンスルホン酸ナトリウム、ポリエチ
レングリコールのラウリル又はオレイルモノエーテル、
アミル化したアルキルタウリン、含弗素化合物等、を含
有せしめてもよい。更にカラーカプラーを含有させるこ
とも可能である。その他必要に応じて増白剤、紫外線吸
収剤、防腐剤、マット剤、帯電防止剤等も含有せしめる
ことができる。本発明の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感
光材料の写真乳剤層または他の親水性コロイド層には塗
布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止
及び写真特性改良(例えば、現像促進、硬調化、増感)
等種々の目的で、種々の界面活性剤を含んでもよい。例
えばサポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド
誘導体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエ
チレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチレン
グリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレン
グリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビ
タンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルア
ミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイ
ド付加物類)、グシリドール誘導体(例えばアルケニル
コハク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリ
セリド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のア
ルキルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキ
ルカルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン
酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステ
ル類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコ
ハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、ス
ルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
等の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類、ア
ミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリ
ン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド
類などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、脂肪族
あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウ
ム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩
類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又はスル
ホニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることが
できる。特に本発明において好ましく用いられる界面活
性剤は特公昭58−9412号公報に記載された分子量
600以上のポリアルキレンオキサイド類である。
【0030】本発明に用いるポリアルキレンオキサイド
化合物は、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド、たと
えばエチレンオキサイド、プロピレン−1,2−オキサ
イド、ブチレン−1,2−オキサイドなど、好ましくは
エチレンオキサイドの少くとも10単位から成るポリア
ルキレンオキサイドと、水、脂肪族アルコール、芳香族
アルコール、脂肪酸、有機アミン、ヘキシトール誘導体
などの活性水素原子を少くとも1個有する化合物との縮
合物あるいは二種以上のポリアルキレンオキサイドのブ
ロックコポリマーなどを包含する。すなわち、ポリアル
キレンオキサイド化合物として、具体的には ポリアルキレングリコール類 ポリアルキレングリコールアルキルエーテル類 ポリアルキレングリコールアリールエーテル類 ポリアルキレングリコール(アルキルアリール)エーテ
ル類 ポリアルキレングリコールエステル類 ポリアルキレングリコール脂肪酸アミド類 ポリアルキレングリコールアミン類 ポリアルキレングリコール・ブロック共重合体 ポリアルキレングリコールグラフト重合物 などを用いることができる。分子量は600以上である
ことが必要である。ポリアルキレンオキサイド類は分子
中に一つとは限らず、二つ以上含まれてもよい。その場
合個々のポリアルキレンオキサイド類が10より少いア
ルキレンオキサイド単位から成っていてもよいが、分子
中のアルキレンオキサイド単位の合計は少くとも10で
なければならない。分子中に二つ以上のポリアルキレン
オキサイド類を有する場合、それらの各々は異るアルキ
レンオキサイド単位、たとえばエチレンオキサイドとプ
ロピレンオキサイドから成っていてもよい。本発明で用
いるポリアルキレンオキサイド化合物は、好ましくは1
4以上100までのアルキレンオキサイド単位を含むも
のである。本発明で用いるポリアルキレンオキサイド化
合物の具体例をあげると次の如くである。
【0031】
【化1】
【0032】これらのポリアルキレンオキサイド化合物
をハロゲン化銀乳剤に添加する場合には、適当な濃度の
水溶液としてあるいは水と混和しうる低沸点の有機溶媒
に溶解して、塗布前の適当な時期、好ましくは、化学熟
成の後に乳剤に添加することができる。乳剤に加えずに
非感光性の親水性コロイド層、たとえば中間層、保護
層、フィルター層などに添加してもよい。
【0033】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に接着防止の目的でシリカ、酸
化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等のマット
剤を含むことができる。本発明の写真乳剤には寸度安定
性の改良などを目的として水不溶または難溶性合成ポリ
マーの分散物を含むことができる。例えば、アルキル
(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル
(たとえば酢酸ビニル)、アクリロニトリル等、単独あ
るいは組合せで、用いることができる。
【0034】本発明に用いられる乳剤は主としてゼラチ
ンを保護コロイドとして用い、特にイナートゼラチンを
用いるのが、有利である。ゼラチンの代りに写真的にイ
ナートなゼラチン誘導体(例えば、フタル化ゼラチンな
ど)、水溶性合成ポリマー例えば、ポリビニルアクリレ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンな
どが用いられる。本発明のハロゲン化銀乳剤は、任意の
適当な写真用支持体、例えば、ガラス、フィルムベース
例えばセルローズアセテート、セルローズアセテートブ
チレート、ポリエステル〔例えばポリ(エチレンテレフ
タレート)〕等が用いられる。
【0035】次に、本発明の感光材料の現像処理に用い
られる現像液について説明する。本発明に用いるハイド
ロキノン系現像主薬としてはハイドロキノン、クロロハ
イドロキノン、ブロムハイドロキノン、イソプロピルハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジブロ
ムハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノンな
どがあるが、特にハイドロキノンが好ましい。ハイドロ
キノン誘導体の現像液中での濃度は0.2〜0.75モ
ル/リットル、好ましくは0.2〜0.5モル/リット
ルであり、特に好ましくは0.2〜0.4モル/リット
ルである。
【0036】本発明に用いる1−フェニル−3−ピラゾ
リドン誘導体現像主薬としては、1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピ
ラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキ
シメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−
ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル
−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−p−アミノフェ
ニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−
トリル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p
−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピ
ラゾリドンなどがある。1−フェニル−3−ピラゾリド
ン誘導体の濃度は0.001〜0.06モル/リット
ル、好ましくは0.001〜0.02モル/リットル
で、特に好ましくは0.003〜0.01モル/リット
ルである。
【0037】また、下記一般式(I)で示される化合物
および/または下記一般式(II)で示される化合物を含
むことが好ましい。
【0038】一般式(I)
【化2】
【0039】式中、R 、R は、いずれも独立に、
水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒ
ドロキシ基、メルカプト基、カルボキシ基、スルホ基、
ホスホノ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン
原子、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、又はアル
コキシ基を表わす。またR 及びR が連結して環構
造を形成しても良い。
【0040】一般式(II)
【化3】
【0041】式中、Xは水素原子またはスルホン酸基を
表す。M は水素原子またはアルカリ金属原子を表
し、M は水素原子、アルカリ金属原子またはアンモ
ニウム基を表す。
【0042】次に一般式(I)について詳細に説明す
る。R 、R の好ましい例としてR 、R のど
ちらか一方が、炭素数1〜10の置換基を有してもよい
アルキル基、炭素数6〜12の置換基を有してもよいア
リール基、炭素数7〜12の置換基を有してもよいアラ
ルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子を挙げる
ことができる。R 、R の炭素数の和が2〜20が
好ましい例として挙げることができる。R 、R
連結して飽和の5〜6員環を形成する場合も好ましい例
として挙げることができる。
【0043】R 、R のさらに好ましい例としてR
として水素原子、あるいはアミノ基やヘテロ環を置
換基として有するアルキル基、R として炭素数1〜
10の置換基を有してもよいアルキル基、炭素数6〜1
2の置換基を有してもよいアリール基とR 、R
連結して飽和の5〜6員環を形成する場合を挙げること
ができる。具体例に、R としてジメチルアミノメチ
ル基、モルホリノメチル基、N−メチルピぺラジニルメ
チル基、ピロリジニルメチル基などを挙げることができ
る。R としてメチル基、エチル基、フェニル基、p
−メトキシフェニル基などを挙げることができる。
【0044】一般式(I)で示される化合物の具体例と
しては特開平5−232641号のI−1〜I−14が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0045】一般式(I)の化合物の好ましい添加量
は、現像液1リットル当り0.01〜100ミリモル、
より好ましくは0.1〜10ミリモルである。
【0046】本発明の一般式(II)で表される化合物
は、M が水素原子であるときその互変異性体であっ
ても良い。上記の一般式(II)においてXで表される低
級アルキル基、及び低級アルコキシ基はそれぞれ炭素原
子を1〜5個有する基を意味するが、好ましくは炭素原
子を1〜3個有する基である。一般式(II)で表される
好ましい化合物を以下に挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0047】
【化4】
【0048】一般式(II)の化合物の好ましい添加量
は、現像液1リットル当り0.01〜100ミリモル、
より好ましくは0.1〜10ミリモルである。
【0049】また、下記一般式(III)で示される化合
物を、(下記一般式(III)で示される化合物/ハイド
ロキノン系現像主薬)の濃度比が0.03〜0.12の
範囲で含み、pHが9.5〜12.0である現像液を用
いることが好ましい。
【0050】一般式(III)
【化5】
【0051】式中、R 、R はそれぞれヒドロキシ
基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルア
ミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカル
ボニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基を表
し、Xは炭素原子あるいは酸素原子あるいは窒素原子か
ら構成され、R 、R が置換している二つのビニル
炭素とカルボニル炭素と共同でXは5〜6員環を構成す
る。以下、一般式(III)について詳しく説明する。式
中、R 、R はそれぞれヒドロキシ基、アミノ基
(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、例えば
メチル基、エチル基、n−ブチル基、ヒドロキシエチル
基などを置換基として有するものを含む。)、アシルア
ミノ基(アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基な
ど)、アルキルスルホニルアミノ基(メタンスルホニル
アミノ基など)、アリールスルホニルアミノ基(ベンゼ
ンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ
基など)、アルコキシカルボニルアミノ基(メトキシカ
ルボニルアミノ基など)、メルカプト基、アルキルチオ
基(メチルチオ基、エチルチオ基など)を表す。R
、R として好ましい例として、ヒドロキシ基、ア
ミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホ
ニルアミノ基を挙げることができる。Xは炭素原子ある
いは酸素原子あるいは窒素原子から構成され、R
が置換している二つのビニル炭素とカルボニル炭
素と共同でXは5〜6員環を構成する。Xの具体例とし
て、−O−、−C(R )(R )−、−C(R
)=、−C(=O)−、−N(R )−、−N=、
を組み合わせて構成される。ただしR 、R 、R
、R は水素原子、炭素数1〜10の置換してもよい
アルキル基(置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ
基、スルホ基を挙げることができる)、炭素数6〜15
の置換してもよいアリール基(置換基としてアルキル
基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スル
ホ基を挙げることができる)、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基を表す。更にこの5〜6員環には飽和あるいは不飽
和の縮合環を形成してもよい。この5〜6員環の例とし
て、ジヒドロフラノン環、ジヒドロピロン環、ピラノン
環、シクロぺンテノン環、シクロヘキセノン環、ピロリ
ノン環、ピラゾリノン環、ピリドン環、アザシクロヘキ
セノン環、ウラシル環などが挙げられ、好ましい5〜6
員環の例として、ジヒドロフラノン環、シクロぺンテノ
ン環、シクロヘキセノン環、ピラゾリノン環、アザシク
ロヘキセノン環、ウラシル環を挙げることができる。一
般式(III)の化合物の具体例は特願平4−28874
7号にA−1〜A−22として記載の化合物を挙げるこ
とができる。この中で、好ましいのは、アスコルビン酸
あるいはエリソルビン酸(光学異性体)(A−1)であ
る。
【0052】本発明の現像処理の現像液に用いる保恒剤
は、遊離の亜硫酸イオンであり、現像液への添加の形と
しては、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸ア
ンモニウム、重亜硫酸ナトリウムなどがある。遊離の亜
硫酸イオン濃度は、0.3〜1.2モル/リットル、好
ましくは0.4〜1.0モル/リットル、特に好ましく
は0.5〜0.8モル/リットルである。本発明の現像
処理に用いる現像液のpHは9.5から12.0までの
範囲で、好ましくは、9.7〜11.0である。pHの
設定のために用いるアルカリ剤には水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸カリウム等のpH調整剤を含む。通常、緩衝剤
として使われるホウ酸塩は、アスコルビン酸誘導体化合
物と錯形成してしまうので、現像液中に存在しないこと
が好ましい。
【0053】また、本発明の感光材料の現像処理に用い
る現像液には、ジアルデヒド系硬膜剤またはその重亜硫
酸塩付加物が用いられることがある。その具体例として
は、グルタルアルデヒド、α−メチルグルタルアルデヒ
ド、β−メチルグルタルアルデヒド、マレインジアルデ
ヒド、サクシンジアルデヒド、メトキシサクシンジアル
デヒド、メチルサクシンジアルデヒド、α−メトキシ−
β−エトキシグルタルアルデヒド、α−n−ブトキシグ
ルタルアルデヒド、α,α−ジエチルサクシンジアルデ
ヒド、ブチルマレインジアルデヒド、又はこれらの重亜
硫酸塩付加物などがある。なかでもグルタルアルデヒド
またはその重亜硫酸塩付加物が最も一般的に使用され
る。ジアルデヒド化合物は処理される写真層の感度が抑
制されず、乾燥時間も著しく長くならない程度の量で用
いられる。具体的には、現像液1リットル当り1〜50
g、好ましくは、3〜10gである。
【0054】本発明の感光材料の現像処理に用いる現像
液にはカブリ防止剤が使用され、例えば、インダゾール
系、ベンズイミダゾール系またはベンズトリアゾール系
がある。具体的には、5−ニトロインダゾール、5−p
−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1−メチル−
5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダゾール、3
−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニトロベンズ
イミダゾール、2−イソプロピル−5−ニトロベンズイ
ミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、4−
〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2
−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、5−アミ
ノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールなどを
挙げることができる。これらカブリ防止剤の量は、通
常、現像液1リットル当り0.01〜10mmolであ
り、より好ましくは、0.1〜2mmolである。な
お、これら有機のカブリ防止剤以外に、例えば、臭化カ
リウム、臭化ナトリウムの如きハロゲン化物も使用する
ことができる。
【0055】更に本発明の感光材料の現像処理に用いる
現像液中には、各種の有機・無機のキレート剤を併用す
ることができる。無機キレート剤としては、テトラポリ
リン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を用
いることができる。一方、有機キレート剤としては、主
に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホ
ン酸、アミノホスホン酸及び有機ホスホノカルボン酸を
用いることができる。有機カルボン酸としては、アクリ
ル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アシエライン酸、セ
バチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、
ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、リ
ンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができるがこ
れらに限定されるものではない。
【0056】アミノポリカルボン酸としては、イミノ二
酢酸、ニトリロ酸酢酸、ニトリロ酸、プロピオン酸、エ
チレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エチレン
ジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、1,2−
ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢
酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノ
−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミ
ン四酢酸、その他特開昭52−25632号、同55−
67747号、同57−102624号、及び特公昭5
3−40900号明細書等に記載の化合物を挙げること
ができる。
【0057】有機ホスホン酸としては、米国特許3,2
14,454号、同3,794,591号、及び西独特
許公開2227639号等に記載のヒドロキシアルキリ
デン−ジホスホン酸やリサーチ・ディスクロージャー
(Research Disclosure)第181巻、Item 1817
0(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げられ
る。アミノホスホン酸としては、アミノトリス(メチレ
ンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホス
ホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられる
が、その他上記リサーチ・ディスクロージャー1817
0号、特開昭57−208554号、同54−6112
5号、同55−29883号及び同56−97347号
等に記載の化合物を挙げることができる。
【0058】有機ホスホノカルボン酸としては、特開昭
52−102726号、同53−42730号、同54
−121127号、同55−4024号、同55−40
25号、同55−126241号、同55−65955
号、同55−65956号、及び前述のリサーチ・ディ
スクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げる
ことができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩や
アンモニウム塩の形で使用してもよい。これらキレート
剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましく
は、1×10−4〜1×10−1モル、より好ましくは
1×10−3〜1×10−2モルである。
【0059】本発明の感光材料の現像処理に用いる現像
液には上記の組成の他に必要により緩衝剤(例えば、炭
酸塩、アルカノールアミン)、アルカリ剤(例えば、水
酸化物、炭酸塩)、溶解助剤(例えばポリエチレングリ
コール類、これらのエステル)、pH調整剤(例えば、
酢酸の如き有機酸)、現像促進剤(例えば米国特許2,
648,604号、特公昭44−9503号、米国特許
3,171,247号に記載の各種のピリジニウム化合
物やその他のカチオニック化合物、フェノサフラニンの
ようなカチオン性色素、硝酸タリウムや硝酸カリウムの
如き中性塩、特公昭44−9304号、米国特許2,5
33,990号、同2,531,832号、同2,95
0,970号、同2,577,127号記載のポリエチ
レングリコールやその誘導体、ポリチオエーテル類など
のノニオン性化合物、特公昭44−9509号、ベルギ
ー特許682862号記載の有機溶剤、米国特許3,2
01,242号記載のチオエーテル系化合物など、特に
チオエーテル系化合物が好ましい)、界面活性剤などを
含有させることができる。
【0060】現像処理温度及び時間は相互に関係し、全
処理時間との関係において決定されるが、一般に処理温
度は約20℃〜約50℃で処理時間は10秒〜2分であ
る。本発明の写真感光材料1平方メートルを処理する際
に、現像液の補充液量は300ミリリットル以下、好ま
しくは170ミリリットル以下である。
【0061】現像工程後に、続けて定着工程を行なう。
定着工程で使用する定着液は、チオ硫酸ナトリウム、チ
オ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グ
ルコン酸、ホウ酸、これらの塩を含む水溶液である。通
常、pH約3.8〜約7.0であるが、好ましくは、p
H5.0〜7.0であり、特に好ましくは、pH5.2
〜6.0である。これら成分のうち、定着主剤は、チオ
硫酸ナトリウムあるいはチオ硫酸アンモニウムである。
チオ硫酸塩の使用量は、0.5〜2.0モル/リットル
であり、好ましくは、0.7〜1.6モル/リットル、
特に好ましくは、1.0〜1.5モル/リットルであ
る。定着液には、所望により、硬膜剤(例えば水溶性ア
ルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜
硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、ほう酸)、pH
調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界
面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。界
面活性剤としては、例えば硫酸化物、スルフォン化物な
どのアニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面活性剤、
特開昭57−6840号公報記載の両性界面活性剤など
が挙げられる。また、公知の消泡剤を添加してもよい。
湿潤剤としては、例えばアルカノールアミン、アルキル
グリコールなどが挙げられる。定着促進剤としては、例
えば特公昭45−35754号、同58−122535
号、同58−122536号各公報記載のチオ尿素誘導
体、分子内に3重結合を持つアルコール、米国特許第
4,126,459号記載のチオエーテル化合物、特開
平4−229860号記載のメソイオン化合物などが挙
げられる。また、pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リ
ンゴ酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸などの有機酸、ほ
う酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用でき
る。臭気、機器材料のサビ発生の抑制の点から無機緩衝
剤を用いるのが好ましい。ここで、pH緩衝剤は現像液
の持込みによる定着液のpH上昇を防ぐ目的で使用さ
れ、0.1〜1.0モル/リットル、より好ましくは
0.2〜0.6モル/リットル程度用いる。
【0062】本発明における定着液の水溶性アルミニウ
ム塩の安定化剤としてはグルコン酸、イミノジ酢酸、グ
ルコヘプタン酸、5−スルホサリチル酸、それらの誘導
体、またはそれらの塩が好ましい。ここでグルコン酸は
ラクトン環をまいた無水物でもよい。これらの化合物の
中でもグルコン酸、イミノジ酢酸およびそれらのアルカ
リ金属塩またはアンモニウム塩が特に好ましく、これら
の化合物は実質的にホウ素化合物を含まない一剤型定着
濃厚液において、0.01〜0.45モル/リットル、
好ましくは0.03〜0.3モル/リットルの濃度で用
いられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、
2種以上を併用しても良い。さらに、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸、マレイン酸、グリ
コール酸、安息香酸、サリチル酸、タイロン、アスコル
ビン酸、グルタル酸、アジピン酸などの有機酸、アスパ
ラギン酸、グリシン、システインなどのアミノ酸、エチ
レンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、
1,3−プロパンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸など
のアミノポリカルボン酸や、糖類などと併用することも
本発明の態様として好ましい。
【0063】本発明の定着液中の硬膜剤としては、水溶
性アルミニウム塩、クロム塩がある。好ましい化合物は
水溶性アルミニウム塩であり、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどがある。定着温
度及び時間は、約20℃〜約50℃で5秒〜1分が好ま
しい。定着液の補充量は、300ml/m以下であ
り、特に170ml/m以下が好ましい。
【0064】本発明における現像処理方法では、現像、
定着工程の後、水洗水または安定化液で処理され、次い
で乾燥される。本発明の感光材料1m当たり、3リッ
トル以下の補充量(ゼロ、すなわちため水水洗も含む)
の水洗水または安定化液で処理することもできる。すな
わち節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配
管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なく
する方法として、古くより多段向流方式(例えば2段、
3段など)が知られている。この多段向流方式を本発明
に適用すれば定着後の感光材料は徐々に清浄な方向、つ
まり定着液で汚れていない処理液の方に順次接触して処
理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。
水洗を少量の水で行う場合には、特開昭63−1835
0号、同62−287252号などに記載のスクイズロ
ーラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けること
が好ましい。また、少量水洗時に問題となる公害負荷の
軽減のために種々の酸化剤添加やフィルター濾過を組み
合わせてもよい。上記の節水処理または無配管処理に
は、水洗水または安定化液に防ばい手段を施すことが好
ましい。
【0065】防ばい手段としては、特開昭60−263
939号に記された紫外線照射法、同60−26394
0号に記された磁場を用いる方法、同61−13163
2号に記されたイオン交換樹脂を用いて純水にする方
法、特開昭62−115154号、同62−15395
2号、同62−220951号、同62−209532
号に記載の防菌剤を用いる方法を用いることができる。
さらには、L. F. West,“Water Quality Criteria”Pho
to.Sci. & Eng.,Vol. 9No. 6(1965)、M. W. Re
ach, “Microbiological Growths in Motion-picture P
rocessing” ,SMPTE Jounal Vol.85(1976)、R.
O. Deegan,“Photo Processing WashWater Biocide
s”,J. Imaging Tech.,Vol.10、No. 6(198
4)、および特開昭57−8542号、同57−561
43号、同58−105145号、同57−13214
6号、同58−18631号、同57−97530号、
同57−157244号などに記載されている防菌剤、
防ばい剤、界面活性剤などを併用することもできる。さ
らに、水洗浴または安定化浴には、 R. T. Kreiman 著、
J. Imaging Tech.,10(6)242頁(1984)
に記載されたイソチアゾリジン系化合物、Research Dis
closure第205巻、No. 20526(1981、No.
4)に記載された化合物などを防菌剤(Microbiocide)
として併用することもできる。その他、「防菌防黴の化
学」堀口博著、三共出版(昭和57)、「防菌防黴技術
ハンドブック」日本防菌防黴学会・博報堂(昭和61)
に記載されているような化合物を含んでもよい。
【0066】本発明の感光材料の現像処理において少量
の水洗水で水洗するときには特開昭63−143548
号のような水洗工程の構成をとることも好ましい。さら
に、本発明の方法で水洗または安定化浴に防黴手段を施
した水を処理に応じて補充することによって生ずる水洗
または安定化浴からのオーバーフローの一部または全部
は特開昭60−235133号に記載されているように
その前の処理工程である定着能を有する処理液に利用す
ることもできる。本発明における現像処理では、現像時
間が5秒〜3分、好ましくは8秒から2分、その現像温
度は18℃〜50℃が好ましく、24℃〜40℃がより
好ましい。
【0067】定着温度および時間は約18℃〜約50℃
で5秒から3分が好ましく、24℃〜40℃で6秒〜2
分がより好ましい。この範囲内で十分な定着ができ、残
色が生じない程度に増感色素を溶出させることができ
る。水洗(または安定化)における温度および時間は5
〜50℃、6秒〜3分が好ましく、15〜40℃、8秒
〜2分がより好ましい。現像、定着および水洗(または
安定化)された感光材料は水洗水をしぼり切る、すなわ
ちスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥は約40℃
〜100℃で行われ、乾燥時間は周囲の状況によって適
宜変えられるが、通常は約4秒〜3分でよく、特に好ま
しくは40℃〜80℃で約5秒〜1分である。Dry
to Dryで100秒以下の現像処理をするときに
は、迅速処理特有の現像ムラを防止するために特開昭6
3−151943号に記載されているようなゴム材質の
ローラーを現像タンク出口のローラーに適用すること
や、特開昭63−151944号に記載されているよう
に現像タンク内の現像液攪拌のための吐出流速を10m
/分以上にすることや、さらには、特開昭63−264
758号に記載されているように、少なくとも現像処理
中は待機中より強い攪拌をすることがより好ましい。さ
らに迅速処理のためには、とくに定着タンクのローラー
の構成は、定着速度を速めるために、対向ローラーであ
ることがより好ましい。対向ローラーで構成することに
よって、ローラーの本数を少なくでき、処理タンクを小
さくできる。すなわち自現機をよりコンパクトにするこ
とが可能となる。
【0068】本発明の直接ポジ型写真感光材料の好まし
い包装形態の一実施態様を図5に示す。感光材料は感光
層を内向きにして巻芯に巻かれ、ガイド紙及び黒LDP
Eにより包装される。包装された直接ポジ型写真感光材
料は、発泡PE等の緩衝材により保護された上で段ボー
ルに収納される。
【0069】
【実施例】以下に実施例により更に具体的に説明する
が、これにより本発明の実施の態様が限定されるもので
はない。
【0070】(実施例1) <乳剤の調製>41℃に保ったゼラチン水溶液に銀1モ
ルあたり5×10−5モルの塩化ロジウムの存在下で硝
酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液を同時にダブルジェッ
ト法で、一定速度で55分間添加して平均粒子サイズ
0.20μmの臭化銀単分散乳剤を調製した。この乳剤
をフロキュレーション法により脱塩をおこない、pAg
を6.5に調整した後で、銀1モル当たり3mgのチオ
尿素ジオキサイドを加え、65℃で最高性能が得られる
まで熟成し、かぶりを生じしめた。これを乳剤1とす
る。
【0071】比較例として60℃に保ったゼラチン水溶
液に銀1モルあたり2×10−5モルの塩化ロジウムの
存在下で硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液を同時にダ
ブルジェット法で、一定速度で70分間添加して平均粒
子サイズ1.1μmの臭化銀単分散乳剤を調製した。こ
の乳剤をフロキュレーション法により脱塩をおこない、
pAgを6.5に調整した後で、銀1モル当たり1mg
のチオ尿素ジオキサイドを加え、65℃で最高性能が得
られるまで熟成し、かぶりを生じしめた。これを乳剤2
とする。
【0072】<塗布試料の作成>上記乳剤1,2に下記
化合物A,Bを銀1モル当たりそれぞれ1×10−3
ル添加した後、硬膜剤として1,3ジビニルスルホニル
−2−プロパノールを添加し、2.6g/m塗布銀量
になるように塗布した。この時、保護層としてエチルア
クリレートの分散物を含むゼラチン水溶液を乾燥後の厚
みで2μmとなるように厚み100μmのポリエチレン
テレフタレートフィルム上に同時に塗布を行なった。こ
の塗布試料を各々サンプル1,2する。また、塗布銀量
を1.4g/mになるように塗布した以外はサンプル
1と同様にしてサンプル3を作成した。さらに、保護層
を塗布しなかったこと以外はサンプル1と同様にしてサ
ンプル4を、厚み200μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に塗布した以外はサンプル1と同様にし
てサンプル5を作成した。
【0073】
【化6】
【0074】<露光・現像処理と写真性の評価>これら
の塗布済み試料を100μm間隔の銀画像を持ったフィ
ルターを通して大日本スクリーン製造(株)製P627
型プリンターで露光した後で現像、定着、水洗、乾燥処
理をした。各塗布試料毎に最低のヌケ濃度を与える最低
の露光量を調整し、その露光量で露光した。現像液、定
着液はND−1、ND−F(共に富士写真フイルム株式
会社製)を用い、現像条件は30℃60秒とした。
【0075】これらの処理済の試料を100倍のルーペ
を用い、形成したブラックストライプのエッジ部のシャ
ープさ、エッジ部のフリンジ、イエローステインを観察
した。これらの評価は目視で5段階評価し、エッジ部の
シャープさの優れたもの、エッジ部のフリンジ、イエロ
ーステインが少ないものを5とした。また未露光の塗布
試料を現像し最高濃度(Dmax)を測定した。濃度測
定はマクべス濃度計を用いて行った。得られた結果を表
1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】表1に示すように、本発明によれば、レン
チキュラーレンズに用いるための適性が高い、高濃度の
イエローステインの少ない正確なブラックストライプを
容易に形成できることがわかる。
【0078】(実施例2)実施例1の感光性ハロゲン化
銀を塩化銀にした以外は実施例1と同様にしてサンプル
を作成し、評価したところ、実施例1と同様の良好な結
果が得られることが確認できた。
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
ントラストの低下を招くことなくファインピッチ化され
た高い解像度、高い濃度の正確なブラックストライプを
フィルム基材の出光側に容易に形成するための直接ポジ
型ハロゲン化銀写真感光材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料を用いて
ブラックストライプを作成したレンチキュラーレンズシ
ートの一実施態様を示す図である。
【図2】密着前のフィルム基材と直接ポジ型ハロゲン化
銀写真感光材料の一実施態様を示す図である。
【図3】密着後のフィルム基材と直接ポジ型ハロゲン化
銀写真感光材料の一実施態様を示す図である。
【図4】密着後のフィルム基材と直接ポジ型ハロゲン化
銀写真感光材料を露光、現像して得られるブラックスト
ライプの一実施態様を示す図である。
【図5】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の包装方法
の一実施態様を示す図である。
【符号の説明】
1 レンチキュラーレンズシート 2 フィルム基材 3 入光レンズ 4 ブラックストライプ 5 露光、現像後の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感
光材料 5a 直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の支持体 5b 直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料の保護層 6 露光、現像前の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感
光材料 7 写真感光材料 8 巻芯 9 ガイド紙 10 黒LDPE 11 テープ 12 段ボール蓋箱 13 緩衝材(発泡PE) 14 段ボール身箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/035 G03C 1/035 A C L 1/74 1/74 1/76 502 1/76 502 5/08 5/08 (72)発明者 安田 健一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 森本 恭史 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 織田 訓平 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 西山 昌 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H016 AC00 AG01 2H021 BA23 BA26 BA32 2H023 BA00 BA02 BA03 DA06 DB00 GA00 2H042 AA09 AA15 AA26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状の基材と、前記基材の入光側
    に設けられた複数の入光レンズと、前記基材の出光側の
    前記各入光レンズの集光領域以外の領域に設けられた光
    吸収層(ブラックストライプ)を備えたレンチキュラー
    レンズシートの光吸収層を形成するために用いるハロゲ
    ン化銀写真感光材料であって、前記ハロゲン化銀写真感
    光材料の支持体の片面に、粒子サイズが1μm以下の感
    光性ハロゲン化銀粒子を含み塗布銀量が1.5g/m
    以上である感光層を少なくとも1層有し、前記支持体の
    感光層とは反対面に光吸収する層を有さず、かつ前記各
    入光レンズを介して感光層の反対面から露光した後に現
    像することにより銀画像に基づく光吸収層が形成される
    ことを特徴とする直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材
    料。
  2. 【請求項2】 感光層の支持体とは反対側に保護層を備
    えている請求項1記載の直接ポジ型ハロゲン化銀写真感
    光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料の総厚みが2
    00μm以下である請求項1又は2記載の直接ポジ型ハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 感光性ハロゲン化銀粒子のハロゲン組成
    が、塩化銀含量0〜10モル%または80〜100モル
    %である請求項1〜3いずれか1つに記載の直接ポジ型
    ハロゲン化銀写真感光材料。
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