JPH05232639A - ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法

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JPH05232639A
JPH05232639A JP7036692A JP7036692A JPH05232639A JP H05232639 A JPH05232639 A JP H05232639A JP 7036692 A JP7036692 A JP 7036692A JP 7036692 A JP7036692 A JP 7036692A JP H05232639 A JPH05232639 A JP H05232639A
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developing
solution
processing
liquid
silver halide
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JP7036692A
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Minoru Yamada
稔 山田
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動現像機を使用し、複数の現像処理剤濃厚
液で構成され、レダクトン類を現像主薬の主成分として
含有する現像液を補充しながら現像処理する際、レダク
トン類の現像活性を維持することができ、かつ他の処理
剤成分の処理性能に損傷を与えることがない現像性能に
優れた現像処理方法とする。 【構成】 少なくとも、化20で表わされるレダクトン
類を含有する現像処理剤濃厚液パートCを、必要分ずつ
希釈水により希釈し、現像タンク2に、直接、添加・補
充する。 【化20】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料(以下「感光材料」、「感材」と略すことがある。)
の現像処理方法に関し、更に詳しくは自動現像機(以下
「自現機」と略すことがある。)を用いて黒白写真感材
をハイドロキノンとは異なる現像主薬で現像処理する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に使用される黒白ハロゲン化銀感
材(X−レイ用、製版用、マイクロ用、ネガ用等)は従
来、ハイドロキノンを現像主薬とし、補助現像主薬とし
て3−ピラゾリドン系化合物またはアミノフェノール系
化合物を含むアルカリ性現像液で現像された後、定着お
よび水洗(安定)の各工程からなる処理によって画像が
形成される。
【0003】このような処理において、感光材料を連続
処理する場合等には、処理槽内の処理液の組成を一定に
保つために補充方式が採用されている。すなわち、感光
材料の処理に応じて新鮮な処理液(以下、「補充液」と
いう。)を処理槽へ補充し、疲労した処理液をオーバー
フローにより処理槽外へ排出するようになっている。
【0004】この補充液の調製および補充は、従来、次
のようにして行われている。
【0005】例えば、X−レイ感材用の自現機の現像槽
においては、図3に示すように、独立した3つの薬剤容
器4a、4b、4cに各々充填された3種の濃厚液のパ
ートA、B、Cと、補充液を調製するのに必要な量の希
釈水とをストックタンク6内に投入し、ケミカルミキサ
ー等により攪拌、混合して現像液の補充液Q2 を調製
し、ストックタンク6内に貯留された補充液Q2 をポン
プ13の作動により所定時に感光材料Sを処理する処理
槽(現像槽)2へ送液する。
【0006】また、定着槽においても、同様に、2種の
濃厚液パートと希釈水とから定着液の補充液を調製して
ストックタンクに貯留し、この補充液をポンプにより定
着槽へ送液することがある。
【0007】なお、現像液や定着液を構成する薬剤が複
数の濃厚液パーツに分けて保存されるのは、相互作用を
避け、また経時劣化を防止し、長期保存に耐えうるよう
にするためである。
【0008】ところで、特にX−レイ写真用感材は比較
的多量のハロゲン化銀を含有しており、しかもそれが迅
速に処理されるために、現像主薬であるハイドロキノン
を多量に含む高活性の現像液が使用されている。さらに
はこの現像液はグルタルアルデヒドを硬膜剤として含有
していることが特徴である。このような現像液から高い
活性度を維持するために空気酸化にも抗して多量に補充
されてきた。しかし、ハイドロキノンも今やそれ自身の
毒性、安全性が問題になりつつある。ハイドロキノンの
酸化防止のために使われる亜硫酸塩は、ハロゲン化銀塩
を現像液中に溶解させ、それが現像液中で還元されてい
わゆる銀汚れを引き起こす元凶にもなっている。従っ
て、これに代わるものが必要になってきた。その一つが
米国特許第2688549号、特開平3−249756
号で知られているレダクトン類であるが、これらの化合
物はアルカリ性現像液中では加水分解して酸を生成する
ことで、現像活性をどんどん失っていくことが致命的な
問題でもある。
【0009】このレダクトン類に固有な、本質的な問題
を回避する方法は今まで知られていない。特に現像液を
調液して使用するまでの現像液濃縮液(処理剤キット)
としては2年位はその性能が保証されなければ実用上商
品としての価値はない。そして、例えば、この間に、ア
ルカリ性の現像液濃縮液パーツの中に、レダクトン類が
含有されていれば、使われた時にはすでに現像活性を失
っていることもあり得るのである。さらには、上記のよ
うにグルタルアルデヒドを含むX−レイ感材用現像液の
場合には、レダクトン類とグルタルアルデヒドとのキッ
ト中での相互作用も避けるように、濃縮液組成を考慮せ
ねばならない。グルタルアルデヒドもアルカリ液中では
次第に縮重合して不活性化するので、キットとしては酸
性のパーツに組み込まれなければならないからである。
【0010】このようにしてハイドロキノンに代わって
レダクトン類が使われる場合には、現像液を調製するた
めの処理剤としてまずレダクトン類を含む処理剤パーツ
が酸性のパーツとして分離されていることが必要であ
り、その処理剤構成の方法を本発明者は先に提案した
(特願平3−352929号)。
【0011】しかし、このようにレダクトン類を酸性の
パーツに分離して処理剤キットを調製しても、濃厚液パ
ーツを一度にまた順次混合するという従来の現像液の調
製法では、レダクトン類を含む酸性のパーツがアルカリ
性のパーツと混合されるときにアルカリ性パーツに含ま
れる炭酸塩pH緩衝剤や亜硫酸塩が分解して炭酸ガスや亜
硫酸ガスを発生して本来添加されていた意味を失なわせ
てしまい、現像液の特性を発揮できなくしてしまうとい
う重大な問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、自動
現像機を使用し、複数の現像処理剤濃厚液で構成され、
レダクトン類を現像主薬の主成分として含有する現像液
を補充しながら現像処理する際、レダクトン類の現像活
性を維持することができ、かつ他の処理剤成分の処理性
能に損傷を与えることがない現像性能に優れたハロゲン
化銀写真感光材料の現像処理方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)の本発明により達成される。 (1) 自動現像機を用い、複数の現像処理剤濃厚液で
構成されるアルカリ性現像液により、ハロゲン化銀写真
感光材料を、その処理量に応じて前記現像液を補充しな
がら、現像処理するハロゲン化銀写真感光材料の現像処
理方法において、前記複数の現像処理剤濃厚液は、化2
で表わされるレダクトン類を含有する酸性の濃厚液を少
なくとも1種含むものであって、前記化2で表わされる
レダクトン類を含有する酸性の濃厚液を、濃厚液のま
ま、または必要な水と混合希釈して、直接、前記自動現
像機の現像槽に添加、補充することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料の現像処理方法。
【0014】
【化2】
【0015】[化2において、Rは、水素原子またはヒ
ドロキシ基を表わし、A1 およびA2は、それぞれ、ヒ
ドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基またはアミノ
基を表わし、A1 とA2 とは同一でも異なってもよい。
nは1〜4の整数である。]
【0016】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。本発明において、感光材料は、自現機を用
い、感材の処理量に応じて現像液を補充しながら現像処
理される。
【0017】上記の現像液は、アルカリ性現像液であ
り、現像主薬として化2で表わされるレダクトン類を含
有する。
【0018】レダクトン類は、従来黒白感材用の現像主
薬として汎用されているハイドロキノンに比べて毒性が
少なく安全性に優れる。また、ハイドロキノンに比べて
保恒剤として使われている亜硫酸塩の使用量を低減する
ことができ、亜硫酸塩に起因する銀汚れを少なくする。
【0019】また、本発明において、上記の現像液は複
数の現像処理剤濃厚液で構成されており、化2で表わさ
れるレダクトン類は、これらの濃厚液のなかの酸性の濃
厚液の1種以上に含有させるものとする。このときの濃
厚液のpHは1〜5程度とするのがよい。
【0020】このように酸性の濃厚液にレダクトン類を
含有させているので、アルカリ性とした場合と異なり、
調液までのレダクトン類の加水分解による現像活性の低
下を防止することができ、保存による性能劣化を防止す
ることができる。
【0021】また、X−レイ感材用の現像液にはグルタ
ルアルデヒドが用いられていることが多く、グルタルア
ルデヒドは酸性の濃厚液中に含有させるが、この場合レ
ダクトン類とグルタルアルデヒドとの相互作用を回避す
るような組成とする方が、両化合物の性能劣化を防止す
る上で好ましい。例えば、重亜硫酸塩を併存させ、グル
タルアルデヒドの重亜硫酸塩付加物を生成する条件の組
成とすることなどである。
【0022】このように現像活性の低下のない酸性の濃
厚液を用いて現像液を補充する際、本発明では、少なく
とも上記の濃厚液を、濃厚液のまま、または必要な水と
混合希釈して、自現機の現像槽に、直接、添加・補充し
ている。
【0023】このため、予め濃厚液を、一度に、または
順次混合して補充液を調製する従来法とは異なり、上記
の酸性の濃厚液と、アルカリ性の濃厚液とを混合する工
程がないので、アルカリ性の濃厚液中に含有される炭酸
塩や亜硫酸塩の分解が防止され、現像液の性能劣化がな
く、良好な処理性能を維持することができる。
【0024】また、従来とは異なり、上記の酸性の濃厚
液を直接添加・補充するものとしているので、従来に比
べて、補充タンクの設置面積を小さくすることができ、
省スペース型の自現機が実現する。
【0025】本発明の現像処理方法に用いられる自現機
の現像部の一構成例を図1に示す。
【0026】図1に示すように、現像部1は、感光材料
Sを現像処理する現像タンク2と補充供給系3とを有す
る。
【0027】現像タンク2には現像液100が満たされ
ており、補充液供給系3から、感光材料Sの処理量に応
じて補充される。また、現像タンク2には現像液100
の補充量に応じて疲労した現像液を排出する排出口22
が設置されている。
【0028】補充液供給系3には、補充用の処理剤容器
4が設置されている。処理剤溶器4は、その内部が隔壁
44および45により3つの空間41、42および43
に区画されており、空間41には現像処理剤濃厚液A
(以下、「パートA」という。)、空間42には現像剤
処理剤濃厚液B(以下、「パートB」という。)、空間
43には現像剤処理剤濃厚液C(以下、「パートC」と
いう。)がそれぞれ満たされている。
【0029】この中で、パートCには化2で表わされる
レダクトン類が含有されている。
【0030】この場合、各空間に収納される各パート
A、B、Cは、混合比率に対応した量とすることが好ま
しい。このような処理剤容器4には、空間41、42お
よび43にそれぞれ連通するパートA、B、Cの出口4
6、47および48が形成されている。また、パート
A、B、C入りの処理剤容器4を保管する際には、各出
口46〜48に着脱自在なキャップ等を取り付け、各空
間41〜43を密閉しておく。
【0031】なお、処理剤容器4は、一体成形により製
造されたもの、各空間41〜43をそれぞれ形成する部
分容器を接合一体化したもの等でいずれでもよい。
【0032】このような現像処理剤濃厚液を各パート毎
に収納する1つの連結された容器については、特開平3
−134666号に記載されている。
【0033】また、補充液供給系3には、処理剤容器4
内の濃厚液を希釈する希釈水の供給源5、および処理剤
容器4内から投入されたパートCを必要分ずつ希釈水に
より希釈し、これを収納するストックタンク6が設置さ
れている。
【0034】処理剤容器4の空間41内のパートA、お
よび空間42内のパートBは、感光材料Sの処理量に応
じて、濃厚液のまま現像タンク2内に、直接、それぞれ
ポンプ11、ポンプ12を介して補充される。
【0035】一方、パートCは、ストックタンク6で希
釈され、ポンプ13を介し、感光材料Sの処理量に応じ
て、現像槽2に、直接、添加、補充される。このときの
希釈水のストックタンク6への投入量は、パートCに対
応する希釈水の量ではなく、パートA〜C全体に対応す
る希釈水の量とする。そして、感光材料Sの処理量に応
じて、パートA、Bが現像タンク2内に、直接、補充さ
れるのに対応させてパートCの希釈液Q1 を現像槽2内
に直接添加、補充すればよい。
【0036】本発明における現像部は図1に示すものに
限定されるものでなく、図2に示す構成のものであって
もよい。
【0037】図2に示す現像部10は、図1の構成にお
いて、処理剤容器4の空間41、42、43内にそれぞ
れ収納されるパートA、B、Cを、すべて、希釈水によ
り希釈しながら、直接、それぞれポンプ11、ポンプ1
2、ポンプ14を介して、現像槽に、添加、補充するも
のとし、ストックタンク6を設置しないものとするほか
は、同様のものである。
【0038】なお、図示例では濃厚液を1つの連結され
た容器に収納するものとしており、このような容器とす
る方が好ましいが、各パートを別個の容器に収納するも
のとしてもよい。また、現像部は、図示例に限らず、処
理剤容器も含めて、種々の構成とすることができる。
【0039】なお、図1の構成では、補充タンクの設置
面積を従来に比べて60〜5%程度とすることができ、
また図2の構成のように補充タンクを必要としないもの
とすることができる。
【0040】また、本発明におけるタンク液は、補充液
と同様の液の流れで調製することが好ましい。
【0041】なお、レダクトン類を含有する現像液の補
充量は、感材1m2当たり50〜800ml、好ましくは1
00〜600mlとすればよい。
【0042】次に、本発明に使用する現像液に用いられ
るレダクトン類について説明する。レダクトン類として
は、一般に、エンジオール型(Endiol)、エナミノール
型(Enaminol)、エンジアミン型(Endiamin)、チオー
ルエノール型(Thiol-Enol)およびエナミン−チオール
型(Enamin-Thiol)の化合物が知られており、これらの
化合物の例は米国特許第2688549号、特開昭62
−237443号などに記載されている。
【0043】本発明では、このようなレダクトン類のう
ち、前記のように、化2で表わされるものを用いる。
【0044】次に、化2について記す。
【0045】化2において、Rは水素原子またはヒドロ
キシ基を表わし、nは1〜4の整数である。A1 および
2 は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよ
く、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基または
アミノ基を表わす。
【0046】A1 、A2 で表わされるアルコキシ基とし
ては、炭素数1〜2のものが好ましく、具体的にはメト
キシ基、エトキシ基等が挙げられる。
【0047】また、メルカプト基は置換されていてもよ
く、具体的にはメルカプト基、メチルチオ基等が挙げら
れる。
【0048】また、アミノ基は置換されていてもよく、
具体的にはアミノ基、メチルアミノ基等が挙げられる。
【0049】メルカプト基、アミノ基は、共に無置換で
あるものが好ましい。
【0050】A1 、A2 としては、上記のなかでも、ヒ
ドロキシ基が好ましい。また、A1、A2 の組み合わせ
としては、ヒドロキシ基同士、ヒドロキシ基とアミノ
基、ヒドロキシ基とアルコキシ基、メルカプト基とヒド
ロキシ基等があり、なかでもヒドロキシ基同士の組み合
わせが好ましい。
【0051】化2で表わされるレダクトン類のうち、本
発明において、好ましく用いられる化合物を化3、化4
に示す。
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】これらのレダクトン類の合成法もよく知ら
れており、例えば野村男次と大村浩久共著「レダクトン
の化学」(内田老鶴圃新社1969年)に記載されてい
る。
【0055】化3、化4の例示化合物のなかでも、I−
1、I−2、I−5等が好ましい。
【0056】本発明に用いられるレダクトン類はリチウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩
の形でも使用できる。これらのレダクトン類は、現像液
1リットル当たり1〜80g 、好ましくは5〜50g 用
いるのが好ましい。
【0057】また、レダクトン類は併用してもよく、併
用するときは合計で上記範囲の量とすればよい。
【0058】本発明には、化2のレダクトン類を現像主
薬の主成分として用いるが、このほかに、3−ピラゾリ
ドン系現像主薬、p−アミノフェノール系現像主薬を併
用してもよい。また、場合によっては、ジヒドロキシベ
ンゼン現像主薬を併用してもよい。
【0059】本発明に用いる3−ピラゾリドン系現像主
薬としては1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェ
ニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾ
リドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピ
ラゾリドン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメ
チル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4−メチル
−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがあ
る。
【0060】本発明に用いるp−アミノフェノール系現
像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、
p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)
−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノール、p
−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかでもN−
メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0061】本発明に用いるジヒドロキシベンゼン現像
主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、
ブロムハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノ
ン、2,5−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジブロ
ムハイドロキノン、2,5−ジメチルハイドロキノンな
どがあるが、特にハイドロキノンが好ましい。
【0062】これらの併用してもよい現像主薬は通常
0.001モル/リットル〜1.2モル/リットルの量
で用いられるのが好ましい。
【0063】本発明の現像液にはジアルデヒド系化合物
を硬膜剤として用いてもよい。
【0064】ジアルデヒド系化合物としては、グルタル
アルデヒド、α−メチルグルタルアルデヒド、β−メチ
ルグルタルアルデヒド、マレインジアルデヒド、サクシ
ンジアルデヒド、メトキシサクシンジアルデヒド、メチ
ルサクシンジアルデヒド、α−メトキシ−β−エトキシ
グルタルアルデヒド、α−n−ブトキシグルタルアルデ
ヒド、α,α−ジメトキシサクシンジアルデヒド、β−
イソプロピルサクシンジアルデヒド、α,α−ジエチル
サクシンジアルデヒド、ブチルマレインジアルデヒド、
またはこれらの重亜硫酸塩付加物等が挙げられる。これ
らの中でも最も好ましい化合物のグルタルアルデヒドま
たはこの重亜硫酸塩付加物であることが好ましい。
【0065】現像液中におけるジアルデヒド系化合物の
量は1リットル当たり0.5〜100g 、特に0.5〜
30g であるのが好ましい。
【0066】本発明の現像液に用いる亜硫酸塩の保恒剤
としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リ
チウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メ
タ重亜硫酸カリウムなどがある。亜硫酸塩は、0.2モ
ル/リットル以上、特に0.4モル/リットル以上が好
ましい。また、上限は2.5モル/リットルまでとする
のが好ましい。
【0067】本発明の現像液のpHは8.5から12まで
の範囲のものが好ましい。さらに好ましくはpH9から1
2までの範囲である。
【0068】pHの設定のために用いるアルカリ剤には水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウ
ムのようなpH調整剤を含む。
【0069】特開昭62−186259号に示されるも
の(ホウ酸塩)、特開昭60−93433号に示される
もの(例えば、サッカロース、アセトオキシム、5−ス
ルホサルチル酸)、リン酸塩、炭酸塩などの緩衝剤を用
いてもよい。
【0070】これらのpH緩衝剤の量は、本発明のレダク
トン類の量(モル数)の0.5倍から2倍、好ましくは
0.8倍から1.8倍、より好ましくは0.8倍から
1.5倍とし、この量を現像液中に使用することであ
る。pH緩衝剤としては炭酸塩、ホウ酸塩が特に好まし
い。
【0071】上記成分以外に用いられる現像液への添加
剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリ
ウムのような現像抑制剤:エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホ
ルムアミド、メチルセロゾルブ、ヘキシレングリコー
ル、エタノール、メタノールのような有機溶剤:1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプト
ベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム塩等の
メルカプト系化合物、5−ニトロインダゾール等のイン
ダゾール系化合物、5−メチルベンツトリアゾール等の
ベンツトリアゾール系化合物などのカブリ防止剤を含ん
でもよく、Research Disclosure 第176巻、No. 17
643、第XXI (12月号、1978年)に記載された
現像促進剤やさらに必要に応じて色調剤、界面活性剤、
消泡剤、硬水軟化剤、特開昭56−106244号記載
のアミノ化合物などを含んでもよい。
【0072】本発明の現像液に銀汚れ防止剤、例えば特
開昭56−24347号に記載の化合物を用いることが
できる。
【0073】本発明の現像液には、特開昭56−106
244号、ヨーロッパ公開特許0136582号に記載
のアルカノールアミンなどのアミノ化合物を用いること
ができる。
【0074】この他L.F.A メイソン著「フォトグラフィ
ック・プロセシング・ケミストリー」、フォーカル・プ
レス刊(1966年)の226〜229頁、米国特許第
2193015号、同2592364号、特開昭48−
64933号などに記載のものを用いてもよい。
【0075】本発明の方法によれば現像処理剤の濃厚液
パーツの構成として、例えば表1の構成があるが、これ
に限定されるものではない。
【0076】
【表1】
【0077】表1の中で処理剤の溶解性上必要な有機溶
剤、例えばグリコール類(ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコールなど)、N−メチルピロリドン、酢
酸などは記載されていないが、必要によりどのパートに
も添加することができる。
【0078】また表1の中での○印は必須構成成分では
なくて、含まれなくてもよい場合も意味している。
【0079】本発明における定着能を有する処理液は主
に定着液である。定着液は定着剤としてチオ硫酸塩を含
む水溶液であり、pH3.8以上、好ましくは4.0〜
7.0を有する。さらに好ましくはpH4.2〜5.5で
ある。
【0080】定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ
硫酸アンモニウムなどがあるが、定着速度の点からチオ
硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤の使用量は適
宜変ることができ、一般には約0.1モル/リットル〜
約3モル/リットルである。
【0081】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがあ
る。
【0082】定着液には、酒石酸、クエン酸、グリコン
酸、りんご酸、グリコール酸、あるいはそれらの誘導体
を単独で、あるいは2種以上、併用することができる。
これらの化合物は定着液1リットルにつき0.01モル
〜0.3モルが有効である。
【0083】定着液には所望により保恒剤(例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、ホウ
酸)、pH調製剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のあるキ
レート剤や特開昭62−78551号記載の化合物を含
むことができる。
【0084】本発明に使用する水洗水は、水洗槽に供給
する前に前処理として、フィルター部材やまたは活性炭
のフィルターを通して、水中に存在するゴミや有機物質
を除去すると一層、好ましいことがある。
【0085】防ばい手段として知られている、特開昭6
0−263939号に記された紫外線照射法、同60−
263940号に記された磁場を用いる方法、同61−
131632号に記されたイオン交換樹脂を用いて純水
にする方法、特願平2−208638号、特願平2−3
03055号に記されたオゾンを吹込みながらフィルタ
ーおよび吸着剤カラムを循環する方法、特願平3−24
138号に記された微生物分解による方法、特開昭62
−115154号、同62−153952号、同62−
220951号、同62−209532号に記載の防菌
剤を用いる方法を併用することができる。
【0086】さらには、M.W.Beach,"Microbiological G
rowths in Motion-picture Processing" SMPTE Journal
Vol. 85(1976)、R.O.Deegan,"Photo Processi
ng Wash Water Biocides"J.Imaging Tech.Vol.10,N
o. 6(1984)および特開昭57−8542号、同
57−58143号、同58−105145号、同57
−132146号、同58−18631号、同57−9
7530号、同57−257244号などに記載されて
いる防菌剤、防ばい剤、界面活性剤などを必要に応じ併
用することもできる。
【0087】さらに、水洗浴(あるいは安定化浴)に
は、必要に応じ、R.T.Kreiman 著、J.Image.Tech.Vol.
10,No. 6 242頁(1984)に記載されたイソ
チアゾリン系化合物や、ブロモクロロジメチルヒダント
イン、Research Disclosure 第205巻、No. 2052
6(1981年、5月号)、同第228巻、No. 228
45(1983年、4月号)に記載されたイソチアゾリ
ン系化合物、特開昭62−209532号に記載された
化合物などを、防菌剤(Microbiocide)として、必要に応
じ併用することもできる。
【0088】その他、「防菌防ばいの化学」堀口博著、
三共出版(昭和57)、「防菌防ばい技術ハンドブッ
ク」日本防菌防ばい学会・技報堂(昭和61)に記載さ
れているような化合物を含んでもよい。
【0089】本発明の方法においては、特開昭63−1
8350号に記載のスクイズローラー洗浄槽を設けるこ
ともできる。また、特開昭63−143548号のよう
な水洗工程の構成をとることも好ましい。
【0090】さらに、本発明の方法で水洗ないし安定化
浴に防ばい手段を施した水を処理に応じて補充すること
によって生ずる水洗槽からのオーバーフロー液の一部ま
たは全部は、特開昭60−235133号に記載されて
いるようにその前の処理工程である定着能を処理液に利
用することは有効である。
【0091】上記の現像時間は、5秒から3分、好まし
くは6秒から2分であるが、その現像温度は18℃〜5
0℃が好ましく、20℃〜40℃がより好ましい。
【0092】本発明によれば定着温度と時間は約18℃
〜約50℃で5秒〜3分が好ましく、20℃〜40℃で
6秒〜2分がより好ましい。この範囲内で十分な定着が
でき、残色を生じない程度に増感色素を溶出させること
ができる。
【0093】水洗(ないし安定浴)の温度と時間は0〜
50℃で6秒〜3分が好ましく、10℃〜40℃で6秒
〜2分がより好ましい。
【0094】本発明によれば、現像、定着および水洗
(ないし安定化)された写真材料は水洗水をしぼり切
る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥
は約40℃〜約100℃で行なわれ、乾燥時間は周囲の
状態によって適宜変えられるが、通常は約5秒〜3分で
よく、特により好ましくは40〜80℃で約5秒〜2分
である。
【0095】本発明の処理システムでDry to Dryで10
0秒以下の現像処理をするときには、迅速処理特有の現
像ムラを防止するために特開昭63−151943号公
報に記載されているようなゴム材質のローラを現像タン
ク出口のローラに適用することや、特開昭63−151
944号公報に記載されているように現像液タンク内の
現像液攪拌のための吐出流速を10m/分以上にすること
やさらには、特開昭63−264758号公報に記載さ
れているように、少なくとも現像処理中は待機中より強
い攪拌をすることがより好ましい。
【0096】本発明の感光材料の現像処理方法には、写
真感光材料として、特に限定はなく、一般の黒白感光材
料が主として用いられる。特にレーザー光源用写真材料
や印刷用感材並びに、医療用直接撮影X−レイ感材、医
療用間接撮影X−レイ感材、CRT画像記録用感材、マ
イクロフィルム、一般撮影感材などに用いることもでき
る。
【0097】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
するハロゲン化銀粒子はヨウ化銀以外に塩化銀、臭化銀
を含んでいてもよい。すなわち塩ヨウ化銀、ヨウ臭化
銀、塩ヨウ臭化銀の組成を有するものである。ヨウ化銀
の含量は塗設されているハロゲン化銀の0.05モル%
以上15モル%以下であり、好ましくは0.1モル%以
上12モル%以下、特に好ましいのは0.1モル%以上
10モル%以下で、この場合に本発明の効果は最も顕著
なものとなる。
【0098】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を構成
するハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、十四面体の
様な規則的な結晶形を有するいわゆるレギュラー粒子、
球状などの変則的結晶形を有するもの、双晶面などの結
晶欠陥を有するもの、平板粒子あるいはそれらの複合形
のものであってもよいが、これらのうち、増感色素の吸
着効率が高いという点で特に好ましいのは平板状粒子で
ある。
【0099】平板状粒子のアスペクトル比は、平板状粒
子個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径
の平均値と、平板状粒子個々の粒子厚みの平均値との比
で与えられる。本発明において平板状粒子である場合の
好ましい粒子形態としてはアスペクト比4以上20未
満、より好ましくは5以上10未満である。さらに粒子
の厚みは0.3μ以下が好ましく、特に0.2μ以下が
好ましい。
【0100】ハロゲン化銀の粒径は、狭い分布を有する
単分散乳剤でもよく、あるいは広い分布を有する多分散
乳剤でもよい。
【0101】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、公知の方法で製造でき、例えばResearch Disclosur
e、No. 17643(1978年12月)、22〜23
頁、"I.乳剤製造(Emulsion preparation and types)"
および同、No. 18716(1979年11月)、64
8頁に記載の方法に従うことができる。
【0102】本発明に用いられる写真乳剤は、グラフキ
デ著「写真の化学と物理」、ポールモンテル社刊(P.Gla
fkides,Chemie et Physique Photographique196
7)、ダフイン著「写真乳剤化学」、フォーカルプレス
社刊(G.F.Duffin,Photographic Emulsion Chemistry 1
966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、
フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikman et al,Making and
Coating Photographic Emulsion. 1964)などに記
載された方法を用いて調製することができる。
【0103】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
成時には粒子の成長をコントロールするためにハロゲン
化銀溶剤として例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダン
アンモニウム、チオエーテル化合物(例えば米国特許第
3271157号、同3574628号、同37041
30号、同4297439号など)、チオン化合物(特
開昭53−144319号、同53−82408号、同
55−77737号など)、アミン化合物(例えば特開
昭54−100717号など)などを用いることができ
る。
【0104】本発明においては、水溶性ロジウム塩や水
溶性イリジウム塩を用いることができる。
【0105】本発明における可溶性銀塩と可溶性ハロゲ
ン塩を反応させる形式としては片側混合法、同時混合
法、それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。
【0106】粒子を銀イオン過剰の下において形成させ
る方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。同
時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される
液相中のpAg を一定に保つ方法、すなわちいわゆるコン
トロールド・ダブルジェット法を用いることができ、こ
の方法によると、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に
近いハロゲン化銀乳剤が与えられる。
【0107】本発明の方法で用いるハロゲン化銀乳剤は
化学増感していることが好ましい。化学増感する場合
は、通常のイオウ増感、還元増感、貴金属感およびそれ
らの組合せが用いられる。
【0108】さらに具体的な化学増感剤としては、アリ
ルチオカルバミド(Allyl thiocarbamide) 、チオ尿素、
チオサルフェート、チオエーテルやシステムチンなどの
硫黄増感剤;ポタシウムクロロオーレイト、オーラスチ
オサルフェートやポタシウムクロロパラデート(Potassi
um chloro Palladate)などの貴金属増感剤:塩化スズ、
フェニルヒドラジンやレダクトンなどの還元増感剤など
を挙げることができる。
【0109】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
公知の分光増感色素によって必要に応じて分光増感され
る。用いられる分光増感色素としては例えばヘイマー
著、“ヘテロサイクリック・コンパウンズ−ザ・シアニ
ン、ダイズ・アンド・リレイティッド・コンパウン
ズ”,ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(1964年
刊)(F.M.Hamer,"Heterocyclic Compounds-The Cyanine
Dyes and Related Comppunds",John Wiley & Sons(1
964)やスターマー著、“ヘテロサイクリック・コン
パウンズ−スペシャル、トピックス・イン・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー”,ジョン・ウイリー・アンド
・サンズ(1977年刊)(D.M.Sturmer."Heterocyclic
Compound-Special Topics in Heterocylic Chemistr
y",John Wiley &Sons(1977)・などに記載されて
いる、シアニン、メロシアニン、ロダシアニン、スチリ
ル、ヘミシアニン、オキソノール、ベンジリデン、ホロ
ポーラーなどを用いることができるが、特にシアニンお
よびメロシアニンが好ましい。
【0110】本発明で好ましく使用しうる増感色素とし
ては、特開昭60−133442号、同61−7533
9号、同62−6251号、同59−212827号、
同50−122928号、同59−1801553号等
に記載された一般式で表わされるシアニン色素、メロシ
アニン色素等が挙げられる。具体的には、特開昭60−
133442号の第(8)〜(11)頁、特開昭61−
75339号の第(5)〜(7)頁、第(24)〜(2
5)頁、特開昭62−6251号の第(10)〜(1
5)頁、特開昭59−212827号の第(5)〜
(7)頁、特開昭50−1229287号の第(7)〜
(9)頁、特開昭59−180553号の第(7)〜
(18)頁等に記述されているスペクトルの青領域、緑
領域、赤領域あるいは赤外領域にハロゲン化銀を分光増
感する増感色素を挙げることができる。
【0111】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色
素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素ある
いは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増
感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含窒素
異節環核であって置換されたアミノスチルベン化合物
(例えば米国特許第2933390号、同363572
1号に記載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮
合物(例えば米国特許第3743510号に記載のも
の)、カドミウム、アザインデン化合物などを含んでも
よい。米国特許第3615613号、同3615641
号、同3617295号、同3635721号に記載の
組合せは特に有用である。
【0112】上記の増感色素はハロゲン化銀1モル当り
5×10-7モル〜5×10-2モル、好ましくは1×10
-5モル〜1×10-3モル、特に好ましくは2×10-6
5×10-4モルの割合でハロゲン化銀写真乳剤中に含有
される。
【0113】前記の増感色素は、直接乳剤層へ分散する
ことができる。また、これらはまず適当な溶媒、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロソル
ブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合溶媒
などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加することも
できる。また、溶解に超音波を使用することもできる。
また、前記の増感色素の添加方法としては米国特許34
69987号明細書などに記載されるような、色素を揮
発性の有機溶媒に溶解し、この溶液を親水性コロイド中
に分散し、この分散物を乳剤中に添加する方法、特公昭
46−24185号などに記載のような、水不溶性色素
を溶解することなしに水溶性溶剤中に分散させ、この分
散物を乳剤へ添加する方法、特公昭61−45217号
に記載のように、水不溶性色素を水系溶媒中にて機械的
に粉砕、分散させ、この分散物を乳剤へ添加する方法:
米国特許第3822135号明細書に記載のように、界
面活性剤に色素を溶解し、この溶液を乳剤中へ添加する
方法;特開昭51−74624号に記載のようなレッド
シフトさせる化合物を用いて溶解し、この溶液を乳剤中
へ添加する方法;特開昭50−80826号に記載のよ
うな色素を実質的に水を含まない酸に溶解し、この溶液
を乳剤中に添加する方法などが用いられる。その他、乳
剤への添加には米国特許第2912343号、同334
2605号、同2996287号、同3429835号
などに記載の方法も用いられる。また上記の増感色素は
適当な支持体上に塗布される前にハロゲン化銀乳剤中に
一様に分散してよいが、勿論ハロゲン化銀乳剤の調製の
どの過程にも分散することができる。例えば化学増感時
もしくはその前でもよいし、米国特許第4183756
号、同4225666号に従ってハロゲン化銀粒子形成
時またはその前後でもよい。化学増感時もしくはその前
または粒子形成時やその前後に増感色素を添加すると増
感色素がハロゲン化銀へ強く吸着することが知られてい
るが、このような作り方をして、ハロゲン化銀乳剤を用
いた感材の残色も問題なく改良することができる。
【0114】上記の増感色素に、さらに他の増感色素を
組合せて用いることができる。例えば米国特許第370
3377号、同2688545号、同3397060
号、同3615635号、同3628964号、英国特
許第1242588号、同1293862号、特公昭4
3−4936号、同44−14030号、同43−10
773号、米国特許第3416927号、特公昭43−
4930号、米国特許第2615613号、同3615
632号、同3617295号、同3635721号な
どに記載の増感色素を用いることができる。
【0115】本発明に用いうる硬膜剤としては例えばア
ルデヒド化合物、米国特許3288775号等に記載さ
れている活性ハロゲンを有する化合物、米国特許第36
35718号等に記載されている反応性エチレン性不飽
和基を持つ化合物、米国特許第3091537号等に記
載されているエポキシ化合物、ムコクロル酸のようなハ
ロゲノカルボキシアルデヒド等の有機化合物が知られて
いる。中でもビニルスルホン型硬膜剤が好ましい。さら
には高分子硬膜剤も好ましく用いることができる。
【0116】高分子硬膜剤としては活性ビニル基、ある
いはその前駆体となる基を有するポリマーが好ましく、
中でも特開昭56−142524号に記載されている様
な、長いスペーサーによって活性ビニル基、あるいはそ
の前駆体となる基がポリマー主鎖に結合されているよう
なポリマーが特に好ましい、上記の硬膜剤の添加量は、
使用する硬膜剤の種類やゼラチン種によって異なる。
【0117】迅速処理においては、乳剤層および/また
はその他の親水性コロイド層中に現像処理工程において
流出するような有機物質を含有させることが好ましい。
流出する物質がゼラチンの場合は硬膜剤によるゼラチン
の架橋反応にかかわらないゼラチン種が好ましく、例え
ばアセチル化ゼラチンやフタル化ゼラチンなどがこれに
該当し、分子量は小さいものが好ましい。一方、ゼラチ
ン以外の高分子物質としては米国特許第3271158
号に記載されているようなポリアクリルアミド、あるい
はまたポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンな
どの親水性ポリマーを有効に用いることができ、デキス
トランやサッカロース、プルランなどの糖類も有効であ
る。中でもポリアクリルアミドやデキストランが好まし
く、ポリアクリルアミドは特に好ましい物質である。こ
れらの物質の平均分子量は好ましく2万以下、より好ま
しくは1万以下が良い。この他に、Research Disclosur
e第176巻、No. 17643、第VI項(12月号、1
978年)に記載されたカブリ防止剤や安定化剤を用い
ることができる。
【0118】本発明の現像処理法は、米国特許第422
4401号、同4168977号、同4166742
号、同4311781号、同4272606号、同42
21857号、同4243739号等に記載されている
ヒドラジン誘導体を用いて超硬調で感度の高い写真特性
を得ることができるハロゲン化銀感光材料の画像形成処
理に応用できる。
【0119】ヒドラジン誘導体としては、Research Dis
closure Item23516(1983年11月号、P.3
46)およびそこに引用された文献の他、米国特許第4
080207号、同4269929号、同427636
4号、同4278748号、同4385108号、同4
459347号、同4560638号、同447892
8号、英国特許第2011391B、特開昭60−17
9734号に記載されたものを用いることができる。ヒ
ドラジン誘導体は、ハロゲン化銀1モルあたり1×10
-6モルないし5×10-2モル含有されるのが好ましく、
特に1×10-5モルないし2×10-2モルの範囲が好ま
しい添加量である。
【0120】また、この場合においては用いる現像液に
は硬調化促進剤として米国特許第4269929号記載
のアミノ化合物を含有させるのが好ましい。
【0121】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0122】実施例1乳剤の調製 水1リットルに臭化カリウム5g、ゼラチン25.6
g、チオエーテルOH(CH2)2S(CH2)2S(CH2)2OHの5%水溶
液2.5mlを添加し、66℃に保った溶液中へ、攪拌し
ながら硝酸銀8.33gの水溶液と臭化カリウム5.9
4gおよび沃化カリウム0.726gを含む水溶液をダ
ブルジェット法により45秒かけて添加した。
【0123】次いで臭化カリウム2.9gを添加したの
ち、硝酸銀8.33gを含む水溶液を24分かけて添加
し、その後化5の構造の二酸化チオ尿素を0.1mg添加
した。
【0124】
【化5】
【0125】その後、25%アンモニア水溶液20ml、
50%硝酸アンモニウム水溶液10mlを添加して20分
間物理熟成したのち、1Nの硝酸240mlを添加して中
和した。
【0126】引き続いて硝酸銀153.34gの水溶液
と臭化カリウムおよび沃化カリウムを含む水溶液を、電
位pAg 8.2に保ちながらコントロールダブルジェット
法で40分かけて添加した。この時の流量は添加終了時
の流量が添加開始時の流量の9倍になるように加速し
た。
【0127】添加終了後2Nのチオシアン酸カリウム溶
液15mlを添加し、さらに1%の沃化カリウム水溶液4
5mlを30秒かけて添加した。
【0128】このあと、温度を35℃に下げ、沈降法に
より可溶性塩類を除去したのち、40℃に昇温してゼラ
チン76gとプロキセル76mgおよびフェノキシエタノ
ール760mgを添加し、水酸化ナトリウムと臭化カリウ
ムにより乳剤のpHを6.50に、pAg を8.20に調整
した。
【0129】温度を56℃に昇温したのち、4−ヒドロ
キシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデ
ン186mgを添加し、その10分後に化6の増感色素を
520mg添加した。
【0130】
【化6】
【0131】得られた乳剤は全粒子の投影面積の総和の
99.5%がアスペクト比3以上の粒子からなり、アス
ペクト比2以上のすべて粒子についての平均の投影面積
直径は1.48μm 、標準偏差25.6%、粒子の厚み
の平均は0.195μm 、アスペクト比は7.6、トー
タルヨード含量は全銀量に対して1.6モル%であっ
た。
【0132】乳剤塗布液の調製 上記の乳剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬
品を下記の量添加して塗布液とした。 ・ポリマーラテックス[ポリ(エチルアクリレート/メタクリル酸); 共重合比97/3] : 25.0g ・硬膜剤(1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン: 3.0g ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1, 3,5−トリアジン : 80mg ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量4.1万) : 4.0g ・ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量60万) : 1.0g ・ポリアクリルアミド(平均分子量4.5万) : 24g
【0133】支持体の調製 ブルーに着色した厚さ175μm のポリエチレンテレフ
タレートベースの両面に下記の塗布量の下塗層を設けた
ベースを準備した。 ・ゼラチン: 84mg/m2 ・化7のポリマー: 60mg/m2
【0134】
【化7】
【0135】 化8の染料: 17mg/m2
【0136】
【化8】
【0137】感光材料の作成 前記塗布液を下記組成の表面保護層塗布液と同時に前記
の支持体の両面に塗布した。塗布銀量は片面当たり1.
85g/m2であった。表面保護層は各成分が下記の塗布量
になるように調製した。
【0138】表面保護層の内容 ・ゼラチン :1.15g/m2 ・ポリアクリルアミド(平均分子量4.5万) :0.25g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) :0.02g/m2 ・p−t−オクチルフェノキシジグリセリルブチルスルホン 化物のナトリウム塩 :0.02g/m2 ・ポリ(重合度10)オキシエチレンセチルエーテル :0.035g/m2 ・ポリ(重合度10)オキシエチレン−ポリ(重合度3) オキシグリセリル−p−オクチルフェノキシエーテル :0.01g/m2 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ ザインデン :0.0155g/m2 ・2−クロロハイドロキノン : 0.154g/m2 ・C817SO3 K : 0.003g/m2 ・化9の化合物 : 0.001g/m2
【0139】
【化9】
【0140】 ・化10の化合物 : 0.003 g/m2
【0141】
【化10】
【0142】 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.5μm ) : 0.025 g/m2 ・ポリ(メチルメタクリレート/メタクリレート) (共重合比7:3 平均粒径2.5μm ) : 0.020 g/m2 このようにして、塗布膜の膨潤百分率230%の感光材
料を作製した。
【0143】処理に用いる現像液、定着液の各濃縮液の
組成をそれぞれ表2、表3に示す。
【0144】
【表2】
【0145】
【表3】
【0146】処理液の調製 上記現像液の濃縮液を容器に各パート毎に15リットル
分を充填した。この容器は図1に示すように、パート
A、BおよびCの各容器が容器自身によって一つに連結
されているものである。
【0147】また、上記定着液の濃縮液も同種の容器に
充填した。
【0148】用いる自現機の仕様は表4に示すものと
し、現像部の構成は図1に示すとおりとした。
【0149】
【表4】
【0150】まず、現像タンク内にスターターとして、
現像液1リットルに対して、臭化カリウム3.7g と酢
酸3.6g を含む水溶液20mlを入れた。上記容器に入
った処理剤を逆さにして自現機の側面に装着されている
処理液ストックタンクの穿孔刀刃に差し込んでキャップ
部分を打ち破り充填した。
【0151】これらの現像液、定着液を次のような割合
で自現機の現像タンク、定着タンクに、それぞれ自現機
に設置されている定量ポンプを使って満たした。
【0152】なお、現像タンクには、図1の構成に従っ
て満たすものとした。
【0153】また、感材が四切サイズ換算で8枚処理さ
れる毎にも、この割合で、処理剤原液と水とを混合して
自現機のタンクに補充した。現像タンクには図1の構成
に従って補充した。
【0154】<現像液> A液: 30ml B液: 6ml C液: 60ml 水 : 104ml (pH :10.50) <定着液> 濃縮液: 80ml 水 : 120ml (pH : 4.62)
【0155】水洗タンクには水道水を満たした。
【0156】処理 前記感光材料にX線露光を与え、上記の自現機および上
記の割合に混合した各処理液を用い、表4の工程時間
で、四切サイズ(10×12インチ)1枚当たり現像液
は25ml、定着液も25ml補充しながら処理した。この
とき、現像液は図1の構成に従って補充した。
【0157】この自現機の水洗タンクには水洗水が、感
光材料が処理されている時間に同期して電磁弁が開いて
毎分5リットル供給される。夜間、自現機は待機稼動と
し、処理されてもされなくとも1時間に4分間は新鮮水
が供給されるようにし、水洗タンクの水は実験期間中抜
かずに処理を続けた。この水洗タンクにはエチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム二水塩60g とグルタルアルデ
ヒド40g を1リットル中に含む水溶液を10分間の間
に1分間1mlの割合で定量パルスポンプを使って終始滴
下し続け、水アカ防止とした。
【0158】1日の平均処理枚数は四切サイズで約20
0枚である。なお定着タンクからの定着液の持ち込み量
は26ml/m2 であった。
【0159】このようにして1ケ月ランニング処理を行
った。これを処理No. 1とする。
【0160】処理No. 1において、自現機の現像部を図
3の構成にかえ、現像液の濃縮液パートA、B、Cをス
トックタンク(補充タンク)に一度に全部15リットル
分を投入して調液し、これを現像液およびその補充液と
して用いるものとするほかは同様に処理した。
【0161】これを処理No. 2とする。処理No. 1、N
o. 2について、処理開始直後と1ケ月ランニング処理
後の写真性を比較した。
【0162】写真性は、カブリ濃度(Dmin )、感度、
ガンマ(γ)、最高濃度(Dmax )について調べた。な
お、感度は濃度1.0におけるものとした。
【0163】結果を表5に示す。
【0164】
【表5】
【0165】表5の結果から明らかなように、本発明の
現像処理方法(処理No. 1)による方が写真性能の劣化
がないことがわかる。これは、現像主薬の主成分である
L−アスコルビン酸が、従来のような補充液中でのアル
カリ加水分解がない分、安定に使用することができ、し
かも補充液調液時における炭酸カリウムの分解による炭
酸ガスの生成を少なくすることができ、pH緩衝能を十分
に維持できることなどによると考えられる。
【0166】また、従来の処理No. 2における現像用ス
トックタンクの容量は20リットル程度であるのに対
し、本発明の処理No. 1では処理に応じた分だけを希釈
しながら補充するので、実際上ストックタンクは不要
で、自現機に原液ストックタンクを内蔵でき、その設置
面積は、従来に比べて10%程度とすることができた。
【0167】さらに、処理No. 1において、現像部を図
2の構成とするほかは同様に処理したところ、処理No.
1と同等の結果を示した。
【0168】実施例21.ポリエステルフィルム(支持体)の作成 アンチモン元素を170ppm 、マグネシウム元素を60
ppm 、リン元素を30ppm 含んだポリエステルを、18
0℃で6時間真空乾燥した。
【0169】この乾燥ポリエステルをインジェクション
にて280℃で厚さ1.2ミリに押し出しロング延伸機
にて縦横3.4倍ずつに延伸した後、230℃で1分間
熱固定を施し、102μのポリエステルフィルムを得
た。
【0170】2.下塗層の塗布 1.で得られたポリエステルフィルムの両面を下記条件
でコロナ放電処理した後、メチルメタクリレート/ブチ
ルアクリレート/アクリロニトリル=45/45/10
重量%の共重合体の水性分散液を固形分が0.3g/m2
なるように塗布・乾燥した。その上にコロナ放電処理
後、塩化ビニリデン/メチルメタクリレート/アクリロ
ニトリル=90/8/2重量%の共重合体の水性分散液
を固形分が1g/m2になるように両面に塗布し、乾燥し
た。さらに、その上にコロナ放電処理後、ゼラチン0.
1g/m2、メチルセルロース(信越化学(株)製60SH
−6)5mg/m2になるように両面に塗布し乾燥した。
【0171】コロナ放電処理条件:ピラー社製ソリッド
ステートコロナ処理機6kVAモデルを用いて、30cm
幅支持体を20m/min で処理した。このとき、電流・電
圧の読み取り値より被処理物は0.375kVA・min/
m2の処理がなされた。処理時の放電周波数は9.6kHz
、電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは1.
6mmであった。
【0172】3.ハロゲン化銀乳剤層の処方(乳剤上層
および下層) コントロールダブルジェット法を用いて乳剤粒子サイズ
0.28μになるように立方体単分散沃臭化銀乳剤(変
動係数12%、沃化銀0.5モル%、ヨード分布は均
一)を調製した。この沃臭化銀乳剤にはK3 IrCl6
を4×10-7モル/Ag含有するようハロゲン液に混ぜ
て添加した。
【0173】この乳剤をフロキュレーション法により脱
塩を行い、その後50℃に保ち増感色素として実施例1
で用いた化6の化合物を銀1モル当たり5×10-4と、
銀1モル当たり5×10-3モルのヨウ化カリ溶液を加え
15分間経時させた後降温した。
【0174】この乳剤に安定剤として4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、5
−メチルベンズトリアゾール、化11の化合物(a)お
よび化12の化合物(b)をそれぞれ5mg/m2塗布され
るよう添加した。ヒドラジン化合物として化13の化合
物を10mg/m2になるよう添加した。
【0175】この乳剤に化14の化合物を8.0×10
-3モル/モルAg添加した後、平均分子量600のポリ
エチレングリコールを75mg/m2になるように加え、さ
らにポリエチルアクリレートの分散物を固形分で対ゼラ
チン比30wt% 、硬膜剤として1,3−ジビニル−スル
ホニル−2−プロパノールを加え前述の支持体上に乳剤
銀量が3.6g/m2になるように塗布した。
【0176】
【化11】
【0177】
【化12】
【0178】
【化13】
【0179】
【化14】
【0180】4.乳剤側保護膜の処方 この上に保護層としてゼラチン1.2g/m2、粒子サイズ
約3μの不定型なSiO2 マット剤40mg/m2、メタノ
ールシリカ0.1g/m2、ポリアクリルアミド100mg/
m2、ハイドロキノン200mg/m2とシリコーンオイルお
よび塗布助剤として化15の構造式で示されるフッ素界
面活性剤とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含
む層を同時に塗布した。
【0181】
【化15】
【0182】5.バック層の処方 乳剤層とは反対側の支持体上にバック層として下記組成
のものを塗布した。 ゼラチン: 4g/m2 ラテックス ポリエチルアクリレート: 2g/m2 界面活性剤;p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:40mg/m2 化15のフッ素系界面活性剤: 5mg/m2 化16のゼラチン硬化剤: 110mg/m2 染料[化17の染料(a)、化18の染料(b)、およ
び化19の染料(c)の混合物] 染料(a): 50mg/m2 染料(b): 30mg/m2 染料(c): 50mg/m2
【0183】
【化16】
【0184】
【化17】
【0185】
【化18】
【0186】
【化19】
【0187】6.バック側保護層の処方 バック側の保護層として下記組成のものをバック層の上
に塗布した。 ゼラチン: 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μ): 30mg/m2 ジヘキシル−α−スルホサクナートナトリウム塩: 15mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩: 15mg/m2 このようにして作成した感材を以下の方法で評価した。
【0188】(原稿の作成)富士写真フィルム株式会社
製 モノクロスキャナーSCANART30および専用
ペーパーSP−100wpを使って網パーセントを段階的
に変えたステップウエッジを作成した。露光時のスクリ
ーン線数は200線/インチで行った。
【0189】(撮影)大日本スクリーン(株)社製 製
版カメラC−880F(ファインズーム)に上記原稿お
よび感材を所定の位置にセットしヨーソランプを反射原
稿に照射し撮影した。この時露光量は、原稿上でステッ
プウエッジの80%の部分がサンプル上で10%となる
ように調整した。
【0190】感材は乳剤面が内巻きのロールとし、露光
は、感材のバック側から支持体を通し乳剤層にあたるよ
うに行った。
【0191】C−880Fのスリット巾は5m/m、ス
キャンスピードは低速、露光量インデックスは50〜8
0の間でテストした。
【0192】処理に用いる現像液の濃縮液の組成を表6
に示す。
【0193】
【表6】
【0194】また、定着液の濃縮液は富士写真フィルム
(株)製 GR−F1とした。
【0195】処理液の調製 上記現像液の濃縮液用の容器は実施例1と同様にパート
A、Bの各容器が一つに連結されており、各々20リッ
トル分が充填されている。なお、2剤構成であり、パー
トBが実施例1のパートCに相当する。
【0196】定着液の濃縮液も同種の容器に充填した。
【0197】自現機は富士写真フィルム(株)製 FG
−660Fを用い、現像部は図1の構成に準じるものと
した。また、現像は34℃、30秒で行う条件に設定
し、定着は30℃、水洗は17℃、乾燥は50℃で行う
ものとした。
【0198】なお、現像タンクのタンク容量は22リッ
トルである。
【0199】これらの現像液、定着液を次のような割合
で自現機の現像タンク、定着タンクにそれぞれ自現機に
定量ポンプを設置して、実施例1の処理No. 1と同様に
して満たした。
【0200】また、感材が大全サイズ換算で2枚処理さ
れる毎にもこの割合で上記と同様に自現機に補充した。
【0201】<現像液> A液: 60ml B液: 40ml 水: 100ml (pH 10.70) <定着液> 濃縮液: 67ml 水: 133ml (pH 4.85) 水洗タンクには水洗水を満たした。
【0202】処理 上記工程時間で大全サイズ1枚当たり現像液は100m
l、定着液は100ml補充しながら処理した。このと
き、現像液は、実施例1の処理No. 1と同様に、図1の
構成に従って補充した。
【0203】水洗タンクには実施例1と同様の方法で水
アカ防止剤を滴下した。
【0204】このようにして1日に大全サイズで15枚
平均処理し、1ケ月間ランニング処理を行った。
【0205】これを処理No. 21とする。
【0206】処理No. 21において、自現機の現像部を
図3の構成に準じるものとし、現像液の濃縮液パート
A、Bをストックタンクに一度に全部20リットル分を
投入して調液し、これを現像液およびその補充液として
用いるほかは同様に処理した。
【0207】これを処理No. 22とする。
【0208】処理No. 21、No. 22について、処理開
始直後と1ケ月ランニング処理後の写真性を比較した。
【0209】写真性は、網点の再現性、Dmax 、感度に
ついて以下のように評価して調べた。
【0210】(評価)C−880Fの露光量を調整して
原稿の20%の網点の部分が86%に仕上がるよう撮影
した時の原稿の80%の網点部の網%(小点側)をマク
ベス(TD−904型)で測定することにより評価し
た。小点側のつきやすさを評価することになり、値の大
きい方が網点の再現性は良好である。
【0211】また、Dmax は同じ試料の黒ベタ部(原稿
の白地部)をマクベス(TD−904型)で測定するこ
とにより評価した。
【0212】感度は3200°K のタングステン光でセ
ンシトメトリー用光学クサビを通して5秒間バック側か
ら露光し、現像処理した試料のfog+D=1.5の部
分の露光量(log E)を測定することにより求めた。値
の大きい方が高感になるようにとった。
【0213】結果を表7に示す。
【0214】
【表7】
【0215】表7の結果から、本発明の効果は明らかで
ある。
【0216】また、従来の処理No. 22における現像用
ストックタンクの容量は20リットル程度であるのに対
し、本発明の処理No. 21では濃厚液をストックするタ
ンク分だけですむので、その設置面積は、従来に比べて
50%程度とすることができた。
【0217】さらに、処理No. 21において、現像部を
図2に準じた構成とするほかは同様に処理したところ、
処理No. 21と同等の結果を示した。
【0218】実施例1、2において、現像液に用いるレ
ダクトン類として例示化合物I−1のかわりに、例示化
合物I−2、I−5とするほかは同様にして処理したと
ころ、実施例1、2と同様の結果を示した。
【0219】
【発明の効果】本発明によれば、レダクトン類を現像主
薬に用いて、その現像活性を維持することができ、かつ
他の処理剤成分の処理性能に損傷を与えることがない調
液が可能となる。この結果、長期に亘るランニング処理
においても、良好な処理性能の維持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における現像部の一構成例を示す概略構
成図である。
【図2】本発明における現像部の他の構成例を示す概略
構成図である。
【図3】従来における現像部の一構成例を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1、10 現像部 2 現像タンク 3 補充液供給系 4 処理剤容器 5 希釈液供給源 6 ストックタンク 100 現像液 S 感光材料 A、B、C 現像処理剤濃厚液パート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動現像機を用い、複数の現像処理剤濃
    厚液で構成されるアルカリ性現像液により、ハロゲン化
    銀写真感光材料を、その処理量に応じて前記現像液を補
    充しながら、現像処理するハロゲン化銀写真感光材料の
    現像処理方法において、 前記複数の現像処理剤濃厚液は、化1で表わされるレダ
    クトン類を含有する酸性の濃厚液を少なくとも1種含む
    ものであって、 前記化1で表わされるレダクトン類を含有する酸性の濃
    厚液を、濃厚液のまま、または必要な水と混合希釈し
    て、直接、前記自動現像機の現像槽に添加、補充するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方
    法。 【化1】 [化1において、Rは、水素原子またはヒドロキシ基を
    表わし、A1 およびA2は、それぞれ、ヒドロキシ基、
    アルコキシ基、メルカプト基またはアミノ基を表わし、
    1 とA2 とは同一でも異なってもよい。nは1〜4の
    整数である。]
JP7036692A 1992-02-20 1992-02-20 ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法 Pending JPH05232639A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0844006A (ja) * 1994-03-31 1996-02-16 Eastman Kodak Co 低容量薄型タンク処理方式を用いる処理方法

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