JP2003147196A - 熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形材料 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法および成形材料

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JP2003147196A JP2001347436A JP2001347436A JP2003147196A JP 2003147196 A JP2003147196 A JP 2003147196A JP 2001347436 A JP2001347436 A JP 2001347436A JP 2001347436 A JP2001347436 A JP 2001347436A JP 2003147196 A JP2003147196 A JP 2003147196A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性、機械物性等に優れた熱可塑性エラス
トマー組成物、その製造方法、および成形材料を提供す
る。 【解決手段】 特定の構造を有したジオールを鎖延長剤
とした熱可塑性ウレタンエラストマー(1)と特定範囲
の硬度を有した熱可塑性エラストマー(2)を含む熱可
塑性エラストマー組成物である。また前記(1)、前記
(2)を混合する際、特定範囲のイソシアネート基濃度
を有する化合物を添加することにより、平均長が特定範
囲に制御された島部を有する熱可塑性エラストマー組成
物とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー組成物およびそれを用いた成形材料に関する。詳し
くは、特定の構造を有する鎖延長剤からなるハードセグ
メントを特定量有した熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ーと特定の硬度を有する熱可塑性エラストマーとからな
る熱可塑性エラストマー組成物、その製造方法、および
その組成物を用いる成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタンエラストマー(以
下、「TPU」ということがある。)は、耐磨耗性、機
械強度等の特性に優れたゴム弾性体であり、熱可塑性樹
脂の成形加工の方法により、成形材料を得ることができ
る。また、TPUはその原料であるマクロポリオール、
イソシアネート化合物、鎖延長剤の比率を変えることに
より、幅広い弾性率を発現することができる。このよう
な特性を活かし、TPUは、靴のソール、インソール、
スキー靴、自動車外装部品、内装部品、電装部品、ある
いはキャスター類、ホース、チューブ、シート、繊維等
の様々な分野で使用されている。特に、力学的な変形場
で使用されるTPUにおいては、その引張強度の向上、
あるいは圧縮永久歪の低下等に例示される機械物性の向
上が要求されている。
【0003】TPUの機械物性を向上させる方法とし
て、マクロポリオール、イソシアネート化合物、鎖延長
剤の化学構造を変化させる他に、凝集力の大きいウレタ
ン基からなるハードセグメントの含有量を増加させる方
法が最も一般的である(本発明で定義するハードセグメ
ントの含有量とは、マクロポリオール、イソシアネート
化合物、および鎖延長剤に由来する成分の総質量に対す
るイソシアネート化合物と鎖延長剤に由来する成分との
質量比率を表す)。
【0004】しかしながら、ハードセグメントの含有量
を増加させることにより、TPUの硬度、引張強度は向
上するが、ウレタン基の熱分解温度近傍まで昇温しない
と、ハードドメインが融解しないため、TPUの流動開
始温度が上昇する、あるいは溶融状態の温度幅が低下
し、成形加工温度幅が狭いといった問題が生じるため、
成形加工が困難となってくる。
【0005】従って、TPUの優れた機械物性を維持し
つつ、成形加工性を向上させた熱可塑性エラストマー組
成物およびそれを用いた成形材料の開発が望まれてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、引張
強度、耐磨耗性、圧縮永久歪等のTPUの優れた機械物
性を維持しつつ、流動開始温度の低下、および溶融温度
幅を向上させた熱可塑性エラストマー組成物、およびそ
の製造方法、並びにそれを用いた成形材料を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する
芳香環、複素環または脂環式環を有するジオールを鎖延
長剤としたハードセグメントを特定量含み23℃におけ
る硬度が特定範囲の熱可塑性ポリウレタンエラストマー
(1)と、23℃における硬度が特定範囲の熱可塑性エ
ラストマー(2)とを含む特定範囲の溶融粘度、および
特定範囲の貯蔵弾性率を有する熱可塑性エラストマー組
成物を用いると、引張強度、耐磨耗性、および圧縮永久
歪等の機械物性、並びに成形加工性が優れることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
は、(1)鎖延長剤としての芳香環、複素環または脂環
式環を有するジオールに由来する成分を含有し、イソシ
アネート化合物および鎖延長剤に由来する成分(ハード
セグメント)を、イソシアネート化合物、鎖延長剤およ
びポリオールに由来する成分の合計量に対して35〜7
0質量%含み、23℃における硬度(JIS K-7311記載の
方法による硬度)が85〜99Aである熱可塑性ポリウ
レタンエラストマーと、(2)23℃における硬度(JI
S K-7311記載の方法による硬度)が85〜99Aであっ
て前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と異な
る熱可塑性エラストマーとを含み、210℃におけるせ
ん断速度100sec-1の時の溶融粘度が7×10〜1
×104Pa・sであり、150℃における貯蔵弾性率
が7×106〜2×108Paであることを特徴としてい
る。
【0009】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
が海島構造を有し、その島部の長軸方向の平均長が1n
m〜30μmであることが好ましい。本発明に係る熱可
塑性エラストマー組成物は、23℃における引張強度が
少なくとも12MPa、テーバー磨耗量が60mg以
下、圧縮永久歪が50%以下であることが好ましい。
【0010】また、本発明に係る熱可塑性エラストマー
組成物は、示差走査熱量計(DSC)測定における融解
熱が10〜40J/gであることが好ましい。前記熱可
塑性ポリウレタンエラストマー(1)は50〜98質量
部、前記熱可塑性エラストマー(2)は2〜50質量部
(ただし、(1)と(2)の合計量は100質量部であ
る)の割合で含まれることが好ましい。
【0011】前記鎖延長剤としての芳香環、複素環また
は脂環式環を有するジオールは、パラキシレングリコー
ル、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,4−
ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビ
ス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、レゾルシン、
ヒドロキノン、2,2‘−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパン、3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−シクロヘキ
サンジメタノールおよび1,4−シクロヘキサンジオー
ルからなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールで
あることが好ましい。
【0012】前記熱可塑性エラストマー(2)は、ポリ
アミドエラストマーおよびポリエステルエラストマーか
らなる群から選ばれる少なくとも1種のエラストマーで
あることが好ましい。本発明に係る熱可塑性エラストマ
ー組成物は、(1)鎖延長剤としての芳香環、複素環ま
たは脂環式環を有するジオールに由来する成分を含有
し、イソシアネート化合物および鎖延長剤に由来する成
分(ハードセグメント)を、イソシアネート化合物、鎖
延長剤およびポリオールに由来する成分の合計量に対し
て35〜70質量%含み、23℃における硬度が85〜
99Aである熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、
(2)23℃における硬度が85〜99Aであって前記
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と異なる熱可
塑性エラストマーとを含み、前記熱可塑性ポリウレタン
エラストマー(1)と前記熱可塑性エラストマー(2)
とを混合する際、少なくとも2個のイソシアネート基を
有し、イソシアネート基濃度が1〜45%である化合物
を、前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と前
記熱可塑性エラストマー(2)との総質量に対して、
0.01〜5質量%添加して得られることを特徴として
いる。
【0013】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
の製造方法は、(1)鎖延長剤としての芳香環、複素環
または脂環式環を有するジオールに由来する成分を含有
し、イソシアネート化合物および鎖延長剤に由来する成
分(ハードセグメント)を、イソシアネート化合物、鎖
延長剤およびポリオールに由来する成分の合計量に対し
て35〜70質量%含み、23℃における硬度が85〜
99Aである熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、
(2)23℃における硬度が85〜99Aであって前記
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と異なる熱可
塑性エラストマーとを混合し、さらに該熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー(1)と該熱可塑性エラストマー
(2)とを混合する際、少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有し、イソシアネート基濃度が1〜45%である
化合物を、該熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)
と該熱可塑性エラストマー(2)との総質量に対して、
0.01〜5質量%添加することを特徴としている。
【0014】前記製造方法では、前記熱可塑性エラスト
マー組成物の210℃におけるせん断速度100sec
-1の時の溶融粘度は7×10〜1×104Pa・sであ
り、150℃における貯蔵弾性率が7×106〜2×1
8Paであることが好ましい。本発明に係る成形材料
は、前記熱可塑性エラストマー組成物から得られる。
【0015】このような本発明に係る熱可塑性エラスト
マー組成物は、特定の構造を有したジオールを鎖延長剤
とした熱可塑性ウレタンエラストマー(1)と特定範囲
の硬度を有した熱可塑性エラストマー(2)とを含む熱
可塑性エラストマー組成物であって、従来の熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーと比較して、引張強度、耐磨耗
性、および圧縮永久歪等の優れた機械物性を保持しつ
つ、流動開始温度の低下、および溶融温度幅の向上に示
される成形加工性に優れた性能を示す。特に、前記熱可
塑性ウレタンエラストマー(1)、熱可塑性エラストマ
ー(2)を混合する際、特定範囲のイソシアネート基濃
度を有する化合物を添加することにより、得られる熱可
塑性エラストマー組成物中に、海島構造の島部の平均長
を特定範囲に制御しながら該島部を形成することが可能
であるため、TPUの優れた機械物性を保持しつつ、成
形加工性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることができる。
【0016】このため、本発明に係る熱可塑性エラスト
マー組成物は、靴のソール、インソール、スキー靴、自
動車外装部品、内装部品、電装部品、あるいはキャスタ
ー類、ホース、チューブ、シート、時計バンド、ベル
ト、ギヤー、不織布、繊維、糸等の幅広い分野におい
て、使用し得る極めて有用な材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。[熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)
(1)] まず、本発明に係る熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマー(TPU)(1)について説明する。TPU
(1)は、通常、ポリオール、イソシアネート化合物、
および鎖延長剤、必要に応じてその他の成分を重合させ
ることにより得られる。<ポリオール> ポリオールとしては、ポリオキシアルキ
レンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロ
ラクトンジオール、およびポリカーボネートジオール等
が例示できる。これらポリオールは単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。
【0018】<ポリオキシアルキレンポリオール>ポリ
オキシアルキレンポリオールとしては、たとえば、比較
的低分子量の2価アルコールの1種、または2種以上の
化合物にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレ
ンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレングリ
コール等が挙げられる。特に、アルキレンオキサイドと
しては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドが
好ましく用いられる。付加重合に用いるアルキレンオキ
サイド中のプロピレンオキサイドの含有量は、アルキレ
ンオキサイドの総量に対し、好ましくは少なくとも50
質量%、より好ましくは少なくとも60質量%であるこ
とが望ましい。
【0019】かかる割合のプロピレンオキサイドを含む
アルキレンオキサイドを使用することにより、ポリオキ
シアルキレンポリオールのオキシプロピレン基の含有量
を少なくとも50質量%とすることができる。また、T
PUの耐久性、および機械物性を向上させるためには、
ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端の1級水酸
基化率は、好ましくは少なくとも50モル%、更に好ま
しくは少なくとも60モル%であることが望ましい。
【0020】1級水酸基化率を向上するためには、分子
末端にエチレンオキサイドを共重合することが好まし
い。しかしながら、アルキレンオキサイドの総量に対す
るエチレンオキサイドの含有量が40質量%を越える
と、得られるTPUの湿熱時の力学物性が低下すること
があり、エチレンオキサイドは、40質量%以下が好ま
しい。
【0021】本発明のTPUの製造に用いるポリオキシ
アルキレンポリオールの数平均分子量は、好ましくは2
00〜6000の範囲、更に好ましくは500〜500
0の範囲にあることが望ましい。また、TPUのガラス
転移点の低下、および流動特性を向上させる観点より、
分子量、およびオキシアルキレン基の濃度が異なる2種
以上のポリオキシアルキレンポリオールを混合して、T
PUを製造する方法が好ましい。
【0022】さらに、本発明で用いられるポリオキシア
ルキレンポリオールにおいては、プロピレンオキサイド
の副反応により生成した分子末端に不飽和基を有するモ
ノオールが少ないことが好ましい。ポリオキシアルキレ
ンポリオール中のモノオール含有量は、JIS K−1
557記載の総不飽和度という指標で測定できる。本発
明で用いることのできるポリオキシアルキレンポリオー
ル中の総不飽和度は、好ましくは0.03meq./g
以下、更に好ましくは0.02meq./g以下である
ことが望ましい。
【0023】総不飽和度が、0.03meq./gより
大きくなると、TPUの耐熱性、耐久性が低下する傾向
にある。また、ポリオキシアルキレンポリオールの工業
的な製造の観点から、総不飽和度の下限は0.001m
eq./g程度であることが好ましい。このようなポリ
オキシアルキレンポリオールの製造におけるアルキレン
オキサイドの重合触媒としては、水酸化セシウム、水酸
化ルビジウム等のアルカリ金属化合物、およびP=N結
合を有した化合物を好ましく用いることができる。
【0024】前記P=N結合を有する化合物の好ましい
形態としては、ホスファゼニウム化合物、ホスフィンオ
キシド化合物、および、ホスファゼン化合物から選ばれ
る少なくとも1種の化合物である。これらのうちでは、
工業的な利用見地から、ホスファゼニウム化合物、およ
びホスフィンオキシド化合物が特に好ましい。前記ホス
ファゼニウム化合物としては、特開平11−10650
0号公報記載の化合物が挙げられる。たとえば、テトラ
キス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンア
ミノ]ホスフォニウムヒドロキシド、テトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムメトキシド、テトラキス[トリス(ジメチル
アミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムエ
トキシド、テトラキス[トリ(ピロリジン−1−イル)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム tert
−ブトキシド等が例示される。
【0025】前記ホスファゼン化合物としては、特開平
10−36499号公報の化合物が挙げられる。たとえ
ば、1−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメ
チルアミノ)ホスファゼン、1−(1,1,3,3−テ
トラメチルブチル)−2,2,2−トリス(ジメチルア
ミノ)ホスファゼン、1−エチル−2,2,4,4,4
−ペンタキス(ジメチルアミノ)−2λ5 ,4λ5 −カ
テナジ(ホスファゼン)、1−tert−ブチル−4,
4,4−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] −
2λ5 ,4λ5−カテナジ(ホスファゼン)、1−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−4,4,4
−トリス(ジメチルアミノ)−2,2−ビス[ トリス
(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ] −2λ
5 ,4λ5 −カテナジ(ホスファゼン)、1−tert
−ブチル−2,2,2−トリ(1−ピロリジニル)ホス
ファゼン、または7−エチル−5,11−ジメチル−
1,5,7,11−テトラアザ−6λ5 −ホスファスピ
ロ[ 5,5] ウンデカ−1(6)−エン等が例示でき
る。
【0026】前記ホスフィンオキシド化合物としては、
本出願人の特許出願に係わる特願平10−301872
号公報記載の化合物が挙げられる。たとえば、トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフィンオキシド、トリス[トリス(ジエチルア
ミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド
等が例示できる。
【0027】前記アルキレンオキサイド重合触媒を用い
ることにより、総不飽和度の低いポリオキシアルキレン
ポリオールを製造することができる。<ポリテトラメチ
レンエーテルグリコール>前記ポリオキシアルキレンポ
リオールの他に、テトラヒドロフランを開環重合して得
られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、
PTMEGという)等が挙げられる。本発明に用いうる
PTMEGの数平均分子量としては、好ましくは250
〜4000程度、特に好ましくは250〜2000程度
の分子量であることが望ましい。
【0028】<ポリエステルポリオール>前記ポリエス
テルポリオールとしては、たとえば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、水添ビスフェノールA、
水添ビスフェノールF等の低分子ポリオールの1種また
は2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等、或いはそ
の他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種または
2種以上との縮合重合により得られるポリエステルポリ
オール等が挙げられる。また、ε−カプロラクトンを開
環重合して得られるポリカプロラクトンジオール等も例
示できる。本発明に用いうるポリエステルポリオールの
数平均分子量としては、好ましくは500〜3000程
度、特に好ましくは800〜2000程度の分子量であ
ることが望ましい。
【0029】<ポリカーボネートジオール>ポリカーボ
ネートジオールとしては、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコールと、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート等の縮合反応
より得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。
本発明に用いうるポリカーボネートジオールの数平均分
子量としては、好ましくは500〜3000程度、特に
好ましくは800〜2000程度の分子量であることが
望ましい。
【0030】前記ポリオールは単独、または2種以上を
併用して用いることができる。特に、耐加水分解性が良
好なポリオキシアルキレンポリオールの使用が好まし
く、その際には、総不飽和度の低いポリオキシアルキレ
ンポリオール、もしくはポリオキシアルキレンポリオー
ルとPTMEGとをブレンドしたポリオールの使用が好
ましい。<イソシアネート化合物> TPUの製造に用いるイソシ
アネート化合物について説明する。本発明のTPUの製
造において、イソシアネート基を1分子中に2個以上有
する芳香族系、脂肪族系、脂環族系等の化合物が使用で
きる。
【0031】たとえば、芳香族系イソシアネートとして
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、これら有機ポリイソシアネート
の80:20質量比(TDI−80/20)、65:3
5質量比(TDI−65/35)の異性体混合物、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、前記したジフェニルメタ
ンジイソシアネートの任意の異性体混合物、トルイレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラ
フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0032】脂肪族系イソシアネートとしては、エチレ
ンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−ト
リメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート等が挙げられる。脂環族系イソシアネートとして
は、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソ
シアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロ
ヘキシレンジイソシアネート、等が挙げられる。
【0033】更に、前記ポリイソシアネートのカルボジ
イミド変性体、ビュレット変性体、イソシアヌレート変
性体等の変性イソシアネート等も使用できる。前記ポリ
イソシアネートのうちでは、好ましくは、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIとい
う)、水添MDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、以下、HMDIという)、パラフェニレンジイ
ソシアネート(以下、PPDIという)、ナフタレンジ
イソシアネート(以下、NDIという)、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(以下、HDIという)、イソホロ
ンジイソシアネート(以下、IPDIという)、ノルボ
ルナンジイソシアネート(以下、NBDIという)、さ
らに好ましくは、MDI、HMDI、PPDI、NDI
等の有機ジイソシアネート化合物、およびこれらイソシ
アネート化合物のウレタン変性、カルボジイミド変性、
ウレトイミン変性、イソシアヌレート変性化合物を用い
ることが望ましい。<鎖延長剤> 本発明で用いられる鎖延長剤としては、芳
香環、複素環または脂環式環を有したジオールが挙げら
れる。
【0034】このような鎖延長剤としては、具体的に
は、たとえばパラキシレングリコール(以下、PXGと
いう)、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート
(以下、BHETという)、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソフタレート(以下、BHEIという)、1,4
−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(以下、B
HEBという)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン(以下、DERという)、レゾルシン(以
下、RSという)、ヒドロキノン(以下、HQとい
う)、2,2‘−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパン(以下、水添BPAという)、3,9−ビ
ス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
(以下、SPGという)、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール(以下、CHDMという)、1,4−シクロヘ
キサンジオール(以下、CHDという)からなる群から
選ばれる少なくとも1種のジオールが挙げられる。これ
らのうちでは、BHET、BHEB、DER、RS、S
PG、CHDMが好ましく、2種以上混合して使用する
ことが更に好ましい。<TPU(1)の製造方法> 本発明で用いられるTPU
(1)は、前記ポリオール、イソシアネート化合物、お
よび鎖延長剤を原料として製造することができる。
【0035】TPUの製造においては、予め、ポリオー
ルとイソシアネート化合物とを反応させたイソシアネー
ト基末端プレポリマー(以下、「プレポリマー」とい
う)と鎖延長剤とを反応させる方法(以下、「プレポリ
マー法」という)、或いはポリオールと鎖延長剤とを予
め、混合し、次いで、該混合ポリオールとイソシアネー
ト化合物とを反応させる方法(以下、「ワンショット
法」という)のいずれを適用しても構わない。
【0036】また、いずれの方法においても、ポリオー
ル、鎖延長剤等のヒドロキシル基を有する化合物は、加
熱減圧脱水処理を十分に行ない、水分を低減させること
が好ましい。これらヒドロキシル基を有する化合物に含
有される水分量としては、好ましくは0.05質量%以
下、より好ましくは0.03質量%以下、さらに好まし
くは0.02質量%以下であることが望ましい。
【0037】通常、前記プレポリマー法においては、不
活性ガス存在下、ポリオールとイソシアネート化合物と
を好ましくは反応温度40〜150℃で、30秒間〜8
時間程度、攪拌混合し、プレポリマーを製造することが
望ましい。次いで、イソシアネートインデックスが好ま
しくは0.8〜1.2の範囲となる量のプレポリマーと
鎖延長剤とを秤量し、両者を混合する。プレポリマーと
鎖延長剤とのイソシアネートインデックスは好ましくは
0.8〜1.2、より好ましくは0.9〜1.1、更に
好ましくは0.94〜1.08の範囲であることが望ま
しい。
【0038】混合方法に特に限定はないが、通常、ディ
ゾルバーのような混合槽や循環式の低圧、高圧衝突混合
装置、プラストミル、ニーダー、或いは単軸、二軸回転
式の押出機のような装置を用いるのが好ましい。これら
の方法にうち、特に、同方向回転式の二軸押出機を用い
た反応押出法が最も好ましい。前記原料の混合温度は特
に限定されないが、通常、好ましくは40℃〜280
℃、より好ましくは100℃〜260℃、最も好ましく
は120〜250℃で、1分間〜1時間程度、攪拌混合
を行なうことが望ましい前記ワンショット法についても
同様、予め、混合、脱泡したヒドロキシル基を有する化
合物とイソシアネート化合物とを、好ましくは40℃〜
280℃、より好ましくは100℃〜260℃の範囲
で、30秒間〜1時間程度、攪拌混合を行なうことが望
ましい。
【0039】さらにTPU(1)の製造時に触媒を添加
することもできる。このような触媒としては、アミン化
合物、有機金属化合物等のポリウレタンを製造する公知
の触媒を使用することができる。好ましくは、有機金属
化合物が好ましい。有機金属化合物としては、たとえ
ば、酢酸錫、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ラウリル酸
錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジクロリド、オクタン酸鉛、ナフテン酸
鉛、ナフテン酸ニッケル、およびナフテン酸コバルト等
が挙げられる。
【0040】これらの触媒は単独で用いることもできる
が、2種類以上任意に混合して使用できる。その使用量
は、ポリオール100質量部に対して、好ましくは0.
0001〜2.0質量部、さらに好ましくは0.001
〜1.0質量部であることが望ましい。上記方法によ
り、重合したTPU(1)は、カッターやペレタイザー
などを用いて粉砕、細粒化した後、押出成形機や射出成
形機を用いて所望の形状に加工することもできる。ま
た、本発明で用いられるTPU(1)には、その製造時
あるいは製造後に、必要に応じて、公知の離型剤、カッ
プリング剤、着色剤、滑剤、耐候安定剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、発泡剤、防錆剤、乳白剤、充填剤等を添
加しても構わない。
【0041】TPUを製造する際、ポリオール、イソシ
アネート化合物、および鎖延長剤の総質量に対するイソ
シアネート化合物と鎖延長剤との含有量(ハードセグメ
ントを誘導する化合物)は、35〜70質量%であり、
より好ましくは40〜65質量%であり、更に好ましく
は40〜60質量%であることが望ましい。ハードセグ
メントを誘導する化合物の含有量が35質量%未満であ
ると、熱可塑性エラストマー組成物の機械物性の発現性
が低くなることがある。一方、70質量%を越えると、
エラストマーの成形加工性が低下することがあり好まし
くない。
【0042】また、TPU(1)は、ポリオール、イソ
シアネート化合物および鎖延長剤に由来する成分の総質
量に対するイソシアネート化合物と鎖延長剤とに由来す
る成分の含有量(ハードセグメント含有量)は、35〜
70質量%であり、より好ましくは40〜65質量%で
あり、更に好ましくは40〜60質量%であることが望
ましい。ハードセグメント含有量が35質量%未満であ
ると、熱可塑性エラストマー組成物の機械物性の発現性
が低くなることがある。一方、70質量%を越えると、
エラストマーの成形加工性が低下することがあり好まし
くない。
【0043】このような本発明の熱可塑性エラストマー
組成物に使用するTPU(1)の23℃における硬度
(JIS K-7311記載の方法による硬度)は85〜99Aで
あり、好ましくは86〜98A、より好ましくは87〜
98Aであることが望ましい。硬度が85Aより低くな
ると、熱可塑性エラストマー(2)との混合性が低下す
ることがあり、得られる熱可塑性エラストマー組成物の
機械物性の発現性、および成形加工性が低下することが
ある。[熱可塑性エラストマー(2)] 本発明で用いる熱可塑
性エラストマー(2)は、前記熱可塑性ポリウレタンエ
ラストマー(1)と異なる熱可塑性エラストマーであっ
て、特定の硬度を有している。
【0044】このような熱可塑性エラストマー(2)と
しては、具体的には、たとえば、ポリアミドエラストマ
ーおよびポリエステルエラストマーからなる群から選ば
れる少なくとも1種のエラストマーが挙げられる。前記
ポリアミドエラストマーとしては、ハードセグメントに
ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロ
ン6,12、ナイロン11、ナイロン12等、およびそ
れらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメントに
は、平均分子量が約300〜5000のポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシ
ド共重合体等のポリオキシアルキレンジオールのうち少
なくとも1種から構成されるブロック共重合体を単独、
もしくは2種類以上混合して用いてもよい。更には、非
エラストマー性樹脂をブレンドしたもの、および共重合
したもの等も使用できる。
【0045】前記ポリエステルエラストマーとしては、
たとえば、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントと
し、ポリアルキレンジオールをソフトセグメントとする
ポリエステルエーテルブロック共重合体、または脂肪族
ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエ
ステルブロック共重合体等が例示できる。前記ポリエス
テルエーテルブロック共重合体の具体的な例としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフ
ェニル−4,4’−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジ
カルボン酸、琥珀酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイマ
ー酸等の脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1種と、1,
4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール等の脂肪族
ジオール、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,
4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールの
少なくとも1種、および平均分子量が約300〜500
0のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド
−プロピレンオキシド共重合体等のポリオキシアルキレ
ンジオールのうち少なくとも1種から構成されるブロッ
ク共重合体等が挙げられる。
【0046】前記ポリエステルエステルブロック共重合
体としては、上記ジカルボン酸とジオール、および平均
分子量が約300〜3000のポリカプロラクトン等に
代表されるポリエステルジオールのうち少なくとも各1
種から構成されるブロック共重合体である。熱接着性、
耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等を考慮すると、ジカル
ボン酸としてはテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジ
カルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン
酸、ジオール成分としては1,4−ブタンジオール、ポ
リオキシアルキレンジオールとしてはポリテトラメチレ
ングリコールのブロック共重合体、またはポリエステル
ジオールであるポリカプロラクトンのブロック共重合体
が特に好ましい。このようなポリエステルエラストマー
としては、東洋紡績(株)製のペルプレン、東レ・デュ
ポン(株)製のハイトレル等が例示できる。
【0047】これら熱可塑性エラストマー(2)の23
℃における硬度は85〜99Aであり、好ましくは89
〜99Aのエラストマーである。熱可塑性エラストマー
(2)の硬度が85Aより低くなると、TPU(1)と
の混合性が低下することがある。[熱可塑性エラストマー組成物] 本発明に係る熱可塑性
エラストマー組成物は、前記TPU(1)と前記熱可塑
性エラストマー(2)とを含む。
【0048】前記したTPU(1)と熱可塑性エラスト
マー(2)との混合割合は、好ましくはTPU(1)が
50〜98質量部、熱可塑性エラストマー(2)は2〜
50質量部であり、より好ましくはTPU(1)が60
〜95質量部、熱可塑性エラストマー(2)が5〜40
質量部であり、さらに好ましくはTPU(1)が65〜
90質量部、熱可塑性エラストマー(2)が10〜35
質量部であることが望ましい。
【0049】TPU(1)が50質量部未満であると、
TPU(1)を用いた熱可塑性エラストマー組成物の引
張強度、耐磨耗性、圧縮永久歪等の機械物性が低下する
ことがある。TPU(1)が98質量部を越えると、本
発明者らが目的とする成形加工性の向上を図ることが困
難となることがある。上記比率にて得られた熱可塑性エ
ラストマー組成物の210℃におけるせん断速度100
sec-1の時の溶融粘度は7×101〜1×104Pa・
s、好ましくは1×102〜8×103Pa・s、さらに
好ましくは2×102〜7×103Pa・s、特に好まし
くは2×102〜2×103Pa・sであることが望まし
い。
【0050】210℃におけるせん断速度100sec
-1の時の溶融粘度が7×101〜1×104Pa・sの範
囲であると、熱可塑性エラストマー組成物の良好な機械
物性を維持したまま、押出成形、射出成形、溶融紡糸成
形等が可能となる。なお、本発明で述べる溶融粘度は、
キャピログラフ(東洋精機(株)製、ノズル長30mm、
直径1mm)で測定した値である。
【0051】本発明者らが研究した結果、驚くべきこと
に、本発明のTPU(1)に、熱可塑性エラストマー
(2)とを混合することにより、熱可塑性エラストマー
組成物の溶融粘度の低下、流動開始温度の低下、および
溶融温度幅が広がり、成形性を向上させることができ
る。特に、熱可塑性エラストマー組成物が海島構造を有
することが好ましく、海島構造を有することにより、そ
れぞれの樹脂の長所を残したままポリマーアロイ化する
ことができ、機械物性を維持しつつ、成形加工性をより
向上させた熱可塑性エラストマー組成物を得ることがで
きる。この場合、島部の長軸方向の平均長は、好ましく
は1nm〜30μm、より好ましくは2nm〜10μ
m、最も好ましくは3nm〜8μmであることが望まし
い。
【0052】なお、このような熱可塑性エラストマー組
成物中の島部は、TEM撮影(transmission electronm
icroscope撮影)により観察することができ、前記島部
の長軸方向の平均長も該TEM撮影により観察すること
ができる。海島構造の島部の長軸方向の平均長が1nm
以上30μm以下である熱可塑性エラストマー組成物に
おいては、成形加工性が著しく改善されたものとするこ
とができる。
【0053】なお、海島構造とは、連続相(海)中に、
分散相(島)が存在する構造状態をいう。通常、多量成
分が連続相を形成し、少量成分が分散相を形成する。本
発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の固体粘弾性測
定における150℃での貯蔵弾性率は、7×106〜2
×108Paであり、好ましくは1×107〜2×108
Paであり、更に好ましくは1×107〜1.5×108
Paであることが望ましい。
【0054】貯蔵弾性率が7×106Pa未満である
と、本発明者らが目的とする機械物性が低下することが
ある。貯蔵弾性率が2×108Paを越えると、本発明
者らが目的とする耐磨耗性の発現、およびヒステリシス
の良好なエラストマーが得られないことがある。さら
に、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の23℃にお
ける引張強度は、好ましくは少なくとも12MPa、更
に好ましくは少なくとも15MPa、より好ましくは少
なくとも18MPaであることが望ましい。
【0055】耐磨耗性の指標であるテーバー磨耗量は、
好ましくは60mg以下、更に好ましくは55mg以
下、より好ましくは53mg以下であることが望まし
い。23℃での圧縮永久歪については、好ましくは50
%以下、更に好ましくは40%以下、より好ましくは3
5%以下であることが望ましい。このような特性を有す
る熱可塑性エラストマー組成物における示差走査熱量計
(DSC)測定における融解熱は好ましくは10〜40
J/g、より好ましくは11〜30J/g、さらに好ま
しくは11〜25J/g、特に好ましくは12〜25J
/gであることが望ましい。
【0056】なお、融解熱は、TPU(1)と熱可塑性
エラストマー(2)のハードドメインの凝集の融解に基
づく熱量であり、該値が10J/gより小さいと、本発
明者らが目的とする機械物性の発現が低くなることがあ
り、該値が40J/gを越えると、成形時の流動開始温
度が高くなりすぎるので好ましくない。[熱可塑性エラストマー組成物の製造方法] 本発明に係
る熱可塑性エラストマー組成物は、前記TPU(1)と
前記熱可塑性エラストマー(2)とを混合して得られる
が、前記TPU(1)と前記熱可塑性エラストマー
(2)とを混合する際、少なくとも2個のイソシアネー
ト基を有し、イソシアネート基濃度が1〜45%である
化合物を、前記TPU(1)と前記熱可塑性エラストマ
ー(2)との総質量に対して、0.01〜5質量%添加
する。
【0057】前記イソシアネート基濃度は、好ましくは
3〜38%、更に好ましくは4〜37%の範囲にあるこ
とが望ましい。イソシアネート基濃度は、n−ジブチル
アミン法で測定するNCO%に相当するものである。こ
のような少なくとも2個のイソシアネート基を有し、上
記範囲内のイソシアネート基濃度の化合物をTPU
(1)と熱可塑性エラストマー(2)との混合状態に添
加することにより、前記島部が観察されるポリマーアロ
イを製造することができる。
【0058】前記TPU(1)と前記熱可塑性エラスト
マー(2)との混合には、ニーダー、単軸押出機、二軸
押出機、多軸押出機等を好適に用いることができる。特
に、同方向回転式の二軸押出機の適用が好ましく、一条
ねじスクリュー、二条ねじスクリューを適宜組み合わせ
たスクリューにより混錬する方法がさらに好ましく、一
条ねじスクリュー運搬素子を適用したスクリューとニー
ディングディスクの組み合わせが最も好ましい。
【0059】押出機のL/Dは、好ましくは20〜6
0、さらに好ましくは30〜50であることが望まし
い。なお、Lはスクリュー長さ(有効長)であり、Dは
スクリュー直径である。スクリュー全長のなかでニーデ
ィングディスクが占める長さの総和の比率は1〜20%
であることが好ましく、ニーディングディスクは2以上
箇所において混練することが好ましい。
【0060】スクリュー回数数は通常、好ましくは50
〜400rpmであり、さらに好ましくは100〜30
0rpmであることが望ましい。前記TPU(1)と前
記熱可塑性エラストマー(2)とは、各々ペレット形
態、もしくは粉砕状態でポッパーから押出機に装入する
方法が好ましい。その際、前記TPU(1)と前記熱可
塑性エラストマーの装入と共に、少なくとも2個のイソ
シアネート基を有し、イソシアネート基濃度が1〜45
%である化合物を0.01〜5質量%添加する方法、あ
るいは、TPU(1)と熱可塑性エラストマー(2)と
をホッパーから装入した後、押出機の途中で上記イソシ
アネート基を有する化合物を添加する方法等が挙げられ
る。
【0061】TPU(1)と熱可塑性エラストマー
(2)とを混合する際の温度、特に、押出機を使用した
際のバレル温度は、好ましくは150〜280℃、更に
好ましくは180〜250℃の範囲にあることが望まし
い。押出機を使用した場合の回転数は、好ましくは80
〜400rpm、更に好ましくは100〜350rpm
の範囲にあることが望ましい。混錬(滞留)時間は、押
出機の全長と直径との比にもよるが、0.2分〜1時間
の範囲が好ましい。
【0062】少なくとも2個のイソシアネート基を有
し、イソシアネート基濃度が1〜45%である化合物の
具体的な例としては、たとえば、前記イソシアネート化
合物、および前記ポリオールとイソシアネート化合物と
を反応させたイソシアネート基末端プレポリマー等が挙
げられる。これらのイソシアネート化合物のうちでは、
特に好ましくは、ウレトイミン変性、あるいはカルボジ
イミド変性したMDI、あるいは前記MDI変性体とP
TMEG、低不飽和タイプのポリオキシアルキレンポリ
オール、ポリエステルポリオール等のポリオールとのイ
ソシアネート基末端プレポリマーを用いることが望まし
い。
【0063】特に、ウレトイミン変性、カルボジイミド
変性したMDIの使用により、熱可塑性エラストマー組
成物の機械物性、成形加工性を向上させることができ
る。また、本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、
必要に応じて、ポリウタンに用いられる離型剤、カップ
リング剤、着色剤、滑剤、耐候安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、発泡剤、防錆剤、乳白剤、充填剤等を添加
しても構わない。また、たとえば、ポリエステル系、ポ
リアミド系等の樹脂を含有していてもよい。
【0064】前記ポリエステル系樹脂としては、たとえ
ば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチ
レンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジ
メチレンテレフタレート(PCHDT)、ポリシクロヘ
キシレンジメチレンナフタレート(PCHDN)、ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフ
タレート(PBN)等、およびそれらの共重合ポリエス
テル等が挙げられる。
【0065】前記ポリアミド系樹脂としては、たとえ
ば、ポリカプロラクタム(NY6)、ポリヘキサメチレ
ンアジパミド(NY66)、ポリヘキサメチレンセバカ
ミド(NY6−10)等およびそれらの共重合ポリアミ
ドが挙げられる。[成形材料] 本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
は、靴のソール、インソール、スキー靴、自動車外装部
品、内装部品、電装部品、あるいはキャスター類、ホー
ス、チューブ、シート、時計バンド、ベルト、ギヤー、
不織布、繊維、弾性糸等の幅広い分野において、使用し
得る極めて有用な材料である。
【0066】なお、本発明におけるTPU(1)、熱可
塑性エラストマー(2)、および熱可塑性エラストマー
組成物の諸物性値は、下記の実施例に示す方法と同様の
方法で行ったものである。
【0067】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明の熊様
を更に明らかにするが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。実施例、比較例におけるTPU
(1)、熱可塑性エラストマー(2)、および熱可塑性
エラストマー組成物の分析、および評価は、下記の方法
に従って行った。 (I)硬度 23℃、50%相対湿度下において、JIS K−73
11記載の方法により測定する。尚、デユロメーター
は、タイプAを使用する。 (II)210℃における溶融粘度(以下、単に溶融粘度
と言う。単位:Pa・s) キャピログラフ(東洋精機(株)製モデル1C)を用い
て、熱可塑性エラストマー組成物の210℃におけるせ
ん断速度100sec-1の時の溶融粘度を測定する。長
さ30mm、直径は1mmのノズルを用いる。 (III)150℃における貯蔵弾性率(以下、単に貯蔵
弾性率と言う。単位:Pa) 固体粘弾性装置(レオメトリックス・ファー・イースト
(株)製、RSA−II)を用いて測定する。昇温速度3℃
/min、周波数1rad/s、−100〜250℃の
温度範囲の条件で、150℃における貯蔵弾性率を測定
する。 (IV)透過型電子顕微鏡(TEM)による海島構造の島
部の長軸方向の平均長(以下、単に長軸方向の平均長と
言う。単位:μm) 熱可塑性エラストマー組成物を30%のリンタングステ
ン酸水和物(H3(PW1240)・nH2O)により染色
後、薄膜切片を作製し、透過型電子顕微鏡(日立製作所
(株)製、H−7000)にて、観察倍率4000倍で測
定する。1つのサンプルにつき、異なる場所で4ヶ所試
料を採取し、上記方法にてTEM撮影を行う。得られた
写真を画像解析装置にて、島部の長軸方向の平均長をコ
ンピューターにて計算する。 (V)引張強度(単位:MPa)、テーバー磨耗量(単
位:mg)、圧縮永久歪(単位:%) 23℃、50%相対湿度下において、引張試験、テーバ
ー磨耗量はJIS K−7311記載の方法により測定
する。圧縮永久歪は、JIS K−6263記載の方法
により、23℃、24時間の条件で測定する。 (VI)示差走査熱量計(DSC)測定における融解熱
(単位:J/g) セイコーインスツルメンツ(株)(型式:DSC6200
R)を用いて測定する。約10mgの粉砕した試料をア
ルミ製パンに採取し、昇温速度10℃/minで、室温
から230℃まで昇温度、10℃/minの降温速度で
−100℃まで降温し、昇温速度10℃/minで同温
度から280℃まで昇温する。この時の融解ピークの熱
量を測定する。 (VII)流動開始温度(単位:℃)および溶融温度幅
(単位:℃) 熱可塑性エラストマー組成物のペレット2gを高架式フ
ローテスター(島津製作所(株)製、型式:CFT−50
0D)に充填し、1mm(径)×10mm(長さ)のノ
ズルを用い、昇温速度2.5℃/min、荷重20kg
fの条件で、流動開始温度を測定する。溶融温度幅はペ
レット2gが溶融を開始した温度と、ノズルから流出が
完了した温度の差を測定する。 (VIII)成形材料の評価 実施例、比較例で得られた熱可塑性エラストマー組成物
をバレル温度180〜230℃、金型温度40〜45℃
に設定した射出成形機にて、成形品の脱型性を試験す
る。成形品の寸法は、120mm×120mm×2mm
である。型開き後の突出しピンの圧力を3MPa、突出
しピンの長さを20mmの型開放条件にて、自動的に型
から成形品が脱型可能な場合はA、自動的に脱型が不可
能な場合は、Cで評価した。
【0068】以下、実施例、比較例につき、説明する。
実施例、比較例で使用したポリオールは、110℃、
1.33kPaの条件で、加熱減圧脱水処理を行い、水
分量を100ppm未満に低減した。なお、ポリオール
の水酸基価(OHV)は、JIS K−1557の方法
に従い、測定する。尚,実施例、比較例の熱可塑性エラ
ストマー組成物の各種物性は、ペレットを射出成形した
試験片を用いて測定した。試験片を100℃、24時
間、熱処理を行った後に、各種試験に供した。
【0069】
【実施例1】TPU(1)の製造において、同方向回転
の二軸押出機(L/D比40、D=30mm)を使用し
た。ポリオール化合物(ポリオールと鎖延長剤とを予
め、混合した水酸基含有化合物)とイソシアネート化合
物とを、各々、定量的に送液するポンプを付属した押出
機に、各原料を送液する。供給量は2.5kg/hであ
る。押出したストランドを水冷し、ペレタイザーにて、
ペレット化後、90℃、8hの条件で、十分にペレット
を乾燥する方法により、TPU(1)を製造した。
【0070】328.06質量部の平均分子量1000
のポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学(株)
製、商品名:PTG−1000)と1342.83質量
部の平均分子量2000のポリテトラメチレングリコー
ル(保土ヶ谷化学(株)製、商品名:PTG−2000)
および335.28質量部のBHEB(サンテクノケミ
カル(株)製)と20.60質量部のレゾルシン(三井化
学(株)製)とを予め、130℃で加熱混合し、ポリオー
ル化合物とした。尚、前記ポリオール化合物にTPUに
対して、0.5質量%のイルガノックス1010(チバ
・スペシャリティーケミカル(株)製)を添加、溶解した
(以下、実施例、比較例ともすべて同様な操作を行っ
た)。該ポリオール化合物と、予め、60℃に調製した
725.35質量部の4、4‘−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コス
モネートPH)とをイソシアネートインデックスが1.
01となるように、定量的に押出機に送液し、TPUを
製造した。その際、170〜240℃の範囲で押出機の
各バレル温度を設定し、ダイスは210℃とした。得ら
れたTPUのハードセグメントの含有量は、39.3質
量%であり、硬度は96Aであった。
【0071】次いで、上記TPUのペレット80質量部
と熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレット(東レ
・デュポン(株)製、商品名:ハイトレル5557、硬度
98A)20質量部とを前記した同形式の二軸押出機に
装入し、次いで、該TPU(1)と該熱可塑性ポリエス
テルエラストマーとからなる熱可塑性エラストマー10
0質量部に対して、0.2質量%のイソシアネート化合
物(PTG−1000とコスモネートPHとを、窒素雰
囲気下、80℃で反応させたイソシアネート基末端プレ
ポリマー、NCO%6.2)を添加し、スクリュー回転
数は275r.p.m.、バレルの最大温度を235℃
に設定し、押出機内で混錬後、熱可塑性エラストマー組
成物を得た。
【0072】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。
【0073】
【実施例2】特開平11−106500号公報記載の方
法により調製したホスファゼニウム化合物(テトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムヒドロキシド)をポリオールの製造
触媒としたポリオキシアルキレングリコールをTPUの
原料であるポリオールとして用いた。ジプロピレングリ
コールを開始剤とし、反応温度80℃でプロピレンオキ
サイドを付加重合後、ポリオールの質量に対して、20
質量%のエチレンオキサイドを反応温度120℃で共重
合した後、触媒の除去を行い、ポリオールを得た。該ポ
リオールのOHVは、28.1mgKOH/gであり、
JIS K−1557記載の方法で測定した総不飽和度
(本発明で述べたモノオール量に相当する)は、0.0
13meq./gであった。以下、ポリオールAと言
う。786.07質量部のポリオールA、215.72
質量部の平均分子量250のポリテトラメチレングリコ
ール(保土ヶ谷化学(株)製、商品名:PTG−25
0)、および313.40質量部のBHEB(サンテク
ノケミカル(株)製)とを135℃で加熱混合し、ポリオ
ール化合物とした。該ポリオール化合物と、予め、60
℃に調製した650.31質量部のコスモネートPHと
をイソシアネートインデックスが1.01となるよう
に、定量的に押出機に送液した以外は、実施例1記載の
方法に従い、TPUを製造した。その際、160〜24
5℃の範囲で押出機の各バレル温度を設定し、ダイスは
205℃とした。得られたTPUのハードセグメントの
含有量は、49.0質量%であり、硬度は96Aであっ
た。
【0074】次いで、上記TPUのペレット90質量部
と熱可塑性ポリエステルエラストマーのペレット(ハイ
トレル5557、硬度98A)10質量部とを前記した
同形式の二軸押出機に装入し、次いで、該TPUと該熱
可塑性ポリエステルエラストマーとからなる熱可塑性エ
ラストマー100質量部に対して,0.1質量%のイソ
シアネート化合物(三井武田ケミカル(株)製、商品名:
コスモネートLK、NCO%28.4)を添加し、スク
リュー回転数は265r.p.m.、バレルの最大温度
を235℃に設定し、押出機内で混錬後、熱可塑性エラ
ストマー組成物を得た。
【0075】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。
【0076】
【実施例3】984.21質量部のPTG−1000、
微粉砕した85.07質量部のBHETと266.49
質量部のBHEBを予め、130℃の条件で加熱混合
し、ポリオール化合物とした。予め、60℃に調整した
コスモネートPH675.32質量部をイソシアネート
化合物とし、イソシアネートインデックスが1.01と
なるように、各原料を二軸押出機に送液した以外は、実
施例1記載と同様な方法でTPUを製造した。二軸押出
機のバレル温度は、各ブロックを160〜240℃で設
定し、ダイス部を210℃とした。ハードセグメントの
含有量は、51.1質量%、硬度は97AのTPUが得
られた。
【0077】上記TPUのペレット75質量部、熱可塑
性ポリエステルエラストマーのペレット(ハイトレル5
557、硬度98A)20質量部、および熱可塑性ポリ
アミドエラストマーのペレット(旭化成(株)製、商品
名:レオナ1300S、硬度99A)5質量部とを実施
例1と同形式の二軸押出機に装入し、次いで、該TPU
と該熱可塑性ポリエステルエラストマーとからなる熱可
塑性エラストマー100質量部に対して,0.05質量
%のイソシアネート化合物(PTG−1000とコスモ
ネートPHとを、窒素雰囲気下、80℃で反応させたイ
ソシアネート基末端プレポリマー、NCO%6.2)を
添加し、スクリュー回転数は270r.p.m.、バレ
ルの最大温度を235℃に設定し、押出機内で混錬後、
熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0078】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。
【0079】
【実施例4】ポリエステルポリオールであるタケラック
U2410(三井武田ケミカル(株)製、OHV110m
gKOH/g)1021.0質量部、微粉砕したスピロ
グリコール335.14質量部と1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール39.68質量部を予め、140℃の条
件で加熱混合し、ポリオール化合物とした。予め、60
℃に調整したコスモネートPH600.05質量部をイ
ソシアネート化合物とし、イソシアネートインデックス
が1.01となるように、各原料を二軸押出機に送液し
た以外は、実施例1記載と同様な方法でTPUを製造し
た。二軸押出機のバレル温度は、各ブロックを160〜
240℃で設定し、ダイス部を210℃とした。ハード
セグメントの含有量は、48.9質量%、硬度は98A
のTPUが得られた。
【0080】上記TPUのペレット70質量部と熱可塑
性ポリエステルエラストマーのペレット(商品名:ハイ
トレル5557、硬度98A)30質量部とを実施例1
と同形式の二軸押出機に装入し、次いで、該TPUと該
熱可塑性ポリエステルエラストマーとからなる熱可塑性
エラストマー100質量部に対して,0.1質量%のイ
ソシアネート化合物(商品名:コスモネートLL(三井
武田ケミカル(株)製)、NCO%29.1)を添加し、
スクリュー回転数は250r.p.m.、バレルの最大
温度を235℃に設定し、押出機内で混錬後、熱可塑性
エラストマー組成物を得た。
【0081】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。
【0082】
【比較例1】984.21質量部のPTG−1000と
114.95質量部の1,4−ブタンジオールとを80
℃で加熱混合し、ポリオール化合物とした。予め、60
℃に調整したコスモネートPH575.05質量部をイ
ソシアネート化合物とし、イソシアネートインデックス
が1.01となるように、各原料を二軸押出機に送液し
た以外は、実施例1記載と同様な方法でTPUを製造し
た。二軸押出機のバレル温度は、各ブロックを160〜
210℃で設定し、ダイス部を200℃とした。ハード
セグメントの含有量は、41.2質量%、硬度は92A
のTPUが得られた。
【0083】上記TPUのペレット70質量部と熱可塑
性ポリエステルエラストマーのペレット(商品名:ハイ
トレル5557、硬度98A)30質量部とを実施例1
と同形式の二軸押出機に装入し、スクリュー回転数は8
0r.p.m.、バレルの最大温度を230℃に設定
し、押出機内で混錬後、熱可塑性エラストマー組成物を
得た。
【0084】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。なお、島部を判定することはできなかっ
た。
【0085】
【比較例2】984.21質量部のPTG−1000と
150.71質量部の1,6−ヘキサンジオールとを8
0℃で加熱混合し、ポリオール化合物とした。予め、6
0℃に調整したコスモネートPH575.05質量部を
イソシアネート化合物とし、イソシアネートインデック
スが1.01となるように、各原料を二軸押出機に送液
した以外は、比較例1記載と同様な方法でTPUを製造
した。ハードセグメントの含有量は、42.4質量%、
硬度は87AのTPUが得られた。
【0086】上記TPUのペレット70質量部と熱可塑
性ポリエステルエラストマーのペレット(商品名:ハイ
トレル5557、硬度98A)30質量部とを実施例1
と同形式の二軸押出機に装入し、スクリュー回転数は8
0r.p.m.、バレルの最大温度を230℃に設定
し、押出機内で混錬後、熱可塑性エラストマー組成物を
得た。
【0087】該熱可塑性エラストマー組成物の各種物性
を表1に示す。なお、島部を判定することはできなかっ
た。
【0088】
【表1】
【0089】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、特定範囲の溶融粘度と貯蔵弾性率を有し、かつ、本
発明に係るTPUとその他の熱可塑性エラストマーを混
合した時の分散状態が良好であるため、引張強度、圧縮
永久歪、耐磨耗性の指標となるテーバー磨耗量において
優れた特性を示す上、流動開始温度が低下し、溶融温度
幅が向上している。
【0090】さらには、成形材料の製造において重要な
指標となる脱型性においても優れている。一方、本発明
の範囲外である鎖延長剤を使用したTPUを用いた熱可
塑性エラストマー組成物(比較例1、2)は、他の熱可
塑性エラストマーとの分散性が悪いため、前記した物性
に劣る他、流動開始温度の向上、溶融温度幅が低下し、
更には成形材料として重要な脱型性にも劣る。
【0091】従って、本発明の熱可塑性エラストマー組
成物は、TPUの優れた機械物性を保持しつつ、成形加
工性に優れた熱可塑性エラストマー組成物であり、靴の
ソール、インソール、スキー靴、自動車外装部品、内装
部品、電装部品、あるいはキャスター類、ホース、チュ
ーブ、シート、時計バンド、ベルト、ギヤー、不織布、
繊維、糸等の幅広い分野において、使用し得る極めて有
用な材料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 (72)発明者 竹 田 幸 司 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井武田ケ ミカル株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA53 AA54 AA87 AA88 AH07 AH12 AH16 BB05 BC03 4J002 CF032 CF062 CF072 CF082 CK021 CK031 CK041 CL012 CL032 GC00 GL00 GM00 GQ00 4J034 DF01 DF02 DF11 DG03 DG04 DG05 DQ04 DQ05 HA01 HA07 HA08 HA09 HC12 HC22 HC61 HC64 HC71 HC73 KC17 RA03 RA12 RA14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)鎖延長剤としての芳香環、複素環
    または脂環式環を有するジオールに由来する成分を含有
    し、イソシアネート化合物および鎖延長剤に由来する成
    分(ハードセグメント)を、イソシアネート化合物、鎖
    延長剤およびポリオールに由来する成分の合計量に対し
    て35〜70質量%含み、23℃における硬度(JIS K-
    7311記載の方法による硬度)が85〜99Aである熱可
    塑性ポリウレタンエラストマーと、(2)23℃におけ
    る硬度(JIS K-7311記載の方法による硬度)が85〜9
    9Aであって前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー
    (1)と異なる熱可塑性エラストマーとを含み、 210℃におけるせん断速度100sec-1の時の溶融
    粘度が7×10〜1×104Pa・sであり、150℃
    における貯蔵弾性率が7×106〜2×108Paである
    ことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマー組成物が海島
    構造を有し、その島部の長軸方向の平均長が1nm〜3
    0μmであることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 23℃における引張強度が少なくとも1
    2MPa、テーバー磨耗量が60mg以下、圧縮永久歪
    が50%以下であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 示差走査熱量計(DSC)測定における
    融解熱が10〜40J/gであることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー
    (1)が50〜98質量部、前記熱可塑性エラストマー
    (2)が2〜50質量部(ただし、(1)と(2)の合
    計量は100質量部である)の割合で含まれることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  6. 【請求項6】 前記鎖延長剤としての芳香環、複素環ま
    たは脂環式環を有するジオールが、パラキシレングリコ
    ール、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、
    ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,4
    −ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−
    ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、レゾルシ
    ン、ヒドロキノン、2,2‘−ビス(4−ヒドロキシシ
    クロヘキシル)プロパン、3,9−ビス(1,1−ジメ
    チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
    トラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,4−シクロ
    ヘキサンジメタノールおよび1,4−シクロヘキサンジ
    オールからなる群から選ばれる少なくとも1種のジオー
    ルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 【請求項7】 前記熱可塑性エラストマー(2)が、ポ
    リアミドエラストマーおよびポリエステルエラストマー
    からなる群から選ばれる少なくとも1種のエラストマー
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】 (1)鎖延長剤としての芳香環、複素環
    または脂環式環を有するジオールに由来する成分を含有
    し、イソシアネート化合物および鎖延長剤に由来する成
    分(ハードセグメント)を、イソシアネート化合物、鎖
    延長剤およびポリオールに由来する成分の合計量に対し
    て35〜70質量%含み、23℃における硬度が85〜
    99Aである熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、 (2)23℃における硬度が85〜99Aであって前記
    熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と異なる熱可
    塑性エラストマーとを含み、 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と前記熱
    可塑性エラストマー(2)とを混合する際、少なくとも
    2個のイソシアネート基を有し、イソシアネート基濃度
    が1〜45%である化合物を、前記熱可塑性ポリウレタ
    ンエラストマー(1)と前記熱可塑性エラストマー
    (2)との総質量に対して、0.01〜5質量%添加し
    て得られることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成
    物。
  9. 【請求項9】 (1)鎖延長剤としての芳香環、複素環
    または脂環式環を有するジオールに由来する成分を含有
    し、イソシアネート化合物および鎖延長剤に由来する成
    分(ハードセグメント)を、イソシアネート化合物、鎖
    延長剤およびポリオールに由来する成分の合計量に対し
    て35〜70質量%含み、23℃における硬度が85〜
    99Aである熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、
    (2)23℃における硬度が85〜99Aであって前記
    熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)と異なる熱可
    塑性エラストマーとを混合し、さらに該熱可塑性ポリウ
    レタンエラストマー(1)と該熱可塑性エラストマー
    (2)とを混合する際、少なくとも2個のイソシアネー
    ト基を有し、イソシアネート基濃度が1〜45%である
    化合物を、該熱可塑性ポリウレタンエラストマー(1)
    と該熱可塑性エラストマー(2)との総質量に対して、
    0.01〜5質量%添加することを特徴とする熱可塑性
    エラストマー組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記熱可塑性エラストマー組成物の2
    10℃におけるせん断速度100sec-1の時の溶融粘
    度が7×10〜1×104Pa・sであり、150℃に
    おける貯蔵弾性率が7×106〜2×108Paであるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の熱可塑性エラストマー
    組成物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可
    塑性エラストマー組成物から得られる成形材料。
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