JP2006328221A - 熱可塑性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)ポリイソシアネートと、(B)下記式(1)
【化1】
(aおよびbは、それぞれ独立に0〜3の整数である。)
で表されるジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤と、(C)重量平均分子量が500〜6000のマクロポリオール(ただし、前記鎖延長剤(B)とは異なる。)を含有する活性水素化合物とから得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーを30重量%以上含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
で表されるジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサンからなる群から選ばれる少なくとも1つの鎖延長剤と、(C)数平均分子量が500〜6000のマクロポリオール(ただし、前記鎖延長剤(B)とは異なる。)を含有する活性水素化合物とから得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーを30重量%以上含有することを特徴とする。
物を得ることができる。また、この熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、熱可塑性樹脂で構成されているため、リサイクルが容易である。
<熱可塑性ポリウレタンエラストマー>
本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタンエラストマー(以下、「TPU」と略すこともある)は、ポリイソシアネート(A)と特定の鎖延長剤(B)と特定の活性水素化合物(C)とを反応させることにより得られる。
本発明に用いられるポリイソシアネート(A)は、通常の熱可塑性ポリウレタンエラストマーの製造に用いられるものであれば、特に限定されず、たとえば、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系等のイソシアネートが挙げられる。
上記ポリイソシアネートのうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIという)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI;以下、HMDIという)、パラフェニレンジイソシアネート(以下、PPDIという)、ナフタレンジイソシアネート(以下、NDIという)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIという)、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIという)、ノルボルナンジイソシアネート(以下、NBDIという)およびこれらのウレタン変性体、ビウレット変性体、アロハネート変性体が好ましく、MDI、HMDI、PPDI、NDI等の有機ジイソシアネート、およびこれらのウレタン変性体、ビウレット変性体、アロハネート変性体が特に好ましい。
本発明に用いられる鎖延長剤(B)としては、下記式(1)
で表されるジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサンが挙げられる。これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの鎖延長剤を使用することにより、得られるTPUの圧縮永久歪み特性が向上するとともに耐熱性も向上する。
本発明では、上記鎖延長剤(B)に加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのその他の短鎖ジオールや、トリメチロールプロパンなどの短鎖トリオールを併用することもできる。
本発明に用いられる活性水素化合物(C)は、数平均分子量(Mn)が500〜6000のマクロポリオールを含有する。マクロポリオールのMnは、好ましくは500〜5000、より好ましくは500〜4000、特に好ましくは500〜3000である。このマクロポリオールは鎖延長剤(B)とは異なるポリオールであり、たとえば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
(ポリエステルポリオール)
上記ポリエステルポリオールは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーに使用できるものであれば、特に制限されず、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の低分子ポリオールのうちの少なくとも1種と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、その他の低分子ジカルボン酸、オリゴマー酸のうちの少なくとも1種との縮合重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。また、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンジオール等も挙げられる。
上記ポリカーボネートジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコールのうちの少なくとも1種と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジカーボネートのうちの少なくとも1種との縮合反応より得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMEGという)は、テトラヒドロフランを開環重合することによって得られる。
上記ポリオキシアルキレングリコールとしては、たとえば、比較的低分子量の2価アルコールの少なくとも1種に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合した化合物が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドが好ましい。
(TPUの製造方法)
本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)は、少なくとも、上記ポリイソシアネート(A)、鎖延長剤(B)および活性水素化合物(C)を反応させることにより製造できる。このTPUの製造方法は特に限定されず、たとえば、活性水素化合物(C)の全部または一部とポリイソシアネート(A)とを予め反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(以下、単に「ウレタンプレポリマー」という)を調製し、このウレタンプレポリマーと鎖延長剤(B)と残りの活性水素化合物(C)とを反応させる方法(以下、「プレポリマー法」という);あるいは、活性水素化合物(C)と鎖延長剤(B)とを予め混合し、次いで、この混合物とポリイソシアネート(A)とを反応させる方法(以下、ワンショット法という)が挙げられる。
(TPUの特性)
上記TPUは、圧縮永久歪み特性と溶融時の樹脂同士の接着性に優れており、網状構造体や不織布用途に好適に使用できる。具体的には、JIS K−7311に準拠した70℃における圧縮永久歪みが35%以下のTPUが好ましい。圧縮永久歪みが35%以下になると動的耐久性に優れた成型物が得られる。また、剥離強度が250N/cm以上のTPUが好ましい。剥離強度が250N/cm以上になるとTPUは容易に剥がれず、極めて良好な接着性を示す。なお、上記剥離強度は、200℃、100rpmの条件で5分間混練したTPUを厚さ5mmの金型に注入して30秒間放置して樹脂層を形成し、この樹脂層の上に、さらに溶融樹脂を注入して厚さ5mmの樹脂層を重ね合わせて試験片を作製し、この試験片について万能引張試験機により引張速度50mm/minにて180°剥離試験を行うことにより求められる幅1cmあたりの値である。
上記下限未満であるとTPUの結晶性が低すぎて強度のない樹脂となることがある。また、凝固温度が上記上限を超えると凝固開始温度が高すぎて成形後に直ちに凝固するおそれがあり、凝固エンタルピーが上記上限を超えると樹脂の凝集力が強すぎるため、成形した樹脂が不均一となりやすく、圧縮永久歪み特性に劣るおそれがある。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記TPUを30重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは60重量%以上含有する。このような熱可塑性樹脂組成物は圧縮永久歪み特性に優れている。
上記TPUと他の熱可塑性樹脂との混合方法は、上記TPUのペレットと他の熱可塑性樹脂のペレットとをブレンドして混練する方法が挙げられる。たとえば、押出機の装入口に上記TPUのペレットおよび他の熱可塑性樹脂のペレットを装入し、押出機内で混練すればよい。
上記熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、たとえば、熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリオキシアルキレンジオールをソフトセグメントとするポリエステルエーテルブロック共重合体;または熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエステルエステルブロック共重合体が挙げられる。
これらのうち、熱接着性、耐加水分解性、伸縮性、耐熱性等の観点から、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸と1,
4−ブタンジオールとポリテトラメチレングリコールとのブロック共重合体、およびテレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン
酸と1,4−ブタンジオールとポリカプロラクトンとのブロック共重合体が好ましい。
(熱可塑性ポリアミドエラストマー)
上記熱可塑性ポリアミドエラストマーとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン6,10、ナイロン6,12、ナイロン11、ナイロン12等およびこれらの共重合ナイロンのうちの少なくとも1種をハードセグメントとし、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体等の重量平均分子量が約300〜5000のポリオキシアルキレンジオールのうち少なくとも1種をソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。これらのブロック共重合体は、1種単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。さらに、これらの熱可塑性ポリアミドエラストマーに非エラストマー性樹脂をブレンドしたもの、または共重合したものなども使用できる。
上記TPU以外の熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、通常の熱可塑性ポリウレタンエラストマーを用いることができ、通常ポリオール、イソシアネート化合物、および必要に応じて鎖延長剤等を用いて通常の方法により製造できる。
本発明に係る不織布は、上記熱可塑性樹脂組成物を用いて、メルトブロー成形法またはスパンボンド成形法により製造することができる。
本発明に係る網状構造体は、たとえば、上記TPUを30重量%以上含有する熱可塑性樹脂組成物をドライブレンドなどを施した後、孔径0.5〜1mmの複数のノズルを配列したダイを備えた押出機に供給し、熱可塑性樹脂組成物の溶融温度以上(たとえば、150〜250℃)に加熱して融解し、所望の密度に応じて押し出し量と引き取り量を調節しながら吐出させる。吐出した溶融樹脂は連続的な線状体となり、互いに接触するため、融着して網状構造体が形成される。その後、網状構造体を冷却液に導入して冷却固化すると
融着部が固定される。得られた網状構造体は、必要に応じて所望の形状に切断するなどして使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。実施例、比較例における分析および評価は、下記の方法に従って行った。
GPC測定システム(島津製作所(株)製LC−6A)を用いて測定した。測定は、溶離液として液体クロマトグラム用テトラヒドロフラン、分離カラムとして昭和電工(株)製ShodexGPC、KFシリーズ(KF−801、802、802.5、803の4本直列)を用い、液流速0.8ml/min、カラム温度40℃の条件で実施した。分子量を示差屈折計(島津製作所(株)製RID−6A)により、ポリスチレン換算値として測定し、数平均分子量を算出した。
DSC測定装置(セイコー電子工業(株)製、商品名:SSC5200Hディスクステーション、およびDSC220C)を使用して測定した。粉砕したTPU約8mgをアルミ製パンに採取し、カバーを被せてクリンプし、サンプルを調製した。アルミナを採取した以外は同様にしてリファレンスを調製した。サンプルおよびリファレンスをDSC測定装置のセル内の所定位置にセットした後、公称流量40Nml/minの窒素気流下で測定した。昇温速度10℃/minで室温から230℃まで昇温し、5分間この温度で保持した後、10℃/minの降温速度で−75℃まで降温させた。このときに記録されたTPUの凝固に由来する発熱ピークのピークトップ温度を測定し、凝固温度(単位:℃)とした。また、TPUの凝固に由来する発熱ピークの面積から、凝固エンタルピー(単位:J/g)を求めた。さらに、DSC曲線からガラス転移温度(単位:℃)を求めた。
動的固体粘弾性装置(レオメトリックス サイエンティフィックス(株)製RSA−III)を使用して、測定周波数1Hz、昇温速度3℃/minの条件で、−70℃から20
0℃まで弾性率を測定した。貯蔵弾性率(E’)の皮革状またはゴム状平坦領域の弾性率に基づく接線と流動領域の弾性率に基づく接線との交点から軟化温度を決定した。
GPC測定システム(東ソー(株)製HLC−8220GPC)を使用して測定した。測定条件は、溶離液0.01MのLiBr/DMF、流速0.8ml/min、カラム温度40℃、分離カラムTSKgel GMHXLとした。分子量をUV検出器によりポリスチレン換算値として測定し、重量平均分子量を算出した。
樹脂ペレットを射出成型機を用いて成形加工した。射出成形条件は、シリンダー温度180℃、スクリュー温度190℃とした。得られた射出成形品を目視により観察し、下記基準で評価した。
A:ひけやフローマークなどの発生なし(成形加工性に問題なし)
B:ひけやフローマークなどの発生あり(成形加工性に問題あり)
(6)熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよび熱可塑性樹脂の機械物性
樹脂ペレットを射出成形して試料を作製し、この試料を90℃、12時間の条件でアニール処理して評価試験に供した。JIS K7311に記載の方法に準拠して、引張強度(以下、TSと略す。単位:MPa)、硬さ(ショアA型デュロメーターを使用。以下、
Hsと略す。)を測定した。また、圧縮永久歪み(以下、Csと略す。単位:%)は、JIS K−6262記載の方法により、70℃、22時間後の値を測定した。
樹脂ペレットを容量100mlのラボプラストミルを用いて200℃、100rpmの条件で5分間混錬した。得られた溶融樹脂を、室温に保持した厚さ5mmの金型に注入して30秒間放置して樹脂層を形成した後、この樹脂層の上に、さらに溶融樹脂を注入して厚さ5mmの樹脂層を重ね合わせて試験片を作製した。この試験片を2cm幅に切断し、万能引張試験機を用いて、引張速度50mm/minにて180°剥離試験を行い、幅1cmあたりの剥離強度を測定した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解した4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製、商品名:コスモネートPH、以下、MDI−PHと略す。)を876.55g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(OH価:112.0、三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケラックU−2610)を1123.45g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が10.0重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(1)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(2)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したMDI−PHを860.50g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(OH価:108.4、保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG−1000)を1139.50g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が9.8重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(2)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(3)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したMDI−PHを754.94g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(OH価:54.4、保土谷化学工業(株)製、商品名:PTG−2000SN)を1245.06g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が10.2重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(3)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(4)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したMDI−PHを1110.47g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を1245.06g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が14.9重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(4)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(5)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したM
DI−PHを1265.4g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が400のポリオキシプロピレングリコール(OH価:281、三井武田ケミカル(株)製、商品名:PPG−400)を734.5g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が13.5重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(5)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(6)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したMDI−PHを791.83g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を1208.17g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が8.3重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(6)を調製した。
(イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(7)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、ポリイソシアネート(A)として予め溶解したMDI−PHを768.61g、および活性水素化合物(C)として数平均分子量が約2000のポリエステルポリオール(OH価:56.0、三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケラックU−2420)を1231.39g装入し、窒素気流下、80℃で2時間攪拌しながら反応を行い、イソシアネート基含有率が10.3重量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(7)を調製した。
(ポリオール溶液(1)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を405.79g、鎖延長剤(B)としてビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(三井化学ファイン(株)製、商品名:BHEB、以下BHEBと略す)を592.26g、安定剤としてイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)を0.97gおよびスタビライザー7000(Raschig社製)を0.98g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(1)を調製した。
(ポリオール溶液(2)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG−1000)を413.68g、鎖延長剤(B)としてBHEBを584.37g、安定剤としてイルガノックス1010を1.95g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(2)を調製した。
(ポリオール溶液(3)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG−1000)を328.38g、鎖延長剤(B)としてヒドロキノンのヒドロキシル基1モル当たりエチレンオキシドを2モル付加した化合物(三井化学ファイン(株)製、以下、「HQ+4EO」と略す)を669.97g、安定剤としてイルガノックス1010を1.65g装入し、窒素気流下、100℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(3)を調製した。
(ポリオール溶液(4)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG−2000SN)を412.03g、鎖延長剤(B)としてBHEBを586.14g、安定剤としてイルガノックス1010を1.82g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(4)を調製した。
(ポリオール溶液(5)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG−1000)を638.19g、鎖延長剤(B)としてBHEBを360.61g、安定剤としてイルガノックス1010を0.60g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(5)を調製した。
(ポリオール溶液(6)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を405.78g、鎖延長剤(B)としてBHEBを592.25g、安定剤としてイルガノックス1010を1.97g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(6)を調製した。
(ポリオール溶液(7)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約2000のポリエステルポリオール(タケラックU−2420)を405.04g、鎖延長剤(B)としてBHEBを593.14g、安定剤としてイルガノックス1010を1.81g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(7)を調製した。
(ポリオール溶液(8)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を482.61g、鎖延長剤(B)としてBHEBを515.29g、安定剤としてスタビライザー7000を2.10g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(8)を調製した。
(ポリオール溶液(9)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を347.79g、鎖延長剤(B)としてテレフタル酸ビスヒドロキシエチルを650.45g、安定剤としてイルガノックス1010を0.88gおよびスタビライザー7000を0.88g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(9)を調製した。
(ポリオール溶液(10)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を440.29g、鎖延長剤(B)として1,4−シクロヘキサンジメタノールを557.61g、安定剤としてイルガノックス1010を0.99gおよびスタビライザー7000を2.10g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(10)を調製した。
(ポリオール溶液(11)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリエステルポリオール(タケラックU−2610)を599.51g、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(三菱化学社製、以下、1,4−BDと略す)を397.82g、安定剤としてイルガノックス1010を1.34gおよびスタビライザー7000を1.34g装入し、窒素気流下、60℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(11)を調製した。
(ポリオール溶液(12)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が400のポリオキシプロピレングリコール(PPG−400)を254.33g、鎖延長剤(B)としてBHEBを743.79g、安定剤としてイルガノックス1010を1.88gを装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(12)を調製した。
(ポリオール溶液(13)の調製)
2リットルのセパラブルフラスコに、活性水素化合物(C)として数平均分子量が約1000のポリカーボネートジオール(OH価:113.2、宇部興産(株)製、商品名:UH−CARB 100)を403.22g、鎖延長剤(B)としてBHEBを594.81g、安定剤としてイルガノックス1010を1.98g装入し、窒素気流下、110℃で30分攪拌溶解してポリオール溶液(13)を調製した。
ストマー(TPU−3)を得た。このTPU−3の物性を測定し、さらに、このTPU−3を射出成形して機械物性を評価した。結果を表1および表3に示す。
TPU−10を射出成形して機械物性を評価した。結果を表2および表4に示す。
60℃に保温した上記ウレタンプレポリマー(2)に、60℃に保温した上記ポリオール溶液(11)をウレタンプレポリマー(2)/ポリオール溶液(11)=81.30/18.70の質量比で混合した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU−12)を得た。このTPU−12の物性を測定し、さらに、このTPU−12を射出成形して機械物性を評価した。結果を表2および表4に示す。
60℃に保温した上記ウレタンプレポリマー(5)に、120℃に保温した上記ポリオール溶液(12)をウレタンプレポリマー(5)/ポリオール溶液(12)=73.47/26.53の質量比で混合した以外は、実施例1と同様にして、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU−13)を得た。このTPU−13の物性を測定し、さらに、このTPU−13を射出成形して機械物性を評価した。結果を表2および表4に示す。
TPU−1とハイトレル4057との質量比をTPU−1/ハイトレル4057=80/20から10/90に変更した以外は、実施例12と同様にして、熱可塑性樹脂組成物(TPE−2)を得た。このTPE−2を射出成形して機械物性を評価した。結果を表4に示す。
比較例2で調製した熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU−13)を用いて、実施例13と同様にして網状構造体を作製した。得られた網状構造体はソフト感に劣り、がさがさした感触であった。また、フィラメントを手で引っ張り、交絡部の接着性を調べたところ、あまり交絡しておらず、手で引っ張ると容易に剥離し、「B」評価であった。また、圧縮永久歪みは38%とであった。
比較例3で調製した熱可塑性樹脂組成物(TPE−2)を用いて、実施例14と同様にして不織布を作製した。得られた不織布のウェッブは互いの融着が不十分であった。
Claims (5)
- 前記マクロポリオールが、ポリエステルポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の重量平均分子量が500〜3000のジオール(c1)を含有し、該ジオール(c1)に含まれる水酸基の総和が、前記活性水素化合物(C)全体に含まれる水酸基の総和の5モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、示差走査熱量計(DSC)により測定された、凝固温度が65〜150℃の範囲にあり、かつ凝固エンタルピーが3〜25J/gの範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られた不織布。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られた網状構造体。
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