JP2011168945A - 炭素繊維束 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素繊維とサイジング剤を有してなる炭素繊維束において、前記サイジング剤は、ポリオキシアルキレンユニット73〜98質量%、芳香族エステルユニット0.5〜15質量%、芳香族ウレタンユニット1.5〜10質量%含んでなるものでなり、該サイジング剤が前記炭素繊維に0.5〜7質量%の割合で付着している炭素繊維束。
【選択図】なし
Description
サイジング剤が付着している炭素繊維を約5g採取し、耐熱製の容器に投入した。次にこの容器を120℃で3時間乾燥し、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却後、秤量した炭素繊維の重量をW1(g)とし、続いて容器ごと、窒素雰囲気中、450℃で15分間加熱後、吸湿しないように注意しながら室温まで冷却し、秤量した炭素繊維の重量をW2(g)とした。以上の処理を経て、炭素繊維へのサイジング剤の付着量を次式により求めた。
付着量(重量%)=100×{(W1−W2)/W2}。
炭素繊維束をカットし、チョップド繊維約70g[秤量値M(g)]を採取し、500mlメスシリンダーに投入し、次に、このメスシリンダーを、厚さ4mmのゴムシートの上で、高さ2.54cmから60回タッピング処理した後に、メスシリンダー内のチョップド繊維の容量V(mL)を読み取った。この処理を経て、充填嵩密度を次式により求めた。
D:充填嵩密度 D=M/V
測定回数は3回とし、充填嵩密度を測定回数で除した平均嵩密度をA〜Dの4段階で評価した。A〜Cが合格、Dが不合格である。
A:平均嵩密度が0.4以上である。
B:平均嵩密度が0.3以上、0.4未満である。
C:平均嵩密度が0.25以上、0.3未満である。
D:平均嵩密度が0.25未満である。
(A)開繊性評価(通常)
6mm長にカットしたチョップド繊維0.05gを水300mLに投入し、20秒間ゆっくりと撹拌した後、20秒間静置する。炭素繊維の分散状態を目視で観察し、開繊性をA〜Dの4段階で評価した。A〜Bが合格、C〜Dが不合格である。
A:未開繊束数が1個未満である。
B:未開繊束数が1個以上5個未満である。
C:未開繊束数が5個以上10個未満である。
D:未開繊束数が10個以上である。
6mm長にカットしたチョップド繊維2gを、水1000mLの入った直径150mmの容器に投入し、60秒間ゆっくり撹拌した後、60秒間静置する。水をろ別して除き、得られたシート状の炭素繊維から2cm×2cmの小片を3つ切り出し、顕微鏡観察により未開繊束数を測定した。観察は小片の表裏両面について行い、未開繊束数の合計から、開繊性をA〜Dの4段階で評価した。A〜Cが合格、Dが不合格である。
A:未開繊束数が2個未満である。
B:未開繊束数が2個以上5個未満である。
C:未開繊束数が5個以上10個未満である。
D:未開繊束数が10個以上である。
上皿式差動型示差熱天秤(TG−DTA)を用い、サイジング剤純分30mgについて、空気雰囲気下、230℃で定温熱重量減少測定を実施し、15分後のTG%を測定した。重量減少の割合から、耐熱性をA〜Dの5段階で評価した。耐熱性が不足すると、熱分解物の発生に伴うプロセス性の低下や炭素繊維束の集束性低下のみならず、安全・環境面でも好ましくない。
A:熱重量減少が10%以下である。
B:熱重量減少が10%を超えて20%以下である。
C:熱重量減少が20%を超えて30%以下である。
D:熱重量減少が30%を超える。
エチレングリコール2モルとテレフタル酸1モルを180℃で加熱撹拌し、酸価が1以下になるまで脱水縮合し、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(BHET)を得た。
PEG(重量平均分子量6200)93.7重量部、BHET 2.56重量部、TDI 3.72重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−2)を得た。
PEG(重量平均分子量6200)89.2重量部、BHET 5.49重量部、TDI 5.31重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−3)を得た。
PEG(重量平均分子量6200)85.1重量部、BHET 8.14重量部、TDI 6.76重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−4)を得た。
PEG(重量平均分子量7000)96.6重量部、BHET 0.88重量部、TDI 2.55重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−5)を得た。
PEG(重量平均分子量7000)90.3重量部、BHET 4.92重量部、TDI 4.76重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−6)を得た。
PEG(重量平均分子量7000)80.0重量部、BHET 11.62重量部、TDI 8.43重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−7)を得た。
PEG(重量平均分子量10000)97.6重量部、BHET 0.62重量部、TDI 1.80重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−8)を得た。
PEG(重量平均分子量10000)93.0重量部、BHET 3.55重量部、TDI 3.43重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−9)を得た。
PEG(重量平均分子量10000)90.2重量部、BHET 5.35重量部、TDI 4.44重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−10)を得た。
PEG(重量平均分子量10000)85.1重量部、BHET 8.65重量部、TDI 6.28重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−11)を得た。
PEG(重量平均分子量20000)96.4重量部、BHET 1.84重量部、TDI 1.78重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−12)を得た。
PEG(重量平均分子量20000)91.9重量部、BHET 4.67重量部、TDI 3.39重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−13)を得た。
PEG(重量平均分子量6200)97.7重量部とTDI 2.33重量部を用い、BHETを使用せずに、参考例1と同様の条件で重付加してサイジング剤水溶液(a−14)を得た。
PEG(重量平均分子量10000)98.1重量部、BHET 0.28重量部、TDI 1.61重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−15)を得た。
PEG(重量平均分子量20000)98.8重量部、BHET 0.31重量部、TDI 0.91重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−16)を得た。
PEG(重量平均分子量4000)69.5重量部、BHET 17.67重量部、TDI 12.83重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−17)を得た。
特許文献1(国際公開第2006/019139号パンフレット)の参考例1に従い、下記化学式(I)で表される数平均分子量600、HLB11.3のポリオキシエチレンオレイルエーテル80重量部と、下記化学式(II)で表される数平均分子量1300、HLB17のポリオキシエチレンアルキルエーテル20重量部とを混合した界面活性剤(A)を、濃度20重量%水溶液に調製し、サイジング剤水溶液(a−18)を得た。
C18H35O−(CH2CH2O)8−H (I)
C12H25O−(CH2CH2O)25−H (II)。
PEG(重量平均分子量2000)89.0重量部、BHET 2.8重量部、TDI 8.2重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−19)を得た。
PEG(重量平均分子量4000)94.2重量部、BHET 1.5重量部、TDI 4.3重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−20)を得た。
PEG(重量平均分子量4000)90.6重量部、BHET 3.8重量部、TDI 5.6重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−21)を得た。
PEG(重量平均分子量25750)93.6重量部、BHET 3.7重量部、TDI 2.7重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−22)を得た。
PEG(重量平均分子量25750)87.2重量部、BHET 7.8重量部、TDI 5.0重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−23)を得た。
PEG(重量平均分子量31500)94.7重量部、BHET 3.1重量部、TDI 2.2重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−24)を得た。
PEG(重量平均分子量31500)89.3重量部、BHET 6.5重量部、TDI 4.2重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−25)を得た。
PEGの代わりにポリプロピレングリコール(PPG)(重量平均分子量6200)96.2重量部を用い、BHET 0.99重量部、TDI 2.86重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−26)を得た。
TDIの代わりにメチレンジフェニレンジイソシアネート(MDI)6.62重量部を用い、PEG(重量平均分子量10000)88.2重量部、BHET 5.23重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液(a−27)を得た。
エチレングリコール2モルとイソフタル酸1モルを180℃で加熱撹拌し、酸価が1以下になるまで脱水縮合し、イソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(mBHET)を得た。
得られた重付加体を水で濃度10%に薄めて、サイジング剤水溶液(a−28)を得た。
参考例1のサイジング剤水溶液(a−1)を濃度3.5%に調整した水溶液に炭素繊維連続束(東レ(株)製T700S−12K)を浸漬してサイジング剤を付着させ、熱風乾燥機により210℃で1分間乾燥した。得られたサイジング剤を付着した炭素繊維束を6mm長にカットし、チョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例2のサイジング剤(a−2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例3のサイジング剤(a−3)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例4のサイジング剤(a−4)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例5のサイジング剤(a−5)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例6のサイジング剤(a−6)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例7のサイジング剤(a−7)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例8のサイジング剤(a−8)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例9のサイジング剤(a−9)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例10のサイジング剤(a−10)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例11のサイジング剤(a−11)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例12のサイジング剤(a−12)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例13のサイジング剤(a−13)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
参考例10のサイジング剤水溶液(a−10)を濃度2.0%に調整した以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。サイジング剤の付着量は、1.5質量%であった。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
参考例10のサイジング剤水溶液(a−10)を濃度1.2%に調整した以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。サイジング剤の付着量は、0.8質量%であった。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例19のサイジング剤(a−19)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例20のサイジング剤(a−20)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例21のサイジング剤(a−21)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例22のサイジング剤(a−22)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はやや硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例23のサイジング剤(a−23)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はやや硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例24のサイジング剤(a−24)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はやや硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例25のサイジング剤(a−25)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はやや硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例26のサイジング剤(a−26)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例27のサイジング剤(a−27)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は硬めであったが、ボビン巻き取りは可能であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例28のサイジング剤(a−28)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。また、毛羽などに問題はなかった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表1に示した。
サイジング剤水溶液として、参考例14のサイジング剤(a−14)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、やや硬めでありボビン巻き取りが行いにくかったが、取り扱いは可能であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。BHETが存在しないことで、炭素繊維束の嵩密度および炭素繊維束の濃度を上げた場合の開繊性が不足した。
サイジング剤水溶液として、参考例15のサイジング剤(a−15)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。芳香族エステルユニットの量が不足することで、嵩密度が不足した。
サイジング剤水溶液として、参考例16のサイジング剤(a−16)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性に問題はなかったが、繊維束の所々に毛羽が見られ、取り扱い性が低下した。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。芳香族エステルユニットおよび芳香族ウレタンユニットの量が不足することで、嵩密度が不足した。
サイジング剤水溶液として、参考例17のサイジング剤(a−17)を用いた以外は、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。芳香族エステルユニットおよび芳香族ウレタンユニットの量が多すぎることで、開繊性が低下した。
参考例18のサイジング剤水溶液(a−18)を濃度3.5%に調整した水溶液に炭素繊維連続束(東レ(株)製T700S)を浸漬してサイジング剤を付着させ、熱風乾燥機により200℃で2分間乾燥した。得られたサイジング剤付着炭素繊維束を6mm長にカットし、チョップド繊維を得た。この時、得られたチョップド繊維に付着しているサイジング剤の付着量は2.2質量%であった。得られた炭素繊維束は、ボビン巻き取り性や毛羽などに問題はなく、取り扱い性は良好であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。得られた炭素繊維束の開繊性は劣っており、特に高濃度での開繊不足が顕著であった。
特許文献4(特開2007−231441号公報)の実施例1に従い、サイジング剤にハイドランAP−40(DIC社製、22.5%懸濁液)を用い、実施例1と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はかなり硬かったが、取り扱いは可能であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。得られた炭素繊維束は、ほとんど開繊性を示さなかった。
特許文献4(特開2007−231441号公報)の実施例2に従い、サイジング剤にハイドランAP−30F(DIC社製、20%懸濁液)を用いた以外は、比較例6と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はかなり硬かったが、取り扱いは可能であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。得られた炭素繊維束は、ほとんど開繊性を示さなかった。
特許文献4(特開2007−231441号公報)の実施例3に従い、サイジング剤にハイドランAP−20(DIC社製、29.5%懸濁液)を用いた以外は、比較例6と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はかなり硬かったが、取り扱いは可能であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。得られた炭素繊維束は、ほとんど開繊性を示さなかった。
特許文献4(特開2007−231441号公報)の実施例4に従い、サイジング剤にハイドランHW−140SF(DIC社製、25%懸濁液)を用いた以外は、比較例6と同様にしてチョップド繊維を得た。得られた炭素繊維束はかなり硬かったが、取り扱いは可能であった。得られた炭素繊維束の特性評価はまとめて表2に示した。得られた炭素繊維束は、ほとんど開繊性を示さなかった。
PEG(重量平均分子量10000)72.6重量部、BHET 16.62重量部、TDI 10.73重量部を用いた以外は、参考例1と同様にしてサイジング剤水溶液を調製した。しかし、BHETの量が多すぎるために、サイジング剤が水に溶解せず、サイジング剤が相分離し、水溶液が調製できなかった。
Claims (8)
- 炭素繊維とサイジング剤を有してなる炭素繊維束において、前記サイジング剤は、ポリオキシアルキレンユニット73〜98質量%、芳香族エステルユニット0.5〜15質量%、芳香族ウレタンユニット1.5〜10質量%含んでなるものでなり、該サイジング剤が前記炭素繊維に0.5〜7質量%の割合で付着している炭素繊維束。
- 前記芳香族ウレタンユニットがトリレンジイソシアネートからなる、請求項1に記載の炭素繊維束。
- 前記サイジング剤の230℃、15分における熱重量減少が30%以下である、請求項1または2に記載の炭素繊維束。
- 前記ポリオキシアルキレンユニットが、重量平均分子量が6,000を超えて21,000以下のポリアルキレングリコールからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 前記ポリオキシアルキレンユニットがポリエチレングリコールからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 前記芳香族エステルユニットがテレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)またはイソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 前記炭素繊維束が1,000〜60,000本の単繊維からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維束。
- 前記炭素繊維束が繊維長1〜20mmのチョップド繊維である、請求項1〜7のいずれかに記載の炭素繊維束。
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