JP2003147092A - フィルムロール及びフィルム巻取方法 - Google Patents
フィルムロール及びフィルム巻取方法Info
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Abstract
ルム巻取方法を提供する。 【解決手段】本発明を用いたフィルム製造装置10は、
溶液製膜法で得たフィルム24にナーリング付与装置3
2でナーリング部34を付与し、これを耳切装置38で
耳切加工した後、巻取装置42で巻き取っている。耳切
装置38は、フィルム24の端面の厚みT2がナーリン
グ厚T1よりも2μm以上小さくなるように耳切加工を
行う。また、巻取装置42は、巻芯44を幅方向に規則
的に反復運動させながら、フィルム24を巻き取り、フ
ィルムロール52の端面に規則的な凹凸を形成する。
Description
フィルム巻取方法に係り、特に光学用途フィルム、或い
はLCD用、有機EL用、偏光板用のフィルムをロール
状に巻き取ったフィルムロール、及びそのフィルム巻取
方法に関する。
どに使用されるプラスチックフィルムは通常、溶液製膜
法によって製造される。すなわち、走行する無端支持体
上に濃厚溶液(ドープ)を流延し、このドープが乾燥し
て自己支持性が生じた後、連続的に剥ぎ取ってさらに乾
燥させることによって製造される。このようにして製造
された帯状のフィルムは、ロール状に巻き取られ、フィ
ルムロールとして保存、搬送される。
巻き取らないと、様々な不具合を発生する。例えば、巻
硬さが硬過ぎると、厚み違いに起因する黒帯び故障や、
フィルム同士の接着、さらにそれらに起因するクニック
状の外観故障などが発生する。また、巻きが緩ければ、
フィルムロールを保存した際に陥没・ベコが発生した
り、フィルムの巻き取りの際やフィルムロールの搬送の
際に、幅方向のズレ(以下、端面ズレという)が発生す
る。このような不具合は特に、高い光学特性や平面性が
要求される光学用途フィルムの場合に致命的な問題とな
る。
様々な対策が採られている。例えば、巻取テンションを
調整したり、コンタクトロールを設置し、巻取条件を最
適化したり、或いは、膜厚パターンの最適化、滑り性の
付与、帯電制御、フィルム平面性の改良等が行われてい
る。また、近年では、フィルムの幅方向の端部にナーリ
ング(微小な凹凸であり、エンボス、ローレット加工等
とも称される)を付与し、端面ズレや巻き緩みを防止し
ている。
ィルムの高品質化、或いはフィルムの薄手化、長尺化、
生産速度アップの要求など、フィルムの巻き取り条件が
年々厳しくなっており、上述した対策だけでは、巻取起
因の故障を、必ずしも十分に抑制することができなくな
っている。
もので、巻取起因の故障がないフィルムロール及びフィ
ルム巻取方法を提供することを目的とする。
記目的を達成するために、幅方向の端部にナーリング部
が設けられた帯状のフィルムを、ロール状に巻き取って
なるフィルムロールにおいて、前記フィルムの幅方向の
端面の厚みは、前記ナーリング部の厚みよりも2μm以
上小さいことを特徴としている。
るために、幅方向の端部にナーリング部が設けられたフ
ィルムを、ロール状に巻き取ってフィルムロールにする
フィルム巻取方法において、前記フィルムの幅方向の端
面の厚みを前記ナーリング部の厚みよりも2μm以上小
さくし、該フィルムを巻き取ることを特徴としている。
べく鋭意検討を行った結果、端面ズレなどの不具合の発
生は、フィルムの幅方向の端面の厚み(以下、耳厚とい
う)に起因し、耳厚がナーリング部の厚み(以下、ナー
リング厚という)と同レベルまで大きくなった際に不具
合が発生することを見いだした。すなわち、耳厚は、フ
ィルムを耳切り加工した際のバリなどによって裁断前よ
りも大きくなっていることが多いが、この耳厚がナーリ
ング厚と同レベルまで大きくなると、ナーリング効果が
減少し、端面ズレなどの不具合が発生するとの知見を得
た。本発明は、このような知見に基づいて成されたもの
であり、耳厚をナーリング厚よりも2μm以上小さくす
ることによって、巻きズレや陥没などの不具合の発生を
防止するものである。耳厚を小さくする方法としては、
例えば、バリの生じにくい刃形状にするなど、耳切り加
工の諸条件を最適化する方法や、或いは、バリのでない
レーザー加工や超音波加工によって耳切りする方法が考
えられる。また、フィルムの端面をプレス、或いは加熱
プレスすることによって、耳厚を小さくしてもよい。さ
らには、フィルム製造装置において流延ダイのクリアラ
ンスを調整したり、流延ダイの耳部拡散板形状を最適化
することによって、耳厚の小さいフィルムを製造し、こ
れを巻き取ってもよい。このようにして、フィルムの耳
厚をナーリング厚よりも2μm以上小さくし、このフィ
ルムを巻き取ってフィルムロールを形成すると、そのフ
ィルムロールは、ナーリング効果が十分に得られるの
で、端面ズレが生じにくく、また、陥没・ベコも発生し
にくい。なお、フィルムは、耳厚をナーリング厚よりも
相対的に2μm以上小さくすればよいので、ナーリング
厚を大きくしてもよいが、ナーリング厚を大きくするこ
とは、フィルムの薄手化の観点や、フィルム中央部の陥
没防止の観点で望ましくない。ナーリング厚は請求項2
に記載の如く、12μm以下とするとよい。
如く、フィルムの一方の面にのみ形成することが好まし
い。このように一方の面にのみナーリング部を付与すれ
ば、後工程で塗布工程を設ける際、ナーリング部のない
面に均一な塗布を行うことができる。また、一方の面に
のみ設けるナーリング部は、通常、塑性変形によって形
成されるので、経時変化が小さく、巻きズレや陥没・ベ
コを長時間防止することができる。
ために、幅方向の端部にナーリング部が設けられた帯状
のフィルムを、ロール状に巻き取ってなるフィルムロー
ルにおいて、前記フィルムロールの側面には、巻芯を中
心とする略円形の凹凸が、最大振幅1.0〜4.0mm
で形成されることを特徴としている。
るために、幅方向の端部にナーリング部が設けられたフ
ィルムを、ロール状に巻き取ってフィルムロールにする
フィルム巻取方法において、前記フィルムロールの端面
に、巻芯を中心とした円形の凹凸を、該凹凸の最大振幅
が1.0〜4.0mmとなるように、前記フィルムを巻
き取ることを特徴としている。
が低下し、フィルムの両側端部においてナーリング厚が
不均一になると、フィルムロールに端面ズレが発生しや
すくなることを見いだした。これを防止するためには、
ナーリング厚の精度を向上させて両側端部におけるナー
リング厚を一致させることが望ましいが、ナーリング厚
を1μmのレベルまで合わせることは困難であり、非現
実的である。そこで、本願発明の発明者は、別の方法で
端面ズレを防止する方法を見いだした。すなわち、フィ
ルムロールの端面に規則的な凹凸を設けることにより、
端面ズレを防止する方法を見いだした。この方法によれ
ば、ナーリング厚の精度のバラツキが平均化(均一化)
されるので、ナーリング部を高精度に加工しなくても、
端面ズレを抑制することができる。また、フィルムの幅
方向の端面の位置がずれた状態で巻き取られるので、耳
厚の影響を低減させることができる。これにより、陥没
・ベコ故障を防止しつつ、端面ズレを抑制することがで
きる。
えば、フィルムロールの巻芯をその幅方向に規則的に反
復運動しながらフィルムを巻き取ったり、あるいは、巻
き取る直前のフィルムの位置をエッジポジションコント
ロール装置等で規則的に幅方向に変化させる方法があ
る。
の厚み違いの影響を低減化するためのオシレートと異な
り、1.0〜4.0mm程度の細かなもので十分であ
る。このように細かな凹凸を設けた場合には、包装、搬
送、工程上への凹凸の影響が軽微であり、従来の方法・
方式を大きく変更することなしに採用することができ
る。
示す如く、凹凸のピッチに対する最大振幅の比を0.2
〜1.0とするとよい。これにより、凹凸のピッチが小
さ過ぎる際や凹凸の最大振幅が大き過ぎる際のように、
フィルムロールから巻き戻したフィルムに寄りや皺が発
生することを防止できる。
載の如く、1500m以上の長いフィルムを巻き取るの
に適しており、長尺フィルムであっても巻取故障のない
フィルムロールを得ることができる。
レや陥没・ベコが発生しにくいので、光学特性に優れて
いる。したがって、微妙な光学特性や平面性が要求され
るフィルム、特に、請求項6に示す如く、500〜60
0nmの可視光線透過率が90%以上であるフィルムと
して適している。また、本発明に係るフィルムは、偏光
板の保護フィルムとして適しており、請求項9に示す如
く、本発明に係るフィルムを用いて偏光板を製造すれ
ば、高品質の製品を製造することができる。さらに、請
求項10に示す如く、その偏光板を用いてLCD(liqui
d crystal display)を製造すれば、高品質の製品を提供
することができる。
るフィルムロール及びフィルム巻取方法の好ましい実施
の形態について詳説する。
採用したフィルム製造装置の全体構成を示す模式図であ
る。
キシングタンク12が設けられ、このミキシングタンク
12にはドープ14が貯留されている。ドープ14はミ
キシングタンク12で混合された後、ポンプ16によっ
て濾過装置18に送り出され、この濾過装置18で濾過
される。濾過されたドープ14は、流延ダイ20の先端
から、走行中の流延バンド22の上に押し出されて流延
される。流延バンド22は、ステンレス板等によって無
端状に形成され、表面が鏡面仕上げされており、この流
延バンド22上に流延されたドープは、自己支持性がで
た後に剥ぎ取られる。剥ぎ取られたフィルム24は、テ
ンターによる延伸乾燥部26と、ロール乾燥部28とを
通過して乾燥される。特にロール乾燥部28では、ロー
ル30、30、…を介してフィルム24を搬送しつつ、
乾燥エアをフィルム24に吹きつけることにより、フィ
ルム24を十分に乾燥させる。こうして乾燥されたフィ
ルム24は、ロール乾燥部28の最終段階で可動パスロ
ール50にガイドされた後、エッジポジションコントロ
ール装置48によって幅方向の位置が調整される。
ング付与装置32の一対のローラ36、36によって挟
圧される。一対のローラ36、36は、少なくとも一方
が刻印ローラになっており、この一対のローラ36、3
6で押圧されたフィルム24には、図2または図3に示
すようなナーリング部34が付与される。図2には、一
方の面にのみナーリング部34が付与されたフィルム2
4が示されている。このフィルム24は、一方のローラ
36(図1参照)を刻印ローラとし、他方のローラ36
をフラットローラとした際に得られる。また、図3に
は、両面にナーリング部34が形成されたフィルム24
が示されている。このフィルム24は、一対のローラ3
6、36の両方を刻印ローラとした際に得られる。上記
の如く形成された図2、図3のフィルム24をロール状
に巻回すると、ナーリング効果によって、端面ズレや黒
帯び故障を抑制することができる。
果を十分に得るために、以下のような形状にするとよ
い。例えば、ナーリング高さaを12μm以下、好まし
くは10μm以下、さらに好ましくは、8μm以下にす
るとよい。ナーリング高さaは、ナーリング部34の厚
み(以下、ナーリング厚という)T1から、フィルム2
4の平均厚みT0を引いて求められる値であり、この値
が大き過ぎるとフィルム24を巻き取った際に中央部が
陥没し、逆に小さ過ぎるとナーリング部34の本来の効
果が十分に得られなくなる。ナーリング高さaは、一対
のローラ36、36がフィルム24を押圧する押圧力を
可変することによって調整される。また、一対のローラ
36、36の少なくとも一方を100℃以上、好ましく
は150℃以上に加熱することによって、ナーリング高
さaを精度良くコントロールすることができる。
は、ナーリング部34の厚みT1が内側≧外側となるよ
うにすることが好ましい。このような形状のナーリング
部34は、一対のローラ36、36の傾きを調整するこ
とによって形成される。
4の幅方向の縁から距離Lが20mm以内となる範囲に
形成することが好ましく、ナーリング部34の幅Wは5
〜15mmとすることが好ましい。
グ部34が付与されたフィルム24は、耳切装置38に
よって耳切り加工される。この耳切装置38は、例えば
刃付きローラによってフィルム24の幅方向の縁を切り
落とし、フィルム24の幅寸法を精度良く揃える。この
耳切装置38は、刃形状などの切断条件を最適化するこ
とによって、切断面のバリを極力抑えるように構成され
ている。具体的には、図2及び図3に示す切断面の厚み
(以下、耳厚という)T2がナーリング厚T1より2μ
m以上、好ましくは3μm以上小さくなるように耳切加
工される。これにより、耳厚T2が大きくなってナーリ
ング部34に悪影響を及ぼすことが防止される。なお、
耳切装置38は、耳厚T2が小さくなるように耳切加工
する装置であればよく、例えばレーザーや超音波を利用
して耳切加工する装置を用いてもよい。また、耳切り加
工した切断面をプレス、或いは加熱プレスすることによ
り、耳厚T2を小さくしてもよい。さらには、流延ダイ
20の先端形状を変えて、端部の薄いフィルム24を製
造することによって、耳厚T2を小さくしてもよい。
されたフィルム24は、除電器40によって、フィルム
24に帯電した電気が除去された後、巻取装置42の巻
芯44にロール状に巻き取られる。巻き取りの際、コン
タクトロール46でフィルム24を押圧することによっ
て、エアの抱き込みが防止されるとともに、フィルム2
4の巻き姿勢が改善される。また、巻き取りの際、巻取
装置42の巻芯44を幅方向に規則的に反復運動するこ
とによって、図4に示す如くフィルムロール52は形成
される。すなわち、フィルムロール52の端面に、巻芯
44を中心とした略同心円状の細かな凹凸が規則的に形
成される。この凹凸は、フィルムロール52の径方向に
できるだけ均一に形成することが望ましいが、巻き条件
によっては外側、内側だけに設けるなど局在させてもよ
い。また、凹凸の形状は、三角形を組み合わせたジグザ
グ状が好ましいが、台形、サインカーブ状など、任意の
形状が使用できる。また、凹凸の最大振幅hは、1.0
〜4.0mmとなるように形成されている。また、ピッ
チpに対する最大振幅hの比(h/p)が0.2〜1.
0となるように形成されている。なお、巻芯44を幅方
向に規則的に反復運動させる代わりに、エッジポジショ
ンコントロール装置(不図示)を巻取装置42の前段に
設け、このエッジポジションコントロール装置によって
フィルム24の位置を幅方向に規則的に変化させて巻き
取るようにしても、同様の効果を得ることができる。
2は、必要に応じて保存、搬送される。そして、次の工
程において巻き戻され、フィルム24の片面に防眩処理
や感光乳剤等の塗布が施される。その後、フィルム24
の製品部(側端部を除いた部分)が所定の形状に切断さ
れ、偏光板保護フィルム等の製品が製造される。
と、この製造装置10で製造されたフィルムロール52
の作用について説明する。
た際、図2及び図3に示す如く、切断面にはバリが発生
して裁断前よりも厚くなっていることが多い。この耳厚
T2がナーリング厚T1と同じレベルまで大きくなる
と、ナーリング効果が十分に得られなくなり、巻き取っ
た際に大きな端面ズレを生じやすくなる。しかし、本実
施の形態では、耳厚T2をナーリング厚T1よりも2μ
m以上小さくしてフィルム24を巻き取るようにしたの
で、切断面のバリの悪影響を受けなくなり、ナーリング
効果を十分に得ることができる。これにより、巻き取っ
たフィルムロール52に大きな端面ズレが発生すること
を防止できる。
ール52は、その端面に細かい凹凸が規則的に形成され
ているので、端面ズレの発生を抑制することができる。
すなわち、凹凸を設けるようにフィルム24を巻き取る
と、ナーリング厚T1の精度のバラツキが平均化(均一
化)される。したがって、ナーリング厚T1の精度の影
響が小さくなり、フィルムロール52は端面ズレを生じ
にくくなる。さらに、凹凸を設けると、フィルム24の
端面の位置がずれた状態で巻き取られるので、耳厚T1
のナーリング部34への影響を低減化できる。したがっ
て、本実施の形態のフィルムロール52は、陥没・ベコ
等を改善しつつ、巻きズレを抑制することができる。
hを1.0〜4.0mmとしたので、後工程での巻き戻
し時にフィルム24に皺や寄りなどが発生することを防
止できる。すなわち、凹凸の最大振幅hが大きい時のよ
うに、巻き戻したフィルム24に皺や寄りが発生するこ
とを防止できる。また、凹凸の最大振幅が小さいので、
包装や搬送などの工程を変更する必要がなく、従来の方
法・方式を変更することなく使用することができる。
装置10は、端面ズレや陥没などの巻取起因の故障を抑
制できるフィルムロール52を製造することができる。
したがって、巻取起因の故障が生じやすい、高速処理、
フィルム24の薄手化、長尺化に有利であり、例えば、
1500m以上の長いフィルム24を巻き取るのに適し
ている。また、55m/分以上の高速流延する場合にも
適しており、生産効率を向上させつつ、巻取起因の故障
を防止できる。
ール52は、端面ズレや陥没などの不具合が発生しにく
いので、微妙な光学特性や平面性が要求される光学用途
フィルムを製造する際に特に有効である。例えば、セル
ローストリアセテートフィルムを製造するのに適してい
る。このセルローストリアセテートフィルムは、例えば
偏光板用の保護フィルムとして用いられ、PVA膜を一
対の保護フィルムで挟むことによって偏光板が製造され
る。したがって、本実施の形態のフィルムロール52を
用いれば、高品質の偏光板を製造することができる。ま
た、この偏光板を用いることによって高品質のLCDを
製造することができる。なお、セルローストリアセテー
トフィルムは、厚みを30〜200μmとすることが好
ましい。厚みが30μmより小さいと保護フィルムとし
てフィルム強度が不十分になり、厚みが200μmを超
えると偏光板が厚くなって商品価値が低下するからであ
る。
ナーリング厚T1とすることと、フィルムロール47の
端面に規則的な凹凸を設けることを同時に達成するよう
にしたが、いずれか一方のみを達成するようにしても、
端面ズレを抑制することができる。
ートの他、マット剤、可塑剤、UV吸収剤を混合したも
ので、可視光線透過率が91.0〜92.6%のものを
使用した。また、フィルムは幅が1340mmのものを
使用し、様々な条件(ナーリング厚T1、端面の厚みT
2、凹凸の最大振幅h、ピッチp、処理速度、巻取テン
ション、フィルムの平均厚みT0、フィルムの長さ)を
変えながら、端面ズレや陥没・ベコなどのフィルム欠陥
の発生状況を観察した。
ロールをばらしてフィルム全長を目視にて確認し、評価
した。また、フィルム欠陥の評価は、製品作製の直後と
1カ月経過後に行った。
一定条件でのロール輸送後に確認した。
面だけに形成し、フィルムの縁から2mm離れた位置に
幅10mmで形成した。ナーリング部の測定は、ナーリ
ング部を幅方向に三点測定し、最大箇所を長さ30cm
にわたって1cm毎に30点測定し、平均を求めた。
す。なお、図5に示した表中の巻取テンションは、初期
と巻き終わり時を示している。
リング厚T1と耳厚T2の差が零であるため、ナーリン
グ効果が十分に得られず、大きな端面ズレが発生した。
特に、比較例1では、ナーリング高さa(=T1−T
0)が12μmと比較的大きいため、陥没・ベコが発生
しやすかった。
3μm小さいため、端面ズレの面で大きく改善され、端
面ズレは2mmとなった。同様に、実施例2、3でもT
2をT1より3μm小さくしたので、端面ズレが大きく
改善された。ただし、実施例1〜3の順で流延速度を大
きくし、巻取条件を厳しくしたので、端面ズレの量が少
しずつ増加した。
て、巻き取りテンションを増加し、巻き硬さを硬くし
た。この結果、端面ズレは減少したが、巻き取ったフィ
ルム同士が接着し、黒帯び故障が発生するという不具合
が新たに生じた。
ルの端面に凹凸を形成するように巻き取った。これによ
り、端面ズレの発生を殆ど無くすことができた。しか
し、実施例5では、凹凸の最大振幅hが大き過ぎて、フ
ィルムロールを次の工程で巻き戻した際に寄りや皺が発
生した。
ことによって、巻取起因の故障のないフィルムロールを
得ることができた。
なわち凹凸のピッチpが非常に小さかったため)、凹凸
を設けた効果が十分に得られず、若干の端面ズレが発生
した。
を0.2〜1.0の適切な範囲に調整したため、良好な
フィルムロールを得ることができた。
0を40μmと薄くした場合であり、T2をT1よりも
3μm小さくするとともに、適切な大きさの凹凸を設け
たので、端面ズレを改善することができた。実施例15
は、h/pが若干大きかったため、次工程搬送時に皺が
発生した。
mと厚くしたが、耳厚T2や凹凸を同様の条件を設定す
ることによって、良好なフィルムロールを得ることがで
きた。
ムロール及びフィルム巻取方法によれば、幅方向の端面
の厚みがナーリング部の厚みよりも2μm以上小さいフ
ィルムを巻き取るようにしたので、端面ズレや陥没・ベ
コを防止することができる。また、本発明によれば、フ
ィルムロールの端面に規則的な凹凸を形成するようにフ
ィルムを巻き取ったので、端面ズレや陥没・ベコを防止
することができる。
造装置の全体構成を示す概念図
面図
面図
4…ドープ、16…ポンプ、18…濾過装置、20…流
延ダイ、22…流延バンド、24…フィルム、26…延
伸乾燥部、28…ロール乾燥部、30…ロール、32…
ナーリング付与装置、34…ナーリング部、36…ロー
ラ、38…耳切装置、40…除電器、42…巻取装置、
44…巻芯、46…コンタクトロール、48…エッジポ
ジションコントロール装置、52…フィルムロール
Claims (12)
- 【請求項1】幅方向の端部にナーリング部が設けられた
帯状のフィルムを、ロール状に巻き取ってなるフィルム
ロールにおいて、 前記フィルムの幅方向の端面の厚みは、前記ナーリング
部の厚みよりも2μm以上小さいことを特徴とするフィ
ルムロール。 - 【請求項2】前記ナーリング部の厚みから前記フィルム
の平均厚みを引いて求められるナーリング高さが、12
μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィ
ルムロール。 - 【請求項3】幅方向の端部にナーリング部が設けられた
帯状のフィルムを、ロール状に巻き取ってなるフィルム
ロールにおいて、 前記フィルムロールの側面には、巻芯を中心とする略円
形の凹凸が、最大振幅1.0〜4.0mmで形成される
ことを特徴とするフィルムロール。 - 【請求項4】前記凹凸はピッチに対する最大振幅の比が
0.2〜1.0であることを特徴とする請求項3に記載
のフィルムロール。 - 【請求項5】前記ナーリング部は、前記フィルムの一方
の面にのみ形成されることを特徴とする請求項1〜4の
いずれか1に記載のフィルムロール。 - 【請求項6】前記フィルムは、500〜600nmの可
視光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1に記載のフィルムロール。 - 【請求項7】前記フィルムは、セルローストリアセテー
トであり、フィルム厚さが30〜200μmであること
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載のフィル
ムロール。 - 【請求項8】前記フィルムの長さが1500m以上であ
ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1に記載の
フィルムロール。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1に記載のフィル
ムロールを用いて製造したことを特徴とする偏光板。 - 【請求項10】請求項9に記載の偏光板を用いて製造し
たことを特徴とするLCD。 - 【請求項11】幅方向の端部にナーリング部が設けられ
たフィルムを、ロール状に巻き取ってフィルムロールに
するフィルム巻取方法において、 前記フィルムの幅方向の端面の厚みを前記ナーリング部
の厚みよりも2μm以上小さくし、該フィルムを巻き取
ることを特徴とするフィルム巻取方法。 - 【請求項12】幅方向の端部にナーリング部が設けられ
たフィルムを、ロール状に巻き取ってフィルムロールに
するフィルム巻取方法において、 前記フィルムロールの端面に、巻芯を中心とした円形の
凹凸を、該凹凸の最大振幅が1.0〜4.0mmとなる
ように、前記フィルムを巻き取ることを特徴とするフィ
ルム巻取方法。
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