JP3947394B2 - 溶液製膜方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルロースアセテートフィルムの製造方法に関するものであり、特に偏光板保護膜などの光学フィルムに用いられるセルロースアセテートフィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルロースアセテートフィルムは、低複屈折性、透明性、適度な透湿性を有し、機械的強度が大きく、かつ、湿度及び温度変化に対する寸法安定性が良いことから、偏光板保護膜等の光学材料として広く用いられている。このようなセルロースアセテートフィルムは、溶液製膜法により製造されており、この方法はセルロースアセテート等のポリマーを、適宜各種添加剤を加えて溶媒によってドープにしたあと、エンドレスの無端支持体であるドラムもしくはバンドへ流延し、自己支持性をもったところで剥離し、乾燥工程を経て製品フィルムを得るものである。剥離後の乾燥は、ロールで搬送しながら熱風乾燥するのが一般的である。連続製造されたフィルムは、通常樹脂・金属・木材・厚紙等で作られた円筒状の巻き取り芯に、用途や設備能力等に応じて数百mから数千mの長さに巻き取られ、適宜梱包されて製品形態となる。このなかで無端支持体からの剥離後のロール搬送中に、ロールとフィルムの摩擦が不十分であるとスリップ現象を起こし、ロールの微小な凹凸がフィルムに擦り傷をつけ、製品価値を減じてしまうことがある。乾燥ゾーンのロールは設備コストの理由から、大半は、独立して駆動する機能をもたず、搬送されるフィルムとの間に生ずる摩擦力を駆動力としてフィルムの搬送につられて回るだけであるからである。これを防止するために、ロールとフィルムの間の摩擦力を高める必要がある。その方法として従来より、ロール搬送中での搬送方向におけるテンションを高める方法が採られている。また、フィルムに対して適度な摩擦力を呈するように、ロールに関し、材質や表面面状を摩擦力の高いものにする等の方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらロール搬送中での搬送方向におけるテンションを高める方法は、フィルムの縦方向への伸びが、特に高温環境下では著しく起こり、フィルムの性能、特に光学的等方性や寸法安定性に影響を及ぼすという欠点があった。また表面摩擦力を高めることにより、ロール表面でフィルムのツレが発生して、フィルムがしわになることもあった。この問題はフィルムの膜厚が薄いほど顕著であり、ロールとフィルムの間の摩擦力の調整が随時必要となる。ロールの表面材質や表面加工という方法は、設備的対応のため、摩擦力調整方法のフレキシビリティという点で問題がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、擦り傷やしわの発生しにくいセルロースアセテートフィルムの製造方法、及びセルロースアセテートフィルム、偏光板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の溶液製膜方法は、溶媒を含んだ状態のセルロースアセテートフィルムを搬送しながら加熱乾燥する乾燥工程と、乾燥工程後の前記セルロースアセテートフィルムを巻き取る巻取工程と、前記乾燥工程を経た前記セルロースアセテートフィルムの両側端部に、前記巻き取りを安定させる第1のナーリングを付与する第1ナーリング付与工程とを有し、前記乾燥工程には、搬送路に設けられた非駆動のロールに対するセルロースアセテートフィルムの摩擦力を調整する第2のナーリングを、凹凸を有するロールにより、セルロースアセテートフィルムの少なくとも一方の側端部に付与する第2ナーリング工程があることを特徴とする。製造工程にテンター乾燥ゾーンを設ける場合には、第2ナーリング工程は、テンター乾燥直後が好ましい。そして、第2ナーリング工程は、ロール搬送がなされる工程内であれば効果があり、もっとも好ましくはテンター乾燥ゾーンでの乾燥後であって、かつ、非駆動ローラが配されているロール乾燥ゾーンへの導入前である。ここでナーリングとは、刻印ロールを用いてフィルム側端部に、一般にナーリングエンボスと呼ばれる加工を施すことをいう。完成製品には、巻きを安定させる等の目的でナーリングが施されることが一般的である。第2のナーリングを、完成製品のナーリング、つまり本発明における第1のナーリングとすることも可能であるが、一般に完成製品のナーリング位置、フィルム幅等は厳密に定められており、ロール乾燥ゾーン、特に溶媒含有率があまり低くないうちに施した第2ナーリングを完成製品のナーリングとすることは、その後の乾燥条件の微小な変動によって第2のナーリングの位置が変動してしまう可能性があり好ましくない。したがって、第2ナーリングは、乾燥後、完成製品には含まれずに、最終の巻き取り工程の前に裁断除去されるのが好ましい。
【0006】
また、第2のナーリングは、フィルムの片面のみに付与されていても、第2ナーリングの厚みを厚くすることにより効果があるが、このナーリング厚みを小さくしても擦り傷が防止できるように凹凸をフィルム両面に付与するのが好ましい。また本発明の製造方法では第2ナーリングの厚みを任意に設定できることを特徴とし、この厚みを最適化することで、フィルムの厚みや剛さに応じて擦り傷を防止しつつしわの発生を抑えることができる。
【0007】
第2のナーリングは、フィルムの塑性変形で付与されるものであり、ナーリング付与時のフィルム剛さが小さいとナーリングがへたってしまい、効果が上がらない。したがって、第2のナーリングはフィルムがある程度の剛性をもった段階、つまり溶媒含有率がある程度低い状態で付与されるべきである。一方、溶媒含有率が非常に低くなってから第2のナーリング付与工程を実施することは、このナーリング前の乾燥工程において、乾燥工程長を大きくするかあるいは乾燥工程での搬送速度を小さくすることを必要とし、生産性・設備費用の点から不利である。こうしたことから第2ナーリング付与時のフィルムの溶媒含有率は、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10〜30重量%、もっとも好ましくは10〜25重量%である。
【0008】
本発明における第2のナーリングの付与は、非駆動のロールとフィルムとの摩擦力を確保しながら擦り傷を防止するものである。従ってナーリングを付与する前の非駆動ロールの本数が少ないほど好ましく、全くないのが最も好ましい。さらに、上記したように溶媒含有率、生産性、設備費用の点を考慮すると、第2ナーリング付与工程は乾燥工程の最終より以前、つまりこのナーリング付与後の非駆動のロールが1本以上あるときに行うことが好ましい。また、本発明におけるナーリング付与は、積層構造を有する各種フィルム、偏光板等の製造法である溶液製膜法の共流延法、逐次流延法等にも適用可能である。さらに、製膜工程によってはテンター乾燥ゾーンを設けない場合もあり、この場合でも有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の溶液製膜法でのフィルムは、公知の各種溶媒を使用したドープから製造することができる。フィルムの原料ポリマーとしてセルロースアセテートを用いた場合、溶媒にはメチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素、アルコール、エステル、エーテルなどを単独あるいは複数混合して使用することができる。またこれら溶媒を用いて製膜した場合も本発明には含まれる。
【0010】
溶解したドープは濾過により異物や未溶解原料などを除去することが一般的である。濾過には濾紙、濾布、不織布、金属メッシュ、焼結金属フィルター、多孔板等公知の各種濾材を用いることが可能である。濾過することにより、ドープの中の異物、未溶解物等を除去することができ、これらによるフィルム性能の低下や損傷、欠陥を低減もしくは除去することができる。
【0011】
また、一度溶解したドープを加熱して、さらに溶解度の向上を図ることもできる。加熱には静置したタンク内で攪拌しながら加熱する方法、多管式、静止型混合器付きジャケット配管等の各種熱交換器を用いてドープを移送しながら加熱する方法などがある。また、加熱工程の後に冷却工程を設け、装置内の内部を加圧することにより、ドープの沸点以上の温度に加熱することも可能である。これらの加熱処理をおこなうことにより、完全に溶解できていなかった未溶解物を完全あるいは実用的に無視してよい程度にまで溶解することができ、製品フィルム中の異物の減少、濾過の負荷低減が図れる。
【0012】
さらに公知の添加剤をドープに添加させることが可能である。添加剤としては紫外線吸収剤や分散剤、可塑剤などが挙げられるが、これらに限定されない。また、ドープ中には、他の添加剤としてシリカ、カオリン、タルクなどを添加することも可能である。これらの添加剤は、ドープを調製した後、移送する際に混合器等を用いてインライン混合することも可能であり、また、ドープを調製する際に同時に混合することも可能である。
【0013】
図1は本発明を実施した溶液製膜工程の代表例を示している。紫外線吸収剤溶液及び微粒子分散液をそれぞれ供給ポンプ10、11からスタティックミキサー12を用いてインライン混合し、さらにこの混合液をドープ基材13にインライン混合してドープ14を得た。ドープ14は流延ダイ15より無端支持体であるバンド16上に流延され、熱風乾燥により徐々に溶媒が揮発し、自己支持性をもつようになる。ここでフィルム17をバンド16から剥ぎ取り、4本の駆動ロール18に接触させつつ搬送し、テンター乾燥ゾーン19に導入する。テンター乾燥ゾーン19では、フィルム17を図示されないテンター軌道上に設置したテンタークリップに噛み込ませることにより両耳部を保持して張力を加えつつ乾燥する。フィルム17がテンター乾燥ゾーン19を出たら直ちに、テンタークリップによって保持され変形したフィルム17の両耳部を裁断機20で裁断除去し、駆動ロール21を1本介した後、刻印ロール22でナーリング(以降、工程ナーリングと称す)をフィルム17の側端部に行う。工程ナーリングの後、ロール乾燥ゾーン23にてロール24で搬送しながらフィルム17の表面温度を最高130℃にまで高めてさらに乾燥し、冷却ゾーン25にて室温まで冷却した後、刻印ロール26でナーリング(以降、製品ナーリングと称す)を行う。このとき製品ナーリングの厚み平均値が目的値になるように刻印ロールの噛み合わせ力を調整する。製品ナーリング直後に耳切装置27で工程ナーリングを裁断除去して、巻き取り芯28に巻き取る。
【0014】
図2は工程ナーリングの説明図である。これに示すようにナーリング突起パターン40を付与してある直径100mmの刻印ロール22を、フィルム17を上下からはさんで2個を1対として、2対設置し、フィルム17を図示されない駆動ロールにより搬送させてナーリング41を付与した。ナーリング突起パターン40は、フィルム17とロールの間の摩擦力を調節するのに十分なナーリング41を付与できるものであれば、様々な形態をとることができる。刻印ロール22の設置はフィルムの一方の側端でもよいが、両側端でも可能である。ナーリング41の厚み平均値は、(株)小野測器製デジタルリニアゲージDG−933及びゲージスタンドST−022を用いて、刻印ロール1回転分314mmに相当するフィルム長を20等分し、等分割されたナーリング部の各中央部の厚みを測定して平均値を求め、この平均値から非ナーリング部のフィルム17の平均膜厚値を減じて求める。搬送速度やフィルム17の膜厚、剛さ等の条件によって、ナーリングの厚さ平均をかえることが可能である。ナーリングの厚さの調整は一対をなす刻印ロールの噛み合わせ力を調整することで行うことができる。具体的にはおもりをのせて荷重をかける方法、空気圧・水圧・油圧等で押しつける方法、スプリングで機械的に押しつける方法等公知の方法が制限なく利用できる。
【0015】
工程ナーリングの際のフィルム17の溶媒含有率(単位;重量%)測定については、本発明では、Xグラムを密閉容器に入れた状態の乾燥前重量、Yグラムを密閉容器の蓋をはずし115℃乾燥機内で90分乾燥した後再度蓋をして常温まで冷却し、さらに1回蓋を開けたあと直ちに再度蓋をして測った乾燥後重量、Zグラムを密閉容器と蓋の合計重量として、計算式 (X−Y)/(X−Z) ×100にて求めた。
【0016】
フィルム17の擦り傷有無の検査については以下のように目視にて検査するが、これに限定されない。本発明では、巻き取り時に巻き取り周辺を暗くしてスライド映写機の光をフィルム17に照らし、擦り傷がある場合には、その位置がチカチカと光ってみえることで極めて精度良く確認、評価することができる。また擦り傷の発生が認められたら、その部分をサンプリングして擦り傷発生箇所を確認することで、擦り傷発生面が、バンドに対する接触面か非接触面を特定することができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例を用いて、本発明を具体的に説明するが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。原料ドープ14の調製については実施例、比較例とも同様なのではじめにこれを説明し、フィルム作製及び結果をそれぞれあとに説明する。
Figure 0003947394
からなる混合溶媒を適宜添加し、攪拌してドープ基材13を調製した。ドープ基材13の固形分濃度は18.5重量%であった。このドープ基材13を濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)34aにて濾過した後さらに焼結金属フィルター(日本精線(株)製06N、公称孔径10μm)34bで濾過し、さらに焼結金属フィルター(日本精線(株)製12N、公称孔径40μm)34cで濾過した。
【0018】
Figure 0003947394
からなる紫外線吸収剤溶液を調製し、富士写真フイルム(株)製アストロポア10μmフィルターにて一回濾過した。
【0019】
Figure 0003947394
からなる分散液を調製し、アトライターにて体積平均粒径0.5μmになるように分散を行った。ここで、体積平均粒径は堀場製作所製粒度分布測定装置LA920で測定した値を用いた。この分散液を富士写真フイルム(株)製アストロポア10μmフィルターにて2回濾過し、微粒子分散液を得た。
【0020】
紫外線吸収剤溶液及び微粒子分散液をスタティックミキサー12を用いてインライン混合し、さらにこれをドープ基材13にインライン混合して原料ドープ14を得た。ここで紫外線吸収剤溶液の添加量は、ドープ中の固形分に対する紫外線吸収剤量を重量%で表した値と完成したフィルムの膜厚をμmで表した値の積が83.2になるよう調整した。また、微粒子分散液の添加量は、完成したフィルム17の重量に対して、微粒子分散液中のシリカの重量比率を%で表した値が0.13になるように調節した。
【0021】
〔実施例1〕
ドープ14を図1のような溶液製膜工程にてフィルム化した。ドープ14を流延ダイ15より、製品フィルムの膜厚が80μmになるように回転速度を50m/分に設定した無端支持体としてのバンド16上に流延し、自己支持性をもつまで熱風乾燥してフィルム17として剥ぎ取った。このフィルム17を4本の駆動ロール18を介した後、テンター乾燥ゾーン19に導入し両耳部を保持して張力を加えつつ乾燥した。フィルム17がテンター乾燥ゾーン19を出たら直ちに、テンタークリップによって保持され変形したフィルム17の両耳部を裁断除去し、駆動ロール21を1本介した後、工程ナーリングを刻印ロール22にて行った。工程ナーリングは、直径100mmの刻印ロール22を、フィルムをはさんで2個を1対として、フィルム両側端に各1対ずつ設置し、フィルムを搬送させて両側端部に付与した。ここでサンプリングを行い、フィルム17の溶媒含有率を測定したところ、28重量%であった。その後ロール乾燥ゾーン23でフィルム17の表面温度を最高130℃にまで加熱することによりさらに乾燥した。ロール乾燥ゾーン23でのテンションは50〜100N/mであった。冷却ゾーン25にて常温まで冷却してから、両側各1対の刻印ロール26で製品ナーリングを行った。このとき、製品ナーリング部の厚み平均値が10μmとなるように、刻印ロールの噛み合わせ力を調整した。製品ナーリング直後、耳切装置27で製品フィルム幅が1340mmになるように両側端部を裁断除去し、外径168mmのFRP製巻き取り芯28に巻き取った。裁断除去した側端部をサンプリングし、工程ナーリング部の厚み平均値を測定したところ、4μmであった。巻き取りテンションは、巻き取り開始時が220N/m,巻き取り終了時が140N/mであった。工程ナーリング前の耳部裁断除去工程から巻き取り工程までに設置した、非駆動ロールの本数は350本であった。巻き取り時に、フィルム17面にスライド映写機の光を照射し、目視で擦り傷の有無を検査したが、バンド16接触面、非接触面ともに擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0022】
〔実施例2〕
バンド16回転速度を30m/分にし、ロール乾燥ゾーンのテンションを50〜70N/mにしたほかは、実施例1と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査したが、バンド16の接触面、非接触面ともに擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0023】
〔実施例3〕
刻印ロール22を設置する代わりに、フィルム17のバンド16の接触面側に刻印ロール、非接触面側にナーリング突起パターンをもたないフラットロールを用い、これを1対として、フィルム両側端部に各1対設置したほかは、実施例1と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査した。擦り傷はバンド16の接触面にはなかったが、非接触面には認められた。しわの発生は認められなかった。
【0024】
〔実施例4〕
工程ナーリングの厚み平均値を8μmになるように刻印ロール22の噛み合わせ力を調整したほかは、実施例3と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査したが、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0025】
〔実施例5〕
刻印ロール22を、フィルム17の一方の側端部においてはバンド16の接触面側に、他方の側端部においては非接触面側に設置したほかは、実施例3と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査したが、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0026】
〔実施例6〕
工程ナーリングをフィルム17の一方の側端部にのみ施したほかは、実施例1と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の検査をしたが、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0027】
〔実施例7〕
完成フィルムの膜厚が40μmになるように原料ドープ14を流延した以外は実施例1と同様に実施した。巻き取り時に目視にて擦り傷の検査をしたが、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷はなかったが、しわの発生が認められた。
【0028】
〔実施例8〕
工程ナーリングの厚み平均値が2μmとなるように刻印ロール22の噛み合わせ力を調整したほかは、実施例7と同様に実施した。巻き取り時に目視にて擦り傷の検査をしたが、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷はなく、しわも発生しなかった。
【0029】
〔実施例9〕
バンド16上及びテンター乾燥ゾーン19での乾燥条件を変更したほかは、実施例1と同様に実施した。工程ナーリングを付与する部分の溶媒含有率は36重量%であり、工程ナーリングの厚み平均値は1μm以下だった。巻き取り時目視にて擦り傷の検査をしたところ、擦り傷はバンド16の非接触面にはなかったが、接触面に認められた。しわの発生は認められなかった。
【0030】
〔比較例1〕
工程ナーリングを施さなかったほかは、実施例1と同様に実施した。巻き取り時目視にて擦り傷の検査をしたところ、バンド16の接触面、非接触面とも擦り傷が認められた。しわは認められなかった。
【0031】
〔比較例2〕
バンド16の回転速度を30m/分にしたほかは比較例1と同様に実施した。
巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査したところ、擦り傷の有無は認められなかったが、しわの発生が認められた。
【0032】
〔比較例3〕
ロール乾燥ゾーン23でのテンションを50〜70N/mにしたほかは比較例2と同様に実施した。巻き取り時に目視で擦り傷の有無を検査したところ、バンド16の接触面、非接触面ともに擦り傷の発生が認められた。しわの発生は認められなかった。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明の溶液製膜法における工程ナーリングの付与により、搬送時のテンションを高めたり、またロール表面の加工等の設備的対応をせずに、フィルムに擦り傷やしわを防止しながらフィルムを搬送、製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した溶液製膜法の工程図である。
【図2】本発明を実施したナーリング付与工程の説明図である。
【符号の説明】
13 ドープ基材
14 ドープ
15 流延ダイ
16 バンド
17 フィルム
18 駆動ロール
19 テンター乾燥ゾーン
21 駆動ロール
22 刻印ロール
23 ロール乾燥ゾーン
24 ロール
25 冷却ゾーン
26 刻印ロール
27 耳切装置
41 ナーリング

Claims (2)

  1. 溶媒を含んだ状態のセルロースアセテートフィルムをロール搬送しながら加熱乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程後の前記セルロースアセテートフィルムを巻き取る巻取工程と、
    前記乾燥工程を経た前記セルロースアセテートフィルムの両側端部に、前記巻き取りを安定させる第1のナーリングを付与する第1ナーリング付与工程と、
    を有し、
    前記乾燥工程には、搬送路に設けられた非駆動のロールに対する前記セルロースアセテートフィルムの摩擦力を調整する第2のナーリングを、凹凸を有するロールにより、前記セルロースアセテートフィルムの少なくとも一方の側端部に付与する第2ナーリング工程があることを特徴とする溶液製膜方法
  2. 前記第2のナーリングを付与するときの前記セルロースアセテートフィルムの溶媒含有率が30重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜方法
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