JP2003285367A - 溶液製膜方法及びその製造物 - Google Patents

溶液製膜方法及びその製造物

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cellulose ester
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thickness distribution
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Toshikazu Nakamura
敏和 中村
Hidekazu Yamazaki
英数 山崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液製膜フィルムへのマット剤塗布時におけ
る塗布むらの発生を抑える。 【解決手段】 セルロースエステル溶液を流延ダイによ
り支持体に流延し、支持体上で冷却ゲル化したウェブを
支持体からはぎ取る。このウェブをテンタにより延伸し
てセルロースエステルフィルムを得る。流延ダイのリッ
プのクリアランスを幅方向の各部において調整する。こ
れにより、前記フィルムの両端部に設けられたナーリン
グの内側の幅方向厚み分布が、前記両端部を結んだ直線
を基線L1としたときに、この基線L1を超えない厚み
にする。また、最も厚い部分と薄い部分の差Δtを乾燥
後で0.3μm以上4μm以下にする。フィルムをロー
ル状に巻き取った時にフィルム同士が接着してしまうこ
とがなくなる。接着部分の剥離に起因する帯電むらの発
生が抑えられ、塗布むらの発生が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液製膜方法及び
その製膜方法により製造されるセルロースエステルフィ
ルム、偏光板用保護フィルム、偏光板などの製造物に関
する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレート、特に57.5な
いし62.5%の平均酢化度を有するセルロースアセテ
ートは、その強靭性と難燃性から、フィルムの形状にし
て写真感光材料の支持体として利用されている。また、
セルロースアシレートフィルムは、光学的等方性に優れ
ていることから、近年市場の拡大している液晶表示装置
の偏光板の保護フィルムおよびカラーフィルタの用途に
適している。
【0003】一般に、セルロースアシレートフィルムは
溶液製膜法により製造されている。溶液製膜法は、メル
トキャスト法などの他の製造方法と比較して、光学的性
質や物性が優れたフィルムを製造することができる。こ
の溶液製膜法では、以下のようにフィルムが形成され
る。始めに、セルロースアシレートを溶剤中に溶解した
溶液(以下、ドープと称する)を調製する。ドープには
製造されるフィルムの目的に応じて、様々な添加剤が付
与される。次に、ドープをドラムやスチールバンドなど
の支持体上に流延した後に乾燥して、フィルムが得られ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして製造さ
れたフィルムに対しては、表面のアンチグレア処理のた
め、マット剤を塗布することが一般に行われている。し
かしながら、上記マット剤の塗布時にハジキが発生して
濃淡むらとなることがあり、商品価値を損なうという問
題があった。
【0005】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、マット剤等の塗布時のハジキの発生を抑えて、濃
淡むらのないフィルムが得られるようにした溶液製膜方
法及びその製造物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記塗布時のハジキ発生
を解析したところ、フィルムそのものの厚みむらが大き
な要因になっていることを本発明者らは見いだした。す
なわち、フィルムの幅方向における厚み分布において、
部分的に突出した部分があると、その厚みむらに起因し
て、ロール状に巻き取ったときにこの突出部分で接着が
発生する。そして、マット剤の塗布時にフィルムが引き
出されると、この接着部分で剥離時に帯電ムラが発生
し、この帯電ムラによってハジキが発生して濃淡むらと
なることが判った。
【0007】この知見に基づき、本発明では、セルロー
スエステルフィルムであって、このフィルムの両端部に
設けられたナーリングよりも内側の幅方向厚み分布にお
いて、前記両端部を結んだ直線を基線としたときに、こ
の基線を超えない厚みとし、かつ最も厚い部分と薄い部
分の差を0.3μm以上4μm以下にしている。なお、
前記厚み分布は、前記差の最大値がフィルム幅方向のほ
ぼ中央部にあり、前記中央部に向かうに従い次第に厚み
が減るようにすることが好ましい。また、前記フィルム
の厚みは30μm以上200μm以下が好ましく、幅は
500mm以上3000mm以下が好ましい。このよう
にして製造されたセルロースエステルフィルムは、光学
補償フィルムの素材として更に偏光板用保護フィルムと
して好ましく用いられ、これらを利用して液晶表示装置
が構成される。
【0008】また、本発明では、セルロースエステル溶
液を流延ダイにより支持体に流延し、支持体上で冷却ゲ
ル化したウェブを前記支持体からはぎ取った後に、テン
タにより延伸してセルロースエステルフィルムを製膜す
る溶液製膜方法において、前記セルロースエステルフィ
ルムの両端部に設けられたナーリングよりも内側の幅方
向厚み分布が、前記両端部を結んだ直線を基線としたと
きに、この基線を超えない厚みであり、かつ最も厚い部
分と薄い部分の差が乾燥後で0.3μm以上4μm以下
になるように、前記流延ダイのリップのクリアランスを
幅方向の各部において調整している。
【0009】
【発明の実施の形態】[フィルム]本発明のフィルム
は、溶液製膜法によって形成されるものであれば特に限
定されない。特に好ましくは、偏光板保護フィルムなど
に用いられるセルロースアシレートフィルムである。セ
ルロースアシレートフィルムは、種々のエステルのセル
ロースアシレートを用いることが可能である。しかしな
がら、偏光板保護フィルムとしての機能から、寸法の安
定性に優れた57.5から62.5%の平均酢化度のセ
ルロースアセテートを用いることが好ましい。もっとも
好ましくは、平均酢化度が58.0から62.5%のセ
ルロースアセテートである。
【0010】[溶剤]本発明の溶液製膜フィルムは、公
知の溶剤を使用したドープから製造することができる。
フィルムの原料にセルロースアシレートを用いた場合、
溶剤には、メチレンクロライド(ジクロルメタン)など
のハロゲン化炭化水素、エステル、エーテル、アルコー
ルなどを使用することができる。また、これら溶剤を複
数混合させた溶剤から製膜したフィルムも本発明には含
まれる。
【0011】溶解したドープは濾過により異物を除去す
ることが一般的である。濾過には濾紙、濾布、不織布、
金属メッシュ、焼結金属、多孔板等、公知の各種濾材を
用いることが可能である。濾過することにより、ドープ
中の異物、未溶解物を除去することができ、製品フィル
ム中の異物による欠陥を軽減することができる。
【0012】また、一度溶解したドープを加熱して、さ
らに溶解度の向上を図ることもできる。ドープは種々の
方法で加熱してよく、例えば、静置したタンク内で撹拌
しながら加熱する方法、多管式、静止型混合器付きジャ
ケット配管等の各種熱交換器を用いてドープを移送しな
がら加熱する方法などを用いてよい。また、加熱工程の
後に冷却工程を設け、装置の内部を加圧することによ
り、ドープの沸点以上の温度に加熱することも可能であ
る。これらの加熱処理を施すことにより、完全に溶解さ
れていなかった微小な未溶解物を溶解することができ、
製品フィルムの異物の減少、濾過の負荷軽減が図れる。
【0013】[添加剤]さらに、公知の添加剤をドープ
に添加させることも可能である。添加剤としては、可塑
剤、紫外線吸収剤などが挙げられるがこれらに限定され
ない。また、ドープ中には、他の添加剤としてシリカ、
カオリン、タルクなどを添加することも可能である。こ
れらの添加剤は、ドープを調製する際に同時に混合して
もよく、また、ドープを調製した後に、移送する際に静
止型混合器などを用いてインラインで混合してもよい。
【0014】図1はセルロースアシレートフィルムの製
膜ラインの一例を示している。セルロースアシレートと
溶媒とはミキシングタンク10内に注入され、撹拌翼1
1で撹拌されてドープ12が調製される。この時、ドー
プ12には、疎水性可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加
剤を混合してもよい。ドープ12は、ポンプ13により
濾過装置14に送られて不純物が除去される。さらに、
ドープ12は、一定の流量で流延ダイ15に送られ、ベ
ルト16上に流延される。そして、図示しない駆動装置
により回転駆動されるベルト16上で徐々に溶剤が揮発
し、フィルム17が形成される。なお、ベルトに代えて
ドラムに流延してもよい。
【0015】図2に示すように、流延ダイ15のリップ
15aには、そのクリアランスCを調整するための調整
ボルト25が設けられており、これを回動することによ
り、クリアランスCの調整が可能になる。この調整ボル
ト25は、流延ダイ15の幅方向に適宜間隔で設けられ
ており、本実施形態ではピッチpは30mmピッチにし
てある。この調整ボルト25の回動によって、クリアラ
ンスCは300〜3000μmの範囲で調整可能にされ
る。このクリアランスCを変更することにより、後に説
明するように、フィルム17の厚みむらの発生を抑える
ことができる。なお、調整ボルト25のピッチは、好ま
しくは10〜100mmである。また、調整ボルト25
は等間隔で配置する必要はなく、各調整ボルト25の間
隔を適宜変更してよい。また、調整ボルト25は、流延
ダイ15の流延方向に配置し、調整ボルトの回動により
ダイリップを僅かに回転変位させることで、クリアラン
スCを変更するようにしているが、このクリアランスの
変更は上記の方法に限定されるものではなく、他の種々
の方法で行ってよい。
【0016】フィルム17がテンタ18に導入される時
の、フィルム17中の揮発分Xは、10〜250重量%
であることが好まく、15〜120重量%が特に好まし
い。250重量%を超えるとフィルムの自己支持性がな
くなり、テンタ18による延伸が困難になる。また、反
対に10重量%より小さい時には、フィルム17の乾燥
が進んでいるためフィルム17の延伸が困難になる。な
お、フィルムの乾量を基準とした揮発分Xは、 揮発分X(%)={(フィルムサンプルの重量(g)−
B)/B}×100 から求めている。フィルムサンプルの重量は、テンタに
導入する前のフィルムの一部をフィルムサンプルとして
取り出して測定した値である。また、Bは、そのサンプ
ルフィルムを115℃で空気恒温槽にて1時間乾燥した
後に測定した重量(g)である。
【0017】テンタ18では、図示しないクリップによ
りフィルム17の両側縁部が挟持され、引っ張り装置に
よりフィルム17の幅方向で引っ張られることでフィル
ム17が延伸される。なお、テンタ18はクリップを用
いているが、これに代えてピンを用いたテンタであって
もよい。
【0018】なお、延伸時の幅方向におけるフィルム1
7の張力は、フィルム17の組成や延伸率によって異な
るが250〜5000N/cm2 が好ましい。また、フ
ィルムの延伸率は2〜40%が好ましい。延伸率が2%
未満であるとフィルム17を平面にする延伸が困難にな
り、逆に40%を超えるとピン孔などから裂けてしまう
ため、好ましくない。
【0019】図1に示すように、テンタ18を出たフィ
ルム17はローラ23、24により乾燥ゾーン20に送
られて複数のローラ19で搬送されながら乾燥されたの
ち、冷却ゾーン21を通過して常温まで冷却されて巻き
取り機22で巻き取られる。この巻取りの前に刻印ロー
ラ26によりナーリング処理が行われる。このナーリン
グ処理により、フィルム17の両端部に微細なエンボス
によるナーリングが付与される。このようにして巻き取
られたフィルム17を用いて、光学補償フィルムや偏光
板が製造される。
【0020】図3は、前記フィルム17の幅方向におけ
る厚み分布を示しており、乾燥後のものである。フィル
ム17の両端部の微細な凹凸部分27は前記ナーリング
によるものであり、このナーリングの内側の端部同士を
結んだ直線からなる基線L1に対して、厚み分布はこの
基線L1から突出することがないようにされている。ま
た、最も厚い部分と薄い部分の差Δtを0.3μm以上
4μm以下にしている。なお、この差Δtは好ましくは
0.4μm以上3.5μm以下であり、より好ましくは
0.5μm以上3.0μm以下である。また、フィルム
17の厚みは30μm以上200μm以下が好ましく、
幅は500mm以上3000mm以下が好ましく、より
好ましくは1500mm以上2000mm以下である。
【0021】図4に示すように、この差Δtが0.3μ
m未満の場合には、ロール状にフィルムを巻き取った時
にフィルム同士で弱い接着が発生してしまう。また、図
5に示すように、差Δtが4μmを超えると、ロール状
にフィルムを巻き取ったときにロール状フィルムの上面
が経時により陥没し、フィルム17が変形してしまう。
【0022】前記厚み分布は、図3に示すように、差Δ
tがフィルム幅方向のほぼ中央部にあり、中央部に向か
うに従い次第に厚みが減るような下方に湾曲した分布と
なることが好ましい。このように、下方に湾曲した厚み
分布とすることにより、図4に示す従来のフィルムの厚
み分布のように部分的に前記基線L1から突出した部分
D1,D2,D3がなくなり、ロール状に巻き取ったと
きに、この突出部分D1〜D3でフィルム17同士が接
着してしまうことがなくなる。したがって、次のマット
剤などの塗布工程において、接着した部分が剥離される
ときの帯電ムラの発生がなくなり、帯電ムラに起因する
ハジキを無くして、マット剤を均一に塗布することがで
きる。
【0023】このように差Δtが中央部で最大となるよ
うに下方に湾曲した厚み分布とし、差Δtの最大値が
0.3μm以上4μm以下とするフイルム厚み分布を得
るためには、流延ダイ15のクリアランスCをダイ15
の幅方向適宜位置において変更し、乾燥後のフィルム厚
み分布を図3のようにする。クリアランスCは、図2に
示すようにクリアランス調整ボルト25を回動すること
により変更する。なお、調整ボルト25に代えて、他の
押圧部材によりリップを押圧して変位または変形させク
リアランスCを変更してもよい。
【0024】なお、上記実施形態では、単層のフィルム
を製膜する際に用いる流延ダイ15を用いたが、この他
に、マルチマニフォールド型の共流延ダイを用いて複層
構成のフィルムを製造する場合にも、本発明を適用する
ことができる。同様にして、フィードブロック型の共流
延ダイを用いてもよい。さらには、2個の流延口を用い
て、第1の流延ダイから支持体に成型したフィルム上に
第2の流延ダイから流延を行なう製造方法においても、
総厚みが本発明の範囲に入るように各流延ダイを調節し
て、本発明を適用してもよい。なお、各流延ダイはコー
トハンガーダイを使用しているが、これに限定されるも
のではなく、Tダイ等の他の形状であってもよい。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明の態様はこれに限定されない。
【0026】[原料ドープの調製]まず、セルロースト
リアセテート(置換度2.8)89.3重量%、トリフ
ェニルフォスフェート7.1重量%、ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート3.6重量%からなる固形分100
重量部に対して、シリカ微粒子分散液を適宜添加した。
さらに、ジクロルメタン92重量%、メタノール8重量
%の混合溶媒を適宜添加し、撹拌して固形分を溶解し、
ドープを調製した。ドープの固形分濃度は18.5重量
%であった。
【0027】(実施例)上記ドープを図1の製膜ライン
で流延し、ドープが自己支持性を持つまでベルト16上
で乾燥した後にフィルム17としてはぎ取って、テンタ
18に導入した。テンタ18への導入時のフィルム17
の揮発分Xは55%であった。テンタ18で延伸率を7
%として幅方向にフィルムを延伸した。テンタ離脱直後
から100N/mのテンションでロール搬送を行ない、
さらに乾燥して巻き取った。この時のフィルムの乾燥厚
みは80μmであり、また、流延ダイ15のリップ15
aのクリアランスCを調整ボルト25を回動して、幅方
向の各部において変更し、図3に示すような乾燥後の厚
み分布を得た。この実施例では、幅方向の厚み分布にお
いて部分的に突出したところがなく、ロール状に巻き取
ったときにこの突出部分で接着が発生することがなかっ
た。このため、次のマット剤塗布工程において、突出部
分に起因する接着による剥離時の帯電むらが発生するこ
とがなく、ほぼ均一にマット剤を塗布することができ
た。また、ロール状に巻き取った時に経時による陥没が
なく、フィルム17の変形の発生が抑えられた。
【0028】(比較例1)流延ダイ15のリップ15a
のクリアランス制御を図6に示す厚み分布となるように
行い、それ以外は実施例と同様にして製膜した。この場
合には、乾燥後のフイルム幅方向における厚み分布が図
6に示すようになり、部分的に突出した部分D4,D5
があり、しかもこの突出部分D4,D5が基線L1を超
えて突出していた。このため、ロール状に巻き取った時
にこの突出部分D4,D5で接着が発生し、次のマット
剤塗布工程で、フイルム17を引き出す際に、接着部分
の剥離により帯電ムラが発生し、これに起因してマット
剤の塗布ムラが発生した。
【0029】(比較例2)流延ダイ15のリップ15a
のクリアランス制御を図5に示す厚み分布となるように
行い、それ以外は実施例と同様にして製膜した。この場
合には、乾燥後のフイルム幅方向における厚み分布が図
5に示すようになり、差Δtが5μmとなった。この場
合には、ロール状にフィルムを巻き取ったときにロール
状フィルムの上面が経時により陥没し、フィルム17が
変形してしまった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、セルロースエステルフ
ィルムであって、このフィルムの両端部に設けられたナ
ーリングよりも内側の幅方向厚み分布において、前記両
端部を結んだ直線を基線としたときに、この基線を超え
ない厚みとし、かつ最も厚い部分と薄い部分の差を0.
3μm以上4μm以下にしたから、ロール状に巻き取っ
たときにフィルム同士が接着してしまうことがなくな
り、次のマット剤等の塗布工程において、接着部分の剥
離による帯電むらが発生することがなく、マット剤等を
均一に塗布することができる。したがって、マット剤等
の塗布むらのないフィルムが得られ、光学補償フィル
ム、偏光板用保護フィルム等の光学部材として用いて好
適なものとなる。
【0031】また、前記厚み分布は、前記差の最大値が
フィルム幅方向のほぼ中央部にあり、前記中央部に向か
うに従い次第に厚みが減るようにしたから、厚み分布に
おいて部分的な突出部分がより一層なくなり、塗布むら
の発生が抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶液製膜方法を説明するための概
略図である。
【図2】フィルムの幅方向における厚み分布を変えるた
めの、流延ダイのリップ周りを示す概略図である。
【図3】本発明により得られたフィルムの幅方向におけ
る厚み分布を示す線図であり、横軸は幅方向位置を示
し、縦軸は厚みを示している。
【図4】従来のフィルムの幅方向における厚み分布を示
す線図である。
【図5】従来のフィルムの幅方向における厚み分布を示
す線図である。
【図6】比較例でのフィルム幅方向における厚み分布を
示す線図である。
【符号の説明】
12 ドープ 15 流延ダイ 15a リップ 16 ベルト 17 フィルム 18 テンタ 25 クリアランス調整ボルト C クリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 1:08 C08L 1:08 Fターム(参考) 2H049 BB33 BC09 4F071 AA09 AF35 AH16 BA02 BB02 BB07 BC01 BC12 4F205 AA01 AG01 AR12 GA07 GB02 GC07 GN10 GN11 GN24 4F210 AA01 AG01 AH73 QA02 QC03 QD01 QG01 QG18 QW17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースエステルフィルムであって、
    このフィルムの両端部に設けられたナーリングよりも内
    側の幅方向厚み分布において、前記両端部を結んだ直線
    を基線としたときに、この基線を超えない厚みとし、か
    つ最も厚い部分と薄い部分の差を0.3μm以上4μm
    以下にしたことを特徴とするセルロースエステルフィル
    ム。
  2. 【請求項2】 前記厚み分布は、前記差の最大値がフィ
    ルム幅方向のほぼ中央部にあり、前記中央部に向かうに
    従い次第に厚みが減ることを特徴とする請求項1記載の
    セルロースエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 前記フィルムの厚みは30μm以上20
    0μm以下であることを特徴とする請求項1または2記
    載のセルロースエテスルフィルム。
  4. 【請求項4】 セルロースエステル溶液を流延ダイによ
    り支持体に流延し、支持体上で冷却ゲル化したウェブを
    前記支持体からはぎ取った後に、テンタにより延伸して
    セルロースエステルフィルムを製膜する溶液製膜方法に
    おいて、 前記セルロースエステルフィルムの両端部に設けられた
    ナーリングよりも内側の幅方向厚み分布が、前記両端部
    を結んだ直線を基線としたときに、この基線を超えない
    厚みであり、かつ最も厚い部分と薄い部分の差が乾燥後
    で0.3μm以上4μm以下になるように、前記流延ダ
    イのリップのクリアランスを幅方向の各部で調整するこ
    とを特徴とする溶液製膜方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3いずれか1つ記載のフ
    ィルムを有することを特徴とする偏光板用保護フィル
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の偏光板用保護フィルムを
    有することを特徴とする偏光板。
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