JP5153283B2 - 光学フィルム用サイドテープ - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルム用サイドテープに関し、具体的には、光学フィルムの巻き取り体において使用されるサイドテープに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、ブラウン管(CRT)、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイではその画面に各種光学フィルムが貼り付けられている。例えば、PDPでは、人体や他の機器に対して有害な電磁波、リモコン等のワイヤレス機器を誤動作させる近赤外線、赤色濃度を低下させるオレンジ色のネオン光等が発生するため、電磁波、近赤外線、ネオン光をカットする機能を持つ各種光学フィルムが積層されている。さらには、画面への外光の映り込みを防止するため、反射防止(AR)用の光学フィルムが最表面に貼着されている。
このような光学フィルムは基材シート上に、種々の光学性能を発現する機能層が積層されてなるものである。ところが、この機能層が所期の光学性能を発揮するにはその表面形状がきわめて重要なものであり、想定外の傷や凹凸が付与されたり、チリやホコリ等が付着したりすると、その光学性能が著しく影響を受け、所期の性能が容易に損なわれてしまう。そこで光学フィルムは、機能層の表面に傷や凹凸をつけないよう、また、チリやホコリが付着しないよう慎重に取り扱う必要がある。
このために、例えば特許文献1及び2に記載されているような保護フィルムによって機能層全面を被覆することによって、光学フィルムを保護することが考えられる。
特開平5−278170号公報 特開2006−1253号公報
しかしながら、従来の保護フィルムにより光学フィルムを保護する手法は光学フィルムの機能層全面にわたって保護フィルムが設けられるものであるため、光学フィルムとほぼ同面積の保護フィルムが必要となり、製造コストが上昇してしまう問題があった。また、保護フィルム自体にチリやホコリが付着していたり、あるいは保護フィルムを光学フィルムの機能層上に貼り合わせ、巻き取り体を形成する際に発生する静電気によってチリやホコリが吸着され、これらによって機能層表面を毀損してしまい、光学フィルムの歩留りを低下させる問題もあった。
また、光学フィルムはその生産時に、図4に示すような巻き取り体の形状にして仕掛保管をしたり、出荷したりすることが多いが、この場合には、巻き取りによる加圧のために、機能層が保護フィルムや基材フィルム等の面感を写し取ってしまい、機能層に不必要な凹凸が生じて光学性能が低下する問題もあった。
さらに光学フィルムは、ガラス等の被着体に貼り合せるために、光学フィルムの裏面に粘着剤層を設ける場合がある。この場合粘着剤は架橋前の状態では非常に柔らかく光学フィルムの凹凸、異物、保護フィルム等の面の影響を非常にうけやすいものであり、外観不良を発生させやすいため、歩留の低下という問題もあった。
本発明は、上記現状に鑑み、他の部材との接触や、微細な異物の混入によって光学フィルムの光学性能が低下するのを防止し、これによって光学フィルム、光学フィルム積層体の歩留りを向上させることができ、かつ資材の量の削減が可能でありながら巻き取り体の形成に影響しないサイドテープを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムを保護するために用いられるサイドテープであって、前記光学フィルムの巻き取り体において、前記光学フィルムの幅方向両側端部に設けられ、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下であることを特徴とするサイドテープに関する。
また、本発明は、少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムの巻き取り体であって、前記光学フィルムの幅方向両側端部において、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下のサイドテープが前記光学フィルム間に挟み込まれていることを特徴とする光学フィルム巻き取り体にも関する。
前記のようなサイドテープを設けることによって、光学フィルムを巻き取り体とした場合に、本来密着して積層される光学フィルム間に間隙が形成され(すなわち、サイドテープが光学フィルム間のスペーサとして作用する)、光学機能層の外表面が基材層裏面と接触することを回避できるので、基材層の面感の写し取りや、基材層との摩擦又は混入した極微細な異物による光学機能層表面の毀損を回避することができる。
また、本発明によれば、光学フィルムの光学機能層のほぼ全面に保護フィルムを設けなくても、光学機能層の幅方向両側端部のみにサイドテープを設けることで所望の効果が得られることから、保護フィルムに必要な資材量を大幅に削減することができる。
前記サイドテープとしては、導電性を有する帯電防止フィルムを使用することが好ましく、これによって、静電気の発生を抑えることができ、静電気によるチリやホコリ等の吸着を回避することができる。
本発明で云う導電性を有するとは、サイドテープを JIS K 6911(1962年制定(2006年改訂))に準拠した表面電気抵抗の測定値が13logΩ以下の範囲の特性を有する物を指し、特に好ましくは11〜1logΩの範囲が、更に好ましくは、9〜1logΩが好適である。
光学フィルムは基本的にクリーンルーム内で製造されることから、元来ホコリ、チリが極めて微量な環境下で製造されるものであり、浮遊するチリやホコリの大きさ、量を勘案すると13logΩ以下である事が好ましい、また、表面電気抵抗が出来る限り低い事が好ましいが、導電性の高い素材は高価であり、コストパフォーマンスから1logΩ程度のものが好適に使用できる。
前記サイドテープは、少なくとも片面の表面粗さRaが0.02μm以上1.0μm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは0.05μm以上0.8μm以下の範囲、更に好ましくは0.08μm以上0.6μm以下の範囲である。表面粗さが0.02μm未満では、サイドテープの巻き取りにおいて、サイドテープ同士が密着し繰り出し性が悪化して、巻き取り加工時に巻きズレが生じる問題が発生する。1.0μmを超えると、巻き取り形成時にサイドテープのズレが生じやすく、巻きズレが生じる問題と、サイドテープ自体の巻き取り径が大きくなり作業性が低下する問題が生じる。
また、サイドテープの両面ともに当該表面粗さの数値を満足しても、片面のみ前記表面粗さを満足しても好適に利用できる。これによって、光学フィルムの巻き取り体を形成する際に生じ得る巻き取り体のズレを防止し、巻き取り体の変形や、巻き取り時の操作性・作業性の低下を抑えることができる。なお、表面粗さRaは、JIS B 0601に準拠して測定する。
前記サイドテープの巾は光学フィルムの巾との関係で適宜設定することができ特に限定されるものではないが、一例として、光学フィルムの巾が1000mm程度である場合には、サイドテープの巾は5mm以上100mm以下であることが好ましい。より好ましくは5mm以上75mm以下、さらに好ましくは5mm以上50mm以下である。サイドテープの巾が100mm以上ではサイドテープで被覆され、除去する部分の巾が大きくなり、歩留りが悪くなる。また5mm以下では、巾が狭すぎ、光学フィルム間に十分な間隙を形成することができず、異物による光学機能層の毀損の問題を回避することが困難になる。
前記サイドテープの厚みは、前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下である。好ましくは15%以上50%以下である。サイドテープの厚みが、光学フィルムの厚みの100%を上回ると、巻き取り時に巻き取り体の変形が生じる可能性がある。資材コストの上昇にもつながり、また、巻き取り体が過大になることにより、巻き取り体を解きほぐす際に操業性が低下することにもなる。一方光学フィルムの厚みの5%を下回ると、光学フィルム間に十分な幅の間隙を形成することができず、異物による光学機能層の毀損の問題を回避することが困難になる。なお、光学フィルムの巻き取り形成をクリーンルームで行うことが一般的でありチリやホコリ等の異物の大きさは数ミクロン程度と想定されるため、サイドテープの厚みは、これを上回るような厚みとすることが好ましい。
さらに本発明は、少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムを保護する方法であって、前記光学フィルムの巻き取り体において、前記光学フィルムの幅方向両側端部に、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下のサイドテープを積層し、前記巻き取り体を解きほぐした後においては、前記サイドテープで被覆された幅方向両側端部を切除することを特徴とする光学フィルムの保護方法にも関する。
光学フィルムの巻き取り体形成にあたって保護フィルムを光学機能層全面に設ける必要がなく、たとえ設けたとしても、保護フィルムに起因する問題、すなわち保護フィルム自体にチリやホコリが付着していたり、あるいは保護フィルムを光学フィルムに貼り合わせ、巻き取り体を形成する際に発生する静電気によってチリやホコリが吸着され、これらによって機能層表面を毀損してしまう問題が生じないことにより、サイドテープで被覆された幅方向両側端部を光学フィルムごと切除し、幅方向両側端部のあいだに位置する光学フィルムを実用に供することによって、光学フィルムの歩留りを大幅に向上させることが可能になる。
本発明によると、他の部材との接触や、微細な異物の混入によって光学フィルムの光学性能が低下するのを防止し、これによって光学フィルムの歩留りを向上させることができ、かつ資材の量の削減が可能でありながら巻き取り体の形成に影響しないサイドテープを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第一実施形態の、幅方向における断面図である。この実施形態による光学フィルムは光学機能層1と、基材層2とが順次積層してなるものである。
本発明における光学フィルムとは、例えば、PDP、LCD、CRT、有機ELディスプレイ等の電子ディスプレイにおいて画面に貼り付けられているものである。
光学機能層1としては特に限定されないが、例えば、反射防止層、電磁波遮蔽層、近赤外線カット層、ネオン光カット層、偏光層、位相差層、光学補償層、輝度向上層、防眩層、ハードコート層、防汚層、光拡散層等が挙げられる。
基材層2としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、シクロオレフィン系樹脂、ノルボルネン樹脂等の公知の透明な樹脂フィルムを好適に使用することができる。電子ディスプレイ用の光学フィルムとしては、透明性に優れたPET、TACが特に好ましく用いられる。基材層2には、光学機能層1等の他の層との密着性を向上させるために、コロナ処理、アルカリ処理、プラズマ処理、易接着樹脂層コート処理等の表面処理を施すことが好ましい。
図1では、サイドテープ3が、光学機能層1の上面、光学フィルムの幅方向両側端部に設けられている。ただし、巻き取り体を形成する際、サイドテープ3は、基材層2の下面に設けてもよい。光学フィルムの幅方向とは、図5において矢印で示した方向であり、光学フィルムの長手方向(光学フィルムを巻き取り体とする場合に巻き取りを行う方向)とは逆の方向をいう。サイドテープ3は、光学フィルムの幅方向における両側の側端部に、図5に示すように2本の帯状に設けられる。図1では光学フィルムの端部とサイドテープ3の端部とが面位置になるように示してあるが、必ずしもその必要はない。
本発明においては、光学フィルムは、サイドテープ3を剥離した後に実際の用途に適用してもよい。本発明によるとサイドテープ3による被覆面積が少ないことから、全面被覆をする場合と比較すると、資材量の低減と、静電気の発生量を低減することができる。
サイドテープ3は、導電性を有する帯電防止フィルムからなる。当該帯電防止フィルムとしては特に限定されず、箔化、又は金属蒸着による薄膜形成されたフィルム、あるいは帯電防止剤塗膜の形成されたフィルムであればよく、具体的には、金属蒸着フィルム、アルミニウムや銅等の金属フィルム、界面活性剤タイプまたはポリマータイプ等の帯電防止剤が練りこみ、もしくは塗布されているフィルム等が挙げられる。なかでも、安価でありながら延伸性に優れ、また蒸着も容易であるので、アルミニウム蒸着フィルムが好ましい。本発明においては、好適には硬質な樹脂フィルムをサイドテープ基材に用いる事で、巻き取り形成時に厚みをきわめて一定に保つことができるので、例えば特開2006−1253号公報に記載の硬化性塗料によるフィルムを用いた場合に生じるフィルムの欠落や凹凸の問題が発生せず、巻き取り時における形成不良を回避することができる。また、サイドテープ3が導電性を有するので、静電気の発生を抑止し、静電気によってチリやホコリを吸着する問題を回避できる。
サイドテープ3を光学フィルム上に設けるには、別途製造した二条のサイドテープを、光学フィルムの幅方向両側端部に重ね合わせた後、又は重ね合わせながら、巻き取りを行ってもよいし、予め保護フィルムで光学機能層表面を被覆した光学フィルムの保護フィルム両側端部にサイドテープを形成した後に巻き取りを行ってもよい。
図2は、本発明の第二実施形態の、幅方向における断面図である。この実施形態における光学フィルムは光学機能層1と、基材層2と、粘着剤層4と、剥離材層5とが順次積層してなるものであり、第一実施形態における基材層2の下面に、粘着剤層4と、剥離材層5とを積層したものに相当する。サイドテープ3は、図2では光学機能層1の上面において、光学フィルムの幅方向両側端部に設けられているが、剥離材層5の下面に設けてもよい。
以上の構成によって、光学フィルムを、粘着剤層を有する粘着シートの形態のものとすることができる。光学フィルムを使用するに際しては、剥離材層5を剥離した後、所期の設置箇所に粘着剤層4を貼付することによって光学機能層1、基材層2と、粘着剤層4とからなる光学フィルムを簡便に設置することができる。
粘着剤層4に用いられる粘着剤としては特に限定されないが、アクリル系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤等の粘着剤を任意に選択して使用することができる。なかでも、高粘着力で、耐候性、柔軟性、および耐熱性に優れる特性を有するアクリル系粘着剤を使用することが好ましい。
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これに極性モノマーを共重合したアクリル系ポリマーを用いた粘着剤である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルであって、特に限定されるものではないが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合する極性モノマーは、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルである2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、および4−ヒドロキシブチルアクリレート、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルである2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、および4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基含有モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホルン、アクリルアミド、メタクリルアミド等の窒素含有モノマー、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマー等が挙げられる。上記極性モノマーは、架橋剤を用いて上記アクリル系ポリマーを架橋する際の架橋点として作用する。
また、その特性を損なわない限りにおいては滑剤、可塑剤、老化防止剤、粘着付与剤などの各種添加剤が配合されても良い。
粘着剤の塗工方法としては、例えばグラビア印刷法、スプレー法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、バーコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法等公知の方法により、剥離材層5上に塗工・乾燥して粘着剤層4を形成後に基材層2と貼り合わせればよい。
剥離材層5としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、布、不織布、ネット、発泡シート、金属箔、又はこれらのラミネート体等からなる適当な薄葉体を用いることができる。剥離材層5の表面には、粘着剤層4からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていてもよい。剥離シートの剥離性は、剥離処理に用いる薬剤の種類および/またはその塗工量等を調節することにより制御することができる。
図3は、本発明の第三実施形態の、幅方向における断面図である。この実施形態では、第二実施形態における光学機能層1の上面全面にわたって保護フィルム6を設け、この保護フィルム6上で、幅方向両側端部にサイドテープ3を設けている。保護フィルム6は光学機能層1の全面を保護するものであって、これを設けることによって、光学フィルムの巻き取り体を解きほぐした後においても光学機能層1にチリやホコリが付着したり傷を与えたりするのを防止することができる。このように保護フィルム6の上に設けたサイドテープ3は、巻き取り時のスペーサとして作用し、保護フィルム6に付着した異物や、その表面の面感を、光学機能層1が写し取ることを防止することができる。
保護フィルム6としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなる樹脂フィルムを使用することができる。保護フィルム6はアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等からなる粘着剤層を介して光学機能層1の表面に貼り合わされていてもよい。
第三実施形態では光学フィルムを実際の用途に適用するにあたって、サイドテープ3を積層した状態にある保護フィルム6を剥離してもよいし、サイドテープ3で被覆された幅方向両側端部をスリッタ等で切除した後、保護フィルム6のみを剥離してもよい。
なお、図3は、保護フィルム6を第二実施形態に追加したものであるが、第一実施形態に追加することも可能である。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
評価サンプル作成方法:
図1形態 実施例1〜2、4〜12、16 比較例1〜
ポリエチレンテレフタレート樹脂(商品名:バイロン200、東洋紡社製)をトルエン−メチルエチルケトン1:1混合溶液へ溶解させ固形分20%に調整した。
得られた塗布溶液を厚さ100μm、巾1000mmのPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100、東洋紡社製)にグラビアコーターを用いて塗工し、乾燥させ、膜厚2μmのコーティング膜を作製した。巻き取る際に、両端に巾20mmの表1記載の各種サイドテープを挿入し300m巻きの巻き取り体を作成した。(図5)なお、表1中、「金属蒸着フィルム」はアルミニウム蒸着PETフィルム(商品名:メタライト 中井工業社製)であり、「帯電防止機能付きフィルム」はPETフィルム(商品名:コスモシャインA8300、東洋紡社製)であり、「未処理フィルム」はPETフィルム(商品名:コスモシャインA4100、東洋紡社製)である。
以下の基準により各種測定・評価を行った。
厚み:熊谷理機工業製厚さ計にて10点厚みを測定し、光学フィルム(積層体)に対するサイドテープの厚みを%で表した。
表面粗さ:JIS B 0601に準拠し、表面粗さRaを測定した。(小坂研究所製、型番SE−30K)
表面電気抵抗:JIS K 6911(1962年制定(1995改訂))に準拠し、23℃50%条件下にて測定した。(アドバンテスト製、TR8601 三菱化学製 MCP-T610)
面感:以下の評価基準に従い目視で判断した。
○:ポリエチレンテレフタレート樹脂模様の写しとりなし
△:部分的にポリエチレンテレフタレート樹脂模様の写しとりあり
×:全面にポリエチレンテレフタレート樹脂模様の写し取りあり
異物影響:内径3インチのプラスチック製コアに巻き取る際、コア表面に異物として径25μmのシリカを混入させた。巻きほぐしの際に、シリカの痕(凹凸)を目視にて確認し、影響がでたところまでの長さを測定した。
欠陥数:巻き取り時、ときほぐしの際の静電気による異物(チリ、ホコリ)を目視にて確認し、100mあたりの欠陥数を換算した。
巻きズレ:巻き取り体に生じたズレを計測した。
Figure 0005153283
本発明の第一の実施形態に係るサイドテープを積層した光学フィルムの横断面図 本発明の第二の実施形態に係るサイドテープを積層した光学フィルムの横断面図 本発明の第三の実施形態に係るサイドテープを積層した光学フィルムの横断面図 本発明の比較例。光学フィルムを巻き取り体とした場合の斜視図 本発明の第二の実施形態に係るサイドテープを積層した光学フィルムを巻き取り体とした場合の斜視図
符号の説明
1 光学機能層
2 基材層
3 サイドテープ
4 粘着剤層
5 剥離材層
6 保護フィルム

Claims (3)

  1. 少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムを保護するために用いられるサイドテープであって、
    前記サイドテープが金属蒸着フィルムからなる帯電防止フィルムであり、
    前記光学フィルムの巻き取り体において、前記光学フィルムの幅方向両側端部に設けられ、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下であり、
    少なくとも片面の表面粗さRaが0.02μm以上1.0μm以下であることを特徴とするサイドテープ。
  2. 少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムの巻き取り体であって、
    前記光学フィルムの幅方向両側端部において、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下であり、少なくとも片面の表面粗さRaが0.02μm以上1.0μm以下の金属蒸着フィルムからなる帯電防止フィルムであるサイドテープが前記光学フィルム間に挟み込まれていることを特徴とする光学フィルム巻き取り体。
  3. 少なくとも光学機能層、及び基材層を順次積層してなる光学フィルムを保護する方法であって、
    前記光学フィルムの巻き取り体において、前記光学フィルムの幅方向両側端部に、厚みが前記光学フィルムの厚みの5%以上100%以下であり、少なくとも片面の表面粗さRaが0.02μm以上1.0μm以下の金属蒸着フィルムからなる帯電防止フィルムであるサイドテープを積層し、
    前記巻き取り体を解きほぐした後においては、前記サイドテープで被覆された幅方向両側端部を切除することを特徴とする光学フィルムの保護方法。
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