JP2003138009A - 芳香族ポリエーテルの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリエーテルの製造方法

Info

Publication number
JP2003138009A
JP2003138009A JP2001334332A JP2001334332A JP2003138009A JP 2003138009 A JP2003138009 A JP 2003138009A JP 2001334332 A JP2001334332 A JP 2001334332A JP 2001334332 A JP2001334332 A JP 2001334332A JP 2003138009 A JP2003138009 A JP 2003138009A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
aromatic polyether
aromatic
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001334332A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikara Ota
智加良 太田
Kunihisa Sato
邦久 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2001334332A priority Critical patent/JP2003138009A/ja
Publication of JP2003138009A publication Critical patent/JP2003138009A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyethers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 400nm付近および600nm付
近の着色をより一層低減せしめた、透明性に優れた芳香
族ポリエーテルの製造方法を提供する。 【解決手段】 ハロゲン原子を複数含有する芳香
族化合物、多価フェノールおよびハロフェノールから選
ばれる化合物に、塩基を反応させて芳香族ポリエーテル
を製造する方法において、得られる芳香族ポリエーテル
の理論上の重量を基準として次亜リン酸を0.01%以
上、並びにリン酸アンモニウム塩を0.01%以上使用
することを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は着色が一層低減され
た芳香族ポリエーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエーテルは、耐衝撃性、透明
性などに優れることから、最近、携帯電話、ポータブル
パソコンなどの携帯端末における表示装置などにガラス
代替材料として使用することが試みられている。そし
て、このような材料に使用するためには着色の低減され
た芳香族ポリエーテルの製造方法が求められ、例えば、
特開平9−316189号公報には次亜リン酸を使用す
ることを特徴とする、着色が低減され、透明性が向上し
た芳香族ポリエーテルの製造方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、400
nmの透過率を一層向上させるべく、次亜リン酸に代
え、リン酸アンモニウム塩を添加したところ、次亜リン
酸を添加した場合に比べて該透過率はほとんど改善せ
ず、むしろ、600nmの透過率が著しく低下すること
が明らかになった。本発明の目的は、400nm付近およ
び600nm付近の着色をより一層低減せしめた、透明
性に優れた芳香族ポリエーテルの製造方法を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ハロ
ゲン原子を複数含有する芳香族化合物、多価フェノール
およびハロフェノールから選ばれる化合物に、塩基を反
応させて芳香族ポリエーテルを製造する方法において、
得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準とし
て次亜リン酸を0.01%以上、並びにリン酸アンモニ
ウム塩を0.01%以上使用することを特徴とする芳香
族ポリエーテルの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる多価フェノールとは、分子内に複数
のフェノール基を有する化合物であり、例えば、レゾル
シン、ヒドロキノンのように1個のベンゼン環に複数の
フェノール性水酸基がある化合物や、分子内の複数のベ
ンゼン環にフェノール性水酸基を含有する化合物などが
挙げられる。
【0006】多価フェノールの中でも、ビスフェノール
が好ましく、とりわけ、下記一般式(1)で示されるビ
スフェノールが好適である。 (式中、Yは炭素数1〜5程度のアルキレン基、炭素数
1〜5程度のアルキリデン基、炭素数5〜15程度のシ
クロアルキレン基、炭素数5〜15程度のシクロアルキ
リデン基、エーテル基、カルボニル基、スルホニル基お
よびスルフィド基などの2価の官能基又は単結合等を表
す。R1 〜R8 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1
〜4程度の炭化水素基、又は炭素数1〜4程度のアルコ
キシ基等を表す。)
【0007】ここで、Yは、通常、フェノールを結合せ
しめる2価の官能基、又は直接結合せしめる単結合であ
る。具体的に2価の官能基であるアルキレン基として
は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基などが挙げられ、アルキリデン基としては、
例えば、エチリデン基、1,1’-プロピレン基、2,
2’-プロピレン基、1,1’-ブチリデン基、2,2’-
ブチリデン基などが挙げられる。シクロアルキレン基と
しては、例えば、1,4-シクロヘキシレン基などが挙げ
られ、シクロアルキリデン基としては、例えば、シクロ
ペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられ
る。
【0008】R1〜R8 としては、例えば、水素原子;
メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基などの
炭素数1〜4程度の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ
基、n−ブトキシ基、t-ブトキシ基など炭素数1〜4程
度のアルコキシ基等が挙げられる。尚、R1〜R8 はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0009】一般式(1)で表されるビスフェノールの
中でも、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、並びに、これら例示されたビスフェノールの3
位、5位、3’位および5’位から選ばれる少なくとも
1つの炭素原子にメチル基を置換したビスフェノールが
好ましく、とりわけ下記一般式(4)で示される化合物
が好適である。
【0010】 (式中、Yは前記と同じ意味を表す。)
【0011】本発明で用いられるハロゲン原子を複数含
有する芳香族化合物とは、分子内に複数のハロゲン原子
をベンゼン環に置換している化合物であり、例えば、o-
ジクロロベンゼン、p-ジクロロベンゼンのように1個の
ベンゼン環に複数のハロゲン原子が置換している化合物
や、分子内に複数のハロゲン化ベンゼンを含有する化合
物などが挙げられる。
【0012】ハロゲン原子を複数含有する芳香族化合物
の中でも、分子内に複数のハロゲン化ベンゼンを含有す
る化合物が好ましく、とりわけ、下記一般式(2) (式中、Zはスルホニル基又はカルボニル基などの電子
吸引性置換基を表し、R9〜R16 はそれぞれ独立に、水
素原子、炭素数1〜4程度の炭化水素基、又は炭素数1
〜4程度のアルコキシ基等を表す。XおよびX’は、そ
れぞれ独立にハロゲン原子等を表す。)で表される分子
内に複数のハロゲン化ベンゼンを含有する化合物が好適
である。
【0013】ここで、Zは、通常、スルホニル基、カル
ボニル基などの2価の電子吸引性置換基である。Xおよ
びX’のハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、とりわけ、塩素が好
適である。R9〜R16 としては、それぞれ独立に、前記
1〜R8 に例示された水素原子、炭化水素基又はアル
コキシ基等が例示される。R9〜R16 は同一でも異なっ
ていてもよく、もちろん、前記R1〜R8 と同一でも異
なっていてもよい。
【0014】分子内に複数のハロゲン化ベンゼンを含有
する化合物の中でも、4,4’−ジクロロジフェニルス
ルホン、4,4’−ジフロロジフェニルスルホン、4,
4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロベ
ンゾフェノン、並びに、これら例示されたハロゲン化ベ
ンゼンの3位、5位、3’位および5’位から選ばれる
少なくとも1つの炭素原子にメチル基を置換した化合物
が好適に用いられ、とりわけ、下記一般式(5)で示さ
れる化合物が好適である。
【0015】 (式中、X、X’、Zは前記と同じ意味を表す。)
【0016】本発明で用いられるハロフェノールとして
は、分子内にハロゲン原子とフェノール性水酸基を含有
する芳香族化合物であり、例えば、o-クロロフェノー
ル、p-クロロフェノールのように1個のベンゼン環にハ
ロゲン原子とフェノール性水酸基とが置換している芳香
族化合物や、分子内にハロゲン化ベンゼンとフェノール
とを含有する化合物などが挙げられる。ハロフェノール
の中でも、分子内にハロゲン化ベンゼンとフェノールと
を含有する化合物が好ましく、とりわけ、下記一般式
(3)で示される化合物が好適である。
【0017】 (式中、Aはスルホニル基又はカルボニル基などの電子
吸引性置換基等を表し、R17 〜R24 はそれぞれ独立
に、水素原子、炭素数1〜4程度の炭化水素基、又は炭
素数1〜4程度のアルコキシ基等を表す。X”はハロゲ
ン原子を表す。)
【0018】ここで、Aは、通常、スルホニル基、カル
ボニル基などの2価の電子吸引性置換基である。X”は
ハロゲン原子を表し、前記XおよびX’と同一でも異な
っていてもよい。R17 〜R24 としては、それぞれ独立
に、前記R1〜R8 に例示された水素原子、炭化水素基
又はアルコキシ基等が例示される。R17 〜R24 は同一
でも異なっていてもよく、もちろん、前記R1〜R16
同一でも異なっていてもよい。
【0019】一般式(3)で示される化合物の中でも、
4−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノール、4
−(4−フロロフェニルスルホニル)フェノール、4−
(4−クロロベンゾイル)フェノール、4−ヒドロキシ
−4’−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニ
ル、4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)−4’
−(4−クロロフェニルスルホニル)ビフェニルなどが
好適である。
【0020】本発明は、ハロゲン原子を複数含有する芳
香族化合物、多価フェノールおよびハロフェノールから
選ばれる原料のフェノール性水酸基とハロゲン原子とか
ら脱ハロゲン化水素せしめて得られる芳香族ポリエーテ
ルの製造方法である。該製造方法における原料の使用量
としては、フェノール性水酸基とベンゼン環に置換され
たハロゲン原子の量で表すと、多価フェノールおよびハ
ロフェノールに含まれるフェノール性水酸基の合計1当
量に対して、ハロゲン原子を複数含有する芳香族化合物
およびハロフェノールに含まれるハロゲン原子の合計使
用量は、通常、0.9〜1.1当量程度であり、好ましくは0.
98〜1.05当量程度である。具体的に説明すると、例え
ば、一般式(1)で表される2価フェノールと、一般式
(2)で表されるハロゲン原子を2個含有する芳香族化
合物とから芳香族ポリエーテルを製造する場合、一般式
(1)1当量に対して一般式(2)を通常、0.9〜1.1当
量程度使用する。
【0021】本発明の製造方法に用いられる溶媒として
は、通常、非プロトン性極性溶媒等であり、具体的には
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、
スルホラン(1,1−ジオキソチラン)、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−
イミダゾリジノン、ジエチルスルホン、ジイソプロピル
スルホン、ジフェニルスルホンなどが例示される。
【0022】本発明の製造方法に用いられる塩基として
は、フェノール性水酸基とベンゼン環に置換されたハロ
ゲン原子とから脱ハロゲン水素せしめるものであり、好
ましくは、アルカリ金属炭酸塩及び/又は重炭酸塩であ
る。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはその重
炭酸塩が好適である。塩基の使用量は、原料として用い
られるフェノール性水酸基1当量に対して、少なくとも
1当量程度であり、好ましくは1.005〜1.25当量程度で
ある。塩基の使用量がフェノール性水酸基1当量に対し
て1.25当量以下であると、エーテル結合の開裂もし
くは分解が低減する傾向にあることから好ましく、1当
量以上であると得られる芳香族ポリエーテルの分子量が
増大する傾向にあることから好ましい。
【0023】本発明において使用される次亜リン酸の量
は、得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量を基準
として0.01%以上であり、好ましくは0.015〜
0.06%程度である。次亜リン酸の量が、0.01%
以上であると、着色が低減される傾向にあることから好
ましい。ここで、得られる芳香族ポリエーテルの理論上
の重量とは、原料として用いられた、反応し得るすべて
のフェノール性水酸基とハロゲン原子とが反応した場合
に得られる芳香族ポリエーテルの重量であり、未反応の
原料はそのまま芳香族ポリエーテルの重量に含まれるも
のとする。すなわち、フェノール性水酸基とハロゲン原
子が同じ当量である場合、使用した原料のフェノール性
水酸基とハロゲン原子とがすべてエーテル結合したもの
とみなして得られる芳香族ポリエーテルの重量を求めれ
ばよい。そして、使用した原料のフェノール性水酸基が
ハロゲン原子よりも過剰な場合、ハロゲン原子の当量分
だけエーテル結合して芳香族ポリエーテルが得られたも
のとみなし、さらに未反応のフェノール性水酸基に相当
する化合物の重量分もまた、得られる芳香族ポリエーテ
ルの重量に含める。同様に、使用した原料のハロゲン原
子がフェノール性水酸基よりも過剰な場合、フェノール
性水酸基の当量分だけエーテル結合して芳香族ポリエー
テルが得られたものとみなし、さらに未反応のハロゲン
原子に相当する化合物の重量分もまた、得られる芳香族
ポリエーテルの重量に含める。
【0024】得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重
量について、例えば、一般式(1)で表される2価フェ
ノール1当量と、一般式(2)で表されるハロゲン原子
を2個含有する芳香族化合物1.01当量とから芳香族
ポリエーテルを製造する場合について具体的に説明する
と、得られる理論上の芳香族ポリエーテルの重量とは、
一般式(1)と(2)のそれぞれの1当量分の重量の合
計からハロゲン化水素1当量分の重量を差し引き、過剰
となる一般式(2)の0.01当量分の重量を加算す
る。
【0025】本発明に用いられるリン酸アンモニウム塩
としては、通常、リン酸三アンモニウム、リン酸水素二
アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムなどである。
使用されるリン酸アンモニウム塩の量は、得られる理論
上の芳香族ポリエーテルの重量を基準として0.01%
以上であり、好ましくは0.015〜0.06%程度で
ある。リン酸アンモニウムの量が、0.01%以上であ
ると、着色が低減される傾向にあることから好ましい。
次亜リン酸およびリン酸アンモニウム塩は、通常、脱ハ
ロゲン化水素反応(重合反応)の前、及び/又は反応中
に他の原料とともに混合せしめるが、中でも反応前に混
合せしめるのが好ましく、とりわけ、塩基を混合する前
に混合せしめるのが好適である。
【0026】本発明の製造方法において、重合反応温度
は、使用するモノマー及び溶媒の性質により異なるが、
通常、80〜400℃程度であり、好ましくは100〜
350℃程度である。反応温度が80℃以上であると、
得られる芳香族ポリエーテルの分子量が増大する傾向に
あることから好ましく、400℃以下であると着色が低
減される傾向にあることから好ましい。重合反応の温度
制御方法としては、例えば、一定の反応温度で実施する
方法、温度を徐々に昇温させる方法、温度を段階的に昇
温させる方法などが挙げられる。
【0027】重合反応に要する時間は、反応原料の種
類、重合反応の形式、反応温度などにより異なるが、通
常、1〜24時間程度であり、好ましくは2〜12時間
程度である。原料の混合、次亜リン酸およびリン酸アン
モニウム塩の混合、ならびに重合反応などの本発明の製
造方法全般において、フェノール又は生成した芳香族ポ
リエーテルが酸化により着色されるのを防ぐために、若
干の不活性ガス気流下で行うことが望ましい。
【0028】本発明において、重合反応を停止させるた
めには、通常、生成した芳香族ポリエーテルを冷却させ
ればよいが、芳香族ポリエーテルの末端に存在するフェ
ノキサイド末端を安定化させるために、ハロゲン化物な
どを添加せしめて、重合反応を停止させてもよい。ここ
で、ハロゲン化合物の具体例としては、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、メチルブロマイドなどの脂肪族
ハロゲン化物;4−クロロジフェニルスルホン、4−フ
ロロジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノン、
4−フロロベンゾフェノン、4,4’−ジフロロジフェ
ニルスルホン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジフロロベンゾフェノン、p−クロロニ
トロベンゼンなどの芳香族ハロゲン化物等が挙げられ
る。
【0029】重合反応終了後の芳香族ポリエーテルの分
離精製方法としては、例えば、芳香族ポリエーテルと溶
媒とを含む溶液を、芳香族ポリエーテルが溶解しない溶
媒(以下、非溶媒という)中に添加して、芳香族ポリエ
ーテルを再沈澱せしめ方法;融点が室温以下の溶媒を用
いて重合した場合は、芳香族ポリエーテル、生成塩、溶
媒の混合物を粉砕した後に、非溶媒で、生成塩、溶媒を
抽出除去することにより重合体を得る方法などが挙げら
れる。ここで、非溶媒としては、例えば、メタノール、
アセトン、水、イソプロパノール、メチルエチルケト
ン、エタノールなどを挙げられる。非溶媒として2種類
以上の非溶媒を使用してもよい。
【0030】かくして得られた芳香族ポリエーテルを適
宜、乾燥することにより、透明性の優れた芳香族ポリエ
ーテルを得ることができる。また、射出成形機や押出成
形機などを用いることにより、所望の成形品を得ること
ができる。成形機で成形する際に、ミルドガラスファイ
バー、チョップドガラスファイバー等のガラス繊維、無
機充填剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カッ
プリング剤、ボラン系カップリング剤等の反応性カップ
リング剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪
酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の潤滑剤、
フッ素樹脂、金属石鹸類などの離型改良剤、核剤、酸化
防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、着色防止剤、着色剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、潤滑剤および難燃剤などを
添加してもよい。但し、ガラス代替材料などの透明性を
求められる分野には、ガラス繊維、無機充填剤、着色剤
など透明性を低下せしめる添加剤を使用しないことが好
ましい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例にて詳細に
説明するが、これをもって本発明を制限するものではな
い。例中の部は、特に断らないかぎり重量基準を意味す
る。
【0032】<還元粘度の測定>実施例及び比較例中の
還元粘度(RV)は次式により定義される。 RV=1/C*(t−t0 )/t0 t:重合体溶液の流出時間(秒) t0 :純溶媒の流出時間(秒) C:重合体の溶液の濃度(g/100ml溶媒で表示) 粘度の測定は、オストワルド型粘度管を使用して、25
℃で行った。粘度測定のための重合体溶液の濃度はN,
N−ジメチルホルムアミド(特級)溶液中1.0g/1
00mlとした。
【0033】<透過率(着色度)の測定>芳香族ポリエ
ーテル6.0gに対して、N,N−ジメチルホルムアミ
ド(特級)の割合で溶解し、日本ウォータース゛社製のWTPS Ve
rified Filter(0.45μm)で濾過した。続いて、得られた
濾液を光路長10cmのガラスセルに入れ、島津製作所
製の分光光度計UV-2400PCでにより、400nm及び6
00nmにおける光線透過率(%)並びにYI(Yel
low Index)を求めた。尚、YIは、該分光光
度計の「UVPCカラー測定」を使って解析した。ここでY
Iが大きいほど着色が著しいことを表し、一方、透過率
が大きいほどその波長における着色度が小さく、透明性
に優れることを表す。
【0034】(実施例1)攪拌機、窒素導入管、温度
計、先端に受器を付したコンデンサーとを備えた反応容
器中に、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン
(100.11部、1.0モル比)、4,4’−ジクロ
ロジフェニルスルフォン(119.92部、1.04モ
ル比、400nmの透過率97.9%、YI 0.7
2、アモコ社製)、及びジフェニルスルホン(196.
09部、400nmの透過率96.7%、YI 0.9
8、UCB社製)を仕込み、系内を窒素に置換したの
ち、さらに窒素を系内に流通させながら180℃まで昇
温し、モノマーを溶解させた。その後、次亜リン酸0.
06部(得られる芳香族ポリエーテルの理論上の重量1
00重量%に対し0.03重量%)とリン酸アンモニウ
ム0.06部(得られる芳香族ポリエーテルの理論上の
重量100重量%に対し、0.03重量%)を添加した
後、無水炭酸カリウムを56.94部添加した。その後
290℃まで徐々に昇温させ、290℃で更に2時間反
応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却固化し、
細かく粉砕した後、温水洗浄及びアセトン、メタノール
混合溶液での洗浄を行い、水及びアセトン、メタノール
混合溶液で抽出を行った後、150℃で加熱を行い、還
元粘度0.398dl/gの芳香族ポリエーテルを得
た。該芳香族ポリエーテルの400nmにおける光線透
過率は54.7%、600nmにおける光線透過率は9
6.1%、YIは11.4であった。
【0035】(実施例2)リン酸アンモニウムをリン酸
水素二アンモニウムとする以外は、実施例1と同じ装置
で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.364d
l/gの芳香族ポリエーテルを得た。結果を表1にまと
めた。
【0036】(実施例3)リン酸アンモニウムをリン酸
二水素アンモニウムとする以外は、実施例1と同じ装置
で、同じ操作を行うことにより、還元粘度0.364d
l/gの芳香族ポリエーテルを得た。結果を表1にまと
めた。
【0037】(比較例1)リン酸アンモニウム塩を加え
ない以外は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うこ
とにより、還元粘度0.377dl/gの粉末ポリマー
を得た。結果を表1にまとめた。
【0038】(比較例2)次亜リン酸を加えない以外
は、実施例1と同じ装置で、同じ操作を行うことによ
り、還元粘度0.392dl/gの粉末ポリマーを得
た。結果を表1にまとめた。
【0039】(比較例3)次亜リン酸およびリン酸アン
モニウム塩を加えない以外は、実施例1と同じ装置で、
同じ操作を行うことにより、還元粘度0.40dl/g
の粉末ポリマーを得た。結果を表1にまとめた。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られる芳香
族ポリエーテルは、黄色みが少なく、透明性の高い、即
ち着色の少ないという優れた光学特性を有する。該芳香
族ポリエーテルは、透明性および低着色性の求められる
光学製品などのガラス代替材料の他に、耐熱性、機械性
能、耐薬品性にも優れることから、高温でさらされるよ
うな部品として使用することができる。そのような用途
としては、電気電子部品、電気接点部品、耐熱被覆材、
耐熱水器具、しゅう動部品、コーテング材料、耐熱塗
料、調理用具、医療器具、耐熱フィルムなどが挙げられ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J005 AA24 BA00 BB02 4J030 BA09 BA42 BA43 BB66 BC12 BF19 BG04 BG25

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン原子を複数含有する芳香族化合
    物、多価フェノールおよびハロフェノールから選ばれる
    化合物に、塩基を反応させて芳香族ポリエーテルを製造
    する方法において、得られる芳香族ポリエーテルの理論
    上の重量を基準として次亜リン酸を0.01%以上、並
    びにリン酸アンモニウム塩を0.01%以上使用するこ
    とを特徴とする芳香族ポリエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】多価フェノールとして、下記一般式(1) (式中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜
    5のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレ
    ン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、エーテ
    ル基、カルボニル基、スルホニル基およびスルフィド基
    から選ばれる2価の官能基又は単結合を表す。R1 〜R
    8 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の炭化水
    素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)で表
    される化合物を使用することを特徴とする請求項1記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】ハロゲン原子を複数含有する芳香族化合物
    として、下記一般式(2) (式中、Zはスルホニル基又はカルボニル基を表し、R
    9〜R16 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4の
    炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
    XおよびX’は、それぞれ独立にハロゲン原子を表
    す。)で表される化合物を使用することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】ハロフェノールとして、下記一般式(3) (式中、Aはスルホニル基又はカルボニル基を表し、R
    17 〜R24 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4
    の炭化水素基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表
    す。X”はハロゲン原子を表す。)で表される化合物で
    あることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】多価フェノールとして4,4’−ジヒドロ
    キシジフェニルスルホンを使用し、ハロゲン原子を複数
    含有する芳香族化合物として4,4’−ジクロロジフェ
    ニルスルホンを使用することを特徴とする請求項1〜4
    いずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】塩基としてアルカリ金属炭酸塩及び/又は
    アルカリ金属重炭酸塩を使用することを特徴とする請求
    項1〜5いずれかに記載の製造方法。
JP2001334332A 2001-10-31 2001-10-31 芳香族ポリエーテルの製造方法 Pending JP2003138009A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001334332A JP2003138009A (ja) 2001-10-31 2001-10-31 芳香族ポリエーテルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001334332A JP2003138009A (ja) 2001-10-31 2001-10-31 芳香族ポリエーテルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003138009A true JP2003138009A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19149480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001334332A Pending JP2003138009A (ja) 2001-10-31 2001-10-31 芳香族ポリエーテルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003138009A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083519A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルポリオールの製造方法
JP6118009B1 (ja) * 2015-12-02 2017-04-19 住友化学株式会社 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂の製造方法、エポキシ組成物の製造方法、及びエポキシ硬化物の製造方法
WO2017094319A1 (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 住友化学株式会社 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂の製造方法、エポキシ組成物の製造方法、及びエポキシ硬化物の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007083519A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Mitsubishi Chemical Corporation ポリエーテルポリオールの製造方法
JP6118009B1 (ja) * 2015-12-02 2017-04-19 住友化学株式会社 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂の製造方法、エポキシ組成物の製造方法、及びエポキシ硬化物の製造方法
WO2017094319A1 (ja) * 2015-12-02 2017-06-08 住友化学株式会社 熱可塑性芳香族ポリスルホン樹脂の製造方法、エポキシ組成物の製造方法、及びエポキシ硬化物の製造方法
CN107075118A (zh) * 2015-12-02 2017-08-18 住友化学株式会社 热塑性芳香族聚砜树脂的制造方法、环氧组合物的制造方法、以及环氧固化物的制造方法
US10870755B2 (en) 2015-12-02 2020-12-22 Sumitomo Chemical Company, Limited Method for producing thermoplastic aromatic polysulfone resin, method for producing epoxy composition, and method for producing cured epoxy product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4169178A (en) Production of aromatic polyethers
CN108368254B (zh) 芳香族聚砜树脂及其制造方法
JP2003138009A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
US4113699A (en) Production of aromatic polymers
JPS627730A (ja) 結晶性芳香族ポリエ−テルケトンの製造方法
JPS60235835A (ja) シアンアリ−ルオキシ系共重合体の製造法
JPH01207320A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
JP3694983B2 (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
JP3694978B2 (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
JP4306384B2 (ja) 芳香族ポリエーテルの製造法
JPH02117921A (ja) 新規芳香族ポリエーテルスルホン共重合体及びその製造方法
JPH05163352A (ja) ポリエーテルスルホンの製造法
JP2005146196A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
JPH1030022A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
WO2023190280A1 (ja) ポリエーテルニトリル成形用材料及びその製造方法、ポリエーテルニトリル樹脂組成物成形用材料の製造方法
JPH01245018A (ja) 着色度の改善されたポリスルホンの製造方法
JPH0323570B2 (ja)
JP2004285302A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造方法
JPS62151421A (ja) 熱可塑性芳香族ポリエ−テルケトン共重合体およびその製造方法
JP2004315764A (ja) 芳香族ポリエーテルの製造法
JP2023075022A (ja) ポリエーテルニトリルの製造方法
JPH01204928A (ja) 芳香族ポリエーテルの製法
WO2023090101A1 (ja) ポリエーテルニトリルの製造方法
JPH0229431A (ja) 蛍光性重合体及びその製造方法
JPH0632892A (ja) 芳香族ポリエーテル及びその製造方法