JP2023075022A - ポリエーテルニトリルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐熱性や機械特性に優れるポリエーテルニトリルを、高分子量であり、かつ、流動性が高く製造する方法を提供すること。【解決手段】芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を重縮合反応させてポリエーテルニトリルを製造する際に、重縮合が進行し、パラクロロフェノール溶液の40℃のポリマー還元粘度が1を超えて極大となった後にポリマー還元粘度が低下する領域まで反応を継続するポリエーテルニトリルの製造方法。【選択図】なし
Description
本発明は、高分子量であり、かつ、高い流動性を有するポリエーテルニトリルの製造方法に関する。
芳香族エーテル系共重合体は、耐熱性、難燃性、耐薬品性、機械強度に優れているのみならず、熱可塑性であり加熱による溶融成形が可能であるため、射出成形、押出成形、加熱圧縮成形等の成形方法によりフィラメント、フィルム、シート、チューブ、パイプ、丸棒などの各種成形品を得ることが可能であり有用な樹脂の1つである。
(共)重合体は、樹脂材料を加え加熱溶融混練してからペレットやチップ等の成形用材料(樹脂組成物)とし、これを各種成形品に加工することが一般的であるが、芳香族エーテル系共重合体は、成形用材料(樹脂組成物)のベース樹脂として有用である。
芳香族エーテル系共重合体の1つであるポリエーテルニトリル(例えば、特許文献1、2)は、熱可塑性樹脂中、最高レベルの耐熱性を有し、機械強度に優れる樹脂である。
しかしながら、ポリエーテルニトリルは融点が非常に高く、400℃近い高温での成形が必要となる。機械物性を高めるためには樹脂の分子量を高めることが有効であるが、溶融温度が更に高くなり、流動性に劣ることが問題であった。
(共)重合体は、樹脂材料を加え加熱溶融混練してからペレットやチップ等の成形用材料(樹脂組成物)とし、これを各種成形品に加工することが一般的であるが、芳香族エーテル系共重合体は、成形用材料(樹脂組成物)のベース樹脂として有用である。
芳香族エーテル系共重合体の1つであるポリエーテルニトリル(例えば、特許文献1、2)は、熱可塑性樹脂中、最高レベルの耐熱性を有し、機械強度に優れる樹脂である。
しかしながら、ポリエーテルニトリルは融点が非常に高く、400℃近い高温での成形が必要となる。機械物性を高めるためには樹脂の分子量を高めることが有効であるが、溶融温度が更に高くなり、流動性に劣ることが問題であった。
本発明は、高い耐熱性や機械特性に優れるポリエーテルニトリルを、高分子量であり、かつ、流動性が高く製造する方法の提供を課題とする。
本発明者は、上記課題の解決のために鋭意検討した結果、特定の条件を満たす長時間の重縮合により、高分子量と高流動性(低粘度)を併せ持つ、ポリエーテルニトリルが得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
1.芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を塩基性化合物の存在下に重縮合反応させるポリエーテルニトリルの製造方法であって、
ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することを特徴とする、ポリエーテルニトリルの製造方法。
2.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.5を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
3.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.75を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
4.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して2.0を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
5.前記芳香族ジヒドロキシ化合物(I)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記ジハロベンゾニトリル化合物(II)が、下記一般式(2)で表される化合物である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
(式中、Rは下記一般式(1a)又は下記一般式(1b)で表される2価の基を示す。)
(式中、R1は各々独立して炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5若しくは6の環状アルキル基又はフェニル基を示し、mは各々独立して0~4の整数を示し、nは0又は1を示し、p及びqは0、1又は2を示し、*は各々結合位置を示す。)
(式中、R1及びmは一般式(1a)の定義と同じであり、Yは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~15のアルキリデン基、炭素原子数2~15のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~15のシクロアルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又は無架橋であることを示し、Arは各々独立して炭素原子数6~8のアリール基を示し、*は各々結合位置を示す。)
(式中、Xは、各々独立してハロゲン原子を示し、rは、1~4の整数を示す。)
6.前記一般式(1)で表される化合物におけるRが、下記一般式(1a’)又は下記一般式(1a”)である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
(式中、R1、m及び*は、一般式(1a)の定義と同じである。)
7.前記重縮合反応において、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)のモル比が、(I):(II)=1:0.99~1:1.005の範囲である、1.又は5.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
8.前記重縮合反応において、塩基性化合物がアルカリ金属化合物であり、アルカリ金属化合物に含まれるアルカリ金属イオンとして、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)に対して2~4モル倍の範囲で使用する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
9.得られる前記ポリエーテルニトリルの重量平均分子量(Mw)が40,000~1,000,000の範囲であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が2.7~4.0の範囲である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
1.芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を塩基性化合物の存在下に重縮合反応させるポリエーテルニトリルの製造方法であって、
ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することを特徴とする、ポリエーテルニトリルの製造方法。
2.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.5を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
3.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.75を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
4.前記還元粘度が、重縮合反応が進行して2.0を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
5.前記芳香族ジヒドロキシ化合物(I)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記ジハロベンゾニトリル化合物(II)が、下記一般式(2)で表される化合物である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
6.前記一般式(1)で表される化合物におけるRが、下記一般式(1a’)又は下記一般式(1a”)である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
7.前記重縮合反応において、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)のモル比が、(I):(II)=1:0.99~1:1.005の範囲である、1.又は5.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
8.前記重縮合反応において、塩基性化合物がアルカリ金属化合物であり、アルカリ金属化合物に含まれるアルカリ金属イオンとして、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)に対して2~4モル倍の範囲で使用する、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
9.得られる前記ポリエーテルニトリルの重量平均分子量(Mw)が40,000~1,000,000の範囲であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が2.7~4.0の範囲である、1.に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
本発明の製造方法によれば、耐熱性や機械特性に優れたポリエーテルニトリルを、高分子量と高流動性(低粘度)を併せ持つポリエーテルニトリルとして得ることが出来るため極めて有用である。
本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を塩基性化合物の存在下に重縮合反応させるポリエーテルニトリルの製造方法であって、ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することを特徴をとするものである。かかる還元粘度は、得られるポリエーテルニトリルの重量平均分子量を高める観点から、1.5を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することが好ましく、1.75を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することがより好ましく、2.0を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することが特に好ましい。
なお、本発明における「還元粘度」は、以下のようにして求められる値を意味する。
サンプル0.1gを5gのパラクロロフェノールに180℃で溶解し、10mLメスフラスコへ移して40℃でメスアップし、これを5mLホールピペットで定容し、オストワルド管(毛細管0.75mm)に入れたものを、40.0℃の恒温槽で15分間静置し、流下時間Tを測定し、以下の計算式により算出した値を、「還元粘度ηred」とする。[計算式]還元粘度ηred={(T/T0)-1}/C
C:溶液の濃度(g/dL)
T:サンプル溶液の流下時間(秒)
T0:パラクロロフェノールの流下時間(秒)
本発明の製造方法を実行している最中において、重縮合反応の進行を判断する方法としては、重縮合反応液の一部のサンプリングを行い、洗浄して得たポリマーについて、上述の通り還元粘度を求めることにより判断する。
また、本発明における「還元粘度」は、後述する実施例で詳細に説明するとおり、重縮合における重縮合反応液の撹拌トルクと相関することが確認された。すなわち、本発明の製造方法を実行している最中においては、重縮合反応液の撹拌トルクを計測することにより、ポリマーの還元粘度の上昇や低下を判断する方法を採ることが可能である。
例えば、あらかじめ、実験で重縮合中の重縮合反応液を種々の所望の時点でサンプリングを行い、各サンプリング時点でのトルク計により測定される撹拌トルク値と各サンプルを洗浄して得たポリマーの還元粘度を実測し、その実測値より、下記の撹拌トルクとポリマー還元粘度の関係を求め、重縮合中の還元粘度を撹拌トルクより推算し判断することが可能である。
後述する実施例では、本発明における還元粘度は、計測した撹拌トルクと「還元粘度(dl/g)=A×撹拌トルク(N・m)+B」という関係式により表わされることが確認された。関係式中のAとBは、使用する反応器、撹拌翼、モーター、反応条件によって決定される値である。
なお、本発明における「還元粘度」は、以下のようにして求められる値を意味する。
サンプル0.1gを5gのパラクロロフェノールに180℃で溶解し、10mLメスフラスコへ移して40℃でメスアップし、これを5mLホールピペットで定容し、オストワルド管(毛細管0.75mm)に入れたものを、40.0℃の恒温槽で15分間静置し、流下時間Tを測定し、以下の計算式により算出した値を、「還元粘度ηred」とする。[計算式]還元粘度ηred={(T/T0)-1}/C
C:溶液の濃度(g/dL)
T:サンプル溶液の流下時間(秒)
T0:パラクロロフェノールの流下時間(秒)
本発明の製造方法を実行している最中において、重縮合反応の進行を判断する方法としては、重縮合反応液の一部のサンプリングを行い、洗浄して得たポリマーについて、上述の通り還元粘度を求めることにより判断する。
また、本発明における「還元粘度」は、後述する実施例で詳細に説明するとおり、重縮合における重縮合反応液の撹拌トルクと相関することが確認された。すなわち、本発明の製造方法を実行している最中においては、重縮合反応液の撹拌トルクを計測することにより、ポリマーの還元粘度の上昇や低下を判断する方法を採ることが可能である。
例えば、あらかじめ、実験で重縮合中の重縮合反応液を種々の所望の時点でサンプリングを行い、各サンプリング時点でのトルク計により測定される撹拌トルク値と各サンプルを洗浄して得たポリマーの還元粘度を実測し、その実測値より、下記の撹拌トルクとポリマー還元粘度の関係を求め、重縮合中の還元粘度を撹拌トルクより推算し判断することが可能である。
後述する実施例では、本発明における還元粘度は、計測した撹拌トルクと「還元粘度(dl/g)=A×撹拌トルク(N・m)+B」という関係式により表わされることが確認された。関係式中のAとBは、使用する反応器、撹拌翼、モーター、反応条件によって決定される値である。
芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として後述する一般式(1)で表される化合物を、ジハロベンゾニトリル化合物(II)として後述する一般式(2)で表される化合物を、塩基性化合物の存在下に重縮合反応させる場合、下記一般式(3)で表される繰り返し単位を有するポリエーテルニトリルが得られる。この場合の反応式を以下に示す。
(式中、R、X、rは、一般式(1)~(3)の定義と同じである。)
また、あらかじめ合成された芳香族ジヒドロキシ化合物(I)のアルカリ金属塩とジハロベンゾニトリル化合物(II)を使用して重縮合反応を行ってもよい。
ポリエーテルニトリルを製造するにあたり、重縮合反応は、オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて、それぞれ反応方法を変えて行ってもよいし、特に工程を分けずに行ってもよい。
上記オリゴマー形成工程(A)は、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を、塩基性化合物存在下において重縮合反応を行い、オリゴマーを形成する工程である。ここでいうオリゴマーには特に制限はないが、およそポリマー還元粘度が1未満となるような重縮合反応物をオリゴマーと称する。
上記ポリマー形成工程(B)は、工程(A)により得られたオリゴマーを、さらに重縮合反応を行い、ポリマーを形成する工程である。この時、オリゴマーは、工程(A)の重縮合反応液をそのまま使用することができるし、別途工程(A)を実施して単離したオリゴマーを使用することもできる。
重縮合反応においては、脱塩反応の際に発生する水分を系外より除去する操作が含まれる。その操作方法としては、例えば、水と共沸体を形成する溶媒存在下に、脱塩反応が進行する温度で反応させ、この間、反応混合物から水と共沸体を形成する溶媒により水を留出除去する方法が挙げられる。これにより、反応を実質的に無水の状態で維持することができる。脱塩反応が始まる温度は、原料にもよるが通常130℃付近である。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として4,4’-ビフェノール、ジハロベンゾニトリル化合物(II)として2,6-ジクロロベンゾニトリルを使用して、炭酸カリウム、非プロトン性溶媒にスルホラン(沸点285℃)、水と共沸体を形成する溶媒にトルエンを用いた場合、反応温度は130~170℃の範囲が好適である。
また、反応を継続する際は、反応により生成した水を除去しながら、反応系内を実質的に無水の状態に維持することが好ましい。生成した水の除去が十分でない場合は、ジハロベンゾニトリル化合物(II)と反応してフェノール骨格の副生成物が形成され、低分子量の生成物のみが生成してしまう。すなわち、高分子量のポリエーテルニトリルを得るために、反応系中は実質的に無水、好ましくは0.5重量%未満とすることが好ましい。
重縮合反応は、不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下、大気圧下で行なわれるが、より高い又はより低い圧力を使用してもよい。
本発明の製造方法は、ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続するものである。
また、あらかじめ合成された芳香族ジヒドロキシ化合物(I)のアルカリ金属塩とジハロベンゾニトリル化合物(II)を使用して重縮合反応を行ってもよい。
ポリエーテルニトリルを製造するにあたり、重縮合反応は、オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて、それぞれ反応方法を変えて行ってもよいし、特に工程を分けずに行ってもよい。
上記オリゴマー形成工程(A)は、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を、塩基性化合物存在下において重縮合反応を行い、オリゴマーを形成する工程である。ここでいうオリゴマーには特に制限はないが、およそポリマー還元粘度が1未満となるような重縮合反応物をオリゴマーと称する。
上記ポリマー形成工程(B)は、工程(A)により得られたオリゴマーを、さらに重縮合反応を行い、ポリマーを形成する工程である。この時、オリゴマーは、工程(A)の重縮合反応液をそのまま使用することができるし、別途工程(A)を実施して単離したオリゴマーを使用することもできる。
重縮合反応においては、脱塩反応の際に発生する水分を系外より除去する操作が含まれる。その操作方法としては、例えば、水と共沸体を形成する溶媒存在下に、脱塩反応が進行する温度で反応させ、この間、反応混合物から水と共沸体を形成する溶媒により水を留出除去する方法が挙げられる。これにより、反応を実質的に無水の状態で維持することができる。脱塩反応が始まる温度は、原料にもよるが通常130℃付近である。例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として4,4’-ビフェノール、ジハロベンゾニトリル化合物(II)として2,6-ジクロロベンゾニトリルを使用して、炭酸カリウム、非プロトン性溶媒にスルホラン(沸点285℃)、水と共沸体を形成する溶媒にトルエンを用いた場合、反応温度は130~170℃の範囲が好適である。
また、反応を継続する際は、反応により生成した水を除去しながら、反応系内を実質的に無水の状態に維持することが好ましい。生成した水の除去が十分でない場合は、ジハロベンゾニトリル化合物(II)と反応してフェノール骨格の副生成物が形成され、低分子量の生成物のみが生成してしまう。すなわち、高分子量のポリエーテルニトリルを得るために、反応系中は実質的に無水、好ましくは0.5重量%未満とすることが好ましい。
重縮合反応は、不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下、大気圧下で行なわれるが、より高い又はより低い圧力を使用してもよい。
本発明の製造方法は、ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続するものである。
<芳香族ジヒドロキシ化合物(I)>
本発明における芳香族ジヒドロキシ化合物(I)は、2つの水酸基を有する芳香族化合物全てを含むものであるが、中でも、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Rは下記一般式(1a)又は下記一般式(1b)で表される2価の基を示す。)
(式中、R1は各々独立して炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5若しくは6の環状アルキル基又はフェニル基を示し、mは各々独立して0~4の整数を示し、nは0又は1の整数を示し、p及びqは0、1又は2を示し、*は各々結合位置を示す。)
(式中、R1及びmは一般式(1a)の定義と同じであり、Yは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~15のアルキリデン基、炭素原子数2~15のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~15のシクロアルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基を示し、Zは酸素原子、硫黄原子又は無架橋であることを示し、Arは各々独立して炭素原子数6~8のアリール基を示し、*は各々結合位置を示す。)
本発明における芳香族ジヒドロキシ化合物(I)は、2つの水酸基を有する芳香族化合物全てを含むものであるが、中でも、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(1a)におけるR1は各々独立して炭素原子数1~6の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5若しくは6の環状アルキル基又はフェニル基を示し、炭素原子数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、炭素原子数5若しくは6の環状アルキル基又はフェニル基が好ましく、炭素原子数1~4の直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基、又はフェニル基がより好ましく、炭素原子数1のアルキル基、すなわちメチル基が特に好ましい。
一般式(1a)におけるmは0~4の整数を示し、0、1又は2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
一般式(1a)におけるnは0又は1を示し、1が好ましい。
一般式(1a)におけるp及びqは各々独立して0、1又は2を示し、0又は1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
nが1、p及びqが0であるときの上記一般式(1a)は、一般式(1a’)として表される。
(式中、R1、m及び*は、一般式(1a)の定義と同じである。)
一般式(1a’)における、一般式(1)のOHと結合する位置は、二つのベンゼン環の直接結合位置に対して、オルソ位又はパラ位であることが好ましく、パラ位であることが特に好ましい。R1の結合位置は、mが1又は2であるときは、二つのベンゼン環の直接結合位置に対してメタ位であることが好ましい。R1及びmの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。
n、p及びqが0であるときの上記一般式(1a)は、下記一般式(1a”)として表される。
(式中、R1、m及び*は、一般式(1a)の定義と同じである。)
一般式(1a”)における、一般式(1)のOHと結合する位置は、他方の結合位置に対してパラ位又はメタ位であることが好ましく、パラ位であることが特に好ましい。R1及びmの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。
一般式(1a)において、nが1、p及びqが0であるときの一般式(1a’)又は、n、p及びqが0であるときの一般式(1a”)の態様が好ましい。
一般式(1a)におけるmは0~4の整数を示し、0、1又は2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
一般式(1a)におけるnは0又は1を示し、1が好ましい。
一般式(1a)におけるp及びqは各々独立して0、1又は2を示し、0又は1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
nが1、p及びqが0であるときの上記一般式(1a)は、一般式(1a’)として表される。
一般式(1a’)における、一般式(1)のOHと結合する位置は、二つのベンゼン環の直接結合位置に対して、オルソ位又はパラ位であることが好ましく、パラ位であることが特に好ましい。R1の結合位置は、mが1又は2であるときは、二つのベンゼン環の直接結合位置に対してメタ位であることが好ましい。R1及びmの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。
n、p及びqが0であるときの上記一般式(1a)は、下記一般式(1a”)として表される。
一般式(1a”)における、一般式(1)のOHと結合する位置は、他方の結合位置に対してパラ位又はメタ位であることが好ましく、パラ位であることが特に好ましい。R1及びmの好ましい態様は、一般式(1a)と同じである。
一般式(1a)において、nが1、p及びqが0であるときの一般式(1a’)又は、n、p及びqが0であるときの一般式(1a”)の態様が好ましい。
一般式(1b)におけるR1及びmは、一般式(1a)の定義と同じであり、好ましい態様も同じである。
一般式(1b)におけるYは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~15のアルキリデン基、炭素原子数2~15のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~15の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基を示し、前記、炭素原子数5~15の環状アルキリデン基は、分岐鎖としてのアルキル基を含んでいてもよい。環状アルキリデン基としては、具体的には、例えば、シクロペンチリデン基(炭素原子数5)、シクロヘキシリデン基(炭素原子数6)、3-メチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数7)、4-メチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数7)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数9)、シクロヘプチリデン基(炭素原子数7)、シクロドデカニリデン基(炭素原子数12)等が挙げられる。
一般式(1b)におけるYは、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~6のアルキリデン基、炭素原子数2~6のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~12の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基が好ましく、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~3のアルキリデン基、炭素原子数2若しくは3のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数6~12の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基又はフルオレニリデン基がより好ましく、炭素原子数3のアルキリデン基すなわちプロピリデン基、炭素原子数3のフッ素含有アルキリデン基すなわちフッ素含有プロピリデン基、炭素原子数6~12の環状アルキリデン基、フルオレニリデン基が更に好ましく、2,2’-イソプロピリデン基、2,2’-ヘキサフルオロイソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン基、シクロドデカニリデン基、フルオレニリデン基が特に好ましい。
一般式(1b)におけるZは、酸素原子、硫黄原子又は無架橋であることを示し、酸素原子又は無架橋であることが好ましく、無架橋であることがより好ましい。
一般式(1b)におけるArは、各々独立して炭素原子数6~8のアリール基を示し、炭素原子数6のアリール基がより好ましい。
一般式(1)におけるRは、一般式(1a)で表される2価の基であることが好ましく、一般式(1a’)で表される2価の基又は一般式(1a”)で表される2価の基であることがより好ましく、一般式(1a’)で表される2価の基であることが特に好ましい。
一般式(1b)におけるYは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~15のアルキリデン基、炭素原子数2~15のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~15の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基を示し、前記、炭素原子数5~15の環状アルキリデン基は、分岐鎖としてのアルキル基を含んでいてもよい。環状アルキリデン基としては、具体的には、例えば、シクロペンチリデン基(炭素原子数5)、シクロヘキシリデン基(炭素原子数6)、3-メチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数7)、4-メチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数7)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン基(炭素原子数9)、シクロヘプチリデン基(炭素原子数7)、シクロドデカニリデン基(炭素原子数12)等が挙げられる。
一般式(1b)におけるYは、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~6のアルキリデン基、炭素原子数2~6のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数5~12の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基、フェニルエチリデン基、フェニレン基又はフルオレニリデン基が好ましく、スルホニル基、カルボニル基、炭素原子数1~3のアルキリデン基、炭素原子数2若しくは3のフッ素含有アルキリデン基、炭素原子数6~12の環状アルキリデン基、フェニルメチリデン基又はフルオレニリデン基がより好ましく、炭素原子数3のアルキリデン基すなわちプロピリデン基、炭素原子数3のフッ素含有アルキリデン基すなわちフッ素含有プロピリデン基、炭素原子数6~12の環状アルキリデン基、フルオレニリデン基が更に好ましく、2,2’-イソプロピリデン基、2,2’-ヘキサフルオロイソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、3,3,5-トリメチルシクロヘキシリデン基、シクロドデカニリデン基、フルオレニリデン基が特に好ましい。
一般式(1b)におけるZは、酸素原子、硫黄原子又は無架橋であることを示し、酸素原子又は無架橋であることが好ましく、無架橋であることがより好ましい。
一般式(1b)におけるArは、各々独立して炭素原子数6~8のアリール基を示し、炭素原子数6のアリール基がより好ましい。
一般式(1)におけるRは、一般式(1a)で表される2価の基であることが好ましく、一般式(1a’)で表される2価の基又は一般式(1a”)で表される2価の基であることがより好ましく、一般式(1a’)で表される2価の基であることが特に好ましい。
本発明における芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として、具体的には、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、2-フェニルヒドロキノン、4,4’-ビフェノール、3,3’-ビフェノール、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,1’-ビ-2-ナフトール、2,2’-ビ-1-ナフトール、1,3-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,4-ビス[1-メチル-1-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,3-(4-ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,4-(4-ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、4,4’-イソプロピリデンビフェノール(Bis-A)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビスヒドロキシベンゾフェノン、4,4’-ビスヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(3,5-ジフェニル-4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-シクロヘキシルフェニル)フルオレン、4,4’-イソプロピリデンビス(2-フェニルフェノール)、ビスフェノールZ(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)、ビスフェノールTMC(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン等が挙げられる。
この中でも、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ビフェノールが好ましく、4,4’-ビフェノールが特に好ましい。
この中でも、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ビフェノールが好ましく、4,4’-ビフェノールが特に好ましい。
<ジハロベンゾニトリル化合物(II)>
本発明におけるジハロベンゾニトリル化合物(II)は、2つのハロゲン基を有するニトリル化合物全てを含むものであるが、中でも、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式中、Xは、各々独立してハロゲン原子を示し、rは、1~4の整数を示す。)
上記一般式(2)におけるXは、各々独立してハロゲン原子を示し、各々独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、各々独立して塩素原子又は臭素原子であることがより好ましく、共に塩素原子であることが特に好ましい。
上記一般式(2)におけるrは1~4の整数を示し、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。rが1の場合、シアノ基の両オルソ位にハロゲン原子が結合する構造態様が好ましい。
本発明におけるジハロベンゾニトリル化合物(II)は、2つのハロゲン基を有するニトリル化合物全てを含むものであるが、中でも、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(2)におけるXは、各々独立してハロゲン原子を示し、各々独立して塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、各々独立して塩素原子又は臭素原子であることがより好ましく、共に塩素原子であることが特に好ましい。
上記一般式(2)におけるrは1~4の整数を示し、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。rが1の場合、シアノ基の両オルソ位にハロゲン原子が結合する構造態様が好ましい。
本発明におけるジハロベンゾニトリル化合物(II)としては、具体的には、例えば、2,6-ジフルオロベンゾニトリル、2,5-ジフルオロベンゾニトリル、2,4-ジフルオロベンゾニトリル、2,6-ジクロロベンゾニトリル、2,5-ジクロロベンゾニトリル、2,4-ジクロロベンゾニトリル、2,6-ジブロモベンゾニトリル、2,5-ジブロモベンゾニトリル、2,4-ジブロモベンゾニトリル、2,6-ジニトロベンゾニトリル、2,5-ジニトロベンゾニトリル、2,4-ジニトロベンゾニトリル、1,4-ジクロロ-2,5-ジシアノベンゼンが挙げられる。また、これらの反応性誘導体であってもよい。これらの中でも、反応性及び経済性等の観点から、2,6-ジフルオロベンゾニトリル及び2,6-ジクロロベンゾニトリルが好適に用いられる。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
上記反応性誘導体とは、2,6-ジハロベンゾニトリルから誘導される構造を例に挙げると、下記一般式で表されるような、芳香族ジヒドロキシ化合物と反応し得る化合物であり、これらは2つの2,6-ジハロベンゾニトリルや、2,6-ジハロベンゾニトリルと芳香族ジヒドロキシ化合物が反応して誘導される化合物を意味する。
(式中、Rは一般式(1)の、Xは一般式(2)の定義と同じである。)
上記反応性誘導体とは、2,6-ジハロベンゾニトリルから誘導される構造を例に挙げると、下記一般式で表されるような、芳香族ジヒドロキシ化合物と反応し得る化合物であり、これらは2つの2,6-ジハロベンゾニトリルや、2,6-ジハロベンゾニトリルと芳香族ジヒドロキシ化合物が反応して誘導される化合物を意味する。
<原料使用量>
本発明の製造方法では、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)をジハロベンゾニトリル化合物(II)に対して、モル比で0.99~1.005の範囲で使用することが好ましく、0.995~1.005の範囲で使用することがより好ましく、0.998~1.002の範囲で使用することがさらに好ましく、0.999~1.001の範囲で使用することが特に好ましい。上記工程(B)の重縮合速度を最大限にするためには、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を、実質的にモル比1.000で使用することが好適である。
芳香族ジヒドロキシ化合物(I)及びジハロベンゾニトリル化合物(II)は、各々1種のみの化合物を使用してもよいし、各々2種以上の化合物を併用してもよい。それぞれ2種以上の化合物を使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)及びジハロベンゾニトリル化合物(II)の各々の化合物の総量のモル比が上述の通りに使用する。
本発明の製造方法では、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)をジハロベンゾニトリル化合物(II)に対して、モル比で0.99~1.005の範囲で使用することが好ましく、0.995~1.005の範囲で使用することがより好ましく、0.998~1.002の範囲で使用することがさらに好ましく、0.999~1.001の範囲で使用することが特に好ましい。上記工程(B)の重縮合速度を最大限にするためには、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を、実質的にモル比1.000で使用することが好適である。
芳香族ジヒドロキシ化合物(I)及びジハロベンゾニトリル化合物(II)は、各々1種のみの化合物を使用してもよいし、各々2種以上の化合物を併用してもよい。それぞれ2種以上の化合物を使用する場合は、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)及びジハロベンゾニトリル化合物(II)の各々の化合物の総量のモル比が上述の通りに使用する。
<塩基性化合物>
塩基性化合物としては、脱塩重縮合反応を促進し、品質に影響を及ぼさないものであれば、有機、無機を問わず任意の化合物で構わないが、無機化合物が好ましく、その中でも、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が好ましく、アルカリ金属化合物が特に好ましい。
有機塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、2,6-ルチジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(MTBD)、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(TBD)、1,8-ビス(ジメチルアミノナフタレン)(DMAN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、tert-ブチルイミノ-トリ(ピロリジノ)ホスホラン、tert-ブチルイミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、tert-オクチルイミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、ホスファゼン塩基P2-Et、ホスファゼン塩基P2-t-Bu、ホスファゼン塩基P3-t-Bu、ホスファゼン塩基P4-t-Bu、ホスファゼン塩基P4-t-Octが挙げられる。
無機塩基のうち、アルカリ金属化合物としては、リチウム、ルビジウム、セシウム、カリウム及びナトリウム等のアルカリ金属、水素化リチウム、水素化ルビジウム、水素化セシウム、水素化カリウム及び水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
これらのアルカリ金属化合物の比表面積は、0.3m2/g以上であるものを用いることによって、脱塩重縮合反応を高い効率で行うことが出来る。アルカリ金属化合物触媒の比表面積は、0.8m2/g以上であることが好ましく、1.2m2/g以上であることがより好ましい。より大きな比表面積をもったアルカリ金属化合物を用いることによって、触媒と反応原料との接触機会がより増加し、更に高い効率で脱塩重縮合反応を行うことが可能となる。比表面積が0.3m2/gより小さい場合、触媒量を増やさなければ脱塩重縮合反応を充分に高い効率で行うことができないことになるが、触媒の量を増やすと、重縮合体の品質に影響するために好ましくない。
以上のことから、本発明の製造方法における塩基性化合物としては、炭酸リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸リチウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムがさらに好ましく、特に、入手性の観点より、比表面積0.3m2/g以上の炭酸カリウムと炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明の製造方法における塩基性化合物の使用量としては、例えば、アルカリ金属化合物の場合は、含まれるアルカリ金属イオンとして芳香族ジヒドロキシ化合物(I)に対して、通常2モル倍以上であることが好ましいが、大過剰に使用すると重縮合中に、エーテル結合の切断などの副反応が起こるので、2~4モル倍の範囲で使用することがより好ましく、2~2.4モル倍の範囲で使用することがさらに好ましく、2~2.2モル倍の範囲で使用することが特に好ましい。
塩基性化合物としては、脱塩重縮合反応を促進し、品質に影響を及ぼさないものであれば、有機、無機を問わず任意の化合物で構わないが、無機化合物が好ましく、その中でも、アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物が好ましく、アルカリ金属化合物が特に好ましい。
有機塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(TMG)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)、2,6-ルチジン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネン(DBN)、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(MTBD)、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン(TBD)、1,8-ビス(ジメチルアミノナフタレン)(DMAN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、tert-ブチルイミノ-トリ(ピロリジノ)ホスホラン、tert-ブチルイミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン、tert-オクチルイミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン、ホスファゼン塩基P2-Et、ホスファゼン塩基P2-t-Bu、ホスファゼン塩基P3-t-Bu、ホスファゼン塩基P4-t-Bu、ホスファゼン塩基P4-t-Octが挙げられる。
無機塩基のうち、アルカリ金属化合物としては、リチウム、ルビジウム、セシウム、カリウム及びナトリウム等のアルカリ金属、水素化リチウム、水素化ルビジウム、水素化セシウム、水素化カリウム及び水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素リチウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
これらのアルカリ金属化合物の比表面積は、0.3m2/g以上であるものを用いることによって、脱塩重縮合反応を高い効率で行うことが出来る。アルカリ金属化合物触媒の比表面積は、0.8m2/g以上であることが好ましく、1.2m2/g以上であることがより好ましい。より大きな比表面積をもったアルカリ金属化合物を用いることによって、触媒と反応原料との接触機会がより増加し、更に高い効率で脱塩重縮合反応を行うことが可能となる。比表面積が0.3m2/gより小さい場合、触媒量を増やさなければ脱塩重縮合反応を充分に高い効率で行うことができないことになるが、触媒の量を増やすと、重縮合体の品質に影響するために好ましくない。
以上のことから、本発明の製造方法における塩基性化合物としては、炭酸リチウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸リチウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムがさらに好ましく、特に、入手性の観点より、比表面積0.3m2/g以上の炭酸カリウムと炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明の製造方法における塩基性化合物の使用量としては、例えば、アルカリ金属化合物の場合は、含まれるアルカリ金属イオンとして芳香族ジヒドロキシ化合物(I)に対して、通常2モル倍以上であることが好ましいが、大過剰に使用すると重縮合中に、エーテル結合の切断などの副反応が起こるので、2~4モル倍の範囲で使用することがより好ましく、2~2.4モル倍の範囲で使用することがさらに好ましく、2~2.2モル倍の範囲で使用することが特に好ましい。
<溶媒>
本発明の製造方法では、反応溶媒を使用することができ、反応溶媒として非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。
非プロトン性溶媒としては、具体的には、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1~4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1~4)等が挙げられる。これらの溶媒の中でも、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が特に好適に用いられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
非プロトン性溶媒の使用量については、原料を均一に溶解するほか、アルカリ金属塩の撹拌分散が良好であるような量であれば、特に制限はない。使用する原料、目的のポリマーに対して、重縮合反応器の容積効率を最大になるような量を選べば良い。通常、原料とアルカリ金属塩の合計重量の、0.5~20倍の範囲で選択される。
前記水と共沸体を形成する溶媒としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
水と共沸体を形成する溶媒を使用する場合は、非プロトン性溶媒100重量部に対して、水と共沸体を形成する溶媒を1~100重量部の範囲で使用することが好ましく、容積効率や溶媒の回収の観点からは、1~10重量部の範囲がより好ましく、2~5重量部の範囲がさらに好ましい。
本発明の製造方法では、反応溶媒を使用することができ、反応溶媒として非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。
非プロトン性溶媒としては、具体的には、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ジイソプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1~4)、トリアルコキシベンゼン(アルコキシ基の炭素数1~4)等が挙げられる。これらの溶媒の中でも、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキシド等の誘電率の高い極性有機溶媒が特に好適に用いられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
非プロトン性溶媒の使用量については、原料を均一に溶解するほか、アルカリ金属塩の撹拌分散が良好であるような量であれば、特に制限はない。使用する原料、目的のポリマーに対して、重縮合反応器の容積効率を最大になるような量を選べば良い。通常、原料とアルカリ金属塩の合計重量の、0.5~20倍の範囲で選択される。
前記水と共沸体を形成する溶媒としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等の芳香族炭化水素が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることも可能である。
水と共沸体を形成する溶媒を使用する場合は、非プロトン性溶媒100重量部に対して、水と共沸体を形成する溶媒を1~100重量部の範囲で使用することが好ましく、容積効率や溶媒の回収の観点からは、1~10重量部の範囲がより好ましく、2~5重量部の範囲がさらに好ましい。
<反応温度>
重縮合反応における反応温度は140~300℃の範囲である。この範囲内で、一定の温度で反応を継続してもよいし、重縮合反応が進行するに伴い温度を高くしてもよい。
オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて重縮合反応を行う場合、オリゴマー形成工程(A)は140~200℃の範囲であることが好ましく、150
~170℃の範囲であることがより好ましく、155~165℃の範囲であることがさらに好ましく、ポリマー化工程(B)は、200~300℃の範囲であることが好ましく、210~270℃の範囲であることがより好ましく、210~240℃の範囲であることがさらに好ましく、215~230℃の範囲が特に好ましい。
例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として4,4’-ビフェノール、ジハロベンゾニトリル化合物(II)として2,6-ジクロロベンゾニトリルを使用して、炭酸カリウム、非プロトン性溶媒にスルホラン(沸点285℃)、水と共沸体を形成する溶媒にトルエンを用いた場合は、190~280℃の範囲が好適である。
重縮合反応における反応温度は140~300℃の範囲である。この範囲内で、一定の温度で反応を継続してもよいし、重縮合反応が進行するに伴い温度を高くしてもよい。
オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて重縮合反応を行う場合、オリゴマー形成工程(A)は140~200℃の範囲であることが好ましく、150
~170℃の範囲であることがより好ましく、155~165℃の範囲であることがさらに好ましく、ポリマー化工程(B)は、200~300℃の範囲であることが好ましく、210~270℃の範囲であることがより好ましく、210~240℃の範囲であることがさらに好ましく、215~230℃の範囲が特に好ましい。
例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)として4,4’-ビフェノール、ジハロベンゾニトリル化合物(II)として2,6-ジクロロベンゾニトリルを使用して、炭酸カリウム、非プロトン性溶媒にスルホラン(沸点285℃)、水と共沸体を形成する溶媒にトルエンを用いた場合は、190~280℃の範囲が好適である。
本発明における重縮合反応の反応時間は、重縮合が進行し、ポリエーテルニトリルの還元粘度が1を超えて増大し、極大となった後に低下するまで反応を継続し、低下し始めた以降も反応を継続することができる。反応条件や用いる原料により、一概には言えないが、通常3~20時間である。
オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて重縮合反応を行う場合、工程(A)の反応時間は、二酸化炭素や水の生成が殆ど無くなるまで継続することが好ましいが、特に限定されない。通常、1~6時間であり、好ましくは2~4時間である。工程(B)は、ポリエーテルニトリルの還元粘度が1を超えて増大し、極大になった後に低下するまで反応を継続し、低下し始めた以降も反応を継続することができるのは同様である。
具体的には、反応条件や用いる原料により、一概には言えないが、ポリエーテルニトリルの還元粘度が1に達した時点から、2~12時間、好ましくは2~10時間、さらに好ましくは2~9時間である。
オリゴマー形成工程(A)とポリマー化工程(B)に工程を分けて重縮合反応を行う場合、工程(A)の反応時間は、二酸化炭素や水の生成が殆ど無くなるまで継続することが好ましいが、特に限定されない。通常、1~6時間であり、好ましくは2~4時間である。工程(B)は、ポリエーテルニトリルの還元粘度が1を超えて増大し、極大になった後に低下するまで反応を継続し、低下し始めた以降も反応を継続することができるのは同様である。
具体的には、反応条件や用いる原料により、一概には言えないが、ポリエーテルニトリルの還元粘度が1に達した時点から、2~12時間、好ましくは2~10時間、さらに好ましくは2~9時間である。
(反応後の処理)
重縮合反応の終了後、反応器から重縮合反応物を抜き出し、冷却固化後、粉砕して、次工程の洗浄工程、乾燥工程、成形用材料(ペレット、チップ)の製造工程を行うか、反応器から抜き出したものを直接、洗浄工程の洗浄槽へ投入しても良いし、重縮合反応の終了後の反応器中に、後述の洗浄工程で使用する溶媒を注入して、スラリー状態やワックス状態で洗浄工程に移送しても良い。
重縮合反応の終了後、反応器から重縮合反応物を抜き出し、冷却固化後、粉砕して、次工程の洗浄工程、乾燥工程、成形用材料(ペレット、チップ)の製造工程を行うか、反応器から抜き出したものを直接、洗浄工程の洗浄槽へ投入しても良いし、重縮合反応の終了後の反応器中に、後述の洗浄工程で使用する溶媒を注入して、スラリー状態やワックス状態で洗浄工程に移送しても良い。
洗浄工程は、重縮合反応により得られた重縮合反応物に含まれる塩や反応溶媒等を除去するために洗浄する工程である。
この洗浄工程は、公知の方法で、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、水等の溶媒を使用して、重縮合反応物中の反応溶媒を抽出洗浄し、次いで、好ましくは水により重縮合反応物中の脱塩反応で生成した塩を洗浄して除去することが好ましい。
具体的な操作としては、粉砕、スラリー又はワックス状態の重縮合反応物を、撹拌機を備えた容器に移送し、反応溶媒や塩が目標とする含有量以下となるまで、洗浄溶媒で撹拌洗浄、ろ過の操作を繰り返す。
装置としては、洗浄槽と加圧ろ過機又は遠心分離機の他、1つの装置で洗浄、ろ過、乾燥が可能な多機能ろ過装置等を用いてもよい。
反応溶媒の抽出洗浄溶媒として水以外の具体例として、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、t-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、n-オクチルアルコール、カプリルアルコール等が挙げられる。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、ジエチルケトン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、メチル-t-ブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、ジ-n-アミルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘキサン、2-メチルへブタン、3-メチルへブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、n-へブタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2.4-ジメチルペンタン、3,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、2,2.3-トリメチルブタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、キュメン、n-ブチルベンゼン、t-ブチルベンゼン、スチレン、アリルベンゼン等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン等が好ましく、操作性や洗浄後の反応溶媒の蒸留回収の容易さから、特に、アセトンやメタノールが好ましい。
脱塩重縮合反応で生成した塩化カリウムなどのアルカリ金属塩の洗浄には、水が好ましく、シュウ酸や酢酸を低濃度で含んだ酸性水を使用しても良い。
この洗浄工程の条件は、除去目標とする残留反応溶媒、残留アルカリ金属塩の量にあわせて、洗浄溶媒の使用量、洗浄回数、洗浄温度を適宜選択すればよい。
この洗浄工程は、公知の方法で、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、水等の溶媒を使用して、重縮合反応物中の反応溶媒を抽出洗浄し、次いで、好ましくは水により重縮合反応物中の脱塩反応で生成した塩を洗浄して除去することが好ましい。
具体的な操作としては、粉砕、スラリー又はワックス状態の重縮合反応物を、撹拌機を備えた容器に移送し、反応溶媒や塩が目標とする含有量以下となるまで、洗浄溶媒で撹拌洗浄、ろ過の操作を繰り返す。
装置としては、洗浄槽と加圧ろ過機又は遠心分離機の他、1つの装置で洗浄、ろ過、乾燥が可能な多機能ろ過装置等を用いてもよい。
反応溶媒の抽出洗浄溶媒として水以外の具体例として、アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、t-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、n-オクチルアルコール、カプリルアルコール等が挙げられる。ケトンとしては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルn-プロピルケトン、ジエチルケトン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、メチル-t-ブチルケトン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、ジ-n-アミルケトン、ジアセチル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えば、n-ヘキサン、2-メチルへブタン、3-メチルへブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、n-へブタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2.4-ジメチルペンタン、3,3-ジメチルペンタン、3-エチルペンタン、2,2.3-トリメチルブタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、シクロヘキセン等の不飽和炭化水素等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、キュメン、n-ブチルベンゼン、t-ブチルベンゼン、スチレン、アリルベンゼン等が挙げられる。
これらの中でも、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン等が好ましく、操作性や洗浄後の反応溶媒の蒸留回収の容易さから、特に、アセトンやメタノールが好ましい。
脱塩重縮合反応で生成した塩化カリウムなどのアルカリ金属塩の洗浄には、水が好ましく、シュウ酸や酢酸を低濃度で含んだ酸性水を使用しても良い。
この洗浄工程の条件は、除去目標とする残留反応溶媒、残留アルカリ金属塩の量にあわせて、洗浄溶媒の使用量、洗浄回数、洗浄温度を適宜選択すればよい。
乾燥工程は、上記洗浄工程により得られた重縮合反応物を乾燥する工程である。
洗浄終了後の水分を含む重縮合反応物を、公知の方法により乾燥する。乾燥機は、エバポレーター、棚段式オーブン、タンブラーなど、公知の装置を用いることができる。
目標の水分含有率は、通常、0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
この乾燥工程の条件は、重縮合反応物の融点以下の温度で、水分の除去が可能な条件であればよい。できるだけ空気に触れないよう、不活性ガス(窒素、アルゴン等)の雰囲気下や、不活性ガス気流下、減圧下で行うのが好ましい。
洗浄終了後の水分を含む重縮合反応物を、公知の方法により乾燥する。乾燥機は、エバポレーター、棚段式オーブン、タンブラーなど、公知の装置を用いることができる。
目標の水分含有率は、通常、0.5重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
この乾燥工程の条件は、重縮合反応物の融点以下の温度で、水分の除去が可能な条件であればよい。できるだけ空気に触れないよう、不活性ガス(窒素、アルゴン等)の雰囲気下や、不活性ガス気流下、減圧下で行うのが好ましい。
本発明の製造方法によるポリエーテルニトリルの重量平均分子量(Mw)は、用途により、特に限定されないが、40,000~1,000,000の範囲、好ましくは50,000~500,000の範囲、さらに好ましくは、60,000~300,000の範囲である。得られたポリマーの分子量が40,000未満であると機械強度に劣り、1,000,000以上であると成形性が困難になるので好ましくない。
数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比であるMw/Mnは、2.7~4.0の範囲であり、好ましくは2.8~3.5の範囲であり、より好ましくは2.9~3.5の範囲であり、特に好ましくは3.0~3.5の範囲である。
数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比であるMw/Mnは、2.7~4.0の範囲であり、好ましくは2.8~3.5の範囲であり、より好ましくは2.9~3.5の範囲であり、特に好ましくは3.0~3.5の範囲である。
上記乾燥工程により乾燥された重縮合反応物は、基本的に粉体であるため、成形品を製造するために、この粉体を用いて成形用材料(ペレット、チップ等)を製造ことができる。このポリエーテルニトリル粉体を加熱溶融して、成形用材料を製造する方法については、特に制限はないが、酸素遮断下や、窒素等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
通常、ペレットやチップ等の成形用材料の製造には、1軸、2軸若しくは多軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ローラー等の溶融混錬装置が用いられるが、下記に説明する実施例で使用されたような、圧縮成形機を用いて作成されたシートを切断して、ペレットやチップ等の成形用材料を製造しても良い。
成形用材料を製造する際の工業的に好ましいプロセスは以下のとおりである。重縮合、粉砕、洗浄、真空乾燥されたポリエーテルニトリル粉体は外気にさらすことなく、直接、窒素ガス等でシールされたサイロなどに移送、貯蔵しておく。ペレットやチップなどの形状に成形するときは、そのまま配管を通して、窒素ガスとともに押出機に移送する。そして、酸素(空気)との接触のない状態で、溶融混錬して、ダイからの溶融ポリマーを、水中カット又はストランドを水冷切断してペレタイジングを行う。
この成形用材料(ペレット、チップ)の製造工程の条件としては、溶融加工条件は、ポリマーが溶融するに十分な温度で、上記の操作を行う。溶融加工の際の温度の上限は50
0℃以下で行う。実施例で用いられたビフェノールを使用したポリエーテルニトリル粉体は、融点が364℃であったので、それより高い温度の380℃以上で加工を行うことが好適であり、温度の上限は、480℃以下で行うことが好ましく、450℃以下で行うことがより好ましく、430℃以下で行うことがさらに好ましく、400℃以下で行うことが特に好ましい。
通常、ペレットやチップ等の成形用材料の製造には、1軸、2軸若しくは多軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ローラー等の溶融混錬装置が用いられるが、下記に説明する実施例で使用されたような、圧縮成形機を用いて作成されたシートを切断して、ペレットやチップ等の成形用材料を製造しても良い。
成形用材料を製造する際の工業的に好ましいプロセスは以下のとおりである。重縮合、粉砕、洗浄、真空乾燥されたポリエーテルニトリル粉体は外気にさらすことなく、直接、窒素ガス等でシールされたサイロなどに移送、貯蔵しておく。ペレットやチップなどの形状に成形するときは、そのまま配管を通して、窒素ガスとともに押出機に移送する。そして、酸素(空気)との接触のない状態で、溶融混錬して、ダイからの溶融ポリマーを、水中カット又はストランドを水冷切断してペレタイジングを行う。
この成形用材料(ペレット、チップ)の製造工程の条件としては、溶融加工条件は、ポリマーが溶融するに十分な温度で、上記の操作を行う。溶融加工の際の温度の上限は50
0℃以下で行う。実施例で用いられたビフェノールを使用したポリエーテルニトリル粉体は、融点が364℃であったので、それより高い温度の380℃以上で加工を行うことが好適であり、温度の上限は、480℃以下で行うことが好ましく、450℃以下で行うことがより好ましく、430℃以下で行うことがさらに好ましく、400℃以下で行うことが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られたポリエーテルニトリルの粉体や成形用材料と、熱可塑性樹脂材料(A)、添加剤(B)、充填剤(C)からなる群の少なくとも1種を混合して、ポリエーテルニトリル樹脂組成物としてもよい。
ポリエーテルニトリル樹脂組成物を製造する場合においては、上述の成形用材料を製造する際の工程と同様に行うことができ、各成分の混合は、1)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(先述の(A)~(C))を予め混合した後に押出機に移送する方法、2)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(上記(A)~(C))を、予め組成の異なる複数のポリエーテルニトリル樹脂組成物の成形用材料を調製し、その成形用材料を所望の含有量比となるように所定量混合した後に押出機に移送する方法、3)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(上記(A)~(C))を押出機に直接仕込む方法等を採ることができ、これらの方法は不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
ポリエーテルニトリル樹脂組成物を製造する場合においては、上述の成形用材料を製造する際の工程と同様に行うことができ、各成分の混合は、1)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(先述の(A)~(C))を予め混合した後に押出機に移送する方法、2)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(上記(A)~(C))を、予め組成の異なる複数のポリエーテルニトリル樹脂組成物の成形用材料を調製し、その成形用材料を所望の含有量比となるように所定量混合した後に押出機に移送する方法、3)ポリエーテルニトリル粉体若しくは予め成形されたポリエーテルニトリル成形用材料及び、他の成分(上記(A)~(C))を押出機に直接仕込む方法等を採ることができ、これらの方法は不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
前記ポリエーテルニトリル樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂材料(A)としては、具体的には、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオキシドが挙げられる。
前記ポリエーテルニトリル樹脂組成物に含まれる添加剤(B)としては、具体的には、例えば、親水剤、酸化防止剤、二次抗酸化剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、防曇剤、耐候安定剤、耐光安定剤、耐加水分解性向上剤、流動性向上剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属不活性化剤、近赤外線吸収剤、着色剤(染料、顔料)が挙げられる。
前記ポリエーテルニトリル樹脂組成物に含まれる充填剤(C)としては、具体的には、例えば、各種金属粉末、無機酸金属塩(炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、スズ酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)の粉末、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)の粉末、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、アルミナ水和物(ベーマイト)等)の粉末、金属硫化物(硫化亜鉛、硫化モリブデン、硫化タングステン等)の粉末、銀ナノワイヤー、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、シリカ等のセラミック材料が挙げられる
これら(A)~(C)は、使用目的に応じて適当量配合することができる。
本発明におけるポリエーテルニトリル樹脂組成物を、酸素遮断下又は不活性雰囲気下で溶融成形することにより、溶融流動性に優れたポリエーテルニトリル樹脂組成物成形用材料を得るためには、これら(A)~(C)の配合量は、ポリエーテルニトリル樹脂組成物の全重量に対して、90重量%以下とすることが好ましい。
前記ポリエーテルニトリル樹脂組成物に含まれる添加剤(B)としては、具体的には、例えば、親水剤、酸化防止剤、二次抗酸化剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、防曇剤、耐候安定剤、耐光安定剤、耐加水分解性向上剤、流動性向上剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属不活性化剤、近赤外線吸収剤、着色剤(染料、顔料)が挙げられる。
前記ポリエーテルニトリル樹脂組成物に含まれる充填剤(C)としては、具体的には、例えば、各種金属粉末、無機酸金属塩(炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、スズ酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等)の粉末、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ等)の粉末、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化ジルコニウム、アルミナ水和物(ベーマイト)等)の粉末、金属硫化物(硫化亜鉛、硫化モリブデン、硫化タングステン等)の粉末、銀ナノワイヤー、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンナノチューブ、グラフェン、シリカ等のセラミック材料が挙げられる
これら(A)~(C)は、使用目的に応じて適当量配合することができる。
本発明におけるポリエーテルニトリル樹脂組成物を、酸素遮断下又は不活性雰囲気下で溶融成形することにより、溶融流動性に優れたポリエーテルニトリル樹脂組成物成形用材料を得るためには、これら(A)~(C)の配合量は、ポリエーテルニトリル樹脂組成物の全重量に対して、90重量%以下とすることが好ましい。
本発明の方法により得られたポリエーテルニトリルは、上述の方法により成形用材料とすることや、それを利用した成形品や部品の製造に供することができ、耐熱性、耐薬品性、難燃性、高い機械特性を有するものである。例えば、パーソナルコンピューターや半導
体部品等の電気・電子用途、ギアやベアリング、エンジン周りのハウジング等の自動車用途、又は医療器具、宇宙航空分野の用途などに利用することができる。
体部品等の電気・電子用途、ギアやベアリング、エンジン周りのハウジング等の自動車用途、又は医療器具、宇宙航空分野の用途などに利用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明における分析方法は以下のとおりである。
<分析方法>
(1)還元粘度ηred(dL/g)の測定方法
上記に説明したとおり、サンプル0.1gを5g程度のパラクロロフェノールに180℃で溶解し、10mLメスフラスコへ移して40℃でメスアップし、これを5mLホールピペットで定容し、オストワルド管(毛細管0.75mm)に入れたものを、40.0℃の恒温槽で15分間静置し、流下時間Tを測定し、以下の計算式により算出した。
[計算式]
還元粘度ηred={(T/T0)-1}/C
C:溶液の濃度(g/dL)
T:サンプル溶液の流下時間(秒)
T0:パラクロロフェノールの流下時間(秒)
(2)重縮合中のポリマー還元粘度の判断方法
あらかじめ、実験で重縮合中の重縮合反応液を種々の所望の時点でサンプリングを行い、各サンプリング時点でのトルク計からの撹拌トルク値と各サンプルを洗浄して得たポリマーの還元粘度を実測した。その実測値より、下記の撹拌トルクとポリマー還元粘度の関係を求め、重縮合中の還元粘度を撹拌トルクより推算し判断した。
還元粘度(dl/g)=A×撹拌トルク(N・m)+B
使用する反応器、撹拌翼、モーター、反応条件によって、AとBは決定される値である。
(3)熱的性質:融点、ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量測定装置((株)島津製作所製:DSC-60)を用いて、下記条件により、サンプルの熱的性質を測定した。
条件:試料約10mg、窒素流量50mL/min、変温領域50℃~450℃、変温速度10℃/min。
(4)分子量の測定
ポリマーの分子量測定は、ポリマーの1%p-クロロフェノール溶液をクロロホルムで10倍希釈した溶液を下記の装置、条件で行った。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ:515HPLCポンプ、717plus自動注入装置、2487紫外可視検出器(日本ウォーターズ株式会社製)
カラム:2×PLgel5μMIXED-D、7.5×300mm(アジレント・テクノロジー)
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
注入量:2.5μL
検出:紫外可視検出器:254nm
カラム較正:単分散ポリスチレン(EasiCal PS-1 アジレント・テクノロジー)
分子量較正:相対比較正法(ポリスチレン換算)
解析ソフト:Empower3(日本ウォーターズ株式会社製)
本発明における分析方法は以下のとおりである。
<分析方法>
(1)還元粘度ηred(dL/g)の測定方法
上記に説明したとおり、サンプル0.1gを5g程度のパラクロロフェノールに180℃で溶解し、10mLメスフラスコへ移して40℃でメスアップし、これを5mLホールピペットで定容し、オストワルド管(毛細管0.75mm)に入れたものを、40.0℃の恒温槽で15分間静置し、流下時間Tを測定し、以下の計算式により算出した。
[計算式]
還元粘度ηred={(T/T0)-1}/C
C:溶液の濃度(g/dL)
T:サンプル溶液の流下時間(秒)
T0:パラクロロフェノールの流下時間(秒)
(2)重縮合中のポリマー還元粘度の判断方法
あらかじめ、実験で重縮合中の重縮合反応液を種々の所望の時点でサンプリングを行い、各サンプリング時点でのトルク計からの撹拌トルク値と各サンプルを洗浄して得たポリマーの還元粘度を実測した。その実測値より、下記の撹拌トルクとポリマー還元粘度の関係を求め、重縮合中の還元粘度を撹拌トルクより推算し判断した。
還元粘度(dl/g)=A×撹拌トルク(N・m)+B
使用する反応器、撹拌翼、モーター、反応条件によって、AとBは決定される値である。
(3)熱的性質:融点、ガラス転移温度(Tg)
示差走査熱量測定装置((株)島津製作所製:DSC-60)を用いて、下記条件により、サンプルの熱的性質を測定した。
条件:試料約10mg、窒素流量50mL/min、変温領域50℃~450℃、変温速度10℃/min。
(4)分子量の測定
ポリマーの分子量測定は、ポリマーの1%p-クロロフェノール溶液をクロロホルムで10倍希釈した溶液を下記の装置、条件で行った。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ:515HPLCポンプ、717plus自動注入装置、2487紫外可視検出器(日本ウォーターズ株式会社製)
カラム:2×PLgel5μMIXED-D、7.5×300mm(アジレント・テクノロジー)
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
注入量:2.5μL
検出:紫外可視検出器:254nm
カラム較正:単分散ポリスチレン(EasiCal PS-1 アジレント・テクノロジー)
分子量較正:相対比較正法(ポリスチレン換算)
解析ソフト:Empower3(日本ウォーターズ株式会社製)
<比較例1>
トルク計を備えた機械的撹拌機と、温度計と、乾燥窒素入口と、還流器を備えた4つ口の3リットル反応器に、2,6-ジクロロベンゾニトリル(以下、「DCBN」という。
)298.45g(1.735モル)、4,4’-ビフェノール(以下「BP」という。)323.08g(1.735モル)、無水炭酸カリウム251.79g(1.822モル)、トルエン60g及び無水スルホラン1562gを仕込んだ。この混合物を窒素気流中で室温より加熱し、250rpmで撹拌しながら、160℃まで加熱還流をかけながら昇温した。130℃以上で、炭酸カリウムとビフェノールの反応から二酸化炭素が発生した。160℃で3時間後、「DCBN」と「BP」とのオリゴマー化反応が完了し、次いで、水及びトルエンを還流器の冷却水を温水に切り替え出口より除去することによって温度を220℃まで上げて重縮合を行った。温度を220℃まで上げて、撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点から1.5時間後に撹拌トルクより換算される還元粘度が2.0に達した時点で反応を終了し、重縮合反応物を反応器底部より抜出し放冷して固化させた。
なお、上記の設備、条件での重縮合中の撹拌トルクとポリマーの還元粘度の関係は、あらかじめ、実験で下記の式となることが把握されており、以下の通りであった。
還元粘度(dl/g)=6.87×撹拌トルク(N・m)+0.684
この式を使用して、重縮合中のトルク計の測定値からポリマー還元粘度を推算し、所望の値を示した時点で、反応を終了、抜出しを判断した。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点からの、時間と撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図1に示す。
Waringブレンダーでこの固形生成物を粉砕した後、この物質をアセトンと蒸留水で数回洗浄して、真空オーブン中、120℃で16時間乾燥しポリエーテルニトリルの粉体を470g得た(収率95%)。
反応温度を220℃まで上げてから1.5時間後、すなわち得られたポリマー粉体の還元粘度の実測値は2.0であった。
また、得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は28,200、重量平均分子量(Mw)は71,100、Mw/Mnは2.52、融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
比較例1の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
トルク計を備えた機械的撹拌機と、温度計と、乾燥窒素入口と、還流器を備えた4つ口の3リットル反応器に、2,6-ジクロロベンゾニトリル(以下、「DCBN」という。
)298.45g(1.735モル)、4,4’-ビフェノール(以下「BP」という。)323.08g(1.735モル)、無水炭酸カリウム251.79g(1.822モル)、トルエン60g及び無水スルホラン1562gを仕込んだ。この混合物を窒素気流中で室温より加熱し、250rpmで撹拌しながら、160℃まで加熱還流をかけながら昇温した。130℃以上で、炭酸カリウムとビフェノールの反応から二酸化炭素が発生した。160℃で3時間後、「DCBN」と「BP」とのオリゴマー化反応が完了し、次いで、水及びトルエンを還流器の冷却水を温水に切り替え出口より除去することによって温度を220℃まで上げて重縮合を行った。温度を220℃まで上げて、撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点から1.5時間後に撹拌トルクより換算される還元粘度が2.0に達した時点で反応を終了し、重縮合反応物を反応器底部より抜出し放冷して固化させた。
なお、上記の設備、条件での重縮合中の撹拌トルクとポリマーの還元粘度の関係は、あらかじめ、実験で下記の式となることが把握されており、以下の通りであった。
還元粘度(dl/g)=6.87×撹拌トルク(N・m)+0.684
この式を使用して、重縮合中のトルク計の測定値からポリマー還元粘度を推算し、所望の値を示した時点で、反応を終了、抜出しを判断した。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点からの、時間と撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図1に示す。
Waringブレンダーでこの固形生成物を粉砕した後、この物質をアセトンと蒸留水で数回洗浄して、真空オーブン中、120℃で16時間乾燥しポリエーテルニトリルの粉体を470g得た(収率95%)。
反応温度を220℃まで上げてから1.5時間後、すなわち得られたポリマー粉体の還元粘度の実測値は2.0であった。
また、得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は28,200、重量平均分子量(Mw)は71,100、Mw/Mnは2.52、融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
比較例1の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
<実施例1>
上記「比較例1」において、反応温度を220℃に上げた後、撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達してから1.5時間後に撹拌トルクより換算される還元粘度2.0に達した時点で反応を終了せず、そのまま220℃で反応を継続した。
図2に示すように、撹拌トルクより換算される還元粘度が2.8で頂点となり、その後下降して、還元粘度換算値が2.3となった。撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達してから3時間後に反応液のサンプリングを行い、さらに還元粘度換算値が1.8となった5時間後に反応を終了し、重縮合反応物を抜き出した。その後、上記「比較例1」と同様に後処理を行った。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点を0時間としたときの時間と撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図2に示す。
反応温度を220℃まで上げてから3時間後では2.2であり、さらに5時間反応を継続したポリマー、すなわち得られたポリマー粉体の還元粘度の実測値は1.9であった。
得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は24,200、重量平均分子量(Mw)は73,400、Mw/Mnは3.03であった。
融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
実施例1の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
上記「比較例1」において、反応温度を220℃に上げた後、撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達してから1.5時間後に撹拌トルクより換算される還元粘度2.0に達した時点で反応を終了せず、そのまま220℃で反応を継続した。
図2に示すように、撹拌トルクより換算される還元粘度が2.8で頂点となり、その後下降して、還元粘度換算値が2.3となった。撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達してから3時間後に反応液のサンプリングを行い、さらに還元粘度換算値が1.8となった5時間後に反応を終了し、重縮合反応物を抜き出した。その後、上記「比較例1」と同様に後処理を行った。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点を0時間としたときの時間と撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図2に示す。
反応温度を220℃まで上げてから3時間後では2.2であり、さらに5時間反応を継続したポリマー、すなわち得られたポリマー粉体の還元粘度の実測値は1.9であった。
得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は24,200、重量平均分子量(Mw)は73,400、Mw/Mnは3.03であった。
融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
実施例1の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
<実施例2>
上記「実施例1」において、反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点を、0時間としたときの時間から8時間まで継続したこと以外は、同様に反応を行った。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が、1に達した時点を0時間としたときの時間と、撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図3に示す。
反応温度を220℃まで上げてから、8時間反応を継続して得られた、ポリマー粉体の還元粘度の実測値は1.55であった。
得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は22,200、重量平均分子量(Mw)は72,900、Mw/Mnは3.28であった。
融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
実施例2の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
上記「実施例1」において、反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が1に達した時点を、0時間としたときの時間から8時間まで継続したこと以外は、同様に反応を行った。
この反応の撹拌トルクより換算される還元粘度が、1に達した時点を0時間としたときの時間と、撹拌トルクより換算される還元粘度の推移を図3に示す。
反応温度を220℃まで上げてから、8時間反応を継続して得られた、ポリマー粉体の還元粘度の実測値は1.55であった。
得られたポリマー粉体の数平均分子量(Mn)は22,200、重量平均分子量(Mw)は72,900、Mw/Mnは3.28であった。
融点は364℃、ガラス転移温度(Tg)は215℃であった。
実施例2の重縮合時間、得られたポリマーの分子量、ポリマー還元粘度のデータをまとめて下記表1に示す。
図2、3に示すとおり、実施例1及び実施例2は、ポリマー還元粘度が1を超えて極大となった後に低下するまで加熱を継続した、本発明の製造方法の具体例であり、比較例1は、ポリマー還元粘度が1を超えたものの、極大となる前に加熱を終了した例である。
表1に示すとおり、本発明の製造方法である実施例1及び実施例2は、比較例1に比べて、得られたポリマーは、その還元粘度が低いにも関わらず高い重量平均分子量であることから、高分子量であり、かつ、高い流動性であるポリエーテルニトリルが得られる製造方法であることが明らかになった。
表1に示すとおり、本発明の製造方法である実施例1及び実施例2は、比較例1に比べて、得られたポリマーは、その還元粘度が低いにも関わらず高い重量平均分子量であることから、高分子量であり、かつ、高い流動性であるポリエーテルニトリルが得られる製造方法であることが明らかになった。
Claims (9)
- 芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)を塩基性化合物の存在下に重縮合反応させるポリエーテルニトリルの製造方法であって、
ポリエーテルニトリルの還元粘度が、重縮合反応が進行して1を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続することを特徴とする、ポリエーテルニトリルの製造方法。 - 前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.5を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 前記還元粘度が、重縮合反応が進行して1.75を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 前記還元粘度が、重縮合反応が進行して2.0を超えて増大し、極大となった後に還元粘度が低下する領域まで反応を継続する、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 前記芳香族ジヒドロキシ化合物(I)が、下記一般式(1)で表される化合物であり、前記ジハロベンゾニトリル化合物(II)が、下記一般式(2)で表される化合物である、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 前記重縮合反応において、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)とジハロベンゾニトリル化合物(II)のモル比が、(I):(II)=1:0.99~1:1.005の範囲である、請求項1又は5に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 前記重縮合反応において、塩基性化合物がアルカリ金属化合物であり、アルカリ金属化合物に含まれるアルカリ金属イオンとして、芳香族ジヒドロキシ化合物(I)に対して2~4モル倍の範囲で使用する、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
- 得られる前記ポリエーテルニトリルの重量平均分子量(Mw)が40,000~1,000,000の範囲であり、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が2.7~4.0の範囲である、請求項1に記載のポリエーテルニトリルの製造方法。
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