JP2003130124A - 能動型流体封入式防振装置 - Google Patents

能動型流体封入式防振装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて振
動が入力される受圧室と、背後に作用空気室が構成され
た加振ゴム板で壁部の一部が構成されて圧力変動が生ぜ
しめられる加振室を、オリフィス通路で相互に連通せし
めた能動型流体封入式防振装置において、作用空気室に
及ぼされる空気圧変動における防振すべき振動周波数の
高周波成分が受圧室に伝達されることを低減せしめるこ
と。 【解決手段】 オリフィス通路98の通路容積:Vと、
作用空気室74に及ぼされる空気圧変動に基づく加振ゴ
ム板68の加振変位に伴ってオリフィス通路98を流動
せしめられる流体の単位流動量:Qとを考慮し、それら
の比:V/Qの値が1以上で且つ10以下となるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、非圧縮性流体が封入されて振動
が入力される受圧室の圧力を制御することにより、振動
を相殺的乃至は積極的に低減せしめ得る能動型流体封入
式防振装置に係り、特に、自動車の能動型マウントや能
動型制振器(加振器)等として好適に用いられる能動型
流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】自動車のボデーや各種部材等のように振動
(振動に起因する騒音等を含む)が問題とされる防振対
象部材においては、その振動を低減するために、従来か
ら、振動部材と防振対象部材の間に介装されて振動部材
から防振対象部材への振動伝達を低減するエンジンマウ
ント等の防振連結体や、防振対象部材に取り付けられて
防振対象部材自体の振動を低減せしめる制振器等といっ
た防振装置が、用いられている。
【0003】そして、このような防振装置の一種とし
て、振動が入力される本体ゴム弾性体によって壁部の一
部が構成された受圧室と、弾性変位可能に配設された加
振ゴム板によって壁部の一部が構成された加振室とを設
けて、それら受圧室と加振室に非圧縮性流体を封入する
と共に、受圧室と加振室を相互に連通するオリフィス通
路を形成する一方、加振室に対して加振ゴム板を挟んだ
反対側に作用空気室を形成した構造を有する能動型の流
体封入式防振装置が、知られている。かかる流体封入式
防振装置においては、防振すべき振動に対応した周波数
の空気圧変動を外部から作用空気室に及ぼして加振ゴム
板に加振力を作用せしめることにより、受圧室の圧力変
動を加振室とオリフィス通路を通じて能動的に制御する
ようにされることとなり、それによって、防振すべき振
動に対して相殺的乃至は積極的な防振効果を得ることが
出来、従来の受動的な防振装置よりも優れた防振特性が
実現可能となることから、例えば、防振性能の要求レベ
ルが高度化してきた自動車用エンジンマウント等への適
用が検討されている。
【0004】ところで、このような能動型流体封入式防
振装置においては、作用空気室に対して防振すべき振動
の周波数に対応した空気圧変動を及ぼすために、例え
ば、作用空気室に接続せしめた空気圧管路を、電磁切換
弁等を用いて、大気と負圧源等の互いに異なる二つの空
気圧源に対して、防振すべき振動周波数に対応した周期
で交互に切換接続するようにされる。
【0005】しかしながら、作用空気室に対する二つの
空気圧源の接続を交互に切り換えることによって作用空
気室に圧力変動を生ぜしめるようにした従来構造の能動
型流体封入式防振装置においては、作用空気室に対する
二つの空気圧源の接続の電磁切換弁等による切換作動が
ON/OFF的な作動であるが故に作用空気室に生ぜし
められる空気圧変動の波形が防振すべき振動の波形に対
して十分な精度で一致し難いことに加えて、圧力伝達媒
体である空気の圧縮性に起因した圧力変動が発生し易
く、そのために、作用空気室に及ぼされる空気圧変動に
対して、防振すべき振動の周波数以外の副次的な周波数
成分が発生してしまい、防振すべき振動に対応しない周
波数成分の圧力変動が受圧室に及ぼされることによって
防振性能が低下してしまうおそれがあったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、防振すべき振動に対応しない高次成分等の
周波数成分の圧力変動の受圧室への伝達が低減され得、
それによって、目的とする能動的な防振効果を有効に且
つ安定して得ることの出来る、新規な構造の能動型流体
封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】先ず、従来構造の能動型流体封入式防振装
置で問題となっていた受圧室における高周波成分の圧力
変動の発生メカニズムについて、本発明者が多数の実験
を行い、検討を加えた結果、作用空気室に及ぼされた空
気圧変動が加振室において非圧縮性流体の流体圧変動に
変換せしめられた後、オリフィス通路を通じて受圧室に
伝達される際に、オリフィス通路の形態によって、圧力
伝達効率だけでなく圧力伝達特性が異なるということ
を、新たに見い出したのであり、本発明は、このような
新たな知見に基づいて、更に鋭意検討を重ねた結果、完
成され得たものである。
【0009】すなわち、本発明の第一の態様は、振動が
入力される本体ゴム弾性体によって壁部の一部が構成さ
れた受圧室と、弾性変位可能に配設された加振ゴム板に
よって壁部の一部が構成された加振室とを設けて、それ
ら受圧室と加振室に非圧縮性流体を封入すると共に、該
受圧室と該加振室を相互に連通するオリフィス通路を形
成する一方、該加振室に対して該加振ゴム板を挟んだ反
対側に作用空気室を形成し、該作用空気室に防振すべき
振動に対応した周波数の空気圧変動を外部から及ぼして
該加振ゴム板に加振力を作用せしめ、該受圧室の圧力変
動を該加振室と該オリフィス通路を通じて能動的に制御
するようにした能動型流体封入式防振装置において、前
記オリフィス通路の通路容積:Vに対する前記作用空気
室に及ぼされる空気圧変動に基づく前記加振ゴム板の加
振変位に伴って該オリフィス通路を流動せしめられる流
体の単位流動量:Qの比:V/Qの値が1以上で且つ1
0以下となるようにしたことを、特徴とする。
【0010】このような本態様が対象とする能動型流体
封入式防振装置において、加振室から受圧室に伝達され
る圧力変動の伝達効率を向上させる目的で、オリフィス
通路を防振すべき周波数に応じてチューニングするこ
と、具体的にはオリフィス通路の通路断面積:Aと通路
長さ:Lの比:A/Lの値を防振すべき周波数に応じて
調節することは、従来から知られているところである
が、本態様においては、圧力変動の高周波成分の伝達特
性に関するオリフィス通路の形態への依存性という、従
来にない新たな技術的観点に着目してオリフィス通路の
形態を特定化したものであり、具体的には、オリフィス
通路の通路容積:Vと単位流動量:Qの比:V/Qの値
を1〜10の範囲に設定したのであり、それによって、
かかるオリフィス通路に対して、防振すべき振動周波数
以外の副次的な周波数成分の圧力変動が受圧室へ伝達さ
れることを低減せしめるのに有効なフィルタ効果をもた
せ得たのであり、以て、たとえ作用空気室に及ぼされる
空気圧変動が高周波成分等の防振すべき振動に対応しな
い周波数成分を含んでいたとしても、そのような高周波
成分の圧力変動が受圧室に及ぼされることに起因する防
振性能の低下が防止されて、所期の能動的防振効果を有
効に且つ安定して得ることが可能となるのである。
【0011】なお、V/Qの値が1より小さくなると、
副次的な周波数成分の受圧室への伝達を十分に抑えるこ
とが難しくなる一方、V/Qの値が10を超えると、オ
リフィス通路の大きさ、ひいては防振装置の大きさが大
きくなり過ぎて現実的でない。また、本態様において、
作用空気室に及ぼされる空気圧変動に基づく加振ゴム板
の加振変位に伴ってオリフィス通路を流動せしめられる
流体の単位流動量:Qとは、加振ゴム板が作用空気室側
から加振室側に変位せしめられた際に、オリフィス通路
を流動せしめられる流体の流動量のことをいう。
【0012】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に係る能動型流体封入式防振装置において、前記オ
リフィス通路を、30Hz以上の防振を目的とする振動の
周波数域にチューニングしたことを、特徴とする。即
ち、例えば自動車用防振装置において走行こもり音等の
高周波振動の領域となる30Hz以上の振動周波数域で
は、圧力変動の伝達効率の向上を目的とするオリフィス
通路のチューニング上、オリフィス通路の長さが小さく
なる傾向にあり、それに伴って、作用空気室から加振室
に及ぼされる圧力変動における副次的な高周波成分のオ
リフィス通路を通じての受圧室への伝達率が大きくなっ
て、防振性能が大幅に低下してしまうおそれがあるが、
そこにおいて、本発明に従って、前記第一の態様に記載
の如き特定形態のオリフィス通路を採用することによ
り、オリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用
に基づいて、オリフィス通路を通じて加振室から受圧室
に伝達される圧力変動の伝達効率を高度に確保しつつ、
オリフィス通路によって発揮される高周波フィルタ効果
に基づいて、受圧室に対する圧力変動の高周波成分の伝
達を抑えることにより、30Hz以上の高周波数域におい
ても、優れた能動的防振効果を得ることが可能となるの
である。
【0013】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に係る能動型流体封入式防振装置におい
て、前記加振ゴム板に対して前記作用空気室と反対側に
離隔して広がり、前記受圧室と前記加振室を仕切る仕切
部材を設けると共に、該仕切部材の表面に沿って延びる
ようにして、前記オリフィス通路を形成したことを、特
徴とする。このような本態様に従う構造とされた能動型
流体封入式防振装置においては、少ないスペースを有効
に利用してオリフィス通路の通路長さを確保することが
可能となり、それによって、オリフィス通路の設計自由
度も向上され得る。
【0014】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に係る能動型流体封入式防振装置
において、前記作用空気室を、防振すべき振動に対応し
た周期で所定の負圧源と大気中に対して交互に接続せし
めることにより、該作用空気室に負圧と大気圧を交互に
及ぼすようにした空気圧制御手段を設けたことを、特徴
とする。このような本態様に従う構造とされた能動型流
体封入式防振装置においては、作用空気室に空気圧変動
を及ぼす圧力源の一つとして大気を利用することによ
り、能動型流体封入式防振装置の構造の簡略化が図られ
得る。
【0015】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に係る能動型流体封入式防振装置
において、防振連結される一方の部材に取り付けられる
第一の取付部材と防振連結される他方の部材に取り付け
られる第二の取付部材を相互に離隔して対向配置せしめ
ると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前
記本体ゴム弾性体で連結する一方、壁部の一部が可撓性
膜で構成されて前記非圧縮性流体が封入された平衡室を
形成すると共に、該平衡室を前記受圧室に連通する第二
のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。この
ような本態様に従えば、例えば、自動車用エンジンマウ
ントやボデーマウント,メンバマウント,サスペンショ
ンブッシュ等の防振支持体や防振連結体が有利に実現さ
れ得ることとなる。特に、本態様に係る能動型流体封入
式防振装置においては、容積変化が容易に許容される平
衡室を備えていることから、例えば、パワーユニットの
支持荷重が及ぼされる自動車用エンジンマウント等のよ
うに、装着状態下で静的な初期荷重が及ぼされる場合で
も、本体ゴム弾性体の弾性変形に伴う受圧室や加振室の
圧力増大が、平衡室の圧力吸収機能によって軽減乃至は
解消され得るのであり、それによって、目的とする防振
効果がより安定して有効に発揮され得るのである。
【0016】また、本発明の第六の態様は、前記第五の
態様に係る能動型流体封入式防振装置において、前記受
圧室と前記平衡室を連通する第三のオリフィス通路を前
記第二のオリフィス通路と並列的に形成せしめて、該第
三のオリフィス通路を前記第二のオリフィス通路よりも
高周波数域にチューニングすると共に、該第二のオリフ
ィス通路の連通状態を維持しつつ、該第三のオリフィス
通路を遮断/連通せしめ得るオリフィス開閉弁を設けた
ことを、特徴とする。このような本態様に従う構造とさ
れた能動型流体封入式防振装置においては、第三のオリ
フィス通路を開閉弁で遮断せしめた状態下で第二のオリ
フィス通路を流動せしめられる流体の流動作用に基づく
防振効果が発揮されると共に、第三のオリフィス通路を
連通せしめた状態下では、第三のオリフィス通路を流動
せしめられる流体の流動作用に基づいて、第二のオリフ
ィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域で防振
効果が発揮されることとなる。それ故、本態様に係る能
動型流体封入式防振装置においては、第三のオリフィス
通路を連通/遮断制御することにより、第二のオリフィ
ス通路と第三のオリフィス通路の受動的な防振効果を択
一的に切り換えて発揮せしめることが出来ると共に、加
振ゴム板を加振駆動することにより、能動的な防振効果
を適宜に発揮させることが出来るのである。そして、そ
れら受動的防振効果と能動的防振効果を併せて利用する
ことによって、例えば、3つ以上の異なる周波数域の振
動に対して有効な防振効果を、簡単な構造をもって選択
的に発揮させることが可能となるのであり、或いはま
た、互いに異なる複数の周波数域の振動に対して同時に
有効な防振効果を発揮させることも可能となるのであ
る。
【0017】なお、本態様の能動型流体封入式防振装置
においては、オリフィス通路がチューニングされた高周
波数域の防振すべき振動に対応した周期で加振ゴム板を
空気圧加振することにより、高周波振動に対して能動的
防振効果が発揮されるようにする他、例えば、第二のオ
リフィス通路や第三のオリフィス通路のチューニング周
波数域で加振ゴム板を空気圧加振することも可能であ
り、それによって、第二のオリフィス通路や第三のオリ
フィス通路のチューニング周波数域の防振効果の更なる
向上が図られ得ることとなる。
【0018】また、本発明の第七の態様は、前記第六の
態様に係る能動型流体封入式防振装置において、前記平
衡室において前記第三のオリフィス通路の開口部を前記
第二のオリフィス通路の開口部とは異なる位置に設ける
と共に、該第三のオリフィス通路の開口部に対して前記
可撓性膜を挟んだ反対側に空気圧式アクチュエータを配
設して、該空気圧式アクチュエータで該可撓性膜を変位
させて該第二のオリフィス通路の該平衡室への開口部に
当接/離隔させることにより該第三のオリフィス通路を
遮断/連通せしめる前記オリフィス開閉弁を構成したこ
とを、特徴とする。このような本態様に従う構造とされ
た能動型流体封入式防振装置においては、開閉弁の駆動
手段が簡単且つ軽量な構造の空気圧式アクチュエータで
実現され得るのであり、また、かかる空気圧式アクチュ
エータを利用することによって、構造の更なる簡略化も
図られ得る。
【0019】また、本発明の第八の態様は、前記第六又
は第七の態様に係る能動型流体封入式防振装置であっ
て、前記オリフィス通路を走行こもり音に対応した周波
数域にチューニングすると共に、前記第二のオリフィス
通路をエンジンシェイクに対応した周波数域にチューニ
ングし、更に前記第三のオリフィス通路をアイドリング
振動に対応した周波数域にチューニングした自動車用エ
ンジンマウントを、特徴とする。このような本態様にお
いては、停車中に問題となるアイドリング振動と、走行
中に問題となるシェイク振動に対して、第三及び第二の
オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作
用に基づく受動的な防振効果が有効に発揮されると共
に、走行中に問題となる走行こもり音等の高周波振動に
対して、受圧室の圧力制御に基づく能動的な防振効果が
有効に発揮され得るのであり、特に、受圧室の圧力制御
に際して作用空気室に及ぼされる空気圧変動の高次成分
に起因する高周波数域の防振性能の悪化等の問題も、オ
リフィス通路のフィルタ効果に基づいて軽減乃至は回避
されることから、広い周波数領域に亘って優れた防振性
能が実現可能となるのである。
【0020】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0021】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての自動車用エンジンマウント10が示されてい
る。このエンジンマウント10は、第一の取付部材とし
ての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二
の取付金具14が離隔配置されていると共に、それら第
一の取付金具12と第二の取付金具14が本体ゴム弾性
体16で弾性連結された構造を有しており、第一の取付
金具12が自動車のパワーユニット側に取り付けられる
一方、第二の取付金具14が自動車のボデー側に取り付
けられることによって、パワーユニットをボデーに対し
て防振支持せしめるようになっている。なお、以下の説
明中、上下方向とは、原則として、図1中の上下方向を
いうものとする。
【0022】より詳細には、第一の取付金具12は、全
体として逆円錐台形状を有しており、その大径側端面の
中央部分には、軸方向外方に向って突出する位置決め用
の突起18が一体形成されている。また、第一の取付金
具12には、突起18の突出先端面に開口して軸方向に
延びるねじ穴20が形成されており、かかるねじ穴20
に螺合される図示しないボルトによって、第一の取付金
具12がパワーユニット側に取り付けられるようになっ
ている。
【0023】一方、第二の取付金具14は、全体として
大径の円筒形状を有しており、軸方向上下端部に対し
て、径方向外方に向って円環板形状で突出する上下のフ
ランジ部22,24が一体形成されている。そして、第
二の取付金具14の上側開口部側に離隔して、第一の取
付金具12が対向配置されており、それら第一の取付金
具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16に
よって、弾性的に連結されている。
【0024】この本体ゴム弾性体16は、全体として円
錐台形状を有しており、その大径側端面には、中央部分
に開口する大径の凹所26が形成されている。そして、
本体ゴム弾性体16は、その小径側端部に対して、第一
の取付金具12が軸方向に埋め込まれて加硫接着されて
いると共に、その大径側端部外周面に対して第二の取付
金具14の上部内周面が加硫接着されており、それによ
って、第二の取付金具14の上側開口部が流体密に閉塞
されている。なお、凹所26における開口部近くの内周
面には、環状段差面28が形成されている。
【0025】また、第二の取付金具14の下方には、ダ
イヤフラム30が配設されている。このダイヤフラム3
0は、薄肉ゴム膜によって形成されており、波紋状の弛
みをもった略薄肉円板形状を有していると共に、その外
周縁部には、略円環板形状を有する支持金具32が加硫
接着されている。そして、ダイヤフラム30は、支持金
具32が第二の取付金具14のフランジ部24の下面に
重ね合せられて、ボルト固定されることによって、第二
の取付金具14に固定されている。このようにダイヤフ
ラム30が第二の取付金具14に固定されることによ
り、第二の取付金具14の下側開口部が、ダイヤフラム
30によって、流体密に覆蓋されており、それによっ
て、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム30の対向面間
において、外部空間から遮断された密閉領域が形成され
ている。
【0026】また、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム
30の対向面間に形成された密閉領域には、オリフィス
部材34が配設されている。このオリフィス部材34
は、それぞれ金属材や硬質の合成樹脂材等の硬質材で形
成されたオリフィス部材本体36と蓋部材38によって
構成されている。このオリフィス部材本体36は、全体
として厚肉の円板形状を有しており、その外周縁部に
は、上面に開口して略一定の断面形状で周方向に所定の
長さに亘って延びる周溝40が形成されている。更に、
オリフィス部材本体36の中央部分には、上面に開口し
て略一定の断面形状で周溝40の径方向内側を略螺旋状
に所定の長さに亘って延びる凹溝42が形成されてい
る。更にまた、オリフィス部材本体36には、周溝40
と凹溝42が形成されていない部分において、上側に開
口する凹所44が形成されている。
【0027】一方、蓋部材38は、全体として厚肉の円
板形状を有しており、その中央部分には、略一定の円形
断面で上側に開口する凹部46が形成されている。更
に、蓋部材38の外周縁部には、外周面に開口して略一
定の断面形状で周方向に所定の長さに亘って延びる外側
周溝48が形成されていると共に、外側周溝48が形成
されていない部分において、周方向に略四半周の長さで
広がる切欠部50が形成されている。
【0028】そして、これらオリフィス部材本体36と
蓋部材38が同一中心軸上で重ね合せられた状態で第二
の取付金具14に挿入されることによって、オリフィス
部材34が第二の取付金具14に組み付けられている。
なお、このようにオリフィス部材34が第二の取付金具
14に組み付けられた状態下で、オリフィス部材本体3
6に形成された凹所44は、蓋部材38に形成された切
欠部50に位置合わせされており、切欠部50を通じて
凹所44が上方に開口せしめられている。そして、オリ
フィス部材34が本体ゴム弾性体16と支持金具32の
間で軸方向に挟持されていることによって、オリフィス
部材34が第二の取付金具14に固定されているのであ
る。
【0029】また、オリフィス部材34の軸方向上方に
は、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、振
動入力時に圧力変動が生ぜしめられる非圧縮性流体が封
入された受圧室52が形成されていると共に、オリフィ
ス部材34の軸方向下方には、壁部の一部がダイヤフラ
ム30で構成されて、容積変化が許容される非圧縮性流
体が封入された平衡室54が形成されている。なお、受
圧室52および平衡室54に封入される非圧縮性流体と
しては、水やアルキレングリコール,ポリアルキレング
リコール,シリコーン油等が何れも採用可能であるが、
後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得る
ためには、0.1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流
体が望ましい。
【0030】また、蓋部材38は、本体ゴム弾性体16
の凹所26に嵌め込まれており、外側周溝48の開口部
が、凹所26の内周面で流体密に覆蓋されていると共
に、オリフィス部材本体36に設けられた周溝40およ
び凹溝42の開口部が、蓋部材38で流体密に覆蓋され
ている。これによって、蓋部材38の外周縁部には、略
一定の断面形状で周方向に延びる上側流路56が形成さ
れていると共に、オリフィス部材本体36の外周縁部に
は、略一定の断面形状で周方向に延びる下側流路58が
形成されており、更に、オリフィス部材本体36の中央
部分には、略一定の断面形状で略螺旋状に延びる内側流
路60が形成されている。そして、上側流路56と下側
流路58の各一方の端部が、蓋部材38に設けられた図
示しない貫通孔によって相互に連通されていると共に、
上側流路56の他方の端部と下側流路58の他方の端部
が、それぞれ、図示しない連通孔によって、受圧室52
乃至は平衡室54に開口せしめられており、以て、上側
流路56と下側流路58によって、受圧室52と平衡室
54を相互に連通する第二のオリフィス通路としての低
周波用オリフィス通路62が協働して形成されている。
また、内側流路60は、その一方の端部が、蓋部材38
の凹部46の底壁部分に形成された図示しない連通孔を
通じて受圧室52に開口せしめられていると共に、その
他方の端部が、オリフィス部材本体36に設けられた連
通孔64を通じて平衡室54に開口せしめられており、
これによって、受圧室52と平衡室54を相互に連通す
る第三のオリフィス通路としての中周波用オリフィス通
路66が形成されている。なお、本実施形態では、低周
波用オリフィス通路62は、エンジンシェイクに対して
有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされて
いると共に、中周波用オリフィス通路66は、アイドリ
ング振動に対して有効な防振効果が発揮されるようにチ
ューニングされている。
【0031】また、オリフィス部材本体36に設けられ
た凹所44の軸方向上方には、加振ゴム板68が配設さ
れている。この加振ゴム板68は、全体として僅かに上
側に凸となる円板形状を呈しており、少なくともダイヤ
フラム30よりも厚肉で、外力が解除されると略一定の
初期形状に速やかに復元し得る程度の弾性を発揮し得る
肉厚寸法を有している。また、加振ゴム板68の外周縁
部には、リング金具70が加硫接着されている。そし
て、オリフィス部材本体36における凹所44の周囲に
接着や溶接等によって固着された固定リング72に対し
て、リング金具70が圧入固定されることによって、加
振ゴム板68が凹所44の開口部を流体密に覆蓋するよ
うに配設されているのであり、それによって、凹所44
と加振ゴム板68の対向面間において、作用空気室とし
ての第一の作用空気室74が形成されている。また、第
一の作用空気室74は、凹所44の底部に開口せしめら
れた第一の空気通路76を通じて外部に連通されてい
る。そして、かかる第一の空気通路76の外側開口部に
形成された第一のポート78に対して、第一の空気管路
80が接続されており、かかる第一の空気管路80を通
じて、第一の作用空気室74が大気中と負圧源82に接
続されるようになっている。即ち、第一の作用空気室7
4に接続された第一の空気管路80上には、第一の圧力
制御弁84が配設されており、かかる第一の圧力制御弁
84がコントローラ86で作動制御されて、切換作動さ
れることによって、第一の作用空気室74が、大気中と
負圧源82に対して、択一的に切換接続されるようにな
っている。なお、このことから明らかなように、本実施
形態では、第一の圧力制御弁84とコントローラ86に
よって空気圧制御手段が構成されている。また、負圧源
82としては、例えば、自動車の内燃機関におけるエア
インテーク部分に発生する負圧を利用した負圧タンク
や、内燃機関によって駆動される負圧力発生ポンプ等が
好適に採用される。
【0032】さらに、加振ゴム板68の上方には、仕切
部材としての硬質の仕切板88が配設されている。この
仕切板88は、中心孔90を備えた円環板形状を有して
いる。そして、仕切板88が、固定リング72に対して
同一中心軸上で重ね合せられて、接着や溶接等によって
固着されており、それによって、仕切板88が加振ゴム
板68に対して第一の作用空気室74と反対側に離隔し
て広がるように配設されて、仕切板88と加振ゴム板6
8の間に加振室96が形成されている。また、仕切板8
8の上方には、硬質のカバー部材92が配設されてい
る。このカバー部材92は、下側に開口する箱体形状を
有している。そして、カバー部材92は、中心孔90を
覆うようにして仕切板88に重ね合せられて、接着や溶
接等によって固着されており、それによって、カバー部
材92と仕切板88の対向面間において、オリフィス通
路としての高周波用オリフィス通路98が、仕切板88
の上面に沿って、仕切板88の中央部分から径方向外方
に向って延びるように形成されており、かかる高周波用
オリフィス通路98の一方の端部はカバー部材92に設
けられた切欠100を通じて受圧室52に連通されてい
ると共に、他方の端部は仕切板88に設けられた中心孔
90を通じて加振室96に連通されている。なお、本実
施形態では、高周波用オリフィス通路98は、走行こも
り音等に対して有効な防振効果が発揮されるようにチュ
ーニングされている。
【0033】ここにおいて、本実施形態では、高周波用
オリフィス通路98の通路容積をVとし、第一の作用空
気室74に及ぼされた空気圧変動によって加振ゴム板6
8が加振駆動せしめられた際に高周波用オリフィス通路
98を流動せしめられる流体の単位流動量をQとする
と、V/Qの値が、1以上で且つ10以下とされてい
る。なお、高周波用オリフィス通路98の通路容積:V
は、加振室96と受圧室52を繋ぐ高周波用オリフィス
通路98全体の容積であって、通路断面積と通路長さを
乗算することによって算出される。また、加振ゴム板6
8の加振変位に伴って高周波用オリフィス通路98を流
動せしめられる流体の単位流動量:Qは、加振ゴム板6
8の断面積と加振ゴム板68において変位量が最大とな
る中央部分の変位量を乗算して算出される。そこにおい
て、加振ゴム板68の中央部分の変位量は、エンジンマ
ウント10内に非圧縮性流体を封入した状態で、高周波
用オリフィス通路98のチューニング周波数で第一の圧
力制御弁84をデューティ制御で調圧して切換制御する
ことにより、第一の作用空気室74を一定の負圧値を有
する負圧源と大気中に交互に切換接続して、第一の作用
空気室74に高周波用オリフィス通路98のチューニン
グ周波数の空気圧変動を及ぼして加振ゴム板68を加振
駆動せしめた際の第一の作用空気室74内の圧力を測定
し、かかる加振時における第一の作用空気室74の圧力
を、非圧縮性流体が封入されていない状態下のエンジン
マウント10における第一の作用空気室74に対して静
的に作用せしめた際の加振ゴム板68の中央部分の変位
量とする。
【0034】また、本実施形態のエンジンマウント10
においては、空気圧式アクチュエータとしてのアクチュ
エータ102が、第二の取付金具14の下方に位置して
組み付けられている。このアクチュエータ102は、固
定金具104と外壁部材106とゴム弾性壁108を含
んで構成されている。固定金具104は、全体として円
筒形状を有しており、その軸方向上端部には、径方向外
方に向って円環形状で突出する固定部110が一体形成
されていると共に、その軸方向下端部には、径方向内方
に向って円環板形状で突出する支持部112が一体形成
されている。一方、ゴム弾性壁108は、全体として円
環板形状を有しており、その内周縁部が略逆カップ形状
を有する押圧金具114の開口周縁部に加硫接着されて
いると共に、その外周縁部が略円筒形状の固定スリーブ
116に加硫接着されている。なお、押圧金具114の
表面には、その全体に亘って、ゴム弾性壁108と一体
形成された被覆ゴムが被着されている。また一方、外壁
部材106は、硬質の合成樹脂材や金属材等の硬質材に
よって形成されており、全体として円板形状を有してい
る。そして、固定金具104に外壁部材106が内挿配
置された後、固定スリーブ116が固定金具104の筒
壁部に圧入固定されることにより、固定金具104に対
して、外壁部材106とゴム弾性壁108が固定的に組
み付けられている。このように固定金具104に外壁部
材106とゴム弾性壁108が組み付けられた状態下に
おいて、外壁部材106の外周縁部とゴム弾性壁108
の外周縁部が流体密に圧接されており、それによって、
外壁部材106と押圧金具114の対向面間において、
外部空間に対して密閉された第二の作用空気室118が
形成されている。そして、このような構造とされたアク
チュエータ102は、図1に示されているように、固定
金具104が支持金具32に重ね合せられてボルト固定
されることにより、エンジンマウント10に組み付けら
れるようになっており、かかる組付け状態下において、
押圧金具114の上底部がダイヤフラム30を挟んで、
オリフィス部材34の中央部分に形成された中周波用オ
リフィス通路66の平衡室54側の開口部(連通孔6
4)に対して、対向配置されている。なお、固定金具1
04は、固定部110に設けられた図示しないボルト挿
通孔に挿通されるボルトによって、ボデー側に取り付け
られるようになっており、その結果、第二の取付金具1
4がボデー側に取り付けられるようになっている。
【0035】また、第二の作用空気室118の中央部分
には、付勢手段としてのコイルスプリング120が収容
配置されており、外壁部材106と押圧金具114の対
向面間に配設されている。そして、このコイルスプリン
グ120の付勢力によって、押圧金具114が、常時、
外壁部材106から軸方向上方に離隔する方向に付勢さ
れている。
【0036】更にまた、外壁部材106の中央部分に
は、第二の作用空気室118内に突出する略逆カップ形
状の中央突部122が一体形成されていると共に、かか
る中央突部122には、外方に突出して延びる第二のポ
ート124が一体形成されている。そして、この第二の
ポート124に対して、第二の空気管路126が接続さ
れており、かかる第二の空気管路126を通じて、第二
の作用空気室118が大気中と負圧源82に接続される
ようになっている。即ち、第二の作用空気室118に接
続された第二の空気管路126上には、第二の圧力制御
弁128が配設されており、かかる第二の圧力制御弁1
28が、コントローラ86で作動制御されて、切換作動
されることによって、第二の作用空気室118が大気中
と負圧源82に対して、択一的に切換接続されるように
なっている。
【0037】そして、第二の作用空気室118に大気圧
が及ぼされた状態下では、コイルスプリング120の付
勢力によって、押圧金具114が上方に突出して位置せ
しめられる一方、第二の作用空気室118に負圧が及ぼ
された状態下では、コイルスプリング120の付勢力に
抗して、押圧金具114が下方(外壁部材106側)に
引き下げられて保持されるようになっている。なお、外
壁部材106における中央突部122の上底部に対向位
置せしめられた押圧金具114の上底部には、中央突部
122側に向かって突出する緩衝ストッパゴム130が
形成されており、負圧吸引による押圧金具114の引き
下げ時における押圧金具114の変位量が緩衝的に制限
されるようになっている。
【0038】従って、第二の作用空気室118に大気圧
が及ぼされた状態下では、図1に示されているように、
コイルスプリング120の付勢力に基づいて、押圧金具
114でダイヤフラム30の中央部分がオリフィス部材
34の下面に押しつけられて、中周波用オリフィス通路
66の開口部(連通孔64)の周囲に密接されることに
より、中周波用オリフィス通路66が遮断状態に維持さ
れるようになっている。一方、第二の作用空気室118
に負圧が及ぼされた状態下では、押圧金具114がコイ
ルスプリング120の付勢力に抗して下方に引き下げら
れて、押圧金具114およびダイヤフラム30がオリフ
ィス部材34から離隔されることにより、連通孔64が
開口状態とされ、中周波用オリフィス通路66が平衡室
54に接続されて、中周波用オリフィス通路66が連通
状態に維持されるようになっている。これらのことから
明らかなように、本実施形態では、ダイヤフラム30と
アクチュエータ102によって、開閉弁が構成されてい
る。
【0039】このような構造とされたエンジンマウント
10は、第一及び第二の圧力制御弁84,128がコン
トローラ86で作動制御されて切換作動されることによ
り、目的とする防振効果が発揮されるようになってい
る。具体的には、例えば、車両の停車時において、第二
の圧力制御弁128により第二の作用空気室118を負
圧源82に接続せしめて、中周波用オリフィス通路66
を連通状態にする。これにより、アイドリング振動等の
中周波振動によって、受圧室52に内圧変動が惹起され
ると、受圧室52と平衡室54の相対的な内圧差に基づ
いて、それら両室52,54の間で中周波用オリフィス
通路66を通じての流体流動が生ぜしめられることとな
り、かかる流体の共振作用に基づいて、アイドリング振
動等に対して受動的な防振効果が発揮され得るのであ
る。
【0040】一方、車両の走行時においては、第二の圧
力制御弁128により、第二の作用空気室118を大気
中に接続せしめて、中周波用オリフィス通路66を遮断
状態とすると共に、第一の圧力制御弁84を防振すべき
走行こもり音等の高周波振動に対応した周期と位相で切
換制御せしめる。これにより、エンジンシェイク等の低
周波振動によって受圧室52に内圧変動が惹起される
と、受圧室52と平衡室54の間の相対的な内圧差に基
づいて、それら両室52,54の間で低周波用オリフィ
ス通路62を通じての流体流動が生ぜしめられることと
なり、かかる流体の共振作用に基づいてエンジンシェイ
ク等に対して受動的な防振効果が発揮され得るのであ
る。
【0041】また、第一の圧力制御弁84の切換制御に
基づいて第一の作用空気室74が大気中と負圧源82に
対して交互に切換接続されることにより、第一の作用空
気室74に走行こもり音等に対応した周期の空気圧変動
が及ぼされて、加振ゴム板68が加振駆動せしめられる
こととなり、加振室96に生ぜしめられた内圧変動が高
周波用オリフィス通路98を通じて受圧室52に及ぼさ
れることによって、受圧室52の積極的な圧力制御に基
づく能動的な防振効果が走行こもり音等に対して有効に
発揮され得るのである。
【0042】ここにおいて、本実施形態では、高周波用
オリフィス通路98の通路容積:Vに対する加振ゴム板
68が駆動変位せしめられる際に高周波用オリフィス通
路98を流動せしめられる流体の単位流動量:Qの比:
V/Qの値が、1以上で且つ10以下とされていること
から、高周波用オリフィス通路98のフィルタ効果によ
り、第一の圧力制御弁84の切換制御に基づいて第一の
作用空気室74に生ぜしめられた圧力変動に含まれる防
振すべき振動周波数(走行こもり音等の周波数)の高次
成分の受圧室52への伝達が低減乃至は防止され得るこ
ととなり、それによって、エンジンマウント10の防振
性能の低下が有利に防止され得ることとなる。
【0043】また、本実施形態のエンジンマウント10
においては、エンジンシェイク等の低周波振動,アイド
リング振動等の中周波振動および走行こもり音等の高周
波振動に対して、何れも、有効な防振効果を得ることが
出来ると共に、車両の走行時において、低周波数域のエ
ンジンシェイクと高周波数域の走行こもり音という互い
に異なる周波数域の振動に対して、同時に防振効果を発
揮することが出来るのである。
【0044】また、本実施形態では、加振ゴム板68
が、外力が解除されると速やかに初期形状に戻る復元力
を有するように、その全体が所定の厚さを有するように
なっていることから、加振ゴム板68自身が有する弾性
力によって、防振すべき振動の高調波成分に対する減衰
作用が発揮されて、防振すべき振動周波数以外の周波数
成分の圧力変動が受圧室52へ伝達されることを、一層
有利に軽減することが出来る。
【0045】また、本実施形態では、高調波成分の発生
が問題となり易い走行こもり音に対応した周波数の空気
圧変動が第一の作用空気室74に及ぼされて加振ゴム板
68が加振駆動されるようになっているが、高周波用オ
リフィス通路98のフィルタ効果により、走行こもり音
に対応した周波数の高調波成分の圧力変動が受圧室52
に及ぼされることに起因する防振性能の低下が有利に防
止され得ると共に、走行こもり音に対して加振ゴム板6
8の加振駆動に基づく能動的な防振効果が得られるので
ある。
【0046】因みに、上述の如きエンジンマウント10
について、加振ゴム板68の加振駆動に基づいて第一の
取付金具12と第二の取付金具14の間に及ぼされるマ
ウント発生力の2次成分のピーク周波数における大きさ
をF1とし、ピーク周波数よりも10Hz高い周波数に
おけるマウント発生力の2次成分の大きさをF2とした
場合のマウント発生力2次成分の減少率:F2/F1
と、V/Qとの関係を、図2に示す。
【0047】図2から明らかなように、V/Qの値を1
以上とすることにより、加振ゴム板68の加振駆動に基
づいて第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に
及ぼされるマウント発生力の2次成分が、高周波用オリ
フィス通路98のフィルタ効果によって、低減されてい
ることが認められる。
【0048】また、上述の如き構造とされたエンジンマ
ウント10について、第一の取付金具12と第二の取付
金具14の間に及ぼされた加振ゴム板68の加振駆動に
基づくマウント発生力の1次成分及び2次成分と、加振
ゴム板68の加振周波数の関係を、V/Q=1.0の場
合において、測定した結果を、実施例として、図3に示
す。なお、V/Q=0.7とされたエンジンマウントに
ついても、同様な測定試験を行い、かかる測定結果を、
比較例として、図3に併せ示す。
【0049】図3に示された測定結果から明らかなよう
に、V/Q=1.0のエンジンマウント(実施例)は、
マウント発生力2次成分がピーク周波数から20Hz程
度高周波側において、略0となっているのに対して、V
/Q=0.7のエンジンマウント(比較例)は、マウン
ト発生力2次成分がピーク周波数から20Hzよりも更
に高周波側でないと、略0とならないことが認められ
る。従って、実施例のエンジンマウントは、走行こもり
音の周波数域において、マウント発生力の2次成分が低
減されており、かかる周波数域における防振性能の低下
が有利に防止されていることが認められる。
【0050】また、図4には、本発明の第二の実施形態
としてのエンジンマウント132が示されている。この
エンジンマウント132は、第一の取付部材としての第
一の取付金具134と第二の取付部材としての第二の取
付金具136が離隔配置されていると共に、それら第一
の取付金具134と第二の取付金具136が本体ゴム弾
性体138で弾性連結された構造を有しており、第一の
取付金具134が自動車のパワーユニット側に取り付け
られる一方、第二の取付金具136が自動車のボデー側
に取り付けられることによってパワーユニットをボデー
に対して防振支持せしめるようになっている。なお、以
下の説明において、上下方向とは、原則として、図4中
の上下方向をいうものとする。
【0051】より詳細には、第一の取付金具134は、
略逆円錐台形状を有しており、その大径側端部には、径
方向外方に向って広がる略円環板形状のフランジ部14
0が一体形成されていると共に、軸方向上方に向って突
出する取付ネジ部142が一体形成されている。そし
て、この取付ネジ部142によって、第一の取付金具1
34がパワーユニット側に取り付けられるようになって
いる。
【0052】また、第一の取付金具134は、本体ゴム
弾性体138に加硫接着されている。この本体ゴム弾性
体138は、全体として大径の円錐台形状を有してお
り、その小径側端部に対して、第一の取付金具134が
軸方向に埋めこまれて加硫接着されている。また、本体
ゴム弾性体138の大径側外周面には、円環ブロック形
状の連結金具144が加硫接着されており、この連結金
具144に対して第二の取付金具136がボルト固定さ
れている。
【0053】かかる第二の取付金具136は、全体とし
て略有底円筒形状を有しており、その筒壁部146の開
口端部に対して連結金具144が重ね合せられて流体密
に固着されており、それによって、第二の取付金具13
6の開口部が本体ゴム弾性体138で流体密に覆蓋され
ていると共に、第一の取付金具134と第二の取付金具
136が本体ゴム弾性体138によって連結されてい
る。また、第二の取付金具136の筒壁部146の内周
面には、軸方向中央部分において、周方向に延びる環状
の段差面148が形成されている。そして、この段差面
148に対して仕切部材としての仕切板150が重ね合
せられてボルト固定されており、それによって、仕切板
150が軸直角方向に広がる状態で配設されることとな
り、かかる仕切板150によって第二の取付金具136
の内部が軸方向両側に流体密に仕切られている。
【0054】これにより、仕切板150と本体ゴム弾性
体138の対向面間において、壁部の一部が本体ゴム弾
性体138で構成されて非圧縮性流体が封入された受圧
室152が形成されている。なお、封入される非圧縮性
流体としては、第一の実施形態で採用されている非圧縮
性流体と同様な低粘性流体を採用することが望ましい。
【0055】また、第二の取付金具136の底部には、
上方に向って開口するすり鉢状の凹所154が形成され
ていると共に、この凹所154の開口部を覆蓋するよう
にして加振ゴム板156が配設されている。この加振ゴ
ム板156は、盆を伏せたように僅かに軸方向上方に向
って凸となる所定厚さの略円板形状を有しており、特に
本実施形態では、加振ゴム板156に及ぼされていた外
力が解除された状態において、速やかに元の形状に戻る
復元力を有している。また、加振ゴム板156の外周面
には、圧入リング158が加硫接着されている。そし
て、この圧入リング158が凹所154の開口部に圧入
されることにより、かかる加振ゴム板156が軸直角方
向に広がって凹所154の開口を流体密に覆蓋する状態
で配設されている。これにより、凹所154と加振ゴム
板156の間に作用空気室160が形成されている。ま
た、第二の取付金具136には、外周面に開口形成され
たポート部162から径方向内方に延びて、凹所154
の底面に開口して作用空気室160に連通せしめられた
空気通路164が設けられており、この空気通路164
を通じて作用空気室160に空気圧変動を及ぼすことに
よって、加振ゴム板156を加振駆動せしめ得るように
なっている。
【0056】また、加振ゴム板156と仕切板150の
間には、オリフィス金具166が配設されている。この
オリフィス金具166は、下方に向って開口する逆カッ
プ形状の中央部分168と、該中央部分168の開口部
からやや下方に向って傾斜して径方向外方に広がる鍔状
の円環板部170からなる全体として略ハット形状を有
しており、その中央部分168の上底部が仕切板150
に重ね合せられて固着されている一方、円環板部170
の外周縁部が圧入リング158に対して流体密に重ね合
せられている。これにより、オリフィス金具166と加
振ゴム板156の間には、加振ゴム板156を挟んで作
用空気室160と反対側に位置して、壁部の一部が加振
ゴム板156で構成された加振室172が形成されてい
る。そして、この加振室172には、受圧室152と同
じ非圧縮性流体が封入されている。
【0057】さらに、オリフィス金具166と第二の取
付金具136の筒壁部146の対向面間には、周方向に
1周弱の長さで延びる環状流路174が形成されてお
り、かかる環状流路174の周方向一方の端部が仕切板
150に貫設された連通孔176を通じて受圧室152
に連通されている一方、環状流路174の周方向他方の
端部がオリフィス金具166の中央部分168の筒壁部
に貫設された連通孔178を通じて加振室172に連通
せしめられている。このことから明らかなように、本実
施形態では、環状流路174によって受圧室152と加
振室172を相互に連通するオリフィス通路としての高
周波用オリフィス通路180が構成されており、かかる
高周波用オリフィス通路180は、仕切板150の下面
に沿って延びるようにして形成されている。なお、本実
施形態では、高周波用オリフィス通路180は、アイド
リング振動に対して有効な防振効果が発揮されるように
チューニングされている。
【0058】ここにおいて、本実施形態では、高周波用
オリフィス通路180の通路容積をVとし、加振ゴム板
156の加振変位に伴って高周波用オリフィス通路18
0を流動せしめられる流体の単位流動量をQとすると、
V/Qの値が、第一の実施形態と同様に、1以上で且つ
10以下とされている。なお、高周波用オリフィス通路
180の通路容積:Vと、加振ゴム板156の加振変位
に伴って高周波用オリフィス通路180を流動せしめら
れる流体の単位流動量:Qの算出方法は、第一の実施形
態における算出方法と同じである。
【0059】更にまた、第二の取付金具136の底面中
央には、下方に向って開口する浅底の外側凹所182が
形成されており、この外側凹所182の開口部側に可撓
性膜としてのダイヤフラム184が配設されている。こ
のダイヤフラム184は、外周部分において環状の固定
金具186が加硫接着されており、該固定金具186が
第二の取付金具136の底面に重ね合せられてボルト固
定されることにより、ダイヤフラム184の外周縁部が
外側凹所182の開口端面に対して流体密に重ね合せら
れている。これによって、外側凹所182の開口がダイ
ヤフラム184で流体密に覆蓋されており、それら外側
凹所182とダイヤフラム184の間に、壁部の一部が
ダイヤフラム184で構成された容積可変の平衡室18
8が形成されている。また、この平衡室188には、前
記受圧室152と同じ非圧縮性流体が封入されている。
【0060】さらに、第二の取付金具136には、環状
流路174の周上の一部から加振ゴム板156の外周側
を跨いで軸方向下方に延びて平衡室188に至る軸方向
流路190が形成されており、平衡室188が、軸方向
流路190および環状流路174を経て受圧室152に
接続されている。このことから明らかなように、本実施
形態では、環状流路174と軸方向流路190によって
第二のオリフィス通路としての低周波用オリフィス通路
192が構成されている。なお、本実施形態では、低周
波用オリフィス通路192は、エンジンシェイクに対し
て有効な防振効果が発揮されるようにチューニングされ
ている。
【0061】そして、かかるエンジンマウント132
は、第一の取付金具134が取付ネジ部142によって
パワーユニット側に取り付けられるようになっている一
方、第二の取付金具136がブラケット等を介してボデ
ー側に取り付けられることにより、パワーユニットとボ
デーの間に介装されるようになっている。また、かかる
自動車への装着状態下では、ポート部162に対して外
部空気管路194が接続されており、外部空気管路19
4を通じて作用空気室160が大気と負圧源196が交
互に接続されるようになっている。即ち、作用空気室1
60に接続された外部空気管路194上には、圧力制御
弁198が配設されており、この圧力制御弁198によ
って作用空気室160が大気と負圧源196に対して択
一的に切換接続されるようになっている。そして、圧力
制御弁198がコントローラ200によって作動制御さ
れて、切換作動されることにより、目的とする防振効果
が発揮されるようになっている。
【0062】具体的には、例えば、自動車の走行状態で
は、エンジンシェイク等の低周波振動が入力されると、
低周波用オリフィス通路192を通じて受圧室152と
平衡室188の間で流体流動が生ぜしめられることとな
り、かかる流体の流動作用に基づいてエンジンシェイク
等の低周波振動に対して有効な防振効果が発揮され得る
のである。
【0063】一方、自動車の停車状態下では、内燃機関
の点火信号等を参照信号として予めチューニングされた
フィードバック制御やマップ制御等に基づいて、圧力制
御弁198を切換制御し、作用空気室160を大気中と
負圧源196とに択一的に切換接続せしめることによ
り、作用空気室160に防振すべきアイドリング振動に
対応した周期の空気圧変動が及ぼされることとなる。そ
して、作用空気室160に及ぼされる空気圧変動によっ
て加振ゴム板156が加振駆動せしめられることとな
り、受圧室152と加振室172の間での高周波用オリ
フィス通路180を通じての流体流動が積極的に生ぜし
められることとなり、高周波用オリフィス通路180を
通じての流体流動作用を利用した能動的な防振効果がア
イドリング振動に対して有効に発揮され得ることとな
る。なお、このことから明らかなように、本実施形態で
は、圧力制御弁198とコントローラ200によって空
気圧制御手段が構成されている。
【0064】ここにおいて、本実施形態では、高周波用
オリフィス通路180の通路容積:Vに対する加振ゴム
板156の加振変位に伴って高周波用オリフィス通路1
80を流動せしめられる流体の単位流動量:Qの比:V
/Qの値が1以上で且つ10以下とされていることか
ら、第一の実施形態と同様に、作用空気室160に及ぼ
される空気圧変動に含まれる防振すべき振動周波数の高
次成分の受圧室152への伝達が低減乃至は防止され得
ることとなり、エンジンマウント132の防振性能の低
下を有利に防止することが出来る。
【0065】因みに、本実施形態のエンジンマウント1
32について、加振ゴム板156の加振駆動に基づいて
第一の取付金具134と第二の取付金具136の間に及
ぼされるマウント発生力の2次成分のピーク周波数にお
ける大きさをF1とし、マウント発生力の2次成分のピ
ーク周波数よりも10Hz高い周波数における大きさを
F2とした場合の発生力の減少率:F2/F1と、V/
Qとの関係を、図2に併せ示す。
【0066】図2から明らかなように、V/Qの値が略
1とされた本実施形態のエンジンマウント132は、加
振ゴム板156の加振駆動に基づいて第一の取付金具1
34と第二の取付金具136の間に及ぼされるマウント
発生力の2次成分が、高周波用オリフィス通路180の
フィルタ効果によって、低減されていることが認められ
る。
【0067】以上、本発明の幾つかの実施形態について
詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本
発明は、これらの実施形態における具体的な記載によっ
て、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0068】例えば、前記第一及び第二の実施形態で
は、本発明を自動車用のエンジンマウントに適用したも
のの具体例を示したが、本発明は、ボデーマウントやサ
スペンションブッシュ、或いは自動車以外の各種装置に
おける防振連結体や防振支持体に対して採用可能である
ことは言うまでもない。
【0069】また、防振対象部材に対して装着されるこ
とによって、防振効果を発揮する能動型制振器に対して
も、本発明は、同様に適用可能であり、そのような能動
型制振器は、例えば、前記第一又は第二の実施形態の何
れかにおいて、第一の取付金具12,134を自動車の
ボデー等の防振対象部材に対して固定する一方、第二の
取付金具14,136を自由変位可能として、本体ゴム
弾性体16,138をバネ系とし、第二の取付金具1
4,136をマス系とする一振動系を構成せしめること
によって、或いは、第二の取付金具14,136を自動
車のボデ−等の防振対象部材に対して固定する一方、第
一の取付金具12,134を自由変位可能として、本体
ゴム弾性体16,138をバネ系とし、第一の取付金具
12,134をマス系とする一振動系を構成せしめるこ
とによって、実現可能である。なお、第一の取付金具1
2,134を自由変位可能にする場合には、第一の取付
金具12,134の体積を大きくすることや第一の取付
金具12,134にマス部材を取り付けること等によっ
て、マス系の質量を大きくすることが望ましい。
【0070】また、前記第一の実施形態における低周波
用オリフィス通路62、中周波用オリフィス通路66お
よび高周波用オリフィス通路98の具体的な形状及びチ
ューニング周波数は、前記第一の実施形態のものに限定
されるものではない。更に、前記第二の実施形態におけ
る低周波用オリフィス通路192および高周波用オリフ
ィス通路180の具体的な形状やチューニング周波数
は、前記第二の実施形態のものに限定されない。
【0071】また、本発明におけるオリフィス通路は、
仕切部材の上面に沿って延びるように形成しても良い
し、或いは、仕切部材の下面に沿って延びるように形成
しても良い。更に、本発明におけるオリフィス通路の形
状は、配設スペースや必要な通路長さを考慮して適宜に
設定されるものであり、直線的に延びる形状,周方向に
延びる形状,螺旋状に延びる形状,蛇行するように延び
る形状等が採用可能である。
【0072】また、前記第一及び第二の実施形態におけ
る加振ゴム板68,156は、外力が解除されると速や
かに初期の形状に戻る復元力を有するように所定の厚さ
を有していたが、加振ゴム板の全体を薄肉とし、加振ゴ
ム板の中央部分に、例えばコイルスプリング等のよう
に、一方向に付勢力を与える弾性支持体を配設して、か
かる弾性支持体の付勢力によって、薄肉の加振ゴム板
が、外力が解除された状態下において、速やかに初期形
状に復元するようにしても良い。
【0073】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた能動型流体封入式防振装置において
は、オリフィス通路の通路容積に対する作用空気室に及
ぼされる空気圧変動に基づく加振ゴム板の加振変位に伴
ってオリフィス通路を流動せしめられる流体の単位流動
量の比を、特定の範囲内に設定することによって、作用
空気室に及ぼされる空気圧変動に含まれる防振すべき振
動の高周波成分が受圧室に伝達されることを、低減乃至
は防止することが可能となり、それによって、防振性能
の低下が有利に防止され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としてのエンジンマウ
ントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントを構成する高
周波用オリフィス通路のV/Qの値と、加振ゴム板を加
振駆動せしめた際に第一の取付金具と第二の取付金具の
間に及ぼされる発生力の2次成分との関係を示すグラフ
である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントを構成する加
振ゴム板を加振駆動せしめた際に第一の取付金具と第二
の取付金具の間に及ぼされる発生力の周波数依存性を比
較例と共に示すグラフである。
【図4】本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウ
ントを示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 16 本体ゴム弾性体 52 受圧室 68 加振ゴム板 74 第一の作用空気室 96 加振室 98 高周波用オリフィス通路
フロントページの続き (72)発明者 加藤 和彦 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 松岡 英樹 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D035 CA05 CA23 CA35 3J047 AA03 CA12 CB09 FA02 3J048 AA02 AB15 AC04 AD01 BA01 BE03 CB23 CB24 DA02 EA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動が入力される本体ゴム弾性体によっ
    て壁部の一部が構成された受圧室と、弾性変位可能に配
    設された加振ゴム板によって壁部の一部が構成された加
    振室とを設けて、それら受圧室と加振室に非圧縮性流体
    を封入すると共に、該受圧室と該加振室を相互に連通す
    るオリフィス通路を形成する一方、該加振室に対して該
    加振ゴム板を挟んだ反対側に作用空気室を形成し、該作
    用空気室に防振すべき振動に対応した周波数の空気圧変
    動を外部から及ぼして該加振ゴム板に加振力を作用せし
    め、該受圧室の圧力変動を該加振室と該オリフィス通路
    を通じて能動的に制御するようにした能動型流体封入式
    防振装置において、 前記オリフィス通路の通路容積:Vに対する前記作用空
    気室に及ぼされる空気圧変動に基づく前記加振ゴム板の
    加振変位に伴って該オリフィス通路を流動せしめられる
    流体の単位流動量:Qの比:V/Qの値が1以上で且つ
    10以下となるようにしたことを特徴とする能動型流体
    封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記オリフィス通路を、30Hz以上の防
    振を目的とする振動の周波数域にチューニングした請求
    項1に記載の能動型流体封入式防振装置。
  3. 【請求項3】 前記加振ゴム板に対して前記作用空気室
    と反対側に離隔して広がり、前記受圧室と前記加振室を
    仕切る仕切部材を設けると共に、該仕切部材の表面に沿
    って延びるようにして、前記オリフィス通路を形成した
    請求項1又は2に記載の能動型流体封入式防振装置。
  4. 【請求項4】 前記作用空気室を、防振すべき振動に対
    応した周期で所定の負圧源と大気中に対して交互に接続
    せしめることにより、該作用空気室に負圧と大気圧を交
    互に及ぼすようにした空気圧制御手段を設けた請求項1
    乃至3の何れかに記載の能動型流体封入式防振装置。
  5. 【請求項5】 防振連結される一方の部材に取り付けら
    れる第一の取付部材と防振連結される他方の部材に取り
    付けられる第二の取付部材を相互に離隔して対向配置せ
    しめると共に、それら第一の取付部材と第二の取付部材
    を前記本体ゴム弾性体で連結する一方、壁部の一部が可
    撓性膜で構成されて前記非圧縮性流体が封入された平衡
    室を形成すると共に、該平衡室を前記受圧室に連通する
    第二のオリフィス通路を形成した請求項1乃至4の何れ
    かに記載の能動型流体封入式防振装置。
  6. 【請求項6】 前記受圧室と前記平衡室を連通する第三
    のオリフィス通路を前記第二のオリフィス通路と並列的
    に形成せしめて、該第三のオリフィス通路を前記第二の
    オリフィス通路よりも高周波数域にチューニングすると
    共に、該第二のオリフィス通路の連通状態を維持しつ
    つ、該第三のオリフィス通路を遮断/連通せしめ得るオ
    リフィス開閉弁を設けた請求項5に記載の能動型流体封
    入式防振装置。
  7. 【請求項7】 前記平衡室において前記第三のオリフィ
    ス通路の開口部を前記第二のオリフィス通路の開口部と
    は異なる位置に設けると共に、該第三のオリフィス通路
    の開口部に対して前記可撓性膜を挟んだ反対側に空気圧
    式アクチュエータを配設して、該空気圧式アクチュエー
    タで該可撓性膜を変位させて該第二のオリフィス通路の
    該平衡室への開口部に当接/離隔させることにより該第
    三のオリフィス通路を遮断/連通せしめる前記オリフィ
    ス開閉弁を構成した請求項6に記載の能動型流体封入式
    防振装置。
  8. 【請求項8】 自動車用のエンジンマウントであって、
    前記オリフィス通路を走行こもり音に対応した周波数域
    にチューニングすると共に、前記第二のオリフィス通路
    をエンジンシェイクに対応した周波数域にチューニング
    し、更に前記第三のオリフィス通路をアイドリング振動
    に対応した周波数域にチューニングした請求項6又は7
    に記載の能動型流体封入式防振装置。
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