JP2006258184A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な低動ばね特性を有して優れた防振性能を発揮することが出来ると共に、容易に原形に復元せしめられるだけの剛性を備えた可動膜を、耐久性を十分に確保しつつ実現する。
【解決手段】 外周面に嵌着金具62が固着された可動ゴム膜58の外周縁部から径方向内周側に向かって、径方向中央には至らない長さで複数本形成された補強リブ64の中央側端部を、可動ゴム膜58の径方向中央部に配設されて薄肉で湾曲形状とされた中央ゴム膜部66によって相互に連結せしめる一方、隣り合う補強リブ64の周方向間に薄肉の可撓性ゴム膜部60を形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防振対象部材と振動部材を防振連結せしめる流体封入式防振装置に係り、特に、液圧吸収機構としての可動膜を有する流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体として、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結した防振ゴムが各種分野に広く採用されているが、このような防振ゴムの一種として、より優れた防振効果を得るために、封入した非圧縮性流体の共振作用等の流動作用を利用するようにした流体封入式防振装置が提案されている。かかる防振装置は、一般に、それら防振対象部材と振動部材の各一方に取り付けられる第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体によって相互に連結せしめる一方、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、変形容易とされた可撓性膜で壁部の一部が構成されて容積変化が許容される平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室に非圧縮性流体を封入すると共に、両室を相互に連通させるオリフィス通路を設けた流体封入式防振装置が知られている。
しかしながら、このような流体封入式防振装置においては、予めオリフィス通路がチューニングされた周波数域において高い防振性能を実現することが出来る一方、チューニング周波数域よりも高い周波数域の振動に対してはオリフィス通路が実質的に閉塞状態となって著しい高動ばね化を招くため十分な防振性能を発揮せしめることが困難であった。
そこで、オリフィス通路がチューニングされた周波数域よりも高い周波数の振動に対処するために、可撓性の可動ゴム膜を受圧室又はオリフィス通路を通じて受圧室に連通された中間室に配設した流体封入式防振装置が提案されている。このような流体封入式防振装置においては、可動ゴム膜の弾性変形によって中乃至高周波数の振動による液圧変動を吸収することにより、オリフィス通路のチューニング周波数域よりも高い周波数域の振動に対処することが出来るのである。
ところが、可動ゴム膜を配設した流体封入式防振装置においては、オリフィス通路が予めチューニングされた周波数域の振動の入力時にも受圧室内に惹起された圧力変動が可動ゴム膜の弾性変形によって吸収されてしまうおそれがあり、オリフィス通路を通じての流体流動に基づく防振性能を低下させてしまう可能性が指摘されていたのである。
このような問題を解決するべく、特許文献1(特開平11−264436)に開示されているように、可動ゴム膜(可動ゴム板)の一方の面を非圧縮性流体が封入された受圧室或いは中間室内に位置せしめると共に、他方の面を空気室内に位置せしめて、該空気室内の圧力を外部から制御することにより、可動ゴム膜の弾性変形を制御する空気圧式能動型防振装置が提案されている。
具体的には、例えば、予めオリフィス通路がチューニングされた周波数域の振動が入力された場合には、空気室に負圧を作用せしめて可動ゴム膜を吸引し、その弾性変形乃至は変位を阻止する一方、予めオリフィス通路がチューニングされた周波数域よりも高い周波数の振動が入力された場合には、空気室を略大気圧に維持して可動ゴム膜の変形乃至は変位を許容して振動入力に伴う液圧を吸収させることが可能となっている。
ところが、本発明者が検討を加えた所、このような可動ゴム膜を採用することによる新たな問題点の存在が明らかとなったのである。即ち、可動ゴム膜の要求特性に応じて低動ばね化を図るために可動ゴム膜を十分に柔軟にすると弾性力が不足して、負圧による吸引を解除した後も吸引前の形状に復元せず、所期の性能を発揮できないおそれがある。
また、上述の如き流体封入式防振装置が自動車などに採用される場合には、空気室の圧力の制御手段として一般的に内燃機関の吸気系統が利用されるが、内燃機関の吸気管路内には燃焼室側から逆流したガソリンやオイルが存在しているため、かかるガソリンやオイルが流体封入式防振装置の空気室に流入するおそれがある。それ故、該空気室の壁部の一部を構成する可動ゴム膜には耐油性が求められることとなり、かかる耐油性に対する要求を満たすために水素を添加したアクリロニトリル・ブタジエンゴム等を可動ゴム膜の材料として採用することが望ましい。しかしながら、このような材料によって形成された可動ゴム膜は比較的硬く、要求されるばね特性を付与しようとすると十分な耐久性を確保できる膜厚さを満足することが困難であった。
一方、可動ゴム膜の耐油性と耐久性を確保するために上述の如き材料を用いて十分に厚肉とすると、可動ゴム膜の剛性が高くなって要求される低ばね特性を満たすことが困難となるだけでなく、柔軟性が低下するため負圧吸引による弾性変形を繰り返すことにより破断等の損傷を生じるおそれがあり、剛性,耐油性,耐久性を十分な可撓性と併せて実現できる可動ゴム膜を備えた流体封入式防振装置が切望されていたのである。
特開平11−264436
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、十分な低動ばね特性を有して優れた防振性能を発揮することが出来ると共に、容易に原形に復元せしめられるだけの復元力を備えた可動膜を、耐久性を確保しつつ実現することを目的とする。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
(本発明の第一の態様)
すなわち、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置の第一の態様は、パワーユニット側部材と車両ボデー側部材の一方に取り付けられる第一の取付部材と他方に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性的に連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成される主液室と壁部の一部が可撓性膜によって構成される副液室を該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら主液室と副液室に非圧縮性流体を封入すると共に、該主液室と該副液室を相互に連通せしめるオリフィス通路を設ける一方、該主液室の壁部の一部を弾性ゴム膜によって構成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該主液室と反対側に形成された圧力作用室に対して負圧を作用せしめることにより該弾性ゴム膜の剛性を変化せしめることが可能とされた流体封入式防振装置において、前記弾性ゴム膜を略円板形状として外周面に固定スリーブを加硫接着し、該固定スリーブを前記仕切部材に固着することにより該仕切部材と該弾性ゴム膜の間に前記圧力作用室を形成する一方、該弾性ゴム膜において、外周縁部から中央までは至らない長さで半径方向に延びる厚肉の補強リブを周方向で互いに独立して複数本形成して、それら複数本の補強リブにおいて互いに周方向で隣り合う二つの前記補強リブ間に位置する領域を薄肉のゴム弾性体によって形成された薄肉部とすると共に、それら複数本の補強リブの先端部間に位置する該弾性ゴム膜の中央部分を該補強リブよりも薄肉で該圧力作用室側に凸となる中央湾曲部としたことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、弾性ゴム膜の一部に薄肉のゴム弾性体によって形成されて可撓性を有する薄肉部と中央湾曲部を形成すると共に、弾性ゴム膜の他の一部に厚肉とされた補強リブを形成したことにより、圧力作用室内が略大気圧とされている場合には、薄肉部や中央湾曲部の弾性変形によって有効に液圧吸収効果を得ることが出来る一方、圧力作用室に負圧が作用せしめられて弾性ゴム膜が圧力作用室側に吸引されて拘束される場合には、補強リブによって十分に薄肉とされた薄肉部や中央湾曲部の圧力作用室側への過剰な引き込みが効果的に防止されて、過大な弾性変形による弾性ゴム膜の破損等が有利に回避されることにより、弾性ゴム膜の耐久性向上を実現できる。
しかも、補強リブの外周側端部が固定スリーブに固着されて支持されている一方、複数本形成された補強リブの径方向中央側が相互に離隔せしめられており、薄肉の中央湾曲部によって相互に接続されていることにより、補強リブが片持ち梁の如き態様で支持されており、径方向中央側端部においては、比較的容易に変位せしめられるようになっている。それ故、弾性ゴム膜に補強リブを形成することによっても薄肉部や中央湾曲部の弾性変形が阻害されることなく実現されて、液圧吸収効果を十分に発揮せしめることが出来るのである。
また、負圧解除時には、弾性ゴム膜に対して素早く原形に復帰できるだけの復元力が求められるが、かかる復元力を補強リブによって有利に得ることが出来る。即ち、補強リブが片持ち梁状とされているため負圧吸引時には湾曲変形せしめられるが、負圧が解除されると薄肉部などに比して高い剛性を有する補強リブは直ちに原形に復帰しようとする。ここで、補強リブは薄肉部や中央湾曲部に接続されているため、補強リブが元の形状に復元されるのに伴って薄肉部や中央湾曲部も負圧吸引前の状態に容易に復元されることとなる。これにより、弾性ゴム膜の可撓性を有する部分である薄肉部や中央湾曲部には復元力が殆ど要求されず、かかる復元力を得るために厚さ寸法を確保する必要がないため、十分に薄肉化して可撓性を向上せしめることが出来る。それ故、薄肉部や中央湾曲部の材料として水素を添加したアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等の耐油性に優れたゴム材料を、そのゴム硬度が比較的高い場合にも薄肉化して可撓性を高めることにより有利に採用することが可能となって、高い耐油性と可撓性を両立した優れた弾性ゴム膜を実現することが可能となる。
さらに、中央湾曲部が圧力作用室側に凸とされた湾曲形状を有していることにより、補強リブに比して変形容易とされた中央湾曲部が負圧吸引時に速やかに弾性変形せしめられて、かかる中央湾曲部の弾性変形に伴って補強リブの先端部が圧力作用室側に引き込まれることとなるため、補強リブが十分に弾性変形せしめられて、負圧解除時に補強リブの反発力によって弾性ゴム膜が直ちに元の形状に復元せしめられる。それ故、圧力作用室内の圧力を制御することにより、弾性ゴム膜の膜剛性を迅速に切り換えることが出来て、有利に防振性能を発揮せしめることが可能となる。
(本発明の第二の態様)
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る流体封入式防振装置において、前記弾性ゴム膜において、互いに周方向で隣り合う二つの前記補強リブ間に位置する領域の略中央部分を厚肉として、薄肉部で囲まれた中央厚肉部を形成したことを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、中央厚肉部を形成することにより、過大な弾性変形を生じ易い薄肉部の中央部における弾性変形を規制して、圧力作用室側への過剰な引き込みを効果的に防ぐことが出来る。更に、中央厚肉部の形成によって薄肉部は中央厚肉部の周囲を取り囲むように形成されることとなり、中央厚肉部と弾性ゴム膜の外周縁部及び補強リブといった厚肉とされている部分の間に挟み込まれるように薄肉部が形成されることとなるため、効果的に過大な弾性変形を阻止することが出来る。
特に、中央厚肉部が圧力作用室に負圧を導入するための開口上に位置せしめられている場合には、中央厚肉部が薄肉部に比して十分に厚肉とされて、容易に弾性変形せしめられないようにされていることにより、弾性ゴム膜が該開口内に引き込まれることを有利に防ぐことが出来る。
(本発明の第三の態様)
また、本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係る流体封入式防振装置において、前記補強リブが、前記弾性ゴム膜の外周縁部から中央に向かって略一定の肉厚で前記受圧室側に傾斜して形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、予め補強リブを受圧室側に傾斜せしめることにより、弾性ゴム膜に対する圧力作用室側への負圧吸引の解除時における復元力をより有利に得ることが可能となって、弾性ゴム膜の膜剛性の迅速な制御を安定して行うことが出来る。
(本発明の第四の態様)
また、本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記圧力作用室に開口する空気圧通路が形成されていると共に、該空気圧通路を通じて該圧力作用室に大気圧と負圧を選択的に作用せしめる空気圧制御手段が設けられていることを、特徴とする。
(本発明の第五の態様)
また、本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記オリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
(本発明の第六の態様)
また、本発明の第六の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、前記仕切部材が第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材を挟んだ両側に前記主液室と前記副液室を形成すると共に、該第二の仕切部材によって該主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜によって構成される中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により該主液室が構成されていると共に、該副液室が壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室により構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と該受圧室と該中間室を連通する第二のオリフィス通路が形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、より広い周波数域に対して一層有利に防振性能を発揮せしめることが可能となる。
(本発明の第七の態様)
また、本発明の第七の態様は、前記第六の態様に係る流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記第一の仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該第一の仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該圧力作用室と反対側に前記第二の仕切部材を配設し、更に該第一の仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第一のオリフィス通路を形成する一方、該第二の仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
(本発明の第八の態様)
また、本発明の第八の態様は、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る流体封入式防振装置において、変位乃至は変形が制限された可動部材で前記主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴う圧力変動が直接に生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜で構成されて振動入力時に該受圧室の圧力が該可動部材を介して及ぼされることによって圧力変動が生ぜしめられる中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により前記主液室が構成されていると共に、壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に共用される平衡室が形成されて、該平衡室により前記副液室が構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と、該中間室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路が形成されていることを、特徴とする。
このような本態様に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、低乃至高周波数域の振動に対してより高度な防振性能を発揮せしめることが可能となる。
(本発明の第九の態様)
また、本発明の第九の態様は、前記第八の態様に係る流体封入式防振装置において、前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該圧力作用室と反対側に前記可動部材を配設し、更にそれら弾性ゴム膜と可動部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路を形成したことを、特徴とする。
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置にあっては、弾性ゴム膜の耐久性を十分に確保しつつ、弾性ゴム膜を十分に薄肉とすることにより優れた可撓性を付与することが出来て、弾性ゴム膜の弾性変形による液圧吸収やオリフィス通路を流動せしめられる流体の共振作用等に基づく防振効果をより有利に得ることが出来ると共に、弾性ゴム膜に十分なる復元力を付与することが出来て、圧力作用室に作用せしめられる負圧により弾性ゴム膜の膜剛性を迅速且つ確実に制御することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。このエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされている。また、エンジンマウント10は、第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられる一方、第二の取付金具14がボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットをボデーに対して、他の図示しないエンジンマウント等と協働して防振支持せしめるようになっている。かかる装着状態下、エンジンマウント10には、パワーユニットの分担荷重の入力により本体ゴム弾性体16が弾性変形することに伴って、第一の取付金具12と第二の取付金具14が図1中の上下方向に所定量だけ接近して相対変位せしめられると共に、防振すべき主たる振動が、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に対して、図1中の略上下方向に入力されることとなる。なお、本実施形態のエンジンマウント10は、その装着状態下で、図1に示すように、マウント中心軸(第一及び第二の取付金具12,14の中心軸)が略鉛直方向とされることから、以下の説明中において、特に断りのない限り、図1中の上下方向を、上下方向とする。
より詳細には、第一の取付金具12は、略円形のブロック形状を有しており、中心軸上には、上方に向かって延び出す固定ボルト18が形成されている。かかる固定ボルト18が、図示しないパワーユニットにおけるブラケット等の取付部材に形成された図示しないボルト穴に対して螺着されることによって、第一の取付金具12がパワーユニット側に固定されるようになっている。
また、第二の取付金具14は、大径の略薄肉円筒形状を有しており、半径方向の一方向において、軸直角方向に貫通して空気圧導入孔20が形成されている。また、その上端部が径方向外方に向かって広がるフランジ部22とされている。このフランジ部22の下面に略円板形状とされた連結金具24の上面内周側が重ね合わせられて溶着固定されている。かかる連結金具24には、周方向の複数箇所にボルト孔26が形成されており、図示しないブラケット金具に第二の取付金具14が圧入されると共に、該ブラケット金具に対して連結金具24が同じく図示しないボルトによって固定されることにより第二の取付金具14がブラケット金具に対して取り付けられるようになっている。
そして、第二の取付金具14は、図示しない筒状のブラケット金具に組み付けられると共に、該ブラケット金具が車両ボデーに取り付けられること等によって、車両ボデー側に固定されるようになっている。また、第二の取付金具14の略中心軸上で大径部24の上方に離隔して、第一の取付金具12が位置せしめられていると共に、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、大径の略円錐台形状を有していると共に、大径側端面に開口する略逆すり鉢形状の大径凹所28を備えている。第一の取付金具12は、本体ゴム弾性体16の小径側端面から軸方向下方に差し込まれた状態で、本体ゴム弾性体16と同一中心軸上に配されて加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面が、第二の取付金具14の上端部の内周面に加硫接着されている。要するに、本体ゴム弾性体16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されている。これにより、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、防振すべき振動の主たる入力方向に延びる略同一の中心軸上に位置するようにして、互いに離隔して配設されており、本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。また、第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16に固着されていることにより、第二の取付金具14の一方(図1中、上)の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。また、第二の取付金具14の軸方向中間部から軸方向下端部の内周面には、本体ゴム弾性体16と一体形成されたシールゴム層30が略全面に亘って被着されている。
一方、第二の取付金具14の他方(図1中、下)の開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム32が組み付けられている。ダイヤフラム32は、中央部分に十分な弛みをもたせて変形容易とした薄肉の略円板形状のゴム弾性膜によって構成されている。更に、ダイヤフラム32の外周縁部には、大径の略円環形状とされた固定金具34が加硫接着されている。固定金具34はその内周面にダイヤフラム32の外周縁部が被着せしめられている一方、その外周面が第二の取付金具14の下端部内周面に重ね合わせられた状態で第二の取付金具14に対して八方絞り等の縮径加工が施されることによりシールゴム層30を介して第二の取付金具14に固定されており、ダイヤフラム32が第二の取付金具14に対して組み付けられている。
これにより、本体ゴム弾性体16とダイヤフラム32の対向面間の領域が外部空間に対して密閉されており、かかる領域に非圧縮性流体が封入されることによって、流体封入領域が画成されている。なお、該流体封入領域に封入される流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。また、非圧縮性流体の封入は、例えば第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対するダイヤフラム32や後述する仕切部材36の組み付けを非圧縮性流体中で行うこと等によって実現される。
さらに、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品には、第二の取付金具14に対して仕切部材36が組み付けられている。仕切部材36は、厚肉の略円板形状を有する第一の仕切部材としての仕切金具本体38と第二の仕切部材としての蓋金具40を含んで構成されている。
仕切金具本体38は、厚肉の略円板形状を有しており、本実施形態においては、アルミニウム合金等の金属材によって形成されている。また、その上面の径方向中央部分には位置決め凹所42が形成されている。かかる位置決め凹所42は、上方に向かって開口する大径の円形凹所であって、かかる位置決め凹所42に蓋金具40が嵌め込まれている。蓋金具40は、仕切金具本体38に比して薄肉とされた略円板形状を有する金属材によって形成されており、仕切金具本体38に形成された位置決め凹所42に圧入されて固定されている。
そして、これら仕切金具本体38と蓋金具40が軸方向で重ね合わせられて一体的に第二の取付金具14に内挿されると共に、第二の取付金具14に八方絞り等の縮径加工が施されることにより、仕切部材36が軸直角方向に拡がるようにして第二の取付金具14に固定されており、仕切金具本体38の外周面が第二の取付金具14の内周面に被着されたシールゴム層30を介して第二の取付金具14の内周面に流体密に重ね合わせられている。また、ダイヤフラム32の外周縁部に固着された固定金具34の上面が仕切金具本体38の下面外周縁部に重ね合わせられることにより、仕切部材36とダイヤフラム32が軸方向で相対的に位置決めされている。
これにより、流体封入領域は、その内部に仕切部材36が軸直角方向に拡がるように配設されていることによって上下に二分されている。これに伴い、仕切部材36を挟んだ軸方向一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間への振動入力時に、本体ゴム弾性体16の弾性変形に伴って圧力変動が生ぜしめられる受圧室44が形成されている。一方、仕切部材36を挟んだ軸方向他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム32で構成されて、該ダイヤフラム32の弾性変形に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室46が形成されている。なお、仕切金具本体38の下端面には、中央部分において下方に向かって開口する底面凹所48が形成されており、平衡室46の容積が底面凹所48で有利に確保されるようになっている。
また、仕切金具本体38の外周面には、周方向に所定の長さで延びる蛇行形状の周溝50が形成されている。この周溝50が、仕切金具本体38の外周面が第二の取付金具14の内周面に被着されたシールゴム層30を介して第二の取付金具14に流体密に覆蓋されていることによって、第一のオリフィス通路52を構成する流体流路が形成されている。
さらに、第一のオリフィス通路52を構成する流体流路の一方の端部が、蓋金具40の外周部分を軸方向に貫通して形成された図示しない受圧室側開口部と、仕切金具本体38の上端部に貫設されて該受圧室側開口部と位置合せされた図示しない受圧室側連通孔とを通じて、受圧室44に接続されている。また、該流体流路の他方の端部が、仕切金具本体38の下端部に貫設された図示しない平衡室側連通孔を通じて平衡室46に接続されている。これにより、該流体流路を含んでなる第一のオリフィス通路52によって、受圧室44と平衡室46が相互に接続されており、それら両室44,46間で、第一のオリフィス通路52を通じての流体流動が許容されるようになっている。要するに、第一のオリフィス通路52が、受圧室44と平衡室46の間に跨って形成されているのである。
さらに、第一のオリフィス通路52を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。
また、仕切金具本体38の上面に形成された位置決め凹所42の径方向中央部分には、位置決め凹所42に比して小径の凹所である中央凹所54が形成されている。かかる中央凹所54は、略円形の凹所であって、その外周縁部の底面が僅かに掘り下げられており、他の部位に比して深さ寸法が僅かに大きくされた固定溝56が形成されている。
そして、中央凹所54には、弾性ゴム膜としての可動ゴム膜58が配設されている。可動ゴム膜58は、図2に示されているように、全体として略円板形状とされており、僅かではあるが径方向中央側に向かって次第に軸方向上方に位置するようにされたテーパ状とされている。
より詳細には、可動ゴム膜58は、図2,図3に示されているように、薄肉部としての可撓性ゴム膜部60を有している。可撓性ゴム膜部60は、薄肉の円形ゴム膜であって、その外周縁部が略円環形状とされた固定スリーブとしての嵌着金具62の内周面に対して被着せしめられている。
また、可動ゴム膜58の互いに直交する径方向二方向において、各径方向でそれぞれ二本ずつ合計四本の補強リブ64が可撓性ゴム膜部60と一体的に形成されている。かかる補強リブ64は、可撓性ゴム膜部60に比して十分に厚肉とされており、可動ゴム膜58の径方向外周縁部から径方向内方に向かって延びていると共に、径方向中央までは至らない長さで形成されている。要するに、径方向一方向において、二本の補強リブ64が中央部分を挟んで相互に離隔して配置されている。また、補強リブ64は、テーパ状とされた可動ゴム膜58のテーパ面に沿って傾斜しており、その長手方向である径方向で傾斜している。特に本実施形態においては、補強リブ64は、その径方向中央側が軸方向上方に持ち上げられるように傾斜せしめられており、その上面と下面が互いに略同一の傾斜角度で傾斜せしめられている。更に、本実施形態では、補強リブ64は、略一定の傾斜角度をもって傾斜せしめられており、全長に亘って略同一断面で略直線的に延びて形成されている。
また、可動ゴム膜58の径方向中央部に形成された可撓性ゴム膜部60が、軸方向一方(図1中、下)に凸となるように湾曲せしめられた中央湾曲部としての中央ゴム膜部66とされている。この中央ゴム膜部66によって径方向中央部分で離隔せしめられた補強リブ64が相互に連結せしめられている。
また、周方向で隣り合う補強リブ64の周方向間に形成されて略扇形とされた可撓性ゴム膜部60には、その略中央部に可撓性ゴム膜部60に比して十分に厚肉とされた中央厚肉部としての吸引阻止部68が形成されている。かかる吸引阻止部68は、補強リブ64,可動ゴム膜58の外周縁部,中央ゴム膜部66の何れからも離隔して形成されている。要するに、吸引阻止部68は、全周に亘って可撓性ゴム膜部60によって囲まれるように形成されている。特に本実施形態においては、可撓性ゴム膜部60の略中央に吸引阻止部68が形成されることにより、可撓性ゴム膜部60が吸引阻止部68の周囲を取り囲むように延びる溝状の領域に形成されている。
このようにして構成された可動ゴム膜58は、仕切金具本体38に形成された中央凹所54に嵌着金具62が圧入されると共に、中央凹所54の底面外周縁部に形成された固定溝56に嵌着金具62が嵌め付けられることにより仕切部材36に対して固定的に組み付けられている。
また、可動ゴム膜58の上方に位置する蓋金具40の中央部分には、下方に向かって次第に拡径せしめられて開口する略逆すり鉢形状の上側凹所70が形成されている。更に、上側凹所70の開口部が蓋金具40と軸方向で重ね合わせられた仕切金具本体38で覆蓋されることにより、上側凹所70と可動ゴム膜58の対向面間において流体密な中間室72が形成されている。これにより、本実施形態における主液室が受圧室44と中間室72を含んで構成されていると共に、本実施形態における副液室が平衡室46を含んで構成されている。
なお、本実施形態において、可動ゴム膜58を構成する補強リブ64は、可動ゴム膜58の径方向中央側が次第に中間室72側に向かって延び出すように傾斜せしめられており、可動ゴム膜58が、全体としてその径方向中央側が次第に中間室72側に突出するテーパ形状を有している。
また、蓋金具40の外周部分には、周方向に所定の長さで延びる周溝74が下方に向かって開口して形成されている。更に、周溝74の開口部が仕切金具本体38で流体密に覆蓋されることにより、第二のオリフィス通路76を構成する流体流路が形成されている。
更にまた、第二のオリフィス通路76を構成する流体流路の一方の端部が、蓋金具40を軸方向に貫通して形成された図示しない受圧室側連通孔を通じて、受圧室44に接続されている一方、該流体流路の他方の端部が、周溝74の側壁を貫通して径方向内方に向かって延びる中間室側連通孔78を通じて、中間室72に接続されている。これにより、該流体流路を含んでなる第二のオリフィス通路76によって、受圧室44と中間室72が相互に接続されており、それら両室44,46間で、第二のオリフィス通路76を通じての流体流動が許容されるようになっている。要するに、第二のオリフィス通路76が、受圧室44と中間室72の間に跨って形成されているのである。なお、本実施形態に係るオリフィス通路は、第一のオリフィス通路52と第二のオリフィス通路76を含んで構成されている。
さらに、第二のオリフィス通路76を流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてアイドリング振動等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域にチューニングされている。これにより、第二のオリフィス通路76が、第一のオリフィス通路52よりも高周波数域にチューニングされていると共に、中周波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路76を流動せしめられる流体の共振作用に基づいて有効な防振効果(低動ばねによる振動絶縁効果)が発揮されるようになっている。
なお、第一及び第二のオリフィス通路52,76のチューニングは、例えば、受圧室44や平衡室46,中間室72の各壁ばね剛性(単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する特性値)等を考慮しつつ、それぞれのオリフィス通路52,76の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路52,76を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路52,76のチューニング周波数として把握することが出来る。
一方、可動ゴム膜58の下方には、仕切金具本体38に形成された中央凹所54の中央部分に開口する略すり鉢形状の下側凹所80が形成されている。この下側凹所80の開口部が可動ゴム膜58によって覆われていることにより、下側凹所80と可動ゴム膜58の対向面間に流体密な圧力作用室としての作用空気室82が形成されている。
また、仕切金具本体38には、空気通路84が形成されており、空気通路84の一方の端部が作用空気室82に接続されていると共に、他方の端部が、仕切金具本体38の外周面に形成されて、第二の取付金具14の周壁を貫通して形成された空気圧導入孔20を通じて外部に露出されたポート部86に開口せしめられている。そして、マウントの車両への装着状態では、ポート部86に対して空気管路88が接続されることにより、空気管路88から空気通路84を通じて作用空気室82の圧力を外部から調節することができるようになっている。なお、本実施形態に係る空気圧通路は、空気通路84や空気管路88を含んで構成されている。
さらに、空気管路88は一方の端部が上述の如くポート部86に接続されている一方、他方の端部が切換バルブ90に接続されており、空気管路88を通じて、作用空気室82が切換バルブ90に接続されている。この切換バルブ90は、例えば電磁バルブ等によって構成されており、作用空気室82を、大気中と所定の負圧源とに択一的に連通せしめるようになっている。そして、切換バルブ90を、自動車の走行状態等に応じて適当に切換制御することにより、エンジンマウント10において、各種条件下で入力される振動に対して有効な防振効果を得ることが出来る。
また、切換バルブ90は、図示しない制御装置と接続されている。この制御装置においては、自動車に備えられた各種センサ等から、自動車の速度やエンジン回転数、減速機選択位置、スロットル開度など、自動車の状態を表す各種情報のうち、必要なものが入力されるようになっており、かかる情報に基づいて、予め設定されたプログラムに従って、マイクロコンピュータのソフトウエア等により、切換バルブ90を切換作動させるようになっている。なお、上述の説明からも明らかなように、本実施形態では、作用空気室82の圧力を外部から調節する空気圧制御手段が、切換バルブ90や制御装置を含んで構成されている。
ここにおいて、このような構造とされたエンジンマウント10における具体的な作動態様の一つを示す。なお、防振すべき振動としては、(1)低周波大振幅振動であるエンジンシェイク,(2)中周波中振幅振動であるアイドリング振動の2種類の振動を考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(1)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、低周波数域にチューニングされている第一のオリフィス通路52を通じて、受圧室44と平衡室46の間で積極的に流体の流動が生ぜしめられることとなる。
一方、作用空気室82には負圧が導入されて、可動ゴム膜58が作用空気室82側に引き込まれて拘束される。以下に、作用空気室82への負圧導入時における可動ゴム膜58の変形について詳述する。
本実施形態に従う構造とされた可動ゴム膜58では、作用空気室に対して負圧が作用せしめられて可動ゴム膜58が吸引される場合に、まず、薄肉のゴム膜によって形成された可撓性ゴム膜部60と中央ゴム膜部66が容易に弾性変形せしめられて負圧によって吸引される。この時、可撓性ゴム膜部60の略中央に形成されて、周囲を可撓性ゴム膜部60によって囲まれている吸引阻止部68は、可撓性ゴム膜部60に比して厚肉とされており、可撓性ゴム膜部60に比べて弾性変形し難いため、負圧吸引時においても殆ど弾性変形することなく、周囲を取り囲む可撓性ゴム膜部60の弾性変形に伴って軸方向に変位せしめられることとなる。このように容易に弾性変形せしめられる可撓性ゴム膜部60の略中央部に、比較的弾性変形し難い吸引阻止部68を形成したことにより、可撓性ゴム膜部60が空気通路84の作用空気室82側の開口部に必要以上に吸引されることを防ぐことが可能となっている。また、中央ゴム膜部66は、その外周部分の複数箇所(本実施形態では4箇所)が吸引阻止部68と同程度に厚肉とされた補強リブ64の径方向中央側の端部に連結されている。これにより、可撓性ゴム膜部60と同程度に薄肉のゴム膜によって形成されている中央ゴム膜部66が比較的弾性変形を生じ難い補強リブ64によって支持されることとなって、可動ゴム膜58が必要以上に弾性変形せしめられることにより空気通路84の作用空気室82側の開口内に引き込まれることを防止することが出来る。
そして、可撓性ゴム膜部60と中央ゴム膜部66が許容される限界量だけ弾性変形せしめられると、次に、比較的厚肉とされている補強リブ64が弾性変形せしめられる。即ち、補強リブ64は、径方向中央部で相互に離隔して配設された片持ち梁状の形態とされているため、径方向中央側は軸方向に比較的変位し易くされており、負圧吸引されることにより湾曲変形せしめられることとなる。しかも、中央ゴム膜部66が作用空気室82側に凸とされた湾曲形状を有しているため、負圧によって中央ゴム膜部66が作用空気室82側に吸引されると、補強リブ64の径方向中央側が中央ゴム膜部66の作用空気室82側への変位に伴って作用空気室82側へ引き込まれることとなり、補強リブ64の弾性変形が促進されることとなる。なお、補強リブ64は所定量だけ作用空気室82側へ吸引されて弾性変形せしめられるが、中央ゴム膜部66や可撓性ゴム膜部60のようには容易に変形せしめられるものではなく、補強リブ64の剛性によって可動ゴム膜58に適度な剛性が付与されている。
このように可動ゴム膜58が作用空気室内に導入される負圧によって吸引されて、自由に弾性変形せしめられないように拘束されることにより、中間室72の壁面の一部を構成する可動ゴム膜58のばね定数が大きくなって、中間室72の壁ばね剛性が大きくなる。それ故、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、第二のオリフィス通路76を通じての受圧室44と中間室72の間での流体流動が阻害されることとなり、第二のオリフィス通路76が実質的に閉塞状態とされるため、受圧室44内に惹起される圧力変動が第二のオリフィス通路76における流体の共振作用や可動ゴム膜58による液圧吸収によって逃されることがない。従って、第一のオリフィス通路52を通じての受圧室44と平衡室46の間での流体流動量が有利に確保されることとなり、エンジンシェイク等の低周波数域の振動にチューニングされた第一のオリフィス通路52を流動せしめられる流体の共振作用に基づく振動減衰効果を有効に得ることが出来る。
(2)アイドリング振動に対する防振効果
アイドリング振動等の中周波中振幅振動の入力時には、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路52は、反共振的な作用によって流体の流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。
一方、中周波中振幅振動の入力に際しては、作用空気室82が空気通路84を通じて大気中に開放されることにより、可動ゴム膜58が拘束されることなく弾性変形が可能とされて、中間室72における容積変化が容易に許容される。それ故、受圧室44に惹起される圧力変動によって、受圧室44と中間室72の間に相対的な圧力変動が生ぜしめられて、中周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路76を通じての流体流動が生じることとなる。従って、第二のオリフィス通路76を通じて受圧室44と中間室72との間で流動せしめられる流体の共振作用に基づく振動絶縁効果が有効に発揮され得るのである。
なお、作用空気室82に対して負圧が作用せしめられて可動ゴム膜58が拘束された状態から、作用空気室が大気中に開放されて負圧が解消された場合には、可撓性ゴム膜部60や中央ゴム膜部66は、十分に薄肉とされているため、復元力が小さく、即座に元の形状に戻ることが難しいが、本実施形態に従う構造とされた可動ゴム膜58では、比較的大きな復元力を有する補強リブ64が負圧によって湾曲変形せしめられていた状態から元の形状に即座に復帰しようとする。ここで、補強リブ64は、その周方向両側に可撓性ゴム膜部60が一体形成されていると共に、その径方向中央側に中央ゴム膜部66が一体形成されている。それ故、補強リブ64の原形への素早い復元によって、可撓性ゴム膜部60及び中央ゴム膜部66も直ちに元の形状に復帰することが出来て、入力振動の周波数等に応じて迅速に可動ゴム膜58の膜剛性を切換制御することが可能とされている。
このような本実施形態に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、可動ゴム膜58が可撓性ゴム膜部60や中央ゴム膜部66といった薄肉部を有して形成されていることにより、可動ゴム膜58に十分な可撓性が付与されており、作用空気室82に大気圧が導入されている場合には、容易に弾性変形せしめられて、中間室72の圧力変動を有効に吸収することが出来る。
また、可動ゴム膜58に厚肉とされた補強リブ64を径方向で延びるように形成したことにより、薄肉で弾性変形容易に形成される可動ゴム膜58にある程度の剛性を付与して、必要以上に弾性変形せしめられることを防ぐことによる可動ゴム膜58の耐久性の向上や、負圧や大気圧の導入口である空気通路84の作用空気室82側の開口への弾性ゴム膜の引き込みを阻止することによる作動の安定化等を図ることが出来る。しかも、補強リブ64の径方向中央部分が互いに離隔せしめられて、それらの補強リブ64の径方向中央側端部が中央ゴム膜部66に接合されており、かかる中央ゴム膜部66を挟んで各補強リブ64の中央側端部が相互に連結されていると共に、補強リブ64の周方向両側には可撓性ゴム膜部60が一体的に形成されている。即ち、補強リブ64は可動ゴム膜58において片持ち梁の如き状態で形成されており、径方向中央側が比較的容易に変位せしめられて補強リブ64が湾曲変形せしめられるようになっている。それ故、比較的高い剛性を備えた補強リブ64を形成することによっても可動ゴム膜58の弾性変形が必要以上に阻害されることはなく、所期の性能を十分に発揮せしめることが出来る。
さらに、可撓性ゴム膜部60や中央ゴム膜部66といった可撓性を有する薄肉の膜が何れも補強リブ64に接合されて一体的に形成されている。それ故、負圧吸引時における作用空気室82側への必要以上の引き込みを効果的に防ぐことが出来ると共に、負圧解除時の元の形状への復元力を補強リブ64によって有利に得ることが出来て、負圧が解除された場合には、素早く原形に復帰することが出来て、迅速且つ確実に可動ゴム膜58の膜剛性の切換えを実現することが出来る。
更にまた、補強リブ64の周方向間に配設された可撓性ゴム膜部60の略中央部分に吸引阻止部68を形成したことにより、可撓性ゴム膜部60が吸引阻止部68の周囲を取り囲む狭い領域にのみ形成されている。それ故、可撓性ゴム膜部60の補強リブ64からの距離が遠い位置である中央部分における過大な弾性変形が効果的に阻止されて、可撓性ゴム膜部60の破損等を回避することが出来る。
また、補強リブ64によって可動ゴム膜58に求められる剛性や復元力が付与されていると共に、補強リブ64と吸引阻止部68によって可撓性ゴム膜部60や中央ゴム膜部66の必要以上の弾性変形が規制されてことにより、生じる弾性変形の程度や復元力の大きさ等を確保するための厚さ寸法の制限を軽減乃至は回避することが出来て、可撓性ゴム膜部60や中央ゴム膜部66を要求される可撓性に応じて十分に薄肉とすることが出来る。それ故、可動ゴム膜58の材料として、ゴム硬度の高さから使用することが困難であった耐油性に優れたゴム材料を可動ゴム膜58の材料として採用することが可能となって、高い耐油性と十分な可撓性,耐久性、更には復元力を兼ね備えた優れた可動ゴム膜58を実現することが出来るのである。
次に、図4には、本発明の第二の実施形態としてのエンジンマウント92が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と実質的に同一の部材乃至は部位については、図中に同一の符号を付すことにより説明を省略する。
すなわち、本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント92においては、前記第一の実施形態における蓋金具40が採用されておらず、それに伴って蓋金具40によってその一部が構成されていた中間室72及び第二のオリフィス通路76が形成されていない。そして、可動ゴム膜58は、一方の面が前記第一の実施形態と同様に作用空気室82に面していると共に、他方の面が受圧室44に面しており、受圧室44の壁部の一部が可動ゴム膜58によって構成されている。また、蓋金具40が取り除かれていることにより、本実施形態のエンジンマウント92における仕切金具本体94の上面中央部には、蓋金具40を圧入する位置決め凹所42は形成されておらず、中央凹所96が、仕切金具本体94の上面に開口するように形成されており、前記第一の実施形態における中央凹所54に比して大きな深さ寸法を有する円形の凹所とされている。
また、本実施形態では、第一のオリフィス通路52の一方の端部が、前記第一の実施形態と同様に、平衡室側連通孔56を通じて平衡室46に連通せしめられている一方、他方の端部が仕切部材36の外周面に開口せしめられて、軸方向上方に延びる受圧室側連通溝98を通じて受圧室44に連通せしめられている。
ここにおいて、このような構造とされたエンジンマウント92における具体的な作動態様の一つを示す。なお、防振すべき振動としては、(1)低周波大振幅振動であるエンジンシェイク,(2)中乃至高周波数域の振動であるアイドリング振動や走行こもり音を入力振動として考慮することとし、各振動に対する防振効果を以下に説明する。
(1)エンジンシェイクに対する防振効果
エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、作用空気室82に負圧が導入されて、可動ゴム膜58が下側凹所80に引き込まれて拘束される。これによって、受圧室44の壁面の一部を構成する可動ゴム膜58のばね定数が大きくなって、可動ゴム膜58の弾性変形が阻止されるため、受圧室44内に惹起される圧力変動が可動ゴム膜58の弾性変形によって吸収されることを防ぐことが出来る。それ故、エンジンシェイク等の低周波大振幅振動の入力時には、受圧室44内に惹起される圧力変動が有利に確保されて、第一のオリフィス通路52を通じての受圧室44と平衡室46の間での流体流動量が有利に確保されることとなり、エンジンシェイク等の低周波数域の振動にチューニングされた第一のオリフィス通路52を流動せしめられる流体の共振作用に基づく振動減衰効果を有効に得ることが出来る。
(2)アイドリング振動や走行こもり音等に対する防振効果
第一のオリフィス通路52のチューニング周波数よりも高いアイドリング振動や走行こもり音等の中乃至高周波数域の振動入力時には、それよりも低周波数域にチューニングされた第一のオリフィス通路52は、反共振的な作用によって流体の流通抵抗が著しく大きくなって、実質的に閉塞状態とされる。一方、作用空気室82が空気通路84を通じて大気中に開放せしめられているため、可動ゴム膜58は拘束されることなく弾性変形が容易に許容された状態となっている。それ故、振動入力時に受圧室44において惹起される圧力変動が、可動ゴム膜58の弾性変形に基づいて吸収されることとなるのであり、その結果、第一のオリフィス通路52の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されて、中乃至高周波数域の振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。なお、可動ゴム膜58の剛性等を適宜に設定してチューニングすることにより、中乃至高周波数域における防振特性を調整することが可能である。
このような本実施形態に従う構造とされたエンジンマウント92においても、前記第一の実施形態に係るエンジンマウント10と同様に、可動ゴム膜58に十分な可撓性を確保して液圧吸収効果を有効に発揮せしめることが出来ると共に、過剰な引き込みによる破損を回避して耐久性を向上せしめることが可能となる一方、可動ゴム膜58に十分な復元力を付与して、作用空気室82内の圧力を制御することによる膜剛性の切換えを迅速且つ安定して実現できて、防振性能の向上を図ることが出来るのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記第一,第二の実施形態では、第一のオリフィス通路52によって受圧室44と平衡室46を相互に連通せしめると共に、第二のオリフィス通路76によって受圧室44と中間室72を相互に連通せしめた実施例を示したが、これに限定されるものではなく、第一のオリフィス通路によって受圧室と平衡室が連通せしめられると共に、第二のオリフィス通路によって中間室と平衡室が相互に連通せしめられており、受圧室と中間室が、一方の面が受圧室に位置せしめられると共に、他方の面が平衡室内に位置せしめられて、受圧室と中間室の間での相対的な圧力変動に基づいてマウント軸方向(図1,4中、上下方向)で微小変位せしめられるように配設された可動部材としての可動板による液圧の伝達によって実質的に連通せしめられているエンジンマウントにも本発明を適用することが可能である。
また、前記第一及び第二の実施形態では、互いに直交する径方向二方向に形成された4本の補強リブ64を備えた可動ゴム膜58を示したが、補強リブ64の形成数は前記実施形態の記載によって何等限定されるものではない。具体的には、図5乃至7に示されているように、三本の補強リブ64を備えた可動ゴム膜100や二本の補強リブ64を備えた可動ゴム膜102,六本の補強リブ64を備えた可動ゴム膜104なども適宜に採用され得る。
さらに、前記第一及び第二の実施形態では隣り合う補強リブ64の周方向での間に形成された可撓性ゴム膜部60の略中央部分が可撓性ゴム膜部60に比して厚肉とされた吸引阻止部68とされていたが、このような吸引阻止部68は必ずしも必要ではなく、一つも設けなくても良いし、要求される性能等に応じて一部にのみ選択的に設けても良い。
また、前記第一,第二の実施形態では、第一のオリフィス通路52と第二のオリフィス通路76は、それぞれ一つずつが形成されていたが、例えば、第一のオリフィス通路52を周方向でずれた位置に並列的に二つ以上の複数設けることも可能であるし、第二のオリフィス通路76についても同様である。
すなわち、これら第一及び第二のオリフィス通路52,76における形状や大きさ、構造、位置、数などの形態は、要求される防振特性や製作性などに応じて設定変更されるものであり、例示の如きものに限定されるものでない。
加えて、前記第一,第二の実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振マウントに対して、何れも、適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第一の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面に相当する図である。 図1における自動車用エンジンマウントの一部を構成する可動ゴム膜を示す平面説明図である。 図2に示された可動ゴム膜を示す断面説明図である。 本発明の第二の実施形態としての自動車用エンジンマウントを示す縦断面図である。 本発明の別の一実施形態における自動車用エンジンマウントの一部を構成する弾性ゴム膜を示す平面説明図である。 本発明のまた別の一実施形態における自動車用エンジンマウントの一部を構成する弾性ゴム膜を示す平面説明図である。 本発明の更に別の一実施形態における自動車用エンジンマウントの一部を構成する弾性ゴム膜を示す平面説明図である。
符号の説明
10 自動車用エンジンマウント
12 第一の取付金具
14 第二の取付金具
16 本体ゴム弾性体
38 ダイヤフラム
42 受圧室
44 平衡室
50 第一のオリフィス通路
62 弾性ゴム膜
64 可撓性ゴム膜
66 固定金具
68 補強リブ
70 中央ゴム膜
76 中間室
80 第二のオリフィス通路

Claims (9)

  1. パワーユニット側部材と車両ボデー側部材の一方に取り付けられる第一の取付部材と他方に取り付けられる第二の取付部材を本体ゴム弾性体で弾性的に連結せしめ、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成される主液室と壁部の一部が可撓性膜によって構成される副液室を該第二の取付部材で支持された仕切部材を挟んだ両側に形成して、それら主液室と副液室に非圧縮性流体を封入すると共に、該主液室と該副液室を相互に連通せしめるオリフィス通路を設ける一方、該主液室の壁部の一部を弾性ゴム膜によって構成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該主液室と反対側に形成された圧力作用室に対して負圧を作用せしめることにより該弾性ゴム膜の剛性を変化せしめることが可能とされた流体封入式防振装置において、
    前記弾性ゴム膜を略円板形状として外周面に固定スリーブを加硫接着し、該固定スリーブを前記仕切部材に固着することにより該仕切部材と該弾性ゴム膜の間に前記圧力作用室を形成する一方、該弾性ゴム膜において、外周縁部から中央までは至らない長さで半径方向に延びる厚肉の補強リブを周方向で互いに独立して複数本形成して、それら複数本の補強リブにおいて互いに周方向で隣り合う二つの前記補強リブ間に位置する領域を薄肉のゴム弾性体によって形成された薄肉部とすると共に、それら複数本の補強リブの先端部間に位置する該弾性ゴム膜の中央部分を該補強リブよりも薄肉で該圧力作用室側に凸となる中央湾曲部としたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記弾性ゴム膜において、互いに周方向で隣り合う二つの前記補強リブ間に位置する領域の略中央部分を厚肉として、薄肉部で囲まれた中央厚肉部を形成した請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記補強リブが、前記弾性ゴム膜の外周縁部から中央に向かって略一定の肉厚で前記受圧室側に傾斜して形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記圧力作用室に開口する空気圧通路が形成されていると共に、該空気圧通路を通じて該圧力作用室に大気圧と負圧を選択的に作用せしめる空気圧制御手段が設けられている請求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記オリフィス通路を形成した請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記仕切部材が第一の仕切部材と第二の仕切部材を含んで構成されており、該第一の仕切部材を挟んだ両側に前記主液室と前記副液室を形成すると共に、該第二の仕切部材によって該主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体によって構成されて振動入力時に圧力変動が生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜によって構成される中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により該主液室が構成されていると共に、該副液室が壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に許容される平衡室により構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と該受圧室と該中間室を連通する第二のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至5の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記第一の仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該第一の仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該圧力作用室と反対側に前記第二の仕切部材を配設し、更に該第一の仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第一のオリフィス通路を形成する一方、該第二の仕切部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第二のオリフィス通路を形成した請求項6に記載の流体封入式防振装置。
  8. 変位乃至は変形が制限された可動部材で前記主液室が仕切られることにより、壁部の一部が前記本体ゴム弾性体で構成されて振動入力時に該本体ゴム弾性体の弾性変形に伴う圧力変動が直接に生ぜしめられる受圧室と、壁部の一部が前記弾性ゴム膜で構成されて振動入力時に該受圧室の圧力が該可動部材を介して及ぼされることによって圧力変動が生ぜしめられる中間室が形成されており、それら受圧室と中間室により前記主液室が構成されていると共に、壁部の一部が前記可撓性膜で構成されて容積変化が容易に共用される平衡室が形成されて、該平衡室により前記副液室が構成されている一方、前記オリフィス通路として、該受圧室と該平衡室を連通する第一のオリフィス通路と、該中間室と該平衡室を連通する第二のオリフィス通路が形成されている請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入式防振装置。
  9. 前記第二の取付部材を筒体形状とし、該第二の取付部材の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔位置せしめて、それら第一の取付部材と第二の取付部材を前記本体ゴム弾性体で連結することにより該第二の取付部材の一方の開口部を流体密に覆蓋すると共に、該第二の取付部材の他方の開口部を前記可撓性膜で流体密に覆蓋する一方、前記仕切部材を略有底円筒形状として該第一の取付部材側に向かって開口するように配設し、その内部に前記弾性ゴム膜を配設せしめて該仕切部材の底部に前記圧力作用室を形成すると共に、該弾性ゴム膜を挟んで該圧力作用室と反対側に前記可動部材を配設し、更にそれら弾性ゴム膜と可動部材の外周部分を周方向に延びるようにして前記第一のオリフィス通路および前記第二のオリフィス通路を形成した請求項8に記載の流体封入式防振装置。
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