JP2003128966A - カラーフィルター用インクジェットインク、該インクとカラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルター用インクジェットインク、該インクとカラーフィルターの製造方法

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JP2003128966A
JP2003128966A JP2001326918A JP2001326918A JP2003128966A JP 2003128966 A JP2003128966 A JP 2003128966A JP 2001326918 A JP2001326918 A JP 2001326918A JP 2001326918 A JP2001326918 A JP 2001326918A JP 2003128966 A JP2003128966 A JP 2003128966A
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昌 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式のヘッドから吐出した時
の直進性、安定性に優れると共に、カラーフィルターの
細部に良好な物性を付与できるインク組成物を提供す
る。また、当該インク組成物の製造方法、及び、当該イ
ンク組成物を用いてカラーフィルターを製造する方法を
提供する。 【解決手段】 インクジェット用インク組成物は、下記
第一又は第二のメインポリマーを含有する。第一のメイ
ンポリマー:重量平均分子量が5,000〜20,000であり、
且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系
ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレート系ポ
リマー鎖により構成されるグラフトポリマー;第二のメ
インポリマー:エチレン性不飽和結合等量が1200g/eq以
下であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方が
スチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がベンジル
メタクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフト
ポリマー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
の基板上に、画素部(着色層)のような所定パターンの
硬化層を形成するのに用いられるインクジェット用イン
ク組成物、当該インクジェット用インク組成物の製造方
法、及び、当該インクジェット用インク組成物を用いて
カラーフィルターを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューターの発
達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴
い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶表示装置の
需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー
液晶表示装置が高価であることからコストダウンの要求
が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィ
ルターに対するコストダウンの要求が高い。
【0003】一般にカラー液晶表示装置(101)は、
図1に示すように、カラーフィルター1とTFT基板等
の電極基板2とを対向させて1〜10μm程度の間隙部
3を設け、当該間隙部3内に液晶化合物Lを充填し、そ
の周囲をシール材4で密封した構造をとっている。カラ
ーフィルター1は、透明基板5上に、画素間の境界部を
遮光するために所定のパターンに形成されたブラックマ
トリックス層6と、各画素を形成するために複数の色
(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の光の3原色)
を所定順序に配列した画素部7と、保護膜8と、透明電
極膜9とが、透明基板に近い側からこの順に積層された
構造をとっている。また、カラーフィルター1及びこれ
と対向する電極基板2の内面側には配向膜10が設けら
れる。さらに間隙部3には、カラーフィルター1と電極
基板2の間のセルギャップを一定且つ均一に維持するた
めに、スペーサーとして一定粒子径を有するパール11
が分散されている。そして、各色に着色された画素それ
ぞれの背後又はカラーフィルターの背後にある液晶層の
光透過率を制御することによってシャッタとして作動さ
せ、カラー画像が得られる。
【0004】スペーサーとして図1に示したような微粒
子状のパール11を分散させる場合には、当該パール
は、ブラックマトリックス層6の背後であるか画素の背
後であるかは関係なく、ランダムに分散する。パールが
表示領域すなわち画素部に配置された場合、パールの部
分をバックライトの光が透過し、また、パール周辺の液
晶の配向が乱れ、表示画像の品位を著しく低下させる。
そこで図2に示すように、パールを分散させるかわり
に、カラーフィルターの内面側であってブラックマトリ
ックス層6が形成されている位置と重なり合う領域に、
セルギャップに対応する高さを有する柱状スペーサー1
2を形成する場合もある。
【0005】カラーフィルターの画素部、柱状スペーサ
ー、保護膜等の細部は、樹脂を用いて所定パターンの塗
工膜を形成し、当該塗工膜を乾燥、固化させ、必要に応
じてさらに架橋反応により硬化させることによって形成
できる。
【0006】これらの各細部を構成する樹脂層には、皮
膜としての密着性、膜厚均一性、強度、硬度、カラーフ
ィルター製造途中において加熱工程での熱収縮や膜減り
を生じない耐熱性など、共通の物性についてある程度の
性能が要求されることに加えて、各細部ごとに特に重視
される特性については特に高い性能が要求される。例え
ば、光学特性が重視される画素部としての樹脂層には、
パターン形状の精細度や、膜厚均一性、透明性、着色
性、耐変色性等の特性に優れていることが特に求められ
る。ブラックマトリックス層としての樹脂層には、パタ
ーン形状の精細度や遮光性に優れていることが特に求め
られる。セルギャップを維持する柱状スペーサーとして
の樹脂層には、強度に優れると共に比較的厚く形成した
場合でも寸法安定性に優れていることが特に求められ
る。また、画素部を被覆する保護膜8としての樹脂層に
は、画素部を保護するために十分な硬度と密着性が求め
られ、画素の色彩に悪影響を及ぼさないように優れた透
明性および優れた膜厚均一性が求められ、さらに、間隙
部3に封入された液晶化合物が汚染されないように非汚
染性、例えば、着色層側から液晶へ汚染物質が移行する
のを阻止し得るパシベーション性や保護膜自体が液晶に
溶出しないようにNMP(N‐メチル‐2−ピロリド
ン)等の液晶用溶剤に対する非溶出性が求められる。さ
らに保護膜8には、その上に配向膜形成用塗工液を塗布
する時に溶解や膨潤しないように十分な耐溶剤性を有す
ること、及び、温純水やIPA(イソプロパノール)で
洗浄する時に膜減りや脱落を生じないように十分な耐温
純水性や耐溶剤性を有することが求められる。
【0007】従来よりカラーフィルターの保護膜を形成
する方法としては、UV硬化性或いは電離放射線硬化性
等の光硬化型樹脂を含有する塗工液を被塗布面上に塗工
し乾燥させた後でフォトリソグラフィー工程により選択
的露光と現像を行うか、または、熱硬化型樹脂を含有す
る塗工液を被塗布面上に印刷等の方法で所定パターンに
塗工し乾燥させた後、得られた塗工膜を加熱することに
より、カラーフィルターの細部としての所定パターンを
有する硬化樹脂層を形成することが良く知られている。
【0008】また、カラーフィルターの画素部を形成す
る方法としては、例えば染色法が挙げられる。染色法に
よる場合は、まずガラス基板上に染色用の材料である水
溶性高分子材料の層を形成し、これをフォトリソグラフ
ィー工程により所望の形状にパターニングした後、得ら
れたパターンを染色浴に浸漬して着色されたパターンを
得る。これを3回繰り返すことによりR、G、およびB
のカラーフィルター層を形成する。
【0009】また、他の方法としては顔料分散法があ
る。この方法は、まず基板上に顔料を分散した感光性樹
脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー工程により
パターニングして単色のパターンを得る。さらにこの工
程を3回繰り返すことにより、R、G、およびBのカラ
ーフィルター層を形成する。
【0010】さらに他の方法としては、電着法や、熱硬
化性樹脂に顔料を分散させてR、G、およびBの3回印
刷を行った後、樹脂を熱硬化させる方法等を挙げること
ができる。
【0011】光硬化型樹脂を用いる場合には、塗工膜を
所望のパターン状に露光することにより被塗布面上の所
望位置に所望パターンの硬化樹脂層を形成できるが、塗
工液中に必須に存在するモノマーや光重合開始剤などの
低分子量成分が液晶に移行して汚染し、表示不良を引き
起こすおそれがある。
【0012】しかし、画素部を形成する場合には、R、
G、及びBの3色の画素を形成するために、いずれの方
法でも各色ごとに同一の工程を3回繰り返す必要があ
り、コスト高になるという問題や、同様の工程を繰り返
すため歩留まりが低下するという問題がある。
【0013】これらの問題点を解決したカラーフィルタ
ーの製造方法として、基板表面にインクジェット方式で
インクを吹き付けて着色層(画素部)を形成する方法が
提案されている(特開昭59−75205号公報)。
【0014】インクジェット方式でインクを正確なパタ
ーンに合わせて吹き付けて画素を形成するためには、吐
出ヘッドから吐出する際の直進性、安定性が求められ
る。インクの吐出性は、メインポリマー、モノマー、溶
剤のような各配合成分の物性によって変動するので、吐
出性を考慮してインクの材料を選定する必要がある。
【0015】また、図3に示すようにヘッド13のオリ
フィス表面13aにインクが塗れ広がっていると、正面
方向Vxに吐出されたインク滴14が、インクの塗れ広
がった方向Vyに引張られ、飛行曲がりや吐出障害が発
生する。従って、オリフィス表面でのインクの塗れ広が
りによって、吐出の直進性はさらに悪くなる。
【0016】インクが化学的に不安定であったり或いは
蒸発速度が早すぎる場合には、調製直後の吐出性が良好
であったとしても、吐出ヘッドのノズル先端でインクの
粘度が急激に増加してインク滴の飛行曲がりが発生した
り、時間を空けて間歇的に吐出すると目詰まりを起こし
て再吐出できなくなったり、調製後の保存が困難であっ
たりする。従って、インクは保存安定性に優れているこ
とが望まれる。
【0017】また、インクジェット方式で基板上に着色
インクを吹き付けた時に、乾燥速度が速すぎるとインク
層表面が吐出直後の波打ったまま又は傾いたままの状態
で固化してしまいレベリングが不十分となり、一方、乾
燥速度が遅すぎると加熱プロセスによって完全に乾燥さ
せることが困難になるか又は乾燥可能であっても能率が
悪い。従って、吐出性能のみ考えれば乾燥し難いインク
を用いれば良いことになるが、インク層を完全に乾燥さ
せるためには適度な乾燥性も必要になる。
【0018】カラーフィルターの画素やブラックマトリ
ックスに配合する着色剤としては顔料を用いることが多
いが、カラーフィルター用インクの顔料分散性が悪い
と、顔料粒子同士の凝集により吐出ヘッドのノズル部で
目詰まりを起こす。従って、着色剤として顔料を用いる
場合には、顔料分散性もインクの吐出性能に影響を与え
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、ヘ
ッドから吐出した時の直進性、安定性に優れると共に、
カラーフィルターの細部を形成する時に良好な物性を付
与できるカラーフィルター用インクジェットインク組成
物を提供することにある。
【0020】また、本発明の第二の目的は、基板表面に
対する濡れ性の差を利用してパターン状に付着させるこ
とができると共に、吐出時の直進性、安定性に優れるカ
ラーフィルター用インクジェットインク組成物を提供す
ることにある。
【0021】さらに、本発明の第三の目的は、カラーフ
ィルター用インクジェットインク組成物の製造方法を提
供することにある。
【0022】さらに、本発明の第四の目的は、上記イン
クジェットインク組成物を用いてカラーフィルターを製
造する方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第一のカラ
ーフィルター用インクジェットインク組成物は、メイン
ポリマーとして、重量平均分子量が5,000〜20,
000であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一
方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリ
マー鎖により構成され、他方がメタクリレート系モノマ
ー単位を含有するメタクリレート系ポリマー鎖により構
成されるグラフトポリマー(第一のメインポリマー)を
含有することを特徴とする。
【0024】また、本発明に係る第二のカラーフィルタ
ー用インクジェットインク組成物は、メインポリマーと
して、エチレン性不飽和結合をエチレン性不飽和結合当
量で1200g/eq以下の割合で有し、且つ、主鎖及
びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位
を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方
がベンジルメタクリレートから誘導されるモノマー単位
を含有するベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により
構成されるグラフトポリマーを含有することを特徴とす
る。
【0025】本発明に係るカラーフィルター用インクジ
ェットインク組成物は、上記第一又は第二のメインポリ
マーを用いるので、インクジェットヘッドからの吐出性
が良好であり、且つ、透明性、膜硬度、膜強度、密着
性、溶剤に対する溶解性、洗浄時の耐溶剤性、耐温純水
性、顔料の分散性等の諸物性に優れた硬化層を形成でき
る。
【0026】一般に、分子量が比較的小さいメインポリ
マーを用いるとインクの流動性が大きくなって良好な吐
出性が得られるが、皮膜の硬度、強度、耐溶剤性、耐温
純水性などの膜物性が悪くなりやすい。これに対して上
記第一及び第二のメインポリマーは、分子量が比較的小
さい場合でも膜硬度、膜強度、耐溶剤性、耐温純水性な
どの膜物性が良好である。
【0027】上記第一のメインポリマーはエチレン性不
飽和結合を有していてもよい。また、上記第二のメイン
ポリマーのエチレン性不飽和結合は、アクリロイルオキ
シ基、及び/又は、メタクリロイルオキシ基により構成
されていてもよい。メインポリマーがエチレン性不飽和
結合を有する場合には、(メタ)アクリル系モノマー等
のエチレン性不飽和結合含有モノマー及び/又はオリゴ
マーと組み合わせて用いることにより、反応硬化性に優
れる光硬化性インクが得られる。
【0028】上記第一及び第二のメインポリマーとして
用いられるグラフトポリマーは、主鎖がスチレン系ポリ
マー鎖により構成されていると共に、グラフト部分が第
一のメインポリマーではメタクリレート系ポリマー鎖に
より構成され、第二のメインポリマーではベンジルメタ
クリレート系ポリマー鎖により構成されていることが好
ましい。
【0029】本発明のカラーフィルター用インクジェッ
トインク組成物には、当該組成物を高濃度液又は直ちに
ヘッドから吐出できるインクに調製するために、必要に
応じて溶剤を配合して固形分を溶解又は分散させる。
【0030】本発明のカラーフィルター用インクジェッ
トインク組成物には、インクジェット方式のヘッドから
の吐出性を向上させるために、沸点が180℃〜260
℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成
分を主溶剤として用い、そのような主溶剤を溶剤の全量
に対して80重量%以上の割合で配合するのが好まし
い。
【0031】基板表面に濡れ性可変層を形成し露光する
ことにより、基板上のインク層を形成したい部分に親イ
ンク性領域を形成し、当該親インク性領域にインクジェ
ット方式によって本発明のインク組成物を選択的に付着
させる場合には、主溶剤として、JIS K6768に
規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液
滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジス
マンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30
mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、
好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により
求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対
する接触角が10°以下を示すものを選択して用いても
よい。
【0032】前記の主溶剤としては、エチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジ
ブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク
酸ジメチル、又は、コハク酸ジエチルが好ましく用いら
れ、そのなかでもジエチレングリコールモノブチルエー
テルアセテートが特に好ましい。
【0033】本発明に係るカラーフィルター用インクジ
ェットインク組成物は、2官能乃至3官能の多官能モノ
マーを、前記メインポリマー100重量部に対して1〜
200重量部の割合で含有することが好ましい。官能基
数が比較的少ない2官能乃至3官能のモノマーを主体と
して用いることによって、吹き付け作業の間にインクジ
ェットヘッドの先端部分でインクが乾燥して粘度が徐々
に大きくなって、インクの吐出性が悪くなることを防止
できる。
【0034】前記2官能乃至3官能の多官能モノマーと
しては、官能基としてアクリロイルオキシ基及び/又は
メタクリロイルオキシ基を有するものを用いることがで
きる。2官能乃至3官能モノマーとして、具体的には、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタクリレートの中から選ばれる一種又は二種以上を用
いることができる。
【0035】本発明に係るカラーフィルター用インクジ
ェットインク組成物は、2官能乃至3官能の多官能モノ
マーと共に、さらに4官能以上の多官能モノマーを、前
記2官能乃至3官能の多官能モノマー100重量部に対
して1〜50重量部の割合で含有することが好ましい。
【0036】インク組成物中に配合される多官能モノマ
ーが全て2乃至3官能性モノマーである場合には、膜強
度、密着性、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そ
こで、上記の2乃至3官能モノマーと共に、4官能以上
の多官能モノマーを適量配合することにより架橋密度を
上げて、皮膜に十分な膜強度、膜硬度及び密着性を付与
することができる。
【0037】本発明に係るインクジェットインク組成物
を用いて画素部やブラックマトリックス層のような着色
層を形成する場合には、インク組成物中に顔料或いはそ
の他の着色剤を配合する。
【0038】次に、本発明に係るカラーフィルター用イ
ンクジェットインク組成物製造方法は、顔料及び必要に
応じて顔料分散剤を、主溶剤として沸点が180℃〜2
60℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶
剤成分を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体
を調製し、得られた顔料分散体、上述した第一又は第二
いずれかのメインポリマー、及び、必要に応じてその他
の成分を、新たに用意した前記主溶剤に混合すると共
に、溶剤全量に占める前記主溶剤の配合割合を80重量
%以上に調節することを特徴とする。
【0039】分散溶剤と希釈溶剤の量を調節して溶剤全
量に占める前記主溶剤の配合割合を80重量%以上に調
節することにより、上述したようにインクジェット方式
のヘッドからの吐出性に優れるインク組成物が得られ
る。
【0040】次に、本発明に係るカラーフィルター製造
方法は、基板上の所定領域に上記本発明に係るカラーフ
ィルター用インクジェットインク組成物を、インクジェ
ット方式によって選択的に付着させてインク層を形成す
る工程と、前記インク層に光線を照射して硬化層を形成
する工程とを含むことを特徴とする。
【0041】本発明のインク組成物を用いインクジェッ
ト方式により基板表面に所定のパターンに合わせて吐出
することにより、画素部やブラックマトリックス層等の
着色硬化層、或いは他の細部を正確且つ均一に形成する
ことができる。
【0042】本発明に係るカラーフィルター製造方法の
好ましい一態様は、次の各工程からなるものである。
【0043】すなわち、基板表面の所定領域内の濡れ性
を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大き
いインク層形成領域を形成する工程と、前記インク層形
成領域に、上記本発明に係るカラーフィルター用インク
ジェットインク組成物をインクジェット方式によって選
択的に付着させてインク層を形成する工程と、前記イン
ク層に光線を照射して硬化層を形成する工程とを含むこ
とを特徴とするものである。
【0044】この方法によれば、一定量のインク滴が正
確な位置に打ち込まれ、さらに着弾したインク滴は着弾
位置に滞留せずにインク層形成領域の隅々にまで濡れ広
がり、しかも、周囲の撥インク性領域との境目からはは
み出さずにインク滴が盛り上がる。従って、例えば、色
抜けの無い且つ透過濃度の大きい画素部が得られる。
【0045】特に好ましい態様は、次の各工程からなる
ものである。
【0046】すなわち、基板上に、光触媒の作用により
親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させること
のできる濡れ性可変層を形成する工程と、前記濡れ性可
変層の表面の所定領域に光線を照射することにより濡れ
性を選択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大
きいインク層形成領域を形成する工程と、前記インク層
形成領域に、主溶剤として、JIS K6768に規定
する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を
接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマン
プロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN
/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示
し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70
mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を
示すものを用いて調製したインク組成物をインクジェッ
ト方式によって選択的に付着させてインク層を形成する
工程と、前記インク層に光線を照射して硬化層を形成す
る工程とを含むことを特徴とするものである。
【0047】本発明に係るインク組成物及びカラーフィ
ルター製造方法によれば、性能の良いカラーフィルター
を製造することができ、特に、透過濃度の大きく且つ均
一で、しかも色抜けの無い画素部を精密に形成できる点
で利用価値が高い。
【0048】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳しく説明
する。なお、本明細書中において(メタ)アクリルはア
クリル及びメタクリルを表し、(メタ)アクリレートは
アクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アク
リロイルはアクリロイル及びメタクリロイルを表す。
【0049】本発明に係る第一のカラーフィルター用イ
ンクジェットインク組成物は、メインポリマー(バイン
ダーポリマー)として、重量平均分子量が5,000〜
20,000であり、且つ、主鎖及びグラフト部分のう
ちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン
系ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレート系
モノマー単位を含有するメタクリレート系ポリマー鎖に
より構成されるグラフトポリマーを含有することを特徴
とする。
【0050】また、本発明に係る第二のカラーフィルタ
ー用インクジェットインク組成物は、メインポリマー
(バインダーポリマー)として、エチレン性不飽和結合
をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq以下の
割合で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方
がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマ
ー鎖により構成され、他方がベンジルメタクリレートか
ら誘導されるモノマー単位を含有するベンジルメタクリ
レート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマー
を含有することを特徴とする。
【0051】本発明に係るインクジェット用インク組成
物には、上記メインポリマーに加えて、多官能又は単官
能モノマー、顔料、その他の添加剤、及び、溶剤が必要
に応じて配合される。
【0052】本発明に係るカラーフィルター用インクジ
ェットインク組成物製造方法は、顔料及び必要に応じて
顔料分散剤を、主溶剤として沸点が180℃〜260℃
で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分
を含有する分散体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製
し、得られた顔料分散体、下記第一又は第二いずれかの
メインポリマー、A)第一のメインポリマー:重量平均
分子量が5,000〜20,000であり、且つ、主鎖
及びグラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単
位を含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他
方がメタクリレート系モノマー単位を含有するメタクリ
レート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマ
ー、B)第二のメインポリマー:エチレン性不飽和結合
をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq以下の
割合で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方
がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマ
ー鎖により構成され、他方がベンジルメタクリレートか
ら誘導されるモノマー単位を含有するベンジルメタクリ
レート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマ
ー、及び、必要に応じてその他の成分を、新たに用意し
た前記主溶剤に混合すると共に、溶剤全量に占める前記
主溶剤の配合割合を80重量%以上に調節することを特
徴とする。
【0053】上記のインクジェットインク組成物製造方
法は、本発明に係るインクジェットインク組成物に顔料
を配合して着色層用インクを調製する場合に適した方法
である。
【0054】(メインポリマー)上記第一及び第二のカ
ラーフィルター用インクジェットインク組成物は、いず
れも、スチレン系ポリマー鎖とメタクリレート系ポリマ
ー鎖から構成されるメインポリマーを用いるものであ
る。メインポリマー(バインダーポリマー)は、インク
ジェットインク組成物に成膜性や被塗工面に対する密着
性を付与するための成分である。
【0055】上記第一の発明に係るインクジェットイン
ク組成物のメインポリマー(第一のメインポリマー)と
しては、重量平均分子量が5,000〜20,000で
あり、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がスチ
レン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖に
より構成され、他方がメタクリレート系モノマー単位を
含有するメタクリレート系ポリマー鎖により構成される
グラフトポリマーを用いる。
【0056】上記第一のメインポリマーは、スチレン系
ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、メタクリレ
ート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造
を有していても良いし、逆に、メタクリレート系ポリマ
ー鎖により主鎖が構成され、スチレン系ポリマー鎖によ
りグラフト部分が構成された構造を有していても良い。
上記したうちでも、スチレン系ポリマー鎖により主鎖が
構成され、メタクリレート系ポリマー鎖によりグラフト
部分が構成された構造を有するものの方が好ましい。
【0057】スチレン系ポリマー鎖は、スチレン系モノ
マーを主成分とするポリマー鎖であって、ただ1種類の
スチレン系モノマーの単独重合体であってもよいし、2
種類以上のスチレン系モノマーの共重合体であってもよ
いし、スチレン系モノマーと他のモノマーとの共重合体
であってもよい。さらに、50重量%以下の(メタ)ア
クリレート等を共重合した構造であっても、インクジェ
ット印刷後の再溶解性が良好で、インクジェットヘッド
先端で溶剤が蒸発した後に凝集しにくいポリマー鎖であ
ればよい。
【0058】スチレン系モノマーとは、スチレンの他、
アルキル置換スチレン(メチルスチレン、エチルスチレ
ン、トリメチルスチレン、オクチルスチレンなど)、メ
トキシスチレン、αメチルスチレン等の、置換基が付い
たスチレンモノマーを含む。
【0059】スチレン系モノマーと共重合させることが
できるモノマーとしては、各種の(メタ)アクリレート
モノマーや、アクリロニトリル、アミド系モノマー等が
挙げられる。
【0060】顔料分散性の観点からスチレン系ポリマー
鎖は、スチレン系モノマー単位を50重量%以上の割合
で含有するのが好ましく、さらには60重量%以上の割
合で含有するのが特に好ましい。
【0061】メタクリレート系ポリマー鎖は、メタクリ
レートを主成分とするポリマー鎖であり、ただ1種類の
メタクリレートの単独重合体であってもよいし、2種類
以上のメタクリレートの共重合体であってもよいし、メ
タクリレートと他のモノマーとの共重合体であってもよ
い。
【0062】メタクリレート系モノマーとしては、アル
キルメタクリレート(メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n‐ブチルメタクリレート、iso‐ブ
チルメタクリレート、tert‐ブチルメタクリレー
ト、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレー
ト、ラウリルメタクリレートなど)、ベンジルメタクリ
レート、フェノキシエチルメタクリレート、テトラヒド
ロフタルイミドエチルメタクリレート、シクロヘキシル
メタクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルメタクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコールメタクリレート、ブトキシエチルメタクリ
レート、等が挙げられる。Tgが30℃以上のグラフト
ポリマーが得られるようにメタクリレート系モノマーを
選択して用いるのが好ましい。Tgが30℃未満のグラ
フトポリマーは、硬化後の皮膜硬さが低下するため、好
ましくない。
【0063】また、メタクリレートと共重合させるモノ
マーとしては、アルキルアクリレート、ヒドロキシアル
キルアクリレート、アミドモノマー、イミド基含有モノ
マー、アルキレングリコール(メタ)アクリレート、ダ
イセル化学製の商品名プラクセルFMシリーズ等を用い
ることができる。
【0064】メタクリレート系ポリマーは、比較的高い
Tgを有し、且つ、スチレンとミクロ相分離を起こすこ
とから硬度・分散性の点で優れている。かかる観点か
ら、メタクリレート系ポリマー鎖はメタクリレート系モ
ノマー単位を50重量%以上の割合で含有するのが好ま
しく、さらに70重量%以上の割合で含有するのが特に
好ましい。
【0065】第一のメインポリマーは、エチレン性不飽
和結合やエポキシ基等の重合性基を有していてもよい。
メインポリマーに重合性基を導入することによって、反
応硬化性を付与することができる。メインポリマーは、
インクジェット方式での良好な流動性及び吐出性を得る
ために、分子量が比較的小さいものを用いるのが好まし
い。分子量の小さいモノマーを用いると皮膜の強度や硬
度が不足しやすいが、メインポリマーに重合性基を導入
することにより反応硬化性を付与すると、皮膜の強度や
硬度を向上させることができる。メインポリマーの重合
性基がエチレン性不飽和結合である場合には、光又は熱
ラジカル重合反応により硬化可能であり、当該重合性基
がエポキシ基である場合には、熱重合又は光カチオン重
合が可能である。特に、エチレン性不飽和結合を有する
メインポリマーは、(メタ)アクリル系モノマー等のエ
チレン性不飽和結合含有モノマー及び/又はオリゴマー
と組み合わせて用いることにより、反応硬化性に優れる
光硬化性インクが得られる。重合性基は、第一のメイン
ポリマーのスチレン系ポリマー鎖又はメタクリレート系
ポリマー鎖の一方又は両方に導入してよく、或いは、主
鎖又はグラフト部の一方又は両方に導入してよい。
【0066】上記第一のメインポリマーは、GPCで測
定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000
〜20,000の範囲にある必要があり、5,000〜
15,000の範囲にあることが好ましい。重量平均分
子量が5,000未満では、得られる皮膜の強度や硬度
が不足しやすい。重量平均分子量が20,000を超え
るとインクジェット用インクの溶剤に溶解しにくくなっ
たり、或いは溶剤に溶解した時の粘度が高くなってイン
クの流動性、及び、インクジェットヘッドからの吐出性
が悪くなる。
【0067】また、メインポリマーのグラフト部分は、
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で
測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が5,00
0〜20,000の範囲にある必要があり、5,000
〜15,000の範囲にあることが好ましい。
【0068】メインポリマーのグラフト(枝)部分/主
鎖(幹)部分の重量比は、20/80〜80/20が好
ましく、30/70〜70/30であることが好まし
い。グラフト部分の重量比が20%を下回ると溶解性、
粘度、流動性、吐出性等が悪くなるため、好ましくな
い。また主鎖部分の重量比が20%を下回ると、顔料分
散性が悪くなり好ましくない。
【0069】さらに、第一のメインポリマーの酸価やア
ミン価を変えることによって、インクの溶剤に対する溶
解性、皮膜の耐溶剤性、顔料の分散安定性、染色性、膜
硬度、膜強度などの諸物性を調節できる。
【0070】上記第二の発明に係るカラーフィルター用
インクジェットインク組成物のメインポリマー(第二の
メインポリマー)としては、メインポリマーとして、エ
チレン性不飽和結合をエチレン性不飽和結合当量で12
00g/eq以下の割合で有し、且つ、主鎖及びグラフ
ト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有す
るスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がベンジ
ルメタクリレートから誘導されるモノマー単位を含有す
るベンジルメタクリレート系ポリマー鎖により構成され
るグラフトポリマーを用いる。
【0071】上記第二のメインポリマーは、スチレン系
ポリマー鎖により主鎖(幹部)が構成され、ベンジルメ
タクリレート系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成さ
れた構造を有していても良いし、逆に、ベンジルメタク
リレート系ポリマー鎖により主鎖が構成され、スチレン
系ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有
していても良い。上記したうちでも、スチレン系ポリマ
ー鎖により主鎖が構成され、ベンジルメタクリレート系
ポリマー鎖によりグラフト部分が構成された構造を有す
るものの方が好ましい。
【0072】第二のメインポリマーのスチレン系ポリマ
ー鎖は、第一のポリマー鎖と同様にスチレン系モノマー
を主成分とするポリマー鎖である。
【0073】一方、第二のメインポリマーのベンジルメ
タクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリレート
を主成分とするポリマー鎖であり、ベンジルメタクリレ
ートの単独重合体であってもよいし、ベンジルメタクリ
レートと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
【0074】ベンジルメタクリレートと共重合させるモ
ノマーとしては、上述した第一のメインポリマーのメタ
クリレート系ポリマー鎖を形成するためにメタクリレー
トと共重合させるモノマーを用いることができる。ま
た、ベンジルメタクリレートを他のメタクリレート系モ
ノマーと共重合させてベンジルメタクリレート系ポリマ
ー鎖を形成してもよく、その場合には、上述した第一の
メインポリマーのメタクリレート系ポリマー鎖を形成し
得る各種のメタクリレート系モノマーを、ベンジルメタ
クリレートと共重合させることができる。
【0075】メタクリレートモノマーの中でも、ベンジ
ルメタクリレートは特に顔料分散性に優れている。ベン
ジルメタクリレート系ポリマー鎖は、ベンジルメタクリ
レートモノマー単位を30重量%以上の割合で含有する
のが好ましく、50重量%以上の割合で含有するのが特
に好ましい。
【0076】第二のメインポリマーは、主鎖又はグラフ
ト部分の少なくとも一方がエチレン性不飽和結合を有し
ており、光又は熱ラジカル重合反応により硬化可能であ
る。主鎖は、スチレン系ポリマー鎖又はベンジルメタク
リレート系ポリマー鎖のいずれにより構成されている場
合であっても、エチレン性不飽和結合を有するモノマー
単位を含有していてよい。一方、グラフト部分も同様
に、スチレン系ポリマー鎖又はベンジルメタクリレート
系ポリマー鎖のいずれにより構成されている場合であっ
ても、エチレン性不飽和結合を有するモノマー単位を含
有していてよい。第二のメインポリマーのエチレン性不
飽和結合当量は、1200g/eq以下である必要があ
り、700g/eq以下であるのが好ましい。ここで、
エチレン性不飽和結合当量とは、メインポリマーの1グ
ラム分子の重量を一分子中に含有されるエチレン性不飽
和結合の数で除した値である。メインポリマーのエチレ
ン性不飽和結合当量が1200g/eqを超える場合に
は、硬化後の皮膜硬度及び耐溶剤性が不充分であり好ま
しくない。これに対して、エチレン性不飽和結合当量が
1200g/eq以下のメインポリマーは、一分子中に
含まれるエチレン性不飽和結合が多いので耐溶剤性、硬
度、強度、密着性などの諸物性に優れる。そして、イン
クジェットヘッドからの吐出性を向上させるために分子
量が比較的小さいメインポリマーを用いる場合でも、エ
チレン性不飽和結合当量が1200g/eq以下であれ
ば充分に硬化させることができるで、吐出性に優れたイ
ンク組成物が得られ、且つ、諸物性に優れる硬化皮膜を
形成できる。
【0077】さらに、第二のメインポリマーの酸価やア
ミン価を変えることによって、第一のメインポリマーと
同様に、インクの溶剤に対する溶解性、皮膜の耐溶剤
性、顔料の分散安定性、染色性、膜硬度、膜強度などの
諸物性を調節できる。
【0078】本発明に係るカラーフィルター用インクジ
ェットインク組成物は、上記第一又は第二のメインポリ
マーを用いるが、第一のメインポリマーと第二のメイン
ポリマーの両性質を有するグラフトポリマー、すなわ
ち、重量平均分子量が5,000〜20,000であ
り、エチレン性不飽和結合をエチレン性不飽和結合当量
で1200g/eq以下の割合で有し、且つ、主鎖及び
グラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を
含有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方が
メタクリレート系モノマー単位としてのベンジルメタク
リレート単位を含有するベンジルメタクリレート系ポリ
マー鎖により構成されるグラフトポリマーを用いるのが
特に好ましい。
【0079】メインポリマーは、インク組成物の固形分
全量に対して、通常、10〜50重量%の割合で配合す
る。ここで、配合割合を特定するためのインク組成物の
固形分とは、溶剤を除く全ての成分を含み、液状の重合
性モノマー等も固形分に含まれる。
【0080】上記第一又は第二のメインポリマーとして
用いられるグラフトポリマーの製造方法としては、
(1)ポリマーとパーオキサイド触媒下で、モノマーを
重合させて水素引き抜きにより後グラフトする方法、
(2)片末端に官能基がついたポリマーと他の官能基が
ついたポリマーを付加反応させる方法、及び、(3)重
合性ポリマー(マクロモノマー)とモノマーを共重合さ
せる方法などを利用できるが、生成物の純度が高い点
で、マクロモノマー法が好ましい。
【0081】マクロモノマー法により得られたグラフト
ポリマーの主鎖骨格(幹部分)は、重合性ポリマー末端
のエチレン性不飽和結合とモノマーのエチレン性不飽和
結合の重合によって成長したポリマー鎖によって形成さ
れ、グラフト部分は重合性ポリマーから誘導されたポリ
マー鎖によって形成される。
【0082】グラフトポリマーの合成原料である重合性
ポリマーは、グラフトポリマーのグラフト部分を構成す
べきポリマー鎖の部分と、その末端のエチレン性不飽和
結合を有する基からなる。
【0083】重合性ポリマーのポリマー鎖は、スチレン
系ポリマー鎖又はメタクリレート系ポリマー鎖であり、
スチレン系モノマー又はメタクリレート系モノマーを単
独で重合させるか、或いは、必要に応じて他のモノマー
と共に共重合させることにより形成できる。
【0084】重合性ポリマー末端のエチレン性不飽和結
合含有基は、通常、重合性ポリマーのポリマー鎖部分を
合成した後に導入される。重合性ポリマー末端のエチレ
ン性不飽和結合含有基としては、(メタ)アクリロイル
基又はビニル基が好ましく、特に(メタ)アクリロイル
基が好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基は、重
合性ポリマーの片末端にのみ有するのが好ましい。
【0085】一方、上記重合性ポリマーと共重合させて
主鎖を形成するモノマーとしては、重合性ポリマーがス
チレン系ポリマー鎖を有する場合には、1又は2種以上
のメタクリレート系モノマーを用い、重合性ポリマーが
メタクリレート系ポリマー鎖を有する場合には、スチレ
ン系モノマーを用いる。重合性ポリマーと共重合させる
モノマーとしては、スチレン系モノマー又はメタクリレ
ート系モノマーと共に、他のモノマーを組み合わせて用
いてもよく、その場合には、重合性ポリマーのポリマー
鎖を形成する場合と同様のモノマーを用いることができ
る。
【0086】グラフトポリマーのグラフト部分又は主鎖
部分にエチレン性不飽和結合を導入したい場合には、ス
チレン系モノマー又はメタクリレート系モノマーに、エ
チレン性不飽和結合を導入するための足場となり得る官
能基を有するモノマーを適量混合して共重合を行ってグ
ラフト部分及び/又は主鎖部分を合成し、最終的にグラ
フトポリマーのグラフト部分及び/又は主鎖部分に残さ
れた官能基に、当該官能基に対して縮合又は重付加する
官能基とエチレン性不飽和結合とを有する化合物を反応
させればよい。
【0087】すなわち、グラフトポリマーのグラフト部
分にエチレン性不飽和結合を導入したい場合には、スチ
レン系モノマー又はメタクリレート系モノマーに、エチ
レン性不飽和結合を導入するための足場となり得る官能
基を有するモノマーを適量混合して共重合させ、得られ
た重合性ポリマーをモノマーと重合させてグラフトポリ
マーを形成し、その後、グラフトポリマーのグラフト部
分に残された官能基に、当該官能基に対して縮合又は重
付加する官能基とエチレン性不飽和結合とを有する化合
物を反応させることによって、グラフト部分にエチレン
性不飽和結合が導入されたグラフトポリマーが得られ
る。
【0088】また、グラフトポリマーの主鎖部分にエチ
レン性不飽和結合を導入したい場合には、主鎖を形成す
るモノマーに、エチレン性不飽和結合を導入するための
足場となり得る官能基を有するモノマーを適量混合して
共重合を行ってグラフトポリマーを形成し、その後、グ
ラフトポリマーの主鎖部分に残された官能基に、当該官
能基に対して縮合又は重付加する官能基とエチレン性不
飽和結合とを有する化合物を反応させることによって、
主鎖部分にエチレン性不飽和結合が導入されたグラフト
ポリマーが得られる。
【0089】片末端以外の位置にもエチレン性不飽和結
合を有する多官能重合性ポリマーや、2以上のエチレン
性不飽和結合を有する多官能重合性モノマーを用いてグ
ラフトポリマーを合成すると、架橋反応が起きてしまう
が、単官能オリゴマーと単官能モノマーを共重合させた
後でエチレン性二重結合を導入する場合には、このよう
な架橋反応を引き起こすこと無く、エチレン性二重結合
を有する感光性のグラフトポリマーが得られる。
【0090】エチレン性不飽和結合を導入するための足
場となり得る官能基を有するモノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートのようなヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートやその他の水酸基含有
モノマー、或いは、(メタ)アクリル酸のような不飽和
カルボン酸やその他のカルボキシル基含有モノマーが好
ましい。
【0091】水酸基含有モノマーを用いる場合には、重
合性ポリマーと重合性モノマーを共重合させてグラフト
ポリマーを合成した後、グラフト部分及び/又は主鎖部
分に残された水酸基に、2−(メタ)アクリロイルオキ
シエチルイソシアネートのようなイソシアネート基含有
アクリル系モノマーを付加反応によりウレタン結合させ
ることによって、エチレン性不飽和結合を導入すること
ができる。
【0092】また、カルボキシル基含有モノマーを用い
る場合には、重合性ポリマーと重合性モノマーを共重合
させてグラフトポリマーを合成した後、グラフト部分及
び/又は主鎖部分に残されたカルボキシル基に、グリシ
ジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)
アクリレートをエポキシ反応により結合させることによ
って、エチレン性不飽和結合を導入することができる。
【0093】上記いずれかの方法によれば、エチレン性
不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基の形でポリ
マー鎖に導入される。
【0094】次に、マクロモノマー法による合成手順の
具体例を挙げる。下記手順においては、1)カルボキシ
ル基を有するマクロモノマーを合成する工程、2)幹に
カルボキシル基を有するグラフトポリマーを合成する工
程、および3)エチレン性不飽和結合を導入する工程の
3工程よりグラフトポリマーが合成される。
【0095】1)カルボキシル基を有するマクロモノマ
ーの合成 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とベ
ンジルメタクリレート(BzMA)をメルカプトプロピ
オン酸(MPA)存在下で共重合する。その後、このメ
ルカプトプロピオン酸由来のポリマー末端のカルボキシ
ル基にグリシジルメタクリレート(GMA)をジメチル
ベンジルアミン触媒存在下で反応させて、一旦、HEM
A/BzMA組成のマクロモノマーを得る。その後、こ
のマクロモノマー中のHEMA由来の水酸基を、引き続
き無水コハク酸と付加反応させることにより、カルボキ
シル基含有マクロモノマーを得る。
【0096】2)幹にカルボキシル基を有するグラフト
ポリマーの合成 上記のカルボキシル基含有マクロモノマーとメタクリル
酸(MAA)、スチレン(St)を共重合させることに
より、枝/幹にカルボキシル基を有するグラフトポリマ
ーを得ることができる。グラフトポリマーの製造方法と
しては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等が使用でき
る。
【0097】3)エチレン性不飽和結合の導入 枝/幹にカルボキシル基を有するグラフトポリマー溶液
に、ジメチルベンジルアミン触媒存在下で、グリシジル
メタクリレートをカルボキシル基に対して等当量〜0.
1倍当量添加して60℃〜120℃で数時間加熱するこ
とにより反応が完結する。グラフトポリマーのカルボキ
シル基と反応させるモノマーは、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、
3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリ
レート、アジリジニルメタクリレート等を用いることが
できる。
【0098】別法として、枝/幹に水酸基を有するグラ
フトポリマーに、イソシアナート基を有するモノマーと
反応させることにより、エチレン性不飽和結合を枝/幹
に有するグラフトポリマーを合成できる。反応性モノマ
ーの具体例としては、イソシアナートメタクリレート、
イソシアナートエチルメタクリレート、イソシアナート
イソプロピル−α−メチルスチレン等のイソシアナート
化合物があげられる。
【0099】次に、本発明において第一又は第二のメイ
ンポリマーとして用い得るグラフトポリマーの製造例を
以下に示す。下記製造例において「部」は重量部を意味
する。
【0100】(製造例) 1)カルボキシル基含有マクロモノマーの合成 メルカプトプロピオン酸(MPA)0.3部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMA
C)110.28部、ベンジルメタクリレート(BzM
A)30.69部、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(HEMA)1.40部を反応フラスコに仕込む。9
3℃に加熱・攪拌した後、窒素気流下で、アゾビスメチ
ルイソブチロニトリル(ABN−E)1.0部、PGM
AC15部の混合液を4時間かけて、BzMA62.3
1部、HEMA5.6部を2.5時間かけて、おのおの
添加して重合を行った。さらに4時間加熱して重合を完
結した。数平均分子量(Mn)=6100、重量平均分
子量(Mw)=11,300、酸価0.0621meq
/gで片末端にカルボキシル基を有するポリマーを得
た。
【0101】空気バブリングに切り替えて、引き続き、
グリシジルメタクリレート(GMA)2.0部(酸分に
対し99.5モル%)、メトキシフェノール(MQ)
0.05部、ジメチルベンジルアミン(DMBA)4.
56部、PGMAC5.89部を仕込み、110℃で8
時間加熱攪拌した。酸価0.001meq/gとなり、
酸反応率が98%以上となって、反応完結が確認され
た。Mn=6,500、Mw=12,300となりGM
Aが末端に付加したことが確認された。
【0102】その後、無水コハク酸6.5部(水酸基に
対し96%当量)入れて、引き続き同条件で加熱反応を
5時間行い、カルボキシル基を導入した。酸価=0.2
64meq/gであった。その後、生成物を10倍量の
n−へキサンに沈殿し、真空乾燥して、Mn=6,50
0、Mw=12,400の樹脂を得た。
【0103】2)枝/幹にカルボキシル基を含有するグ
ラフトポリマーの合成 上記マクロモノマー50部、スチレン(St)を24.
5部、メタクリル酸(MAA)を6.75部、MPAを
0.66部、ブチルジグリコールアセテート(BDGA
C)100部を反応器に仕込み、93℃、窒素雰囲気下
で、一方の供給口よりStを10.5部、MAAを8.
25部、MPAを1.54部のいずれも2時間かけて連
続供給して、他方の供給口より、ABN−Eを2部、B
DGACを27.36部いずれも5時間かけて連続供給
して重合を行った。さらに3時間加熱して、計8時間で
重合を完結した。
【0104】生成した重合体をGPC分析した結果、M
w=9,300、Mn=3,700であった。その後、
生成物を10倍量のn−へキサンに沈殿後、真空乾燥し
て、104部の固形分を得た。
【0105】3)エチレン性不飽和結合を枝/幹に有す
るグラフトポリマーの合成 上記のようにして得られた枝/幹にカルボキシル基を有
するグラフトポリマー104.2部、GMAを31.5
部(酸分に対し98.8モル%)、DMBAを4.63
部、MQを0.23部、BDGACを170部フラスコ
に仕込んだ。空気バブリングしながら、110℃で8時
間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィーでGMAが消
失したことを確認し、反応を終了した。反応前の反応液
酸価が0.97meq/gであったものが、8時間後に
は酸価が0.04meq/gとなり、予定通りの反応が
起こっていることが分かった。かくしてエチレン性不飽
和結合を有するグラフトポリマーが得られ、Mw=9、
400、Mn=3,700であった。
【0106】上記した第一及び第二のメインポリマー
は、透明性、膜硬度、膜強度、密着性、顔料との親和
性、溶剤に対する溶解性、洗浄時の耐溶剤性、耐温純水
性、インクジェットヘッドからの吐出性等の諸性能が良
好であり、カラーフィルターの細部を形成するインクジ
ェットインクのメインポリマーとして適している。
【0107】一般に、分子量が比較的小さいメインポリ
マーを用いるとインクの流動性が大きくなって良好な吐
出性が得られるが、皮膜の硬度、強度、耐溶剤性、耐温
純水性などの膜物性が悪くなりやすい。これに対して上
記第一及び第二のメインポリマーは、分子量が比較的小
さい場合でも膜硬度、膜強度、耐溶剤性、耐温純水性な
どの膜物性が良好である。
【0108】(モノマー)本発明に係るインクジェット
用インク組成物には、多官能モノマーを配合するのが好
ましい。メインポリマーは、インクジェット方式での良
好な流動性及び吐出性を得るために、分子量が比較的小
さいものを用いるのが好ましい。しかし、分子量の小さ
いモノマーを用いると、皮膜の強度や硬度が不足しやす
い。これに対して、インクジェット用インク組成物に多
官能モノマーを配合すると、皮膜の架橋密度が大きくな
るので、皮膜の強度や硬度を向上させることができる。
【0109】皮膜の架橋構造を形成する多官能モノマー
としては、2官能乃至3官能の多官能モノマーを用いる
のが好ましい。硬化性樹脂に十分な膜強度や密着性を付
与するために、通常は4官能以上のモノマーが用いられ
ている。しかしながら、官能基の数が大きい多官能モノ
マーをインク組成物に配合してインクジェット方式で基
板上に吹き付けると、吹き付け作業の間にインクジェッ
トヘッドの先端部分でインクが乾燥して粘度が徐々に大
きくなっていき、インクの吐出性が悪くなる。そこで本
発明においては、官能基数が比較的少ない2官能乃至3
官能のモノマーを主体として用いるのが好ましい。
【0110】2官能乃至3官能のモノマーは、メインポ
リマー100重量部に対して1〜200重量部の割合で
用いるのが好ましく、100〜200重量部の割合で用
いるのが特に好ましい。
【0111】2乃至3官能モノマーの配合割合が上記範
囲に満たない場合には、インク組成物がモノマーによっ
て十分に希釈されず、インクの粘度が初めから高いか或
いは溶剤分の揮発後に高くなり、インクジェットヘッド
のノズルの目詰まりを起こすおそれがある。また、2乃
至3官能モノマーの配合割合が上記範囲を超える場合に
は、塗膜の架橋密度が低くなり、塗膜の耐溶剤性、密着
性、硬さが劣り、十分な特性が得られなくなるおそれが
ある。
【0112】ただし、インク組成物中に配合される多官
能モノマーが全て2乃至3官能性モノマーである場合に
は、インクの乾燥による粘度上昇が起こり難いので、イ
ンクジェットヘッドの吐出性が安定するが、その反面、
インク層を硬化して得られた硬化層の膜強度、基板に対
する密着性、耐溶剤性等が不十分となる場合がある。そ
こで、上記の2乃至3官能モノマーと共に、4官能以上
の多官能モノマーを適量配合することにより架橋密度を
上げて、皮膜に十分な膜強度、膜硬度及び密着性を付与
することができる。
【0113】4官能以上の多官能モノマーは、2乃至3
官能モノマー100重量部に対して1〜50重量部の割
合で用いるのが好ましく、30〜50重量部の割合で用
いるのが特に好ましい。
【0114】ここで、4官能以上の多官能モノマーの配
合割合が上記範囲に満たない場合には、インクを硬化さ
せた後の硬さ、耐溶剤性などの特性が十分に得られない
おそれがある。また、4官能以上の多官能モノマーの前
記配合割合が上記範囲を超える場合には、インクの硬化
速度が遅くなり、プロセススピードが遅くなるおそれが
ある。
【0115】また、本発明に係るインクジェット用イン
ク組成物には、反応希釈剤として単官能モノマーを配合
しても良い。
【0116】モノマーの反応形式は、反応エネルギーの
点では一般に光重合と熱重合に大別され、活性種の点で
は一般にラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合に
大別される。これら様々な反応形式の中から、所望の反
応形式を有するモノマーを適宜選択して用いる。反応硬
化性のメインポリマーを用いる場合には、メインポリマ
ーの重合性基と重合可能な多官能モノマーを用いる。例
えば、エチレン性不飽和結合を有するメインポリマーを
用いて光硬化性インク組成物を調製する場合には、メイ
ンポリマーのエチレン性不飽和結合と光重合可能な官能
基を有するモノマー(典型的にはエチレン性不飽和結合
を有するモノマー)を組み合わせる。
【0117】単官能又は多官能モノマーとしては、エチ
レン性不飽和結合を有するモノマー及びエポキシ基を有
するモノマーを例示することができる。また、単官能又
は多官能モノマーとしては、比較的分子量が小さい重合
性ポリマー(マクロモノマー)を用いてもよい。
【0118】エチレン性不飽和結合を有するモノマーと
しては、官能基としてアクリロイルオキシ基及び/又は
メタクリロイルオキシ基を有するもの、すなわち、(メ
タ)アクリレート系モノマーが好ましく用いられる。
【0119】具体的に、2乃至3官能の(メタ)アクリ
レート系モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコ
ールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレートを例示す
ることができる。
【0120】また、4官能以上の(メタ)アクリレート
系モノマーとしては、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサメタクリレート等を例示することがで
きる。
【0121】また、単官能の(メタ)アクリレート系モ
ノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)ア
クリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ス
チレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドンなどを
例示することができる。
【0122】これらのモノマーは、いずれか一種を単独
で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0123】メインポリマーやモノマーが光照射や加熱
によって直接重合反応を起こしにくい場合には、重合反
応形式に合わせて適切な重合開始剤を用いるのが好まし
い。
【0124】例えば、エチレン性不飽和結合を有するメ
インポリマーやモノマーを用いる場合には、光ラジカル
重合開始剤を組み合わせて光硬化性のインク組成物を調
製し、或いは、熱ラジカル重合開始剤を組み合わせて熱
硬化性のインク組成物を調製することができる。
【0125】光ラジカル重合開始剤としては、例えば、
アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、ア
ントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸
化物、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィ
ド化合物類、チウラム化合物類、フルオロアミン化合物
などが用いられる。より具体的には、1−ヒドロキシ−
シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプ
ロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4
−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプ
ロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピル
フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1
−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。これらのうち
でも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケ
トン、及び、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェ
ニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンは、少量
でも電離放射線の照射による重合反応を開始し促進する
ので、本発明において好ましく用いられる。これらは市
販品にも存在し、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキ
シル−フェニル−ケトンはイルガキュアー 184(Ir
gacure 184)の商品名でチバスペシャリティーケミカル
ズ(株)から入手できる。
【0126】また、熱ラジカル重合開始剤としては、例
えば、アゾ化合物、有機又は無機過酸化物を用いること
ができる。具体的に、アゾ化合物としては、2,2’‐
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’‐アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル‐2,
2’‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)、ジメチ
ル‐2,2’‐アゾビスイソブチレートを例示できる。
有機過酸化物としては、ラウリルパーオキシド、ベンゾ
イルパーオキシド、tert‐ブチルパーオクトエートを例
示できる。無機過酸化物としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウムを例示できる。
【0127】これらの開始剤は、いずれか一種を単独で
用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。開始剤は、バインダー成分100重量部に対して、
通常は10〜20重量部の割合で配合する。
【0128】(顔料)本発明に係るインクジェットイン
ク組成物を用いて画素部やブラックマトリックス層のよ
うな着色層を形成する場合には、インク組成物中に顔料
或いはその他の着色剤を配合する。
【0129】着色剤としての顔料は、画素部のR、G、
B等の求める色に合わせて、有機着色剤及び無機着色剤
の中から任意のものを選んで使用することができる。有
機着色剤としては、例えば、染料、有機顔料、天然色素
等を用いることができる。また、無機着色剤としては、
例えば、無機顔料、体質顔料等を用いることができる。
これらの中で有機顔料は、発色性が高く、耐熱性も高い
ので、好ましく用いられる。有機顔料としては、例えば
カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and
Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に
分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラ
ーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げ
ることができる。
【0130】C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメン
トイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグ
メントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.
I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー1
6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメン
トイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピ
グメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、
C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー
71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイ
エロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメ
ントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.
ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー9
7、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエ
ロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグ
メントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー10
6、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイ
エロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピ
グメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー11
4、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイ
エロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピ
グメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー12
6、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイ
エロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピ
グメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー13
9、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイ
エロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピ
グメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー15
4、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイ
エロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピ
グメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー17
5;C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレン
ジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオ
レンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメ
ントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.
ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ3
6、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレ
ンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメン
トオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピ
グメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、
C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ
64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオ
レンジ73;C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグ
メントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット
23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメン
トバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット3
6、C.I.ピグメントバイオレット38;C.I.ピグメント
レッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレ
ッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッ
ド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド
7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド
9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド
11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッ
ド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレ
ッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメント
レッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメン
トレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメ
ントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグ
メントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピ
グメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.
ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.
I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:
1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレ
ッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピ
グメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:
2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレ
ッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピ
グメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、
C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド
58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメ
ントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、
C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド
64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメ
ントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグ
メントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.
I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド10
2、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッ
ド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメン
トレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピ
グメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、
C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド1
23、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレ
ッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメ
ントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.
ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド16
8、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッ
ド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメン
トレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピ
グメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、
C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド1
79、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレ
ッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメ
ントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.
ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド19
4、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッ
ド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメン
トレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピ
グメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、
C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド2
24、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレ
ッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメ
ントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.
ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド26
4、C.I.ピグメントレッド265;C.I.ピグメントブル
ー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメン
トブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.
I.ピグメントブルー60;C.I.ピグメントグリーン7、
C.I.ピグメントグリーン36;C.I.ピグメントブラウン
23、C.I.ピグメントブラウン25;C.I.ピグメントブ
ラック1、ピグメントブラック7。
【0131】また、前記無機顔料あるいは体質顔料の具
体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤
色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化ク
ロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成
鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発
明において、顔料は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。
【0132】カラーフィルターの基板上に、本発明のイ
ンク組成物を用いて遮光層のパターンを形成する場合に
は、インク組成物中に遮光性の高い黒色顔料を配合す
る。遮光性の高い黒色顔料としては、例えば、カーボン
ブラックや四三酸化鉄などの無機系着色剤、或いは、シ
アニンブラックなどの有機系着色剤を使用できる。
【0133】(その他の成分)本発明のカラーフィルタ
ー用インクジェットインク組成物には、必要に応じて、
その他の添加剤を1種又は2種以上配合することができ
る。そのような添加剤としては、顔料分散剤、分散助
剤、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
凝集防止剤、レベリング剤などがある。光硬化性のイン
ク組成物を調製する場合には、増感剤、連鎖移動剤、高
分子化合物からなる光架橋剤又は光増感剤などを用いて
もよい。また、エポキシ基を有するバインダーポリマー
やモノマーを用いて熱硬化性のインク組成物を調製する
場合には、エポキシ化合物と反応する硬化剤を用いても
よい。そのような添加剤としては、次のようなものを例
示できる。
【0134】a)顔料分散剤:例えば、例えば、カチオ
ン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、
フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中
でも、次に例示するような高分子界面活性剤(高分子分
散剤)が好ましい。
【0135】すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリ
オキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチ
レングリコールジステアレート等のポリエチレングリコ
ールジエステル類;ソルビタン脂肪酸エステル類;脂肪
酸変性ポリエステル類;3級アミン変性ポリウレタン類
などの高分子界面活性剤が好ましく用いられる。
【0136】b)分散助剤:例えば、銅フタロシアニン
誘導体等の青色顔料誘導体や黄色顔料誘導体等など。
【0137】c)充填剤:例えば、ガラス、アルミナな
ど。
【0138】d)密着促進剤:例えば、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランな
ど。
【0139】e)酸化防止剤:例えば、2,2−チオビ
ス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6
−ジ−t−ブチルフェノールなど。
【0140】f)紫外線吸収剤:例えば、2−(3−t
−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノ
ンなど。
【0141】g)凝集防止剤:例えば、ポリアクリル酸
ナトリウム、或いは各種の界面活性剤など。
【0142】h)増感剤:例えば、4−ジエチルアミノ
アセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノ
ン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−エ
チルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエートな
ど。
【0143】i)連鎖移動剤:例えば、2−メルカプト
ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメ
ルカプト−1,3,4−チアジアゾールなど、 j)高分子化合物からなる光架橋剤又は光増感剤:高分
子光架橋・増感剤は、光架橋剤あるいは光増感剤として
機能しうる官能基を主鎖および/または側鎖中に有する
高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベン
ズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−
アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂と
の縮合物、4−(メタ)アクリロイルフェニルシンナモ
イルエステルの(共)重合体、1,4−ポリブタジエ
ン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0144】k)エポキシ化合物と反応する硬化剤:例
えば、無水フタル酸、無水イタコン酸等の多価カルボン
酸無水物や、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸等の多
価カルボン酸を用いることができる。
【0145】(溶剤)本発明のカラーフィルター用イン
クジェットインク組成物には、当該組成物を高濃度液又
は直ちにヘッドから吐出できるインクに調製するため
に、必要に応じて溶剤を配合して固形分を溶解又は分散
させる。
【0146】本発明のカラーフィルター用インクジェッ
トインク組成物には、インクジェット方式のヘッドから
の吐出性を向上させるために、沸点が180℃〜260
℃、特に210℃〜260℃で且つ常温(特に18℃〜
25℃の範囲)での蒸気圧が0.5mmHg以下、特に
0.1mmHg以下の溶剤成分を主溶剤として用い、そ
のような主溶剤を溶剤の全量に対して80重量%以上、
好ましくは85重量%以上の割合で配合するのが好まし
い。また、主溶剤の表面張力は、29dyn/cm以上
であることが好ましい。
【0147】沸点が180℃〜260℃で且つ常温での
蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分は適度な乾燥性
及び蒸発性を有している。そのため、このような溶剤成
分を高い配合割合で含有する単独溶剤又は混合溶剤を用
いると、吐出ヘッドのノズル先端において急速には乾燥
しないので、インクの急激な粘度上昇や目詰まりが発生
せず、吐出の直進性や安定性に悪影響を及ぼさないで済
む。それと共に、被吐出面に吹き付けた後は乾燥が適度
な速度で進行するので、インクが被塗布面になじんで塗
工膜表面が水平且つ滑らかになってから、自然乾燥又は
一般的な加熱工程によってインクを速やかに且つ完全に
乾燥させることができる。湿潤剤や極めて沸点の高い溶
剤を用いる場合と比べて、乾燥工程後の塗膜中に溶剤が
残留するおそれも少ない。
【0148】本発明のインク組成物に着色剤として顔料
を用いる場合には、あらかじめ顔料を全使用量の一部の
溶剤中で分散剤と混合して分散性を付与し、得られた顔
料分散体(すなわち高濃度の顔料分散液)を他の配合成
分と共に残部の溶剤中に投入して混合しインク組成物と
することが多い。顔料分散体を調製するためには、3−
メトキシブチルアセテートやプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート(PGMEA)ような顔料を
分散させやすい溶剤を用いる必要がある。
【0149】インク組成物の溶剤は、顔料分散体を調製
するために用いる分散溶剤のように、必要に応じて主溶
剤以外の溶剤成分を少量ならば含有していても良い。し
かしながら、その場合でも、上記した沸点と蒸気圧を有
する主溶剤を溶剤全量に対して80重量%以上の割合で
使用する必要がある。主溶剤の割合が溶剤全量の80重
量%に満たない場合には、インクジェット方式に適した
乾燥性、蒸発性を確実に得ることができない。
【0150】主溶剤は、できるだけ高い配合割合で用い
るのが望ましく、具体的には少なくとも80重量%以
上、好ましくは85重量%以上とし、できるだけ100
重量%とするのが望ましい。従って、主溶剤を適切に選
択することにより、顔料分散体の調製時に分散溶剤と主
溶剤を混合使用するか、或いは、主溶剤をそのまま分散
溶剤として使用するのが好ましい。
【0151】基板表面に濡れ性可変層を形成し露光する
ことにより、基板上のインク層を形成したい部分に親イ
ンク性領域を形成し、当該親インク性領域にインクジェ
ット方式によって本発明のインク組成物を選択的に付着
させる場合には、主溶剤として、JIS K6768に
規定する濡れ性試験において示された標準液を用い、液
滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジス
マンプロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30
mN/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上、
好ましくは30°以上を示し、且つ、同じ測定法により
求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の表面に対
する接触角が10°以下を示すものを選択して用いても
よい。
【0152】濡れ性に関して上記挙動を示す溶剤を用い
てインク組成物を調製すると、インク組成物は、後述す
る濡れ性可変層の濡れ性を変化させる前は当該濡れ性可
変層の表面に対して大きな反撥性を示し、当該濡れ性可
変層の濡れ性を変化させて親水性が大きくなる方向に変
化させた後は当該濡れ性可変層の表面に対して大きな親
和性を示す。従って、濡れ性可変層の表面の一部を選択
的に露光して形成した親インク性領域に対するインク組
成物の濡れ性と、その周囲の領域に対する撥インク性領
域の濡れ性の差を大きくとることができるようになり、
親インク性領域にインクジェット方式で吹き付けたイン
ク組成物が、親インク性領域の隅々にまで均一に濡れ広
がる。その結果、微細且つ精緻なインク層のパターンを
インクジェット方式により形成できるようになる。
【0153】ここで、臨界表面張力に関し上記特性を有
する試験片は如何なる材料で形成されていても差し支え
ない。臨界表面張力30mN/mを示す試験片として
は、例えば、表面が平滑なポリメチルメタクリレート、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテ
レフタレート、平滑なガラス表面に前記ポリマーや表面
改質剤等を塗布したものの中から実際に上記試験を行っ
て該当するものを選択することができる。また、臨界表
面張力70mN/mを示す試験片としては、例えば、ナ
イロンや親水化処理したガラス表面等を塗布したものの
中から実際に上記試験を行って該当するものを選択する
ことができる。
【0154】主溶剤は、以下に示すような溶剤の中から
選んで用いることができる:エチレングリコールモノエ
チルエーテルのようなグリコールエーテル類;エチレン
グリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリ
コールエーテルエステル類;ジエチレングリコールモノ
メチルエーテルのようなグリコールオリゴマーエーテル
類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル類;
酢酸、2−エチルヘキサン酸、無水酢酸のような脂肪族
カルボン酸類又はその酸無水物;酢酸エチル、安息香酸
プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル類;炭酸ジ
エチルのようなジカルボン酸ジエステル類;3−メトキ
シプロピオン酸メチルのようなアルコキシカルボン酸エ
ステル類;アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エ
ステル類;クロロ酢酸、ジクロロ酢酸のようなハロゲン
化カルボン酸類;エタノール、イソプロパノール、フェ
ノールのようなアルコール類又はフェノール類;ジエチ
ルエーテル、アニソールのような脂肪族又は芳香族エー
テル類;2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−
プロパノールのようなアルコキシアルコール類;ジエチ
レングリコール、トリプロピレングリコールのようなグ
リコールオリゴマー類;2−ジエチルアミノエタノー
ル、トリエタノールアミンのようなアミノアルコール
類;2−エトキシエチルアセテートのようなアルコキシ
アルコールエステル類;アセトン、メチルイソブチルケ
トンのようなケトン類;N−エチルモルホリン、フェニ
ルモルホリンのようなモルホリン類;ペンチルアミン、
トリペンチルアミン、アニリンのような脂肪族又は芳香
族アミン類。
【0155】主溶剤として好ましいものとしては、エチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチ
レングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチ
ル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジ
エチル、コハク酸ジメチル、及び、コハク酸ジエチルな
どを例示することができる。これらの中でも、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテルアセテートは特に好ま
しい。
【0156】好ましいものとして例示された上記溶剤
は、沸点が180℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が
0.5mmHg以下の要求を満たしている。また、これ
らの溶剤は、それ自体を分散溶剤として用いるか、或い
は、3−メトキシブチルアセテートやプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のよ
うな従来から顔料分散体の調製に用いられている分散溶
剤と混合して用い、顔料分散体を調製することができ
る。
【0157】さらに、好ましいものとして例示された上
記溶剤は、JIS K6768に規定する濡れ性試験に
おいて示された標準液を用い、液滴を接触させて30秒
後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフ
により求めた臨界表面張力が30mN/mの試験片の表
面に対する接触角が25°以上を示し、且つ、同じ測定
法により求めた臨界表面張力が70mN/mの試験片の
表面に対する接触角が10°以下を示すという要求も満
たしている。従って、これらの溶剤は、基板表面に濡れ
性可変層を設けて露光し、露光部分と未露光部分の間の
濡れ性の差を利用してインク組成物を選択的に付着させ
る場合にも、主溶剤として好適に用いることができる。
【0158】溶剤は、当該溶剤を含むインク組成物の全
量に対して、通常は40〜95重量%の割合で用いてイ
ンク組成物を調製する。溶剤が少なすぎると、インクの
粘度が高く、インクジェットヘッドからの吐出が困難に
なる。また、溶剤が多すぎると、所定の濡れ性変化部位
(インク層形成部位)に対するインク盛り量(インク堆
積量)が十分でないうちに当該濡れ性変化部位に堆積さ
せたインクの膜が決壊し、周囲の未露光部へはみ出し、
さらには隣の濡れ性変化部位(インク層形成部位)にま
で濡れ広がってしまう。言い換えれば、インクを付着さ
せるべき濡れ性変化部位(インク層形成部位)からはみ
出さないで堆積させることのできるインク盛り量が不十
分となり、乾燥後の膜厚が薄すぎて、それに伴い十分な
透過濃度を得ることができなくなる。
【0159】(インク組成物の製造方法)本発明のカラ
ーフィルタ用インクジェットインク組成物は、必須成分
であるメインポリマーを必要に応じて顔料などの他の配
合成分と共に、前記したような主溶剤を90重量%以上
の割合で含有する単独溶剤又は混合溶剤に投入して混合
し、固形成分を溶解又は分散させて製造しても良い。
【0160】しかしながら、顔料をバインダー成分等の
他の成分と共に溶剤全体中に直接投入し攪拌混合する場
合には、顔料を溶剤中に十分に分散させられないことが
多い。そのため、顔料を用いる場合には、顔料の分散性
及び分散安定性が良好な溶剤を用意し、当該溶剤に顔料
を必要に応じて分散剤と共に投入してディソルバーなど
により十分攪拌し、顔料分散体を予備調製するのが好ま
しい。そして、得られた顔料分散体を、顔料以外の成分
と共に、ほとんど主溶剤からなるか又は主溶剤のみから
なる溶剤に投入し、ディソルバーなどにより十分に攪拌
混合することによって、顔料の分散性が良好なインク組
成物とすることができる。
【0161】顔料分散体を投入する残部の溶剤として
は、最終的な溶剤全体の組成から顔料分散体の調製に用
いた溶剤の分を差し引いた組成を有するものを用い、最
終濃度にまで希釈してインク組成物を完成させても良
い。また、顔料分散体を比較的少量の主溶剤に投入して
高濃度のインク組成物を調製しても良い。高濃度のイン
ク組成物は、そのまま保存し、使用直前に最終濃度に希
釈してインクジェット方式に使用することができる。
【0162】本発明においては、主溶剤として沸点が1
80℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmH
g以下の溶剤成分を溶剤全体の80重量%以上の割合で
含有する単独溶剤又は混合溶剤を用いるのが好ましい。
しかし、主溶剤の最終濃度を溶剤全体の80重量%以上
とするためには、顔料分散体の調製時に3−メトキシブ
チルアセテートやプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート(PGMEA)のような従来から用いら
れている分散溶剤を十分な量だけ用いることができない
場合がある。その場合には、主溶剤として使用可能な溶
剤の中から顔料の分散性、分散安定性が比較的良好なも
のを選択し、従来から用いられている分散溶剤と混合し
たものを分散溶剤として用いるか、或いは、このような
顔料分散性が比較的良好な主溶剤をそのまま分散溶剤と
して用いる。
【0163】(カラーフィルターの製造方法)本発明に
係るカラーフィルター用インクジェットインク組成物
を、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインク
ジェット方式により選択的に付着させて所定パターンの
インク層を形成した後、当該インク層を加熱して硬化さ
せることによって、画素部、ブラックマトリックス層、
柱状スペーサー、保護膜など、カラーフィルターの細部
としての硬化樹脂層を形成することができる。
【0164】(1)第一の方法 本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインク
組成物として、顔料を配合した画素部形成用インクを用
いるカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に説明
する。先ず、図4(A)に示すようにカラーフィルター
の透明基板15を準備する。この透明基板としては、従
来よりカラーフィルターに用いられているものであれば
特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パ
イレックスガラス(登録商標)、合成石英板等の可とう
性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィル
ム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシ
ブル材を用いることができる。この中で特にコーニング
社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸
法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、ま
た、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラ
スであるため、アクティブマトリックス方式によるカラ
ー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本
発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の
基板や白色に着色した基板でも用いることは可能であ
る。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガ
スバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを
用いてもよい。
【0165】次に、図4(B)に示すように、透明基板
15の一面側の画素部間の境界となる領域にブラックマ
トリックス層16を形成する。ブラックマトリックス層
16は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1
000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成
し、この薄膜をパターニングすることにより形成するこ
とができる。このパターニングの方法としては、スパッ
タ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0166】また、ブラックマトリックス層16として
は、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、
無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であ
ってもよい。用いられる樹脂バインダーとしては、ポリ
イミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイ
ン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合した
ものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の
樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン
化したもの等を用いることができる。このような樹脂製
ブラックマトリックス層の厚みとしては、0.5〜10
μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂
製ブラックマトリックス層のパターニングの方法として
は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方
法を用いることができる。
【0167】次に、図4(C)に示すように、ブラック
マトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマ
トリックス層よりも幅の狭い撥インク性凸部17を必要
に応じて形成する。このような撥インク性凸部の組成
は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定
されるものではない。また、特に透明である必要はな
く、着色されたものであってもよい。例えば、ブラック
マトリックス層に用いられる材料であって、黒色の材料
を混入しない材料等を用いることができる。具体的に
は、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または
2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹
脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化
したもの等を挙げることができる。本発明においては、
取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化
性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性凸部
は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシ
リコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で
処理したものでもよい。
【0168】撥インク性凸部のパターニングは、撥イン
ク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工
液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができ
る。撥インク性凸部の高さは、上述したようにインクジ
ェット法により着色する際にインクが混色することを防
止するために設けられるものであることから、ある程度
高いことが好ましいが、カラーフィルターとした場合の
全体の平坦性を考慮すると、画素部の厚さに近い厚さで
あることが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの
堆積量によっても異なるが、通常は0.1〜2.0μm
の範囲内であることが好ましい。
【0169】次に、R、G又はBの顔料が配合された本
発明に係る各色の画素部形成用インク組成物を用意す
る。そして、図4(D)に示すように、透明基板15の
表面に、ブラックマトリックス層16のパターンにより
画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18
Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェッ
ト方式により吹き付けてインク層を形成する。インク層
は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザ
イク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置
型等の所望の形態で配列されるように形成される。この
インクの吹き付け工程において、画素部形成用インク
は、ヘッド19の先端部で粘度増大を起こし難く、良好
な吐出性を維持し続けることができる。従って、所定の
画素部形成領域内に、対応する色のインクを正確に、且
つ、均一に付着させることができ、正確なパターンで色
ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。ま
た、各色の画素部形成用インクを、複数のヘッドを使っ
て同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等
の方法で各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業
効率を向上させることができる。さらに、本発明にかか
るインク組成物の安定性は上述のように高いので、一旦
使用に供して残ったインク組成物の残液は、短時間の作
業ではまだ劣化していない。従って、そのような残液を
回収したり或いは新鮮なインク組成物を注ぎ足すなどし
て再使用することが可能であり、経済的である。
【0170】次に、図4(E)に示すように、各色のイ
ンク層20R、20G、20Bを硬化させる。インク層
を硬化させるには、バインダー系の反応形式に応じて電
離放射線21等の何らかの光線(不可視光又は可視光)
を照射するか又は加熱する。インク層には、インク層を
硬化させた後、必要に応じて、ポストベークを行って画
素部を形成する。画素部の厚さは、光学特性等を考慮し
て、通常は0.1〜2.0μm程度とする。
【0171】次に、図4(F)に示すように、透明基板
の画素部22R、22G、22Bを形成した側に、保護
膜23を形成する。保護膜の厚みは、使用される材料の
光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設
定することができ、例えば、0.1〜2.0μmの範囲
で設定することができる。保護膜は、例えば、公知の透
明感光性樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保
護膜として要求される光透過率等を有するものを用いて
保護膜用塗工液を調製し、スピンコーターにより500
〜1500回転/分の範囲内で塗工することにより形成
できる。
【0172】保護膜上の透明電極は、酸化インジウムス
ズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
O)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリン
グ法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形
成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチン
グ又は治具の使用により所定のパターンとしたものであ
る。この透明電極の厚みは20〜500nm程度、好ま
しくは100〜300nm程度とすることできる。
【0173】透明電極上に柱状スペーサーを形成する場
合には、光硬化性樹脂組成物の塗工液を、スピンコータ
ー、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により塗
布し、フォトマスクを介する紫外線照射により露光し、
アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬化するこ
とにより形成できる。柱状スペーサーは、例えば、5μ
m程度の高さに形成される。スピンコーターの回転数も
保護膜を形成する場合と同様に、500〜1500回転
/分の範囲内で設定すればよい。
【0174】このようにして、本発明に係るカラーフィ
ルター用インクジェットインク組成物を用いてカラーフ
ィルター103が製造される。そして、このカラーフィ
ルターの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向さ
せ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、液晶
パネルが得られる。
【0175】この例においては、本発明のインク組成物
を用いて画素部を形成する。本発明に係るカラーフィル
ター用インクジェットインクを用いるインクジェット方
式によれば、画素部以外にブラックマトリックス層、柱
状スペーサー、保護膜なども所望のパターン状に形成す
ることができるが、画素部やブラックマトリックス層の
ように高い精細度が求められる着色層を形成できる点で
特に利用価値が高い。
【0176】(2)第二の方法 カラーフィルターの基板表面の所定領域内の濡れ性を選
択的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいイ
ンク層形成領域を形成し、当該インク層形成領域に、本
発明に係るインク組成物をインクジェット方式により選
択的に付着させてインク層を形成し、当該インク層を硬
化させる方法によって、特に微細パターンの硬化樹脂層
を正確に形成することができる。
【0177】例えば、カラーフィルターの透明基板上
に、光触媒の作用により親インク性が大きくなる方向に
濡れ性を変化させる濡れ性可変層を形成し、当該濡れ性
可変層の表面の所定領域内の濡れ性を露光により選択的
に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいインク
層形成領域を形成し、当該インク層形成領域に、本発明
に係るインク組成物をインクジェット方式により選択的
に付着させてインク層を形成することが可能である。
【0178】このような濡れ性可変層を基板上に設ける
場合には、主溶剤として、JISK6768に規定する
濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を接触
させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマンプロ
ットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN/m
の試験片の表面に対する接触角が25°以上を示し、且
つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70mN/
mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を示すも
のを用いて調製したインク組成物を用いるのが好まし
い。
【0179】このようなカラーフィルターの第二の製造
方法の一例を、以下に説明する。先ず、図5(A)に示
すように、カラーフィルターの透明基板15を用意す
る。次に、図5(B)に示すように、透明基板15の一
面側の画素部間の境界となる領域にブラックマトリック
ス層16を形成する。このブラックマトリックス層のパ
ターンによって、各色の画素部形成領域18R、18
G、18Bが画成される。透明基板15としては、上述
した第一の方法で用いられるのと同じものを用いること
ができ、ブラックマトリックス層16も、第一の方法に
おけるのと同様のものを設けることができる。
【0180】次に、図5(C)に示すように、透明基板
15の表面の少なくとも一部領域、特に、この例では、
画素部形成領域を含む領域に、濡れ性可変層としての光
触媒含有層24をベタ塗りのパターン(ソリッドパター
ン状)に形成する。
【0181】上記光触媒含有層24のような濡れ性可変
層の画素部形成領域の濡れ性を選択的に変化させて親イ
ンク性を大きくすると、本発明のインク組成物は、画素
部形成領域に容易に付着して均一に広がり、一方、画素
部形成領域の周囲領域では強く反撥して排除されるの
で、画素部形成領域に選択的に且つ均一に付着し、その
結果、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を
形成することができる。
【0182】第二の方法において用いる濡れ性可変層
は、JIS K6768に規定する濡れ試験において示
された標準液を用い、液滴を接触させて30秒後の接触
角(θ)を測定し、ジスマンプロットのグラフにより求
めた臨界表面張力が、濡れ性を変化させる前においては
20〜50mN/mを示し、且つ、濡れ性を変化させた
後においては40〜80mN/mを示すものであること
が好ましい。
【0183】臨界表面張力をこのように変化させること
のできる濡れ性可変層を用いると、インク組成物は、濡
れ性を変化させて親インク性を大きくした画素部形成領
域等のパターン形成領域において、非常に小さな接触角
を示し、一方、パターン形成領域の周囲においては非常
に大きな接触角を示し、濡れ性の差を非常に大きくとる
ことができる。
【0184】光触媒含有層24に照射される光は、光触
媒を活性化できるものであれば可視光線であっても不可
視光線であっても差し支えないが、通常は、紫外光を含
む光を用いる。このような紫外光を含む光源としては、
例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ等を挙げることができる。この露光に用いる光の
波長は400nm以下の範囲、好ましくは380nm以
下の範囲から設定することができ、また、露光に際して
の光の照射量は、露光された部位が光触媒の作用により
親水性を増大させるのに必要な照射量とすることができ
る。
【0185】親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変
化させることのできる濡れ性可変層としては、例えば、
a)図示した光触媒含有層24のように光触媒を含有し
且つ光触媒の作用により濡れ性可変層自体の親水性が増
大するもののほか、b)濡れ性可変層の下側(透明基板
側)に光触媒含有層を備え、光触媒含有層内に存在する
光触媒の作用によって濡れ性可変層の親水性が増大する
もの、c)光触媒及び当該光触媒の作用により分解する
バインダーからなる分解性濡れ性可変層であって、当該
分解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水
性を有する下地、例えば透明基板等が露出するもの、或
いは、d)光触媒の作用により分解するバインダーから
なる分解性濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を備え、
光触媒含有層内に存在する光触媒の作用によって当該分
解性濡れ性可変層の露光部分が分解、除去されて親水性
を有する下地、例えば光触媒含有層等が露出するものな
どを例示することができる。
【0186】本発明における「親インク性が大きくなる
方向に濡れ性を変化させることのできる濡れ性可変層」
は、基板に濡れ性可変層を設けてなる積層体において、
濡れ性可変層形成面の濡れ性を親インク性が大きくなる
方向に変化させるものであればよく、上記例示a)、
b)のように、濡れ性可変層自体の親インク性が増大す
るものだけでなく、上記例示c)、d)のように、濡れ
性可変層が分解して親インク性の下地が露出するもの
も、これに含まれる。
【0187】以下において、上記a)及びb)のタイプ
について、詳しく説明する。
【0188】a)それ自体の親水性が増大する光触媒含
有層図示した光触媒含有層24のように、それ自体が濡
れ性可変層として機能する光触媒含有層は、光触媒とバ
インダーとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に
分散して塗布液を調製し、この塗布液を塗布した後、加
水分解、重縮合反応を進行させてバインダー中に光触媒
を強固に固定することにより形成される。
【0189】光触媒としては、光半導体として知られる
例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化スズ(SnO2)、チタン酸ストロンチウム(Sr
TiO3)、酸化タングステン(WO3)、酸化ビスマス
(Bi23)、および酸化鉄(Fe23)を挙げること
ができ、これらから選択して1種または2種以上を混合
して用いることができる。
【0190】光触媒含有層における光触媒の作用機構
は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって
生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、ある
いは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、
有機物の化学構造に変化を及ぼし、例えば、バインダー
の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等によって親
水性を増大させると考えられる。
【0191】本発明においては、特に酸化チタンが、バ
ンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性も
なく、入手も容易であることから好適に使用される。酸
化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本発明で
はいずれも使用することができるが、アナターゼ型の酸
化チタンが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは励起波
長が380nm以下にある。
【0192】このようなアナターゼ型酸化チタンとして
は、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル
(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、
石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナタ
ーゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平
均粒径12nm))等を挙げることができる。
【0193】光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効
果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下の
光触媒が好ましく、20nm以下の光触媒を使用するの
が特に好ましい。また、光触媒の粒径が小さいほど、形
成された光触媒含有層の表面粗さが小さくなるので好ま
しく、光触媒の粒径が100nmを越えると光触媒含有
層の中心線平均表面粗さが粗くなり、光触媒含有層の非
露光部の撥インク性が低下し、また露光部の親インク性
の発現が不十分となるため好ましくない。
【0194】このタイプの光触媒含有層に使用するバイ
ンダーは、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解さ
れないような高い結合エネルギーを有するものが好まし
く、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたは
アルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度
を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥
油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリ
シロキサン等を挙げることができる。
【0195】上記の(1)の場合、下記式(1): YSiX(4−n) (ここで、Yは水素、又は、置換基を有していてもよい
炭化水素基を示す。一分子中の複数のYは互いに同じ基
であっても異なる基であってもよい。nは0〜3までの
整数である。)で示される珪素化合物の1種または2種
以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物である
オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0196】上記式(1)で表される珪素化合物は、Y
としての置換基を有していてもよい炭化水素基を少なく
とも一つ有しているのが好ましい。
【0197】上記式(1)において、未置換の炭化水素
基、又は、置換された炭化水素基の炭化水素基部分とし
ては、例えば、メチル、エチルその他のアルキル等の直
鎖又は分岐脂肪族炭化水素基;シクロヘキシル等の脂環
式炭化水素基;ビニル等の不飽和炭化水素基;フェニル
等の芳香族炭化水素基などを例示でき、これらの炭化水
素基又は炭化水素基部分の炭素数は1〜20の範囲内で
あることが好ましい。
【0198】また、上記式(1)において置換基を有し
ていてもよい炭化水素基としては、フルオロアルキル等
のフッ素置含有炭化水素基;グリシドキシアルキルやβ
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アルキルのよう
なエポキシ含有炭化水素基;(メタ)アクリロイルオキ
シアルキルのようなアクリロイルオキシ又はメタクリロ
イルオキシ含有炭化水素基;アミノアルキルのようなア
ミノ含有炭化水素基;メルカプトアルキルのようなメル
カプト含有炭化水素基;N−フルオロアルキルスルホニ
ルアミノアルキル等のN−フルオロアルキルスルホンア
ミド基含有炭化水素基をはじめとするフルオロアルキル
含有炭化水素基などを例示できる。
【0199】また、Xで示されるアルコキシ基は、メト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基である
ことが好ましい。
【0200】具体的には、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリ
クロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n
−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポ
キシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラ
ン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェ
ニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テ
トラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエト
キシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロ
ムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジ
ブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、
フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメト
キシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリク
ロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメト
キシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイ
ソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシ
ラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt
−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフ
ルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロ
ピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイ
ソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブ
トキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−
メタアクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロピル
トリエトキシシラン、γ−メタアクリロイルオキシプロ
ピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロイル
オキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラ
ン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン;および、それらの部
分加水分解物;および、それらの混合物を使用すること
ができる。
【0201】また、オルガノポリシロキサン化合物とし
て、特にフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
フルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサン化
合物を用いて濡れ性可変層を形成すると、フルオロアル
キル基の作用により非露光部の撥水性、撥インク性が高
くなり、高親水化した露光部と高撥水性の非露光部との
間に、インクに対する濡れ性の差を大きくとることがで
きる。
【0202】具体的には、前記一般式YSiX
(4−n)で表される珪素化合物を縮合単位とする加水
分解縮合物、又は、共加水分解縮合物であって、縮合単
位の全部又は少なくとも一部が、下記のフルオロアルキ
ルシランのようなフルオロアルキル基含有珪素化合物の
1種または2種以上であるものを使用することができ
る。下記のフルオロアルキルシランは、一般にフッ素系
シランカップリング剤として知られている。
【0203】CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;CF(CFCHCHSi(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si(OCH;(CFCF(CF
CHCHSi(OCH;(CFCF
(CFCHCHSi(OCH;CF
(C)CSi(OCH;CF(C
(C)CSi(OCH;C
(CF(C)CSi(OC
;CF(CF(C)C
i(OCH;CF(CFCHCH
iCH(OCH;CF(CFCH
SiCH(OCH;CF(CF
CHSiCH(OCH;CF(C
CHCHSiCH(OCH;(C
CF(CFCHCHSiCH(O
CH;(CFCF(CFCHCH
Si CH(OCH;(CFCF(C
CHCHSi CH(OCH;C
(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH
(OCH;CF(CF(C)C
SiCH(OCH;CF(CF
(C)CSiCH(OCH;CF
(CFCHCHSi(OCH
;CF(CFCHCHSi(OC
CH;CF(CFCHCHSi
(OCHCH;CF(CFCHCH
Si(OCHCH;およびCF(CF
SON(C)CCHSi(OC
【0204】上記のようなフルオロアルキル基を含有す
るポリシロキサンをバインダとして用いることにより、
光触媒含有層の濡れ性を変化させる前の撥インク性が大
きくなるので、濡れ性を変化させる前後で濡れ性の差を
大きくとることができる。
【0205】また、上記(2)の反応性シリコーンとし
ては、下記式(2)で表される骨格をもつ化合物を挙げ
ることができる。
【0206】
【化1】
【0207】ただし、nは2以上の整数であり、R1
2はそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換の
アルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキ
ル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェ
ニル、ハロゲン化フェニルである。また、R1、R2がメ
チル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好
ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好
ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少
なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
【0208】また、上記のオルガノポリシロキサンとと
もに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしな
い安定なオルガノシリコン化合物をバインダーに混合し
てもよい。
【0209】光触媒含有層には上記の光触媒、バインダ
ーの他に、界面活性剤を含有させることができる。具体
的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、
BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポ
ン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サ
ーフロンS−141、145、大日本インク化学工業
(株)製メガファックF−141、144、ネオス
(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキ
ン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリ
ーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフ
ッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙
げることかでき、また、カチオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもでき
る。
【0210】また、光触媒含有層には上記の界面活性剤
の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレー
ト、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイ
ミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸
ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイ
ミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリ
ン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマ
ー、ポリマー等を含有させることができる。
【0211】光触媒含有層中の光触媒の含有量は、5〜
60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定
することができる。また、光触媒含有層の厚みは、0.
05〜10μmの範囲内が好ましい。
【0212】上記各成分を溶解、分散する溶剤として
は、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の
有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコ
ート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等
の公知の塗布方法により行うことができる。バインダー
として紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線
を照射して硬化処理を行うことにより光触媒含有層を形
成することができる。
【0213】b)濡れ性可変層の下側に光触媒含有層を
備え、濡れ性可変層の親水性が増大するものこのタイプ
の濡れ性可変層を形成するには、先ず、バインダー及び
光触媒を溶解、分散した塗工液を、カラーフィルターの
透明基板上に塗布した後、加水分解、重縮合反応を進行
させて光触媒含有層を形成するか、又は、光触媒単体の
光触媒含有層を形成する。次いで、光触媒含有層の上
に、疎水性の有機物からなる薄膜の濡れ性可変層を形成
する。光触媒、バインダー、或いは溶剤等は、上記a)
のタイプで用いるのと同じものを用いてよい。
【0214】有機物の薄膜の形成には、溶液の塗布、表
面グラフト処理、界面活性剤処理、PVD、CVD等の
気相による成膜法を用いることができる。有機物として
は、低分子化合物、高分子化合物、界面活性剤等で、光
触媒によって濡れ性が変化するものを用いることができ
る。具体的には、光触媒の作用により有機基が水酸基に
変化するシラン化合物で、シランカップリング剤、クロ
ロシラン、アルコキシシラン、あるいはこれらの2種以
上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物を挙げることが
できる。光触媒含有層の上には、上述したオルガノポリ
シロキサンからなる濡れ性可変層を形成してもよく、そ
の場合にはフルオロアルキル基を含有するオルガノポリ
シロキサンを用いるのが好ましい。
【0215】なお、上記例示の濡れ性可変層は、当該濡
れ性可変層自体が光触媒を含有する光触媒含有層である
か、又は、当該濡れ性可変層の透明基板側に設けられた
光触媒含有層を備えており、当該光触媒含有層に光線を
照射することによって光触媒を活性化し、活性化された
当該光触媒の作用により、親インク性が大きくなる方向
に濡れ性を変化させるものである。すなわち、例示の濡
れ性可変層は、いずれも、光線を照射されることによっ
て親インク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させるも
のである。
【0216】しかしながら、本発明において濡れ性可変
層は、その表面の濡れ性を、外からの刺激、例えば物理
的刺激、化学的刺激等により変化させることができる層
であれば特に限定されるものではない。例えば、酸また
はアルカリ等により表面の粗さの状態が変化し、濡れ性
が変化する層等であってもよいし、また紫外線や可視
光、さらには熱等のエネルギーの照射により濡れ性可変
層内の物質が変化して濡れ性が変化する層等であっても
よい。
【0217】また、例示の方法で用いられている光触媒
含有層は、画素部形成領域に光線を照射して親インク性
を増大させ、インク組成物を選択的に付着させるが、何
らかの刺激によって親インク性が減少するような濡れ性
可変層をカラーフィルターの透明基板上に設け、画素部
形成領域のネガパターン状に濡れ性を変化させる刺激を
与えることによっても、インク組成物を所望の領域だけ
に選択的に付着させることが可能である。
【0218】次に、図5(D)に示すように、遮光部の
パターンの幅方向中央に光触媒含有層24を介して、遮
光部よりも幅の狭い撥インク性凸部17を必要に応じて
形成する。この撥インク性凸部は、第一の方法における
のと同様のものを設けることができる。
【0219】次に、図5(E)に示すように、光触媒含
有層24にフォトマスク25を介して光線21を照射し
て露光を行い、画素部形成領域18R、18G、18B
の親水性を増大させる。フォトマスク25を用いて露光
を行う場合は、隣接し合う画素部形成領域間の境界部に
未露光部を確保しつつ、露光部26の幅を画素部形成領
域18R、18G、18Bの幅よりも広くとるようにす
ることが好ましい。このようにすることにより、画素部
形成領域の隅々まで十分に露光され、親水性が増大する
ので、画素部の色抜け等の不都合が生じなくなる。光触
媒含有層24は、フォトマスクを用いずとも、レーザー
光線の走査によるフォトリソグラフィーなどの他の方法
で所定のパターン状に露光してもよい。また、透明基板
の裏面側(光触媒含有層24が設けられているのとは反
対側)から露光を行うと、遮光層16がフォトマスクと
して機能するので、フォトマスクが不要である。
【0220】次に、本発明のカラーフィルター用光硬化
性インク組成物であって、1又は2以上の着色剤を配合
してなる、各色の画素部形成用インクを用意する。そし
て、上述した図5(E)の工程において親水性を増大さ
せた画素部形成領域18R、18G、18Bに、対応す
る色の画素部形成用インクを選択的に付着させて、図6
(F)に示すようなインク層20R、20G、20Bを
形成する。
【0221】画素部形成用インクは、印刷等の任意の方
法で画素部形成領域に付着させることができるが、図6
(F)に示すように、インクジェット方式により画素部
形成領域に吹き付けるのが好ましい。本発明に属する画
素部形成用インクは、ヘッド19の先端部で粘度増大を
起こし難く、良好な吐出性を維持し続けることができ
る。従って、本発明の光硬化性インク組成物を、濡れ性
を変化させて親水性を増大させた所定のパターン形成領
域にインクジェット方式により吹き付けることによっ
て、正確に且つ均一に付着させることができ、正確なパ
ターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することが
できる。また、各色の画素部形成用インクを、複数のヘ
ッド19を使って同時に基板上に吹き付けることもでき
るので、各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業
効率を向上させることができる。
【0222】次に、図6(G)に示すように、各色のイ
ンク層20R、20G、20Bを乾燥し必要に応じてプ
リベークした後、硬化させる。インク層を硬化させるに
は、バインダー系の反応形式に応じて電離放射線等の何
らかの光線21(不可視光又は可視光)を照射するか又
は加熱する。インク層は、硬化後に必要に応じてポスト
ベークを行って各色の画素部を形成する。画素部の厚さ
は、光学特性等を考慮して、通常は0.1〜2.0μm
程度とする。
【0223】次に、図6(H)に示すように、透明基板
の画素部22R、22G、22Bを形成した側に、保護
層23を形成する。保護層は、カラーフィルターを平坦
化するとともに、画素部等に含有される成分が、液晶表
示装置の液晶層へ溶出するのを防止するために設けられ
る。保護層の厚みは、使用される材料の光透過率、カラ
ーフィルターの表面状態等を考慮して設定することがで
き、例えば、0.1〜2.0μmの範囲で設定すること
ができる。保護層は、第一の方法におけるのと同様のも
のを設けることができる。
【0224】このようにして、本発明に係るカラーフィ
ルター用インクジェットインク組成物を用いてカラーフ
ィルター104が製造される。カラーフィルター104
の保護膜23上に、透明電極と柱状スペーサーをさらに
形成することができる。第二の方法における硬化工程、
保護膜形成工程、透明電極形成工程、及び、柱状スペー
サー形成工程は、第一の方法におけるのと同様に行うこ
とができる。
【0225】この例においては、本発明に係るインク組
成物である画素部形成用インクを用いて画素部を形成す
るが、本発明に係るインク組成物を、基板表面の濡れ性
の差を利用して親インク性領域だけに選択的に付着させ
ることによって、画素部以外の硬化層、例えば、遮光層
や撥インク性凸部、柱状スペーサー、保護膜などを、所
望のパターン状に形成することもできる。
【0226】遮光層16を形成したい場合には、先ず、
本発明のインク組成物であって黒色顔料などの遮光性着
色剤を配合してなる遮光層形成用インクを調製する。次
に、透明基板15の上に濡れ性変化層24を形成し、遮
光層を形成すべき領域の濡れ性を変化させて親水性を増
大させ、予め用意しておいた遮光層形成用インクを、親
水性(親インク性)が増大した遮光層形成領域にインク
ジェット等の方法により選択的に付着させてインク層を
所定のパターン状に形成し、当該インク層に光を照射し
て硬化させ、必要に応じてベークすることによって遮光
層を形成できる。遮光層形成用インクは光透過性が悪い
が、光の種類や照射条件を調節することによって、光硬
化させることが可能である。
【0227】また、撥インク性凸部17を形成したい場
合には、先ず、本発明のインク組成物であって、撥イン
ク性のバインダーを配合してなる撥インク性凸部形成用
インクを調製する。次に、透明基板15の上に、遮光層
16及び濡れ性変化層24を順次形成する。次に、遮光
層16の上面の中央に、当該遮光層16の長手方向に沿
って当該遮光層16よりも幅狭のパターン状に、濡れ性
を変化させた撥インク性凸部形成領域を形成する。次
に、親水性(親インク性)が増大した撥インク性凸部形
成領域にインクジェット等の方法により選択的に付着さ
せてインク層を所定のパターン状に形成し、当該インク
層に光を照射して硬化させ、必要に応じてベークするこ
とによって撥インク性凸部17を形成できる。撥インク
性凸部形成用インクは、遮光性を必要としないので光透
過性が良く、従って、容易に光硬化させることができ
る。
【0228】
【実施例】(参考例1) (1)BzMA系マクロモノマーの合成 メルカプトプロピオン酸(MPA)0.3部、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMA
C)110部、ベンジルメタクリレート(BzMA)3
0.69部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(H
EMA)1.40部を反応フラスコに仕込む。93℃に
加熱・攪拌した後、窒素気流下で、一方の供給口よりア
ゾビスメチルイソブチロニトリル(ABN−E)1.0
部、PGMAC15部の混合液を4時間かけて、他方の
供給口よりBzMA62.31部、HEMA5.6部、
MPA1.2部の混合液を2.5時間かけて連続供給
し、重合した。さらに4時間加熱して計8時間で重合を
完結した。数平均分子量(Mn)=6,100、重量平
均分子量(Mw)=11,300、酸価0.0621m
eq/gで片末端にカルボキシル基を有するポリマーを
得た。
【0229】空気バブリングに切り替えて、引き続き、
グリシジルメタクリレート(GMA)2.0部(酸分に
対し99.4モル%)、メトキシフェノール(MQ)
0.05部、ジメチルベンジルアミン(DMBA)4.
56部、PGMAC6部を仕込み、110℃で8時間加
熱攪拌した。酸価0.001meq/gとなり、カルボ
キシル基の反応率が98%以上であることが確認され
た。片末端にGMAが付加したマクロモノマーが得られ
た。
【0230】その後、無水コハク酸6.5部(水酸基に
対し96%当量)入れて、引き続き同条件で加熱反応を
5時間おこなった。酸価=0.264meq/gであっ
た。
【0231】10倍量のn−へキサンに沈殿後、真空乾
燥して、Mn=6,500、Mw=12,400の片末
端に二重結合を有し、セグメント中にカルボキシル基を
含有するBzMA系マクロモノマーを得た。
【0232】(2)グラフトポリマーの合成 上記マクロモノマー50部、スチレン(St)23.5
部、メタクリル酸(MAA)7.0部、MPA0.66
部、ブチルジグリコールアセテート(BDGAC)10
0部を反応器に仕込み、93℃、窒素雰囲気下で、一方
の供給口よりSt10.5部、MAA9.0部、MPA
1.54部の混合液を2時間かけて連続供給し、他方の
供給口より、ABN−E 2部、BDGAC28部の混
合液を5時間かけて連続供給して重合をおこなった。さ
らに3時間加熱して、計8時間で重合を完結した。 G
PC分析の結果、Mw=9,300であった。この溶液
を10倍量のn−へキサンに沈殿後、真空乾燥して、1
04部の固形分を得た。
【0233】上記のようにして得られた枝/幹にカルボ
キシル基を有するグラフトポリマー104.2部、GM
A 33部(酸分に対し98モル%)、DMBA 4.
63部、MQ 0.23部、BDGAC 170部をフ
ラスコに仕込んだ。空気バブリングしながら、110℃
で8時間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィーでGM
Aが消失したことを確認し、反応を終了した。反応前の
反応液酸価が0.98meq/gであったものが、8時
間後には酸価が0.04meq/gとなり、カルボキシ
ル基にGMAが付加したことが分かった。
【0234】こうして得られたグラフトポリマーは幹部
がSt系ポリマー鎖、枝部がBzMA系ポリマー鎖であ
り、Mw=9,400であった。
【0235】また、原料の仕込み量から計算した二重結
合当量は590g/eqだった。
【0236】(参考例2〜4)参考例1と同様にし、マ
クロモノマーの主成分及び、グラフトポリマー幹部の主
成分を第1表の様に置き換えたグラフトポリマーを合成
した。
【0237】
【表1】
【0238】 *1:St(スチレン) *2:BzMA(ベンジルメタクリレート) *3:MMA(メチルメタクリレート) (実施例1〜4) (1)外観観察 上記参考例1乃至4で得られたグラフトポリマーに、ポ
リマー合成に用いた溶剤であるジエチレングリコールモ
ノブチルエーテルアセテートを希釈溶剤として添加し、
固形分濃度を40重量%に調整した。このグラフトポリ
マー溶液の外観を目視観察した。
【0239】(2)再溶解性 サンプル瓶(容量200ml)にテフロン(登録商標)
被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置
した。このサンプル瓶の中に、メインポリマーとして上
記参考例1乃至4で得られたグラフトポリマー、モノマ
ーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート(2
官能のアクリレートモノマー)及びジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート(4乃至5官能のアクリレート
モノマー)、開始剤としてソルスパース24000(A
VECIA社製)、分散剤として2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパ
ン)−1−オン、顔料としてC.I.ピグメントレッド
254、溶剤としてジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテートを第2表に示す配合割合に従って入
れ、十分に攪拌溶解した後、これを濾過してインクα−
1乃至α−4を得た。希釈用の主溶剤としてはポリマー
合成にも用いたジエチレングリコールモノブチルエーテ
ルアセテートを用いた。
【0240】得られたインクα−1乃至α−4をスピン
コーターでNA35のガラス基板(NHテクノグラス
(株)製)に塗布量(乾燥時厚さ1.0μm)となるよ
うに塗工し、常温で30秒間風乾し、塗膜を得た。
【0241】ガラス基板上の塗膜の半分を、希釈溶剤で
あるジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテー
トの中に30秒間浸漬して引き上げ、浸漬部の溶解状態
を肉眼で非浸漬部と比較し、下記基準で評価した。
【0242】<溶解性の基準> ○:浸漬部がほとんど溶解した。 △:浸漬部の塗膜が一部残存していた。 ×:浸漬部の塗膜がほとんど残存している。
【0243】(3)評価結果 上記の外観観察及び再溶解性の評価結果を第3表に示
す。参考例1乃至4で合成したグラフトポリマーは、い
ずれもインクジェット方式での吐出性に優れていた。特
に、幹成分がスチレン系ポリマー鎖であり枝成分がメタ
クリレート系ポリマー鎖である参考例1及び2のグラフ
トポリマーは、外観及び希釈溶剤による再溶解性に優れ
ているので、透明性に優れた塗膜を形成可能であり、且
つ、インクジェットヘッドの目詰まりが生じにくいと考
えられた。
【0244】幹成分がスチレン系ポリマー鎖である枝成
分がメタクリレート系ポリマー鎖であるグラフトポリマ
ーは、スチレン系ポリマー鎖と比べて顔料親和性が大き
いメタクリレート系ポリマー鎖が顔料側を向き、溶剤親
和性が相対的に大きいスチレン系ポリマー鎖が溶剤側を
向くことによって、分散助剤として作用すると推測され
る。
【0245】また、スチレン系ポリマー鎖を枝成分とし
て用いる場合には、共役二重結合の影響で着色し易い
が、スチレン系ポリマー鎖を幹成分として用いる場合に
は、共役二重結合の影響が少なくて優れた透明性が得ら
れると推測される。
【0246】
【表2】
【0247】
【表3】
【0248】(参考例5)参考例1のベンジルメタクリ
レート系マクロモノマー50部、スチレン(St)2
9.3部、メタクリル酸(MAA)2.7部、MPA
0.45部、ブチルジグリコールアセテート(BDGA
C)100部を反応器に仕込み、93℃、窒素雰囲気下
で、一方の供給口よりSt14.7部、MAA3.3
部、MPA1.05部の混合液を2時間かけて連続供給
し、他方の供給口より、ABN−E 2部、BDGAC
28部の混合液を5時間かけて連続供給して重合をおこ
なった。さらに3時間加熱して、計8時間で重合を完結
した。GPC分析で、Mw=11,700であった。1
0倍量のn−へキサンに沈殿後、真空乾燥して、104
部の固形分を得た。
【0249】上記のようにして得られた枝/幹にカルボ
キシル基を有するグラフトポリマー104.2部、GM
A 33部(酸分に対し98モル%)、DMBA 4.
63部、MQ 0.23部、BDGAC 170部をフ
ラスコに仕込んだ。空気バブリングしながら、110℃
8時間加熱攪拌した。ガスクロマトグラフィーでGMA
が消失したことを確認し、反応を終了した。反応前の反
応液酸価が1.01meq/gであったものが、8時間
後には酸価が0.04meq/gとなり、カルボキシル
基にGMAが付加したことが分かった。
【0250】こうして得られたグラフトポリマーは幹部
がSt系ポリマー鎖、枝部がBzMA系ポリマー鎖であ
り、Mw=12,300であった。
【0251】また、原料の仕込み量から計算した二重結
合当量は1050g/eqだった。
【0252】(参考例6)グラフトポリマー重合時のM
PAの仕込み量を初期0.45部、連続供給1.05部
に変更し、グラフトポリマーに二重結合を導入する際の
GMA量を32部((酸分に対し98モル%)とした以
外は、参考例1と同様にして、二重結合含有グラフトポ
リマーを得た。
【0253】こうして得られたグラフトポリマーは幹部
がSt系ポリマー鎖、枝部がBzMA系ポリマー鎖であ
り、Mw=13,400であった。
【0254】また、原料の仕込み量から計算した二重結
合当量は600g/eqだった。
【0255】(実施例5〜7) (1)インクの調製 サンプル瓶(容量200ml)にテフロン(登録商標)
被覆した回転子を入れ、マグネチックスターラーに設置
した。このサンプル瓶の中に、メインポリマーとして上
記参考例5、6及び1で得られたグラフトポリマー、モ
ノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート
(2官能のアクリレートモノマー)及びジペンタエリス
リトールペンタアクリレート(4乃至5官能のアクリレ
ートモノマー)、開始剤としてソルスパース24000
(AVECIA社製)、分散剤として2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプ
ロパン)−1−オン、顔料としてC.I.ピグメントレ
ッド254、溶剤としてジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテートを第4表に示す配合割合に従っ
て入れ、十分に攪拌溶解した後、これを濾過してインク
β−5乃至β−7を得た。希釈用の主溶剤としてはポリ
マー合成にも用いたジエチレングリコールモノブチルエ
ーテルアセテートを用いた。
【0256】
【表4】
【0257】(2)動的粘弾性 得られたインクβ−5乃至β−7の動的粘弾性(粘度
(Visscosity)、弾性(Elasticit
y))を振動チューブフロー法により測定した。
【0258】(3)耐NMP性 得られたインクβ−5乃至β−7をスピンコーターでN
A35のガラス基板(NHテクノグラス(株)製)に塗
布量(乾燥時厚さ1.0μm)となるように塗工し、減
圧乾燥し、80℃、3分間のプリベーク処理を行った
後、500mJのUV照射を行い、オーブンにて230
℃、60分間で最終硬化を行った。
【0259】硬化皮膜を形成したガラス基板を、NMP
に液温40℃で1時間浸漬した後に引き上げ、浸漬前の
塗膜を基準として浸漬部の色差(ΔEab)を測定し
た。
【0260】(3)評価結果 上記の動的粘弾性及び耐NMP性の評価結果を第5表に
示す。参考例5、6及び1で合成したグラフトポリマー
は、いずれもインクジェット方式での吐出性に優れてい
た。
【0261】参考例5のグラフトポリマーを用いたイン
クNo.β‐5はインクジェット方式で吐出可能である
が、耐NMP性が実施例の中ではあまり良くなかった。
参考例6のグラフトポリマーを用いたインクNo.β‐
6は、二重結合等量が700g/eq以下であって硬化
性、耐NMP性が良好であるが、グラフトポリマーの分
子量が比較的大きいためインクの粘度が高くインクジェ
ット方式で吐出できる限界に近かった。参考例1のグラ
フトポリマーを用いたインクNo.β‐7は、二重結合
等量が700g/eq以下であり硬化性、耐NMP性が
良好であると共に、グラフトポリマーの分子量が比較的
小さいためインクの粘度が低くインクジェット方式での
吐出性も非常に良好であった。
【0262】
【表5】
【0263】*1:St(スチレン) *2:BzMA(ベンジルメタクリレート)
【0264】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るカラ
ーフィルター用インクジェットインク組成物は、上記第
一又は第二のメインポリマーを用いるので、インクジェ
ットヘッドからの吐出性が良好であり、且つ、透明性、
膜硬度、膜強度、密着性、溶剤に対する溶解性、洗浄時
の耐溶剤性、耐温純水性、顔料の分散性等の諸物性に優
れた硬化層を形成できる。
【0265】一般に、分子量が比較的小さいメインポリ
マーを用いるとインクの流動性が大きくなって良好な吐
出性が得られるが、皮膜の硬度、強度、耐溶剤性、耐温
純水性などの膜物性が悪くなりやすい。これに対して上
記第一及び第二のメインポリマーは、分子量が比較的小
さい場合でも膜硬度、膜強度、耐溶剤性、耐温純水性な
どの膜物性が良好である。
【0266】さらに、主溶剤として沸点が180℃〜2
60℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以下の溶
剤成分を80重量%以上の割合で含有する溶剤を用いて
本発明に係るインクジェットインク組成物の濃度を調節
する場合には、間歇吐出及び連続吐出のいずれを行う場
合でも急速には乾燥しないので、インクジェットヘッド
のノズル先端において急激な粘度の上昇や目詰まりを起
こし難く、オリフィス表面の濡れ広がりも生じ難く、吐
出方向や吐出量の安定性に優れている。
【0267】従って、本発明のインク組成物を用いイン
クジェット方式により基板表面に所定のパターンに合わ
せて吐出することにより、画素部やブラックマトリック
ス層等の着色硬化層、或いは他の細部を正確且つ均一に
形成することができる。
【0268】さらに、基板表面の所定領域内の濡れ性を
選択的に変化させることにより周囲と比べて親インク性
の大きいインク層形成領域を形成し、そこに本発明に係
るインク組成物をインクジェット方式により吹き付ける
と、一定量のインク滴が正確な位置に打ち込まれ、さら
に着弾したインク滴は着弾位置に滞留せずにインク層形
成領域の隅々にまで濡れ広がり、しかも、周囲の撥イン
ク性領域との境目からははみ出さずにインク滴が盛り上
がる。従って、厚い着色硬化層を正確に形成することが
でき、例えば、色抜けの無い且つ透過濃度の大きい画素
部が得られる。
【0269】特に、光触媒の作用により親インク性が大
きくなる方向に濡れ性を変化させる濡れ性可変層を基板
上に設け、当該濡れ性可変層を所定のパターン状に露光
することにより親インク性のインク層形成領域を形成す
る場合には、主溶剤として、JIS K6768に規定
する濡れ性試験において示された標準液を用い、液滴を
接触させて30秒後の接触角(θ)を測定し、ジスマン
プロットのグラフにより求めた臨界表面張力が30mN
/mの試験片の表面に対する接触角が25°以上を示
し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面張力が70
mN/mの試験片の表面に対する接触角が10°以下を
示すものを用いて調製したインク組成物を用いるのが好
ましく、精密且つ均一なパターン効率よく得られるよう
になる。
【0270】本発明に係るインク組成物及びカラーフィ
ルター製造方法によれば、性能の良いカラーフィルター
を製造することができ、特に、透過濃度の大きく且つ均
一で、しかも色抜けの無い画素部を精密に形成できる点
で利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶パネルの一例についての模式的断面図であ
る。
【図2】液晶パネルの別の例についての模式的断面図で
ある。
【図3】インクのオリフィス表面への濡れ広がり及びイ
ンク滴の飛行曲がりを説明する図である。
【図4】本発明のインク組成物を用いてカラーフィルタ
ーを製造する第一の方法を説明する図である。
【図5】本発明のインク組成物を用いてカラーフィルタ
ーを製造する第二の方法を説明する図である。
【図6】本発明のインク組成物を用いてカラーフィルタ
ーを製造する第二の方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…カラーフィルター 2…電極基板 3…間隙部 4…シール材 5…透明基板 6…ブラックマトリックス層 7(7R、7G、7B)…画素部 8…保護膜 9…透明電極膜 10…配向膜 11…パール 12…柱状スペーサー 13…ヘッド 13a…オリフィス表面 14…インク滴 15…透明基板 16…ブラックマトリックス層 17…撥インク性凸部 18…画素部形成領域 19…インクジェットヘッド 20…インク層 21…光線 22…画素部 23…保護膜 24…光触媒含有層 25…フォトマスク 26…露光部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 265/04 B41J 3/04 101Y 101Z (72)発明者 西山 昌 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 児島 史郎 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社高分子材料研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA24 FB01 FC01 2H086 BA05 BA52 BA55 BA59 BA60 4J026 AA17 AA43 AA45 AC22 AC23 BA05 BA25 BA27 BA30 BA31 BA50 BB02 CA02 DA02 DA08 DA12 DB02 DB09 DB12 DB26 EA08 FA03 GA09 4J039 AD03 AD10 BC13 BC15 BC20 BC25 BE01 BE12 BE27 CA07 EA06 EA36 EA38 EA39 EA43 EA44 EA46 GA24

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインポリマーとして、重量平均分子量
    が5,000〜20,000であり、且つ、主鎖及びグ
    ラフト部分のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含
    有するスチレン系ポリマー鎖により構成され、他方がメ
    タクリレート系モノマー単位を含有するメタクリレート
    系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマーを含有
    することを特徴とする、カラーフィルター用インクジェ
    ットインク組成物。
  2. 【請求項2】 前記メインポリマーがエチレン性不飽和
    結合を有することを特徴とする、請求項1に記載のカラ
    ーフィルター用インクジェットインク組成物。
  3. 【請求項3】 前記グラフトポリマーはエチレン性不飽
    和結合をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq
    以下の割合で有し、且つ、前記メタクリレート系ポリマ
    ー鎖が、ベンジルメタクリレートから誘導されるモノマ
    ー単位を含有するベンジルメタクリレート系ポリマー鎖
    であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカラ
    ーフィルター用インクジェットインク組成物。
  4. 【請求項4】 前記グラフトポリマーは、主鎖がスチレ
    ン系ポリマー鎖により構成され、前記グラフト部分がメ
    タクリレート系ポリマー鎖により構成されていることを
    特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載のカラーフ
    ィルター用インクジェットインク組成物。
  5. 【請求項5】 メインポリマーとして、エチレン性不飽
    和結合をエチレン性不飽和結合当量で1200g/eq
    以下の割合で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうち
    の一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチレン系
    ポリマー鎖により構成され、他方がベンジルメタクリレ
    ートから誘導されるモノマー単位を含有するベンジルメ
    タクリレート系ポリマー鎖により構成されるグラフトポ
    リマーを含有することを特徴とする、カラーフィルター
    用インクジェットインク組成物。
  6. 【請求項6】 前記グラフトポリマーは、主鎖がスチレ
    ン系ポリマー鎖により構成され、前記グラフト部分がベ
    ンジルメタクリレート系ポリマー鎖により構成されてい
    ることを特徴とする、請求項5に記載のカラーフィルタ
    ー用インクジェットインク組成物。
  7. 【請求項7】 前記エチレン性不飽和結合が、アクリロ
    イルオキシ基、及び/又は、メタクリロイルオキシ基に
    より構成されていることを特徴とする、請求項6に記載
    のカラーフィルター用インクジェットインク組成物。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至7いずれかに記載のカ
    ラーフィルター用インクジェットインク組成物を溶剤に
    溶解又は分散させてなることを特徴とする、カラーフィ
    ルター用インクジェットインク組成物。
  9. 【請求項9】 前記溶剤は、主溶剤として沸点が180
    ℃〜260℃で且つ常温での蒸気圧が0.5mmHg以
    下の溶剤成分を、前記溶剤の全量に対して80重量%以
    上の割合で含有することを特徴とする、請求項8に記載
    のカラーフィルター用インクジェットインク組成物。
  10. 【請求項10】 前記の主溶剤として、JIS K67
    68に規定する濡れ性試験において示された標準液を用
    い、液滴を接触させて30秒後の接触角(θ)を測定
    し、ジスマンプロットのグラフにより求めた臨界表面張
    力が30mN/mの試験片の表面に対する接触角が25
    °以上を示し、且つ、同じ測定法により求めた臨界表面
    張力が70mN/mの試験片の表面に対する接触角が1
    0°以下を示す溶剤を用いていることを特徴とする、請
    求項8又は9に記載のカラーフィルター用インクジェッ
    トインク組成物。
  11. 【請求項11】 前記の主溶剤は、エチレングリコール
    モノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
    モノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
    モノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール
    ジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブ
    チル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸
    ジメチル、又は、コハク酸ジエチルであることを特徴と
    する、請求項10に記載のカラーフィルター用インクジ
    ェットインク組成物。
  12. 【請求項12】 前記の主溶剤は、ジエチレングリコー
    ルモノブチルエーテルアセテートであることを特徴とす
    る、請求項11に記載のカラーフィルター用インクジェ
    ットインク組成物。
  13. 【請求項13】 さらに、2官能乃至3官能の多官能モ
    ノマーを、前記メインポリマー100重量部に対して1
    〜200重量部の割合で含有することを特徴とする、請
    求項1乃至12いずれかに記載のカラーフィルター用イ
    ンクジェットインク組成物。
  14. 【請求項14】 前記2官能乃至3官能の多官能モノマ
    ーが、官能基としてアクリロイルオキシ基及び/又はメ
    タクリロイルオキシ基を有するものであることを特徴と
    する、請求項13に記載のカラーフィルター用インクジ
    ェットインク組成物。
  15. 【請求項15】 前記2官能乃至3官能の多官能モノマ
    ーは、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチ
    レングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
    ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
    レート、トリプロピレングリコールジアクリレート、
    1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリメチロー
    ルプロパントリアクリレート、1,3−ブチレングリコ
    ールジメタクリレートの中から選ばれる少なくとも一種
    であることを特徴とする、請求項14に記載のカラーフ
    ィルター用インクジェットインク組成物。
  16. 【請求項16】 前記2官能乃至3官能の多官能モノマ
    ーと共に、さらに4官能以上の多官能モノマーを、前記
    2官能乃至3官能の多官能モノマー100重量部に対し
    て1〜50重量部の割合で含有することを特徴とする、
    請求項13乃至15いずれかに記載のカラーフィルター
    用インクジェットインク組成物。
  17. 【請求項17】 さらに顔料を含有することを特徴とす
    る、請求項1乃至16のいずれかに記載のカラーフィル
    ター用インクジェットインク組成物。
  18. 【請求項18】 顔料及び必要に応じて顔料分散剤を、
    主溶剤として沸点が180℃〜260℃で且つ常温での
    蒸気圧が0.5mmHg以下の溶剤成分を含有する分散
    体調製溶剤に混合して顔料分散体を調製し、得られた顔
    料分散体、下記第一又は第二いずれかのメインポリマ
    ー、 A)第一のメインポリマー:重量平均分子量が5,00
    0〜20,000であり、且つ、主鎖及びグラフト部分
    のうちの一方がスチレン系モノマー単位を含有するスチ
    レン系ポリマー鎖により構成され、他方がメタクリレー
    ト系モノマー単位を含有するメタクリレート系ポリマー
    鎖により構成されるグラフトポリマー、 B)第二のメインポリマー:エチレン性不飽和結合をエ
    チレン性不飽和結合当量で1200g/eq以下の割合
    で有し、且つ、主鎖及びグラフト部分のうちの一方がス
    チレン系モノマー単位を含有するスチレン系ポリマー鎖
    により構成され、他方がベンジルメタクリレートから誘
    導されるモノマー単位を含有するベンジルメタクリレー
    ト系ポリマー鎖により構成されるグラフトポリマー、及
    び、必要に応じてその他の成分を、新たに用意した前記
    主溶剤に混合すると共に、溶剤全量に占める前記主溶剤
    の配合割合を80重量%以上に調節することを特徴とす
    る、カラーフィルター用インクジェットインク組成物製
    造方法。
  19. 【請求項19】 前記主溶剤として、エチレングリコー
    ルモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
    ルモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
    ルモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
    ルジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジ
    ブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク
    酸ジメチル、又は、コハク酸ジエチルを用いることを特
    徴とする、請求項18に記載のカラーフィルター用イン
    クジェットインク組成物製造方法。
  20. 【請求項20】 基板上の所定領域に前記請求項1乃至
    17いずれかに記載のカラーフィルター用インクジェッ
    トインク組成物を、インクジェット方式によって選択的
    に付着させてインク層を形成する工程と、 前記インク層に光線を照射して硬化層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、カラーフィルター製造方法。
  21. 【請求項21】 基板表面の所定領域内の濡れ性を選択
    的に変化させて、周囲と比べて親インク性の大きいイン
    ク層形成領域を形成する工程と、 前記インク層形成領域に、前記請求項1乃至17いずれ
    かに記載のカラーフィルター用インクジェットインク組
    成物をインクジェット方式によって選択的に付着させて
    インク層を形成する工程と、 前記インク層に光線を照射して硬化層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、カラーフィルター製造方法。
  22. 【請求項22】 基板上に、光触媒の作用により親イン
    ク性が大きくなる方向に濡れ性を変化させることのでき
    る濡れ性可変層を形成する工程と、 前記濡れ性可変層の表面の所定領域に光線を照射するこ
    とにより濡れ性を選択的に変化させて、周囲と比べて親
    インク性の大きいインク層形成領域を形成する工程と、 前記インク層形成領域に、請求項10に記載のカラーフ
    ィルター用インクジェットインク組成物をインクジェッ
    ト方式によって選択的に付着させてインク層を形成する
    工程と、 前記インク層に光線を照射して硬化層を形成する工程と
    を含むことを特徴とする、カラーフィルター製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項17に記載のカラーフィルター
    用インクジェットインク組成物を用いてインク層を形成
    し、当該インク層に光線を照射して着色硬化層を形成す
    ることを特徴とする、請求項20乃至22いずれかに記
    載のカラーフィルター製造方法。
  24. 【請求項24】 前記着色硬化層として画素部を形成す
    ることを特徴とする、請求項23に記載のカラーフィル
    ター製造方法。
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